(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-16
(45)【発行日】2024-07-24
(54)【発明の名称】治療支援システム
(51)【国際特許分類】
A61B 10/00 20060101AFI20240717BHJP
G01N 21/64 20060101ALI20240717BHJP
A61N 5/10 20060101ALI20240717BHJP
【FI】
A61B10/00 E
G01N21/64 Z
A61N5/10 P
(21)【出願番号】P 2022544488
(86)(22)【出願日】2021-08-18
(86)【国際出願番号】 JP2021030130
(87)【国際公開番号】W WO2022044903
(87)【国際公開日】2022-03-03
【審査請求日】2023-02-03
(31)【優先権主張番号】P 2020143335
(32)【優先日】2020-08-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000001993
【氏名又は名称】株式会社島津製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100104433
【氏名又は名称】宮園 博一
(72)【発明者】
【氏名】篠山 智生
【審査官】佐々木 創太郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-227255(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2005/0182321(US,A1)
【文献】特開2013-043027(JP,A)
【文献】特開2017-076095(JP,A)
【文献】特開2002-253489(JP,A)
【文献】特開2014-209195(JP,A)
【文献】特開2004-194821(JP,A)
【文献】特開2005-331889(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 10/00
G01N 21/64
A61N 5/00-5/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
治療支援用の撮像装置と、
励起光源とを備え、
前記撮像装置は、
撮像装置本体と、
一方端が前記撮像装置本体の内部に配置され、被検体の患部に投与された薬剤に含まれる蛍光物質を励起させるための励起光を前記励起光源から伝達する光ファイバケーブルと、
前記撮像装置本体の内部に設けられ、前記光ファイバケーブルからの前記励起光を拡散する拡散素子と、前記拡散素子により拡散された前記励起光を反射させて前記被検体に出射するとともに、前記蛍光物質が発する蛍光を透過させる光学素子と、を含む光学部材と、
前記撮像装置本体の内部に設けられ、前記蛍光を検出する蛍光検出部と、
前記撮像装置本体の内部に設けられ、前記被検体の患部からの距離を測定する距離測定部と、を含み、
前記励起光源による前記励起光の照射を制御するとともに、前記距離測定部の測定値に基づいて、前記被検体の患部に対して前記光ファイバケーブルにより照射される前記励起光の単位面積当たりの照射光量を取得する制御部をさらに備える、治療支援システム。
【請求項2】
前記撮像装置は、前記撮像装置本体の内部における前記光学素子と前記蛍光検出部との間に設けられ、前記蛍光物質から発せられる蛍光を集光し、焦点距離を調節可能な少なくとも1つの液体レンズを含む、レンズ部をさらに含む、請求項1に記載の治療支援システム。
【請求項3】
前記制御部は、前記距離測定部の
前記測定値に基づいて、前記液体レンズの焦点距離を調節する
ように構成されている、請求項
2に記載の治療支援システム。
【請求項4】
前記撮像装置は、前記レンズ部近傍に設けられた温度検出部をさらに含み、
前記制御部は、前記温度検出部が検出した温度に基づいて、前記測定値に基づいて調整された前記液体レンズの焦点距離をさらに調節するように構成されている、請求項3に記載の治療支援システム。
【請求項5】
前記撮像装置は、前記撮像装置本体に、前記拡散素子により拡散された前記励起光が出射される出射口であり、かつ、前記蛍光物質が発する蛍光が入射される入射口である窓部をさらに含む、請求項1に記載の治療支援システム。
【請求項6】
前記光ファイバケーブルは、1本の光ファイバケーブルにより構成されている、請求項1に記載の治療支援システム。
【請求項7】
前記励起光源は、前記撮像装置の外部に設けられるように構成されている、請求項1に記載の治療支援システム。
【請求項8】
前記蛍光検出部による検出信号に基づいて、蛍光画像を生成する画像生成部と、
前記画像生成部により生成された前記蛍光画像と、前記励起光の照射光量に関する情報とを表示する表示装置と、をさらに備える、請求項
1に記載の治療支援システム。
【請求項9】
前記制御部は、前記距離測定部の前記測定値と、前記励起光の照射時間と、前記励起光の強度と、前記光学部材の情報とに基づいて、前記被検体の患部における前記励起光の単位面積当たりの積算照射光量をさらに取得するように構成されている、請求項
1に記載の治療支援システム。
【請求項10】
前記制御部は、前記被検体の治療における複数回の撮像による前記積算照射光量の累計をさらに取得するように構成されている、請求項
9に記載の治療支援システム。
【請求項11】
前記制御部は、取得した前記積算照射光量の累計と、予め設定された、前記被検体に照射可能な前記励起光の単位面積当たりの総照射光量とに基づいて、前記被検体に照射可能な前記励起光の単位面積当たりの照射光量の残量をさらに取得するように構成されている、請求項
10に記載の治療支援システム。
【請求項12】
前記蛍光検出部による検出信号に基づいて、蛍光画像を生成する画像生成部と、
前記画像生成部により生成された前記蛍光画像と、前記励起光の照射光量に関する情報とを表示する表示装置と、をさらに備え、
前記制御部は、取得した前記残量に基づいて、前記撮像装置による撮像可能時間の残量または撮像可能回数の残数をさらに取得するとともに、前記表示装置に、前記照射光量に関する情報として前記撮像装置による前記撮像可能時間の残量に関する情報または前記撮像可能回数の残数に関する情報を表示させるように構成されている、請求項
11に記載の治療支援システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、治療支援システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、光免疫療法によるがん治療の治療支援を行う治療支援システムが知られている。このような治療支援システムは、たとえば、国際公開第2019/215905号に開示されている。
【0003】
光免疫療法では、まず光化学反応をおこす蛍光物質と、がん細胞に選択的に結合する抗体とを含む薬剤をがん患者の体内に投与する。投与された薬剤は、がん患者の体内を巡り、がん細胞の抗原に選択的に結合する。次に、蛍光物質に応じた特定の波長帯の光を照射することにより、がん細胞に結合した薬剤の蛍光物質が蛍光を発するとともに、光化学反応を起こして、蛍光物質の化学構造が変化する。この蛍光物質の化学構造の変化により、抗体の立体構造の変化が引き起こされる。そして、がん細胞に結合した抗体の立体構造の変化が、結合したがん細胞の細胞膜に損傷を与えることにより、がん細胞を破壊する(死滅させる)。
【0004】
