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特許7521749面材の施工方法およびヘリンボン貼り用の起点面材ユニット
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-16
(45)【発行日】2024-07-24
(54)【発明の名称】面材の施工方法およびヘリンボン貼り用の起点面材ユニット
(51)【国際特許分類】
   E04F 15/02 20060101AFI20240717BHJP
【FI】
E04F15/02 D
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2020065284
(22)【出願日】2020-03-31
(65)【公開番号】P2021161777
(43)【公開日】2021-10-11
【審査請求日】2023-03-24
(73)【特許権者】
【識別番号】303046244
【氏名又は名称】旭化成ホームズ株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000124410
【氏名又は名称】河合製巧株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106909
【弁理士】
【氏名又は名称】棚井 澄雄
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100188558
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100165179
【弁理士】
【氏名又は名称】田▲崎▼ 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100189337
【弁理士】
【氏名又は名称】宮本 龍
(72)【発明者】
【氏名】宮嶋 直
(72)【発明者】
【氏名】藤田 有路
(72)【発明者】
【氏名】沢田 成輝
【審査官】山口 敦司
(56)【参考文献】
【文献】実開平03-024537(JP,U)
【文献】米国特許出願公開第2009/0320402(US,A1)
【文献】特表2007-513276(JP,A)
【文献】特開平05-214802(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04F 15/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
長尺矩形状の複数の面材を施工対象面にヘリンボン状に貼る面材の施工方法において、
前記施工対象面における第1方向に延びて前記第1方向に直交する第2方向の一方側に位置する第1縁部に沿って前記面材を複数組み合わせた起点面材ユニットを貼る起点面材ユニット貼り付け工程と、
前記施工対象面における前記起点面材ユニットの前記第2方向の他方側に向かって中間部面材を貼る中間部面材貼り付け工程と、を有し、
前記複数の面材は、
長辺方向が前記第1方向および前記第2方向に対して傾斜する第3方向に延びるように前記施工対象面に貼り付けられる第1面材と、
長辺方向が前記第2方向を対称軸として前記第3方向と線対称となる第4方向に延びるように前記施工対象面に貼り付けられる第2面材と、からなり、
前記起点面材ユニットは、前記第2方向に配列された複数の前記第1面材と前記第2方向に配列された複数の前記第2面材とが前記第2方向の他方側に向かって凸となるように前記第1方向に互いに接続されるとともに、接続された複数の前記第1面材および複数の前記第2面材の前記第2方向の一方側が前記第1方向に延びる直線に沿って切除されて直線状に連続する起点縁部が形成されることで直角二等辺三角形をなしており、
前記起点面材ユニット貼り付け工程では、前記第1縁部に前記起点縁部が沿うように前記施工対象面に前記起点面材ユニットを貼り付けることを特徴とする面材の施工方法。
【請求項2】
前記施工対象面における前記中間部面材の前記第2方向の他方側に終点面材ユニットを貼る終点面材ユニット貼り付け工程を有し、
前記終点面材ユニットは、第2方向に配列された複数の前記第1面材と前記第2方向に配列された複数の前記第2面材とが、前記第2方向の一方側に向かって凸となるように前記第1方向に互いに接続され、接続された複数の前記第1面材および複数の前記第2面材の前記第2方向の他方側が前記第1方向に延びる直線に沿って切除されて直線状に連続する終点縁部が形成されており、
前記終点面材ユニット貼り付け工程では、前記終点面材ユニットの前記第1面材が、前記起点面材ユニットの前記第1面材の前記第2方向の他方側に連続する前記中間部面材の前記第2方向の他方側に連続し、前記終点面材ユニットの前記第2面材が、前記起点面材ユニットの前記第2面材の前記第2方向の他方側に連続する前記中間部面材の前記第2方向の他方側に連続し、前記終点面材ユニットの前記終点縁部が前記施工対象面における前記第2方向の他方側に位置するとともに前記第1方向に終点縁部延びる第2縁部に沿うように、前記終点面材ユニットを貼り付けることを特徴とする請求項1に記載の面材の施工方法。
【請求項3】
起点面材ユニット貼り付け工程では、前記第1縁部の前記第1方向の中心から前記第1方向の両側に向かって前記起点面材ユニットを貼り付けることを特徴とする請求項1または2に記載の面材の施工方法。
【請求項4】
起点面材ユニット貼り付け工程では、前記第1縁部の前記第1方向の一方側から他方側に向かって前記起点面材ユニットを貼り付けることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の面材の施工方法。
