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特許7521615情報処理装置、情報処理システム、情報処理方法およびプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-16
(45)【発行日】2024-07-24
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理システム、情報処理方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G08B 21/02 20060101AFI20240717BHJP
   G08B 25/00 20060101ALI20240717BHJP
   H04N 7/18 20060101ALI20240717BHJP
   G06Q 50/10 20120101ALI20240717BHJP
   G08B 25/04 20060101ALI20240717BHJP
   G08B 21/24 20060101ALI20240717BHJP
【FI】
G08B21/02
G08B25/00 510M
H04N7/18 D
H04N7/18 K
G06Q50/10
G08B25/04 K
G08B21/24
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2022578080
(86)(22)【出願日】2021-11-26
(86)【国際出願番号】 JP2021043474
(87)【国際公開番号】W WO2022163109
(87)【国際公開日】2022-08-04
【審査請求日】2023-06-27
(31)【優先権主張番号】P 2021010490
(32)【優先日】2021-01-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【弁理士】
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】知久 慎太郎
【審査官】吉村 伊佐雄
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2017/79938(WO,A1)
【文献】特許第6744652(JP,B1)
【文献】特開2019-119430(JP,A)
【文献】登録実用新案第3202664(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q10/00-10/10
30/00-30/08
50/00-99/00
G08B19/00-31/00
G16H10/00-80/00
G16Z99/00
H04N7/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の領域における人物の存在を示す人物データを取得する人物データ取得手段と、
前記人物データに基づいて前記領域における混雑度を算出する混雑度算出手段と、
前記領域における少なくとも環境温度および環境湿度を含む環境データを取得する環境データ取得手段と、
前記環境データに基づいて熱中症の危険度を算出する危険度算出手段と、
前記混雑度と前記危険度とに基づいて、マスクを装着する警告またはマスクを装着しない警告をするか否かを判定する判定手段と、
前記判定の結果を出力する出力手段と、
を備える情報処理装置。
【請求項2】
前記判定手段は、前記混雑度が所定値以上であって、且つ、前記危険度が所定値未満の場合には前記判定の結果としてマスクを装着する警告をすることを決定し、
前記危険度が所定値以上の場合には、前記判定の結果としてマスクを外す警告をすることを決定する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記人物データ取得手段は、前記領域を撮影する撮像素子から画像データを取得し、
前記混雑度算出手段は、前記画像データにかかる画像に含まれる前記人物に基づいて前記混雑度を算出する、
請求項1または2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記混雑度算出手段は、複数の異なる時刻に取得した前記画像データに基づいて前記人物の動作を検出し、前記動作に基づいて、前記人物の移動速度が比較的に遅い程、前記混雑度が比較的に高いと算出する、
請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記混雑度算出手段は、複数の異なる時刻に取得した前記画像データに基づいて前記人物の動作を検出し、
前記危険度算出手段は、前記動作が比較的に速い程、前記危険度が比較的に高いと算出する、
請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記危険度算出手段は、前記画像データに含まれる前記人物の年齢を推定し、前記年齢に基づいて前記危険度を算出する、
請求項3~5のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記画像データに基づいて前記人物がマスクを装着していることを検出するマスク装着検出手段と、
前記判定手段がマスクを装着することを警告することを決定した場合であっても、前記人物がマスクを装着していることを検出した場合には、前記判定を抑制し、
前記判定手段がマスクを装着しないことを警告することを決定した場合であっても、前記人物がマスクを装着していないことを検出した場合には、前記判定を抑制する抑制手段と、をさらに備える、
請求項3~6のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項8】
請求項1~7のいずれか一項に記載の情報処理装置と、
前記出力手段から受け取った前記判定の結果に基づいて前記領域に存在する前記人物に対してマスク装着の要否に関する警告を前記人物の視覚または聴覚に知覚させる警告手段と、を備える
