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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-16
(45)【発行日】2024-07-24
(54)【発明の名称】通知装置および車両
(51)【国際特許分類】
   H02J 7/00 20060101AFI20240717BHJP
   B60L 3/00 20190101ALI20240717BHJP
【FI】
H02J7/00 302D
H02J7/00 X
H02J7/00 P
B60L3/00 S
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2023033811
(22)【出願日】2023-03-06
【審査請求日】2023-03-06
(73)【特許権者】
【識別番号】000000170
【氏名又は名称】いすゞ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002952
【氏名又は名称】弁理士法人鷲田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】木村 圭介
【審査官】新田 亮
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-207683(JP,A)
【文献】特開2018-113799(JP,A)
【文献】特開2003-209901(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 7/00
B60L 3/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
バッテリーと、前記バッテリーを温めるヒーターとを有する車両の外気温の情報および前記車両の位置情報に基づいて前記車両の位置が低温環境であるか否かを判定する判定部と、
前記判定部の判定結果に応じて、前記バッテリーへの充電を促すための通知を行う通知部と、
を備え
前記判定部は、前記車両の位置情報が予め指定された寒冷地ではない場合、前記車両の外気温の情報に基づいて前記車両の位置が低温環境であるか否かを判定する
通知装置。
【請求項2】
前記車両の位置情報には、日時を示す情報が対応付けられている、
請求項1に記載の通知装置。
【請求項3】
前記車両に前記バッテリーを充電するための充電装置が接続されているか否かについて判定する接続判定部をさらに備え、
前記通知部は、前記接続判定部が、前記充電装置が前記車両に接続されていないと判定した場合、前記通知を行う、
請求項1に記載の通知装置。
【請求項4】
前記通知部は、前記バッテリーの残量の情報に基づいて、前記通知のレベルを決定する、
請求項1に記載の通知装置。
【請求項5】
バッテリーと、低温環境下で前記バッテリーを温めるヒーターとを有する車両に対する通知装置であって、
前記車両の位置情報に基づいて、前記車両の位置が寒冷地であるか否かについて判定する判定部と、
前記判定部の判定結果に応じて、前記バッテリーへの充電を促すための通知を行う通知部と、
を備え
前記判定部は、前記車両の位置情報が予め指定された寒冷地ではない場合、前記車両の外気温の情報に基づいて前記車両の位置が低温環境であるか否かを判定する、
通知装置。
【請求項6】
バッテリーと、
低温環境下で前記バッテリーを温めるヒーターと、
車両の外気温の情報および前記車両の位置情報に基づいて前記車両の位置が低温環境であるか否かについて判定する判定部と、
前記判定部の判定結果に応じて、前記バッテリーへの充電を促すための通知を行う通知部と、
を備え、
前記判定部は、前記車両の位置情報が予め指定された寒冷地ではない場合、前記車両の外気温の情報に基づいて前記車両の位置が低温環境であるか否かを判定する、
車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、通知装置および車両に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、バッテリーの電力を用いて動作する車両が知られている。このような車両が、例えば寒冷地等の低温環境に位置する場合、バッテリーの性能が低下するおそれがある。低温環境に起因したバッテリーの性能低下を抑制するため、バッテリーを温めるためのヒーターが車両に設けられることがある。
【0003】
例えば、特許文献1には、イグニッションオフの後、バッテリーの残容量を検出しながらヒーターを通電してバッテリーを暖気状態にする構成が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2005-295668号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、ヒーターはバッテリーの電力で駆動するので、バッテリーの残量が少ない場合、ヒーターの駆動に起因したバッテリーの残量が少なくなり、ひいては車両の運行ができなくなるおそれがあった。
【0006】
本開示の目的は、ヒーターの駆動に起因したバッテリーの残量の低下を抑制することが可能な通知装置および車両を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示に係る通知装置は、
バッテリーと、前記バッテリーを温めるヒーターとを有する車両の外気温の情報および前記車両の位置情報に基づいて前記車両の位置が低温環境であるか否かを判定する判定部と、
前記判定部の判定結果に応じて、前記バッテリーへの充電を促すための通知を行う通知部と、
を備え
