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特許7521580試験項目管理システム表示装置、管理システム、制御方法、およびプログラム
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  • 特許-試験項目管理システム表示装置、管理システム、制御方法、およびプログラム 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-16
(45)【発行日】2024-07-24
(54)【発明の名称】試験項目管理システム表示装置、管理システム、制御方法、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/04845 20220101AFI20240717BHJP
   G01N 35/00 20060101ALI20240717BHJP
   G01N 35/02 20060101ALI20240717BHJP
【FI】
G06F3/04845
G01N35/00 A
G01N35/00 E
G01N35/02 C
【請求項の数】 16
(21)【出願番号】P 2022532326
(86)(22)【出願日】2021-04-07
(86)【国際出願番号】 JP2021014769
(87)【国際公開番号】W WO2021261050
(87)【国際公開日】2021-12-30
【審査請求日】2022-12-22
(31)【優先権主張番号】P 2020109409
(32)【優先日】2020-06-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000001993
【氏名又は名称】株式会社島津製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】長谷 有悟
【審査官】▲高▼瀬 健太郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-151707(JP,A)
【文献】特開2001-325296(JP,A)
【文献】特開2000-076303(JP,A)
【文献】「タチオン点眼用2%」,医薬品インタビューフォーム,長生堂製薬株式会社,2019年
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/04845
G01N 35/00
G01N 35/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のサンプルの各々に対する将来的に行われる試験の試験項目を管理する試験項目管理システム表示装置であって、
表示部と、
前記複数のサンプルの各々に前記試験項目を設定する試験項目設定部と、
前記表示部を制御する制御部とを備え、
前記制御部は、前記複数のサンプルの各々に対応する画像を、該サンプルの前記試験項目の設定内容に応じた態様で前記表示部に表示する、試験項目管理システム表示装置。
【請求項2】
前記複数のサンプルの各々は同一対象物を異なる保存条件または保存期間で保存したものである、請求項1に記載の試験項目管理システム表示装置。
【請求項3】
前記制御部は、
ユーザにより画像が選択された状態では、該画像に対応するサンプルに設定された試験項目を表示し、
ユーザにより画像が選択されていない状態では、該画像に対応するサンプルに設定された試験項目を表示しない、請求項1または請求項2に記載の試験項目管理システム表示装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記試験項目の設定内容に応じた色で前記画像を前記表示部に表示する、請求項1~請求項3のいずれか1項に記載の試験項目管理システム表示装置。
【請求項5】
前記制御部は、前記試験項目の設定内容が同一である2以上のサンプルの各々に対応する画像を、同一の態様で前記表示部に表示する、請求項1~請求項4のいずれか1項に記載の試験項目管理システム表示装置。
【請求項6】
前記複数のサンプルは、第1サンプルと第2サンプルとを含み、
前記第1サンプルに複数の試験項目が設定され、
前記第2サンプルに複数の試験項目が設定され、
前記制御部は、前記第1サンプルに設定された複数の試験項目の組合せと前記第2サンプルに設定された複数の試験項目の組合わせとが同一の場合に、前記第1サンプルに対応する画像と前記第2サンプルに対応する画像を同一の態様で表示する、請求項1~請求項4のいずれか1項に記載の試験項目管理システム表示装置。
【請求項7】
前記制御部は、前記試験項目の設定内容が異なる2以上のサンプルの各々に対応する画像を、異なる態様で前記表示部に表示する、請求項1~請求項6のいずれか1項に記載の試験項目管理システム表示装置。
【請求項8】
前記制御部は、前記試験項目が設定されたサンプルに対応する画像および前記試験項目が設定されていないサンプルに対応する画像を、異なる態様で前記表示部に表示する、請求項1~請求項7のいずれか1項に記載の試験項目管理システム表示装置。
【請求項9】
前記制御部は、ユーザにより前記画像に対する選択がされた場合に、該画像に対応する
サンプルに対して設定されている前記試験項目を前記表示部に表示する、請求項1~請求項8のいずれか1項に記載の試験項目管理システム表示装置。
【請求項10】
前記制御部は、前記画像に関連付けて、該画像に対応するサンプルに関するサンプル情報を前記表示部に表示し、
前記サンプル情報は、前記画像に対応する総数と、試験が行われるサンプルの数とを含む、請求項1~請求項9のいずれか1項に記載の試験項目管理システム表示装置。
【請求項11】
前記制御部は、
ユーザにより前記画像に対する選択がされ、かつ該画像に対応するサンプルに対して試験項目が設定された場合、該設定された試験項目と同一の試験項目が設定されたサンプルが存在するか否かを判断し、
前記設定された試験項目と同一の試験項目が設定されたサンプルが存在すると判断した場合、ユーザに選択された前記画像を、該同一の試験項目が設定されたサンプルに対応する画像と同一の態様で表示し、
前記設定された試験項目と同一の試験項目が設定されたサンプルが存在しないと判断した場合、ユーザに選択された前記画像の表示の態様を、表示されている前記画像の表示の態様とは異なる態様となるように決定し、ユーザに選択された前記画像を、該決定された態様で表示する、請求項1~請求項10のいずれか1項に記載の試験項目管理システム表示装置。
