(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-16
(45)【発行日】2024-07-24
(54)【発明の名称】室内において、空気の一方向からの流れを確保できる換気装置
(51)【国際特許分類】
F24F 13/02 20060101AFI20240717BHJP
F24F 7/013 20060101ALI20240717BHJP
F24F 13/06 20060101ALI20240717BHJP
F24F 13/32 20060101ALI20240717BHJP
F24F 7/06 20060101ALI20240717BHJP
【FI】
F24F13/02 A
F24F7/013 102A
F24F7/013 102B
F24F13/02 B
F24F13/06 A
F24F13/32
F24F13/02 F
F24F7/06 Z
(21)【出願番号】P 2020145458
(22)【出願日】2020-08-31
【審査請求日】2023-08-25
(73)【特許権者】
【識別番号】391008294
【氏名又は名称】フルタ電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100095407
【氏名又は名称】木村 満
(74)【代理人】
【識別番号】100165489
【氏名又は名称】榊原 靖
(74)【代理人】
【識別番号】100083068
【氏名又は名称】竹中 一宣
(72)【発明者】
【氏名】古田 成広
(72)【発明者】
【氏名】鰐部 幸政
(72)【発明者】
【氏名】九里 博幸
【審査官】岩瀬 昌治
(56)【参考文献】
【文献】実開昭55-135229(JP,U)
【文献】特開昭51-069054(JP,A)
【文献】実開平02-137849(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24F 13/02
F24F 7/013
F24F 13/06
F24F 13/32
F24F 7/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
窓を開閉可能な状態にしたままで前記窓に取り付けられる窓掛け手段と、
前記窓掛け手段に取付けられるファン架台と、
前記ファン架台に取付けられる外気導入口、及び外気送風口を備えるファンと、
前記外気送風口に取付けられる外気導入用、及び/又は、外気送風用のダクトと、
を備え、
前記ダクトは、縦断開口、及び/又は、室内吹出用の複数の吹出し孔を
含み、
前記窓掛け手段は、サッシバーに取付ける対の止め具と、前記対の止め具に差渡した取付パイプと、を含み、前記ファン架台が前記取付パイプに高さを変えて取り付けられる、
ことを特徴とした室内において、空気の一方向からの流れを確保できる換気装置。
【請求項2】
窓を開閉可能な状態にしたままで前記窓に取り付けられる窓掛け手段と、
前記窓掛け手段に取付けられるファン架台と、
前記ファン架台に取付けられる外気導入口、及び外気送風口を備えるファンと、
前記外気送風口に取付けられる外気導入用の第1ダクトと、
この第1ダクトに繋げた第2ダクトと、
を備える換気装置であって、
前記第1ダクトは、前記外気導入用の縦断開口を備え、
前記第2ダクトは、室内吹出用の複数の吹出し孔を備
え、
前記窓掛け手段は、サッシバーに取付ける対の止め具と、前記対の止め具に差渡した取付パイプと、を含み、前記ファン架台が前記取付パイプに高さを変えて取り付けられる、
ことを特徴とした室内において、空気の一方向からの流れを確保できる換気装置。
【請求項3】
前記第1ダクトは、エアダクト、排気ダクト、フレキシブルエアダクト、又はフレキシブルアルミダクトの何れかである請求項2に記載の室内において、空気の一方向からの流れを確保できる換気装置。
【請求項4】
前記縦断開口の面積は、必要外気導入風量を達成できる構成とした請求項1に記載の室内において、空気の一方向からの流れを確保できる換気装置。
