IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 日本電気株式会社の特許一覧 ▶ 日本電気通信システム株式会社の特許一覧

<>
  • 特許-掘削地点特定装置 図1
  • 特許-掘削地点特定装置 図2
  • 特許-掘削地点特定装置 図3
  • 特許-掘削地点特定装置 図4
  • 特許-掘削地点特定装置 図5
  • 特許-掘削地点特定装置 図6
  • 特許-掘削地点特定装置 図7
  • 特許-掘削地点特定装置 図8
  • 特許-掘削地点特定装置 図9
  • 特許-掘削地点特定装置 図10
  • 特許-掘削地点特定装置 図11
  • 特許-掘削地点特定装置 図12
  • 特許-掘削地点特定装置 図13
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-16
(45)【発行日】2024-07-24
(54)【発明の名称】掘削地点特定装置
(51)【国際特許分類】
   E02F 3/43 20060101AFI20240717BHJP
   E02F 9/20 20060101ALI20240717BHJP
【FI】
E02F3/43 B
E02F9/20 M
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2020186816
(22)【出願日】2020-11-09
(65)【公開番号】P2022076405
(43)【公開日】2022-05-19
【審査請求日】2023-10-11
(73)【特許権者】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000232254
【氏名又は名称】日本電気通信システム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】角野 陽輔
(72)【発明者】
【氏名】吉本 達也
【審査官】高橋 雅明
(56)【参考文献】
【文献】特表2014-526627(JP,A)
【文献】国際公開第2016/111148(WO,A1)
【文献】特開平10-088625(JP,A)
【文献】特開平11-247230(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E02F 3/43
E02F 9/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
掘削装置が掘削する掘削対象物の複数地点における高さ情報を取得する取得手段と、
前記高さ情報を参照して、前記掘削装置が掘削を開始する掘削地点の候補である掘削地点候補を複数抽出する抽出手段と、
前記抽出手段によって抽出された複数の前記掘削地点候補の各々に関して、前記掘削装置の掘削軌道に基づいて、前記掘削装置が掘削する掘削量を推定する推定手段と、
前記推定手段によって推定された掘削量に基づいて、複数の前記掘削地点候補の中から掘削地点を選択する選択手段と、
前記掘削対象物を含むエリアを複数の同じサイズのメッシュに分割するエリア分割手段と、を備え、
前記推定手段は、前記掘削装置の掘削軌道に含まれる前記メッシュ内の高さ情報を参照して前記掘削量を推定し、
前記エリア分割手段は、単位面積当たりの計測装置の計測点数を当該計測装置の設置高さに応じて算出し、当該計測点数が所定数以上となるように前記メッシュのサイズを設定する、掘削地点特定装置。
【請求項2】
前記抽出手段は、前記掘削対象物の高さ情報に応じていずれかのメッシュを前記掘削地点候補として抽出する、請求項1に記載の掘削地点特定装置。
【請求項3】
前記抽出手段は、
前記複数の掘削地点候補に含まれる第1の掘削地点候補を掘削地点とした場合の掘削軌道が示す掘削領域に、前記複数の掘削地点候補に含まれる第2の掘削地点候補が含まれる場合、当該第2の掘削地点候補を、前記複数の掘削地点候補から除外する、請求項1または2に記載の掘削地点特定装置。
【請求項4】
前記抽出手段は、前記掘削装置のショベルが届かない範囲には前記掘削地点候補を設定しない、請求項1~のいずれか1項に記載の掘削地点特定装置。
【請求項5】
掘削装置が掘削する掘削対象物を含んだエリアを計測する計測手段と、
前記計測手段から受信した計測情報を参照して、前記掘削装置が掘削する前記掘削対象物の複数地点における高さ情報を取得する取得手段と、
前記高さ情報を参照して、前記掘削装置が掘削を開始する掘削地点の候補である掘削地点候補を複数抽出する抽出手段と、
前記抽出手段によって抽出された複数の前記掘削地点候補の各々に関して、前記掘削装置の掘削軌道に基づいて、前記掘削装置が掘削する掘削量を推定する推定手段と、
前記推定手段によって推定された掘削量に基づいて、複数の前記掘削地点候補の中から掘削地点を選択する選択手段と、
前記掘削対象物を含むエリアを複数の同じサイズのメッシュに分割するエリア分割手段と、を備え、
前記推定手段は、前記掘削装置の掘削軌道に含まれる前記メッシュ内の高さ情報を参照して前記掘削量を推定し、
前記エリア分割手段は、単位面積当たりの計測装置の計測点数を当該計測装置の設置高さに応じて算出し、当該計測点数が所定数以上となるように前記メッシュのサイズを設定する、掘削地点特定システム。
【請求項6】
前記抽出手段は、前記掘削対象物の高さ情報に応じていずれかのメッシュを前記掘削地点候補として抽出する、請求項に記載の掘削地点特定システム。
【請求項7】
前記抽出手段は、
前記複数の掘削地点候補に含まれる第1の掘削地点候補を掘削地点とした場合の掘削軌道が示す掘削領域に、前記複数の掘削地点候補に含まれる第2の掘削地点候補が含まれる場合、当該第2の掘削地点候補を、前記複数の掘削地点候補から除外する、請求項5または6に記載の掘削地点特定システム。
【請求項8】
前記抽出手段は、前記掘削装置のショベルが届かない範囲には前記掘削地点候補を設定しない、請求項5~7のいずれか1項に記載の掘削地点特定システム。
【請求項9】
掘削装置が掘削する掘削対象物の複数地点における高さ情報を取得し、
前記高さ情報を参照して、前記掘削装置が掘削を開始する掘削地点の候補である掘削地点候補を複数抽出し、
前記抽出された複数の前記掘削地点候補の各々に関して、前記掘削装置の掘削軌道に基づいて、前記掘削装置が掘削する掘削量を推定し、
