(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-16
(45)【発行日】2024-07-24
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理システム、プログラム、及び供給車両
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/26 20240101AFI20240717BHJP
【FI】
G06Q50/26
(21)【出願番号】P 2021017769
(22)【出願日】2021-02-05
【審査請求日】2023-08-22
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100187078
【氏名又は名称】甲原 秀俊
(74)【代理人】
【識別番号】100202326
【氏名又は名称】橋本 大佑
(72)【発明者】
【氏名】杉江 由以
(72)【発明者】
【氏名】後藤 陽
(72)【発明者】
【氏名】城戸 裕季
(72)【発明者】
【氏名】澤田 修一
(72)【発明者】
【氏名】久野 玄史
(72)【発明者】
【氏名】大原 克博
【審査官】木村 慎太郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-047014(JP,A)
【文献】特開2020-112969(JP,A)
【文献】特開2022-097247(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両で使用されるエネルギーを供給する前記車両の動力源の第1使用量であって、乗員の前記車両内での宿泊を伴う避難生活が行われている所定期間における前記第1使用量を取得し、前記車両へ供給可能な前記動力源の供給量を取得された前記第1使用量に基づいて決定する制御部を備え
、
前記制御部は、前記乗員の避難生活が開始される前の通常期間における前記動力源の第2使用量を取得し、決定された前記供給量を、取得された前記第2使用量に基づいて補正する、
情報処理装置。
【請求項2】
請求項1に記載の情報処理装置であって、
前記制御部は、前記車両が前記乗員から取得した入力情報に基づいて前記乗員の避難生活が開始されたと判定する、
情報処理装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の情報処理装置であって、
前記制御部は、前記車両の位置情報、駐車時間、及び前記車両内での前記乗員の乗車時間に基づいて前記乗員の避難生活が開始されたと判定する、
情報処理装置。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか1項に記載の情報処理装置であって、
前記制御部は、決定された前記供給量を、前記車両に乗車している前記乗員の構成に基づいて補正する、
情報処理装置。
【請求項5】
請求項1乃至
4のいずれか1項に記載の情報処理装置であって、
前記制御部は、決定された前記供給量を、前記車両の燃費に基づいて補正する、
情報処理装置。
【請求項6】
請求項1乃至
5のいずれか1項に記載の情報処理装置であって、
前記動力源は、石油燃料、電力、及び水素燃料の少なくとも1つを含む、
情報処理装置。
【請求項7】
請求項1乃至
6のいずれか1項に記載の情報処理装置と、
前記車両で使用されるエネルギーを供給する前記車両の動力源の前記第1使用量の情報を送信する前記車両と、
を備える、
情報処理システム。
【請求項8】
情報処理装置に、
車両で使用されるエネルギーを供給する前記車両の動力源の第1使用量であって、乗員の前記車両内での宿泊を伴う避難生活が行われている所定期間における前記第1使用量を取得することと、
前記車両へ供給可能な前記動力源の供給量を取得された前記第1使用量に基づいて決定することと、
前記乗員の避難生活が開始される前の通常期間における前記動力源の第2使用量を取得し、決定された前記供給量を、取得された前記第2使用量に基づいて補正することと、
を含む動作を実行させる、
プログラム。
【請求項9】
請求項
8に記載のプログラムであって、
前記動作は、前記車両が前記乗員から取得した入力情報に基づいて前記乗員の避難生活が開始されたと判定することを含む、
プログラム。
【請求項10】
請求項
8又は9に記載のプログラムであって、
前記動作は、前記車両の位置情報、駐車時間、及び前記車両内での前記乗員の乗車時間に基づいて前記乗員の避難生活が開始されたと判定することを含む、
プログラム。
【請求項11】
請求項
8乃至10のいずれか1項に記載のプログラムであって、
前記動作は、決定された前記供給量を、前記車両に乗車している前記乗員の構成に基づいて補正することを含む、
プログラム。
【請求項12】
請求項
8乃至11のいずれか1項に記載のプログラムであって、
前記動作は、決定された前記供給量を、前記車両の燃費に基づいて補正することを含む、
プログラム。
【請求項13】
車両で使用されるエネルギーを供給する前記車両の動力源の第1使用量であって、乗員の前記車両内での宿泊を伴う避難生活が行われている所定期間における前記第1使用量を取得し、前記車両へ供給可能な前記動力源の供給量を取得された前記第1使用量に基づいて決定する制御部を備え
、
前記制御部は、前記乗員の避難生活が開始される前の通常期間における前記動力源の第2使用量を取得し、決定された前記供給量を、取得された前記第2使用量に基づいて補正する、
供給車両。
【請求項14】
請求項
13に記載の供給車両であって、
前記制御部は、前記車両が前記乗員から取得した入力情報に基づいて前記乗員の避難生活が開始されたと判定する、
供給車両。
【請求項15】
請求項
13又は14に記載の供給車両であって、
前記制御部は、前記車両の位置情報、駐車時間、及び前記車両内での前記乗員の乗車時間に基づいて前記乗員の避難生活が開始されたと判定する、