情報処理システム。
【請求項9】
コンピュータが、
所定の領域における人物の存在を示す人物データを取得し、
前記人物データに基づいて前記領域における混雑度を算出し、
前記領域における少なくとも環境温度および環境湿度を含む環境データを取得し、
前記環境データに基づいて熱中症の危険度を算出し、
前記混雑度と前記危険度とに基づいて、マスクを装着する警告またはマスクを装着しない警告をするか否かを判定し、
前記判定の結果を出力する、
情報処理方法。
【請求項10】
所定の領域における人物の存在を示す人物データを取得し、
前記人物データに基づいて前記領域における混雑度を算出し、
前記領域における少なくとも環境温度および環境湿度を含む環境データを取得し、
前記環境データに基づいて熱中症の危険度を算出し、
前記混雑度と前記危険度とに基づいて、マスクを装着する警告またはマスクを装着しない警告をするか否かを判定し、
前記判定の結果を出力する、
情報処理方法を、コンピュータに実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は情報処理装置、情報処理システム、情報処理方法および非一時的なコンピュータ可読媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
公共の場所等に存在する人は、感染症に感染するリスクがある。一方、高温高湿環境下に存在する人は、熱中症等のリスクが存在する可能性がある。また人に対するこのようなリスクを抑制するための種々の技術が開発されている。
【0003】
特許文献1に記載の情報提供システムは、1以上の音声認識装置から地域感染情報を取得し、取得した地域感染情報に基づき各地域の感染リスクの大きさを表す感染リスク値を算出する。
【0004】
特許文献2に記載のシステムは、計測対象区域の少なくとも1ヶ所に配置された移設可能な観測機が計測した環境情報を、監視制御装置が一元的にモニタリングする。
【0005】
特許文献3に記載の混雑情報提供システムは、混雑状況を観測するための定点カメラと、定点カメラに接続された混雑情報演算装置と、混雑情報を表示する情報表示装置とを備える。混雑情報演算装置は、定点カメラが撮影した画像に含まれる人物領域を検出し、検出した人物領域に基づいて画像中の人物の数を計測し、計測結果に基づく混雑情報を利用者に提供する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】国際公開第2020/031599号
【文献】特開2016-018357号公報
【文献】特開2007-201556号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、公共の場所に存在する人は、感染症拡大のリスクを抑制するためマスクを装着することが求められる一方、高温高湿環境下においては、マスクを装着することにより熱中症になるリスクが高くなる。また高温高湿環境下で運動をしている人は、マスクを装着すると健康状態が悪化する虞がある。このような一見背反するような状況が同時に発生し得る場合に、人物に対するリスクを総合的に判断する技術の開発が期待されている。
【0008】
本開示はこのような課題を鑑みてなされたものであり、所定の領域における人物に対するリスクを判定するための情報を適切に処理する情報処理装置等を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本開示の1実施形態にかかる情報処理装置は、人物データ取得部、混雑度算出部、環境データ取得部、危険度算出部、判定部および出力部を有する。人物データ取得部は、所定の領域における人物の存在を示す人物データを取得する。混雑度算出部は、人物データに基づいて領域における混雑度を算出する。環境データ取得部は、領域における少なくとも環境温度および環境湿度を含む環境データを取得する。危険度算出部は、環境データに基づいて熱中症の危険度を算出する。判定部は、混雑度と危険度とに基づいて、マスクを装着する警告またはマスクを装着しない警告をするか否かを判定する。出力部は、判定の結果を出力する。
【0010】
本開示の1実施形態にかかる情報処理方法は、以下の方法をコンピュータが実行する。コンピュータは、所定の領域における人物の存在を示す人物データを取得する。コンピュータは、人物データに基づいて領域における混雑度を算出する。コンピュータは、領域における少なくとも環境温度および環境湿度を含む環境データを取得する。コンピュータは、環境データに基づいて熱中症の危険度を算出する。コンピュータは、混雑度と危険度とに基づいて、マスクを装着する警告またはマスクを装着しない警告をするか否かを判定する。コンピュータは、判定の結果を出力する。
【0011】
本開示の1実施形態にかかるプログラムは、コンピュータに、以下のステップを実行させるものである。コンピュータは、所定の領域における人物の存在を示す人物データを取得する。コンピュータは、人物データに基づいて領域における混雑度を算出する。コンピュータは、領域における少なくとも環境温度および環境湿度を含む環境データを取得する。コンピュータは、環境データに基づいて熱中症の危険度を算出する。コンピュータは、混雑度と危険度とに基づいて、マスクを装着する警告またはマスクを装着しない警告をするか否かを判定する。コンピュータは、判定の結果を出力する。
【発明の効果】
【0012】
本開示によれば、所定の領域における人物に対するリスクを判定するための情報を適切に処理する情報処理装置等を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】実施の形態1にかかる情報処理装置のブロック図である。
図2】実施の形態1にかかる情報処理方法のフローチャートである。
図3】実施の形態2にかかる情報処理システムのブロック図である。
図4】実施の形態2にかかる情報入出力装置のブロック図である。
