(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-16
(45)【発行日】2024-07-24
(54)【発明の名称】記録装置
(51)【国際特許分類】
B65H 5/00 20060101AFI20240717BHJP
B41J 2/01 20060101ALI20240717BHJP
B65H 5/02 20060101ALI20240717BHJP
【FI】
B65H5/00 B
B41J2/01 305
B65H5/02
(21)【出願番号】P 2020178015
(22)【出願日】2020-10-23
【審査請求日】2023-08-03
(73)【特許権者】
【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100179475
【氏名又は名称】仲井 智至
(74)【代理人】
【識別番号】100216253
【氏名又は名称】松岡 宏紀
(74)【代理人】
【識別番号】100225901
【氏名又は名称】今村 真之
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 功治
(72)【発明者】
【氏名】鷲尾 裕一
(72)【発明者】
【氏名】麻本 克哉
(72)【発明者】
【氏名】西沢 修平
【審査官】大山 広人
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第5301797(US,A)
【文献】特開2012-116619(JP,A)
【文献】特開2011-73813(JP,A)
【文献】実開昭60-26417(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65H 5/00
B41J 2/01
B65H 5/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
媒体に記録可能な記録部と、
前記媒体を支持する外周面を有し、前記媒体を搬送可能な搬送ベルトと、
前記外周面に接触することで前記外周面を払拭可能なワイパーと、
前記ワイパーを保持する保持部と、
前記保持部を、前記ワイパーが前記外周面に向かって移動する移動方向に移動可能に支
持する支持部と、
前記保持部が前記支持部に前記移動方向に移動可能に支持される状態において、前記ワ
イパーが前記外周面に接触可能に前記保持部を付勢する弾性部材と、
前記支持部に対して前記保持部を固定可能な固定部と、を備え
、
前記支持部は、前記移動方向に沿う支持面を有し、
前記保持部は、前記支持面に対して摺動する摺動面を有し、
前記支持面には、ネジ穴が設けられ、
前記保持部には、前記摺動面と前記保持部とを貫通する第1の孔が設けられ、
前記固定部はネジであり、前記ネジが、前記ネジの外径より大きい前記第1の孔を挿し
通した状態で、前記ネジ穴に螺合することで、前記ネジの頭部と前記支持部とに挟まれる
前記保持部が前記支持部に対して固定されることを特徴とする記録装置。
【請求項2】
前記保持部は、前記移動方向において前記ワイパーが取り付けられる先端部とは反対の
後端部を有し、
前記支持部は、前記移動方向において前記後端部の上流に設けられる立設部を有し、
前記弾性部材は、前記移動方向において前記立設部と前記後端部との間に配置されるこ
とを特徴とする請求項
1に記載の記録装置。
【請求項3】
前記弾性部材は、弦巻ばねであり、
前記立設部には、前記弦巻ばねの内周に挿し通される挿通部が設けられることを特徴と
する、請求項
2に記載の記録装置。
【請求項4】
前記挿通部は、前記立設部に設けられる第2のネジ穴に螺合される第2のネジであるこ
とを特徴とする請求項
3に記載の記録装置。
【請求項5】
前記後端部には、前記挿通部が挿し通される貫通孔が設けられることを特徴とする請求
項
3または請求項
4に記載の記録装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、記録装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、特許文献1に示すように、無端ベルトの外周面に付着したインクを払拭する払拭ブレードを備える記録装置の一例であるインクジェット記録装置が知られている。払拭ブレードは、バネによって無端ベルトの外周面への接触方向に付勢される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の記録装置のように、払拭ブレードの無端ベルトの外周面への接触をバネによる付勢で行うと、払拭ブレードの無端ベルトの外周面への接触状態が不安定になる場合がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
記録装置は、媒体に記録可能な記録部と、前記媒体を支持する外周面を有し、前記媒体を搬送可能な搬送ベルトと、前記外周面に接触することで前記外周面を払拭可能なワイパーと、前記ワイパーを保持する保持部と、前記保持部を、前記ワイパーが前記外周面に向かって移動する移動方向に移動可能に支持する支持部と、前記保持部が前記支持部に前記移動方向に移動可能に支持される状態において、前記ワイパーが前記外周面に接触可能に前記保持部を付勢する弾性部材と、前記支持部に対して前記保持部を固定可能な固定部と、を備える。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】実施形態1に係わる記録装置の概略構成を示す模式側面図。
【
図2】実施形態1に係わる記録装置の概略構成を示す模式正面図。
【
図3A】離隔位置にある洗浄槽周辺を示す模式側面図。
【
図3B】クリーニング位置にある洗浄槽周辺を示す模式側面図。
【
図4A】実施形態1に係わるワイパーユニットの模式断面図。
【
図5A】追従払拭可能状態にある実施形態1のワイパーユニットの模式断面図。
【
図5B】固定払拭可能状態にある実施形態1のワイパーユニットの模式断面図。
【
図6】ワイパーの調整方法の一例を示すフローチャート。
【
図7】実施形態2に係わる記録装置の概略構成を示す模式側面図。
【
図9A】実施形態2に係わるワイパーユニットの模式断面図。
【
図9B】ワイパーの移動量調整に係わる模式断面図。
【
図10】実施形態3に係わる記録装置の概略構成を示す模式側面図。
【
図11A】実施形態3に係わるワイパーユニットの模式断面図。
【
図12A】追従払拭可能状態にある実施形態3のワイパーユニットの模式断面図。
【
図12B】固定払拭可能状態にある実施形態3のワイパーユニットの模式断面図。
【発明を実施するための形態】
【0007】
1.実施形態1
実施形態1に係わる記録装置100の概略構成について
図1を参照して説明する。本実施形態では、媒体Pに画像などを記録することで媒体Pに捺染を行うインクジェット式の記録装置100を例示する。なお、図面に付記する座標においては、重力に沿う方向をZ軸とし、水平面に沿う方向をX軸とY軸で示す。また、重力に沿う上方向を+Z方向とする。また、記録部60と対向する媒体Pの搬送方向はY軸に沿う+Y方向と略一致する。また、媒体Pの幅方向をX軸に沿う方向とする。ここで、X軸、Y軸、及びZ軸に沿う方向において、矢印の向く方向を正とする。
【0008】
図1に示すように、記録装置100は、媒体搬送部20、媒体密着部50、記録部60、乾燥部70、洗浄部80、およびこれらの各部を制御する制御部110を備える。記録装置100の各部は、本体フレーム101に固定または位置決めされる。
【0009】
媒体搬送部20は、媒体Pを搬送経路に沿って
図1に示す矢印方向に搬送する。媒体搬送部20は、媒体供給部10、搬送ベルト33、ベルト回転ローラー31、ベルト駆動ローラー32、及び媒体回収部40を備える。まず、媒体Pが、媒体供給部10から媒体回収部40に至る搬送経路について説明する。
