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  • 特許-光ファイバ 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-16
(45)【発行日】2024-07-24
(54)【発明の名称】光ファイバ
(51)【国際特許分類】
   C03C 25/47 20180101AFI20240717BHJP
   C03C 25/1065 20180101ALI20240717BHJP
   G02B 6/44 20060101ALI20240717BHJP
【FI】
C03C25/47
C03C25/1065
G02B6/44 301A
G02B6/44 331
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2021528147
(86)(22)【出願日】2020-06-10
(86)【国際出願番号】 JP2020022903
(87)【国際公開番号】W WO2020255835
(87)【国際公開日】2020-12-24
【審査請求日】2023-02-21
(31)【優先権主張番号】P 2019114005
(32)【優先日】2019-06-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000002130
【氏名又は名称】住友電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100136722
【弁理士】
【氏名又は名称】▲高▼木 邦夫
(74)【代理人】
【識別番号】100174399
【弁理士】
【氏名又は名称】寺澤 正太郎
(72)【発明者】
【氏名】浜窪 勝史
(72)【発明者】
【氏名】徳田 千明
(72)【発明者】
【氏名】岩口 矩章
(72)【発明者】
【氏名】小西 達也
【審査官】酒井 英夫
(56)【参考文献】
【文献】特開平02-069706(JP,A)
【文献】特表2010-511770(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C03C 25/00-25/70,
G02B 6/44
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コア及びクラッドを含むガラスファイバと、被覆樹脂層と、を備える光ファイバであって、
前記被覆樹脂層が、前記ガラスファイバに接して前記ガラスファイバを被覆するプライマリ樹脂層と、前記プライマリ樹脂層を被覆するセカンダリ樹脂層と、を有し、
前記プライマリ樹脂層及び前記セカンダリ樹脂層が、無機酸化物粒子を含む樹脂層であり、
前記プライマリ樹脂層に含まれる無機酸化物粒子の平均一次粒径が、20nm以上70nm以下であり、前記セカンダリ樹脂層に含まれる無機酸化物粒子の平均一次粒径が、10nm以上30nm以下である、光ファイバ。
【請求項2】
前記無機酸化物粒子が、二酸化ケイ素、二酸化ジルコニウム、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化チタン、酸化スズ及び酸化亜鉛からなる群より選ばれる少なくとも1種である、請求項1に記載の光ファイバ。
【請求項3】
前記無機酸化物粒子が、二酸化ケイ素であり、前記被覆樹脂層に含まれるケイ素原子の量が、3質量%以上22質量%以下である、請求項2に記載の光ファイバ。
【請求項4】
前記プライマリ樹脂層のヤング率が、23℃で0.03MPa以上0.7MPa以下である、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の光ファイバ。
【請求項5】
前記セカンダリ樹脂層のヤング率が、23℃で1300MPa以上2750MPa以下である、請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の光ファイバ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、光ファイバに関する。
本出願は、2019年6月19日出願の日本出願第2019-114005号に基づく優先権を主張し、前記日本出願に記載された全ての記載内容を援用するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、光ファイバは、光伝送体であるガラスファイバを保護するための被覆樹脂層を有している。光ファイバは、光ファイバに側圧が付与された際に発生する微小な曲げにより誘起される伝送損失の増加を小さくするために、側圧特性に優れることが求められている。
【0003】
