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特許7521410情報処理装置、情報処理方法、及び、システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-16
(45)【発行日】2024-07-24
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法、及び、システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/087 20230101AFI20240717BHJP
   B65G 1/137 20060101ALI20240717BHJP
【FI】
G06Q10/087
B65G1/137 C
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2020210496
(22)【出願日】2020-12-18
(65)【公開番号】P2022097102
(43)【公開日】2022-06-30
【審査請求日】2023-02-23
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002860
【氏名又は名称】弁理士法人秀和特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】岡 尚哉
【審査官】小山 和俊
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-008331(JP,A)
【文献】特開2020-063154(JP,A)
【文献】特開2007-094864(JP,A)
【文献】特開2018-032272(JP,A)
【文献】国際公開第2018/016068(WO,A1)
【文献】特表2016-511392(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
B65G 1/137
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
制御部と、
過去の商品の減少量を記憶する記憶部と、
を備える情報処理装置であって、
前記制御部は、
前記商品に対応する保管場所に保管されている前記商品の量に対する所定期間におけるセンサの今回の検出値を取得すること、
前記記憶部に記憶されている前記過去の前記商品の減少量から算出される閾値と取得された前記今回の検出値に基づく前記商品の減少量とを比較すること、並びに
前記今回の検出値に基づく前記商品の減少量が前記閾値よりも大きい場合に、前記商品の保管の誤りに関する通知、及び前記今回の検出値に基づく前記商品の減少量を前記過去の商品の減少量として前記記憶部に記憶させることで今後の前記閾値の算出に反映させるか否かの問い合わせをユーザの端末に送信すること、
実行する
情報処理装置。
【請求項2】
制御部と、
過去の商品の減少量を記憶する記憶部と、
を備える情報処理装置であって、
前記制御部は、
前記商品に対応する保管場所に保管されている前記商品の量に対する所定期間におけるセンサの今回の検出値を取得すること、
前記記憶部に記憶されている前記過去の前記商品の減少量から算出される閾値と取得された前記今回の検出値に基づく前記商品の減少量とを比較すること、並びに
前記今回の検出値が所定値未満の場合、且つ前記今回の検出値に基づく前記商品の減少量が前記閾値よりも大きい場合に、前記商品の保管の誤りに関する通知、及び前記商品を発注するか否かの問い合わせをユーザの端末に送信すること、
実行する
情報処理装置。
【請求項3】
前記制御部は、
前記検出値として、前記保管場所に置かれている前記商品の質量を取得する、
求項1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記制御部は、
前記検出値として、前記保管場所に置かれている前記商品に取り付けられたICタグに関する情報を取得する、
求項1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記制御部は、
前記検出値が所定値未満の場合に、発注情報を生成し、
前記発注情報を前記商品の発注を処理するサーバへ送信する、
求項1からの何れか1項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
コンピュータが、
商品に対応する保管場所に保管されている前記商品の量に対する所定期間におけるセンサの今回の検出値を取得することと、
記憶部に記憶されている過去の前記商品の減少量から算出される閾値と取得された前記今回の検出値に基づく前記商品の減少量とを比較することと、
前記今回の検出値に基づく前記商品の減少量が前記閾値よりも大きい場合に、前記商品の保管の誤りに関する通知、及び前記今回の検出値に基づく前記商品の減少量を前記過去の商品の減少量として前記記憶部に記憶させることで今後の前記閾値の算出に反映させるか否かの問い合わせをユーザの端末に送信することと、
実行する情報処理方法。
【請求項7】
コンピュータが、
商品に対応する保管場所に保管されている前記商品の量に対する所定期間におけるセンサの今回の検出値を取得することと、
記憶部に記憶されている過去の前記商品の減少量から算出される閾値と取得された前記今回の検出値に基づく前記商品の減少量とを比較することと、
前記今回の検出値が所定値未満の場合、且つ前記今回の検出値に基づく前記商品の減少量が前記閾値よりも大きい場合に、前記商品の保管の誤りに関する通知、及び前記商品を発注するか否かの問い合わせをユーザの端末に送信することと、
実行する情報処理方法。
【請求項8】
コンピュータが、
前記検出値として、前記保管場所に置かれている前記商品の質量を取得する、
求項6又は7に記載の情報処理方法。
【請求項9】
