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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-16
(45)【発行日】2024-07-24
(54)【発明の名称】ダンパー、実装体、および電子制御装置
(51)【国際特許分類】
   F16F 15/06 20060101AFI20240717BHJP
   F16F 7/00 20060101ALI20240717BHJP
   F16F 15/08 20060101ALI20240717BHJP
   H05K 5/02 20060101ALI20240717BHJP
【FI】
F16F15/06 Z
F16F7/00 B
F16F7/00 C
F16F15/08 E
H05K5/02 L
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2020192578
(22)【出願日】2020-11-19
(65)【公開番号】P2022081190
(43)【公開日】2022-05-31
【審査請求日】2023-02-15
(73)【特許権者】
【識別番号】000004260
【氏名又は名称】株式会社デンソー
(74)【代理人】
【氏名又は名称】矢作 和行
(74)【代理人】
【識別番号】100121991
【弁理士】
【氏名又は名称】野々部 泰平
(74)【代理人】
【識別番号】100145595
【弁理士】
【氏名又は名称】久保 貴則
(72)【発明者】
【氏名】多田 伸吾
(72)【発明者】
【氏名】篠田 遼一
【審査官】大山 広人
(56)【参考文献】
【文献】特開平08-210436(JP,A)
【文献】特開2002-057475(JP,A)
【文献】特開2001-124126(JP,A)
【文献】特開平08-282046(JP,A)
【文献】特開2004-338565(JP,A)
【文献】特開2022-017991(JP,A)
【文献】特開2000-314446(JP,A)
【文献】実開昭62-116587(JP,U)
【文献】特開2009-087976(JP,A)
【文献】特開昭53-095475(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0145300(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16F 15/06
F16F 7/00
F16F 15/08
H05K 5/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
被支持部材(1,2a)が支持部材(3a,3b)に支持具(2b,2c,201,202)によって支持された状態で、前記被支持部材と前記支持具との間、および前記被支持部材と前記支持部材との間の少なくとも一方に配置されるダンパーであって、
前記被支持部材に対する応力を緩和するものであり、前記被支持部材と対向する対向部(S1)と、前記対向部の反対部(S2)と、前記対向部と前記反対部との間の側面部(S3)とを有した緩衝部材(611)と、
前記側面部に配置され、前記緩衝部材と前記緩衝部材の外部とを隔離する保護部材(612a~612d)と、を備えており、
前記緩衝部材は、隙間が設けられた状態で金属線材が編まれたものであり、
前記保護部材は、前記側面部に加えて、前記隙間に配置されているダンパー。
【請求項2】
被支持部材(1,2a)が支持部材(3a,3b)に支持具(2b,2c,201,202)によって支持された状態で、前記被支持部材と前記支持具との間、および前記被支持部材と前記支持部材との間の少なくとも一方に配置されるダンパーであって、
前記被支持部材に対する応力を緩和するものであり、前記被支持部材と対向する対向部(S1)と、前記対向部の反対部(S2)と、前記対向部と前記反対部との間の側面部(S3)とを有し、隙間が設けられた状態で金属線材が編まれた緩衝部材(611)と、
前記側面部に配置され、前記緩衝部材と前記緩衝部材の外部とを隔離する保護部材(612a~612d)と、を備えているダンパー。
【請求項3】
前記保護部材は、前記側面部の全域に配置されている請求項1または2に記載のダンパー。
【請求項4】
前記保護部材は、粘性材である請求項1~3のいずれか1項に記載のダンパー。
【請求項5】
前記緩衝部材は、前記支持具の一部が挿入される貫通穴(613)が設けられている請求項1~のいずれか1項に記載のダンパー。
【請求項6】
前記緩衝部材の前記反対部を覆う第1カバー(62a~62c)と、
前記緩衝部材の前記対向部を覆う第2カバー(63a~63c)と、
前記第1カバーと高さ基準部との間に配置され、前記第1カバーと前記高さ基準部との間隔を調整する調整部材(64,64a,64b)を、さらに備えた請求項1~のいずれか1項に記載のダンパー。
【請求項7】
前記緩衝部材の前記反対部を覆う第1壁部(621a)と、前記第1壁部から突出し前記側面部の対向領域に配置された第1側壁(622)とを有した第1カバー(62d)と、
前記緩衝部材の前記対向部を覆う第2壁部(631a)と、前記第2壁部から突出し前記側面部および前記第1側壁の対向領域に配置された第2側壁(632)とを有した第2カバー(63d)と、を備えている請求項1~5のいずれか1項に記載のダンパー。
【請求項8】
被支持部材(1,2a)が支持部材(3a,3b)に支持具(2b,2c,201,202)によって支持された状態で、前記被支持部材と前記支持具との間、および前記被支持部材と前記支持部材との間の少なくとも一方に配置されるダンパーであって、
前記被支持部材に対する応力を緩和するものであり、前記被支持部材と対向する対向部と、前記対向部の反対部と、前記対向部と前記反対部との間の側面部とを有し、隙間が設けられた状態で金属線材が編まれた緩衝部材(611)と、
前記緩衝部材の前記反対部を覆う第1壁部(621a)と、前記第1壁部から突出し前記側面部の対向領域に配置された第1側壁(622)とを有した第1カバー(62d)と、
前記緩衝部材の前記対向部を覆う第2壁部(631a)と、前記第2壁部から突出し前記側面部および前記第1側壁の対向領域に配置された第2側壁(632)とを有した第2カバー(63d)と、を備えているダンパー。
【請求項9】
前記第1側壁は、前記第2側壁よりも前記側面部から離れた位置に設けられている請求項7または8に記載のダンパー。
【請求項10】
請求項~9のいずれか1項に記載された、ダンパーおよび前記被支持部材と、
前記ダンパーと前記被支持部材とを接続する導電性の接続部材(54)と、を備え、
前記ダンパーの前記第2カバーは、導電性を有するものであり、
前記被支持部材は、表面に導電性の実装パターン(43)が設けられており、
前記第2カバーと前記実装パターンとが前記接続部材で接続され、前記ダンパーが前記被支持部材に表面実装されている実装体。
【請求項11】
請求項1~9のいずれか1項に記載された、ダンパー、前記被支持部材、前記支持部材、および前記支持具を備え、
前記被支持部材は、電気絶縁性の絶縁基板(4a,4b)に電子部品(51~53)と導電性の配線(42)とが設けられた回路基板であり、
前記回路基板と前記支持具との間、および前記回路基板と前記支持部材との間の少なくとも一方に前記ダンパーが配置された状態で、前記支持部材に支持されている電子制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ダンパー、実装体、および電子制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ダンパーの一例として、特許文献1に開示された防振ブッシュがある。防振ブッシュは、金属を用いて形成された内筒部と、ゴムを用いて形成され、内筒部の外面に固定される外筒部と、外筒部におけるねじの頭部と対向する面に固定される座金部を備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2014-95441号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