【請求項5】
長尺矩形状の複数の面材を施工対象面にヘリンボン状に貼る際に、前記施工対象面における第1方向に延びて前記第1方向に直交する第2方向の一方側に位置する第1縁部に沿って張り付けられる前記面材を複数組み合わせたヘリンボン貼り用の起点面材ユニットであって、
前記複数の面材は、
長辺方向が前記第1方向および前記第2方向に対して傾斜する第3方向に延びるように前記施工対象面に貼り付けられる第1面材と、
長辺方向が前記第2方向を対称軸として前記第3方向と線対称となる第4方向に延びるように前記施工対象面に貼り付けられる第2面材と、からなり、
前記起点面材ユニットは、前記第2方向に配列された複数の前記第1面材と前記第2方向に配列された複数の前記第2面材とが前記第2方向の他方側に向かって凸となるように前記第1方向に互いに接続されるとともに、接続された複数の前記第1面材および複数の前記第2面材の前記第2方向の一方側が前記第1方向に延びる直線に沿って切除されて直線状に連続する起点縁部が形成されることで直角二等辺三角形をなすことを特徴とするヘリンボン貼り用の起点面材ユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、面材の施工方法およびヘリンボン貼り用の起点面材ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、面が長尺の長方形となる長尺矩形状の複数の面材を施工対象面に貼る施工方法として、面材を施工対象面の基準となる辺に対して斜めとし、かつ複数の面材を階段状にずらしてヘリンボン状に貼る面材の施工方法が知られている。特許文献1には、複数の面材を階段状にずらして固定したユニットを並べて貼る面材の施工方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2018-115426号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
長尺矩形状の面材をヘリンボン状に貼る場合には、施工対象面の基準となる辺に対して斜めに貼るため、施工対象面の縁部では、面材を加工する必要があるため、手間がかかるという問題がある。特許文献1のような複数の面材を階段状にずらして固定したユニットを採用する場合も、施工対象面の縁部では、ユニットを加工して貼ったり、ユニットを使用せずに面材を加工して貼ったりする必要があり、手間がかかる。
【0005】
そこで、本発明は、面材をヘリンボン状に貼る際の手間を軽減することができる面材の施工方法およびヘリンボン貼り用の起点面材ユニットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明に係る面材の施工方法は、長尺矩形状の複数の面材を施工対象面にヘリンボン状に貼る面材の施工方法において、
前記施工対象面における第1方向に延びて前記第1方向に直交する第2方向の一方側に位置する第1縁部に沿って前記面材を複数組み合わせた起点面材ユニットを貼る起点面材ユニット貼り付け工程と、前記施工対象面における前記起点面材ユニットの前記第2方向の他方側に向かって中間部面材を貼る中間部面材貼り付け工程と、を有し、前記複数の面材は、長辺方向が前記第1方向および前記第2方向に対して傾斜する第3方向に延びるように前記施工対象面に貼り付けられる第1面材と、長辺方向が前記第2方向を対称軸として前記第3方向と線対称となる第4方向に延びるように前記施工対象面に貼り付けられる第2面材と、からなり、前記起点面材ユニットは、前記第2方向に配列された複数の前記第1面材と前記第2方向に配列された複数の前記第2面材とが前記第2方向の他方側に向かって凸となるように前記第1方向に互いに接続されるとともに、接続された複数の前記第1面材および複数の前記第2面材の前記第2方向の一方側が前記第1方向に延びる直線に沿って切除されて直線状に連続する起点縁部が形成されることで直角二等辺三角形をなしており、前記起点面材ユニット貼り付け工程では、前記第1縁部に前記起点縁部が沿うように前記施工対象面に前記起点面材ユニットを貼り付けることを特徴とする。
【0007】
また、本発明に係るヘリンボン貼り用の起点面材ユニットは、長尺矩形状の複数の面材を施工対象面にヘリンボン状に貼る際に、前記施工対象面における第1方向に延びて前記第1方向に直交する第2方向の一方側に位置する第1縁部に沿って張り付けられる前記面材を複数組み合わせたヘリンボン貼り用の起点面材ユニットであって、前記複数の面材は、長辺方向が前記第1方向および前記第2方向に対して傾斜する第3方向に延びるように前記施工対象面に貼り付けられる第1面材と、長辺方向が前記第2方向を対称軸として前記第3方向と線対称となる第4方向に延びるように前記施工対象面に貼り付けられる第2面材と、からなり、前記起点面材ユニットは、前記第2方向に配列された複数の前記第1面材と前記第2方向に配列された複数の前記第2面材とが前記第2方向の他方側に向かって凸となるように前記第1方向に互いに接続されるとともに、接続された複数の前記第1面材および複数の前記第2面材の前記第2方向の一方側が前記第1方向に延びる直線に沿って切除されて直線状に連続する起点縁部が形成されることで直角二等辺三角形をなすことを特徴とする。
【0008】
本発明では、起点縁部が予め直線状に加工された起点面材ユニットを施工対象面の第1縁部に沿って連続的に貼り付けることで、第1縁部に沿って設けられる面材を第1方向の中間部で加工する必要が無く面材をヘリンボン貼りする際の手間を軽減することができる。
【0011】
