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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-16
(45)【発行日】2024-07-24
(54)【発明の名称】情報処理装置
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/08 20120101AFI20240717BHJP
【FI】
G06Q50/08
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2020195097
(22)【出願日】2020-11-25
(65)【公開番号】P2022083658
(43)【公開日】2022-06-06
【審査請求日】2023-08-25
(73)【特許権者】
【識別番号】000198787
【氏名又は名称】積水ハウス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100117101
【弁理士】
【氏名又は名称】西木 信夫
(74)【代理人】
【識別番号】100120318
【弁理士】
【氏名又は名称】松田 朋浩
(72)【発明者】
【氏名】宮川 慎史
【審査官】田上 隆一
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-255390(JP,A)
【文献】特開2011-209895(JP,A)
【文献】特開2014-219889(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1通信インタフェースと、第1メモリと、第1プロセッサと、を備える情報処理装置であって、
上記第1メモリは、指図情報および部材情報の組み合わせごとに、進捗情報を記憶可能であり、上記指図情報は、複数の出荷指図のいずれかを識別し、上記部材情報は、工場から搬出される複数の部材のいずれかを識別する情報であり、上記進捗情報は、工場からの搬出までに予め定められる複数の工程の進捗を示す情報であり、
上記第1プロセッサは、上記第1通信インタフェースを通じて、作業者による操作に応じて第1端末装置から送信された担当工程情報と、担当指図情報と、担当部材情報と、を受信し、上記担当工程情報は、上記複数の工程のうち上記作業者が担当した上記工程を識別する情報であり、上記担当指図情報は、上記複数の出荷指図のうち、上記作業者が担当した上記出荷指図を識別する情報であり、上記担当部材情報は、上記複数の部材のうち、上記作業者が担当した上記出荷指図で指定された上記部材を識別する情報であり、
上記第1プロセッサは
記第1メモリにおいて、受信した上記担当指図情報に対応する上記指図情報受信した上記担当部材情報に対応する上記部材情報との組み合わせに対応する上記進捗情報を、受信した担当工程情報に基づいて更新する更新処理と、
上記第1メモリに記憶された上記指図情報が第1方向に配列され、上記第1メモリに記憶された上記部材情報が第2方向に配列され、上記指図情報および上記部材情報で特定される位置に上記進捗情報を示す進捗を表すオブジェクトが合成された進捗画面を示す進捗画面データを生成する合成処理とを実行する情報処理装置。
【請求項2】
上記進捗画面において、上記工場における同一建屋で製造される複数の上記部材を識別する複数の上記部材情報は上記第2方向において隣り合う、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
上記指図情報は、上記出荷指図で指定された上記部材の出荷日を示す出荷日情報を含み、
上記第1プロセッサは、上記第1メモリに記憶された上記部材情報のうち、同一出荷日を示す出荷日情報を含む上記部材情報が上記第2方向において隣り合うように配列された上記進捗画面を生成する、請求項1または2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
上記第1プロセッサは、上記進捗画面データを、第1通信インタフェースを通じて第2端末装置に送信し、
上記第2端末装置は、第2通信インタフェースと、ディスプレイと、第2プロセッサと、を備え、
上記第2プロセッサは、
上記第2通信インタフェースを通じて、上記情報処理装置から送信された上記進捗画面データを受信し、
受信した上記進捗画面データが示す進捗画面を上記ディスプレイに表示させる、請求項1から3のいずれかに記載の情報処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
背景技術に係る出荷管理方法では、情報処理装置により、住宅の建築に用いられる部材を、建築現場への輸送単位に応じて、複数種類の出荷ユニットにそれぞれ対応するユニット情報が生成される。これらユニット情報をに基づいて、建築部材の生産から建築現場への出荷までの進捗が管理される(例えば、特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2002-128243号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
部材の出荷工程の更なる効率化には、出荷工程の進捗を把握することが求められる。
【0005】
