(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-16
(45)【発行日】2024-07-24
(54)【発明の名称】溶媒可溶性ポリイミド化合物、該溶媒可溶性ポリイミド化合物を含むリチウムイオン二次電池負極作製用樹脂組成物、該リチウムイオン二次電池負極作製用樹脂組成物を用いて構成されるリチウムイオン二次電池用負極、及び該リチウムイオン二次電池用負極を備えるリチウムイオン二次電池
(51)【国際特許分類】
H01M 4/62 20060101AFI20240717BHJP
H01M 4/139 20100101ALI20240717BHJP
H01M 4/13 20100101ALI20240717BHJP
C08G 73/10 20060101ALI20240717BHJP
【FI】
H01M4/62 Z
H01M4/139
H01M4/13
C08G73/10
(21)【出願番号】P 2021546143
(86)(22)【出願日】2019-09-19
(86)【国際出願番号】 JP2019036819
(87)【国際公開番号】W WO2021053800
(87)【国際公開日】2021-03-25
【審査請求日】2022-06-21
(73)【特許権者】
【識別番号】517030859
【氏名又は名称】ウィンゴーテクノロジー株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000003506
【氏名又は名称】第一工業製薬株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100091487
【氏名又は名称】中村 行孝
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100120617
【氏名又は名称】浅野 真理
(74)【代理人】
【識別番号】100126099
【氏名又は名称】反町 洋
(72)【発明者】
【氏名】五島 敏之
(72)【発明者】
【氏名】ウィンモーソー
(72)【発明者】
【氏名】日比野 温彦
(72)【発明者】
【氏名】中山 真志
(72)【発明者】
【氏名】松本 真昌
(72)【発明者】
【氏名】東崎 哲也
【審査官】福井 晃三
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2018/105338(WO,A1)
【文献】特開2019-059959(JP,A)
【文献】特開2007-149604(JP,A)
【文献】特開2011-048969(JP,A)
【文献】特開2010-205609(JP,A)
【文献】特開2018-118947(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 4/00- 4/62
H01M 10/05-10/0587
C08G 73/10
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
リチウムイオン二次電池の電極材料として使用される、溶媒可溶性ポリイミドであって、
(a)カルボキシル基含有ジアミン
及び(b)芳香族ジアミン化合物
を含むジアミン成分と、(c)芳香族酸無水物
を含む酸無水物成分との反応物であるか、又は
(a)カルボキシル基含有ジアミン
を含むジアミン化合物と、(e)脂環式酸無水物
を含む酸無水物成分との反応物であり、
前記(b)芳香族ジアミン化合物として、下記一般式(3)で表されるジアミン化合物を含み、
【化1】
(一般式(3)中、R
2
~R
9
は、それぞれ独立して、水素、フッ素、置換又は無置換のアルキル基及び置換又は無置換の芳香族基からなる群より選択され、R
2
~R
9
の少なくとも1つが、芳香族基である。)
前記溶媒可溶性ポリイミドは、N-メチル-2-ピロリドン、N,N’-ジメチルイミダゾリジノン及びγ-ブチロラクトンからなる群より選択される少なくとも1種の有機溶媒に可溶なポリイミドであり、
弾性率が、3.4GPa以上であり、引張強度が、90MPa以上であることを特徴とする、溶媒可溶性ポリイミド化合物。
【請求項2】
前記(a)カルボキシル基含有ジアミン化合物が、下記一般式(1)又は(2)で表される、請求項1に記載の溶媒可溶性ポリイミド化合物。
【化2】
(一般式(1)及び(2)中、R
1は、単結合又は(CH
2)
pで表され、pは1~6の整数であり、n及びoは、それぞれ、1~5の整数である。)
【請求項3】
前記(c)芳香族酸無水物が、下記一般式(4)で表される、請求項1
又は2に記載の溶媒可溶性ポリイミド化合物。
【化3】
(一般式(4)中、Xは、単結合、炭素数1~6のアルキル基、(CF
3)
2C、SO
2及び酸素原子から選択される。)
【請求項4】
前記(e)脂環式酸無水物が、ノルボルナン-2-スピロ-α-シクロペンタノン-α’-スピロ-2’’-ノルボルナン-5,5’’,6,6’’-テトラカルボン酸二無水物及びビシクロ[2,2,2]オクト-エン-2,3,5,6-テトラカルボン酸二無水物からなる群より選択される少なくとも1種である、請求項1~
3のいずれか一項に記載の溶媒可溶性ポリイミド化合物。
【請求項5】
請求項1~
4のいずれか一項に記載の溶媒可溶性ポリイミド化合物と、負極活物質とを含むことを特徴とする、リチウムイオン二次電池負極作製用樹脂組成物。
【請求項6】
負極集電体と、前記負極集電体上に形成された負極活性物質層と、を備え、
前記負極活性物質層が、請求項
5に記載のリチウムイオン二次電池負極作製用樹脂組成物により構成されることを特徴とする、リチウムイオン二次電池用負極。
【請求項7】
請求項
5に記載のリチウムイオン二次電池用負極と、正極とを備えることを特徴とする、リチウムイオン二次電池。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、溶媒可溶性ポリイミド化合物、該溶媒可溶性ポリイミド化合物を含むリチウムイオン二次電池負極作製用樹脂組成物、該リチウムイオン二次電池負極作製用樹脂組成物を用いて構成されるリチウムイオン二次電池用負極、及び該リチウムイオン二次電池用負極を備えるリチウムイオン二次電池に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、スマートフォン等をはじめとする電子機器の小型化が急激に進んでおり、小型で軽量かつ、高エネルギー密度を得ることが可能なリチウムイオン二次電池の開発が盛んに行われている。
リチウムイオン二次電池に含有させる負極活物質として、放電容量が高く、初回充放電効率及びサイクル特性に優れる、シリコン(Si)材料が使用されているが、シリコンは充放電時における膨張収縮が大きく、繰り返しの使用により、負極活物質間の導電パスの切断や、集電体と負極活性物質層との剥離等が生じるおそれがあった。
【0003】
上記シリコン材料の問題に鑑み、負極を構成する材料、バインダー樹脂として、従来より使用されていたカルボキシメチルセルロース等に代えて、ポリイミド化合物の使用が検討されている(特許文献1等参照)。
【0004】