防振ブッシュは、ゴムを用いて形成された外筒部に異物が付着することもありうるため、さらなる改良が求められている。
【0005】
開示される第1の目的は、改良されたダンパー、実装体、電子制御装置を提供することである。開示される他の目的は、機能が低下することを抑制できるダンパーを提供することである。開示される他の目的は、応力を確実に緩和できる実装体を提供することである。開示される他の目的は、応力が印加されることを抑制できる電子制御装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
ここに開示されたダンパーは、
被支持部材(1,2a)が支持部材(3a,3b)に支持具(2b,2c,201,202)によって支持された状態で、被支持部材と支持具との間、および被支持部材と支持部材との間の少なくとも一方に配置されるダンパーであって、
被支持部材に対する応力を緩和するものであり、被支持部材と対向する対向部(S1)と、対向部の反対部(S2)と、対向部と反対部との間の側面部(S3)とを有した緩衝部材(611)と、
側面部に配置され、緩衝部材と緩衝部材の外部とを隔離する保護部材(612a~612d)と、を備えており、
緩衝部材は、隙間が設けられた状態で金属線材が編まれたものであり、
保護部材は、側面部に加えて、隙間に配置されている。
【0007】
ここに開示されたダンパーによると、緩衝部材の側面部に保護部材が設けられている。このため、ダンパーは、緩衝部材に異物が付着することを抑えることができる。よって、ダンパーは、機能が低下することを抑制できる
また、ここに開示された他のダンパーは、
被支持部材(1,2a)が支持部材(3a,3b)に支持具(2b,2c,201,202)によって支持された状態で、被支持部材と支持具との間、および被支持部材と支持部材との間の少なくとも一方に配置されるダンパーであって、
被支持部材に対する応力を緩和するものであり、被支持部材と対向する対向部と、対向部の反対部と、対向部と反対部との間の側面部とを有し、隙間が設けられた状態で金属線材が編まれた緩衝部材(611)と、
緩衝部材の反対部を覆う第1壁部(621a)と、第1壁部から突出し側面部の対向領域に配置された第1側壁(622)とを有した第1カバー(62d)と、
緩衝部材の対向部を覆う第2壁部(631a)と、第2壁部から突出し側面部および第1側壁の対向領域に配置された第2側壁(632)とを有した第2カバー(63d)と、を備えている。
【0008】
ここに開示されたダンパーによると、緩衝部材の側面部の対向領域に第1壁部と第2壁部とが設けられている。このため、ダンパーは、緩衝部材に異物が付着することを抑えることができる。よって、ダンパーは、機能が低下することを抑制できる。
【0009】
また、ここに開示された実装体は、
ダンパーおよび被支持部材と、
ダンパーと被支持部材とを接続する導電性の接続部材(54)と、を備え、
ダンパーの第2カバーは、導電性を有するものであり、
被支持部材は、表面に導電性の実装パターン(43)が設けられており、
第2カバーと実装パターンとが接続部材で接続され、ダンパーが被支持部材に表面実装されている。
【0010】
ここに開示された実装体によると、上記ダンパーを備えているため、被支持部材に対する応力を確実に緩和できる。また、実装体は、ダンパーが被支持部材に表面実装されているため、ダンパーが位置ずれすることを抑制できる。
【0011】
また、ここに開示された電子制御装置は、
ダンパー、被支持部材、支持部材、および支持具を備え、
被支持部材は、電気絶縁性の絶縁基板(4a,4b)に電子部品(51~53)と導電性の配線(42)とが設けられた回路基板であり、
回路基板と支持具との間、および回路基板と支持部材との間の少なくとも一方にダンパーが配置された状態で、支持部材に支持されている。
【0012】
ここに開示された電子制御装置によると、回路基板と支持具との間、および回路基板と支持部材との間の少なくとも一方にダンパーが配置されているため、被支持部材に対する応力を確実に緩和することができる。よって、電子制御装置は、電子部品や電子部品と絶縁基板との接続部に応力が印加されることを抑制できる。
【0013】
この明細書において開示された複数の形態は、それぞれの目的を達成するために、互いに異なる技術的手段を採用する。請求の範囲およびこの項に記載した括弧内の符号は、後述する実施形態の部分との対応関係を例示的に示すものであって、技術的範囲を限定することを意図するものではない。この明細書に開示される目的、特徴、および効果は、後続の詳細な説明、および添付の図面を参照することによってより明確になる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】第1実施形態における電子制御装置の概略構成を示す分解斜視図である。
図2】第1実施形態における電子制御装置の概略構成を示す断面図である。
図3】第1実施形態におけるダンパーの概略構成を示す平面図である。
図4】第1実施形態におけるダンパーと回路基板とベースの拡大図である。
図5図4のV部分の拡大図である。
図6】第1実施形態における衝撃吸収部材の概略構成を示す断面図である。
図7】変形例1におけるダンパーの概略構成を示す断面図である。
図8】変形例2におけるダンパーの概略構成を示す断面図である。
図9】変形例3におけるダンパーの概略構成を示す断面図である。
図10】変形例4におけるダンパーの概略構成を示す断面図である。
図11】変形例5におけるダンパーの概略構成を示す断面図である。
図12】変形例6におけるダンパーの概略構成を示す断面図である。
図13】変形例7におけるダンパーの概略構成を示す断面図である。
図14】第2実施形態におけるダンパーの概略構成を示す断面図である。
図15】変形例8におけるダンパーの概略構成を示す断面図である。
図16】変形例9におけるダンパーの概略構成を示す断面図である。
図17】第3実施形態におけるダンパーの概略構成を示す平面図である。
図18図17のXVIII‐XVIII線に沿う断面図である。
図19】第4実施形態におけるダンパーの概略構成を示す断面図である。
図20】変形例10におけるダンパーの概略構成を示す断面図である。
図21】変形例11におけるダンパーの概略構成を示す断面図である。
図22】第5実施形態におけるダンパーの概略構成を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下において、図面を参照しながら、本開示を実施するための複数の形態を説明する。各形態において、先行する形態で説明した事項に対応する部分には同一の参照符号を付して重複する説明を省略する場合がある。各形態において、構成の一部のみを説明している場合は、構成の他の部分については先行して説明した他の形態を参照し適用することができる。
【0016】
(第1実施形態)
図1図6を用いて、本実施形態の電子制御装置100、および電子制御装置100に設けられたダンパー6aに関して説明する。
【0017】
<電子制御装置>
まず、図1図2を用いて、電子制御装置100に関して説明する。電子制御装置100は、回路基板1、カバー2a、ベース3a、ダンパー6aなどを備えている。電子制御装置100は、例えば車両に搭載可能に構成されている。よって、電子制御装置100は、車載機器を制御する制御装置に適用可能である。なお、図1、2では、ダンパー6aを簡略化して図示している。