本発明は、前述された事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、部材の出荷工程の進捗を把握可能な情報を生成する情報処理装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1)本発明の情報処理装置は、第1通信インタフェースと、第1メモリと、第1プロセッサと、を備える。上記第1メモリは、指図情報および部材情報の組み合わせごとに、進捗情報を記憶可能であり、上記指図情報は、複数の出荷指図のいずれかを識別し、上記部材情報は、工場から搬出される複数の部材のいずれかを識別する情報であり、上記進捗情報は、工場からの搬出までに予め定められる複数の工程の進捗を示す情報である。上記第1プロセッサは、上記第1通信インタフェースを通じて、作業者による操作に応じて第1端末装置から送信された担当工程情報と、担当指図情報と、担当部材情報と、を受信し、上記担当工程情報は、上記複数の工程のうち上記作業者が担当した上記工程を識別する情報であり、上記担当指図情報は、上記複数の出荷指図のうち、上記作業者が担当した上記出荷指図を識別する情報であり、上記担当部材情報は、上記複数の部材のうち、上記作業者が担当した上記出荷指図で指定された上記部材を識別する情報である。上記第1プロセッサは、受信した上記担当工程情報と、上記第1メモリにおいて、受信した上記担当指図情報に対応する上記指図情報および受信した上記担当部材情報に対応する上記進捗情報を、受信した担当工程情報に基づいて更新する更新処理と、上記第1メモリに記憶された上記指図情報が第1方向に配列され、上記第1メモリに記憶された上記部材情報が第2方向に配列され、上記指図情報および上記部材情報で特定される位置に上記進捗情報を示す進捗を表すオブジェクトが合成された進捗画面を示す進捗画面データを生成する合成処理とを実行する。
【0007】
(2)上記進捗画面において、上記工場における同一建屋で製造される複数の上記部材を識別する複数の上記部材情報は上記第2方向において隣り合う。
【0008】
上記処理によれば、建屋毎に、部材の製造に遅れが出ていないかを把握し易い。
【0009】
(3)上記指図情報は、上記出荷指図で指定された上記部材の出荷日を示す出荷日情報を含む。上記第1プロセッサは、上記第1メモリに記憶された上記部材情報のうち、同一出荷日を示す出荷日情報を含む上記部材情報が上記第2方向において隣り合うように配列された上記進捗画面を生成する。
【0010】
日付毎に、工程の進捗に遅れが生じていないかを把握し易い。
【0011】
(4)上記第1プロセッサは、上記進捗画面データを、第1通信インタフェースを通じて第2端末装置に送信する。上記第2端末装置は、第2通信インタフェースと、ディスプレイと、第2プロセッサと、を備える。上記第2プロセッサは、上記第2通信インタフェースを通じて、上記情報処理装置から送信された上記進捗画面データを受信する。上記第2プロセッサは、受信した上記進捗画面データが示す進捗画面を上記ディスプレイに表示させる。
【0012】
情報処理装置が進捗画面データを配信するため、第2端末装置がある場所で進捗を把握できる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、部材の出荷工程の進捗を把握可能な情報を生成する情報処理装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】工場の敷地S1内における建屋等の配置を模式的に示す図。
図2】システム100の構成を示す模式図。
図3】メモリ220に記憶される各種データを示す図。
図4】(A),(B)は、出荷指図書810およびピッキング指図書820の内容を示す模式図であり、(C)は、山ラベル830を示す模式図。
図5】出荷工程のフローチャート。
図6】(A).(B)は、新規登録処理およびピッキング工程の終了処理のフローチャート。
図7】払出工程の終了処理のフローチャート。
図8】(A),(B)は、ホーム出し指図書840および積込指図書850の内容を示す模式図。
図9】ホーム出し工程の終了処理のフローチャート。
図10】積込作業の終了処理のフローチャート。
図11】進捗画面データの生成処理を示すフローチャート。
図12】進捗画面を示す模式図。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施形態に係るシステム100について説明する。なお、以下に説明される実施形態は、本発明の一例にすぎず、本発明の要旨を変更しない範囲で、本発明の実施形態を適宜変更できることは言うまでもない。
【0016】
[1.工場について]
図1において、工場の敷地S1内には、各種施設が設けられている。各種施設は、建屋F、ヤードY、中間置場Pおよび管理事務所Aを、少なくとも1つずつ含む。図1の例では、建屋Fとして10棟の建屋に、参照符号「F1」から「F10」が付され、ヤードYとして4か所のヤードに参照符号「Y1」から「Y4」が付されている。図1に示す二点鎖線の枠L1,L2に、中間置場Pとして18か所の中間置場に参照符号「P1」から「P18」が付されている。なお、枠L1,L2の各々の内部に示される建屋およびヤードにおいて、枠L1,L2の各々の外部に示される建屋およびヤードと同じものには同一の参照符号を付している。
【0017】
工場では、例えば規格型住宅(以下、単に「住宅」とも称する)を構成する各種部材が製造される。製造された各種部材は、出荷工程(図5参照)を経て、住宅製造業者の拠点に向けて工場から出荷される。拠点は、入荷した各種部材を仕分けし、住宅の建築現場へ向けて配送を行う施設である。
【0018】
具体的には、工場内の各建屋Fは、住宅の建築に必要な部材のうち、予め定められた部材を製造するための建造物である。各建屋Fには、建屋Fを特定するための建屋番号が割り当てられている。各種部材は、外装部材および内装部材に大別される。外装部材は、梁や柱、屋根材、外壁材および玄関ドア等を含む。内装部材は、内装仕上げ材、室内建具、造作材およびキッチン等を含む。
