(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-16
(45)【発行日】2024-07-24
(54)【発明の名称】送信装置、送信方法、受信装置、及び受信方法
(51)【国際特許分類】
H04L 1/00 20060101AFI20240717BHJP
H04J 99/00 20090101ALI20240717BHJP
H03M 13/27 20060101ALI20240717BHJP
【FI】
H04L1/00 F
H04J99/00 100
H03M13/27
(21)【出願番号】P 2023109283
(22)【出願日】2023-07-03
(62)【分割の表示】P 2018230974の分割
【原出願日】2018-12-10
【審査請求日】2023-07-05
(73)【特許権者】
【識別番号】000002185
【氏名又は名称】ソニーグループ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100121131
【氏名又は名称】西川 孝
(74)【代理人】
【氏名又は名称】稲本 義雄
(74)【代理人】
【識別番号】100168686
【氏名又は名称】三浦 勇介
(72)【発明者】
【氏名】阪井 塁
【審査官】吉江 一明
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-101862(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0019900(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2012/0069196(US,A1)
【文献】特開2016-122934(JP,A)
【文献】特開2015-065627(JP,A)
【文献】特表2018-509792(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 1/00
H04J 99/00
H03M 13/27
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の方式と、前記第1の方式の次世代方式である第2の方式の移行期間において、
階層分割多重方式に従い、前記第1の方式に準拠した第1の誤り訂正符号ブロックの信号と、前記第2の方式に準拠した第2の誤り訂正符号ブロックの信号とを多重する第1の多重部と、
多重後の信号に含まれる前記第1の誤り訂正符号ブロックと前記第2の誤り訂正符号ブロックに対して、前記第1の方式に準拠した第1の時間インタリーブを行う第1の時間インタリーバと、
前記階層分割多重方式に従い、前記第1の方式に準拠した第1の伝送制御信号と、前記第2の方式に準拠した第2の伝送制御信号とを多重する第2の多重部と、
前記第1の時間インタリーブ後の前記第1の誤り訂正符号ブロックを第1のデータフレームとして前記第1の伝送制御信号を含む第1の物理層フレームと、前記第1の時間インタリーブ後の前記第2の誤り訂正符号ブロックを第2のデータフレームとして前記第2の伝送制御信号を含む第2の物理層フレームとを構成して、放送信号として送信する送信部と
を備え、
前記第2の伝送制御信号は、前記第2のデータフレームの先頭に含まれる前記第1の時間インタリーブ前の前記第2の誤り訂正符号ブロックの先頭位置のオフセットを示すポインタを含み、
前記第2の方式への移行後において、
前記第2の誤り訂正符号ブロックに対して、前記第2の方式に準拠した第2の時間インタリーブを行う第2の時間インタリーバを備え、
前記送信部は、前記第2の時間インタリーブ後の前記第2の誤り訂正符号ブロックを前記第2のデータフレームとし、前記第2の伝送制御信号を含む前記第2の物理層フレームを構成して、放送信号として送信し、
前記第2の伝送制御信号は、前記第2のデータフレームの先頭に含まれる前記第2の時間インタリーブ前の前記第2の誤り訂正符号ブロックの先頭位置のオフセットを示すポインタを含む
送信装置。
【請求項2】
前記移行期間であるかどうかを示す切替信号に基づいて、前記第1の時間インタリーバから、前記第2の時間インタリーバに切り替える
請求項1に記載の送信装置。
【請求項3】
前記切替信号は、前記第1の伝送制御信号又は前記第2の伝送制御信号に含まれる
請求項2に記載の送信装置。
【請求項4】
前記第1の方式は、ISDB-T方式を含み、
前記第2の方式は、前記ISDB-T方式の次世代方式を含む
請求項1に記載の送信装置。
【請求項5】
前記第1の物理層フレームと前記第2の物理層フレームは、OFDMフレームを含み、
前記第1の誤り訂正符号ブロックと前記第2の誤り訂正符号ブロックは、FECブロックを含み、
前記ポインタは、FECブロックポインタを含む
請求項4に記載の送信装置。
【請求項6】
送信装置が、
第1の方式と、前記第1の方式の次世代方式である第2の方式の移行期間において、
階層分割多重方式に従い、前記第1の方式に準拠した第1の誤り訂正符号ブロックの信号と、前記第2の方式に準拠した第2の誤り訂正符号ブロックの信号とを多重し、
多重後の信号に含まれる前記第1の誤り訂正符号ブロックと前記第2の誤り訂正符号ブロックに対して、前記第1の方式に準拠した第1の時間インタリーブを行い、
前記階層分割多重方式に従い、前記第1の方式に準拠した第1の伝送制御信号と、前記第2の方式に準拠した第2の伝送制御信号とを多重し、
前記第1の時間インタリーブ後の前記第1の誤り訂正符号ブロックを第1のデータフレームとして前記第1の伝送制御信号を含む第1の物理層フレームと、前記第1の時間インタリーブ後の前記第2の誤り訂正符号ブロックを第2のデータフレームとして前記第2の伝送制御信号を含む第2の物理層フレームとを構成して、放送信号として送信する
ステップを含み、
前記第2の伝送制御信号は、前記第2のデータフレームの先頭に含まれる前記第1の時間インタリーブ前の前記第2の誤り訂正符号ブロックの先頭位置のオフセットを示すポインタを含み、
前記第2の方式への移行後において、
前記第2の誤り訂正符号ブロックに対して、前記第2の方式に準拠した第2の時間インタリーブを行い、
前記第2の時間インタリーブ後の前記第2の誤り訂正符号ブロックを前記第2のデータフレームとし、前記第2の伝送制御信号を含む前記第2の物理層フレームを構成して、放送信号として送信する
ステップを含み、
前記第2の伝送制御信号は、前記第2のデータフレームの先頭に含まれる前記第2の時間インタリーブ前の前記第2の誤り訂正符号ブロックの先頭位置のオフセットを示すポインタを含む
送信方法。
【請求項7】
第1の方式と、前記第1の方式の次世代方式である第2の方式の移行期間において、
階層分割多重方式に従い、前記第1の方式に準拠した第1の誤り訂正符号ブロックの信号と、前記第2の方式に準拠した第2の誤り訂正符号ブロックの信号とを多重する第1の多重部と、
多重後の信号に含まれる前記第1の誤り訂正符号ブロックと前記第2の誤り訂正符号ブロックに対して、前記第1の方式に準拠した第1の時間インタリーブを行う第1の時間インタリーバと、
前記階層分割多重方式に従い、前記第1の方式に準拠した第1の伝送制御信号と、前記第2の方式に準拠した第2の伝送制御信号とを多重する第2の多重部と、
前記第1の時間インタリーブ後の前記第1の誤り訂正符号ブロックを第1のデータフレームとして前記第1の伝送制御信号を含む第1の物理層フレームと、前記第1の時間インタリーブ後の前記第2の誤り訂正符号ブロックを第2のデータフレームとして前記第2の伝送制御信号を含む第2の物理層フレームとを構成して、放送信号として送信する送信部と
を備え、
前記第2の方式への移行後において、
前記第2の誤り訂正符号ブロックに対して、前記第2の方式に準拠した第2の時間インタリーブを行う第2の時間インタリーバを備え、
前記送信部は、前記第2の時間インタリーブ後の前記第2の誤り訂正符号ブロックを前記第2のデータフレームとし、前記第2の伝送制御信号を含む前記第2の物理層フレームを構成して、放送信号として送信する送信装置
から送信されてくる前記放送信号を受信する受信部と、
前記第1の方式と前記第2の方式の移行期間において、
前記第1の物理層フレームに含まれる前記第1の時間インタリーブ後の前記第1の誤り訂正符号ブロックと、前記第2の物理層フレームに含まれる前記第1の時間インタリーブ後の前記第2の誤り訂正符号ブロックに対して、前記第1の方式に準拠した第1の時間デインタリーブを行う第1の時間デインタリーバを備え、
前記第2の伝送制御信号に含まれる、前記第2のデータフレームの先頭に含まれる前記第1の時間デインタリーブ後の前記第2の誤り訂正符号ブロックの先頭位置のオフセットを示すポインタを取得し、
取得した当該ポインタを用いて、前記第2の物理層フレームから前記第1の時間デインタリーブ後の前記第2の誤り訂正符号ブロックを抽出し、
前記第2の方式への移行後において、
前記第2の物理層フレームに含まれる前記第2の時間インタリーブ後の前記第2の誤り訂正符号ブロックに対して、前記第2の方式に準拠した第2の時間デインタリーブを行う第2の時間デインタリーバを備え、
前記第2の伝送制御信号に含まれる、前記第2のデータフレームの先頭に含まれる前記第2の時間デインタリーブ後の前記第2の誤り訂正符号ブロックの先頭位置のオフセットを示すポインタを取得し、
取得した当該ポインタを用いて、前記第2の物理層フレームから前記第2の時間デインタリーブ後の前記第2の誤り訂正符号ブロックを抽出する
受信装置。
【請求項8】
前記移行期間であるかどうかを示す切替信号に基づいて、前記第1の時間デインタリーバから、前記第2の時間デインタリーバに切り替える
請求項7に記載の受信装置。
【請求項9】
前記切替信号は、前記第1の伝送制御信号又は前記第2の伝送制御信号に含まれるか、又は外部から設定される
請求項8に記載の受信装置。
【請求項10】
前記第1の方式は、ISDB-T方式を含み、
前記第2の方式は、前記ISDB-T方式の次世代方式を含む
請求項7に記載の受信装置。
【請求項11】
前記第1の物理層フレームと前記第2の物理層フレームは、OFDMフレームを含み、
前記第1の誤り訂正符号ブロックと前記第2の誤り訂正符号ブロックは、FECブロックを含み、
前記ポインタは、FECブロックポインタを含む
請求項10に記載の受信装置。
【請求項12】
第1の方式と、前記第1の方式の次世代方式である第2の方式の移行期間において、
階層分割多重方式に従い、前記第1の方式に準拠した第1の誤り訂正符号ブロックの信号と、前記第2の方式に準拠した第2の誤り訂正符号ブロックの信号とを多重する第1の多重部と、
多重後の信号に含まれる前記第1の誤り訂正符号ブロックと前記第2の誤り訂正符号ブロックに対して、前記第1の方式に準拠した第1の時間インタリーブを行う第1の時間インタリーバと、
前記階層分割多重方式に従い、前記第1の方式に準拠した第1の伝送制御信号と、前記第2の方式に準拠した第2の伝送制御信号とを多重する第2の多重部と、
前記第1の時間インタリーブ後の前記第1の誤り訂正符号ブロックを第1のデータフレームとして前記第1の伝送制御信号を含む第1の物理層フレームと、前記第1の時間インタリーブ後の前記第2の誤り訂正符号ブロックを第2のデータフレームとして前記第2の伝送制御信号を含む第2の物理層フレームとを構成して、放送信号として送信する送信部と
