IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 独立行政法人日本原子力研究開発機構の特許一覧 ▶ 四国計測工業株式会社の特許一覧

特許7521755耐放射線直管型LEDランプ及び照明装置
<>
  • 特許-耐放射線直管型LEDランプ及び照明装置 図1
  • 特許-耐放射線直管型LEDランプ及び照明装置 図2
  • 特許-耐放射線直管型LEDランプ及び照明装置 図3
  • 特許-耐放射線直管型LEDランプ及び照明装置 図4
  • 特許-耐放射線直管型LEDランプ及び照明装置 図5
  • 特許-耐放射線直管型LEDランプ及び照明装置 図6
  • 特許-耐放射線直管型LEDランプ及び照明装置 図7
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-16
(45)【発行日】2024-07-24
(54)【発明の名称】耐放射線直管型LEDランプ及び照明装置
(51)【国際特許分類】
   G21C 19/02 20060101AFI20240717BHJP
   F21K 9/275 20160101ALI20240717BHJP
   F21K 9/278 20160101ALI20240717BHJP
   F21S 2/00 20160101ALI20240717BHJP
   F21V 17/00 20060101ALI20240717BHJP
   F21V 19/00 20060101ALI20240717BHJP
   F21V 23/00 20150101ALI20240717BHJP
   F21V 29/503 20150101ALI20240717BHJP
   F21V 29/76 20150101ALI20240717BHJP
   F21V 29/83 20150101ALI20240717BHJP
   F21V 31/00 20060101ALI20240717BHJP
   F21Y 103/10 20160101ALN20240717BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20240717BHJP
【FI】
G21C19/02 020
F21K9/275 100
F21K9/278
F21S2/00 600
F21V17/00 155
F21V19/00 150
F21V23/00 160
F21V29/503
F21V29/76
F21V29/83
F21V31/00 100
F21V31/00 200
F21V31/00 300
F21Y103:10
F21Y115:10
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2021049719
(22)【出願日】2021-03-24
(65)【公開番号】P2022148150
(43)【公開日】2022-10-06
【審査請求日】2024-01-05
(73)【特許権者】
【識別番号】505374783
【氏名又は名称】国立研究開発法人日本原子力研究開発機構
(73)【特許権者】
【識別番号】000180313
【氏名又は名称】四国計測工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000442
【氏名又は名称】弁理士法人武和国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】船越 智雅
(72)【発明者】
【氏名】篠崎 忠宏
(72)【発明者】
【氏名】小林 雄樹
(72)【発明者】
【氏名】薩田 将年
(72)【発明者】
【氏名】矢島 裕史
(72)【発明者】
【氏名】正岡 秀樹
(72)【発明者】
【氏名】村上 昭二
【審査官】松本 泰典
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-87334(JP,A)
【文献】特開2014-130736(JP,A)
【文献】特開2014-67742(JP,A)
【文献】特表2012-500457(JP,A)
【文献】特開2014-41758(JP,A)
【文献】特開2014-44845(JP,A)
【文献】特開2018-29177(JP,A)
【文献】特開2011-210669(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0073048(US,A1)
【文献】米国特許第5105346(US,A)
【文献】中国実用新案第218719096(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 2/00
F21K 9/275
F21K 9/278
F21V 23/00
F21V 29/00
F21V 31/00
F21V 19/00
F21V 17/00
F21Y 115/10
F21Y 103/10