【0019】
部材は、製造された後、建屋Fの内部または周囲に予め定められているロット品置場に置かれる。ロット品置場からは、ピッキング担当者がピッキング指図書820(図4(B)参照)に従って部材をピッキングする。そして、ピッキング担当者は、ピッキングした部材をパレット上に載せて、少なくとも1つの部材からなる「山」を作成する。
【0020】
ヤードYは、貨物車両(例えばトラック)等に積込担当者が「山」の積込作業を行う場所である。ヤードYには、積込担当者が積込作業を行いやすいように、少なくとも1つの出荷ホームが設けられている。各出荷ホームには、出荷ホームを特定するためのホーム番号が割り当てられている。
【0021】
ヤードYは、貨物車両から荷物を降ろす作業を行う場所であってもよい。この荷物は、例えば、住宅を構成する各種部材のうち、他の業者から納品された部材(以下、「商品」とも称する)である。各種商品もまた、住宅の外装部材や内装部材である。
【0022】
中間置場Pは、ロット品置場や出荷ホームとは別の場所に定められ、「山」を載せたパレットを一時的に置く場所である。なお、図1では、複数の中間置場Pがひとまとめにして示されている。各中間置場Pには、中間置場Pを特定するための置場番号が割り当てられている。
【0023】
管理事務所Aは、システム100(図2参照)を用いて出荷工程(図5参照)の進捗等を管理者が管理するための場所である。
【0024】
[2.システム100について]
図2において、システム100は、サーバ装置200、端末装置300、複数の移動端末装置400、複数のコードリーダ500、複数の端末装置600、通信ネットワーク700、および複数の基地局800を備える。
【0025】
[サーバ装置200]
サーバ装置200は、敷地S1の内部または外部に設置され、プロセッサ210、メモリ220、および通信IF230を備える。なお、IFは、インタフェースの略である。プロセッサ210は、メモリ220に記憶されるプログラムに従って、メモリ220内に記憶された各種情報または各種データ(以下、「各種情報等」と称する)を処理する。通信IF230は、通信ネットワーク700から各種情報等を受信し、メモリ220へと転送する。通信IF230は、プロセッサ210の制御下でメモリ220から転送されてくる各種情報等を通信ネットワーク700に送出する。
【0026】
[2-2.地図データ221]
図3に示すように、メモリ220は、各種データの一つとして地図データ221を記憶する。地図データ221は、敷地S1内の地図Mを表す画像データである。地図Mは、ラスタ地図である。本実施形態では、ラスタ地図は、航空写真である。しかし、これに限らず、地図Mは、ベクトル地図であってもよい。ラスタ地図は、航空写真や衛星写真であって、敷地S1内の施設や道路等を、ピクセルの集合で表現した地図である。ベクトル地図は、敷地S1内の施設や道路等を、特徴点の座標値や特徴点同士の接続関係で表現した地図である。
【0027】
図Mは、i階層の縮尺の地図M1,M2,…Miを含む。iは、2以上の整数である。地図M1~Miは、敷地S1内の施設や道路等を表す点で互いに共通である。しかし、地図M1~Miの縮尺SF1~SFiは互いに異なる。縮尺SF1は、最も大きい縮尺であり、縮尺SFiは、最も小さい縮尺である。即ち、地図M1は、地図M1~Miの中で、敷地S1内の施設を最も詳細に示す地図であり、地図Miは、地図M1~Miの中で最も粗い地図である。
【0028】
[中間置場DB222]
メモリ220はさらに、各種データの一つとして中間置場DB222を記憶する。なお、DBは、データベースの略である。中間置場DB222は、中間置場P毎に、中間置場レコードR1を有する。中間置場レコードR1は、置場情報の一例である。図3には、j個(jは、自然数)の中間置場レコードR1が示されている。各中間置場レコードR1は、複数の項目を含む。複数の項目は、置場番号R11、位置情報R12、第1ステータス情報R13、第2ステータス情報R14、および上限山数情報R15である。また、各中間置場レコードR1には、山情報R16を登録することが可能であり、各中間置場レコードRから山情報R16を削除することも可能である。
【0029】
置場番号R11は、対応する中間置場Pに割り当てられた置場番号である。位置情報R12は、中間置場Pの平面形状(例えば矩形)の特徴点の位置を示す情報である。
【0030】
第1ステータス情報R13は、各中間置場Pの概略的な現状(以下、「第1状況」とも称す)を示す。第1状況は、「いっぱい」、「置ける」および「空いている」のいずれかに設定される。「いっぱい」は、「山」を置く余地が無いことを示す。「置ける」は、「山」を置く余地があることを示す。「空いている」は、「山」が置かれていないことを示す。
【0031】
複数の第1状況には、互いに異なる色が割り当てられている。具体的には、「いっぱい」、「置ける」および「空いている」には、赤色、橙色および黄色がそれぞれ割り当てられている。
【0032】
第2ステータス情報R14は、中間置場Pの詳細な現状または属性(以下、「第2状況等」とも称す)を示す。第2状況等は、「今日出荷」、「明日出荷」、「明後日以降積込」、「空き」、および「禁止」のいずれかに設定される。「今日出荷」は、今日が出荷日の「山」が置かれていることを示す。「明日出荷」は、明日が出荷日の「山」が置かれていることを示す。「明後日以降」は、明後日以降が出荷日の「山」が置かれていることを示す。「空き」は、「山」が置かれていないことを示す。「禁止」は、「山」を置くことが禁止されていることを示す。