供給車両。
【請求項16】
請求項
13乃至15のいずれか1項に記載の供給車両であって、
前記制御部は、決定された前記供給量を、前記車両に乗車している前記乗員の構成に基づいて補正する、
供給車両。
【請求項17】
請求項
13乃至16のいずれか1項に記載の供給車両であって、
前記制御部は、決定された前記供給量を、前記車両の燃費に基づいて補正する、
供給車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、情報処理装置、情報処理システム、プログラム、及び供給車両に関する。
【背景技術】
【0002】
地震などの災害発生時に、ガソリンなどの石油燃料を供給する給油所の給油管又は給油装置が損傷して地下タンク内の石油燃料が給油できなくなる場合がある。このような災害時においても車両にガソリンなどの石油燃料を供給するための技術が知られている。例えば特許文献1には、地震などの災害発生時に給油装置が給油不可となった際にも安全かつ迅速に車両などへ石油燃料を給油することができ、取り扱いも容易な可搬式給油装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、石油燃料を含む車両の動力源の供給量を車両ごとに均等とした場合、例えば避難生活での車中泊による車両の動力源の実際の使用状況と供給量とが整合しない車両も存在していた。従来技術には、このような不整合を解消するという観点で改善の余地があった。
【0005】
本開示は、避難生活での車中泊による車両の動力源の実際の使用状況と供給量との整合性が向上する技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一実施形態に係る情報処理装置は、車両で使用されるエネルギーを供給する前記車両の動力源の第1使用量であって、乗員の前記車両内での宿泊を伴う避難生活が行われている所定期間における前記第1使用量を取得し、前記車両へ供給可能な前記動力源の供給量を取得された前記第1使用量に基づいて決定する制御部を備える。
【0007】
本開示の一実施形態に係るプログラムは、情報処理装置に、車両で使用されるエネルギーを供給する前記車両の動力源の第1使用量であって、乗員の前記車両内での宿泊を伴う避難生活が行われている所定期間における前記第1使用量を取得することと、前記車両へ供給可能な前記動力源の供給量を取得された前記第1使用量に基づいて決定することと、を含む動作を実行させる。
【0008】
本開示の一実施形態に係る供給車両は、車両で使用されるエネルギーを供給する前記車両の動力源の第1使用量であって、乗員の前記車両内での宿泊を伴う避難生活が行われている所定期間における前記第1使用量を取得し、前記車両へ供給可能な前記動力源の供給量を取得された前記第1使用量に基づいて決定する制御部を備える。
【発明の効果】
【0009】
本開示の一実施形態に係る情報処理装置、情報処理システム、プログラム、及び供給車両によれば、避難生活での車中泊による車両の動力源の実際の使用状況と供給量との整合性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本開示の一実施形態に係る情報処理装置を含む情報処理システムの構成を示す構成図である。
【
図2】
図1の情報処理装置、車両、及び供給車両のそれぞれの概略構成を示す機能ブロック図である。
【
図3】
図1の情報処理システムにより実行される情報処理方法の一例を説明するためのシーケンス図である。
【
図4】
図1の情報処理装置により実行される情報処理方法の一例を説明するためのフローチャートである。
【
図5】
図1の情報処理装置により実行される車両の動力源の供給量の決定処理及び補正処理を例示的に説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本開示の実施形態について、図面を参照して説明する。
【0012】
図1は、本開示の一実施形態に係る情報処理装置10を含む情報処理システム1の構成を示す構成図である。
図1を参照しながら、本開示の一実施形態に係る情報処理装置10を含む情報処理システム1の概要について主に説明する。情報処理システム1は、情報処理装置10に加えて、車両20及び供給車両30を有する。
【0013】
図1では説明の簡便のため、情報処理装置10、車両20、及び供給車両30について、それぞれ1つずつ図示しているが、情報処理システム1が有する情報処理装置10、車両20、及び供給車両30の数はそれぞれ2つ以上であってもよい。情報処理装置10、車両20、及び供給車両30のそれぞれは、例えば移動体通信網及びインターネットなどを含むネットワーク40と通信可能に接続されている。
【0014】
情報処理装置10は、1つ又は互いに通信可能な複数のサーバ装置である。情報処理装置10は、これらに限定されず、PC(Personal Computer)又はスマートフォンなどの任意の汎用の電子機器であってもよいし、情報処理システム1に専用の他の電子機器であってもよい。
【0015】
車両20は、例えば地震などの災害発生時に乗員が避難生活を送るために利用され、車室内で宿泊することが可能な任意の車両を含む。車両20は、例えば運転者により運転される車両である。車両20は、このような車両に限定されず、例えば自動運転を行う車両であってもよい。自動運転は、例えば、SAE(Society of Automotive Engineers)において定義されるレベル1乃至5を含むが、これらに限定されず、任意に定義されてもよい。
【0016】
例えば、車両20の乗員は、地震などの災害が発生すると車両20の車室内で宿泊を繰り返しながら避難生活を送る。このとき、車両20の乗員は、車両20に備え付けのエアコンディショナ及びカーナビゲーションシステムを利用したりする。車両20の乗員は、シガーソケット及びUSB(Universal Serial Bus)コネクタなどを含む車両20に備え付けの給電部を利用してスマートフォンなどの情報処理端末を充電したり、テレビ、ラジオ、及び湯沸かし器などを含む家電製品を使用したりする。