【0018】
回路基板1は、被支持部材に相当する。回路基板1は、絶縁基板4aと、回路素子51,52と、コネクタ53などを備えている。絶縁基板4aは、樹脂やセラミックスなどの電気絶縁性の基板である。絶縁基板4aは、厚み方向に貫通した第2挿入穴41が設けられている。第2挿入穴41は、第2ねじ202が挿入される穴である。第2挿入穴41は、例えば絶縁基板4aの四隅などに設けられている。なお、本実施形態では、一例として、コネクタ53を備えた回路基板1を採用している。しかしながら、本開示は、コネクタ53を備えていない回路基板1であっても採用できる。
【0019】
絶縁基板4aは、導電性の配線の一部である配線パターン42が設けられている。配線パターン42は、絶縁基板4aの表面や内部などに設けられている。回路基板1は、絶縁基板4aを介して配線パターン42が積層された多層基板や、絶縁基板4aに単層の配線パターン42が設けられた単層基板などを用いることができる。
【0020】
回路素子51,52、およびコネクタ53は、電子部品に相当する。回路素子51,52、およびコネクタ53は、絶縁基板4aに実装されている。
【0021】
回路素子51,52は、例えば、半導体スイッチング素子、抵抗素子、コンデンサなどである。回路素子51は、絶縁基板4aの一面に実装されている。一方、回路素子52は、絶縁基板4aの一面の反対面に実装されている。詳述すると、回路素子51,52は、導電性の接続部材を介して絶縁基板4aに実装されている。また、回路素子51,52は、接続部材を介して配線パターン42と電気的に接続されている。
【0022】
なお、回路素子51,52の個数は、図1に図示されたものに限定されない。また、本実施形態では、導電性の接続部材の一例として、はんだを採用する。しかしながら、導電性の接続部材は、はんだに限定されず銀ペーストなど他の部材であっても採用できる。はんだや配線パターン42は、電子部品と絶縁基板4aとの接続部とみなすことができる。
【0023】
コネクタ53は、端子531と端子531を保持しているコネクタケースなどを備えている。コネクタ53は、端子531と配線とがはんだによって電気的に接続された状態で、絶縁基板4aに実装されている。コネクタ53は、電子制御装置100と電子制御装置100の外部に設けられた外部装置との電気的な接続のために設けられている。外部装置は、他の電子制御装置や制御対象の装置などである。また、コネクタ53は、例えば、車載ネットワークの通信線に接続するためのインターフェイスであってもよい。つまり、本実施形態では、そのインターフェイスの一例としてコネクタ53を採用している。
【0024】
図2に示すように、回路基板1は、第2ねじ202によって、ベース3aに支持されている。詳述すると、回路基板1は、ダンパー6aを介して、第2ねじ202によって、ベース3aに支持されている。また、回路基板1は、複数の第2ねじ202によって、ベース3aに支持されている。本実施形態では、一例として、四つの第2ねじ202によって、ベース3aに支持されている例を採用している。ダンパー6aは、各第2ねじ202と回路基板1との間に配置されている。
【0025】
第2ねじ202は、支持具に相当する。第2ねじ202は、例えば金属を主成分としたものを採用できる。第2ねじ202は、雄ねじが設けられた柱状部と、柱状部の端部に設けられたねじ頭が設けられている。図2に示すように、第2ねじ202は、柱状部が第2挿入穴41とダンパー6aのカバー開口部65に挿入された状態で、柱状部の一部がベース3aに設けられた第2ねじ穴32(雌ねじ)に螺合される。
【0026】
よって、回路基板1は、第2ねじ202の雄ねじと、第2ねじ穴32の雌ねじとが嵌め合わさることで、ベース3aに支持される。また、回路基板1は、第2ねじ202によってベース3aにねじ止めされているといえる。この状態で、第2ねじ202は、ねじ頭がダンパー6aを押圧している。なお、ダンパー6aに関しては、後ほど詳しく説明する。
【0027】
カバー2aとベース3aは、回路基板1を収容する筐体である。カバー2aとベース3aは、組付けられることで回路基板1を収容する収容空間を形成する。カバー2aとベース3aは、例えばアルミニウムなどの金属を主成分として構成されている。よって、カバー2aとベース3aは、導電性を有している。
【0028】
しかしながら、筐体は、これに限定されない。例えば、カバー2aとベース3aは、樹脂などを主成分として構成されていてもよい。また、カバー2aとベース3aの一方のみが、金属を主成分として構成されていてもよい。
【0029】
カバー2aは、例えば板状の部材である。カバー2aは、板厚方向に貫通した第1挿入穴21が設けられている。第1挿入穴21は、例えばカバー2aの四隅に設けられている。第1挿入穴21は、第1ねじ201が挿入される穴である。
【0030】
ベース3aは、支持部材に相当する。ベース3aは、例えば凹部を有した箱状の部材である。ベース3aは、第1ねじ穴31、第2ねじ穴32、コネクタ用穴33が設けられている。第1ねじ穴31は、第2ねじ穴32と同様、雌ねじである。第1ねじ穴31は、例えばベース3aの四隅に設けられている。また、第1ねじ穴31は、例えばベース3aのフランジ部に設けられている。さらに、第1ねじ穴31は、カバー2aとベース3aとが対向配置された状態で、第1挿入穴21に対向する位置に設けられている。
【0031】
第2ねじ穴32は、ベース3aにおける回路基板1が配置される配置部に設けられる。第2ねじ穴32は、例えば回路基板1の四隅に対向する位置に設けられている。詳述すると、第2ねじ穴32は、配置部に回路基板1が配置された状態で、第2挿入穴41に対向する位置に設けられている。
【0032】
コネクタ用穴33は、ベース3aの底部に設けられた貫通穴である。コネクタ用穴33は、コネクタ53の外形に対応した開口形状を有している。コネクタ用穴33は、配置部に回路基板1が配置された状態で、コネクタ53が挿入される。なお、コネクタ用穴33は、ベース3aに設けられていなくてもよい。
【0033】
第1ねじ201は、第2ねじ202と同様の構成を有している。図2に示すように、第1ねじ201は、柱状部が第1挿入穴21に挿入された状態で、柱状部の一部がベース3aに設けられた第1ねじ穴31に螺合される。よって、カバー2aは、第1ねじ201の雄ねじと、第1ねじ穴31の雌ねじとが嵌め合わさることで、ベース3aに固定される。また、カバー2aとベース3aは、第1ねじ201によって、ねじ止めされるといえる。
【0034】
<ダンパー>
次に、図2図6を用いて、ダンパー6aに関して説明する。
【0035】
ダンパー6aは、回路基板1に対する応力(外力)を緩和するための部材である。例えば、ダンパー6aは、回路基板1に加えられる衝撃を吸収するものである。ダンパー6aは、組み付け歪や熱衝撃や振動などの応力から回路基板1を保護するためのものである。つまり、ダンパー6aは、回路基板1にかかる衝撃によって、はんだや配線パターン42などにクラックが入ったり、電子部品に不具合が生じたりすることを抑制するためのものである。
【0036】
図2に示すように、ダンパー6aは、第2ねじ202によって回路基板1がベース3aに支持された状態で、回路基板1と第2ねじ202のねじ頭との間に配置される。しかしながら、ダンパー6aの位置は、それに限定されない。ダンパー6aは、回路基板1と第2ねじ202(ねじ頭)との間、および回路基板1とベース3aとの間の少なくとも一方に配置されていればよい。よって、ダンパー6aは、回路基板1とベース3aとの間のみに配置されていてもよい。また、ダンパー6aは、回路基板1と第2ねじ202との間、および回路基板1とベース3aとの間の両方に配置されていてもよい。