被覆樹脂層は、オリゴマー、モノマー、光重合開始剤等を含有する紫外線硬化型樹脂組成物を用いて形成することができる。例えば、特許文献1では、合成石英を原料とするフィラーを含有する紫外線硬化型樹脂組成物を用いて樹脂層を形成することで、光ファイバの側圧特性を改善することが検討されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2014-219550号公報
【発明の概要】
【0005】
本開示の一態様に係る光ファイバは、コア及びクラッドを含むガラスファイバと、被覆樹脂層とを備え、被覆樹脂層が、ガラスファイバに接して該ガラスファイバを被覆するプライマリ樹脂層と、プライマリ樹脂層を被覆するセカンダリ樹脂層とを有し、プライマリ樹脂層及びセカンダリ樹脂層が無機酸化物粒子を含む樹脂層である。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1図1は、本実施形態に係る光ファイバの一例を示す概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
[本開示が解決しようとする課題]
被覆樹脂層は、一般にプライマリ樹脂層及びセカンダリ樹脂層を備えている。光ファイバにおけるボイドの発生要因の一つとして、プライマリ樹脂層を形成する樹脂組成物と、セカンダリ樹脂層を形成する樹脂組成物との線膨張係数の差が大きいことが考えられる。光ファイバの側圧特性を向上するためにセカンダリ樹脂層を高ヤング率化した際、プライマリ樹脂層のヤング率が低いと、ヒートサイクル試験時にボイドが発生し易くなる。ボイドが発生すると、低温における光ファイバの伝送損失が増加する傾向にある。
【0008】
本開示は、側圧特性に優れ、低温での伝送損失の増加が小さい光ファイバを提供することを目的とする。
【0009】
[本開示の効果]
本開示によれば、側圧特性に優れ、低温での伝送損失の増加が小さい光ファイバを提供することができる。
【0010】
[本開示の実施形態の説明]
最初に、本開示の実施形態の内容を列記して説明する。本開示の一態様に係る光ファイバは、コア及びクラッドを含むガラスファイバと、被覆樹脂層とを備え、被覆樹脂層が、ガラスファイバに接して該ガラスファイバを被覆するプライマリ樹脂層と、プライマリ樹脂層を被覆するセカンダリ樹脂層とを有し、プライマリ樹脂層及びセカンダリ樹脂層が無機酸化物粒子を含む樹脂層である。
【0011】
プライマリ樹脂層及びセカンダリ樹脂層が無機酸化物粒子を含むことで、光ファイバの側圧特性を向上し、ヒートサイクル試験後の低温での伝送損失の増加を低減することができる。
【0012】
被覆樹脂層のヤング率を調整し易いことから、無機酸化物粒子は、二酸化ケイ素、二酸化ジルコニウム、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化チタン、酸化スズ及び酸化亜鉛からなる群より選ばれる少なくとも1種であってよい。
【0013】
樹脂層中での分散性に優れ、ボイドの発生を抑制し易いことから、無機酸化物粒子は、二酸化ケイ素であり、被覆樹脂層に含まれるケイ素原子の量は、3質量%以上22質量%以下であってよい。
【0014】
低温での伝送損失の増加をより低減することから、プライマリ樹脂層のヤング率は、23℃で0.03MPa以上0.7MPa以下であってよい。
【0015】
光ファイバの側圧特性をより向上することから、セカンダリ樹脂層のヤング率は、23℃で1300MPa以上2750MPa以下であってよい。
【0016】
[本開示の実施形態の詳細]
本開示の実施形態に係る樹脂組成物及び光ファイバの具体例を、必要により図面を参照しつつ説明する。なお、本発明はこれらの例示に限定されず、請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。以下の説明では、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0017】
<光ファイバ>
図1は、本実施形態に係る光ファイバの一例を示す概略断面図である。光ファイバ10は、コア11及びクラッド12を含むガラスファイバ13と、ガラスファイバ13の外周に設けられたプライマリ樹脂層14及びセカンダリ樹脂層15を含む被覆樹脂層16とを備えている。
【0018】
クラッド12はコア11を取り囲んでいる。コア11及びクラッド12は石英ガラス等のガラスを主に含み、例えば、コア11にはゲルマニウムを添加した石英ガラス、又は、純石英ガラスを用いることができ、クラッド12には純石英ガラス、又は、フッ素が添加された石英ガラスを用いることができる。
【0019】