図5】実施の形態2にかかる情報処理装置のブロック図である。
図6】判定部が参照するデータの例を示すグラフである。
図7】実施の形態2にかかる情報処理方法のフローチャートである。
図8】実施の形態3にかかる情報処理システムのブロック図である。
図9】実施の形態3にかかる携帯端末のブロック図である。
図10】コンピュータのハードウェア構成を例示するブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、特許請求の範囲にかかる発明を以下の実施形態に限定するものではない。また、実施形態で説明する構成の全てが課題を解決するための手段として必須であるとは限らない。説明の明確化のため、以下の記載および図面は、適宜、省略、および簡略化がなされている。なお、各図面において、同一の要素には同一の符号が付されており、必要に応じて重複説明は省略されている。
【0015】
<実施の形態1>
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。図1は、実施の形態1にかかる情報処理装置10のブロック図である。図1に示す情報処理装置10は、所定のデータを取得し、取得したデータから、所定の領域に存在する人に対してマスクを装着することを警告すること、またはマスクを装着しないことを警告することを判定して出力する。情報処理装置10は例えば通信機能および情報処理機能を有するサーバ、コンピュータ、タブレット端末等であってもよい。情報処理装置10は主な構成として、人物データ取得部111、混雑度算出部112、環境データ取得部113、危険度算出部114、判定部115および出力部116を有する。
【0016】
人物データ取得部111は、所定の領域における人物データを取得する。人物データは、所定の領域における人物の存在を示すデータである。人物データは、例えば所定の領域を撮影した画像データである。この場合、画像データとは、可視光画像に限定されない。画像データは、例えば、赤外光や、レーザ光を利用して撮影したものであってもよい。また人物データは、人物が携帯する携帯端末が発信する位置情報を取得するものであってもよい。人物データ取得部111は、人物データを取得すると取得した人物データを混雑度算出部112に供給する。
【0017】
混雑度算出部112は、人物データ取得部111から人物データを受け取り、受け取った人物データから所定の領域における混雑度を算出する。混雑度とは、所定の領域における人物の混雑の度合いを示す指標ないし指数である。混雑度は例えば、所定領域に存在する人の数であってもよい。また混雑度は例えば、所定領域における単位面積当たりの人数であってもよい。混雑度は例えば、所定領域における人物間同士の距離(人物間距離)の統計値であってもよい。すなわち、所定領域における混雑度が高い程、人物間距離は近くなる。換言すると、所定領域における混雑度が高い程、所定領域に存在する人物の密集度が高くなる。つまり所定領域における混雑度が高くなると、所定領域に存在する人の感染症に感染するリスクが高くなる。混雑度算出部112は、算出した混雑度のデータを、判定部115に供給する。
【0018】
環境データ取得部113は、所定の領域における少なくとも環境温度および環境湿度を含む環境データを取得する。環境データは、所定領域において人物が熱中症になる可能性を示す指標ないし指数である。環境データは所定領域における輻射熱を含んでもよい。環境データ取得部113は、取得した環境データを危険度算出部114に供給する。
【0019】
危険度算出部114は、環境データ取得部113から受け取った環境データから熱中症の危険度を算出する。なお、以降の説明において「危険度」とは熱中症の危険度を意味する。危険度は、例えば暑さ指数またはWBGT値(WBGT :Wet Bulb Globe Temperature)であってもよい。すなわち所定領域における危険度が高くなると、所定領域に存在する人の熱中症になるリスクが高くなる。危険度算出部114は、算出した危険度のデータを、判定部115に供給する。
【0020】
判定部115は、混雑度算出部112から受け取った混雑度と危険度算出部114から受け取った危険度とから、マスクを装着する警告またはマスクを装着しない警告をするか否かを判定する。例えば判定部115は、混雑度が比較的に高く危険度が比較的に低い場合には、マスクを装着する警告をすることを判定してもよい。また例えば判定部115は、混雑度が比較的に低く危険度が比較的に高い場合には、マスクを装着しない警告をすることを判定してもよい。判定部115は、判定の結果を出力部116に供給する。なお、本開示において、単に「警告」と記載した場合には、マスクを装着する警告またはマスクを装着しない警告を示す。
【0021】
出力部116は、判定部115から判定の結果を受け取り、受け取った判定の結果を出力する。出力部116は、例えば所定領域に存在する人に対して警告をする手段を有する警告装置に対して上述の判定の結果を出力し得る。
【0022】
図2は、実施の形態1にかかる情報処理方法を示すフローチャートである。図2に示すフローチャートは、例えば情報処理装置10を起動することにより開始される。
【0023】
まず、人物データ取得部111は、所定の領域における人物の存在を示す人物データを取得する(ステップS11)。
【0024】
次に、混雑度算出部112は、人物データ取得部111が取得した人物データを受け取り、受け取った人物データから、所定領域における混雑度を算出する(ステップS12)。
【0025】
次に、環境データ取得部113は、所定領域における環境データを取得する(ステップS13)。
【0026】
次に、危険度算出部114は、環境データ取得部113が取得した環境データから熱中症の危険度を算出する(ステップS14)。
【0027】
次に、判定部115は、混雑度算出部112から受け取った混雑度と、危険度算出部114から受け取った危険度とから、マスクを装着する警告またはマスクを装着しない警告をするか否かを判定する(ステップS15)。