【0033】
上限山数情報R15は、対応する中間置場Pに置くことが可能な最大の山の数を示す。山情報R16は、対応する中間置場Pに置かれた「山」の詳細を示す情報である。山情報R16の詳細については後述する。図3には、山情報R16として、k個の山情報R161~R16kを含む中間置場レコードR1や、山情報R16を含まない中間置場レコードR1が示されている。
【0034】
[出荷指図DB223
管理者は、住宅一邸の建築に必要となる部材について、図4(A)に示すような、1または複数の出荷指図書810を作成する。各出荷指図書810は、複数の項目を含む。複数の項目は、出荷指図番号901、次数902、出荷順903、部材名904および個数905の組み、出荷日906、着荷日907、および行先拠点908である。
【0035】
出荷指図番号901は、出荷指図書810を特定する番号である。出荷指図番号901により、一邸の住宅も特定できる。出荷指図書810が複数に亘る場合にも、それら出荷指図書810には同一の出荷指図番号901が割り当てられる。
【0036】
次数902は、全ての出荷指図書810のうち、何番目の出荷指図書810であるかを示す番号である。出荷順903は、出荷指図番号901で特定される部材が工場から出荷される順序である。
【0037】
部材名904は、出荷指図書810で指定される住宅の建築に必要となる部材(以下、「指定部材」とも称する)の名称である。個数905は、同じ組の部材の個数である。
【0038】
出荷日906は、指定部材の工場出荷日である。着荷日907は、指定部材が行先拠点908で特定される拠点に到着する日である。行先拠点908は、指定部材の搬送先の拠点である。
【0039】
メモリ220はさらに、図3に示すように、各種データの一つとして出荷指図DB223を記憶する。出荷指図DB223は、出荷指図書810毎に出荷指図レコードR2を有する。図3には、m個(mは、自然数)の出荷指図レコードR2が示されている。各出荷指図レコードR2には、出荷指図番号901、次数902、出荷順903、部材名904、部材毎の個数905、出荷日906、着荷日907、および行先拠点908が出荷指図番号R21、次数R22、出荷順R23、部材名R24、部材毎の個数R25、出荷日R26、着荷日R27、および行先拠点R28として登録可能である。
【0040】
また、各出荷指図レコードR2は、部材毎の進捗状況R29を登録可能に構成されている。進捗状況R29は、「未登録」、「ピッキング完了」、「払出完了」、「ホーム出し完了」、および「積込完了」のいずれかに設定される。即ち、進捗状況R29は、出荷工程に含まれるピッキング工程S21、払出工程S31、ホーム出し工程S41、および積込作業S52のいずれの工程が完了したかを示す工程情報の一例である。「未登録」は、「ピッキング完了」、「払出完了」、「ホーム出し完了」、および「積込完了」のいずれの進捗状況R29も登録されていないことを示す。「ピッキング完了」、「払出完了」、「ホーム出し完了」、および「積込完了」は、後述のピッキング工程S21、払出工程S31、ホーム出し工程S41、および積込作業S52が完了していることを示す。
【0041】
[端末装置300]
図2において、端末装置300は、管理事務所A内に設置され、プロセッサ310、メモリ320、通信IF330、操作部340、およびディスプレイ350を備える。プロセッサ310は、メモリ320に記憶されるプログラムに従って動作する。通信IF330は、通信ネットワーク700から各種情報等を受信し、メモリ320へと転送する。通信IF330は、メモリ320から転送されてくる各種情報等を通信ネットワーク700に送出する。操作部340は、キーボードやマウスを含み、管理者により操作される。ディスプレイ350は、プロセッサ310の制御下で各種画像を表示する。
【0042】
[移動端末装置400,コードリーダ500]
各移動端末装置400は、典型的にはタブレット端末やノート型PCであって、作業者に1台ずつ割り当てられている。各移動端末装置400は、プロセッサ410、メモリ420、無線通信IF430、近距離無線通信IF440、操作部450、およびディスプレイ460を備える。プロセッサ410は、メモリ420に記憶されるプログラムに従って動作する。無線通信IF430は、IEEE802.11等の無線通信プロトコルに従って、移動端末装置400が位置するセル内に設置された基地局800との間で無線通信を行う。セルは、敷地S1を区画した小さなエリアであって、基地局800の通信エリアである。近距離無線通信IF440は、IEEE802.15等の近距離無線通信プロトコルに従って、移動端末装置400の携帯する作業者が携帯するコードリーダ500と間で無線通信を行う。
【0043】
コードリーダ500は、移動端末装置400とセットで作業者に1台ずつ割り当てられる。コードリーダ500は、カメラ、プロセッサおよび近距離無線通信IFを備え、作業者の操作に従って、カメラにより撮影されたコードをデコードし、これによって得られた各種情報等を近距離無線通信IFを通じて移動端末装置400に送信する。本実施形態では、コードは、2次元コードである。
【0044】
なお、図2では、作業者Aが、移動端末装置400Aおよびコードリーダ500Aを携帯する。作業者B,Cが、移動端末装置400Bおよびコードリーダ500Bのセット、および移動端末装置400Cおよびコードリーダ500Cのセットを携帯する。
【0045】
[端末装置600]