また、本発明に係る面材の施工方法では、前記施工対象面における前記中間部面材の前記第2方向の他方側に終点面材ユニットを貼る終点面材ユニット貼り付け工程を有し、前記終点面材ユニットは、第2方向に配列された複数の前記第1面材と前記第2方向に配列された複数の前記第2面材とが、前記第2方向の一方側に向かって凸となるように前記第1方向に互いに接続され、接続された複数の前記第1面材および複数の前記第2面材の前記第2方向の他方側が前記第1方向に延びる直線に沿って切除されて直線状に連続する終点縁部が形成されており、前記終点面材ユニット貼り付け工程では、前記終点面材ユニットの前記第1面材が、前記起点面材ユニットの前記第1面材の前記第2方向の他方側に連続する前記中間部面材の前記第2方向の他方側に連続し、前記終点面材ユニットの前記第2面材が、前記起点面材ユニットの前記第2面材の前記第2方向の他方側に連続する前記中間部面材の前記第2方向の他方側に連続し、前記終点面材ユニットの前記終点縁部が前記施工対象面における前記第2方向の他方側に位置するとともに前記第1方向に延びる第2縁部に沿うように、前記終点面材ユニットを貼り付けてもよい。このような構成とすることにより、終点面材ユニットの終点縁部が施工対象面の第2縁部に平行となるため、第2縁部に沿って設けられる面材加工する必要が無い、または加工が必要な際も終点縁部に対し平行に切断すればよいため、面材をヘリンボン貼りする際の手間を軽減することができる。
【0012】
また、本発明に係る面材の施工方法では、起点面材ユニット貼り付け工程では、前記第1縁部の前記第1方向の中心から前記第1方向の両側に向かって前記起点面材ユニットを貼り付けてもよい。このような構成とすることにより、施工対象面に貼り付けられた面材が第1方向に対称となり、意匠性をよくすることができる。
【0013】
また、本発明に係る面材の施工方法では、起点面材ユニット貼り付け工程では、前記第1縁部の前記第1方向の一方側から他方側に向かって前記起点面材ユニットを貼り付けてもよい。このような構成とすることにより、起点面材ユニットの数を最小に抑えることができ、コスト削減を図ることができるとともに、廃材を減らすことができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、面材をヘリンボン状に貼る際の手間を軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の第1実施形態による面材が施工された施工対象面を示す平面図である。
図2】第1面材の平面図である。
図3図2のA-A線断面図である。
図4】第2面材の平面図である。
図5】起点面材ユニットの平面図である。
図6】第1中間部面材ユニットの平面図である。
図7】第2中間部面材ユニットの平面図である。
図8】終点面材ユニットの平面図である。
図9】第1実施形態による面材の施工方法の起点面材ユニット貼り付け工程、中間部面材ユニット貼り付け工程を説明する図である。
図10】面材単体貼り付け工程を説明する図である。
図11】終点面材ユニット貼り付け工程を説明する図である。
図12】第2実施形態による面材の施工方法を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
(第1実施形態)
以下、本発明の第1実施形態による面材の施工方法、ヘリンボン貼り用の起点面材ユニットおよびヘリンボン貼り用の中間部面材ユニットについて、図1図11に基づいて説明する。
図1に示すように、本実施形態では施工対象面1となる床面に、面が長尺の長方形となる長尺矩形状の複数の面材2,3(床材)をヘリンボン状に貼り付けている。施工対象面1の縁部は、互いに直交する第1方向(図のX方向)および第2方向(図のY方向)の何れかに延びる直線となっている。第1方向および第2方向は、施工対象面1に沿った直線方向である。
本実施形態では、第1方向に延びる施工対象面1の縁部のうち、第2方向の一方側に位置する縁部を第1縁部11とし、第2方向の他方側に位置し第1縁部に平行な縁部を第2縁部12とする。第2方向に延びる施工対象面1の縁部のうち、第1方向の一方側に位置する縁部を第3縁部13とし、第1方向の他方側に位置する縁部を第4縁部14とする。本実施形態では、施工対象面1に、第2方向の一方側から他方側に向かって面材2,3を施工する。
【0017】
複数の面材2,3は、平板状に形成されている。面材2,3の面の長尺の長方形の長辺に沿った方向を長辺方向とし、短辺に沿った方向を短辺方向とする。面材2,3の面に直交する方向を厚さ方向とする。複数の面材2,3は、第1方向および第2方向に対して斜めとなる第3方向(図の矢印Aの方向)および第4方向(図の矢印Bの方向)の何れかに沿って配置される。第3方向および第4方向は、それぞれ施工対象面1に沿った直線方向で、互いに交差する方向である。
【0018】
本実施形態では、第3方向および第4方向は、それぞれ第1方向および第2方向に対して45°をなす方向である。第3方向は、第1方向の一方側から他方側に向かって漸次第2方向の一方側から他方側に向かう直線に沿った方向で、第4方向は、第1方向の一方側から他方側に向かって漸次第2方向の他方側から一方側に向かう直線に沿った方向である。第3方向における第1方向の一方側かつ第2方向の一方側となる側を一方側とし、第1方向の他方側かつ第2方向の他方側となる側を他方側とする。第4方向における第1方向の一方側かつ第2方向の他方側となる側を一方側とし、第1方向の他方側かつ第2方向の一方側となる側を他方側とする。
【0019】