上記国際公開第2019/215905号には、被検体を撮像するための撮像装置(撮像部)と、制御部等が内蔵された本体部とを備えた治療支援システムが開示されている。また、治療支援システムは、蛍光を検出する蛍光検出部と、蛍光検出部により出力された信号に基づいて蛍光画像を生成する蛍光画像生成部とを備えている。また、治療支援システムは、蛍光画像生成部により生成された治療前の蛍光画像および治療後の蛍光画像を出力するように構成されている。上記国際公開第2019/215905号に記載の治療支援システムでは、医師などのユーザは、治療前の蛍光画像と治療後の蛍光画像とを比較することにより、がん細胞に対する治療効果を確認することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記国際公開第2019/215905号の撮像装置は、励起光源として複数のLEDを撮像装置本体の内部に含んでいる。複数のLEDは、レンズ部の周囲を囲むように環状に並ぶように配置されている。環状に配置された複数のLEDのそれぞれから励起光が照射されるため、被検体の患部に対して励起光が一様に照射されない場合がある。被検体の患部に対して励起光が一様に照射されない場合、がん細胞に対する治療効果を確認するための正確な蛍光画像を取得することが困難となる。また、励起光の不均一な照射に起因して、所望の治療効果が得られなくなるおそれがある。そのため、被検体の患部に対して励起光を一様に照射することができることにより、治療効果を確認するための正確な蛍光画像を取得することができ、かつ、励起光の不均一な照射に起因する治療への悪影響を抑制することができる治療支援用撮像装置が望まれている。
【0007】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、被検体の患部に対して励起光を一様に照射することができることにより、治療効果を確認するための正確な蛍光画像を取得することが可能となるとともに、励起光の不均一な照射に起因する治療への悪影響を抑制することが可能な治療支援システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この発明の一の局面における治療支援システムは、治療支援用の撮像装置と、励起光源とを備え、撮像装置は、撮像装置本体と、一方端が撮像装置本体の内部に配置され、被検体の患部に投与された薬剤に含まれる蛍光物質を励起させるための励起光を励起光源から伝達する光ファイバケーブルと、撮像装置本体の内部に設けられ、光ファイバケーブルからの励起光を拡散する拡散素子と、拡散素子により拡散された励起光を反射させて被検体に出射するとともに、蛍光物質が発する蛍光を透過させる光学素子と、を含む光学部材と、撮像装置本体の内部に設けられ、蛍光を検出する蛍光検出部と、撮像装置本体の内部に設けられ、被検体の患部からの距離を測定する距離測定部と、を含み、励起光源による励起光の照射を制御するとともに、距離測定部の測定値に基づいて、被検体の患部に対して光ファイバケーブルにより照射される励起光の単位面積当たりの照射光量を取得する制御部をさらに備える。
【発明の効果】
【0010】
本発明の一の局面における治療支援システムは、上記のように、撮像装置本体の内部に設けられ、光ファイバケーブルからの励起光を拡散する拡散素子と、拡散素子により拡散された励起光を反射させて被検体に出射するとともに、蛍光物質が発する蛍光を透過させる光学素子と、を含む光学部材を含む撮像装置を備える。これにより、被検体の患部に対して励起光を一様に照射することができるため、治療効果を確認するための正確な蛍光画像を取得することができるとともに、励起光の不均一な照射に起因する治療への悪影響を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】第1実施形態による治療支援用撮像装置を備える治療支援システムの概略を示した斜視図である。
【
図2】第1実施形態による治療支援用撮像装置を備える治療支援システムの概略を示したブロック図である。
【
図3】第1実施形態による治療支援用撮像装置の模式図である。
【
図4】第1実施形態による治療支援用撮像装置の本体部の受光側から見た模式図である。
【
図5】第1実施形態による制御部の概略を示したブロック図である。
【
図6】第2実施形態による制御部の概略を示したブロック図である。
【
図7】第2実施形態による表示装置に表示された撮像可能時間の残量に関する情報を示した模式図である。
【
図8】第2実施形態による表示装置に表示された撮像可能回数の残数に関する情報を示した模式図である。
【
図9】第2実施形態の制御部による情報取得処理および情報表示処理を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明を具体化した実施形態を図面に基づいて説明する。
【0014】
[第1実施形態]
(治療支援システムの構成)
図1および
図2を参照して、第1実施形態による治療支援用撮像装置300を備える治療支援システム100の構成について説明する。
【0015】
第1実施形態による治療支援用撮像装置300を備える治療支援システム100は、
図1に示すように、治療支援用撮像装置300を含む治療支援装置200と、表示装置400とを備える。
【0016】
第1実施形態による治療支援装置200は、光免疫療法における治療の支援を行う装置である。治療支援装置200は、
図1に示すように、がん患者である被検体10(
図2参照)に対して、励起光を照射して、被検体10の体内に投与された薬剤20(
図2参照)の蛍光物質により放射される蛍光を検出するように構成されている。治療支援装置200の詳細な構成は後述する。
【0017】
表示装置400は、治療支援装置200から出力される被検体10を撮像した画像を表示するように構成されている。表示装置400は、たとえば、液晶ディスプレイ、または、有機ELディスプレイなどにより構成されている。表示装置400は、たとえば、HDMI(登録商標)等の映像インターフェースにより治療支援装置200と接続される。
【0018】
(治療支援装置の構成)
図1および
図2を参照して、第1実施形態による治療支援装置200の構成について説明する。治療支援装置200は、治療支援用撮像装置300と、治療支援装置本体部220と、アーム部230と、励起光源240(
図2参照)とを含む。
【0019】
治療支援用撮像装置300は、携帯型の撮像装置本体310と、一方端が撮像装置本体310の内部に配置され、他方端が励起光源240に接続された光ファイバケーブル320とを含む。撮像装置本体310は、円筒形状の本体部311と、本体部311の外周面に接続される把持部312と、把持部312に設けられた撮像装置操作部313とを含む。本体部311は、内部に光ファイバケーブル320の一方端が配置される。把持部312は、医師などのユーザにより把持されるように構成されている。撮像装置操作部313は、撮像の開始および終了の操作や画角調整の操作などを受け付けるように構成されている。治療支援用撮像装置300は、ハンディタイプかつガンタイプの撮像装置として構成されている。なお、治療支援用撮像装置300は、アーム部230に着脱可能となるように構成されている。本体部311または把持部312には、アーム部230と着脱可能な着脱部(不図示)が形成されている。治療支援用撮像装置300の詳細な構成は後述する。
【0020】
アーム部230は、治療支援用撮像装置300と接続可能に構成されている。アーム部230の一方端部には、治療支援装置本体部220が接続されている。アーム部230の他方端部には、撮像装置本体310の着脱部と接続可能な接続部231が形成されている。治療支援用撮像装置300は、ハンディタイプの撮像装置として構成されているが、アーム部230に接続固定して使用することも可能である。アーム部230は、多関節構造を有し、伸縮や回動が可能なように構成されている。これにより、医師などのユーザは、アーム部230に接続固定された治療支援用撮像装置300の撮像方向および撮像位置を調整することができる。
【0021】
治療支援装置本体部220は、箱形状を有する。治療支援装置本体部220には、励起光源240(
図2参照)や、後述する制御部210(
図2参照)などが収容されている。治療支援装置本体部220は、複数の車輪221と、ハンドル部222と、操作部223とを含む。複数の車輪221は、それぞれが回転することにより治療支援装置200を移動させることが可能である。ハンドル部222は、治療支援装置200を移動させる際にユーザが把持するためのものである。
