(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-16
(45)【発行日】2024-07-24
(54)【発明の名称】被牽引トレーラーサイズの動的な決定
(51)【国際特許分類】
G08G 1/16 20060101AFI20240717BHJP
B60W 30/08 20120101ALI20240717BHJP
【FI】
G08G1/16 D
G08G1/16 C
B60W30/08
(21)【出願番号】P 2023557425
(86)(22)【出願日】2022-04-11
(86)【国際出願番号】 JP2022017480
(87)【国際公開番号】W WO2022224858
(87)【国際公開日】2022-10-27
【審査請求日】2023-09-19
(32)【優先日】2021-04-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】000004260
【氏名又は名称】株式会社デンソー
(74)【代理人】
【氏名又は名称】矢作 和行
(74)【代理人】
【識別番号】100121991
【氏名又は名称】野々部 泰平
(74)【代理人】
【識別番号】100145595
【氏名又は名称】久保 貴則
(72)【発明者】
【氏名】アーンブルスター エリック ジェームズ
(72)【発明者】
【氏名】三宅 康之
(72)【発明者】
【氏名】藤津 聖也
【審査官】増子 真
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-147459(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0045823(US,A1)
【文献】特開2020-124962(JP,A)
【文献】特開2008-304412(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08G 1/00 - 99/00
B60W 10/00 - 10/30
B60W 30/00 - 60/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
1つ以上のプロセッサ(110)と、
1つ以上のプロセッサに通信可能に結合されたメモリ(210)と、を備え、
メモリは、制御モジュール(220)を格納し、
制御モジュールは、1つ以上のプロセッサによる実行時に、1つ以上のプロセッサに、
牽引車両(100)の背後の領域内のレーダー特徴を識別するために、トレーラー(300)が牽引車両と整列されているとの判定に応答して、牽引車両のレーダーからのレーダー反射を分析させ、
レーダー特徴からトレーラーのトレーラーサイズ(250)を決定させ、そして
トレーラーサイズに応じて牽引車両の動作を調整させる命令を含
み、
制御モジュールにおけるトレーラーサイズを決定する命令は、トレーラーの少なくともエッジを識別するグリッド(310)におけるレーダー反射のパターンに応じて、レーダー反射がトレーラーと相関するかどうかを判定する命令を含む、トレーラーシステム。
【請求項2】
1つ以上のプロセッサ(110)と、
1つ以上のプロセッサに通信可能に結合されたメモリ(210)と、を備え、
メモリは、制御モジュール(220)を格納し、
制御モジュールは、1つ以上のプロセッサによる実行時に、1つ以上のプロセッサに、
牽引車両(100)の背後の領域内のレーダー特徴を識別するために、トレーラー(300)が牽引車両と整列されているとの判定に応答して、牽引車両のレーダーからのレーダー反射を分析させ、
レーダー特徴からトレーラーのトレーラーサイズ(250)を決定させ、そして
トレーラーサイズに応じて牽引車両の動作を調整させる命令を含み、
制御モジュールは、
トレーラーが牽引車両と整列していることを判定する命令を含み、
トレーラーが牽引車両と整列していることを判定する命令は、牽引車両の動態を分析して、牽引車両が実質的に真っ直ぐに移動しているか、それとも旋回しているかを識別する命令を含む
、トレーラーシステム。
【請求項3】
1つ以上のプロセッサ(110)と、
1つ以上のプロセッサに通信可能に結合されたメモリ(210)と、を備え、
メモリは、制御モジュール(220)を格納し、
制御モジュールは、1つ以上のプロセッサによる実行時に、1つ以上のプロセッサに、
牽引車両(100)の背後の領域内のレーダー特徴を識別するために、トレーラー(300)が牽引車両と整列されているとの判定に応答して、牽引車両のレーダーからのレーダー反射を分析させ、
レーダー特徴からトレーラーのトレーラーサイズ(250)を決定させ、そして
トレーラーサイズに応じて牽引車両の動作を調整させる命令を含み、
制御モジュール
におけるトレーラーサイズに応じて牽引車両の動作を調整する命令は、ブラインドスポットモニタリングシステムによる監視のための、牽引車両の死角の領域を調整する命令を含む
、トレーラーシステム。
【請求項4】
制御モジュール
におけるレーダー反射を分析する命令は、牽引車両の背後の領域のグリッド(310)を生成し、その領域に関連付けられるレーダー反射の値をグリッドに入力する命令を含む
、請求項1
乃至3のいずれか1項に記載のトレーラーシステム。
【請求項5】
制御モジュール
におけるレーダー反射を分析する命令は、トレーラーの特性を示すパターンに対応するグリッド(310)内のセルを識別して、レーダー特徴を識別する命令を含む
、請求項1
乃至3のいずれか1項に記載のトレーラーシステム。
【請求項6】
制御モジュール
におけるトレーラーサイズを決定する命令は、牽引車両の背後のグリッド(310)内のレーダー特徴の距離に応じて、トレーラーの長さ及び幅を計算する命令を
含み、そして、
レーダー特徴は、トレーラーのエッジ及びトレーラーの一部に対応するレーダー反射の信号強度における山及び谷である、請求項1乃至
3のいずれか1項に記載のトレーラーシステム。
【請求項7】
制御モジュールは、少なくともレーダーを使用して、牽引車両の背後の領域についてレーダー反射を取得する命令を含み、そして、
レーダーは、牽引車両の後部に配置され、トレーラーの領域(510)を観測する、請求項1乃至
3のいずれか1項に記載のトレーラーシステム。
【請求項8】
1つ以上のプロセッサ(110)による実行時に、1つ以上のプロセッサに
牽引車両(100)の背後の領域内のレーダー特徴を識別するために、トレーラー(300)が牽引車両と整列されているとの判定に応答して、牽引車両のレーダーからのレーダー反射を分析させ、
レーダー特徴からトレーラーのトレーラーサイズ(250)を決定させ、そして
トレーラーサイズに応じて牽引車両の動作を調整させる、命令を格納する
ものであり、
トレーラーサイズを決定する命令は、トレーラーの少なくともエッジを識別するグリッド(310)におけるレーダー反射のパターンに応じて、レーダー反射がトレーラーと相関するかどうかを判定する命令を含む、非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項9】
レーダー反射を分析する命令は、牽引車両の背後の領域のグリッド(310)を生成し、その領域に関連付けられるレーダー反射の値をグリッドに入力する命令を含む、請求項
8に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項10】
レーダー反射を分析する命令は、トレーラーの特性を示すパターンに対応するグリッド(310)内のセルを識別して、レーダー特徴を識別する命令を含む、請求項
8又は
9に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項11】
1つ以上のプロセッサが実行する方法であって、
牽引車両(100)の背後の領域内のレーダー特徴を識別するために、トレーラー(300)が牽引車両と整列されているとの判定に応答して、牽引車両のレーダーからのレーダー反射を分析すること、
レーダー特徴からトレーラーのトレーラーサイズ(250)を決定すること、及び
トレーラーサイズに応じて牽引車両の動作を調整すること、を備え
、
トレーラーサイズを決定することは、トレーラーの少なくともエッジを識別するグリッド(310)におけるレーダー反射のパターンに応じて、レーダー反射がトレーラーと相関するかどうかを判定することを含む、方法。
【請求項12】
1つ以上のプロセッサが実行する方法であって、
牽引車両(100)の背後の領域内のレーダー特徴を識別するために、トレーラー(300)が牽引車両と整列されているとの判定に応答して、牽引車両のレーダーからのレーダー反射を分析すること、
レーダー特徴からトレーラーのトレーラーサイズ(250)を決定すること、及び
トレーラーサイズに応じて牽引車両の動作を調整すること、を備え、
トレーラーが牽引車両と整列していることを判定することは、牽引車両の動態を分析して、牽引車両が実質的に真っ直ぐに移動しているか、それとも旋回しているかを識別することを含む
、方法。
【請求項13】
1つ以上のプロセッサが実行する方法であって、
牽引車両(100)の背後の領域内のレーダー特徴を識別するために、トレーラー(300)が牽引車両と整列されているとの判定に応答して、牽引車両のレーダーからのレーダー反射を分析すること、
レーダー特徴からトレーラーのトレーラーサイズ(250)を決定すること、及び
トレーラーサイズに応じて牽引車両の動作を調整すること、を備え、
トレーラーサイズに応じて牽引車両の動作を調整することは、ブラインドスポットモニタリングシステムによる監視のための、牽引車両の死角の領域を調整することを含む
、方法。
【請求項14】
