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特許7521500情報処理装置、情報処理方法、およびプログラム
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  • 特許-情報処理装置、情報処理方法、およびプログラム 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-16
(45)【発行日】2024-07-24
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/015 20230101AFI20240717BHJP
   G06Q 30/0601 20230101ALI20240717BHJP
【FI】
G06Q30/015
G06Q30/0601
【請求項の数】 17
(21)【出願番号】P 2021123708
(22)【出願日】2021-07-28
(65)【公開番号】P2023019187
(43)【公開日】2023-02-09
【審査請求日】2023-04-17
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002860
【氏名又は名称】弁理士法人秀和特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】石原 隆弘
【審査官】谷川 智秀
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2020/183541(WO,A1)
【文献】特表2017-527875(JP,A)
【文献】特開2015-179391(JP,A)
【文献】特開2019-139652(JP,A)
【文献】特開2020-154475(JP,A)
【文献】特開2019-117472(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザが購入する可能性のある特定商品及び前記ユーザを関連付けた第1情報を取得することと、
前記ユーザの現在位置、又は前記ユーザの将来における位置を示す第2情報を取得することと、
前記第1情報と前記第2情報とに基づいて、前記ユーザの現在位置又は前記ユーザの将来における位置に前記特定商品を搭載した特定車両を配車することと、
を実行する制御部を備え、
前記制御部は、
前記第2情報を参照し、前記ユーザが商品の購入を行わない場所として予め登録している所定の場所に存在すると判定されたタイミングでは前記特定車両を配車しない、
情報処理装置。
【請求項2】
前記所定の場所は、前記ユーザの職場又は学校である、
請求項に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記第2情報は、前記ユーザの将来における位置を示すスケジュール情報である、
請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
複数の車両と前記複数の車両が搭載している商品とが対応付けられている情報に基づいて、前記特定車両を決定する、
請求項1からのいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記特定商品は、前記ユーザがECサイト上で購入を検討した商品である、
請求項1からのいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記制御部は、
前記ECサイトを管理するサーバ装置から前記第1情報を取得する、
請求項に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記特定商品は、前記ユーザが前記特定商品を販売する店舗において購入を検討した商品である、
請求項1からのいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記制御部は、
前記店舗における従業者に関連する端末から前記第1情報を取得する、
請求項に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記制御部は、
前記店舗におけるカメラによって撮像されたユーザを含む動画像に基づいて、前記第1情報を取得する、
請求項に記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記制御部は、
前記ユーザの商品の購入履歴に基づいて、前記特定商品を特定する、
請求項1からのいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項11】
前記制御部は、
前記ユーザの嗜好に基づいて、前記特定商品を特定する、
請求項1からのいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項12】
前記制御部は、