【0010】
媒体供給部10は、媒体Pを搬送ベルト33に供給する。媒体Pとしては、例えば、天然繊維、綿、絹、麻、モヘヤ、ウール、カシミア、再生繊維、合成繊維、ナイロン、ポリウレタン、ポリエステルや、これらの混紡からなる織布または不織布等を用いることができる。織布や不織布には、発色性や定着性の促進のための前処理剤が塗布されていてもよい。
【0011】
媒体供給部10は、帯状の媒体Pがロール状に巻かれた供給軸部11と、円筒状の供給軸部11の両端を着脱可能に且つ回転可能に支持する軸受部12と、供給軸部11を回転駆動させる図示しない回転駆動部と、第1供給ローラー13と、第2供給ローラー14と、キャスター111と、を有する。回転駆動部は、例えば電動モーターである。回転駆動部が回転駆動され、供給軸部11が回転することにより、媒体Pが送り出される。第1供給ローラー13、および第2供給ローラー14は、媒体供給部10から送り出された媒体Pを搬送ベルト33まで中継する。媒体供給部10は、記録装置100および搬送ベルト33の後方である-Y方向側から、本体フレーム101に着脱可能に固定される。
【0012】
搬送ベルト33は、記録部60と対向する媒体Pを搬送方向に搬送可能である。搬送ベルト33は、帯状のベルトの両端部が接続されて無端状に形成され、ベルト回転ローラー31とベルト駆動ローラー32との間に掛けられる。搬送ベルト33は、所定の張力が作用した状態で保持される。搬送ベルト33の外周面33aには、媒体Pを粘着させる粘着層34が設けられる。搬送ベルト33は、後述する媒体密着部50で粘着層34に密着された媒体Pを支持する。これにより、伸縮性のある布帛などを媒体Pとして扱うことができる。
【0013】
ベルト回転ローラー31およびベルト駆動ローラー32は、搬送ベルト33の内側に設けられ、搬送ベルト33の内周面33bを支持する。ベルト駆動ローラー32は、ベルト駆動ローラー32を回転駆動させる回転駆動部を有する。ベルト駆動ローラー32が回転駆動され、搬送ベルト33が回転移動することにより、ベルト回転ローラー31が従動回転する。これにより、搬送ベルト33に支持された媒体Pが搬送方向に搬送され、ベルト回転ローラー31とベルト駆動ローラー32との間に設けられる記録部60で媒体Pに画像が形成される。
【0014】
なお、ベルト回転ローラー31とベルト駆動ローラー32との間において、搬送ベルト33における記録部60と対向する部位の内周面33bを支持する支持部材が設けられた構成であってもよい。また、搬送ベルト33は、媒体Pを密着させる粘着層34を備えるものと説明したが、例えば、静電気で媒体を吸着させる静電吸着式の搬送ベルトであってもよい。
【0015】
媒体回収部40は、媒体Pを回収する。媒体回収部40は、第1回収ローラー43と、乾燥部70と、第2回収ローラー44と、媒体Pをロール状に巻き取る巻取り軸部41と、円筒状の巻取り軸部41の両端を着脱可能に且つ回転可能に支持する軸受部42と、巻取り軸部41を回転駆動させる回転駆動部と、キャスター112と、を有している。
【0016】
第1回収ローラー43は、画像の形成された媒体Pを搬送ベルト33から剥離させる。第1回収ローラー43、および第2回収ローラー44は、剥離した媒体Pを巻取り軸部41まで中継する。回転駆動部が回転駆動され、巻取り軸部41が回転することにより、媒体Pが巻き取られる。媒体回収部40は、記録装置100および搬送ベルト33の前方である+Y方向側から、本体フレーム101に着脱可能に固定される。
【0017】
次に、媒体Pの搬送経路に沿って設けられる各部について説明する。
媒体密着部50は、記録部60の搬送方向上流に設けられ、搬送ベルト33上に供給された媒体Pを粘着層34に密着させる。媒体密着部50は、円柱状に形成された押圧ローラー51と、押圧ローラー51の両端を回転可能に支持するローラー支持部52と、搬送ベルト33を介して押圧ローラー51の荷重を受けるローラー受部54と、押圧ローラー51を駆動する押圧ローラー駆動部53を有する。押圧ローラー駆動部53は、押圧ローラー51を搬送方向、及び搬送方向と逆向きの方向に移動させる。これにより、媒体Pが、押圧ローラー51の荷重によって押圧され粘着層34に密着する。
【0018】
記録部60は、搬送ベルト33の上方に配置され、搬送ベルト33上の媒体Pに記録を行う。記録部60は、ヘッド61と、ヘッド61を搭載するキャリッジ62と、キャリッジ62を支持するガイドレール63とを有する。ヘッド61は、ノズル列を構成する複数のノズルと、ノズルからインクを吐出させるアクチュエーターとを有する。各ノズル列には、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラックなどのインクが供給される。
【0019】
ガイドレール63は、X軸に沿って延びるレールであり、キャリッジ62を媒体Pの幅方向に沿って往復移動可能に支持する。
記録部60は、キャリッジ62を移動させる移動機構及び移動機構を駆動する動力源を備える。移動機構としては、例えば、ボールねじとボールナットとを組み合わせた機構や、リニアガイド機構などが採用される。動力源としては、例えば、ステッピングモーター、サーボモーター、リニアモーターなどの種々のモーターが採用される。
【0020】
乾燥部70は、媒体回収部40の取り付け軸45に回転可能に設けられる。乾燥部70は、
図1に実線で示す乾燥位置と、二点鎖線で示すメンテナンス位置と、の間を移動可能である。乾燥部70は、巻取り軸部41の搬送方向上流に設けられ、搬送ベルト33から剥離された媒体Pを乾燥させる。乾燥部70は、例えば、遠赤外線ヒーターを有し、乾燥位置において、遠赤外線ヒーターが駆動されることにより、媒体Pに浸透したインクを短時間で乾燥させる。これにより、記録済みの媒体Pを巻取り軸部41に巻き取ることができる。
【0021】
洗浄部80は、ベルト駆動ローラー32とベルト回転ローラー31との間に配置され、媒体Pを剥離後の搬送ベルト33の外周面33aを重力方向において下方から洗浄する。洗浄部80は、洗浄槽81と、洗浄ブラシ82と、ワイパーユニット83と、洗浄ブラシ82を回転駆動させる回転駆動部と、キャスター201と、昇降機構202と、を有する。洗浄部80は、媒体回収部40が本体フレーム101から取り外された状態で、記録装置100および搬送ベルト33の前方である+Y方向側から、洗浄部80をY方向に移動可能に案内する不図示の案内レールに案内されて、搬送ベルト33の外周面33aの下方に挿入され、本体フレーム101に位置決めされる。
【0022】
図2~
図3Bに示すように、洗浄槽81は、洗浄液を貯留する槽である。洗浄液としては、例えば、水やアルコール水溶液などの水溶性溶剤が用いられ、必要に応じて界面活性剤や消泡剤が添加される。洗浄槽81は、底壁81a、前壁81b、後壁81c、側壁81d、側壁81dと対向する側壁81eを備える。側壁81dには、第1位置決め部81mが設けられる。底壁81aには、廃液排出部81nが設けられる。後壁81cには、板状部材81gが設けられる。
【0023】
洗浄ブラシ82は、X方向に延びる円筒状の軸部82aと、軸部82aの外周面に設けられるブラシ82bと、を有する。ブラシ82bは、複数の毛が束ねられることにより構成され、軸部82aの回転軸を中心としてX方向から見て軸部82aの外周面から放射状に延びる。なお、図面では全周に亘ってブラシ82bの先端を連ねた輪郭が円で示されている。洗浄ブラシ82は、上部が洗浄槽81から突出するように洗浄槽81の内側に回転可能に支持される。
図3Bに示すブラシ82bと搬送ベルト33の外周面33aとが接触するクリーニング位置において、洗浄ブラシ82が回転され、搬送ベルト33の外周面33aに付着したインクや布帛の繊維などが取り除かれる。
