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特許7521538医療イメージングシステム、医療イメージング方法及び画像処理装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-16
(45)【発行日】2024-07-24
(54)【発明の名称】医療イメージングシステム、医療イメージング方法及び画像処理装置
(51)【国際特許分類】
   A61B 1/045 20060101AFI20240717BHJP
【FI】
A61B1/045 610
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2021556070
(86)(22)【出願日】2020-11-06
(86)【国際出願番号】 JP2020041553
(87)【国際公開番号】W WO2021095659
(87)【国際公開日】2021-05-20
【審査請求日】2023-09-25
(31)【優先権主張番号】P 2019207358
(32)【優先日】2019-11-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000002185
【氏名又は名称】ソニーグループ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】浅井 淳
【審査官】佐々木 創太郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-162231(JP,A)
【文献】国際公開第2019/176556(WO,A1)
【文献】特開2007-275220(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0342847(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 1/045
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
医療イメージングシステムであって、
撮像装置と、前記撮像装置で撮像された手術画像信号に対して第1の画像処理を行う第1の画像処理装置と、を備える医療イメージング装置から、前記第1の画像処理をされた手術画像信号である第1の手術画像信号を取得し、前記第1の手術画像信号に対して第2の画像処理を行う第2の画像処理装置と、
前記第1の手術画像信号と、前記第2の画像処理をされた手術画像信号である第2の手術画像信号とを取得し、前記第1の手術画像信号と前記第2の手術画像信号との少なくとも1つに第3の画像処理を行って、前記第1の手術画像信号と前記第2の手術画像信号とに基づく変換処理により表示画像信号を生成する第3の画像処理装置と、
を備え、
前記第1の画像処理、前記第2の画像処理、及び前記第3の画像処理は、それぞれ異なる画像処理であり、
前記第3の画像処理装置は、前記第2の画像処理の種類に基づいて前記第3の画像処理の内容を変更する医療イメージングシステム。
【請求項2】
前記第2の画像処理は、前記第3の画像処理よりも計算量が大きい
請求項1に記載の医療イメージングシステム。
【請求項3】
前記第2の画像処理は、処理対象となる画像の内容によって計算量が変動する画像処理である
請求項1に記載の医療イメージングシステム。
【請求項4】
前記第1の画像処理装置は、CCU(Camera Control Unit)であり、
前記第3の画像処理装置は、IP(Internet Protocol)コンバータであり、
前記第1の画像処理装置と、前記第3の画像処理装置とは、手術室内に配置される
請求項1に記載の医療イメージングシステム。
【請求項5】
前記第2の画像処理装置は、手術室外に配置されるサーバ装置であり、
前記第2の画像処理装置は、各々が異なる手術室内に配置される複数のIPコンバータに接続されている
請求項4に記載の医療イメージングシステム。
【請求項6】
前記第3の画像処理装置は、前記第2の画像処理装置による前記第2の画像処理の結果に基づいて、第3の画像処理を行う
請求項1に記載の医療イメージングシステム。
【請求項7】
前記第3の画像処理装置は、前記第1の手術画像信号に前記第2の手術画像信号を重畳した第3の手術画像信号に対して前記第3の画像処理を行う
請求項1に記載の医療イメージングシステム。
【請求項8】
前記第2の画像処理は、SLAM(Simultaneous Localization and Mapping)または機械学習による物体認識のいずれかである
請求項1に記載の医療イメージングシステム。
【請求項9】
前記第1の画像処理装置、前記第2の画像処理装置及び前記第3の画像処理装置の少なくとも1つは、他の装置から取得した制御コマンドに基づいて処理を実行する
請求項1に記載の医療イメージングシステム。
【請求項10】
前記第2の画像処理装置は、複数のアプリケーションを有し、
前記複数のアプリケーションから使用するアプリケーションが、クライアント端末からの指定により選択される
請求項1に記載の医療イメージングシステム。
【請求項11】
前記第3の画像処理装置は、選択された前記アプリケーションに基づく前記第3の画像処理を、前記クライアント端末からの指示に応じて実行する
請求項10に記載の医療イメージングシステム。
【請求項12】
前記第3の画像処理装置は、前記第2の画像処理装置が応答しない場合、前記第1の手術画像信号を前記表示画像信号とする
請求項1に記載の医療イメージングシステム。
【請求項13】
医療イメージング方法であって、
第2の画像処理装置が、
撮像装置と、前記撮像装置で撮像された手術画像信号に対して第1の画像処理を行う第1の画像処理装置と、を備える医療イメージング装置から、前記第1の画像処理をされた手術画像信号である第1の手術画像信号を取得し、前記第1の手術画像信号に対して第2の画像処理を行い、
第3の画像処理装置が、
前記第1の手術画像信号と、前記第2の画像処理をされた手術画像信号である第2の手術画像信号とを取得し、前記第1の手術画像信号と前記第2の手術画像信号との少なくとも1つに第3の画像処理を行って、前記第1の手術画像信号と前記第2の手術画像信号とに基づく変換処理により表示画像信号を生成し、
前記第1の画像処理、前記第2の画像処理、及び前記第3の画像処理は、それぞれ異なる画像処理であり、
前記第3の画像処理装置は、前記第2の画像処理の種類に基づいて前記第3の画像処理の内容を変更す
医療イメージング方法。
【請求項14】
画像処理装置であって、
撮像装置と、前記撮像装置で撮像された手術画像信号に対して第1の画像処理を行う第1の画像処理装置と、を備える医療イメージング装置から、前記第1の画像処理をされた手術画像信号である第1の手術画像信号と、第2の画像処理装置により前記第1の手術画像信号に対して第2の画像処理をされた手術画像信号である第2の手術画像信号とを取得する取得部と、
前記第1の手術画像信号と前記第2の手術画像信号との少なくとも1つに第3の画像処理を行って、前記第1の手術画像信号と前記第2の手術画像信号とに基づく変換処理により表示画像信号を生成する生成部と、
を備え、
前記第1の画像処理、前記第2の画像処理、及び前記第3の画像処理は、それぞれ異なる画像処理であり、
前記第2の画像処理の種類に基づいて前記第3の画像処理の内容を変更す
画像処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、医療イメージングシステム、医療イメージング方法及び画像処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
内視鏡やビデオ顕微鏡といった医療イメージング装置を用いた手術は、より精細な手技が可能となるとともに、画像処理技術による手技のサポートを行うことが期待されている。このとき、医療イメージング装置により生成された手術画像信号に対して行われる画像処理は、手技の妨げとなることを抑制することが望まれる。そのため、画像処理では、例えば、一定時間以内に1フレーム分の画像処理が完了することといったリアルタイム性や、画像処理にかかる処理時間、すなわち遅延が小さいことといった低レイテンシが求められる。また、複雑な画像処理を行う際には多大な計算リソースが求められることが多い。そのため、画像処理が複雑になるほど、その画像処理に要する計算リソースが増大するという傾向がある。
【0003】
ところで、手術室においては、様々な医療イメージング装置が用いられており、所望の画像処理機能を医療イメージング装置が備えていない場合がある。そこで、医療イメージング装置から出力された手術画像に対して回転補正等の画像処理を行うIPコンバータが提供されている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2019-162231号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来技術によれば、医療イメージング装置とは別にIPコンバータ(他の画像処理装置)を用いて回転補正の画像処理を行う。
【0006】
しかしながら、IPコンバータは医療機器の信号をIP化するための装置であるため、計算量の大きい画像処理を行えるほどの計算能力を備えることは難しいといった課題がある。このように従来技術では、計算量が大きい画像処理ができない。また、IPコンバータは手術室に複数台必要であるため、高価なCPUやGPU等のプロセッサを使うことがコスト的な観点から難しい。そのため、従来技術のような医療イメージング装置(に含まれる画像処理装置)とIPコンバータ(他の画像処理装置)といった2つの画像処理装置の構成では、所望の画像処理を行なうことが難しい場合があり、表示する画像を適切に生成することができるとは限らない。そのため、画像処理をより柔軟に実行可能にするシステム構成や装置が望まれている。
【0007】
そこで、本開示では、各装置に分散された画像処理の機能により表示する画像を適切に生成することができる医療イメージングシステム、医療イメージング方法及び画像処理装置を提案する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題を解決するために、医療イメージングシステムは、撮像装置と、撮像装置で撮像された手術画像信号に対して第1の画像処理を行う第1の画像処理装置と、を備える医療イメージング装置から、前記第1の画像処理をされた手術画像信号である第1の手術画像信号を取得し、前記第1の手術画像信号に対して第2の画像処理を行う第2の画像処理装置と、前記第1の手術画像信号と、前記第2の画像処理をされた手術画像信号である第2の手術画像信号とを取得し、前記第1の手術画像信号と前記第2の手術画像信号との少なくとも1つに第3の画像処理を行って、前記第1の手術画像信号と前記第2の手術画像信号とに基づく変換処理により表示画像信号を生成する第3の画像処理装置と、を備え、前記第1の画像処理、前記第2の画像処理、及び前記第3の画像処理は、それぞれ異なる画像処理である。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本開示の実施形態に係る医療イメージングシステムの構成及び処理の一例を示す図である。