【請求項12】
前記制御部は、前記複数のサンプルの各々に対応する画像を複数のセルとしてマトリクス形式で表示する、請求項1~請求項11のいずれか1項に記載の試験項目管理システム表示装置。
【請求項13】
前記複数のサンプルの各々には、該サンプルの保存条件および該サンプルの保存期間が定められており、
前記マトリクス形式の第1方向には前記保存条件が示され、前記マトリクス形式の前記第1方向と直交する第2方向には前記保存期間が示される、請求項12に記載の試験項目管理システム表示装置。
【請求項14】
請求項1~請求項13のいずれか1項に記載の試験項目管理システム表示装置と、
前記試験項目管理システム表示装置に対してユーザにより設定された前記試験項目を記憶するサーバ装置とを備える、管理システム。
【請求項15】
複数のサンプルの各々に対する将来的に行われる試験の試験項目を管理する試験項目管理システム表示装置を制御する制御方法であって、
前記複数のサンプルの各々に前記試験項目を設定するステップと、
前記複数のサンプルの各々に対応する画像に対するユーザによる選択を受付けるステップと、
ユーザにより選択された前記画像に対応するサンプルに対するユーザによる前記試験項目の設定を受付けるステップと、
ユーザにより選択された前記画像の態様を、該画像に対応するサンプルの前記試験項目の設定内容に応じて決定するステップと、
決定された態様で前記画像を表示するステップとを備える、制御方法。
【請求項16】
複数のサンプルの各々に対する将来的に行われる試験の試験項目を管理する試験項目管理システム表示装置に、
前記複数のサンプルの各々に前記試験項目を設定するステップと、
前記複数のサンプルの各々に対応する画像に対するユーザによる選択を受付けるステップと、
ユーザにより選択された前記画像に対応するサンプルに対するユーザによる前記試験項目の設定を受付けるステップと、
ユーザにより選択された前記画像の態様を、該画像に対応するサンプルの前記試験項目の設定内容に応じて決定するステップと、
決定された態様で前記画像を表示するステップとを実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、試験項目管理システム表示装置、管理システム、制御方法、およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、薬品などのサンプルを検査する様々な試験装置が提案されている。たとえば、国際公開第2013/002291号(特許文献1)の試験装置は、サンプルの一例である錠剤に対して光を出力し、該錠剤からの反射光に基づいて、錠剤の成分などを検査する。また、ユーザは、試験装置を用いずに、サンプルに対して試薬を反応させた後の反応物の色などを目視することにより、サンプルの試験を行う場合もある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】国際公開第2013/002291号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
サンプルに対する試験の試験項目は様々存在することから、ユーザは、試験項目を管理する必要がある。そのため、ユーザは、複数のサンプルの各々に対して行う試験の試験項目を管理装置に設定することが必要である。また、ユーザは、試験項目を設定した後に、該設定された試験項目を確認する場合がある。各サンプルに設定された試験項目をユーザが確認する手法として、サンプルに対応する画像を管理装置が表示するととともに、該サンプルに設定された試験項目を該画像とともに表示する構成が考えられる。しかしながら、この構成では、サンプルの数およびサンプルに設定された試験項目の数が多い場合、表示される試験項目数が多くなる。したがって、サンプルに設定された試験項目をユーザが確認し難くなるという問題が生じ得る。
【0005】
このような問題を解消するために、ユーザによりサンプルに対応する画像が選択されたことに応答して、サンプルに対して設定された試験項目の内容を表示する構成が考えられる。しかしながら、この構成の場合、ユーザにより画像が選択されていないときには、試験項目が表示されない。したがって、ユーザはサンプルの試験項目の内容を確認する場合には、ユーザは、該サンプルに対応する画像を繰り返し選択する必要がある。よって、ユーザはサンプルの試験項目の設定内容を確認し難いという問題が生じ得る。
【0006】
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、その目的は、ユーザによるサンプルの試験項目の設定内容の確認を容易にする技術を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示のある局面に従う表示装置は、複数のサンプルの各々に対する試験項目を管理する管理システムに用いられる。表示装置は、表示部と、表示部を制御する制御部とを備える。制御部は、複数のサンプルの各々に対応する画像を、該サンプルの試験項目の設定内容に応じた態様で表示部に表示する。
【発明の効果】
【0008】
本開示の技術によれば、複数のサンプルの各々に対応する画像を該サンプルの試験項目の設定内容に応じた態様で表示するので、ユーザによるサンプルの試験項目の設定内容の確認を容易にする技術を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】管理システムの構成例を示す図である。
図2】表示装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
図3】表示装置が表示する画面の一例である。
図4】表示装置が表示する画面の一例である。
図5】表示装置が表示する画面の一例である。
図6】表示装置が表示する画面の一例である。
図7】表示装置などの機能ブロック図である。
図8】記憶部に記憶される試験項目の一例を示す。
図9】色DBの一例を示す図である。
図10】表示装置のフローチャートの一例である。
図11】他の実施の形態の表示装置が表示する画面の一例である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本開示の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一又は相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