【0024】
図3A、
図3Bに示すように、ワイパーユニット83は、搬送ベルト33の外周面33aに接触することで、搬送ベルト33の外周面33aを払拭可能なワイパー301を有する。ワイパー301は、払拭部301aと、基部301bと、を有する。ワイパー301は、シリコーンゴム等の弾性を有する弾性部材で形成されている。ワイパー301は、ワイパー301が接触する外周面33aの移動方向において、洗浄ブラシ82の下流に位置し、少なくともワイパー301の払拭部301aが洗浄槽81から突出するように洗浄槽81に設けられる。払拭部301aは、搬送ベルト33の幅に亘ってX方向に延びるように設けられる。払拭部301aが基部301bから搬送ベルト33の外周面33aに向かって延びる延び出し方向は、ワイパー301が接触する外周面33aの移動方向に対して傾斜する。すなわち、払拭部301aの先端が、ワイパー301が接触する外周面33aの移動方向において、基部301b側である払拭部301aの後端より下流に位置するように傾斜している。ワイパー301の払拭部301aと搬送ベルト33の外周面33aとが接触するクリーニング位置において、搬送ベルト33が回転することにより、ワイパー301の払拭部301aと搬送ベルト33の外周面33aとが摺動し、搬送ベルト33の外周面33aに残留する洗浄液が除去される。除去された洗浄液は洗浄槽81内の廃液排出部81nを経由して洗浄槽81外の廃液収集部等に収集される。
【0025】
なお、
図3Bに示すクリーニング位置において、ワイパー301の払拭部301aが接触する搬送ベルト33の部位の内側には、ベルト支持部35が設けられる。ベルト支持部35は、記録装置100におけるX方向に延びるように設けられ、搬送ベルト33の内周面33bを、支持面35aにより支持する。これにより、搬送ベルト33がワイパー301からの押し付け荷重によって搬送ベルト33の内側方向に変位することを抑制可能となる。
【0026】
昇降機構202は、洗浄槽81、洗浄ブラシ82、およびワイパーユニット83をZ方向に昇降させる。洗浄槽81、洗浄ブラシ82、およびワイパーユニット83は、昇降機構202の昇降動作により、ブラシ82bおよびワイパー301の払拭部301aと搬送ベルト33の外周面33aとが接触するクリーニング位置と、ブラシ82bおよびワイパー301の払拭部301aが搬送ベルト33の外周面33aから離れる離隔位置と、に移動可能である。
【0027】
クリーニング位置では、洗浄槽81の側壁81dに形成される第1位置決め部81mが、本体フレーム101に設けられる第1位置決めピン103によって+Z方向およびY方向への移動を規制されることにより、ブラシ82bおよび払拭部301aの位置が搬送ベルト33の外周面33aに対して規定される。
【0028】
図4Aに示すように、ワイパーユニット83は、ワイパー301を保持する保持部302と、保持部302を支持する支持部303と、支持部303に対して保持部302を固定可能な少なくとも1つの固定ネジ351と、少なくとも1つの弦巻ばね371と、を備える。固定ネジ351は固定部の一例であり、弦巻ばね371は弾性部材の一例である。固定ネジ351は、頭部351aと、ねじ山を有する軸部351bと、を有するボルトである。頭部351aには、固定ネジ351を軸部351bの中心軸回りに回転させるための六角穴が設けられる。あるいは、頭部351aに、直線溝、十字穴等を設けてもよい。あるいは、頭部351aが固定ネジ351を軸部351bの中心軸回りに回転させるための六角形状、つまみ形状、レバー形状であってもよい。本実施形態のように、固定ネジ351は、頭部351aに、頭部351aの外径より大きい外径を有する座金を予め備えてもよい。弦巻ばね371は、圧縮コイルばねである。
【0029】
図4Aに示すように、支持部303は、保持部302を、ワイパー301が搬送ベルト33の外周面33aに向かって移動する移動方向Aに、移動可能に支持する。移動方向Aは、払拭部301aの延び出し方向に沿う方向である。支持部303は、洗浄槽81の後壁81cに設けられる板状部材81gに、固定される。なお、移動方向Aと交差してY-Z平面に含まれる方向を方向Bとする。
【0030】
図4A、
図4Bに示すように、支持部303は、板状部材81gに固定された状態において、洗浄槽81の側壁81dおよび側壁81eよりも+X方向及び-X軸方向に位置するアクセス部303sを有する。すなわち、アクセス部303sは、X方向において洗浄槽81の両外側に位置し、ユーザーが方向Bから視認可能である。
図2、
図4Bに示すように、アクセス部303sが位置する洗浄槽81の両外側の領域は、洗浄部80が本体フレーム101に位置決めされて搬送ベルト33の外周面33aの下方に位置する状態において、記録装置100の前方である+Y方向側からユーザーがアクセス可能なアクセス領域AAである。アクセス部303sには、弦巻ばね371を支持する立設部303cが設けられる。保持部302を移動方向Aに移動可能に支持する支持面303aが、少なくともアクセス部303sに設けられている。アクセス部303sには、支持面303aを方向Bに貫通するネジ穴303tが設けられる。立設部303cには、立設部303cを移動方向Aに貫通する第2のネジ穴303eが設けられる。第2のネジ穴303eには、第2のネジ352が螺合される。第2のネジ352は、挿通部の一例である。第2のネジ352は、頭部352aと、ねじ山を有する軸部352bと、を有するボルトである。
【0031】
図4Aに示すように、保持部302は、角管形状をしており、ワイパー301が取り付けられる先端部302bと、移動方向Aにおいて先端部302bとは反対の後端部302cと、被固定部302sと、接続部302dと、を有する。先端部302bは、ワイパー301の基部301bを支持した状態で、保持部302に取り付け部材381が取り付けられることで、ワイパー301を保持する。後端部302cには、後端部302cを移動方向Aに貫通する貫通孔302eが設けられる。貫通孔302eは第2のネジ352の外径より大きく、頭部352aが通過しない形状である。第2のネジ352の外径とは、第2のネジ352における軸部352bの直径のことである。すなわち、移動方向Aから見て、貫通孔302eは軸部352bの外径より大きく、頭部352aの外径より小さい。
【0032】
保持部302の被固定部302sは、保持部302が支持部303に対して移動方向Aに移動するときに、アクセス部303sの支持面303aに対して摺動する摺動面302aを有する。被固定部302sは、移動方向Aにおいて、先端部302bと後端部302cとの間に位置する。保持部302の被固定部302sには、支持部303のネジ穴303tに対応する位置に、摺動面302aと被固定部302sとを方向Bに貫通する貫通孔302tが設けられる。貫通孔302tは、第1の孔の一例である。貫通孔302tは固定ネジ351の外径より大きく、頭部351aが通過しない形状である。固定ネジ351の外径とは、固定ネジ351における軸部351bの直径のことである。すなわち、具体的には、方向Bから見て、貫通孔302tは軸部351bの外径より大きく、頭部351aの外径より小さい。接続部302dは、先端部302bと後端部302cとを接続する。接続部302dには、被固定部302sの貫通孔302tに対応する位置に貫通孔302fが設けられている。貫通孔302fは、固定ネジ351を回転させる工具が挿入可能な孔である。被固定部302sは、洗浄部80が本体フレーム101に位置決めされて搬送ベルト33の外周面33aの下方に位置する状態において、媒体回収部40が取り外された記録装置100の前方である+Y方向側からアクセス可能なアクセス領域AAに位置する。