しかしながら、その初回充放電効率及びサイクル特性には改善の余地があり、初回充放電効率及びサイクル特性をより一層改善することのできる、ポリイミド化合物が求められていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】国際公開WO2017/138604号パンフレット
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上記問題に鑑みて行われたものであり、その解決しようとする課題は、リチウムイオン二次電池の初回充放電効率及びサイクル特性を顕著に改善することのできる、溶媒可溶性ポリイミド化合物を提供することである。
また、該溶媒可溶性ポリイミド化合物を含むリチウムイオン二次電池負極作製用樹脂組成物を提供することである。
また、該リチウムイオン二次電池負極作製用樹脂組成物を用いて構成されるリチウムイオン二次電池用負極を提供することである。
さらに、該リチウムイオン二次電池用負極を備えるリチウムイオン二次電池を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の溶媒可溶性ポリイミド化合物は、リチウムイオン二次電池の電極材料として使用される、溶媒可溶性ポリイミドであって、
カルボキシル基含有ジアミンと、酸無水物との反応物であり、
弾性率が、3.4GPa以上であることを特徴とする。
【0008】
一実施形態において、カルボキシル基含有ジアミン化合物が、下記一般式(1)又は(2)で表される。
【化1】
(一般式(1)及び(2)中、R
1は、単結合又は(CH
2)
pで表され、pは1~6の整数であり、n及びoは、それぞれ、1~5の整数である。)
【0009】
一実施形態において、本発明の溶媒可溶性ポリイミド化合物は、重合成分として、芳香族ジアミン化合物を含む。
【0010】
一実施形態において、本発明の溶媒可溶性ポリイミド化合物は、芳香族ジアミン化合物として、下記一般式(3)で表されるジアミン化合物を含む。
【化2】
(一般式(3)中、R
2~R
9は、それぞれ独立して、水素、フッ素、置換又は無置換のアルキル基及び置換又は無置換の芳香族基からなる群より選択され、R
2~R
9の少なくとも1つが、芳香族基である。)
【0011】
一実施形態において、本発明の溶媒可溶性ポリイミド化合物は、(a)カルボキシル基含有ジアミン化合物と、(b)芳香族ジアミン化合物と、(c)芳香族酸無水物との反応物である。
【0012】
一実施形態において、(c)芳香族酸無水物が、下記一般式(4)で表される。
【化3】
(一般式(4)中、Xは、単結合、炭素数1~6のアルキル基、(CF
3)
2C、SO
2及び酸素原子から選択される。)
【0013】
一実施形態において、本発明の溶媒可溶性ポリイミド化合物は、(d)カルボキシル基含有ジアミン化合物と、(e)脂環式酸無水物との反応物である。
【0014】
本発明のリチウムイオン二次電池負極作製用樹脂組成物は、上記溶媒可溶性ポリイミド化合物と、負極活物質とを含むことを特徴とする。
【0015】
本発明のリチウムイオン二次電池用負極は、負極集電体と、負極集電体上に形成された負極活性物質層と、を備え、
負極活性物質層が、上記リチウムイオン二次電池負極作製用樹脂組成物により構成されることを特徴とする。
【0016】
本発明のリチウムイオン二次電池は、上記リチウムイオン二次電池用負極と、正極とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、リチウムイオン二次電池の初回充放電効率及びサイクル特性を顕著に改善することのできる、溶媒可溶性ポリイミド化合物を提供することができる。
また、該溶媒可溶性ポリイミド化合物を含むリチウムイオン二次電池負極作製用樹脂組成物を提供することができる。
また、該リチウムイオン二次電池負極作製用樹脂組成物を用いて構成されるリチウムイオン二次電池用負極を提供することができる。
さらに、該リチウムイオン二次電池用負極を備えるリチウムイオン二次電池を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0018】
(溶媒可溶性ポリイミド化合物)
本発明の溶媒可溶性ポリイミド化合物は、カルボキシル基含有ジアミン化合物と、酸無水物との反応物であることを特徴とする。
本発明の溶媒可溶性ポリイミド化合物は、カルボキシル基含有ジアミン化合物及び酸無水物をそれぞれ2種以上反応させたものであってもよい。
【0019】
本発明において、「溶媒可溶性ポリイミド化合物」とは、100gの有機溶媒に5g以上溶解するポリイミド化合物を意味する。
【0020】
本発明の溶媒可溶性ポリイミド化合物の弾性率は、3.4GPa以上であることを特徴とする。また、より好ましくは、溶媒可溶性ポリイミド化合物の弾性率は3.6GPa以上、10GPa以下である。
なお、本発明において、ポリイミド化合物の弾性率は、約15μm厚のポリイミド単独膜を作製後、10mm×80mmのサイズの試験片とし、引張試験機(島津製作所社製、商品名:AG-Xplus 50kN)を用いて、引張速度10mm/分にてMD方向及びTD方向の弾性率を測定した。MD方向の弾性率及びTD方向の弾性率の平均値を算出した。
【0021】
本発明の溶媒可溶性ポリイミド化合物の引張強度は、90MPa以上であることが好ましく、110MPa以上であることがより好ましい。溶媒可溶性ポリイミド化合物の引張強度を110MPa以上とすることにより、シリコン材料の充放電時の膨張収縮に耐え、サイクル特性が向上する。
なお、本発明において、ポリイミド化合物の引張強度は、約15μm厚のポリイミド単独膜を作製後、10mm×80mmのサイズの試験片とし、引張試験機(島津製作所社製、商品名:AG-Xplus 50kN)を用いて、引張速度10mm/分にてMD方向及びTD方向の引張強度を測定した。MD方向の引張強度及びTD方向の引張強度の平均値を算出した。
【0022】
本発明の溶媒可溶性ポリイミド化合物の数平均分子量は、20000~150000であることが好ましく、30000~100000であることがより好ましい。
なお、本発明において、数平均分子量とはゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)装置により標準ポリスチレンを用いて作成した検量線を基礎としたポリスチレン換算値である。
数平均分子量を上記数値範囲とすることにより、バインダー作製時の取り扱い、電極作製が容易で、なおかつ強固な負極活性物質層を得ることができる。
【0023】
好ましくは、カルボキシル基含有ジアミン化合物は、下記一般式(1)又は(2)で表される。このような一般式で表されるカルボキシル基含有ジアミン化合物を使用することにより、リチウムイオン二次電池の初回充放電効率及びサイクル特性をより改善することができる。
より好ましくは、カルボキシル基含有ジアミン化合物は、下記一般式(1)で表される。
なお、一般式(1)で表されるジアミン化合物と、一般式(2)で表されるジアミン化合物とを併用してもよい。
【化4】
【0024】
上記一般式(1)及び(2)中において、R1は、単結合又は(CH2)pで表され、pは1~6の整数であり、1~3であることが好ましい。
