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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-16
(45)【発行日】2024-07-24
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   G03G 15/08 20060101AFI20240717BHJP
   G03G 21/16 20060101ALI20240717BHJP
【FI】
G03G15/08 322C
G03G15/08 341
G03G15/08 347
G03G21/16 104
G03G21/16 142
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2020204811
(22)【出願日】2020-12-10
(65)【公開番号】P2022092174
(43)【公開日】2022-06-22
【審査請求日】2023-11-28
(73)【特許権者】
【識別番号】000006150
【氏名又は名称】京セラドキュメントソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001933
【氏名又は名称】弁理士法人 佐野特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】曽田 智久
【審査官】藤井 達也
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-109326(JP,A)
【文献】特開2013-171062(JP,A)
【文献】米国特許第05570170(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03G 13/00
G03G 13/08
G03G 13/095
G03G 15/00
G03G 15/08
G03G 15/095
G03G 21/00
G03G 21/04
G03G 21/10-21/12
G03G 21/16-21/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
像担持体にトナーを供給する現像装置と、
前記現像装置に補給される前記トナーを収容する第1コンテナ及び第2コンテナと、
前記第1コンテナ及び前記第2コンテナの前記トナーを前記現像装置に補給するトナー補給装置と、
前記第1コンテナ内及び前記第2コンテナ内の前記トナーの残量を検出する残量検出部と、
を備え、
前記トナー補給装置は、
前記現像装置に接続され、前記トナーが前記現像装置内に流入する単一の補給管と、
前記第1コンテナと前記補給管との間に接続され、前記トナーが前記第1コンテナ側から前記補給管側に向かって搬送される第1搬送管と、
前記第2コンテナと前記補給管との間に接続され、前記トナーが前記第2コンテナ側から前記補給管側に向かって搬送される第2搬送管と、
前記第1搬送管内に回転可能に配置され、前記トナーを前記第1コンテナ側から前記補給管側に向けて搬送する第1搬送部材と、
前記第2搬送管内に回転可能に配置され、前記トナーを前記第2コンテナ側から前記補給管側に向けて搬送する第2搬送部材と、
前記第1搬送部材及び前記第2搬送部材の一方を選択的に駆動させるクラッチと、
前記第1搬送部材に連結され、前記第1搬送部材とともに回転する第1検知軸と、
前記第2搬送部材に連結され、前記第2搬送部材とともに回転する第2検知軸と、
前記第1検知軸及び前記第2検知軸の回転を検知する単一の光学センサーと、
を備え、
前記残量検出部は、前記光学センサーからの出力信号に基づいて前記第1検知軸及び前記第2検知軸の回転数を計数し、当該回転数に基づいて前記第1コンテナ内及び前記第2コンテナ内の前記トナーの残量を検出し、
前記第1検知軸は、前記光学センサーの光路上に対して進入、退避する第1遮光板を有し、
前記第2検知軸は、前記光学センサーの光路上に対して進入、退避する第2遮光板を有し、
前記第1遮光板及び前記第2遮光板の一方は、前記クラッチにより駆動される前記第1搬送部材または前記第2搬送部材とともに回転して他方に接触することで、前記光学センサーの前記光路上から前記他方を退避させることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記第1遮光板及び前記第2遮光板の少なくとも一方は、互いの接触箇所において、他方に向かって突出する突起部を有し、
前記突起部の先端は、頂点を有するか、若しくは曲面であることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記第1検知軸及び前記第2検知軸の回転軸線から前記第1遮光板及び前記第2遮光板の径方向外端部までの半径の最大値をRとし、前記第1検知軸及び前記第2検知軸の前記回転軸線間の距離をDとし、前記第1検知軸及び前記第2検知軸の半径をrとし、前記第1検知軸と前記第2検知軸との間で必要な径方向のクリアランスの最小値をcとし、前記回転軸線から前記光学センサーの検出部の最も遠い端部までの径方向の距離をR1とし、前記回転軸線から前記光学センサーの保持部材の最も近い縁部までの径方向の距離をR2とした場合に、下記式(1)及び式(2)をともに満たすことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の画像形成装置。
式(1) R≦D-r-c
式(2) R1<R<R2
【請求項4】
前記半径の最大値Rは、下記式(3)及び式(4)をともに満たすことを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
式(3) R=D-r-c
式(4) R=(R1+R2)/2
【請求項5】
前記残量検出部は、前記光学センサーの前記光路が、前記第1遮光板または前記第2遮光板によって遮蔽されるタイミングの前記出力信号、または遮蔽が解除されるタイミングの前記出力信号に基づき、前記回転数を計数することを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