【0033】
保持部302は、固定ネジ351が、被固定部302sに設けられる貫通孔302tを挿し通した状態で、支持部303のアクセス部303sに設けられるネジ穴303tにねじ込まれることで、固定ネジ351の頭部351aと支持部303とに挟まれる被固定部302sが支持部303に対して締め付けられることにより固定される。すなわち、固定ネジ351が、貫通孔302tに挿し通された状態で、ネジ穴303tに螺合することで、固定ネジ351の頭部351aと支持部303とに挟まれる保持部302が支持部303に対して固定される状態になる。このとき、ワイパー301は、移動方向Aに移動しない固定状態となる。また、固定ネジ351を回転させて、固定ネジ351の締め付けを緩めることにより、
図4Aに示すように、摺動面302aが支持面303aに対して摺動可能となる。そして、保持部302は、支持部303に、移動方向Aに移動可能に支持される状態になる。保持部302の支持部303に対する移動方向Aに移動可能な移動量MDは、固定ネジ351の外径に対して貫通孔302tを大きくすることにより多くなる。例えば、貫通孔302tの形状を移動方向Aに沿う方向の寸法が、搬送ベルト33の幅方向であるX方向の寸法より大きい長孔形状にしてもよい。これにより、固定ネジ351の締め付けが緩められた状態において、保持部302のX方向における最大移動量が、保持部302移動方向Aにおける最大移動量より小さくなる。すなわち、固定ネジ351の締め付けが緩められた状態において、保持部302のX方向における移動を制限できる。ゆえに、固定ネジ351の締め付けが緩められた状態において、支持部303に対するX方向における保持部302の位置を、固定ネジ351の外径と長孔形状に形成された貫通孔302tとによって規定できる。
【0034】
支持部303が保持部302を支持する支持状態において、立設部303cは、保持部302の後端部302cに対して、移動方向Aにおける上流に位置する。支持状態において、第2のネジ352は、立設部303c側から移動方向Aに沿って後端部302cの貫通孔302eに挿し通されている。また、支持状態において、移動方向Aにおける立設部303cと後端部302cとの間には、弦巻ばね371が、その内周に第2のネジ352が挿し通された状態で配置されている。このため、弦巻ばね371は、保持部302が支持部303に移動方向Aに移動可能に支持される状態において、保持部302を移動方向Aに押している。すなわち、弦巻ばね371は、保持部302が支持部303に移動方向Aに移動可能に支持される状態において、ワイパー301の払拭部301aが搬送ベルト33の外周面33aに接触可能に保持部302を付勢している。本実施形態では、保持部302が支持部303に移動方向Aに移動可能に支持され、払拭部301aが搬送ベルト33の外周面33aに接触していない状態、且つ、固定ネジ351の締め付けが緩められた状態において、保持部302は、弦巻ばね371の作用により移動方向Aに移動する。そして、貫通孔302tを構成する内壁の移動方向Aにおける上流端が固定ネジ351に押し付けられ、当該内壁が固定ネジ351に当接した時点で、移動方向Aにおける保持部302の移動が規制される。このとき、ワイパー301の払拭部301aは、保持部302の移動が規制された規制状態にある位置から移動方向Aと反対方向に、移動量MD分移動可能な移動可能状態にある。
【0035】
洗浄部80を搬送ベルト33の外周面33aの下方に配置し、制御部110が昇降機構202を駆動することにより、移動可能状態にあるワイパー301の払拭部301aを、離隔位置からクリーニング位置に移動させる。これにより、
図5Aに示すように、クリーニング位置において、払拭部301aが搬送ベルト33の外周面33aに接触するとき、ワイパー301の払拭部301aは、搬送ベルト33の外周面33aに対して移動方向Aに所定の荷重PLで押し付けられる押し付け状態になる。
【0036】
このとき、ワイパー301の払拭部301aは、固定ネジ351の締め付けが緩められた場合、搬送ベルト33の外周面33aを払拭可能なクリーニング位置において、搬送ベルト33の外周面33aに対して移動方向Aに所定の荷重PLで押し付けられる。これにより、ワイパー301の払拭部301aは、移動方向Aに移動可能な追従払拭可能状態となる。この状態で、制御部110からの制御信号に基づいて搬送ベルト33が回転移動されることにより、記録装置100は、搬送ベルト33の外周面33aを、追従払拭可能状態のワイパー301の払拭部301aにより払拭する追従払拭動作が実行可能である。なお、所定の荷重PLは、例えば、弦巻ばね371を、弦巻ばね371と仕様の異なる弦巻ばねに交換することで変更可能である。
【0037】
また、本実施形態において、保持部302の被固定部302sおよび固定ネジ351の頭部351aは、洗浄部80が本体フレーム101に位置決めされ、搬送ベルト33の外周面33aの下方に位置する状態において、記録装置100の前方である+Y方向側からアクセス可能なアクセス領域AAに位置する。このため、ワイパー301の払拭部301aが押し付け状態にある保持部302を、記録装置100の前方から被固定部302sにアクセスし、
図5Bに示すように、固定ネジ351により支持部303に対して締め付け固定することができる。これにより、ワイパー301の払拭部301aを、搬送ベルト33の外周面33aを払拭可能なクリーニング位置において、搬送ベルト33の外周面33aに対して移動方向Aに所定の荷重PLで押し付けられる。これによりワイパー301の払拭部301aは、移動方向Aに移動しない固定払拭可能状態となる。この状態で、制御部110からの制御信号に基づいて搬送ベルト33を回転移動されることにより、記録装置100は、搬送ベルト33の外周面33aを、固定払拭可能状態のワイパー301の払拭部301aにより払拭する固定払拭動作が実行可能である。
【0038】
ワイパー301を、ばねやゴム等の弾性部材で搬送ベルト33の外周面33aに向けて付勢して、搬送ベルト33の外周面33aに接触させた状態で、搬送ベルト33の外周面33aを回転移動させることで、搬送ベルト33の外周面33aの払拭を行うと、移動する搬送ベルト33の外周面33aとの接触により、ワイパー301の振動や必要以上の移動等が発生する場合がある。このような場合、搬送ベルト33の外周面33aへのワイパー301の接触状態が不安定になり、搬送ベルト33の外周面33aの払拭が良好に行えない場合がある。
【0039】
本実施形態の記録装置100は、搬送ベルト33の外周面33aに接触することで外周面33aを払拭可能なワイパー301と、ワイパー301を保持する保持部302と、保持部302を、ワイパー301が外周面33aに向かって移動する移動方向Aに移動可能に支持する支持部303と、保持部302が支持部303に移動方向Aに移動可能に支持される状態において、ワイパー301が外周面33aに接触可能に保持部302を付勢する弦巻ばね371と、支持部303に対して保持部302を固定可能な固定ネジ351と、を備える。これによれば、弾性部材によるワイパー301の外周面33aへの接触状態が不安定な場合には、固定ネジ351により保持部302を支持部303に固定することで、ワイパー301の外周面33aへの接触状態が不安定になることを低減し、外周面33aを払拭することができる。
【0040】
次に、本実施形態におけるワイパー301の調整方法の一例について、
図6を使用して説明する。まず、ステップS11では、保持部302を支持部303に対して移動方向Aに移動可能にすることで、ワイパー301の払拭部301aを移動可能状態にするワイパー前準備を行う。ワイパー前準備は、洗浄部80が搬送ベルト33の外周面33aの下方に配置された状態で行ってもよいし、洗浄部80を記録装置100から取り外した状態で行ってもよい。