【0028】
次に、出力部116は、判定部115から受け取った判定の結果を出力し(ステップS16)、一連の情報処理は終了する。
【0029】
なお、上述の処理において、ステップS12はステップS11より後、且つ、ステップS15より前に実行される必要があるが、ステップS12は例えばステップS13ないしステップS14の後に実行されてもよい。ステップS13は、ステップS12より前に実行されてもよい。
【0030】
以上、実施の形態1にかかる情報処理装置および情報処理方法について説明した。尚、情報処理装置10は、図示しない構成としてプロセッサ及び記憶装置を有するものである。情報処理装置10が有する記憶装置は、例えばフラッシュメモリやSSD(Solid State Drive)などの不揮発性メモリを含む記憶装置を含む。この場合に、情報処理装置10が有する記憶装置は、上述の画像処理方法を実行するためのコンピュータプログラム(以降、単にプログラムとも称する)を記憶している。またプロセッサは、記憶装置からコンピュータプログラムをDRAM(Dynamic Random Access Memory)等のバッファメモリへ読み込ませ、当該プログラムを実行する。
【0031】
情報処理装置10が有する各構成は、それぞれが専用のハードウェアで実現されていてもよい。また、各構成要素の一部又は全部は、汎用または専用の回路(circuitry)、プロセッサ等やこれらの組合せによって実現されてもよい。これらは、単一のチップによって構成されてもよいし、バスを介して接続される複数のチップによって構成されてもよい。各装置の各構成要素の一部又は全部は、上述した回路等とプログラムとの組合せによって実現されてもよい。また、プロセッサとして、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、FPGA(field-programmable gate array)等を用いることができる。なお、ここに説明した構成に関する説明は、本開示において以下に説明するその他の装置またはシステムにおいても、適用され得る。
【0032】
また、情報処理装置10の各構成要素の一部又は全部が複数の情報処理装置や回路等により実現される場合には、複数の情報処理装置や回路等は、集中配置されてもよいし、分散配置されてもよい。例えば、情報処理装置や回路等は、クライアントサーバシステム、クラウドコンピューティングシステム等、各々が通信ネットワークを介して接続される形態として実現されてもよい。また、情報処理装置10の機能がSaaS(Software as a Service)形式で提供されてもよい。
【0033】
以上、実施の形態1について説明した。実施の形態1によれば、所定の領域における人物に対するリスクを判定するための情報を適切に処理する情報処理装置等を提供ことができる。
【0034】
<実施の形態2>
次に、実施の形態2について説明する。図3は、実施の形態2にかかる情報処理システム1のブロック図である。図3に示す情報処理システム1は、情報処理装置20および情報入出力装置300を含む。情報処理装置20と情報入出力装置300とは、ネットワークN1を介して互いに通信可能に接続されている。
【0035】
情報入出力装置300は所定の領域A300内に設置されている。情報入出力装置300はカメラ311および警告部312を含む。カメラ311は、領域A300の風景を撮影する。警告部312は、情報処理装置20からマスクを装着する警告またはマスクを装着しない警告に関する判定の結果に関する信号を受け取り、受け取った信号に応じて、所定の警告を行う。警告部312は、スピーカ312Aおよび表示部312Bを有しており、領域A300に存在する人物に対してマスク装着の要否に関する警告を、人物の視覚または聴覚に知覚させる。なお、情報入出力装置300は例えば街路灯としての機能を併せて有していてもよい。
【0036】
次に図4を参照して情報入出力装置300の詳細について説明する。図4は、実施の形態2にかかる情報入出力装置300のブロック図である。情報入出力装置300は主な構成として、カメラ311、警告部312、温度センサ313、湿度センサ314、通信部315、制御部316および記憶部320を有している。
【0037】
カメラ311は、領域A300の風景を撮影して画像データを生成する。カメラ311は、撮像素子311Aを含む。撮像素子311Aは、所定波長の光を受けて電気信号を発する。所定波長は、例えば可視光である。
【0038】
警告部312は、出力部から受け取った判定の結果に基づいて、マスク装着の要否に関する警告を人物の視覚または聴覚に知覚させる。より具体的には、警告部312は、スピーカ312Aおよび表示部312Bを含む。表示部312Bは、例えば液晶、有機エレクトロルミネッセンスまたはLED等を用いたディスプレイ装置である。警告部312はスピーカ312Aを介して上述の警告にかかるメッセージ音声を出力する。また警告部312は、表示部312Bを介して上述の警告にかかるメッセージを表示部312Bに表示させる。これにより情報処理システム1は、領域A300に存在する人物に対して警告の内容を認識させ得る。
【0039】
温度センサ313は、危険度を算出するのに必要な環境データとしての温度を測定するための温度計である。湿度センサ314は、危険度を算出するのに必要な環境データとしての湿度を測定するための温度計である。温度センサ313が測定した温度のデータおよび湿度センサ314が測定した湿度のデータは、通信部315を介して情報処理装置20に供給される。
【0040】
通信部315は、情報入出力装置300をネットワークN1に通信可能に接続するためのインタフェースである。通信部315は例えば、カメラ311が生成した画像データ、温度センサ313が測定した温度のデータ、および湿度センサ314が測定した湿度のデータを、ネットワークN1を介して情報処理装置20に供給する。また通信部315は、ネットワークN1を介して警告に関して情報処理装置20が判定した結果の信号を受け取る。
