(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-16
(45)【発行日】2024-07-24
(54)【発明の名称】制御装置、方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G01C 21/34 20060101AFI20240717BHJP
G08G 1/0968 20060101ALI20240717BHJP
G06Q 50/40 20240101ALI20240717BHJP
G06Q 50/06 20240101ALI20240717BHJP
G16Y 10/40 20200101ALI20240717BHJP
G16Y 20/20 20200101ALI20240717BHJP
G16Y 40/60 20200101ALI20240717BHJP
【FI】
G01C21/34
G08G1/0968
G06Q50/40
G06Q50/06
G16Y10/40
G16Y20/20
G16Y40/60
(21)【出願番号】P 2021107908
(22)【出願日】2021-06-29
【審査請求日】2023-04-17
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100187078
【氏名又は名称】甲原 秀俊
(74)【代理人】
【識別番号】100220674
【氏名又は名称】小山 祐
(72)【発明者】
【氏名】長田 祐
(72)【発明者】
【氏名】木村 和峰
(72)【発明者】
【氏名】眞屋 朋和
(72)【発明者】
【氏名】西岡 剛志
(72)【発明者】
【氏名】立石 崇晴
(72)【発明者】
【氏名】山下 雄己
【審査官】増子 真
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-002778(JP,A)
【文献】国際公開第2017/022010(WO,A1)
【文献】国際公開第2020/161773(WO,A1)
【文献】特開2009-008609(JP,A)
【文献】特開2007-078464(JP,A)
【文献】特開2013-055731(JP,A)
【文献】特開2021-077254(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01C 21/00 - 21/36
G01C 23/00 - 25/00
G08G 1/00 - 99/00
G09B 23/00 - 29/14
B60L 1/00 - 3/12
B60L 7/00 - 13/00
B60L 15/00 - 15/42
B60L 50/00 - 58/40
G06F 19/00
G06Q 10/00 - 10/10
G06Q 30/00 - 30/08
G06Q 50/00 - 50/20
G06Q 50/26 - 99/00
G16Y 10/00 - 40/60
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両が移動する経路であって、出発地と、目的地と、前記車両に充電を行うことが可能な経由地とを含む経路と、前記車両が前記出発地から出発する第1の出発時刻とを示す旅程情報を取得し、
前記旅程情報に基づいて、前記経由地への前記車両の到着時刻が所定の時刻となるよう、前記第1の出発時刻を修正した第2の出発時刻を設定する制御部を備え
、
前記制御部は、
前記経由地における、前記車両へ充電する電力の単価を時間帯ごとに示す単価情報を取得し、
前記単価情報に基づいて、前記時間帯のうち、前記単価が所定の価格未満である時間帯に前記車両が前記経由地に到着するよう、前記第1の出発時刻を早める又は遅らせることにより修正し、前記第2の出発時刻を設定する、制御装置。
【請求項2】
請求項1
に記載の制御装置であって、
前記制御部は、
前記経由地における、前記車両へ充電する電力の単価を時間帯ごとに示す単価情報を取得し、
前記単価情報に基づいて、前記時間帯のうち、前記単価が最も低くなる時間帯に前記車両が前記経由地に到着するよう、前記第1の出発時刻を早める又は遅らせることにより修正し、前記第2の出発時刻を設定する、制御装置。
【請求項3】
請求項1
又は2に記載の制御装置であって、
前記制御部は、前記第1の出発時刻と前記第2の出発時刻との差分が所定の値未満かどうかに基づいて、前記第2の出発時刻を設定する、制御装置。
【請求項4】
請求項1から
3のいずれか一項に記載の制御装置であって、
前記制御部は、前記旅程情報が前記経由地を複数含むとき、複数の前記経由地のそれぞれにおける前記車両へ充電する電力の単価を時間帯ごとに示す複数地単価情報を取得し、
前記複数地単価情報に基づいて、前記経由地のうち、最も低い前記単価で前記車両に充電を行うことが可能な経由地を候補経由地として特定し、
前記候補経由地における、前記単価が最も低い時間帯を候補時間帯として特定し、
前記候補時間帯に前記車両が前記候補経由地に到着するよう、前記第1の出発時刻を早める又は遅らせることにより修正し、前記第2の出発時刻を設定する、制御装置。
【請求項5】
請求項1から
4のいずれか一項に記載の制御装置であって、
前記制御部は、設定した前記第2の出発時刻に前記車両が出発した場合に、前記車両のユーザに付与する報酬を決定する、制御装置。
【請求項6】
請求項
5に記載の制御装置であって、
前記制御部は、前記第1の出発時刻と前記第2の出発時刻との差分が大きいほど前記報酬を高く決定する、制御装置。
【請求項7】
請求項
5又は
6に記載の制御装置であって、
前記制御部は、前記車両が前記第1の出発時刻に出発した場合に前記経由地に到着する時刻を第1の到着予想時刻として算出し、
前記車両が前記第2の出発時刻に出発した場合に前記経由地に到着する時刻を第2の到着予想時刻として算出し、
前記経由地における、前記第1の到着予想時刻が含まれる時間帯の単価と、前記第2の到着予想時刻が含まれる時間帯の単価との差分が大きいほど前記報酬を高く決定する、制御装置。
【請求項8】
車両が移動する経路であって、出発地と、目的地と、前記車両に充電を行うことが可能な経由地とを含む経路と、前記車両が前記出発地から出発する第1の出発時刻とを示す旅程情報を取得することと、
前記旅程情報に基づいて、前記経由地への前記車両の到着時刻が所定の時刻となるよう、前記第1の出発時刻を修正した第2の出発時刻を設定することと
を含む、方法
であって、
前記経由地における、前記車両へ充電する電力の単価を時間帯ごとに示す単価情報を取得することと、
前記単価情報に基づいて、前記時間帯のうち、前記単価が所定の価格未満である時間帯に前記車両が前記経由地に到着するよう、前記第1の出発時刻を早める又は遅らせることにより修正し、前記第2の出発時刻を設定することと
をさらに含む、方法。
【請求項9】
請求項
8に記載の方法であって、
前記経由地における、前記車両へ充電する電力の単価を時間帯ごとに示す単価情報を取得することと、
前記単価情報に基づいて、前記時間帯のうち、前記単価が最も低くなる時間帯に前記車両が前記経由地に到着するよう、前記第1の出発時刻を早める又は遅らせることにより修正し、前記第2の出発時刻を設定することと
をさらに含む、方法。
【請求項10】
請求項
8又は9に記載の方法であって、
前記第1の出発時刻と前記第2の出発時刻との差分が所定の値未満かどうかに基づいて、前記第2の出発時刻を設定することをさらに含む、方法。