図1において、例えば、ガラスファイバ13の外径(D2)は100μmから125μm程度であり、ガラスファイバ13を構成するコア11の直径(D1)は、7μmから15μm程度である。被覆樹脂層16の厚さは、通常、22μmから70μm程度である。プライマリ樹脂層14及びセカンダリ樹脂層15の各層の厚さは、5μmから50μm程度であってもよい。
【0020】
ガラスファイバ13の外径(D2)が125μm程度で、被覆樹脂層16の厚さが60μm以上70μm以下の場合、プライマリ樹脂層14及びセカンダリ樹脂層15の各層の厚さは、10μmから50μm程度であってよく、例えば、プライマリ樹脂層14の厚さが35μmで、セカンダリ樹脂層15の厚さが25μmであってよい。光ファイバ10の外径は、245μmから265μm程度であってよい。
【0021】
ガラスファイバ13の外径(D2)が125μm程度で、被覆樹脂層16の厚さが27μm以上48μm以下の場合、プライマリ樹脂層14及びセカンダリ樹脂層15の各層の厚さは、10μmから38μm程度であってよく、例えば、プライマリ樹脂層14の厚さが25μmで、セカンダリ樹脂層15の厚さが10μmであってよい。光ファイバ10の外径は、179μmから221μm程度であってよい。
【0022】
ガラスファイバ13の外径(D2)が100μm程度で、被覆樹脂層16の厚さが22μm以上37μm以下の場合、プライマリ樹脂層14及びセカンダリ樹脂層15の各層の厚さは、5μmから32μm程度であってよく、例えば、プライマリ樹脂層14の厚さが25μmで、セカンダリ樹脂層15の厚さが10μmであってよい。光ファイバ10の外径は、144μmから174μm程度であってよい。
【0023】
(セカンダリ樹脂層)
セカンダリ樹脂層の線膨張係数を低減し、光ファイバの側圧特性及び低温特性を向上する観点から、セカンダリ樹脂層15は、無機酸化物粒子を含む。セカンダリ樹脂層15は、ウレタン(メタ)アクリレートを含むオリゴマー、モノマー及び光重合開始剤を含有するベース樹脂と、疎水性の無機酸化物粒子とを含む樹脂組成物を硬化させて形成することができる。すなわち、セカンダリ樹脂層15は、ウレタン(メタ)アクリレートを含むオリゴマー、モノマー及び光重合開始剤を含有するベース樹脂と、疎水性の無機酸化物粒子とを含む樹脂組成物の硬化物を含んでよい。
【0024】
本実施形態に係る無機酸化物粒子は、その表面が疎水処理されている。本実施形態に係る疎水処理とは、無機酸化物粒子の表面に疎水性の基が導入されていることをいう。疎水性の基が導入された無機酸化物粒子は、樹脂組成物中の分散性に優れている。疎水性の基は、(メタ)アクリロイル基、ビニル基等の反応性基、又は、脂肪族炭化水素基(例えば、アルキル基)、芳香族炭化水素基(例えば、フェニル基)等の非反応性基であってもよい。無機酸化物粒子が反応性基を有する場合、ヤング率が高い樹脂層を形成し易くなる。
【0025】
本実施形態に係る無機酸化物粒子は、分散媒に分散されている。分散媒に分散された無機酸化物粒子を用いることで、樹脂組成物中に無機酸化物粒子を均一に分散でき、樹脂組成物の保存安定性を向上することができる。分散媒としては、樹脂組成物の硬化を阻害しなければ、特に限定されない。分散媒は、反応性であっても、非反応性であってもよい。
【0026】
反応性の分散媒として、(メタ)アクリロイル化合物、エポキシ化合物等のモノマーを用いてもよい。(メタ)アクリロイル化合物としては、例えば、1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、EO変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、PO変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、及びポリテトラメチレングリコールジ(メタ)アクリレートが挙げられる。(メタ)アクリロイル化合物として、上述するモノマーで例示する化合物を用いてもよい。
【0027】
非反応性の分散媒として、メチルエチルケトン(MEK)等のケトン系溶媒、メタノール(MeOH)等のアルコール系溶媒、又はプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)等のエステル系溶媒を用いてもよい。非反応性の分散媒の場合、ベース樹脂と分散媒に分散された無機酸化物粒子とを混合した後、分散媒の一部を除去して樹脂組成物を調製してもよい。
【0028】