【0041】
ステップS12では、洗浄部80が、記録装置100および搬送ベルト33の前方である+Y方向側から、媒体回収部40が取り外された記録装置100内に挿入され、搬送ベルト33の外周面33aの下方に配置された状態で、昇降機構202を駆動して、洗浄槽81を離隔位置からクリーング位置に移動させるワイパー接触を行う。ワイパー接触を行うことにより、移動可能状態にあるワイパー301の払拭部301aは、搬送ベルト33の外周面33aに接触し、クリーニング位置に配置される。このとき、ワイパー301の払拭部301aは、搬送ベルト33の外周面33aに対して移動方向Aに所定の荷重PLで押し付けられ、かつ移動方向Aに移動可能な追従払拭可能状態にある。
【0042】
ステップS13では、ワイパー301の払拭部301aが搬送ベルト33の外周面33aに対して押し付け状態にあるクリーニング位置において、固定ネジ351を締め付けることにより、保持部302を支持部303に対して締め付け固定するワイパー固定を行う。ワイパー固定を行うことにより、ワイパー301の払拭部301aは、搬送ベルト33の外周面33aを払拭可能なクリーニング位置において、搬送ベルト33の外周面33aに対して移動方向Aに所定の荷重PLで押し付けられ、かつ移動方向Aに移動しない固定払拭可能状態となる。
【0043】
本実施形態によれば、以下の効果を得ることができる。
記録装置100は、媒体Pに記録可能な記録部60と、媒体Pを支持する外周面33aを有し、媒体Pを搬送可能な搬送ベルト33と、搬送ベルト33の外周面33aに接触することで外周面33aを払拭可能なワイパー301と、ワイパー301を保持する保持部302と、保持部302を、ワイパー301が外周面33aに向かって移動する移動方向Aに移動可能に支持する支持部303と、保持部302が支持部303に移動方向Aに移動可能に支持される状態において、ワイパー301が外周面33aに接触可能に保持部302を付勢する弾性部材と、支持部303に対して保持部302を固定可能な固定部と、を備える。これによれば、弾性部材によるワイパー301の外周面33aへの接触状態が不安定な場合には、固定部により保持部302を支持部303に固定することで、ワイパー301の外周面33aへの接触状態が不安定になることを低減し、外周面33aを払拭することができる。
【0044】
支持部303は、移動方向Aに沿う支持面303aを有し、保持部302は、支持面303aに対して摺動する摺動面302aを有し、支持面303aには、ネジ穴303tが設けられ、保持部302には、摺動面302aと保持部302とを方向Bに貫通する貫通孔302tが設けられ、前記固定部は固定ネジ351であり、固定ネジ351が、固定ネジ351の外径より大きい貫通孔302tを挿し通した状態で、ネジ穴303tに螺合することで、固定ネジ351の頭部351aと支持部303とに挟まれる保持部302が支持部303に対して固定される。これによれば、貫通孔302tを挿し通した状態でネジ穴303tに螺合する固定ネジ351を緩めることで、保持部302が支持部303に固定される状態を、保持部302が支持部303に移動方向に移動可能に支持される状態にすることができる。
【0045】
保持部302は、移動方向Aにおいてワイパー301が取り付けられる先端部302bとは反対の後端部302cを有し、支持部303は、移動方向Aにおいて後端部302cの上流に設けられる立設部303cを有し、前記弾性部材は、移動方向Aにおいて立設部303cと後端部302cとの間に配置される。これによれば、移動方向Aにおいて立設部303cと後端部302cとの間に弾性部材を配置することで、弾性部材が保持部302を移動方向Aに付勢することができる構成を容易に形成できる。
【0046】
前記弾性部材は、弦巻ばね371であり、立設部303cには、弦巻ばね371の内周に挿し通される挿通部が設けられる。これによれば、弦巻ばね371の立設部303cに対する位置を規定することができる。また、弦巻ばね371が立設部303cと後端部302cとの間の配置位置から外れることを抑制できる。
【0047】
前記挿通部は、立設部303cに設けられる第2のネジ穴303eに螺合される第2のネジ352である。これによれば、挿通部としての第2のネジ352を立設部303cから取り外すことで、弾性部材を取り外すことができる。また、支持部303から保持部302を完全に取り外すことなく弦巻ばね371の交換を行うことができる。また、弦巻ばね371を交換する際に、第2のネジ352の先端を立設部303cに螺合させた状態を維持することができるので、第2のネジ352が不用意に落下することを抑制できる。
【0048】
後端部302cには、前記挿通部が挿し通される貫通孔302eが設けられる。これによれば、前記挿通部が後端部302cに干渉することを抑制できる。また、弦巻ばね371が立設部303cと後端部302cとの間の配置位置から外れることをより抑制できる。
【0049】
2.実施形態2
実施形態2に係わる記録装置400においては、上記実施形態1における本体フレーム101、および洗浄部80が本体フレーム401、および洗浄部480に変更されている。なお、実施形態1と同一の構成部位については、同一の番号を使用し、重複する説明は省略する。
【0050】
図7に示すように、本体フレーム401は、実施形態1における本体フレーム101に第2位置決めピン405を加えたものである。第2位置決めピン405は、洗浄槽481を後述する調整位置に位置決めする。第2位置決めピン405は、洗浄槽481と接触しない退避位置と、本体フレーム401から-X方向に突出し、洗浄槽481を調整位置に位置決めする突出位置と、の間をX方向に移動可能である。洗浄部480においては、実施形態1における洗浄部80の洗浄槽81、およびワイパーユニット83が、洗浄槽481、およびワイパーユニット483に変更されている。
【0051】
図8A、
図8Bに示すように、洗浄槽481は、実施形態1における洗浄槽81に第2位置決め部481fを加えたものである。第2位置決め部481fは、洗浄槽481の側壁81dに設けられている。第2位置決め部481fにおける記録装置400の前方である+Y方向側には位置決め端部481gが設けられる。媒体回収部40が本体フレーム401から取り外され、本体フレーム401の第2位置決めピン405が突出位置にある状態で、洗浄部480が記録装置400の前方である+Y方向側から、不図示の案内レールに案内されながら、-Y方向となる記録装置400内に挿入される。すると、
図8Aに示すように、洗浄槽481は、第2位置決め部481fが第2位置決めピン405にガイドされ、Z方向への移動が規制される。洗浄部480が-Y方向にさらに挿入されると、
図8Bに示すように、位置決め端部481gが第2位置決めピン405と接触し、-Y方向への移動を規制され、洗浄槽481は調整位置に位置決めされる。
【0052】
図8Bに示す調整位置において、ワイパー301の払拭部301aが接触する搬送ベルト33の部位は、図に一点鎖線で示すように、ベルト駆動ローラー32の回転中心の鉛直下方に位置し、ベルト駆動ローラー32によって搬送ベルト33の内周面33bが内側から支持されている。また、調整位置は、調整位置におけるワイパー301の払拭部301aが接触する搬送ベルト33の外周面33aと調整位置における洗浄槽481とのZ方向における距離が、クリーニング位置におけるワイパー301の払拭部301aが接触する搬送ベルト33の外周面33aとクリーニング位置における洗浄槽481とのZ方向における距離と同じになるように設定されている。また、洗浄槽481が調整位置にあるとき、アクセス部303s、および被固定部302sを含み、記録装置400の前方側となるワイパーユニット483の前面領域は、記録装置400の前方である+Y方向側からアクセス可能である。これによれば、本実施形態の記録装置400は、ワイパー301の調整方法におけるワイパー固定を、調整位置において、クリーニング位置で行う場合と実質同じ調整精度で行うことができる。