レーダー反射を分析することは、牽引車両の背後の領域のグリッド(310)を生成すること、及びその領域に関連付けられるレーダー反射の値をグリッドに入力することを含む、請求項
11乃至13のいずれか1項に記載の方法。
【請求項15】
レーダー反射を分析することは、トレーラーの特性を示すパターンに対応するグリッド(310)内のセルを識別して、レーダー特徴を識別することを含む、請求項
11乃至13のいずれか1項に記載の方法。
【請求項16】
トレーラーサイズを決定することは、牽引車両の背後のグリッド(310)内のレーダー特徴の距離に応じて、トレーラーの長さ及び幅を計算することを含み、そして、
レーダー特徴は、トレーラーのエッジ及びトレーラーの一部に対応するレーダー反射の信号強度における山及び谷である、請求項
11乃至13のいずれか1項に記載の方法。
【請求項17】
少なくともレーダーを使用して、牽引車両の背後の領域についてレーダー反射を取得することをさらに備え、そして、
レーダーは、牽引車両の後部に配置され、トレーラーの領域(510)を観測する、請求項
11乃至13のいずれか1項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【関連出願の相互参照】
【0001】
この出願は、2021年4月23日に出願された米国非仮出願第17/238753号の優先権を主張し、そのすべての開示全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【技術分野】
【0002】
本明細書に記載される主題は、概して、車両によって牽引されるトレーラーのサイズを自動的に決定するためのシステム及び方法に関し、より具体的には、車両の後方レーダーからのレーダー反射を使用して、トレーラーのサイズを推定することに関する。
【背景技術】
【0003】
車両でトレーラーを牽引することは、困難なタスクとなり得る。例えば、トレーラーはさまざまな状況下(例えば、急ブレーキイベントの間)で車両に不安定さを引き起こす可能性があり、一般にトレーラーの操縦は複雑になる可能性があり、それが衝突やその他の操縦困難につながる可能性がある。従って、車両には、しばしば、トレーラーを牽引する際の操縦と制御を容易にする様々な支援システムが組み込まれる。一例として、車両には、物体が牽引車両の死角内に位置するたびに運転者に通知するブラインドスポットモニタリングシステムが含まれる場合がある。ただし、そのような支援システムは、概して、トレーラーなしで動作するように構成されており、従って、トレーラーなしの車両の標準寸法及び特性に従って機能を定義する。トレーラーを牽引するときの状況にも機能を拡張するには、支援システムがトレーラーの存在をより適切に考慮できるように、運転者がトレーラーの寸法を入力して支援システムを手動で変更すればよい。しかしながら、トレーラーのサイズを正確に与えることは、トレーラーに関する知識の不足、及び/又は、単に設定の変更のし忘れによって、困難な場合がある。このように、支援システムはトレーラーに関する不完全又は不正確なデータで動作する可能性があり、動作がさらに複雑になる可能性がある。例えば、ブラインドスポットモニタリング(BSM)においては、BSMシステムが死角にある物体の存在について運転者へ警告し損なう可能性があり、最悪の場合は衝突につながる可能性がある。
【発明の概要】
【0004】
一実施形態では、トレーラーのサイズを自動的に決定することに関連する例示的なシステム及び方法が開示される。前述したように、トレーラーを牽引するとき、車両の制御と操縦は困難なタスクとなり得る。さらに、システムがトレーラーの存在に動作を適応できるように、トレーラーのサイズを車両支援システムに正確に報告することにも、特定の困難が伴う。
【0005】
従って、一実施形態において、開示されるアプローチは、牽引車両のレーダーからの情報を使用して、牽引車両によって牽引されるトレーラーのトレーラーサイズを決定することを含む。例えば、1つの構成では、牽引車両を操縦する際に、トレーラーシステムがトレーラーの存在を判定し、牽引車両とトレーラーがいつ整列するかも判定する。牽引車両とトレーラーが整列する場合、トレーラーと車両は実質的に直線状の配置となる。このように、トレーラーシステムは、動態及び/又はセンサデータ(例えば、カメラからの後方画像)を分析して、牽引車両が実質的に真っ直ぐに進行しており、トレーラーと車両が一直線上にあることを判定することができる。
【0006】
トレーラーシステムはさらに、少なくとも1つのレーダーからレーダー反射の形式でセンサデータを取得する。レーダー(複数可)は通常、牽引車両の後部に配置され、トレーラーと関連付けられる牽引車両の後方の領域を監視する。従って、1つの構成では、トレーラーシステムは、領域の異なる部分に個別に対応する複数のグリッドセルに分割される、領域の抽象概念であるグリッドを生成する。トレーラーシステムは、レーダー反射を取得し、個別のグリッドセルに関連付けられるレーダー反射の特徴を見分けるためにグリッドを生成する。例えば、トレーラーシステムは、グリッドセルの異なる位置に信号強度値をグリッドに入力する。
【0007】
その後、トレーラーシステムはグリッドを分析して、エッジ、物理的特徴(例えば、反射板、ホイールカバー、トレーラーの車軸)などのような、トレーラーの態様に対応するレーダー特徴を識別することができる。少なくとも1つのアプローチでは、レーダー特徴を識別するためにグリッドを分析することは、グリッドに沿った方向に直線的に延びる谷(すなわち、信号強度の低下)を含む可能性がある、エッジに関連付けられたパターンを識別することを含む。かくして、トレーラーシステムは、グリッド内のレーダー特徴の位置に従って、トレーラーのサイズ(例えば、長さと幅)を決定する。トレーラーシステムは、トレーラーのサイズを使用して、例えば、安全な車線変更に関連する決定とともにブラインドスポットモニタリングシステムが監視する死角の定義された領域を変更したり、安定性制御を適応させたりすることにより、牽引車両の動作を調整することができる。このようにして、トレーラーシステムは、トレーラーのサイズと関連システムの車両の動作に関する決定を改善する。
【0008】
一実施形態では、トレーラーシステムが開示される。トレーラーシステムは、1つ以上のプロセッサと、1つ以上のプロセッサに通信可能に結合されたメモリとを含む。メモリは、1つ以上のプロセッサによる実行時に、1つ以上のプロセッサに、牽引車両の背後の領域内のレーダー特徴を識別するために、トレーラーが牽引車両と整列されているとの判定に応答して、牽引車両のレーダーからのレーダー反射を分析させる命令を含む制御モジュールを格納する。制御モジュールは、レーダー特徴からトレーラーのトレーラーサイズを決定するための命令を含む。制御モジュールは、トレーラーサイズに応じて牽引車両の動作を調整するための命令を含む。
【0009】
一実施形態では、非一時的なコンピュータ可読媒体が開示される。コンピュータ可読媒体は、1つ以上のプロセッサによる実行時に、1つ以上のプロセッサに開示された機能を実行させる命令を格納する。この命令は、牽引車両の背後の領域内のレーダー特徴を識別するために、トレーラーが牽引車両と整列されているとの判定に応答して、牽引車両のレーダーからのレーダー反射を分析するための命令を含む。命令は、レーダー特徴からトレーラーのトレーラーサイズを決定するための命令を含む。命令は、トレーラーサイズに応じて牽引車両の動作を調整するための命令を含む。
【0010】
一実施形態では、方法が開示される。一実施形態において、方法は、牽引車両の背後の領域内のレーダー特徴を識別するために、トレーラーが牽引車両と整列されているとの判定に応答して、牽引車両のレーダーからのレーダー反射を分析することを含む。方法は、レーダー特徴からトレーラーのトレーラーサイズを決定することを含む。方法は、トレーラーサイズに応じて牽引車両の動作を調整することを含む。
【図面の簡単な説明】
【0011】
本明細書に組み込まれ、その一部を構成する添付の図面は、本開示の様々なシステム、方法、及び他の実施形態を示す。図に示された要素境界(例えば、ボックス、ボックスのグループ、又は他の形状)は、境界の一実施形態を表すことが理解されよう。いくつかの実施形態では、1つの要素が複数の要素として設計されてもよく、又は複数の要素が1つの要素として設計されてもよい。いくつかの実施形態では、別の要素の内部コンポーネントとして示される要素が、外部コンポーネントとして実装されてもよく、逆もまた同様である。さらに、要素は縮尺通りに描かれない場合がある。
【
図1】本明細書に開示される例示的なシステム及び方法が動作し得る車両の構成の一実施形態を示す。
【
図2】トレーラーサイズを動的に決定し、トレーラーサイズに従って牽引車両の動作を適応させることに関連するトレーラーシステムの一実施形態を示す。
【
図3】トレーラーのサイズを決定するためのグリッドの一例を示す。
【
図4】トレーラーサイズを動的に決定することに関連する方法の一実施形態を示す。
【
図6】ブラインドスポットモニタリングの監視領域の一例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0012】
トレーラーのサイズを自動的に決定することに関連するシステム、方法、及び他の実施形態が開示される。前述したように、トレーラーを牽引する際の車両の制御と操縦は困難なタスクとなり得る。つまり、運転者にとってトレーラーの周囲の視界が悪化する可能性がある。さらに、車両にはブラインドスポットモニタリングなどの様々な支援システムが装備されている場合がある一方で、トレーラーが存在するときにこれらのシステムが動作するように拡張することは面倒な作業であり、運転者による情報の正確な手動入力に依存するため、一般的に信頼性が低くなる。