前記判定部は、前記車両の位置情報が予め指定された寒冷地ではない場合、前記車両の外気温の情報に基づいて前記車両の位置が低温環境であるか否かを判定する
【0008】
本開示に係る車両は、
バッテリーと、
低温環境下で前記バッテリーを温めるヒーターと、
車両の外気温の情報および前記車両の位置情報に基づいて前記車両の位置が低温環境であるか否かについて判定する判定部と、
前記判定部の判定結果に応じて、前記バッテリーへの充電を促すための通知を行う通知部と、
を備え、
前記判定部は、前記車両の位置情報が予め指定された寒冷地ではない場合、前記車両の外気温の情報に基づいて前記車両の位置が低温環境であるか否かを判定する
【発明の効果】
【0009】
本開示によれば、ヒーターの駆動に起因したバッテリーの残量の低下を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本開示の実施の形態に係る通知装置を備えた車両を示す図である。
図2】本実施の形態に係る通知装置を示すブロック図である。
図3】通知部による通知の一例を示す図である。
図4】通知装置における通知制御の動作例を示すフローチャートである。
図5】変形例に係る通知装置を備えた車両を示す図である。
図6】変形例に係る通知装置における通知制御の動作例を示すフローチャートである。
図7】第二の実施形態に係る通知システムの構成と機能ブロックを示す模式図である。
図8】車両の制御部の機能を示す機能ブロック図である。
図9】第二の実施形態に係る制御フローを説明するフローチャートである。
図10A】通知のために表示部に表示される画像の例を示す模式図である。
図10B】端末装置に表示させる管理情報を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
<第一の実施形態>
以下、本開示の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。図1は、本開示の実施の形態に係る通知装置100を備えた車両1を示す図である。図2は、本実施の形態に係る通知装置100を示すブロック図である。
【0012】
図1に示すように、車両1は、電気自動車、ハイブリッド車両等、バッテリー2で走行可能な車両である。車両1は、低温環境下において、バッテリー2への充電をユーザに促す機能を有する。車両1は、バッテリー2の他、負荷3と、ヒーター4と、表示装置5と、電力管理部6と、温度センサー7と、操作部8と、通知装置100とを備える。ここで、低温環境とは、車両1の周囲における温度が、現在もしくは将来において、低温(例えば、氷点下)となる環境である。ここで、低温は、必ずしも氷点下には限定されず、車両1のバッテリー2の特性に応じて定められる。バッテリー2が温度を要因として劣化する程度が大きくなる温度を低温と定めてもよい。
【0013】
負荷3は、バッテリー2の電力が供給される部分であり、例えば、車両1を走行駆動するための駆動装置、空調設備等の車両設備である。
【0014】
ヒーター4は、バッテリー2を温めるための、例えば公知の加熱装置であり、バッテリー2から電力が供給されることにより動作する。ヒーター4は、バッテリー2を温め可能な位置に配置されており、例えば、外気温が所定温度になった場合、発熱するように構成されていても良い。所定温度は、例えば、0℃±5℃の範囲内等、適宜な温度に設定され得る。
【0015】
表示装置5は、例えば、車両1内に設けられたカーナビゲーション装置等の表示装置であっても良い。
【0016】
電力管理部6は、バッテリー2で使用される電力を管理する部分であり、例えば、車両1に設けられるECU(Electronic Control Unit)等であっても良い。電力管理部6は、バッテリー2から負荷3に供給される電力量、バッテリー2からヒーター4に供給される電力量等、バッテリー2で使用される電力量に関する情報をモニターする。電力管理部6は、バッテリー2で使用された電力量に基づいて、バッテリー2の残量を算出し、通知装置100に出力する。
【0017】
また、電力管理部6は、車両1が、バッテリー2を充電するための充電装置に接続されたか否かについて判定可能である。具体的には、電力管理部6は、車両1の充電接続部10をモニターし、充電接続部10を介して、充電装置からバッテリー2に電力が供給されているか否かについて判定することが可能である。
【0018】
温度センサー7は、車両1の周囲の外気温を検出可能な、公知の温度センサーである。上記のヒーター4は、例えば、温度センサー7の検出結果に基づいて、動作しても良い。
【0019】
操作部8は、例えば、車両1のイグニッションスイッチである。操作部8がオンオフ操作をされることにより、負荷3に対してバッテリー2からの電力の供給と供給停止とが切り替えられる。
【0020】
通知装置100は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)および入出力回路(不図示)を備えている。通知装置100は、低温環境下において、バッテリー2への充電をユーザに促すよう通知する。図2に示すように、通知装置100は、判定部110と、通知部120と、接続判定部130と、記憶部140とを有する。
【0021】
判定部110は、車両1の位置が低温環境であるか否かについて判定する。具体的には、判定部110は、例えば操作部8がオフ操作されて、負荷3にバッテリー2からの電力が供給停止となった場合、温度センサー7により検出された温度が、上記の所定温度以下であるか否かについて判定する。
【0022】