【0022】
操作部223は、治療支援用撮像装置300を含む治療支援装置200の操作を行うためのユーザインターフェースである。操作部223は、治療支援用撮像装置300による撮像の開始および終了、励起光源240からの励起光の照射、画角調整、および、表示装置400に表示される画像の表示などの制御を行うための操作を受け付けるように構成されている。操作部223は、たとえば、タッチパネル、キーボード、マウスなどを含む。
【0023】
励起光源240(
図2参照)は、本実施形態において、治療支援装置本体部220に設けられている。励起光源240は、薬剤20に含まれた蛍光物質を励起させる特定の波長帯の励起光を照射するように構成されている。励起光源240は、光ファイバケーブル320と接続され、複数設けられたレーザ素子のうちの1つである。励起光源240として使用されるレーザ素子以外のレーザ素子は、治療光光源として使用される。
【0024】
ここで、光免疫療法では、励起光(治療光)の照射の前に被検体10の体内に薬剤20を投与する。薬剤20は、蛍光を発する蛍光物質と、抗体とを含む。薬剤20の蛍光物質は、励起光(治療光)が照射されることにより、励起して蛍光を発する物質であり、励起光(治療光)が照射され続けることにより、光化学反応を起こす物質である。蛍光物質は、たとえば、IRDye(登録商標)700DXなどの化学物質である。
【0025】
光免疫療法による治療の際には、治療光光源から、被検体10に投与された薬剤20の蛍光物質の種類に応じた治療光が、被検体10の治療部位(がん細胞)に対して照射される。また、光免疫療法による治療の前後には、治療光光源の1つを励起光源として使用し、この励起光源から、励起光が被検体10の治療部位(がん細胞)に対して照射される。後述する蛍光検出部360(
図2参照)により、照射された励起光により励起された蛍光物質が発する蛍光を検出し、検出した蛍光に基づいて生成された、治療前の蛍光画像と治療後の蛍光画像とを比較することにより、がん細胞に対する治療効果が確認できる。
【0026】
(治療支援用撮像装置の構成)
図2~
図4を参照して、第1実施形態による治療支援用撮像装置300の構成についてさらに説明する。治療支援用撮像装置300は、レンズ部330と、光ファイバケーブル320と、光学部材340と、白色光源500と、ビームスプリッタ350と、蛍光検出部360と、可視光検出部370と、距離測定部380と、温度検出部390と、窓部600と、を含む。治療支援用撮像装置300は、治療前後を含む治療時において、薬剤20の蛍光物質が発する蛍光に基づいて画像を撮像するために使用される。
【0027】
図3に示すように、レンズ部330は、被検体10の患部に投与された薬剤20に含まれる蛍光物質から発せられる蛍光を集光する複数のレンズ群からなるレンズユニットである。レンズ部330は、焦点距離を調節可能な少なくとも1つの液体レンズ331(
図3参照)を含む。レンズ部330は、撮像装置本体310の本体部311の内部に設けられる。
【0028】
液体レンズ331は、水溶液と油とを封入したホルダの側面に電極を設けたものである。液体レンズ331は、電極に電圧を印加して水溶液と油との界面の形状を変化させることにより、焦点距離を変化させることができる。液体レンズ331は、電極に電圧を印加する機構(不図示)により電圧が印加されるとともに、電圧値を変化させることにより焦点距離を変化させることができる。このため、レンズ部330には、オートフォーカス用のレンズ移動機構や駆動用モータなどが設けられていない。
【0029】
光ファイバケーブル320は、一方端が撮像装置本体310の本体部311(
図1参照)の内部に配置され、他方端が励起光源240と接続されている。光ファイバケーブル320は、励起光源240から蛍光物質を励起させるための励起光を伝達し、伝達された励起光を被検体10に向けて照射する。光ファイバケーブル320は、1本のケーブルにより構成されている。光ファイバケーブル320は、1本の光ファイバであっても良いし、複数の光ファイバが束ねられたバンドルファイバや多芯ファイバであっても良い。
【0030】
光学部材340は、第1の光学素子341と、拡散素子342と、第2の光学素子343と、を含む。光学部材340は、撮像装置本体310の本体部311の内部に設けられる。第2の光学素子343は、請求の範囲の「光学素子」の一例である。
【0031】
第1の光学素子341は、光ファイバケーブル320からの励起光を反射させて、拡散素子342に出射するように構成されている。第1の光学素子341は、たとえば、ミラーである。拡散素子342は、第1の光学素子341により反射された励起光を拡散するように構成されている。拡散素子342は、たとえば、マイクロレンズをアレイ状に配列させたマイクロレンズアレイである。第2の光学素子343は、拡散素子342により拡散された励起光を反射させて被検体10に出射するとともに、励起光による励起により蛍光物質が発する蛍光、および、被検体10から反射した可視光を透過させるように構成されている。第2の光学素子343は、たとえば、ハーフミラーまたはダイクロイックミラーである。このように、光ファイバケーブル320から出射された励起光は、第1の光学素子341により反射されて拡散素子342に入射し、拡散素子342に入射した励起光は拡散素子342により拡散され、拡散された励起光は第2の光学素子343により反射されて被検体10に出射される。また、第2の光学素子343により出射された励起光により励起された薬剤20の蛍光物質が発する蛍光は、第2の光学素子343を透過し、液体レンズ331を含むレンズ部330に入射する。治療支援用撮像装置300の外部に励起光源240が設けられる構成のため、治療支援用撮像装置300の内部には、励起光源240から発生する熱を放熱するための放熱部材が設けられていない。
【0032】
白色光源500は、可視光を発する光源であり、白色光を照射するように構成されている。白色光源500は、たとえば、発光ダイオードまたは蛍光灯である。被検体10から反射した可視光(反射光)を検出するために、白色光源500から照射される白色光は、被検体10の患部に向かって照射される。白色光源500は、撮像装置本体310の本体部311の内部に設けられる。
図4に示すように、本実施形態において、白色光源500は、4つ設けられ、窓部600の径方向外側において周方向に等間隔に配置される。
【0033】
ビームスプリッタ350は、レンズ部330に入射して収束された、蛍光物質が発する蛍光および被検体10から反射した可視光が入射され、入射した蛍光および可視光を分離するように構成されている。ビームスプリッタ350によって分離された蛍光は、蛍光検出部360において結像するように構成されている。また、ビームスプリッタ350によって分離された可視光は、可視光検出部370において結像するように構成されている。ビームスプリッタ350は、たとえば、ダイクロイックミラーである。ビームスプリッタ350は、撮像装置本体310の本体部311の内部に設けられる。
【0034】
蛍光検出部360は、蛍光を検出するように構成されている。蛍光検出部360は、光学フィルタの波長選択性により、薬剤20の蛍光物質により放射される蛍光の波長帯を含めた領域の光を選択的に撮像するように構成されている。蛍光検出部360は、ビームスプリッタ350によって分離された、薬剤20の蛍光物質が発する蛍光に基づいて画像を撮像する撮像素子を含む。撮像素子は、たとえば、CMOS(Complementary metal Oxide Semiconductor)イメージセンサ、または、CCD(Charge Coupled Device)イメージセンサである。蛍光検出部360は、撮像装置本体310の本体部311の内部に設けられる。なお、蛍光検出部360とビームスプリッタ350との間に、可視光を遮断し、可視光より長波長域にある蛍光を透過させるロングパスフィルタを設けても良い。ロングパスフィルタを設けることにより、ビームスプリッタ350で分離することができなかった不要な光を除くことができるため、撮像の品質を向上させることができる。