【0013】
従って、一実施形態において、開示される手法は、牽引車両のレーダーからの情報を使用して、牽引車両によって牽引されるトレーラーのトレーラーサイズを自動的に決定することを含む。例えば、1つの構成では、トレーラーシステムは、トレーラーの存在を判定するとともに、牽引車両とトレーラーが整列するときも判定する。牽引車両とトレーラーが整列する場合、トレーラーと車両が実質的に直線状の配置となる(つまり、旋回していたり、曲がりくねった道路を走行したりしていない)。このように、トレーラーシステムは、動態(例えば、ステアリング情報)及び/又はセンサデータ(例えば、カメラからの後方画像)を分析して、牽引車両が実質的に真っ直ぐに進行しており、トレーラーと車両が一直線上にあることを判定することができる。この構成により、レーダーが、既知の位置にあるトレーラーに向けられていることを確実にすることができる。
【0014】
トレーラーシステムは、少なくとも1つのレーダーからレーダー反射の形式でセンサデータを取得する。レーダー(複数可)は通常、牽引車両の後部に配置され、トレーラーと関連付けられる牽引車両の後方の領域を監視する。従って、1つの構成では、トレーラーシステムは、領域の異なる部分に個別に対応する複数のグリッドセルに分割される、領域の抽象概念であるグリッドを生成する。トレーラーシステムはグリッドを使用して、様々な位置に関連付けられるレーダー反射を評価することができる。トレーラーシステムは、レーダー反射を取得し、グリッドを生成して、別個のグリッドセルに関連付けられるレーダー反射の特徴を見分ける。例えば、トレーラーシステムは、グリッドセルの異なる位置に関連付けられるレーダー反射の信号強度値をグリッドに入力する。
【0015】
その後、トレーラーシステムはグリッドを分析して、エッジ、物理的特徴(例えば、タイヤ、反射板など)などのような、トレーラーの態様に対応するレーダー特徴を識別することができる。少なくとも1つのアプローチでは、レーダー特徴を識別するためにグリッドを分析することは、グリッドに沿った方向に直線的に延びる谷(すなわち、エッジをちょうど超えたところからの反射の信号強度の低下)、又は山(すなわち、エッジに沿ったところからの反射の信号強度の増加)を含む可能性がある、エッジに関連付けられたパターンを識別することを含む。パターンは通常、トレーラーの下面からの反射レーダー信号に対応し、従って、信号強度が低下した領域はトレーラーの終端を示している可能性があり、信号強度が増加した領域は、下方に伸びている、もしくは、より大きな反射を引き起こすトレーラーの物理的な部分の存在を示している可能性がある。かくして、トレーラーシステムは、グリッド内のレーダー特徴の位置に従って、トレーラーのサイズ(例えば、長さと幅)を決定する。トレーラーシステムは、トレーラーサイズを使用して、例えば、接近する物体の相対速度が、定義された時間内にその物体を定義された領域内に位置させるかどうかに応じて、ブラインドスポットモニタリングシステムが監視する定義された領域を変更したり、安定性制御を適応させたりすることにより、牽引車両の動作を調整することができる。このようにして、トレーラーシステムは、トレーラーのサイズと関連システムの車両の動作に関する決定を改善する。
【0016】
図1を参照すると、車両100の一例が示されている。本明細書で使用される場合、「車両」とは、任意の形態の動力輸送機を意味する。1つ以上の実施形態では、車両100は自動車である。本明細書では自動車に関して構成が説明されるが、実施形態は自動車に限定されないことが理解されよう。いくつかの実施形態では、車両100は、例えば、トレーラーを牽引する任意の形態の輸送機であってもよく、それにより、本明細書で説明される機能の恩恵を受ける。
【0017】
車両100は様々な要素も含む。様々な実施形態において、車両100は必ずしも
図1に示されるすべての要素を有さなくてもよいことが理解されよう。車両100は、
図1に示される様々な要素の異なる組み合わせを有することができる。さらに、車両100は、
図1に示される要素に対して追加の要素を有することができる。いくつかの構成では、車両100は、
図1に示される1つ以上の要素なしで実施されてもよい。
図1では、様々な要素が車両100内に配置されるように示されているが、それらの要素の1つ以上が車両100の外部に配置され得ることが理解されよう。さらに、示された要素は物理的に遠く離れていてもよく、リモートサービス(例えば、クラウドコンピューティングサービス)として提供されてもよい。
【0018】
車両100の考えられる要素のいくつかが
図1に示されており、後続の図とともに説明される。
図1の多くの要素の説明は、説明を簡潔にするために、
図2-
図6の説明の後に提供される。加えて、説明を簡単かつ明確にするために、適宜、対応する、類似の、又は同様の要素を示すために、異なる図の間で参照番号が繰り返されていることが理解されよう。さらに、本明細書に記載の実施形態は、記載された要素の様々な組み合わせを使用して実施され得ることが理解されよう。
【0019】
いずれの場合でも、車両100(本明細書では牽引車両100とも称する)は、取り付けられたトレーラーのサイズを自動的に検出し、トレーラーの存在に応じて、車両100内の1つ以上のシステムを調整することによって、牽引車両100の動作を改善するように機能するトレーラーシステム170を含む。さらに、1つ以上の実施形態では、スタンドアロンコンポーネントとして示されているが、トレーラーシステム170は、システム/モジュールの機能を容易にするために、支援システム160又は車両100の別の同様のシステムと統合される。注目すべき機能と方法は、図をさらに説明することでより明らかになる。
【0020】
さらに、支援システム160は、多くの異なる形態をとることができるが、一般に、車両100の運転者に何らかの形態の自動化された支援を提供する。例えば、支援システム160は、ブラインドスポットモニタリング、車線維持機能、アダプティブクルーズコントロール、衝突回避、緊急ブレーキ、安定性制御などの様々な先進運転支援システム(ADAS)機能を含んでもよい。さらなる態様では、支援システム160は、車両100を部分的に又は完全に制御することができる半自律システム又は完全自律システムであってもよい。かくして、支援システム160は、どのような形態であっても、センサシステム120のセンサと協働して作動し、様々な機能を提供するために追加の決定を導き出すことができる周囲環境に関する観測を取得する。さらに、トレーラーシステム170は、少なくとも1つの構成において、支援システム160の1つ以上の態様の機能を直接調整するか、又は制御してもよい。例えば、トレーラーシステム170は、支援システム160内の設定を調整して、監視される領域、許容範囲、旋回半径、停止距離などを変更してもよい。支援システム160とトレーラーシステム170との間の関係のさらなる態様が、後に説明される。
【0021】
図2を参照すると、トレーラーシステム170の一実施形態がさらに示されている。図示のように、トレーラーシステム170はプロセッサ110を含む。従って、プロセッサ110はトレーラーシステム170の一部であってもよいし、又はトレーラーシステム170がデータバス又は別の通信経路を介してプロセッサ110にアクセスしてもよい。1つ以上の実施形態では、プロセッサ110は、制御モジュール220に関連付けられた機能を実行するように構成された特定用途向け集積回路である。より一般的には、1つ以上の態様において、プロセッサ110は、トレーラーシステム170に関連付けられたコード化された機能の実行時に、本明細書に記載されるような様々な機能を実行することができるマイクロプロセッサなどの電子プロセッサである。
【0022】
一実施形態では、トレーラーシステム170は、制御モジュール220を格納するメモリ210を含む。メモリ210は、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリーメモリ(ROM)、ハードディスクドライブ、フラッシュメモリ、又はモジュール220を格納するための他の適切なメモリである。制御モジュール220は、例えば、プロセッサ110による実行時に、プロセッサ110に本明細書で開示される様々な機能を実行させるコンピュータ可読命令である。1つ以上の実施形態では、モジュール220はメモリ210内に具現化された命令であるが、さらなる態様では、モジュール220は、記載された機能の1つ以上を独立して実行するための処理コンポーネント(例えば、コントローラ)、回路などのハードウェアを含む。このように、制御モジュール220は、メモリ210内の命令として、あるいはシステムオンチップ(SoC)、ASIC、又は別のデバイスなどのスタンドアロンコンポーネントとして具現化されてもよい。
【0023】
さらに、一実施形態では、トレーラーシステム170はデータストア230を含む。データストア230は、1つの構成において、情報を格納するための電子ベースのデータ構造である。例えば、1つのアプローチにおいて、データストア230は、メモリ210又は別の適切な媒体に格納され、格納されたデータを分析し、格納されたデータを提供し、格納されたデータを体系化するなどのためにプロセッサ110によって実行され得るルーチンとともに構成されるデータベースである。いずれにしても、一実施形態において、データストア230は、様々な機能を実行する際に制御モジュール220によって使用されるデータを格納する。一実施形態では、データストア230は、例えば、制御モジュール220によって使用される他の情報とともに、センサデータ240及びトレーラーサイズ250を含む。