複写機やプリンター等の電子写真方式の画像形成装置では、像担持体である感光体ドラムの表面に形成した静電潜像を現像剤で現像し、後に用紙に転写されるトナー像を形成する装置が広く利用されている。このような従来の画像形成装置一例が、特許文献1に開示されている。
【0003】
特許文献1で開示された従来の画像形成装置は、1つの現像装置に対して補給されるトナーを収容する第1トナーコンテナ及び第2トナーコンテナを備える。この画像形成装置は、一方のトナーコンテナが空になった場合に、他方のトナーコンテナから現像装置にトナーを補給することが可能である。これにより、トナーコンテナの交換に伴って画像形成動作が停止する頻度や時間を低減することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2019-109326号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記従来の画像形成装置は、第1トナーコンテナから現像装置に至るまでのトナー搬送部と、第2トナーコンテナから現像装置に至るまでのトナー搬送部と、の2箇所に1つずつ、トナーの有無を検知するセンサーが設けられている。2つのセンサーを備えると、画像形成装置の高コスト化、大型化が課題となった。
【0006】
本発明は、上記の点に鑑みなされたものであり、低コスト化、小型化が図られた構成で、1つの現像装置にトナーを補給する2つのコンテナ内それぞれのトナーの残量を精度良く検出することが可能な画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するため、本発明の画像形成装置は、現像装置と、第1コンテナと、第2コンテナと、トナー補給装置と、残量検出部と、を備える。前記現像装置は、像担持体にトナーを供給する。前記第1コンテナ及び前記第2コンテナは、前記現像装置に補給される前記トナーを収容する。前記トナー補給装置は、前記第1コンテナ及び前記第2コンテナの前記トナーを前記現像装置に補給する。前記残量検出部は、前記第1コンテナ内及び前記第2コンテナ内の前記トナーの残量を検出する。前記トナー補給装置は、補給管と、第1搬送管と、第2搬送管と、第1搬送部材と、第2搬送部材と、クラッチと、第1検知軸と、第2検知軸と、光学センサーと、を備える。前記補給管は、単一であり、前記現像装置に接続され、前記トナーが前記現像装置内に流入する。前記第1搬送管は、前記第1コンテナと前記補給管との間に接続され、前記トナーが前記第1コンテナ側から前記補給管側に向かって搬送される。前記第2搬送管は、前記第2コンテナと前記補給管との間に接続され、前記トナーが前記第2コンテナ側から前記補給管側に向かって搬送される。前記第1搬送部材は、前記第1搬送管内に回転可能に配置され、前記トナーを前記第1コンテナ側から前記補給管側に向けて搬送する。前記第2搬送部材は、前記第2搬送管内に回転可能に配置され、前記トナーを前記第2コンテナ側から前記補給管側に向けて搬送する。前記クラッチは、前記第1搬送部材及び前記第2搬送部材の一方を選択的に駆動させる。前記第1検知軸は、前記第1搬送部材に連結され、前記第1搬送部材とともに回転する。前記第2検知軸は、前記第2搬送部材に連結され、前記第2搬送部材とともに回転する。前記光学センサーは、単一であり、前記第1検知軸及び前記第2検知軸の回転を検知する。前記残量検出部は、前記光学センサーからの出力信号に基づいて前記第1検知軸及び前記第2検知軸の回転数を計数し、当該回転数に基づいて前記第1コンテナ内及び前記第2コンテナ内の前記トナーの残量を検出する。前記第1検知軸は、前記光学センサーの光路上に対して進入、退避する第1遮光板を有する。前記第2検知軸は、前記光学センサーの光路上に対して進入、退避する第2遮光板を有する。前記第1遮光板及び前記第2遮光板の一方は、前記クラッチにより駆動される前記第1搬送部材または前記第2搬送部材とともに回転して他方に接触することで、前記光学センサーの前記光路上から前記他方を退避させる。
【発明の効果】
【0008】
本発明の構成によれば、光学センサーの光路上には、第1遮光板及び第2遮光板のいずれか一方が存在することになる。すなわち、単一の光学センサーによって、第1遮光板及び第2遮光板のそれぞれの回転を個別に検知することができる。これにより、低コスト化、小型化が図られた構成で、1つの現像装置にトナーを補給する2つのコンテナ内それぞれのトナーの残量を精度良く検出することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の実施形態の画像形成装置の構成を示す概略断面図である。
図2図1の画像形成装置の概略構成を示すブロック図である。
図3図1の画像形成装置の画像形成部周辺を示す断面図である。
図4図1の画像形成装置のトナー補給装置周辺の斜視図である。
図5図4のトナー補給装置周辺の正面図である。
図6図4のトナー補給装置周辺の側面図である。
図7図4のトナー補給装置の斜視図である。
図8図4のトナー補給装置の平面図である。
図9図7のトナー補給装置の第1搬送管及び第2搬送管の斜視図である。
図10図9のトナー補給装置の第1搬送部材及び第2搬送部材の斜視図である。
図11図9のトナー補給装置の第1搬送管及び第2搬送管の側面図である。
図12図9のトナー補給装置の第1検知軸、第2検知軸及び光学センサー周辺の背面断面図である。
図13図12の第1検知軸及び第2検知軸の回転状態を示す説明図である。
図14図12の第1検知軸及び第2検知軸の回転状態を示す説明図である。
図15図12の第1検知軸及び第2検知軸の回転状態を示す説明図である。
図16図12の第1検知軸及び第2検知軸の詳細構成を示す説明図である。
図17図2の残量検出部による第1検知軸及び第2検知軸の回転数の計数に係る説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態を図に基づき説明する。なお、本発明は以下の内容に限定されるものではない。
【0011】
