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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-16
(45)【発行日】2024-07-24
(54)【発明の名称】車両制御方法及び車両制御装置
(51)【国際特許分類】
   B60W 30/06 20060101AFI20240717BHJP
【FI】
B60W30/06
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2023523922
(86)(22)【出願日】2021-05-28
(86)【国際出願番号】 JP2021020468
(87)【国際公開番号】W WO2022249463
(87)【国際公開日】2022-12-01
【審査請求日】2023-11-07
(73)【特許権者】
【識別番号】000003997
【氏名又は名称】日産自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100111235
【弁理士】
【氏名又は名称】原 裕子
(74)【代理人】
【識別番号】100170575
【弁理士】
【氏名又は名称】森 太士
(72)【発明者】
【氏名】小林 隼也
(72)【発明者】
【氏名】櫻井 康裕
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 康啓
(72)【発明者】
【氏名】高藤 佳嗣
【審査官】佐々木 佳祐
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2019/202836(WO,A1)
【文献】特開2001-297645(JP,A)
【文献】特開2007-302223(JP,A)
【文献】特開2004-126729(JP,A)
【文献】特開2018-52188(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60W 30/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の外部にある端末装置の操作に基づいて前記車両の移動制御を行う車両制御方法であって、
前記端末装置は、第1ボタンを有し、
前記端末装置から、前記第1ボタンが押されたことを示す第1信号を受信し、
前記第1信号の受信に基づいて、前記車両のドアを解錠し、前記車両について前記移動制御が許可された状態とすること
を特徴とする車両制御方法。
【請求項2】
請求項1に記載の車両制御方法であって、
前記第1信号の所定時間未満の受信に基づいて前記車両のドアを解錠し、前記所定時間継続した受信に基づいて、前記車両について前記移動制御が許可された状態とすること
を特徴とする車両制御方法。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の車両制御方法であって、
前記端末装置は、前記第1ボタンとは異なる第2ボタンを有し、
前記端末装置から、前記第2ボタンが押されたことを示す第2信号を受信し、
前記第2信号の受信に基づいて、前記車両について前記移動制御が禁止された状態とすること
を特徴とする車両制御方法。
【請求項4】
請求項3に記載の車両制御方法であって、
前記第2信号の受信に基づいて、前記ドアを施錠すること
を特徴とする車両制御方法。
【請求項5】
請求項1~4のいずれか一項に記載の車両制御方法であって、
前記端末装置は、前記車両の移動方向を特定する第3ボタンを有し、
前記端末装置から、前記第3ボタンが押されたことを示す第3信号を受信し、
前記車両について前記移動制御が許可された状態であって、かつ、前記第1信号と前記第3信号を共に受信している場合にのみ、前記第3信号に対応する前記移動方向へ前記車両を移動させること
を特徴とする車両制御方法。
【請求項6】
車両の外部にある端末装置からの信号を受信する受信部と、
前記信号に基づいて前記車両の移動制御を行うコントローラと、
を備える車両制御装置であって、
前記端末装置は、第1ボタンを有し、
前記受信部は、前記端末装置から、前記第1ボタンが押されたことを示す第1信号を受信し、
前記コントローラは、前記第1信号の受信に基づいて、前記車両のドアを解錠し、前記車両について前記移動制御が許可された状態とすること
を特徴とする車両制御装置。
【請求項7】
請求項6に記載の車両制御装置であって、
前記コントローラは、前記第1信号の所定時間未満の受信に基づいて前記車両のドアを解錠し、前記第1信号の所定時間継続した受信に基づいて、前記車両について前記移動制御が許可された状態とすること