コンピュータが、
前記検出値として、前記保管場所に置かれている前記商品に取り付けられたICタグに関する情報を取得する、
求項6又は7に記載の情報処理方法。
【請求項10】
コンピュータが、
前記検出値が所定値未満の場合に、発注情報を生成し、
前記発注情報を前記商品の発注を処理するサーバへ送信する、
求項からの何れか1項に記載の情報処理方法。
【請求項11】
商品に対応する保管場所に保管されている前記商品の量を検出するセンサと、
過去の商品の減少量を記憶する記憶部と、
前記センサにより検出した今回の検出値を取得することと、
前記記憶部に記憶されている前記過去の前記商品の減少量から算出される閾値と取得された前記今回の検出値に基づく前記商品の減少量とを比較することと、
前記今回の検出値に基づく前記商品の減少量が前記閾値よりも大きい場合に、前記商品の保管の誤りに関する通知、及び前記今回の検出値に基づく前記商品の減少量を前記過去の商品の減少量として前記記憶部に記憶させることで今後の前記閾値の算出に反映させるか否かの問い合わせをユーザの端末に送信することと、
を実行する制御部と、
を備えるサーバと、
備えるシステム。
【請求項12】
商品に対応する保管場所に保管されている前記商品の量を検出するセンサと、
過去の商品の減少量を記憶する記憶部と、
前記センサにより検出した今回の検出値を取得することと、
前記記憶部に記憶されている前記過去の前記商品の減少量から算出される閾値と取得された前記今回の検出値に基づく前記商品の減少量とを比較することと、
前記今回の検出値が所定値未満の場合、且つ前記今回の検出値に基づく前記商品の減少量が前記閾値よりも大きい場合に、前記商品の保管の誤りに関する通知、及び前記商品を発注するか否かの問い合わせをユーザの端末に送信することと、
を実行する制御部と、
を備えるサーバと、
備えるシステム。
【請求項13】
前記制御部は、
前記検出値として、前記保管場所に置かれている前記商品の質量を取得する、
求項11又は12に記載のシステム。
【請求項14】
前記制御部は、
前記検出値が所定値未満の場合に、発注情報を生成し、
前記発注情報を前記商品の発注を処理するサーバへ送信する、
求項11から13何れか1項に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、情報処理装置、情報処理方法、及び、システムに関する。
【背景技術】
【0002】
商品の保管場所において商品の残量を質量に基づいて算出することが知られている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2020-008331号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ユーザが商品を間違った保管場所に置いた場合、商品の在庫を正確に管理することが困難になる。本開示の目的は、商品の在庫をより正確に管理することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の態様の一つは、
商品に対応する保管場所に保管されている前記商品の量をセンサにより検出した検出値を取得することと、
所定期間における前記センサの検出値に基づいた前記商品の減少量が閾値よりも大きい場合に、前記商品の保管の誤りに関する通知を前記ユーザの端末に送信することと、
を実行する制御部を備える情報処理装置である。
【0006】
本開示の他の態様の一つは、
コンピュータが、
商品に対応する保管場所に保管されている前記商品の量をセンサにより検出した検出値を取得することと、
所定期間における前記センサの検出値に基づいた前記商品の減少量が閾値よりも大きい場合に、前記商品の保管の誤りに関する通知を前記ユーザの端末に送信することと、
を実行する情報処理方法である。
【0007】
本開示の他の態様の一つは、
商品に対応する保管場所に保管されている前記商品の量を検出するセンサと、
前記センサにより検出した検出値を取得することと、
所定期間における前記センサの検出値に基づいた前記商品の減少量が閾値よりも大きい場合に、前記商品の保管の誤りに関する通知をユーザの端末に送信することと、
を実行する制御部を備えるサーバと、
を備えるシステムである。
【0008】
また、本開示の他の態様は、上記の情報処理方法をコンピュータに実行させるためのプログラム、または、そのプログラムを非一時的に記憶した記憶媒体である。
【発明の効果】
【0009】
本開示によれば、商品の在庫をより正確に管理することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】実施形態に係る在庫管理システムの概略構成を示す図である。
図2】実施形態に係る在庫管理システムを構成するセンサ装置、ユーザ端末、センタサーバ、及び、ECサーバのそれぞれの構成の一例を概略的に示すブロック図である。
図3】センサ装置、ユーザ端末、及び、センタサーバの機能構成を例示した図である。
図4】商品情報DBに格納される商品情報テーブルの構成を例示した図である。
図5】第1実施形態に係る発注処理のフローチャートである。
図6】第2実施形態に係る発注処理のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本開示の態様の一つである情報処理装置は、制御部を備える。制御部は、商品に対応する保管場所に保管されている商品の量をセンサにより検出した検出値を取得することと、所定期間におけるセンサの検出値に基づいた商品の減少量が閾値よりも大きい場合に、商品の保管の誤りに関する通知をユーザの端末に送信することと、を実行する。
【0012】