図1は、実施形態の画像形成装置1の構成を示す概略断面図である。図2は、図1の画像形成装置1の概略構成を示すブロック図である。図3は、図1の画像形成装置1の画像形成部20周辺を示す断面図である。本実施形態の画像形成装置1の一例としては、中間転写ベルト31を用いてトナー像を用紙Sに転写するタンデム方式のカラープリンターである。画像形成装置1は、例えば印刷、スキャン(画像読取)、ファクシミリ送信等の機能を備えたいわゆる複合機であって良い。
【0012】
画像形成装置1は、図1図2及び図3に示すように、その本体2に設けられた、給紙部3、用紙搬送部4、露光部5、画像形成部20、転写部30、定着部6、用紙排出部7及び制御部8を有する。
【0013】
給紙部3は、複数枚の用紙Sを収容し、印刷時に用紙Sを1枚ずつ分離して送り出す。用紙搬送部4は、給紙部3から送り出された用紙Sを二次転写部33及び定着部6へと搬送し、さらに定着後の用紙Sを用紙排出口4aから用紙排出部7に排出する。両面印刷が行われる場合、用紙搬送部4は、第一面の定着後の用紙Sを分岐部4bによって反転搬送部4cに振り分け、用紙Sを再度、二次転写部33及び定着部6へと搬送する。露光部5は、画像データに基づき制御されたレーザー光を画像形成部20に向かって照射する。
【0014】
画像形成部20は、中間転写ベルト31の下方に配置される。画像形成部20は、イエロー用の画像形成部20Yと、シアン用の画像形成部20Cと、マゼンタ用の画像形成部20Mと、ブラック用の画像形成部20Bと、を含む。これらの4つの画像形成部20は、基本的な構成が同じである。これにより、以下の説明において、特に限定する必要がある場合を除き、各色を表す「Y」、「C」、「M」、「B」の識別記号は省略することがある。
【0015】
画像形成部20は、図3に示すように、所定の方向(図3における時計回り)に回転可能に支持された感光体ドラム(像担持体)21を備える。画像形成部20は、さらに感光体ドラム21の周囲に、その回転方向に沿って配置された帯電部22と、現像装置40と、ドラムクリーニング部23と、を備える。なお、現像装置40とドラムクリーニング部23との間に一次転写部32が配置される。
【0016】
感光体ドラム21は、外周面に感光層を有する。帯電部22は、感光体ドラム21の外周面を所定電位に帯電させる。露光部5は、帯電部22によって帯電された感光体ドラム21の外周面を露光し、感光体ドラム21の外周面に原稿画像の静電潜像を形成する。現像装置40は、この静電潜像にトナーを付着させて現像し、トナー像を形成する。4つの画像形成部20それぞれは、異なる色のトナー像を形成する。ドラムクリーニング部23は、トナー像が中間転写ベルト31の外周面に一次転写された後に、感光体ドラム21の外周面に残留するトナー等を除去してクリーニングする。このようにして、画像形成部20は、用紙Sへの画像形成を行う。
【0017】
転写部30は、図1に示すように、中間転写ベルト31、一次転写部32Y、32C、32M、32B、二次転写部33、及びベルトクリーニング部34を備える。中間転写ベルト31は、4つの画像形成部20の上方に配置される。中間転写ベルト31は、所定の方向(図1における反時計回り)に回転可能に支持され、4つの画像形成部20それぞれで形成されたトナー像が順次重ねて一次転写される中間転写体である。4つの画像形成部20は、中間転写ベルト31の回転方向上流側から下流側に向けて一列に並んだいわゆるタンデム方式にして配置される。
【0018】
一次転写部32Y、32C、32M、32Bは、中間転写ベルト31を挟んで、各色の画像形成部20Y、20C、20M、20Bの上方に配置される。二次転写部33は、用紙搬送部4の、定着部6よりも用紙搬送方向上流側であって、転写部30の、各色の画像形成部20Y、20C、20M、20Bよりも中間転写ベルト31の回転方向下流側に配置される。ベルトクリーニング部34は、各色の画像形成部20Y、20C、20M、20Bよりも中間転写ベルト31の回転方向上流側に配置される。
【0019】
トナー像は、各色の一次転写部32Y、32C、32M、32Bで中間転写ベルト31の外周面に一次転写される。そして、中間転写ベルト31の回転とともに所定のタイミングで4つの画像形成部20のトナー像が連続して重ねて中間転写ベルト31に転写されることにより、中間転写ベルト31の外周面にはイエロー、シアン、マゼンタ、ブラックの4色のトナー像が重ね合わされたカラートナー像が形成される。
【0020】
中間転写ベルト31の外周面のカラートナー像は、用紙搬送部4によって同期をとって送られてきた用紙Sに、二次転写部33に形成される二次転写ニップ部で転写される。ベルトクリーニング部34は、二次転写後に中間転写ベルト31の外周面に残留するトナー等を除去してクリーニングする。
【0021】
定着部6は、二次転写部33の上方に配置される。定着部6は、トナー像が転写された用紙Sを加熱、加圧してトナー像を用紙Sに定着させる。
【0022】
用紙排出部7は、転写部30の上方に配置される。トナー像が定着されて印刷が完了した用紙Sは、用紙排出部7に搬送される。
【0023】
制御部8は、CPU、画像処理部、記憶部、並びにその他の電子回路及び電子部品を含む(いずれも不図示)。CPUは、記憶部に記憶された制御用のプログラムやデータに基づき、画像形成装置1に設けられた各構成要素の動作を制御して画像形成装置1の機能に係る処理を行う。給紙部3、用紙搬送部4、露光部5、画像形成部20、転写部30及び定着部6のそれぞれは、制御部8から個別に指令を受け、連動して用紙Sへの印刷を行う。記憶部は、例えばプログラムROM(Read Only Memory)、データROMなどといった不揮発性の記憶装置と、RAM(Random Access Memory)のような揮発性の記憶装置との組み合わせで構成される。
【0024】
続いて、現像装置40とその周辺の構成について、図3を用いて説明する。なお、各色の現像装置40は基本的な構成が同じであるので、構成要素について各色を表す識別記号の記載と、説明とを省略する。
【0025】