前記ユーザが複数存在している場合、前記複数のユーザに前記特定車両を配車する優先順位に基づいて、前記複数のユーザに対して前記特定車両を配車する、
請求項からのいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項13】
前記優先順位は、
前記複数のユーザそれぞれが前記特定商品の購入を検討した日時に基づいて決定される、
請求項12に記載の情報処理装置。
【請求項14】
前記制御部は、
前記ユーザが複数存在している場合、前記複数のユーザに関する第2情報に基づいて、前記複数のユーザに対する一の配車先を決定する、
請求項1から11のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項15】
前記制御部は、
前記特定車両の配車に関する情報を前記ユーザに関連する端末に送信する、
請求項1から14のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項16】
コンピュータが実行する情報処理方法であって、
ユーザが購入する可能性のある特定商品及び前記ユーザを関連付けた第1情報を取得することと、
前記ユーザの現在位置、又は前記ユーザの将来における位置を示す第2情報を取得することと、
前記第1情報と前記第2情報とに基づいて、前記ユーザの現在位置又は前記ユーザの将来における位置に前記特定商品を搭載した特定車両を配車することと、
を含
前記第2情報を参照し、前記ユーザが商品の購入を行わない場所として予め登録してい
る所定の場所に存在すると判定されたタイミングでは前記特定車両を配車しない、
情報処理方法。
【請求項17】
コンピュータに情報処理方法を実行させるプログラムであって、
前記情報処理方法は、
ユーザが購入する可能性のある特定商品及び前記ユーザを関連付けた第1情報を取得することと、
前記ユーザの現在位置、又は前記ユーザの将来における位置を示す第2情報を取得することと、
前記第1情報と前記第2情報とに基づいて、前記ユーザの現在位置又は前記ユーザの将来における位置に前記特定商品を搭載した特定車両を配車することと、
を含
前記第2情報を参照し、前記ユーザが商品の購入を行わない場所として予め登録している所定の場所に存在すると判定されたタイミングでは前記特定車両を配車しない、
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、情報処理装置、情報処理方法、およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、ユーザに対する商品の販売を行う移動店舗車両であり、自律走行可能な移動店舗車両の走行を管理する情報処理装置が開示されている。特許文献1に開示されている情報処理装置は、所定の販売地域において移動店舗車両によって複数種類の商品の販売が行われているときの各商品についての販売状況に基づいて、移動店舗車両に補充すべき商品である補充商品を決定する。そして、情報処理装置は、補充商品を仕入れることが可能な仕入れ先に関する情報であって、少なくとも仕入れ先の位置情報を含む仕入れ先情報に基づいて、移動店舗車両の走行計画を生成する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2020-184149号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示は、ユーザによる商品の購入を促進する技術の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の第1の態様に係る情報処理装置は、
ユーザが購入する可能性のある特定商品に関する第1情報を取得することと、
前記ユーザの位置に関する第2情報を取得することと、
前記第1情報と前記第2情報とに基づいて、前記特定商品を搭載した特定車両を前記ユーザに対して配車することと、
を実行する制御部を備える。
【0006】
本開示の第2の態様に係る情報処理方法は、
コンピュータが実行する情報処理方法であって、
ユーザが購入する可能性のある特定商品に関する第1情報を取得することと、
前記ユーザの位置に関する第2情報を取得することと、
前記第1情報と前記第2情報とに基づいて、前記特定商品を搭載した特定車両を前記ユーザに対して配車することと、
を含む。
【0007】
本開示の第3の態様に係るプログラムは、
コンピュータに情報処理方法を実行させるプログラムであって、
前記情報処理方法は、
ユーザが購入する可能性のある特定商品に関する第1情報を取得することと、
前記ユーザの位置に関する第2情報を取得することと、
前記第1情報と前記第2情報とに基づいて、前記特定商品を搭載した特定車両を前記ユーザに対して配車することと、
を含む。
【発明の効果】
【0008】
本開示により、ユーザによる商品の購入を促進することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、第1実施形態に係る販売システムの概略構成を示す図である。