【0053】
図9Aに示すように、ワイパーユニット483においては、実施形態1におけるワイパーユニット83の保持部302、および支持部303が、保持部702、および支持部703に変更されている。保持部702においては、実施形態1における保持部302の後端部302cが、後端部702cに変更されている。後端部702cにおいては、実施形態1における後端部302cの貫通孔302eがネジ穴702gに変更されている。支持部703においては、実施形態1における支持部303の立設部303cが、立設部703cに変更されている。立設部703cにおいては、実施形態1における立設部303cの第2のネジ穴303eが貫通孔703gに変更されている。貫通孔703gは第2のネジ352の外径より大きく、第2のネジ352の頭部352aが通過しない形状である。
【0054】
支持部703が保持部702を支持する支持状態において、立設部703cは、保持部702の後端部702cに対して、移動方向Aにおける上流に位置する。支持状態において、第2のネジ352は、立設部703cの貫通孔703gを移動方向Aに沿って挿し通し、後端部702cのネジ穴702gにねじ込まれている。また、支持状態において、移動方向Aにおける立設部703cと後端部702cとの間には、弦巻ばね371が、その内周に第2のネジ352が挿し通された状態で配置されている。このため、弦巻ばね371は、保持部702が支持部703に移動方向Aに移動可能に支持される状態において、保持部702を移動方向Aに押している。すなわち、弦巻ばね371は、保持部702が支持部703に移動方向Aに移動可能に支持される状態において、ワイパー301の払拭部301aが搬送ベルト33の外周面33aに接触可能に保持部702を付勢している。
【0055】
そして、保持部702が支持部703に移動方向Aに移動可能に支持され、払拭部301aが搬送ベルト33の外周面33aに接触していない状態、且つ、固定ネジ351の締め付けが緩められた状態において、保持部702は、弦巻ばね371に移動方向Aに移動する。そして、貫通孔302tを構成する内壁の移動方向Aにおける上流端が固定ネジ351に押し付けられ、当該内壁が固定ネジ351に当接した時点で、移動方向Aにおける保持部302の移動が規制される。このとき、ワイパー301の払拭部301aは、保持部302の移動が規制された規制状態にある位置から移動方向Aと反対方向に、移動量MD分移動可能な移動可能状態にある。また、このとき、
図9Aに示すように、第2のネジ352の頭部352aは立設部703cと接触しておらず、頭部352aと立設部703cとの間には隙間が設けられている。
【0056】
本実施形態では、この状態から第2のネジ352をネジ穴702gにねじ込むことで、第2のネジ352の頭部352aを立設部703cに接触させてから、
図9Bに示すように、第2のネジ352をネジ穴702gにさらにねじ込み量SD分ねじ込むことで、ワイパー301の払拭部301aを、規制状態にある位置から移動方向Aと反対方向に、ねじ込み量SD分移動させることが可能である。すなわち、本実施形態では、第2のネジ352のネジ穴702gへのねじ込み量を変更することで、移動可能状態にあるワイパー301の払拭部301aの位置を移動方向Aに沿う方向に調整可能である。
【0057】
また、本実施形態では、支持部703が保持部702を支持する支持状態において、第2のネジ352が、弦巻ばね371の内周を挿し通し、後端部702cのネジ穴702gにねじ込まれている。これによれば、支持状態において、固定ネジ351が取り外された場合に、ワイパー301を保持する保持部702、および弦巻ばね371が、支持部703から脱落しにくい。
【0058】
本実施形態におけるワイパー301の調整方法は、実施形態1においてクリーニング位置で行われるワイパー接触およびワイパー固定を、調整位置で行う。また、必要に応じて、ワイパー固定を行う前、またはワイパー前準備において、第2のネジ352のネジ穴702gへのねじ込み量を変更することで、ワイパー301の払拭部301aの位置を移動方向Aに沿う方向に移動させて調整してもよい。
【0059】
本実施形態においても、記録装置400は、保持部702が支持部703に移動方向Aに移動可能に支持される状態において、ワイパー301が外周面33aに接触可能に保持部702を付勢する弦巻ばね371と、支持部703に対して保持部702を固定可能な固定ネジ351と、を備える。これによれば、弦巻ばね371によるワイパー301の外周面33aへの接触状態が不安定な場合には、固定ネジ351により保持部702を支持部703に固定することで、ワイパー301の外周面33aへの接触状態が不安定になることを低減し、外周面33aを払拭することができる。
【0060】
3.実施形態3
実施形態3に係わる記録装置500は、上記実施形態1における洗浄部80が、洗浄部580に変更されている。また、洗浄部580においては、上記実施形態1におけるワイパーユニット83が、ワイパーユニット583に変更されている。なお、実施形態1と同一の構成部位については、同一の番号を使用し、重複する説明は省略する。
【0061】
ワイパーユニット583は、ワイパーユニット83の保持部302、支持部303、および弦巻ばね371を、保持部802、支持部803、および弦巻ばね871に変更したものであり、弦巻ばね871は引っ張りコイルばねである。
【0062】
図10~
図11Bに示すように、支持部803は、洗浄部580の洗浄槽81が本体フレーム101に位置決めされ、搬送ベルト33の外周面33aの下方に位置する状態において、記録装置500の後方である-Y方向側からアクセス可能なアクセス部803sを有する。方向Cは、方向Bと反対方向である。アクセス部803sへは、媒体供給部10が本体フレーム101から取り外されることで、記録装置500の後方である-Y方向側からアクセス可能となる。このため、本実施形態の支持部803および支持部803が有するアクセス部803sは、
図11Bに示すように、支持部803が板状部材81gに固定された状態において、洗浄槽81の側壁81dおよび側壁81eからX方向となる洗浄槽81の外側に突出していない。
【0063】
支持部803は、支持部803が板状部材81gに固定された状態におけるX方向となる支持部803の幅方向に、少なくとも両端部を含む複数のアクセス部803sを有する。支持部803は、保持部802を移動方向Aに移動可能に支持する支持面803aを、アクセス部803sに有する。アクセス部803sにおける記録装置500の後方側となる面をアクセス面803vとした場合、支持面803aは、アクセス面803vの反対側の面である。アクセス部803sには、アクセス面803v、および支持面803aを方向Bに貫通する貫通孔803tが設けられる。貫通孔803tは固定ネジ351の外径より大きく、固定ネジ351の頭部351aが通過しない形状である。
【0064】
支持部803のアクセス面803v側には、弦巻ばね871のフック871faを掛けるばね掛け部803uが設けられる。
図11Bに示すように、ばね掛け部803uは、支持部803の幅方向において、両端のアクセス部803sに設けられる貫通孔803tの間となる位置に少なくとも1つ設けられる。本実施形態では、ばね掛け部803uは、支持部803の幅方向における両端のアクセス部803sに各2つ設けられる。
図11A、