を備え、
前記第2の方式への移行後において、
前記第2の誤り訂正符号ブロックに対して、前記第2の方式に準拠した第2の時間インタリーブを行う第2の時間インタリーバを備え、
前記送信部は、前記第2の時間インタリーブ後の前記第2の誤り訂正符号ブロックを前記第2のデータフレームとし、前記第2の伝送制御信号を含む前記第2の物理層フレームを構成して、放送信号として送信する送信装置から送信されてくる前記放送信号を受信する受信装置が、
前記第1の方式と前記第2の方式の移行期間において、
前記第1の物理層フレームに含まれる前記第1の時間インタリーブ後の前記第1の誤り訂正符号ブロックと、前記第2の物理層フレームに含まれる前記第1の時間インタリーブ後の前記第2の誤り訂正符号ブロックに対して、前記第1の方式に準拠した第1の時間デインタリーブを行い、
前記第2の伝送制御信号に含まれる、前記第2のデータフレームの先頭に含まれる前記第1の時間デインタリーブ後の前記第2の誤り訂正符号ブロックの先頭位置のオフセットを示すポインタを取得し、
取得した当該ポインタを用いて、前記第2の物理層フレームから前記第1の時間デインタリーブ後の前記第2の誤り訂正符号ブロックを抽出する
ステップを含み、
前記第2の方式への移行後において、
前記第2の物理層フレームに含まれる前記第2の時間インタリーブ後の前記第2の誤り訂正符号ブロックに対して、前記第2の方式に準拠した第2の時間デインタリーブを行い、
前記第2の伝送制御信号に含まれる、前記第2のデータフレームの先頭に含まれる前記第2の時間デインタリーブ後の前記第2の誤り訂正符号ブロックの先頭位置のオフセットを示すポインタを取得し、
取得した当該ポインタを用いて、前記第2の物理層フレームから前記第2の時間デインタリーブ後の前記第2の誤り訂正符号ブロックを抽出する
ステップを含む
受信方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本技術は、送信装置、送信方法、受信装置、及び受信方法に関し、特に、伝送効率を向上させることができるようにした送信装置、送信方法、受信装置、及び受信方法に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、日本では、地上デジタルテレビジョン放送の次世代化に向けた高度化の検討が行われ、様々な技術方式の検討がなされている(例えば、特許文献1乃至3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2015-65627号公報
【文献】特開2018-67825号公報
【文献】特開2018-101862号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、次世代の放送方式の運用を開始するにあたっては、現行の放送方式から次世代の放送方式への移行期間が設けられるが、その移行期間においても、伝送効率を向上させることが求められる。
【0005】
本技術はこのような状況に鑑みてなされたものであり、伝送効率を向上させることができるようにするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本技術の一側面の送信装置は、第1の方式と、前記第1の方式の次世代方式である第2の方式の移行期間において、階層分割多重方式に従い、前記第1の方式に準拠した第1の誤り訂正符号ブロックの信号と、前記第2の方式に準拠した第2の誤り訂正符号ブロックの信号とを多重する第1の多重部と、多重後の信号に含まれる前記第1の誤り訂正符号ブロックと前記第2の誤り訂正符号ブロックに対して、前記第1の方式に準拠した第1の時間インタリーブを行う第1の時間インタリーバと、前記階層分割多重方式に従い、前記第1の方式に準拠した第1の伝送制御信号と、前記第2の方式に準拠した第2の伝送制御信号とを多重する第2の多重部と、前記第1の時間インタリーブ後の前記第1の誤り訂正符号ブロックを第1のデータフレームとして前記第1の伝送制御信号を含む第1の物理層フレームと、前記第1の時間インタリーブ後の前記第2の誤り訂正符号ブロックを第2のデータフレームとして前記第2の伝送制御信号を含む第2の物理層フレームとを構成して、放送信号として送信する送信部とを備え、前記第2の伝送制御信号は、前記第2のデータフレームの先頭に含まれる前記第1の時間インタリーブ前の前記第2の誤り訂正符号ブロックの先頭位置のオフセットを示すポインタを含み、前記第2の方式への移行後において、前記第2の誤り訂正符号ブロックに対して、前記第2の方式に準拠した第2の時間インタリーブを行う第2の時間インタリーバを備え、前記送信部は、前記第2の時間インタリーブ後の前記第2の誤り訂正符号ブロックを前記第2のデータフレームとし、前記第2の伝送制御信号を含む前記第2の物理層フレームを構成して、放送信号として送信し、前記第2の伝送制御信号は、前記第2のデータフレームの先頭に含まれる前記第2の時間インタリーブ前の前記第2の誤り訂正符号ブロックの先頭位置のオフセットを示すポインタを含む送信装置である。
【0007】
本技術の一側面の送信装置は、独立した装置であってもよいし、1つの装置を構成している内部ブロックであってもよい。また、本技術の一側面の送信方法は、上述した本技術の一側面の送信装置に対応する送信方法である。
【0008】
本技術の一側面の送信装置、及び送信方法においては、第1の方式と、第1の方式の次世代方式である第2の方式の移行期間において、階層分割多重方式に従い、第1の方式に準拠した第1の誤り訂正符号ブロックの信号と、第2の方式に準拠した第2の誤り訂正符号ブロックの信号とが多重され、多重後の信号に含まれる第1の誤り訂正符号ブロックと第2の誤り訂正符号ブロックに対して、第1の方式に準拠した第1の時間インタリーブが行われ、階層分割多重方式に従い、第1の方式に準拠した第1の伝送制御信号と、第2の方式に準拠した第2の伝送制御信号とが多重され、第1の時間インタリーブ後の第1の誤り訂正符号ブロックを第1のデータフレームとして第1の伝送制御信号を含む第1の物理層フレームと、第1の時間インタリーブ後の第2の誤り訂正符号ブロックを第2のデータフレームとして第2の伝送制御信号を含む第2の物理層フレームとが構成されて、放送信号として送信され、第2の伝送制御信号には、第2のデータフレームの先頭に含まれる第1の時間インタリーブ前の第2の誤り訂正符号ブロックの先頭位置のオフセットを示すポインタが含まれる。また、第2の方式への移行後において、第2の誤り訂正符号ブロックに対して、第2の方式に準拠した第2の時間インタリーブが行われ、第2の時間インタリーブ後の第2の誤り訂正符号ブロックを第2のデータフレームとし、第2の伝送制御信号を含む第2の物理層フレームが構成されて、放送信号として送信され、第2の伝送制御信号には、第2のデータフレームの先頭に含まれる第2の時間インタリーブ前の第2の誤り訂正符号ブロックの先頭位置のオフセットを示すポインタが含まれる。
【0009】
本技術の一側面の受信装置は、第1の方式と、前記第1の方式の次世代方式である第2の方式の移行期間において、階層分割多重方式に従い、前記第1の方式に準拠した第1の誤り訂正符号ブロックの信号と、前記第2の方式に準拠した第2の誤り訂正符号ブロックの信号とを多重する第1の多重部と、多重後の信号に含まれる前記第1の誤り訂正符号ブロックと前記第2の誤り訂正符号ブロックに対して、前記第1の方式に準拠した第1の時間インタリーブを行う第1の時間インタリーバと、前記階層分割多重方式に従い、前記第1の方式に準拠した第1の伝送制御信号と、前記第2の方式に準拠した第2の伝送制御信号とを多重する第2の多重部と、前記第1の時間インタリーブ後の前記第1の誤り訂正符号ブロックを第1のデータフレームとして前記第1の伝送制御信号を含む第1の物理層フレームと、前記第1の時間インタリーブ後の前記第2の誤り訂正符号ブロックを第2のデータフレームとして前記第2の伝送制御信号を含む第2の物理層フレームとを構成して、放送信号として送信する送信部とを備え、前記第2の方式への移行後において、前記第2の誤り訂正符号ブロックに対して、前記第2の方式に準拠した第2の時間インタリーブを行う第2の時間インタリーバを備え、前記送信部は、前記第2の時間インタリーブ後の前記第2の誤り訂正符号ブロックを前記第2のデータフレームとし、前記第2の伝送制御信号を含む前記第2の物理層フレームを構成して、放送信号として送信する送信装置から送信されてくる前記放送信号を受信する受信部と、前記第1の方式と前記第2の方式の移行期間において、前記第1の物理層フレームに含まれる前記第1の時間インタリーブ後の前記第1の誤り訂正符号ブロックと、前記第2の物理層フレームに含まれる前記第1の時間インタリーブ後の前記第2の誤り訂正符号ブロックに対して、前記第1の方式に準拠した第1の時間デインタリーブを行う第1の時間デインタリーバを備え、前記第2の伝送制御信号に含まれる、前記第2のデータフレームの先頭に含まれる前記第1の時間デインタリーブ後の前記第2の誤り訂正符号ブロックの先頭位置のオフセットを示すポインタを取得し、取得した当該ポインタを用いて、前記第2の物理層フレームから前記第1の時間デインタリーブ後の前記第2の誤り訂正符号ブロックを抽出し、前記第2の方式への移行後において、前記第2の物理層フレームに含まれる前記第2の時間インタリーブ後の前記第2の誤り訂正符号ブロックに対して、前記第2の方式に準拠した第2の時間デインタリーブを行う第2の時間デインタリーバを備え、前記第2の伝送制御信号に含まれる、前記第2のデータフレームの先頭に含まれる前記第2の時間デインタリーブ後の前記第2の誤り訂正符号ブロックの先頭位置のオフセットを示すポインタを取得し、取得した当該ポインタを用いて、前記第2の物理層フレームから前記第2の時間デインタリーブ後の前記第2の誤り訂正符号ブロックを抽出する受信装置である。
【0010】
本技術の一側面の受信装置は、独立した装置であってもよいし、1つの装置を構成している内部ブロックであってもよい。また、本技術の一側面の受信方法は、上述した本技術の一側面の受信装置に対応する受信方法である。
【0011】
本技術の一側面の受信装置、及び受信方法においては、第1の方式と第2の方式の移行期間において、第1の物理層フレームに含まれる第1の時間インタリーブ後の第1の誤り訂正符号ブロックと、第2の物理層フレームに含まれる第1の時間インタリーブ後の第2の誤り訂正符号ブロックに対して、第1の方式に準拠した第1の時間デインタリーブが行われ、第2の伝送制御信号に含まれる、第2のデータフレームの先頭に含まれる第1の時間デインタリーブ後の第2の誤り訂正符号ブロックの先頭位置のオフセットを示すポインタが取得され、取得された当該ポインタを用いて、第2の物理層フレームから第1の時間デインタリーブ後の第2の誤り訂正符号ブロックが抽出される。また、第2の方式への移行後において、第2の物理層フレームに含まれる第2の時間インタリーブ後の第2の誤り訂正符号ブロックに対して、第2の方式に準拠した第2の時間デインタリーブが行われ、第2の伝送制御信号に含まれる、第2のデータフレームの先頭に含まれる第2の時間デインタリーブ後の第2の誤り訂正符号ブロックの先頭位置のオフセットを示すポインタが取得され、取得された当該ポインタを用いて、第2の物理層フレームから第2の時間デインタリーブ後の第2の誤り訂正符号ブロックが抽出される。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本技術を適用した伝送システムの一実施の形態の構成の例を示す図である。