図2】実施形態に係る医療イメージングシステムの具体的構成例を示す図である。
図3】従来例に係る医療イメージングシステムの構成例を示す図である。
図4】実施形態に係る第3の画像処理装置であるIPコンバータの構成例を示す図である。
図5】実施形態に係る第3の画像処理装置であるIPコンバータによる処理の手順を示すフローチャートである。
図6】実施形態に係る医療イメージングシステムの処理手順を示すシーケンス図である。
図7】医療イメージングシステムの各構成要素の配置の一例を示す図である。
図8】画像処理装置の機能を実現するコンピュータの一例を示すハードウェア構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、本開示の実施形態について図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施形態により本願にかかる医療イメージングシステム、医療イメージング方法及び画像処理装置が限定されるものではない。また、以下の各実施形態において、同一の部位には同一の符号を付することにより重複する説明を省略する。
【0011】
以下に示す項目順序に従って本開示を説明する。
1.実施形態
1-1.本開示の実施形態に係る医療イメージングシステムの構成及び処理の概要
1-1-1.第1~第3の画像処理等
1-1-2.医療イメージングシステムの構成要素
1-2.実施形態に係る医療イメージングシステムの具体的構成の一例
1-3.従来例に係る医療イメージングシステムの構成
1-4.従来との比較及び効果
1-5.第3の画像処理装置の一例であるIPコンバータの構成
1-6.第3の画像処理装置に係る処理の手順
1-7.医療イメージングシステムに係る処理の手順
1-8.医療イメージングシステムの各構成要素の配置例
2.その他の実施形態
2-1.変形例
2-2.その他
3.本開示に係る効果
4.ハードウェア構成
【0012】
[1.実施形態]
[1-1.本開示の実施形態に係る医療イメージングシステムの構成及び処理の概要]
図1は、本開示の実施形態に係る医療イメージングシステムの構成及び処理の一例を示す図である。本開示の実施形態に係る処理は、図1に示す第2の画像処理装置である画像処理サーバ20や第3の画像処理装置であるIP(Internet Protocol)コンバータ100を含む医療イメージングシステム1によって実現される。なお、以下では、第1の画像処理装置であるCCU(Camera Control Unit)12が行う画像処理を「第1の画像処理」と記載する。また、第2の画像処理装置である画像処理サーバ20が行う画像処理を「第2の画像処理」と記載する。また、第3の画像処理装置であるIPコンバータ100が行う画像処理を「第3の画像処理」と記載する。
【0013】
図1に示す処理を説明する前に、図1に示す医療イメージングシステム1の概要について説明する。図1に示す医療イメージングシステム1には、医療イメージング装置10と、画像処理サーバ20と、IPコンバータ100と、画像受信装置200とが含まれる。医療イメージングシステム1に含まれる各装置は所定の通信網(図4中のネットワークN等)を介して、有線または無線により通信可能に接続される。なお、図1に示した医療イメージングシステム1には、複数台の医療イメージング装置10や、複数台の画像処理サーバ20や、複数台のIPコンバータ100、複数台の画像受信装置200が含まれてもよい。
【0014】
医療イメージング装置10は、画像送出装置として機能する。例えば、医療イメージング装置10は、モダリティとも称され、医療用に用いられる装置である。図1の例では、カメラヘッドとCCUを含む硬性内視鏡を医療イメージング装置10の一例として示すが、医療イメージング装置10は、内視鏡に限らず、術野カメラや顕微鏡等の種々の医療機器であってもよい。すなわち、医療イメージング装置10は、内視鏡に限らず、画像を撮像する機能を有する装置であればよく、その構成は特に限定されない。
【0015】
医療イメージング装置10は、イメージセンサ(カメラセンサ)等の撮像部を備えるカメラ11(撮像装置)とCCU12とを有する。医療イメージング装置10は、カメラ11による撮像機能を有する。医療イメージング装置10は、カメラ11により、例えば生体組織等の種々の対象を撮像する。例えば、医療イメージング装置10は、手術対象となる部位を撮像する。医療イメージング装置10のカメラ11は、撮像により手術画像信号を生成する。カメラ11とCCU12は信号ケーブルで接続されており、カメラ11からCCU12へ手術画像信号が送信される。医療イメージング装置10は、カメラ11からの入力データに対して、CCU12により第1の画像処理を実行する。なお、医療イメージング装置10が硬性内視鏡である場合は、カメラ11は硬性内視鏡のカメラヘッドに相当する。
【0016】
CCU12は、第1の画像処理装置である。CCU12は、カメラ11により生成された手術画像信号に対して第1の画像処理を実行する画像処理装置(コンピュータ)である。例えば、CCU12は、デモザイクやノイズ除去や各種の歪み補正やガンマ補正などの基本的な画像処理(現像処理)である第1の画像処理を実行する。CCU12は、手術室内に配置される(図7参照)。CCU12は、CCUに備えられたタッチパネルやボタンを介した入力により処理を実行するか、または他の装置(例えばクライアント端末など)から取得した制御コマンドに基づいて処理を実行する。
【0017】
例えば、CCU12は、通信部と記憶部と制御部とを有する。CCU12の通信部は、例えば、NIC(Network Interface Card)等によって実現され画像処理サーバ20やIPコンバータ100や画像受信装置200やクライアント端末(図示省略)等の他の装置との間で情報の送受信を行う。CCU12の記憶部は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)等の半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現される。記憶部は、第1の画像処理を行うための各種情報を記憶する。例えば、記憶部は、第1の画像処理の具体的な処理内容や、第1の画像処理を実行するためのプログラム(第1の画像処理プログラム)を記憶する。CCU12の制御部は、例えば、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)等によって、CCU12の内部に記憶されたプログラム(例えば、本開示に係る第1の画像処理プログラム)がRAM(Random Access Memory)等を作業領域として実行されることにより実現される。また、CCU12の制御部は回路により実現されればよく、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路によりCCU12の機能を実現されてもよい。
【0018】
CCU12は、カメラに接続され、カメラで生成された手術画像信号に対して第1の画像処理を行う。図1に示すように、CCU12は、医療イメージング装置10内に設けられ、カメラ11に接続され、カメラ11により撮像された手術画像信号に対して第1の画像処理を行う。
【0019】
画像処理サーバ20は、第2の画像処理装置である。画像処理サーバ20は、第2の画像処理を実行する画像処理装置(コンピュータ)である。画像処理サーバ20は、手術室外に配置されるサーバ装置であり、各々が異なる手術室内に配置される複数のIPコンバータ100にIPスイッチおよびネットワークを介して接続されている(図7参照)。画像処理サーバ20は、手術室内に配置されるCCU12やIPコンバータ100以外の画像処理装置である。画像処理サーバ20は、他の装置(例えばクライアント端末など)から取得した制御コマンドに基づいて処理を実行する。
【0020】
なお、医療イメージングシステム1における画像処理サーバ20の配置は、上記のような手術室外に配置される形態に限られない。例えば、画像処理サーバ20の運用形態は、手術室内や手術室が設けられた施設内に配置されるようなオンプレミスの形態であってもよいし、手術室外や手術室が設けられた施設外に配置されるようなクラウドの形態であってもよい。すなわち、医療イメージングシステム1における画像処理サーバ20は、医療イメージングシステム1の運用に関する条件等を満たせば、設置位置はいずれの位置であってもよい。ただし、画像処理サーバ20が手術室外に設けられている場合は、手術室に設置できない大型の冷却設備などを使用できるため、画像処理サーバを高性能化できる。
【0021】
例えば、画像処理サーバ20は、通信部と記憶部と制御部とを有する。画像処理サーバ20の通信部は、例えば、NIC等によって実現され医療イメージング装置10やIPコンバータ100や画像受信装置200やクライアント端末(図示省略)等の他の装置との間で情報の送受信を行う。画像処理サーバ20の記憶部は、例えば、RAM、フラッシュメモリ等の半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現される。記憶部は、第2の画像処理を行うための各種情報を記憶する。例えば、記憶部は、第2の画像処理の具体的な処理内容や、第2の画像処理を実行するためのプログラム(第2の画像処理プログラム)を記憶する。画像処理サーバ20の制御部は、例えば、CPUやMPUやGPU(Graphics Processing Unit)等によって、画像処理サーバ20の内部に記憶されたプログラム(例えば、本開示に係る第2の画像処理プログラム等の画像処理プログラム等)がRAM等を作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部は、回路により実現されればよく、例えば、ASICやFPGA等の集積回路により実現されてもよい。画像処理サーバ20は、画像処理サーバ20に備えられたタッチパネルやボタンを介した入力により処理を実行するか、または他の装置(例えばクライアント端末など)から取得した制御コマンドに基づいて処理を実行する。
【0022】
画像処理サーバ20は、第1の画像処理をされた手術画像信号である第1の手術画像信号を取得し、第1の手術画像信号に対して第2の画像処理を行う。画像処理サーバ20は、第3の画像処理よりも計算量が大きい第2の画像処理を実行する。第2の画像処理は、処理対象となる画像の内容によって計算量が変動する画像処理であることが好ましい。第2の画像処理は、例えば、SLAM(Simultaneous Localization and Mapping)処理または機械学習による物体認識処理である。例えば、画像処理サーバ20は、画像に含まれる器具の数や画像の大きさ等に応じて計算量が変動する物体認識に関する画像処理を第1の手術画像信号に対して第2の画像処理として実行する。