【0035】
可視光検出部370は、可視光を検出するように構成されている。可視光検出部370は、光学フィルタの波長選択性により、可視光の波長帯を含めた領域の光を選択的に撮像するように構成されている。可視光検出部370は、ビームスプリッタ350によって分離された、被検体10により反射した可視光(反射光)を検出する撮像素子を含む。撮像素子は、たとえば、CMOSイメージセンサ、または、CCDイメージセンサである。可視光検出部370は、撮像装置本体310の本体部311の内部に設けられる。なお、可視光検出部370とビームスプリッタ350との間に、可視光を透過させ、可視光より長波長域にある蛍光を遮断するショートパスフィルタを設けても良い。ショートパスフィルタを設けることにより、ビームスプリッタ350で分離することができなかった不要な光を除くことができるため、撮像の品質を向上させることができる。
【0036】
距離測定部380は、距離測定部380から被検体10の患部までの距離を測定するように構成されている。距離測定部380は、測定した被検体10の患部までの距離を距離信号として、制御部(
図2参照)に出力する。距離測定部380は、例えば、光学式の測距センサである。液体レンズ331は移動しないため、設置された距離測定部380と液体レンズ331との距離は変化しない。そのため、距離測定部380の位置は、撮像装置本体310の本体部311の内部であれば特に限定されない。
【0037】
温度検出部390は、液体レンズ331を含むレンズ部330近傍の温度を検出するように構成されている。温度検出部390は、検出したレンズ部330近傍の温度を温度信号として、制御部(
図2参照)に出力する。温度検出部390は、例えば、サーミスタである。温度検出部390は、撮像装置本体310の本体部311の内部におけるレンズ部330の近傍に設けられる。
【0038】
図4に示すように、窓部600は、撮像装置本体310において、拡散素子により拡散された励起光が出射される出射口であり、かつ、蛍光物質が発する蛍光が入射される入射口であるように構成されている。
【0039】
(治療支援装置本体部の構成)
図2および
図5を参照して、第1実施形態による治療支援装置本体部220(
図1参照)の構成についてさらに説明する。
図2に示すように、治療支援装置本体部220は、画像生成部250と、画像合成部260と、記憶部270と、制御部210と、を含む。
【0040】
画像生成部250は、検出した蛍光に基づいて蛍光検出部360が出力した信号と、検出した可視光に基づいて可視光検出部370が出力した信号とが入力されるように構成されている。画像生成部250は、入力された信号に基づいて、画像を生成するように構成されている。画像生成部250は、蛍光検出部360により検出された蛍光物質からの蛍光に基づいて、蛍光物質が発する蛍光の強度分布を表す画像である蛍光画像を生成するように構成されている。また、画像生成部250は、可視光検出部370により検出された可視光に基づいて、可視光画像を生成するように構成されている。
【0041】
画像合成部260は、画像生成部250が生成した蛍光画像と可視光画像とを重ね合わせた、合成画像を生成するように構成されている。
【0042】
画像生成部250および画像合成部260は、GPU(Graphics Processing Unit)などのプロセッサなどを含む。画像生成部250と画像合成部260とは、別々のプロセッサでも良いし、同じプロセッサでも良い。
【0043】
記憶部270は、蛍光画像、可視光画像、合成画像などを記憶可能に構成されている。また、記憶部270は、治療前または治療後において蛍光画像を生成する際に、励起光の照射の制御を行うために制御部210により実行されるプログラム、励起光の照射の制御を行うために必要なデータなどを記憶するように構成されている。また、記憶部270は、距離測定部380が測定した測定値に基づいて、液体レンズ331の焦点距離を調節する制御を行うために制御部210により実行されるプログラム、温度検出部390が検出した温度に基づいて、液体レンズ331の焦点距離を調節する制御を行うために制御部210により実行されるプログラム、および、液体レンズ331の焦点距離の制御を行うために必要なデータなどを記憶するように構成されている。記憶部270は、たとえば、不揮発性のメモリ、ハードディスクドライブ(HDD:Hard Disk Drive)、または、SSD(Solid State Drive)などを含む。
【0044】
制御部210は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、および、RAM(Random Access Memory)などを含み、治療支援システム100全体を制御するように構成されている。
【0045】
制御部210は、合成画像を表示装置400に表示する制御を行うように構成されている。また、制御部210は、励起光源240からの励起光の照射および白色光源500からの可視光の照射の制御を行うように構成されている。すなわち、
図5に示すハードウエアとしてのCPUなどからなる制御部210は、ソフトウエア(プログラム)の機能ブロックとして、合成画像を表示装置に表示する表示制御部211と、励起光源240から励起光を照射し、白色光源500から可視光を照射する光源制御部212とを含む。
【0046】
また、制御部210は、液体レンズ331の電極に印加される電圧を、距離測定部380が測定した測定値に基づいて調節する制御を行うように構成されている。制御部210は、たとえば、記憶部270に記憶された、距離測定部380により測定された被検体10の患部までの距離の測定値と、液体レンズ331の電極に印加される電圧値とを関連付けたテーブルを参照して、液体レンズ331の電極に印加される電圧値を取得し、取得した電圧値に基づいて電圧を印加する制御を行う。すなわち、ハードウエアとしてのCPUなどからなる制御部210は、ソフトウエア(プログラム)の機能ブロックとして、距離測定部380が測定した測定値を取得する取得部213と、液体レンズ331の電極に印加される電圧を、距離測定部380が測定した測定値に基づいて調節する焦点距離制御部214とを含む。
【0047】
また、制御部210は、距離測定部380が測定した測定値に基づいて調節された、液体レンズ331の電極に印加される電圧を、温度検出部390が検出した温度に基づいてさらに調節する制御を行うように構成されている。制御部210は、たとえば、記憶部270に記憶された、温度検出部390により検出された液体レンズ331を含むレンズ部330近傍の温度と、液体レンズ331の電極に印加される電圧値を補正するための補正値とを関連付けたテーブルを参照して、液体レンズ331の電極に印加される電圧値を補正するための補正値を取得し、取得した補正値に基づいて補正された電圧を印加する制御を行う。すなわち、ハードウエアとしてのCPUなどからなる制御部210は、ソフトウエア(プログラム)の機能ブロックとして、温度検出部390が検出した温度を取得する取得部213と、測定値に基づいて液体レンズ331の電極に印加される電圧を、温度検出部390が検出した温度に基づいてさらに調節する焦点距離制御部214とを含む。
【0048】
すなわち、ハードウエアとしてのCPUなどからなる制御部210は、ソフトウエア(プログラム)の機能ブロックとして、表示制御部211、光源制御部212、取得部213および焦点距離制御部214とを含む。
【0049】
(第1実施形態の効果)
第1実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
【0050】