【0037】
このように、回路基板1は、第2ねじ202のねじ頭との間にダンパー6aが設けられている。よって、回路基板1は、第2ねじ202によって、ベース3aにねじ止めされていたとしても、ベース3aに固定されているわけではない。つまり、回路基板1は、ベース3aにねじ止めされていても、上下方向における移動(変位)が完全に妨げられるわけではない。回路基板1は、ダンパー6aが弾性変形する分だけ変位可能な状態でベース3aに支持されている。なお、上下方向は、絶縁基板4aの厚み方向と一致する。
【0038】
図3図4図5図6に示すように、ダンパー6aは、衝撃吸収部材611、保護部材612a、第1カバー62a、第2カバー63a、高さ調整部材64を備えている。衝撃吸収部材611は、緩衝部材に相当する。衝撃吸収部材611は、保護部材612aとともに吸収構造体61を構成している。よって、吸収構造体61は、衝撃吸収部材611と保護部材612aとを備えている。なお、図4のダンパー6aは、図3のIV‐IV線の断面図に相当する。
【0039】
図5図6に示すように、本実施形態では、衝撃吸収部材611の一例として、ワイヤーメッシュを採用している。ワイヤーメッシュは、隙間が設けられた状態で金属線材が編まれたものである。ワイヤーメッシュは、金属線材が規則正しく編まれたものに限定されさない。ワイヤーメッシュは、金属線材を複雑に絡めて編まれたものであっても採用できる。また、ワイヤーメッシュは、金属線材が絡み合った連続多孔体ともいえる。さらに、ワイヤーメッシュは、金属線材が絡まった状態で圧縮形成されたものともいえる。ワイヤーメッシュは、金属製のクッション部材ともいえる。金属線材は、例えば、ステンレスなどを採用できる。しかしながら、金属線材は、ステンレスに限定されず、アルミニウムや鉄などであっても採用できる。
【0040】
衝撃吸収部材611は、応力が印加されることで弾性変形可能に構成されている。衝撃吸収部材611は、回路基板1と第2ねじ202のねじ頭との間に配置された状態で、少なくとも上下方向における外力が印加された場合に、弾性変形するものであれば採用できる。ダンパー6aは、主に、衝撃吸収部材611が応力を緩和する機能を担っている。なお、衝撃吸収部材611は、応力緩和部材と言い換えることもできる。
【0041】
図4に示すように、衝撃吸収部材611は、回路基板1と対向する対向部S1と、対向部の反対部S2と、対向部と反対部との間の側面部S3とを有している。対向部S1は、衝撃吸収部材611における回路基板1と対向する面である。よって、対向部S1は、対向面S1ともいえる。また、反対部S2は、衝撃吸収部材611における対向面S1の反対面S2といえる。そして、側面部S3は、衝撃吸収部材611における側面S3といえる。なお、対向面S1と反対面S2との間隔は、衝撃吸収部材611の厚みと一致する。
【0042】
対向面S1と反対面S2は、例えば、平坦面であり、互いに平行に設けられている。対向面S1と反対面S2は、ダンパー6aが回路基板1上に配置された状態で、絶縁基板4aと平行な面である。しかしながら、本開示は、これに限定されない。対向面S1と反対面S2は、平坦でなくてもよい。また、対向面S1と反対面S2は、絶縁基板4aと平行でなくてもよい。
【0043】
側面S3は、対向面S1と反対面S2とに連なる面である。また、側面S3は、対向面S1および反対面S2と交差する仮想平面に沿って設けられている。例えば、側面S3は、対向面S1および反対面S2と直交する面である。さらに、側面S3は、衝撃吸収部材611の外周に環状に設けられた部位である。よって、ここでの側面S3は、後ほど説明する吸収部材穴613を規定する面とは異なる。側面S3は、衝撃吸収部材611の外周側面ともいえる。一方、吸収部材穴613を規定する面は、内周側面ともいえる。
【0044】
なお、本開示では、金属線材による凹凸や後ほど説明する保護部材612aによる凹凸があったとしても平坦面とみなす。当然ながら、平坦面は、金属線材による凹凸や後ほど説明する保護部材612aによる凹凸がない面も含んでいる。
【0045】
図4図6に示すように、衝撃吸収部材611は、吸収部材穴613が設けられている。吸収部材穴613は、貫通穴に相当する。吸収部材穴613は、対向面S1から反対面S2にわたって設けられた穴である。よって、衝撃吸収部材611は、筒状に設けられているといえる。吸収部材穴613内には、高さ調整部材64および第2ねじ202の一部が挿入される。
【0046】
保護部材612aは、主に、衝撃吸収部材611の機能が低下しないように保護するものである。つまり、保護部材612aは、衝撃吸収部材611に異物が付着して、衝撃吸収部材611の機能が低下することを抑制するものである。また、保護部材612aは、衝撃吸収部材611から金屑などが周辺に排出されることを抑制する機能も有している。
【0047】
衝撃吸収部材611の側面S3に配置されている。さらに、図5に示すように、本実施形態では、衝撃吸収部材611の側面S3に加えて、衝撃吸収部材611の隙間にも保護部材612aが設けられている。さらに、保護部材612aは、側面S3の全域に配置されている。保護部材612aは、衝撃吸収部材611と衝撃吸収部材611の外部とを隔離している。また、保護部材612aは、少なくとも衝撃吸収部材611の側面S3を覆っているといえる。なお、衝撃吸収部材611の外部は、衝撃吸収部材611の周辺や、衝撃吸収部材611の外部環境などともいえる。
【0048】
保護部材612aは、粘性材である。言い換えると、保護部材612aは、粘弾性特性のある有機物を主成分として構成されている。また、保護部材612aは、例えばシリコン部材などを採用することができる。保護部材612aは、紫外線硬化などで粘性が変化する。
【0049】
保護部材612aは、含浸することで、衝撃吸収部材611の側面S3および隙間に設けられる。吸収構造体61は、衝撃吸収部材611を保護部材612aに浸すなどして、隙間に保護部材612aが設けられる。そして、隙間に保護部材612aが設けられた状態で、紫外線などによって粘性を調整する。このとき、ダンパー6aの特性が所望の値となるように、粘性を調整する。また、保護部材612aの粘性を調整することで、吸収構造体61の圧縮率を所望の値に調整するともいえる。
【0050】
図4に示すように、吸収構造体61は、第1カバー62aと第2カバー63aとで部分的に覆われている。つまり、吸収構造体61は、第1カバー62aと第2カバー63aとで挟まれた状態で保持されている。よって、第1カバー62aと第2カバー63aは、吸収構造体61を介して対向配置されている。また、第1カバー62aと第2カバー63aは、吸収構造体61が弾性変形するため、互いに近づいたり遠ざかったりする。
【0051】
第1カバー62aは、第1カバー対向壁621a、第1カバー側壁622を備えている。第1カバー62aは、衝撃吸収部材611の少なくとも反対面S2を覆う環状部材である。つまり、第1カバー62aは、環状の第1カバー対向壁621aと環状の第1カバー側壁622を備えている。第1カバー対向壁621aは、例えば第1カバー側壁622と一体物として構成されている。第1カバー対向壁621aは、第1壁部に相当する。第1カバー側壁622は、第1側壁に相当する。
【0052】
第1カバー対向壁621aは、衝撃吸収部材611の反対面S2に対向配置される部位である。第1カバー対向壁621aは、反対面S2と接した状態で衝撃吸収部材611に取り付けられている。第1カバー62aは、第1カバー対向壁621aによって、反対面S2を覆っている。また、第1カバー対向壁621aは、反対面S2の全域を覆っていると好ましい。本実施形態の第1カバー対向壁621aは、第2ねじ202のねじ頭と接する部位である。