前記推定された掘削量に基づいて、複数の前記掘削地点候補の中から掘削地点を選択し、
前記掘削対象物を含むエリアを複数の同じサイズのメッシュに分割し、
前記掘削装置が掘削する掘削量を推定する処理において、前記掘削装置の掘削軌道に含まれる前記メッシュ内の高さ情報を参照して前記掘削量を推定し、
前記複数のメッシュに分割する処理において、単位面積当たりの計測装置の計測点数を当該計測装置の設置高さに応じて算出し、当該計測点数が所定数以上となるように前記メッシュのサイズを設定する、掘削地点特定方法。
【請求項10】
前記掘削地点候補を複数抽出する処理において、前記掘削対象物の高さ情報に応じていずれかのメッシュを前記掘削地点候補として抽出する、請求項に記載の掘削地点特定方法。
【請求項11】
前記掘削地点候補を複数抽出する処理において、
前記複数の掘削地点候補に含まれる第1の掘削地点候補を掘削地点とした場合の掘削軌道が示す掘削領域に、前記複数の掘削地点候補に含まれる第2の掘削地点候補が含まれる場合、当該第2の掘削地点候補を、前記複数の掘削地点候補から除外する、請求項9または10に記載の掘削地点特定方法。
【請求項12】
前記掘削地点候補を複数抽出する処理において、前記掘削装置のショベルが届かない範囲には前記掘削地点候補を設定しない、請求項9~11のいずれか1項に記載の掘削地点特定方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、掘削装置が掘削を開始する掘削地点を特定する掘削地点特定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
少子高齢化による労働者人口の減少や労働力不足による作業負荷の増大への対応として、ロボットの活用が注目されている。とりわけ建設業では、現場作業員の高齢化、若手就業者の減少による労働力不足や技能の継承が喫緊の課題であり、省人化による生産性の向上が急務となっている。この点において、近年、建設機械を用いた施工の自動化に大きな期待が寄せられている。これに関連する技術として、下記の特許文献1および特許文献2に開示された発明がある。
【0003】
特許文献1は、下部走行体と、下部走行体に旋回可能に搭載される上部旋回体と、上部旋回体に取り付けられる掘削アタッチメントと、制御装置とを備えるショベルに関する。制御装置は、掘削が開始される前の地形に関する情報と目標掘削体積とに基づいてバケットにおける所定部位が辿る軌道である目標軌道を設定する設定部を有する。
【0004】
特許文献2は、作業器具を有する掘削機を用いた土工作業を計画するための方法に関する。エキスパート・ヒューリスティックスを用いて掘削区域を複数の掘削部位に分け、各掘削区域に対してバケットが掘削を開始するための少なくとも1つの候補位置を決定し、各掘削候補位置の掘削結果を予測する。そして、少なくとも1つの性能パラメータを評価することにより、予測される掘削結果の品質レベルを決定し、予測される掘削結果の品質レベルの関数として、開始位置を選択する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】国際公開第2019/189260号
【文献】日本国特開平11-247230号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に記載のショベルにおいては、掘削が開始される前の地形に関する情報と目標掘削体積とに基づいてバケットにおける所定部位が辿る軌道である目標軌道を設定する。しかしながら、掘削対象物が削られて掘削に適さない形状になったり、掘削途中に掘削対象物が崩れたりした場合に、センサが計測できる範囲を掘り続けると、効率的な掘削が行えない場合があるという問題があった。
【0007】
特許文献2に記載の土工作業を計画するための方法においては、各掘削候補位置の掘削結果を予測し、少なくとも1つの性能パラメータを評価することにより、予測される掘削結果の品質レベルを決定する。そして、予測される掘削結果の品質レベルの関数として、開始位置を選択するが、順次土砂が運び込まれて土砂の形状が変化する現場においては、予め決定したシナリオで掘削しても効率的な掘削が行えない可能性があるという問題があった。
【0008】
本発明の一態様は、上記の問題に鑑みてなされたものであり、その目的の一例は、掘削対象物の形状が変化しても効率的に掘削が行える技術を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一態様に係る掘削地点特定装置は、掘削装置が掘削する掘削対象物の複数地点における高さ情報を取得する取得手段と、高さ情報を参照して、掘削装置が掘削を開始する掘削地点の候補である掘削地点候補を複数抽出する抽出手段と、抽出手段によって抽出された複数の掘削地点候補の各々に関して、掘削装置の掘削軌道に基づいて、掘削装置が掘削する掘削量を推定する推定手段と、推定手段によって推定された掘削量に基づいて、複数の掘削地点候補の中から掘削地点を選択する選択手段とを備える。
【0010】
本発明の一態様に係る掘削地点特定システムは、掘削装置が掘削する掘削対象物を含んだエリアを計測する計測手段と、計測手段から受信した計測情報を参照して、掘削装置が掘削する掘削対象物の複数地点における高さ情報を取得する取得手段と、高さ情報を参照して、掘削装置が掘削を開始する掘削地点の候補である掘削地点候補を複数抽出する抽出手段と、抽出手段によって抽出された複数の掘削地点候補の各々に関して、掘削装置の掘削軌道に基づいて、掘削装置が掘削する掘削量を推定する推定手段と、推定手段によって推定された掘削量に基づいて、複数の掘削地点候補の中から掘削地点を選択する選択手段とを含む。
【0011】
本発明の一態様に係る掘削地点特定方法は、掘削装置が掘削する掘削対象物の複数地点における高さ情報を取得し、高さ情報を参照して、掘削装置が掘削を開始する掘削地点の候補である掘削地点候補を複数抽出し、抽出された複数の掘削地点候補の各々に関して、掘削装置の掘削軌道に基づいて、掘削装置が掘削する掘削量を推定し、推定された掘削量に基づいて、複数の掘削地点候補の中から掘削地点を選択する。
【発明の効果】
【0012】
本発明の一態様によれば、掘削対象物の形状が変化しても効率的に掘削を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の実施形態1に係る掘削地点特定装置の構成を示すブロック図である。