第1実施形態では、上記のように、治療支援システム100は、撮像装置本体310の内部に設けられ、光ファイバケーブル320からの励起光を拡散する拡散素子342と、拡散素子342により拡散された励起光を反射させて被検体10に出射するとともに、蛍光物質が発する蛍光を透過させる第2の光学素子343と、を含む光学部材340を含む治療支援用の撮像装置300を備える。光ファイバケーブル320からの励起光は、拡散素子342により拡散された後、第2の光学素子343により反射されて、被検体10に向かって出射されることにより、治療支援用撮像装置300の視野全体に一様に広がることになる。これにより、環状に配置された複数のLEDから励起光が被検体に向かって直接照射される撮像装置と比べて、被検体10の患部に対して励起光を一様に照射することができるため、治療効果を確認するための正確な蛍光画像を取得することができ、かつ、治療支援用撮像装置300の小型化および低コスト化を図ることができる。また、被検体10の患部に対して励起光が不均一に照射されると、患部の治療を必要以上に進行させる部分を生じさせるおそれがあり、その結果、所望の治療効果が得られなくなるおそれがある。第1実施形態では、被検体10の患部に対して励起光を一様に照射することができるため、患部の治療を必要以上に進行させる部分を生じさせることを抑制することができる。その結果、励起光の不均一な照射に起因する治療への悪影響を抑制することができる。
【0051】
また、第1実施形態では、上記のように、治療支援用撮像装置300は、撮像装置本体310の内部における第2の光学素子343と蛍光検出部360との間に設けられ、蛍光物質から発せられる蛍光を集光し、焦点距離を調節可能な少なくとも1つの液体レンズ331を含む、レンズ部330をさらに含む。これにより、レンズ駆動用のモータやギアなどの部品が、撮像装置本体310に設けられていない。そのため、治療支援用撮像装置300の小型化及び軽量化を図ることができ、その結果、医師などのユーザの負担を軽減することができる。
【0052】
また、第1実施形態では、上記のように、治療支援用撮像装置300は、撮像装置本体310の内部に設けられ、被検体10の患部からの距離を測定する距離測定部380をさらに含み、治療支援システム100は、距離測定部380の測定値に基づいて、液体レンズ331の焦点距離を調節する制御部210をさらに備える。これにより、液体レンズ331の焦点距離を適切に調整することができる。
【0053】
また、第1実施形態では、上記のように、治療支援用撮像装置300は、レンズ部330近傍に設けられた温度検出部390をさらに含み、制御部210は、温度検出部390が検出した温度に基づいて測定値に基づいて調整された液体レンズ331の焦点距離をさらに調節するように構成されている。これにより、測定値に基づいて調整された液体レンズ331の焦点距離をさらに適切に微調整することができる。
【0054】
また、第1実施形態では、上記のように、治療支援用撮像装置300は、撮像装置本体310に、拡散素子342により拡散された励起光が出射される出射口であり、かつ、蛍光物質が発する蛍光が入射される入射口である窓部600をさらに含む。これにより、拡散素子342により拡散された励起光の光軸と、蛍光物質が発する蛍光の光軸とを揃えることができる。
【0055】
また、第1実施形態では、上記のように、光ファイバケーブル320は、1本の光ファイバケーブルにより構成されている。これにより、被検体10の患部に対して励起光をより一様に照射することができるため、治療効果を確認するためのより正確な蛍光画像を取得することができるとともに、励起光の不均一な照射に起因する治療への悪影響をより抑制することができる。
【0056】
また、第1実施形態では、上記のように、励起光源240は、治療支援用撮像装置300の外部に設けられるように構成されている。これにより、励起光源240から発生する熱を放熱する放熱器などの部品が、撮像装置本体310に設けられていない。そのため、治療支援用撮像装置300の小型化及び軽量化を図ることができ、その結果、医師などのユーザの負担をより軽減することができる。
【0057】
[第2実施形態]
次に、第2実施形態による治療支援用撮像装置300を備える治療支援システム100の構成について説明する。第2実施形態では、第1実施形態とは異なり、演算部215(制御部210)は、液体レンズ331の焦点距離を制御するために距離測定部380が測定した測定値に基づいて、被検体10の患部に対して光ファイバケーブル320により照射される励起光の単位面積当たりの照射光量を取得するように構成されている。なお、上記第1実施形態と同様の構成については同様の符号を付し、説明を省略する。
【0058】
第2実施形態による治療支援用撮像装置300においても、第1実施形態による治療支援用撮像装置300と同様に、治療前後を含む治療時において、薬剤20の蛍光物質が発する蛍光に基づいて画像を撮像するために使用される。ここで、第2実施形態による治療支援用撮像装置300においても、励起光源240として、治療光光源として設けられた複数のレーザ素子のうちの1つが使用される。治療状態を観察するために使用される、被検体10に照射可能な励起光の単位面積当たりの総照射光量と、治療するために使用される、被検体10に照射可能な治療光の単位面積当たりの治療光量とは、予めそれぞれ別々に設定されており、それぞれ記憶部270に記憶されている。上述したように、励起光と治療光とは同一光源であるため、励起光の照射によっても、蛍光物質の化学構造が変化し、抗体の立体構造の変化が引き起こされることにより、結合したがん細胞の細胞膜に損傷を与える。被検体10の患部に対して設定された励起光の単位面積当たりの総照射光量を超えた励起光が照射されると、患部の治療が必要以上に進行してしまい、所望の治療効果が得られなくなるおそれがある。そのため、励起光の照射過多に起因する治療への悪影響を抑制する必要がある。
【0059】
(治療支援システムの構成)
図6を参照して、第2実施形態による治療支援用撮像装置300を備える治療支援システム100の構成について説明する。
【0060】
第2実施形態による治療支援システム100における制御部210は、取得部213(制御部210)が取得した距離測定部380の測定値に基づいて、励起光の照射光量に関する情報を取得する演算部215を含む。すなわち、
図6に示すハードウエアとしてのCPUなどからなる制御部210は、ソフトウエア(プログラム)の機能ブロックとして、取得部213(制御部210)が取得した距離測定部380の測定値に基づいて、励起光の照射光量に関する情報を取得する演算部215を含む。
【0061】
また、第2実施形態における記憶部270は、拡散素子342、第1の光学素子341および第2の光学素子343を含む光学部材340の各々の光学特性などの情報を記憶するように構成されている。
【0062】
また、第2実施形態における取得部213(制御部210)は、光源制御部212(制御部210)による励起光源240からの照射された励起光の照射時間および励起光の強度を取得するとともに、記憶部270から光学部材340の光学特性などの情報を取得するように構成されている。
【0063】
演算部215(制御部210)は、取得部213(制御部210)が取得した測定値に基づいて、被検体10の患部に対して光ファイバケーブル320により照射される励起光の単位面積当たりの照射光量を取得するように構成されている。具体的には、演算部215(制御部210)は、被検体10に照射される励起光の単位面積当たりの積算照射光量を、取得部213(制御部210)が取得した、距離測定部380の測定値と、励起光の照射時間と、励起光の強度と、光学部材340の情報と、に基づいて取得するように構成されている。たとえば、治療支援用撮像装置300による撮像において、距離測定部380が測定した被検体10の患部までの距離の測定値が10cmであり、励起光源240からの励起光の照射時間が1.0秒であり、励起光源240からの励起光の強度が1.0Wであり、第2の光学素子343がハーフミラー(入射光の半分を反射して被検体10に出射する)であり、拡散素子342はハーフミラーから10cm離れた距離において100cm2に拡散するように設計されている、という情報を取得部213(制御部210)が取得した場合、演算部215(制御部210)は、治療支援用撮像装置300による1回の撮像における、被検体10に照射された励起光の単位面積当たりの積算照射光量を、1w(強度)×0.5(ハーフミラー)×1.0秒(照射時間)/100cm2=0.005J/cm2として取得する。演算部215(制御部210)により取得された励起光の単位面積当たりの積算照射光量、および、撮像条件(距離測定部380の測定値、励起光の照射時間、励起光の強度など)は、記憶部270に記憶される。