複数の面材2,3のうち、長辺を第3方向に沿って配置する面材2を第1面材2とし、長辺を第4方向に沿って配置する面材3を第2面材3とする。第1面材2は、その面の長方形の短辺が第4方向に沿って配置される。第2面材3は、その面の長方形の短辺が第3方向に沿って配置される。
【0020】
図2に示す第1面材2における長辺に沿った縁部のうち、第4方向の一方側に配置される長辺に沿った縁部を第1長辺縁部21とし、第4方向の他方側に配置される長辺に沿った縁部を第2長辺縁部22とする。第1面材2における短辺のうち、第3方向の一方側に配置される短辺に沿った縁部を第1短辺縁部23とし、第3方向の他方側に配置される短辺に沿った縁部を第2短辺縁部24とする。
【0021】
図3に示すように、第1面材2の第1長辺縁部21には、第4方向の一方側に突出する凸部21aが形成されている。凸部21aは、第1長辺縁部21における厚さ方向の中央部から突出している。凸部21aは、第1長辺縁部21に沿って延びている。第1面材2の第2長辺縁部22には、第4方向の一方側に凹んだ凹部22aが形成されている。凹部22aは、凸部21aの凸形状に対応した凹形状である。凹部22aは、第2長辺縁部22における厚さ方向の中央部に形成されている。凹部22aは、第2長辺縁部22に沿って延びている。第1面材2の第1短辺縁部23には、第3方向の一方側に突出する凸部23aが形成されている。凸部23aは、凸部21aと同一の凸形状である。凸部23aは、第1短辺縁部23における厚さ方向の中央部から突出している。凸部23aは、第1短辺縁部23に沿って延びている。第1面材2の第2短辺縁部24には、第3方向の一方側に凹んだ凹部24aが形成されている。凹部24aは、凸部23aの凸形状に対応した凹形状である。凹部24aは、第2短辺縁部24における厚さ方向の中央部に形成されている。凹部24aは、第2短辺縁部24に沿って延びている。
【0022】
図4に示す第2面材3における長辺に沿った縁部のうち、第3方向の一方側に配置される長辺に沿った縁部を第1長辺縁部31とし、第3方向の他方側に配置される長辺に沿った縁部を第2長辺縁部32とする。第1面材2における短辺のうち、第4方向の一方側に配置される短辺に沿った縁部を第1短辺縁部33とし、第4方向の他方側に配置される短辺に沿った縁部を第2短辺縁部34とする。
【0023】
第2面材3の第1長辺縁部31には、第3方向の一方側に突出する凸部31aが形成されている。凸部31aは、第1長辺縁部31における厚さ方向の中央部から突出している。凸部31aは、第1長辺縁部31に沿って延びている。第2面材3の第2長辺縁部32には、第3方向の一方側に凹んだ凹部32aが形成されている。凹部32aは、凸部31aの凸形状に対応した凹形状である。凹部32aは、第2長辺縁部32における厚さ方向の中央部に形成されている。凹部32aは、第2長辺縁部32に沿って延びている。第2面材3の第1短辺縁部33には、第4方向の一方側に突出する凸部33aが形成されている。凸部33aは、凸部31aと同一の凸形状である。凸部33aは、第1短辺縁部33における厚さ方向の中央部から突出している。凸部33aは、第1短辺縁部33に沿って延びている。第2面材3の第2短辺縁部34には、第4方向の一方側に凹んだ凹部34aが形成されている。凹部34aは、凸部33aの凸形状に対応した凹形状である。凹部34aは、第1短辺縁部33における厚さ方向の中央部に形成されている。凹部34aは、第2短辺縁部34に沿って延びている。
【0024】
図1に示すように、複数の第1面材2は、45°傾いた状態で、且つ隣り合う第1面材2どうしが、その幅寸法(凸部21aを除いた幅寸法、仕上がった状態での幅寸法)だけ長手方向にずれるように第2方向に並んで配置される。第2方向に隣り合う第1面材2は、第2方向の一方側に配置される第1面材2の第1長辺縁部21と、第2方向の他方側に配置される第1面材2の第2長辺縁部22と隙間なく対向する。第1長辺縁部21の凸部21aが第2長辺縁部22の凹部22aにはめ込まれる。対向する第1長辺縁部21と、第2長辺縁部22とは、第1長辺縁部21における第3方向の他方側の端部近傍の部分が第2長辺縁部22よりも第3方向の他方側に突出し、第2長辺縁部22における第3方向の一方側の端部近傍の部分が第1長辺縁部21よりも第3方向の一方側に突出している。第1長辺縁部21における第3方向の他方側の端部近傍を第1長辺接続縁部211とする。第2長辺縁部22における第3方向の一方側の端部近傍の部分を第2長辺接続縁部221とする。第1長辺接続縁部211および第2長辺接続縁部221の長さは、第1短辺縁部23および第2短辺縁部24の長さと略同じ長さとなっている。
【0025】
複数の第2面材3は、45°傾いた状態で、且つ隣り合う第1面材2どうしが、その幅寸法(凸部31aを除いた幅寸法、仕上がった状態での幅寸法)だけ長手方向にずれるように第2方向に並んで配置される。第2方向に隣り合う第2面材3は、第2方向の一方側に配置される第2面材3の第1長辺縁部31と、第2方向の他方側に配置される第2面材3の第2長辺縁部32と隙間なく対向する。第1長辺縁部31の凸部31aが第2長辺縁部32の凹部32aにはめ込まれる。対向する第1長辺縁部31と、第2長辺縁部32とは、第1長辺縁部31における第4方向の他方側の端部近傍の部分が第2長辺縁部32よりも第3方向の他方側に突出し、第2長辺縁部32における第4方向の一方側の端部近傍の部分が第1長辺縁部31よりも第4方向の一方側に突出している。第1長辺縁部31における第4方向の他方側の端部近傍を第1長辺接続縁部311とする。第2長辺縁部32における第4方向の一方側の端部近傍の部分を第2長辺接続縁部321とする。第1長辺接続縁部311および第2長辺接続縁部321の長さは、第1短辺縁部33および第2短辺縁部34の長さと略同じ長さとなっている。