センサは、保管場所に保管されている商品の量(例えば、質量または個数)を検出可能である。センサは、例えば、保管場所に置かれてる商品の質量を検出するセンサ、または、商品に取り付けられたICタグを検出するセンサである。保管場所には、その保管場所に紐付けされる商品が置かれる。したがって、保管場所に置かれた商品をセンサで検出することにより、商品の量を検出することができる。しかし、商品を保管場所に置くのはユーザであるため、ユーザが商品を正しい保管場所に置かなければ、商品の量が誤って検出されてしまう。
【0013】
そこで制御部は、所定期間におけるセンサの検出値に基づいた商品の減少量が閾値よりも大きい場合に、商品の保管の誤りに関する通知を前記ユーザの端末に送信する。ここでいう閾値は、例えば、ユーザが商品を通常の使用により消費したときの所定期間における商品の減少量の上限値であり、例えば、過去の所定期間における商品の減少量に基づいて設定される値である。閾値は、過去の複数の所定期間ごとに検出される商品の減少量の平均値、または、その平均値にある程度の余裕を持たせた値としてもよい。
【0014】
また、所定期間は、例えば、商品が正しく保管されている場合と、そうでない場合とで、商品の減少量に明確な差が生じる期間である。所定期間における商品の減少量が閾値よりも大きい場合には、商品の消費量が通常よりも多い場合であり、例えば、商品の置き間違い又はICタグの貼り間違いなどが考えられる。そのため、制御部は、ユーザの端末に商品の保管の誤りに関する通知を送信する。商品の保管の誤りに関する通知には、例えば、商品の保管場所を間違っていることの通知、または、商品に取り付けられたICタグが間違っていることの通知が含まれる。この通知を受信したユーザの端末では、例えば、この通知に応じた画像が表示されることで、ユーザが誤りに気付くことができる。これにより、例えば、商品が正しい位置に置かれれば、以後の商品の在庫をより正確に把握することができる。
【0015】
以下、図面に基づいて、本開示の実施の形態を説明する。以下の実施形態の構成は例示であり、本開示は実施形態の構成に限定されない。また、以下の実施形態は可能な限り組み合わせることができる。
【0016】
<第1実施形態>
図1は、本実施形態に係る在庫管理システム1の概略構成を示す図である。在庫管理システム1は、例えば、ユーザの自宅等において、所定の保管場所に保管される、購入済みの商品の在庫を管理するシステムである。在庫管理システム1は、保管場所51に備えられるセンサ装置10、センサ装置10に関連付くユーザのユーザ端末20、センタサーバ
30、及び、ECサーバ40を含む。なお、図1に示される例では、保管場所51は、ユーザの自宅内に設置されている保管庫又は保管棚のうちの一段を示す。ただし、これに限られず、保管場所51は、センサ装置10が設置されている箱、及び、マット等であってもよい。また、保管場所51は、例えば、オフィス及び工場等に設置されていてもよい。
【0017】
保管場所51において保管される商品50は、予め登録されている単一の商品に限定されることとする。また、商品50は、複数段に渡ることなく、1つの質量センサによって積載されている質量が検知可能な1枚の板に積載されていることとする。
【0018】
センサ装置10は、例えば、保管場所51に積載される質量を測定する質量センサを備える制御装置である。センサ装置10は、保管場所51と一体として販売されるものであってもよいし、単体で販売され、保管場所51に後付けできるものであってもよい。センサ装置10は、例えば、自宅内に設置されている中継装置に無線接続して、ネットワークN1に接続する。
【0019】
保管場所51に保管される商品50は、例えば、飲料、食品、及び、調味料等の食料品、日用品、及び、洗剤等である。ただし、保管場所51に保管される物品はこれらに限定されない。センサ装置10は、例えば、所定の周期で保管場所51に積載されている質量を測定した場合、及び/又は、保管場所51に積載されている質量に変化がある場合に、測定値をセンタサーバ30へ送信する。
【0020】
センタサーバ30は、センサ装置10から質量の測定値を受信すると、保管場所51に保管されている商品50の全体の質量を更新する。なお、保管場所51に保管されている商品50の全体の質量を以下では、在庫の質量ともいう。センタサーバ30は、在庫の質量が所定質量未満になると、所定量(以下、発注量ともいう。)の商品50をECサーバ40に発注する。ECサーバ40は、実店舗又はウェブ上の店舗を管理するサーバである。
【0021】
センサ装置10、ユーザ端末20、センタサーバ30、及び、ECサーバ40は、ネットワークN1によって相互に接続されている。なお、ネットワークN1は、例えば、インターネット等の世界規模の公衆通信網でありWAN(Wide Area Network)やその他の通信網が採用されてもよい。また、ネットワークN1は、携帯電話等の電話通信網、Wi-Fi(登録商標)等の無線通信網を含んでもよい。図1には、例示的に1つの保管場所51を図示しているが、保管場所51は複数存在し得る。各保管場所51には、対応する商品50が紐付けされている。また、ユーザ及びユーザ端末20も複数存在し得る。
【0022】
図2に基づいて、センサ装置10、ユーザ端末20、センタサーバ30、及び、ECサーバ40のハードウェア構成及び機能構成について説明する。図2は、本実施形態に係る在庫管理システム1を構成するセンサ装置10、ユーザ端末20、センタサーバ30、及び、ECサーバ40のそれぞれの構成の一例を概略的に示すブロック図である。
【0023】
センタサーバ30は、一般的なコンピュータの構成を有している。センタサーバ30は、プロセッサ31、主記憶部32、補助記憶部33、及び、通信部34を有する。これらは、バスにより相互に接続される。なお、プロセッサ31は、制御部の一例である。また、主記憶部32及び補助記憶部33は、記憶部の一例である。
【0024】
プロセッサ31は、CPU(Central Processing Unit)やDSP(Digital Signal Processor)等である。プロセッサ31は、センタサーバ30を制御し、様々な情報処理の