【0064】
また、演算部215(制御部210)は、被検体10の治療における複数回の撮像による積算照射光量の累計をさらに取得するように構成されている。たとえば、演算部215(制御部210)は、上述した励起光の単位面積当たりの積算照射光量と同じ方法を用いて、複数回の撮像による積算照射光量を合算することにより、積算照射光量の累計を取得する。演算部215(制御部210)により取得された励起光の単位面積当たりの積算照射光量の累計は、記憶部270に記憶される。
【0065】
また、取得部213(制御部210)は、予め設定されて記憶部270に記憶された、被検体10に照射可能な励起光の単位面積当たりの総照射光量を取得し、演算部215(制御部210)は、取得した積算照射光量の累計と、取得した被検体10に照射可能な励起光の単位面積当たりの総照射光量とに基づいて、被検体10に照射可能な励起光の単位面積当たりの照射光量の残量をさらに取得するように構成されている。たとえば、演算部215(制御部210)は、励起光の単位面積当たりの総照射光量から積算照射光量の累計を減算することにより、励起光の単位面積当たりの照射光量の残量を取得する。演算部215(制御部210)により取得された励起光の単位面積当たりの照射光量の残量は、記憶部270に記憶される。
【0066】
また、演算部215(制御部210)は、取得した励起光の単位面積当たりの照射光量の残量に基づいて、治療支援用撮像装置300による撮像可能時間の残量または撮像可能回数の残数をさらに取得するように構成されている。たとえば、演算部215(制御部210)は、励起光の単位面積当たりの照射光量の残量から、複数回の撮像における最後の撮像条件(距離測定部380の測定値と、励起光の照射時間と、励起光の強度など)と、次回の撮像条件とが同一である場合における、治療支援用撮像装置300による撮像可能時間の残量または撮像可能回数の残数を取得する。演算部215(制御部210)により取得された撮像可能時間の残量または撮像可能回数の残数は、記憶部270に記憶される。
【0067】
また、
図7に示すように、表示制御部211(制御部)は、励起光の照射光量に関する情報として、治療支援用撮像装置300による撮像可能時間の残量に関する情報を、表示装置400に表示させるように構成されている。表示制御部211(制御部)は、表示装置400に表示された合成画像410の下側部分の左端部に、撮像可能時間の残量に関する情報420を表示させるように構成されている。撮像可能時間の残量に関する情報420は、塗りつぶし部分は撮像した時間を表し、白抜き部分は撮像可能時間の残量として表すように構成されている。
【0068】
あるいは、
図8に示すように、表示制御部211(制御部)は、励起光の照射光量に関する情報として、治療支援用撮像装置300による撮像可能回数の残数に関する情報を、表示装置400に表示させるように構成されている。表示制御部211(制御部)は、表示装置400に表示された合成画像410の上側部分の左端部に、撮像可能回数の残数に関する情報430を表示させるように構成されている。
【0069】
なお、第2実施形態のその他の構成は、上記第1実施形態と同様である。
【0070】
(情報取得処理および情報表示処理)
次に、
図9を参照して、制御部210による励起光の照射光量に関する情報の取得処理、および、表示装置400に表示する情報の表示処理について説明する。なお、以下に説明する情報取得処理および情報表示処理は、ソフトウエアの機能ブロックとして表示制御部211と、光源制御部212と、取得部213と、演算部215とを含む、ハードウエアとしてのCPUなどからなる制御部210により実行される。
【0071】
ステップS101において、光源制御部212(制御部210)は、励起光源240に励起光を照射させる。また、画像生成部250は、蛍光画像および可視光画像を生成するとともに、画像合成部260は、画像生成部250が生成した蛍光分布画像と可視光画像とを重ね合わせた合成画像を生成する。また、記憶部270は、今回撮像された撮像条件(距離測定部380の測定値、励起光の照射時間、励起光の強度など)を記憶する。その後、処理はステップS102に進む。
【0072】
ステップS102において、取得部213(制御部210)は、記憶部270から、今回撮像された撮像条件に関する情報を取得する。演算部215(制御部210)は、取得部213(制御部210)が取得した情報に基づいて、被検体10に照射される励起光の単位面積当たりの積算照射光量を取得する。記憶部270は、演算部215(制御部210)が取得した励起光の単位面積当たりの積算照射光量を記憶する。その後、処理はステップS103に進む。
【0073】
ステップS103において、取得部213(制御部210)は、記憶部270から、複数回の撮像における各々の励起光の単位面積当たりの積算照射光量を取得する。演算部215(制御部210)は、取得部213(制御部210)が取得した複数回の撮像による積算照射光量を合算して、被検体10に照射される励起光の単位面積当たりの積算照射光量の累計を取得する。記憶部270は、演算部215(制御部210)が取得した励起光の単位面積当たりの積算照射光量の累計を記憶する。その後、処理はステップS104に進む。
【0074】
ステップS104において、取得部213(制御部210)は、記憶部270から、励起光の単位面積当たりの積算照射光量の累計、および、被検体10に照射可能な励起光の単位面積当たりの総照射光量を取得する。演算部215(制御部210)は、取得部213(制御部210)が取得した積算照射光量の累計および照射可能な総照射光量に基づいて、被検体10に照射可能な励起光の単位面積当たりの照射光量の残量を取得する。記憶部270は、演算部215(制御部210)が取得した励起光の単位面積当たりの照射光量の残量を記憶する。その後、処理はステップS105に進む。
【0075】
ステップS105において、取得部213(制御部210)は、記憶部270から、励起光の単位面積当たりの照射光量の残量を取得する。演算部215(制御部210)は、取得部213(制御部210)が取得した励起光の単位面積当たりの照射光量の残量に基づいて、治療支援用撮像装置300による撮像可能時間の残量または撮像可能回数の残数を取得する。記憶部270は、演算部215(制御部210)が取得した撮像可能時間の残量または撮像可能回数の残数を記憶する。その後、処理はステップS106に進む。
【0076】
ステップS106において、取得部213(制御部210)は、記憶部270から、撮像可能時間の残量または撮像可能回数の残数を取得する。表示制御部211(制御部)は、励起光の照射光量に関する情報として、治療支援用撮像装置300による撮像可能時間の残量に関する情報または撮像可能回数の残数に関する情報を、表示装置400に表示する。これにより、制御部210による情報取得処理および情報表示処理は終了する。
【0077】
(第2実施形態の効果)
第2実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
【0078】