図2】本発明の実施形態1に係る掘削地点特定方法の流れを示すフロー図である。
図3】本発明の実施形態2に係る掘削地点特定システムの構成を示すブロック図である。
図4】本発明の実施形態2に係る掘削地点特定方法の流れを示すフロー図である。
図5】本発明の実施形態3に係る掘削地点特定装置の機能的構成を示すブロック図である。
図6】計測装置(センサ)の設置位置を説明するための図である。
図7】エリア分割部によって複数のメッシュに分割された掘削エリアを示す図である。
図8】掘削地点候補から除外するメッシュの一例を示す図である。
図9】推定部による掘削量の推定方法を説明するための図である。
図10】本発明の実施形態3に係る掘削地点特定装置の処理手順を説明するためのフローチャートである。
図11】本発明の実施形態4に係る掘削地点特定システムの機能的構成を示すブロック図である。
図12】本発明の実施形態4に係る掘削地点特定方法の流れを示すフロー図である。
図13】コンピュータの構成例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
〔例示的実施形態1〕
本発明の第1の例示的実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。本例示的実施形態は、後述する例示的実施形態の基本となる形態である。
【0015】
掘削装置による掘削作業の制御においては、予め決定したシナリオに基づく制御、及び、そのようなシナリオによらない制御の双方が考えられる。
【0016】
予め決定したシナリオによらない掘削地点特定方法として、計測装置によって堆積した掘削対象物を計測し、計測結果のみから掘削位置を決定することが考えられる。しかしながら、単純に掘削対象物の高低のみで判断した場合、形状によっては効率的に掘削が行えない地点を掘削地点に選択してしまうことがある。
【0017】
例えば、掘削対象物の高さが最も高い地点を掘削地点に決定すると、掘削対象物が壁状に堆積している地点では、バケットを引いたとしてもバケットに積載される量は僅かであり、効率的な掘削が行えない。また、掘削可能な範囲をすべて掘削開始地点の候補とすると、掘削地点を決定するのに必要となる情報量が多いため計算量が膨大になり、即応性が求められる自動運転の分野では不向きである。
【0018】
本例示的実施形態に係る掘削地点特定装置は、掘削対象物の形状がどのような場合であっても、効率的な掘削が行えるように、掘削地点を特定するものであり、掘削地点を特定するのに必要となる情報量を削減するものである。
【0019】
(掘削地点特定装置の構成)
本例示的実施形態に係る掘削地点特定装置1の構成について、図1を参照して説明する。図1は、掘削地点特定装置1の構成を示すブロック図である。掘削地点特定装置1は、取得部11と、抽出部12と、推定部13と、選択部14とを含む。
【0020】
なお、掘削地点特定装置1の各部が別々の装置にあってもよい。例えば、取得部11と抽出部12とが1つの装置であってもよく、推定部13と選択部14とが1つの装置であってもよい。これらは、1つの装置内に実装されてもよいし、別々の装置に実装されてもよい。例えば、別々の装置に実装される場合、通信ネットワークを介して各部の情報が送受信されて処理が進められる。また、掘削地点特定装置1の各部がクラウド上で動作する場合には、通信ネットワークを介して各部の情報が送受信されて処理が進められる。
【0021】
取得部11は、掘削装置が掘削する掘削対象物の複数地点における高さ情報を取得する。例えば、掘削装置の上部に配置された3Dセンサ等の計測装置が掘削対象物を含むエリアの複数地点における高さを計測する。そして、取得部11が、計測装置によって計測された高さ情報を取得する。なお、3Dセンサの一例として、デプスカメラ、ステレオカメラ、ToF(Time-of-Flight)カメラ等のカメラや、2DLiDAR(Light Detection and Ranging)、3DLiDAR等のレーザセンサ、レーダセンサ等が挙げられる。
【0022】
抽出部12は、取得部11によって取得された高さ情報を参照して、掘削装置が掘削を開始する掘削地点の候補である掘削地点候補を複数抽出する。例えば、抽出部12は、取得部11によって取得された高さ情報が所定値以上の複数の地点を掘削地点候補として抽出する。
【0023】
推定部13は、抽出部12によって抽出された複数の掘削地点候補の各々に関して、掘削装置の掘削軌道に基づいて、掘削装置が掘削する掘削量を推定する。例えば、推定部13は、掘削装置が掘削を行うときのバケットの軌道(掘削軌道)上の掘削対象物に基づいて掘削量を推定する。
【0024】
選択部14は、推定部13によって推定された掘削量に基づいて、複数の掘削地点候補の中から掘削地点を選択する。例えば、選択部14は、掘削量が最も多い掘削地点候補を掘削地点として選択する。
【0025】
以上のように、本例示的実施形態に係る掘削地点特定装置1においては、高さ情報を参照して、掘削装置が掘削を開始する掘削地点の候補である掘削地点候補を複数抽出する。そして、掘削装置の掘削軌道に基づいて推定された掘削量に基づいて、複数の掘削地点候補の中から掘削地点を選択する構成が採用されている。このため、本例示的実施形態に係る掘削地点特定装置1によれば、掘削対象物の形状が変化しても、掘削地点を効率的に特定することができるという効果が得られる。
【0026】
(掘削地点特定方法の流れ)
本例示的実施形態に係る掘削地点特定方法の流れについて、図2を参照して説明する。図2は、掘削地点特定方法の流れを示すフロー図である。まず、掘削地点特定装置1は、掘削装置が掘削する掘削対象物の複数地点における高さ情報を取得する(S1)。
【0027】
次に、掘削地点特定装置1は、高さ情報を参照して、掘削装置が掘削を開始する掘削地点の候補である掘削地点候補を複数抽出する(S2)。
【0028】
次に、掘削地点特定装置1は、抽出された複数の掘削地点候補の各々に関して、掘削装置の掘削軌道に基づいて、掘削装置が掘削する掘削量を推定する(S3)。
【0029】
最後に、掘削地点特定装置1は、推定された掘削量に基づいて、複数の掘削地点候補の中から掘削地点を選択する(S4)。