また、上記一般式(1)及び(2)中において、n及びoは、それぞれ、1~5の整数であり、1~3であることがより好ましく、1であることが特に好ましい。
【0025】
上記一般式(1)又は(2)を満たすジアミン化合物としては、以下の化合物が挙げられるが、これらに限定されるものではない。また、これらを併用してもよい。
【化5】
【化6】
【0026】
列挙したジアミン化合物の中でも、以下のジアミン化合物が好ましい。このようなジアミン化合物を使用することにより、リチウムイオン二次電池の初回充放電効率及びサイクル特性をより改善することができる。また、これらを併用してもよい。
【化7】
【0027】
カルボキシル基含有ジアミン化合物として、一般式(1)又は(2)で表されるジアミン化合物以外のもの(以下、その他のカルボキシル基含有ジアミン化合物という。)を使用してもよく、一般式(1)又は(2)で表されるジアミン化合物と併用してもよい。
その他のカルボキシル基含有ジアミン化合物としては、例えば、1,3-ビス(4-アミノ-2-カルボキシフェノキシ)ベンゼン、3,5-ビス(4-アミノフェノキシ)安息香酸、5-アミノ-2-(アミノフェノキシ)安息香酸及び3,5-ジアミノ安息香酸等が挙げられる。
【0028】
酸無水物は、特に限定されるものではなく、芳香族酸無水物を使用してもよく、脂肪族酸無水物を使用してもよく、これらを併用してもよい。
また、脂肪族酸無水物は、直鎖状のものであってもよく、分岐鎖状のものであってもよく、脂環式のものであってもよい。
【0029】
芳香族酸無水物としては、例えば、4,4’-オキシジフタル酸二無水物(ODPA)、3,3’,4,4’-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(BPDA)、2,3-ナフタレンジカルボン酸無水物、ピロリメット酸二無水物、3-フルオロピロメリット酸二無水物、3,6-ジフルオロピロメリット酸二無水物、3,6-ビス(トリフルオロメチル)ピロメリット酸二無水物、1,2,3,4-ベンゼンテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’-ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’-ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’-ビフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、2,3,3’,4’-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3’’,4,4’’-テルフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3’’’,4,4’’’-クァテルフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、メチレン-4,4’-ジフタル酸二無水物、1,1-エチニリデン-4,4’-ジフタル酸二無水物、2,2-プロピリデン-4,4’-ジフタル酸二無水物、1,2-エチレン-4,4’-ジフタル酸二無水物、1,3-トリメチレン-4,4’-ジフタル酸二無水物、1,4-テトラメチレン-4,4’-ジフタル酸二無水物、1,5-ペンタメチレン-4,4’-ジフタル酸二無水物、1,3-ビス〔2-(3,4-ジカルボキシフェニル)-2-プロピル〕ベンゼン二無水物、1,4-ビス〔2-(3,4-ジカルボキシフェニル)-2-プロピル〕ベンゼン二無水物、ビス〔3-(3,4-ジカルボキシフェノキシ)フェニル〕メタン二無水物、ビス〔4-(3,4-ジカルボキシフェノキシ)フェニル〕メタンニ無水物、2,2-ビス〔3-(3,4-ジカルボキシフェノキシ)フェニル〕プロパン二無水物、2,2-ビス〔4-(3,4-ジカルボキシフェノキシ)フェニル〕プロパン二無水物、ジフルオロメチレン-4,4’-ジフタル酸二無水物、1,1,2,2-テトラフルオロ-1,2-エチレン-4,4’-ジフタル酸二無水物、3,3’,4,4’-ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、オキシ-4,4’-ジフタル酸二無水物、ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)エ-テル二無水物、チオ-4,4’-ジフタル酸二無水物、スルホニル-4,4’-ジフタル酸二無水物、1,3-ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)ベンゼン二無水物、1,4-ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)ベンゼン二無水物、1,3-ビス(3,4-ジカルボキシフェノキシ)ベンゼン二無水物、1,4-ビス(3,4-ジカルボキシフェノキシ)ベンゼン二無水物、ビス(3,4-ジカルボキシフェノキシ)ジメチルシラン二無水物、1,3-ビス(3,4-ジカルボキシフェノキシ)-1,1,3,3-テトラメチルジシロキサン二無水物、2,3,6,7-ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,2,5,6-ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,5,5’-テトラキス(トリフルオロメチル)オキシ-4,4’-ジフタル酸二無水物、3,3’,6,6’-テトラキス(トリフルオロメチル)オキシ-4,4’-ジフタル酸二無水物、5,5’,6,6’-テトラキス(トリフルオロメチル)オキシ-4,4’-ジフタル酸二無水物、3,3’,5,5’,6,6’-ヘキサキス(トリフルオロメチル)オキシ-4,4’-ジフタル酸二無水物、3,3’-ジフルオロスルホニル-4,4’-ジフタル酸二無水物、5,5’-ジフルオロスルホニル-4,4’-ジフタル酸二無水物、6,6’-ジフルオロスルホニル-4,4’-ジフタル酸二無水物、3,3’,5,5’,6,6’-ヘキサフルオロスルホニル-4,4’-ジフタル酸二無水物、3,3’-ビス(トリフルオロメチル)スルホニル-4,4’-ジフタル酸二無水物、5,5’-ビス(トリフルオロメチル)スルホニル-4,4’-ジフタル酸二無水物、6,6’-ビス(トリフルオロメチル)スルホニル-4,4’-ジフタル酸二無水物、3,3’,5,5’-テトラキス(トリフルオロメチル)スルホニル-4,4’-ジフタル酸二無水物、3,3’,6,6’-テトラキス(トリフルオロメチル)スルホニル-4,4’-ジフタル酸二無水物、5,5’,6,6’-テトラキス(トリフルオロメチル)スルホニル-4,4’-ジフタル酸二無水物、3,3’,5,5’,6,6’-ヘキサキス(トリフルオロメチル)スルホニル-4,4’-ジフタル酸二無水物、3,3’-ジフルオロ-2,2-パーフルオロプロピリデン-4,4’-ジフタル酸二無水物、5,5’-ジフルオロ-2,2-パーフルオロプロピリデン-4,4’-ジフタル酸二無水物、6,6’-ジフルオロ-2,2-パーフルオロプロピリデン-4,4’-ジフタル酸二無水物、3,3’,5,5’,6,6’-ヘキサフルオロ-2,2-パーフルオロプロピリデン-4,4’-ジフタル酸二無水物、3,3’-ビス(トリフルオロメチル)-2,2-パーフルオロプロピリデン-4,4’-ジフタル酸二無水物及び4,4’-(4,4’-イソプロピリデンジフェノキシ)ビスフタル酸二無水物等が挙げられる。