演算を行う。主記憶部32は、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Me
mory)等である。補助記憶部33は、EPROM(Erasable Programmable ROM)、ハー
ドディスクドライブ(HDD、Hard Disk Drive)、リムーバブルメディア等である。補
助記憶部33には、オペレーティングシステム(Operating System :OS)、各種プログラム、各種テーブル等が格納される。補助記憶部33に格納されたプログラムをプロセッサ31が主記憶部32の作業領域にロードして実行し、このプログラムの実行を通じて各構成部等が制御される。これにより、所定の目的に合致した機能をセンタサーバ30が実現する。主記憶部32および補助記憶部33は、コンピュータで読み取り可能な記録媒体である。なお、センタサーバ30は、単一のコンピュータであってもよいし、複数台のコンピュータが連携したものであってもよい。また、補助記憶部33に格納される情報は、主記憶部32に格納されてもよい。また、主記憶部32に格納される情報は、補助記憶部33に格納されてもよい。
【0025】
通信部34は、ネットワークN1経由でセンサ装置10、ユーザ端末20、及び、ECサーバ40と通信を行う手段である。通信部34は、例えば、LAN(Local Area Network)インターフェースボード、無線通信のための無線通信回路である。LANインターフェースボードや無線通信回路は、ネットワークN1に接続される。
【0026】
なお、センタサーバ30で実行される一連の処理は、ハードウェアにより実行させることもできるが、ソフトウェアにより実行させることもできる。
【0027】
次に、センサ装置10について説明する。センサ装置10は、プロセッサ11、主記憶部12、補助記憶部13、通信部14、及び、質量センサ15を有する。これらは、バスにより相互に接続される。プロセッサ11、主記憶部12、及び、補助記憶部13については、センタサーバ30のプロセッサ31、主記憶部32、及び、補助記憶部33と同様であるため、説明を省略する。
【0028】
通信部14は、ネットワークN1との情報の入出力を行うインタフェースである。通信部14は、例えば、WiFi、又は、BLE(Bluetooth(登録商標) Low Energy)等の無線通信を行い、例えば、ユーザの自宅内に設置されたアクセスポイント等の中継装置に接続することで、ネットワークN1にアクセスし、センタサーバ30への通信を行う。
【0029】
質量センサ15は、保管場所51に積載されている商品50の質量(すなわち、在庫の質量)を、例えば、所定の周期で測定する。質量センサ15の測定周期は、例えば、100ミリ秒~1分の間の範囲で任意に設定される。質量センサ15は、測定値をプロセッサ11へ出力する。なお、センサ装置10に接続する質量センサ15は複数であってもよい。例えば、保管場所51が複数の棚を含む保管棚である場合には、各棚に質量センサ15が備えられ、各棚について保管されている商品50の質量を合計して、保管場所51に保管されている商品50の質量が管理される。
【0030】
次に、ユーザ端末20について説明する。ユーザ端末20は、例えば、スマートフォン、携帯電話、タブレット端末、個人情報端末、ウェアラブルコンピュータ(スマートウォッチ等)、パーソナルコンピュータ(Personal Computer、PC)といった小型のコンピュータである。ユーザ端末20は、プロセッサ21、主記憶部22、補助記憶部23、入力部24、ディスプレイ25、及び、通信部26を有する。これらは、バスにより相互に接続される。プロセッサ21、主記憶部22、補助記憶部23については、センタサーバ30のプロセッサ31、主記憶部32、補助記憶部33と同様であるため、説明を省略する。
【0031】
入力部24は、ユーザが行った入力操作を受け付ける手段であり、例えば、タッチパネル、マウス、キーボード、または、押しボタン等である。ディスプレイ25は、ユーザに
対して情報を提示する手段であり、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)、または、EL(Electroluminescence)パネル等である。入力部24及びディスプレイ25は、
1つのタッチパネルディスプレイとして構成してもよい。
【0032】
通信部26は、ユーザ端末20をネットワークN1に接続するための通信手段である。通信部26は、例えば、移動体通信サービス(例えば、5G(5th Generation)、4G(4th Generation)、3G(3rd Generation)、LTE(Long Term Evolution)等の電話
通信網)、Wi-Fi(登録商標)、Bluetooth(登録商標)等の無線通信網を利用して、ネットワークN1経由で他の装置(例えばセンタサーバ30等)と通信を行うための回路である。
【0033】
ECサーバ40は、電子商取引を行うコンピュータであり、少なくともセンタサーバ30と商品50の取引を行う。ECサーバ40は、センタサーバ30から商品50の注文を受ける処理を行い、受注した商品50をユーザへ提供するための処理を行う。なお、ECサーバ40は、例えば配送センター等に、配送する商品名及び配送先を通知する処理を行う。なお、実際の配送は宅配サービス等、既存の手段が利用できるため説明を省略する。ECサーバ40は、プロセッサ41、主記憶部42、補助記憶部43、及び、通信部44を有する。ECサーバ40のプロセッサ41、主記憶部42、補助記憶部43、及び、通信部44は、センタサーバ30のプロセッサ31、主記憶部32、補助記憶部33、及び、通信部34と同様のため説明を省略する。
【0034】