【0023】
また、例えば、第2の画像処理としてSLAM処理を実行する場合、画像処理サーバ20は、SLAMに関する種々の技術を用いて、第2の画像処理を実行する。この場合、画像処理サーバ20は、第1の手術画像信号に基づいたSLAM処理を行うことで、医療イメージング装置10(またはカメラ11)が観測している環境の3次元地図を作成するとともに、カメラ11の自己位置を特定する。SLAM処理は、例えば、SLAM処理であるPTAM、LSD-SLAM、ORB-SLAMやRGB-D-SLAMのいずれかといったアルゴリズムが用いられる。例えば、画像処理サーバ20は、SLAMに関する技術を用いて医療イメージング装置10(カメラ11)が観測している環境(体内)の体内環境地図情報(体内の三次元情報等)を作成するとともに、カメラ11の自己位置を特定する。単眼カメラを用いたSLAM技術の基本的な原理は、例えば「Andrew J.Davison, “Real-Time Simultaneous Localization and Mapping with a Single Camera”, Proceedings of the 9th IEEE International Conference on Computer Vision Volume 2, 2003, pp.1403-1410」において説明されている。また、被写体のカメラ画像を用いて被写体の3次元位置を推定するSLAM技術は、特にVisual SLAMとも称される。なお、この場合、医療イメージング装置10は、例えば、SLAM処理を実行するために必要な情報を撮像(検知)する構成のカメラ11を有してもよいし、カメラ11以外のSLAMを実行するために必要なセンサを有してもよい。例えば、カメラ11以外に例えばIMUセンサを備えて、第1の手術画像信号とIMUセンサのセンサ信号とに基づいてSLAM処理を行ってもよい。また、カメラ11は、単眼カメラであってもよいし、ステレオカメラであってもよい。
【0024】
また、例えば、第2の画像処理として機械学習による物体認識を実行する場合、画像処理サーバ20は、機械学習に関する種々の技術を用いて、第2の画像処理を実行する。この場合、画像処理サーバ20は、機械学習に関する技術を用いて、物体認識を行う認識モデルを生成し、生成した認識モデルに第1の手術画像信号を入力することで、第2の画像処理を実行する。例えば、それぞれに被写体の特徴がラベルされた複数の手術画像信号を学習データとして多層ニューラルネットワークを有する機械学習アルゴリズムに入力して学習を実行することで、パラメータを生成する。そして画像処理サーバ20は、パラメータに基づいて調整された多層ニューラルネットワークを有する推論アルゴリズム(例えば認識アルゴリズム)を読み出し、第2の画像処理として推論アルゴリズムに第1の手術画像信号を入力して、算出された結果(例えば認識結果)を出力する。なお、上記は一例であり、画像処理サーバ20は、SLAMや機械学習による物体認識が実行可能であれば、どのような技術を用いて第2の画像処理を実行してもよい。
【0025】
画像処理サーバ20は、複数のアプリケーションプログラム(以下、「アプリ」ともいう)を記憶部に有し、クライアント端末からの指定による選択に応じて複数のアプリから使用するアプリを選択する。例えば、画像処理サーバ20は、SLAM処理を行う第1アプリと物体認識を行う第2アプリとを含む複数のアプリを有し、クライアント端末からの指定により選択されたアプリに対応する画像処理を第2の画像処理として実行する。
【0026】
IPコンバータ100は、画像信号をIP伝送可能な信号(例えば、イーサネット信号)に変換するコンバータである。IPコンバータは、さらに電気信号を光信号に変換できることが好ましい。また、IPコンバータ100は、第3の画像処理装置である。IPコンバータ100は、第3の画像処理を実行する画像処理装置(コンピュータ)である。例えば、IPコンバータ100は、ズーム、手振れ補正、回転補正、またはPinP(Picture in Picture)の少なくともいずれか1つを第3の画像処理として実行する。IPコンバータ100は、種々の技術を用いて、ズーム、手振れ補正、回転補正、またはPinP等の画像処理を第3の画像処理として行う。例えば、IPコンバータ100は、手振れ補正を行う場合、手術画像に対して動きベクトルの抽出処理を実行し、抽出した動きベクトルに対して逆位相に手術画像を動かすことにより、手振れを補正する。IPコンバータ100は、手術室内に配置される(図7参照)。IPコンバータ100は、入力された信号や他の装置(例えばクライアント端末など)から取得した制御コマンドに基づいて処理を実行する。
【0027】
IPコンバータ100は、第1の手術画像信号と、第2の画像処理をされた手術画像信号である第2の手術画像信号とを取得し、第1の手術画像信号と第2の手術画像信号との少なくとも1つに第3の画像処理を行って、第1の手術画像信号と第2の手術画像信号とに基づく変換処理により表示画像信号を生成する。
【0028】
IPコンバータ100は、画像処理サーバ20による第2の画像処理の結果に基づいて、第3の画像処理を行う。IPコンバータ100は、第1の手術画像信号に第2の手術画像信号を重畳した第3の手術画像信号に対して第3の画像処理を行う。IPコンバータ100は、選択されたアプリに基づく第3の画像処理を、クライアント端末からの指示に応じて実行する。IPコンバータ100は、第2の画像処理の種類に基づいて第3の画像処理の内容を変更する。IPコンバータ100は、選択されたアプリの第2の画像処理に対応する第3の画像処理を実行する。IPコンバータ100は、画像処理サーバ20が応答しない場合、第1の手術画像信号を表示画像信号とする。
【0029】
画像受信装置200は、外部装置から画像を受信する装置である。画像受信装置200は、外部装置から受信した画像を表示したり、記録したりする装置である。図1の例では、画像受信装置200がモニタである場合を示すが、モニタに限らず、画像受信装置200は、画像を表示する表示装置や画像を記録する記憶装置等の装置(画像管理サーバ)等の種々の装置であってもよい。例えば、画像受信装置200は、表示装置であるモニタ以外のディスプレイやプロジェクタ、または記憶装置であるレコーダ等であってもよい。画像受信装置200は、IPコンバータ100から出力された画像信号(画像)を受信する。画像受信装置200は、IPコンバータ100から送信された画像信号(画像)を受信する。
【0030】
ここから、図1に示す処理について具体的に説明する。図1の例では、医療イメージング装置10が硬性内視鏡である場合を一例として説明する。
【0031】
まず、医療イメージング装置10のカメラ11は、撮像を行う。カメラ11は、第1の画像処理装置であるCCU12に撮像した手術画像信号を送信する。そして、CCU12は、カメラ11から取得した手術画像信号に対して第1の画像処理PS1を実行する。例えば、CCU12は、現像処理である第1の画像処理PS1により図1に示す手術画像IM1に対応する第1の手術画像信号を生成する。
【0032】
そして、CCU12は、第2の画像処理装置である画像処理サーバ20に第1の手術画像信号を送信する。第1の手術画像信号は、図1に示す手術画像IM1に対応する。画像処理サーバ20は、手術画像IM1に対応する第1の手術画像信号に対して第2の画像処理PS2を実行する。図1の例では、画像処理サーバ20は、物体認識(器具認識)である第2の画像処理PS2を実行する。画像処理サーバ20は、第1の手術画像信号に対する第2の画像処理PS2により、第1の手術画像信号の画像領域に含まれる3つの器具を認識する。例えば、CCU12は、器具認識である第2の画像処理PS2により図1に示す手術画像IM2に対応する第2の手術画像信号を生成する。画像処理サーバ20は、3つの器具の各々の位置(領域)を示す3つの枠FR1~FR3を含む手術画像IM2に対応する第2の手術画像信号を生成する。
【0033】
そして、画像処理サーバ20は、IPコンバータ100に第2の手術画像信号を送信する。画像処理サーバ20は、手術画像IM2に対応する第2の手術画像信号をIPコンバータ100に送信する。また、CCU12は、第3の画像処理装置であるIPコンバータ100に第1の手術画像信号を送信する。CCU12は、手術画像IM1に対応する第1の手術画像信号をIPコンバータ100に送信する。なお、画像処理サーバ20がIPコンバータ100に第2の手術画像信号を送信するタイミングと、CCU12が第1の手術画像信号をIPコンバータ100に送信するタイミングは、いずれが先であってもよいし、同時であってもよい。また、CCU12や画像処理サーバ20の送信先は、IPスイッチによって決定されてもよい。
【0034】
IPコンバータ100は、第1の手術画像信号と第2の手術画像信号とを用いて第3の画像処理PS3を行う。図1の例では、IPコンバータ100は、デジタルズームを第1の手術画像信号に対して実行する。IPコンバータ100は、手術画像IM1に対応する第1の手術画像信号に対してデジタルズームを実行することにより、手術画像IM3に対応する手術画像信号を生成する。
【0035】
そして、IPコンバータ100は、子画面重畳描画を実行する。IPコンバータ100は、手術画像IM3に対応する手術画像信号に第2の手術画像信号を重畳させる。図1の例では、IPコンバータ100は、手術画像IM3に対応する手術画像信号に手術画像IM2に対応する第2の手術画像信号を重畳させる画像処理を実行する。IPコンバータ100は、PinPに関する画像処理を実行する。これにより、IPコンバータ100は、デジタルズーム後の手術画像IM3に3つの枠FR1~FR3を含む手術画像IM2が子画面として重畳された手術画像IM31に対応する表示画像信号を生成する。IPコンバータ100は、デジタルズーム後の手術画像IM3の一部の領域に手術画像IM2が重畳された手術画像IM31に対応する表示画像信号を生成する。図1では、IPコンバータ100は、手術画像IM3の右上側の領域AR1に手術画像IM2が重畳された手術画像IM31に対応する表示画像信号を生成する。このように、IPコンバータ100は、2つの画像(映像)を組み合わせてPinP表示する表示画像信号を生成する。図1の例では、IPコンバータ100は、手術画像IM3と手術画像IM2とを組み合わせて、手術画像IM3に手術画像IM2をPinP表示する表示画像信号を生成する。
【0036】
そして、IPコンバータ100は、画像受信装置200に表示画像信号を送信する。図1の例では、IPコンバータ100は、手術画像IM31に対応する表示画像信号を画像受信装置200に送信する。そして、画像受信装置200は、手術画像IM31を画面に表示する。
【0037】