脂肪族酸無水物としては、例えば、ノルボルナン-2-スピロ-α-シクロペンタノン-α’-スピロ-2’’-ノルボルナン-5,5’’,6,6’’-テトラカルボン酸二無水物(CpODA)、ビシクロ[2,2,2]オクト-エン-2,3,5,6-テトラカルボン酸二無水物(BTA)、1,2,4,5-シクロヘキサンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4-ブタンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’-ビシクロヘキシルテトラカルボン酸二無水物、カルボニル-4,4’-ビス(シクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸)二無水物、メチレン-4,4’-ビス(シクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸)二無水物、1,2-エチレン-4,4’-ビス(シクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸)二無水物、オキシ-4,4’-ビス(シクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸)二無水物、チオ-4,4’-ビス(シクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸)二無水物及びスルホニル-4,4’-ビス(シクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸)二無水物等が挙げられる。
【0030】
一実施形態において、本発明のポリイミド化合物は、重合成分として、芳香族ジアミン化合物を含む。なお、本発明においては、芳香族ジアミン化合物とは、カルボキシル基を有しない芳香族ジアミン化合物を意味する。
【0031】
芳香族ジアミン化合物としては、例えば、ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]スルホン(BAPS)、2,2’-ビス(トリフルオロメチル)ベンジジン、m-フェニレンジアミン、p-フェニレンジアミン、2,4-ジアミノトルエン、2,4(6)-ジアミノ-3,5-ジエチルトルエン、5(6)-アミノ-1,3,3-トリメチル-1-(4-アミノフェニル)インダン、4,4’-ジアミノ-2,2’-ジメチル-1,1’-ビフェニル、4,4’-ジアミノ-3,3’-ジメチル-1,1’-ビフェニル、3,4’-ジアミノジフェニルエーテル、4,4’-ジアミノジフェニルエーテル、3,3’-ジアミノジフェニルスルホン、4,4’-ジアミノジフェニルスルホン、4,4’-ジアミノジフェニルスルフィド、4-アミノフェニル-4-アミノベンゾエート、4,4’-(9-フルオレニリデン)ジアニリン、9,9’-ビス(3-メチル-4-アミノフェニル)フルオレン、1,3-ビス(3-アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3-ビス(4-アミノフェノキシ)ベンゼン(TPE-R)、1,4-ビス(4-アミノフェノキシ)ベンゼン、2,2-ビス(4-アミノフェニル)プロパン、2,2-ビス(3-メチル-4-アミノフェニル)プロパン、4,4’-(ヘキサフルオロイソプロピリデン)ジアニリン、2,2-ビス(3-アミノ-4-メチルフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2-ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2-ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、α,α-ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]-1,3-ジイソプロピルベンゼン、α,α-ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]-1,4-ジイソプロピルベンゼン、3,7-ジアミノ-ジメチルジベンゾチオフェン 5,5-ジオキシド、ビス(3-カルボキシー4-アミノフェニル)メチレン、3,3’-ジアミノ-4,4’-ジヒドロキシ-1,1’-ビフェニル、4,4’-ジアミノ-3,3’-ジヒドロキシ-1,1’-ビフェニル、2,2-ビス(3-アミノ-4-ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2-ビス(3-アミノ-4-ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、1、3-ビス(3-ヒドロキシ-4-アミノフェノキシ)ベンゼン、2,2-ビス(3-ヒドロキシ-4-アミノフェニル)ベンゼン及び3,3’-ジアミノ-4,4’-ジヒドロキシジフェニルスルホン等が挙げられる。
上記した中でも、リチウムイオン二次電池の初回充放電効率及びサイクル特性という観点から、ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]スルホン(BAPS)及び1,3-ビス(4-アミノフェノキシ)ベンゼン(TPE-R)が好ましい。
【0032】
また、芳香族ジアミン化合物として下記一般式(3)で表されるジアミン化合物を使用することもできる。このような構造のジアミン化合物を使用することにより、リチウムイオン二次電池の初回充放電効率及びサイクル特性をより改善することができる。また、ポリイミド化合物の溶媒可溶性をより向上することができる。
【化8】
【0033】
上記一般式(3)中、R
2~R
9は、それぞれ独立して、水素、フッ素、置換又は無置換のアルキル基及び置換又は無置換の芳香族基からなる群より選択され、R
2~R
9の少なくとも1つが、芳香族基である。好ましくは、R
2~R
9の1つ又は2つが芳香族基である。
好ましくは、R
6~R
9の1つ又は2つが、置換又は無置換の芳香族基であり、より好ましくは、少なくともR
6又はR
8が芳香族基である。
上記した位置に芳香族基を有することにより、ジアミン化合物の立体障害性を抑えることができ、酸無水物等との重合反応を良好に進めることができる。
特に好ましい態様においては、R
6~R
9の1つ又は2つが置換又は無置換の芳香族基であり、芳香族基以外のR
2~R
9が水素、フッ素及び置換又は無置換のアルキル基からなる群より選択される。
具体的には、以下の化学式で表されるような化合物が挙げられる(R
8が芳香族基であり、R
8以外のR
2~R
7及びR
9が水素である態様)。
【化9】
【0034】
本発明において、アルキル基には、直鎖状のもの、分岐鎖状のもの及び環状のものが含まれ、さらに、酸素原子や窒素原子を介して主骨格と結合するアルコキシ基やアルキルアミノ基等が含まれる。