次に、図3は、センサ装置10、ユーザ端末20、及び、センタサーバ30の機能構成を例示した図である。まず、センサ装置10は、機能構成要素として、制御部101を含む。センサ装置10のプロセッサ11は、主記憶部12上のコンピュータプログラムにより、制御部101の処理を実行する。ただし、制御部101の一部がハードウェア回路により実行されてもよい。制御部101は、質量センサ15から、所定の周期で保管場所51に積載されている商品50の質量の測定値の入力を受ける。制御部101は、質量センサ15から保管場所51に積載されている商品50の質量の測定値の入力を受けると、質量情報を生成してセンタサーバ30へ送信する。質量情報には、例えば、タイムスタンプ、質量センサ15の識別情報(センサID)、及び、測定値が含まれている。
【0035】
次に、センタサーバ30は、機能構成要素として、制御部301、ユーザ情報DB311、及び、商品情報DB312を含む。センタサーバ30のプロセッサ31は、主記憶部32上のコンピュータプログラムにより、制御部301の処理を実行する。ただし、各機能構成素のいずれか、またはその処理の一部がハードウェア回路により実行されてもよい。
【0036】
ユーザ情報DB311、及び、商品情報DB312は、プロセッサ31によって実行されるデータベース管理システム(Database Management System、DBMS)のプログラムが、補助記憶部33に記憶されるデータを管理することで構築される。ユーザ情報DB311、及び、商品情報DB312は、例えば、リレーショナルデータベースである。
【0037】
制御部301は、センサ装置10から質量情報を受信する。制御部301は、測定値が所定質量未満の場合に、商品50をECサーバ40に発注する処理を実行したり、または、商品50の在庫量が少ないことをユーザ端末20に通知したりする。この処理で用いられる所定質量は、商品50に応じて設定されてもよい。また、この処理で用いられる所定質量は、ユーザによって指定されてもよい。
【0038】
制御部301は、商品50を発注するときに、商品50に関する情報、発注量に関する情報、及び、発送先に関する情報をECサーバ40へ送信する。ECサーバ40へ送信す
る商品に関する情報は、商品50を識別可能な情報であり、例えば、商品名または商品IDである。ECサーバ40へ送信する発注量に関する情報は、一度に発注する商品50の数量に関する情報である。発注量は、ユーザが設定してもよく、商品50の消費量を推定して発注量として設定してもよい。また、発注量は、商品の販売単位の整数倍に設定してもよい。ECサーバ40へ送信する発送先に関する情報は、ユーザに商品を届けるために必要となる情報である。発送先に関する情報には、例えば、ユーザの住所、氏名、及び、電話番号などに関する情報が含まれる。発送先に関する情報は、ユーザがセンタサーバ30へ登録しておく。制御部301は、ユーザ情報DB311に、発送先に関する情報を格納する。
【0039】
ここで、ユーザ情報DB311は、ユーザに関するユーザ情報を保持する。ユーザ情報には、例えば、ユーザの識別情報、ユーザの氏名、ユーザの住所、及び、センサ装置10の識別情報が含まれる。ユーザ情報には、自動発注に関する情報が含まれていてもよい。自動発注に関する情報には、例えば、自動発注の対象の商品の識別情報、及び、1回の配送当たりの発注量等が含まれる。
【0040】
また、制御部301は、商品50の所定期間における減少量が減少率閾値よりも大きい場合には、ユーザが保管場所51に置いた商品50は、保管場所51に対応した商品50ではないと判定する。すなわち、ユーザが商品50を置き間違えたと判定する。商品50の所定期間における減少量を、以下では、商品50の減少率ともいう。
【0041】
例えば、商品50として醤油と味醂とが別々の保管場所51で管理されている場合に、醤油の保管場所51に味醂を置いてしまった場合には、センサ装置10で測定される醤油の質量が間違えて置いた味醂の分だけ大きくなる。そして、醤油の保管場所51に保管されている味醂を使用した場合には、醤油の質量が減少したと判定されてしまう。このように、ユーザが商品50の置き場所を間違えると、商品50の消費量がみかけ上、増加してしまう。そのため、醤油の実際の質量は減少していなのにもかかわらず、醤油が発注される虞がある。
【0042】
そこで、制御部301は、所定期間における商品50の減少量が減少率閾値よりも大きい場合には、ユーザ端末20に商品50の保管に関して誤りがあると通知する。別法として、所定期間における商品50の減少量が減少率閾値よりも大きい場合には、商品50を発注するか否かユーザに問い合わせる、または、商品50の発注を行わない。制御部301は、所定期間における商品50の減少量が減少率閾値よりも大きい場合に、商品50を発注するか否かユーザに問い合わせ、ユーザ端末20から発注してもよい旨の回答が得られた場合に限り、商品50の発注を行ってもよい。
【0043】
所定期間は、例えば、週間単位、または、月単位で設定される期間である。所定期間は、ユーザが設定してもよい。減少率閾値は、ユーザの通常の使用により商品50が消費されたときの減少率であり、例えば、過去の商品50の減少率の平均値である。別法として、減少率閾値は、過去の商品50の減少率の平均値に所定の余裕分を加えた値である。過去の商品50の減少率の平均値は、例えば、上記の所定期間よりも前において複数回算出された減少率の平均値としてもよい。別法として、過去の商品50の減少率の平均値は、過去の同一曜日、同一日、または、同一月における減少率の平均値としてもよい。また、あまりに古いデータは、現在のユーザの商品50の消費との相関が低くなるため、最近のデータに限って利用してもよい。
【0044】
図4は、商品情報DB312に格納される商品情報テーブルの構成を例示した図である。商品情報DB312は、ユーザ毎に生成される。商品情報テーブルは、センサID、商品ID、時刻、測定値、所定質量、発注量、減少率、及び、減少率閾値の各フィールドを