【0024】
それゆえ、制御モジュール220は、概して、車両100の1つ以上のセンサからセンサデータ240を形成するデータ入力を取得するようにプロセッサ110を制御するように機能する命令を含む。一般に、センサデータ240は、車両100の周囲環境の観測を具体化した情報を含む。様々な実施形態において、周囲環境の観測には、車両が走行する又は駐車する、車線内、車道の近傍、駐車場、車庫、私道又は別の領域内に存在する可能性がある、周囲の車線、車両、物体、障害物などが含まれ得る。特に、センサデータ240は、牽引車両100の1つ以上のレーダーからのレーダー反射を少なくとも含む。レーダーは、環境センサ122のうちの少なくとも1つのセンサである。車両100は、異なる視野(FoV)を有する複数の異なるレーダーを有することができるが、本明細書で説明するように、車両100は、少なくとも1つの後方に向いたレーダーを含む。このように、レーダーは、車両100の後部領域(例えば、バンパー、テールライトなど)の隅、又は中央部分で、車両100の後面に配置され、一般にトレーラーと関連する、車両100の後方の領域のFoVを提供することができる。かくして、センサデータ240は、車両100の異なるセンサからの様々な観測(例えば、後方カメラ、動態データなど)を含むことができるが、1つ以上の後方レーダーからのレーダー反射を少なくとも含む。
【0025】
制御モジュール220は、センサデータ240を提供するために様々なセンサを制御するものとして説明されるが、1つ以上の実施形態では、制御モジュール220は、能動的又は受動的のいずれかである、センサデータ240を取得するための他の技術を使用することができる。例えば、制御モジュール220は、様々なセンサによって車両100内のさらなるコンポーネントに提供される電子情報のストリームからセンサデータ240を受動的に傍受することができる。さらに、制御モジュール220は、センサデータ240を提供するときに、複数のセンサからのデータを融合するための様々なアプローチを行うことができる。従って、一実施形態において、センサデータ240は、複数のセンサ及び/又は車両100の他の態様から取得された認識の組み合わせを表す。
【0026】
さらに、注目すべき機能が生じるとき、牽引車両100はトレーラーに接続されることを理解されたい。従って、1つ以上の構成では、トレーラーシステム170は、牽引車両100がいつトレーラーと接続するか、あるいはいつトレーラーの存在を識別するかを決定することができる。例えば、様々なアプローチにおいて、制御モジュール220は、センサデータ240を活用して、カメラ画像を通じてトレーラーが存在することを識別することができる。追加的に、又は代替的に、センサデータ240は、トレーラーが車両100に取り付けられたときを検出するトレーラーヒッチセンサ、トレーラーが接続されたときを感知するブレーキ/照明システムなどからの情報を含むことができる。かくして、トレーラーの接続は、1つ以上の構成において、トレーラーシステム170がセンサデータ240の分析のため、一直線となったことを決定するための開始イベントとして機能し得る。もちろん、さらなる態様では、トレーラーシステム170は、定期的に分析を実行して、トレーラーの存在、及びトレーラーが特定の誘発イベントを伴わずに整列しているかどうかを判定することができる。
【0027】
制御モジュール220がトレーラーサイズ250を決定するために使用するセンサデータ240を取得するために、制御モジュール220はまず、センサデータ240が牽引車両100は実質的に真っ直ぐ/直線的に移動していることの観測に対応するかどうかを決定する。換言すれば、制御モジュール220は、牽引車両100が真っ直ぐに移動しており、取得されるレーダー反射に関して、トレーラーが牽引車両100と整列されているかどうかを判定する。トレーラーシステム170は、車両100とトレーラーとの間の未知の角度から不正確さが生じないように、車両100とトレーラーとの幾何学的形状に関する特定の知識を得るために一直線であることを判定する。
【0028】
いずれにせよ、制御モジュール220はセンサデータ240を分析してトレーラーサイズ250を決定する。様々なアプローチにおいて、制御モジュール220は、最初に車両100の後方の領域にグリッドを生成する。グリッドは車両後方の領域の抽象概念であり、レーダー反射を様々な位置に互いに関係付けるための手段として機能する。例えば、トレーラーシステム170は、牽引車両100に対する前後方向の長さ及び横方向の幅に従ってグリッドを画定する。一例として、幅と長さは、レーダーの視野、トレーラーの可能な幅と長さの範囲などに部分的に基づくことができる。グリッドセルは、グリッドを対称的なブロックに分割し、制御モジュール220はレーダー反射を対称的なブロックに入力する。一例では、グリッドセルは0.2m×0.2mである。もちろん、さらなる構成では、グリッドセルのサイズはより大きくても小さくてもよい。さらに、1つ以上の行又は列が、グリッドセルの他の行又は列に対して不揃いであっても良い。一般に、制御モジュール220は、反射のパターンを識別するためのメカニズムとしてグリッドを生成し、従って、特定の実施形態に応じて形状/サイズが変化する可能性がある。
【0029】
一例として、
図3は、トレーラー300を牽引するときの牽引車両100の一構成を示す。
図3に示されるように、制御モジュール220は、車両100の後方で、ほぼトレーラーと関係付けられる領域に延在するグリッド310を生成する。グリッド310は、車両100のクラスに応じてサイズが変化してもよい。クラスは一般に、車両100が牽引できるトレーラーの最大サイズを示すため、トレーラーシステム170は、グリッドサイズをクラスと互いに関係付けることができる。いずれにしても、制御モジュール220は、定義された長さと幅に従ってグリッドを生成し、その後、グリッドを別個のセルに分割する。このようにして、制御モジュール220がレーダーからレーダー反射を受信したとき、制御モジュール220は反射の値をセルに入力する。一般に、レーダーはレーダー信号を放射し、レーダー信号が環境内の表面で反射するときにレーダー反射を取得する。トレーラーを牽引する車両100の例では、レーダー信号は、トレーラー300の下面、及び、トレーラーのバンパー、タイヤ、ホイールカバー、反射板、並びにトレーラーの他の特徴などのトレーラーの特徴で反射する。さらに、レーダーはさらにトレーラー300の境界を越えたことろからのレーダー反射を取得する。
【0030】
かくして、制御モジュール220は、ある期間(例えば、5.0秒)にわたってレーダー反射を取得し、その値をグリッド310内に格納することができる。このように、グリッドは、レーダー反射のヒートマップとして機能し、そのヒートマップから、制御モジュール220は、概してレーダー反射における異なる特徴の領域であるレーダー特徴を識別することができる。例えば、レーダー反射がトレーラー300のエッジから得られる場合、その反射は一般に、トレーラー300の下部からの他の反射と比較して出力の低下(谷とも呼ばれる)を示す。さらに、レーダー信号が下方に延びるトレーラー300の物理的特徴に遭遇すると、レーダー反射は出力のスパイク(すなわち、増加)を示す。かくして、制御モジュール220は、レーダー反射をグリッド310に蓄積する。
【0031】
その後、制御モジュール220は、レーダー反射を含むグリッド310を分析して、レーダー特徴を識別する。レーダー特徴は、例えば、トレーラー300の特徴に対応するレーダー反射のグリッド310内のパターンである。例えば、制御モジュール220は、グリッド310を分析して、トレーラーのエッジを示すため、低下された強度を持つ、直線状に配置された隣接セルを識別する。さらなる手がかりとして、ホイールの位置を示すため、低下された出力を持つセルの直線的配置に沿って、両側の対応する位置でのピークを含むことができる。1つの構成では、制御モジュール220は、エッジを示すための、同様のレーダー反射を有するセルの数を示す閾値を定義することができる。さらなる構成では、制御モジュール220は、エッジを識別するための、レーダー反射間の相関の程度を示す閾値を定義することができる。例えば、閾値は、レーダー反射の値が対応していることを示すために、それらの値の類似性の程度(例えば、70%)を定義することができる。
【0032】
制御モジュール220がレーダー特徴を識別すると、制御モジュール220はトレーラーサイズ250を決定することができる。1つのアプローチでは、制御モジュール220は、グリッド310を使用して、レーダー特徴によって画定されるトレーラー300の領域内のレーダー特徴間の距離を測定する。さらなるアプローチでは、制御モジュール220は、レーダー特徴間の距離を、特徴の既知の位置に従って測定することができる。制御モジュール220は、通常、グリッド310のレーダー特徴からトレーラーサイズ250を決定する際に、トレーラーの長さと幅を決定する。
【0033】
トレーラーサイズ250を決定すると、制御モジュール220は、トレーラー300が取り付けられた状態で動作するように牽引車両100の1つ以上のシステムを調整することができる。一例として、制御モジュール220は、トレーラー300の領域まで拡張するように、ブラインドスポットモニタリング機能の監視領域を調整することができる。このように、1つのアプローチでは、制御モジュール220は、トレーラーサイズ250と相関するように監視ゾーンを拡張するために、ブラインドスポットモニタリングに関連する支援システム160の1つ以上のパラメータを変更する。さらなる態様では、制御モジュール220は、追加的に、又は代替的に、トレーラー300の存在による制御の変化を考慮して支援システム160のさらなる機能を修正する。かくして、制御モジュール220は、安定性制御、リアクロストラフィック検出、衝突回避、自動ブレーキ、車線維持、駐車支援などを修正することができる。このようにして、トレーラーシステム170は、トレーラーを牽引する間の車両100の動作を改善する。