上記のように、医療イメージングシステム1は、CCU12、IPコンバータ100、サーバ(画像処理サーバ20)のそれぞれが異なる画像処理を行う。図1の例では、医療イメージングシステム1は、サーバが解析した結果に基づいてIPコンバータ100が画像処理を行うのではなく、IPコンバータ100が行う画像処理に関与しない別の画像処理をIPコンバータ100とは別のサーバ(画像処理サーバ20)が行う。このように、医療イメージングシステム1は、画像認識のようにIPコンバータ100で実行するには処理負荷が高い機能を、画像処理サーバ20により行い、映像ネットワークを介して提供できる。すなわち、医療イメージングシステム1は、計算量の大きい画像処理は画像処理サーバ20のようなサーバ側で行い、計算量の小さい画像処理はIPコンバータ側で行う。これにより、医療イメージングシステム1は、各装置に分散された画像処理の機能により表示する画像を適切に生成することができる。医療イメージングシステム1は、医療イメージング装置から出力された手術画像を解析して所望の画像処理機能を実現するために、リアルタイム性と低レイテンシを確保しつつ計算量が大きい画像処理を行えるようにすることができる。医療イメージングシステム1は、リアルタイム性や低レイテンシを確保しつつ計算量が大きい画像処理を実現することで、手技へのサポートをより行えるようにすることができる。
【0038】
また、医療イメージングシステム1は、内視鏡などの医療イメージング装置10やモニタなどの画像受信装置200のベンダーに依存しないシステムを構築することができる。また、医療イメージングシステム1では、各装置に分散された画像処理の機能により、CCU12の基本的な画像処理(現像処理)に影響を及ぼすことを抑制することができる。また、医療イメージングシステム1では、各装置に分散された画像処理の機能により、IPコンバータ100の画像伝送のリアルタイム性や低レイテンシを保つことが出来る。医療イメージングシステム1では、各装置に分散された画像処理の機能により、画像処理サーバ20の性能の増強が容易なので、ネットワーク構成や、クライアントであるIPコンバータの増減、あるいは画像処理の機能性能の変更に柔軟に対応できる。
【0039】
[1-1-1.第1~第3の画像処理等]
上述したように、第1の画像処理が現像処理であり、第2の画像処理がSLAMや物体認識であり、第3の画像処理がズーム処理や重畳処理である場合を示したが、第1~第3の画像処理は種々の処理であってもよい。例えば、第2の画像処理は、第3の画像処理よりも計算量が大きければどのような処理であってもよい。また、第2の画像処理は、処理対象となる画像の内容によって計算量が変動する画像処理であってもよい。例えば、医療イメージングシステム1は、計算量に基づいて、第2の画像処理と、第3の画像処理とを決定してもよい。
【0040】
医療イメージングシステム1は、処理時間等の種々の基準を基に、各画像処理を第2の画像処理装置及び第3の画像処理装置のうち、いずれの画像処理装置に行わせるかを決定してもよい。例えば、医療イメージングシステム1は、4K解像度の画像に対して60fps(frames per second=フレーム毎秒)以内で処理を実行可能な画像処理を第3の画像処理として、第3の画像処理装置であるIPコンバータ100に実行させてもよい。すなわち、医療イメージングシステム1は、4K解像度の画像に対して60fpsで実行可能な計算量の少ない画像処理を第3の画像処理として、IPコンバータ100に実行させてもよい。また、例えば、医療イメージングシステム1は、4K解像度の画像に対して60fps以内で処理が実行できない画像処理を第2の画像処理として、第2の画像処理装置である画像処理サーバ20に実行させてもよい。すなわち、医療イメージングシステム1は、4K解像度の画像に対して60fpsで実行が難しい計算量の多い画像処理を第2の画像処理として、画像処理サーバ20に実行させてもよい。このように、医療イメージングシステム1は、単位時間あたりに処理させるフレーム数を基準として、いずれの画像処理装置にどの画像処理を行わせるかを決定してもよい。
【0041】
なお、上記のように、基準を4K解像度の画像に対して60fpsとすることは一例であり、上記に限らず、種々の基準であってもよい。例えば、医療イメージングシステム1は、第1の画像処理を現像処理とし、第3の画像処理をズーム処理や重畳処理とし、第2の画像処理を第3の画像処理よりも計算量が多いものとして、各画像処理の分類を決定してもよい。また、例えば、医療イメージングシステム1は、現像処理を第1の画像処理に決定し、SLAMや物体認識等の認識処理や超解像処理等を含む強調処理を第2の画像処理に決定し、第2の画像処理よりも計算量が小さいズーム処理や重畳処理を含む付加処理を第3の画像処理に決定してもよい。なお、上記は一例であり、各画像処理を第1の画像処理、第2の画像処理、第3の画像処理のいずれに分類するかは、用途や目的などに応じて種々の基準に基づいて決定されてもよい。
【0042】
また、第1~第3の画像処理は、図1に示すような処理内容や処理手順に限らず、種々の処理であってもよい。例えば、画像処理サーバ20は、第2の画像処理の物体認識結果として、器具の位置を示す枠FR1~FR3のみが配置された手術画像(手術画像IM22)を生成してもよい。そして、IPコンバータ100は、画像処理サーバ20から手術画像IM22を取得し、CCU12から取得した手術画像IM1に重畳させる画像処理を行ってもよい。これにより、IPコンバータ100は、手術画像IM1に手術画像IM22が重畳された手術画像IM41を生成してもよい。また、IPコンバータ100は、手術画像IM41に対してズーム処理を行うことにより、所望の部位がズームされた手術画像IM51を生成してもよい。そして、画像受信装置200は、IPコンバータ100から取得した手術画像IM51を表示してもよい。また、IPコンバータ100は、画像処理サーバ20による第2の画像処理がSLAMである場合、SLAMに対応する画像処理を第3の画像処理として実行する。例えば、IPコンバータ100は、SLAMにより推定された位置へのズーム処理を第3の画像処理として実行してもよい。なお、上記は一例であり、医療イメージングシステム1は、上記に限らず、種々の組合せの第1~第3の画像処理を行ってもよい。
【0043】
[1-1-2.医療イメージングシステムの構成要素]
また、医療イメージングシステム1には、上記の構成要素に限らず、種々の構成要素が含まれてもよい。
【0044】
例えば、医療イメージングシステム1には、第1の画像処理装置、第2の画像処理装置及び第3の画像処理装置の少なくとも1つに、その装置を制御する制御コマンド(制御情報)を送信する他の装置を含んでもよい。この場合、例えば、クライアント端末や制御パネル等といった他の装置が、CCU12や画像処理サーバ20やIPコンバータ100に、処理の実行等を制御する制御コマンドを送信する。これにより、CCU12や画像処理サーバ20やIPコンバータ100は、他の装置から受信した制御コマンドに応じて処理が制御される。
【0045】
また、例えば、医療イメージングシステム1には、第2の画像処理装置が有する複数のアプリのうち、実行させるアプリケーションを指定するクライアント端末を含んでもよい。例えば、医療イメージングシステム1には、画像処理サーバ20が有するSLAMを行う第1アプリと物体認識を行う第2アプリとのうち、実行させるアプリを指定するクライアント端末を含んでもよい。この場合、クライアント端末は、ユーザ(利用者)により指定されたアプリを示す情報(指定情報)を画像処理サーバ20に送信し、指定情報を受信した画像処理サーバ20は、指定されたアプリを用いて第2の画像処理を実行する。
【0046】
また、第3の画像処理装置は、選択されたアプリに基づく第3の画像処理を、クライアント端末からの指示に応じて実行する。IPコンバータ100は、画像処理サーバ20が実行したアプリに対応する第3の画像処理を実行する。IPコンバータ100は、画像処理サーバ20が物体認識に関する画像処理を第2の画像処理として実行した場合、物体認識に対応する画像処理を第3の画像処理として実行する。例えば、IPコンバータ100は、画像処理サーバ20が物体認識に関する画像処理を第2の画像処理として実行した場合、その物体認識の結果を、第1の手術画像信号に重畳させるための画像処理を第3の画像処理として実行する。
【0047】
[1-2.実施形態に係る医療イメージングシステムの具体的構成の一例]
次に、図2を用いて医療イメージングシステム1の具体的構成の一例を説明する。図2は、実施形態に係る医療イメージングシステムの具体的構成例を示す図である。
【0048】
医療イメージングシステム1は、複数の医療イメージング装置10、送信側の複数のIPコンバータ30、IPスイッチ40、画像処理サーバ20、受信側の複数のIPコンバータ100、複数の画像受信装置200から構成されている。
【0049】
各医療イメージング装置10のカメラ11でそれぞれ撮像された手術画像の電気信号(手術画像信号)は、CCU12により第1の画像処理がされた後、対応するIPコンバータ30によって光信号に変換され、IPスイッチ40(光スイッチャ等)よって、画像処理サーバ20やIPコンバータ100に出力される。例えば、IPコンバータ30、100と、IPスイッチ40との間は光ファイバケーブル等により接続される。なお、IPコンバータ30は、第3の画像処理装置であるIPコンバータ100とは異なり、第3の画像処理を実行する機能を有さずに、IPコンバータとしての機能のみを有する。IPスイッチ40は、外部装置(例えば、クライアント端末)の命令に基づいて受信した信号を所定の機器に送信する機能を備える。
【0050】
画像処理サーバ20は、医療イメージング装置10のCCU12により第1の画像処理がされた第1の手術画像信号を取得し、第1の手術画像信号に対して第2の画像処理を実行する。そして、画像処理サーバ20は、第2の画像処理がされた第2の手術画像信号をIPコンバータ100へ送信する。
【0051】
IPコンバータ100は、IPスイッチ40から供給された光信号を電気信号に変換し、対応する画像受信装置200にそれぞれ供給する。IPコンバータ100は、医療イメージング装置10のCCU12により第1の画像処理がされた第1の手術画像信号と、画像処理サーバ20により第2の画像処理がされた第2の手術画像信号を取得する。そして、IPコンバータ100は、第1の手術画像信号と第2の手術画像信号との少なくとも1つに第3の画像処理を行って、第1の手術画像信号と第2の手術画像信号とに基づく変換処理により表示画像信号を生成する。そして、IPコンバータ100は、生成した表示画像信号を、対応する画像受信装置200に供給する。
【0052】
なお、図2に示す医療イメージングシステム1の具体的構成は医療イメージングシステム1の一例であって、医療イメージングシステム1は図2に示す構成に限らず、図1に示す処理が実現可能であれば種々の構成であってもよい。
【0053】
[1-3.従来例に係る医療イメージングシステムの構成]
ここで、図3を用いて、従来例に係る医療イメージングシステムの構成について説明する。図3は、従来例に係る医療イメージングシステムの構成例を示す図である。なお、図2と同様の点については同様の符号を付して適宜説明を省略する。