【0017】
乗員が車両20内で以上のように様々な装置及びシステムを使用することで、エネルギー、例えば電気エネルギーが車両20内で消費される。車両20で使用されるこのようなエネルギーは、車両20の動力源から供給される。エネルギーが消費されるに従い、車両20の動力源も使用され残量が低下する。本明細書において、「動力源」は、例えばガソリンなどの石油燃料、バッテリに充電される電力、及び燃料電池を駆動する水素燃料の少なくとも1つを含む。これに限定されず、動力源は、車両20で使用されるエネルギーを供給することが可能な任意の動力源を含んでもよい。
【0018】
供給車両30は、例えば乗員が避難生活を送っている車両20に対して車両20の動力源を供給可能な任意の車両を含む。供給車両30は、例えば自動運転を行う車両である。自動運転は、例えば、SAEにおいて定義されるレベル1乃至5を含むが、これらに限定されず、任意に定義されてもよい。供給車両30は、自動運転を行う車両に限定されず、運転者により運転される任意の車両であってもよい。
【0019】
例えば、車両20の動力源がガソリンなどの石油燃料である場合、供給車両30はこのような石油燃料を貯蔵して運搬することが可能な任意の給油車両を含んでもよい。例えば、車両20の動力源がバッテリに充電される電力である場合、供給車両30はこのような電力を大容量で充電したバッテリを搭載して移動することが可能な任意の給電車両を含んでもよい。例えば、車両20の動力源が燃料電池を駆動する水素燃料である場合、供給車両30はこのような水素燃料を貯蔵して運搬することが可能な任意の車両を含んでもよい。
【0020】
一実施形態の概要として、情報処理装置10は、車両20で使用されるエネルギーを供給する車両20の動力源の第1使用量であって、乗員の車両20内での宿泊を伴う避難生活が行われている所定期間における第1使用量を取得する。本明細書において、「所定期間」は、例えば車両20を用いた乗員の避難生活において車両20の動力源の第1使用量を車両20からデータとして情報処理装置10が精度良く取得可能な任意の期間を含む。例えば、所定期間は1日であってもよい。情報処理装置10は、車両20へ供給可能な動力源の供給量を取得された第1使用量に基づいて決定する。
【0021】
次に、
図2を参照しながら、情報処理システム1に含まれる情報処理装置10、車両20、及び供給車両30のそれぞれの構成について主に説明する。
図2は、
図1の情報処理装置10、車両20、及び供給車両30のそれぞれの概略構成を示す機能ブロック図である。
【0022】
図2に示すように、情報処理装置10は、通信部11、記憶部12、及び制御部13を有する。
【0023】
通信部11は、ネットワーク40に接続する通信モジュールを含む。例えば、通信部11は、4G(4th Generation)及び5G(5th Generation)などの移動体通信規格又はインターネット規格に対応する通信モジュールを含んでもよい。一実施形態において、情報処理装置10は、通信部11を介してネットワーク40に接続されている。通信部11は、ネットワーク40を介して多様な情報を送信及び受信する。
【0024】
記憶部12は、例えば半導体メモリ、磁気メモリ、又は光メモリなどであるが、これらに限定されない。記憶部12は、例えば主記憶装置、補助記憶装置、又はキャッシュメモリとして機能してもよい。記憶部12は、情報処理装置10の動作に用いられる任意の情報を記憶する。例えば、記憶部12は、システムプログラム、アプリケーションプログラム、及び通信部11により受信又は送信される各種情報などを記憶してもよい。記憶部12に記憶された情報は、例えば通信部11を介してネットワーク40から受信される情報で更新可能であってもよい。
【0025】
制御部13は、1つ以上のプロセッサを含む。一実施形態において「プロセッサ」は、汎用のプロセッサ、又は特定の処理に特化した専用のプロセッサであるが、これらに限定されない。制御部13は、情報処理装置10を構成する各構成部と通信可能に接続され、情報処理装置10全体の動作を制御する。
【0026】
次に、情報処理システム1に含まれる車両20の構成について主に説明する。
図2に示すように、車両20は、通信部21、記憶部22、取得部23、入力部24、出力部25、及び制御部26を有する。通信部21、記憶部22、取得部23、入力部24、出力部25、及び制御部26は、例えばCAN(Controller Area Network)などの車載ネットワーク又は専用線を介して、互いに通信可能に接続されている。
【0027】
通信部21は、ネットワーク40に接続する通信モジュールを含む。例えば、通信部21は、4G及び5Gなどの移動体通信規格に対応する通信モジュールを含んでもよい。一実施形態において、車両20は、通信部21を介してネットワーク40に接続されている。通信部21は、ネットワーク40を介して多様な情報を送信及び受信する。
【0028】
記憶部22は、例えば半導体メモリ、磁気メモリ、又は光メモリなどであるが、これらに限定されない。記憶部22は、例えば主記憶装置、補助記憶装置、又はキャッシュメモリとして機能してもよい。記憶部22は、車両20の動作に用いられる任意の情報を記憶する。例えば、記憶部22は、システムプログラム、アプリケーションプログラム、及び通信部21により受信又は送信される各種情報などを記憶してもよい。記憶部22に記憶された情報は、例えば通信部21を介してネットワーク40から受信される情報で更新可能であってもよい。
【0029】