有する。センサIDフィールドは、センサ装置10に対応する識別情報(センサID)が入力されるフィールドである。センサIDは、制御部301が付与してもよい。商品IDフィールドは、各商品50に対応する識別情報(商品ID)が入力されるフィールドである。商品IDは、センサIDに紐付けされている。時刻フィールドには、質量が測定された時刻が入力される。時刻に関する情報は、質量情報に含まれる。測定値フィールドには、センサ装置10から受信した質量情報に含まれる商品50の質量が入力される。
【0045】
所定質量フィールドは、制御部301が商品50を発注する質量の閾値(所定質量)が入力されるフィールドである。所定質量は、ユーザが設定してもよく、制御部301が設定してもよい。発注量フィールドは、一度に発注する商品50の数量(発注量)が入力されるフィールドである。発注量も、ユーザが設定してもよく、制御部301が設定してもよい。減少率フィールドは、所定期間における商品50の減少量が入力されるフィールドである。制御部301は、所定期間の始まりの時点における商品50の質量と、現時点における商品50の質量との差を、減少率として算出する。減少率閾値フィールドには、減少率閾値が入力される。減少率閾値は、制御部301によって算出される。例えば、制御部301は、商品情報テーブルを参照して、所定期間よりも前に算出された複数の減少率を抽出し、その平均値、または、その平均値に余裕分を加えた値を減少率閾値としてもよい。抽出する複数の減少率は、例えば、連続した期間における減少率であってもよい。また、減少率を算出する期間の一部が重なっていてもよい。
【0046】
次に、ユーザ端末20は、機能構成要素として、制御部201を含む。ユーザ端末20のプロセッサ21は、主記憶部22上のコンピュータプログラムにより、制御部201の処理を実行する。ただし、制御部201の一部がハードウェア回路により実行されてもよい。制御部201は、ユーザ情報を生成する。制御部201は、ディスプレイ25にユーザ情報の入力を促す操作画面を表示し、ユーザによる入力部24への入力に応じたユーザ情報を生成する。生成されたユーザ情報は、制御部201によってセンタサーバ30に送信される。例えば、ユーザ登録を行うときにユーザ情報を生成してセンタサーバ30に送信してもよい。
【0047】
また、制御部201は、センタサーバ30またはECサーバ40から発注に関する通知を受信する。制御部201は、この通知をディスプレイ25に表示させる。例えば、センタサーバ30が発注を行った場合に、センタサーバ30から発注を行ったことに関する情報を受信する。また、例えば、ECサーバ40が発注を受けた場合に、ECサーバ40が発注を受けたことに関する情報を受信する。さらに、例えば、ECサーバ40が商品50の発送を行った場合に、発送に関する情報を受信する。
【0048】
また、制御部201は、センタサーバ30から商品50の発注を行わない通知を受信する。この通知を受信した制御部201は、この通知に応じた画像をディスプレイ25に表示させる。また、制御部201は、センタサーバ30から、商品50の発注を行ってもよいか否かの問い合わせを受信する。そして、制御部201は、受信した問い合わせをディスプレイ25に表示させると共に、ユーザに回答を入力するように促す文言を表示させる。さらに、ユーザによる入力部24への入力に応じた回答を生成してセンタサーバ30へ送信する。
【0049】
次に、センタサーバ30が商品50を発注する処理である発注処理について説明する。図5は、本実施形態に係る発注処理のフローチャートである。図5に示した発注処理は、センタサーバ30により、各ユーザの各商品50について所定の時間毎に繰り返し実行される。なお、ユーザ情報DB311には、必要な情報が格納されているものとして説明する。
【0050】
ステップS101では、制御部301は、センサ装置10から質量情報を取得したか否か判定する。ステップS101で肯定判定された場合にはステップS102へ進み、否定判定された場合には本ルーチンを終了させる。ステップS102では、制御部301は、質量情報に基づいて商品情報DB312を更新する。すなわち、質量情報に基づいて、センサID、商品ID、時刻、及び、測定値の各フィールドに情報を入力する。また、現時点までの所定期間の商品50の減少量を減少率として算出して、減少率フィールドに入力する。また、過去の減少率に基づいて、減少率閾値を算出する。所定質量及び発注量は、例えば、予めユーザによって設定された値が入力される。
【0051】
ステップS103では、制御部301は、質量の測定値が所定質量未満であるか否か判定する。すなわち、制御部301は、商品50の質量が、発注の必要があるほど減少しているか否か判定する。ステップS103で肯定判定された場合にはステップS104へ進み、否定判定された場合にはステップS108へ進む。
【0052】
ステップS104では、制御部301は、減少率が減少率閾値よりも大きいか否か判定する。本ステップS104において、制御部301は、通常よりも商品50の消費量が多いか否か判定している。ステップS104で肯定判定された場合にはステップS105へ進み、否定判定された場合にはステップS107へ進む。ステップS104で否定判定された場合には、商品50の通常の消費であるため、制御部301は、ステップS107において、ECサーバ40へ発注情報を送信する。発注情報には、ユーザ情報、商品ID、及び、発注量など、商品50の発送に必要となる情報が含まれる。このようにして、制御部301は、商品50をECサーバ40へ発注する。
【0053】
一方、ステップS105では、制御部301が、ユーザ端末20へ問い合わせを送信する。この問い合わせには、商品50の消費量が通常よりも多いことの通知、及び、商品50を発注してもよいか否かの問い合わせが含まれる。ユーザ端末20では、通知を受信すると、この通知に応じた画像がディスプレイ25に表示される。また、ユーザ端末20では、問い合わせを受信すると、この問い合わせに応じた画像がディスプレイ25に表示されると共に、ユーザに回答を促す文言がディスプレイ25に表示される。