【請求項5】
前記複数の吹出し孔は、前記第2ダクトの長手方向に任意、かつこの第2ダクトの周壁面に開設し、必要吹出し風量を達成できる構成とした請求項
2に記載の室内において、空気の一方向からの流れを確保できる換気装置。
【請求項6】
前記第2ダクトを、前記室内の一方隅部に配置し、前記吹出し孔からの外気を、この室内の他方隅部に向かって、送風する風の流れを確保可能とした請求項2に記載の室内において、空気の一方向からの流れを確保できる換気装置。
【請求項7】
前記室内において、空気の一方向からの流れ確保を可能とし、この室内における三密の解消を達成できる構成とした請求項1に記載の室内において、空気の一方向からの流れを確保できる換気装置。
【請求項8】
前記ファンは、前記ファン架台に俯角調整可能に設ける構成とした請求項1に記載の室内において、空気の一方向からの流れを確保できる換気装置。
【請求項9】
前記対の止め具は、一面に備えたサッシバーを挾持するクランプと、他の面に立設した突起と、を備え、この対の止め具がそれぞれ備える前記突起間に前記取付パイプを、着脱自在に支持可能とした請求項
1又は2に記載の室内において、空気の一方向からの流れを確保できる換気装置。
【請求項10】
窓掛け手段と、
前記窓掛け手段に取付けられるファン架台と、
前記ファン架台に取付けられる外気導入口、及び外気送風口を備えるファンと、
前記外気送風口に取付けられる外気導入用、及び/又は、外気送風用のダクトと、
室内への人の移動を検出し、検出した場合に前記ファンを作動させる制御手段と、を備え、
前記ダクトは、縦断開口、及び/又は、室内吹出用の複数の吹出し孔を含む、
ことを特徴とした室内において、空気の一方向からの流れを確保できる換気装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、三密解消と、室内空気の換気、又はコロナ禍解消等を意図する人と人の間に空気の流れを、例えば、任意に排気可能な換気装置(室内の内外の間に空気の一方向からの流れを確保できる換気装置で、即ち、室内において、空気の一方向からの流れを確保できる換気装置)に関する。
【背景技術】
【0002】
昨今の新型コロナウイルスの蔓延解消、及び/又は、室内空気の換気の必要性に関し、種々の試みと、思案がある。例えば、以下のことがガイドラインとして示されている。
【0003】
即ち、三密状態とは、密閉、密集、密接であり、この三密解消が、新型コロナウイルス感染症の予防に有効である。従って、政府や自治体は、三密を避けてほしい、と繰り返し呼び掛けている。
【0004】
理由は、次の通りである。「換気の悪い密閉空間」と、「多数が集まる密集場所」と、「間近で会話や発声をする密接場面」、これら三つの条件が重なると、感染者の集団発生が起きやすいことが国内外の調査で分かっている。例えば、屋形船、ライブハウス、懇親会等の場で集団感染が確認されている。
【0005】
例えば、三密状態において、会話等で飛び散る飛沫に含まれる新型コロナウイルスを吸い込みやすい状態の回避と、併せて、軽症や自覚症状がない人が新型コロナウイルスを拡散する状態の回避により、新型コロナウイルスを、確実、かつ徹底的に排除する必要性がある。
【0006】
しかし、現状では、室内の汚染空気を、屋外に任意に排気し、コロナウイルスの排除と、かつ拡散を無くし、かつ三密解消を確実に行うこと、等に関し、具体的な構成、及び内容説明については十分でないと思われる。
【0007】
また、従来の文献(1)、(2)に関して説明する。文献(1)によれば、ダクトを利用して、室内換気を行う構成として、例えば、畜舎の壁間に設けた、硬質ダクトと、この硬質ダクトに備えたファンと、また、この硬質ダクトに繋がった孔を備えた回転可能な軟質ダクトでなる外気導入システムである。しかし、文献(1)の発明では、軟質ダクトが回転する構成を採用する。従って、構造が複雑となる。また、その両端を支持する構造であり、故障の原因となると考えられる。また、文献(2)によれば、窓枠取付け用の遮蔽板に伸縮ホースを付設し、この伸縮ホースに換気ファンを備えたタバコ煤煙排気機構である。従って、外気導入と室内換気を図るものでない(室内において、空気の一方向からの流れを確保できる換気装置ではない)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【文献】特開昭60-71832号公報