【0030】
以上のように、本例示的実施形態に係る掘削地点特定方法においては、掘削装置が掘削を開始する掘削地点の候補である掘削地点候補を複数抽出する。そして、掘削装置の掘削軌道に基づいて推定された掘削量に基づいて、複数の掘削地点候補の中から掘削地点を選択する構成が採用されている。このため、本例示的実施形態に係る掘削地点特定方法によれば、掘削対象物の形状が変化しても、掘削量が多い掘削地点を効率的に特定することができるという効果が得られる。このため、掘削対象物の形状が変化しても、効率的に掘削が行えるという効果が得られる。
〔例示的実施形態2〕
本発明の第2の例示的実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、例示的実施形態1において説明した構成要素と同じ機能を有する構成要素については、同じ符号を付記し、その説明を繰り返さない。
【0031】
(掘削地点特定システムの構成例)
図3は、掘削地点特定システム100aの構成を示すブロック図である。掘削地点特定システム100aは、掘削地点特定装置1aと、計測装置2とを含む。また、掘削地点特定装置1aは、取得部11と、抽出部12と、推定部13と、選択部14と、通信部16とを含む。
【0032】
なお、掘削地点特定装置1aの各部が別々の装置にあってもよい。例えば、取得部11と抽出部12とが1つの装置であってもよく、推定部13と選択部14とが1つの装置であってもよい。これらは、1つの装置内に実装されてもよいし、別々の装置に実装されてもよい。例えば、別々の装置に実装される場合、通信ネットワークを介して各部の情報が送受信されて処理が進められる。また、掘削地点特定装置1aの各部がクラウド上で動作する場合には、通信ネットワークを介して各部の情報が送受信されて処理が進められる。
【0033】
計測装置2は、掘削装置3が掘削する掘削対象物を含んだエリアを計測する。通信部16は、計測装置2によって計測されたエリアの計測情報を受信し、掘削装置3が掘削を開始する掘削地点を送信する。
【0034】
例えば、作業現場に計測装置2が複数設けられており、複数の掘削エリアの計測が可能な場合には、通信部16は、掘削装置3に最も近い計測装置2から計測情報を受信する構成とすることも可能である。これによって、掘削装置3が移動する場合でも、最適な計測装置2から計測情報を取得することができる。
【0035】
また、作業現場に計測装置2を複数配置し、複数の計測装置2の測定結果を重ね合わせた計測情報を作成する。そして、その計測情報に基づいて掘削地点を選択することも可能である。これによって、より広い範囲を掘削対象とすることができ、掘削装置3が移動する場合でも、精度の高い計測情報を取得することが可能である。
【0036】
取得部11は、通信部16によって受信された計測情報を参照して、掘削装置3が掘削する掘削対象物の複数地点における高さ情報を取得する。例えば、掘削装置3の上部に配置された3Dセンサ等の計測装置2が掘削対象物を含むエリアの複数地点における高さを計測する。そして、取得部11が、計測装置2によって計測された高さ情報を取得する。
【0037】
抽出部12は、取得部11によって取得された高さ情報を参照して、掘削装置が掘削を開始する掘削地点の候補である掘削地点候補を複数抽出する。例えば、抽出部12は、取得部11によって取得された高さ情報が所定値以上の複数の地点を掘削地点候補として抽出する。
【0038】
推定部13は、抽出部12によって抽出された複数の掘削地点候補の各々に関して、掘削装置の掘削軌道に基づいて、掘削装置が掘削する掘削量を推定する。例えば、推定部13は、掘削装置が掘削を行うときのバケットの軌道(掘削軌道)上の掘削対象物に基づいて掘削量を推定する。
【0039】
選択部14は、推定部13によって推定された掘削量に基づいて、複数の掘削地点候補の中から掘削地点を選択し、通信部16に当該掘削地点を送信させる。例えば、選択部14は、掘削量が最も多い掘削地点候補を掘削地点として選択する。
【0040】
(掘削地点特定システムの処理手順)
本例示的実施形態に係る掘削地点特定方法の流れについて、図4を参照して説明する。図4は、掘削地点特定方法の流れを示すフロー図である。まず、通信部16は、計測装置2からエリアの計測情報を受信する(S11)。
【0041】
次に、取得部11は、掘削装置3が掘削する掘削対象物の複数地点における高さ情報を取得する(S12)。そして、抽出部12は、高さ情報を参照して、掘削装置3が掘削を開始する掘削地点の候補である掘削地点候補を複数抽出する(S13)。
【0042】
次に、推定部13は、抽出された複数の掘削地点候補の各々に関して、掘削装置3の掘削軌道に基づいて、掘削装置3が掘削する掘削量を推定する(S14)。そして、選択部14は、推定された掘削量に基づいて、複数の掘削地点候補の中から掘削地点を選択し(S15)、通信部16に当該掘削地点を送信させる(S16)。
【0043】
以上のように、本例示的実施形態に係る掘削地点特定システム100aにおいては、取得部11が、通信部16によって受信された計測情報を参照して、掘削装置3が掘削する掘削対象物の複数地点における高さ情報を取得する。そして、抽出部12が高さ情報を参照して、掘削装置が掘削を開始する掘削地点の候補である掘削地点候補を複数抽出する。そして、選択部14が、掘削装置の掘削軌道に基づいて推定された掘削量に基づいて、複数の掘削地点候補の中から掘削地点を選択する構成が採用されている。このため、本例示的実施形態に係る掘削地点特定装置1aによれば、掘削対象物の形状が変化しても、掘削地点を効率的に特定することができるという効果が得られる。
【0044】
〔例示的実施形態3〕
本発明の第3の例示的実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、例示的実施形態1にて説明した構成要素と同じ機能を有する構成要素については、同じ符号を付し、その説明を適宜省略する。
【0045】
(掘削地点特定装置の構成)
図5は、例示的実施形態3に係る掘削地点特定装置1bの機能的構成を示すブロック図である。掘削地点特定装置1bは、取得部11と、抽出部12と、推定部13と、選択部14と、エリア分割部15とを含む。
【0046】