【請求項11】
請求項
8から1
0のいずれか一項に記載の方法であって、
設定した前記第2の出発時刻に前記車両が出発した場合に、前記車両のユーザに付与する報酬を決定することをさらに含む、方法。
【請求項12】
請求項1
1に記載の方法であって、
前記第1の出発時刻と前記第2の出発時刻との差分が大きいほど前記報酬を高く決定することをさらに含む、方法。
【請求項13】
コンピュータに、
車両が移動する経路であって、出発地と、目的地と、前記車両に充電を行うことが可能な経由地とを含む経路と、前記車両が前記出発地から出発する第1の出発時刻とを示す旅程情報を取得することと、
前記旅程情報に基づいて、前記経由地への前記車両の到着時刻が所定の時刻となるよう、前記第1の出発時刻を修正した第2の出発時刻を設定することと
を含む動作を実行させるプログラム
であって、
前記動作は、
前記経由地における、前記車両へ充電する電力の単価を時間帯ごとに示す単価情報を取得することと、
前記単価情報に基づいて、前記時間帯のうち、前記単価が所定の価格未満である時間帯に前記車両が前記経由地に到着するよう、前記第1の出発時刻を早める又は遅らせることにより修正し、前記第2の出発時刻を設定することと
をさらに含む、プログラム。
【請求項14】
請求項1
3に記載のプログラムであって、前記動作は、
前記経由地における、前記車両へ充電する電力の単価を時間帯ごとに示す単価情報を取得することと、
前記単価情報に基づいて、前記時間帯のうち、前記単価が最も低くなる時間帯に前記車両が前記経由地に到着するよう、前記第1の出発時刻を早める又は遅らせることにより修正し、前記第2の出発時刻を設定することと
をさらに含む、プログラム。
【請求項15】
請求項1
3又は14に記載のプログラムであって、前記動作は、
前記第1の出発時刻と前記第2の出発時刻との差分が所定の値未満かどうかに基づいて、前記第2の出発時刻を設定することをさらに含む、プログラム。
【請求項16】
請求項1
3から1
5のいずれか一項に記載のプログラムであって、前記動作は、
設定した前記第2の出発時刻に前記車両が出発した場合に、前記車両のユーザに付与する報酬を決定することをさらに含む、プログラム。
【請求項17】
請求項1
6に記載のプログラムであって、前記動作は、
前記第1の出発時刻と前記第2の出発時刻との差分が大きいほど前記報酬を高く決定することをさらに含む、プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、制御装置、方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車両へのエネルギの補給の計画に関する技術が知られている。例えば特許文献1には、ナビゲーションシステムにおいて、自車が充電スポットを利用するタイミングが他車と重ならないようにするように、充電スポットにおける利用予定及び目的地までの経路を設定することが開示されている。例えば特許文献2には、時間帯によって充電料金が変わることを考慮してエネルギの補給を行う施設を案内することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2012-002778号公報
【文献】特開2009-008609号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ユーザに対して積極的に、エネルギ補給のコストが低い時間にエネルギの補給をしてもらう働きかけはできておらず、車両へのエネルギの補給の計画に関する技術には改善の余地があった。
【0005】
かかる事情に鑑みてなされた本開示の目的は、車両へのエネルギの補給の計画に関する技術を改善することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一実施形態に係る制御装置は、
車両が移動する経路であって、出発地と、目的地と、前記車両に充電を行うことが可能な経由地とを含む経路と、前記車両が前記出発地から出発する第1の出発時刻とを示す旅程情報を取得し、
前記旅程情報に基づいて、前記経由地への前記車両の到着時刻が所定の時刻となるよう、前記第1の出発時刻を修正した第2の出発時刻を設定する制御部
を備える。
【0007】
本開示の一実施形態に係る方法は、
車両が移動する経路であって、出発地と、目的地と、前記車両に充電を行うことが可能な経由地とを含む経路と、前記車両が前記出発地から出発する第1の出発時刻とを示す旅程情報を取得することと、
前記旅程情報に基づいて、前記経由地への前記車両の到着時刻が所定の時刻となるよう、前記第1の出発時刻を修正した第2の出発時刻を設定することと
を含む。
【0008】
本開示の一実施形態に係るプログラムは、
コンピュータに、
車両が移動する経路であって、出発地と、目的地と、前記車両に充電を行うことが可能な経由地とを含む経路と、前記車両が前記出発地から出発する第1の出発時刻とを示す旅程情報を取得することと、
前記旅程情報に基づいて、前記経由地への前記車両の到着時刻が所定の時刻となるよう、前記第1の出発時刻を修正した第2の出発時刻を設定することと
を含む動作を実行させる。
【発明の効果】
【0009】
本開示の一実施形態によれば、車両へのエネルギの補給の計画に関する技術が改善される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本開示の一実施形態に係るシステムの概略構成を示すブロック図である。
【
図2】本開示の一実施形態に係る制御装置の動作を示すフローチャートである。
【
図3】本開示の一実施形態に係る旅程情報に含まれる経路を説明するための図である。
【
図4】本開示の一実施形態に係る単価情報の例を示す図である。
【
図5】第1の変形例に係る制御装置の動作を示すフローチャートである。
【
図6】第1の変形例に係る単価情報の例を示す図である。
【
図7】第2の変形例に係る制御装置の動作を示すフローチャートである。
【
図8】第2の変形例に係る旅程情報に含まれる経路を説明するための図である。
【
図9】第2の変形例に係る複数地単価情報の例を示す図である。
【
図10】第3の変形例に係る制御装置の動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態について説明する。
【0012】
図1を参照して、本開示の実施形態に係るシステム1の概要について説明する。システム1は、車両10と、制御装置20と、を備える。車両10及び制御装置20は、例えばインターネット及び移動体通信網等を含むネットワーク30と通信可能に接続される。
【0013】
車両10は、例えば自動車であるがこれに限られず、充電電力で走行する任意の車両であってよい。自動車は、例えば電気自動車(BEV;Battery Electric Vehicle)、ハイブリッド自動車(HV;Hybrid Vehicle)、又はプラグインハイブリッド自動車(PHV;Plug-in Hybrid Vehicle)等であるが、これらに限られない。システム1が備える車両10の数は、任意に定められてもよい。
【0014】
制御装置20は、例えばサーバ装置等のコンピュータである。制御装置20は、ネットワーク30を介して車両10と通信可能である。
【0015】