を特徴とする車両制御装置。
【請求項8】
請求項6又は7に記載の車両制御装置であって、
前記端末装置は、前記第1ボタンとは異なる第2ボタンを有し、
前記受信部は、前記端末装置から、前記第2ボタンが押されたことを示す第2信号を受信し、
前記コントローラは、前記第2信号の受信に基づいて、前記車両について前記移動制御が禁止された状態とすること
を特徴とする車両制御装置。
【請求項9】
請求項8に記載の車両制御装置であって、
前記コントローラは、前記第2信号の受信に基づいて、前記ドアを施錠すること
を特徴とする車両制御装置。
【請求項10】
請求項8又は9に記載の車両制御装置であって、
前記端末装置は、前記車両の移動方向を特定する第3ボタンを有し、
前記受信部は、前記端末装置から、前記第3ボタンが押されたことを示す第3信号を受信し、
前記コントローラは、前記車両について前記移動制御が許可された状態であって、かつ、前記第1信号と前記第3信号を共に受信している場合にのみ、前記第3信号に対応する前記移動方向へ前記車両を移動させること
を特徴とする車両制御装置。
【請求項11】
請求項10に記載の車両制御装置であって、
前記第1ボタンと前記第3ボタンの間に、前記第2ボタンが配置されること
を特徴とする車両制御装置。
【請求項12】
請求項10又は11に記載の車両制御装置であって、
前記第1ボタン、前記第2ボタン、前記第3ボタンは、一方向に配列され、
前記第1ボタンは、配列方向で最も外側に配置されること
を特徴とする車両制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両制御方法及び車両制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
車両に搭載されて外部からの信号に基づいて駐車制御を行う駐車制御部に対し、駐車制御を開始させる駐車開始信号、及び、駐車制御を停止させる駐車停止信号などの駐車制御に関わる信号を送信するための操作ボタンを複数備える端末装置に関する発明が知られている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2019-97078号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載された発明によれば、ドア施錠ボタン、ドア解錠ボタンに加えて、駐車開始信号を送信するための駐車開始ボタン、駐車停止信号を送信するための駐車停止ボタンが端末装置に追加される。そのため、端末装置に車両の駐車制御に関わる信号を送信する機能を追加することに伴って端末装置のボタン数が増加し、端末装置の製造コストが増加してしまうという課題がある。
【0005】
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、端末装置のボタン数の増加を抑制しつつ、端末装置に車両の駐車制御に関わる信号を送信する機能を追加できる車両制御方法及び車両制御装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係る車両制御方法及び車両制御装置は、車両の外部にある端末装置の操作に基づいて車両の移動制御を行う際、車両が端末装置の第1ボタンが押されたことを示す第1信号を端末装置から受信し、第1信号の受信に基づいて、車両のドアを解錠し、車両について移動制御が許可された状態とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、端末装置のボタン数の増加を抑制しつつ、端末装置に車両の駐車制御に関わる信号を送信する機能を追加できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、本発明の一実施形態に係る車両制御装置の構成を示すブロック図である。
図2図2は、本発明の一実施形態に係る車両制御装置の処理を示すフローチャートである。
図3図3は、本発明の一実施形態に係る端末装置におけるボタンの配置の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。図面の記載において同一部分には同一符号を付して説明を省略する。
【0010】
[車両制御装置の構成]
図1を参照して、本実施形態に係る車両制御装置の構成例を説明する。車両制御装置1は、例えば、駐車スペースへの入庫又は出庫を支援する駐車支援機能を備える車両に搭載される。
【0011】