【
図2】階層分割多重方式による放送信号の伝送を模式的に表した図である。
【
図3】UL信号とLL信号の信号空間の例を示す図である。
【
図4】現行方式と次世代方式と、それらの移行期間における伝送仕様の例を示す図である。
【
図5】FECブロックポインタを時間デインタリーブに適用する例を示す図である。
【
図6】送信装置の構成の例を示すブロック図である。
【
図7】送信処理の流れを説明するフローチャートである。
【
図8】受信装置の構成の第1の例を示すブロック図である。
【
図9】第1の受信処理の流れを説明するフローチャートである。
【
図10】受信装置の構成の第2の例を示すブロック図である。
【
図11】第2の受信処理の流れを説明するフローチャートである。
【
図12】受信装置の構成の第3の例を示すブロック図である。
【
図13】第3の受信処理の流れを説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照しながら本技術の実施の形態について説明する。なお、説明は以下の順序で行うものとする。
【0014】
1.本技術の実施の形態
2.変形例
3.コンピュータの構成
【0015】
<1.本技術の実施の形態>
【0016】
(伝送システムの構成例)
図1は、本技術を適用した伝送システムの一実施の形態の構成を示す図である。なお、システムとは、複数の装置が論理的に集合したものをいう。
【0017】
図1において、伝送システム1は、地上デジタルテレビジョン放送等の放送方式に対応したシステムである。伝送システム1は、各放送局に関連する施設に設置されるデータ処理装置11-1乃至11-N(Nは1以上の整数)と、送信所に設置される送信装置10と、各ユーザにより所有される受信装置20-1乃至20-M(Mは1以上の整数)から構成される。
【0018】
また、この伝送システム1において、データ処理装置11-1乃至11-Nと、送信装置10とは、通信回線12-1乃至12-Nを介して接続されている。なお、通信回線12-1乃至12-Nは、例えば専用線とすることができる。
【0019】
データ処理装置11-1は、放送局Aにより制作された放送コンテンツ(例えば放送番組等)のデータにエンコード等の必要な処理を施し、その結果得られる伝送データを、通信回線12-1を介して送信装置10に送信する。
【0020】
データ処理装置11-2乃至11-Nにおいては、データ処理装置11-1と同様に、放送局Bや放送局Z等の各放送局により制作された放送コンテンツのデータが処理され、その結果得られる伝送データが、通信回線12-2乃至12-Nを介して送信装置10に送信される。
【0021】
送信装置10は、通信回線12-1乃至12-Nを介して、放送局側のデータ処理装置11-1乃至11-Nから送信されてくる伝送データを受信する。送信装置10は、データ処理装置11-1乃至11-Nからの伝送データに符号化や変調等の必要な処理を施し、その結果得られる放送信号を、送信所に設置された送信用のアンテナから送信する。
【0022】
これにより、送信所側の送信装置10からの放送信号は、所定の周波数帯の電波によって、受信装置20-1乃至20-Mにそれぞれ送信される。
【0023】
受信装置20-1乃至20-Mは、例えば、テレビ受像機やセットトップボックス(STB:Set Top Box)などの固定受信機として構成され、各ユーザの自宅等に設置される。
【0024】
受信装置20-1は、所定の周波数帯の電波によって、送信装置10から送信されてくる放送信号を受信して復調や復号、デコード等の必要な処理を施すことで、ユーザによる選局操作に応じた放送コンテンツ(例えば放送番組等)を再生する。
【0025】
受信装置20-2乃至20-Mにおいては、受信装置20-1と同様に、送信装置10からの放送信号が処理され、ユーザによる選局操作に応じた放送コンテンツが再生される。
【0026】
このようにして、受信装置20においては、放送コンテンツの映像がディスプレイに表示され、その映像に同期した音声がスピーカから出力されるため、ユーザは、放送番組等の放送コンテンツを視聴することができる。
【0027】
なお、伝送システム1において、M台の受信装置20には、現行方式に対応したものと、次世代方式に対応したものが混在している。そこで、以下の説明では、現行方式に対応した受信装置20を、現行受信装置20Lと称し、次世代方式に対応した受信装置20を、次世代受信装置20Nと称して区別する。
【0028】
さらに、現行方式と次世代方式の両方の方式に対応した受信装置20も想定されるため、以下の説明では、当該受信装置20を、両方式受信装置20Dと称する。ただし、現行受信装置20Lと、次世代受信装置20Nと、両方式受信装置20Dとを、特に区別する必要がない場合には、単に受信装置20と称する。
【0029】
ところで、日本では、地上デジタルテレビジョン放送の次世代化に向けた高度化の検討が行われている。ここで、現行の放送方式(現行方式)から次世代の放送方式(次世代方式)への移行方法の1つとして、現行の周波数帯域を用いて、互換性のある次世代方式を導入することが検討されている。
【0030】
この放送方式の移行期間においては、現行方式の放送信号(以下、現行放送信号ともいう)と、次世代方式の放送信号(以下、次世代放送信号ともいう)を、階層分割多重(LDM:Layered Division Multiplexing)方式を採用して伝送する方式が想定される。
【0031】
すなわち、放送方式の移行期間において、階層分割多重方式(LDM方式)を用いることで、上層(UL:Upper Layer)としての高電力階層で、現行放送信号を伝送し、下層(LL:Lower Layer)としての低電力階層で、次世代放送信号を伝送する。
【0032】
ここで、
図2は、階層分割多重方式による放送信号の伝送を模式的に示している。
図2において、縦軸は信号レベルを表し、横軸は周波数を表している。
【0033】
図2では、1つのチャンネルの周波数帯域を示しており、縦方向の破線で示すように、各周波数帯域は、複数のセグメント(例えば現行方式(ISDB-T方式)の場合には13個のセグメント)から構成される。ここでは、階層分割多重方式を用い、次世代放送信号の電力を抑制して、現行放送信号に多重することで、現行放送信号と同一の周波数帯域に、次世代放送信号を重ねて伝送することが可能となる。
【0034】
図2において、高電力階層(UL)で伝送される現行2K放送(の現行放送信号)では、2K映像に対応した2Kコンテンツを伝送し、低電力階層(LL)で伝送される次世代4K放送(の次世代放送信号)は、4K映像に対応した4Kコンテンツを伝送しており、同一のチャンネル(周波数帯域)で、2Kと4Kのコンテンツの放送信号を伝送可能である。なお、例えば、現行2K放送は、現行受信装置20Lにより受信され、次世代4K放送は、次世代受信装置20N又は両方式受信装置20Dにより受信される。
【0035】
ここで、階層分割多重方式に対応した受信装置20では、送信装置10から送信されてくる放送信号から、まず、高電力階層のUL信号を復号してUL信号の送信点が推定され、その後に、推定されたUL信号の送信点を利用して、低電力階層のLL信号のデマッピングや復号が行われる。
【0036】
例えば、
図3の信号空間の例に示すように、QPSK(Quadrature Phase Shift Keying)で変調された現行放送信号から、図中の黒い四角で示すUL信号の送信点が推定され、このUL信号の送信点を用いて、図中の白い丸で示すLL信号のデマッピングや復号が行われる。具体的には、
図3の例では、4つのUL信号の信号点(図中の黒い四角)のそれぞれを中心にして、8つのLL信号の信号点(図中の白い丸)が円状に配置されている。
【0037】
このように、LL信号は、UL信号に基づき得られるものであるため、UL信号とLL信号とで、時間インタリーブ(時間デインタリーブ)のパターンが異なる場合、受信装置20では、LL信号の復号を行うために、UL信号の復号結果を、時間インタリーブしてさらに時間デインタリーブする必要が出てくる。そのため、UL信号とLL信号とで時間インタリーブ(時間デインタリーブ)のパターンが異なってしまうと、受信装置20の構成や処理が複雑になってしまう。
【0038】
すなわち、受信装置20の実現性を考慮すれば、時間インタリーブ(時間デインタリーブ)のパターンが異なることで、現行方式から次世代方式への移行期間にのみ用いられる専用のメモリ(大規模なメモリ)が必要で、かつ、処理が複雑になるため、UL信号とLL信号との時間インタリーブ(時間デインタリーブ)のパターンを共通化することは、必須である。
【0039】
そこで、本技術では、現行方式から次世代方式への移行期間に、現行方式に対応した時間インタリーブ(時間デインタリーブ)が用いられるようにする。
【0040】
また、次世代方式では、物理層フレーム(のデータフレーム)に含まれる誤り訂正符号ブロックの先頭位置が、物理層フレーム(のデータフレーム)の先頭位置と一致しない場合に、誤り訂正符号ブロックの先頭位置のオフセットを示すポインタが用いられる。このポインタを利用することで、それらの先頭位置が一致しない場合でも、効率的なデータ伝送を行うことができる。
【0041】
具体的には、例えば、物理層フレームとしてOFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)フレーム、誤り訂正ブロックとしてFEC(Forward Error Correction)ブロック、ポインタとしてFECブロックポインタをそれぞれ用いることができ、以下の説明では、それらを一例にして説明する。
【0042】
一方で、現行方式では、当該ポインタの機能はなく、移行期間に、現行方式に対応した時間インタリーブ(時間デインタリーブ)を用いる場合、UL信号とLL信号との時間インタリーブ(時間デインタリーブ)のパターンが共通化されるが、次世代放送信号に対応したLL信号の伝送効率が低下してしまう。
【0043】
そのため、本技術では、移行期間に、現行方式に対応した時間インタリーブ(時間デインタリーブ)を用いるとともに、次世代方式に対応したポインタが、当該時間インタリーブ(時間デインタリーブ)に適用されるようにすることで、伝送効率を向上させるようにする。
【0044】
なお、移行期間後は、次世代方式に対応したポインタはそのまま用いられるため、時間インタリーブ(時間デインタリーブ)を、現行方式に対応したものから、次世代方式に対応したものに切り替えればよい。
【0045】
以上をまとめると、現行(移行前)と、移行期間と、次世代(移行後)とで適用される方式(伝送仕様)の関係は、
図4に示すような関係となる。
【0046】
すなわち、移行前においては、ISDB-T(Integrated Services Digital Broadcasting - Terrestrial)方式等の現行方式が用いられるため、現行方式に対応した時間インタリーバ(時間デインタリーバ)と、誤り訂正符号(FEC)が用いられ、FECブロックポインタは未使用とされる。つまり、現行方式に対応したFECブロックの先頭位置は、OFDMフレーム(のデータフレーム)の先頭位置と一致しているため、FECブロックポインタは必要ない。