現像装置40は、感光体ドラム21の外周面にトナーを供給する。現像装置40は、現像容器41と、第1攪拌搬送部材42と、第2攪拌搬送部材43と、現像ローラー44と、規制部材45と、を備える。
【0026】
現像容器41は、感光体ドラム21の軸線方向(図3の紙面奥行き方向)に沿って延びる細長い形状であって、その長手方向を水平にして配置される。現像容器41は、現像剤として、例えば磁性トナーを含む磁性一成分現像剤を収容する。現像剤は、例えば非磁性一成分現像剤や、トナー及び磁性キャリアを含む二成分現像剤であっても良い。現像容器41は、仕切り部411と、第1搬送室412と、第2搬送室413と、を有する。
【0027】
仕切り部411は、現像容器41の内部の下部に設けられる。仕切り部411は、現像容器41の下部の、軸線方向と交差する方向(図3の左右方向)の略中央部に設けられ、軸線方向及び上下方向に延びる。仕切り部411は、現像容器41の内部を、軸線方向と交差する方向(図3の左右方向)において区分する。現像容器41は、仕切り部411の軸線方向(図3の紙面奥行き方向)の両端側それぞれに、第1搬送室412と第2搬送室413との連通部(不図示)を備える。
【0028】
第1搬送室412及び第2搬送室413は、現像容器41の内部に設けられる。第1搬送室412及び第2搬送室413は、現像容器41の内部が仕切り部411によって区分されることで形成され、互いに並置される。第2搬送室413は、現像容器41の内部の、現像ローラー44の配置領域の下方に隣接して配置される。第1搬送室412は、現像容器41の内部の、第2搬送室413よりも現像ローラー44から離隔した領域に配置される。第1搬送室412は、図3に示す補給管接続部412aを介してトナーの補給を受ける。
【0029】
第1攪拌搬送部材42は、第1搬送室412の内部に配置される。第2攪拌搬送部材43は、第2搬送室413の内部に配置される。第2攪拌搬送部材43は、現像ローラー44に近接して平行に延びる。第1攪拌搬送部材42及び第2攪拌搬送部材43は、感光体ドラム21と平行に延びる軸線回りに回転可能にして現像容器41に支持される。第1攪拌搬送部材42及び第2攪拌搬送部材43は、それらの軸線回りに回転することで、当該回転の軸線方向に沿って互いに反対方向に現像剤を攪拌しながら搬送する。
【0030】
第1攪拌搬送部材42及び第2攪拌搬送部材43の回転により、現像剤は、仕切り部411の軸線方向の両端部それぞれに配置された連通部を通って、第1搬送室412と、第2搬送室413との間を循環する。第1搬送室412及び第2搬送室413において、外部から補給されたトナーが攪拌され、帯電される。
【0031】
現像ローラー44は、現像容器41の内部の、第2攪拌搬送部材43の上方に配置される。現像ローラー44は、感光体ドラム21の軸線と平行に延びる軸線回りに回転可能にして現像容器41に支持される。現像ローラー44は、例えば図3において反時計回りに回転する円筒状の現像スリーブと、現像スリーブ内に固定された現像ローラー側磁極とを有する(いずれも不図示)。
【0032】
現像ローラー44は、その外周面の一部が現像容器41から露出し、感光体ドラム21と対向し、近接する。現像ローラー44は、感光体ドラム21との対向領域において感光体ドラム21の外周面に供給するトナーを、その外周面に担持する。現像ローラー44は、第2搬送室413内のトナーを感光体ドラム21の外周面の静電潜像に付着させ、トナー像を形成する。
【0033】
規制部材45は、現像ローラー44と感光体ドラム21との対向領域の、現像ローラー44の回転方向上流側に配置される。規制部材45は、現像ローラー44に近接して対向し、その先端と現像ローラー44の外周面との間に所定の間隔を設けて配置される。規制部材45は、現像ローラー44の軸線方向(図3の紙面奥行き方向)の全域にわたって延びる。規制部材45は、現像ローラー44の外周面に担持される現像剤(トナー)の層厚を規制する。
【0034】
現像容器41内のトナーは、第1攪拌搬送部材42及び第2攪拌搬送部材43において攪拌、循環されて帯電され、第2攪拌搬送部材43によって現像ローラー44の外周面に渡される。トナーは、規制部材45によって層厚が規制された後、現像ローラー44の回転によって現像ローラー44と感光体ドラム21との対向領域に搬送される。現像ローラー44に所定の現像電圧が印加されると、感光体ドラム21の外周面の電位との間の電位差により、現像ローラー44の外周面に担持されたトナーが現像空間において感光体ドラム21の外周面に飛翔し、感光体ドラム21の外周面の静電潜像が現像される。
【0035】
現像装置40へのトナーの補給に関し、画像形成装置1は、第1コンテナ51と、第2コンテナ52と、トナー補給装置60と、を備える(図4参照)。第1コンテナ51、第2コンテナ52及びトナー補給装置60は、現像装置40の上方に配置される。第1コンテナ51、第2コンテナ52及びトナー補給装置60は、イエロー、シアン、マゼンタ、ブラックの4色それぞれに対応して1つずつ設けられる。
【0036】
続いて、トナー補給装置60周辺の構成について、図4から図12を用いて説明する。図4は、図1の画像形成装置1のトナー補給装置60周辺の斜視図である。図5は、図4のトナー補給装置60周辺の正面図である。図6は、図4のトナー補給装置60周辺の側面図である。図7は、図4のトナー補給装置60の斜視図である。図8は、図4のトナー補給装置60の平面図である。図9は、図7のトナー補給装置60の第1搬送管66及び第2搬送管67の斜視図である。図10は、図9のトナー補給装置60の第1搬送部材68及び第2搬送部材69の斜視図である。図11は、図9のトナー補給装置60の第1搬送管66及び第2搬送管67の側面図である。図12は、図9のトナー補給装置60の第1検知軸81、第2検知軸82及び光学センサー83周辺の背面断面図である。
【0037】