【0026】
第1面材2と第2面材3とは、第2方向の軸を対象軸とする線対称形状をなしており、表面側の形状(凸部を除いた形状、仕上がった状態での形状)は同一である。また、第1面材2および第2面材3の4辺の表面側の隅角部にはそれぞれ面取りが施されており、これらが組み合わされた際には、継ぎ目に沿って溝が形成される。第1面材2および第2面材3のいずれか一方の短辺縁部が、第1面材2および第2面材3の他方の長辺接続縁部に接続されることで、ヘリンボン貼りのジグザク状のパターンの基本単位が構成されている。
【0027】
第1面材2および第2面材3は、複数接続されてユニットとして施工対象面1に貼り付けられるとともに、単体で貼り付けられる。面材2,3が複数接続されたユニットには、起点面材ユニット4、第1中間部面材ユニット5、第2中間部面材ユニット6および終点面材ユニット7がある。起点面材ユニット4は、施工対象面1の第1縁部11に沿って配置される。終点面材ユニット7は、施工対象面1の第2縁部12に沿って配置される。第1中間部面材ユニット5および第2中間部面材ユニット6は、起点面材ユニット4と終点面材ユニット7との間に配置される。
【0028】
図5に示すように、起点面材ユニット4は、それぞれ第2方向の一方側の部分が切断された3つの第1面材2と、それぞれ第2方向の一方側の部分が切断された3つの第2面材3と、これらの面材2,3の裏面に接着された緩衝材41と、を有している。
【0029】
3つの第1面材2は、第2方向に並んで配置されている。3つの第1面材2は、第2方向の一方側に配置される第1面材2よりもその第2方向の他方側に配置される第1面材2の方が切断されている部分が小さく、第3方向に長くなっている。3つの第1面材2の第2方向の一方側の端部は、それぞれ第1方向に延びる直線状に切断されている。それぞれ切断されて形成された3つの第1面材2の縁部を切断縁部42とする。3つの第1面材2それぞれの切断縁部42は、第1方向に延びる直線上に並んで配置されている。
【0030】
3つの第2面材3は、第2方向に並んで配置されている。3つの第2面材3は、第2方向の一方側に配置される第2面材3よりもその第2方向の他方側に配置される第2面材3の方が切断されている部分が小さく、第4方向に長くなっている。3つの第2面材3の第2方向の一方側の端部は、それぞれ第1方向に延びる直線状に切断されている。それぞれ切断されて形成された3つの第1面材2の縁部を切断縁部43とする。3つの第2面材3それぞれの切断縁部43は、第1方向に延びる直線上に並んで配置されている。
【0031】
起点面材ユニット4の3つの第1面材2と3つの第2面材3とは、3つの第1面材2が3つの第2面材3の第1方向の一方側に配置される。第1面材2の第2短辺縁部24と、第2面材3の第1長辺接続縁部311とが隙間なく対向して接続される。第2短辺縁部24の凹部24aに第1長辺接続縁部311の凸部31aが嵌め込まれる。第2面材3の第2短辺縁部24と、第1面材2の第1長辺接続縁部211とが隙間なく対向して接続される。第2短辺縁部24の凹部24aに第1長辺接続縁部211の凸部21aが嵌め込まれる。3つの第1面材2の切断縁部と、3つの第2面材3の切断縁部とは、第1方向に延びる直線上に並んで配置されている。起点面材ユニット4の第2方向の一方側に配置される3つの第1面材2の切断縁部42と3つの第2面材3の切断縁部43とを合わせた縁部を起点縁部44とする。起点縁部44は、3つの第1面材2と3つの第2面材3とが互いに組み合わされるとともに、緩衝材41で連結された状態で切断されることにより形成される。
【0032】
起点面材ユニット4は、第2方向の他方側に配置された第1面材2の第2長辺縁部22および第2方向の他方側に配置された第2面材3の第2短辺縁部34がなす直線を斜辺とし、第2方向の他方側に配置された第2面材3の第2長辺縁部32がなす直線を斜辺とし、起点縁部44がなす直線を底辺とする直角二等辺三角形状に形成されている。第2面材3の第2短辺縁部34と第2長辺縁部32とがなす角部46が直角三角形の直角を成す角部となっている。斜辺に位置する第1面材2と第2面材3は、起点縁部44の形成後も当初の長さが確保されている。また、起点縁部44(底辺)には、起点縁部44の幅寸法(第1方向の寸法)の中心を示す窪み45が設けられている。
【0033】
緩衝材41は、起点面材ユニット4の面材2,3それぞれの裏面の全領域にわたって貼り付けられている。緩衝材41は、可撓性を有する材料、または弾性変形可能な材料からなるマット状部材である。隣り合う面材2,3は、接着材等で互いに直接的に固定されている必要はなく、緩衝材41を介することで互いに連結した状態が維持される。なお、起点面材ユニット4は、複数の面材2,3を組み合わせて構成されたものでなくてもよく、例えば、1枚の面材の表面に溝を設けることであたかも面材2,3を組み合わせたように見えるものであってもよい。
【0034】
第1中間部面材ユニット5は、4つの第1面材2と、4つの第1面材2の裏面に接着された緩衝材51と、を有している。4つの第1面材2は、第2方向に並んで配置されている。緩衝材51は、第1中間部面材ユニット5を構成する4つの第1面材2の裏面の全領域にわたって貼り付けられている。緩衝材51は、可撓性を有する材料または弾性変形可能な材料からなるマット状部材である。隣り合う第1面材2どうしは、接着材等で互いに直接的に固定されておらず、緩衝材51を介することで互いに連結した状態が維持されおり、隣り合う第1面材2どうしを完全に分離させることなく継ぎ目部分で上面側が凸となるように折り曲げることが可能に構成されている。このように構成することで、狭い空間での施工(凸部と凹部のはめ込み作業)の手間を軽減することができる。