【0047】
移行期間では、現行方式の現行放送信号と、次世代方式の次世代放送信号とを階層分割多重方式(LDM方式)で伝送するが、UL信号とLL信号との時間インタリーブ(時間デインタリーブ)のパターンを共通化する目的で、現行方式に対応した時間インタリーバ(時間デインタリーバ)を用いるのは、先に述べた通りである。
【0048】
また、移行期間では、階層分割多重方式を用い、現行放送信号に対応したUL信号と、次世代放送信号に対応したLL信号を伝送しており、現行方式に対応した誤り訂正符号(FEC)では、FECブロックポインタを用いる必要がない。一方で、移行期間において、次世代方式に対応した誤り訂正符号(FEC)では、FECブロックポインタが、現行方式に対応した時間インタリーブ(時間デインタリーブ)に適用されるようにするのは、先に述べた通りである。
【0049】
移行後においては、次世代方式が用いられるため、次世代方式に対応した時間インタリーバ(時間デインタリーバ)と、誤り訂正符号(FEC)が用いられ、さらにFECブロックポインタも使用される。つまり、次世代方式に対応したFECブロックでは、その先頭位置が、OFDMフレーム(のデータフレーム)の先頭位置と一致しない場合があるため、当該FECブロックの先頭位置のオフセットを示すFECブロックポインタが用いられる。
【0050】
以下、移行期間において、現行方式に対応した時間インタリーブ(時間デインタリーブ)を用いるとともに、次世代方式に対応したポインタ(FECブロックポインタ)が、当該時間インタリーブ(時間デインタリーブ)に適用されるようにした本技術を、
図5乃至
図13を参照しながら詳細に説明する。
【0051】
なお、本開示においては、説明の簡略化のため、現行方式(ISDB-T方式)として、現行2K放送についてのみ説明するが、実際には、現行方式(ISDB-T方式)では、13個のセグメントのうち、12個のセグメントが、固定受信機向けの放送(現行2K放送)に用いられ、残りの1セグメントがモバイル受信機向けの放送(いわゆるワンセグ放送)に用いられる。
【0052】
(時間デインタリーブの例)
図5は、次世代受信装置20N又は両方式受信装置20Dにおいて、次世代方式に対応したFECブロックポインタを、現行方式に対応した時間デインタリーブに適用する例を示している。なお、
図5において、時間の方向は、左から右に向かう方向とされる。
【0053】
ここで、両方式受信装置20D等では、受信したOFDMフレームに対する処理が順次行われるが、このOFDMフレームのサイズは、ISDB-T方式等の現行方式のフレームサイズに対応している。つまり、両方式受信装置20D等では、移行期間にて現行方式に対応した時間デインタリーブを行うため、そのOFDMフレームのサイズは、現行方式に対応したものとなる。
【0054】
また、OFDMフレームは、データフレームとともに、伝送制御信号を含んでいる。データフレームには、複数のFECブロックが含まれる。また、FECブロックは、固定長とされるが、現行方式に対応したFECブロックに比べて、次世代方式に対応したFECブロックのほうが、固定長が長くなる。
【0055】
図5において、両方式受信装置20D等では、OFDMフレームごとに、現行方式に対応した時間インタリーブが施された複数のFECブロックが抽出され、現行方式に対応した時間デインタリーブが行われる。この時間デインタリーブの対象となるFECブロックは、次世代方式に対応したFECブロックとされる。
【0056】
図5のAは、時間デインタリーブ前のFECブロックを示している。
図5のAにおいては、複数のFECブロックが、現行方式に対応した所定のパターンにより時間方向にインタリーブされ、時間的順序が組み替えられている。ここでは、図中の模様が付された四角のそれぞれが、FECブロックの一部を表しており、元の時間的順序に並び替えて、同一の模様の四角を集めることで1つのFECブロックが構成される。
【0057】
図5のBは、時間デインタリーブ後のFECブロックを示している。
図5のBにおいては、時間デインタリーブが行われることで、OFDMフレームごとに、時間的順序が組み替えられた複数のFECブロックのそれぞれが、元の時間的順序に戻されている。
【0058】
このとき、OFDMフレーム(のデータフレーム)の先頭位置と、FECブロックの先頭位置とが一致していないが、両方式受信装置20D等では、FECブロックポインタを用いることで、FECブロックの先頭位置を認識することができる。例えば、このFECブロックポインタによって、FECブロックの先頭位置のオフセットとして、OFDMフレームの先頭からのデータキャリア数が指定される。
【0059】
具体的には、1つ目のOFDMフレームでは、FECブロックポインタP1として、当該OFDMフレームの先頭からのデータキャリア数が指定され、2つ目のOFDMフレームでは、FECブロックポインタP2として、当該OFDMフレームの先頭からのデータキャリア数が指定される。
【0060】
なお、
図5においては、受信側の次世代受信装置20N又は両方式受信装置20Dで行われる時間デインタリーブを説明したが、送信側の送信装置10では、当該時間デインタリーブに対応した時間インタリーブが行われる。すなわち、送信装置10では、
図5のBに示した複数のFECブロックを、現行方式に対応した所定のパターンで時間的順序を組み替えることで、時間方向にインタリーブする(
図5のA)。
【0061】
このように、移行期間において、現行方式に対応した時間インタリーブ(時間デインタリーブ)を用いるとともに、次世代方式に対応したFECブロックで用いられるFECブロックポインタが、当該時間インタリーブ(時間デインタリーブ)に適用されるようにすることで、伝送効率を向上させることができる。
【0062】
すなわち、FECブロックポインタを適用することで、OFDMフレームの先頭に含まれるFECブロックの先頭位置が、OFDMフレームの先頭位置と一致していなくても、受信装置20では、OFDMフレームからFECブロックを抽出することができる。換言すれば、本技術は、次のように捉えることができる。つまり、1つのFECブロックが複数のOFDMフレーム(のデータフレーム)に跨がって配置できない場合には、OFDMフレームの最後の部分にあるFECブロックを配置できない領域に対して、例えばゼロパディングを行ったり、NULL値を配置したりする必要がある。それに対して、本技術では、1つのFECブロックが、複数のOFDMフレーム(のデータフレーム)に跨がって配置されることが許容されるため、例えばゼロパディングやNULL値を配置するなどの必要がなく、OFDMフレームの最後の部分にもFECブロックの一部を配置できるので、結果として、伝送効率の低下が抑制される。
【0063】
(送信装置の構成)
図6は、
図1の送信装置10の構成の例を示すブロック図である。
【0064】
図6において、送信装置10は、FEC部111-1、FEC部111-2、電力制御部112、加算部113、電力正規化部114、信号処理部115-1、信号処理部115-2、セレクタ116、OFDM変調部117、セレクタ118、FECポインタ計算部119、TMCC生成部120-1、TMCC生成部120-2、電力制御部121、加算部122、電力正規化部123、及びセレクタ124から構成される。
【0065】
なお、
図6においては、FEC部111乃至セレクタ116によってデータ信号の系列が構成され、セレクタ118乃至セレクタ124によって伝送制御信号の系列が構成され、それらの系列で得られる信号がOFDM変調部117にそれぞれ入力される。
【0066】
まず、上段に示したデータ信号の系列について説明する。
【0067】
FEC部111-1は、現行方式の仕様に対応したFEC符号化変調部である。FEC部111-1は、そこに伝送データとして入力される2Kコンテンツの信号(2K信号)に対して、前方誤り訂正(FEC)を施し、その結果得られる2K FEC信号を、加算部113に供給する。
【0068】
FEC部111-2は、次世代方式の仕様に対応したFEC符号化変調部である。FEC部111-2は、そこに伝送データとして入力される4Kコンテンツの信号(4K信号)に対して、前方誤り訂正(FEC)を施し、その結果得られる4K FEC信号を、電力制御部112及び信号処理部115-2に供給する。
【0069】
電力制御部112は、FEC部111-2から供給される4K FEC信号に対する電力制御を行い、その結果得られる信号(4K FEC信号)を、加算部113に供給する。
【0070】
加算部113は、FEC部111-1から供給される2K FEC信号と、電力制御部112から供給される4K FEC信号とを加算し、その結果得られる加算信号を、電力正規化部114に供給する。電力正規化部114では、加算部113から供給される加算信号の電力を正規化して、信号処理部115-1に供給する。
【0071】
すなわち、この信号処理部115-1に入力される信号は、移行期間に、階層分割多重方式で伝送されるため、電力制御部112、加算部113、及び電力正規化部114では、2Kコンテンツの信号(2K FEC信号)を高電力階層(UL)で伝送し、4Kコンテンツの信号(4K FEC信号)を低電力階層(LL)で伝送するための処理が行われる。
【0072】
信号処理部115-1は、現行方式の仕様に対応した信号処理部である。信号処理部115-1は、階層合成部141-1、時間インタリーバ142-1、及び周波数インタリーバ143-1から構成される。
【0073】
階層合成部141-1は、そこに入力される信号に対して、セグメントに対応した階層合成に関する処理を行い、その結果得られる信号を、時間インタリーバ142-1に供給する。
【0074】
時間インタリーバ142-1は、階層合成部141-1から供給される信号について、時間インタリーブ(時間方向のインタリーブ)を行い、その時間インタリーブ後の信号を、周波数インタリーバ143-1に供給する。ここで、時間インタリーバ142-1によって行われる時間インタリーブは、
図5に示した時間デインタリーブに対応した時間インタリーブとされる。
【0075】
周波数インタリーバ143-1は、時間インタリーバ142-1から供給される信号について、周波数インタリーブ(周波数方向のインタリーブ)を行い、その周波数インタリーブ後の信号を、セレクタ116に供給する。
【0076】
一方で、信号処理部115-2に入力される信号は、移行後に次世代方式で伝送される4Kコンテンツの信号(4K FEC信号)とされる。信号処理部115-2は、次世代方式の仕様に対応した信号処理部である。信号処理部115-2は、階層合成部141-2、時間インタリーバ142-2、及び周波数インタリーバ143-2から構成される。
【0077】
階層合成部141-2は、階層合成に関する処理を行う。時間インタリーバ142-2は、そこに入力される信号について、時間インタリーブを行う。周波数インタリーバ143-2は、そこに入力される信号について、周波数インタリーブを行う。この周波数インタリーブ後の信号は、セレクタ116に供給される。