第1コンテナ51、第2コンテナ52及びトナー補給装置60は、イエロー用の第1コンテナ51Y、第2コンテナ52Y及びトナー補給装置60Yと、シアン用の第1コンテナ51C、第2コンテナ52C及びトナー補給装置60Cと、マゼンタ用の第1コンテナ51M、第2コンテナ52M及びトナー補給装置60Mと、ブラック用の第1コンテナ51B、第2コンテナ52B及びトナー補給装置60Bと、を含む。これらの色毎の第1コンテナ51、第2コンテナ52及びトナー補給装置60は、基本的な構成が同じである。これにより、以下の説明において、特に限定する必要がある場合を除き、各色を表す「Y」、「C」、「M」、「B」の識別記号は省略することがある。
【0038】
第1コンテナ51は、第2コンテナ52よりも上方に配置される。第2コンテナ52は、第1コンテナ51よりも下方に配置される。第1コンテナ51及び第2コンテナ52は、正面から見て、画像形成部20及びトナー補給装置60の配列方向にずれて配置される。第1コンテナ51及び第2コンテナ52は、本体2に対して着脱可能であり、現像装置40に補給されるトナーを収容する。
【0039】
第1コンテナ51及び第2コンテナ52は、感光体ドラム21の軸線方向Dxに沿って延びる細長い円筒形状であって、その長手方向を水平にして配置される。第1コンテナ51及び第2コンテナ52の周壁には、径方向内側に向かって突出し、長手方向に延びる螺旋状の突出部51s、52sが形成される。
【0040】
第1コンテナ51及び第2コンテナ52は、軸線方向Dxの一端側(前側)が閉塞され、他端側(後側)に開口部(不図示)を有する。第1コンテナ51及び第2コンテナ52は、開口側である後側においてトナー補給装置60の第1コンテナ接続部61及び第2コンテナ接続部62に接続される。第1コンテナ51及び第2コンテナ52は、感光体ドラム21の軸線方向Dxと平行に延びる軸線回りに回転可能にトナー補給装置60に支持される。
【0041】
第1コンテナ51及び第2コンテナ52は、駆動部(不図示)によって、感光体ドラム21の軸線方向Dxと平行に延びる軸線回りに回転される。第1コンテナ51及び第2コンテナ52が回転すると、内部のトナーは、螺旋状の突出部51s、52sによって、開口側である後側に向かって送られる。これにより、第1コンテナ51及び第2コンテナ52それぞれの内部のトナーは、開口部からトナー補給装置60内に流入する。
【0042】
トナー補給装置60は、第1コンテナ51及び第2コンテナ52の後側に配置される。4つのトナー補給装置60は、4つの画像形成部20と同じ順番で一列に並置される。トナー補給装置60は、第1コンテナ51及び第2コンテナ52のトナーを現像装置40に補給する。
【0043】
トナー補給装置60は、第1コンテナ接続部61と、第2コンテナ接続部62と、補給管63と、第1垂直管64と、第2垂直管65と、第1搬送管66と、第2搬送管67と、第1搬送部材68と、第2搬送部材69と、搬送駆動部70と、第1検知軸81と、第2検知軸82と、光学センサー83と、を備える。
【0044】
第1コンテナ接続部61は、トナー補給装置60の上部であって、第2コンテナ接続部62よりも上方に配置される。第1コンテナ接続部61は、内部にトナー流通路(不図示)を有する。第1コンテナ接続部61は、第1コンテナ51の開口部側が接続され、第1コンテナ51を回転可能に支持する。第1コンテナ接続部61のトナー流通方向下流端は、第1垂直管64に接続される。第1コンテナ51内のトナーが現像装置40に補給される際、トナーは、第1コンテナ51から第1コンテナ接続部61内に流入し、第1コンテナ接続部61内を通って第1垂直管64に向かって流出する。
【0045】
第2コンテナ接続部62は、トナー補給装置60の上部であって、第1コンテナ接続部61よりも下方に配置される。第2コンテナ接続部62は、内部にトナー流通路(不図示)を有する。第2コンテナ接続部62は、第2コンテナ52の開口部側が接続され、第2コンテナ52を回転可能に支持する。第2コンテナ接続部62のトナー流通方向下流端は、第2垂直管65に接続される。第2コンテナ52内のトナーが現像装置40に補給される際、トナーは、第2コンテナ52から第2コンテナ接続部62内に流入し、第2コンテナ接続部62内を通って第2垂直管65に向かって流出する。
【0046】
補給管63は、トナー補給装置60の下部に配置される。トナー補給装置60は、単一の補給管63を備える。補給管63は、上下方向に延びる筒形状に形成される。補給管63の上端は、第1搬送管66と第2搬送管67との合流部60aに接続される。補給管63の下端は、現像装置40の補給管接続部412aに接続される。第1コンテナ51内及び第2コンテナ52内のトナーが現像装置40に補給される際、トナーは、合流部60aから補給管63内に流入し、補給管63内を通って現像装置40内に流入する。
【0047】
第1垂直管64は、第1コンテナ接続部61と第1搬送管66との間に配置される。第1垂直管64は、上下方向に延びる筒形状に形成される。第1垂直管64の上端は、第1コンテナ接続部61に接続される。第1垂直管64の下端は、第1搬送管66に接続される。第1コンテナ51内のトナーが現像装置40に補給される際、トナーは、第1コンテナ接続部61から第1垂直管64内に流入し、第1垂直管64内を通って第1搬送管66に向かって流出する。
【0048】
第2垂直管65は、第2コンテナ接続部62と第2搬送管67との間に配置される。第2垂直管65は、上下方向に延びる筒形状に形成される。第2垂直管65の上端は、第2コンテナ接続部62に接続される。第2垂直管65の下端は、第2搬送管67に接続される。第2コンテナ52内のトナーが現像装置40に補給される際、トナーは、第2コンテナ接続部62から第2垂直管65内に流入し、第2垂直管65内を通って第2搬送管67に向かって流出する。
【0049】
第1コンテナ51及び第1コンテナ接続部61が第2コンテナ52及び第2コンテナ接続部62よりも上方に配置されることにより、第1垂直管64は、第2垂直管65よりも上下方向に長い。第2コンテナ52及び第2コンテナ接続部62が第1コンテナ51及び第1コンテナ接続部61よりも下方に配置されることにより、第2垂直管65は、第1垂直管64よりも上下方向に短い。第1垂直管64及び第2垂直管65は、感光体ドラム21の軸線方向Dxにおいて同じ位置に配置される。言い換えれば、第1垂直管64及び第2垂直管65は、軸線方向Dxと直交する直線上に並置される。