まず、本実施形態の概要について説明し、詳細については後述する。制御装置20は、車両10が移動する経路であって、出発地と、目的地と、車両10に充電を行うことが可能な経由地とを含む経路と、車両10が出発地から出発する第1の出発時刻とを示す旅程情報を取得する。制御装置20は、旅程情報に基づいて、経由地への車両10の到着時刻が所定の時刻となるよう、第1の出発時刻を修正した第2の出発時刻を設定する。
【0016】
「出発地」とは車両10が目的地へ向けて移動し始める特定の場所のことである。「出発地」は例えば、車両10に乗車するユーザの自宅又は会社等を含む。出発地は車両10の現在位置であってもよい。「目的地」は、車両10が訪問しようとしている特定の場所のことである。「目的地」は例えば、観光地を含む。「出発地」と「目的地」との例はこれらに限られず、車両10に乗車したユーザが観光地から自宅へ帰宅しようとしている場合には、当該観光地が「出発地」となり、自宅が「目的地」となる。「経由地」とは、車両10が目的地まで移動する間に立ち寄ることができる特定の場所であって、車両10に充電を行うことが可能な充電設備を備える場所のことである。「第1の出発時刻」とは、車両10が目的地へ出発する前に予め設定されている出発時刻である。第1の出発時刻は、ユーザによって設定されてよい。「第2の出発時刻」とは、以下に説明するように、制御装置20が旅程情報に基づいて第1の出発時刻を修正して設定したものである。
【0017】
「旅程情報」は、出発地と、目的地と、経由地とを含む経路と、第1の出発時刻とを含む。「旅程情報」は任意の手法で生成されてよい。例えば制御装置20はまず、ユーザが使用する端末装置と通信し、ユーザが当該端末装置に入力した出発地と、目的地と、出発時刻とを示す情報を受信する。制御装置20は、当該情報に基づいて出発地から目的地までの経路を決定する。さらに制御装置20は、当該経路上の少なくとも1つの任意の経由地を決定する。制御部21は、受信した出発時刻を第1の出発時刻として決定する。制御装置20は、受信した出発地及び目的地と、決定した経由地及び第1の出発時刻とを含む旅程情報を生成することで、旅程情報を取得してよい。
【0018】
このように、本実施形態によれば、車両10が充電のために立ち寄る経由地への到着時刻が所望の時間帯に含まれるよう、一旦設定された車両10の出発時刻を修正することができる。制御装置20は、ユーザに修正した出発時刻を提案する。ユーザは提案された出発時刻に出発することで、充電のためのコストが低い時間帯に当該経由地へ到着できる。このように、ユーザに対しエネルギ補給のコストが低い時間にエネルギの補給をしてもらう働きかけができる。よって、車両10へのエネルギの補給の計画に関する技術を改善することができる。
【0019】
次に、システム1の各構成について詳細に説明する。
【0020】
図1に示すように、車両10は、制御部11と、記憶部12と、通信部13と、バッテリ14と、測位部15を備える。制御部11と、記憶部12と、通信部13と、バッテリ14とは、例えばCAN(Controller Area Network)等の車載ネットワークと通信可能に接続されてもよい。
【0021】
制御部11は、1つ以上のプロセッサ、1つ以上のプログラマブル回路、1つ以上の専用回路、又はこれらの組合せを含む。プロセッサは、例えばCPU(Central Processing Unit)若しくはGPU(Graphics Processing Unit)等の汎用プロセッサ、又は特定の処理に特化した専用プロセッサであるがこれらに限られない。プログラマブル回路は、例えばFPGA(Field-Programmable Gate Array)であるがこれに限られない。専用回路は、例えばASIC(Application Specific Integrated Circuit)であるがこれに限られない。車両10に搭載されたECU(Electronic Control Unit)が、制御部11として機能してもよい。制御部11は、車両10全体の動作を制御する。制御部11は、バッテリ14の充電残量を示す情報を取得することができてよい。
【0022】
記憶部12は、1つ以上のメモリを含む。メモリは、例えば半導体メモリ、磁気メモリ、又は光メモリ等であるが、これらに限られない。記憶部12に含まれる各メモリは、例えば主記憶装置、補助記憶装置、又はキャッシュメモリとして機能してもよい。記憶部12は、車両10の動作に用いられる任意の情報を記憶する。例えば、記憶部12は、システムプログラム、アプリケーションプログラム、及び組み込みソフトウェア等を記憶してもよい。記憶部12に格納された情報は、例えば通信部13を介してネットワーク30から取得される情報で更新可能であってもよい。
【0023】
通信部13には、少なくとも1つの通信用インタフェースが含まれる。通信用インタフェースは、例えば、LTE、4G規格、若しくは5G規格等の移動通信規格に対応したインタフェースである。例えば、DCM(Data Communication Module)等の車載通信機が、通信部13として機能してもよい。通信部13は、車両10の動作に用いられる情報を受信し、また車両10の動作によって得られる情報を送信する。本実施形態において、車両10は、通信部13及びネットワーク30を介して制御装置20と通信する。
【0024】
バッテリ14は、繰り返し充放電可能な二次電池である。バッテリ14からモータ等に電力が供給されることにより、車両10が駆動される。バッテリ14は例えば、鉛蓄電池、リチウムイオン電池、ニッケル水素電池等であってよい。バッテリ14は、任意に場所に設置された充電設備と有線又は無線により接続され、充電される。
【0025】
測位部15は、少なくとも1つのGNSS受信機が含まれる。「GNSS」は、global navigation satellite systemの略語である。GNSSには、例えば、GPS、QZSS、BeiDou、GLONASS、及びGalileoの少なくともいずれかが含まれる。「GPS」は、Global Positioning Systemの略語である。「QZSS」は、Quasi-Zenith Satellite Systemの略語である。QZSSの衛星は、準天頂衛星と呼ばれる。「GLONASS」は、Global Navigation Satellite Systemの略語である。測位部15は、車両10の位置を測定する。測位部15による測定の結果は、制御部11によって車両10の位置情報として取得される。「位置情報」とは、車両10の位置を特定可能な情報であり、例えば、車両10の座標を含む。
【0026】
図1に示すように、制御装置20は、制御部21と、記憶部22と、通信部23と、入力部24と、出力部25とを備える。
【0027】
制御部21は、1つ以上のプロセッサ、1つ以上のプログラマブル回路、1つ以上の専用回路、又はこれらの組合せを含む。プロセッサは、CPU若しくはGPU等の汎用プロセッサ、又は特定の処理に特化した専用プロセッサであるがこれらに限られない。専用回路は、例えばASICであるがこれに限られない。制御部21は、制御装置20全体の動作を制御する。
【0028】
記憶部22は、1つ以上のメモリを含む。記憶部22に含まれる各メモリは、例えば主記憶装置、補助記憶装置、又はキャッシュメモリとして機能してもよい。記憶部22は、制御装置20の動作に用いられる任意の情報を記憶する。例えば、記憶部22は、システムプログラム、アプリケーションプログラム、データベース、及び地図情報等を記憶してもよい。記憶部22に記憶された情報は、例えば通信部23を介してネットワーク30から取得される情報で更新可能であってもよい。