通知部120は、判定部110の判定結果に応じて、バッテリー2への充電を促すための通知を行う。具体的には、通知部120は、温度センサー7により検出された温度が所定温度より大きい場合、上記の通知を行わない。また、通知部120は、温度センサー7により検出された温度が所定温度以下である場合、上記の通知を行う。
【0023】
バッテリー2への充電を促すための通知は、例えば、表示装置5に表示可能な、バッテリー2を充電装置に接続することを促すための文字情報であっても良い。また、バッテリー2への充電を促すための通知は、バッテリー2を充電装置に接続することを促すための音声情報であっても良い。
【0024】
通知の内容としては、例えば、バッテリー2の性能低下の原因およびヒーター4を動作させる原因である低温環境であることをユーザが認識できるような内容であっても良い。
【0025】
例えば、図3には、「気温が低下しています。充電装置に接続してください。」の文字情報が表示装置5に表示された例が示されている。
【0026】
表示装置5では、上記の通知はどのように表示されても良いが、例えば、図3のように「警報一覧」のようなユーザが確認を要する箇所に、上記の通知の情報が表示されても良い。
【0027】
このようにすることで、車両1を停車させた際に、ユーザがバッテリー2を充電装置に接続することを促される。その結果、ユーザが低温環境であることを認識し、バッテリー2の充電の必要性を認識することができるので、ヒーター4の駆動に起因したバッテリー2の残量の低下を抑制することができる。
【0028】
また、通知部120は、バッテリー2の残量の情報に基づいて、通知のレベルを決定するようにしても良い。通知のレベルは、例えば、充電の必要性の程度を示すレベル、充電の緊急性の程度を示すレベル等であっても良い。
【0029】
例えば、バッテリー2の残量が所定量未満である場合、バッテリー2の残量が所定量以上である場合よりも、緊急性の高い通知を通知部120が行うようにしても良い。
【0030】
所定量は、任意の量に設定されても良い。例えば、所定量は、車両1を停止している際にヒーター4を動作させたことにより、減少した後のバッテリー2の残量が、車両1の運行において必要な電力量に満たないような量に設定されても良い。所定量は、例えば、残量をSOC(State of Charge)で示した場合、5%程度に設定されても良い。
【0031】
緊急性の高い通知は、例えば、バッテリー2の残量が所定量以上である場合よりも文字を目立つような表示にする通知、バッテリー2の残量が所定量以上である場合よりも音声を大きくするような通知等であっても良い。
【0032】
接続判定部130は、車両1にバッテリー2を充電するための充電装置が接続されているか否かについて判定する。具体的には、接続判定部130は、充電装置が接続される充電接続部10から電力が供給されているか否かをモニターする。接続判定部130は、充電接続部10から電力が供給されていない場合、車両1に充電装置が接続されていないと判定する。また、接続判定部130は、充電接続部10から電力が供給されている場合、車両1に充電装置が接続されていると判定する。
【0033】
通知部120は、接続判定部130が、充電装置が車両1に接続されていると判定した場合、バッテリー2の電力は減らず、また、ヒーター4が充電装置の電力により動作するので、低温環境に車両1が位置するか否かに関わらず、上記の通知を行わない。
【0034】
また、通知部120は、接続判定部130が、充電装置が車両1に接続されていないと判定した場合であって、低温環境に車両1が位置する場合、上記の通知を行う。
【0035】
これにより、必要なときのみで通知を行うことができるので、無駄に通知を行うことを抑制することができる。
【0036】
また、記憶部140には、通知部120による通知内容が記憶されていても良い。
【0037】
以上のように構成された通知装置100における通知制御の動作例について説明する。図4は、通知装置100における通知制御の動作例を示すフローチャートである。図4における処理は、例えば、車両1の操作部8により、バッテリー2から負荷3への電力供給が停止された際に実行される。
【0038】
図4に示すように、通知装置100は、温度センサー7の検出情報を取得し、外気温が所定温度以下であるか否かについて判定する(ステップS101)。判定の結果、外気温が所定温度より大きい場合(ステップS101、NO)、本制御は終了する。
【0039】
一方、外気温が所定温度以下である場合(ステップS101、YES)、通知装置100は、充電接続部10による接続情報を取得し、車両1に充電装置が接続されていないか否かについて判定する(ステップS102)。
【0040】
判定の結果、充電装置が接続されている場合(ステップS102、NO)、本制御は終了する。一方、充電装置が接続されていない場合(ステップS102、YES)、通知装置100は、バッテリー2の残量を電力管理部6から取得し、バッテリー2の残量が所定量未満であるか否かについて判定する(ステップS103)。
【0041】
判定の結果、バッテリー2の残量が所定量以上である場合(ステップS103、NO)、通知装置100は、第1通知を行う(ステップS104)。一方、バッテリー2の残量が所定量未満である場合(ステップS103、YES)、通知装置100は、第2通知を行う(ステップS105)。第2通知は、第1通知よりも緊急性の高い通知である。
【0042】
ステップS104またはステップS105の後、本制御は終了する。
【0043】
以上のように構成された本実施の形態によれば、車両1の位置が低温環境であるか否かについて判定し、その判定結果に応じて、バッテリー2への充電を促すための通知を行う。
【0044】
その結果、ユーザが低温環境であることを認識し、バッテリー2の充電の必要性を認識することができるので、ヒーター4の駆動に起因したバッテリー2の残量の低下を抑制することができる。