取得部23は、車両20で使用されるエネルギーを供給する車両20の動力源の使用量を取得可能な任意のセンサモジュールを含む。例えば、車両20の動力源がガソリンなどの石油燃料である場合、取得部23は、車両20の燃料噴射量を測定可能なセンサモジュールを含んでもよい。例えば、車両20の動力源がバッテリに充電される電力である場合、取得部23は、車両20の消費電力を測定可能な電力センサモジュールを含んでもよい。例えば、車両20の動力源が燃料電池を駆動する水素燃料である場合、取得部23は、車両20の消費燃料の量を測定可能なセンサモジュールを含んでもよい。
【0030】
取得部23は、任意の衛星測位システムに対応する1つ以上の受信機を含む。例えば、取得部23は、GPS(Global Positioning System)受信機を含んでもよい。取得部23は、車両20の位置の測定値を位置情報として取得する。位置情報は、例えば住所、緯度、経度、及び高度などを含む。取得部23は、車両20の位置情報を常時取得してもよいし、定期的又は非定期的に取得してもよい。
【0031】
入力部24は、例えば、車両20の車室内で乗員の入力操作を受け付けて、乗員の入力操作に基づく入力情報を取得する1つ以上の入力インタフェースを含む。例えば、入力部24は、カーナビゲーション装置を構成する入力インタフェースを含む。例えば、入力部24は、カーナビゲーション装置を構成する液晶モニタと一体的に設けられたタッチスクリーンを含む。入力部24は、例えば、乗員による入力操作を乗員のタッチ操作に基づいて受け付ける。
【0032】
入力部24は、これに限定されず、乗員の入力操作を検出して、乗員の入力操作に基づく入力情報を取得可能な任意の入力インタフェースを含んでもよい。入力部24は、例えば、物理キー、静電容量キー、及び音声入力を受け付けるマイクロフォンなどを含んでもよい。
【0033】
出力部25は、例えば、車両20の車室内で乗員に対して情報を出力する1つ以上の出力インタフェースを含む。例えば、出力部25は、カーナビゲーション装置を構成する出力インタフェースを含む。例えば、出力部25は、カーナビゲーション装置を構成する液晶モニタを含む。出力部25は、例えば、情報を画像及び音声の少なくとも一方により出力する。
【0034】
出力部25は、これに限定されず、車両20の乗員の視覚及び聴覚の少なくとも一方に影響を及ぼす任意の出力インタフェースを含んでもよい。出力部25は、例えば、車両20の乗員の聴覚に主に影響を及ぼす、カーナビゲーション装置以外の他の任意の音声出力インタフェースを含んでもよい。出力部25は、例えば、車両20の乗員の視覚に主に影響を及ぼす、カーナビゲーション装置以外の他の任意の画像出力インタフェースを含んでもよい。
【0035】
制御部26は、1つ以上のプロセッサを含む。一実施形態において「プロセッサ」は、汎用のプロセッサ、又は特定の処理に特化した専用のプロセッサであるが、これらに限定されない。例えば、制御部26は、ECU(Electronic Control Unit)を含んでもよい。制御部26は、車両20を構成する各構成部と通信可能に接続され、車両20全体の動作を制御する。
【0036】
次に、情報処理システム1に含まれる供給車両30の構成について主に説明する。
図2に示すように、供給車両30は、通信部31、記憶部32、取得部33、供給部34、及び制御部35を有する。通信部31、記憶部32、取得部33、供給部34、及び制御部35は、例えばCANなどの車載ネットワーク又は専用線を介して、互いに通信可能に接続されている。
【0037】
通信部31は、ネットワーク40に接続する通信モジュールを含む。例えば、通信部31は、4G及び5Gなどの移動体通信規格に対応する通信モジュールを含んでもよい。一実施形態において、供給車両30は、通信部31を介してネットワーク40に接続されている。通信部31は、ネットワーク40を介して多様な情報を送信及び受信する。
【0038】
記憶部32は、例えば半導体メモリ、磁気メモリ、又は光メモリなどであるが、これらに限定されない。記憶部32は、例えば主記憶装置、補助記憶装置、又はキャッシュメモリとして機能してもよい。記憶部32は、供給車両30の動作に用いられる任意の情報を記憶する。例えば、記憶部32は、システムプログラム、アプリケーションプログラム、及び通信部31により受信又は送信される各種情報などを記憶してもよい。記憶部32に記憶された情報は、例えば通信部31を介してネットワーク40から受信される情報で更新可能であってもよい。
【0039】
取得部33は、任意の衛星測位システムに対応する1つ以上の受信機を含む。例えば、取得部33は、GPS受信機を含んでもよい。取得部33は、供給車両30の位置の測定値を位置情報として取得する。位置情報は、例えば住所、緯度、経度、及び高度などを含む。取得部33は、供給車両30の位置情報を常時取得してもよいし、定期的又は非定期的に取得してもよい。
【0040】
供給部34は、車両20の動力源を車両20へと供給可能な任意の供給機構を含む。例えば、車両20の動力源がガソリンなどの石油燃料である場合、供給部34は、供給車両30に貯蔵された石油燃料を車両20へと給油可能な給油機構を含んでもよい。例えば、車両20の動力源がバッテリに充電される電力である場合、供給部34は、供給車両30に搭載されたバッテリに充電されている電力を車両20へと給電可能な給電機構を含んでもよい。例えば、車両20の動力源が燃料電池を駆動する水素燃料である場合、供給部34は、供給車両30に貯蔵された水素燃料を車両20へと供給可能な供給機構を含んでもよい。
【0041】
制御部35は、1つ以上のプロセッサを含む。一実施形態において「プロセッサ」は、汎用のプロセッサ、又は特定の処理に特化した専用のプロセッサであるが、これらに限定されない。例えば、制御部35は、ECUを含んでもよい。制御部35は、供給車両30を構成する各構成部と通信可能に接続され、供給車両30全体の動作を制御する。
【0042】
図3は、
図1の情報処理システム1により実行される情報処理方法の一例を説明するためのシーケンス図である。