複数の端末装置600は、互いに異なるロット品置場の周辺に1台ずつ設置される。なお、複数の端末装置600が同一ロット品置場の周辺に設置されてもよい。各端末装置600は、ラベルプリンタ機能付きの端末装置であって、通信ネットワーク700に接続される。作業者は、ホーム出し工程S41(図5参照)の終了後、端末装置600の操作部(図示せず)を操作して、後述の山情報R16を端末装置600に入力する。端末装置600は、入力された山情報R16をコード化して、コードおよび山情報R16の各々を示す画像をラベルに印刷し、山ラベル830(図4(C)を参照)として排出する。端末装置600は、端末装置600の通信IF(図示せず)から山情報R16を通信ネットワーク700に送出する。
【0046】
[通信ネットワーク700,基地局800]
通信ネットワーク700は、LANやWAN(Local/Wide Area Network)である。
【0047】
複数の基地局800は、セル内に1台ずつ設置され、セル内の移動端末装置400と無線リンクを通じてデータ通信を行う。各基地局800は、通信ネットワーク700を通じてサーバ装置200とデータ通信する。
【0048】
[3.出荷工程,システム100の動作]
以下、図5を参照して出荷工程を説明し、図6図12を参照してシステム100の動作を説明する。
【0049】
[出荷工程の概要]
図5に示すように、出荷工程は、典型的には、製造工程S11、ピッキング工程S21、払出工程S31、ホーム出し工程S41、入門手続S51、積込作業S52、および出門手続S53を含む。管理者は、上記工程で必要となる各種指図書を作成して、各工程を担当する作業者(以下、「担当者」とも称する)に渡す。
【0050】
[新規登録]
管理者が出荷指図書810(図4(A)を参照)を作成した後、端末装置300は、管理者による操作部340に従って、出荷指図レコードR2の新規登録という処理を開始する。
【0051】
端末装置300において、プロセッサ310は、図6(A)のS101で、サーバ装置200への第1登録画面の送信要求(以下、「第1送信要求」とも称する)を、各種情報等の一つとして通信IF330から通信ネットワーク700に送出する。第1登録画面は、新規の出荷指図レコードR2(図3参照)における必要な項目を管理者が入力するための画面である。
【0052】
サーバ装置200において、プロセッサ210は、図6(A)のS102で、第1送信要求の受信に応答して、第1登録画面を示す表示用の画像データ(以下、「第1登録画面データ」とも称する)を、各種情報等の一つとして通信ネットワーク700に送出する。
【0053】
端末装置300のプロセッサ310は、第1登録画面データの受信に応答して、図6(A)のS103で、第1登録画面をディスプレイ350に表示させる。管理者は、第1登録画面を参照しつつ操作部340を操作して、出荷指図書810の各項目(図4(A)を参照)を端末装置300に入力する。
【0054】
プロセッサ310は、図6(A)のS104で、操作部340の操作を通じてメモリ320に取得した出荷指図書810の各項目を示す情報を、各種情報等の一つとして通信ネットワーク700に送出する。
【0055】
サーバ装置200において、プロセッサ210は、出荷指図書810の各項目を示す情報を、通信ネットワーク700および通信IF230を通じて受信する。これに応答して、プロセッサ210は、図6(A)のS105で、出荷指図書810の各項目を示す情報を、出荷指図番号R21、次数R22、出荷順R23、部材名R24、部材毎の個数R25、出荷日R26、着荷日R27、および行先拠点R28として含む新規の出荷指図レコードR2を作成し、メモリ220に記憶されている出荷指図DB223に登録する。プロセッサ210はさらに、出荷指図レコードR2において、部材名R24ごとの進捗状況R29として「未登録」を登録する。
【0056】
[製造工程S11,ピッキング工程S21]
工場の建屋Fでは、各種部材が製造され、ロット品置場に置かれる(図5の製造工程S11)。
【0057】
管理者は、ピッキング工程S21の担当者(以下、「ピッキング担当者」とも称する)向けに1または複数のピッキング指図書820を作成する。ピッキング指図書820は、図4(B)に示すように、出荷指図書810と同様の項目を含む。
【0058】
ピッキング担当者は、ピッキング指図書820で指定された部材をロット品置場からピッキングし(図5のピッキング工程S21)、パレットに載せ、各パレット上に「山」を作成する。
【0059】
ピッキング工程S21の完了後、ピッキング担当者は、作成した「山」ごとに、山情報R16を、端末装置600(図2を参照)を操作して入力する。山情報R16は、複数の項目として、図4(C)に示すように、ピッキング指図書820で指定されていた出荷指図番号901、次数902、出荷順903、部材名904、出荷日906、着荷日907、および行先拠点908に加え、総山数909および山番号910を示す情報を含む。総山数909は、ピッキング担当者が作成した「山」の総数である。山番号910は、作成された個々の「山」を示す番号である。
【0060】
[ピッキング工程の終了処理]
端末装置600は、山情報が入力されたことに応答して、図6(B)に示すピッキング工程の終了処理を開始する。
【0061】
端末装置600は、図6(B)のS201で、入力された山情報を2次元コード化した後、入力された出荷指図番号901、次数902、出荷順903、部材名904、出荷日906、行先拠点908、総山数909および山番号910と、作成した2次元コード911とをラベルに印刷し、山ラベル830(図3(C)参照)として排出する。ピッキング担当者は、排出された各山ラベル830を、対応する「山」に貼付する。