【0054】
従来の医療イメージングシステムである従来システム5は、複数の医療イメージング装置10、送信側の複数のIPコンバータ30、IPスイッチ40、受信側の複数のIPコンバータ500、複数の画像受信装置200から構成されている。IPコンバータ500は、IPスイッチ40から供給された光信号を電気信号に変換し、対応する画像受信装置200にそれぞれ供給する。また、IPコンバータ500は、画像処理を実行する。
【0055】
図3に示すように、従来は、第2の画像処理を行うサーバを有しない。そのため、従来システム5では、医療イメージング装置10のCCU12または受信側のIPコンバータ500が、第2の画像処理の機能を実行する必要がある。IPコンバータ500が、第2の画像処理の機能を実行する場合、IPコンバータ500は、医療イメージング装置10のCCU12により第1の画像処理がされた第1の手術画像信号を用いて、第2の画像処理及び第3の画像処理を実行して表示画像信号を生成し、生成した表示画像信号を、対応する画像受信装置200に供給する。
【0056】
[1-4.従来との比較及び効果]
上記の図1図3の説明を基に以下、本願と従来との比較や効果について説明する。
【0057】
画像イメージング装置(医療イメージング装置10)では一般に、カメラセンサ(カメラ11)からの入力データに対して、CCU12でデモザイク/ノイズ除去/各種の歪み補正/ガンマ補正などの基本的な画像処理(現像処理)を施した上で外部に映像が出力される。
【0058】
医療イメージング装置10から出力された画像はモニタなどの画像受信装置200で表示されたり、外部のストレージに保存されたりする。この際に医療イメージング装置10と画像受信装置200を直接接続するのではなく、手術室内もしくは病院内の映像ネットワークを経由して接続する方式が一般的になりつつある。これは内視鏡をはじめ超音波診断装置や生体情報モニタなど手術で利用される様々な映像を任意のモニタで表示したり切り替えたりできるためである。
【0059】
上記で特にイーサネット(登録商標)を基盤とした映像ネットワークは、物理的なスペースをはじめ様々な観点でメリットがあるため導入が進んでいる。この場合、図2に示すように、イーサネット(登録商標)の信号と医療イメージング装置10や画像受信装置200の入出力とを変換するためのコンバータ(IPコンバータ30、100)を挿入する必要がある。図2に示すように、医療イメージング装置10や画像受信装置200側の入出力は、SDI(Serial Digital Interface)やHDMI(登録商標)(High-Definition Multimedia Interface)やディスプレイポート(Display Port)といった一般的なインターフェイスであることが多い。
【0060】
上記CCU12で行う基本的な画像処理(現像処理)に加え、デジタルズームのような付加的な画像処理を提供することで診断や手術の支援を行うことができる。これらの処理をCCU12で行うことも考えられるが、CCU12内の機能が肥大化し開発及び品質管理コストの増加につながる。また同じような機能を機器ベンダーごとに提供することにより操作性が統一されず使い勝手が悪くなる。加えて、仮にCCU12内で万一不具合が発生した場合、それがデジタルズームのような付加的な機能であっても最悪の場合映像が表示されなくなる可能性が有る。そのため、例えば手術中であればその進行が止まって患者の健康や生命に影響を与えるような状況が発生しうる。よってこのような付加的な画像処理は基本的な画像処理(現像処理)に影響を及ぼさないよう、ソフトウェア(SW)上もハードウェア(HW)上も分離されていることが望ましい。
【0061】
上記を鑑みてIPコンバータ100でこのような付加的な機能を実現することが考えられる。医療イメージング装置10からIPコンバータ100に入力される画像は上記に述べたようにSDIやHDMI(登録商標)といった一般的なフォーマットであるので個別の機器やベンダーに依存しない機能を実現でき、ベンダー共通にできるので操作性も統一される。さらに万一運用中にIPコンバータ100の付加的な機能で問題が発生してもCCU12とはHW的に切り離されているので、CCU12で実行される基本的な画像処理(現像処理)に影響を与える可能性は低く、単にIPコンバータ100上で問題が発生した機能をオフにすることで問題を回避出来る。
【0062】
一方、IPコンバータ100で画像処理を行う際の課題として、IPコンバータ100は一般に小型で計算能力に限りがあるため、実現できる画像処理の性能や機能に制限があることが挙げられる。特に画像の中から特定の物体や状況を検出するような、機械学習を用いた画像認識の場合は一般に処理負荷が高くなり、また画像の内容に依存して処理負荷が変動する。同様な処理としてSLAM技術を用いた画像認識も挙げることができる。SLAMは画像から自己位置推定と環境地図生成を同時に行う技術であり、対象物の3次元形状を認識することができる。
【0063】
これらのような機能をIPコンバータ100で実現しようとすると計算機の性能が不足したり、リアルタイム性を損なう(一定時間内に処理が終了せず描画タイミングに間に合わなかったりといった問題が発生する)可能性がある。これに対してIPコンバータ100に高い性能の計算機を搭載することが考えられるが、IPコンバータ100は映像ネットワークに接続される全ての機器に必要であるためシステム全体でのコストが高くなる。その一方で画像認識のような機能は全ての装置で常に利用するわけではないので、導入した計算機リソースを有効に利用できない恐れがある。
【0064】
このような課題に対して医療イメージングシステム1では、機械学習を用いた画像認識のようにIPコンバータ100で実行するには処理負荷が高く、かつ常に全ての機器で利用されるわけではないような機能を実行するための画像処理サーバ20を導入し、IPコンバータ100で医療イメージング装置10からの画像と当該サーバで行った処理結果を重畳表示する。画像処理サーバ20は映像ネットワークに接続され、1台以上の画像イメージング装置(医療イメージング装置10)から送出された個別の画像に対して、オンデマンドで機械学習を用いた画像認識のような処理負荷が高いアプリケーションを実行する。
【0065】
これにより、図1の例では、硬性内視鏡の出力動画像が送信側のIPコンバータ30を経て手術室内の映像ネットワークに送出される。受信側のIPコンバータ100ではこの画像に対してデジタルズームが実行され、同時に画像処理サーバ20では手術に利用されている器具が機械学習による画像認識で抽出されるものとする。両者の処理結果は重畳され、受信側のIPコンバータ100を介してモニタ(画像受信装置200)に表示される。
【0066】
また、例えば、画像処理サーバ20は、手術室内もしくはその近くに配置され、スイッチ(IPスイッチ40等)を介して当該ネットワークに接続される。画像処理サーバ20ではIPコンバータ100が受信している画像と同一の、当該硬性内視鏡が送出した動画像を受信し、当該画像から手術で利用されている器具を画像認識により抽出する。画像処理サーバ20は、当該画像に対して器具を抽出した領域を矩形やテキスト描画することで認識結果を指示したものを認識結果画像として生成し、IPコンバータ100に送出する。
【0067】
一方、IPコンバータ100は、画像処理サーバ20から器具の認識結果画像を受信し、デジタルズームを施した画像に対して、子画面として認識結果画像を重畳表示する。IPコンバータ100は、デジタルズームを施した画像に対して、認識結果画像を重畳表示した結果の画像を出力画像として画像受信装置200に送出する。なお、医療イメージングシステム1は、子画面のサイズに上限を設けてもよい。これにより、医療イメージングシステム1は、IPコンバータ100での当該描画にかかる時間を一定(所定の閾値)以内に収めることができる。
【0068】
また、画像処理サーバ20での負荷すなわち計算時間は認識対象の画像の内容に依存するが、仮に結果データの更新頻度が変動してもIPコンバータ100は常に直近の認識結果画像を描画することで、この更新頻度の変動がIPコンバータ100の処理時間に影響を与えないようにする、すなわちIPコンバータ100での画像伝送のリアルタイム性や低レイテンシを保つことができる。
【0069】
なお、図1の例では、IPコンバータ100上でデジタルズームを行った後に認識結果画像を重畳する。また、画像処理サーバ20はスイッチ(IPスイッチ40)に直接接続せず、その他のネットワーク機器を介してより遠隔に画像処理サーバ20が配置されてもよい。また、画像処理サーバ20は、複数の手術室(図7参照)をカバーすることも可能である。
【0070】
ネットワークの構成やそれに接続するIPコンバータ100の数によって画像処理サーバ20が機能を提供するクライアントが増えた場合、あるいは画像処理サーバ20で実行する画像処理の機能や性能が変更され、より計算能力が必要になる場合が想定される。この場合は、画像処理サーバ20のCPUやGPUを高性能なものに換装したり追加したりすることで容易に必要な性能を得ることができる。
【0071】
[1-5.第3の画像処理装置の一例であるIPコンバータの構成]
次に、実施形態に係る画像処理を実行する第3の画像処理装置の一例であるIPコンバータの構成について説明する。図4は、実施形態に係る第3の画像処理装置であるIPコンバータの構成例を示す図である。
【0072】
図4に示すように、IPコンバータ100は、通信部110と、記憶部120と、制御部130とを有する。なお、IPコンバータ100は、IPコンバータ100の管理者等から各種操作を受け付ける入力部(例えば、キーボードやマウス等)や、各種情報を表示するための表示部(例えば、液晶ディスプレイ等)を有してもよい。
【0073】
通信部110は、例えば、NIC等によって実現される。そして、通信部110は、ネットワークNと有線または無線で接続され、医療イメージング装置10や画像処理サーバ20や画像受信装置200等の他の情報処理装置(コンピュータ)との間で情報の送受信を行う。また、通信部110は、クライアント端末(図示省略)との間で情報の送受信を行ってもよい。
【0074】
記憶部120は、例えば、RAM、フラッシュメモリ等の半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現される。実施形態に係る記憶部120は、各種の情報を記憶する。記憶部120は、画像処理を行うための各種情報を記憶する。例えば、記憶部120は、第3の画像処理の具体的な処理内容や、第3の画像処理を実行するためのプログラム(第3の画像処理プログラム)を記憶する。例えば、記憶部120は、第2の画像処理装置である画像処理サーバ20の応答を待つ時間の閾値を示す情報を記憶してもよい。
【0075】