G21C 19/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面に無機絶縁反射膜が形成された光源基板、及び前記光源基板の前記無機絶縁反射膜上に実装されたLED素子を有する光源部と、
前面で前記光源部を支持し、背面に複数のフィンが立設されたヒートシンクと、
前記ヒートシンクの長手方向の両側の端面それぞれに取り付けられて、電力が供給されるソケットに着脱される口金と、
前記ヒートシンクの端面及び前記口金の間に配置されるリングパッキンと、
前記口金及び前記LED素子を電気的に接続する導電線とを備える耐放射線直管型LEDランプにおいて、
前記ヒートシンクは、端面と前面とに開口する内部通路を有し、
前記導電線は、前記リングパッキンの内側及び前記内部通路を通って、前記口金及び前記LED素子を電気的に接続することを特徴とする耐放射線直管型LEDランプ。
【請求項2】
前記導電線は、絶縁被膜で覆われたより対線であることを特徴とする請求項1に記載の耐放射線直管型LEDランプ。
【請求項3】
前記リングパッキンは、
前記ヒートシンクの端面に当接する第1リングパッキンと、
前記口金に当接する第2リングパッキンとを含み、
前記第1リングパッキン及び前記第2リングパッキンに挟持されたリング形状の絶縁体をさらに備えることを特徴とする請求項1または2に記載の耐放射線直管型LEDランプ。
【請求項4】
前記光源部を囲むように前記ヒートシンクの前面に配置されて、前記LED素子から出力される光を通過させると共に、前記光源部と前記内部通路の前面側の開口とが配置された空間を気密にする前面カバーを備えることを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の耐放射線直管型LEDランプ。
【請求項5】
前記前面カバーは、
枠型のボディと、
前記ボディより外側において、前記光源部に対面する板ガラスと、
前記板ガラスより外側において、前記板ガラス及び前記ボディを前記ヒートシンクの前面に向けて押圧する枠型の押さえ板と、
前記ヒートシンクの前面、前記ボディ、前記板ガラス、及び前記押さえ板それぞれの間に配置された複数の枠型パッキンとを備えることを特徴とする請求項4に記載の耐放射線直管型LEDランプ。
【請求項6】
放射線防護壁で囲まれた放射線環境下に設置される請求項1~4のいずれか1項に記載の耐放射線直管型LEDランプと、
前記放射線防護壁の外に設置されて、外部電源から出力される交流電力を直流電力に変換して、前記耐放射線直管型LEDランプの前記口金に供給するAC/DCコンバータとを備えることを特徴とする照明装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、原子力施設などで用いられる耐放射線直管型LEDランプ及び照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、原子力施設では、高放射線環境及び硝酸雰囲気で使用可能な照明として、直管型水銀ランプが用いられてきた。しかしながら、水銀に関する条約によって製造が禁止となり、新たな水銀ランプの入手が困難になっている。そのため、水銀ランプの代替となるランプの開発が進められている(例えば、特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2019-87334号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
原子力施設用のランプに求められる条件としては、耐放射線性、耐硝酸雰囲気及び大光量がある。また、原子力施設では、ランプの交換に大きな労力が必要となるので、寿命の長いランプが好ましい。
【0005】
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、原子力施設で用いるのに適したランプを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一形態に係る耐放射線直管型LEDランプは、表面に無機絶縁反射膜が形成された光源基板、及び前記光源基板の前記無機絶縁反射膜上に実装されたLED素子を有する光源部と、前面で前記光源部を支持し、背面に複数のフィンが立設されたヒートシンクと、前記ヒートシンクの長手方向の両側の端面それぞれに取り付けられて、電力が供給されるソケットに着脱される口金と、前記ヒートシンクの端面及び前記口金の間に配置されるリングパッキンと、前記口金及び前記LED素子を電気的に接続する導電線とを備える耐放射線直管型LEDランプにおいて、前記ヒートシンクは、端面と前面とに開口する内部通路を有し、前記導電線は、前記リングパッキンの内側及び前記内部通路を通って、前記口金及び前記LED素子を電気的に接続することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、原子力施設で用いるのに適した耐放射線直管型LEDランプを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】照明装置の概略構成図である。