【0062】
端末装置600は、図6(B)のS202で、出荷指図番号901(担当指図情報の一例)を含むピッキング完了通知(担当工程情報の一例)を、通信ネットワーク700を通じてサーバ装置200に送信する。
【0063】
サーバ装置200のプロセッサ210は、図6(B)のS203で、ピッキング完了通知を受信したことに応じて、出荷指図DB223において、ピッキング完了通知の出荷指図番号901を含む出荷指図レコードR2を検索する。プロセッサ210はさらに、検索した出荷指図レコードR2に含まれる各進捗状況R29を「ピッキング完了」と設定する。
【0064】
[払出工程S31,払出工程の終了処理]
ピッキング担当者は、ピッキング工程S21(図5参照)で作成した「山」を載せた各パレットを、リフタ(例えばフォークリフト)により中間置場Pへと搬送して置く(図5の払出工程S31)。
【0065】
ピッキング担当者は、払出工程S31が完了すると、移動端末装置400を操作する。移動端末装置400において、プロセッサ410は、ピッキング担当者の操作に従って、図7に示す払出工程の終了処理を開始する。
【0066】
移動端末装置400のプロセッサ410は、図7のS301で、中間置場Pに置いた「山」に貼付された山ラベル830の2次元コード911をコードリーダ500で読み取ることを促すメッセージを、ディスプレイ460に表示させる。
【0067】
コードリーダ500は、ピッキング担当者の操作に従って、2次元コード911を示す画像を撮影およびデコードし、これによって、山情報R19を取得する。コードリーダ500は、取得した山情報R19を近距離無線通信プロトコルに従って移動端末装置400に送信する。
【0068】
移動端末装置400のプロセッサ410は、図7のS302で、コードリーダ500から送出された山情報R19を、近距離無線通信IF440を通じてメモリ420に取得する。
【0069】
次に、プロセッサ410は、図7のS303で、中間置場Pの置場番号の入力を促すメッセージを、ディスプレイ460に表示させる。ピッキング担当者は、操作部450を操作して、「山」を置いた中間置場Pの置場番号を移動端末装置400に入力する。プロセッサ410は、図7のS304で、操作部450の操作を通じて、置場番号を示す情報をメモリ420に取得し、その後、山情報R19および置場番号の組みを生成する。
【0070】
S301からS304は、ピッキング工程S21で作成された山数の分だけ繰り返される。最後のS304の次に、プロセッサ410は、S305で、山数分の山情報R19および置場番号の組みを含む払出完了通知(担当工程情報の一例)を、基地局800および通信ネットワーク700を通じてサーバ装置200に送信する。なお、山情報R19に含まれる出荷指図番号901は、担当指図情報の一例である。
【0071】
サーバ装置200のプロセッサ210は、払出完了通知の受信に応答して、図7のS306で、出荷指図DB223において、払出完了通知の山情報R19に含まれる出荷指図番号901を含む出荷指図レコードR2を検索する。プロセッサ210はさらに、検索した出荷指図レコードR2に含まれる各進捗状況R29を「払出完了」と設定する。
【0072】
プロセッサ210は、図7のS307で、中間置場DB222において、払出完了通知に含まれる置場番号と同じ置場番号R11を含む中間置場レコードR1を検索する。プロセッサ210はさらに、検索した中間置場レコードR1に、置場番号と同じ組の山情報R19を追加登録する。
【0073】
S306からS307は、払出完了通知に含まれる山情報R19の数の分だけ繰り返される。
【0074】
[ホーム出し工程S41]
管理者は、ホーム出し工程S41(図5参照)の担当者(以下、ホーム出し担当者」とも称する)向けに、ホーム出し指図書840を作成する。ホーム出し指図書840の作成のために、管理者は、端末装置300を操作する。この操作により、特定の中間置場レコードR1の条件(以下、「指定条件」とも称する)が指定される。指定条件は、少なくとも出荷日R26および行先拠点R28である。端末装置300において、プロセッサ310は、中間置場レコードR1の指定条件を含む送信要求(以下、「第2送信要求」とも称する)を通信ネットワーク700へ送出する。
【0075】
サーバ装置200において、プロセッサ210は、第2送信要求の受信に応答して、特定中間置場レコードR1を中間置場DB222から検索し、通信ネットワーク700に送出する。端末装置300において、プロセッサ310は、特定中間置場レコードR1をディスプレイ350に表示させる。管理者は、特定中間置場レコードR1を参照しつつ、ホーム出し指図書840を作成する。図8(A)において、ホーム出し指図書840は、山情報R16、置場番号R11、およびホーム番号R30の組みを含む。ホーム出し指図書840において、置場番号R11は、同組の山情報R16で特定される「山」が置かれている中間置場Pを示す。ホーム番号R30は、同組の山情報R16で特定される「山」の搬送先を示す出荷ホームを示す。
【0076】
管理者は、端末装置300を操作して、山情報R16毎に、ホーム出し指図書840に示されるホーム番号R30を端末装置300に入力する。プロセッサ310は、入力された山情報R16およびホーム番号R30の組みを通信ネットワーク700に送出する。
【0077】
サーバ装置200において、プロセッサ210は、山情報R16およびホーム番号R30の組みを通信ネットワーク700を通じて受信したことに応じて、出荷指図DB223において、受信した山情報R16の出荷指図番号R21を含む出荷指図レコードR2を検索する。プロセッサ210は、検索した出荷指図レコードR2に、受信した山情報R16と同組のホーム番号R30を登録する(図3参照)。