図4に戻り、説明を続ける。制御部130は、例えば、CPUやMPU等によって、IPコンバータ100内部に記憶されたプログラム(例えば、本開示に係る第3の画像処理プログラム等の画像処理プログラム等)がRAM等を作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部130は、例えば、ASICやFPGA等の集積回路により実現される。
【0076】
図4に示すように、制御部130は、取得部131と、決定部132と、生成部133と、送信部134とを有し、以下に説明する画像処理の機能や作用を実現または実行する。なお、制御部130の内部構成は、図4に示した構成に限られず、後述する画像処理を行う構成であれば他の構成であってもよい。また、制御部130が有する各処理部の接続関係は、図4に示した接続関係に限られず、他の接続関係であってもよい。
【0077】
取得部131は、各種情報を取得する。取得部131は、外部の情報処理装置から各種情報を取得する。取得部131は、医療イメージング装置10や画像処理サーバ20や画像受信装置200から各種情報を取得する。取得部131は、記憶部120から各種情報を取得する。
【0078】
取得部131は、決定部132が決定した各種情報を取得する。取得部131は、生成部133が生成した各種情報を取得する。
【0079】
取得部131は、CCU12により第1の画像処理をされた手術画像信号である第1の手術画像信号を取得する。取得部131は、画像処理サーバ20により第1の手術画像信号に対して第2の画像処理をされた手術画像信号である第2の手術画像信号を取得する。
【0080】
図1の例では、取得部131は、医療イメージング装置10のCCU12により第1の画像処理をされた第1の手術画像信号と、画像処理サーバ20により第2の画像処理をされた第2の手術画像信号を取得する。取得部131は、手術画像IM1に対応する第1の手術画像信号と、手術画像IM2に対応する第2の手術画像信号を取得する。
【0081】
決定部132は、各種情報を決定する。決定部132は、各種情報を判定する。決定部132は、外部の情報処理装置からの情報に基づいて、各種情報を決定する。決定部132は、医療イメージング装置10や画像処理サーバ20や画像受信装置200等の他の情報処理装置からの情報に基づいて、各種情報を決定する。決定部132は、取得部131により取得された情報に基づいて、各種情報を決定する。
【0082】
決定部132は、画像処理サーバ20が応答しない場合、第1の手術画像信号を表示画像信号とすると決定する。決定部132は、第1の手術画像信号が取得部131により取得されてから所定の閾値以上の時間が経過した場合、画像処理サーバ20が応答しないとして、第1の手術画像信号を表示画像信号とすると決定する。
【0083】
生成部133は、各種情報を生成する。生成部133は、各種の画像処理などの情報処理を実行する。生成部133は、各種の画像処理を行う。例えば、生成部133は、外部の情報処理装置からの情報や記憶部120に記憶された情報に基づいて、各種情報処理を実行する。生成部133は、医療イメージング装置10や画像処理サーバ20や画像受信装置200等の他の情報処理装置からの情報に基づいて、各種情報処理を実行する。
【0084】
生成部133は、取得部131により取得された各種情報に基づいて、各種情報処理を実行する。生成部133は、決定部132により決定された各種情報に基づいて、各種情報処理を実行する。生成部133は、決定部132により判定された各種情報に基づいて、各種情報処理を実行する。生成部133は、決定部132による判定結果に基づいて、各種情報処理を実行する。
【0085】
生成部133は、画像に関する解析処理を行う。生成部133は、画像処理に関する各種処理を行う。生成部133は、取得部131により取得された画像情報(画像)に対して処理を行う。生成部133は、画像処理に関する技術を適宜用いて、画像に対する処理を行う。
【0086】
生成部133は、第1の手術画像信号と第2の手術画像信号との少なくとも1つに第3の画像処理を行って、第1の手術画像信号と第2の手術画像信号とに基づく変換処理により表示画像信号を生成する。
【0087】
生成部133は、画像処理サーバ20による第2の画像処理の結果に基づいて、第3の画像処理を行う。生成部133は、第1の手術画像信号に第2の手術画像信号を重畳した第3の手術画像信号に対して第3の画像処理を行う。生成部133は、選択されたアプリケーションに基づく第3の画像処理を、クライアント端末からの指示に応じて実行する。生成部133は、第2の画像処理の種類に基づいて第3の画像処理の内容を変更する。生成部133は、選択されたアプリケーションの第2の画像処理に対応する第3の画像処理を実行する。
【0088】
生成部133は、ズーム、手振れ補正、回転補正、またはPinPの少なくともいずれか1つを含む第3の画像処理を行う。例えば、生成部133は、4K解像度の画像に対して60fps以内で処理を実行可能な画像処理を第3の画像処理として実行する。例えば、生成部133は、4K解像度の画像に対して60fps以内で処理を実行可能なズーム、手振れ補正、回転補正、またはPinP等の処理を第3の画像処理として実行する。
【0089】
なお、生成部133は、所望の画像処理を実行可能であれば、どのような技術を用いて画像処理を実行してもよく、種々の画像処理の技術を適宜用いて、画像処理を実行する。生成部133は、種々の情報を適宜用いて画像処理を実行してもよい。生成部133は、例えば医療イメージング装置10から取得されたRAWデータ等の画像信号に対して各種の画像処理を施す。当該画像処理としては、例えば現像処理、高画質化処理(帯域強調処理、超解像処理、NR(Noise reduction)処理及び/又は手振れ補正処理等)、並びに/又は拡大処理(電子ズーム処理)等、各種の公知の信号処理が含まれる。また、生成部133は、AE、AF及びAWBを行うための、画像信号に対する検波処理を行う。
【0090】
図1の例では、生成部133は、デジタルズームを第1の手術画像信号に対して実行する。生成部133は、手術画像IM1に対応する第1の手術画像信号に対してデジタルズームを実行することにより、手術画像IM3に対応する手術画像信号を生成する。生成部133は、子画面重畳描画を実行する。生成部133は、手術画像IM3に対応する手術画像信号に第2の手術画像信号を重畳させる。生成部133は、手術画像IM3に対応する手術画像信号に手術画像IM2に対応する第2の手術画像信号を重畳させる画像処理を実行する。生成部133は、デジタルズーム後の手術画像IM3に3つの枠FR1~FR3を含む手術画像IM2が子画面として重畳された手術画像IM31に対応する表示画像信号を生成する。
【0091】
送信部134は、外部の情報処理装置へ各種情報を提供する。送信部134は、外部の情報処理装置へ各種情報を送信する。例えば、送信部134は、医療イメージング装置10や画像処理サーバ20や画像受信装置200等の他の情報処理装置へ各種情報を送信する。送信部134は、記憶部120に記憶された情報を提供する。送信部134は、記憶部120に記憶された情報を送信する。
【0092】
送信部134は、医療イメージング装置10や画像処理サーバ20や画像受信装置200等の他の情報処理装置からの情報に基づいて、各種情報を提供する。送信部134は、記憶部120に記憶された情報に基づいて、各種情報を提供する。
【0093】
図1の例では、送信部134は、生成部133により生成された画像IM31を画像受信装置200へ送信する。送信部134は、画像処理サーバ20が応答しない場合、第1の手術画像信号を表示画像信号として画像受信装置200へ送信する。送信部134は、決定部132により第1の手術画像信号を表示画像信号とすると決定された場合、第1の手術画像信号を画像受信装置200へ送信する。
【0094】
[1-6.第3の画像処理装置に係る処理の手順]
次に、図5を用いて、第3の画像処理装置であるIPコンバータによる処理の手順について説明する。図5は、実施形態に係る第3の画像処理装置であるIPコンバータによる処理の手順を示すフローチャートである。
【0095】
図5に示すように、IPコンバータ100は、第1の画像処理装置により第1の画像処理をされた第1の手術画像信号を取得する(ステップS101)。例えば、IPコンバータ100は、医療イメージング装置10から第1の手術画像信号を取得する。
【0096】
IPコンバータ100は、第2の画像処理装置により第2の画像処理をされた第2の手術画像信号を取得する(ステップS102)。例えば、IPコンバータ100は、画像処理サーバ20から第2の手術画像信号を取得する。
【0097】
IPコンバータ100は、第1の手術画像信号と第2の手術画像信号との少なくとも1つに第3の画像処理を行って、第1の手術画像信号と第2の手術画像信号とに基づく変換処理により表示画像信号を生成する(ステップS103)。例えば、IPコンバータ100は、第1の手術画像信号に第2の手術画像信号を重畳させる第3の画像処理を行うことにより、表示画像信号を生成する。
【0098】
[1-7.医療イメージングシステムに係る処理の手順]
次に、図6を用いて、全体の処理フローについて説明する。図6は、実施形態に係る医療イメージングシステムの処理手順を示すシーケンス図である。
【0099】
まず、医療イメージング装置10のカメラ11は、撮像を行う(ステップS201)。そして、カメラ11は、第1の画像処理装置であるCCU12に撮像した手術画像信号を送信する(ステップS202)。これにより、CCU12は、手術画像信号を取得する。
【0100】
CCU12は、手術画像信号に対して第1の画像処理を実行する(ステップS203)。これにより、CCU12は、手術画像信号に対して第1の画像処理をされた第1の手術画像信号を生成する。
【0101】
そして、CCU12は、第2の画像処理装置である画像処理サーバ20に第1の手術画像信号を送信する(ステップS204)。これにより、画像処理サーバ20は、第1の手術画像信号を取得する。
【0102】
また、CCU12は、第3の画像処理装置であるIPコンバータ100に第1の手術画像信号を送信する(ステップS205)。これにより、IPコンバータ100は、第1の手術画像信号を取得する。なお、ステップS205は、ステップS204と同時に行われてもよいし、ステップS204よりも先に行われてもよい。
【0103】
画像処理サーバ20は、第1の手術画像信号に対して第2の画像処理を実行する(ステップS206)。これにより、画像処理サーバ20は、第1の手術画像信号に対して第2の画像処理をされた第2の手術画像信号を生成する。
【0104】
そして、画像処理サーバ20は、IPコンバータ100に第2の手術画像信号を送信する(ステップS207)。これにより、IPコンバータ100は、第2の手術画像信号を取得する。
【0105】
そして、IPコンバータ100は、第1の手術画像信号と第2の手術画像信号とを用いて第3の画像処理を行う(ステップS208)。IPコンバータ100は、第1の手術画像信号と第2の手術画像信号との少なくとも1つに第3の画像処理を行って、表示画像信号を生成する。