【0050】
第1搬送管66は、上下方向において第1垂直管64と補給管63との間に配置される。第1搬送管66は、水平方向に延びる筒形状に形成される。第1搬送管66の延伸方向の一端側には、第1垂直管64が接続される。第1搬送管66の延伸方向の他端部は、合流部60aに接続される。第1コンテナ51内のトナーが現像装置40に補給される際、トナーは、第1垂直管64から第1搬送管66内に流入し、第1搬送管66内を通って合流部60aに向かって流出する。言い換えれば、第1搬送管66は、第1コンテナ51と補給管63との間に接続され、トナーが第1コンテナ51側から補給管63側に向かって搬送される。
【0051】
第2搬送管67は、上下方向において第2垂直管65と補給管63との間に配置される。第2搬送管67は、水平方向に延びる筒形状に形成される。第2搬送管67の延伸方向の一端側には、第2垂直管65が接続される。第2搬送管67の延伸方向の他端部は、合流部60aに接続される。第2コンテナ52内のトナーが現像装置40に補給される際、トナーは、第2垂直管65から第2搬送管67内に流入し、第2搬送管67内を通って合流部60aに向かって流出する。言い換えれば、第2搬送管67は、第2コンテナ52と補給管63との間に接続され、トナーが第2コンテナ52側から補給管63側に向かって搬送される。
【0052】
第1搬送管66及び第2搬送管67は、互いの延伸方向の合流部60a側において、延長線が交差するように配置される。言い換えれば、第1搬送管66及び第2搬送管67は、互いの延伸方向の間の角度が水平方向において鋭角であり、上下方向から見てV字形状に配置される。
【0053】
第1搬送部材68は、第1搬送管66内に配置される。第1搬送部材68は、筒形状の第1搬送管66の軸線方向の両端間に設けられた回転軸681と、回転軸681の外周面に形成された軸線方向に沿って螺旋状に延びる第1搬送羽根682と、を有する。第1搬送部材68は、水平方向に延びる軸線回りに回転可能に第1搬送管66内に支持される。なお、第1搬送部材68の軸線方向の一端部は、合流部60a内に位置する。
【0054】
第1搬送部材68は、その軸線回りに回転することで、第1搬送管66内のトナーを回転軸線と平行なトナー搬送方向f1(図8図9及び図10参照)に沿って攪拌しながら搬送する。第1搬送部材68は、第1搬送管66内のトナーを、第1垂直管64側から合流部60a側に向けて搬送する。言い換えれば、第1搬送部材68は、トナーを第1コンテナ51側から補給管63側に向けて搬送する。
【0055】
第2搬送部材69は、第2搬送管67内に配置される。第2搬送部材69は、筒形状の第2搬送管67の軸線方向の両端間に設けられた回転軸691と、回転軸691の外周面に形成された軸線方向に沿って螺旋状に延びる第2搬送羽根692と、を有する。第2搬送部材69は、水平方向に延びる軸線回りに回転可能に第2搬送管67内に支持される。なお、第2搬送部材69の軸線方向の一端部は、合流部60a内に位置する。
【0056】
第2搬送部材69は、その軸線回りに回転することで、第2搬送管67内のトナーを回転軸線と平行なトナー搬送方向f2(図8図9及び図10参照)に沿って攪拌しながら搬送する。第2搬送部材69は、第2搬送管67内のトナーを、第2垂直管65側から合流部60a側に向けて搬送する。言い換えれば、第2搬送部材69は、トナーを第2コンテナ52側から補給管63側に向けて搬送する。
【0057】
搬送駆動部70は、トナー補給装置60の後部であって、第1搬送管66及び第2搬送管67のトナー搬送方向上流側に配置される。搬送駆動部70は、第1搬送部材68及び第2搬送部材69を回転させる駆動力を生み、伝達する。搬送駆動部70は、モーター71と、ギア群72と、第1クラッチ73と、第2クラッチ74と、を備える。
【0058】
モーター71は、ギア群72に連結される。モーター71は、第1搬送部材68及び第2搬送部材69を回転させる駆動力を生む。モーター71の駆動力は、ギア群72を介して第1搬送部材68及び第2搬送部材69に伝達される。モーター71は、制御部8によって制御される。
【0059】
ギア群72は、モーター71と第1搬送部材68及び第2搬送部材69とに連結される。ギア群72は、複数のギアで構成され、モーター71の駆動力を第1搬送部材68及び第2搬送部材69に伝達する。
【0060】
第1クラッチ73は、ギア群72の、第1搬送部材68への駆動力の伝達経路上に配置される。第1クラッチ73は、例えばワンウェイクラッチで構成され、第1搬送部材68の、トナー搬送方向f1に沿ってトナーを搬送する正回転を許容し、逆回転を規制する。
【0061】
第2クラッチ74は、ギア群72の、第2搬送部材69への駆動力の伝達経路上に配置される。第2クラッチ74は、例えばワンウェイクラッチで構成され、第2搬送部材69の、トナー搬送方向f2に沿ってトナーを搬送する正回転を許容し、逆回転を規制する。
【0062】
第1クラッチ73及び第2クラッチ74は、第1搬送部材68及び第2搬送部材69の一方を選択的に駆動させる。すなわち、搬送駆動部70では、モーター71が第1の方向に回転すると、第1搬送部材68がトナー搬送方向f1に沿ってトナーを搬送する正回転を行うとともに、第2搬送部材69が回転を停止する。また、搬送駆動部70では、モーター71が第2の方向に回転すると、第2搬送部材69がトナー搬送方向f2に沿ってトナーを搬送する正回転を行うとともに、第1搬送部材68が回転を停止する。
【0063】
第1検知軸81は、ギア群72を構成するギアの1つに接続される。第1検知軸81は、ギア群72を介して第1搬送部材68に連結され、第1搬送部材68とともに回転する。第1検知軸81は、第1搬送部材68と同じ方向に、同じ回転速度で回転する。第1検知軸81は、図12に示すように、第1搬送管66のトナー搬送方向上流側から見て時計回りに回転する。第1検知軸81は、本実施形態において、第2検知軸82に隣接し、第2検知軸82と平行に延びる。
【0064】