【0041】
制御部316は、例えばCPUまたはMPU等の演算装置であって、情報入出力装置300が有する各構成を制御する。また制御部316は記憶部320が記憶しているプログラム321を実行する。記憶部320は、不揮発性メモリを含む記憶装置である。記憶部320は例えば、情報入出力装置300の制御を司るプログラム321を記憶している。
【0042】
次に、図5を参照して本実施の形態にかかる情報処理装置について説明する。図5は、実施の形態2にかかる情報処理装置20のブロック図である。情報処理装置20は、マスク装着検出部117、抑制部118および記憶部120を有する点が、実施の形態1と異なる。また情報処理装置20は、人物データとしてカメラ311から画像データを取得する。そのため、本実施の形態における人物データ取得部111は、領域A300を撮影する撮像素子311Aから画像データを取得するということができる。
【0043】
本実施の形態における混雑度算出部112は、かかる画像データの画像に含まれる人物を検出して混雑度を算出する。
【0044】
混雑度算出部112は、複数の異なる時刻に取得した画像データから人物の動作を検出してもよい。その場合、混雑度算出部112は、検出した人物の動作から人物の移動速度を測定し、人物の移動速度が比較的に遅い程、混雑度が比較的に高いと算出してもよい。なおこの場合、混雑度算出部112は、移動速度として複数の人物の移動速度から平均値などの統計値を算出する。このような構成により、情報処理装置20は、複数の人物が密集して動きが取れない状態については比較的に混雑度を高く設定できる。
【0045】
混雑度算出部112が人物の動作を検出する場合において、危険度算出部114は、人物の動作が比較的に速い程、危険度が比較的に高いと算出してもよい。このような構成により、情報処理装置20は、例えば人物が運動をしている状況の危険度については、比較的に高く設定できる。このような設定により、情報処理装置20は人物の状態に応じて好適に警告をするか否かの判断ができる。
【0046】
危険度算出部114は、画像データに含まれる人物の年齢を推定し、年齢に基づいて危険度を算出してもよい。これにより、危険度算出部114は、例えば幼児や老人などの危険度については比較的に高く設定できる。このような設定により、情報処理装置20は人物の属性に応じた好適に警告をするか否かの判断ができる。
【0047】
判定部115は、混雑度が所定値以上であって、且つ、危険度が所定値未満の場合には判定の結果としてマスクを装着する警告をすることを決定する。また判定部115は、危険度が所定値以上の場合には、判定の結果としてマスクを外す警告をすることを決定する。
【0048】
マスク装着検出部117は、人物データ取得部111が取得した人物データとしての画像データから、人物がマスクを装着していることを検出する。すなわちマスク装着検出部117は、かかる画像データから人物画像を抽出したうえで、抽出した人物画像がマスクを装着した人物の画像である場合にはこれを検出する。マスク装着検出部117は画像データから検出される人物におけるマスク装着率を算出してもよい。マスク装着検出部117はマスク装着にかかる信号を抑制部118に供給する。
【0049】
抑制部118は、マスク装着検出部117からマスク装着にかかる信号を受け取り、マスク装着にかかる信号の内容と、判定部115が行った判定の結果と、から、判定部115が行った判定を抑制する。より具体的には、抑制部118は、判定部115がマスクを装着しないことを警告することを決定した場合であっても、人物がマスクを装着していないことを検出した場合には、判定を抑制する。これにより情報処理システム1は、例えばマスクを既に装着している人物に対してマスクを装着することを警告する等の不要な警告を抑制できる。
【0050】
記憶部120はSSD(Solid State Drive)、HDD(Hard Disk Drive)またはフラッシュメモリ等の不揮発性メモリを含む記憶装置である。記憶部120は、混雑度データベース121および危険度データベース122を記憶する。混雑度データベース121は、混雑度算出部112が混雑度を算出する際に用いるデータである。すなわち例えば混雑度算出部112は、人物データ取得部111から取得した人物データから人物の数や人物間距離を測定し、測定結果を混雑度データベース121に照合することにより混雑度を算出し得る。同様に、危険度データベース122は、危険度算出部114が危険度を算出する際に用いるデータベースである。すなわち例えば危険度算出部114は、環境データ取得部113から取得した環境データを危険度データベース122に照合することにより危険度を算出し得る。
【0051】
次に、図6を参照して、判定部115が行う判定の一例について説明する。図6は、判定部が参照するデータの例を示すグラフG1である。グラフG1は、横軸が混雑度を示し、縦軸が危険度を示している。グラフG1は、太い実線により示された斜線である第1境界B1と、太い点線により示された直線である第2境界B2とを含む。第1境界B1は混雑度C0且つ危険度R1の位置から右上に延伸し、混雑度C1且つ危険度R2の位置を通過している。第2境界B2は、混雑度C1且つ危険度R0から第1境界B1に当たる位置まで上方に延伸している。
【0052】
グラフG1は、上述の第1境界B1および第2境界B2により第1範囲P1、第2範囲P2および第3範囲P3に分けられる。第1範囲P1は、混雑度がC1より低く、危険度が第1境界B1より低い範囲である。すなわち第1範囲P1は、領域A300の混雑度が比較的に低く且つ危険度が比較的に低い状況を示している。第1範囲P1においては、領域A300に存在する人はマスクを装着する必要はない。そのため第1範囲P1の状況において、情報処理装置20は警告をすると判定しない。
【0053】