また、芳香族基についても同様に、酸素原子、窒素原子や炭素原子を介して主骨格と結合する置換基が含まれる。さらに、芳香族基には、ピロール基等のヘテロ芳香族基が含まれる。
【0035】
アルキル基及び芳香族基は、無置換であることが好ましいが、置換基を有していてもよく、例えば、アルキル基、フルオロ基やクロロ基等のハロゲン基、アミノ基、ニトロ基、ヒドロキシル基、シアノ基、カルボキシル基、スルホン酸基等が挙げられる。アルキル基、芳香族基は、これらの置換基を1以上又は2以上有するものであってもよい。
【0036】
アルキル基は、炭素数1~10であることが好ましく、1~3であることがより好ましい。
炭素数1~10のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、tert-ブチル基、n-ペンチル基、sec-ペンチル基、n-へキシル基、シクロへキシル基、n-へプチル基、n-オクチル基、n-ノニル基、n-デシル基、フルオロメチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、クロロメチル基、ジクロロメチル基、トリクロロメチル基、ブロモメチル基、ジブロモメチル基、トリブロモメチル基、フルオロエチル基、ジフルオロエチル基、トリフルオロエチル基、クロロエチル基、ジクロロエチル基、トリクロロエチル基、ブロモエチル基、ジブロモエチル基、トリブロモエチル基、ヒドロキシメチル基、ヒドロキシエチル基、ヒドロキシルプロピル基、メトキシ基、エトキシ基、n-プロポキシ基、n-ブトキシ基、n-ペンチルオキシ基、sec-ペンチルオキシ基、n-へキシルオキシ基、シクロへキシルオキシ基、n-へプチルオキシ基、n-オクチルオキシ基、n-ノニルオキシ基、n-デシルオキシ基、トリフルオロメトキシ基、メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、トリメチルアミノ基、エチルアミノ基、プロピルアミノ基等が挙げられる。
上記したアルキル基の中でも、立体障害性、耐熱性という理由からメチル基、エチル基、メトキシ基、エトキシ基及びトリフルオロメチル基が好ましい。
【0037】
芳香族基は、炭素数5~20であることが好ましく、6~10であることがより好ましい。
炭素数5~20の芳香族基としては、例えば、フェニル基、トリル基、メチルフェニル基、ジメチルフェニル基、エチルフェニル基、ジエチルフェニル基、プロピルフェニル基、ブチルフェニル基、フルオロフェニル基、ペンタフルオロフェニル基、クロルフェニル基、ブロモフェニル基、メトキシフェニル基、ジメトキシフェニル基、エトキシフェニル基、ジエトキシフェニル基、ベンジル基、メトキシベンジル基、ジメトキシベンジル基、エトキシベンジル基、ジエトキシベンジル基、アミノフェニル基、アミノベンジル基、ニトロフェニル基、ニトロベンジル基、シアノフェニル基、シアノベンジル基、フェネチル基、フェニルプロピル基、フェノキシ基、ベンジルオキシ基、フェニルアミノ基、ジフェニルアミノ基、ビフェニル基、ナフチル基、フェニルナフチル基、ジフェニルナフチル基、アントリル基、アントリルフェニル基、フェニルアントリル基、ナフタセニル基、フェナントリル基、フェナントリルフェニル基、フェニルフェナントリル基、ピレニル基、フェニルピレニル基、フルオレニル基、フェニルフルオレニル基、ナフチルエチル基、ナフチルプロピル基、アントラセニルエチル基、フェナントリルエチル基、やピロール基、イミダゾール基、チアゾール基、オキサゾール基、フラン基、チオフェン基、トリアゾール基、ピラゾール基、イソオキサゾール基、イソチアゾール基、ピリジン基、ピリミジン基、ベンゾフラン基、ベンゾチオフェン基、キノリン基、イソキノリン基、インドリル基、ベンゾチアゾリル基、カルバゾリル基等のヘテロ芳香族基が挙げられる。
上記した芳香族基の中でも、出発原料入手容易性、合成コスト面からは、フェニル基、フェノキシ基、ベンジル基及びベンジルオキシ基が好ましい。
【0038】
以下、ポリイミド化合物の好ましい態様について説明する。
【0039】
本発明に係るポリイミド化合物の特に好ましい態様の1つとしては、ポリイミド化合物は、(a)カルボキシル基含有ジアミン化合物と、(b)芳香族ジアミン化合物と、(c)芳香族酸無水物との反応物である。
【0040】
(a)カルボキシル基含有ジアミン化合物としては、上記一般式(1)又は(2)で表されるジアミン化合物を使用することが好ましい。一般式(1)又は(2)を満たすジアミン化合物中におけるより好ましい態様については上記した通りである。
【0041】
ポリイミド化合物における(a)カルボキシル基含有ジアミン化合物の含有量は、全ジアミン量100モル%に対して10モル%以上、90モル%以下であることが好ましく、20モル%以上、80モル%以下であることがより好ましい。
上記数値範囲とすることにより、リチウムイオン二次電池の初回充放電効率及びサイクル特性をより改善することができる。さらに、ポリイミド化合物を含むワニスがゲル化してしまうことを防止することができる。
【0042】
(b)芳香族ジアミン化合物としては、上記したものを適宜選択して使用することができる。上記した芳香族ジアミン化合物の中でも、ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]スルホン(BAPS)、1,3-ビス(4-アミノフェノキシ)ベンゼン(TPE-R)及び上記一般式(3)を満たす芳香族ジアミン化合物が好ましい。また、これらを併用してもよい。
【0043】
ポリイミド化合物における(b)芳香族ジアミン化合物の含有量は、全ジアミン量100モル%に対して10モル%以上、90モル%以下であることが好ましく、20モル%以上、80モル%以下であることがより好ましい。これにより、リチウムイオン二次電池の初回充放電効率及びサイクル特性をより改善することができる。
【0044】
(c)芳香族酸無水物としては、下記一般式(4)で表されるものを使用することが好ましい。このような芳香族酸無水物を使用することにより、リチウムイオン二次電池の初回充放電効率及びサイクル特性をより改善することができる。
【化10】
【0045】
上記一般式(4)中、Xは、単結合、炭素数1~6のアルキル基、(CF3)2C、SO2及び酸素原子から選択される。
【0046】
上記一般式(4)を満たす芳香族酸無水物としては、4,4’-オキシジフタル酸二無水物(ODPA)、3,3’,4,4’-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(BPDA)、3,3’,4,4’-ビフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、2,3,3’,4’-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物等が挙げられる。
【0047】
なお、(c)芳香族酸無水物は、これに限定されるものではなく、一般式(4)を満たさない上記した芳香族酸無水物を使用してもよい。
【0048】
特に好ましい態様に係るポリイミド化合物は、本発明の特性を損なわない範囲において、(a)カルボキシル基含有ジアミン化合物と、(b)芳香族ジアミン化合物と及び(c)芳香族酸無水物以外の重合成分を含んでいてもよい。