【0054】
そして、ステップS106では、制御部301が、ユーザ端末20から商品50の発注の許可を取得したか否か判定する。発注の許可は、ユーザがユーザ端末20に所定の入力をすることによりユーザ端末20から送信される。なお、所定の時間が経過してもユーザ端末20から回答がない場合には、発注の許可がないものとして扱ってもよい。ステップS106で肯定判定された場合にはステップS107へ進み、制御部301が、ECサーバ40へ発注情報を送信する。一方、ステップS106で否定判定された場合には、本ルーチンを終了させることで、商品50の発注が行われない。
【0055】
また、ステップS108では、制御部301は、減少率が減少率閾値よりも大きいか否か判定する。発注の必要はないが、商品50の消費量が多い場合にユーザに通知するために本ステップS108における処理が実行される。ステップS108で肯定判定された場合にはステップS109へ進み、否定判定された場合には本ルーチンを終了させる。ステップS109では、制御部301が、ユーザ端末20へ通知を送信する。この通知には、商品50の消費量が通常よりも多いことの通知が含まれる。ユーザ端末20では、この通知を受信すると、この通知に応じた画像がディスプレイ25に表示される。ディスプレイ25に表示させることにより、ユーザが商品50の置き間違いに気が付くきっかけになり得る。
【0056】
なお、図5に示すルーチンでは、減少率が減少率閾値よりも大きい場合に、ステップS105において発注についての問い合わせをユーザ端末20に送信しているが、この処理
は必須ではない。例えば、減少率が減少率閾値よりも大きい場合には、商品50を発注せずに図5に示したルーチンを終了してもよい。この場合、ステップS104で肯定判定されると、図4に示したルーチンを終了させる。したがって、ステップS105及びステップS106の処理は省略される。さらに、別法として、減少率が減少率閾値よりも大きい場合に、ユーザ端末20にその旨の通知だけして、発注はしないようにしてもよい。
【0057】
以上説明したように本実施形態では、商品50の質量に基づいて商品50を発注する際に、通常よりも商品50の消費量が多い場合には、その旨をユーザに通知する、または、ユーザに商品50を発注するか否か問い合わせを行う。これにより、ユーザが商品50を間違った保管場所51に置いた場合に、商品50が必要以上に発注されることを抑制できる。したがって、商品50の在庫をより正確に管理することができる。
【0058】
<第2実施形態>
商品50の減少率が減少率閾値よりも大きい場合であっても、商品50の正常な消費の場合もある。例えば、ユーザの自宅に来客があったために、商品50の消費量が一時的に増加することがある。このような場合に本実施形態では、商品を発注すると共に、今後に減少率閾値を算出する際に、このときの減少率を含めないようにする。
【0059】
一方、例えば、ユーザの自宅の住人が増えた場合には、その後に商品50の消費量が多くなる。このような場合に本実施形態では、商品を発注すると共に、今後に減少率閾値を算出する際に、このときの減少率を含めるようにする。また、今後に減少率閾値を算出する際に、以前の減少率を含めないようにしてもよい。
【0060】
そのため、制御部301は、商品50の減少率が減少率閾値よりも大きい場合に、今後に減少率閾値を算出する際に、今回の減少率を含めるか否かユーザに問い合わせる。
【0061】
次に、センタサーバ30が商品50を発注する処理である発注処理について説明する。図6は、本実施形態に係る発注処理のフローチャートである。図6に示した発注処理は、センタサーバ30により、各ユーザの各商品50について所定の時間毎に繰り返し実行される。なお、ユーザ情報DB311には、必要な情報が格納されているものとして説明する。また、図5に示したルーチンと同じ処理が実行されるステップについては、同じ符号を付して説明を省略する。
【0062】
図6に示すルーチンでは、ステップS104で肯定判定されるとステップS201へ進む。ステップS201では、制御部301が、ユーザ端末20へ問い合わせを送信する。本ステップS201に係る問い合わせには、商品50の消費量が通常よりも多いことの通知、商品50を発注してもよいか否かの問い合わせ、及び、今回の減少率を今後の減少率閾値の算出に反映させるか否かの問い合わせが含まれる。
【0063】
例えば、来客による一時的な減少率の変動であれば、今回の減少率を今後の減少率閾値の算出に反映させる必要はない。一方、家族構成の変化により減少率が変化したのであれば、今後の減少率閾値の算出に反映させる必要がある。また、家族構成の変化により減少率が変化したのであれば、以前の減少率閾値と、今後の商品50の消費との相関が低くなるので、減少率閾値をリセットしてもよい。したがって、減少率閾値をリセットするか否かユーザに問い合わせてもよい。
【0064】
ステップS202では、制御部301が、ユーザ端末20から修正依頼を取得したか否か判定される。修正依頼は、商品情報DB312の修正に関する依頼である。例えば、来客により一時的に商品50の消費量が増加した場合には、ユーザがユーザ端末20を介して、今回の減少率を今後の減少率閾値の算出に反映しないように依頼する。これにより、
制御部301は、対応するレコードに格納されている情報を今後の減少率閾値の算出に用いない。この場合、制御部301は、例えば、商品情報DB312からこのレコードを削除してもよい。
【0065】
別法として、例えば、家族構成の変化により減少率が変化した場合には、ユーザがユーザ端末20を介して、今回の減少率を今後の減少率閾値の算出に反映するように依頼する。これにより、制御部301は、このレコードに含まれる情報を今後の減少率閾値の算出に反映させる。この場合、過去の減少率を減少率閾値の算出に用いないようにしてもよいし、商品情報DB312から過去のレコードを削除してもよい。