【0029】
通信部23は、ネットワーク30に接続する1つ以上の通信インタフェースを含む。当該通信インタフェースは、例えば移動体通信規格、有線LAN(Local Area Network)規格、又は無線LAN規格に対応するが、これらに限られず、任意の通信規格に対応してもよい。本実施形態において、制御装置20は、通信部23及びネットワーク30を介して車両10と通信する。
【0030】
入力部24は、少なくとも1つの入力用インタフェースを含む。入力用インタフェースは、例えば、物理キー、静電容量キー、ポインティングデバイス、ディスプレイと一体的に設けられたタッチスクリーン、又はマイクである。入力部24は、制御装置20の動作に用いられるデータを入力する操作を受け付ける。入力部24は、制御装置20に備えられる代わりに、外部の入力機器として制御装置20に接続されてもよい。接続方式としては、例えば、USB、HDMI(登録商標)、又はBluetooth(登録商標)などの任意の方式を用いることができる。「USB」は、Universal Serial Busの略語である。「HDMI(登録商標)」は、High-Definition Multimedia Interfaceの略語である。
【0031】
出力部25は、少なくとも1つの出力用インタフェースを含む。出力用インタフェースは、例えば、ディスプレイ又はスピーカである。ディスプレイは、例えば、LCD又は有機ELディスプレイである。「LCD」は、liquid crystal displayの略語である。「EL」は、electro luminescenceの略語である。出力部25は、制御装置20の動作によって得られるデータを出力する。出力部25は、制御装置20に備えられる代わりに、外部の出力機器として制御装置20に接続されてもよい。接続方式としては、例えば、USB、HDMI(登録商標)、又はBluetooth(登録商標)などの任意の方式を用いることができる。
【0032】
制御装置20の機能は、本実施形態に係る制御プログラムを、制御部21に相当するプロセッサで実行することにより実現される。すなわち、制御装置20の機能は、ソフトウェアにより実現される。制御プログラムは、制御装置20の動作をコンピュータに実行させることで、コンピュータを制御装置20として機能させる。すなわち、コンピュータは、制御プログラムに従って制御装置20の動作を実行することにより制御装置20として機能する。
【0033】
プログラムは、非一時的なコンピュータ読取り可能な媒体に記憶しておくことができる。非一時的なコンピュータ読取り可能な媒体は、例えば、磁気記録装置、光ディスク、光磁気記録媒体、又はROMである。プログラムの流通は、例えば、プログラムを記憶したDVD又はCD-ROMなどの可搬型媒体を販売、譲渡、又は貸与することによって行う。「DVD」は、digital versatile discの略語である。「CD-ROM」は、compact disc read only memoryの略語である。プログラムをサーバのストレージに格納しておき、サーバから他のコンピュータにプログラムを転送することにより、プログラムを流通させてもよい。プログラムをプログラムプロダクトとして提供してもよい。
【0034】
コンピュータは、例えば、可搬型媒体に記憶されたプログラム又はサーバから転送されたプログラムを、一旦、主記憶装置に格納する。そして、コンピュータは、主記憶装置に格納されたプログラムをプロセッサで読み取り、読み取ったプログラムに従った処理をプロセッサで実行する。コンピュータは、可搬型媒体から直接プログラムを読み取り、プログラムに従った処理を実行してもよい。コンピュータは、コンピュータにサーバからプログラムが転送される度に、逐次、受け取ったプログラムに従った処理を実行してもよい。サーバからコンピュータへのプログラムの転送は行わず、実行指示及び結果取得のみによって機能を実現する、いわゆるASP型のサービスによって処理を実行してもよい。「ASP」は、application service providerの略語である。プログラムには、電子計算機による処理の用に供する情報であってプログラムに準ずるものが含まれる。例えば、コンピュータに対する直接の指令ではないがコンピュータの処理を規定する性質を有するデータは、「プログラムに準ずるもの」に該当する。
【0035】
制御装置20の一部又は全ての機能が、制御部21に相当する専用回路により実現されてもよい。すなわち、制御装置20の一部又は全ての機能が、ハードウェアにより実現されてもよい。
【0036】
図2、
図3及び
図4を参照して、本実施形態に係る制御装置20の動作について説明する。この動作は、本実施形態に係る方法に相当する。
図2は制御装置20の動作を示すフローチャートである。
図3は旅程情報に含まれる経路を説明するための図である。
図4は単価情報の例を示す図である。以下において、制御装置20は、外部の装置との情報の送受信を、通信部23及びネットワーク30を介して行う。
【0037】
図2のステップS101において、制御部21は、車両10が移動する経路であって、出発地と、目的地と、車両10に充電を行うことが可能な経由地とを含む経路と、車両10が出発地から出発する第1の出発時刻とを示す旅程情報を取得する。
【0038】
旅程情報の取得には任意の手法が採用可能である。例えば、制御部21は、ユーザが使用する端末装置と通信して旅程情報を取得する。具体的には、ユーザが使用する端末装置と通信し、ユーザが当該端末装置に入力した出発地と、目的地と、出発時刻とを示す情報を受信する。制御部21は、当該情報に基づいて出発地から目的地までの最短距離の経路を決定する。経路の決定の条件は最短距離に限られず、任意に設定できてよい。制御部21は、当該経路上の少なくとも1つの任意の経由地を決定する。制御部21は、受信した出発時刻を第1の出発時刻として決定する。制御部21は、受信した出発地及び目的地と、決定した経由地及び第1の出発時刻とを含む旅程情報を生成することで、旅程情報を取得する。これに限られず、制御装置20は、旅程情報を外部装置から取得してもよい。
【0039】
経由地の決定には任意の手法が採用されてよい。例えば制御部21は、車両10と通信して、車両10からバッテリ14の充電残量を示す情報を取得し、当該情報に基づいて、経由地を決定してもよい。具体的には、制御部21は、当該情報が示す充電残量で車両10が移動可能な距離を算出する。制御部21は、経路上に存在する充電設備を備える場所のうち、当該算出した距離の範囲にある場所を特定し、経由地として決定してよい。バッテリ14の充電残量を示す情報は、常に車両10から制御装置20に送信されていてもよい。
【0040】
本例において制御部21が取得した旅程情報は、出発地としてのユーザの自宅と、目的地としての観光地Aと、経由地として充電スポットGと、を含む。第1の出発時刻は、2021年7月1日金曜日の8時であるとする。
図3に、本例における旅程情報に含まれる経路の例を示す。
図3において、車両10が自宅から充電スポットGを経由して、観光地Aへ移動する経路の例を矢印線で示す。
【0041】