【0049】
本発明に係るポリイミド化合物の特に好ましい態様の1つとしては、(d)カルボキシル基含有ジアミン化合物と、(e)脂環式酸無水物との反応物である。
【0050】
(d)カルボキシル基含有ジアミン化合物としては、上記一般式(1)又は(2)で表されるジアミン化合物を使用することが好ましい。一般式(1)又は(2)を満たすジアミン化合物中におけるより好ましい態様については上記した通りである。
【0051】
ポリイミド化合物における(d)カルボキシル基含有ジアミン化合物の含有量は、全ジアミン量100モル%に対して10モル%以上、90モル%以下であることが好ましく、20モル%以上、80モル%以下であることがより好ましい。これにより、リチウムイオン二次電池の初回充放電効率及びサイクル特性をより改善することができる。
【0052】
(e)脂環式酸無水物としては、上記したものを適宜選択して使用することができる。上記した脂環式酸無水物の中でも、リチウムイオン二次電池の初回充放電効率という観点からは、ノルボルナン-2-スピロ-α-シクロペンタノン-α’-スピロ-2’’-ノルボルナン-5,5’’,6,6’’-テトラカルボン酸二無水物(CpODA)及びビシクロ[2,2,2]オクト-エン-2,3,5,6-テトラカルボン酸二無水物(BTA)が好ましい。
【0053】
特に好ましい態様に係るポリイミド化合物は、本発明の特性を損なわない範囲において、(d)カルボキシル基含有ジアミン化合物及び(e)脂環式酸無水物以外の重合成分を含んでいてもよい。
【0054】
本発明のポリイミド化合物は、上記ジアミン化合物及び上記酸無水物を使用して従来公知の方法により製造することができる。具体的には、ジアミン化合物と酸無水物とを反応させ、ポリアミド酸を得た後、環化脱水反応を行い、ポリイミド化合物に転化させることにより得ることができる。
【0055】
酸無水物と、ジアミン化合物の混合比は、酸無水物の総量1モル%に対し、ジアミン化合物の総量を0.5モル%~1.5モル%であることが好ましく、0.9モル%~1.1モル%であることがより好ましい。
【0056】
ジアミン化合物と酸無水物との反応は、有機溶媒中において行うことが好ましい。有機溶媒としては、本発明のジアミン化合物及び酸無水物と反応することがなく、ジアミン化合物と酸無水物との反応物を溶解することができるものであれば特に限定されるものではなく、N-メチル-2-ピロリドン、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、N,N’-ジメチルイミダゾリジノン、γ-ブチロラクトン、ジメチルスルホキシド、スルホラン、1,3-ジオキソラン、テトラヒドロフラン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、ジベンジルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピルアセテート、プロピレングリコールジアセテート、ブチルアセテート、イソブチルアセテート、3-メトキシブチルアセテート、3-メチル-3-メトキシブチルアセテート、ンジルアセテート、ブチルカルビトールアセテート、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸ブチル、安息香酸メチル、安息香酸エチル、トリグライム、テトラグライム、アセチルアセトン、メチルプロピルケトン、メチルブチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロペンタノン、2-ヘプタノン、ブチルアルコール、イソブチルアルコール、ペンタノール、4-メチル-2-ペンタノール、3-メチル-2-ブタノール、3-メチル-3-メトキシブタノール、ジアセトンアルコール、トルエン、キシレン等が挙げられる。
本発明のポリイミド化合物の溶解性という観点からは、N-メチル-2-ピロリドン、N,N’-ジメチルイミダゾリジノン、γ-ブチロラクトンがポリイミドにおいて好ましい。
【0057】
ジアミン化合物と酸無水物との反応温度は、化学的イミド化の場合は40℃以下であることが好ましい。また、熱イミド化の場合は150~220℃であることが好ましく、170~200℃であることがより好ましい。
【0058】
環化脱水反応時には、イミド化触媒を使用してもよく、例えば、メチルアミン、エチルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、プロピルアミン、トリプロピルアミン、ブチルアミン、トリブチルアミン、tert-ブチルアミン、へキシルアミン、トリエタノールアミン、N,N-ジメチルエタノールアミン、N,N-ジエチルエタノールアミン、トリエチレンジアミン、N-メチルピロリジン、N-エチルピロリジン、アニリン、ベンジルアミン、トルイジン、トリクロロアニリン、ピリジン、コリジン、ルチジン、ピコリン、キノリン、イソキノリン、バレロラクトン等を使用することができる。
また、必要に応じて、トルエン、キシレン、エチルシクロヘキサンのような共沸脱水剤、無水酢酸、無水プロピオン酸、無水酪酸、無水安息香酸等の酸触媒を使用することができる。
【0059】
ジアミン化合物と酸無水物との反応において、安息香酸、無水フタル酸、水添無水フタル酸等の封止剤を使用することができる。
さらに、無水マレイン酸、エチニルフタル酸無水物、メチルエチニルフタル酸無水物、フェニルエチニルフタル酸無水物、フェニルエチニルトリメリット酸無水物、3-又は4-エチニルアニリン等を用いることにより、ポリイミド化合物の末端に二重結合又は三重結合を導入することもできる。
【0060】
(リチウムイオン二次電池負極作製用樹脂組成物)
本発明のリチウムイオン二次電池負極作製用樹脂組成物(以下、場合により、単に樹脂組成物という)は、上記ポリイミド化合物と、負極活物質とを含む。また、一実施形態において、該樹脂組成物は、導電剤を含む。
【0061】
ポリイミド化合物の構成については上記したため、ここでは記載を省略する。
樹脂組成物におけるポリイミド化合物の含有量は、1質量%以上、20質量%以下であることが好ましく、3質量%以上、18質量%以下であることがより好ましい。
樹脂組成物におけるポリイミド化合物の含有量を上記数値範囲内とすることにより、リチウムイオン二次電池の初回充放電効率及びサイクル特性をより改善することができる。
【0062】
本発明の樹脂組成物においては、シリコンの体積変化を効果的に防止することができるため、負極活物質としては、シリコン材料を使用することが好ましい。
シリコン材料としては、シリコン粒子、スズ、ニッケル、鉄、銅、銀、コバルト、マンガン及び亜鉛等の金属とケイ素との合金、並びに、ホウ素、窒素、酸素及び炭素等とケイ素との化合物等が挙げられる。
シリコン材料としては、例えば、SiO、SiO2、SiB4、Mg2Si、Ni2Si、CoSi2、NiSi2、Cu5Si、FeSi2、MnSi2、ZnSi2、SiC、Si3N4及びSi2N2O等が挙げられる。
【0063】
負極活物質として、シリコン材料以外のものを使用してもよく、例えば、金属リチウム、金属酸化物や黒鉛を挙げることができる。
【0064】
なお、樹脂組成物は、負極活物質を2種以上含んでいてもよい。