分散媒に分散された無機酸化物粒子は、樹脂組成物の硬化後も樹脂層中に分散した状態で存在する。反応性の分散媒を使用した場合、無機酸化物粒子は樹脂組成物に分散媒ごと混合され、分散状態が維持されたまま樹脂層中に取り込まれる。非反応性の分散媒を使用した場合、分散媒は少なくともその一部が樹脂組成物から揮発して無くなるが、無機酸化物粒子は分散状態のまま樹脂組成物中に残り、硬化後の樹脂層にも分散した状態で存在する。樹脂層中に存在する無機酸化物粒子は、電子顕微鏡で観察した場合に、一次粒子が分散した状態で観察される。
【0029】
樹脂層中での分散性に優れ、強靱な樹脂層を形成し易いことから、上記無機酸化物粒子は、二酸化ケイ素(シリカ)、二酸化ジルコニウム(ジルコニア)、酸化アルミニウム(アルミナ)、酸化マグネシウム(マグネシア)、酸化チタン(チタニア)、酸化スズ及び酸化亜鉛からなる群より少なくとも1種であることが好ましい。廉価性に優れる、表面処理がし易い、紫外線透過性を有する、樹脂層に適度な硬さを付与し易い等の観点から、本実施形態に係る無機酸化物粒子として、疎水性のシリカ粒子を用いることがより好ましい。
【0030】
樹脂層のヤング率を高くする観点から、無機酸化物粒子の平均一次粒径は、5nm以上800nmが好ましく、10nm以上700nm以下がより好ましく、10nm以上650nm以下更に好ましい。平均一次粒径は、例えば、電子顕微鏡写真の画像解析、光散乱法、BET法等によって測定することができる。無機酸化物の一次粒子が分散された分散媒は、一次粒子の粒径が小さい場合は目視で透明に見える。一次粒子の粒径が比較的大きい(40nm以上)場合は、一次粒子が分散された分散媒は白濁して見えるが沈降物は観察されない。
【0031】
無機酸化物粒子の含有量は、樹脂組成物の総量を基準として1質量%以上65質量%以下が好ましく、10質量%以上60質量%以下がより好ましく、15質量%以上60質量%以下が更に好ましい。無機酸化物粒子の含有量が1質量%以上であると、側圧特性に優れる樹脂層を形成し易くなる。無機酸化物粒子の含有量が65質量%以下であると、樹脂組成物の塗布性を向上し易くなる。
【0032】
セカンダリ樹脂層に含まれる無機酸化物粒子の平均一次粒径は、5nm以上200nm、8nm以上100nm以下、9nm以上50nm以下、又は10nm以上30nm以下であってよい。セカンダリ樹脂層に含まれる無機酸化物粒子の含有量は、セカンダリ樹脂層の総量を基準として1質量%以上65質量%以下、10質量%以上60質量%以下、又は15質量%以上60質量%以下であってよい。
【0033】
ウレタン(メタ)アクリレートとしては、ポリオール化合物、ポリイソシアネート化合物及び水酸基含有(メタ)アクリレート化合物を反応させて得られるオリゴマーを用いることができる。
【0034】
ポリオール化合物としては、例えば、ポリテトラメチレングリコール、ポリプロピレングリコール、及びビスフェノールA・エチレンオキサイド付加ジオールが挙げられる。ポリオール化合物の数平均分子量は、400以上4000以下、400以上2000以下、又は400以上1000以下であってもよい。ポリイソシアネート化合物としては、例えば、2,4-トリレンジイソシアネート、2,6-トリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、及びジシクロヘキシルメタン4,4’-ジイソシアナートが挙げられる。水酸基含有(メタ)アクリレート化合物としては、例えば、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、1,6-ヘキサンジオールモノ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、及びトリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレートが挙げられる。
【0035】
ウレタン(メタ)アクリレートを合成する際の触媒として、一般に有機スズ化合物が使用される。有機スズ化合物としては、例えば、ジブチルスズジラウレート、ジブチルスズジアセテート、ジブチルスズマレート、ジブチルスズビス(メルカプト酢酸2-エチルヘキシル)、ジブチルスズビス(メルカプト酢酸イソオクチル)、及びジブチルスズオキシドが挙げられる。易入手性又は触媒性能の点から、触媒としてジブチルスズジラウレート又はジブチルスズジアセテートを使用することが好ましい。
【0036】
ウレタン(メタ)アクリレートの合成時に炭素数5以下の低級アルコールを使用してもよい。低級アルコールとしては、例えば、メタノール、エタノール、1-プロパノール、2-プロパノール、1-ブタノール、2-ブタノール、2-メチル-2-プロパノール、1-ペンタノール、2-ペンタノール、3-ペンタノール、2-メチル-1-ブタノール、3-メチル-1-ブタノール、2-メチル-2-ブタノール、3-メチル-2-ブタノール、及び2,2-ジメチル-1-プロパノールが挙げられる。