上述したように、被検体10の患部に対して、設定された励起光の単位面積当たりの総照射光量を超えた励起光が照射されると、患部の治療が必要以上に進行してしまい、所望の治療効果が得られなくなるおそれがある。そこで、第2実施形態では、上記のように、演算部215(制御部210)は、距離測定部380が測定した測定値に基づいて、被検体10の患部に対して光ファイバケーブル320により照射される励起光の単位面積当たりの照射光量を取得するように構成されている。これにより、励起光の単位面積当たりの照射光量を容易に取得することができ、その結果、励起光の照射過多に起因する治療への悪影響を抑制することができる。また、演算部215(制御部210)は、液体レンズ331の焦点距離を制御するために取得部213(制御部210)が取得した測定値を、液体レンズ331の焦点距離を制御するために用いるとともに、被検体10の患部に対して光ファイバケーブル320により照射される励起光の単位面積当たりの照射光量を取得するために用いる。これにより、励起光の単位面積当たりの照射光量を取得するための部品を別途設ける必要がないため、部品点数を削減することができる。
【0079】
また、第2実施形態では、上記のように、励起光の照射光量に関する情報を表示する表示装置400と、をさらに備える。これにより、医師などのユーザは励起光の照射光量に関する情報を視覚的に認識することができるため、励起光の照射過多に起因する治療への悪影響をより抑制することができる。
【0080】
また、第2実施形態では、上記のように、演算部215(制御部210)は、距離測定部380の測定値と、励起光の照射時間と、励起光の強度と、光学部材340の情報とに基づいて、被検体10の患部における励起光の単位面積当たりの積算照射光量をさらに取得するように構成されている。これにより、励起光の単位面積当たりの積算照射光量を容易に取得することができ、その結果、励起光の照射過多に起因する治療への悪影響をより抑制することができる。
【0081】
また、第2実施形態では、上記のように、演算部215(制御部210)は、被検体10の治療における複数回の撮影による積算照射光量の累計をさらに取得するように構成されている。これにより、複数回の撮影による積算照射光量の累計を容易に取得することができ、その結果、励起光の照射過多に起因する治療への悪影響をより抑制することができる。
【0082】
また、第2実施形態では、上記のように、演算部215(制御部210)は、取得した積算照射光量の累計と、予め設定された、被検体10に照射可能な励起光の単位面積当たりの総照射光量とに基づいて、被検体10に照射可能な励起光の単位面積当たりの照射光量の残量をさらに取得するように構成されている。これにより、被検体10に照射可能な励起光の単位面積当たりの照射光量の残量を容易に取得することができ、その結果、励起光の照射過多に起因する治療への悪影響をより抑制することができる。
【0083】
また、第2実施形態では、上記のように、演算部215(制御部210)は、取得した被検体10に照射可能な励起光の単位面積当たりの照射光量の残量に基づいて、治療支援用撮像装置300による撮像可能時間の残量または撮像可能回数の残数をさらに取得するとともに、表示制御部211(制御部210)は、表示装置400に、照射光量に関する情報として治療支援用撮像装置300による撮像可能時間の残量に関する情報または撮像可能回数の残数に関する情報を表示させるように構成されている。これにより、医師などのユーザは、撮像可能時間の残量に関する情報または撮像可能回数の残数に関する情報を視覚的に認識することができる。そのため、医師などのユーザは、予め設定された、被検体10に照射可能な励起光の単位面積当たりの治療光量を超えないように、治療支援用撮像装置300を使用することができる。その結果、励起光の照射過多に起因する治療への悪影響をより抑制することができる。
【0084】
[変形例]
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく請求の範囲によって示され、さらに請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更(変形例)が含まれる。
【0085】
たとえば、上記実施形態では、治療支援システム100は、励起光源240を備える例を示したが、本発明はこれに限られない。励起光源240は、治療支援システム100の外部に設けられていても良い。また、励起光源240は、撮像装置本体310の内部に設けられていても良い。
【0086】
また、上記実施形態では、励起光源240から励起光を伝達する光ファイバケーブル320の数は1本である例を示したが、本発明はこれに限られない。光ファイバケーブル320の数は、複数であっても良い。
【0087】
また、上記実施形態では、距離測定部380は距離信号を撮像装置本体310の外部に設けられた制御部210に出力し、温度検出部390は温度信号を撮像装置本体310の外部に設けられた制御部210に出力することにより、制御部210が液体レンズ331の焦点距離を調節するように構成されている例を示したが、本発明はこれに限られない。治療支援用撮像装置300は、撮像装置本体310の内部に液体レンズ331の焦点距離を制御する焦点距離制御部をさらに含み、距離測定部380は距離信号を焦点距離制御部に出力し、温度検出部390は温度信号を焦点距離制御部に出力することにより、焦点距離制御部が液体レンズ331の焦点距離を調節するように構成されていても良い。
【0088】
また、上記実施形態では、制御部210は、測定値と液体レンズ331の電極に印加される電圧値とを関連付けたテーブルを参照して液体レンズ331の焦点距離を調節するように構成されている例を示したが、本発明はこれに限られない。制御部210は、テーブルを用いる代わりに演算式やその他の公知の手法を用いて液体レンズ331の焦点距離を調節するように構成されていても良い。
【0089】
また、上記実施形態では、温度検出部390は、レンズ部330近傍に設けられている例を示したが、本発明はこれに限られない。温度検出部390が液体レンズ331の温度と近似する温度を検出できれば、温度検出部390の位置は特に限定されない。
【0090】
また、上記実施形態では、制御部210は、レンズ部330近傍の温度と、液体レンズ331の電極に印加される電圧値を補正するための補正値とを関連付けたテーブルを参照して液体レンズ331の焦点距離を調節するように構成されている例を示したが、本発明はこれに限られない。制御部210は、テーブルを用いる代わりに演算式やその他の公知の手法を用いて液体レンズ331の焦点距離を調節するように構成されていても良い。
【0091】
また、上記実施形態では、表示制御部211(制御部210)は、表示装置400に、照射光量に関する情報として、治療支援用撮像装置300による撮像可能時間の残量に関する情報または撮像可能回数の残数に関する情報を表示させるように構成されている例を示したが、本発明はこれに限られない。制御部210は、
図9に示すいずれかのステップで情報取得処理を終了させて、表示制御部211(制御部210)は、表示装置400に、演算部215(制御部210)が取得した、励起光の単位面積当たりの積算照射光量に関する情報や、複数回の撮像による積算照射光量の累計に関する情報や、被検体10に照射可能な励起光の単位面積当たりの照射光量の残量に関する情報などを表示させるように構成されていても良い。また、撮像可能時間の残量に関する情報および撮像可能回数の残数に関する情報についての画像およびその位置は、医師などのユーザが視覚的に容易に認識できる画像およびその位置であれば、特に限定されない。
【0092】
また、上記実施形態では、治療支援用撮像装置300は、円筒形状の本体部311の外周面に接続される把持部312を含むガンタイプである例を示したが、本発明はこれに限られない。治療支援用撮像装置300は、撮像装置操作部313を含む円筒形状の本体部311を直接把持するように構成されていても良い。また、治療支援用撮像装置300の本体部311は、円筒形状でなくても良い。
【0093】
[態様]
(第1態様)
上記した例示的な実施形態は、以下の第1態様の具体例であることが当業者により理解される。
【0094】
(項目1)
治療支援用の撮像装置と、
励起光源とを備え、
前記撮像装置は、
撮像装置本体と、