【0035】
第2中間部面材ユニット6は、4つの第2面材3と、4つの第2面材3の裏面に接着された緩衝材61と、を有している。4つの第2面材3は、第2方向に並んで配置されている。緩衝材61は、第2中間部面材ユニット6を構成する4つの第2面材3の裏面の全領域にわたって貼り付けられている。緩衝材61は、可撓性を有する材料または弾性変形可能な材料からなるマット状部材である。隣り合う第2面材3どうしは、接着材等で互いに直接的に固定されておらず、緩衝材61を介することで互いに連結した状態が維持されおり、隣り合う第2面材3どうしを完全に分離させることなく継ぎ目部分で上面側が凸となるように折り曲げることが可能に構成されている。このように構成することで、狭い空間での施工(凸部と凹部のはめ込み作業)の手間を軽減することができる。
【0036】
終点面材ユニット7は、4つの第1面材2と、4つの第2面材3と、これらの面材2,3裏面に接着された緩衝材71と、を有している。4つの第1面材2は、第2方向に並んで配置されている。4つの第1面材2は、第2方向の一方側に配置される第1面材2以外は、第2方向の他方側の部分が切断されている。4つの第1面材2は、第2方向の一方側に配置される第1面材2よりもその第2方向の他方側に配置される第1面材2の方が切断されている部分が大きく、第3方向に短くなっている。切断されている3つの第1面材2の第2方向の他方側の端部は、それぞれ第1方向に延びる直線状に切断されている。それぞれ切断されて形成された3つの第1面材2の縁部を切断縁部72とする。3つの第1面材2それぞれの切断縁部72は、第1方向に延びる直線上に並んで配置されている。切断縁部72は、第2方向の一方側に配置される第1面材2よりも第2方向の他方側に配置されている。
【0037】
4つの第2面材3は、第2方向に並んで配置されている。4つの第2面材3は、第2方向の一方側に配置される第1面材2以外は、第2方向の他方側の部分が切断されている。4つの第2面材3は、第2方向の一方側に配置される第1面材2よりもその第2方向の他方側に配置される第1面材2の方が切断されている部分が大きく、第4方向に短くなっている。切断されている3つの第2面材3の第2方向の他方側の端部は、それぞれ第1方向に延びる直線状に切断されている。それぞれ切断されて形成された3つの第2面材3の縁部を切断縁部73とする。3つの第2面材3それぞれの切断縁部73は、第1方向に延びる直線上に並んで配置されている。切断縁部73は、第2方向の一方側に配置される第2面材3よりも第2方向の他方側に配置されている。
【0038】
終点面材ユニット7の4つの第1面材2と4つの第2面材3とは、4つの第1面材2が4つの第2面材3の第2方向の他方側に配置される。起点面材ユニット4とは、第1面材2と第2面材3との配置が逆となる。第1面材2の第1短辺縁部23と、第2面材3の第2長辺接続縁部321とが隙間なく対向して接続される、第2面材3の第1短辺縁部33と、第1面材2の第2長辺接続縁部221とが隙間なく対向して接続される。切断されている3つの第1面材2の切断縁部72と、切断されている3つの第2面材3の切断縁部73とは、第1方向に延びる直線上に並んで配置されている。終点面材ユニット7の第1方向の他方側に配置される3つの第1面材2の切断縁部72と3つの第2面材3の切断縁部73とを合わせた縁部を終点縁部74とする。終点面材ユニット7には、第2方向の一方側に第2方向の一方側に位置する第1面材2の第1短辺縁部23と第1長辺縁部21とがなす角部75が位置している。
【0039】
緩衝材71は、終点面材ユニット7の面材2,3の裏面の全領域にわたって貼り付けられている。緩衝材71は、可撓性を有する材料または弾性変形可能な材料からなるマット状部材である。隣り合う面材2,3は、接着材等で互いに直接的に固定されている必要はなく、緩衝材71を介することで互いに連結した状態が維持される。終点縁部74は、3つの第1面材2と3つの第2面材3とが互いに組み合わされるとともに緩衝材71で連結された状態で切断されることにより形成される。起点面材ユニット4の起点縁部44(すなわち施工対象面1の第2縁部12)に対し平行、且つ直線状に連続している。なお、終点面材ユニット7は、起点面材ユニット4と同様に、複数の面材2,3を組み合わせて構成されたものでなくてもよく、例えば、1枚の面材の表面に溝を設けることであたかも面材2,3を組み合わせたように見えるものであってもよい。
【0040】
次に、第1実施形態による面材の施工方法について説明する。本実施形態における施工対象面1は、建物内部の床面であり、周囲が壁で囲まれている。ここでは、長方形の一部が切り欠かれたL字形状の施工対象面1に面材2,3を施工する方法について説明する。
【0041】
まず、図9に示すように、施工対象面1における第1方向の中心線15を引き、中心線から第1方向の両側に割り付けるようにして起点面材ユニット4をその起点縁部44が施工対象面1の第1縁部11に沿うように隙間なく貼り付ける(起点面材ユニット貼り付け工程)。この際、第1方向の中央に配置する起点面材ユニット4における起点縁部44の中央部の窪み45や頂点位置を中心線15に合わせるように施工対象面1の第1縁部11に沿うようにする。また、第1方向の両端部に配置される起点面材ユニット4は、施工対象面1の第3縁部13および第4縁部14の位置に合わせて第1方向の一方側または他方側を切除する。なお、施工対象面1に第1方向の中心線15を引く際に、起点面材ユニット4の起点縁部44の長さに対応したピッチで中心線15と平行となる線をひき、この線を中央に配置される起点面材ユニット4以外の起点面材ユニット4の位置決めの目安としてもよい。