【0037】
オリゴマーは、エポキシ(メタ)アクリレートを更に含んでもよい。エポキシ(メタ)アクリレートとしては、グリシジル基を2以上有するエポキシ樹脂に(メタ)アクリロイル基を有する化合物を反応させて得られるオリゴマーを用いることができる。
【0038】
モノマーとしては、重合性基を1つ有する単官能モノマー、及び重合性基を2つ以上有する多官能モノマーからなる群より選ばれる少なくとも1種を用いることができる。モノマーは、2種以上を混合して用いてもよい。
【0039】
単官能モノマーとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、n-ブチル(メタ)アクリレート、s-ブチル(メタ)アクリレート、tert-ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、n-ペンチル(メタ)アクリレート、イソペンチル(メタ)アクリレート、へキシル(メタ)アクリレート、ヘプチル(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n-オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、2-フェノキシエチル(メタ)アクリレート、3-フェノキシベンジルアクリレート、フェノキシジエチレングリコールアクリレート、フェノキシポリエチレングリコールアクリレート、4-tert-ブチルシクロヘキサノールアクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ノニルフェノールポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリレート系モノマー;(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸ダイマー、カルボキシエチル(メタ)アクリレート、カルボキシペンチル(メタ)アクリレート、ω-カルボキシ-ポリカプロラクトン(メタ)アクリレート等のカルボキシル基含有モノマー;N-(メタ)アクリロイルモルホリン、N-ビニルピロリドン、N-ビニルカプロラクタム、N-アクリロイルピペリジン、N-メタクリロイルピペリジン、N-(メタ)アクリロイルピロリジン、3-(3-ピリジン)プロピル(メタ)アクリレート、環状トリメチロールプロパンホルマールアクリレート等の複素環含有モノマー;マレイミド、N-シクロへキシルマレイミド、N-フェニルマレイミド等のマレイミド系モノマー;(メタ)アクリルアミド、N,N-ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N-ジエチル(メタ)アクリルアミド、N-ヘキシル(メタ)アクリルアミド、N-メチル(メタ)アクリルアミド、N-ブチル(メタ)アクリルアミド、N-ブチル(メタ)アクリルアミド、N-メチロール(メタ)アクリルアミド、N-メチロールプロパン(メタ)アクリルアミド等のアミド系モノマー;(メタ)アクリル酸アミノエチル、(メタ)アクリル酸アミノプロピル、(メタ)アクリル酸N,N-ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸tert-ブチルアミノエチル等の(メタ)アクリル酸アミノアルキル系モノマー;N-(メタ)アクリロイルオキシメチレンスクシンイミド、N-(メタ)アクリロイル-6-オキシヘキサメチレンスクシンイミド、N-(メタ)アクリロイル-8-オキシオクタメチレンスクシンイミド等のスクシンイミド系モノマーが挙げられる。
【0040】
多官能モノマーとしては、例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAのアルキレンオキシド付加物のジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,4-ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9-ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、1,12-ドデカンジオールジ(メタ)アクリレート、1,14-テトラデカンジオールジ(メタ)アクリレート、1,16-ヘキサデカンジオールジ(メタ)アクリレート、1,20-エイコサンジオールジ(メタ)アクリレート、イソペンチルジオールジ(メタ)アクリレート、3-エチル-1,8-オクタンジオールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAのEO付加物ジ(メタ)アクリレート等の重合性基を2つ有するモノマー;及びトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールオクタントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンポリエトキシトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンポリプロポキシトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンポリエトキシポリプロポキシトリ(メタ)アクリレート、トリス[(メタ)アクリロイルオキシエチル]イソシアヌレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールポリエトキシテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールポリプロポキシテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性トリス[(メタ)アクリロイルオキシエチル]イソシアヌレート等の重合性基を3つ以上有するモノマーが挙げられる。
【0041】
樹脂層のヤング率を高める観点から、モノマーは、多官能モノマーを含むことが好ましく、重合性基を2つ有するモノマーを含むことがより好ましい。
【0042】
光重合開始剤としては、公知のラジカル光重合開始剤の中から適宜選択して使用することができる。光重合開始剤として、例えば、1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(Omnirad 184、IGM Resins社製)、2,2-ジメトキシ-2-フェニルアセトフェノン、1-(4-イソプロピルフェニル)-2-ヒドロキシ-2-メチルプロパン-1-オン、ビス(2,6-ジメトキシベンゾイル)-2,4,4-トリメチルペンチルホスフィンオキサイド、2-メチル-1-[4-(メチルチオ)フェニル]-2-モルホリノ-プロパン-1-オン(Omnirad 907、IGM Resins社製)、2,4,6-トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド(Omnirad TPO、IGM Resins社製)、及びビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキシド(Omnirad 819、IGM Resins社製)が挙げられる。
【0043】
樹脂組成物は、シランカップリング剤、レベリング剤、消泡剤、酸化防止剤、増感剤等を更に含有してもよい。
【0044】
シランカップリング剤としては、樹脂組成物の硬化の妨げにならなければ、特に限定されない。シランカップリング剤として、例えば、テトラメチルシリケート、テトラエチルシリケート、メルカプトプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリクロロシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(β-メトキシ-エトキシ)シラン、β-(3,4-エポキシシクロヘキシル)-エチルトリメトキシシラン、ジメトキシジメチルシラン、ジエトキシジメチルシラン、3-アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ-グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、N-(β-アミノエチル)-γ-アミノプロピルトリメトキシシラン、N-(β-アミノエチル)-γ-アミノプロピルトリメチルジメトキシシラン、N-フェニル-γ-アミノプロピルトリメトキシシラン、γ-クロロプロピルトリメトキシシラン、γ-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ-アミノプロピルトリメトキシシラン、ビス-[3-(トリエトキシシリル)プロピル]テトラスルフィド、ビス-[3-(トリエトキシシリル)プロピル]ジスルフィド、γ-トリメトキシシリルプロピルジメチルチオカルバミルテトラスルフィド、及びγ-トリメトキシシリルプロピルベンゾチアジルテトラスルフィドが挙げられる。
【0045】
セカンダリ樹脂層のヤング率は、23℃で1300MPa以上2750MPa以下であることが好ましく、1400MPa以上2700MPa以下がより好ましく、1500MPa以上2700MPa以下が更に好ましい。セカンダリ樹脂層のヤング率が1300MPa以上であると、側圧特性を向上し易く、2750MPa以下であると、セカンダリ樹脂層に適度な靱性を付与できるため、低温特性を向上し易くなる。