【0078】
ホーム出し工程S41の担当者(以下、「ホーム出し担当者」とも称する)は、ホーム出し指図書840で指定された置場番号R11で特定される中間置場Pから、山情報R16で特定される「山」を、ホーム番号R30で特定される出荷ホームへとリフタ等で搬送する。ホーム出し担当者が中間置場Pで「山」を見つけたとき、コードリーダ500は、ホーム出し担当者の操作に従って、「山」に貼付されている山ラベル830(図4(C)参照)の2次元コード911を示す画像を撮影およびデコードし、これによって、山情報R19を取得する。コードリーダ500は、取得した山情報R19を近距離無線通信プロトコルに従って移動端末装置400に送信する。
【0079】
移動端末装置400のプロセッサ410は、コードリーダ500から送出された山情報R19を、近距離無線通信IF440を通じてメモリ420に取得したことに応じて、ディスプレイ460に表示させる。ホーム出し担当者は、ディスプレイ460に表示される山情報R19により、ホーム出し指図書840で指定された正しい「山」を搬送しようとしているかを確認する。
【0080】
[ホーム出し工程S41の終了処理]
ホーム出し担当者は、ホーム出し工程S41が完了すると、移動端末装置400を操作する。これに応答して、移動端末装置400のプロセッサ410は、図9に示すホーム出し工程の終了処理を開始する。図9に示すホーム出し工程の終了処理は、図7に示す払出工程の終了処理と比較すると、「払出」が「ホーム出し」に代わる点と、「置場番号」が「ホーム番号」に代わる点と、S307の代わりにS401が実行される点とで相違する。
【0081】
図9のS401で、プロセッサ210は、出荷指図DB223において、S306で検索した出荷指図レコードR2に、ホーム番号R30を登録する。
【0082】
[積込作業S52等]
図5において、貨物車両は、管理者等により指定された日時に工場に到着すると、まず管理事務所Aに行き、入門手続を行う(S51)。入門手続において、貨物車両の運転者は、車両情報を管理者に伝え、管理者から積込指図書850(図8(B)参照)を受け取る。車両情報は、運転者の貨物車両を示す車両番号913(図8(B)参照)を少なくとも含む。車両情報は、車両番号913を示す情報の他、運転者の名前914や運転者が属する会社名915を示す情報を含んでいてもよい。積込指図書850は、車両番号913、名前914、および会社名915を示す情報に加え、ホーム番号R30、および出荷指図番号R21を含む。積込指図書850において、ホーム番号R30は、貨物車両が向かう出荷ホームを示し、出荷指図番号R21は、貨物車両に積み込む「山」を示す。
【0083】
貨物車両は、入門手続の完了後、積込指図書850のホーム番号R30で特定される出荷ホーム(以下、「指定ホーム」とも称する)へと向かう。貨物車両は、積込担当者による積込作業(S52)が完了することを指定ホームで待機する。なお、積込担当者にも、積込指図書850が管理者から渡されている。積込担当者は、積込指図書850で指定された全ての「山」を貨物車両に積み込む(図5の積込作業S52)。
【0084】
[積込作業S52の終了処理]
積込担当者は、積込作業S52が完了すると、移動端末装置400を操作する。この操作に応答して、移動端末装置400において、プロセッサ410は、図10に示す積込作業の終了処理を開始する。
【0085】
プロセッサ410は、図10のS501で、貨物車両に積み込む「山」に貼付された山ラベル830の2次元コード911をコードリーダ500で読み取ることを促すメッセージを、ディスプレイ460に表示させる。
【0086】
コードリーダ500は、積込担当者の操作に従って、2次元コード911を示す画像を撮影およびデコードし、これによって、山情報R19を取得する。コードリーダ500は、取得した山情報R19を近距離無線通信プロトコルに従って移動端末装置400に送信する。
【0087】
移動端末装置400のプロセッサ410は、図10のS502で、コードリーダ500から送出された山情報R19を、近距離無線通信IF440を通じてメモリ420に取得する。
【0088】
S501からS502は、積込指図書850で指定された「山」の数分だけ繰り返される。最後のS502の次に、プロセッサ410は、S503で、積込完了通知を、基地局800および通信ネットワーク700を通じてサーバ装置200に送信する。積込完了通知(担当工程情報の一例)は、S502で取得した各山情報R19に含まれる出荷指図番号901(担当指図情報の一例)を含む。
【0089】
サーバ装置200のプロセッサ210は、積込完了通知を各種情報の一つとして受信したことに応じて、図10のS504で、出荷指図DB223において、積込完了通知に含まれる出荷指図番号901を含む出荷指図レコードR2を検索する。プロセッサ210はさらに、検索した出荷指図レコードR2に含まれる各進捗状況R29を「積込完了」と設定する。
【0090】
S504は、積込完了通知に含まれる山情報R19の数の分だけ繰り返される。
【0091】
[進捗画面データの生成処理]
管理者は、出荷工程の進捗管理をしたいとき、端末装置300の操作部340に対して予め定められた操作(以下、「第1操作」とも称する)を行う。端末装置300において、プロセッサ310は、第1操作に応答して、図11のS601で、サーバ装置200への進捗画面データの送信要求(以下、「第3送信要求」とも称する)を、通信IF330から通信ネットワーク700に送信する。進捗画面データは、進捗画面1100(図12を参照)の表示用の画像データである。