【文献】実用新案登録第3218743号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
文献1・2は、ダクトとファンを利用し、送風を図る構造であるが、本発明が意図する「室内に外気を導入すること、及び/又は、人と人の間に空気の流れを、例えば、任意に排気可能な換気装置(室内外間の空気一方向からの流れを確保できる換気装置)」に関するものではない。
【課題を解決するための手段】
【0010】
即ち、本発明においては、外気を積極的に室内に導入しつつ、この外気を、室内に拡散しつつ、室内の汚れた空気の排気を図り、室内の人と人の間に、空気の流れを達成できる換気装置(室内において、空気の一方向からの流れを確保できる換気装置)を提供することにある。例えば、
図6において、(X)から(Y)の如く、押し寄せる波のような感覚である。また、この一方向は、図示しないが、室内の何れかの一方隅部から同他方隅部に向かうことを云う。
【0011】
そして、本発明は、少なくとも、気密性が高い、室内において、強制換気を図るルートである。本発明では、このルートを、効率的、かつ簡易に達成し、本発明の目的達成を図り得ることが特徴である。
【発明の効果】
【0012】
請求項1は、
窓を開閉可能な状態にしたままで窓に取り付けられる窓掛け手段と、
窓掛け手段に取付けられるファン架台と、
ファン架台に取付けられる外気導入口、及び外気送風口を備えるファンと、
外気送風口に取付けられる外気導入用、及び/又は、外気送風用のダクトと、を備え、
ダクトは、縦断開口、及び/又は、室内吹出用の複数の吹出し孔を含み、
窓掛け手段は、サッシバーに取付ける対の止め具と、対の止め具に差渡した取付パイプと、を含み、ファン架台が取付パイプに高さを変えて取り付けられる、
ことを特徴とした室内において、空気の一方向からの流れを確保できる換気装置である。
【0013】
これにより、請求項1では、外気を積極的に室内に導入しつつ、この外気を、室内に拡散できる。従って、室内の汚れた空気の排気を図り、併せて、室内の室内において、空気の一方向からの流れを確保できる換気装置を提供できる。
【0014】
請求項2は、
窓を開閉可能な状態にしたままで窓に取り付けられる窓掛け手段と、
窓掛け手段に取付けられるファン架台と、
ファン架台に取付けられる外気導入口、及び外気送風口を備えるファンと、
外気送風口に取付けられる外気導入用の第1ダクトと、
第1ダクトに繋げた第2ダクトと、
を備える換気装置であって、
第1ダクトは、外気導入用の縦断開口を備え、
第2ダクトは、室内吹出用の複数の吹出し孔を備え、
窓掛け手段は、サッシバーに取付ける対の止め具と、対の止め具に差渡した取付パイプと、を含み、ファン架台が取付パイプに高さを変えて取り付けられる、
ことを特徴とした室内において、空気の一方向からの流れを確保できる換気装置である。
【0015】
これにより、請求項2では、外気を積極的に室内に導入しつつ、この外気を、室内に拡散できる。従って、室内の汚れた空気の排気を図り、併せて、室内の室内において、空気の一方向からの流れを確保できる換気装置を提供できる。また、ダクトを、第1ダクトと、この第1ダクトに繋げた第2ダクトにすることで、各ダクトの特性を確保できる。
【0016】
請求項3は、
第1ダクトは、エアダクト、排気ダクト、フレキシブルエアダクト、又はフレキシブルアルミダクトの何れかである室内において、空気の一方向からの流れを確保できる換気装置である。
【0017】
これにより、請求項3では、請求項1・2と同じ効果が期待できることと、この効果達成に有効な、硬質ダクトの構造を提供できる。