【0045】
また、判定部110が、車両1の外気温の情報に基づいて車両1の位置が低温環境であるか否かについて判定するので、車両1の位置が、確実に低温環境である場合に、上記の通知を行うことができる。
【0046】
また、通知部120が、充電装置が車両1に接続されていない場合、上記の通知を行う。つまり、充電装置が車両1に接続されている場合、上記の通知が行われない。充電装置が車両1に接続されている場合、充電装置からヒーター4に直接電力が供給されることになるので、バッテリー2の電力がヒーター4に奪われることがなくなる。その結果、必要なときのみで通知を行うことができるので、無駄に通知を行うことを抑制することができる。
【0047】
また、通知部120は、バッテリー2の残量の情報に基づいて、通知のレベルを決定するので、ユーザへの充電を促す通知のバリエーションを増やすことができる。
【0048】
例えば、より緊急性が高い場合には、通知のレベルの緊急性を高めるようにすることで、ユーザに通知を気付かせやすくすることができる。
【0049】
なお、上記実施の形態では、車両1の外気温の情報に基づいて車両1の位置が低温環境であるか否かについて判定する構成であったが、本開示はこれに限定されない。判定部110が、例えば、車両1の位置情報に基づいて車両1の位置が低温環境である、つまり、車両1の位置が寒冷地であるか否かについて判定するようにしても良い。
【0050】
この構成における車両1は、例えば、図5に示すように、GPS(Global Positioning System)センサー等の位置情報取得部9を有している。
【0051】
判定部110は、位置情報取得部9から車両1の位置情報を取得し、車両1の位置が寒冷地であるか否かについて判定する。寒冷地としては、例えば、冬期に夜間の気温が0℃以下となる可能性が高い地域等であっても良い。
【0052】
例えば、予め寒冷地として記憶部140に登録してある地域Aに車両1が位置する場合、位置情報取得部9の位置情報により、判定部110が車両1の位置が地域Aであることを認識する。そして、この場合、判定部110は、車両1の位置が寒冷地であると判定する。
【0053】
また、予め寒冷地として記憶部140に登録していない地域Bに車両1が位置する場合、位置情報取得部9の位置情報により、判定部110が車両1の位置が地域Bであることを認識する。そして、この場合、判定部110は、車両1の位置が寒冷地ではないと判定する。
【0054】
通知部120は、判定部110が車両1の位置が寒冷地であると判定した場合、バッテリー2への充電を促すための通知を行う。
【0055】
これにより、位置情報により、気温が低下する可能性が極めて高い地域に車両1が位置する場合、ユーザがバッテリー2の充電の必要性を認識することができるので、ヒーター4の駆動に起因したバッテリー2の残量の低下を抑制することができる。
【0056】
以上のように構成された通知装置100における通知制御の動作例について説明する。図6は、通知装置100における通知制御の動作例を示すフローチャートである。図6における処理は、例えば、車両1の操作部8により、バッテリー2から負荷3への電力供給が停止された際に実行される。
【0057】
図6に示すように、通知装置100は、位置情報取得部9の取得情報を取得し、車両1の位置が寒冷地であるか否かについて判定する(ステップS111)。判定の結果、車両1の位置が寒冷地ではない場合(ステップS111、NO)、本制御は終了する。
【0058】
一方、車両1の位置が寒冷地である場合(ステップS111、YES)、処理はステップS102に遷移する。なお、図6に示すフローチャートは、図4に示すフローチャートのステップS101をステップS111に置き換えたものであり、ステップS102以降の処理は、図4に示すフローチャートと同様である。
【0059】
このような構成であっても、ヒーター4の駆動に起因したバッテリー2の残量の低下を抑制することができる。
【0060】
また、図5に示す形態では、車両1が寒冷地に位置する場合、常に通知を行う構成であったが、本開示はこれに限定されない。例えば、図1に示す温度センサー7の情報と位置情報取得部9の情報とに基づいて、通知部120が上記の通知を行うか否かについて判定しても良い。
【0061】
また、上記実施の形態では、バッテリー2の残量の情報に基づいて、通知のレベルを決定していたが、本開示はこれに限定されず、通知のレベルを常時同じにしても良い。また、通知部120は、バッテリー2の残量の情報に基づいて、通知を行うか否かについて決定しても良い。
【0062】
例えば、通知部120は、バッテリー2の残量が所定量より大きい場合、通知を行わないと決定し、バッテリー2の残量が所定量以下である場合、通知を行うと決定しても良い。
【0063】
また、上記実施の形態では、外気温が所定温度未満である場合または車両1の位置が寒冷地である場合、上記の通知が行われていた。例えば、車両1が停車した時点の温度が所定温度以上であっても、天候によっては、車両1の停車後に気温が大幅に低下する場合がある。この場合、車両1が停車した時点の温度が、判定対象となるため、上記の通知が行われない可能性がある。また、車両1の位置が寒冷地であっても、季節によっては、気温が比較的高い場合がある。この場合、ヒーター4が動作しないにも関わらず、上記の通知が行われる可能性がある。
【0064】
そのため、通知部120は、天候または季節に応じて、通知を行うか否かを決定しても良い。
【0065】
天候は、例えば、外部の装置から取得した情報に基づいていても良い。季節は、現在の日付等の情報に基づいていても良い。
【0066】