一方端が前記撮像装置本体の内部に配置され、被検体の患部に投与された薬剤に含まれる蛍光物質を励起させるための励起光を前記励起光源から伝達する光ファイバケーブルと、
前記撮像装置本体の内部に設けられ、前記光ファイバケーブルからの前記励起光を拡散する拡散素子と、前記拡散素子により拡散された前記励起光を反射させて前記被検体に出射するとともに、前記蛍光物質が発する蛍光を透過させる光学素子と、を含む光学部材と、
前記撮像装置本体の内部に設けられ、前記蛍光を検出する蛍光検出部と、を含む、治療支援システム。
【0095】
(項目2)
前記撮像装置は、前記撮像装置本体の内部における前記光学素子と前記蛍光検出部との間に設けられ、前記蛍光物質から発せられる蛍光を集光し、焦点距離を調節可能な少なくとも1つの液体レンズを含む、レンズ部をさらに含む、項目1に記載の治療支援システム。
【0096】
(項目3)
前記撮像装置は、前記撮像装置本体の内部に設けられ、前記被検体の患部からの距離を測定する距離測定部をさらに含み、
前記距離測定部の測定値に基づいて、前記液体レンズの焦点距離を調節する制御部をさらに備える、項目1に記載の治療支援システム。
【0097】
(項目4)
前記撮像装置は、前記レンズ部近傍に設けられた温度検出部をさらに含み、
前記制御部は、前記温度検出部が検出した温度に基づいて、前記測定値に基づいて調整された前記液体レンズの焦点距離をさらに調節するように構成されている、項目3に記載の治療支援システム。
【0098】
(項目5)
前記撮像装置は、前記撮像装置本体に、前記拡散素子により拡散された前記励起光が出射される出射口であり、かつ、前記蛍光物質が発する蛍光が入射される入射口である窓部をさらに含む、項目1に記載の治療支援システム。
【0099】
(項目6)
前記光ファイバケーブルは、1本の光ファイバケーブルにより構成されている、項目1に記載の治療支援システム。
【0100】
(項目7)
前記励起光源は、前記撮像装置の外部に設けられるように構成されている、項目1に記載の治療支援システム。
【0101】
(項目8)
前記制御部は、前記励起光源による前記励起光の照射を制御するとともに、前記測定値に基づいて、前記被検体の患部に対して前記光ファイバケーブルにより照射される前記励起光の単位面積当たりの照射光量を取得するように構成されている、項目3に記載の治療支援システム。
【0102】
(項目9)
前記蛍光検出部による検出信号に基づいて、蛍光画像を生成する画像生成部と、
前記画像生成部により生成された前記蛍光画像と、前記励起光の照射光量に関する情報とを表示する表示装置と、をさらに備える、項目8に記載の治療支援システム。
【0103】
(項目10)
前記制御部は、前記距離測定部の前記測定値と、前記励起光の照射時間と、前記励起光の強度と、前記光学部材の情報とに基づいて、前記被検体の患部における前記励起光の単位面積当たりの積算照射光量をさらに取得するように構成されている、項目8に記載の治療支援システム。
【0104】
(項目11)
前記制御部は、前記被検体の治療における複数回の撮像撮影による前記積算照射光量の累計をさらに取得するように構成されている、項目10に記載の治療支援システム。
【0105】
(項目12)
前記制御部は、取得した前記積算照射光量の累計と、予め設定された、前記被検体に照射可能な前記励起光の単位面積当たりの総照射光量とに基づいて、前記被検体に照射可能な前記励起光の単位面積当たりの照射光量の残量をさらに取得するように構成されている、項目11に記載の治療支援システム。
【0106】
(項目13)
前記制御部は、取得した前記残量に基づいて、前記撮像装置による撮像可能時間の残量または撮像可能回数の残数をさらに取得するとともに、前記表示装置に、前記照射光量に関する情報として前記撮像装置による前記撮像可能時間の残量に関する情報または前記撮像可能回数の残数に関する情報を表示させるように構成されている、項目12に記載の治療支援システム。
【0107】
(項目14)
撮像装置本体と、
一方端が前記撮像装置本体の内部に配置され、治療時に、被検体の患部に投与された薬剤に含まれる蛍光物質を励起させるための励起光を励起光源から伝達する光ファイバケーブルと、
前記撮像装置本体の内部に設けられ、前記光ファイバケーブルからの前記励起光を拡散する拡散素子と、前記拡散素子により拡散された前記励起光を反射させて前記被検体に出射するとともに、前記蛍光物質が発する蛍光を透過させる光学素子と、を含む光学部材と、
前記撮像装置本体の内部に設けられ、前記蛍光を検出する蛍光検出部と、を備える、治療支援用撮像装置。
【0108】
(項目15)
前記撮像装置本体の内部における前記光学素子と前記蛍光検出部との間に設けられ、前記蛍光を集光し、焦点距離を調節可能な少なくとも1つの液体レンズを含む、レンズ部をさらに備える、項目14に記載の治療支援用撮像装置。
【0109】
(第2態様)
また、上記した例示的な実施形態は、以下の第2態様の具体例であることが当業者により理解される。第2態様においては、第1態様とは異なり、光ファイバケーブルおよび光学部材は必須の構成ではない。また、励起光源の設置位置は、撮像装置の外部および内部のいずれであっても良い。
【0110】
(項目1)
治療支援用の撮像装置と、
前記撮像装置による被検体の撮像を制御する制御部と、を備え、
前記撮像装置は、
前記被検体の患部に投与された薬剤に含まれる蛍光物質から発せられる蛍光を集光し、焦点距離を調節可能な少なくとも1つの液体レンズを含む、レンズ部と、
励起光を照射する励起光照射部と、
前記被検体の患部からの距離を測定する距離測定部と、
前記レンズ部により集光された蛍光を検出する蛍光検出部と、を含み、
前記制御部は、前記距離測定部の測定値に基づいて、前記液体レンズの焦点距離を調節するとともに、前記測定値に基づいて、前記被検体の患部に対して前記励起光照射部より照射される前記励起光の単位面積当たりの照射光量を取得するように構成されている、治療支援システム。
【0111】
(項目2)
前記蛍光検出部による検出信号に基づいて、蛍光画像を生成する画像生成部と、
前記画像生成部により生成された前記蛍光画像と、前記励起光の照射光量に関する情報とを表示する表示装置と、をさらに備える、項目1に記載の治療支援システム。
【0112】
(項目3)
前記撮像装置は、光学部材をさらに含み、
前記制御部は、前記距離測定部の測定値と、前記励起光の照射時間と、前記励起光の強度と、前記光学部材の情報とに基づいて、前記被検体の患部における前記励起光の単位面積当たりの積算照射光量をさらに取得するように構成されている、項目1に記載の治療支援システム。
【0113】
(項目4)
前記制御部は、前記被検体の治療における複数回の撮像による前記積算照射光量の累計をさらに取得するように構成されている、項目3に記載の治療支援システム。
【0114】
(項目5)
前記制御部は、取得した前記積算照射光量の累計と、予め設定された、前記被検体に照射可能な前記励起光の単位面積当たりの総照射光量とに基づいて、前記被検体に照射可能な前記励起光の単位面積当たりの照射光量の残量をさらに取得するように構成されている、項目4に記載の治療支援システム。
【0115】
(項目6)
前記制御部は、取得した前記残量に基づいて、前記撮像装置による撮像可能時間の残量または撮像可能回数の残数をさらに取得するとともに、前記表示装置に、前記照射光量に関する情報として前記撮像装置による前記撮像可能時間の残量に関する情報または前記撮像可能回数の残数に関する情報を表示させるように構成されている、項目5に記載の治療支援システム。
【符号の説明】
【0116】
100 治療支援システム
210 制御部
240 励起光源
250 画像生成部
300 治療支援用撮像装置
310 撮像装置本体
320 光ファイバケーブル
330 レンズ部
331 液体レンズ
340 光学部材
342 拡散素子
343 第2の光学素子(光学素子)
360 蛍光検出部
380 距離測定部
390 温度検出部
400 表示装置
420 撮像可能時間の残量に関する情報
430 撮像可能回数の残数に関する情報
600 窓部
10 被検体
20 薬剤