図2図2は、管理サーバの機能構成の一例を概略的に示すブロック図である。
図3図3は、商品情報データベースに格納される商品情報のテーブル構成を示す図である。
図4図4は、スケジュール情報データベースに格納されるスケジュール情報のテーブル構成の一例を示す図である。
図5図5は、配車処理のフローチャートである。
図6図6は、第2実施形態に係る販売システムの概略構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本開示の第1の態様に係る情報処理装置は、ユーザに商品を販売するための車両の配車を管理する装置である。本開示の第1の態様に係る情報処理装置における制御部は、第1情報を取得する。ここで、第1情報は、ユーザが購入する可能性のある特定商品に関する情報である。また、情報処理装置における制御部は、第2情報を取得する。ここで、第2情報は、ユーザの位置に関する情報である。制御部は、第1情報と第2情報とを取得することによって、特定商品を購入する可能性のあるユーザの位置を把握することができる。そこで、制御部は、第1情報と第2情報とに基づいて、特定車両をユーザに対して配車する。ここで、特定車両は、特定商品を搭載した車両である。
【0011】
以上説明したように、情報処理装置によって、ユーザに対して特定商品を搭載した特定車両を配車することができる。これにより、ユーザは、ユーザが購入する可能性の高い特定商品を特定車両から購入することを促される。このようにして、ユーザに対して商品の購入を促進することが可能となる。
【0012】
以下、本開示の具体的な実施形態について図面に基づいて説明する。本実施形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、および、その相対配置等は、特に記載がない限りは本開示の技術的範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
【0013】
<第1実施形態>
(システムの概略)
本実施形態における販売システム1について、図1に基づいて説明する。図1は、本実施形態に係る販売システム1の概略構成を示す図である。販売システム1は、ユーザ端末100、ECサーバ200、管理サーバ300、および販売車両400を含んで構成される。販売システム1においては、ユーザ端末100、ECサーバ200、管理サーバ300、および販売車両400がネットワークN1によって相互に接続される。ネットワークN1には、例えば、インターネット等の世界規模の公衆通信網であるWAN(Wide Area Network)または、携帯電話等の電話通信網が採用されてもよい。
【0014】
(ユーザ端末)
ユーザ端末100は、ユーザ10に関連する端末である。ユーザ端末100は、例えば、ユーザ10が使用する携帯情報端末等である。ユーザ10は、ユーザ端末100を使用して、ECサイトにおいて販売されている商品の購入を行う。このとき、ユーザ10は、ECサイトにおいて販売されている複数の商品の中の、ある商品を購入するか否かを検討する場合がある。このとき、ユーザ10は、ユーザ端末100を使用して、ユーザ10がECサイト上で購入を検討した商品(以下、「特定商品」と称する場合がある。)に対して、ユーザ10が購入を検討したことを示すタグ付けを行う。ユーザ端末100は、ネットワークN1を経由して、特定商品にタグ付けがされたことを示すタグ情報をECサーバ200に送信する。また、ユーザ端末100は、ネットワークN1を経由して、ユーザ1
0のスケジュールに関するスケジュール情報を管理サーバ300に送信する。ここで、スケジュール情報は、ユーザ10の将来における位置を含む情報である。また、ユーザ10は、ユーザ端末100を使用して、ユーザ10の職場の位置を登録する。ユーザ端末100は、ユーザ10の職場の位置に関する情報を管理サーバ300に送信する。
【0015】
(ECサーバ)
ECサーバ200は、EC(Electronic Commerce)サイトを運営するためのサーバである。ECサーバ200は、ECサイト上において様々な商品を販売している。ECサーバ200は、ネットワークN1を経由して、ユーザ端末100からタグ情報を受信する。これにより、ECサーバ200は、特定商品を把握することができる。そこで、ECサーバ200は、特定商品に関する情報(以下、「商品情報」と称する場合がある。)を生成し、非一時的記憶媒体に記憶する。
【0016】