通知部120は、例えば、外部の装置から、夕方以降の気温が大幅に低下するとの情報を取得した場合、車両1が停車した時点の温度が所定温度以上であっても、通知を行うと決定しても良い。
【0067】
また、通知部120は、例えば、季節が夏である場合、車両1の位置が寒冷地であっても、通知を行わないと決定しても良い。
【0068】
また、上記実施の形態では、車両に通知装置が設けられていたが、本開示はこれに限定されない。例えば、車両と通信可能な外部装置(例えば、サーバ、端末装置等)が通知装置であっても良い。通知装置が外部装置である場合、通知部は、通知を行う旨の指令を車両に送信するようにしても良い。この指令を受信した車両の制御装置は、この指令に基づいて、表示装置等に、指令に基づく通知を表示するようにしても良い。また、外部装置は、車両から取得するデータ(位置情報、温度情報等)を、車両1の停車時点で取得するようにしても良いし、外部装置の指示に応じて、取得するようにしても良い。
【0069】
また、上記実施の形態では、接続判定部が設けられていたが、本開示はこれに限定されず、接続判定部が設けられていなくてもよい。
【0070】
<第二の実施形態>
本発明に係る通知システムの第二の実施形態について、図7図8図9および図10を用いて説明する。
【0071】
図7は、第二の実施形態に係る通知システムの構成と機能ブロックを示す模式図である。通知システムは、車両700、サーバー750、および端末装置760を有する。
【0072】
車両700は、バッテリー708の電力を用いて駆動する電動車両である。サーバー750は、車両700から管理情報を受信し、車両700の管理情報を記憶部752に格納して車両700を管理するための管理システムを構成するサーバーである。端末装置760は、サーバー750にアクセスし、車両700の管理情報を入手し、管理情報を表示することが可能な装置である。端末装置760は例えば、パーソナルコンピューターやタブレット端末、スマートフォンなどである。なお、本説明においては、車両700が一台である場合について説明するが、サーバー750と情報の送受信を行うことができる車両は複数台存在してもよい。
【0073】
車両700は、制御部701、メモリ702、通信部703、表示部704、温度センサー705、GPSセンサー706、および操作部707を有する。さらに、車両700は、バッテリー708、電力管理部709、負荷710、ヒーター711、および充電器接続部712を有する。
【0074】
制御部701は、メモリ702から読み出したプログラムを実行して、後述する制御部701の機能を実行することが可能な1以上のプロセッサである。なお、制御部701は、プロセッサに限らず、1以上の電子回路を含んでいてもよい。
【0075】
メモリ702は、制御部701が後述する制御を実行するためのプログラムや、プログラムの実行のためのパラメータを記憶する記憶媒体である。
【0076】
通信部703は、サーバー750と通信を行う通信モジュールである。通信部703がサーバー750と通信を行う方法は、例えば、インターネット回線を通じた無線通信であるとする。なお、通信部703がサーバー750と通信を行う方法は上記に限定されず、有線通信であってもよく、衛星回線を用いるものや、近距離無線通信を用いるものであってもよい。
【0077】
表示部704は、制御部701の指示に応じて情報を表示する表示装置である。表示部704は、例えば、車両700のインパネに設けられた表示灯であるとする。なお、表示部704は、車両700に設けられたカーナビゲーションシステムやオーディオシステムにおけるディスプレイであってもよい。
【0078】
温度センサー705は、車両700の周囲環境の温度を測定する検出部である。温度を測定する方法は、公知の技術を利用可能である。温度センサー705は、検出結果を制御部701に出力する。
【0079】
GPSセンサー706は、車両700の位置情報を取得する測位装置である。GPSセンサー706は、車両700の存在する地点の緯度経度情報を取得し、制御部701に出力する。
【0080】
操作部707は、車両700のユーザー(運転手)が車両700の操作を行うための操作部材である。操作部707は、イグニッションスイッチであるとする。イグニッションスイッチを押下することにより、ユーザーは、車両700の動作開始および動作停止の指示を制御部701に対して入力する。
【0081】
バッテリー708は、車両700を駆動するための電力を供給する蓄電装置である。バッテリー708は、複数あってもよい。本実施形態においては、1つのバッテリー708が備えられているとする。
【0082】
電力管理部709は、バッテリー708の電力供給およびバッテリー708への充電を制御する管理モジュールである。電力管理部709は、1以上のプロセッサおよび/もしくは1以上の電子回路によって構成されているとする。電力管理部709は、制御部701からの指示に応じて、電力供給および充電を制御する。
【0083】
負荷710は、バッテリー708の電力を受けて動作する電気的な負荷である。負荷710は、車両700を走行させるためのモーターやインバータを含む。また、負荷710は、空調や灯火等の車両設備を含む。
【0084】
ヒーター711は、バッテリー708を加熱するための加熱装置である。ヒーター711は例えば、バッテリー708に巻き付けられたヒーター線であるとする。電力管理部709がヒーター711に電力を供給することによって、バッテリー708を加熱し、バッテリー708の温度が低下することを抑制する。
【0085】