【0092】
サーバ装置200において、プロセッサ210は、S602で、通信ネットワーク700および通信IF230を通じて第3送信要求を受信したことに応じて、進捗画面1100を表す進捗画面データを生成し、通信IF230から通信ネットワーク700に送出する。S602で進捗画面データを生成する処理は、合成処理の一例である。
【0093】
進捗画面1100は、図12に示すように、縦方向D1および横方向D2に予め定められたサイズを有する。縦方向D1および横方向D2は、第1方向および第2方向の一例である。
【0094】
プロセッサ210は、図12に示すように、進捗画面1100において縦方向D1の一方端付近の部分に、各建屋Fで製造される部材名904を示す情報を横方向D2に並ぶようにレイアウトする。詳細には、同じ建屋Fで製造される部材名904は、横方向D2において互いに隣り合うようにレイアウトされる。換言すると、進捗画面1100において、部材名904は、建屋番号916毎に隣り合うようにレイアウトされる。
【0095】
プロセッサ210は、メモリ220の出荷指図DB223から、出荷指図番号R21、次数R22および出荷順R23の組みを全て読み出す。プロセッサ210は、図12に示すように、進捗画面1100において横方向D2の一方端付近の部分に、読み出した出荷指図番号R21、次数R22および出荷順R23の組みを示す情報を縦方向D1に並ぶようにレイアウトする。詳細には、同じ出荷日R26に出荷予定の組みは、縦方向D1において互いに隣り合うようにレイアウトされる。
【0096】
プロセッサ210は、各出荷指図レコードR2から、部材名R24および進捗状況R29の各組を読み出す。プロセッサ210は、進捗画面110において、部材名904(即ち、横方向D2)および出荷指図番号R21(即ち、縦方向D1)で特定される位置(以下、「縦横位置」とも称する)に、進捗状況R29を示すために、進捗状況R29に予め定められている進捗状況オブジェクト1101を合成する。前述の通り、進捗状況R29は、「未登録」、「ピッキング完了」、「払出完了」、および「積込完了」のいずれかである。図12では、進捗状況オブジェクト1101は、「未登録」の場合、左下がりの密なハッチングで示される。進捗状況オブジェクト1101は、「ピッキング完了」の場合、右下がりの密なハッチングで示される。進捗状況オブジェクト1101は、「払出完了」の場合、右下がりの粗なハッチングで示される。進捗状況オブジェクト1101は、「ホーム出し完了」の場合、左下がりの粗なハッチングで示される。進捗状況オブジェクト1101は、「積込完了」の場合、格子状のハッチングで示される。
【0097】
プロセッサ210は、各中間置場レコードR1における各山情報R16から、出荷指図番号R21、部材名904および総山数909の各組を読み出す。プロセッサ210は、進捗画面110において、部材名904および出荷指図番号R21で特定される縦横位置に、進捗状況R29を示すために、総山数909が示す数字を合成する。
【0098】
プロセッサ210は、生成した進捗画面データを、通信IF230から通信ネットワーク700に送出する。以上で、図11のS602が終了する。
【0099】
端末装置300において、プロセッサ310は、S603で、通信IF330を通じて、進捗画面データを受信したことに応じて、図12で示すように、第1進捗画面データが示す進捗画面1100をディスプレイ350に表示させる。
【0100】
[システム100の作用効果]
本システム100では、サーバ装置200は、出荷工程の進捗状況を示す進捗画面データを生成し、端末装置300に送信する。端末装置300は、進捗画面データが示す進捗画面1100を表示する。進捗画面1100において、出荷指図番号R21(指図情報の一例)等が縦方向D1に配列され、部材名904(部材情報の一例)が横方向D2に配列されている。そして、出荷指図番号R21および部材名904で特定される縦横位置に、進捗状況を示すオブジェクト1101が合成されるため、管理者は、部材の出荷工程の進捗を容易に把握できる。なお、通信IF230、メモリ220、プロセッサ210は、第1通信インタフェース、第1メモリ、第1プロセッサの一例である。通信IF330、ディスプレイ350、プロセッサ310は、第2通信インタフェース、ディスプレイ、および第2プロセッサの一例である。
【0101】
進捗画面1100において、同一建屋Fで製造される複数の部材の名称(部材名)904は横方向D2において隣り合う。これにより、管理者は、例えば、どの建屋Fで部材の製造が遅れているのかを容易に把握できる。
【0102】
進捗画面1100において、同一出荷日R26に出荷される出荷指図番号R21は縦方向D1において隣り合う。これにより、管理者は、例えば、出荷日R26ごとに出荷工程が遅れているのかを容易に把握できる。
【0103】
端末装置300がサーバ装置200から進捗画面データの提供を受けるため、端末装置300のある場所で出荷工程の進捗を管理できる。
【符号の説明】
【0104】
100・・・システム
200・・・サーバ装置
300・・・端末装置
400・・・移動端末装置
210,310,410・・・プロセッサ
220,320,420・・・メモリ
230,330・・・通信IF
340,450・・・操作部
350,460・・・ディスプレイ
430・・・無線通信IF
440・・・近距離無線通信IF
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12