なお、本実施形態においては、ECサーバ200は、ユーザ端末100からタグ情報を受信することによって、商品情報を生成する。しかしながら、ECサーバ200は、必ずしも、ユーザ端末100からタグ情報を受信することによって商品情報を生成しなくてもよい。ECサーバ200が商品情報を生成する方法として公知の方法を採用することができる。ECサーバ200は、例えば、ユーザ端末100がECサイト上の商品ページの表示を継続させた時間に基づいて、商品情報を生成してもよい。この場合において、ECサーバ200は、例えば、ユーザ端末100が商品ページの表示を所定時間以上継続した商品を特定商品として特定し、商品情報を生成する。また、ECサーバ200は、例えば、お気に入りリストに登録されたまま購入されていない商品に関する情報を取得することにより、商品情報を生成してもよい。また、ECサーバ200、例えば、購入カートに入れられたまま購入されてない商品に関する情報を取得することにより、商品情報を生成してもよい。
【0017】
(販売車両)
販売車両400は、特定商品を含む様々な商品を搭載している車両である。販売車両400は、顧客の存在する場所まで移動することによって、搭載している商品の販売を行う。販売車両400は、自動運転車両であってもよいし、運転者によって運転される車両であってもよい。
【0018】
(管理サーバ)
管理サーバ300は、販売車両400の配車を管理する装置である。管理サーバ300は、ユーザ10の職場の位置に関する情報をユーザ端末100から受信する。これにより、管理サーバ300は、ユーザ10の職場の位置を把握することができる。また、管理サーバ300は、商品情報をECサーバ200から受信する。また、管理サーバ300は、ユーザ10のスケジュール情報をユーザ端末100から受信する。そして、管理サーバ300は、商品情報とスケジュール情報とに基づいて、販売車両400をユーザ10に対して配車する。管理サーバ300が販売車両400をユーザ10に対して配車する方法の詳細については、後述する。
【0019】
管理サーバ300は、プロセッサ310、主記憶部320、補助記憶部330、および通信インタフェース(通信I/F)340を有するコンピュータを含んで構成される。プロセッサ310は、例えば、CPU(Central Processing Unit)またはDSP(Digital Signal Processor)である。主記憶部320は、例えば、RAM(Random Access Memory)である。補助記憶部330は、例えば、ROM(Read Only Memory)である。また、補助記憶部330は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)、またはCD-ROM、DVDディスク、もしくはブルーレイディスクのようなディスク記録媒体で
ある。また、補助記憶部330は、リムーバブルメディア(可搬記憶媒体)であってもよい。ここで、リムーバブルメディアとして、例えば、USBメモリまたはSDカードが例示される。通信I/F340は、例えば、LAN(Local Area Network)インターフェースボード、または無線通信のための無線通信回路である。
【0020】
管理サーバ300において、補助記憶部330には、オペレーティングシステム(OS)、各種プログラム、および各種情報テーブル等が格納されている。また、管理サーバ300において、プロセッサ310が、補助記憶部330に記憶されたプログラムを主記憶部320にロードして実行することによって、後述するような各種の機能を実現することができる。ただし、管理サーバ300における一部または全部の機能はASICまたはFPGAのようなハードウェア回路によって実現されてもよい。なお、管理サーバ300は、必ずしも単一の物理的構成によって実現される必要はなく、互いに連携する複数台のコンピュータによって構成されてもよい。
【0021】
(機能構成)
次に、本実施形態に係る販売システム1を構成する、管理サーバ300の機能構成について、図2から図4に基づいて説明する。図2は、管理サーバ300の機能構成の一例を概略的に示すブロック図である。
【0022】
管理サーバ300は、制御部301、通信部302、商品情報データベース303(商品情報DB303)、およびユーザ情報データベース304(スケジュール情報DB304)を含んで構成される。制御部301は、管理サーバ300の制御をするための演算処理を行う機能を有する。制御部301は、管理サーバ300におけるプロセッサ310によって実現できる。通信部302は、管理サーバ300をネットワークN1に接続する機能を有する。通信部302は、管理サーバ300における通信I/F340によって実現できる。
【0023】
制御部301は、通信部302によって、商品情報をECサーバ200から受信する。制御部301は、受信した商品情報を商品情報DB303に格納する。図3は、商品情報DB303に格納される商品情報のテーブル構成を示す図である。図3に示すように、商品情報は、ユーザIDフィールド、商品IDフィールド、および検討日時フィールドを有する。ユーザIDフィールドには、ユーザ10を特定するための識別子(ユーザID)が入力される。商品IDフィールドには、特定商品を特定するための識別子(商品ID)が入力される。検討日時フィールドには、ユーザ10が特定商品の購入を検討した日時が入力される。すなわち、検討日時フィールドには、ユーザ10がユーザ端末100を使用して、特定商品にタグ付けをした日時が入力される。