【0018】
請求項4は、
縦断開口の面積は、必要外気導入風量を達成できる構成とした室内において、空気の一方向からの流れを確保できる換気装置である。
【0019】
これにより、請求項4では、請求項1・2と同じ効果が期待できることと、この効果達成に有効な、外気導入側の風量を達成できる縦断開口の構造を提供できる。
【0020】
請求項5は、
必要吹出し風量を達成できる複数の吹出し孔は、第2ダクトの長手方向に均等、かつ第2ダクトの周壁面に開設する構成とした室内において、空気の一方向からの流れを確保できる換気装置である。
【0021】
これにより、請求項5では、請求項1・2と同じ効果が期待できることと、この効果達成に有効な、外気排気側の風量を達成できる複数の吹出し孔の構造を提供できる。
【0022】
請求項6は、
第2ダクトを、室内の一方隅部に配置し、吹出し孔からの外気を、室内の他方隅部に向かって、送風する風の流れを確保可能とした室内において、空気の一方向からの流れを確保できる換気装置である。
【0023】
これにより、請求項6では、請求項1・2と同じ効果が期待できることと、この効果達成に有効な、室内空気の流れを確保できる構造を提供できる。
【0028】
請求項7は、
室内において、空気の一方向からの流れ確保を可能とし、室内における三密の解消を達成できる構成とした室内において、空気の一方向からの流れを確保できる換気装置である。
【0029】
これにより、請求項7は、請求項1・2と同じ効果が期待できることと、この効果達成に有効な、室内における三密を解消可能な構造を提供できる。
【0030】
請求項8は、
ファンは、ファン架台に俯角調整可能に設ける構成とした請求項1に記載の室内において、空気の一方向からの流れを確保できる換気装置である。
【0031】
これにより、請求項8では、請求項1・2と同じ効果が期待できることと、この効果達成に有効な、ファンの俯角調整ができる構造を提供できる。
【0032】
請求項9は、
対の止め具は、一面に備えたサッシバーを挾持するクランプと、他の面に立設した突起と、を備え、この対の止め具がそれぞれ備える突起間に取付パイプを、着脱自在に支持可能とした室内において、空気の一方向からの流れを確保できる換気装置である。
【0033】
これにより、請求項9では、請求項1・2と同じ効果が期待できることと、この効果達成に有効な、止め具の構造を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【
図1】室内において、空気の一方向からの流れを確保できる換気装置の取付け状態を示した一部欠截の模式図
【
図2】換気装置全体を示し、かつ俯角調整部を備える要部の側面図
【
図5】俯角調整部を備えるファン架台とファンの一部を示した要部の平面図
【
図6】本発明の、室内の一方隅部に、第2ダクトを配置し、吹出し孔からの外気を、室内の他方隅部に向かって、送風する風の流れを確保可能とした一部欠截の模式図
【
図7】その他の三密解消が可能な手段の一例のフローチャートを示した図
【
図8】従来の換気装置における室内の風の流れを説明する一部欠截の模式図
【発明を実施するための形態】
【0035】
以下、本発明の各実施例を説明する。各実施例は、好ましい一例であり、各実施例の説明、及び/又は、図面に限定されない。従って、発明の趣旨の範囲において構成の一部を変更する構造、又は同じ特徴と効果を達成できる構造、即ち、室内において、空気の一方向からの流れを確保できる換気装置等は、本発明の範疇である。
【0036】
窓掛け手段1は、窓枠01の上下枠02、03にあるサッシバー02a、03aに取付け得るくわえ込み2bを備えた対の止め具2、2(対の例では、2とする)と、この止め具2の表面に立設した突起3、4と、この止め具2をサッシバー02a、03aに取付けた状態で、突起3、4間に差込み、かつ立設される取付パイプ5(取付け具)で構成されており、サッシバー02a、03aに取付け、かつ取外し自在になっている。尚、くわえ込み2bは、例えば、止め具6、7により、サッシバー02a、03aに挾持、かつ開放自在になっている。