図3を参照しながら、
図1の情報処理システム1が実行する情報処理方法の一例について説明する。
図3に示すシーケンス図は、情報処理システム1により実行される情報処理方法の基本的な処理の流れを示す。
【0043】
ステップS100では、車両20の制御部26は、車両20の乗員の避難生活が開始される前の通常期間における車両20の動力源の第2使用量を取得部23により取得する。本明細書において、「通常期間」は、例えば車両20を用いた乗員の通常の生活において車両20の動力源の第2使用量を車両20からデータとして情報処理装置10が精度良く取得可能な任意の期間を含む。例えば、通常期間は1日であってもよい。
【0044】
ステップS101では、車両20の制御部26は、ステップS100において取得された第2使用量の情報を、通信部21及びネットワーク40を介して情報処理装置10に送信する。これにより、情報処理装置10の制御部13は、車両20の動力源の第2使用量を取得する。
【0045】
ステップS102では、車両20の制御部26は、乗員の車両20内での宿泊を伴う避難生活が開始されたことを示す入力情報を入力部24により乗員から取得する。
【0046】
ステップS103では、車両20の制御部26は、ステップS102において取得された入力情報を、通信部21及びネットワーク40を介して情報処理装置10に送信する。これにより、情報処理装置10の制御部13は、乗員の車両20内での宿泊を伴う避難生活が開始されたことを示す入力情報を取得する。
【0047】
ステップS104では、情報処理装置10の制御部13は、ステップS102において車両20が乗員から取得した入力情報に基づいて乗員の避難生活が開始されたと判定する。
【0048】
ステップS105では、車両20の制御部26は、車両20で使用されるエネルギーを供給する車両20の動力源の第1使用量であって、乗員の車両20内での宿泊を伴う避難生活が行われている所定期間における第1使用量を取得部23により取得する。
【0049】
ステップS106では、車両20の制御部26は、ステップS105において取得された第1使用量の情報を、通信部21及びネットワーク40を介して情報処理装置10に送信する。これにより、情報処理装置10の制御部13は、車両20の動力源の第1使用量を取得する。
【0050】
ステップS107では、車両20の制御部26は、車両20に乗車している乗員の構成及び車両20の燃費を取得する。例えば、制御部26は、車両20の車室内を撮像可能な任意の撮像モジュールによる撮像画像に基づいて乗員の構成を取得してもよい。このような撮像モジュールは、取得部23に含まれてもよい。本明細書において、「乗員の構成」は、例えば乗員の人数、年齢、性別、国籍、及び人種などを含む。例えば、制御部26は、記憶部22に記憶されている車両20の過去の走行情報に基づいて車両20の燃費を平均値として取得してもよいし、最小値から最大値までの所定の範囲として取得してもよい。
【0051】
ステップS108では、車両20の制御部26は、ステップS107において取得された乗員の構成及び車両20の燃費の情報を、通信部21及びネットワーク40を介して情報処理装置10に送信する。これにより、情報処理装置10の制御部13は、乗員の構成及び車両20の燃費を取得する。
【0052】
ステップS109では、情報処理装置10の制御部13は、車両20へ供給可能な動力源の供給量を、ステップS106において取得された車両20の動力源の第1使用量に基づいて決定する。このとき、制御部13は、決定された供給量を、ステップS101において取得された車両20の動力源の第2使用量、並びにステップS108において取得された、車両20に乗車している乗員の構成及び車両20の燃費の少なくとも1つに基づいて補正してもよい。
【0053】
ステップS110では、情報処理装置10の制御部13は、ステップS109において決定又は補正された車両20へ供給可能な動力源の供給量の情報を、通信部11及びネットワーク40を介して供給車両30に送信する。供給車両30は、受信した供給量の情報に基づいて、対応する供給量の動力源を供給部34により車両20に供給する。
【0054】
図4は、
図1の情報処理装置10により実行される情報処理方法の一例を説明するためのフローチャートである。
図4を参照しながら、
図1の情報処理装置10が実行する情報処理方法の一例について説明する。
図4に示すフローチャートは、情報処理装置10により実行される情報処理方法の基本的な処理の流れを示す。
【0055】
ステップS200では、情報処理装置10の制御部13は、車両20の乗員の避難生活が開始される前の通常期間における車両20の動力源の第2使用量を取得する。
【0056】
ステップS201では、制御部13は、乗員の車両20内での宿泊を伴う避難生活が開始されたことを示す入力情報を取得する。このような入力情報は、乗員による入力部24を用いた入力操作によって車両20により初めに取得される。
【0057】
ステップS202では、制御部13は、ステップS201において取得された入力情報に基づいて車両20の乗員の避難生活が開始されたと判定する。
【0058】
ステップS203では、制御部13は、車両20で使用されるエネルギーを供給する車両20の動力源の第1使用量であって、乗員の車両20内での宿泊を伴う避難生活が行われている所定期間における第1使用量を取得する。
【0059】
ステップS204では、制御部13は、車両20に乗車している乗員の構成及び車両20の燃費を取得する。
【0060】
ステップS205では、制御部13は、車両20へ供給可能な動力源の供給量を、ステップS203において取得された第1使用量に基づいて決定する。このとき、制御部13は、決定された供給量を、ステップS200において取得された車両20の動力源の第2使用量、並びにステップS204において取得された、車両20に乗車している乗員の構成及び車両20の燃費の少なくとも1つに基づいて補正してもよい。