【0066】
ステップS202で肯定判定された場合には、ステップS203へ進み、制御部301は、上記のように商品情報DB312を更新し、否定判定された場合には、ステップS106へ進む。
【0067】
また、図6に示すルーチンでは、ステップS108で肯定判定されるとステップS204へ進む。ステップS204では、制御部301が、ユーザ端末20へ問い合わせを送信する。本ステップS204に係る問い合わせには、商品50の消費量が通常よりも多いことの通知、及び、今回の減少率を今後の減少率閾値の算出に反映させるか否かの問い合わせが含まれる。以下、ステップS205及びステップS206は、上記のステップS202及びステップS203と同様の処理が実行されるため説明を省略する。
【0068】
以上説明したように、本実施形態によれば、商品50の消費量が実際に多くなった場合であっても、適切な発注が可能になる。
【0069】
<その他の実施形態>
上記の実施形態はあくまでも一例であって、本開示はその要旨を逸脱しない範囲内で適宜変更して実施し得る。
【0070】
本開示において説明した処理や手段は、技術的な矛盾が生じない限りにおいて、自由に組み合わせて実施することができる。
【0071】
また、1つの装置が行うものとして説明した処理が、複数の装置によって分担して実行されてもよい。あるいは、異なる装置が行うものとして説明した処理が、1つの装置によって実行されても構わない。コンピュータシステムにおいて、各機能をどのようなハードウェア構成(サーバ構成)によって実現するかは柔軟に変更可能である。
【0072】
また、上記実施形態では、商品50の質量に基づいて商品50の消費量を取得しているが、別法として、商品50に例えばRFID(radio frequency identifier)タグを貼りつけて在庫を管理する場合にも適用できる。商品50に貼り付けたRFIDをセンサによって読み取れば、商品50の在庫量を検出することができる。しかし、例えば、RFIDタグの貼り間違いによっても、商品50の減少量がみかけ上、大きくなり得る。そのような場合に、ユーザ端末20に通知を送信してもよい。
【0073】
また、上記実施形態では、商品50の質量を測定し、その質量の減少量と商品50の消費量とを関連付けている。別法として、商品50の質量に限らず、商品50の消費量と関連することであれば、同様にして関連付けできる。例えば、本開示において商品50の注文量は、商品50の消費量と相関があるため、商品50の注文量に基づいて、ユーザに問い合わせ又は通知を行うこともできる。
【0074】
また、上記実施形態では、過去の減少率に基づいて減少率閾値を算出し、減少率と減少
率閾値とを比較しているが、別法として、ユーザの予定、または、ユーザの行動などに基づいて商品50の消費量を推定し、この消費量とセンサ装置10により検出される消費量とを比較してもよい。例えば、ユーザ端末20で料理のレシピを検索した場合に、その料理に用いる商品50の消費量を推定し、積算してもよい。そして、積算値が、センサ装置10により検出される商品50の減少量と閾値以上の差がある場合に、商品50の保管場所51を間違っているとユーザに通知してもよい。
【0075】
センタサーバ30から通知または問い合わせを受信したユーザ端末20の表示を見たユーザが、商品50を正しい位置に戻すことがある。この場合、移動前の保管場所51では質量が減少し、移動後の保管場所51では質量が増加する。このような場合において算出される減少率は、商品50が消費されたことによる質量の減少とは異なるため、今後の減少率閾値の算出に反映させないことが好ましい。そこで、例えば、問い合わせに対する回答を受信した後の一定の期間に算出される減少率を無視して減少率閾値を算出してもよい。
【0076】
また、制御部301は、商品50を発注したのにもかかわらず、その後に、その商品50の質量が増加しない場合に、その商品50を間違った保管場所51に置いたと判定してもよい。この場合、正しい位置に商品50を置くように、ユーザ端末20に通知してもよい。
【0077】
また、制御部301は、商品50を発注していないのにもかかわらず、その商品50の質量が増加した場合には、商品50の置き間違え、または、ユーザが商品50を購入したと判定してもよい。この場合、商品50の置き間違えたのか、または、ユーザが商品50を購入したのかをユーザに問い合わせてもよい。
【0078】
本開示は、上記の実施形態で説明した機能を実装したコンピュータプログラムをコンピュータに供給し、当該コンピュータが有する1つ以上のプロセッサがプログラムを読み出して実行することによっても実現可能である。このようなコンピュータプログラムは、コンピュータのシステムバスに接続可能な非一時的なコンピュータ可読記憶媒体によってコンピュータに提供されてもよいし、ネットワークを介してコンピュータに提供されてもよい。非一時的なコンピュータ可読記憶媒体は、例えば、磁気ディスク(フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスクドライブ(HDD)等)、光ディスク(CD-ROM、DVDディスク、ブルーレイディスク等)など任意のタイプのディスク、読み込み専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、EPROM、EEPROM、磁気カード、フラッシュメモリ、光学式カード、電子的命令を格納するために適した任意のタイプの媒体を含む。
【符号の説明】
【0079】
1 在庫管理システム
10 センサ装置
20 ユーザ端末
30 センタサーバ
31 プロセッサ
32 主記憶部
33 補助記憶部
34 通信部
40 ECサーバ
50 商品
51 保管場所
図1
図2
図3
図4
図5
図6