【0053】
第1カバー側壁622は、例えば第1カバー対向壁621aの端部から突出して設けられている。第1カバー側壁622は、衝撃吸収部材611における側面S3の少なくとも一部に対向配置される部位である。本実施形態では、一例として、衝撃吸収部材611における側面S3における衝撃吸収部材611の厚み方向の一部と対向配置された第1カバー側壁622を採用している。
【0054】
第2カバー63aは、第2カバー対向壁631a、第2カバー側壁632を備えている。第2カバー63aは、衝撃吸収部材611の少なくとも対向面S1を覆う環状部材である。つまり、第2カバー63aは、環状の第2カバー対向壁631aと環状の第2カバー側壁632を備えている。第2カバー対向壁631aは、例えば第2カバー側壁632と一体物として構成されている。第2カバー対向壁631aは、第2壁部に相当する。第2カバー側壁632は、第2側壁に相当する。
【0055】
第2カバー対向壁631aは、衝撃吸収部材611の対向面S1に対向配置される部位である。よって、衝撃吸収部材611の対向面S1は、第2カバー対向壁631aを介して、回路基板1と対向している。第2カバー対向壁631aは、対向面S1と接した状態で衝撃吸収部材611に取り付けられている。第2カバー63aは、第2カバー対向壁631aによって、対向面S1を覆っている。また、第2カバー対向壁631aは、対向面S1の全域を覆っていると好ましい。本実施形態の第2カバー対向壁631aは、回路基板1と接する部位である。
【0056】
第2カバー側壁632は、例えば第2カバー対向壁631aの端部から突出して設けられている。第2カバー側壁632は、衝撃吸収部材611における側面S3の少なくとも一部に対向配置される部位である。本実施形態では、一例として、衝撃吸収部材611における側面S3における衝撃吸収部材611の厚み方向の一部と対向配置された第2カバー側壁632を採用している。
【0057】
図4に示すように、ダンパー6aは、衝撃吸収部材611の厚み方向に弾性変形可能となるように、第1カバー側壁622と第2カバー側壁632の間に間隔が設けられている。つまり、第1カバー62aと第2カバー63aは、吸収構造体61に取り付けられた状態で、第1カバー側壁622と第2カバー側壁632との間に隙間が形成される。第1カバー62aと第2カバー63aは、後ほど説明する高さ調整部材64以外では接続されていない。
【0058】
なお、ダンパー6aは、第1カバー側壁622と第2カバー側壁632の一方のみが設けられていてもよい。この点は、適宜、他の実施形態や変形例にも適用することができる。
【0059】
高さ調整部材64は、調整部材に相当する。高さ調整部材64は、例えば筒形状の部材である。高さ調整部材64は、カバー開口部65を規定している。高さ調整部材64は、第1カバー62aとベース3aとの間に配置されている。詳述すると、高さ調整部材64は、第1カバー対向壁621aの開口端とベース3aとに接している。開口端は、第1カバー側壁622が設けられていない側の端部である。本実施形態では、高さ基準部の一例としてベース3aを採用している。
【0060】
高さ調整部材64は、第1カバー62aとベース3aとの間隔を調整する部材である。また、高さ調整部材64は、ダンパー6aの圧縮率を所望の値にするために設けられているといえる。つまり、ダンパー6aは、高さ調整部材64を備えていることで、第2ねじ202によって必要以上に圧縮されて、回路基板1に対する応力を緩和する機能が失われることを抑制できる。
【0061】
このように、ダンパー6aは、高さ調整部材64を備えている。よって、ダンパー6aは、回路基板1の歪みや応力による回路基板1の変位などで第2カバー63aが上下方向に移動して、第1カバー62aと第2カバー63aが互いに近づいたり遠ざかったりする。
【0062】
しかしながら、本開示は、高さ調整部材64が設けられていなくてもよい。この場合、ダンパー6aは、衝撃吸収部材611(吸収構造体61)の厚みや、保護部材612aの粘性によって、圧縮率を調整することができる。なお、高さ調整部材64は、上下方向にスリットが設けられていてもよい。
【0063】
なお、本実施形態では、金属を主成分として構成された第1カバー62a、第2カバー63a、高さ調整部材64を採用する。よって、第1カバー62a、第2カバー63a、高さ調整部材64は、導電性を有している。第1カバー62aと第2カバー63aは、高さ調整部材64を介して導通可能に構成されているといえる。しかしながら、本開示は、これに限定されず、樹脂などを主成分として構成されていてもよい。
【0064】
ダンパー6aは、第2カバー対向壁631aが配線の一部であるグランド配線と対向配置されてもよい。この場合、ダンパー6aは、回路基板1とベース3aとが第2ねじ202によってねじ止めされた状態で、回路基板1およびベース3aと導通可能となる。よって、電子制御装置100は、ダンパー6aを介して、回路基板1のグランド配線とベース3aとを電気的に接続することができる。つまり、ダンパー6aは、応力を緩和する機能に加えて、電気的な接続部材としての機能を有している。
【0065】
<効果>
以上のように、ダンパー6aは、衝撃吸収部材611の側面S3に保護部材612aが設けられている。このため、ダンパー6aは、衝撃吸収部材611に異物が付着することを抑えることができる。よって、ダンパー6aは、機能が低下することを抑制できる。
【0066】
また、ダンパー6aは、衝撃吸収部材611の側面S3に加えて、衝撃吸収部材611の隙間にも保護部材612aが設けられている。このため、ダンパー6aは、衝撃吸収部材611の隙間に異物が入り込むこと、および衝撃吸収部材611の隙間からダンパー6aの外部に異物が出ることを抑制できる。よって、ダンパー6aは、回路基板1に異物が落下することを抑制できる。なお、付着や入り込む異物としては、水分、塩分、油分などを含んだ物質である。また、衝撃吸収部材611の隙間から出る異物は、金屑などである。
【0067】
また、ダンパー6aは、異物の落下を抑えることができるため、落下した異物によって回路基板1の不具合が生じることを抑制できる。よって、ダンパー6aは、回路基板1の電気的な特性に悪影響を与えることを抑制できる。
【0068】
電子制御装置100は、ダンパー6aを備えている。ダンパー6aは、上記のような効果を有している。このため、電子制御装置100は、回路基板1に対する応力を確実に緩和することができる。よって、電子制御装置100は、電子部品や電子部品と絶縁基板との接続部に応力が印加されることを抑制できる。また、電子制御装置100は、回路基板1の電気的な特性に悪影響が生じることを抑制できる。
【0069】
詳述すると、回路基板1は、第2ねじ202によってベース3aに支持されている。しかしながら、回路基板1は、ダンパー6aを介してベース3aに支持されている。よって、回路基板1は、自身が歪んでいたり外力が印加されたとしても、ダンパー6aが弾性変形することで、回路基板1自体も変位する。このため、回路基板1は、はんだや配線パターン42にクラックが入ったり、電子部品に不具合が生じたりすることを抑制できる。
【0070】
また、電子制御装置100は、電子部品の実装位置によって、組み付け歪による影響を緩和することも考えられる。つまり、電子制御装置100は、組み付け歪みの影響を受けないように、ねじ止め位置から離れた位置に電子部品を実装する。この場合、電子制御装置100は、ねじ止め位置と電子部品との間隔が高密度実装を阻害する要因となる。しかしながら、本実施形態では、ダンパー6aによって組み付け歪による影響を緩和している。このため、電子制御装置100は、電子部品を高密度実装できる。
【0071】
なお、本実施形態では、衝撃吸収部材611の一例として、ワイヤーメッシュを採用している。このため、ダンパー6aは、衝撃吸収部材611としてゴムを用いるよりも、経時劣化を抑制できる。しかしながら、本開示は、これに限定されない。衝撃吸収部材611は、ゴムやばねなどであっても採用できる。
【0072】
衝撃吸収部材611としてゴムを採用した場合、保護部材612aは、後ほど説明する保護部材612bなどを採用できる。また、衝撃吸収部材611としてばねを採用した場合、保護部材612aは、衝撃吸収部材611としてのばねの表面にコーティングすることで設けることができる。
【0073】
本実施形態では、支持具の一例として第2ねじ202を採用している。しかしながら、本開示は、スナップフィットなどのように弾性変形を利用した部材であっても支持具として採用できる。また、本実施形態では、被支持部材の一例として回路基板1を採用している。しかしながら、本開示は、ベース3aなどであっても被支持部材として採用できる。この場合、支持部材は、車両のフレームなどを採用できる。さらに、本開示は、カバー2aであっても被支持部材として採用できる。この場合、支持部材は、ベース3aを採用できる。支持具として、第1ねじ201を採用できる。
【0074】
回路基板1は、第2ねじ202のかわりに第1ねじ201によって、ベース3aに支持されていてもよい。この場合は、第1ねじ201が支持具に相当する。また、
ここで、図7図13を用いて、第1実施形態の変形例1~7に関して説明する。
【0075】
(変形例1)
図7の変形例1に示すよう、ダンパー6aは、回路基板1を挟み込むように設けられていてもよい。本変形例の電子制御装置100は、回路基板1と第2ねじ202との間に加えて、回路基板1とベース3aとの間にダンパー6aが設けられている。つまり、電子制御装置100は、一つの第2ねじ202に対して、二つのダンパー6aが設けられている。
【0076】
この場合、二つのダンパー6aは、連結部66としての高さ調整部材64を介して接続されている。ここでの高さ調整部材64は、一方のダンパー6aの第1カバー62aと他方のダンパー6aの第1カバー62aとの間に配置されている。詳述すると、高さ調整部材64は、両ダンパー6aの第1カバー対向壁621aの開口端に接している。本変形例では、高さ基準部の一例として第1カバー対向壁621aを採用している。回路基板1は、応力が印加されると、両ダンパー6a間において上下方向に変位可能となっている。変形例1は、第1実施形態と同様の効果を奏することができる。
【0077】
(変形例2)
図8の変形例2に示すように、ダンパー6aは、はんだ54を介して、回路基板1に実装されていてもよい。ダンパー6aは、はんだ54を介して、実装パターン43に実装される。ダンパー6aは、第2カバー63aと実装パターン43とがはんだ54で接続されている。これによって、ダンパー6aは、回路基板1に表面実装されている。
【0078】
実装パターン43は、導電性を有している。実装パターン43は、回路基板1における絶縁基板4aの表面に設けられている。実装パターン43は、配線パターン42の一部であってもよいし、配線パターン42とは独立したものであってもよい。はんだ54は、接続部材に相当する。
【0079】
回路基板1にはんだ54によってダンパー6aが表面実装された構造体は、実装体に相当する。つまり、実装体は、回路基板1、ダンパー6a、はんだ54を備えているといえる。
【0080】
変形例2は、第1実施形態と同様の効果を奏することができる。実装体は、ダンパー6aを備えているため、回路基板1に対する応力を確実に緩和できる。実装体は、ダンパー6aが回路基板1に表面実装されているため、ダンパー6aが位置ずれすることを抑制できる。つまり、ダンパー6aは、ねじ止めされていなくても、回路基板1の実装面に沿う移動が規制される。このため、実装体は、回路基板1の実装面における適切な箇所にダンパー6aを配置できる。
【0081】
(変形例3)
図9の変形例3に示すダンパー6bは、吸収部材穴613およびカバー開口部65が設けられていない。ダンパー6bは、この点がダンパー6aと異なる。ダンパー6bは、吸収構造体61と、平板形状の第1カバー対向壁621bが設けられた第1カバー62bと、平板形状の第2カバー対向壁631bが設けられた第2カバー63bとを備えている。
【0082】
ダンパー6bは、第2ねじ202ではなく、カバー2bで支持されている。つまり、ダンパー6bは、カバー2bから押圧されて、回路基板1に支持されている。カバー2bは、支持具に相当する。
【0083】
このため、ベース3bは、第2ねじ穴32が設けられていない。同様に、絶縁基板4bは、第2挿入穴41が設けられていない。ベース3bと絶縁基板4bは、これらの点がベース3aや絶縁基板4aと異なる。
【0084】
変形例3は、第1実施形態と同様の効果を奏することができる。また、ダンパー6bは、吸収部材穴613およびカバー開口部65が設けられていない分、ダンパー6aよりも小型化できる。電子制御装置100は、ダンパー6bが小型化できる分、電子部品を高密度実装できる。なお、ダンパー6bは、はんだ54を介して実装されていなくてもよい。
【0085】
(変形例4)
図10の変形例4に示すダンパー6cは、高さ調整部材64が設けられていない点がダンパー6aと異なる。変形例4は、第1実施形態と同様の効果を奏することができる。
【0086】
(変形例5)
図11の変形例5に示すダンパー6aは、第2ねじ202と一体的に構成されている。変形例5は、第1実施形態と同様の効果を奏することができる。
【0087】
(変形例6)
図12の変形例6のダンパー6aは、高さ調整部材64aの構成が上記実施形態と異なる。なお、本変形例では、便宜的に、ダンパー6aの符号を上記実施形態と同じ符号を用いている。
【0088】
高さ調整部材64aは、調整部材に相当する。高さ調整部材64aは、例えば筒形状の部材である。高さ調整部材64aは、カバー開口部65を規定している。高さ調整部材64aは、第1カバー62aと第2カバー63aとの間に配置されている。本実施形態では、高さ基準部の一例として第2カバー63aを採用している。高さ調整部材64aは、高さ調整部材64と同様、上下方向にスリットが設けられていてもよい。
【0089】
詳述すると、高さ調整部材64aは、第1カバー対向壁621aの開口端と第1カバー対向壁631aの開口端との間に配置されている。また、高さ調整部材64aは、第1カバー対向壁621aと第1カバー対向壁631aとの間隔よりも短い。よって、高さ調整部材64aは、第1カバー対向壁621aと第2カバー対向壁631aの一方のみに接している。さらに、高さ調整部材64aは、ダンパー6aが第2ねじ202でねじ止めされ、かつ、回路基板1が上下方向に変位しない状態の場合、第1カバー対向壁621aと第1カバー対向壁631aの一方のみに接するように構成されている。本変形例では、一例として、第2カバー対向壁631aのみと接し、第1カバー対向壁621aとの間に間隔が設けられた高さ調整部材64aを採用している。第1カバー対向壁621aと高さ調整部材64aとの間隔は、第1カバー62aと第2カバー63aとが相対的に移動する際の、移動可能な距離である。
【0090】
高さ調整部材64aは、高さ調整部材64と同様の機能を有している。さらに、高さ調整部材64aは、回路基板1が上下方向に変位した際に、第1カバー62aと第2カバー63aとの間隔を規定することができる。つまり、ダンパー6aは、回路基板1の変位に伴って第1カバー62aと第2カバー63aとが最も近くなる間隔が高さ調整部材64aで規定されている。なお、変形例6は、第1実施形態と同様の効果を奏することができる。