【0037】
そして、くわえ込み2bは、例えば、止め具6、7の螺入・螺戻により、サッシバー02a、03aに、簡易、かつワンタッチで取付け可能、かつ取外し自在である。この例では、例えば、止め具2、2を、サッシバー02a、03aに取付けた後、突起3、4間に、伸縮可能の取付パイプ5を係止し、係止後に、取付パイプ5を、例えば、伸張等し、ナット8を利用し、窓枠01に固定する。尚、取外しは、取付け操作の逆とする。
【0038】
尚、止め具2には、例えば、平面視し、三角形状の基台2aを備え、かつこの基台2bの一方に設けたくわえ込み2b、及び突起3又は4を備える。従って、くわえ込み2bを、それぞれサッシバー02a、03aに取付けることで、窓枠01の上下枠02、03に止め具2、2が固定される。続いて、この止め具2、2間に取付パイプ5を差渡し支持する。この取付パイプ5にファン架台10を固止した後、ファン架台10には、外気導入口11b1、及び外気送風口11b2を備える、後述する風胴を有するファン11を取付ける。従って、後述する回転するファン11とか、第1ダクト20等を安定、かつ確実に保持できる。
【0039】
そして、ファン11は、ファン架台10、及び/又は、ファン支持枠11aを介して、取付パイプ5に取付けられる。この例では、ファン11は、ファン架台10に差渡した取付軸12に支持されている。そして、このファン支持枠11aの俯角調整をすることで、ファン11の俯角が自由に変更できる。図中13は俯角調整具である。
【0040】
尚、このファン11には、外気導入口11b1及び導入外気用の外気送風口11b2を備えた筒状の風胴11bと、ガード11cを備えている。従って、ファン11の働きで、開放された窓から吸い込まれた外気は、風胴11bの外気導入口11b1から、後述する第1ダクト20に取り込まれる。そして、この第1ダクト20の吹出し口20cから、後述する第2ダクト21の吸込み口21bを経由し、順次、この第2ダクト21に導入される(送られる)。
【0041】
前記風胴11bの外気送風口11b2には、第1ダクト20を取り付ける。この第1ダクト20は、例えば、エアダクト、排気ダクト、フレキシブルエアダクト、又はフレキシブルアルミダクトの何れかとする。即ち、曲折する箇所があっても、必要な外気導入風量を達成できる縦断開口20a(図示しない)を有する構造を確保できる硬質のダクトである。この第1ダクト20の外気導入側の吸込み口20bは、
図1の如く、建屋の天井側に近く、かつ上枠02に近い位置に取付けたファン11の風胴11bに取付けられる。この際に、第1ダクト20は、例えば、ファン11への取付け位置である、高い位置から床面に向かって、曲折しながら下がり、床面に至るが、第1ダクト20の縦断開口20aは、第1ダクト20の長手方向のいずれの位置においても、必要とする外気を、確実に吸込みできるように、確立されている。
【0042】
また、第1ダクト20の吹出し口20cには、第2ダクト21の吸込み口21bが接続される。この第2ダクト21は軟質性のタクトであり、建屋の室内換気に必要とする外気を排気できる複数の吹出し孔21cを備える。この複数の吹出し孔21cの吹出し風量の合計は、前記第1ダクト20の外気吸込み風量にほほ合致する。第2ダクト21は、室内30全体に外気を送風し(導入可能とし)、かつ人と人の間に空気の流れを達成できるように、配備し、かつ吹出し孔21cを第2ダクト21の周壁面に、万遍なく開口する。例えば、その周辺に、均等、かつ必要とする方向に開口する。
【0043】
図中31は換気扇であり、必要により設置され、室内空気の排気に役立てる。また、窓の開閉の代替品である。
【0044】
尚、必要吹出し風量とは、部屋の広さ、及び人数とか、窓の開度等の諸条件で決められる。必要換気量の計算式は、以下である。
必要換気量=必要な床面積当たりの換気量(住宅は9.0平方メートル/平方メートル・時間)×部屋の面積(平方メートル)