【0078】
セレクタ116は、そこに供給される切替信号に従い、その入力を、信号処理部115-1側、又は信号処理部115-2側に切り替える。セレクタ116は、切替信号が移行期間に応じた信号である場合には、信号処理部115-1により処理されたLDM対応データ信号を選択し、切り替え信号が移行後に応じた信号である場合には、信号処理部115-2により処理された次世代データ信号を選択して、それぞれOFDM変調部117に出力する。
【0079】
なお、切替信号は、その時点での運用が、現行方式から次世代方式への移行期間に応じた運用を行っている場合には、移行期間に応じた信号となり、次世代方式への移行後の運用を行っている場合には、移行後に応じた信号となる。例えば、切替信号は、図示しない制御回路から通知されるか、あるいは、外部から通知されてもよい。なお、送信装置10において、他のセレクタに供給される切替信号についても同様とされる。
【0080】
次に、下段に示した伝送制御信号の系列について説明する。
【0081】
セレクタ118は、そこに供給される切替信号が移行期間に応じた信号である場合には、ISDB-T方式等の現行方式のフレームサイズを選択し、切替信号が移行後に応じた信号である場合には、次世代方式のフレームサイズを選択して、それぞれFECポインタ計算部119に供給する。
【0082】
FECポインタ計算部119は、セレクタ118から供給されるフレームサイズに基づいて、FECブロックポインタを計算し、TMCC生成部120-2に供給する。
【0083】
ここでは、例えば、現行方式又は次世代方式に対応したOFDMフレームのフレームサイズに基づき、OFDMフレーム(のデータフレーム)の先頭に含まれるFECブロックの先頭位置のオフセットを示すFECブロックポインタとして、OFDMフレームの先頭からのデータキャリア数が求められる。
【0084】
TMCC生成部120-1は、現行方式の仕様に対応した伝送制御信号として、TMCC(Transmission Multiplexing Configuration Control)信号(以下、現行TMCC信号とも称する)を生成し、加算部122に供給する。なお、TMCC信号は、各階層の変調方式や誤り訂正符号化率等の伝送パラメータなどの情報を含む制御信号である。
【0085】
TMCC生成部120-2は、次世代方式の仕様に対応した伝送制御信号として、TMCC信号(以下、次世代TMCC信号とも称する)を生成し、電力制御部121及びセレクタ124に供給する。この次世代TMCC信号には、FECポインタ計算部119から供給されるFECブロックポインタが含められる。
【0086】
電力制御部121は、TMCC生成部120-2から供給される信号(次世代TMCC信号)に対する電力制御を行い、その結果得られる信号を、加算部122に供給する。
【0087】
加算部122は、TMCC生成部120-1から供給される信号(現行TMCC信号)と、電力制御部121から供給される信号(次世代TMCC信号)とを加算し、その結果得られる加算信号を、電力正規化部123に供給する。電力正規化部123では、加算部122から供給される加算信号の電力を正規化して、セレクタ124に供給する。
【0088】
すなわち、このセレクタ124に入力される信号(LDM対応伝送制御信号)は、移行期間に、階層分割多重方式で伝送されるため、電力制御部121、加算部122、及び電力正規化部123では、現行方式に対応した伝送制御信号(現行TMCC信号)を高電力階層(UL)で伝送し、次世代方式に対応した伝送制御信号(次世代TMCC信号)を低電力階層(LL)で伝送するための処理が行われる。
【0089】
また、セレクタ124に入力される他方の信号、すなわち、TMCC生成部120-2から供給される信号(次世代伝送制御信号)は、移行後に次世代方式で伝送される次世代方式に対応した伝送制御信号(次世代TMCC信号)とされる。
【0090】
セレクタ124は、そこに供給される切替信号が移行期間に応じた信号である場合には、電力正規化部123からのLDM対応伝送制御信号を選択し、切替信号が移行後に応じた信号である場合には、TMCC生成部120-2からの次世代伝送制御信号を選択して、それぞれOFDM変調部117に出力する。
【0091】
ここで、移行期間に応じた運用を行う場合、OFDM変調部117には、データ信号の系列側のセレクタ116からLDM対応データ信号が供給され、伝送制御信号の系列側のセレクタ124からLDM対応伝送制御信号が供給される。
【0092】
この場合において、OFDM変調部117は、LDM対応データ信号、及びLDM対応伝送制御信号に基づいて、物理層フレームとしてOFDMフレームを構成(生成)する。また、OFDM変調部117では、OFDMフレーム構成に対し、IFFT(Inverse Fast Fourier Transform)や、GI(Guard Interval)の挿入などの処理が行われ、その結果得られる信号が、放送信号として、送信用のアンテナ(不図示)から送出(送信)される。
【0093】
このように、移行期間においては、送信装置10によって、階層分割多重方式が用いられることで、高電力階層(UL)では、現行2K放送(の現行放送信号)が伝送され、低電力階層(LL)では、次世代4K放送(の次世代放送信号)が伝送されることになる。
【0094】
また、移行後に応じた運用を行う場合、OFDM変調部117には、データ信号の系列側のセレクタ116から次世代データ信号が供給され、伝送制御信号の系列側のセレクタ124から次世代伝送制御信号が供給される。
【0095】
この場合において、OFDM変調部117は、次世代データ信号、及び次世代伝送制御信号に基づいて、物理層フレームとしてOFDMフレームを構成する。また、OFDM変調部117では、OFDMフレーム構成に対し、IFFTやGIの挿入などの処理が行われ、その結果得られる信号が、放送信号として、送信用のアンテナ(不図示)から送出される。
【0096】
このように、移行後においては、送信装置10によって、移行後の次世代4K放送(の次世代放送信号)のみが伝送されることになる。
【0097】
なお、
図6においては、FECブロックポインタをTMCC信号に含める場合を例示したが、それに限らず、FECブロックポインタは、他の信号に含めてもよい。例えば、FECブロックポインタを、OFDMフレームのデータフレームのヘッダなどに含めてもよい。ただし、当該ヘッダに含める場合には、TMCC信号に含める場合と比べて、伝送データ量が減少することになる。
【0098】
また、詳細は後述するが、TMCC信号には、その時点での運用が、移行期間に応じた運用であるのか、あるいは移行後に応じた運用であるのかを、受信装置20に通知するための運用判定信号を含めることができる。
【0099】
(送信処理の流れ)
次に、
図7のフローチャートを参照して、
図6の送信装置10により実行される送信処理の流れを説明する。
【0100】
ステップS101において、FEC部111-1及びFEC部111-2は、FEC符号化変調処理を行う。ここでは、FEC部111-1によって、2K信号に対するFEC符号化変調処理が行われる。また、FEC部111-2によって、4K信号に対するFEC符号化変調処理が行われる。
【0101】
ステップS102の判定処理では、その時点での運用が移行期間又は移行後であるかが判定される。
【0102】
ステップS102において、移行期間中であると判定された場合、処理は、ステップS103に進められ、ステップS103乃至S107、S111、及びS112の処理が実行される。
【0103】
すなわち、電力制御部112、加算部113、及び電力正規化部114では、2K FEC信号を高電力階層(UL)で伝送し、4K FEC信号を低電力階層(LL)で伝送するためのFEC LDM変調処理が行われる(S103)。
【0104】
そして、時間インタリーバ142-1が、FEC LDM変調処理の結果得られる信号に対し、時間インタリーブを行う(S104)。また、周波数インタリーバ143-1が、時間インタリーブ後の信号に対し、周波数インタリーブを行う(S105)。
【0105】
続いて、TMCC生成部120-1及びTMCC生成部120-2は、TMCC符号化変調処理を行う(S106)。ここでは、TMCC生成部120-1によって、現行TMCC信号に対するTMCC符号化変調処理が行われる。また、TMCC生成部120-2によって、次世代TMCC信号に対するTMCC符号化変調処理が行われる。
【0106】
また、電力制御部121、加算部122、及び電力正規化部123では、現行TMCC信号を高電力階層(UL)で伝送し、次世代TMCC信号を低電力階層(LL)で伝送するためのTMCC LDM変調処理が行われる(S107)。なお、ここでは、TMCC符号化変調処理がさらに行われ、移行期間に応じた運用であることを示す運用判定信号が含められる(S111)。
【0107】
そして、OFDM変調部117は、LDM対応データ信号、及びLDM対応伝送制御信号に基づき、OFDM変調処理を行う(S112)。このOFDM変調処理の結果得られる信号は、放送信号として送信用のアンテナを介して送出される。
【0108】
一方で、ステップS102において、移行後であると判定された場合、処理は、ステップS108に進められ、ステップS108乃至S112の処理が実行される。
【0109】
すなわち、時間インタリーバ142-2が、4K FEC信号に対し、時間インタリーブを行う(S108)。また、周波数インタリーバ143-2が、時間インタリーブ後の信号に対し、周波数インタリーブを行う(S109)。
【0110】
続いて、TMCC生成部120-2は、次世代TMCC信号に対するTMCC符号化変調処理を行う(S110)。なお、ここでは、移行後に応じた運用であることを示す運用判定信号が含められる(S111)。
【0111】
そして、OFDM変調部117は、次世代データ信号、及び次世代伝送制御信号に基づき、OFDM変調処理を行う(S112)。このOFDM変調処理の結果得られる信号は、放送信号として送信用のアンテナを介して送出される。
【0112】
以上、送信処理の流れを説明した。
【0113】
(受信装置の構成)
図8は、
図1の受信装置20の構成の第1の例を示すブロック図である。なお、
図8に示した受信装置20は、例えば次世代受信装置20N又は両方式受信装置20Dとして構成されている。
【0114】
図8において、受信装置20は、OFDM復調部211、TMCC復調復号部212、TMCC LDM復調部213、移行期間判定部214、セレクタ215、TMCC復調復号部216、周波数デインタリーバ217-1、周波数デインタリーバ217-2、セレクタ218、RAM219、時間デインタリーバ220-1、時間デインタリーバ220-2、セレクタ221、RAM222、FEC復調復号部223、FEC LDM復調部224、セレクタ225、及びFEC復調復号部226から構成される。
【0115】
なお、
図8において、TMCC復調復号部212乃至TMCC復調復号部216によって伝送制御信号の系列が構成され、周波数デインタリーバ217乃至FEC復調復号部226によってデータ信号の系列が構成され、それらの系列に対してOFDM復調部211からの信号がそれぞれ入力される。