【0034】
トレーラーのサイズを動的に決定し、それに応答して車両の1つ以上のシステムを適応させるさらなる態様について、
図4に関連して説明する。
図4は、トレーラーのサイズを決定し、車両の動作を調整することに関連する方法400を示す。方法400は、
図1のトレーラーシステム170の観点から説明される。ただし、方法400はトレーラーシステム170と組み合わせて説明されるが、方法400はトレーラーシステム170内で実施されることに限定されず、むしろ、方法400を実施することができるシステムの一例に過ぎないことを理解されたい。
【0035】
410で、制御モジュール220は、センサデータ240を取得する。一実施形態では、センサデータ240を取得することは、車両100の周囲環境についての観測を生成するために、車両100の1つ以上センサ(例えば、レーダー)を制御することを含む。制御モジュール220は、1つ以上の実装形態において、センサシステム120の1つ以上のセンサからセンサデータ240を繰り返し取得する。センサデータ240は、トレーラーサイズ250の識別に関連する特定の領域を含む、対象車両100の周囲環境の観測結果を含む。加えて、センサデータ240は、支援システム160に関連する交通及び他の危険に関する情報をさらに含むことができる。いずれの場合でも、センサデータ240は、トレーラーが取り付けられている場合にトレーラーが存在するであろう牽引車両100の後方の領域の観測結果を提供するレーダー反射を含む。
【0036】
420で、制御モジュール220は、トレーラーが牽引車両100と整列しているかどうかを判定する。1つの構成では、整列していることを識別するプロセスは、最初に、トレーラーが存在するかどうかを判定することを含んでもよい。前述したように、これには、トレーラーとの電気接続の取り付けの検出、トレーラー接続センサによる取り付け感知、カメラなどの二次的センサによる観測などが含まれ得る。
【0037】
いずれの場合でも、制御モジュール220は、車両100とトレーラーがいつ整列するかをさらに決定し、整列している期間に対応するセンサデータ240が、トレーラーのサイズ250を決定するために活用され得る。整列していることを識別するために、制御モジュール220は、牽引車両100の動態を分析して、牽引車両が実質的に直線方向に移動しているのか、それとも旋回しているのかを識別することができる。さらなる態様では、制御モジュール220は、所定の期間(例えば、0.5秒)にわたってステアリングホイールの角度を分析して、整列していることを識別する。トレーラーの画像、牽引ヒッチ角度センサからの情報などを含むセンサデータ240を使用するなど、さらなるアプローチが実行されてもよい。いずれにしても、制御モジュール220が、牽引車両100とトレーラーが整列していないと判定した場合、制御モジュール220は、整列が確認されるまでセンサデータ240を繰り返し取得してチェックすることができる。
【0038】
430で、制御モジュール220は、牽引車両100の後方の領域のグリッドを生成することによって、レーダー反射の分析を開始する。例えば、制御モジュール220は、トレーラーが存在する可能性のある領域にわたってグリッドの行と列を生成する。例えば、前述したように、制御モジュール220は、車両のクラス、又は可能性のあるトレーラーの範囲を考慮して、グリッドの全体のサイズを決定することができる。グリッドが生成されると、制御モジュール220は、領域に関連するレーダー反射の値をグリッドに入力する。値は、特定の領域から受信した反射の信号強度を表す。従って、値は、それぞれの位置でのレーダー信号の反射に対応する。
【0039】
440で、制御モジュール220は、牽引車両のレーダーからのレーダー反射を分析して、牽引車両100の後方の領域内のレーダー特徴を識別する。1つの構成では、制御モジュール220は、トレーラーの特徴を示すパターンに対応するグリッド内のセルを識別する。レーダー特徴は、トレーラーのエッジやトレーラーの一部に対応する、レーダー反射の信号強度における山と谷である。従って、制御モジュール220は、1つのアプローチにおいて、類似の又は異なるレーダー反射を有する隣接セルを識別する。類似点が存在する場合、制御モジュール220は対応付けを示すことができる。1つのアプローチでは、類似点は、信号値の一致の程度(例えば、70%の定義された閾値)に従って判定される。それでも、場合によっては、類似点の領域だけでは、トレーラーに関連するレーダー特徴を識別するのに十分ではない場合がある。従って、さらなるアプローチでは、制御モジュール220は、線形回帰、機械学習、又はグリッドセルを相関させる別のアプローチなどのさらなる分析を実施してもよい。
【0040】
450で、制御モジュール220は、グリッド全体にわたるレーダー特徴のパターンに従って、レーダー特徴がトレーラーと相関するかどうかを判定する。1つの構成では、制御モジュール220は、様々なレーダー特徴を識別し、次いで、例えば、トレーラーの予想される形状(例えば、長方形)に従って特徴を相関させる。かくして、トレーラーの形状と一致するパターンと揃った特徴は、トレーラーの形状、従って、トレーラーサイズ250を定義するものとして識別され得る。制御モジュール220が、レーダー特徴がトレーラーの形状を示すのに十分に対応していないと判定した場合、制御モジュール220は、さらなるレーダー反射を取得するためにプロセスを繰り返すことができる。
【0041】
460において、制御モジュール220は、レーダー特徴からトレーラーのトレーラーサイズ250を決定する。1つの構成では、制御モジュール220は、グリッド内のレーダー特徴の距離に従ってトレーラーの長さと幅を計算する。上述したように、制御モジュール220は、特徴間の距離を直接決定することができ、あるいはグリッドを使用して距離を導出することができる。いずれの場合でも、制御モジュール220は、トレーラーサイズ250を提供するために、トレーラーの幅と長さの両方を決定する。
【0042】
470において、制御モジュール220は、トレーラーサイズ250に従って牽引車両100の動作を調整する。1つ以上のアプローチにおいて、制御モジュール220は、トレーラーが存在する場合のブラインドスポットモニタリングシステムによる監視を改善するために、牽引車両100の死角の領域を調整する。制御モジュール220は、ブラインドスポットモニタリングがサブ機能であり得る支援システム160の内部構成パラメータを調整することによって、ブラインドスポットモニタリングの設定を調整することができる。さらに別のアプローチでは、制御モジュール220は、支援システム160にコマンド又は通信を提供して、支援システム160にトレーラーに応じて動作を調整させる。もちろん、ブラインドスポットモニタリングシステム/機能について説明するが、さらなる態様では、制御モジュール220は、衝突回避、車線維持などを含む他の機能のための機能を調整することができる。このようにして、トレーラーシステム170は、運転者による手動入力による潜在的なエラーを回避し、支援システム160がトレーラーの存在を正確に考慮できることを保証することによって、トレーラーが存在する場合の牽引車両100の動作を改善する。
【0043】
ここで開示されるシステム及び方法がどのように機能するかのさらなる説明として、
図5を考慮する。
図5は、走行中の車両100及びトレーラー300を含む道路500を示す。図示されるように、車両100はトレーラー300と実質的に整列されている。すなわち、トレーラー300は車両100の真後ろにあり、それらの間に大きな角度がなく一直線状の配置となっている。さらに、車両100は、レーダーを使用して、FoV510を有するレーダー信号を生成する。FoV510は、概して、車両100の後部中央位置(例えば、バンパー内)に位置するときにレーダーによって観測される領域を表す。かくして、トレーラーシステム170は、FoV510からのレーダー反射を使用して、レーダー特徴及びトレーラーサイズ250を識別する。
【0044】
図6を参照すると、牽引車両100が、再度、ブラインドスポットモニタリングシステムの監視領域とともに示されている。図示されるように、車両100は、トレーラー300の存在なしで動作する場合、初期的に領域600及び610を監視することができる。しかしながら、トレーラー300の取り付け及びサイズの決定に応じて、トレーラーシステム170は、領域620及び630を含むようにブラインドスポットモニタリングを拡張することができる。同様に、トレーラーシステム170は、トレーラーが存在する領域の代わりに、トレーラー300を越えた領域640を含むようにリアクロストラフィック検出領域を調整することができる。監視ゾーンを調整するだけでなく、トレーラーシステム170は、例えば、制動距離、増加した回転半径などのハンドリング及び制動の態様を調整することによって、トレーラーサイズ250を考慮して支援システム160の動作をさらに適合させることができる。このようにして、トレーラーシステム170は、トレーラーを備える場合の動作を改善する。
【0045】
さらに、