ステップS102において、制御部21は、経由地における、車両10へ充電する電力の単価を時間帯ごとに示す単価情報を取得する。
【0042】
単価情報は、経由地の充電設備から供給される電力の単価を時間帯ごとに示す情報である。電力の単価は例えば、電力が車両10に供給されたときの1kWh毎の金額である。単価は、電力会社又は経由地における充電設備を管理する会社等によって決定されていてよい。本例における単価情報を
図4に示す。
図4を参照すると、充電スポットGにおける電力の単価は、6時から12時までが70円、12時から18時までが80円、18時から23時までが60円、23時から6時までが50円である。
【0043】
単価情報の取得には任意の手法が採用可能である。例えば、制御部21は、外部装置と通信して、経由地における最新の単価情報を常に取得し、記憶部22に格納していてもよい。単価情報は、定期的に更新されてよい。
【0044】
ステップS103において、制御部21は、ステップS102において取得した単価情報に基づいて、時間帯のうち、単価が所定の価格未満である時間帯に車両10が経由地に到着するよう、第1の出発時刻を早める又は遅らせることにより修正し、第2の出発時刻を設定する。
【0045】
「所定の価格」は任意に設定されてよい。所定の価格は、例えば、充電設備を備える複数の経由地における単価の平均金額未満の値であってもよいし、ユーザによって予め設定された値であってもよい。本例では、所定の価格は70円であるとする。
【0046】
図4の単価情報を参照すると、単価が70円未満である時間帯は18時から23時までの時間帯、及び、23時から6時までの時間帯である。よって制御部21は、車両10が、当該18時から23時までの時間帯、又は23時から6時までの時間帯のいずれかに充電スポットGに到着するように、2021年7月1日金曜日の8時である第1の出発時刻を修正し、第2の出発時刻を設定する。
【0047】
制御部21は、第2の出発時刻の設定を、任意の手法により行ってよい。例えば制御部21は、車両10の過去の移動の履歴から、車両10の平均移動速度を取得し、取得した速度で経路を移動した場合に、対象の時間帯に到着できる出発時刻を算出し、第2の出発時刻として設定してもよい。制御部21はさらに、経路における渋滞状況を示す情報を取得し、当該情報が示す渋滞状況を加味して第2の出発時刻を設定してもよい。
【0048】
制御部21はまた、ユーザの希望に基づいて、出発時刻を早める又は遅らせることを予め決定してもよい。具体的には、制御部21は、ユーザが使用する端末装置と通信し、当該端末装置を介して、ユーザに対し、出発時刻を変更する場合、早めることと遅らせることとのいずれを希望するかについて予め問い合わせてよい。制御部21は、ユーザが端末装置に入力した回答を示す情報を受信し、ユーザの希望を記憶部22に格納する。これにより、ユーザの嗜好を反映させつつ、ユーザが行動計画をたてやすくなる。
【0049】
例えば、ユーザが、目的地への到着が第1の出発時刻に出発した場合より遅くなりたくないと考えているとする。このとき、ユーザは、出発時刻を変更する場合は早めることを希望する旨回答できる。
【0050】
また、例えば、ユーザが、第1の出発時刻までは仕事等の別の予定がすでにあるため、第1の出発時刻より早くに出発したくないと考えているとする。このとき、ユーザは、出発時刻を変更する場合は遅らせることを希望する旨回答できる。
【0051】
ユーザの希望が無い場合は、制御部21は、出発時刻を早める手法と遅らせる手法とのそれぞれについて、第1の出発時刻と第2の出発時刻との差分を算出し、当該差分が少ない方の手法により第2の出発時刻を設定してもよい。
【0052】
制御部21はまた、旅程情報に含まれる出発地が、自宅又は観光地等の訪問先のいずれであるかに基づいて、第1の出発時刻を早める又は遅らせることを予め決定してもよい。例えば制御部21は、旅程情報の出発地が自宅であって、目的地が観光地である場合、すなわち旅程の往路の出発時刻を設定する場合は、第1の出発時刻を早めて第2の出発時刻を設定することを決定する。これにより、ユーザが目的地である観光地に早く到着できる第2の出発時刻を決定できる。
【0053】
一方、例えば出発地が観光地であって、目的地が自宅である場合、すなわち旅程の復路の出発時刻を設定する場合は、制御部21は、第1の出発時刻を遅らせて第2の出発時刻を設定することを決定する。これにより、ユーザが訪問中の観光地を急いで出発する必要なく、余裕をもって目的地としての自宅に到着できる第2の出発時刻を決定できる。
【0054】
さらに制御部21は、対象の時間帯のうち、最も早い時刻又は最も遅い時刻のいずれかに車両10が経由地に到着できる出発時刻を第2の出発時刻として設定してもよい。ユーザが出発時刻を変更する場合は早めることを希望しているとき、又は、出発地が自宅であるとき、制御部21は、対象の時間帯のうち、最も遅い時刻に車両10が経由地に到着できる出発時刻を第2の出発時刻として設定してもよい。
【0055】
又は、ユーザが、出発時刻を変更する場合は遅らせることを希望しているとき、又は出発地が観光地であるとき、制御部21は、対象の時間帯のうち、最も早い時刻に車両10が経由地に到着できる出発時刻を第2の出発時刻として設定してもよい。
【0056】
本例においては、ユーザが出発時刻を変更する場合、遅くなることを希望しているとする。よって制御部21は、単価情報が示す対象の時間帯のうち、第1の出発時刻より遅い時間帯であって、かつ当該時間帯の最も早い時刻に車両10が経由地に到着するよう、第2の出時時刻を設定する。
【0057】
制御部21は、車両10が、充電スポットGにおける電力の単価が60円である18時から23時までの時間帯のうち、最も早い時刻である2021年7月1日の18時、または、単価が50円である23時から6時までの時間帯のうち、最も早い時刻である2021年7月1日の23時に、充電スポットGに到着するよう、第1の出発時刻を遅らせることにより修正して第2の出発時刻を設定する。本例では、2021年7月1日の18時に車両10が充電スポットGに到着するよう設定された場合の第2の出発時刻は、2021年7月1日の13時であるとする。一方、2021年7月1日の23時に車両10がスポットAに到着するよう設定された場合の第2の出発時刻は、2021年7月1日の19時であるとする。制御部21は、設定した第2の出発時刻のそれぞれを記憶部22に格納する。
【0058】
ステップS104において、制御部21は、第1の出発時刻と第2の出発時刻との差分が所定の値未満かどうかに基づいて、前記第2の出発時刻を設定する。
【0059】
所定の値は任意に設定されてよい。例えば、制御部21は、ユーザが出発時刻を変更可能な限度として端末装置に入力した値を取得し、当該値を所定の値として設定してもよい。本例では所定の値は6時間であるとする。制御部21は、第1の出発時刻と第2の出発時刻との差分が所定の値以上である場合は第2の出発時刻を設定せず、処理はステップS101に戻る。第1の出発時刻と第2の出発時刻との差分が所定の値未満である場合は、制御部21の処理はステップS105に進む。
【0060】
本例において、制御部21はまず、ステップS103で設定した第2の出発時刻のそれぞれを記憶部22から読み出す。制御部21は、第1の出発時刻である2021年7月1日の8時と、第2の出発時刻である2021年7月1日の13時との差分を5時間と算出する。また。当該第1の出発時刻と、第2の出発時刻である2021年7月1日の19時との差分を11時間と算出する。よって制御部21は、第1の出発時刻と第2の出発時刻との差分が所定の値未満となる、2021年7月1日の13時を、第2の出発時刻として設定する。