【0065】
樹脂組成物における負極活物質の含有量は、70質量%以上、99質量%以下であることが好ましく、75質量%以上、95質量%以下であることがより好ましい。
樹脂組成物における負極活物質の含有量を上記数値範囲内とすることにより、リチウムイオン二次電池の初回充放電効率及びサイクル特性をより改善することができる。
【0066】
一実施形態において、本発明の樹脂組成物は、導電剤を含み、例えば、カーボンブラック(アセチレンブラック、ケッチェンブラック、ファーネスブラック等)、グラファイト、炭素繊維、カーボンフレーク、金属ファイバー及び箔等が挙げられる。これらの中でも、カーボンブラックが好ましく、アセチレンブラックがより好ましい。樹脂組成物は、導電剤を2種以上含んでいてもよい。
【0067】
樹脂組成物における導電剤の含有量は、0.1質量%以上、25質量%以下であることが好ましく、1質量%以上、20質量%以下であることがより好ましい。
樹脂組成物における導電剤の含有量を上記数値範囲内とすることにより、負極活性物質層において良好な導電パスを形成することができる。
【0068】
本発明の特性を損なわない範囲において、本発明の樹脂組成物は、添加剤を含むことができ、例えば、増粘剤、フィラー等が挙げられる。
【0069】
(リチウムイオン二次電池用負極)
本発明のリチウムイオン二次電池用負極は、負極集電体と、該負極集電体上に形成された負極活性物質層と、を備え、該負極活性物質層は、上記樹脂組成物により構成されることを特徴とする。
【0070】
使用することのできる集電体は、特に限定されるものではなく、例えば、銅、ニッケル、ステンレス鋼、金、鉄、アルミニウム及びこれらの合金、ニッケルメッキ鋼、並びにクロムメッキ鋼等が挙げられる。
【0071】
負極活性物質層の厚さは、15μm以上、150μm以下であることが好ましく、30μm以上、120μm以下であることがより好ましい。負極活性物質層の厚さを上記数値範囲内とすることにより、リチウムイオン二次電池の初回充放電効率及びサイクル特性をより改善することができる。
【0072】
本発明のリチウムイオン二次電池用負極は、上記樹脂組成物を溶解又は分散した有機溶媒を、集電体上に塗布し、乾燥させることにより作製することができる。
有機溶媒としては、上記したものを使用することができ、樹脂組成物の溶解性又は分散性という観点からは、N-メチル-2-ピロリドン、N,N’-ジメチルイミダゾリジノン及びγ-ブチロラクトンが好ましい。
塗布方法は、特に限定されず、例えば、ダイコーター法、3本ロール式転写コーター法、ドクターブレード法、ディップ法、ダイレクトロール法及びグラビア法等が挙げられる。
【0073】
(リチウムイオン二次電池)
本発明のリチウムイオン二次電池は、上記負極と、正極とを備えることを特徴とする。また、一実施形態において、本発明のリチウムイオン二次電池は、負極と正極との間に配置されたセパレータを備える。
以下、リチウムイオン二次電池が備える各構成について説明するが、負極については上記したため、ここでは記載を省略する。
【0074】
正極としては、従来よりリチウムイオン二次電池の正極に使用されているものを適宜使用することができる。
該正極は、リチウムイオン二次電池正極作製用樹脂組成物を、集電体上に塗布、乾燥することにより作製することができる。
【0075】
リチウムイオン二次電池正極作製用樹脂組成物は、正極活物質及びバインダー樹脂を含むことができる。また、リチウムイオン二次電池正極作製用樹脂組成物は、上記導電剤及び添加剤を含んでいてもよい。
【0076】
正極活物質としては、例えば、コバルト酸リチウム、ニッケル酸リチウム、マンガン酸リチウム及びリン酸鉄リチウム等が挙げられる。
バインダー樹脂としては、上記したポリイミド化合物を使用してもよく、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、ポリプロピレン、ポリエチレン等を使用してもよい。
【0077】
また、上記したものに限定されず、正極として、リチウム箔等を使用することができる。
【0078】
セパレータは、従来公知のものを使用することができ、例えば、紙製セパレータ、ポリエチレン及びポリプロピレン等の樹脂製セパレータ、並びにガラス繊維製セパレータ等を挙げることができる。
【0079】
上記正極及び負極は、電池容器内に配置され、該容器には、電解質が溶解した有機溶媒(電界液)が充填されている。電解質は、特に限定されるものではなく、例えば、LiPF6、LiClO4、LiBF4、LiClF4、LiAsF6、LiSbF6、LiAlO4、LiAlCl4、CF3SO3Li、LiN(CF3SO2)3、LiCl及びLiI等が挙げられる。
これらの中でも、高い解離度を有するため、LiPF6、LiClO4及びCF3SO3Liが好ましい。
有機溶媒も特に限定されるものではなく、例えば、カーボネート化合物、ラクトン化合物、エーテル化合物、スルホラン化合物、ジオキソラン化合物、ケトン化合物、ニトリル化合物、ハロゲン化炭化水素化合物等を挙げることができる。
具体的には、ジメチルカーボネート、メチルエチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、エチレングリコールジメチルカーボネート、プロピレングリコールジメチルカーボネート、エチレングリコールジエチルカーボネート、ビニレンカーボネート等のカーボネート類、γ-ブチルラクトン等のラクトン類、ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、2-メチルテトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、1,4-ジオキサンなどのエーテル類、スルホラン、3-メチルスルホラン等のスルホラン類、1,3-ジオキソラン等のジオキソラン類、4-メチル-2-ペンタノン等のケトン類、アセトニトリル、ピロピオニトリル、バレロニトリル、ベンソニトリル等のニトリル類、1,2-ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素類、その他のメチルフォルメート、ジメチルホルムアミド、ジエチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、イミダゾリウム塩、4級アンモニウム塩などのイオン性液体等を挙げることができる。さらに、これらの混合物であってもよい。
これらの中でも、負極に使用したポリイミド化合物の溶解性が低く、該ポリイミドの膨潤を抑えることができるため、カーボネート化合物が好ましい。
【0080】
リチウムイオン二次電池の形態は、特に限定されるものではなく、ペーパー型、ボタン型、コインセル型、積層型、円筒型及び角形等、その用途に応じ適宜変更することができる。
【実施例】
【0081】
(実施例1)
溶媒可溶性ポリイミド化合物Aの合成
窒素導入管、撹拌装置を備えた500mlセパラブルフラスコに、下記化学式で表されるジアミン化合物(BAPS)43.25g(100ミリモル)、下記化学式で表されるジアミン化合物(MBAA)28.63g(100ミリモル)、下記化学式で表される酸無水物(BPDA)58.84g(200ミリモル)、N-メチル-2-ピロリドン700g、ピリジン3.2g(40ミリモル)及びトルエン70gを投入し、窒素雰囲気下、180℃で、途中トルエンを系外にのぞきながら8時間反応させることにより、15重量%のポリイミド溶液を得た。