車両の駐車支援機能により、選択した駐車スペースへの入庫経路が演算された後、ユーザは端末装置を所持して車両から降車し、ユーザが端末装置により実行指令を車両に送信し続けることで駐車スペースへ入庫するための車両の移動が行われる。また逆に、ユーザが端末装置により実行指令を車両に送信し続けることで、選択した駐車スペースへの出庫経路に沿って駐車スペースから出庫するための車両の移動が行われる。
【0012】
図1に示すように、車両制御装置1は、受信部10と、コントローラ20とを備える。また、車両制御装置1は、車両のステアリングアクチュエータ30、アクセルペダルアクチュエータ31、ブレーキアクチュエータ32、ドアロック機構40と接続される。
【0013】
その他、車両制御装置1は、車両の外部にある端末装置60と無線通信によって接続される。端末装置60は、ユーザが操作する携帯端末であってもよいし、ドアロック機構40を介して車両のドアロックの施錠及び解錠を行うスマートキーであってもよい。
【0014】
なお、図3に示すように、端末装置60は、解錠ボタン61(第1ボタン)を備える。ユーザによって解錠ボタン61が押されると、端末装置60は、解錠信号(第1信号)を発信する。
【0015】
また、図3に示すように、端末装置60は、解錠ボタン61とは異なるボタンとして、施錠ボタン63(第2ボタン)を備えるものであってもよい。ユーザによって施錠ボタン63が押されると、端末装置60は、施錠信号(第2信号)を発信する。
【0016】
さらに、図3に示すように、端末装置60は、車両の移動方向を特定する第3ボタンを備えるものであってもよい。図3において、前進ボタン65および後進ボタン67が、第3ボタンに相当する。ユーザによって前進ボタン65が押されると、端末装置60は、車両を前進させることを意味する前進信号を発信する。また、ユーザによって後進ボタン67が押されると、端末装置60は、車両を後進させることを意味する後進信号を発信する。前進信号及び後進信号を、第3信号として表記する。
【0017】
なお、図3に示すように、解錠ボタン61と第3ボタン(前進ボタン65、後進ボタン67)の間に、施錠ボタン63が配置されているものであってもよい。より具体的には、解錠ボタン61、施錠ボタン63、前進ボタン65、後進ボタン67が一方向に配列されている場合において、解錠ボタン61は、配列方向(図3の上下方向)で最も外側に配置されているものであってもよい。
【0018】
これにより、解錠ボタン61と前進ボタン65とが例えば同一の指で意図せずに押されることによる同時押しが誤って実施されること、又は、解錠ボタン61と後進ボタン67の同時押しが誤って実施されることが抑制される。
【0019】
受信部10は、上述した端末装置60から発信される信号(第1信号、第2信号、第3信号)を受信し、コントローラ20に送信する。
【0020】
端末装置60は、例えば、長波、極超短波などの電波によって信号を発信するものであってもよいし、赤外線によって信号を発信するものであってもよい。その他、端末装置60と受信部10は、4G/LTEや、5Gなどのモバイル通信機能を利用して信号を送受信するものであってもよい。
【0021】
コントローラ20は、CPU(Central Processing Unit)、メモリ、記憶装置、入出力部などを備える汎用のコンピュータである。
【0022】
コントローラ20には、車両制御装置1として機能させるためのコンピュータプログラム(車両制御プログラム)がインストールされている。コンピュータプログラムを実行することにより、コントローラ20は車両制御装置1が備える複数の情報処理回路として機能する。
【0023】
なお、ここでは、ソフトウェアによって車両制御装置1が備える複数の情報処理回路を実現する例を示すが、もちろん、以下に示す各情報処理を実行するための専用のハードウェアを用意して情報処理回路を構成することも可能である。また、複数の情報処理回路を個別のハードウェアにより構成してもよい。
【0024】
コントローラ20は、判定部21と、記憶部23と、出力部25とを備える。
【0025】
判定部21は、端末装置60から送信されて受信部10を介して受信した信号を参照し、各種信号の受信状態を判定する。判定部21は、解錠ボタン61が押されたことを示す解錠信号を受信したか否かを判定する。解錠信号を受信したと判定された場合、判定部21は、ドアロック機構40のロックを解錠する信号を生成する。
【0026】
また、解錠信号を受信したと判定された場合、判定部21は、車両が、移動制御が許可された状態(許可状態)に設定する。なお、ドアロック機構40が解錠状態で、かつ解錠信号を受信した場合に許可状態を設定しても良い。この場合であっても、解錠信号を受信した時点でドアロック機構40が解錠状態となるため、車両は移動制御が許可された状態(許可状態)となる。