【0116】
OFDM復調部211には、受信用のアンテナ(不図示)を介して受信された放送信号が入力される。OFDM復調部211では、そこに入力される放送信号に対し、GIの除去やFFT(Fast Fourier Transform)、OFDMフレームの復調などの処理が行われ、その結果得られる信号が後段のブロックに出力される。
【0117】
ここでは、OFDM復調部211から出力される信号のうち、LDM対応伝送制御信号がTMCC復調復号部212及びTMCC LDM復調部213に供給され、LDM対応データ信号が周波数デインタリーバ217-1に供給される。また、OFDM復調部211から出力される信号のうち、次世代伝送制御信号がセレクタ215に供給され、次世代データ信号が周波数デインタリーバ217-2に供給される。
【0118】
TMCC復調復号部212は、OFDM復調部211から供給される信号(LDM対応伝送制御信号)に対し、TMCC信号が配置されている各キャリアに対して所定の復調方式に従った復調を行い、その復調の結果を復号して得られる運用判定信号を、移行期間判定部214に供給する。
【0119】
この運用判定信号は、その時点での運用が、移行期間に応じた運用であるのか、あるいは移行後に応じた運用であるのかを示す信号である。なお、この運用判定信号は、例えば、所定のビットにより表され、移行期間中や移行後に関わらず、同一のビット位置を割り当てることができる。
【0120】
移行期間判定部214は、TMCC復調復号部212から供給される運用判定信号に基づいて、その時点での運用が移行期間又は移行後の運用であるかどうかを判定し、その判定の結果に応じた切替信号を、セレクタ215、セレクタ218、セレクタ221、及びセレクタ225にそれぞれ供給する。
【0121】
また、TMCC復調復号部212からの信号は、TMCC LDM復調部213に供給される。TMCC LDM復調部213は、OFDM復調部211及びTMCC復調復号部212からの信号に基づいて、LDM復調を行い、その復調の結果に応じた信号を、セレクタ215に供給する。
【0122】
ここで、移行期間においては、階層分割多重方式が用いられ、現行TMCC信号が高電力階層(UL)で伝送され、次世代TMCC信号が低電力階層(LL)で伝送されるが、このLDM復調によって、低電力階層(LL)で伝送される次世代TMCC信号の復調や復号が可能とされる。
【0123】
セレクタ215には、OFDM復調部211からの信号(次世代伝送制御信号)と、TMCC LDM復調部213からの信号が入力される。セレクタ215は、移行期間判定部214からの切替信号が移行期間に応じた信号である場合には、TMCC LDM復調部213からの信号を選択し、切替信号が移行後に応じた信号である場合には、OFDM復調部211からの信号を選択して、それぞれTMCC復調復号部216に出力する。
【0124】
TMCC復調復号部216は、次世代方式に対応しており、セレクタ215から供給される信号に対し、所定の復調方式に従った復調を行い、その復調の結果を復号して、次世代TMCC信号を取得する。TMCC復調復号部216は、取得した次世代TMCC信号に含まれるパラメータのうち、FECブロックポインタを、時間デインタリーバ220-1及び時間デインタリーバ220-2に供給する。
【0125】
周波数デインタリーバ217-1は、現行方式の仕様に対応した周波数デインタリーバである。一方で、周波数デインタリーバ217-2は、次世代方式の仕様に対応した周波数デインタリーバである。周波数デインタリーバ217-1、217-2に対しては、セレクタ218及びRAM219が設けられる。
【0126】
セレクタ218は、切替信号が移行期間に応じた信号である場合、その入力を、周波数デインタリーバ217-1側に切り替える一方で、切替信号が移行後に応じた信号である場合、その入力を、周波数デインタリーバ217-2側に切り替える。これにより、その時点での運用が移行期間か移行後かによって、現行方式又は次世代方式の仕様に対応した周波数デインタリーバ217が、RAM219を使用可能となる。
【0127】
時間デインタリーバ220-1は、現行方式の仕様に対応した時間デインタリーバである。一方で、時間デインタリーバ220-2は、次世代方式の仕様に対応した時間デインタリーバである。時間デインタリーバ220-1、220-2に対しては、セレクタ221及びRAM222が設けられる。
【0128】
セレクタ221は、切替信号が移行期間に応じた信号である場合、その入力を、時間デインタリーバ220-1側に切り替える一方で、切替信号が移行後に応じた信号である場合、その入力を、時間デインタリーバ220-2側に切り替える。これにより、その時点での運用が移行期間か移行後かによって、現行方式又は次世代方式の仕様に対応した時間デインタリーバ220が、RAM222を使用可能となる。
【0129】
すなわち、移行期間において、周波数デインタリーバ217-1は、OFDM復調部211から供給される信号(LDM対応データ信号)を適宜、RAM219に書き込んだり、読み出したりすることで、周波数デインタリーブ(周波数方向のデインタリーブ)を行い、その周波数デインタリーブ後の信号を、時間デインタリーバ220-1に供給する。
【0130】
時間デインタリーバ220-1には、周波数デインタリーバ217-1からの信号とともに、TMCC復調復号部216からFECブロックポインタが供給される。時間デインタリーバ220-1は、周波数デインタリーブ後の信号を適宜、RAM222に書き込んだり、読み出したりすることで、時間デインタリーブ(時間方向のデインタリーブ)を行い、その時間デインタリーブ後の信号を、FEC復調復号部223及びFEC LDM復調部224に供給する。
【0131】
ここで、時間デインタリーバ220-1によって行われる時間デインタリーブは、
図5に示した時間デインタリーブに対応したものとされる。また、このとき、OFDMフレーム(のデータフレーム)の先頭位置と、FECブロックの先頭位置とが一致していない場合でも、FECブロックポインタを用いることで、FECブロックの先頭位置を認識して、OFDMフレームに含まれる複数のFECブロックを、FECブロック単位で読み出すことができる。
【0132】
FEC復調復号部223は、現行方式に対応しており、時間デインタリーバ220-1から供給される信号に対し、所定の復調方式に従った復調を行い、その復調の結果を復号して得られる信号を、FEC LDM復調部224に供給する。
【0133】
FEC LDM復調部224は、時間デインタリーバ220-1及びFEC復調復号部223から供給される信号に基づいて、LDM復調を行い、その復調の結果に応じた信号を、セレクタ225に供給する。
【0134】
ここで、移行期間においては、階層分割多重方式が用いられ、2Kコンテンツの信号(2K FEC信号)が高電力階層(UL)で伝送され、4Kコンテンツの信号(4K FEC信号)が低電力階層(LL)で伝送されるが、このLDM復調によって、低電力階層(LL)で伝送される4K FEC信号の復調や復号が可能とされる。
【0135】
一方で、移行後において、周波数デインタリーバ217-2は、OFDM復調部211から供給される信号(次世代データ信号)を適宜、RAM219に書き込んだり、読み出したりすることで、周波数デインタリーブを行い、その周波数デインタリーブ後の信号を、時間デインタリーバ220-2に供給する。
【0136】
時間デインタリーバ220-2には、周波数デインタリーバ217-2からの信号とともに、TMCC復調復号部216からFECブロックポインタが供給される。時間デインタリーバ220-2は、周波数デインタリーブ後の信号を適宜、RAM222に書き込んだり、読み出したりすることで、時間デインタリーブを行い、その時間デインタリーブ後の信号を、セレクタ225に供給する。
【0137】
なお、このとき、OFDMフレーム(のデータフレーム)の先頭位置と、FECブロックの先頭位置とが一致していない場合には、FECブロックポインタを用いることで、FECブロックの先頭位置を認識することができる。
【0138】
セレクタ225には、FEC LDM復調部224からの信号と、時間デインタリーバ220-2からの信号とが入力される。セレクタ225は、移行期間判定部214からの切替信号が移行期間に応じた信号である場合には、FEC LDM復調部224からの信号を選択し、切替信号が移行後に応じた信号である場合には、時間デインタリーバ220-2からの信号を選択して、それぞれFEC復調復号部226に供給する。
【0139】
すなわち、移行期間に応じた運用を行う場合には、FEC LDM復調部224からの信号として、階層分割多重方式における低電力階層(LL)で伝送される次世代放送信号から得られる4K FEC信号が、FEC復調復号部226に入力される。一方で、移行後に応じた運用を行う場合には、移行後の次世代4K放送の次世代放送信号から得られる4K FEC信号が、FEC復調復号部226に入力される。
【0140】
FEC復調復号部226は、次世代方式に対応しており、セレクタ225から供給される4K FEC信号に対し、所定の復調方式に従った復調を行い、その復調の結果を復号して得られる4K信号を、後段の回路(例えばデコーダ等)に出力する。
【0141】
これにより、例えば、次世代受信装置20N又は両方式受信装置20Dにおいては、移行期間には、階層分割多重方式における低電力階層(LL)で伝送される次世代放送信号から得られる4K信号が処理され、移行後には、移行後の次世代4K放送の次世代放送信号から得られる4K信号が処理される。そのため、次世代受信装置20N又は両方式受信装置20Dでは、移行期間中及び移行期間後において、次世代4K放送による4Kコンテンツが視聴可能とされる。
【0142】
(第1の受信処理の流れ)
次に、
図9のフローチャートを参照して、
図8の受信装置20(次世代受信装置20N又は両方式受信装置20D)により実行される第1の受信処理の流れを説明する。
【0143】
ステップS201において、OFDM復調部211は、受信用のアンテナを介して受信された放送信号に対するOFDM復調処理を行う。
【0144】
ステップS202において、TMCC復調復号部212は、OFDM復調処理の結果に基づいて、TMCC復調復号処理を行う。このTMCC復調復号処理によって、運用判定信号が検出される。
【0145】
ステップS203において、移行期間判定部214は、検出された運用判定信号に基づき、その時点での運用が移行期間又は移行後であるかを判定する。
【0146】
ステップS203において、移行期間中であると判定された場合、処理は、ステップS204に進められ、ステップS204乃至S208、及びS212の処理が実行される。
【0147】
すなわち、TMCC復調復号部212が現行方式に対応したTMCC復調復号処理を行うとともに、TMCC LDM復調部213がTMCC LDM復調処理を行う(S204)ことで、高電力階層のUL信号を利用して低電力階層のLL信号に対する処理が行われる。これにより、TMCC復調復号部216が次世代方式に対応したTMCC復調復号処理を行う(S205)ことで、FECブロックポインタを含む次世代TMCC信号が得られる。
【0148】