第1検知軸81は、2つの第1遮光板811を有する。2つの第1遮光板811は、第1検知軸81の径方向外側に向かって延び、周方向に180度の角度間隔で配列される。第1検知軸81が回転することで、第1遮光板811は、光学センサー83の光路上に対して進入、退避する。
【0065】
第2検知軸82は、本実施形態において、第2搬送部材69の回転軸691と同軸上に接続される。すなわち、第2検知軸82は、第2搬送部材69に連結され、第2搬送部材69とともに回転する。第2検知軸82は、第2搬送部材69と同じ方向に、同じ回転速度で回転する。第2検知軸82は、図12に示すように、第2搬送管67のトナー搬送方向上流側から見て反時計回りに回転する。
【0066】
第2検知軸82は、2つの第2遮光板821を有する。2つの第2遮光板821は、第2検知軸82の径方向外側に向かって延び、周方向に180度の角度間隔で配列される。第2検知軸82が回転することで、第2遮光板821は、光学センサー83の光路上に対して進入、退避する。
【0067】
光学センサー83は、第1検知軸81と第2検知軸82との間の、上方に配置される。トナー補給装置60は、単一の光学センサー83を備える。光学センサー83は、例えば光透過型のセンサーであって、発光部及び受光部(ともに不図示)を備え、発光部から受光部に向かう光路を有する。光学センサー83は、光路の遮蔽(遮光)及び遮蔽解除(透光)を検知する。
【0068】
光学センサー83の光路上には、第1検知軸81の第1遮光板811及び第2検知軸82の第2遮光板821が進入、退避する。これにより、光学センサー83は、第1検知軸81及び第2検知軸82の回転を検知する。光学センサー83は、第1検知軸81及び第2検知軸82の回転の検知に係る信号を制御部8に対して出力する。
【0069】
制御部8は、光学センサー83の出力信号を受信する。制御部8は、図2に示す残量検出部8aを有する。なお、残量検出部8aは、記憶部に記憶されたプログラムに従ったCPUの演算処理によってソフトウェア的に機能が実現される。また、残量検出部8aは、電気的なハードウェア回路により形成されても良い。
【0070】
残量検出部8aは、光学センサー83の出力信号に基づき、第1コンテナ51内及び第2コンテナ52内のトナーの残量を検出する。詳細に言えば、残量検出部8aは、光学センサー83からの出力信号に基づいて第1検知軸81及び第2検知軸82の回転数を計数し、当該回転数に基づいて第1コンテナ51内及び第2コンテナ52内のトナーの残量を検出する。
【0071】
続いて、第1検知軸81、第2検知軸82及び光学センサー83周辺の詳細な構成について、図12に加えて図13から図16を用いて説明する。図13図14及び図15は、図12の第1検知軸81及び第2検知軸82の回転状態を示す説明図である。図16は、図12の第1検知軸81及び第2検知軸82の詳細構成を示す説明図である。
【0072】
画像形成装置1は、例えば第1コンテナ51内のトナーが空になった場合に、第2コンテナ52から現像装置40にトナーを補給することができる。残量検出部8aは、光学センサー83からの出力信号に基づいて第1検知軸81の回転数を計数し、当該回転数に基づいて第1コンテナ51内のトナーが空になったことを検出する。制御部8は、モーター71を制御して第1搬送部材68の回転を停止させ、第1コンテナ51からのトナーの補給を停止する。
【0073】
例えば、第1コンテナ51内のトナーが空になったときに、図13に示すように、第1検知軸81が回転を停止することがある。図13によれば、第1検知軸81の第1遮光板811は、光学センサー83の光路上に存在し、光路を遮蔽している。
【0074】
次に、制御部8は、モーター71を制御して第2搬送部材69の回転を開始し、第2コンテナ52からのトナーの補給を開始する。これにより、第2検知軸82が、第2搬送部材69とともに回転する。そして、図14に示すように、第2検知軸82の第2遮光板821は、光学センサー83の光路上の第1遮光板811に接触する。
【0075】
さらに、第2検知軸82が回転すると、図15に示すように、第2遮光板821は、第1遮光板811を押し退け、第1遮光板811を光学センサー83の光路上から退避させる。第1遮光板811は、第2遮光板821の回転領域内(図15の二点鎖線円の内側)より外側に退避し、光学センサー83によって検知されない。
【0076】
なお、画像形成装置1は、例えば第2コンテナ52内のトナーが空になった場合に、第1コンテナ51から現像装置40にトナーを補給することができる。上記と同様に、第2遮光板821が光学センサー83の光路上に存在する場合に、第1遮光板811は、第2遮光板821に接触して押し退け、第2遮光板821を光学センサー83の光路上から退避させる。
【0077】
このように、第1遮光板811及び第2遮光板821の一方は、第1クラッチ73及び第2クラッチ74により駆動される第1搬送部材68または第2搬送部材69とともに回転して他方に接触することで、光学センサー83の光路上から他方を退避させる。
【0078】
上記の構成によれば、光学センサー83の光路上には、第1遮光板811及び第2遮光板821のいずれか一方が存在することになる。すなわち、単一の光学センサー83によって、第1遮光板811及び第2遮光板821のそれぞれの回転を個別に検知することができる。これにより、低コスト化、小型化が図られた構成で、1つの現像装置40にトナーを補給する2つのコンテナ(第1コンテナ51及び第2コンテナ52)内それぞれのトナーの残量を精度良く検出することが可能になる。
【0079】
第1遮光板811は、遮蔽部811aと、突起部811bと、を有する。
【0080】
遮蔽部811aは、第1遮光板811の回転方向上流側(回転方向後方)に配置される。遮蔽部811aは、第1遮光板811の回転方向上流側に向かって突出する略三角形状に形成される。遮蔽部811aは、第1遮光板811の回転時、所定のタイミングで光学センサー83の検出部83a全体を覆う(図13参照)。
【0081】
突起部811bは、第1遮光板811の回転方向下流側(回転方向前方)に配置される。突起部811bは、第1遮光板811の回転方向下流側に向かって突出する略三角形状に形成される。言い換えれば、突起部811bは、第1遮光板811及び第2遮光板821の互いの接触箇所において、第2遮光板821に向かって突出している。突起部811bの先端は、頂点を有するか、若しくは曲面である。