【0027】
車両について設定される状態には、移動制御が許可された状態(許可状態)と移動制御が禁止された状態(禁止状態)の2種類が存在する。例えば、許可状態にある場合、車両の外部にある端末装置60の操作に基づいて車両の駐車支援が許可される。一方、禁止状態にある場合、端末装置60の操作に基づく車両の駐車支援が禁止される。
【0028】
さらに、判定部21は、解錠信号を継続して受信したと判定された場合、判定部21は、車両が許可状態にあると設定するものであってもよい。より具体的には、判定部21は、解錠ボタン61が押されたことを示す解錠信号を所定時間以上継続して受信したか否かを判定し、所定時間以上継続して受信したと判定された場合に、車両が許可状態にあると設定するものであってもよい。
【0029】
また、判定部21は、施錠ボタン63が押されたことを示す施錠信号を受信したか否かを判定するものであってもよい。施錠信号を受信したと判定された場合、判定部21は、ドアロック機構40のロックを施錠する信号を生成する。
【0030】
さらに、施錠信号を受信したと判定された場合、判定部21は、車両が、移動制御が禁止された状態(禁止状態)に設定する。なお、ドアロック機構40が施錠状態である場合に禁止状態としても良い。
【0031】
その他、判定部21は、解錠信号(第1信号)と共に、第3信号を受信したか否かを判定するものであってもよい。そして、車両が許可状態にあり、かつ、解錠信号(第1信号)と共に、第3信号を受信したと判定された場合に、第3信号に対応する移動方向へ車両を移動させるための移動制御信号を生成する。
【0032】
例えば、前進信号を受信したと判定された場合、判定部21は、車両の前進を指示する前進制御信号を生成するものであってもよい。後進信号を受信したと判定された場合、判定部21は、車両の後進を指示する後進制御信号を生成するものであってもよい。
【0033】
例えば、駐車スペースへの入庫又は出庫を支援する駐車支援機能を有する車両の場合、事前に入庫又は出庫の経路が算出されており、当該経路上を車両が前進又は後進するための移動制御信号が生成される。
【0034】
さらに、判定部21は、第3信号を受信していないと判定するものであってもよい。そして、第3信号を受信していないと判定された場合に、車両を停止させるための停止信号を生成するものであってもよい。
【0035】
記憶部23は、車両について設定された状態を記憶する。より具体的には、判定部21によって車両に許可状態が設定されているか、又は、車両に禁止状態が設定されているか、いずれの状態が設定されたかを記憶する。
【0036】
出力部25は、判定部21によって生成された各種信号を出力する。例えば、出力部25は、ドアロック機構40のロックを解錠する信号、及び、ドアロック機構40のロックを施錠する信号を、ドアロック機構40に出力する。
【0037】
その他、出力部25は、判定部21によって生成された、第3信号に対応する移動方向へ車両を移動させるための移動制御信号を、ステアリングアクチュエータ30、アクセルペダルアクチュエータ31に出力する。また、出力部25は、判定部21によって生成された、車両を停止させるための停止信号をブレーキアクチュエータ32に出力する。
【0038】
[車両制御装置の処理手順]
次に、本実施形態に係る車両制御装置1の処理手順を、図2のフローチャートを参照して説明する。図2のフローチャートに示す処理は、繰り返し実行される。なお、図2のフローチャートでは、判定部21は解錠信号を継続して受信したと判定された場合に許可状態とする例を説明する。
【0039】
ステップS101において、受信部10は、端末装置60から端末装置60から発信される信号を受信する。受信した信号は、コントローラ20に送信される。
【0040】
ステップS103において、判定部21は、施錠ボタン63が押されたことを示す施錠信号を受信したか否かを判定する。
【0041】
施錠信号を受信した場合(ステップS103にてYESの場合)、ステップS121において、判定部21は、ドアロック機構40を介して車両のドアを施錠する。そして、ステップS123において、判定部21は、車両が、移動制御が禁止された状態(禁止状態)にあると設定する。その後、図2のフローチャートに示す処理を終了する。
【0042】
一方、施錠信号を受信していない場合(ステップS103にてNOの場合)、ステップS105において、判定部21は、解錠ボタン61が押されたことを示す解錠信号を受信したか否かを判定する。