充電器接続部712は、バッテリー708を充電するための外部の充電装置と接続する接続端子部である。充電器接続部712は、充電装置と接続しているか否かを判定する判定回路を有しており、充電装置と接続しているか否かを示す判定結果を制御部701に送信する。充電器接続部712に接続された充電装置から供給された電力を用いて、バッテリー708が充電される。
【0086】
サーバー750は、車両700から管理情報を取得し、車両700の状態管理(状態監視)を行うことが可能な管理システムを構成するためのサーバーコンピューターである。サーバー750は、制御部751、記憶部752、および通信部753を有する。
【0087】
制御部751は、メモリ702から読み出したプログラムを実行して、制御部751の機能を実行することが可能な1以上のプロセッサである。なお、制御部751は、プロセッサに限らず、1以上の電子回路を含んでいてもよい。
【0088】
記憶部752は、制御部751が後述する制御を実行するためのプログラムや、プログラムの実行のためのパラメータを記憶する記憶媒体である。また、記憶部752は、車両700から取得した管理情報を格納して、記憶する。
【0089】
通信部753は、車両700および端末装置750と通信を行う通信モジュールである。通信部753が車両700および端末装置750と通信を行う方法は、例えば、インターネット回線を通じた無線通信であるとする。なお、通信部753が車両700および端末装置750と通信を行う方法は上記に限定されず、有線通信であってもよく、衛星回線を用いるものや、近距離無線通信を用いるものであってもよい。
【0090】
端末装置760は、サーバー750にアクセスして、車両700を含む管理対象の車両の情報を取得し、管理者に対して提示することが可能な装置である。
【0091】
制御部761は、メモリ762から読み出したプログラムを実行して、後述する制御部761の機能を実行することが可能な1以上のプロセッサである。なお、制御部701は、プロセッサに限らず、1以上の電子回路を含んでいてもよい。
【0092】
メモリ762は、制御部761が後述する制御を実行するためのプログラムや、プログラムの実行のためのパラメータを記憶する記憶媒体である。
【0093】
通信部763は、サーバー750と通信を行う通信モジュールである。通信部763がサーバー750と通信を行う方法は、例えば、インターネット回線を通じた無線通信であるとする。なお、通信部763がサーバー750と通信を行う方法は上記に限定されず、有線通信であってもよく、衛星回線を用いるものや、近距離無線通信を用いるものであってもよい。
【0094】
表示制御部764は、制御部761の指示に応じて情報を表示装置770に表示する。表示装置770は、端末装置の外部に設けられたディスプレイであるとする。なお、タブレット端末などのように、端末装置760が表示装置770を含んで構成されていてもよい。
【0095】
図8は、車両700の制御部701の機能を示す機能ブロック図である。
【0096】
制御部701は、取得部801、受付部802、判定部803、表示制御部804、通信制御部805、および電力制御部806を有する
【0097】
取得部801は、温度センサー705、GPSセンサー706、および充電接続部712から出力された情報を取得する。取得部801は、取得した情報を判定部803に出力する。
【0098】
受付部802は、操作部707に対する操作に応じた指示を受け付ける。操作部707がイグニッションスイッチである場合、受付部802は操作部707に対する操作に応じて、車両の停止もしくは動作開始の指示を受け付ける。受付部802は、受付部802が受け付けた指示を判定部803に出力する。
【0099】
判定部803は、取得部801および受付部802から入力された情報に基づいて、車両700が、低温環境にあるか否かを判定する。ここで、低温環境とは、車両700の周囲における温度が、現在もしくは将来において、低温(例えば、氷点下)となる環境である。ここで、低温は、必ずしも氷点下には限定されず、車両1のバッテリー708の特性に応じて定められる。バッテリー708が温度を要因として劣化する程度が大きくなる温度を低温と定めてもよい。
【0100】
判定部803は、GPSセンサー706から取得した車両700の位置情報と、メモリ702から読み出した地図データとを用いて車両700が、低温環境にあるか否かを判定してもよい。地図データには、位置情報と、当該位置において取り得る温度の最低温度とを対応付けて記憶しているとする。判定部803は、取得した位置情報における最低温度が閾値以下である場合に、車両700が、低温環境にあると判定する。なお、地図データには、季節や日、月に応じた最低温度が対応付けられていてもよい。この場合、判定部803は、不図示のタイマーから取得した日時を示す情報を用いて、車両700が、低温環境にあるか否かを判定してもよい。
【0101】
さらに、判定部803は、温度センサー705から取得した車両700の温度が閾値以下である場合に、車両700が、低温環境にあると判定する。
【0102】
判定部803は、車両700が低温環境にあると判定された場合、通信制御部805を介して、サーバー750に車両700が低温環境にあることを示す情報を送信する。
【0103】
また、判定部803は、充電器接続部712から入力された充電装置に接続されているか否かを示す情報、およびバッテリー708の残量に応じて、あらかじめ定められた通知を行うか否かを判定する。通知を行うと判定した場合、判定部803は、表示制御部804および通信制御部805に通知指示を出力する。
【0104】
表示制御部804は、判定部803からの指示に応じて、表示部704に通知を行わせる通知部である。なお、通知部の機能としては、後述する画像表示に加えて、音声通知を含むことが可能である。