【0024】
制御部301は、通信部302によって、スケジュール情報をユーザ端末100から受信する。制御部301は、受信したスケジュール情報をスケジュール情報DB304に格納する。図4は、スケジュール情報DB304に格納されるスケジュール情報のテーブル構成の一例を示す図である。図4に示すように、スケジュール情報は、ユーザIDフィールド、日時フィールド、および位置フィールドを有する。ユーザIDフィールドには、ユーザ10のユーザIDが入力される。日時フィールドには、ユーザ10に予定がある日時が入力される。時刻フィールドには、日時フィールドに入力されている日時においてユーザ10が存在する予定の位置が入力される。日時フィールドと位置フィールドとには、例えば、ユーザ10が職場に存在する日時と、ユーザ10の職場の位置とが対応するように入力される。また、日時フィールドと位置フィールドとには、例えば、ユーザ10が在宅している日時と、ユーザ10の自宅の位置とが対応するように入力される。制御部301は、商品情報を商品情報DB303から取得する。これにより、制御部301は、ユーザ10が購入を検討した特定商品を把握することができる。
【0025】
ここで、ユーザ10が職場に存在する場合、ユーザ10は仕事をしていることが想定される。そのため、ユーザ10が職場に存在する場合に販売車両400がユーザ10の職場の付近に配車されたとしても、ユーザ10が特定商品を購入する可能性が低いことが想定される。そこで、制御部301は、スケジュール情報をスケジュール情報DB304から取得する。これにより、制御部301は、特定の日時にユーザ10が存在する位置を把握することができる。そのため、制御部301は、販売車両400を配車した際にユーザ10がユーザ10の職場に存在する場合は、販売車両400をユーザ10に対して配車しない。なお、本実施形態におけるユーザ10の職場が、本開示に係る「所定の場所」に相当する。
【0026】
(配車処理)
次に、本実施形態に係る販売システム1において、管理サーバ300における制御部301によって実行される配車処理について、図5に基づいて説明する。図5は、配車処理のフローチャートである。配車処理は、ユーザ10に対して販売車両400を配車するための処理である。配車処理は、所定のタイミングで実行が開始される。所定のタイミングは、例えば、管理サーバ300の管理者が販売車両400を配車し、ユーザ10に特定商品の販売を行おうとするタイミングである。
【0027】
配車処理においては、まず、S101において、商品情報が商品情報DB303から取得される。次にS102において、商品情報に含まれる商品IDから特定商品を特定する。また、S103において、スケジュール情報がスケジュール情報DB304から取得される。次に、S104において、スケジュール情報に基づいて、販売車両400が到着すると予想される日時にユーザ10が職場に存在しているか否かが判別される。S104において、肯定判定がされた場合、ユーザ10が特定商品を買う可能性が低いことが予想される。そこで、S104において肯定判定がされた場合には、配車処理は終了される。
【0028】
S104において否定判定がされた場合、肯定判定がされた場合よりも、ユーザ10が特定商品を購入する可能性が高いことが予想される。そこで、S105において、販売車両400がユーザ10に対して配車される。S106において、特定商品を搭載した販売車両400がユーザ10に対して配車されたことを示す通知情報がユーザ端末100に送信される。これにより、ユーザ10は、特定商品を搭載した販売車両400がユーザ10に対して配車されたことを把握することができる。そして、配車処理は終了される。なお、本実施形態における通知情報が、本開示に係る「特定車両の配車に関する情報」に相当する。
【0029】
以上説明したように、販売システム1によって、ユーザ10がECサイト上において購入を検討した特定商品を搭載した販売車両400がユーザ10に対して配車される。これにより、ユーザ10は、一度購入を検討した特定商品の購入を再度検討することが可能となる。ここで、ユーザ10は、特定商品の購入の検討をECサイト上において行っているため、実際に特定商品を見て購入の検討をしているわけではない。しかしながら、販売システム1によって、特定商品を搭載した販売車両400がユーザ10に対して配車されるため、ユーザ10は特定商品を実際に見て購入を再度検討することが可能となる。また、ユーザ10が特定商品を購入する可能性がより高い場所に存在する場合に、販売車両400がユーザ10に配車される。このようにして、ユーザ10による特定商品の購入を促進することができる。その結果、ECサイトで販売されている商品の購入を促進することが可能となる。
【0030】
(変形例1)
本実施形態においては、管理サーバ300は、ユーザ10のスケジュール情報を用いて