取得部11は、計測装置によって計測された高さ情報を取得する。計測装置は、掘削装置の上部に配置された3Dセンサ等によって構成され、掘削対象物を含むエリアの複数地点における高さを計測する。
【0047】
図6は、計測装置(センサ)の設置位置を説明するための図である。計測装置2は、掘削装置3が掘削する掘削対象物(土砂)を計測する。計測装置2が掘削対象物を計測した計測情報には、少なくとも、地面に水平な2次元座標情報と、地面から掘削対象物までの高さ情報とが含まれる。
【0048】
計測装置2は、一例として、中心軸からの視野角θによって規定される円錐状の視野を有しており、その範囲に含まれる掘削対象物の2次元座標情報および高さ情報を計測することができる。また、計測装置2は、測定距離に対する単位面積(1m)あたりの特定点数K(単位は、点の数×メートル)が決まっており、地面から計測装置2までの高さH(単位はメートル)が低い程、計測範囲が狭くなるため、より詳細な計測が可能となる。本例示的実施形態においては、次式(式1)のように、1m内の測定点数が、所定の数N1以上となるように計測装置2の設置高さHを決定する。ここで、所定の数N1は、作業現場において要求される精度等を勘案して適宜設定することができる。一例としてN1=200とすることができるがこれは本実施形態を限定するものではない。
【0049】
K/H≧N1 ・・・(式1)
また、掘削範囲全域がセンサ視界内に入るように、次式(式2)によって計測装置2の設置位置Lを決定する。なお、計測装置2の設置位置L(単位はメートル)は、計測装置2の直下の地点から掘削装置3までの距離とする。また、掘削距離R(単位はメートル)は、掘削装置3から掘削開始地点までの距離とする。
【0050】
H×tanθ>(R-L) ・・・(式2)
また、計測装置2は、掘削装置3から見て掘削対象物よりも外側に配置することも可能である。この場合、計測範囲内に掘削対象物よりも外側の範囲も含まれるため、掘削装置3から掘削対象物までの最も近い距離をR1、最も遠い距離をR2とすると、(式2)は以下の通りとなる。
【0051】
1.L<R1のとき
H×tanθ>(R2-L) ・・・(式2-1)
2.R1≦L≦R2のとき
H×tanθ>(R2-L) かつ H×tanθ>(L-R1) ・・・(式2-2)
3.L>R2のとき
H×tanθ>(L-R1) ・・・(式2-3)
計測装置2は、図6に示すように、掘削装置3の上部に設置されており、掘削対象物を計測することができる。トラック等によって掘削対象物(土砂)が順次足される環境においては、計測装置2を固定とすることができる。
【0052】
また、計測装置2がクレーン等に取り付けられ、掘削装置3の移動に伴って計測装置2も移動するように構成されてもよい。また、計測装置2が掘削装置3の上部に取付けられ、掘削装置3と一緒に移動するようにしてもよい。また、計測装置2は、天井やエリアを見渡せる柱に設置してもよい。
【0053】
上述のように、計測装置2の高さが大きくなると測定精度が低下するため、一定の高さ以下となるように計測装置2が配置される必要がある。そのため、一定の高さ以下となるように計測装置2が設置されれば、どのような設置方法であっても構わない。
【0054】
エリア分割部15は、計測装置2によって計測された掘削対象物を含むエリアを複数のメッシュに分割する。
【0055】
一例として、エリア分割部15は、上記エリアを、各々のメッシュの形状がS×Sの正方形(ここでSは一辺の長さ、単位はメートル)である複数のメッシュに分割する。ここで、メッシュ一辺の長さSは、一例として、以下の(式3)及び(式4)を満たすように設定される。
【0056】
(式3)において、aおよびbは、それぞれ、掘削装置3のバケットの幅および長さを表しており、minは、アーギュメントの最小値を返す関数を表している。(式3)は、メッシュの1辺の長さSがバケットの幅および長さを下回るように設定され、かつ、下限値MLよりも大きくなるように設定されることを示している。ここで、下限値MLの値は、掘削地点特定装置1aの処理能力等を勘案して適宜設定することができる。一例として、ML=0.1mとすることができるが、これは本実施形態を限定するものではない。
【0057】
また、(式4)は、1つのメッシュにN2点以上の測定点が含まれるように、メッシュの1辺の長さSが設定されることを示している。ここで、N2の値は、要求される精度及び掘削地点特定装置1aの処理能力等を勘案して適宜設定することができる。一例として、N2=2とすることができるが、これは本実施形態を限定するものではない。
【0058】
min(a,b)>S>ML ・・・(式3)
×K/H≧N2 ・・・(式4)
なお、本実施形態においては、メッシュの形状を正方形として説明するが、これに限定されるものではない。例えば、メッシュの形状は、長方形であってもよいし、それ以外の形状であってもよい。
【0059】
図7は、エリア分割部15によって複数のメッシュに分割された掘削エリアを示す図である。図7においては、掘削エリアが縦横6ずつの合計36のメッシュに分割されている。図7に示す例では、メッシュM1に示すように、1つのメッシュに計測装置2による測定点(図7に示す黒い点)が2つ(所定数)以上含まれるように、メッシュが作成されている。
【0060】
抽出部12は、掘削エリアを分割したメッシュに含まれる複数の測定点の高さ情報に基づいて、メッシュ内の掘削対象物の高さを算出する。例えば、複数の測定点の高さ情報の平均値をメッシュ内の掘削対象物の高さとしてもよいし、複数の測定点の高さ情報の中央値をメッシュ内の掘削対象物の高さとしてもよい。
【0061】
図7においては、メッシュ内の掘削対象物(土砂)の高さが高いほど濃いトーンを付している。例えば、メッシュM2およびM3が、掘削対象物(土砂)の高さが最も高いメッシュであることを示している。
【0062】
抽出部12は、掘削対象物の高さ情報が所定値Th以上のメッシュを掘削地点候補として抽出する。例えば、抽出部12は、最も高さ情報が大きいメッシュM2およびM3を掘削地点候補として抽出する。ここで、上記所定値の具体的な設定の仕方は、本実施形態を限定するものではないが、一例として、以下のように設定する構成が挙げられる。また、以下の設定例を互いに組み合わせて用いてもよい。
・設定例1:掘削装置3のショベルが届く高さの最大値に、1より小さい所定の係数α1を乗算した値を上記所定値Thに設定する。