【0043】
解錠信号を受信していない場合(ステップS105にてNOの場合)、図2のフローチャートに示す処理を終了する。一方、解錠信号を受信した場合(ステップS105にてYESの場合)、ステップS107において、判定部21は、ドアロック機構40のロックを解錠する信号を生成し、ドアロック機構40を介して車両のドアを解錠する。
【0044】
ステップS109において、判定部21は、解錠信号を継続して受信しているか否かを判定する。
【0045】
解錠信号を継続して受信していると判定された場合(ステップS109にてYESの場合)、ステップS111において、判定部21は、車両が許可状態にあると設定する。その後、ステップS115に進む。
【0046】
一方、解錠信号を継続して受信していないと判定された場合(ステップS109にてNOの場合)、ステップS131において、判定部21は、車両が許可状態にあるか否かを判定する。車両が許可状態ではなく、禁止状態にある場合(ステップS131にてNOの場合)、図2のフローチャートに示す処理を終了する。車両が許可状態にある場合(ステップS131にてYESの場合)、ステップS115に進む。
【0047】
ステップS115において、判定部21は、解錠信号と共に前進信号を受信したか否かを判定する。前進信号を受信したと判定された場合(ステップS115にてYESの場合)、ステップS141において、判定部21は、車両の前進を指示する前進制御信号を生成し、車両を前進させる制御を行う。その後、図2のフローチャートに示す処理を終了する。
【0048】
一方、前進信号を受信していないと判定された場合(ステップS115にてNOの場合)、ステップS117において、判定部21は、解錠信号と共に後進信号を受信したか否かを判定する。後進信号を受信したと判定された場合(ステップS117にてYESの場合)、ステップS151において、判定部21は、車両の後進を指示する後進制御信号を生成し、車両を後進させる制御を行う。その後、図2のフローチャートに示す処理を終了する。
【0049】
前進信号も後進信号を受信していないと判定された場合(ステップS117にてNOの場合)、図2のフローチャートに示す処理を終了する。
【0050】
[実施形態の効果]
以上詳細に説明したように、本実施形態に係る車両制御方法及び車両制御装置は、車両の外部にある端末装置の操作に基づいて車両の移動制御を行う際、端末装置の第1ボタンが押されたことを示す第1信号を車両が端末装置から受信し、第1信号の受信に基づいて、車両のドアを解錠し、車両について移動制御が許可された状態とする。
【0051】
これにより、車両のドアの解錠と車両の移動制御についての許可を、ユーザは、端末装置の第1ボタンのみを押すことで指示できる。そのため、端末装置のボタン数の増加を抑制しつつ、端末装置に車両の駐車制御の機能を追加できる。より具体的には、車両のドアの解錠のためのボタンとは別に、車両の移動制御についての許可を行うためのボタンを新たに設ける必要がなくなる。そのため、端末装置の製造コストの増大を抑制でき、さらには、端末装置の小型化を図ることができる。その結果、ユーザの利便性を向上させることができる。
【0052】
また、このような車両の外部にある端末装置の操作に基づいて車両の移動制御を行う制御を実行する場合は通常、車両のドアの解錠状態を条件に実行されるが、第1信号の受信に基づいて車両のドアを解錠すると共に車両について移動制御が許可された状態とするため、ユーザは第1ボタンの操作のみで車両を解錠すると共に移動制御が許可された状態とすることができ、ユーザの利便性を向上できる。
【0053】
また、本実施形態に係る車両制御方法及び車両制御装置は、第1信号の所定時間未満の受信に基づいて前記車両のドアを解錠し、第1信号の所定時間継続した受信に基づいて、車両について移動制御が許可された状態とするものであってもよい。これにより、端末装置の第1ボタンを押した時間が短い場合には、車両のドアの解錠のみを行い、端末装置の第1ボタンを押した時間が長い場合には、車両の移動制御についての許可を行うことができる。その結果、ユーザは、端末装置の第1ボタンを押す時間の長短によって、指示内容を区別することができる。そのため、車両のドアの解錠するボタンと、車両を移動制御が許可された状態とするボタンとを、それぞれ個別に設けることなく、ユーザが第1ボタンを押す時間の長短によって車両のドアの解錠のみを実施することができる。このため、ユーザの利便性を損なうことなく端末装置のボタン数の増加を抑制できる。
【0054】