図2】ケーシングの斜視図である。
図3】ケーシングの正面図である。
図4】耐放射線直管型LEDランプの分解斜視図である。
図5】光源部の斜視図である。
図6】耐放射線直管型LEDランプの外観斜視図である。
図7図6のVII-VIIにおける断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照して、実施形態に係る照明装置1を説明する。なお、以下に記載する本発明の実施形態は、本発明を具体化する際の一例を示すものであって、本発明の範囲を実施形態の記載の範囲に限定するものではない。従って、本発明は、実施形態に種々の変更を加えて実施することができる。
【0010】
図1は、照明装置1の概略構成図である。図2は、ケーシング2の斜視図である。図3は、ケーシング2の正面図である。図1図3に示すように、照明装置1は、ケーシング2と、ソケット3a、3bと、AC/DCコンバータ4と、電源ケーブル5と、耐放射線直管型LEDランプ10とを主に備える。
【0011】
照明装置1は、例えば原子力施設のように高放射線環境(例えば、積算放射線量100kGy)下での使用に適した照明装置である。高放射線環境は、分厚い放射線防護壁で囲まれている。すなわち、放射線防護壁の外側には、ほとんど放射線が漏れ出すことはない。また、放射線防護壁の内側は、硝酸雰囲気になっている場合もある。
【0012】
そこで、図1に示すように、照明装置1の構成要素のうち、ケーシング2、ソケット3a、3b、及び耐放射線直管型LEDランプ10が放射線防護壁の内側に配置され、施設内電源(外部電源)及びAC/DCコンバータ4が放射線防護壁の外側に配置され、AC/DCコンバータ4とソケット3a、3bとが電源ケーブル5で接続される。
【0013】
ケーシング2は、例えば、放射線防護壁の内側に取り付けられる。また、ケーシング2は、ソケット3a、3bを支持する。本実施形態に係るケーシング2は、2組のソケット3a、3bを支持しているが、ソケット3a、3bの組数はこれに限定されない。
【0014】
ソケット3a、3bは、耐放射線直管型LEDランプ10の長さだけ離間して対向配置されている。ソケット3a、3bは、耐放射線直管型LEDランプ10の口金13a、13bを着脱可能に構成されている。そして、ソケット3a、3bは、電源ケーブル5を通じて供給される直流電力を、口金13a、13bに供給する。
【0015】
AC/DCコンバータ4は、施設内電源から供給された交流電力を直流電力に変換して、電源ケーブル5を通じてソケット3a、3bに直流電力を供給する。AC/DCコンバータ4は、例えば、ダイオードブリッジで構成される。
【0016】
ケーシング2、ソケット3a、3b、及び電源ケーブル5は、従来の水銀ランプを用いた照明装置と同様のものである。すなわち、これらは既設の設備を利用することができる。一方、AC/DCコンバータ4は、水銀ランプを用いた照明装置における安定器に置換して取り付けられる。
【0017】
図4は、耐放射線直管型LEDランプ10の分解斜視図である。図5は、光源部12の斜視図である。図6は、耐放射線直管型LEDランプ10の外観斜視図である。図7は、図6のVII-VIIにおける断面図である。図4図7に示すように、耐放射線直管型LEDランプ10は、ヒートシンク11と、光源部12と、口金13a、13bと、リングパッキン14a、14b、15a、15bと、絶縁体16a、16bと、前面カバー19と、導電線28a、28bとを主に備える。
【0018】
ヒートシンク11は、概ね直方体の外形を呈する。ヒートシンク11は、例えば、アルミニウム合金などで一体形成されている。ヒートシンク11は、前面11aで光源部12を支持し、前面11aと反対側の背面11bに複数のフィン11cが立設されている。複数のフィン11cは、ヒートシンク11の長手方向に所定の間隔を隔てて配置されている。また、ヒートシンク11は、互いに対向する端面11d、11eの方向に長い長尺の部材である。
【0019】
さらに、ヒートシンク11には、図4に示すように、内部通路11f、11gが形成されている。内部通路11fは、ヒートシンク11の内部を貫通して、前面11a及び端面11dに開口している。内部通路11gは、ヒートシンク11の内部を貫通して、前面11a及び端面11eに開口している。内部通路11f、11gは、導電線28a、28bを通過させる空間である。
【0020】
光源部12は、口金13a、13b及び導電線28a、28bを通じて直流電力が供給されることによって発光する部材である。光源部12は、ヒートシンク11の前面に支持される。図5に示すように、光源部12は、光源基板12aと、枠12bと、LED素子12cと、電極12d、12eとを主に備える。
【0021】