・設定例2:エリア分割部15が分割した複数のメッシュに含まれる掘削対象物のうち、最も高い高さに、1より小さい所定の係数α2を乗算した値を上記所定値Thに設定する。
【0063】
設定例1は、掘削装置3自体の物理的構成に関する情報に基づいて所定値Thを設定する構成である。例えば、ショベルが届く高さの最大値が5.0mであり、所定の係数α1として0.6を用いれば、上記所定値Thは、3.0mとなる。ここで、所定の係数α1は、掘削装置3におけるショベルの動作特定等に応じて定めておくことができる。
【0064】
設定例2は、掘削対象物の状況に応じて適応的に所定値Thを設定する構成である。例えば、複数のメッシュに含まれる掘削対象物のうち、最も高い高さが4.0mであり、所定の係数α2として0.7を用いれば、上記所定値Thは、2.8mとなる。ここで、所定の係数α2は、掘削現場の状況や掘削対象物の性質等に応じて定めておくことができる。
【0065】
また、抽出部12は、掘削装置3がショベルを引く方向には重複しないように掘削地点候補を抽出する。
【0066】
図8は、掘削地点候補から除外するメッシュの一例を示す図である。図8において、斜線を施したメッシュが、掘削対象物の高さが大きいメッシュを示している。例えば、抽出部12がメッシュM4を掘削地点候補として抽出した場合、掘削装置3がメッシュM4から掘削を行うため、ショベルを引く方向(掘削軌道)にメッシュM5が含まれる。この場合、抽出部12は、メッシュM5を掘削地点候補から除外する。すなわち、複数の掘削地点候補のうち、何れかの掘削地点候補(第1の掘削地点候補)を掘削地点とした場合の掘削軌道が示す掘削領域に、他の掘削地点候補(第2の掘削地点候補)が含まれる場合、当該他の掘削地点候補(第2の掘削地点候補)を、複数の掘削地点候補から除外する。
【0067】
また、抽出部12は、掘削装置3のショベルが届かない範囲を掘削地点候補に設定しないようにしてもよい。このように、掘削装置3がショベルを引く方向に含まれるメッシュや、ショベルが届かないメッシュを掘削地点候補から除外することにより、掘削量を算出する対象を減らすことができる。
【0068】
推定部13は、掘削装置3の掘削軌道に含まれるメッシュ内の高さ情報を参照して掘削量を推定する。推定部13は、掘削地点特定装置1bとは異なる装置において、掘削軌道を算出し、算出された掘削軌道を、通信部16を介して取得する構成としてもよいし、推定部13において掘削軌道を算出する構成としてもよい。
【0069】
図9は、推定部13による掘削量の推定方法を説明するための図である。図9において、矩形Tは、掘削装置3がメッシュM6からショベルを引いた時のショベルの掘削軌道を示している。推定部13は、この掘削軌道Tに含まれるメッシュ内の高さ情報に基づいて掘削量を推定する。例えば、推定部13は、掘削軌道Tに完全に含まれるメッシュについては、その高さ情報をそのまま加算する。また、掘削軌道Tに部分的に含まれるメッシュについては、掘削軌道Tに含まれるメッシュの面積の比率を求め、高さ情報に面積の比率を掛けて加算する。このように、推定部13は、掘削軌道Tに含まれるメッシュの面積の比率に応じて高さ情報を加算することによって、ショベルによる掘削量を推定する。
【0070】
図10は、例示的実施形態2に係る掘削地点特定装置1bの処理手順を説明するためのフローチャートである。まず、取得部11は、掘削装置3が掘削する掘削対象物の複数地点における高さ情報を取得する(S21)。
【0071】
次に、エリア分割部15は、エリアを分割するメッシュのサイズを算出し(S22)、計測装置2によって計測された掘削対象物を含むエリアを複数のメッシュに分割する(S23)。
【0072】
次に、抽出部12は、エリア分割部15によって分割されたメッシュに含まれる高さ情報を参照して、掘削装置3が掘削を開始する掘削地点の候補である掘削地点候補を複数抽出する(S24)。
【0073】
次に、推定部13は、抽出部12によって抽出された複数の掘削地点候補の各々に関して、掘削装置3の掘削軌道に基づいて、掘削装置3が掘削する掘削量を推定する(S25)。
【0074】
最後に、選択部14は、推定部13によって推定された掘削量に基づいて、複数の掘削地点候補の中から掘削地点を選択する(S26)。
【0075】
以上の説明においては、1つの掘削装置の掘削地点を特定する場合についてであったが、複数の掘削装置の掘削地点を特定する場合にも適用することができる。例えば、図9に示す掘削エリア内において、複数の掘削装置の掘削軌道が重ならないように掘削軌道を設け、掘削地点候補から複数の掘削装置に対応する複数の掘削地点を選択するようにする。
【0076】
(掘削地点特定装置1aの効果)
以上のように、本例示的実施形態に係る掘削地点特定装置1bにおいては、抽出部12が、掘削対象物の高さ情報が所定値以上のメッシュを掘削地点候補として抽出する構成が採用されている。このため、本例示的実施形態に係る掘削地点特定装置1bによれば、例示的実施形態1に係る掘削地点特定装置1の奏する効果に加えて、掘削地点候補を容易に抽出することができるという効果が得られる。
【0077】
また、本例示的実施形態に係る掘削地点特定装置1bにおいては、エリア分割部15が、メッシュに含まれる計測装置の計測点数が所定数以上となるようにメッシュのサイズを算出するという構成が採用されている。このため、本例示的実施形態に係る掘削地点特定装置1bによれば、例示的実施形態1に係る掘削地点特定装置1の奏する効果に加えて、センサ測定誤差を抑えるフィルタを適用しやすく、メッシュを適切な大きさとすることができるという効果が得られる。
【0078】
また、本例示的実施形態に係る掘削地点特定装置1bにおいては、推定部13が、掘削装置の掘削軌道に含まれるメッシュ内の高さ情報を参照して掘削量を推定するという構成が採用されている。このため、本例示的実施形態に係る掘削地点特定装置1bによれば、例示的実施形態1に係る掘削地点特定装置1の奏する効果に加えて、掘削地点候補を掘削開始地点とした掘削量を容易に算出することができるという効果が得られる。
【0079】