【0061】
ステップS102からステップS104に示すように、制御部21は、旅程情報に基づいて、経由地への車両10の到着時刻が所定の時刻となるよう、第1の出発時刻を修正した第2の出発時刻を設定する。
【0062】
ステップS105において、制御部21は、設定した第2の出発時刻をユーザに対し通知する。
【0063】
設定した第2の出発時刻の通知は任意の手法により行われてよい。例えば制御部21は、ユーザが保持する端末装置に、第2の出発時刻を示す情報を送信してよい。この場合、端末装置は当該情報を受信し、画像又は音声でユーザに対し第2の出発時刻を通知する。このようにして、制御部21はユーザに対し第2の出発時刻を提案できる。
【0064】
ステップS106において、制御部21は、第1の出発時刻と第2の出発時刻との差分が大きいほど前記報酬を高く決定する。
【0065】
「報酬」は例えば目的地の施設でユーザが利用可能な割引券、ユーザの位置情報を用いたゲームにおける、目的地で発生するイベントへの参加資格等である。これに限られず、報酬は任意のものを含んでよい。本例では、第1の出発時刻と第2の出発時刻との差分が1時間増加するごとに、目的地の施設でユーザが利用可能な割引券の割引率を1パーセント増加するとする。目的地の施設とは、小売店、飲食店等を含む。
【0066】
制御部21は、ステップS104で決定した第1の出発時刻と、第2の出発時刻との差分が5時間であるため、ユーザが目的地で利用可能な割引券の割引率を5パーセントとして決定する。このようにして制御部21は、第1の出発時刻と第2の出発時刻との差分が大きいほど報酬を高く決定する。
【0067】
制御部21は第2の出発時刻に車両10が出発したしたときに報酬を決定する。第2の出発時刻に車両10が出発したことの検出は任意の手法を採用してよい。例えば制御部21は、車両10と通信し、車両10の測位部15が測定した車両10の位置を示す位置情報を取得し、当該位置情報に基づいて、車両10が第2の出発時刻に出発したことを検出してよい。
【0068】
ステップS106に示すように、制御部21は、設定した第2の出発時刻に車両10が出発した場合に、車両10のユーザに付与する報酬を決定する。
【0069】
ステップS107において、制御部21は、ステップS106で決定した報酬をユーザに通知する。その後、プロセスは終了する。
【0070】
報酬のユーザへの通知は任意の手法が採用されてよい。例えば制御部21は、ユーザが保持する端末装置に、報酬を示す情報を送信してよい。この場合、端末装置は当該情報を受信し、画像又は音声でユーザに対し報酬を通知する。制御部21は、車両10が目的地へ到着したときに、報酬をユーザへ通知してもよい。
【0071】
上述のように、本実施形態に係る制御装置20は、車両10が移動する経路であって、出発地と、目的地と、車両10に充電を行うことが可能な経由地とを含む経路と、車両10が出発地から出発する第1の出発時刻とを示す旅程情報を取得し、旅程情報に基づいて、経由地への車両10の到着時刻が所定の時刻となるよう、第1の出発時刻を修正した第2の出発時刻を設定する制御部21を備える。
【0072】
本実施形態によれば、制御部21は、車両10が移動の途中で充電されるタイミングを考慮して、修正した出発時刻を第2の出発時刻としてユーザに提案できる。制御部21は、車両10が充電されるタイミングを、電力の単価が安い時間帯等、特定の時間帯になるよう設定することができる。提案された出発時刻に車両10が出発することで、特定の時間帯でのエネルギの利用を促すことができる。よって、車両10へのエネルギの補給の計画に関する技術を改善できる。
【0073】
上述のように、本実施形態に係る制御装置20において、制御部21は、経由地における、車両10へ充電する電力の単価を時間帯ごとに示す単価情報を取得し、単価情報に基づいて、時間帯のうち、単価が所定の価格未満である時間帯に車両10が経由地に到着するよう、第1の出発時刻を早める又は遅らせることにより修正し、第2の出発時刻を設定する。
【0074】
本実施形態によれば、制御部21は、電力の単価が所定の価格未満である時間帯に車両10が充電されるよう、第2の出発時刻を設定してユーザに提案できる。ユーザは、経由地において低料金で車両10を充電することができることを認識し、提案された第2の出発時刻に出発しやすくなる。よって、車両10へのエネルギの補給の計画に関する技術を改善できる。
【0075】
上述のように、本実施形態に係る制御装置20において、制御部21は、第1の出発時刻と第2の出発時刻との差分が所定の値未満かどうかに基づいて、第2の出発時刻を設定する。
【0076】
本実施形態によれば、ユーザに提案される第2の出発時刻は、第1の出発時刻との差分が小さくなる。ユーザは、出発時刻の変更量が少ないため、提案された第2の出発時刻で出発しやすくなる。よって、車両10へのエネルギの補給の計画に関する技術を改善できる。
【0077】
上述のように、本実施形態に係る制御装置20において、制御部21は、設定した第2の出発時刻に車両10が出発した場合に、車両10のユーザに付与する報酬を決定する。
【0078】
本実施形態によれば、提案された第2の出発時刻に車両10が出発した場合にユーザに報酬が付与されるため、ユーザが、提案された第2の出発時刻で出発しやすくなる。よって、車両10へのエネルギの充電を提案する技術を改善できる。
【0079】
上述のように、本実施形態に係る制御装置20において、制御部21は、第1の出発時刻と第2の出発時刻との差分が大きいほど前記報酬を高く決定する。
【0080】
本実施形態によれば、第1の出発時刻と前記第2の出発時刻との差分が大きいほど高い報酬が得られるため、ユーザは、出発時刻の変更量が多い場合であっても提案された第2の出発時刻で出発しやすくなる。よって、車両10へのエネルギの補給の計画に関する技術を改善できる。
【0081】
本発明を諸図面及び実施例に基づき説明してきたが、当業者であれば本開示に基づき種々の変形及び改変を行ってもよいことに注意されたい。したがって、これらの変形及び改変は本発明の範囲に含まれることに留意されたい。例えば、各構成部又は各ステップ等に含まれる機能等は論理的に矛盾しないように再配置可能であり、複数の構成部又はステップ等を1つに組み合わせたり、或いは分割したりすることが可能である。例えば、上述した実施形態において、制御装置20の構成及び動作を、互いに通信可能な複数のコンピュータに分散させた実施形態も可能である。また例えば、制御装置20の一部又は全部の構成要素を車両10に設けた実施形態も可能である。
【0082】
(第1の変形例)
次に、本開示の実施形態の第1の変形例について説明する。本変形例では、制御部21は、経由地における、車両10へ充電する電力の単価を時間帯ごとに示す単価情報を取得し、単価情報に基づいて、時間帯のうち、単価が最も低くなる時間帯に車両10が経由地に到着するよう、第1の出発時刻を早める又は遅らせることにより修正し、第2の出発時刻を設定する。
【0083】
第1の変形例に係るシステム1の構成、及び各装置の構成は上述の実施形態と同様であるため説明を省略する。