第2範囲P2は、混雑度がC1より高く、危険度が第1境界B1より低い範囲である。すなわち第2範囲P2は、領域A300の混雑度が比較的に高く且つ危険度が比較的に低い状況を示している。第2範囲P2においては、領域A300に存在する人の感染症に感染するリスクが高いため、マスクを装着することが推奨される。そのため第2範囲P2の状況において、情報処理装置20はマスクを装着する警告をすると判定する。
【0054】
第3範囲P3は、危険度が第1境界B1より高い範囲である。すなわち第3範囲P3は、領域A300の混雑度に関わらず危険度が比較的に高い状況を示している。第3範囲P3においては、領域A300に存在する人の熱中症になるリスクが高いため、マスクを装着しないことが推奨される。そのため第3範囲P3の状況において、情報処理装置20はマスクを装着する警告をすると判定する。
【0055】
以上、判定部115が行う判定の一例について説明した。上述のように、情報処理システム1は、混雑度と危険度とから、人物がマスクを装着することまたはマスクを装着しないことを警告する判定を行う。情報処理システム1は、混雑度と危険度とからいずれの警告も行わないことを判定する。
【0056】
次に、図7を参照して、実施の形態2にかかる情報処理方法について説明する。図7は、実施の形態2にかかる情報処理方法のフローチャートである。図7に示すフローチャートは、ステップS15以降の処理が図2に示すフローチャートと異なる。以降に、図2に示すフローチャートと異なる点を中心として本実施の形態にかかる情報処理方法について説明する。
【0057】
ステップS15において、判定部115は、混雑度算出部112から受け取った混雑度と、危険度算出部114から受け取った危険度とから、マスクを装着する警告またはマスクを装着しない警告をするか否かを判定する(ステップS15)。
【0058】
次に、抑制部118は、判定部115による判定の結果が、マスクを装着すると警告するものであったか否かを判定する(ステップS21)。判定部115の判定結果がマスクを装着すると警告するものであった場合(ステップS21:YES)、抑制部118はステップS22に進む。一方、判定部115の判定結果がマスクを装着すると警告するものではなかった場合(ステップS21:NO)、抑制部118はステップS24に進む。
【0059】
ステップS22において、抑制部118は、マスク装着検出部117から取得した情報から、人物がマスクを装着しているか否かを判定する(ステップS22)。人物がマスクを装着していると判定する場合(ステップS22:YES)、抑制部118は判定結果の出力を抑制する(ステップS23)。すなわち情報処理装置20は、出力部116が判定結果を出力せずに、一連の処理を終了する。一方、人物がマスクを装着していると判定しない場合(ステップS22)、抑制部118は判定結果の出力を抑制しない。そのため情報処理装置20は、出力部116が判定結果を出力して(ステップS26)、処理を終了する。
【0060】
ステップS24において、抑制部118は、判定部115による判定の結果が、マスクを装着しないと警告するものであったか否かを判定する(ステップS24)。判定部115の判定結果がマスクを装着しないと警告するものであった場合(ステップS24:YES)、抑制部118はステップS25に進む。一方、判定部115の判定結果がマスクを装着しないと警告するものではなかった場合(ステップS24:NO)、情報処理装置20は、警告をせずに一連の処理を終了する。
【0061】
ステップS25において、抑制部118は、マスク装着検出部117から取得した情報から、人物がマスクを装着しているか否かを判定する(ステップS25)。人物がマスクを装着していると判定する場合(ステップS22:YES)、抑制部118は判定結果の出力を抑制しない。そのため情報処理装置20は、出力部116が判定結果を出力して(ステップS26)、処理を終了する。すなわち情報処理装置20は、出力部116が判定結果を出力せずに、一連の処理を終了する。一方、人物がマスクを装着していると判定しない場合(ステップS22)、抑制部118は判定結果の出力を抑制する(ステップS23)。すなわち情報処理装置20は、出力部116が判定結果を出力せずに、一連の処理を終了する。
【0062】
以上、実施の形態2にかかる情報処理方法を説明した。なお、図7に示した情報処理方法は、本実施の形態における情報処理方法の一例に過ぎず、情報処理方法は上述の内容に限定されるものではない。
【0063】
以上、実施の形態2について説明した。実施の形態2にかかる情報処理システム1の構成は上述のものに限定されない。例えば情報入出力装置300は屋内外に設置する機器として様々な態様を採用することが可能である。また人物データを取得するための手段として上述の例では可視光カメラを例示したが、撮像素子311Aは赤外光やレーザ光など、可視光以外の電磁波を検出するものであってもよい。その場合より具体的には、例えば情報処理システム1はカメラ311に代えて測距センサ、TOF(Time of Flight)センサ、マイクロボロメータ等を採用してもよい。
【0064】
以上、実施の形態2によれば、所定の領域における人物に対するリスクを判定するための情報を適切に処理する情報処理装置等を提供ことができる。
【0065】
<実施の形態3>
次に、実施の形態3について説明する。図8は、実施の形態3にかかる情報処理システム2のブロック図である。情報処理システム2は、情報入出力装置300に代えて、情報入出力装置330が領域A300に設定されている。また領域A300に存在する人物は、それぞれが携帯端末400を携帯している。また情報処理システム2は情報処理装置20に代えて情報処理装置30を有している。
【0066】