そして、周波数デインタリーバ217-1が、OFDM復調処理の結果得られる信号に対し、周波数デインタリーブを行う(S206)。また、時間デインタリーバ220-1が、周波数デインタリーブ後の信号に対し、時間デインタリーブを行う(S207)。
【0149】
続いて、FEC復調復号部223が現行方式に対応したFEC復調復号処理を行うとともに、FEC LDM復調部224がFEC LDM復調処理を行う(S208)ことで、高電力階層のUL信号を利用して、低電力階層のLL信号に対する処理が行われる。これにより、FEC復調復号部226が次世代方式に対応したFEC復調復号処理を行う(S212)ことで、4K信号が得られ、後段の回路に出力される。
【0150】
一方で、ステップS203において、移行後であると判定された場合、処理は、ステップS209に進められ、ステップS209乃至S212の処理が実行される。
【0151】
すなわち、TMCC復調復号部216が、OFDM復調処理の結果に基づいて、次世代方式に対応したTMCC復調復号処理を行う(S209)。このTMCC復調復号処理によって、FECブロックポインタを含む次世代TMCC信号が得られる。
【0152】
そして、周波数デインタリーバ217-2が、OFDM復調処理の結果得られる信号に対し、周波数デインタリーブを行う(S210)。また、時間デインタリーバ220-2が、周波数デインタリーブ後の信号に対し、時間デインタリーブを行う(S211)。
【0153】
その後、FEC復調復号部226が、時間デインタリーブ後の信号に対し、次世代方式に対応したFEC復調復号処理を行う(S212)ことで、4K信号が得られ、後段の回路に出力される。ステップS212の処理が終了すると、
図9に示した第1の受信処理は終了される。
【0154】
以上、第1の受信処理の流れを説明した。
【0155】
(受信装置の構成)
図10は、
図1の受信装置20の構成の第2の例を示すブロック図である。なお、
図10に示した受信装置20は、例えば次世代受信装置20N又は両方式受信装置20Dとして構成されている。
【0156】
図10に示した構成の第2の例は、
図8に示した構成の第1の例と比べて、移行期間判定部214が取り除かれ、移行期間と移行後の切替信号が、外部から設定される構成となっている点が異なる。ここでは、例えば、次世代受信装置20N又は両方式受信装置20Dがテレビ受像機である場合に、テレビセットのファームウェアなど、復調機能を有する回路(復調IC)の外部から、切替信号を設定することができる。
【0157】
そして、
図10に示した構成の第2の例においては、
図8に示した構成の第1の例と同様に、切替信号が、セレクタ215、セレクタ218、セレクタ221、及びセレクタ225にそれぞれ供給され、各セレクタでは、切替信号に従い、入力信号が選択されて出力される。
【0158】
(第2の受信処理の流れ)
次に、
図11のフローチャートを参照して、
図10の受信装置20(次世代受信装置20N又は両方式受信装置20D)により実行される第2の受信処理の流れを説明する。
【0159】
図11に示した第2の受信処理は、
図9に示した第1の受信処理と比べて、ステップS233の判定処理が、ステップS203の判定処理と異なる。
【0160】
ステップS233の判定処理では、テレビセットのファームウェア等の外部からの設定に基づき、動作を切り替える設定がなされたか、すなわち、その時点での運用が移行期間又は移行後であるかどうかが判定される。
【0161】
ステップS233において、移行期間中であると判定された場合、処理は、ステップS234に進められ、ステップS234乃至S238、及びS242の処理が実行される。一方で、ステップS233において、移行後であると判定された場合、処理は、ステップS239に進められ、ステップS239乃至S242の処理が実行される。
【0162】
なお、ステップS233以外の処理、すなわち、
図11のステップS231、S232、及びS234乃至S242の処理は、
図9のステップS201、S202、及びS204乃至S212の処理と同様とされる。
【0163】
以上、第2の受信処理の流れを説明した。
【0164】
(受信装置の構成)
図12は、
図1の受信装置20の構成の第3の例を示すブロック図である。なお、
図10に示した受信装置20は、両方式受信装置20Dとして構成されている。
【0165】
図12に示した構成の第3の例は、
図8に示した構成の第1の例と比べて、セレクタ241及びセレクタ242が追加され、現行方式に応じた信号が選択可能な構成となっている点が異なる。
【0166】
ここでは、例えば、移行期間判定部214が、TMCC復調復号部212から供給される信号(例えば運用判定信号)に基づき、その時点での運用が現行方式(移行前)の運用であるかどうかを判定し、その判定の結果に応じた切替信号を、セレクタ241及びセレクタ242に供給する。
【0167】
セレクタ241は、移行期間判定部214からの切替信号が現行方式(移行前)に応じた信号である場合、'0'を選択し、時間デインタリーバ220-1に供給する。すなわち、現行方式に対応したFECブロックの先頭位置は、OFDMフレーム(のデータフレーム)の先頭位置と一致しており、FECブロックポインタは不要であるため、ここでは、'0'を入力している。
【0168】
また、セレクタ241は、移行期間判定部214からの切替信号が現行方式(移行前)に応じた信号でない場合(移行期間又は移行後に応じた信号である場合)、TMCC復調復号部216からの信号(FECブロックポインタ)を選択し、時間デインタリーバ220-1又は時間デインタリーバ220-2に供給する。
【0169】
セレクタ242は、移行期間判定部214からの切替信号が現行方式(移行前)に応じた信号である場合、現行方式に対応したFEC復調復号部223からの信号(2K信号)を選択し、後段の回路(例えばデコーダ等)に出力する。これにより、両方式受信装置20Dでは、現行2K放送による2Kコンテンツが視聴可能とされる。
【0170】
また、セレクタ242は、移行期間判定部214からの切替信号が現行方式(移行前)に応じた信号でない場合(移行期間又は移行後に応じた信号である場合)、次世代方式に対応したFEC復調復号部226からの信号(4K信号)を選択し、後段の回路に出力する。これにより、両方式受信装置20Dでは、次世代4K放送による4Kコンテンツが視聴可能とされる。
【0171】
(第3の受信処理の流れ)
次に、
図13のフローチャートを参照して、
図12の受信装置20(両方式受信装置20D)により実行される第3の受信処理の流れを説明する。
【0172】
図13に示した第3の受信処理は、
図9に示した第1の受信処理と比べて、ステップS263の判定処理が、ステップS203の判定処理と異なる。
【0173】
ステップS263の判定処理では、その時点での運用が移行期間又は移行後であるかに加えて、現行方式(移行前)であるかどうかが判定される。
【0174】
ステップS263において、現行方式(移行前)であると判定された場合、処理は、ステップS264に進められ、ステップS264乃至S266の処理が実行される。
【0175】
すなわち、周波数デインタリーバ217-1が、OFDM復調処理の結果得られる信号(現行データ信号)に対し、周波数デインタリーブを行う(S264)。また、時間デインタリーバ220-1が、周波数デインタリーブ後の信号に対し、時間デインタリーブを行う(S265)。
【0176】
そして、FEC復調復号部223が現行方式に対応したFEC復調復号処理を行う(S266)ことで、2K FEC信号から2K信号が得られ、後段の回路に出力される。
【0177】
なお、ステップS263において、移行期間中であると判定された場合、処理は、ステップS267に進められ、ステップS267乃至S271、及びS275の処理が実行されるが、これらの処理は、
図9のステップS204乃至S208、及びS212の処理と同様とされる。
【0178】
また、ステップS263において、移行後であると判定された場合、処理は、ステップS272に進められ、ステップS272乃至S275の処理が実行されるが、これらの処理は、
図9のステップS209乃至S212の処理と同様とされる。
【0179】
以上、第3の受信処理の流れを説明した。
【0180】
なお、
図12に示した構成の第3の例においては、移行期間判定部214が、TMCC復調復号部212から供給される信号に基づき、その時点での運用が現行方式(移行前)であるかどうかを判定し、その判定の結果に応じた切替信号を出力する構成を示したが、
図10に示した構成の第2の例と同様に、外部から設定してもよい。具体的には、例えばテレビセットのファームウェアなどによって、セレクタ241、242に対し、現行方式(移行前)を示す切替信号が設定されてもよい。
【0181】
また、
図13に示した第3の受信処理では、移行期間において、両方式受信装置20Dによって、次世代4K放送が受信される例を示したが、現行2K放送が受信されてもよい。
【0182】
<2.変形例>
【0183】
(他の放送方式の例)
上述した説明としては、地上デジタルテレビジョン放送の放送方式として、ISDB-T方式を説明したが、本技術は、他の放送方式に適用してもよい。また、地上波(地上波放送)に限らず、例えば、例えば、放送衛星(BS:Broadcasting Satellite)や通信衛星(CS:Communications Satellite)を利用した衛星放送、あるいは、ケーブルを用いた有線放送(CATV:Common Antenna TeleVision)などの放送方式に適用してもよい。
【0184】
(受信装置の他の構成)
また、上述した説明では、受信装置20(
図1)は、テレビ受像機やセットトップボックス(STB)などの固定受信機として構成されるとして説明したが、固定受信機には、例えば、録画機、ゲーム機、パーソナルコンピュータ、ネットワークストレージなどの電子機器を含めてもよい。さらに、受信装置20(
図1)としては、固定受信機に限らず、例えば、スマートフォンや携帯電話機、タブレット型コンピュータ等のモバイル受信機、車載テレビ等の車両に搭載される車載機器、ヘッドマウントディスプレイ(HMD:Head Mounted Display)等のウェアラブルコンピュータなどの電子機器を含めてもよい。
【0185】
また、
図6に示した構成を有する送信装置10を、変調装置又は変調部(例えば変調回路)などとして捉えてもよい。同様に、
図8等に示した構成を有する受信装置20を、復調装置又は復調部(例えば復調回路や復調IC)などとして捉えてもよい。さらに、
図6に示した送信装置10において、OFDM変調部117は、送信用のアンテナを介して放送信号を送信する送信部であると捉えてもよい。同様に、
図8等に示した構成を有する受信装置20において、OFDM復調部211は、受信用のアンテナを介して放送信号を受信する受信部であると捉えてもよい。
【0186】
(通信回線を含む構成)
また、伝送システム1(
図1)においては、図示していないが、インターネット等の通信回線に対し、各種のサーバが接続されるようにして、通信機能を有する受信装置20(
図1)が、インターネット等の通信回線を介して、各種のサーバにアクセスして双方向の通信を行うことで、コンテンツやアプリケーション等の各種のデータを受信できるようにしてもよい。