図1のトレーラーシステム170は、別個の集積回路及び/又は電子チップを用いて様々な配置で構成できることを理解されたい。そのような実施形態では、制御モジュール220は、別個の集積回路として具現化することができる。回路は、接続パスを介して接続され、別個の回路間で信号を通信する。もちろん、別個の集積回路が論じられているが、様々な実施形態において、回路は共通の集積回路及び/又は集積回路基板に統合されてもよい。さらに、集積回路は、より少ない集積回路に組み合わされても良いし、より多くの集積回路に分割されてもよい。別の実施形態では、モジュール220に関連する機能の一部は、プロセッサによって実行可能であり、非一時的メモリに格納されるファームウェアとして具現化されても良い。さらに別の実施形態では、モジュール220は、プロセッサ110のハードウェアコンポーネントとして統合される。
【0046】
別の実施形態では、説明された方法、及び/又は、それらの等価物は、コンピュータ実行可能命令で実現され得る。従って、一実施形態では、非一時的コンピュータ可読媒体は、マシン(例えば、プロセッサ、コンピュータなど)によって実行されるとき、マシン(及び/又は関連するコンポーネント)に方法を実行させる、格納されたコンピュータ実行可能命令を備えて構成される。
【0047】
説明を簡単にするために、図に示されている方法論は一連のブロックとして示され説明されているが、いくつかのブロックは図示及び説明されたものから異なる順序で、及び/又は、他のブロックと同時に発生しえるので、方法論はブロックの順序によって制限されないことが理解されるべきである。さらに、例示されたすべてのブロックよりも少ないブロックを使用して、例示的な方法論を実施してもよい。ブロックは、組み合わされても良いし、複数のコンポーネントに分離されても良い。さらに、追加及び/又は代替の方法論は、図示されていない追加のブロックを使用することができる。
【0048】
ここで、本明細書で開示されるシステム及び方法が動作することができる例示的な環境について、
図1で詳細に説明する。場合によっては、車両100は、自律モード、1つ以上の半自律動作モード、及び/又は手動モードの間で選択的に切り替えられるように構成される。このような切り替えは、適切な方法で実施することができる。「手動モード」とは、車両の航行及び/又は操縦のすべて又は大部分が、ユーザ(例えば、人間の運転者)から受けた入力に従って実行されることを意味する。
【0049】
1つ以上の実施形態において、車両100は自律車両である。本明細書で使用される「自律車両」は、自律モードで動作する車両を指す。「自律モード」は、人間の運転者からの最小限の入力で、又は入力なしで、車両100を制御する1つ以上のコンピューティングシステムを使用して、移動経路に沿って車両100を航行及び/又は操縦することを指す。1つ以上の実施形態において、車両100は完全に自動化される。1つの実施形態では、車両100は、1つ以上のコンピューティングシステムが移動経路に沿った車両100の航行及び/又は操縦の一部を実行し、車両運転者(すなわち、ドライバ)が移動経路に沿った車両100の航行及び/又は操縦の一部を実行するための入力を車両に提供する、1つ以上の半自律動作モードを備えて構成される。そのような半自律動作は、車両100が定義された状態制約内に留まることを確実にするために、トレーラーシステム170によって実施されるような監視制御を含むことができる。
【0050】
車両100は、1つ以上のプロセッサ110を含むことができる。1つ以上の構成では、プロセッサ(複数可)110は、車両100のメインプロセッサであり得る。例えば、プロセッサ(複数可)110は、電子制御ユニット(ECU)であり得る。車両100は、1つ以上のタイプのデータを格納するための1つ以上のデータストア115(例えば、データストア230)を含むことができる。データストア115は、揮発性及び/又は不揮発性メモリを含むことができる。適切なデータストア115の例には、RAM(ランダムアクセスメモリ)、フラッシュメモリ、ROM(リードオンリーメモリ)、PROM(プログラマブルリードオンリーメモリ)、EPROM(消去可能プログラマブルリードオンリーメモリ)、EEPROM(電気的消去可能プログラマブルリードオンリーメモリ)、レジスタ、磁気ディスク、光ディスク、ハードドライブ、その他の適切な記憶媒体、又はそれらの任意の組み合わせが含まれる。データストア115は、プロセッサ(複数可)110のコンポーネントとすることができ、又はデータストア115は、プロセッサ(複数可)100による使用のためプロセッサ(複数可)110に動作可能に接続することができる。この説明全体を通して使用される「動作可能に接続される」又は「通信可能に接続される」という用語は、直接的な物理的接触のない接続を含む、直接又は間接の接続を含み得る。
【0051】
1つ以上の構成において、1つ以上のデータストア115は地図データを含むことができる。地図データには、1つ以上の地理的エリアの地図を含めることができる。場合によっては、地図データは、1つ以上の地理的エリアにおける、道路、交通管制装置、道路標示、構造物、特徴、及び/又はランドマークに関する情報(例えば、メタデータ、ラベルなど)を含むことができる。場合によっては、地図データに航空/衛星ビューを含めることができる。場合によっては、地図データに、360度の地上ビューを含む、エリアの地上ビューを含めることができる。地図データは、測定値、寸法、距離、及び/又は地図データに含まれる1つ以上のアイテムの情報、及び/又は地図データに含まれる他のアイテムと比較した情報を含むことができる。地図データには、道路の形状に関する情報を含むデジタル地図を含めることができる。地図データは、建物、縁石、電柱などの相対的な位置に関する情報など、特徴ベースの地図データをさらに含むことができる。1つ以上の構成では、地図データは1つ以上の地形図を含むことができる。
【0052】
1つ以上のデータストア115は、センサデータ(例えば、センサデータ240)を含むことができる。この文脈において、「センサデータ」とは、車両100が装備しているセンサからの、当該センサに関する能力及びその他の情報を含む任意の情報を意味する。
【0053】
前述したように、車両100はセンサシステム120を含むことができる。センサシステム120は、1つ以上のセンサを含むことができる。「センサ」とは、何かを検出、認識、及び/又は感知することができる任意のデバイス、コンポーネント、及び/又はシステムを意味する。1つ以上のセンサは、リアルタイムで動作するように構成することができる。本明細書で使用される「リアルタイム」という用語は、特定のプロセス又は決定が行われるのに十分に即時であるとユーザ又はシステムが感じる、又はプロセッサが何らかの外部プロセスに遅れずについていくことを可能にする、処理応答性のレベルを意味する。
【0054】
センサシステム120が複数のセンサを含む構成では、センサは互いに独立して機能することができる。あるいは、2つ以上のセンサが相互に組み合わされて機能することができる。このような場合、2つ以上のセンサがセンサネットワークを形成することができる。センサシステム120及び/又は1つ以上のセンサは、プロセッサ(複数可)110、データストア(複数可)115、及び/又は車両100の別の要素(
図1に示す要素のいずれかを含む)に動作可能に接続することができる。センサシステム120は、車両100の外部環境の少なくとも一部のデータを取得することができる。
【0055】
センサシステム120は、任意の適切なタイプのセンサを含むことができる。本明細書では、異なるタイプのセンサの様々な例について説明する。しかしながら、実施形態は、記載された特定のセンサに限定されないことが理解されよう。センサシステム120は、1つ以上の車両センサ121を含むことができる。車両センサ(複数可)121は、車両100自体又は車両100の内部乗員室に関する情報を検出、決定、及び/又は感知することができる。1つ以上の構成において、車両センサ(複数可)121は、例えば慣性加速度に基づいてなど、車両100の位置及び向きの変化を検出及び/又は感知するように構成することができる。1つ以上の構成において、車両センサ(複数可)121は、1つ以上の加速度計、1つ以上のジャイロスコープ、慣性測定ユニット(IMU)、推測航法システム、全地球航法衛星システム(GNSS)、グローバル測位システム(GPS)、ナビゲーションシステム、及び/又はその他の適切なセンサを含むことができる。車両センサ(複数可)121は、車両100の1つ以上の特性を検出及び/又は感知するように構成することができる。1つ以上の構成において、車両センサ(複数可)121は、車両100の現在の速度を決定するための速度計を含むことができる。さらに、車両センサシステム120は、シート内の圧力/重量センサ、シートベルトセンサ、カメラ(複数可)などの乗員室全体に及ぶセンサを含むことができる。
【0056】
代替的又は追加的に、センサシステム120は、運転環境データを取得及び/又は感知するように構成された1つ以上の環境センサ122を含むことができる。「運転環境データ」は、自律車両が位置する外部環境、又はその1つ以上の部分に関するデータ又は情報を含む。例えば、1つ以上の環境センサ122は、車両100の外部環境の少なくとも一部における障害物及び/又はそのような障害物に関する情報/データを検出及び/又は感知するように構成することができる。このような障害物は、静止物体及び/又は移動物体であり得る。1つ以上の環境センサ122は、例えば、レーンマーク、標識、信号機、交通標識、車線、横断歩道、車両100近傍の縁石、道路外物体など、車両100の外部環境における他のものを検出及び/又は感知するように構成され得る。
【0057】