【0091】
(変形例7)
図13の変形例7のダンパー6bは、高さ調整部材64bの構成が変形例6(高さ調整部材64a)と異なる。具体的には、高さ調整部材64bは、第1カバー62aおよび第2カバー63aと一体物として構成されている点が高さ調整部材64aと異なる。
【0092】
高さ調整部材64bは、第1カバー対向壁621aの開口端、および第2カバー対向壁631aの開口端のそれぞれに設けられている。第1カバー62aは、第1カバー対向壁621aの開口端から第2カバー対向壁631a側に突出する高さ調整部材64bが設けられている。第2カバー63aは、第2カバー対向壁631aの開口端から第1カバー対向壁621a側に突出する高さ調整部材64bが設けられている。両高さ調整部材64bは、間隔をあけて設けられている。第1カバー62a側の高さ調整部材64bと第2カバー63a側の高さ調整部材64bとの間隔は、第1カバー側壁622と第2カバー側壁632の間隔よりも短い。高さ調整部材64bは、高さ調整部材64aと同様の機能を有している。変形例7は、変形例6と同様の効果を奏することができる。
【0093】
以上、本開示の好ましい実施形態について説明した。しかしながら、本開示は、上記実施形態に何ら制限されることはなく、本開示の趣旨を逸脱しない範囲において、種々の変形が可能である。以下に、本開示のその他の形態として、第2~第5実施形態や変形例に関して説明する。上記実施形態、第2~第5実施形態、および変形例は、それぞれ単独で実施することも可能であるが、適宜組み合わせて実施することも可能である。本開示は、実施形態において示された組み合わせに限定されることなく、種々の組み合わせによって実施可能である。なお、以下の実施形態に関する図面では、図面が煩雑になることを防ぐために、符号を一部省略することもある。
【0094】
(第2実施形態)
図14を用いて、第2実施形態のダンパー6dに関して説明する。ダンパー6dは、保護部材612bの構成が第1実施形態や、その変形例1~7と異なる。
【0095】
ダンパー6dは、衝撃吸収部材611、保護部材612bを備えている。保護部材612bは、衝撃吸収部材611の全周に設けられている。また、保護部材612bは、衝撃吸収部材611の厚み方向において、衝撃吸収部材611の側面S3の一部のみに設けられている。保護部材612bは、第1カバー側壁622と第2カバー側壁632との隙間に対向する位置に設けられている。なお、保護部材612bは、保護部材612aと異なり、衝撃吸収部材611の隙間には設けられていない。
【0096】
保護部材612bは、衝撃吸収部材611の側面S3に接した状態で設けられている。保護部材612bは、粘性材を採用できる。保護部材612bは、例えばゲルやゴムなどである。保護部材612bは、例えば環状の部材を採用できる。保護部材612bは、保護部材612bの収縮力などによって衝撃吸収部材611に取り付けられている。保護部材612bは、接着剤などによって衝撃吸収部材611に取り付けられていてもよい。また、保護部材612bは、塗布などによって衝撃吸収部材611に取り付けられていてもよい。
【0097】
なお、本開示は、これに限定されず、複数の部材からなる保護部材612bであっても採用できる。また、保護部材612bは、これに限定されず、衝撃吸収部材611の弾性変形を損なわないものであれば採用できる。
【0098】
ダンパー6dは、ダンパー6aと同様の効果を奏することができる。ダンパー6dは、ダンパー6aよりも容易に、保護部材612bを衝撃吸収部材611に取り付けることができる。また、ダンパー6dを備えた電子制御装置は、電子制御装置100と同様の効果を奏することができる。
【0099】
ダンパー6dは、変形例1~7のそれぞれと組み合わせ実施することもできる。ダンパー6dは、変形例1と同様、回路基板1の両面に設けられていてもよい。ダンパー6dは、変形例2と同様、表面実装されていてもよい。ダンパー6dは、変形例3と同様、吸収部材穴613およびカバー開口部65が設けられていなくてもよい。ダンパー6dは、変形例4と同様、高さ調整部材64が設けられていなくてもよい。ダンパー6dは、変形例5と同様、第2ねじ202と一体化されていてもよい。ダンパー6dは、変形例6、7などと同様の高さ調整部材64a、64bが設けられていてもよい。
【0100】
なお、ダンパー6dは、ダンパー6aなどと同様、衝撃吸収部材611の隙間に保護部材612aが設けられていてもよい。つまり、ダンパー6dは、保護部材612a,612bを備えていてもよい。これによって、ダンパー6dは、ダンパー6aなどより、衝撃吸収部材611への異物の付着や衝撃吸収部材611からの異物の落下をより一層抑制できる。この構成は、他の実施形態や変形例でも採用できる。
【0101】
ここで、図15図16を用いて、第2実施形態の変形例8、9に関して説明する。
【0102】
(変形例8)
図15に示すダンパー6eは、保護部材612cの配置がダンパー6dと異なる。ダンパー6eは、衝撃吸収部材611、保護部材612cを備えている。保護部材612cは、衝撃吸収部材611の全周に設けられている。また、保護部材612cは、衝撃吸収部材611の厚み方向において、衝撃吸収部材611の側面S3の全域に設けられている。つまり、保護部材612cは、衝撃吸収部材611の側面S3の全域を覆っている。
【0103】
ダンパー6eは、ダンパー6dと同様の効果を奏することができる。また、ダンパー6eを備えた電子制御装置は、電子制御装置100と同様の効果を奏することができる。また、変形例8は、第2実施形態と同様、変形例1~7のそれぞれと組み合わせ実施することもできる。
【0104】
(変形例9)
図16に示すダンパー6fは、第1カバー62c、第2カバー63cの構成がダンパー6eと異なる。ダンパー6fは、第1カバー62c、第2カバー63cを備えている。第1カバー62cは、第1カバー対向壁621aを備えている。第1カバー62cは、第1カバー側壁622が設けられていない点が第1カバー62aと異なる。第2カバー63cは、第2カバー対向壁631aを備えている。第2カバー63cは、第2カバー側壁632が設けられていない点が第2カバー63aと異なる。
【0105】
ダンパー6fは、ダンパー6eと同様の効果を奏することができる。また、ダンパー6fを備えた電子制御装置は、電子制御装置100と同様の効果を奏することができる。また、変形例9は、第2実施形態と同様、変形例1~7のそれぞれと組み合わせ実施することもできる。
【0106】
(第3実施形態)
図17図18を用いて、第3実施形態のダンパー6gに関して説明する。ダンパー6gは、保護部材612dの構成が上記実施形態や変形例と異なる。
【0107】
保護部材612dは、環状に設けられている。保護部材612dは、粘弾性体である。保護部材612dは、一つ以上の部材で構成されている。本実施形態では、一例として、Oリングを保護部材612dとして採用している。保護部材612dは、第1カバー側壁622と第2カバー側壁632との隙間に設けられている。よって、保護部材612dは、第1カバー62aと第2カバー63aに巻き付けられているといえる。
【0108】
保護部材612dは、これに限定されず、衝撃吸収部材611の弾性変形を損なわないものであれば採用できる。保護部材612dは、複数の部材が環状に配置されていてもよい。
【0109】
ダンパー6gは、ダンパー6aと同様の効果を奏することができる。また、ダンパー6gを備えた電子制御装置は、電子制御装置100と同様の効果を奏することができる。
【0110】
(第4実施形態)