【0046】
(プライマリ樹脂層)
プライマリ樹脂層の線膨張係数を低減し、光ファイバの側圧特性及び低温特性を向上する観点から、プライマリ樹脂層14は、無機酸化物粒子を含む。プライマリ樹脂層14は、ウレタン(メタ)アクリレートを含むオリゴマー、モノマー、光重合開始剤及びシランカップリング剤を含有するベース樹脂と、無機酸化物粒子とを含む樹脂組成物を硬化させて形成することができる。ウレタン(メタ)アクリレート、モノマー、光重合開始剤、シランカップリング剤、及び無機酸化物粒子としては、セカンダリ樹脂層で例示した化合物から適宜、選択してよい。ただし、プライマリ樹脂層を形成する樹脂組成物は、セカンダリ樹脂層を形成するベース樹脂とは異なる組成を有している。
【0047】
無機酸化物粒子の含有量は、樹脂組成物の総量を基準として1質量%以上45質量%以下が好ましく、2質量%以上40質量%以下がより好ましく、3質量%以上30質量%以下が更に好ましい。無機酸化物粒子の含有量が1質量%以上であると、強靱な樹脂層を形成し易くなる。無機酸化物粒子の含有量が45質量%以下であると、ヤング率の低い樹脂層を形成することができる。
【0048】
プライマリ樹脂層に含まれる無機酸化物粒子の平均一次粒径は、5nm以上200nm、10nm以上100nm以下、15nm以上80nm以下、又は20nm以上70nm以下であってよい。プライマリ樹脂層に含まれる無機酸化物粒子の含有量は、プライマリ樹脂層の総量を基準として1質量%以上45質量%以下、2質量%以上40質量%以下、又は3質量%以上30質量%以下であってよい。
【0049】
光ファイバにボイドが発生することを抑制する観点から、プライマリ樹脂層のヤング率は、23℃±2℃で0.03MPa以上0.7MPa以下であることが好ましく、0.04MPa以上0.65MPa以下であることがより好ましく、0.05MPa以上0.6MPa以下であることが更に好ましい。
【0050】
樹脂層中での分散性に優れ、ボイドの発生を抑制し易いことから、プライマリ樹脂層及びセカンダリ樹脂層に含まれる無機酸化物粒子は、疎水性のシリカ粒子であることが好ましい。被覆樹脂層に含まれるケイ素原子(Si)の量は、被覆樹脂層の総量を基準として3質量%以上22質量%以下が好ましく、4質量%以上20質量%以下がより好ましく、4質量%以上19質量%以下が更に好ましい。Si量が3質量%以上であると、光ファイバの側圧特性を向上し易くなる。Si量が22質量%以下であると、光ファイバの低温特性を向上し易くなる。Si量は、ICP-AESにより測定することができる。
【実施例
【0051】
以下、本開示に係る実施例及び比較例を用いた評価試験の結果を示し、本開示を更に詳細に説明する。なお、本発明はこれら実施例に限定されない。
【0052】
[プライマリ樹脂層用の樹脂組成物]
(オリゴマー)
オリゴマーとして、分子量4000のポリプロピレングリコール、イソホロンジイソシアネート、ヒドロキシエチルアクリレート及びメタノールを反応させて得られるウレタンアクリレートa1、a2及びa3を準備した。ウレタンアクリレートa1、a2及びa3では、ヒドロキシエチルアクリレート及びメタノールの配合割合を変更することで、アクリロイル基を両末端に有するオリゴマーと、アクリロイル基を片末端に有するオリゴマーとの割合を調整している。
【0053】
(無機酸化物粒子)
無機酸化物粒子として、MEKに分散され、メタクリロイル基を有し、平均一次粒径が20~60nmである疎水性シリカ粒子を準備した。
【0054】
(樹脂組成物)
ウレタンアクリレートa1、a2又はa3を75質量部用い、ノニルフェノキシポリエチレングリコールアクリレート12質量部、N-ビニルカプロラクタム6質量部、1,6-ヘキサンジオールジアクリレート2質量部、2,4,6-トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド1質量部、及び3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン1質量部を混合してベース樹脂を調製した。次いで、ベース樹脂とシリカ粒子とを混合した後、分散媒であるMEKの大部分を減圧除去して、プライマリ樹脂層用の樹脂組成物をそれぞれ作製した。
【0055】
[セカンダリ樹脂層用の樹脂組成物]
(オリゴマー)
オリゴマーとして、分子量600のポリプロピレングリコール、2,4-トリレンジイソシアネート及びヒドロキシエチルアクリレートを反応させることにより得られたウレタンアクリレート(UA)と、エポキシアクリレート(EA)とを準備した。
【0056】
(無機酸化物粒子)