センサシステム120のセンサの様々な例が、本明細書で説明される。例示的なセンサは、1つ以上の環境センサ122及び/又は1つ以上の車両センサ121の一部であっても良い。しかしながら、実施形態は、記載された特定のセンサに限定されないことが理解されよう。一例として、1つ以上の構成において、センサシステム120は、1つ以上のレーダーセンサ、1つ以上のLIDARセンサ、1つ以上のソナーセンサ、及び/又は1つ以上のカメラを含むことができる。1つ以上の構成において、1つ以上のカメラは、高ダイナミックレンジ(HDR)カメラ又は赤外線(IR)カメラであり得る。
【0058】
車両100は、入力システム130を含むことができる。「入力システム」は、限定するものではないが、情報/データをマシンに入力できるようにするデバイス、コンポーネント、システム、要素、又はそれらの取り合わせ又はグループを含む。入力システム130は、車両の乗員(例えば、運転者又は同乗者)からの入力を受け取ることができる。車両100は、出力システム140を含むことができる。「出力システム」は、情報/データを車両の乗員(例えば、人、車両の同乗者など)に提示できるようにする任意のデバイス、コンポーネント、又はそれらの取り合わせ又はグループを含む。
【0059】
車両100は、1つ以上の車両システム150を含むことができる。1つ以上の車両システム150の様々な例は
図1に示されているが、車両100は、与えられた例に示されるものとは異なるシステムの組み合わせを含むことができる。1つの例では、車両100は、推進システム、ブレーキシステム、ステアリングシステム、スロットルシステム、トランスミッションシステム、信号システム、ナビゲーションシステムなどを含むことができる。前述のシステムは、1つ以上のデバイス、コンポーネント、及び/又はそれらの組み合わせを別々に又は組み合わせて含むことができる。
【0060】
例として、ナビゲーションシステムは、車両100の地理的位置を決定し、及び/又は車両100の走行経路を決定するように構成された、1つ以上のデバイス、アプリケーション、及び/又はそれらの組み合わせを含むことができる。ナビゲーションシステムは、車両100の走行経路を決定するための1つ以上のマッピングアプリケーションを含むことができる。ナビゲーションシステムは、グローバルポジショニングシステム、ローカルポジショニングシステム、又はジオロケーションシステムを含むことができる。
【0061】
プロセッサ(複数可)110、トレーラーシステム170、及び/又は支援システム160は、様々な車両システム150及び/又はその個々のコンポーネントと通信するように動作可能に接続することができる。例えば、
図1に戻ると、プロセッサ(複数可)110、及び/又は支援システム160は、車両100の動き、速度、操縦、進路、方向などを制御するために、様々な車両システム150と情報を送信及び/又は受信するように通信することができる。プロセッサ(複数可)110、トレーラーシステム170、及び/又は支援システム160は、これら車両システム150の一部又はすべてを制御することができ、従って、部分的又は完全に自律的であり得る。
【0062】
プロセッサ(複数可)110、トレーラーシステム170、及び/又は支援システム160は、様々な車両システム150及び/又はその個々のコンポーネントと通信するように動作可能に接続することができる。例えば、
図1に戻ると、プロセッサ(複数可)110、トレーラーシステム170、及び/又は支援システム160は、車両100の動き、速度、操縦、進路、方向などを制御するために、様々な車両システム150と情報を送信及び/又は受信するように通信することができる。プロセッサ(複数可)110、トレーラーシステム170、及び/又は支援システム160は、これら車両システム150の一部又はすべてを制御することができる。
【0063】
プロセッサ(複数可)110、トレーラーシステム170、及び/又は支援システム160は、1つ以上の車両システム150及び/又はそれらのコンポーネントを制御することによって、車両100の航行及び/又は操縦を制御するように動作可能であり得る。例えば、自律モードで動作する場合、プロセッサ(複数可)110、トレーラーシステム170、及び/又は支援システム160は、車両100の方向及び/又は速度を制御することができる。プロセッサ(複数可)110、トレーラーシステム170、及び/又は支援システム160は、車両100を加速させ(例えば、エンジンに与えられるエネルギーの供給を増加させることによって)、減速させ(例えば、エンジンへのエネルギーの供給を減少させる、及び/又はブレーキをかけることによって)、及び/又は、方向を変化させる(例えば、前輪2輪を回すことによって)ことができる。
【0064】
さらに、トレーラーシステム170及び/又は支援システム160は、様々な運転関連タスクを実行するように機能することができる。車両100は、1つ以上のアクチュエータを含むことができる。アクチュエータは、プロセッサ(複数可)110及び/又は支援システム160からの信号又は他の入力の受信に応答して、1つ以上の車両システム又はそのコンポーネントを修正、調整、及び/又は変更するように動作可能な任意の要素又は要素の組み合わせとすることができる。任意の適切なアクチュエータが使用され得る。例えば、1つ以上のアクチュエータは、いくつかの可能性を挙げると、モータ、空気圧アクチュエータ、油圧ピストン、リレー、ソレノイド、及び/又は圧電アクチュエータを含むことができる。
【0065】
車両100は、1つ以上のモジュールを含むことができ、そのうちの少なくともいくつかは本明細書に記載されている。モジュールは、プロセッサ110による実行時に、本明細書に記載された様々なプロセスのうちの1つ以上を実行するコンピュータ可読プログラムコードとして実装することができる。1つ以上のモジュールは、プロセッサ(複数可)110のコンポーネントとすることができ、又は1つ以上のモジュールは、プロセッサ(複数可)110が動作可能に接続されている他の処理システム上で実行、及び/又は他の処理システム間で分散することができる。モジュールは、1つ以上のプロセッサ(複数可)110によって実行可能な命令(例えば、プログラムロジック)を含むことができる。代替的に、あるいは追加して、1つ以上のデータストア115が、そのような命令を含んでもよい。
【0066】
1つ以上の構成において、本明細書に記載の1つ以上のモジュールは、人工又は計算知能要素、例えばニューラルネットワーク、ファジーロジック、又は他の機械学習アルゴリズムを含むことができる。さらに、1つ以上の構成において、1つ以上のモジュールが、本明細書で説明される複数のモジュールに分散されることができる。1つ以上の構成では、本明細書に記載のモジュールのうちの2つ以上を組み合わせて単一のモジュールにすることができる。
【0067】
車両100は、支援システム160を形成する1つ以上のモジュールを含むことができる。支援システム160は、センサシステム120から、及び/又は、車両100及び/又は車両100の外部環境に関する情報を取得できる任意の他のタイプのシステムから、データを受信するように構成することができる。1つ以上の構成では、支援システム160は、そのようなデータを使用して、1つ以上の運転シーンモデルを生成することができる。支援システム160は、車両100の位置及び速度を決定することができる。支援システム160は、障害物、又は、交通標識、樹木、低木、近隣車両、歩行者などを含む他の環境的特徴の位置を決定することができる。
【0068】
支援システム160は、プロセッサ(複数可)110、及び/又は本明細書に記載の1つ以上のモジュールによる使用のため、車両100の外部環境内の障害物の位置情報を受信及び/又は決定して、車両100の位置及び向き、複数の衛星からの信号に基づくグローバル座標における車両位置、又は、車両100の現在の状態を決定するために、又は地図を作成するか、地図データに関して車両100の位置を決定するかのいずれかでの使用のための環境に対する車両100の位置を決定するために使用され得る任意の他のデータ及び/又は信号を推定するように構成される。
【0069】
支援システム160は、独立して又はトレーラーシステム170と組み合わせて、センサシステム120によって取得されたデータ、運転シーンモデル、及び/又はセンサデータ240からの決定などの任意の他の適切なソースからのデータに基づいて、移動経路(複数可)、車両100の現在の自律運転操作、将来の自律運転操作、及び/又は現在の自律運転操作に対する修正を決定するように構成することができる。「運転操作」とは、車両の動きに影響を与える1つ以上のアクションを意味する。運転操作の例には、いくつかの可能性を挙げると、加速、減速、ブレーキ、旋回、車両100の横方向への移動、走行車線の変更、走行車線への合流、及び/又は後退が含まれる。支援システム160は、決定された運転操作を実施するように構成することができる。支援システム160は、直接的又は間接的に、そのような自律運転操作を実行させることができる。本明細書で使用される場合、「させる」又は「させている」は、直接的又は間接的に、イベント又はアクションが発生するように又は少なくともそのようなイベント又はアクションが発生し得る状態となるように強制する、命令する、指示する、及び/又は可能にすることを意味する。支援システム160は、様々な車両機能を実行し、及び/又は車両100又はその1つ以上のシステム(例えば、車両システム150の1つ以上)にデータを送信し、それらからデータを受信し、それらと相互作用し、及び/又はそれらを制御するように構成することができる。
【0070】