光源基板12aは、図5に示すように、板状の部材である。光源基板12aの表面(ヒートシンク11と反対側の面)には、無機絶縁反射膜12fが形成されている。そして、光源基板12aは、無機絶縁反射膜12f上において、枠12b、LED素子12c、及び電極12d、12eを支持している。
【0022】
無機絶縁反射膜12fは、例えば、白色無機粉末(白色無機顔料)と、二酸化珪素(SiO)とを主な成分としている。そして、有機リン酸を含むジエチレングリコールモノブチルエーテルの溶剤で白色無機粉末及び二酸化珪素を混ぜたインクを塗布、焼成することによって、光源基板12a上に無機絶縁反射膜12fが形成される。
【0023】
白色無機粉末としては、例えば、酸化チタン、酸化亜鉛、アルミナのいずれか、或いはこれらを組み合わせたものが挙げられる。無機絶縁反射膜12fにおける白色無機粉末の含有率は、要求される反射率等により適宜調整されるが、好ましくは40~70重量%、より好ましくは、50~65重量%とする。40重量%以上とすることによって十分な反射効果が得られ、70重量%以下ならば均一な膜を形成するために必要なインクの流動性を確保することができる。
【0024】
枠12bは、光源基板12aの表面に取り付けられている。LED素子12cは、枠12bの内部に収容されている。図5では、1枚の光源基板12aには2つの枠12bが取り付けられ、1つの枠12bには2つのLED素子12cが収容されているが、枠12b及びLED素子12cの数はこれに限定されない。
【0025】
そして、枠12bの内部には、透明樹脂12gが充填されている。換言すれば、枠12b内のLED素子12cは、透明樹脂12gによってモールドされている。透明樹脂12gは、例えば、エポキシ系やシリコーン系の樹脂である。また、透明樹脂12gには、任意の色(例えば、黄色、赤色、緑色)の蛍光体を透明樹脂12gに混入することによって、LED素子12cから出力された光を所望の色に変換することができる。
【0026】
電極12d、12eは、光源基板12aの長手方向の両端部に取り付けられている。電極12d、12eには、内部通路11f、11gを通過した導電線28a、28bの一端が電気的に接続されている。また、電極12d、複数のLED素子12c、及び電極12eは、直列に接続されている。
【0027】
口金13a、13bは、図4に示すように、ヒートシンク11の長手方向の両側の端面11d、11eに取り付けられている。口金13a、13bの先端同士の距離は、ソケット3a、3bの距離に対応する。また、図7に示すように、口金13a、13bの内部には、電極27a、27bが設けられている。そして、口金13a、13bがソケット3a、3bに接続されることによって、電極27a、27bと電源ケーブル5とが電気的に接続される。さらに、電極27a、27bには、内部通路11f、11gを通過した導電線28a、28bの他端が電気的に接続されている。
【0028】
リングパッキン14a、15a及び絶縁体16aは、図4に示すように、中央に貫通孔が形成されたリング形状の外形を呈する。そして、リングパッキン14a、15a及び絶縁体16aは、ヒートシンク11の一方の端面11dと口金13aとの間に配置される。より詳細には、リングパッキン14a(第1リングパッキン)は、内部通路11fの端面11d側の開口を囲むように、端面11dに当接する。リングパッキン15a(第2リングパッキン)は、口金13aに当接する。また、絶縁体16aは、リングパッキン14a、15aに挟持されている。これにより、口金13aからリングパッキン14a、15a及び絶縁体16aの内側を通じて内部通路11fに至る空間が気密になる。
【0029】
そして、リングパッキン14a及び絶縁体16aは、ボルト17aによってヒートシンク11に締結される。また、口金13a及びリングパッキン15aは、ボルト18aによってヒートシンク11に締結される。但し、口金13a、リングパッキン14a、15a、及び絶縁体16aをヒートシンク11に固定する方法は、前述の例に限定されない。
【0030】
リングパッキン14a、15aは、例えば、耐放射線特性の高いEPDM(エチレン・プロピレンゴム)で形成される。また、絶縁体16aは、例えば、機械的強度及び耐放射線性の高いPEEK(ポリエーテルエーテルケトン)材を切削加工することによって一体形成される。但し、リングパッキン14a、15a及び絶縁体16aの素材は、前述の例に限定されない。
【0031】
なお、リングパッキン14b、15b及び絶縁体16bは、ヒートシンク11の他方の端面11eと口金13bとの間に配置される。リングパッキン14b、15b及び絶縁体16bの構成、位置関係、材料、及び固定方法は、リングパッキン14a、15a及び絶縁体16aと共通するので、再度の説明は省略する。
【0032】