そして、指針では、必要換気量は、一人当たり、少なくとも、毎時30立方メータとする。
【0045】
以上のように、室内30に外気を導入、かつ拡散することで、昨今要求されている三密解消に有益である。例えば、
図6の如く、本発明では、室内30の一方隅部30a(内壁の一方)に、第2ダクト21を配置し、吹出し孔21cからの外気を、室内30の他方隅部30b(対峙する内壁)に向かって、送風できる風の流れを確保可能としたので、室内30の換気と、三密解消が図れる。即ち、一方隅部30aから他方隅部30bへの外気の流れが図れる。ウイルスの排除が図れ、かつ舞い上がりの解消に有効である。これに対し、従来の、
図8に示す、換気装置における室内30の風の流れ、即ち、室内空気の循環では、本発明の換気の効果は期待できないと考えられる。
【0046】
尚、第1ダクト20と、第2ダクト21を個別とする例を説明したが、一体形態も可能であり、例えば、エアダクト、排気ダクト、フレキシブルエアダクト、又はフレキシブルアルミダクト、或いはビニールダクトの何れかで、一体構造もできる。即ち、現場の状況に対応して、使い分ける。そして、可撓性のダクトは、紐・ワイヤ吊りを利用して、曲折し、室内30の空間、配置物等に取付けできる利点があり、先ず、第1ダクト20を、エアダクト、排気ダクト、フレキシブルエアダクト等の耐性とすることで、上から下への配置、ファン11・第1ダクト20等の上部取付けとか、その後の配管等に関しての簡易性と、設置の機能性確保等に有効であり、かつ取付け、及び/又は、保守管理の優位性確保にも有効である。そして、第2ダクト21をビニールダクトとすることで、室内30への設置の利便性と、有益性、及び/又は、対応性、設備費の軽減化・利便性確保が可能となる。
【0047】
尚、室内30の人数、三密、人の過度の往来・集まりの如く、クラスター発生危険性を第1手段で検出した暁には、その指令を第2手段により、クラスター発生を事前に把握する判断手段を備え、この判断手段において、良否を決定するとともに、否では、直ちに、ファン11(送風機)を稼働し、前述の如く、室内30に外気を導入する。又は三密の危険性がある場合、室内30の関係者に伝達する。このような流れは、トリガー回路と、それぞれの手段を利用して内密、かつ瞬時に行うことが望ましい。
【0048】
また、
図7は、その他の三密解消が可能な手段の一例であり、フローチャートを示している。例えば、室内30への人の移動を、室内30に設けられた超音波送信手段と、この室内30に設けられた超音波受信手段と、反射超音波及び受信超音波を受け得るドップラシフト量を出力するドップラシフト量出力手段と、この超音波送信手段、超音波受信手段及びドップラシフト量出力手段のうち少なくともいずれか一つの作動が電力消費量を低減できる制御手段と、室内30の三密を判断できる第1判定手段と、この第1判定手段を基にし、室内30の関係者に指令を発する第1指令手段と、この第1指令手段で、前記三密を解消する第1改修手段と、を備えた室内において、空気の一方向からの流れを確保できる換気装置とすることも有り得る。
【0049】
前述した、各実施例は、好ましい一例である。この各実施例の趣旨の範囲において、構成の一部を変更する構造、又は同じ特徴と効果を達成できる構造、等は、本発明の範疇である。
【符号の説明】
【0050】
01 窓枠
02 上枠
02a サッシバー
03 下枠
03a サッシバー
1 窓掛け手段
2 止め具
2a 基台
2b くわえ込み
3 突起
4 突起
5 取付パイプ
6 止め具
7 止め具
8 ナット
10 ファン架台
11 ファン
11a ファン支持枠
11b 風胴
11b1 外気導入口
11b2 外気送風口
11c ガード
12 取付軸
13 俯角調整具
20 第1ダクト
20a 縦断開口
20b 吸込み口
20c 吹出し口
21 第2ダクト
21b 吸込み口
21c 吹出し孔
30 室内
30a 一方隅部
30b 他方隅部
31 換気扇