また、本例示的実施形態に係る掘削地点特定装置1bにおいては、抽出部12が、複数の掘削地点候補のうち、何れかの掘削地点候補(第1の掘削地点候補)を掘削地点とした場合の掘削軌道が示す掘削領域に、他の掘削地点候補(第2の掘削地点候補)が含まれる場合、当該他の掘削地点候補(第2の掘削地点候補)を、複数の掘削地点候補から除外するという構成が採用されている。このため、本例示的実施形態に係る掘削地点特定装置1bによれば、例示的実施形態1に係る掘削地点特定装置1の奏する効果に加えて、適切に掘削地点候補の数を減らすことができ、掘削量を算出する際の演算量を削減することができるという効果が得られる。
【0080】
また、本例示的実施形態に係る掘削地点特定装置1bにおいては、抽出部12が、掘削装置のショベルが届かない範囲には掘削地点候補を設定しなという構成が採用されている。このため、本例示的実施形態に係る掘削地点特定装置1bによれば、例示的実施形態1に係る掘削地点特定装置1の奏する効果に加えて、適切に掘削地点候補の数を減らすことができ、掘削量を算出する際の演算量を削減することができるという効果が得られる。
【0081】
〔例示的実施形態4〕
本発明の第4の例示的実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、例示的実施形態3において説明した構成要素と同じ機能を有する構成要素については、同じ符号を付し、その説明を適宜省略する。
【0082】
(掘削地点特定システムの構成)
図11は、例示的実施形態4に係る掘削地点特定システム100cの機能的構成を示すブロック図である。掘削地点特定システム100cは、掘削地点特定装置1cと、計測装置2と、掘削装置3と、通信ネットワーク4と、制御装置5とを含む。
【0083】
計測装置2および制御装置5は、LAN(Local Area Network)等の通信ネットワーク4に有線または無線で接続され、掘削地点特定装置1cとの間で通信が可能である。また、掘削装置3は、LAN等の通信ネットワーク4に無線で接続される。制御装置5は、通信ネットワーク4を介して掘削装置3の掘削作業を制御する。
【0084】
掘削地点特定装置1cは、取得部11と、抽出部12と、推定部13と、選択部14と、エリア分割部15と、通信部16とを含む。
【0085】
通信部16は、LAN等の通信ネットワーク4に接続され、計測装置2によって計測されたエリアの計測情報を受信し、掘削装置3が掘削を開始する掘削地点を制御装置5に送信する。
【0086】
制御装置5は、通信ネットワーク4を介して掘削地点特定装置1cから掘削装置3が掘削を開始する掘削地点を受信し、掘削装置3が掘削地点から掘削を開始するように通信ネットワーク4を介して掘削装置3を制御する。
【0087】
取得部11は、通信部16によって受信された計測情報を参照して、掘削装置3が掘削する掘削対象物の複数地点における高さ情報を取得する。
【0088】
エリア分割部15は、通信部16によって受信された掘削対象物を含むエリアを複数のメッシュに分割する。また、エリア分割部15は、メッシュに含まれる計測装置2の計測点数が所定数以上となるようにメッシュのサイズを算出する。
【0089】
抽出部12は、掘削エリアを分割したメッシュに含まれる複数の測定点の高さ情報に基づいて、メッシュ内の掘削対象物の高さを算出する。そして、抽出部12は、掘削対象物の高さ情報が所定値以上のメッシュを掘削地点候補として抽出する。
【0090】
また、抽出部12は、複数の掘削地点候補のうち、何れかの掘削地点候補(第1の掘削地点候補)を掘削地点とした場合の掘削軌道が示す掘削領域に、他の掘削地点候補(第2の掘削地点候補)が含まれる場合、当該他の掘削地点候補(第2の掘削地点候補)を、複数の掘削地点候補から除外する。
【0091】
また、抽出部12は、掘削装置3のショベルが届かない範囲には掘削地点候補を設定しない。
【0092】
推定部13は、掘削装置3の掘削軌道に含まれるメッシュ内の高さ情報を参照して掘削量を推定する。
【0093】
選択部14は、推定部13によって推定された掘削量に基づいて、複数の掘削地点候補の中から掘削地点を選択する。そして、選択部14は、通信部16に掘削地点を制御装置5に送信させる。
【0094】
(掘削地点特定システムの処理手順)
本例示的実施形態に係る掘削地点特定方法の流れについて、図12を参照して説明する。図12は、掘削地点特定方法の流れを示すフロー図である。まず、通信部16は、計測装置2からエリアの計測情報を受信する(S31)。
【0095】
次に、取得部11は、掘削装置3が掘削する掘削対象物の複数地点における高さ情報を取得する(S32)。
【0096】
次に、エリア分割部15は、エリアを分割する最適なメッシュのサイズを算出し(S33)、計測装置2によって計測された掘削対象物を含むエリアを複数のメッシュに分割する(S34)。
【0097】
次に、抽出部12は、エリア分割部15によって分割されたメッシュに含まれる高さ情報を参照して、掘削装置3が掘削を開始する掘削地点の候補である掘削地点候補を複数抽出する(S35)。
【0098】
次に、推定部13は、抽出された複数の掘削地点候補の各々に関して、掘削装置3の掘削軌道に基づいて、掘削装置3が掘削する掘削量を推定する(S36)。そして、選択部14は、推定された掘削量に基づいて、複数の掘削地点候補の中から掘削地点を選択し(S37)、通信部16に当該掘削地点を送信させる(S38)。
【0099】
最後に、処理を終了するか否かを判定する(S39)。例えば、掘削装置3による掘削対象物の掘削を終了する場合(S39、Yes)、そのまま処理を終了する。掘削装置3による掘削対象物の掘削を続ける場合(S39、No)、ステップS31に戻って以降の処理を繰り返す。なお、メッシュサイズを算出する処理(S33)は、最初の掘削地点の選択のときに1度だけ行われればよく、2回目以降はS33の処理を省略するようにしてもよい。
【0100】
(掘削地点特定システム100cの効果)
以上のように、本例示的実施形態に係る掘削地点特定システム100cにおいては、抽出部12が、掘削対象物の高さ情報が所定値以上のメッシュを掘削地点候補として抽出する構成が採用されている。このため、本例示的実施形態に係る掘削地点特定システム100cによれば、例示的実施形態2に係る掘削地点特定システム100aの奏する効果に加えて、掘削地点候補を容易に抽出することができるという効果が得られる。
【0101】