、ユーザ10を配車する。しかしながら、管理サーバ300は、必ずしも、ユーザ10のスケジュール情報を用いて販売車両400を配車しなくてもよい。管理サーバ300は、例えば、ユーザ10の現在位置に基づいて、ユーザ10を配車してもよい。具体的には、管理サーバ300は、配車処理を実行する際に、スケジュール情報に代わってユーザ10の現在位置を取得する。そして、管理サーバ300は、ユーザ10が現在職場以外の場所に存在すると判定した場合、販売車両400をユーザ10の現在位置に配車する。つまり、管理サーバ300は、ユーザ10が現在職場に存在すると判定されたタイミングでは特定車両を配車しない。このようにしても、ユーザ10による特定商品の購入を促進することが可能となる。
【0031】
(変形例2)
本実施形態においては、管理サーバ300は、ユーザ10が購入を検討した商品に関する情報である商品情報をECサーバ200から受信する。これにより、管理サーバ300は、ユーザ10が購入する可能性のある商品(特定商品)を把握する。しかしながら、管理サーバ300は、必ずしも、商品情報をECサーバ200から受信することによってユーザ10が購入する可能性のある商品を把握しなくてもよい。管理サーバ300は、例えば、ユーザ10の購入履歴に関する情報をECサーバ200から受信することによって、ユーザ10が購入する可能性のある商品を把握してもよい。具体的には、管理サーバ300は、配車処理において、商品情報に代わってユーザ10の購入履歴に関する情報を取得する。管理サーバ300は、ユーザ10が所定の頻度で購入している商品を、ユーザ10が購入する可能性のある商品(特定商品)として特定する。そして、管理サーバ300は、ユーザ10が職場以外に存在する場合に、販売車両400をユーザ10に対して配車する。
【0032】
また、管理サーバ300は、ユーザ10の購入履歴以外にも、例えば、ユーザ10の嗜好に基づいて、特定商品を特定してもよい。この場合、管理サーバ300は、ユーザ10の嗜好に関する情報をECサーバ200から受信する。そして、管理サーバ300は、ユーザ10の嗜好に合う商品をユーザ10が購入する可能性のある商品(特定商品)として特定する。
【0033】
(変形例3)
本実施形態においては、管理サーバ300は、配車処理において、販売車両400をユーザ10に対して配車した場合に、ユーザ端末100に販売車両400の配車に関する通知情報を送信する。しかしながら、管理サーバ300は、販売車両400をユーザ10に対して配車する前に問い合わせ情報をユーザ端末100に送信してもよい。ここで、問い合わせ情報は、ユーザ10が特定商品を搭載した販売車両400をユーザ10に対して配車することを要求するか否かを問い合わせるための情報である。
【0034】
この場合において、ユーザ端末100は、販売車両400の配車に関する問い合わせ情報を受信すると、販売車両400の配車を要求するか否かを示す画面を表示する。ユーザ10は、特定商品を購入、または購入の再検討を行うのために販売車両400の配車を要求する場合、ユーザ端末100を使用して販売車両400の配車を要求する要求情報を送信する。管理サーバ300は、要求情報をユーザ端末100から受信した場合、販売車両400をユーザ10に対して配車する。
【0035】
これにより、ユーザ10が販売車両400の配車を要求している場合に、販売車両400をユーザ10に対して配車することが可能となる。その結果、要求情報を受信しない状態で販売車両400を配車するよりも、特定商品の購入の可能性が高い状態のユーザ10に対して販売車両400を配車することが可能となる。なお、本実施形態における問い合わせ情報が、本開示に係る「特定車両の配車に関する情報」に相当する。
【0036】
(変形例4)
本実施形態においては、管理サーバ300は、ユーザ10が職場に存在している場合には、販売車両400を配車しない。しかしながら、管理サーバ300が販売車両400をユーザ10に配車しない場所は、必ずしも、ユーザ10の職場に限られない。管理サーバ300が販売車両400をユーザ10に配車しない場所は、ユーザ10が通っている学校などであってもよい。また、所定の場所は、販売車両400がユーザ10に配車されたとしても商品の購入を行わない場所としてユーザ10が登録した場所であってもよい。なお、本実施形態において、ユーザ10の職場をユーザ10が特定商品を買う可能性が低い場所として想定する。しかしながら、管理サーバ300は、ユーザ10が職場に存在する場合に、販売車両400を配車してもよい。
【0037】
(変形例5)
本変形例において、管理サーバ300は、複数の販売車両400の配車を管理する装置である。この場合において、管理サーバ300は、各販売車両400と各販売車両400が搭載している商品とが対応付けられている車両情報を有している。管理サーバ300は、車両情報に基づいて、複数の販売車両400のうち、特定商品を搭載している販売車両400を配車する車両として決定し、ユーザ10に対して配車する。また、管理サーバ300は、複数の販売車両400のうち、特定商品を搭載している販売車両400が複数存在する場合、特定商品の配車先に最も近い販売車両400をユーザ10に対して配車する販売車両400として決定する。