前面カバー19は、図4に示すように、ヒートシンク11の前面11aに取り付けられる。前面カバー19は、LED素子12cから出力される光を通過させると共に、光源部12及び内部通路11f、11gの前面11a側の開口とが配置された空間を気密にする。図4に示すように、前面カバー19は、ボディ20と、板ガラス21と、押さえ板22と、複数の枠型パッキン23、24、25とを主に備える。
【0033】
ボディ20、押さえ板22、及び枠型パッキン23~25は、いずれもヒートシンク11の前面11aの外縁に沿う枠型である。一方、板ガラス21は、ヒートシンク11の前面11aの形状に対応する板状である。
【0034】
ボディ20は、アルミニウム合金またはステンレスなどで一体形成されている。そして、ボディ20は、光源部12及び内部通路11f、11gの前面11a側の開口とを囲むように配置される。また、ボディ20の内周面は、LED素子12cから出力される光を反射するように、鏡面仕上げされていてもよい。
【0035】
板ガラス21は、ボディ20より外側において、光源部12に対面する位置に配置される。押さえ板22は、板ガラス21よりさらに外側に配置されている。そして、押さえ板22は、ボルト26によってヒートシンク11に締結されることによって、板ガラス21及びボディ20をヒートシンク11の前面11aに押圧する。
【0036】
枠型パッキン23~25は、ヒートシンク11の前面11a、ボディ20、板ガラス21、及び押さえ板22それぞれに間に配置されている。より詳細には、枠型パッキン23はヒートシンク11の前面11aとボディ20との間に位置し、枠型パッキン24はボディ20と板ガラス21との間に位置し、枠型パッキン25は板ガラス21と押さえ板22との間に位置する。
【0037】
導電線28a、28bは、例えば、絶縁被膜で覆われたより対線である。典型的には、導電線28a、28bは、カプトン(登録商標)電線である。また、導電線28aは、リングパッキン14a、15a及び絶縁体16aの貫通孔(内側)と内部通路11fとを通って、電極12d、27aに接続されている。
【0038】
より詳細には、図7に示すように、電極27aから延びる導電線28aは、リングパッキン14a、15a及び絶縁体16aの内側の気密空間を通じて、内部通路11fに進入する。また、内部通路11fを通過した導電線28aは、ヒートシンク11の前面11aと前面カバー19との間に形成された気密空間内において、電極12dに接続される。導電線28bについても同様である。
【0039】
上記の実施形態によれば、例えば以下の作用効果を奏する。
【0040】
上記の実施形態によれば、電極12d、27aを接続する導電線28aが通る空間を気密にすることによって、硝酸雰囲気による性能低下を抑制することができる。また、絶縁被膜で覆われたより対線を導電線28aとすることによって、硝酸雰囲気による性能低下がさらに抑制される。さらに、リングパッキン14a、15a、絶縁体16a、及び内部通路11f内に導電線28aを通すことによって、可撓性の低いカプトン電線を適切に配策することができる。導電線28bについても同様である。
【0041】
また、上記の実施形態によれば、無機絶縁反射膜12fを用いることよって、高放射線環境下における劣化を抑制することができる。その結果、耐放射線直管型LEDランプ10の照度の低下を抑制することができる。また、さらに高い放射線環境(例えば、積算放射線量100kGy以上)で耐放射線直管型LEDランプ10を用いる場合には、板ガラス21を合成石英で構成すればよい。
【0042】
また、上記の実施形態によれば、AC/DCコンバータ4を放射線防護壁の外側に配置することによって、放射線によるAC/DCコンバータ4の性能劣化を防止することができる。さらに、上記の実施形態によれば、既設の設備を最大限流用することによって、高放射線環境下に適した耐放射線直管型LEDランプ10を低コストで導入できる。
【0043】
以上、本発明の実施形態等について説明したが、実施例での条件は、本発明の実施可能性及び効果を確認するために採用した一条件例であり、本発明は、この一条件例に限定されるものではない。本発明は、本発明の要旨を逸脱せず、本発明の目的を達成する限りにおいて、種々の条件を採用し得るものである。
【符号の説明】
【0044】
1…照明装置、2…ケーシング、3a,3b…ソケット、4…AC/DCコンバータ、5…電源ケーブル、10…耐放射線直管型LEDランプ、11…ヒートシンク、11a…前面、11b…背面、11c…フィン、11d,11e…端面、11f,11g…内部通路、12…光源部、12a…光源基板、12b…枠、12c…LED素子、12d,12e,27a,27b…電極、12f…無機絶縁反射膜、12g…透明樹脂、13a,13b…口金、14a,14b,15a,15b…リングパッキン、16a,16b…絶縁体、17a,18a,17b,18b,26…ボルト、19…前面カバー、20…ボディ、21…板ガラス、22…押さえ板、23,24,25…枠型パッキン、28a,28b…導電線
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7