【0061】
ステップS206では、制御部13は、ステップS205において決定又は補正された車両20へ供給可能な動力源の供給量の情報を、通信部11及びネットワーク40を介して供給車両30に送信する。
【0062】
図5は、
図1の情報処理装置10により実行される車両20の動力源の供給量の決定処理及び補正処理を例示的に説明するための図である。
図5を参照しながら、
図1の情報処理装置10が実行する車両20の動力源の供給量の決定処理及び補正処理についてその一例を説明する。
【0063】
例えば、情報処理装置10の制御部13は、地震などの災害の規模に基づいて、乗員の車両20内での宿泊を伴う避難生活が車両20への動力源の供給の予定日時からあと何日間続くかを予測してもよい。制御部13は、このような予測処理に基づいて得られた避難生活の残り日数を、取得された車両20の動力源の第1使用量から算出される1日あたりの第1使用量に乗算することで、車両20へ供給可能な動力源の供給量を決定してもよい。又は、制御部13は、車両20への動力源の供給の予定日時から次回の供給の予定日時まで何日あるかを算出してもよい。制御部13は、このような算出処理に基づいて得られた次回の供給までの残り日数を、取得された車両20の動力源の第1使用量から算出される1日あたりの第1使用量に乗算することで、車両20へ供給可能な動力源の供給量を決定してもよい。
図5では、一例として所定期間が1日であり、動力源がガソリンなどの石油燃料であるとして説明する。
【0064】
例えば、制御部13は、車両C1に対して、1日あたりの第1使用量が1リットルであるという情報を取得する。加えて、制御部13は、地震などの災害の規模に基づいて、例えば乗員の車両C1内での宿泊を伴う避難生活が車両C1への動力源の供給の予定日時からあと5日間続くと予測する。このとき、制御部13は、5日間という避難生活の残り日数を1リットルという1日あたりの第1使用量に乗算して5リットルという供給量を決定する。
【0065】
例えば、制御部13は、車両C2に対して、1日あたりの第1使用量が2リットルであるという情報を取得する。加えて、制御部13は、地震などの災害の規模に基づいて、例えば乗員の車両C2内での宿泊を伴う避難生活が車両C2への動力源の供給の予定日時からあと5日間続くと予測する。このとき、制御部13は、5日間という避難生活の残り日数を2リットルという1日あたりの第1使用量に乗算して10リットルという供給量を決定する。
【0066】
例えば、制御部13は、上述した供給量の決定処理に対して、車両20に乗車している乗員の構成も考慮して動力源の供給量を補正してもよい。例えば、制御部13は、1日あたりの第1使用量と避難生活の残り日数との乗算により決定された供給量に対してさらに所定の比率を乗算することで供給量を補正してもよい。
【0067】
例えば、制御部13は、車両C3に対して、1日あたりの第1使用量が1リットルであるという情報を取得する。加えて、制御部13は、地震などの災害の規模に基づいて、例えば乗員の車両C3内での宿泊を伴う避難生活が車両C3への動力源の供給の予定日時からあと5日間続くと予測する。このとき、制御部13は、5日間という避難生活の残り日数を1リットルという1日あたりの第1使用量に乗算して5リットルという供給量を決定する。
【0068】
加えて、制御部13は、車両C3に乗車している乗員の人数が4人であるという情報を取得する。例えば、制御部13は、車両C1のように乗員の人数が2人である場合を基準として、車両C3に乗車している乗員の人数が2倍に増加していることから、決定された5リットルという供給量に対して20%増となる1.2の比率を乗算してもよい。すなわち、制御部13は、5リットルという供給量を6リットルに補正してもよい。
【0069】
例えば、制御部13は、上述した供給量の決定処理に対して、通常期間における車両20の動力源の第2使用量も考慮して動力源の供給量を補正してもよい。例えば、制御部13は、1日あたりの第1使用量と避難生活の残り日数との乗算により決定された供給量に対してさらに所定の比率を乗算することで供給量を補正してもよい。
【0070】
例えば、制御部13は、車両C4に対して、1日あたりの第1使用量が1リットルであるという情報を取得する。加えて、制御部13は、地震などの災害の規模に基づいて、例えば乗員の車両C4内での宿泊を伴う避難生活が車両C4への動力源の供給の予定日時からあと5日間続くと予測する。このとき、制御部13は、5日間という避難生活の残り日数を1リットルという1日あたりの第1使用量に乗算して5リットルという供給量を決定する。
【0071】
加えて、制御部13は、車両C4における第2使用量が0.5リットルであるという情報を取得する。例えば、制御部13は、車両C1のように第2使用量が1リットルである場合を基準として、車両C4における第2使用量が1/2に減少していることから、決定された5リットルという供給量に対して20%減となる0.8の比率を乗算してもよい。すなわち、制御部13は、5リットルという供給量を4リットルに補正してもよい。
【0072】
例えば、制御部13は、上述した供給量の決定処理に対して、車両20の燃費も考慮して動力源の供給量を補正してもよい。例えば、制御部13は、1日あたりの第1使用量と避難生活の残り日数との乗算により決定された供給量に対してさらに所定の比率を乗算することで供給量を補正してもよい。
【0073】
例えば、制御部13は、車両C5に対して、1日あたりの第1使用量が1リットルであるという情報を取得する。加えて、制御部13は、地震などの災害の規模に基づいて、例えば乗員の車両C5内での宿泊を伴う避難生活が車両C5への動力源の供給の予定日時からあと5日間続くと予測する。このとき、制御部13は、5日間という避難生活の残り日数を1リットルという1日あたりの第1使用量に乗算して5リットルという供給量を決定する。