【0038】
<第2実施形態>
第1実施形態においては、特定商品は、ユーザ10がECサイト上で購入を検討した商品である。一方、本実施形態においては、特定商品は、ユーザ10が店舗において購入を検討した商品である。以下、第1実施形態と異なる点のみ説明する。
【0039】
(システムの概略)
本実施形態における販売システム2について、図6に基づいて説明する。図6は、本実施形態に係る販売システム2の概略構成を示す図である。販売システム2は、ユーザ端末100、管理サーバ300、販売車両400、および従業者端末500を含んで構成される。販売システム1においては、ユーザ端末100、管理サーバ300、販売車両400、および従業者端末500がネットワークN1によって相互に接続される。
【0040】
(従業者端末)
従業者端末500は、店舗における端末である。従業者端末500は、例えば、店舗におけるPOS(Point Of Sale)レジである。従業者端末500は、従業者50によって使用される。ここで、従業者50は、店舗において接客を担当する従業者である。従業者50は、ユーザ10が店舗を訪問した際に、ユーザ10への接客を担当する。従業者50は、ユーザ10への接客を行うことにより、ユーザ10が購入を検討した商品を把握することができる。店舗における従業者50がユーザ10を特定する方法として、公知の方法を採用することができる。例えば、店舗に設けられた装置であって、店舗への来訪者を識別するための装置が、ユーザ端末100と通信を行い、ユーザ10を特定するためのユーザIDを取得することでユーザ10を特定する。そこで、従業者50は、ユーザ10が購入を検討した商品についての情報を従業者端末500に入力する。従業者端末500は、従業者50が入力したユーザ10が購入を検討した商品についての情報に基づいて商品情報を生成し、管理サーバ300に送信する。
【0041】
管理サーバ300は、商品情報を従業者端末500から受信する。管理サーバ300は、受信した商品情報を商品情報DB303に格納する。そして、管理サーバ300は、商
品情報DB303に格納されている商品情報と、ユーザ10のスケジュール情報とに基づいて、販売車両400を配車する。このようにしても、ユーザ10による特定商品の購入を促進することができる。その結果、店舗で販売されている商品の購入を促進することが可能となる。
【0042】
(変形例)
本実施形態においては、管理サーバ300は従業者端末500から受信した商品情報に基づいて、販売車両400を配車する。しかしながら、管理サーバ300は、必ずしも、管理サーバ300は従業者端末500から受信した商品情報に基づいて、販売車両400を配車しなくてもよい。管理サーバ300は、例えば、店舗内におけるカメラから店内を撮像した動画像を受信する。管理サーバ300が受信する動画像には、店舗においてユーザ10がとっている行動が含まれている場合がある。
【0043】
管理サーバ300は、受信した動画像に基づいて、ユーザ10を特定する。また、管理サーバ300は、受信した動画像に基づいて、ユーザ10が商品の購入を検討しているか否かを検出する。管理サーバ300は、例えば、ユーザ10が商品を所定の時間以上見ている場合に、管理サーバ300が該商品の購入を検討していることを検出する。管理サーバ300は、ユーザ10が商品の購入を検討していることを検出すると、ユーザ10が購入を検討している商品の商品IDを商品情報DB303における商品情報に記録する。そして、管理サーバ300は、商品情報DB303における商品情報と、ユーザ10のスケジュール情報とに基づいて、販売車両400を配車する。このようにしても、ユーザ10による特定商品の購入を促進することができる。
【0044】
<第3実施形態>
本実施形態においては、複数のユーザ10が存在する場合を想定する。以下、第1実施形態と異なる点のみ説明する。
【0045】
管理サーバ300は、各ユーザ10がECサイト上で購入を検討した商品に関する商品情報を各ユーザ10が使用するユーザ端末100から受信する。管理サーバ300は、各ユーザ端末100から受信した各ユーザ10に関する商品情報を商品情報DB303に格納する。ここで、各ユーザ10に関する商品情報が示す特定商品は、ユーザ10ごとに異なるものであってもよい。また、管理サーバ300は、各ユーザ10のスケジュール情報を各ユーザ端末100から受信する。管理サーバ300は、各ユーザ端末100から受信した各ユーザ10のスケジュール情報をスケジュール情報DB304に格納する。
【0046】
管理サーバ300は、配車処理において、各ユーザ10が各ユーザ10の職場に存在しない場合、各ユーザ10が購入を検討した特定商品を搭載した特定車両を各ユーザ10に対して配車する。このとき、管理サーバ300は、各ユーザ10の優先順位に基づいて、販売車両400の配車を行う。具体的には、管理サーバ300は、各ユーザ10に関する商品情報における検討日時が新しい順に、各ユーザ10の優先順位を高く設定する。そして、管理サーバ300は、優先順位が高ければ高いほど、販売車両400の訪問順が早くなるように、販売車両400の配車を行う。