【0187】
(その他)
なお、本開示において用いられる用語は、一例であって、他の用語が用いられるのを意図的に排除するものではない。例えば、上述した説明において、フレームは、例えば、パケットなどの他の用語で置き換えられる場合がある。
【0188】
また、本開示において、「2K映像」とは、概ね1920×1080ピクセル前後の画面解像度に対応した映像であり、「4K映像」とは、概ね3840×2160ピクセル前後の画面解像度に対応した映像である。また、上述した説明では、放送コンテンツとして、現行2K放送(現行方式)で伝送される2K映像の2Kコンテンツと、次世代4K放送(次世代方式)で伝送される4K映像の4Kコンテンツを説明したが、次世代方式で伝送される放送コンテンツとしては、8K映像等のさらに高画質のコンテンツであってもよい。ただし、「8K映像」とは、概ね7680×4320ピクセル前後の画面解像度に対応した映像である。
【0189】
<3.コンピュータの構成>
【0190】
上述した一連の処理は、ハードウェアにより実行することもできるし、ソフトウェアにより実行することもできる。一連の処理をソフトウェアにより実行する場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが、コンピュータにインストールされる。
図14は、上述した一連の処理をプログラムにより実行するコンピュータのハードウェアの構成例を示す図である。
【0191】
コンピュータ1000において、CPU(Central Processing Unit)1001、ROM(Read Only Memory)1002、RAM(Random Access Memory)1003は、バス1004により相互に接続されている。バス1004には、さらに、入出力インターフェース1005が接続されている。入出力インターフェース1005には、入力部1006、出力部1007、記録部1008、通信部1009、及び、ドライブ1010が接続されている。
【0192】
入力部1006は、キーボード、マウス、マイクロフォンなどよりなる。出力部1007は、ディスプレイ、スピーカなどよりなる。記録部1008は、ハードディスクや不揮発性のメモリなどよりなる。通信部1009は、ネットワークインターフェースなどよりなる。ドライブ1010は、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、又は半導体メモリなどのリムーバブル記録媒体1011を駆動する。
【0193】
以上のように構成されるコンピュータ1000では、CPU1001が、ROM1002や記録部1008に記録されているプログラムを、入出力インターフェース1005及びバス1004を介して、RAM1003にロードして実行することにより、上述した一連の処理が行われる。
【0194】
コンピュータ1000(CPU1001)が実行するプログラムは、例えば、パッケージメディア等としてのリムーバブル記録媒体1011に記録して提供することができる。また、プログラムは、ローカルエリアネットワーク、インターネット、デジタル衛星放送といった、有線又は無線の伝送媒体を介して提供することができる。
【0195】
コンピュータ1000では、プログラムは、リムーバブル記録媒体1011をドライブ1010に装着することにより、入出力インターフェース1005を介して、記録部1008にインストールすることができる。また、プログラムは、有線又は無線の伝送媒体を介して、通信部1009で受信し、記録部1008にインストールすることができる。その他、プログラムは、ROM1002や記録部1008に、あらかじめインストールしておくことができる。
【0196】
ここで、本開示において、コンピュータがプログラムに従って行う処理は、必ずしもフローチャートとして記載された順序に沿って時系列に行われる必要はない。すなわち、コンピュータがプログラムに従って行う処理は、並列的あるいは個別に実行される処理(例えば、並列処理あるいはオブジェクトによる処理)も含む。また、プログラムは、1のコンピュータ(プロセッサ)により処理されてもよいし、複数のコンピュータによって分散処理されてもよい。
【0197】
なお、本技術の実施の形態は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本技術の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。
【0198】
また、本技術は、以下のような構成をとることができる。
【0199】
(1)
物理層フレームにデータフレームとして含める誤り訂正符号ブロックに対して、第1の方式に準拠した第1の時間インタリーブを行う第1の時間インタリーバを備え、
前記誤り訂正符号ブロックは、第2の方式に準拠し、
前記第1の時間インタリーバは、前記第1の時間インタリーブを行うに際し、前記データフレームの先頭に含まれる前記誤り訂正符号ブロックの先頭位置のオフセットを示すポインタを適用する
送信装置。
(2)
前記物理層フレームを、階層分割多重方式を適用した放送信号として送信する送信部をさらに備える
前記(1)に記載の送信装置。
(3)
前記送信部は、前記データフレーム及び伝送制御信号を含む前記物理層フレームを送信し、
前記ポインタは、前記伝送制御信号に含まれる
前記(2)に記載の送信装置。
(4)
前記第2の方式は、前記第1の方式の次世代方式を含み、
前記第1の時間インタリーバは、前記第1の方式と前記第2の方式の移行期間に、前記第1の時間インタリーブを行う
前記(2)又は(3)に記載の送信装置。
(5)
前記第2の方式に準拠した第2の時間インタリーブを行う第2の時間インタリーバをさらに備え、
前記第2の時間インタリーバは、前記第2の方式への移行後に、前記第2の時間インタリーブを行う
前記(4)に記載の送信装置。
(6)
前記移行期間であるかどうかを示す切替信号に基づいて、前記第1の時間インタリーバから、前記第2の時間インタリーバに切り替える
前記(5)に記載の送信装置。
(7)
前記送信部は、前記データフレーム及び伝送制御信号を含む前記物理層フレームを送信し、
前記切替信号は、前記伝送制御信号に含まれる
前記(6)に記載の送信装置。
(8)
前記第1の方式は、ISDB-T方式を含み、
前記第2の方式は、前記ISDB-T方式の次世代方式を含む
前記(4)に記載の送信装置。
(9)
前記物理層フレームは、OFDMフレームを含み、
前記誤り訂正符号ブロックは、FECブロックを含み、
前記ポインタは、FECブロックポインタを含む
前記(1)乃至(8)のいずれかに記載の送信装置。
(10)
送信装置が、
物理層フレームにデータフレームとして含める第2の方式に準拠した誤り訂正符号ブロックに対して、第1の方式に準拠した時間インタリーブを行うに際し、前記データフレームの先頭に含まれる前記誤り訂正符号ブロックの先頭位置のオフセットを示すポインタを適用する
送信方法。
(11)
物理層フレームにデータフレームとして含める第2の方式に準拠した誤り訂正符号ブロックに対して、第1の方式に準拠した第1の時間インタリーブを行うに際し、前記データフレームの先頭に含まれる前記誤り訂正符号ブロックの先頭位置のオフセットを示すポインタを適用する時間インタリーバを備える送信装置
から送信されてくる前記物理層フレームから抽出される前記第1の時間インタリーブ後の前記誤り訂正符号ブロックを、前記オフセットに応じた元の時間的順序に戻す第1の時間デインタリーブを行う第1の時間デインタリーバを備える
受信装置。
(12)
階層分割多重方式を適用した放送信号として送信されてくる前記物理層フレームを受信する受信部をさらに備える
前記(11)に記載の受信装置。
(13)
前記受信部は、前記データフレーム及び伝送制御信号を含む前記物理層フレームを受信し、
前記ポインタは、前記伝送制御信号に含まれる
前記(12)に記載の受信装置。
(14)
前記第2の方式は、前記第1の方式の次世代方式を含み、
前記第1の時間デインタリーバは、前記第1の方式と前記第2の方式の移行期間に、前記第1の時間デインタリーブを行う
前記(12)又は(13)に記載の受信装置。
(15)
前記第2の方式に準拠した第2の時間デインタリーブを行う第2の時間デインタリーバをさらに備え、
前記第2の時間デインタリーバは、前記第2の方式への移行後に、前記第2の時間デインタリーブを行う
前記(14)に記載の受信装置。
(16)
前記移行期間であるかどうかを示す切替信号に基づいて、前記第1の時間デインタリーバから、前記第2の時間デインタリーバに切り替える
前記(15)に記載の受信装置。
(17)
前記受信部は、前記データフレーム及び伝送制御信号を含む前記物理層フレームを受信し、
前記切替信号は、前記伝送制御信号に含まれるか、又は外部から設定される
前記(16)に記載の受信装置。
(18)
前記第1の方式は、ISDB-T方式を含み、
前記第2の方式は、前記ISDB-T方式の次世代方式を含む
前記(14)に記載の受信装置。
(19)
前記物理層フレームは、OFDMフレームを含み、
前記誤り訂正符号ブロックは、FECブロックを含み、
前記ポインタは、FECブロックポインタを含む
前記(11)乃至(18)のいずれかに記載の受信装置。
(20)
物理層フレームにデータフレームとして含める第2の方式に準拠した誤り訂正符号ブロックに対して、第1の方式に準拠した時間インタリーブを行うに際し、前記データフレームの先頭に含まれる前記誤り訂正符号ブロックの先頭位置のオフセットを示すポインタを適用する時間インタリーバを備える送信装置から送信されてくる前記物理層フレームを受信する受信装置が、
前記物理層フレームから抽出される時間インタリーブ後の前記誤り訂正符号ブロックを、前記オフセットに応じた元の時間的順序に戻す時間デインタリーブを行う
受信方法。
【符号の説明】
【0200】
1 伝送システム, 10 送信装置, 11,11-1乃至11-N データ処理装置, 20,20-1乃至20-M 受信装置, 20D 両方式受信装置, 20L 現行受信装置, 20N 次世代受信装置, 111-1,111-2 FEC部, 112 電力制御部, 113 加算部, 114 電力正規化部, 115-1,115-2 信号処理部, 116 セレクタ, 117 OFDM変調部, 118 セレクタ, 119 FECポインタ計算部, 120-1,120-2 TMCC生成部, 121 電力制御部, 122 加算部, 123 電力正規化部, 124 セレクタ, 141-1,141-2 階層合成部, 142-1,142-2 時間インタリーバ, 143-1,143-2 周波数インタリーバ, 211 OFDM復調部, 212 TMCC復調復号部, 213 TMCC LDM復調部, 214 移行期間判定部, 215 セレクタ, 216 TMCC復調復号部, 217-1,217-2 周波数デインタリーバ, 218 セレクタ, 219 RAM, 220-1,220-2 時間デインタリーバ, 221 セレクタ, 222 RAM, 223 FEC復調復号部, 224 FEC LDM復調部, 225 セレクタ, 226 FEC 復調復号部, 241 セレクタ, 242 セレクタ, 1000 コンピュータ, 1001 CPU