【0011】
[試験および管理システムについて]
図1は、本実施の形態に従う管理システム1000の構成例を示す図である。図1を参照して、管理システム1000は、サーバ装置100と、1以上の表示装置200-1,...,200-Nと、ネットワーク300とを含む。Nは1以上の整数である。管理システム1000は、必要に応じて、1以上の試験装置500-1,...,500-Mを含むようにしてもよい。Mは1以上の整数である。以下では、1以上の表示装置を包括的に「表示装置200」とも称する。また、1以上の試験装置を包括的に「試験装置500」とも称する。
【0012】
ユーザは、サンプルに対して試験を行う。サンプルは、たとえば、医薬品であり、より特定的には、「錠剤」である。一般的に、ユーザは、複数のサンプル各々に対して複数の試験項目での試験を行う。ユーザは、試験装置を用いてサンプルの試験を行うようにしてもよい。また、ユーザは、試験装置を用いずに試薬などをサンプルに反応させて反応物の色など目視することにより、該サンプルの試験を行うようにしてもよい。ユーザは、管理システム1000に試験項目を管理させる。管理システム1000は、分析装置に代表される試験装置で使用される複数のサンプル各々に対して設定された試験項目をサンプル毎に管理する。ユーザは、管理システム1000を用いてサンプルに対して将来行われる試験の計画をたてることができる。
【0013】
サーバ装置100と表示装置200とはネットワーク300に接続されており、互いに通信可能となるように構成される。また、必要に応じて、試験装置500が、サーバ装置100および表示装置200と通信可能となるように構成されてもよい。
【0014】
サーバ装置100は、1以上の表示装置200から送信された試験項目などの情報を管理する(記憶する)。情報処理装置(特に図示せず)は、サーバ装置100が管理している試験項目などの情報のうち少なくとも一部をユーザの操作に基づいて受信する。情報処理装置は、該受信した情報を表示する。これにより、ユーザは自分が行うべき試験の試験項目を把握できる。
【0015】
試験装置500は、サンプルに対する試験を行うことができる装置であれば如何なる装置であってもよい。試験装置500は、たとえば、液体クロマトグラフ装置、ガスクロマトグラフ装置、液体クロマトグラフ質量分析装置、ガスクロマトグラフ質量分析装置、走査型電子顕微鏡、透過電子顕微鏡、エネルギー分散型蛍光X線分析装置、波長分散型蛍光X線分析装置および、フーリエ変換赤外分光光度計などを含む。試験装置500はさらに、フォトダイオードアレイ検出器、液体クロマトグラフィータンデム質量分析装置、ガスクロマトグラフィータンデム質量分析装置、液体クロマトグラフ質量分析計、近赤外分光装置、引張試験機および、圧縮試験機などを含んでもよい。
【0016】
表示装置200は、様々な画像を表示する装置である。表示装置200は、たとえば、PC(personal computer)、スマートフォン、およびタブレットなどのいずれかである。表示装置200がPCである場合には、表示装置200に対して入力装置350(図2参照)が接続される。入力装置350はマウスおよびキーボードなどを含む。また、表示装置200がスマートフォンまたはタブレットである場合には、表示装置200は、表示部と入力装置350とが一体化されているタッチパネルを有する。ユーザは、入力装置350を用いて、表示装置200が表示する画像を選択できる。
【0017】
表示装置200は、サンプルに対して将来行われる試験の試験項目などの設定を、ユーザから受付ける。表示装置200は、ユーザにより設定された試験の試験項目などを表示する。1以上の表示装置200は、ユーザにより設定された試験項目などの情報をネットワーク300経由でサーバ装置100に送信する。
【0018】
[表示装置200のハードウェア構成]
図2は、表示装置200のハードウェア構成の一例を示す図である。表示装置200は、コントローラ250と、表示部206とを有する。コントローラ250は、本開示の「制御部」に対応する。
【0019】
コントローラ250は、主たる構成要素として、CPU(Central Processing Unit)360と、プログラムおよびデータを格納する記憶部と、通信I/F(Interface)368とを有する。各構成要素はデータバスによって相互に接続されている。
【0020】
記憶部は、ROM(Read Only Memory)362、RAM(Random Access Memory)364およびHDD(Hard Disk Drive)366を含む。ROM362は、CPU360にて実行されるプログラムを格納する。RAM364は、CPU360におけるプログラムの実行により生成されるデータ、および通信I/F368を経由して入力されたデータを一時的に格納することができる。RAM364は、作業領域として利用される一時的なデータメモリとして機能できる。HDD366は、不揮発性の記憶装置である。また、HDD366に代えて、フラッシュメモリなどの半導体記憶装置を採用してもよい。
【0021】
また、ROM362に格納されているプログラムは、記録媒体に格納されて、プログラムプロダクトとして流通されてもよい。または、プログラムは、情報提供事業者によって、いわゆるインターネットなどによりダウンロード可能なプログラムプロダクトとして提供されてもよい。表示装置200は、記録媒体またはインターネットなどにより提供されたプログラムを読み取る。表示装置200は、読み取ったプログラムを所定の記憶領域(たとえば、ROM362)に記憶する。CPU360は、該記憶されたプログラムを実行することにより上述の表示処理を実行する。
【0022】
記録媒体は、DVD-ROM(Digital Versatile Disk Read Only Memory)、CD-ROM(Compact Disc Read Only Memory)、FD(Flexible Disk)、ハードディスクに限られず、磁気テープ、カセットテープ、光ディスク(MO(Magnetic Optical Disc)/MD(Mini Disc)/DVD(Digital Versatile Disc))、光カード、マスクROM、EPROM(Electronically Programmable Read Only Memory)、EEPROM(Electronically Erasable Programmable Read Only Memory)、フラッシュROMなどの半導体メモリなどの固定的にプログラムを担持する媒体としてもよい。また、記録媒体は、プログラムなどをコンピュータが読取可能な非一時的な媒体である。