図19を用いて、第4実施形態のダンパー6hに関して説明する。ダンパー6hは、第1カバー62aと第2カバー63aが設けられていない点が第2実施形態と異なる。
【0111】
ダンパー6hは、衝撃吸収部材611、保護部材612cを備えている。ダンパー6hは、変形例8のダンパー6eに第1カバー62aと第2カバー63aが設けられていない構成と同様である。
【0112】
しかしながら、衝撃吸収部材611は、ダンパー6hが第2ねじ202でねじ止めされた状態で、対向面S1が回路基板1で覆われ、反対面S2が第2ねじ202のねじ頭で覆われる。よって、第2ねじ202は、第1カバー62aとしての機能を有している。一方、回路基板1は、第2カバー63aとしての機能を有している。
【0113】
なお、本実施形態では、ダンパー6hの対向領域内に第2ねじ202がおさまる例を採用している。対向領域は、衝撃吸収部材611の厚み方向に対向する領域である。つまり、第2ねじ202の外径は、ダンパー6hの内側となっている。
【0114】
ダンパー6hは、第2ねじ202で回路基板1に支持された状態で、ダンパー6dと同様の効果を奏することができる。ダンパー6gを備えた電子制御装置は、電子制御装置100と同様の効果を奏することができる。
【0115】
本実施形態では、高さ調整部材64を備えた例を採用している。しかしながら、本開示は、高さ調整部材64を備えていなくてもよい。
【0116】
ここで、図20図21を用いて、第4実施形態の変形例10、11に関して説明する。
【0117】
(変形例10)
図20のダンパー6iは、第2ねじ202との体格差がダンパー6hと異なる。第2ねじ202の外径は、ダンパー6iの外側となっている。ダンパー6iは、第2ねじ202のねじ頭の対向領域内におさまる。対向領域は、ねじ頭における衝撃吸収部材611の厚み方向に対向する領域である。
【0118】
ダンパー6iは、ダンパー6hと同様の効果を奏することができる。また、ダンパー6iを備えた電子制御装置は、電子制御装置100と同様の効果を奏することができる。
【0119】
(変形例11)
図21のダンパー6iは、第2ねじ202ではなくカバー2cで支持されている点が変形例10と異なる。カバー2cは、凸部22を備えている点がカバー2bと異なる。つまり、変形例11の電子制御装置100は、カバー2cを備えている点が変形例3の電子制御装置100と異なる。よって、カバー2cは、支持具に相当する。
【0120】
カバー2cは、凸部22を備えている。カバー2cは、凸部22がカバー開口部65に挿入された状態でダンパー6iを支持する。これによって、変形例11の電子制御装置100は、ダンパー6iが位置ずれすることを抑制できる。
【0121】
変形例11の電子制御装置は、電子制御装置100と同様の効果を奏することができる。変形例11の電子制御装置は、変形例3の電子制御装置と同様の効果を奏することができる。なお、絶縁基板4bは、高さ調整部材64のみが挿入される貫通穴が設けられていてもよいし、第2挿入穴41が設けられていてもよい。
【0122】
(第5実施形態)
図22を用いて、第5実施形態のダンパー6jに関して説明する。ダンパー6jは、保護部材612aを備えていない点およびカバー62d,63dの構成が第1実施形態や、その変形例1~7と異なる。
【0123】
第1カバー62dは、第1カバー62aと同様、第1カバー対向壁621a、第1カバー側壁622を備えている。第2カバー63dは、第2カバー63aと同様、第2カバー対向壁631a、第2カバー側壁632を備えている。
【0124】
そして、第1カバー62dと第2カバー63dは、第1カバー側壁622と第2カバー側壁632とが対向配置されている。第2カバー側壁632は、衝撃吸収部材611の側面S3および第1カバー側壁622の対向領域に配置されている。また、第1カバー側壁622と第2カバー側壁632は、衝撃吸収部材611の厚み方向に対する直交方向において対向配置されている。なお、第1カバー62dと第2カバー63dは、第1カバー側壁622と第2カバー側壁632とがラビリンス構造をなしているともいえる。
【0125】
よって、ダンパー6jは、第1カバー側壁622と第2カバー側壁632との間に開口が設けられる。開口は、第2カバー63d側から第1カバー62d側に連通している。また、ダンパー6jは、第1カバー側壁622と第2カバー側壁632との間に、衝撃吸収部材611の厚み方向に沿った隙間が設けられているともいえる。
【0126】
このため、ダンパー6jは、回路基板1上に配置された状態で、回路基板1と対向して開口が設けられる。また、ダンパー6jは、回路基板1上に配置された状態で、重力方向に開口が設けられているともいえる。
【0127】
また、第1カバー側壁622は、第2カバー側壁632よりも外側に設けられている。つまり、第2カバー側壁632は、第1カバー側壁622よりも衝撃吸収部材611側に設けられている。第2カバー側壁632は、第1カバー側壁622と衝撃吸収部材611との間に設けられている。
【0128】
ダンパー6jは、ダンパー6aと同様の効果を奏することができる。ダンパー6jを備えた電子制御装置は、電子制御装置100と同様の効果を奏することができる。
【0129】
さらに、ダンパー6jは、回路基板1と対向する位置に開口が設けられる。このため、ダンパー6jは、衝撃吸収部材611の隙間から出る異物が、カバー62d,63d内にたまることを抑制できる。
【0130】
しかしながら、本開示は、これに限定されない。第2カバー側壁632は、第1カバー側壁622よりも外側に設けられていてもよい。この場合、ダンパー6jは、回路基板1上に配置された状態で、回路基板1と対向する位置が閉ざされている。つまり、ダンパー6jは、回路基板1上に配置された状態で、回路基板1と対向しない側に開口が設けられる。
【0131】
これによっても、ダンパー6jは、ダンパー6aと同様の効果を奏することができる。そして、ダンパー6jを備えた電子制御装置は、電子制御装置100と同様の効果を奏することができる。さらに、ダンパー6jは、回路基板1と対向する位置に閉ざされているため、衝撃吸収部材611の隙間から出る異物が回路基板1に落下することを抑制できる。よって、ダンパー6jは、回路基板1に不具合が生じることを抑制できる。特に、ダンパー6jは、重力方向とは反対方向に開口してた状態で回路基板1に配置される場合に効果を奏する。
【0132】
本開示は、実施形態に準拠して記述されたが、本開示は当該実施形態や構造に限定されるものではないと理解される。本開示は、様々な変形例や均等範囲内の変形をも包含する。加えて、様々な組み合わせや形態が本開示に示されているが、それらに一要素のみ、それ以上、あるいはそれ以下、を含む他の組み合わせや形態をも、本開示の範畴や思想範囲に入るものである。
【符号の説明】
【0133】
1…回路基板、2a~2c…カバー、21…第1挿入穴、22…凸部、3a,3b…ベース、31…第1ねじ穴、32…第2ねじ穴、33…コネクタ用穴、4a,4b…絶縁基板、41…第2挿入穴、42…配線パターン、43…実装パターン、51,52…電子部品、53…コネクタ、531…端子、54…はんだ、6a~6j…ダンパー、61…吸収構造体、611…衝撃吸収部材、612a~612d…保護部材、613…吸収部材穴、62a~62d…第1カバー、621a,621b…第1カバー対向壁、622…第1カバー側壁、63a~63d…第2カバー、631a,631b…第2カバー対向壁、632…第2カバー側壁、64,64a,64b…高さ調整部材、65…カバー開口部、66…連結部、100…電子制御装置、201…第1ねじ、202…第2ねじ
図1
図2
図3
図4
図5
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