【0084】
以下、上述の実施形態に係る制御装置20の動作と本変形例に係る制御装置20の動作との差異を、
図5及び
図6を参照しながら説明する。
【0085】
図5のステップS201及びステップS202は、上述の実施形態に係る
図2のステップS101及びステップS102と同様であるため説明を省略する。
【0086】
図5のステップS203において、制御部21は、ステップS202で取得した単価情報に基づいて、時間帯のうち、単価が最も低くなる時間帯に車両10が経由地に到着するよう、第1の出発時刻を早める又は遅らせることにより修正し、第2の出発時刻を設定する。
【0087】
本変形例において制御部21が取得する単価情報の例を
図6に示す。
図6を参照すると、充電スポットGにおける電力の単価は、6時から15時までが80円、15時から18時までが70円、18時から21時までが60円、21時から6時までが50円である。制御部21は、単価が最も低くなる21時から6時までの時間帯に車両10が経由地に到着するよう、第1の出発時刻を早める又は遅らせることにより修正し、第2の出発時刻として設定する。
【0088】
例えば、制御部21は、当該時間帯のうち最も早い時間である2021年7月1日の21時に車両10が経由地に到着するよう、第2の出発時刻を2021年7月1日の16時に設定する。制御部21は、設定した第2の出発時刻を記憶部22に格納する。
【0089】
ステップS204において、制御部21は、第1の出発時刻と第2の出発時刻との差分が所定の値未満かどうかに基づいて、第2の出発時刻を設定する。
【0090】
制御部21は、第1の出発時刻と第2の出発時刻との差分が所定の値以上である場合は第2の出発時刻を設定せず、処理はステップS201に戻る。第1の出発時刻と第2の出発時刻との差分が所定の値未満である場合は、制御部21の処理はステップS205に進む。
【0091】
本変形例では所定の値は12時間であるとする。制御部21はまず、ステップS203で設定した第2の出発時刻を記憶部22から読み出す。制御部21は、第1の出発時刻である2021年7月1日の8時と、第2の出発時刻である2021年7月1日の16時との差分を8時間と算出する。差分が所定の値未満であるため、制御部21は、2021年7月1日の16時を、第2の出発時刻として決定する。
【0092】
図5のステップS205からステップS207は、上述の実施形態に係る
図3のステップS105からステップS107と同様であるため説明を省略する。
【0093】
上述のように、本変形例に係る制御装置20において、制御部21は、経由地における、車両10へ充電する電力の単価を時間帯ごとに示す単価情報を取得し、単価情報に基づいて、時間帯のうち、単価が最も低くなる時間帯に車両10が前記経由地に到着するよう、第1の出発時刻を早める又は遅らせることにより修正し、第2の出発時刻を設定する。
【0094】
本変形例によれば、制御部21は、ユーザに対し、電力の単価が最も安い時間帯に経由地に到着するよう第2の出発時刻を提案できる。ユーザは、提案された第2の出発時刻に出発すれば、最も経済的に移動できることを認識するため、提案された第2の出発時刻で出発しやすくなる。よって、車両10へのエネルギの補給の計画に関する技術を改善できる。
【0095】
(第2の変形例)
次に、本開示の実施形態の第2の変形例について説明する。本変形例では、制御部21は、旅程情報が経由地を複数含むとき、複数の経由地のそれぞれにおける車両10へ充電する電力の単価を時間帯ごとに示す複数地単価情報を取得する。制御部21は、複数地単価情報に基づいて、経由地のうち、最も低い単価で車両10に充電を行うことが可能な経由地を候補経由地として特定し、候補経由地における、単価が最も低い時間帯を候補時間帯として特定し、候補時間帯に車両10が候補経由地に到着するよう、第1の出発時刻を早める又は遅らせることにより修正し、第2の出発時刻を設定する。
【0096】
第2の変形例に係るシステム1の構成、及び各装置の構成は上述の実施形態と同様であるため説明を省略する。
【0097】
以下、上述の実施形態に係るシステム1の動作と本変形例に係るシステム1の動作との差異を、
図7から
図9を参照しながら説明する。
【0098】
ステップS301において、制御部21は、車両10が移動する経路であって、出発地と、目的地と、車両10に充電を行うことが可能な経由地とを含む経路と、車両10が出発地から出発する第1の出発時刻とを示す旅程情報を取得する。
【0099】
上述の実施形態と同様に、経由地の決定には任意の手法が採用されてよい。例えば制御部21は、車両10と通信して、車両10からバッテリ14の充電残量を示す情報を取得し、当該情報に基づいて、経由地を複数決定してもよい。
【0100】
本変形例において制御部21が取得した旅程情報は、出発地としての自宅と、目的地としての観光地Aと、経由地として充電スポットGと充電スポットHとを含む。第1の出発時刻は、2021年7月1日金曜日の8時である。
図8は、本変形例における旅程情報に含まれる、車両10の経路の例を示す。
図8に示すように、車両10の経路は、自宅から充電スポットG又は充電スポットHを経由して、観光地Aへ移動する経路である。
【0101】
ステップS302において、制御部21は、複数の経由地のそれぞれにおける車両10へ充電する電力の単価を時間帯ごとに示す複数地単価情報を取得する。
【0102】
本変形例における複数地単価情報の例を
図9に示す。
図9を参照すると、充電スポットGにおける電力の単価は、1kWh当たり、6時から12時までが70円、12時から18時までが80円、18時から23時までが60円、23時から6時までが50円である。また、充電スポットHにおける電力の単価は、1kWh当たり、6時から12時までが65円、12時から18時までが75円、18時から23時までが55円、23時から6時までが45円である。
【0103】
上述の実施形態と同様に、単価情報の取得には任意の手法が採用可能である。例えば、制御部21は、外部装置と通信して、経由地のそれぞれにおける最新の単価情報を常に取得し、複数地単価情報として記憶部22に格納していてもよい。複数地単価情報は、定期的に更新されてよい。
【0104】
ステップS303において、制御部21は、ステップS102において取得した複数地単価情報に基づいて、経由地のうち、最も低い単価で車両10に充電を行うことが可能な経由地を候補経由地として特定する。
【0105】
本変形例では、
図9を参照すると、経由地としての充電スポットG及び充電スポットHのうち、充電スポットHの23時から6時までの時間帯において、最も低い単価で充電を行うことが可能である。よって制御部21は、充電スポットHを候補経由地として特定する。
【0106】
ステップS304において、制御部21は、候補経由地における、単価が最も低い時間帯を候補時間帯として特定し、候補時間帯に車両10が候補経由地に到着するよう、第1の出発時刻を早める又は遅らせることにより修正し、前記第2の出発時刻を設定する。
【0107】
本変形例では、制御部21は、単価が最も低くなる23時から6時までの時間帯に車両10が経由地としての充電スポットHに到着するよう、第1の出発時刻を早める又は遅らせることにより修正し、第2の出発時刻として設定する。例えば、制御部21は、当該時間帯のうち最も早い時間である2021年7月1日の23時に車両10が充電スポットHに到着するよう、第2の出発時刻を2021年7月1日の19時に設定する。制御部21は、設定した第2の出発時刻を記憶部22に格納する。