【0105】
通信制御部805は、通信部703を介して、サーバー750と情報を送受信する。通信制御部805は、車両700が低温環境にあると判定したことを示す情報、および、所定の通知を行うことを示す情報(指示)を、サーバー750に送信する。また、通信制御部805は、取得部801が取得した情報をサーバー750に送信することもできる。
【0106】
電力制御部806は、電力管理部709を介してバッテリー708の残量を取得し、判定部803に出力する。また、電力制御部806は、判定部803からの指示に応じて、充電装置から入力された電力をヒーター711に出力してバッテリー708を加熱する。
【0107】
図9は、本実施形態に係る制御フローを説明するフローチャートである。本フローチャートは、受付部802が操作部707を介して車両700の停止指示を入力されたこと応じて実行される。
【0108】
S901で、取得部801は、GPSセンサー706から車両700の位置情報を取得する。取得部801は、位置情報を判定部803に出力する。
【0109】
S902で、取得部801は、メモリ702から地図データを読み出す。取得部801は、地図データを判定部803に出力する。
【0110】
S903で、判定部803は、車両700が低温環境にあるか否かを判定する。低温環境にあると判定された場合(S903 Yes)、処理はS906に進む。低温環境でないと判定された場合(S903 No)、処理はS904に進む。
【0111】
S904で、取得部801は、温度センサー705から車両700の周囲の温度(外気温)を示す検出結果を取得する。取得部801は温度の検出結果を判定部903に出力する。
【0112】
S905で、判定部803は、外気温が閾値ThA以下であるか否かを判定する。外気温が閾値ThAよりも大きいである場合(S905 No)、車両700は低温環境にないとし、本フローは終了する。外気温が閾値ThA以下である場合(S905 Yes)、処理はS906に進む。
【0113】
S906に処理が進むことは、すなわち、車両700は低温環境にあり、バッテリー708の低温による劣化が起こる可能性があることを意味する。
【0114】
S906で、取得部801は、充電器接続部712から、車両700が充電装置と接続しているか否かを示す情報(充電器接続情報)を取得する。取得部801は、充電器接続情報を判定部803に出力する。
【0115】
S907で、判定部803は、通信制御部805に、車両700が低温環境にあることを示す情報を、通信部703を介してサーバー750に通知するように指示を行う。サーバー750の制御部751は、通信部753を介して車両700が低温環境にあることを示す情報を受信した場合、車両700を識別する情報、および情報を受信した時刻と合わせて、記憶部752に格納する。これにより、管理システムにおいて車両700が低温環境にあることを認識し、その履歴情報を管理することが可能となる。
【0116】
S908で、判定部803は、充電器接続情報に基づいて、車両700が外部の充電装置に接続されているか否かを判定する。車両700が外部の充電装置に接続されている場合(S908 Yes)、処理はS913に進む。車両700が外部の充電装置に接続されていない場合(S908 No)、処理はS909に進む。
【0117】
S909で、判定部803は、電力制御部805からバッテリー708の残量を取得する。なお、取得部801が電力制御部805からバッテリー708の残量を取得してもよい。その場合、取得部801は、バッテリー708の残量を示す情報を判定部803に出力する。
【0118】
S910で、判定部803は、バッテリー708の残量が閾値ThB以下であるか否かを判定する。バッテリー708の残量が閾値ThB以下であると判定された場合(S910 Yes)、処理はS911に進む。バッテリー708の残量が閾値ThBより大きいと判定された場合(S910 No)、処理はS912に進む。
【0119】
S911で、判定部803は、第1の通知を行うように、表示制御部804および通信制御部805に情報を出力する。S911に進んだ状態は、車両700が低温環境にある状態であり、かつ、バッテリー708の残量が少ない状態である。したがって、バッテリー708が低温環境で劣化したり、バッテリー708の電力を用いてヒーター711を駆動させることでバッテリー708の残量がさらに低下したりすることによって、次回の運行に支障が発生する懸念がある状態であるといえる。したがって、運転手や管理者に対して、強いアラートを発報することにより、対処を要請する必要がある。
【0120】
表示制御部804は、第1の通知を行う指示を受信したことに応じて、表示部704にあらかじめ定められた通知を行う。ここで、表示制御部804が実行する第1の通知に応じた通知は、画像を点滅表示し、かつ、不図示の発生部を用いて所定の音声を出力するものであるとする。図10Aは、通知のために表示部704に表示される画像Imaの例を示す模式図である。表示制御部804は、第1の通知を行う指示を受信したことに応じて、表示部704に画像Imaを点滅表示させる。
【0121】
また、サーバー750は、第1の通知を行う指示を受信したことに応じて、端末装置にプッシュ型の警告通知を行うように指示を出力する。例えば、端末装置760に対して、強制的にアラート画像を表示させるように、通信部753を介して端末装置760に命令を送信する。端末装置760は当該指示を入力されたことに応じて、画面上にアラート画像を表示する。なおアラート画像を表示する方法に限らず、管理者の保有する端末に対してメールやメッセージ機能を用いて通知を行うものであってもよい。
【0122】