【0023】
[表示装置200が表示する画面]
図3は、表示装置200が表示する画面の一例である。図3の画面は、サンプルに対して試験項目が設定されていない状態で表示される画面である。表示装置200は、マトリクス形式の画面を表示する。以下では、「マトリクス形式の画面」を「マトリクス画面」とも称する。マトリクス画面は、複数のセルCaから構成される。図3のマトリクス画面において、ユーザから見て横方向をX軸方向とし、ユーザから見て縦方向をY軸方向とする。X軸方向は、本開示の「第1方向」と対応し、Y軸方向は、本開示の「第2方向」と対応する。
【0024】
本実施の形態では、試験が行われる対象物(たとえば、医薬品)に対して保存条件および保存期間を異ならせることにより、この対象物が異なるサンプルと見なされる。つまり、複数のサンプルの各々には、該サンプルの保存条件および該サンプルの保存期間が定められている。このように、本実施の形態では、1の保存条件および1の保存期間からサンプルは区別される。サンプルは、該サンプルについて試験項目が設定されたときから、該サンプルの保存条件で該保存期間にわたって、保存された後に、該試験項目での試験が行われる。図3の例では、X軸方向にサンプルの1以上の保存条件が示されている。Y軸方向にサンプルの1以上の保存期間が示されている。図3の保存期間において、「d」は「日」を示し、「m」は「月」を示し、「y」は「年」を示す。
【0025】
図3の例では、1以上の保存条件として6つの保存条件が示されている。6つの保存条件は、「温度が10℃でかつ湿度が30%」、「温度が20℃でかつ湿度が30%」、「温度が30℃でかつ湿度が30%」、「温度が40℃でかつ湿度が30%」、「温度が50℃でかつ湿度が30%」、および「温度が10℃でかつ湿度が50%」である。なお、保存条件は、他の条件としてもよい。
【0026】
図3の例では、1以上の保存期間として7つの保存期間が示されている。7つの保存期間は、「1日」、「1月」、「3月」、「6月」、「9月」、「1年」、および「15月」である。なお、保存期間は、他の期間としてもよい。
【0027】
表示装置200は、1のサンプルに対応する画像を表示する。図3の例では、1のサンプルに対応する画像が、1のセルCaである。図3の例では、6つの保存条件および7つの保存期間が規定されているから42個(=6×7)のセルCaが表示される。42個のサンプルの各々は、42個のセルCaに対応する。
【0028】
たとえば、図3の例では、「Ca」と示されているセルは、「温度が10℃で湿度が30%という保存条件で、1日間保存されたサンプル」に対応するセルである。したがって、このセルに対応するサンプルは、該サンプルについて試験項目が設定されたときから、温度が10℃で湿度が30%という保存条件で、1日間にわたって保存された後に、該試験項目での試験が行われる。
【0029】
表示装置200は、セルに対するユーザからの選択を受付可能である。ユーザは、マウスなどの入力装置350(図2参照)を用いて、セルを選択できる。ユーザは、選択したセルに対応するサンプルの試験項目を設定できる。
【0030】
図4は、表示装置200がセルに対するユーザからの選択を受付けた場合に、該表示装置200に表示される設定画面の一例である。ユーザは該設定画面にサンプルの試験項目を入力する。図4は、保存条件が「温度が10℃で湿度が30%」で、保存期間が「1日」というサンプルに対応するセルがユーザにより選択された場合の例である。表示装置200は、マトリクス画面を表示しつつ、図4の画像をポップアップ画像として表示するようにしてもよい。また、表示装置200は、図4の画像をマトリクス画面から切り換えて図4の画像を表示するようにしてもよい。
【0031】
図4の例において、上段の左側に「保存条件、保存期間」という文字が表示される。上段の右側に「保存条件、保存期間」として「10℃、30%、1d」という文字が表示される。下段の左側に「試験項目」という文字が表示される。ユーザにより選択されたセルに対応するサンプルに対して試験項目が設定された場合には、設定された試験項目の文字が下段の右側に表示される。図4の例では、ユーザにより選択されたセルに対応するサンプルに対して試験項目が設定されていないことから、試験項目の文字が下段の右側に表示されておらず空白となっている。
【0032】
図4の下段の右下の空白の領域がユーザにより選択されると、ユーザは試験項目を設定可能となる。たとえば、空白の領域がユーザにより選択されると、複数の試験項目の候補がプルダウン形式(図示せず)で表示される。ユーザは表示された複数の試験項目を選択することにより、表示装置200は、選択された試験項目を設定する。
【0033】
図5は、図4の画面に対してユーザにより試験項目が設定された場合の画面の一例を示す図である。図5の例では、試験項目として、試験A、試験B、試験C、試験D、および試験Eが設定された場合が示されている。試験項目は、たとえば、試験装置500の使用の有無、使用される試験装置500の種別、使用される試薬の種別などにより区別される。試験Aは、たとえば、試薬Xを用いた液体クロマトグラフ装置による試験である。試験Bは、たとえば、試験装置を用いずに、試薬Yをサンプルに反応させて、反応物の色を視認するという試験である。
【0034】
また、表示装置200は、ユーザが複数のセルを選択して試験項目を設定した場合に、該複数のセル各々に対応するサンプルに対して該試験項目を一括設定するようにしてもよい。
【0035】
たとえば、サンプルの試験項目の設定内容に関わらず、同一の色で全てのセルを表示する表示装置が考えられる。しかしながら、このような表示装置であれば、ユーザは試験項目の設定内容を確認し難いという問題が生じ得る。そこで、本実施の形態の表示装置200は、複数のサンプルの各々に対応するセルを、該サンプルの試験項目の設定内容に応じた色で表示する。したがって、ユーザによるサンプルの試験項目の設定内容の確認を容易にする。
【0036】
図6は、サンプルに対して試験項目が設定された場合のマトリクス画面の一例を示す図である。図6において、ドットが付されたセルC1は、実際は青色で表示される。右上がり斜線のハッチングが付されたセルC2は、実際は赤色で表示される。右下がり斜線のハッチングが付されたセルC3は、実際は緑色で表示される。模様が付されていないセルC4は、実際は白色で表示される。なお、図6で示す色は、あくまで一例であり、他の色としてもよい。また、セルC1に対応するサンプル、セルC2に対応するサンプル、およびセルC3に対応するサンプル各々に設定されている試験項目とは異なる試験項目が設定されたサンプルに対応するセルを、青色、赤色、および緑色以外の色で表示する。