情報入出力装置330は、ネットワークN1を介して情報処理装置30と通信可能に接続している。また情報入出力装置330は領域A300に存在する携帯端末400と無線通信可能に接続している。情報入出力装置330は携帯端末400のそれぞれから位置データを取得し、取得した位置データを人物データとして情報処理装置30に供給する。また情報入出力装置330は、携帯端末400のそれぞれから環境データを取得し、取得した環境データを情報処理装置30に供給する。なお、情報入出力装置330は、上述のデータに加えて各端末の固有識別子に関する情報や、携帯端末400を携帯する人物の属性データとして、例えばその人物の年齢に関するデータを取得しうるものであってもよい。また情報入出力装置330は、情報処理装置30からマスクを装着する警告またはマスクを装着しない警告の信号を受け取り、受け取った信号を携帯端末400に供給する。
【0067】
以下に、本実施の形態における情報処理装置30について説明する。情報処理装置30が有する主な構成は、実施の形態1において説明したものと同等である。
【0068】
本実施の形態における人物データ取得部111は、領域A300において人物が携帯している携帯端末400の位置情報を人物データとして取得する。そして混雑度算出部112は、位置情報に基づいて混雑度を算出する。
【0069】
危険度算出部114は、携帯端末400を携帯している人物の属性データを取得し、取得した属性データを加味して危険度を算出してもよい。より具体的には、危険度算出部114は、属性データとして携帯端末400を携帯している人物の年齢データを取得し、年齢データを加味して危険度を算出してもよい。この場合、危険度算出部114は携帯端末400ごとに異なる危険度を算出し得る。したがって、判定部115は、携帯端末400ごとに異なる判定を行い得る。このような構成により、情報処理システム2は人物ごとの危険度を算出し、マスクの装着に関する警告の判断を個別に行うことができる。
【0070】
また本実施の形態における出力部116は、判定部115が行う判定の結果として、携帯端末400に対してマスクを装着する警告またはマスクを装着しない警告の信号を出力する。
【0071】
次に、図9を参照して携帯端末400について説明する。図9は、実施の形態3にかかる携帯端末400のブロック図である。携帯端末400は主な構成として、温度センサ411、湿度センサ412、警告部413、通信部414、制御部415および記憶部420を有している。
【0072】
温度センサ411および湿度センサ412は危険度を算出するための環境データを測定し、測定した環境データを、通信部414を介して情報処理装置30に提供する。警告部413はスピーカ413Aおよび表示部413Bを含む。警告部413は、通信部414を介して情報処理装置30から警告の信号を受け取り、受け取った信号に応じた警告を出力する。通信部414は、携帯端末400と情報入出力装置330との無線通信を行うためのインタフェースである。制御部415は、CPU等の演算装置を含み、携帯端末400の各構成を制御する。記憶部420は不揮発性メモリを含む記憶装置であって、携帯端末400に本実施の形態における機能を実現させるためのプログラム421を記憶している。
【0073】
以上、実施の形態3について説明した。実施の形態3にかかる情報処理システム2によれば、所定の領域における人物に対するリスクを判定するための情報を人物ごとに適切に処理する情報処理装置等を提供ことができる。
【0074】
<ハードウェア構成の例>
以下、本開示における情報処理装置の各機能構成がハードウェアとソフトウェアとの組み合わせで実現される場合について説明する。
【0075】
図10は、コンピュータのハードウェア構成を例示するブロック図である。本開示における情報処理装置は、図に示すハードウェア構成を含むコンピュータ500により上述の機能を実現できる。コンピュータ500は、スマートフォンやタブレット端末などといった可搬型のコンピュータであってもよいし、PCなどの据え置き型のコンピュータであってもよい。コンピュータ500は、各装置を実現するために設計された専用のコンピュータであってもよいし、汎用のコンピュータであってもよい。コンピュータ500は、所定のアプリケーションをインストールされることにより、所望の機能を実現できる。
【0076】
コンピュータ500は、バス502、プロセッサ504、メモリ506、ストレージデバイス508、入出力インタフェース(I/F)510およびネットワークインタフェース(I/F)512を有する。バス502は、プロセッサ504、メモリ506、ストレージデバイス508、入出力インタフェース510、及びネットワークインタフェース512が、相互にデータを送受信するためのデータ伝送路である。ただし、プロセッサ504などを互いに接続する方法は、バス接続に限定されない。
【0077】
プロセッサ504は、CPU、GPUまたはFPGAなどの種々のプロセッサである。メモリ506は、RAM(Random Access Memory)などを用いて実現される主記憶装置である。
【0078】
ストレージデバイス508は、ハードディスク、SSD、メモリカード、又はROM(Read Only Memory)などを用いて実現される補助記憶装置である。ストレージデバイス508は、所望の機能を実現するためのプログラムが格納されている。プロセッサ504は、このプログラムをメモリ506に読み出して実行することで、各装置の各機能構成部を実現する。
【0079】
入出力インタフェース510は、コンピュータ500と入出力デバイスとを接続するためのインタフェースである。例えば入出力インタフェース510には、キーボードなどの入力装置や、ディスプレイ装置などの出力装置が接続される。
【0080】
ネットワークインタフェース512は、コンピュータ500をネットワークに接続するためのインタフェースである。
【0081】
なお、本発明は上記実施の形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。
【0082】
上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載され得るが、以下には限定されない。