さらに、本実施形態に係る車両制御方法及び車両制御装置は、第1ボタンとは異なる第2ボタンを有する端末装置から、第2ボタンが押されたことを示す第2信号を受信し、第2信号の受信に基づいて、車両について移動制御が禁止された状態とするものであってもよい。これにより、車両の移動制御についての禁止を、ユーザは、端末装置の第2ボタンのみを押すことで指示できる。
【0055】
また、本実施形態に係る車両制御方法及び車両制御装置は、第2信号の受信に基づいて、ドアを施錠するものであってもよい。これにより、車両のドアの施錠と車両の移動制御についての禁止を、ユーザは、端末装置の第2ボタンのみを押すことで指示できる。そのため、端末装置のボタン数の増加を抑制しつつ、端末装置に車両の駐車制御の機能を追加できる。より具体的には、車両のドアの施錠のためのボタンとは別に、車両の移動制御についての禁止を行うためのボタンを新たに設ける必要がなくなる。そのため、端末装置の製造コストの増大を抑制でき、さらには、端末装置の小型化を図ることができる。その結果、ユーザの利便性を向上させることができる。
【0056】
また、このような車両の外部にある端末装置の操作に基づいて車両の移動制御を行う制御を実行する場合は通常、車両のドアの解錠状態を条件に実行される。従って、ユーザが第2ボタンの操作によって車両の移動制御が禁止された状態とした場合に、同時に車両のドアの施錠を実施しても、ユーザの利便性を損なうことは無い。
【0057】
さらに、本実施形態に係る車両制御方法及び車両制御装置は、車両の移動方向を特定する第3ボタンを有する端末装置から、第3ボタンが押されたことを示す第3信号を受信し、車両について移動制御が許可された状態であって、かつ、第1信号と第3信号を共に受信している場合にのみ、第3信号に対応する移動方向へ車両を移動させるものであってもよい。これにより、ユーザは、第1ボタンと第3ボタンを同時に押すことで、車両の移動方向を指示することができる。そのため、端末装置のボタン数の増加を抑制しつつ、端末装置に車両の駐車制御の機能を追加でき、ユーザの利便性を向上させることができる。
【0058】
また、本実施形態に係る車両制御方法及び車両制御装置において、端末装置の第1ボタンと第3ボタンの間に、第2ボタンが配置されていてもよい。これにより、端末装置の第1ボタンと第3ボタンが一つの指で同時に押されることを防止して、意図しない同時押しが誤って実施されることが抑制される。その結果、ユーザの意図しない車両の移動制御が抑制される。
【0059】
なお、第1ボタン及び第2ボタンの同時押し、及び、第2ボタン及び第3ボタンの同時押しは抑制されないが、いずれの同時押しの場合であっても、第2ボタンが押される。そのため、車両のドアの施錠と車両の移動制御についての禁止が行われることになる。その結果、ユーザの意図しない車両の移動制御が抑制される。
【0060】
さらに、本実施形態に係る車両制御方法及び車両制御装置において、端末装置の第1ボタン、第2ボタン、第3ボタンは、一方向に配列され、第1ボタンは、配列方向で最も外側に配置されていてもよい。これにより、端末装置の第1ボタンと第3ボタンの同時押しが誤って実施されることが抑制される。
【0061】
上述の実施形態で示した各機能は、1又は複数の処理回路によって実装されうる。処理回路には、プログラムされたプロセッサや、電気回路などが含まれ、さらには、特定用途向けの集積回路(ASIC)のような装置や、記載された機能を実行するよう配置された回路構成要素なども含まれる。
【0062】
以上、実施形態に沿って本発明の内容を説明したが、本発明はこれらの記載に限定されるものではなく、種々の変形及び改良が可能であることは、当業者には自明である。この開示の一部をなす論述及び図面は本発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施形態、実施例及び運用技術が明らかとなろう。
【0063】
本発明はここでは記載していない様々な実施形態等を含むことは勿論である。したがって、本発明の技術的範囲は上記の説明から妥当な特許請求の範囲に係る発明特定事項によってのみ定められるものである。
【符号の説明】
【0064】
1 車両制御装置
10 受信部
20 コントローラ
21 判定部
23 記憶部
25 出力部
30 ステアリングアクチュエータ
31 アクセルペダルアクチュエータ
32 ブレーキアクチュエータ
40 ドアロック機構
60 端末装置
61 解錠ボタン(第1ボタン)
63 施錠ボタン(第2ボタン)
65 前進ボタン(第3ボタン)
67 後進ボタン(第3ボタン)
図1
図2
図3