【0037】
表示装置200は、試験項目の設定内容が同一である2以上のサンプル各々に対応するセルを、同一の色で表示する。したがって、ユーザは、セルの色を視認することで、2以上のサンプルについて試験項目の設定内容が同一であるか否かを認識できる。
【0038】
試験項目の設定内容が同一であることは、2以上のサンプル各々に設定された試験項目の数が1つである場合には、該2以上のサンプル各々の1つの試験項目が同一であることを含む。また、試験項目の設定内容が同一であるということは、2以上のサンプル各々に設定された試験項目の数が複数である場合には、該2以上のサンプル各々の複数の試験項目の組合せが同一であることを含む。
【0039】
図6の例では、表示装置200は、同一の試験項目が設定されている複数のサンプル各々に対応する複数のセルC1を青色で表示する。また、表示装置200は、同一の試験項目が設定されている複数のサンプル各々に対応する複数のセルC2を赤色で表示する。この試験項目は、セルC1に対応するサンプルに設定された試験項目とは異なる。また、表示装置200は、同一の試験項目が設定されている複数のサンプル各々に対応する複数のセルC3を緑色で表示する。この試験項目は、セルC1に対応するサンプルに設定された試験項目およびセルC2に対応するサンプルに設定された試験項目とは異なる。また、表示装置200は、試験項目が設定されていない複数のサンプル各々に対応する複数のセルC4を白色で表示する。
【0040】
表示装置200は、試験項目の設定内容が異なる2以上のサンプル各々に対応するセルを、異なる色で表示する。したがって、ユーザは、セルの色を視認することで、2以上のサンプルについて試験項目の設定内容が異なるか否かを認識できる。
【0041】
また、試験項目の設定内容が異なることは、2以上のサンプル各々に設定された試験項目の数が1つである場合には、該2以上のサンプル各々の1つの試験項目が異なることを含む。また、試験項目の設定内容が異なることは、2以上のサンプル各々に設定された試験項目の数が複数である場合には、該2以上のサンプル各々の複数の試験項目の組合せが異なることを含む。
【0042】
図6の例では、青色で表示されたセルC1に対応するサンプルに対して設定された試験項目と、赤色で表示されたセルC2に対応するサンプルに対して設定された試験項目と、緑色で表示されたセルC3に対応するサンプルに対して設定された試験項目とは各々異なる。
【0043】
また、表示装置200は、試験項目が設定されたサンプルに対応するセルおよび前記試験項目が設定されていないサンプルに対応するセルを、異なる色で表示する。したがって、ユーザは、セルの色を視認することで、サンプルに対して試験項目が設定されているか否かを認識できる。
【0044】
図6の例では、表示装置200は、試験項目が設定されたサンプルに対応するセルを有色(図6の例では、赤色、青色、緑色)で表示する。一方、表示装置200は、試験項目が設定されていないサンプルに対応するセルを白色で表示する。
【0045】
図6に示すように、表示装置200は、複数のサンプルの各々に対応するセルを、該サンプルの試験項目の設定内容に応じた態様で表示する。したがって、試験項目の設定内容をユーザは該サンプルに対応するセルを選択する必要はない。よって、表示装置200は、ユーザによるサンプルの試験項目の設定内容の確認を容易にすることができる。また、ユーザは、「サンプルの試験項目の設定内容に応じた態様で表示部206に表示させる操作」を実行する必要がない。したがって、ユーザの負担を軽減できる。また、図6に示すように、表示装置200は、試験項目の設定内容に応じた色で画像を表示する。したがって、ユーザは、セルの色に基づいて視覚的に試験項目の設定内容を認識できる。
【0046】
図6に示すように、表示装置200は、ユーザによりセルが選択されていない状態では、試験項目を表示しない。したがって、表示装置200は、ユーザによりセルが選択されていない状態において多大な情報が表示されることを防止できる。ユーザによりセルが選択された場合には、表示装置200は、選択されたセルに対応するサンプルに設定された試験項目を表示する。したがって、ユーザにより選択されたセルに対応するサンプルに対して設定されている試験項目を表示部206に表示することから、ユーザは、ユーザ自身が選択したセルに対応するサンプルに対して設定されている試験項目を認識できる。
【0047】
たとえば、「温度が10℃で湿度が30%という保存条件」でありかつ「保存期間が1日」というサンプルに対応するセルがユーザにより選択された場合には、表示装置200は、図5に示す画像を表示する。表示装置200は、マトリクス画面を表示しつつ、図5の画像をポップアップ画像として表示するようにしてもよい。また、表示装置200は、マトリクス画面から切り換えて図5の画像を表示するようにしてもよい。
【0048】
なお、本実施の形態のセルの色は、該セルに対応するサンプルに対して試験項目が設定されているか否か、および該セルに対応するサンプルと同一の試験項目が設定されているサンプルが存在するか否かを示す情報である。本実施の形態のように、セルの色は、該セルに対応するサンプルに設定された試験項目の種別を示すものではないようにしてもよい。ユーザは、サンプルに設定された試験項目を確認したい場合には、該サンプルに対応するセルを選択することにより、表示装置200に図5に示す画像を表示させる。
【0049】
図6などのマトリクス画面において、ユーザが試験項目の設定を終了させる場合には、ユーザは所定の終了操作を実行する。所定の終了操作は、たとえば、終了ボタン(図示せず)への操作である。終了ボタンは、表示装置200により表示される。
【0050】
[表示装置の機能構成例]
図7は、表示装置200などの機能ブロック図である。図2で説明したように表示装置200は、表示部206と、コントローラ250とを含む。コントローラ250は、受信部202と、表示制御部204と、記憶制御部208と、記憶部210と、送信部212とを含む。
【0051】