無機酸化物粒子として、MEKに分散され、メタクリロイル基を有し、平均一次粒径が10~20nmである疎水性シリカ粒子を含むシリカゾルを準備した。
【0057】
(樹脂組成物)
まず、UAを20質量部、EAを20質量部、イソボルニルアクリレートを25質量部、2-フェノキシエチルアクリレートを20質量部、トリプロピレングリコールジアクリレートを15質量部、1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンを0.5質量部、及び2,4,6-トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシドを0.5質量部混合して、ベース樹脂を調製した。次いで、ベース樹脂とシリカゾルとを混合した後、分散媒であるMEKの大部分を減圧除去して、セカンダリ樹脂層用の樹脂組成物をそれぞれ作製した。
【0058】
表1及び表2において、シリカ粒子の数値は、樹脂組成物の総量を基準とする含有量である。なお、樹脂組成物の総量と樹脂組成物の硬化物の総量は同じと考えてよい。
【0059】
[光ファイバの作製]
コア及びクラッドから構成される直径125μmのガラスファイバの外周に、プライマリ樹脂層用の樹脂組成物を用いて厚さ35μmのプライマリ樹脂層を形成し、更にその外周にセカンダリ樹脂層用の樹脂組成物を用いて厚さ25μmのセカンダリ樹脂層を形成して、光ファイバを作製した。線速は1500m/分とした。
【0060】
(プライマリ樹脂層のヤング率)
プライマリ樹脂層のヤング率は、23℃でのPullout Modulus(POM)法により測定した。光ファイバの2箇所を2つのチャック装置で固定し、2つのチャック装置の間の被覆樹脂層(プライマリ樹脂層及びセカンダリ樹脂層)部分を除去し、次いで、一方のチャック装置を固定し、他方のチャック装置を固定したチャック装置の反対方向に緩やかに移動させた。光ファイバにおける移動させるチャック装置に挟まれている部分の長さをL、チャックの移動量をZ、プライマリ樹脂層の外径をDp、ガラスファイバの外径をDf、プライマリ樹脂層のポアソン比をn、チャック装置の移動時の荷重をWとした場合、下記式からプライマリ樹脂層のヤング率を求めた。
ヤング率(MPa)=((1+n)W/πLZ)×ln(Dp/Df)
【0061】
(セカンダリ樹脂層のヤング率)
セカンダリ樹脂層のヤング率は、光ファイバからガラスファイバを抜き取って得られるパイプ状の被覆樹脂層(長さ:50mm以上)を用いて、23±2℃、50±10%RHの環境下で引張試験(標線間距離:25mm)を行い、2.5%割線値から求めた。
【0062】
(被覆樹脂層のSi量)
被覆樹脂層に含まれるケイ素原子(Si)の量をICP-AESにより、以下の手順で算出した。Siの定量分析における前処理法として、アルカリ融解法を用いた。
約0.1~0.2gの被覆樹脂層を800℃で60分間熱処理して灰化した。灰下物0.1gに対して炭酸ナトリウム3g及びホウ酸0.5gを添加し、1000℃で30分間アルカリ融解した後、濃塩酸を10mL添加し、更に、超純水を加えて、100mLに定容した試料液を得た。試料液を超純水で10倍に希釈し、Thermo Fisher SCIENTIFIC(型式:iCAP 6500 Duo)を用いて、212.412nmの波長で、Si量を測定した。
【0063】
(ヒートサイクル試験)
-40℃から23℃の間(各温度で1時間保持、遷移時間は60分間)で50サイクル熱をかけた光ファイバについて、23℃及び-40℃のそれぞれの温度条件下で、波長1550nmの信号光の伝送特性を測定し、23℃と-40℃とでの伝送損失を求めた。-40℃での伝送損失から23℃での伝送損失を引いた伝送損失差が0dB/km未満(-40℃の方が伝送損失が小さい)の場合を「A」、0dB/km以上0.01dB/km未満の場合を「B」、0.01dB/km以上の場合を「C」と評価した。
【0064】
(側圧特性)
サンドペーパーで表面を覆った280mm径のボビンに、光ファイバを単層状に巻き付けた時の1550nmの波長の光の伝送損失を、OTDR(Optical Time Domain Reflectometer)法により測定した。また、サンドペーパーのない280mm径のボビンに、光ファイバを単層状に巻き付けた時の1550nmの波長の光の伝送損失を、OTDR法により測定した。測定した伝送損失の差を求め、伝送損失差が0.6dB/km以下の場合を側圧特性「A」、伝送損失差が0.6dB/km超の場合を側圧特性「B」と評価した。
【0065】
【表1】
【0066】
【表2】
【符号の説明】
【0067】
10 光ファイバ
11 コア
12 クラッド
13 ガラスファイバ
14 プライマリ樹脂層
15 セカンダリ樹脂層
16 被覆樹脂層
図1