【0042】
続いて、起点面材ユニット4における第2方向の他方側に第1中間部面材ユニット5、第2中間部面材ユニット6、第1面材2および第2面材3を貼り付ける(中間部面材貼り付け工程)。まず、起点面材ユニット4における第2方向の他方側に第1中間部面材ユニット5および第2中間部面材ユニット6を隣接するユニットの凹部に凸部をはめ込むようにして貼り付ける(中間部面材ユニット貼り付け工程)。この際、起点面材ユニット4の第1面材2の第2方向の他方側には、第1中間部面材ユニット5を貼り付け、起点面材ユニット4の第2面材3の第2方向の他方側には、第2中間部面材ユニット6を貼り付ける。起点面材ユニット4の第2方向の他方側の端部に位置する第1面材2の第2長辺縁部22と、第1中間部面材ユニット5の第2方向の一方側の端部に位置する第1面材2の第1長辺縁部21とを接続する。起点面材ユニット4の第2方向の他方側の端部に位置する第2面材3の第2長辺縁部32と、第2中間部面材ユニット6の第2方向の一方側の端部に位置する第2面材3の第1長辺縁部31とを接続する。また、第1方向の両端部に配置される第1中間部面材ユニット5,第2中間部面材ユニット6は、起点面材ユニット4と同様に、施工対象面1の第3縁部13および第4縁部14の位置に合わせて第1方向の一方側または他方側を切除する。また、第1中間部面材ユニット5および第2中間部面材ユニット6は、第1方向の一方の端部から他方の端部に向かって第1中間部面材ユニット5と第2中間部面材ユニット6とを交互に貼り付ける。起点面材ユニット4の第2方向の他方側に第1中間部面材ユニット5および第2中間部面材ユニット6を第1方向の一方の端部から他方の端部に向かって貼り付けたら、その第2方向の他方側に同様に第1中間部面材ユニット5および第2中間部面材ユニット6を第1方向の一方の端部から他方の端部に向かって交互に貼り付ける。
【0043】
このとき、第1方向に隣り合う第1面材2と第2面材3とは、第1面材2の第1短辺縁部23と第2面材3の第2長辺接続縁部321とを対向させ(図2および図4参照)、第2面材3の第1短辺縁部33と第1面材2の第2長辺接続縁部221とを対向させ、第1面材2の第2短辺縁部24と第2面材3の第1長辺接続縁部311とを対向させ、第2面材3の第2短辺縁部34と第1面材2の第1長辺接続縁部211とを対向させるように配置する。なお、以下の面材単体貼り付け工程および終点面材ユニット貼り付け工程においても第1方向に隣り合う第1面材2と第2面材3とは、上記のように配置する。
【0044】
続いて、起点面材ユニット4の第2方向の他方側に設けられた第1中間部面材ユニット5および第2中間部面材ユニット6の更に第2方向の他方側に、第2方向の一方側から他方側に向かって施工対象面1の第2縁部12よりも内側となる位置まで第1中間部面材ユニット5および第2中間部面材ユニット6を貼り付ける。第1中間部面材ユニット5および第2中間部面材ユニット6は、上述しているように第2方向の一方側から他方側に向かって交互に貼る。第1中間部面材ユニット5の第2方向の他方側には、第1中間部面材ユニット5を貼り付け、第2中間部面材ユニット6の第2方向の他方側には、第2中間部面材ユニット6を貼り付ける。
【0045】
続いて、図10に示すように、第2方向の他方側に貼り付けられた第1中間部面材ユニット5の第2方向の他方側に第1面材2の単体を貼り付け、第2方向の他方側に貼り付けられた第2中間部面材ユニット6の第2方向の他方側に第2面材3の単体を貼り付ける(面材単体貼り付け工程)。第1面材2および第2面材3は、第1方向の一方側から他方側に向かって交互に貼る。第1面材2および第2面材3は、第2方向に1つのみまたは複数(第1中間部面材ユニット5を構成する第1面材2および第2中間部面材ユニット6を構成する第2面材3の数以下、本実施形態では3以下)配列する。単体で貼られた第1面材2および第2面材3と第2縁部12との間の領域には、終点面材ユニット7が貼り付けられる。単体の第1面材2および第2面材3の枚数は、単体で貼られた第1面材2および第2面材3と第2縁部12との間が、終点面材ユニット7の終点縁部74側の切断加工が発生しない寸法、または切断寸法が最小となる寸法となるように調整する。
【0046】
続いて、図11に示すように、単体で貼られた第1面材2および第2面材3の第2方向の他方側に終点面材ユニット7を貼り付ける(終点面材ユニット貼り付け工程)。単体で貼られた第1面材2の第2方向の他方側に終点面材ユニット7の第1面材2を配置し、単体で貼られた第2面材3の第2方向の他方側に終点面材ユニット7の第2面材3を配置する。この際、終点面材ユニット7の終点縁部74が施工対象面1の第2縁部12に沿うように終点面材ユニット7を施工する。終点面材ユニット7は、第1方向に隣接する2つの起点面材ユニット4のうち、第1方向の一方側の起点面材ユニット4の右斜辺(第2長辺縁部32)に連続する第2面材3と、他方側の起点面材ユニット4の左斜辺(第2長辺縁部22)に連続する第1面材2とに跨るように貼り付ける。なお、単体で貼られた第1面材2および第2面材3と第2縁部12との間の寸法よりも、終点面材ユニット7の第2方向の寸法が大きい場合は、終点面材ユニット7の終点縁部74側を終点縁部74に対し平行に切除する。また、第1方向の両端部に配置される終点面材ユニット7は、起点面材ユニット4等と同様に、施工対象面1の第3縁部13および第4縁部14の位置に合わせて第1方向の一方側または他方側を切除する。このようにして施工対象面1にヘリンボン状に面材が貼り付けられる。