ユーザが入力装置350を操作することにより、入力装置350からコントローラ250に対して入力情報が入力される。ここで、入力情報は、ユーザにより選択されたセルの座標情報、およびユーザにより設定された試験項目などを含む。受信部202は、該入力情報を受信する。受信部202は、入力情報に含まれる試験項目を記憶制御部208に送信する。記憶制御部208は、受信部202から試験項目を受信したときに、該試験項目をサンプル毎に記憶部210に記憶させる。記憶制御部208は、サンプルと、試験項目とを対応づけて記憶部210に記憶させる。
【0052】
図8は、記憶部210に記憶される試験項目の一例を示す。図8に示すように、サンプル毎に(つまり、サンプルの保存条件およびサンプルの保存期間毎に)、試験項目が設定される。図8の例では、保存条件が「温度が10℃で湿度が30%」でありかつ保存期間が「1日」というサンプルに対して、試験A、試験B、試験C、試験D、および試験Eが設定されている。また、保存条件が「温度が20℃で湿度が30%」でありかつ保存期間が「1日」というサンプルに対して、試験A、試験B、試験C、および試験Eが設定されている。
【0053】
ユーザにより上述の終了操作が実行されると、送信部212は、設定された全ての試験項目をネットワーク300経由でサーバ装置100に送信する。サーバ装置100は、1以上の表示装置200から送信された試験項目を管理する(記憶する)。
【0054】
また、受信部202は、試験項目および座標情報を表示制御部204に送信する。表示制御部204は、ユーザにより選択されたセルを座標情報に基づいて特定する。表示制御部204は表示制御信号を表示部206に送信することにより、特定したセルを、受信部202からの試験項目に応じた色で表示部206に表示させる。表示制御部204は、色DB(Data Base)に基づいて、セルの色を決定する。
【0055】
図9は、セルの色を決定するために用いられる色DBの一例を示す図である。色DBは、記憶部210に記憶される。図9は、色パラメータ毎に、セルの色が対応付けられている。図9については、後述の図10で説明する。
【0056】
[コントローラのフローチャート]
図10は、表示装置200のコントローラ250のフローチャートの一例である。図10のフローチャートは、サンプルに対する試験項目の設定の開始操作がユーザにより実行されたときに、コントローラ250は図10の処理を開始する。
【0057】
まず、ステップS2において、コントローラ250は、色パラメータP(図9参照)を初期化する。本実施の形態では、色パラメータPの初期値は、「0」であるとする。色パラメータPは、セルの色を決定するためのパラメータである。次に、ステップS4において、コントローラ250は、セルに対するユーザによる選択を受付けたか否かを判断する。コントローラ250は、ユーザの選択を受付けるまでステップS4の処理を繰り返す(ステップS4のNO)。ステップS4において、コントローラ250が、ユーザによりセルが選択されたと判断した場合には(ステップS4でYES)、処理は、ステップS6に進められる。
【0058】
ステップS6において、コントローラ250は、選択されたセルに対応するサンプルに対するユーザにより試験項目の設定を受付けたか否かを判断する(図5参照)。ステップS6において、コントローラ250は、ユーザにより試験項目が設定されるまでステップS6の処理を繰り返す(ステップS6のNO)。ステップS6において、コントローラ250が、ユーザにより試験項目が設定されたと判断した場合には(ステップS6でYES)、処理は、ステップS8に進められる。
【0059】
ステップS8において、コントローラ250の記憶制御部208は、選択されたセルに対応するサンプルに対して試験項目を設定する。本実施の形態では、図8の試験項目に示すように、記憶制御部208が、該サンプルに対して、試験項目を記憶する。
【0060】
次に、ステップS10において、コントローラ250は、設定された試験項目と同一の試験項目が設定されているサンプルが存在するか否かを、図8の設定された試験項目に基づいて判断する。ステップS10において、既に同一の試験項目が設定されている場合には(ステップS10でYES)、処理はステップS12に進められる。
【0061】
ステップS12では、コントローラ250は、ステップS4でユーザにより選択されたセルの色を、同一の試験項目が設定されたサンプルに対応するセルと同一の色に決定する。次に、ステップS17において、コントローラ250の表示制御部204は、セルをステップS12で決定された色で表示する。次に、ステップS18において、コントローラ250は、終了操作が実行されたか否かを判断する。ステップS18において、コントローラ250は、終了操作が実行されていないと判断した場合には(ステップS18でNO)、処理は、ステップS4に戻る。一方、ステップS18において、コントローラ250は、終了操作が実行されたと判断した場合には(ステップS18でYES)、表示装置200は、設定された全ての試験項目と、該試験項目が設定された全てのサンプルを識別するための情報とをサーバ装置100に送信した後に、図10の処理は終了する。
【0062】
一方、ステップS10において、コントローラ250が、設定された試験項目と同一の試験項目が設定されているサンプルが存在しないと判断した場合には(ステップS10でNO)、処理はステップS14に進む。ステップS14において、コントローラ250は、色パラメータPを1インクリメントする。次に、ステップS16において、表示制御部204は、図9の色DBを参照して、色パラメータPに対応する色を決定する。次に、ステップS17において、表示制御部204は、決定された色で、ステップS4でユーザにより選択されたセルを表示する。
【0063】
ステップS10、ステップS12、ステップS14、およびステップS16に示すように、コントローラ250は、ユーザにより選択されたセルの色を、該セルに対応するサンプルの試験項目の設定内容に応じて決定する。したがって、表示装置200は、2以上のサンプルについて同一の試験項目が設定されていれば、該2以上のサンプル各々に対応するセルを同一の色で表示でき、2以上のサンプルについて異なる試験項目が設定されていれば、該2以上のサンプル各々に対応するセルを異なる色で表示できる。
【0064】
[その他の実施の形態]
(1) 上述の実施の形態では、表示装置200は、図6で示したように、試験項目の試験内容に応じた色でセルを表示する構成を説明した。しかし、表示装置200は、付加的な情報を該セルに表示するようにしてもよい。たとえば、表示装置200は、各セルに関連付けて、該セルに対応するサンプルに関するサンプル情報を表示してもよい。