【0106】
そして、IPコンバータ100は、画像受信装置200に表示画像信号を送信する(ステップS209)。これにより、画像受信装置200は、表示画像信号を取得する。そして、画像受信装置200は、表示画像信号を表示する(ステップS210)。
【0107】
[1-8.医療イメージングシステムの各構成要素の配置例]
図7に示す医療イメージングシステム1について説明する。図7は、医療イメージングシステムの各構成要素の配置の一例を示す図である。
【0108】
図7に示すように、医療イメージングシステム1は、複数の手術室OR1、OR2等の各々にCCU12やIPコンバータ100が配置される構成であってもよい。そして、医療イメージングシステム1は、各手術室OR1、OR2に配置されたIPコンバータ100等と通信する1つの画像処理サーバ20を備えた構成であってもよい。画像処理サーバ20は、複数の手術室OR1、OR2等の各々に配置されたCCU12やIPコンバータ100の各々との間で情報を送受信する。
【0109】
手術室OR1に配置されたIPコンバータ100は、画像処理サーバ20や手術室OR1に配置されたCCU12との間で情報を送受信する。例えば、手術室OR1に配置されたIPコンバータ100は、手術室OR1に配置されたCCU12から第1の手術画像信号を取得する。また、例えば、手術室OR1に配置されたIPコンバータ100は、手術室OR1に配置されたCCU12の第1の手術画像信号に対して第2の画像処理を行われた第2の手術画像信号を画像処理サーバ20から取得する。
【0110】
このように、医療イメージングシステム1は、1つの画像処理サーバ20と、複数の手術室OR1、OR2等の各々に配置された複数のIPコンバータ100を含むシステム構成であってもよい。医療イメージングシステム1は、第2の画像処理装置を1つ備え、第1の画像処理装置や第3の画像処理装置を複数備え、各手術室に第1の画像処理装置や第3の画像処理装置を配置した構成であってもよい。
【0111】
[2.その他の実施形態]
上述した各実施形態に係る処理は、上記各実施形態以外にも種々の異なる形態(変形例)にて実施されてよい。医療イメージングシステムは、上述した例に限らず、種々の態様であってもよい。この点について以下説明する。なお、以下では、実施形態に係るIPコンバータ100と同様の点については、適宜説明を省略する。
【0112】
[2-1.変形例]
上述した例では、撮像装置であるカメラ11と第1の画像処理装置であるCCU12が別体である場合を示したが、カメラとCCUは一体であってもよい。
【0113】
[2-2.その他]
また、上記各実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。例えば、各図に示した各種情報は、図示した情報に限られない。
【0114】
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。
【0115】
また、上述してきた各実施形態及び変形例は、処理内容を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることが可能である。
【0116】
また、本明細書に記載された効果はあくまで例示であって限定されるものでは無く、他の効果があってもよい。
【0117】
[3.本開示に係る効果]
上述のように、本開示に係る医療イメージングシステム(実施形態では医療イメージングシステム1)は、撮像装置(実施形態ではカメラ11)にと、撮像装置で撮像された手術画像信号に対して第1の画像処理を行う第1の画像処理装置(実施形態ではCCU12)により、第1の画像処理をされた手術画像信号である第1の手術画像信号を取得し、第1の手術画像信号に対して第2の画像処理を行う第2の画像処理装置(実施形態では画像処理サーバ20)と、第1の手術画像信号と、第2の画像処理をされた手術画像信号である第2の手術画像信号とを取得し、第1の手術画像信号と第2の手術画像信号との少なくとも1つに第3の画像処理を行って、第1の手術画像信号と第2の手術画像信号とに基づく変換処理により表示画像信号を生成する第3の画像処理装置(実施形態ではIPコンバータ100)と、を備え、第1の画像処理、第2の画像処理、及び第3の画像処理は、それぞれ異なる画像処理である。
【0118】
これにより、本開示に係る医療イメージングシステムは、第1の画像処理装置で第1の画像処理を行い、第2の画像処理装置で第2の画像処理を行い、その処理結果である第1の手術画像信号と第2の手術画像信号との少なくとも1つに第3の画像処理装置が第3の画像処理を行って、表示画像信号を生成する。このように、医療イメージングシステムは、3つの画像処理装置の各々にそれぞれ異なる画像処理を分散させて実行させる。したがって、医療イメージングシステムは、各装置に分散された画像処理の機能により表示する画像を適切に生成することができる。
【0119】
また、第2の画像処理は、第3の画像処理よりも計算量が大きい。これにより、医療イメージングシステムは、計算量の多い画像処理を第3の画像処理装置とは異なる第2の画像処理装置に行わせることにより、表示画像信号を生成する第3の画像処理装置の処理負荷の増大を抑制することができる。したがって、医療イメージングシステムは、各装置に分散された画像処理の機能により表示する画像を適切に生成することができる。
【0120】
また、第2の画像処理は、処理対象となる画像の内容によって計算量が変動する画像処理である。これにより、医療イメージングシステムは、処理対象となる画像の内容によって計算量が変動する画像処理である第2の画像処理を第3の画像処理装置とは異なる第2の画像処理装置に行わせることにより、表示画像信号を生成する第3の画像処理装置の処理負荷の変動を抑制することができる。したがって、医療イメージングシステムは、各装置に分散された画像処理の機能により表示する画像を適切に生成することができる。
【0121】
また、第1の画像処理装置は、CCU(Camera Control Unit)であり、第3の画像処理装置は、IP(Internet Protocol)コンバータであり、第1の画像処理装置と、第3の画像処理装置とは、手術室内に配置される。これにより、手術室内に配置されるCCUやIPコンバータ以外の第2の画像処理装置に第2の画像処理を実行させることで、手術室内に配置される装置の処理負荷の増大を抑制することができる。したがって、医療イメージングシステムは、各装置に分散された画像処理の機能により表示する画像を適切に生成することができる。
【0122】
また、第2の画像処理装置は、手術室外に配置されるサーバ装置であり、第2の画像処理装置は、各々が異なる手術室内に配置される複数のIPコンバータに接続されている。これにより、手術室外に配置されるサーバ装置に第2画像処理を実行させることで、手術室内に配置される装置の処理負荷の増大を抑制することができる。したがって、医療イメージングシステムは、各装置に分散された画像処理の機能により表示する画像を適切に生成することができる。
【0123】
また、第3の画像処理装置は、第2の画像処理装置による第2の画像処理の結果に基づいて、第3の画像処理を行う。これにより、医療イメージングシステムは、第2の画像処理の結果に基づいて、第3の画像処理を行うことで、第2の画像処理に応じて適切な処理内容の第3の画像処理を実行し、表示画像信号を生成することができる。したがって、医療イメージングシステムは、各装置に分散された画像処理の機能により表示する画像を適切に生成することができる。
【0124】
また、第3の画像処理装置は、第1の手術画像信号に第2の手術画像信号を重畳した第3の手術画像信号に対して第3の画像処理を行う。これにより、医療イメージングシステムは、第1の手術画像信号に第2の手術画像信号を重畳した第3の手術画像信号に対して第3の画像処理を行うことで、表示画像信号を適切に生成することができる。したがって、医療イメージングシステムは、各装置に分散された画像処理の機能により表示する画像を適切に生成することができる。
【0125】
また、第2の画像処理は、SLAM(Simultaneous Localization and Mapping)または機械学習による物体認識のいずれかである。これにより、医療イメージングシステムは、SLAMや機械学習による物体認識のような計算量が大きい画像処理を第3の画像処理装置とは異なる第2の画像処理装置に行わせることにより、表示画像信号を生成する第3の画像処理装置の処理負荷の増大を抑制することができる。したがって、医療イメージングシステムは、各装置に分散された画像処理の機能により表示する画像を適切に生成することができる。
【0126】
また、第1の画像処理装置、第2の画像処理装置及び第3の画像処理装置の少なくとも1つは、他の装置から取得した制御コマンドに基づいて処理を実行する。これにより、医療イメージングシステムは、各画像処理装置を適切に制御することができる。したがって、医療イメージングシステムは、各装置に分散された画像処理の機能により表示する画像を適切に生成することができる。
【0127】
また、第2の画像処理装置は、複数のアプリケーションを有し、複数のアプリケーションから使用するアプリケーションが、クライアント端末からの指定により選択される。これにより、医療イメージングシステムは、クライアント端末からの指定に応じて第2の画像処理装置に処理を実行させることができる。したがって、医療イメージングシステムは、各装置に分散された画像処理の機能により表示する画像を適切に生成することができる。
【0128】
また、第3の画像処理装置は、選択されたアプリケーションに基づく第3の画像処理を、クライアント端末からの指示に応じて実行する。これにより、医療イメージングシステムは、クライアント端末からの指定に応じて第3の画像処理装置に処理を実行させることができる。したがって、医療イメージングシステムは、各装置に分散された画像処理の機能により表示する画像を適切に生成することができる。
【0129】
また、第3の画像処理装置は、第2の画像処理の種類に基づいて第3の画像処理の内容を変更する。これにより、医療イメージングシステムは、第2の画像処理の種類に基づいて第3の画像処理の内容を変更することで、第3の画像処理装置に適切に処理を実行させることができる。したがって、医療イメージングシステムは、各装置に分散された画像処理の機能により表示する画像を適切に生成することができる。
【0130】
また、第3の画像処理装置は、第2の画像処理装置が応答しない場合、第1の手術画像信号を表示画像信号とする。これにより、医療イメージングシステムは、第2の画像処理装置が正常に動作しない場合であっても、表示画像信号が生成されないことを抑制することができる。したがって、医療イメージングシステムは、各装置に分散された画像処理の機能により表示する画像を適切に生成することができる。
【0131】