S912で、判定部803は、第2の通知を行うように、表示制御部804および通信制御部805に情報を出力する。S912に進んだ状態は、車両700が低温環境にある状態であるが、バッテリー708の残量が一定以上確保できている状態である。したがって、バッテリー708が低温環境で劣化したり、バッテリー708の電力を用いてヒーター711を駆動したりしても、次回の運行に対する懸念は、(S911の場合と比べて)低いといえる。したがって、S912では、第1の通知よりも警告の程度の低い第2の通知を実行する。
【0123】
表示制御部804は、第2の通知を行う指示を受信したことに応じて、表示部704にあらかじめ定められた通知を行う。ここで、表示制御部804が実行する第2の通知に応じた通知は、画像Imaの表示、もしくは、不図示の発生部を用いた音声出力であるとする。
【0124】
また、サーバー750は、第2の通知を行う指示を受信したことに応じて、端末装置760、警告情報を表示するように命令を送信する。なお、第1の通知と異なり、強制的に表示させるようなプッシュ型の通知とはせず、管理者がアクセスしたことに応じて所定の情報を表示する者であってもよい。図10Bは、端末装置760に表示させる管理情報を示す模式図である。この時、情報の最下段に、車両700が低温環境にあることを示す情報が表示される。なお、端末装置760は当該指示を入力されたことに応じて、管理者の保有する端末に対してメールやメッセージ機能を用いて通知を行うものであってもよい。
【0125】
S911およびS912で、通知の種類を異ならせることにより、運転手や管理者は車両700の置かれた状況が緊急性を有する状況であるか否かを容易に判別することが可能となる。
【0126】
S913で、判定部803は、外部の充電装置から入力された電力の一部もしくは全てを用いてヒーター711に電力を供給するように、電力制御部805に指示を出力する制御する。電力制御部805は、指示を受けて、外部の充電装置から充電器接続部712を介して入力された電力をヒーター711に供給するように、電力管理部709を制御する。これにより、バッテリー708の電力を用いることなく、バッテリー708の温度低下を抑制し、低温環境であってもバッテリー708が劣化することを抑制することが可能となる。S911、S912、およびS913が完了したことに応じて、本フローが終了する。
【0127】
なお、本フローが終了した後、温度センサー705が取得した外気温が閾値ThA以下になった場合、電力制御部805は、バッテリー708の電力をヒーター711に供給して、バッテリー708が低温になることを抑制する。
【0128】
上述のように制御を行うことにより、車両700が停車し、現在および将来にわたって低温環境になると推定される場合に、あらかじめ運転手に通知を行うことが可能となる。運転手や管理者は、通知を受けて、外部の充電装置を接続したり、低温環境にならない場所に車両700を移動させたりするなどの対応をすることが可能となる。また、車両700を管理する管理者にも通知を行うことにより、管理者が運転手に連絡して、バッテリー708の劣化を抑制するための対処を依頼することが可能となる。また、低温環境にあったことを示す情報をサーバー750の記憶部に格納することにより、車両700のバッテリー708の劣化の要因をより正確に行うことが可能となる。
【0129】
なお、第二の実施形態において、車両700が低温環境にあるか否か、および通知を行うか否かの判定を車両700の制御部701における判定部803が実行したが、当該判定はサーバー750の制御部751が行ってもよい。車両700の取得部801および電力制御部805が取得した情報を、通信部703を介してサーバー750の記憶部752に格納し、制御部751が判定部803の処理を実行することも可能である。この場合、制御部751から判定結果を車両700に送信することにより、車両700における通知および電力制御を実行することが可能となる。
【0130】
図9に示すフローチャートの説明において、取得部801が各情報を取得するタイミングは、上述の例に限らない。あらかじめ取得部801がすべての情報を取得したうえで、判定部803が判定処理を行ってもよい。電力制御部805が取得するバッテリー708の残量を示す情報においても同様である。
【0131】
その他、上記実施の形態は、何れも本開示を実施するにあたっての具体化の一例を示したものに過ぎず、これらによって本開示の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本開示はその要旨、またはその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
【産業上の利用可能性】
【0132】
本開示の通知装置は、ヒーターの駆動に起因したバッテリーの残量の低下を抑制することが可能な通知装置および車両として有用である。
【符号の説明】
【0133】
1 車両
2 バッテリー
3 負荷
4 ヒーター
5 表示装置
6 電力管理部
7 温度センサー
8 操作部
9 位置情報取得部
10 充電接続部
100 通知装置
110 判定部
120 通知部
130 接続判定部
140 記憶部
【要約】
【課題】ヒーターの駆動に起因したバッテリーの残量の低下を抑制することが可能な通知装置および車両を提供する。
【解決手段】通知装置は、バッテリーと、バッテリーを温めるヒーターとを有する車両の位置が低温環境であるか否かを判定する判定部と、判定部の判定結果に応じて、バッテリーへの充電を促すための通知を行う通知部と、を備える。
【選択図】図2
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10A
図10B