【0082】
第2遮光板821は、遮蔽部821aと、突起部821bと、を有する。
【0083】
遮蔽部821aは、第2遮光板821の回転方向上流側(回転方向後方)に配置される。遮蔽部821aは、第2遮光板821の回転方向上流側に向かって突出する略三角形状に形成される。遮蔽部821aは、第2遮光板821の回転時、所定のタイミングで光学センサー83の検出部83a全体を覆う。
【0084】
突起部821bは、第2遮光板821の回転方向下流側(回転方向前方)に配置される。突起部821bは、第2遮光板821の回転方向下流側に向かって突出する略三角形状に形成される。言い換えれば、突起部821bは、第2遮光板821及び第1遮光板811の互いの接触箇所において、第1遮光板811に向かって突出している。突起部821bの先端は、頂点を有するか、若しくは曲面である。
【0085】
上記の構成によれば、突起部811b及び突起部821bを有することで、第1遮光板811と第2遮光板821とが接触したときに、互いが固まってロック状態となり、回転できなくなることを抑制することが可能である。これにより、単一の光学センサー83によって、第1遮光板811及び第2遮光板821のそれぞれの回転を個別に検知することができる。なお、突起部811b及び突起部821bは、第1遮光板811及び第2遮光板821の少なくとも一方が有していれば良いが、両方が有していることが好ましい。
【0086】
第1検知軸81、第2検知軸82及び光学センサー83の構成は、図16に示すように、第1検知軸81及び第2検知軸82の回転軸線から第1遮光板811及び第2遮光板821の径方向外端部までの半径の最大値をRとし、第1検知軸81及び第2検知軸82の回転軸線間の距離をDとし、第1検知軸81及び第2検知軸82の半径をrとし、第1検知軸81と第2検知軸82との間で必要な径方向のクリアランスの最小値をcとし、回転軸線から光学センサー83の検出部83aの最も遠い端部までの径方向の距離をR1とし、回転軸線から光学センサー83の保持部材831の最も近い縁部までの径方向の距離をR2とした場合に、下記式(1)及び式(2)をともに満たす。なお、図16に関して、第2検知軸82を代表として説明し、説明の便宜上、第1検知軸81は軸部のみを描画している。
【0087】
式(1) R≦D-r-c
式(2) R1<R<R2
【0088】
この構成によれば、第1遮光板811及び第2遮光板821は、光学センサー83の保持部材831に接触することなく、光学センサー83の検出部83aの全域を覆うことができる。したがって、単一の光学センサー83による第1遮光板811及び第2遮光板821それぞれの検知精度を高めることが可能である。
【0089】
さらに、第1検知軸81、第2検知軸82及び光学センサー83の構成において、第1検知軸81及び第2検知軸82の回転軸線から第1遮光板811及び第2遮光板821の径方向外端部までの半径の最大値Rは、下記式(3)及び式(4)をともに満たすことが好ましい。
【0090】
式(3) R=D-r-c
式(4) R=(R1+R2)/2
【0091】
小型の汎用の光学センサーを利用する場合、上記式(2)を成立させることが困難になる。しかしながら、上記式(3)及び式(4)をともに満たすことで、小型の汎用の光学センサーを利用した場合でも、単一の光学センサー83による第1遮光板811及び第2遮光板821それぞれの検知精度を安定させることが可能である。
【0092】
図17は、図2の残量検出部8aによる第1検知軸81及び第2検知軸82の回転数の計数に係る説明図である。図17に示すグラフの縦軸は光学センサー83の信号の出力値であり、横軸は時間である。例えば、本実施形態において、光学センサー83は、光路が遮蔽される遮光状態においてONとなり、光路の遮蔽が解除される透光状態においてOFFとなる。
【0093】
残量検出部8aは、光学センサー83の光路が、第1遮光板811または第2遮光板821によって遮蔽されるタイミングの出力信号Su、または遮蔽が解除されるタイミングの出力信号Sdに基づき、回転数を計数する。この構成によれば、静止状態にある第1遮光板811または第2遮光板821が検知されず、第1遮光板811及び第2遮光板821の動きに基づいて回転数が計数される。これにより、第1コンテナ51内及び第2コンテナ52内のトナーの残量を適正に検出することが可能になる。
【0094】
以上、本発明の実施形態につき説明したが、本発明の範囲はこれに限定されるものではなく、発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加えて実施することができる。
【0095】
例えば、上記実施形態では、画像形成装置1は、複数色の画像を順次重ねて形成するいわゆるタンデム型のカラー印刷用の画像形成装置であることとしたが、このような機種に限定されるわけではない。画像形成装置は、タンデム型ではないカラー印刷用の画像形成装置やモノクロ印刷用の画像形成装置であって良い。
【産業上の利用可能性】
【0096】
本発明は、画像形成装置において利用可能である。
【符号の説明】
【0097】
1 画像形成装置
8 制御部
8a 残量検出部
20 画像形成部
21 感光体ドラム(像担持体)
40 現像装置
51 第1コンテナ
52 第2コンテナ
60 トナー補給装置
60a 合流部
61 第1コンテナ接続部
62 第2コンテナ接続部
63 補給管
64 第1垂直管
65 第2垂直管
66 第1搬送管
67 第2搬送管
68 第1搬送部材
69 第2搬送部材
70 搬送駆動部
73 第1クラッチ
74 第2クラッチ
81 第1検知軸
82 第2検知軸
83 光学センサー
83a 検出部
811 第1遮光板
811b 突起部
821 第2遮光板
821b 突起部
831 保持部材
S 用紙
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