詳細な実施形態が本明細書に開示される。しかしながら、開示された実施形態は、例としてのみ意図されていることを理解されたい。従って、本明細書に開示される特定の構造的及び機能的詳細は、限定するものとして解釈されるべきではなく、単に請求項の基礎として、及び、実質的に任意の適切な詳細な構造で本明細書の態様を様々に使用することを当業者に教示するための代表的な基礎としてのみ解釈されるべきである。さらに、本明細書で使用される用語及び語句は、限定することを意図するものではなく、むしろ可能な実施形態の理解可能な説明を提供することを意図している。様々な実施形態が
図1~
図6に示されているが、実施形態は、図示された構造又は用途に限定されない。
【0071】
図中のフローチャート及びブロック図は、様々な実施形態による、システム、方法、及びコンピュータプログラム製品の可能な実施形態のアーキテクチャ、機能、及び動作を示している。これに関して、フローチャート又はブロック図の各ブロックは、特定される論理機能を実行するための1つ以上の実行可能な命令を含むモジュール、セグメント、又はコードの一部を表すことができる。一部の代替実施形態では、ブロックに記載されている機能が、図に記載されている順序とは異なる順序で発生する場合があることにも注意されたい。例えば、連続して示された2つのブロックは、実際には、実質的に同時に実行されても良いし、関係する機能に応じて、時には、ブロックが逆の順序で実行されても良い。
【0072】
上記のシステム、コンポーネント、及び/又はプロセスは、ハードウェア又はハードウェアとソフトウェアの組み合わせで実現でき、1つの処理システムにおいて集中方式によって、又は、様々な要素が相互接続されたいくつかの処理システムに分散している分散方式によって実現することができる。本明細書に記載の方法を実行するように適合された任意の種類の処理システム又は別の装置が適している。ハードウェアとソフトウェアの組み合わせが、コンピュータで使用可能なプログラムコードを備えた処理システムであり、そのプログラムコードが読み込まれて実行されるとき、本明細書で説明する方法を実行するように処理システムを制御する。システム、コンポーネント、及び/又はプロセスはまた、コンピュータプログラム製品又は他のデータプログラム記憶装置などのコンピュータ読み取り可能ストレージに埋め込まれ、マシンによって読み取り可能であり、本明細書に記載された方法及びプロセスを実行するためにマシンによって実行可能な命令のプログラムを実体的に具現化することができる。これらの要素は、本明細書に記載の方法の実施を可能にする全ての特徴を備え、処理システムにロードされたときにこれらの方法を実行できるアプリケーション製品に組み込むこともできる。
【0073】
さらに、本明細書で説明された構成は、例えば記憶されて、具現化されるコンピュータ可読プログラムコードを有する1つ以上のコンピュータ可読媒体に具現化されるコンピュータプログラム製品の形態をとることができる。1つ以上のコンピュータ可読媒体の任意の組み合わせが利用されてもよい。コンピュータ可読媒体は、コンピュータ可読信号媒体又はコンピュータ可読記憶媒体であり得る。「コンピュータ可読記憶媒体」との語句は、非一時的な記憶媒体を意味する。コンピュータ可読媒体は、限定されるものではないが、不揮発性媒体及び揮発性媒体を含む、形態をとることができる。不揮発性媒体には、例えば、光ディスク、磁気ディスクなどが含まれ得る。揮発性媒体には、例えば、半導体メモリ、ダイナミックメモリなどが含まれ得る。このようなコンピュータ可読媒体の例には、限定されるものではないが、フロッピーディスク、フレキシブルディスク、ハードディスク、磁気テープ、他の磁気媒体、ASIC、CD、他の光学媒体、RAM、ROM、メモリチップ又はカード、メモリスティック、及びコンピュータ、プロセッサ、又は他の電子デバイスが読み取ることが可能な他の媒体が含まれる。本明細書の文脈において、コンピュータ可読記憶媒体は、命令実行システム、装置、又はデバイスによる使用のための、又はそれと接続された、プログラムを含むことができる又は格納できる任意の有形の媒体であっても良い。
【0074】
以下は、本明細書で使用される選択された用語の定義を含む。定義は、用語の範囲内にあり、様々な実施形態に使用できる様々な例及び/又はコンポーネントの形式を含む。例は、限定することを意図していない。用語の単数形と複数形の両方が定義内に含まれ得る。
【0075】
「1つの実施形態」、「一実施形態」、「1つの例」、「一例」などへの言及は、そのように記載された実施形態(複数可)又は例(複数可)が、特定の特徴、構造、特性、性質、要素、又は制限を含み得ることを示すが、すべての実施形態又は例が、必ずしも、その特定の特徴、構造、特性、性質、要素、又は制限を含むわけではないことを示す。さらに、「1つの実施形態では」という語句の繰り返しの使用は、同じ実施形態を指す場合もあるが、必ずしもそうとは限らない。
【0076】
本明細書で使用される「モジュール」は、機能(複数可)又はアクション(複数可)を実行するように構成された、及び/又は、別のロジック、方法、及び/又はシステムから機能又はアクションを発揮させるように構成された、コンピュータ又は電気ハードウェアコンポーネント(複数可)、ファームウェア、命令を格納する非一時的コンピュータ可読媒体、及び/又は、これらのコンポーネントの組み合わせを含む。モジュールは、アルゴリズムによって制御されるマイクロプロセッサ、ディスクリート論理回路(例えば、ASIC)、アナログ回路、デジタル回路、プログラムされた論理デバイス、実行時にアルゴリズムを実行する命令を含むメモリデバイスなどを含むことができる。モジュールは、1つ以上の実施形態では、1つ以上のCMOSゲート、ゲートの組み合わせ、又は他の回路コンポーネントを含む。複数のモジュールが説明される場合、1つ以上の実施形態では、複数のモジュールを1つの物理的なモジュールコンポーネントに組み込むことを含む。同様に、単一のモジュールが説明される場合、1つ以上の実施形態では、複数の物理的なコンポーネント間に、単一のモジュールを分散させることを含む。
【0077】
さらに、本明細書で使用されるモジュールは、特定のタスクを実行する、又は、特定のデータ型を実装するルーチン、プログラム、オブジェクト、コンポーネント、データ構造などを含む。さらなる態様では、メモリは、一般に、記載されたモジュールを格納する。モジュールに関連付けられたメモリは、プロセッサ内に組み込まれたバッファ又はキャッシュ、RAM、ROM、フラッシュメモリ、又は、別の適切な電子記憶媒体であっても良い。さらに別の態様では、本開示によって想定されるモジュールは、特定用途向け集積回路(ASIC)、システムオンチップ(SoC)のハードウェアコンポーネント、プログラマブルロジックアレイ(PLA)、又は開示された機能を実行するための定義された構成セット(例えば、命令)が組み込まれた別の適切なハードウェアコンポーネントとして実現される。
【0078】
1つ以上の構成において、本明細書で説明する1つ以上のモジュールは、人工又は計算知能要素、例えば、ニューラルネットワーク、ファジーロジック、又は他の機械学習アルゴリズムを含むことができる。さらに、1つ以上の構成では、1つ以上のモジュールは、本明細書で説明する複数のモジュールに分散させることができる。1つ以上の構成において、本明細書に記載の2つ以上のモジュールは単一のモジュールに組み合わせることができる。
【0079】
コンピュータ可読媒体に具現化されるプログラムコードは、無線、有線、光ファイバ、ケーブル、RFなど、又は、前述の任意の適切な組み合わせを含むが、これらに限定されない任意の適切な媒体を使用して送信され得る。本構成の態様の動作を実行するためのコンピュータプログラムコードは、Java(登録商標)、Smalltalk、C++などのオブジェクト指向プログラミング言語、及び、Cプログラミング言語又は同様のプログラミング言語などの従来の手続き型プログラミング言語を含む、1つ以上のプログラミング言語の任意の組み合わせで記述することができる。プログラムコードは、スタンドアロンソフトウェアパッケージとして、完全にユーザのコンピュータ上で、部分的にユーザのコンピュータ上で、あるいは、一部をユーザのコンピュータ上でかつ一部をリモートコンピュータ上で、もしくは、完全にリモートコンピュータ又はサーバ上で実行することができる。後者のシナリオでは、リモートコンピュータは、ローカルエリアネットワーク(LAN)又はワイドエリアネットワーク(WAN)を含む任意のタイプのネットワークを介してユーザのコンピュータに接続されても良く、又は、その接続が外部コンピュータ(例えば、インターネットサービスプロバイダを使用してインターネットを介して)になされても良い。
【0080】
本明細書で使用される「a」及び「an」との用語は、1つではなく、1つ以上として定義される。本明細書で使用される「複数」という用語は、2つ、又は、3つ以上として定義される。本明細書で使用される「別の」という用語は、少なくとも2番目、又は、それ以上として定義される。本明細書で使用される「含む」、及び/又は、「有する」という用語は、「包含する」(すなわち、オープン言語)用語として定義される。本明細書で使用される「・・・と・・・との少なくとも1つ」という表現は、関連付けて列挙された項目の1つ、又は、複数のありとあらゆる可能な組み合わせを指し、それらを包含する。一例として、「A、B、及び、Cのうちの少なくとも1つ」という表現は、Aのみ、Bのみ、Cのみ、又はそれらの任意の組み合わせ(例えば、AB、AC、BC、又は、ABC)を含む。
【0081】
本明細書の態様は、その主旨又は本質的な特質から逸脱することなく、他の形態で具現化することができる。従って、本明細書の範囲を示すものとして、前述した明細書ではなく、以下の特許請求の範囲を参照すべきである。