【0047】
ここで、検討日時が新しいユーザ10は、特定商品の購入を検討してからの時間が短い。そのため、検討日時が新しいユーザ10は、検討日時が古いユーザ10よりも、特定商品に対して興味を有していることが想定される。また、訪問順が先になることによって、販売車両400がユーザ10の付近に到着した際に、ユーザ10がその場所から移動してしまっていることを抑制することが可能となる。したがって、特定商品に対しての興味をより有しているユーザ10に対する販売車両400の訪問順を先にすることにより、より確実に販売車両400をユーザ10に対して配車することが可能となる。その結果、特定
商品に対しての興味をより有しているユーザ10に対して、特定商品の購入を促進することができる。
【0048】
(変形例1)
本実施形態においては、各ユーザ10に関する商品情報における検討日時が新しい順に優先順位が高く設定される。しかしながら、必ずしも、各ユーザ10に関する商品情報における検討日時が新しい順に優先順位が高く設定されなくてもよい。優先順位は、例えば、ユーザ10が特定商品の購入を検討してからの日時が古い順(特定商品の検討期間が長い順)に基づいて設定されてもよい。この場合において、特定商品の購入を長期間検討しているユーザ10は、特定商品の購入の検討の期間が短いユーザ10よりも、特定商品の購入を迷っていることが想定される。そこで、管理サーバ300は、特定商品の購入を検討してからの期間が長いユーザ10の優先順位を、ユーザ10が特定商品の購入を検討してからの期間が短いユーザ10の優先順位よりも高く設定する。これにより、特定商品の購入をより迷っているユーザ10に対して、より確実に販売車両400を配車することが可能となる。その結果、特定商品の購入をより迷っているユーザ10に対して、特定商品の購入を促進することが可能となる。
【0049】
(変形例2)
本実施形態においては、複数のユーザ10が存在する場合、管理サーバ300は、優先順位に基づいて販売車両400を配車する。一方、変形例においては、管理サーバ300は、複数のユーザ10が存在する位置に基づいて、販売車両400を配車する。具体的には、管理サーバ300は、複数のユーザ10が存在する位置の重心(または、重心付近の販売車両400が停車しやすい地点)を販売車両400の配車先として決定してもよい。また、管理サーバ300は、複数のユーザ10が存在する位置の重心以外に、複数のユーザ10が訪問しやすい所定の場所を販売車両400の配車先として決定してもよい。これにより、複数のユーザ10すべてにとってアクセスしやすい地点に販売車両400が配車される。これにより、複数のユーザ10に対して、特定商品の購入を促進することが可能となる。
【0050】
<その他の実施形態>
上述の実施形態はあくまでも一例であって、本開示はその要旨を逸脱しない範囲内で適宜変更して実施し得る。また、本開示において説明した処理および手段は、技術的な矛盾が生じない限りにおいて、自由に組み合わせて実施することができる。
【0051】
また、1つの装置が行うものとして説明した処理が、複数の装置によって分担して実行されてもよい。あるいは、異なる装置が行うものとして説明した処理が、1つの装置によって実行されても構わない。コンピュータシステムにおいて、各機能をどのようなハードウェア構成(サーバ構成)によって実現するかは柔軟に変更可能である。
【0052】
本開示は、上記の実施形態で説明した機能を実装したコンピュータプログラムをコンピュータに供給し、当該コンピュータが有する1つ以上のプロセッサがプログラムを読み出して実行することによっても実現可能である。このようなコンピュータプログラムは、コンピュータのシステムバスに接続可能な非一時的なコンピュータ可読記憶媒体によってコンピュータに提供されてもよいし、ネットワークを介してコンピュータに提供されてもよい。非一時的なコンピュータ可読記憶媒体は、例えば、磁気ディスク(フロッピー(登録商標)ディスク、またはハードディスクドライブ(HDD)等)、光ディスク(CD-ROM、DVDディスク、またはブルーレイディスク等)など任意のタイプのディスク、読み込み専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、EPROM、EEPROM、磁気カード、フラッシュメモリ、または光学式カードのような、電子的命令を格納するために適した任意のタイプの媒体を含む。
【符号の説明】
【0053】
1・・販売システム
2・・販売システム
10・・ユーザ
100・・ユーザ端末
200・・商品サーバ
300・・管理サーバ
301・・制御部
302・・通信部
303・・商品情報DB
304・・スケジュール情報DB
400・・販売車両
50・・従業者
500・・従業者端末
図1
図2
図3
図4
図5
図6