【0047】
次に、本発明の第1実施形態による面材の施工方法、起点面材ユニット4および中間部面材ユニット(第1中間部面材ユニット5、第2中間部面材ユニット6)の作用・効果について図面を用いて説明する。
第1実施形態による面材の施工方法では、起点縁部44が予め一直線状に加工された起点面材ユニット4を施工対象面1の第1縁部11に沿って連続的に貼り付けることで、第1縁部11に沿って設けられる面材2,3を第1方向の中間部で加工する必要が無く、面材2,3をヘリンボン貼りする際の手間を軽減することができる。
【0048】
また、本発明に係る面材の施工方法では、終点面材ユニット7の終点縁部74が施工対象面1の第2縁部12に平行となるように構成されている。これにより、第2縁部12に沿って設けられる面材2,3を加工する必要が無い、または加工が必要な際も終点縁部74に対し平行に切断すればよいため、面材2,3をヘリンボン貼りする際の手間を軽減することができる。
【0049】
また、本発明に係る面材の施工方法では、起点面材ユニット貼り付け工程では、第1縁部11の第1方向の中心から第1方向の両側に向かって起点面材ユニット4を貼り付けている。このような構成とすることにより、施工対象面1に貼り付けられた面材2,3が第1方向に対称となり、意匠性をよくすることができる。
【0050】
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について、添付図面に基づいて説明するが、上述の第1実施形態と同一又は同様な部材、部分には同一の符号を用いて説明を省略し、実施形態と異なる構成について説明する。図12に示すように、第2実施形態による面材の施工方法では、まず、起点面材ユニット4を貼り付ける工程の後に、第1方向の一方側の端部に配置される第2中間部面材ユニット6を第2方向の一方側から他方側に向かって張り付ける第1工程を行う。続いて、第1工程で貼り付けられた第1中間部面材ユニット5の第2方向の他方側に第2面材3の単体を貼り付ける第2工程を行う。続いて、第3工程で貼り付けられた第2面材3の単体の第2方向の他方側に終点面材ユニット7を、適宜加工を行った上で貼り付ける第3工程を行う。続いて、第3工程で貼り付けられた終点面材ユニット7の第2方向の一方側に第1面材2の単体を貼り付ける第4工程を行う。続いて、第4工程で貼り付けられた第1面材2の単体の第2方向の一方側に第1中間部面材ユニット5を貼り付ける第5工程を行う。第5工程では、第2方向の一方側に配置される起点面材ユニット4に達するまで第1中間部面材ユニット5を貼り付ける。
【0051】
上記の第1工程から第5工程を複数回繰り返すことで施工対象面1の全面に対して第1面材2および第2面材3を施工する。
【0052】
第2実施形態による面材の施工方法では、第1実施形態による面材の施工方法と同様の効果を奏する。更には、第1中間部面材ユニット5および第2中間部面材ユニット6をそれぞれ第2方向に沿って順次連続的に貼り付ける場合、2つのユニットによって形成される凹部にユニットの凸部をはめ込む作業がなくなり、第1中間部面材ユニット5と第2中間部面材ユニット6を第1方向に交互に施工する場合と比べて、容易に施工することができる。
【0053】
以上、本発明による面材の施工方法、ヘリンボン貼り用の起点面材ユニットおよびヘリンボン貼り用の中間部面材ユニットの実施形態について説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。例えば、上記の実施形態では、起点面材ユニット4と終点面材ユニット7との間を、複数の第1中間部面材ユニット5、複数の第2中間部面材ユニット6、複数の第1面材2の単体、及び複数の第2面材3の単体の組み合せで構成したが、複数の第1面材2の単体、及び複数の第2面材3の単体の組み合せで構成してもよい。また、上記の実施形態では、施工対象面1の第1方向の中心から第1方向の両側に向かって起点面材ユニット4を配置しているが、施工対象面1の第1方向の一方の端部から他方の端部側に向かって起点面材ユニット4を配置してもよい。このようにすることにより、各面材ユニットの使用数を最小に抑えることができ、コストおよび廃材の削減を図ることができ、更に、第1方向の一方の端部の加工は予め面材ユニットの製作段階で行い、建設現場での加工は第1方向の他方の端部側だけとすることで、現場での作業の負荷を低減させることができる。
【0054】
上記の実施形態では、施工対象面1の第2縁部12に沿って第2縁部12に沿った直線部分を有する終点面材ユニット7を設けている。終点面材ユニット7を設けずに、第2縁部12に沿って加工した第1中間部面材ユニット5や第2中間部面材ユニット6を設けてもよいし、加工した第1面材2や第2面材3を設けてもよい。
【0055】
上記の実施形態では、施工対象面1が床面で面材2,3が床材であるが、施工対象面1が壁や天井で、面材2,3が壁材や天井材であってもよい。また、施工対象面1が家具や機器類の面で、面材2,3が化粧面材であってもよい。
【符号の説明】
【0056】
1 施工対象面
2 面材
2 第1面材(中間部面材)
3 面材
3 第2面材(中間部面材)
4 起点面材ユニット
5 第1中間部面材ユニット(中間部面材、中間部面材ユニット)
6 第2中間部面材ユニット(中間部面材、中間部面材ユニット)
7 終点面材ユニット
11 第1縁部
12 第2縁部
44 起点縁部
74 終点縁部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12