本開示に係る画像処理装置(実施形態ではIPコンバータ100)は、撮像装置と、撮像装置で撮像された手術画像信号に対して第1の画像処理を行う第1の画像処理装置と、を備える医療イメージング装置から、第1の画像処理をされた手術画像信号である第1の手術画像信号と、第2の画像処理装置により第1の手術画像信号に対して第2の画像処理をされた手術画像信号である第2の手術画像信号とを取得する取得部(実施形態では取得部131)と、第1の手術画像信号と第2の手術画像信号との少なくとも1つに第3の画像処理を行って、第1の手術画像信号と第2の手術画像信号とに基づく変換処理により表示画像信号を生成する生成部(実施形態では生成部133)と、を備え、第1の画像処理、第2の画像処理、及び第3の画像処理は、それぞれ異なる画像処理である。
【0132】
これにより、本開示に係る画像処理装置は、第1の画像処理装置で第1の画像処理を行われた第1の手術画像信号と、第2の画像処理装置で第2の画像処理を行われた第2の手術画像信号との少なくとも1つに第3の画像処理を行って、表示画像信号を生成する。このように、画像処理装置は、他の画像処理装置で分散して実行された画像処理とは異なる画像処理を実行し、表示画像信号を生成する。したがって、画像処理装置は、各装置に分散された画像処理の機能により表示する画像を適切に生成することができる。
【0133】
[4.ハードウェア構成]
上述してきた各実施形態や変形例に係る第1の画像処理装置であるCCU12や第2の画像処理装置である画像処理サーバ20や第3の画像処理装置であるIPコンバータ100等の画像処理装置は、例えば図8に示すような構成のコンピュータ1000によって実現される。図8は、CCU12、画像処理サーバ20、IPコンバータ100等の画像処理装置(コンピュータ)の機能を実現するコンピュータ1000の一例を示すハードウェア構成図である。以下、実施形態に係るIPコンバータ100を例に挙げて説明する。コンピュータ1000は、CPU1100、RAM1200、ROM(Read Only Memory)1300、HDD(Hard Disk Drive)1400、通信インターフェイス1500、及び入出力インターフェイス1600を有する。コンピュータ1000の各部は、バス1050によって接続される。
【0134】
CPU1100は、ROM1300又はHDD1400に格納されたプログラムに基づいて動作し、各部の制御を行う。例えば、CPU1100は、ROM1300又はHDD1400に格納されたプログラムをRAM1200に展開し、各種プログラムに対応した処理を実行する。
【0135】
ROM1300は、コンピュータ1000の起動時にCPU1100によって実行されるBIOS(Basic Input Output System)等のブートプログラムや、コンピュータ1000のハードウェアに依存するプログラム等を格納する。
【0136】
HDD1400は、CPU1100によって実行されるプログラム、及び、かかるプログラムによって使用されるデータ等を非一時的に記録する、コンピュータが読み取り可能な記録媒体である。具体的には、HDD1400は、プログラムデータ1450の一例である本開示に係る画像処理プログラム(第3の画像処理プログラム等の画像処理プログラム等)を記録する記録媒体である。
【0137】
通信インターフェイス1500は、コンピュータ1000が外部ネットワーク1550(例えばインターネット)と接続するためのインターフェイスである。例えば、CPU1100は、通信インターフェイス1500を介して、他の機器からデータを受信したり、CPU1100が生成したデータを他の機器へ送信したりする。
【0138】
入出力インターフェイス1600は、入出力デバイス1650とコンピュータ1000とを接続するためのインターフェイスである。例えば、CPU1100は、入出力インターフェイス1600を介して、キーボードやマウス等の入力デバイスからデータを受信する。また、CPU1100は、入出力インターフェイス1600を介して、ディスプレイやスピーカーやプリンタ等の出力デバイスにデータを送信する。また、入出力インターフェイス1600は、所定の記録媒体(メディア)に記録されたプログラム等を読み取るメディアインターフェイスとして機能してもよい。メディアとは、例えばDVD(Digital Versatile Disc)、PD(Phase change rewritable Disk)等の光学記録媒体、MO(Magneto-Optical disk)等の光磁気記録媒体、テープ媒体、磁気記録媒体、または半導体メモリ等である。例えば、コンピュータ1000が実施形態に係るIPコンバータ100として機能する場合、コンピュータ1000のCPU1100は、RAM1200上にロードされた画像処理プログラムを実行することにより、制御部130等の機能を実現する。また、HDD1400には、本開示に係る画像処理プログラムや、記憶部120内のデータが格納される。なお、CPU1100は、プログラムデータ1450をHDD1400から読み取って実行するが、他の例として、外部ネットワーク1550を介して、他の装置からこれらのプログラムを取得してもよい。
【0139】
なお、本技術は以下のような構成も取ることができる。
(1)
医療イメージングシステムであって、
撮像装置と、前記撮像装置で撮像された手術画像信号に対して第1の画像処理を行う第1の画像処理装置と、を備える医療イメージング装置から、前記第1の画像処理をされた手術画像信号である第1の手術画像信号を取得し、前記第1の手術画像信号に対して第2の画像処理を行う第2の画像処理装置と、
前記第1の手術画像信号と、前記第2の画像処理をされた手術画像信号である第2の手術画像信号とを取得し、前記第1の手術画像信号と前記第2の手術画像信号との少なくとも1つに第3の画像処理を行って、前記第1の手術画像信号と前記第2の手術画像信号とに基づく変換処理により表示画像信号を生成する第3の画像処理装置と、
を備え、
前記第1の画像処理、前記第2の画像処理、及び前記第3の画像処理は、それぞれ異なる画像処理である医療イメージングシステム。
(2)
前記第2の画像処理は、前記第3の画像処理よりも計算量が大きい
前記(1)に記載の医療イメージングシステム。
(3)
前記第2の画像処理は、処理対象となる画像の内容によって計算量が変動する画像処理である
前記(1)または(2)に記載の医療イメージングシステム。
(4)
前記第1の画像処理装置は、CCU(Camera Control Unit)であり、
前記第3の画像処理装置は、IP(Internet Protocol)コンバータであり、
前記第1の画像処理装置と、前記第3の画像処理装置とは、手術室内に配置される
前記(1)~(3)のいずれか1項に記載の医療イメージングシステム。
(5)
前記第2の画像処理装置は、手術室外に配置されるサーバ装置であり、
前記第2の画像処理装置は、各々が異なる手術室内に配置される複数のIPコンバータに接続されている
前記(4)に記載の医療イメージングシステム。
(6)
前記第3の画像処理装置は、前記第2の画像処理装置による前記第2の画像処理の結果に基づいて、第3の画像処理を行う
前記(1)~(5)のいずれか1項に記載の医療イメージングシステム。
(7)
前記第3の画像処理装置は、前記第1の手術画像信号に前記第2の手術画像信号を重畳した第3の手術画像信号に対して前記第3の画像処理を行う
前記(1)~(5)のいずれか1項に記載の医療イメージングシステム。
(8)
前記第2の画像処理は、SLAM(Simultaneous Localization and Mapping)または機械学習による物体認識のいずれかである
前記(1)~(6)のいずれか1項に記載の医療イメージングシステム。
(9)
前記第1の画像処理装置、前記第2の画像処理装置及び前記第3の画像処理装置の少なくとも1つは、他の装置から取得した制御コマンドに基づいて処理を実行する
前記(1)~(8)のいずれか1項に記載の医療イメージングシステム。
(10)
前記第2の画像処理装置は、複数のアプリケーションを有し、
前記複数のアプリケーションから使用するアプリケーションが、クライアント端末からの指定により選択される
前記(1)~(9)のいずれか1項に記載の医療イメージングシステム。
(11)
前記第3の画像処理装置は、選択された前記アプリケーションに基づく前記第3の画像処理を、前記クライアント端末からの指示に応じて実行する
前記(10)に記載の医療イメージングシステム。
(12)
前記第3の画像処理装置は、前記第2の画像処理の種類に基づいて前記第3の画像処理の内容を変更する
前記(1)~(11)のいずれか1項に記載の医療イメージングシステム。
(13)
前記第3の画像処理装置は、前記第2の画像処理装置が応答しない場合、前記第1の手術画像信号を前記表示画像信号とする
前記(1)~(12)のいずれか1項に記載の医療イメージングシステム。
(14)
医療イメージング方法であって、
第2の画像処理装置が、
撮像装置と、前記撮像装置で撮像された手術画像信号に対して第1の画像処理を行う第1の画像処理装置と、を備える医療イメージング装置から、前記第1の画像処理をされた手術画像信号である第1の手術画像信号を取得し、前記第1の手術画像信号に対して第2の画像処理を行い、
第3の画像処理装置が、
前記第1の手術画像信号と、前記第2の画像処理をされた手術画像信号である第2の手術画像信号とを取得し、前記第1の手術画像信号と前記第2の手術画像信号との少なくとも1つに第3の画像処理を行って、前記第1の手術画像信号と前記第2の手術画像信号とに基づく変換処理により表示画像信号を生成し、
前記第1の画像処理、前記第2の画像処理、及び前記第3の画像処理は、それぞれ異なる画像処理である
医療イメージング方法。
(15)
画像処理装置であって、
撮像装置と、前記撮像装置で撮像された手術画像信号に対して第1の画像処理を行う第1の画像処理装置と、を備える医療イメージング装置から、前記第1の画像処理をされた手術画像信号である第1の手術画像信号と、第2の画像処理装置により前記第1の手術画像信号に対して第2の画像処理をされた手術画像信号である第2の手術画像信号とを取得する取得部と、
前記第1の手術画像信号と前記第2の手術画像信号との少なくとも1つに第3の画像処理を行って、前記第1の手術画像信号と前記第2の手術画像信号とに基づく変換処理により表示画像信号を生成する生成部と、
を備え、
前記第1の画像処理、前記第2の画像処理、及び前記第3の画像処理は、それぞれ異なる画像処理である
画像処理装置。
【符号の説明】
【0140】
1 医療イメージングシステム
10 医療イメージング装置
11 カメラ
12 CCU(第1の画像処理装置)
20 画像処理サーバ(第2の画像処理装置)
100 IPコンバータ(第3の画像処理装置)
110 通信部
120 記憶部
130 制御部
131 取得部
132 決定部
133 生成部
134 送信部
200 画像受信装置(モニター)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8