【化11】
【化12】
【化13】
【0082】
(実施例2)
溶媒可溶性ポリイミド化合物Bの合成
実施例1と同様の装置を用い、BAPS43.25g(100ミリモル)、MBAA28.63g(100ミリモル)、下記化学式で表されるジアミン化合物(PHBAAB)15.22g(50ミリモル)、BPDA44.13g(150ミリモル)、下記化学式で表される酸無水物(ODPA)31.02g(100ミリモル)、N-メチル-2-ピロリドン868g、ピリジン4.0g(50ミリモル)及びトルエン87gを投入し、窒素雰囲気下、180℃で、途中トルエンを系外にのぞきながら9時間反応させることにより、15重量%のポリイミド溶液を得た。
【化14】
【化15】
【0083】
(実施例3)
溶媒可溶性ポリイミド化合物Cの合成
実施例1と同様の装置を用い、MBAA28.63g(100ミリモル)、PHBAAB15.22g(50ミリモル)、下記化学式で表されるジアミン化合物(TPE-R)29.23g(100ミリモル)、ODPA31.02g(100ミリモル)、下記化学式で表される酸無水物(BTA)37.23g(150ミリモル)、N-メチル-2-ピロリドン750g、ピリジン4.0g(50ミリモル)及びトルエン75gを投入し、窒素雰囲気下、180℃で、途中トルエンを系外にのぞきながら10時間反応させることにより、15重量%のポリイミド溶液を得た。
【化16】
【化17】
【0084】
(実施例4)
溶媒可溶性ポリイミド化合物Dの合成
実施例1と同様の装置を用い、MBAA28.63g(100ミリモル)、下記化学式で表される酸無水物(CpODA)38.44g(100ミリモル)、N-メチル-2-ピロリドン360g、ピリジン1.6g(20ミリモル)及びトルエン36gを投入し、窒素雰囲気下、180℃で、途中トルエンを系外にのぞきながら12時間反応させることにより、15重量%のポリイミド溶液を得た。
【化18】
【0085】
(比較例1)
溶媒可溶性ポリイミド化合物aの合成
実施例1と同様の装置を用い、BAPS43.25g(100ミリモル)、CpODA38.44g(100ミリモル)、N-メチル-2-ピロリドン442g、ピリジン1.6g(20ミリモル)及びトルエン44gを投入し、窒素雰囲気下、180℃で、途中トルエンを系外にのぞきながら12時間反応させることにより、15重量%のポリイミド溶液を得た。
【0086】
(比較例2)
溶媒可溶性ポリイミド化合物bの合成
実施例1と同様の装置を用い、下記化学式で表されるDABz15.22g(100ミリモル)、CpODA38.44g(100ミリモル)、N-メチル-2-ピロリドン284g、ピリジン1.6g(20ミリモル)及びトルエン28gを投入し、窒素雰囲気下、180℃で、途中トルエンを系外にのぞきながら10時間反応させることにより、15重量%のポリイミド溶液を得た。
【化19】
【0087】
<<弾性率測定>>
上記実施例及び比較例において得られた溶液を、スピンコート法にて10cm角のガラス板上に塗布し、100℃で0.5時間、200℃で0.5時間、250℃で1時間乾燥した。その後、ガラス板から剥離しカットすることにより、縦80mm×横10mm×厚さ15μmの試験片を得た。
この試験片の弾性率を引張試験機(島津製作所社製、商品名:AG-Xplus 50kN)を用いて、引張速度10mm/分にてMD方向及びTD方向の弾性率を測定した。MD方向の弾性率及びTD方向の弾性率の平均値を算出し、測定結果を表1にまとめた。
【0088】
<<引張強度測定>>
弾性率の測定時と同様の方法でサンプルを作製し、この試験片の引張強度を引張試験機(島津製作所社製、商品名:AG-Xplus 50kN)を用いて、引張速度10mm/分にてMD方向及びTD方向の引張強度を測定した。MD方向の弾性率及びTD方向の引張強度の平均値を算出し、測定結果を表1にまとめた。
【0089】
<<初回充放電効率>>
上記実施例1において得られた溶媒可溶性ポリイミド化合物Aと、負極活物質として一酸化ケイ素(SiO)及び黒鉛と、導電剤としてアセチレンブラック(デンカ(株)製、Li-400)及び炭素繊維(昭和電工(株)製、VGCF-H)と、を以下の組成にて混合し、リチウムイオン二次電池負極作製用樹脂組成物を調整した。溶媒可溶性ポリイミド化合物Aを、その他の実施例及び比較例において得られた溶媒可溶性ポリイミド化合物に変更した以外は、同様にして、リチウムイオン二次電池負極作製用樹脂組成物を調整した。
(リチウムイオン二次電池負極作製用樹脂組成物の組成)
・溶媒可溶性ポリイミド化合物A 6質量%
・一酸化ケイ素 18質量%
・黒鉛 72質量%
・アセチレンブラック 3質量%
・炭素繊維 1質量%
【0090】
負極用集電体として、厚さ10μmの電解銅箔を準備し、この表面に、上記のようにして作製したリチウムイオン二次電池負極作製用樹脂組成物を塗布、乾燥し、厚さ50μmの負極活性物質層を形成し、負極を得た。
【0091】
正極としてリチウム箔、電解液としてエチレンカーボネート及びエチルメチルカーボネート、ポリオレフィン製単層セパレータ(セルガード(株)製、セルガード(登録商標)2500)を準備し、コインセル型のリチウムイオン二次電池を作製した。
【0092】
[電池性能の評価]
上記のようにして作製したリチウムイオン二次電池を25℃の環境下で、24時間静置した。その後、リチウムイオン二次電池の性能試験を25℃の環境下において行った。試験方法は下記の通りであり、その試験結果は表2にまとめた。
【0093】
<<初回充放電効率評価>>
初回充放電効率は以下の方法で測定した。
0.1C相当の電流密度で5mVまでCC(定電流)充電を行い、続いて5mVでCV(定電圧)充電に切り替え、0.01C相当の電流密度になるまで充電したのち、0.1C相当の電流密度で1.2VまでCC放電するサイクルを25℃で2サイクル行い、このときの1サイクル目の0.1C相当の充電容量Aに対する1サイクル目の0.1C放電容量Bの比を初回充放電効率として、初回充放電効率(%)=(B/A)×100の式に基づいて算出し、その結果を表2にまとめた。
【0094】
<<サイクル特性評価>>
サイクル特性は以下の方法で測定した。初回充放電効率の測定の2サイクル後、0.2C相当の電流密度で5mVまでCC(定電流)充電を行い、続いて5mVでCV(定電圧)充電に切り替え、0.02C相当の電流密度になるまで充電したのち、0.2C相当の電流密度で1.2VまでCC放電するサイクルを25℃で3サイクル行い、続いて、0.5C相当の電流密度で5mVまでCC(定電流)充電を行い、続いて5mVでCV(定電圧)充電に切り替え、0.05CC相当の電流密度になるまで充電したのち、0.5C相当の電流密度で1.2VまでCC放電するサイクルを25℃で30サイクル行い、このときの30サイクル目の0.5C相当の放電容量をCとした。サイクル特性は、ΔC(%)=(C/B)×100の式に基づいて算出し、その結果を表2にまとめた。
【0095】
【0096】