【0074】
加えて、制御部13は、車両C5の燃費が20km/リットルであるという情報を取得する。例えば、制御部13は、車両C1のように燃費が10km/リットルである場合を基準として、車両C5の燃費が2倍に増加していることから、決定された5リットルという供給量に対して20%減となる0.8の比率を乗算してもよい。すなわち、制御部13は、5リットルという供給量を4リットルに補正してもよい。
【0075】
上述した補正処理及び比率についてはあくまでも一例である。情報処理装置10は、決定された供給量を任意の補正処理に基づいて補正してもよい。情報処理装置10は、決定された供給量を任意の比率に基づいて補正してもよい。
【0076】
以上のような一実施形態によれば、避難生活での車中泊による車両20の動力源の実際の使用状況と供給量との整合性が向上する。例えば、情報処理装置10は、所定期間における車両20の動力源の第1使用量に基づいて供給量を決定することで、車両20の乗員の構成及び車両20の燃費などが反映された動力源の実際の使用状況に合わせて精度良く供給量を決定することができる。したがって、車両20の動力源の使用実態に整合させた動力源の供給が可能となり、車両20の乗員による避難生活においてエネルギー不足などの支障が抑制される。車両の動力源の供給量を車両ごとに均等とするような従来の場合と比較して、車両20ごとの公平性が得られる。
【0077】
情報処理装置10は、車両20が乗員から取得した入力情報に基づいて乗員の避難生活が開始されたと判定することで、避難生活の開始判定処理を車両20の乗員による自己申告により容易に実行することができる。
【0078】
情報処理装置10は、決定された供給量を、車両20に乗車している乗員の構成に基づいて補正することで、車両20の動力源の供給量を乗員の構成により直接的に整合させることができる。例えば、所定期間における動力源の第1使用量が車両20ごとに同一であったとしても、車両20へ動力源を供給した後の動力源の使用量が乗員の構成に応じて変動する可能性がある。例えば、乗員の人数がより多い車両20では、動力源の使用量が第1使用量と比較して将来的に増大する可能性もある。情報処理装置10は、このような可能性も考慮して、第1使用量に基づいて決定された供給量を乗員の構成に応じて最適化することができる。
【0079】
したがって、情報処理装置10は、車両20の乗員の構成が適切に反映された動力源の供給量を精度良く得ることができる。以上により、車両20の乗員の構成に整合させた動力源の供給が可能となり、車両20の乗員による避難生活においてエネルギー不足などの支障が抑制される。車両の動力源の供給量を車両ごとに均等とするような従来の場合と比較して、車両20ごとの公平性が得られる。
【0080】
情報処理装置10は、決定された供給量を、通常期間における動力源の第2使用量に基づいて補正することで、車両20の動力源の供給量を通常期間における車両20の動力源の使用状況に整合させることができる。例えば、所定期間における動力源の第1使用量が車両20ごとに同一であったとしても、車両20へ動力源を供給した後の動力源の使用量が通常期間における車両20の動力源の使用状況に応じて変動する可能性がある。例えば、第2使用量がより少ない車両20では、動力源の使用量が第1使用量と比較して将来的に減少する可能性もある。情報処理装置10は、このような可能性も考慮して、第1使用量に基づいて決定された供給量を第2使用量に応じて最適化することができる。
【0081】
したがって、情報処理装置10は、車両20の動力源の第2使用量が適切に反映された動力源の供給量を精度良く得ることができる。以上により、車両20の動力源の第2使用量に整合させた動力源の供給が可能となり、車両20の乗員による避難生活においてエネルギー不足などの支障が抑制される。車両の動力源の供給量を車両ごとに均等とするような従来の場合と比較して、車両20ごとの公平性が得られる。
【0082】
情報処理装置10は、決定された供給量を、車両20の燃費に基づいて補正することで、車両20の動力源の供給量を車両20の燃費により直接的に整合させることができる。例えば、所定期間における動力源の第1使用量が車両20ごとに同一であったとしても、車両20へ動力源を供給した後の動力源の使用量が車両20の燃費に応じて変動する可能性がある。例えば、車両20の燃費がより良い車両20では、動力源の使用量が第1使用量と比較して将来的に減少する可能性もある。情報処理装置10は、このような可能性も考慮して、第1使用量に基づいて決定された供給量を車両20の燃費に応じて最適化することができる。
【0083】
したがって、情報処理装置10は、車両20の燃費が適切に反映された動力源の供給量を精度良く得ることができる。以上により、車両20の燃費に整合させた動力源の供給が可能となり、車両20の乗員による避難生活においてエネルギー不足などの支障が抑制される。車両の動力源の供給量を車両ごとに均等とするような従来の場合と比較して、車両20ごとの公平性が得られる。
【0084】
動力源が、石油燃料、電力、及び水素燃料の少なくとも1つを含むことで、情報処理装置10は、様々な種類の動力源に基づいて駆動される様々な種類の車両20に対応して動力源の供給量を決定することができる。
【0085】
本開示を諸図面及び実施例に基づき説明してきたが、当業者であれば本開示に基づき種々の変形及び改変を行うことが可能であることに注意されたい。したがって、これらの変形及び改変は本開示の範囲に含まれることに留意されたい。例えば、各構成又は各ステップなどに含まれる機能などは論理的に矛盾しないように再配置可能であり、複数の構成又はステップなどを1つに組み合わせたり、或いは分割したりすることが可能である。
【0086】