【0065】
図11は、本実施の形態の表示部206が表示する画面の一例である。図11の例では、サンプル情報がセル内に表示される。図11の例では、サンプル情報は、該サンプル情報が表示されているセルに対応するサンプルの総数と、試験が行われるサンプルの数とを含む情報である。
【0066】
図11の例では、試験が行われるサンプルの数、および存在するサンプルの総数が分数の形式で表示されている。この分数のうちの分子が、試験が行われるサンプルの数を示し、分母が存在するサンプルの総数を示す。また、分母から分子を差し引いた値は、予備のサンプルの数を示す。予備のサンプルは、たとえば、サンプルに対して行われた試験が失敗した場合などに予備的に用いられる。
【0067】
たとえば、保存条件が「温度が20℃で湿度が30%」でかつ保存期間が「1日」というサンプルに対応するセル内には、「2/3」と表示されている。「2/3」と表示されているセルに対応するサンプルの総数は、3個であること示し、試験が行われるサンプルの数は2個であることを示し、予備のサンプルが1個であることを示す。なお、上述の実施の形態では、1つのセルが1つのサンプルに対応する構成を説明した。本実施の形態では、1つのセルが1以上のサンプルに対応する。
【0068】
また、コントローラ250は、表示されているサンプル情報に関わらず、該サンプル情報に関連付けられているセルを、試験項目の設定内容に応じた色で表示部206に表示する。図11に示すように、試験が行われるサンプルの数およびサンプルの総数に関わらず、該サンプルに対応するセルを、該サンプルの試験項目の設定内容に応じた色で表示部206に表示する。
【0069】
以上により、ユーザは、セルに対応するサンプルに関するサンプル情報(図11の例では、試験が行われるサンプルの数およびサンプルの総数)を認識できる。また、ユーザは、該サンプル情報とは別に、セルに対応するサンプルの試験項目の設定内容も認識できる。
【0070】
また、サンプル情報は、他の情報としてもよい。たとえば、サンプル情報は、存在するサンプルの総数を示す情報を含まずに、試験が行われるサンプルの数のみを示す情報としてもよい。また、サンプル情報は、たとえば、サンプルの名称としてもよい。
【0071】
また、サンプル情報は、セル内に表示されずに、セルに関連付けて表示されるのであれば、他の態様で表示されてもよい。表示装置200は、たとえば、セルと、該セルに対応するサンプル情報とを線で結んで表示するようにしてもよい。
【0072】
(2) 上述の実施の形態において、コントローラ250は、複数のサンプルの各々に対応するセルを、該サンプルの前記試験項目の設定内容に応じた色で表示部206に表示する構成を説明した。しかしながら、サンプルの試験項目の設定内容に応じた態様は、他の態様としてもよい。他の態様は、たとえば、記号での表示態様、および模様での表示態様などのいずれかとしてもよい。図6の例では、表示部206は、青色でセルを表示する代わりにセル内に「A」という記号を表示するようにしてもよい。表示部206は、赤色でセルを表示する代わりにセル内に「B」という記号を表示するようにしてもよい。表示部206は、緑色でセルを表示する代わりにセル内に「C」という記号を表示するようにしてもよい。表示部206は、白色でセルを表示する代わりにセル内に「D」という記号を表示するようにしてもよい。
【0073】
(3) 上述の実施形態では、サンプルに対応する画像はセルであるという構成を説明した。しかしながら、サンプルに対応する画像は他の画像であってもよい。他の画像は、たとえば、サンプルの種別を示すアイコン画像などとしてもよい。
【0074】
(4) 上述の実施の形態では、図10のステップS10で説明したように、コントローラ250は、設定された試験項目と同一の試験項目が設定されているサンプルが存在するか否かに基づいて、色を決定する構成を説明した。しかしながら、試験項目の組合せと、色とが1対1で対応されているテーブルを記憶部210が保持し、表示制御部204は、設定された試験項目に対応する色でセルを表示するようにしてもよい。このような構成であれば、ユーザはセルの色から設定されている試験項目の組合せを認識できる。
【0075】
(5) 上述の実施の形態では、表示装置200は、セルがユーザにより選択されていない状態では、試験項目を表示しない構成を説明した。しかしながら、表示装置200は、設定されている試験項目が所定数以下である場合には、セルがユーザにより選択されていない状態において該セルに該試験項目を表示するようにしてもよい。たとえば、所定数を「3」とした場合には、表示装置200は、設定されている試験項目の数が3以下であるサンプルに対応するセル内に該設定されている試験項目を表示する。一方、表示装置200は、設定されている試験項目の数が4以上であるサンプルに対応するセル内に該設定されている試験項目を表示せずに、該セルがユーザにより選択された場合に設定されている試験項目を表示する。このような構成によれば、ユーザによりセルが選択されていない状態でのマトリクス画面において、表示される情報量を低減することができる。
【0076】
[態様]
上述した複数の例示的な実施の形態は、以下の態様の具体例であることが当業者により理解される。
【0077】
(第1項)一態様に係る表示装置は、複数のサンプルの各々に対する試験項目を管理する管理システムに用いられる表示装置であって、表示部と、表示部を制御する制御部とを備え、制御部は、複数のサンプルの各々に対応する画像を、該サンプルの試験項目の設定内容に応じた態様で表示部に表示する。
【0078】
第1項に記載の表示装置によれば、ユーザによるサンプルの試験項目の設定内容の確認を容易にすることができる。
【0079】
(第2項)第1項に記載の表示装置において、制御部は、試験項目の設定内容に応じた色で画像を表示部に表示する。
【0080】
第2項に記載の表示装置によれば、試験項目の設定内容に応じた色で画像を表示部に表示することから、画像の色に基づいて視覚的にユーザは試験項目の設定内容を認識できる。
【0081】
(第3項)第1項または第2項に記載の表示装置において、制御部は、試験項目の設定内容が同一である2以上のサンプルの各々に対応する画像を、同一の態様で表示部に表示する。
【0082】
第3項に記載の表示装置によれば、試験項目の設定内容に応じた色で画像を表示部に表示することから、画像の色に基づいて視覚的にユーザは試験項目の設定内容を認識できる。