図11Bに示すように、支持部803には、移動方向Aにおいて、ばね掛け部803uの上流側となる位置に、アクセス面803vおよび支持面803aと支持部803とを方向Bに貫通する貫通孔803wが設けられている。すなわち、ばね掛け部803uと同じ数の貫通孔803wが設けられる。
【0065】
図11A、
図11Bに示すように、保持部802においては、実施形態1における保持部302の被固定部302s、摺動面302a、後端部302c、および接続部302dが、被固定部802s、摺動面802a、後端部802c、および接続部802dに変更されている。被固定部802sおよび摺動面802aは、実施形態1における被固定部302sおよび摺動面302aの貫通孔302tを、ネジ穴802hに変更し、摺動面302aにばね掛け部802uを設けたものである。後端部802cは、実施形態1における後端部302cから貫通孔302eを除いたものである。接続部802dは、実施形態1における接続部302dから貫通孔302fを除いたものである。被固定部802sは、支持部803のアクセス部803sに対応する位置に設けられる。ネジ穴802hは、支持部803の貫通孔803tに対応する位置に設けられる。ばね掛け部802uは、弦巻ばね871のフック871fbが掛けられる。ばね掛け部802uは、支持部803の貫通孔803wに対応する位置に設けられ、摺動面802aから突出するピンである。ばね掛け部802uのピン径は、貫通孔803wより小さい。
【0066】
保持部802の被固定部802sは、固定ネジ351が、支持部803の貫通孔803tをアクセス面803v側から挿し通した状態で、被固定部802sに設けられるネジ穴802hに螺合することで、固定ネジ351の頭部351aと被固定部802sとに挟まれる支持部803に対して締め付け固定される状態になる。すなわち、固定ネジ351が、貫通孔803tを挿し通した状態で、ネジ穴802hに螺合することで、保持部802は、固定ネジ351の頭部351aと保持部802とに挟まれる支持部803に対して固定される状態になる。このとき、ワイパー301は、移動方向Aに移動しない固定状態となる。また、固定ネジ351を回転させて、固定ネジ351の締め付けを緩めることにより、摺動面802aが支持面803aに対して摺動可能となり、保持部802は、支持部803に、移動方向Aに移動可能に支持される状態になる。保持部802の支持部803に対する移動方向Aに移動可能な移動量MDは、固定ネジ351の外径に対する貫通孔803tの大きさ、およびばね掛け部802uのピン径に対する貫通孔803wの大きさを大きくすることにより多くなる。例えば、支持部803に対して、搬送ベルト33の幅方向となるX方向における保持部802の位置を、固定ネジ351の外径と貫通孔803tによって規定する場合、貫通孔803tの形状を移動方向Aに沿う方向の寸法がX方向の寸法より大きい長孔形状にしてもよい。
【0067】
支持部803が保持部802を支持する支持状態において、保持部802のばね掛け部802uは、支持部803のばね掛け部803uに対して、移動方向Aにおける上流に位置する。支持状態において、弦巻ばね871のフック871faを支持部803のばね掛け部803uに掛け、弦巻ばね871のフック871fbを保持部802のばね掛け部802uに掛けることにより、弦巻ばね871は、保持部802が支持部803に移動方向Aに移動可能に支持される状態において、保持部802を移動方向Aに引っ張る。すなわち、弦巻ばね871は、保持部802が支持部803に移動方向Aに移動可能に支持される状態において、ワイパー301の払拭部301aが搬送ベルト33の外周面33aに接触可能に保持部802を付勢している。本実施形態では、保持部802が支持部803に移動方向Aに移動可能に支持され、払拭部301aが搬送ベルト33の外周面33aに接触していない状態において、保持部802が弦巻ばね871に移動方向Aに片寄せられると、保持部802は、被固定部802sのネジ穴802hにねじ込まれる固定ネジ351が、貫通孔803tの移動方向Aにおける下流端に押し付けられる片寄せ状態になっている。このとき、ワイパー301の払拭部301aは、片寄せ状態にある位置から移動方向Aと反対方向に、移動量MD分移動可能な移動可能状態にある。
【0068】
洗浄部580を搬送ベルト33の外周面33aの下方に配置し、制御部110が昇降機構202を駆動することにより、移動可能状態にあるワイパー301の払拭部301aを、離隔位置からクリーニング位置に移動させて、
図12Aに示すように、搬送ベルト33の外周面33aに接触させると、ワイパー301の払拭部301aは、搬送ベルト33の外周面33aに対して移動方向Aに所定の荷重PLで押し付けられる押し付け状態になる。
【0069】
このとき、ワイパー301の払拭部301aは、搬送ベルト33の外周面33aを払拭可能なクリーニング位置において、搬送ベルト33の外周面33aに対して移動方向Aに所定の荷重PLで押し付けられ、かつ移動方向Aに移動可能な追従払拭可能状態となる。この状態で、制御部110がベルト駆動ローラー32を回転駆動し、搬送ベルト33の外周面33aが移動することにより、記録装置500は、搬送ベルト33の外周面33aを、追従払拭可能状態のワイパー301の払拭部301aにより払拭する追従払拭動作が実行可能である。なお、所定の荷重PLは、例えば、弦巻ばね871を、弦巻ばね871と仕様の異なる弦巻ばねに交換することで変更可能である。
【0070】
また、本実施形態において、保持部802における被固定部802sのネジ穴802hにねじ込まれる固定ネジ351の頭部351a、および弦巻ばね871は、洗浄部580が本体フレーム101に位置決めされ、搬送ベルト33の外周面33aの下方に位置する状態において、記録装置500の後方である-Y方向側からアクセス可能な支持部803のアクセス面803v側に位置する。このため、クリーニング位置において、ワイパー301の払拭部301aが押し付け状態にある保持部802を、記録装置500の後方からアクセス面803v側にアクセスし、
図12Bに示すように、固定ネジ351により支持部803に対して締め付け固定することができる。これにより、ワイパー301の払拭部301aを、搬送ベルト33の外周面33aを払拭可能なクリーニング位置において、搬送ベルト33の外周面33aに対して移動方向Aに所定の荷重PLで押し付けられ、かつ移動方向Aに移動しない固定払拭可能状態とすることができる。この状態で、制御部110がベルト駆動ローラー32を回転駆動し、搬送ベルト33の外周面33aが移動することにより、記録装置500は、搬送ベルト33の外周面33aを、固定払拭可能状態のワイパー301の払拭部301aにより払拭する固定払拭動作が実行可能である。
【0071】
本実施形態におけるワイパー301の調整方法は、実施形態1におけるワイパー301の調整方法と同じであるが、本実施形態では、クリーニング位置でワイパー固定を行うときに、記録装置500の後方からワイパーユニット583にアクセスする。
【0072】
本実施形態においても、記録装置500は、保持部802が支持部803に移動方向Aに移動可能に支持される状態において、ワイパー301が外周面33aに接触可能に保持部802を付勢する弦巻ばね871と、支持部803に対して保持部802を固定可能な固定ネジ351と、を備える。これによれば、弦巻ばね871によるワイパー301の外周面33aへの接触状態が不安定な場合には、固定ネジ351により保持部802を支持部803に固定することで、ワイパー301の外周面33aへの接触状態が不安定になることを低減し、外周面33aを払拭することができる。
【0073】
上記実施形態および以下に説明する他の実施形態は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。以下、他の実施形態について説明する。
【0074】
ワイパー301の調整を、洗浄槽が、クリーニング位置からY方向とは異なる方向に離れる調整位置で行ってもよい。例えば、実施形態2において、ベルト支持部35を、搬送ベルト33の内側を支持する位置から-X方向に離れる記録装置400の外側の突出位置に移動可能とする。また、洗浄部480の移動を案内する案内レールの案内方向をX方向に変更する。ワイパー301の調整を行う場合には、洗浄部480を、搬送ベルト33の鉛直下方となる位置から-X方向に離れ、突出位置にあるベルト支持部35の鉛直下方となる位置に移動させる。そして、昇降機構202を駆動して、洗浄槽481を、クリーニング位置より搬送ベルト33の厚さ分、+Z方向となる調整位置に移動させ、ワイパー固定を行う。これによれば、調整位置におけるワイパー301の払拭部301aが接触するベルト支持部35の支持面35aと調整位置における洗浄槽481とのZ方向における距離が、クリーニング位置におけるワイパー301の払拭部301aが接触する搬送ベルト33の外周面33aとクリーニング位置における洗浄槽481とのZ方向における距離と実質的に等しい。また、洗浄部480が調整位置にあるとき、アクセス部303s、および被固定部302sを含むワイパーユニット483は、アクセス可能な記録装置400の外側に位置する。これによれば、ワイパー301の調整方法におけるワイパー固定を、調整位置において、クリーニング位置で行う場合と実質同じ調整精度で行うことができる。
【0075】
実施形態1から実施形態3のいずれかにおいて、ワイパー301の調整方法におけるワイパー固定を、ワイパー301の払拭部301aが搬送ベルト33の外周面33aに対して押し付け状態にあるクリーニング位置において、ベルト駆動ローラー32を回転駆動し、搬送ベルト33の外周面33aが移動している状態で行ってもよい。また、実施形態1および実施形態3のいずれかにおいて、ワイパー301の調整方法におけるワイパー固定を、ワイパー301の払拭部301aが搬送ベルト33の外周面33aに対して押し付け状態にあるクリーニング位置において、洗浄ブラシ82を回転駆動して搬送ベルト33の洗浄が行われ、搬送ベルト33の外周面33aが移動している状態で行ってもよい。これによれば、ワイパー301による外周面33aの払拭状況を確認しながらワイパー固定を行うことができる。また、払拭状況の確認結果に基づいて、ワイパー301の外周面33aへの押し付け荷重を変更してもよい。
【0076】
実施形態1において、固定部により支持部303に対して保持部302を固定した後、弦巻ばね371を立設部303cと後端部302cとの間の配置位置から取り外してもよい。
【0077】
挿通部は第2のネジ352でなくてもよい。例えば、実施形態1において、挿通部は立設部303cに設けられる貫通孔に圧入されるピン形状の別部材であってもよいし、支持部303を板金部材で形成し、挿通部を立設部303cから曲げ起こして形成してもよい。
【0078】
ワイパー301の払拭部301aが基部301bから搬送ベルト33の外周面33aに向かって延びる延び出し方向は、ワイパー301が接触する外周面33aの移動方向において、払拭部301aの先端が基部301b側となる払拭部301aの後端より下流に位置するように傾斜していなくてもよい。例えば、実施形態1において、ワイパー301の払拭部301aが基部301bから搬送ベルト33の外周面33aに向かって延びる延び出し方向が、搬送ベルト33の外周面33aに対して垂直であってもよい。
【0079】
ワイパーユニットの支持部が、保持部を、ワイパーが搬送ベルトの外周面に向かう移動方向に移動可能に支持する場合の移動方向は、ワイパーの払拭部の延び出し方向と同じでなくてもよい。例えば、実施形態1において、ワイパー301の払拭部301aの延び出し方向が、ワイパー301が接触する外周面33aの移動方向において、払拭部301aの先端が基部301b側となる払拭部301aの後端より下流に位置するように傾斜しており、支持部303が、保持部302を、ワイパー301が搬送ベルト33の外周面33aに向かう移動方向Aに移動可能に支持する場合の移動方向Aが、搬送ベルト33の外周面33aに対して垂直であってもよい。
【0080】
弾性部材は弦巻ばね371でなくてもよい。例えば、実施形態2において、弾性部材は、支持状態において、移動方向Aにおける立設部303cと後端部302cとの間に配置されるねじりコイルばねであってもよいし、板ばねであってよいし、ゴムばねであってもよい。
【0081】
固定部は、ネジでなくてもよい。例えば、固定部は、実施形態1において、支持部303のアクセス部303sに軸中心に回転可能に取り付けられる締め付け部材であってもよい。この場合、締め付け部材は、保持部302の被固定部302sと接触する凸部と、被固定部302sと接触しない非接触部と、を有するカム面を備え、軸中心に回転することで、凸部と支持部303との間に被固定部302sを挟み固定する固定位置と、凹部と支持部303との間に被固定部302sが位置する移動可能位置と、を切り換え可能な回転カム部と、回転カム部を軸中心に回転可能なレバーと、により構成されてもよい。すなわち、固定部は、保持部302を支持部303に固定する作用を有する機構なら、その構造は限定されない。
【0082】
実施形態1において、媒体回収部40を記録装置100から取り外して、アクセス領域AAへアクセスしなくてもよい。例えば、媒体回収部40を記録装置100に取り付けた状態で、乾燥部70をメンテナンス位置に移動させることで、記録装置100の前方である+Y方向側からアクセス領域AAにアクセスしてもよい。
【符号の説明】
【0083】
10…媒体供給部、11…供給軸部、12…軸受部、20…媒体搬送部、13…第1供給ローラー、14…第2供給ローラー、31…ベルト回転ローラー、32…ベルト駆動ローラー、33…搬送ベルト、33a…外周面、33b…内周面、34…粘着層、35…ベルト支持部、35a…支持面、40…媒体回収部、41…巻取り軸部、42…軸受部、43…第1回収ローラー、44…第2回収ローラー、45…取り付け軸、50…媒体密着部、51…押圧ローラー、52…ローラー支持部、53…押圧ローラー駆動部、54…ローラー受部、60…記録部、61…ヘッド、62…キャリッジ、63…ガイドレール、70…乾燥部、80,480,580…洗浄部、81,481…洗浄槽、81a…底壁、81b…前壁、81c…後壁、81d…側壁、81e…側壁、81g…板状部材、81m…第1位置決め部、81n…廃液排出部、82…洗浄ブラシ、82a…軸部、82b…ブラシ、83,483,583…ワイパーユニット、100,400,500…記録装置、101,401…本体フレーム、103…第1位置決めピン、110…制御部、111…キャスター、112…キャスター、201…キャスター、202…昇降機構、301…ワイパー、301a…払拭部、301b…基部、302,702,802…保持部、302a,802a…摺動面、302b…先端部、302c,702c,802c…後端部、302d,802d…接続部、302e…貫通孔、302f…貫通孔、302s,802s…被固定部、302t…貫通孔、303,703,803…支持部、303a,803a…支持面、303c,703c…立設部、303e…第2のネジ穴、303s,803s…アクセス部、303t…ネジ穴、351…固定ネジ、351a…頭部、351b…軸部、352…第2のネジ、352a…頭部、352b…軸部、381…取り付け部材、405…第2位置決めピン、481f…第2位置決め部、481g…位置決め端部、702g…ネジ穴、703g…貫通孔、802h…ネジ穴、802u…ばね掛け部、803t…貫通孔、803u…ばね掛け部、803v…アクセス面、803w…貫通孔、871fa…フック、871fb…フック。