(付記1)
所定の領域における人物の存在を示す人物データを取得する人物データ取得部と、
前記人物データに基づいて前記領域における混雑度を算出する混雑度算出部と、
前記領域における少なくとも環境温度および環境湿度を含む環境データを取得する環境データ取得部と、
前記環境データに基づいて熱中症の危険度を算出する危険度算出部と、
前記混雑度と前記危険度とに基づいて、マスクを装着する警告またはマスクを装着しない警告をするか否かを判定する判定部と、
前記判定の結果を出力する出力部と、
を備える情報処理装置。
(付記2)
前記判定部は、前記混雑度が所定値以上であって、且つ、前記危険度が所定値未満の場合には前記判定の結果としてマスクを装着する警告をすることを決定し、
前記危険度が所定値以上の場合には、前記判定の結果としてマスクを外す警告をすることを決定する、
付記1に記載の情報処理装置。
(付記3)
前記人物データ取得部は、前記領域を撮影する撮像素子から画像データを取得し、
前記混雑度算出部は、前記画像データにかかる画像に含まれる前記人物に基づいて前記混雑度を算出する、
付記1または2に記載の情報処理装置。
(付記4)
前記混雑度算出部は、複数の異なる時刻に取得した前記画像データに基づいて前記人物の動作を検出し、前記動作に基づいて、前記人物の移動速度が比較的に遅い程、前記混雑度が比較的に高いと算出する、
付記3に記載の情報処理装置。
(付記5)
前記混雑度算出部は、複数の異なる時刻に取得した前記画像データに基づいて前記人物の動作を検出し、
前記危険度算出部は、前記動作が比較的に速い程、前記危険度が比較的に高いと算出する、
付記3に記載の情報処理装置。
(付記6)
前記危険度算出部は、前記画像データに含まれる前記人物の年齢を推定し、前記年齢に基づいて前記危険度を算出する、
付記3~5のいずれか一項に記載の情報処理装置。
(付記7)
前記画像データに基づいて前記人物がマスクを装着していることを検出するマスク装着検出部と、
前記判定部がマスクを装着することを警告することを決定した場合であっても、前記人物がマスクを装着していることを検出した場合には、前記判定を抑制し、
前記判定部がマスクを装着しないことを警告することを決定した場合であっても、前記人物がマスクを装着していないことを検出した場合には、前記判定を抑制する抑制部と、をさらに備える、
付記3~6のいずれか一項に記載の情報処理装置。
(付記8)
付記1~7のいずれか一項に記載の情報処理装置と、
前記出力部から受け取った前記判定の結果に基づいて前記領域に存在する前記人物に対してマスク装着の要否に関する警告を前記人物の視覚または聴覚に知覚させる警告部と、を備える
情報処理システム。
(付記9)
前記人物データ取得部は、前記領域において前記人物が携帯している携帯端末の位置情報を前記人物データとして取得し、
前記混雑度算出部は、前記位置情報に基づいて前記混雑度を算出する、
付記1または2に記載の情報処理装置。
(付記10)
前記危険度算出部は、前記携帯端末を携帯している前記人物の属性データを取得し、前記属性データに基づいて前記危険度を算出する、
付記9に記載の情報処理装置。
(付記11)
前記危険度算出部は、前記属性データとして前記携帯端末を携帯している前記人物の
年齢データを取得し、前記年齢データに基づいて前記危険度を算出する、
付記10に記載の情報処理装置。
(付記12)
前記出力部は、前記判定の結果として、前記携帯端末に対してマスクを装着する警告またはマスクを装着しない警告の信号を出力する、
付記9~11のいずれか一項に記載の情報処理装置。
(付記13)
コンピュータが、
所定の領域における人物の存在を示す人物データを取得し、
前記人物データに基づいて前記領域における混雑度を算出し、
前記領域における少なくとも環境温度および環境湿度を含む環境データを取得し、
前記環境データに基づいて熱中症の危険度を算出し、
前記混雑度と前記危険度とに基づいて、マスクを装着する警告またはマスクを装着しない警告をするか否かを判定し、
前記判定の結果を出力する、
情報処理方法。
(付記14)
所定の領域における人物の存在を示す人物データを取得し、
前記人物データに基づいて前記領域における混雑度を算出し、
前記領域における少なくとも環境温度および環境湿度を含む環境データを取得し、
前記環境データに基づいて熱中症の危険度を算出し、
前記混雑度と前記危険度とに基づいて、マスクを装着する警告またはマスクを装着しない警告をするか否かを判定し、
前記判定の結果を出力する、
情報処理方法を、コンピュータに実行させる
プログラム。
【0083】
この出願は、2021年1月26日に出願された日本出願特願2021-010490を基礎とする優先権を主張し、その開示の全てをここに取り込む。
【符号の説明】
【0084】
1 情報処理システム
2 情報処理システム
10 情報処理装置
20 情報処理装置
30 情報処理装置
111 人物データ取得部
112 混雑度算出部
113 環境データ取得部
114 危険度算出部
115 判定部
116 出力部
117 マスク装着検出部
118 抑制部
120 記憶部
121 混雑度データベース
122 危険度データベース
300 情報入出力装置
311 カメラ
311A 撮像素子
312 警告部
312A スピーカ
312B 表示部
313 温度センサ
314 湿度センサ
315 通信部
316 制御部
320 記憶部
330 情報入出力装置
400 携帯端末
411 温度センサ
412 湿度センサ
413 警告部
413A スピーカ
413B 表示部
414 通信部
415 制御部
420 記憶部
500 コンピュータ
502 バス
504 プロセッサ
506 メモリ
508 ストレージデバイス
510 出入力I/F
512 ネットワークI/F
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10