【0108】
図7のステップS305において、制御部21は、第1の出発時刻と第2の出発時刻との差分が所定の値未満かどうかに基づいて、第2の出発時刻を設定する。
【0109】
制御部21は、第1の出発時刻と第2の出発時刻との差分が所定の値以上である場合は第2の出発時刻を設定せず、処理はステップS301に戻る。第1の出発時刻と第2の出発時刻との差分が所定の値未満である場合は、制御部21の処理はステップS306に進む。
【0110】
本変形例では所定の値は12時間であるとする。制御部21はまず、ステップS304で設定した第2の出発時刻を記憶部22から読み出す。制御部21は、第1の出発時刻である2021年7月1日の8時と、第2の出発時刻である2021年7月1日の19時との差分を11時間と算出する。差分が所定の値未満であるため、制御部21は、2021年7月1日の19時を、第2の出発時刻として決定する。
【0111】
図7のステップS306からステップS308は、上述の実施形態に係る
図2のステップS105からステップS107と同様であるため説明を省略する。
【0112】
上述のように、本変形例に係る制御装置20において、制御部21は、旅程情報が経由地を複数含むとき、複数の経由地のそれぞれにおける車両10へ充電する電力の単価を時間帯ごとに示す複数地単価情報を取得し、複数地単価情報に基づいて、経由地のうち、最も低い単価で車両10に充電を行うことが可能な経由地を候補経由地として特定し、候補経由地における、単価が最も低い時間帯を候補時間帯として特定し、候補時間帯に車両10が候補経由地に到着するよう、第1の出発時刻を早める又は遅らせることにより修正し、第2の出発時刻を設定する。
【0113】
本変形例によれば、経由地が複数ある場合でも、電力の単価が最低の価格である時間帯に車両10が充電されるよう、第2の出発時刻を設定してユーザに提案できる。ユーザは、提案された第2の出発時刻に出発すれば、常に、最も経済的に移動できることを認識するため、提案された第2の出発時刻で出発しやすくなる。よって、車両10へのエネルギの補給の計画に関する技術を改善できる。
【0114】
(第3の変形例)
次に、本開示の実施形態の第3の変形例について説明する。本変形例では、制御部21は、車両10が第1の出発時刻に出発した場合に経由地に到着する時刻を第1の到着予想時刻として算出する。制御部21はさらに、車両10が第2の出発時刻に出発した場合に経由地に到着する時刻を第2の到着予想時刻として算出する。制御部21は、経由地における、第1の到着予想時刻が含まれる時間帯の単価と、第2の到着予想時刻が含まれる時間帯の単価との差分が大きいほど報酬を高く決定する。
【0115】
第3の変形例に係るシステム1の構成、及び各装置の構成は上述の実施形態と同様であるため説明を省略する。
【0116】
以下、上述の実施形態に係るシステム1の動作と本変形例に係るシステム1の動作との差異を、
図4及び
図10を参照しながら説明する。
【0117】
ステップS401は、上述の実施形態に係る
図2のステップS101と同様であるため説明を省略する。
【0118】
ステップS402において、制御部21は、車両10が第1の出発時刻に出発した場合に経由地に到着する時刻を第1の到着予想時刻として算出する。
【0119】
第1の到着予想時刻の算出は任意の手法により行われてよい。例えば制御部21は、車両10の過去の移動の履歴から、車両10の平均移動速度を取得し、取得した速度で経路を移動した場合に、経由地に到着する時刻を第1の到着予想時刻として算出してよい。制御部21はさらに、経路における渋滞状況を示す情報を取得し、当該情報が示す渋滞状況を加味して経由地への第1の到着予想時刻を算出してもよい。本例において、第1の出発時刻は2021年7月1日の8時である。制御部21は、経由地である充電スポットGへの第1の到着予想時刻としての到着予想時刻を11時と算出するとする。
【0120】
ステップS403からステップS406は、上述の実施形態に係る
図2のステップS102からステップS105と同様であるため説明を省略する。
【0121】
ステップS407において、制御部21は、車両10が第2の出発時刻に出発した場合に経由地に到着する時刻を第2の到着予想時刻として算出する。
【0122】
第2の到着予想時刻の算出は任意の手法により行われてよい。例えば制御部21は、車両10の第1の到着予想時刻の算出と同様に、車両10の平均移動速度に基づいて第2の到着予想時刻を算出してよい。制御部21はさらに、経路における渋滞状況を示す情報を取得し、当該情報が示す渋滞状況を加味して経由地への第2の到着予想時刻を算出してもよい。例えば、ステップS405で設定された第2の出発時刻が2021年7月1日の13時であるとする。制御部21は、経由地である充電スポットGへの第2の到着予想時刻として18時と算出する。
【0123】
ステップS408において、制御部21は、経由地における、第1の到着予想時刻が含まれる時間帯の単価と、第2の到着予想時刻が含まれる時間帯の単価との差分が大きいほど前記報酬を高く決定する。
【0124】
上述の実施形態と同様、報酬は任意のものを含んでよい。本変形例では、第1の到着予想時刻が含まれる時間帯の単価と、第2の到着予想時刻が含まれる時間帯の単価との差分が1円増加するごとに、目的地の施設でユーザが利用可能な割引券の割引率を0.5パーセント増加するとする。
図4に示す単価情報を参照すると、充電スポットGにおける、第1の到着予想時刻の11時が含まれる時間帯の電力量の単価は70円であり、第2の到着予想時刻の18時が含まれる時間帯の単価は60円である。当該単価の差分は10円であるため、制御部21は、ユーザが目的地の施設で利用可能な割引券の割引率を5パーセントとして決定する。このようにして制御部21は、第1の到着予想時刻が含まれる時間帯の単価と、第2の到着予想時刻が含まれる時間帯の単価との差分が大きいほど報酬を高く決定する。
【0125】
ステップS409は、上述の実施形態に係る
図2のステップS107と同様であるため説明を省略する。
【0126】
上述のように、本変形例に係る制御装置20において、制御部21は、車両10が第1の出発時刻に出発した場合に経由地に到着する時刻を第1の到着予想時刻として算出し、車両10が第2の出発時刻に出発した場合に経由地に到着する時刻を第2の到着予想時刻として算出し、経由地における、第1の到着予想時刻が含まれる時間帯の単価と、第2の到着予想時刻が含まれる時間帯の単価との差分が大きいほど報酬を高く決定する。
【0127】
本変形例によれば、第1の出発時刻に出発した場合と第2の出発時刻に出発した場合とにおける電力の単価の差分が大きいほど、高い報酬がユーザに付与される。ユーザは当初予定されていた電力の単価が安くなればなるほど、さらに高い報酬が得られることを認識するため、提案された第2の出発時刻で出発しやすくなる。よって、車両10へのエネルギの補給の計画に関する技術を改善できる。
【符号の説明】
【0128】
1 システム
10 車両
11 制御部
12 記憶部
13 通信部
14 バッテリ
15 測位部
20 制御装置
21 制御部
22 記憶部
23 通信部
24 入力部
25 出力部
30 ネットワーク