例えば、上述した実施形態において情報処理装置10において実行される少なくとも一部の処理動作が車両20又は供給車両30において実行されてもよい。例えば、情報処理装置10に代えて、供給車両30自体が、情報処理装置10に関する上述した処理動作を実行してもよい。車両20又は供給車両30において実行される少なくとも一部の処理動作が情報処理装置10において実行されてもよい。
【0087】
例えば、スマートフォン又はコンピュータなどの汎用の電子機器を、上述した実施形態に係る情報処理装置10として機能させる構成も可能である。具体的には、実施形態に係る情報処理装置10などの各機能を実現する処理内容を記述したプログラムを、電子機器のメモリに格納し、電子機器のプロセッサにより当該プログラムを読み出して実行させる。したがって、一実施形態に係る開示は、プロセッサが実行可能なプログラムとしても実現可能である。
【0088】
又は、一実施形態に係る開示は、実施形態に係る情報処理装置10などに各機能を実行させるために1つ又は複数のプロセッサにより実行可能なプログラムを記憶した非一時的なコンピュータ読取可能な媒体としても実現し得る。本開示の範囲には、これらも包含されると理解されたい。
【0089】
例えば、上述した実施形態において説明した情報処理装置10が供給車両30に搭載されてもよい。このとき、情報処理装置10は、ネットワーク40を介さずに供給車両30と直接的に情報通信を行ってもよい。
【0090】
上記実施形態では、情報処理装置10は、車両20が乗員から取得した入力情報に基づいて乗員の避難生活が開始されたと判定すると説明したが、これに限定されない。情報処理装置10の制御部13は、このような判定処理に代えて、又は加えて、車両20の位置情報、駐車時間、及び車両20内での乗員の乗車時間に基づいて乗員の避難生活が開始されたと判定してもよい。
【0091】
このとき、制御部13は、車両20の制御部26が取得部23により取得した車両20の位置情報を、ネットワーク40及び通信部11を介して車両20から受信してもよい。制御部13は、取得された車両20の位置情報に基づいて車両20の駐車時間を間接的に算出してもよいし、車両20のギアの状態がパーキングにあることを示す情報を車両20から取得して車両20の駐車時間を直接的に算出してもよい。制御部13は、例えば車両20の座席に取り付けられた着座センサにより車両20の制御部26が取得した車両20内での乗員の乗車時間を、ネットワーク40及び通信部11を介して車両20から受信してもよい。これに限定されず、制御部13は、例えば車両20の車室内を撮像可能な任意の撮像モジュールによる撮像画像により車両20の制御部26が取得した車両20内での乗員の乗車時間を、ネットワーク40及び通信部11を介して車両20から受信してもよい。上記のような着座センサ及び撮像モジュールは、車両20の取得部23に含まれてもよい。
【0092】
以上により、情報処理装置10は、避難生活の開始判定処理を車両20の実際の動作及び乗員の実際の挙動により精度良く実行することができる。情報処理装置10は、車両20が乗員から取得した入力情報と車両20の位置情報、駐車時間、及び車両20内での乗員の乗車時間とを比較することで、これら全ての情報に基づいて避難生活の開始判定処理をより精度良く実行することができる。すなわち、情報処理装置10は、車両20の乗員による自己申告が車両20の実際の動作及び乗員の実際の挙動と整合しているか否かを判定しながら、避難生活の開始判定処理をより精度良く実行することができる。
【0093】
上記実施形態では、自動運転を行う供給車両30が、車両20へ供給可能な動力源の供給量を情報処理装置10から取得して供給部34により動力源を供給すると説明したが、これに限定されない。例えば、情報処理システム1は、このような供給車両30に代えて、車両20へ動力源を供給するための任意の供給装置を管理する供給業者の端末装置を有してもよい。このとき、供給業者は、車両20へ供給可能な動力源の供給量を情報処理装置10から当該端末装置により取得して、当該供給装置を用いながら車両20に動力源を供給してもよい。
【0094】
上記実施形態では、情報処理装置10は、車両20の動力源の第2使用量を、車両20の乗員の避難生活が開始される前に取得すると説明したが、これに限定されない。例えば、情報処理装置10は、車両20の記憶部22に記憶されている車両20の動力源の第2使用量を、車両20の乗員の避難生活が開始された後に取得してもよい。
【0095】
上記実施形態では、情報処理装置10は、車両20に乗車している乗員の構成及び車両20の燃費を、車両20の乗員の避難生活が開始された後に取得すると説明したが、これに限定されない。例えば、情報処理装置10は、車両20に乗車している乗員の構成及び車両20の燃費を、車両20の乗員の避難生活が開始される前に取得してもよい。
【0096】
上記実施形態では、車両20は、車両20の車室内を撮像可能な任意の撮像モジュールによる撮像画像に基づいて乗員の構成を取得すると説明したが、これに限定されない。車両20又は情報処理装置10は、車両20のエアコンディショナの使用状況、車両20の座席に取り付けられた着座センサからの出力、及び車両20のドアの開閉状況の少なくとも1つに基づいて乗員の構成を推測してもよい。
【0097】
上記実施形態では、情報処理装置10は、決定された供給量を、車両20の動力源の第2使用量、並びに車両20に乗車している乗員の構成及び車両20の燃費の少なくとも1つに基づいて補正すると説明したが、これに限定されない。例えば、情報処理装置10は、これらに加えて、又は代えて、決定された供給量を車両20の動力源の残量に基づいて補正してもよい。
【符号の説明】
【0098】
1 情報処理システム
10 情報処理装置
11 通信部
12 記憶部
13 制御部
20 車両
21 通信部
22 記憶部
23 取得部
24 入力部
25 出力部
26 制御部
30 供給車両
31 通信部
32 記憶部
33 取得部
34 供給部
35 制御部
40 ネットワーク
C1、C2、C3、C4、C5 車両