【0083】
(第4項)第1項~第3項のいずれか1項に記載の表示装置において、制御部は、試験項目の設定内容が異なる2以上のサンプルの各々に対応する画像を、異なる態様で表示部に表示する。
【0084】
第4項に記載の表示装置によれば、ユーザは画像の表示態様を視認することで、ユーザは2以上のサンプルについて異なる試験項目が設定されているか否かを認識できる。
【0085】
(第5項)第1項~第4項のいずれか1項に記載の表示装置において、制御部は、試験項目が設定されたサンプルに対応する画像および試験項目が設定されていないサンプルに対応する画像を、異なる態様で表示部に表示する。
【0086】
第5項に記載の表示装置によれば、ユーザは画像の表示態様を視認することで、サンプルに対して試験項目が設定されているか否かを認識できる。
【0087】
(第6項)第1項~第5項のいずれか1項に記載の表示装置において、制御部は、ユーザにより画像に対する選択がされた場合に、該画像に対応するサンプルに対して設定されている試験項目を表示部に表示する。
【0088】
第6項に記載の表示装置によれば、ユーザにより選択された画像に対応するサンプルに対して設定されている試験項目を表示部に表示することから、ユーザは、ユーザ自身が指定した画像に対応するサンプルに対して設定されている試験項目を認識できる。
【0089】
(第7項)第1項~第6項のいずれか1項に記載の表示装置において、制御部は、画像に関連付けて、該画像に対応するサンプルに関するサンプル情報を表示部に表示し、表示されているサンプル情報に関わらず、該サンプル情報に関連付けられている画像を、試験項目の設定内容に応じた態様で表示部に表示する。
【0090】
第7項に記載の表示装置によれば、画像に対応するサンプルに関するサンプル情報をユーザは認識できる。また、該サンプル情報とは別に、該画像に対応する試験項目の設定内容を認識できる。
【0091】
(第8項)第1項~第7項のいずれか1項に記載の表示装置において、制御部は、ユーザにより前記画像に対する選択がされ、かつ該画像に対応するサンプルに対して試験項目が設定された場合、該設定された試験項目と同一の試験項目が設定されたサンプルが存在するか否かを判断し、設定された試験項目と同一の試験項目が設定されたサンプルが存在すると判断した場合、ユーザに選択された画像を、該同一の試験項目が設定されたサンプルに対応する画像と同一の態様で表示し、設定された試験項目と同一の試験項目が設定されたサンプルが存在しないと判断した場合、ユーザに選択された画像の表示の態様を、表示されている画像の表示の態様とは異なる態様となるように決定し、ユーザに選択された画像を、該決定された態様で表示する。
【0092】
第8項に記載の表示装置によれば、2以上のサンプルについて同一の試験項目が設定されていれば、該2以上のサンプルそれぞれに対応する画像を同一の態様で表示でき、2以上のサンプルについて異なる試験項目が設定されていれば、該2以上のサンプルそれぞれに対応する画像を異なる態様で表示できる。
【0093】
(第9項)第1項~第8項のいずれか1項に記載の表示装置において、制御部は、複数のサンプルの各々に対応する画像を該複数のセルとしてマトリクス形式で表示する。
【0094】
第9項に記載の表示装置によれば、マトリクス形式で、複数のサンプルの各々に対応する画像をユーザに認識させることができる。
【0095】
(第10項)第9項に記載の表示装置において、複数のサンプルの各々には、該サンプルの保存条件および該サンプルの保存期間が定められており、マトリクス形式の第1方向には保存条件が示され、マトリクス形式の第1方向と直交する第2方向には保存期間が示される。
【0096】
第10項に記載の表示装置によれば、マトリクス形式で、サンプルの保存条件および該サンプルの保存期間をユーザに認識させることができる。
【0097】
(第11項) 管理システムは、第1項~第10項のいずれか1項に記載の表示装置と、表示装置に対してユーザにより設定された試験項目を記憶するサーバ装置とを備える。
【0098】
第11項の管理システムによれば、表示装置に対してユーザにより設定された試験項目を管理することができる。
【0099】
(第12項)一態様に係る制御方法は、複数のサンプルの各々に対する試験項目を管理する管理システムに用いられる表示装置を制御する制御方法であって、複数のサンプルの各々に対応する画像に対するユーザによる選択を受付けるステップと、ユーザにより選択された画像に対応するサンプルに対するユーザによる試験項目の設定を受付けるステップと、ユーザにより選択された画像の態様を、該画像に対応するサンプルの試験項目の設定内容に応じて決定するステップと、決定された態様で画像を表示するステップとを備える。
【0100】
第12項に記載の表示装置によれば、ユーザによるサンプルの試験項目の設定内容の確認を容易にすることができる。
【0101】
(第13項)一態様に係るプログラムは、複数のサンプルの各々に対する試験項目を管理する管理システムに用いられる表示装置に、複数のサンプルの各々に対応する画像に対するユーザによる選択を受付けるステップと、ユーザにより選択された画像に対応するサンプルに対するユーザによる試験項目の設定を受付けるステップと、ユーザにより選択された画像の態様を、該画像に対応するサンプルの試験項目の設定内容に応じて決定するステップと、決定された態様で画像を表示するステップとを実行させる。
【0102】
第13項に記載のプログラムによれば、ユーザによるサンプルの試験項目の設定内容の確認を容易にすることができる。
【0103】
今回開示された各実施の形態は、技術的に矛盾しない範囲で適宜組合わせて実施することも予定されている。そして、今回開示された実施の形態は、全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本実施の形態の範囲は、上記した実施の形態の説明ではなくて請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0104】
100 サーバ装置、200 表示装置、202 受信部、204 表示制御部、206 表示部、208 記憶制御部、210 記憶部、212 送信部、250 コントローラ、300 ネットワーク、350 入力装置、362 ROM、364 RAM、500 試験装置、1000 管理システム。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11