また、制御装置5が、通信ネットワーク4を介して掘削地点特定装置1cから掘削地点を受信し、掘削装置3の掘削作業を制御する構成が採用されている。このため、制御装置5は、掘削装置3が掘削地点を掘削するように制御すればよく、掘削装置3の制御が容易に行えるという効果が得られる。
【0102】
また、本例示的実施形態に係る掘削地点特定システム100cにおいては、エリア分割部15が、メッシュに含まれる計測装置の計測点数が所定数以上となるようにメッシュのサイズを算出するという構成が採用されている。このため、本例示的実施形態に係る掘削地点特定システム100cによれば、例示的実施形態2に係る掘削地点特定システム100aの奏する効果に加えて、センサ測定誤差を抑えるフィルタを適用しやすく、メッシュを適切な大きさとすることができるという効果が得られる。
【0103】
また、本例示的実施形態に係る掘削地点特定システム100cにおいては、推定部13が、掘削装置の掘削軌道に含まれるメッシュ内の高さ情報を参照して掘削量を推定するという構成が採用されている。このため、本例示的実施形態に係る掘削地点特定システム100cによれば、例示的実施形態2に係る掘削地点特定システム100aの奏する効果に加えて、掘削地点候補を掘削開始地点とした掘削量を容易に算出することができるという効果が得られる。
【0104】
また、本例示的実施形態に係る掘削地点特定システム100cにおいては、抽出部12が、複数の掘削地点候補のうち、何れかの掘削地点候補(第1の掘削地点候補)を掘削地点とした場合の掘削軌道が示す掘削領域に、他の掘削地点候補(第2の掘削地点候補)が含まれる場合、当該他の掘削地点候補(第2の掘削地点候補)を、複数の掘削地点候補から除外するという構成が採用されている。このため、本例示的実施形態に係る掘削地点特定システム100cによれば、例示的実施形態2に係る掘削地点特定システム100aの奏する効果に加えて、適切に掘削地点候補の数を減らすことができ、掘削量を算出する際の演算量を削減することができるという効果が得られる。
【0105】
また、本例示的実施形態に係る掘削地点特定システム100cにおいては、抽出部12が、掘削装置のショベルが届かない範囲には掘削地点候補を設定しなという構成が採用されている。このため、本例示的実施形態に係る掘削地点特定システム100cによれば、例示的実施形態2に係る掘削地点特定システム100aの奏する効果に加えて、適切に掘削地点候補の数を減らすことができ、掘削量を算出する際の演算量を削減することができるという効果が得られる。
【0106】
〔ソフトウェアによる実現例〕
掘削地点特定装置1,1a,1b,1cの一部又は全部の機能は、集積回路(ICチップ)等のハードウェアによって実現してもよいし、ソフトウェアによって実現してもよい。
【0107】
後者の場合、掘削地点特定装置1,1a,1b,1cは、例えば、各機能を実現するソフトウェアであるプログラムの命令を実行するコンピュータによって実現される。このようなコンピュータの一例(以下、コンピュータ6と記載する)を図13に示す。コンピュータ6は、少なくとも1つのプロセッサ61と、少なくとも1つのメモリ62とを備え、内部バス63を介して接続されている。メモリ62には、コンピュータ6を掘削地点特定装置1,1a,1b,1cとして動作させるためのプログラムPが記録されている。コンピュータ6において、プロセッサ61は、プログラムPをメモリ62から読み取って実行することにより、掘削地点特定装置1,1a,1b,1cの各機能が実現される。
【0108】
プロセッサ61としては、例えば、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphic Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)、MPU(Micro Processing Unit)、FPU(Floating point number Processing Unit)、PPU(Physics Processing Unit)、マイクロコントローラ、GPGPU(General-Purpose computing on Graphics Processing Units)、又は、これらの組み合わせなどを用いることができる。メモリ62としては、例えば、フラッシュメモリ、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、又は、これらの組み合わせなどを用いることができる。
【0109】
なお、コンピュータ6は、プログラムPを実行時に展開したり、各種データを一時的に記憶したりするためのRAM(Random Access Memory)を更に備えていてもよい。また、コンピュータ6は、他の装置との間でデータを送受信するための通信インタフェースを更に備えていてもよい。また、コンピュータ6は、キーボードやマウス、ディスプレイやプリンタなどの入出力機器を接続するための入出力インタフェースを更に備えていてもよい。
【0110】
また、プログラムPは、コンピュータ6が読み取り可能な、一時的でない有形の記録媒体7に記録することができる。このような記録媒体7としては、例えば、CD-ROM(Compact Disc-Read Only Memory)、DVD(Digital Versatile Disc)、テープ、ディスク、カード、半導体メモリ、又はプログラマブルな論理回路などを用いることができる。コンピュータ6は、このような記録媒体7を介してプログラムPを取得することができる。また、プログラムPは、伝送媒体を介して伝送することができる。このような伝送媒体としては、例えば、通信ネットワーク、又は放送波などを用いることができる。コンピュータ6は、このような伝送媒体を介してプログラムPを取得することもできる。
【0111】
〔付記事項1〕
本発明は、上述した実施形態に限定されるものでなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能である。例えば、上述した実施形態に開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても、本発明の技術的範囲に含まれる。
【0112】
〔付記事項2〕
上述した実施形態の一部又は全部は、以下のようにも記載され得る。ただし、本発明は、以下の記載する態様に限定されるものではない。
【0113】
(付記1)
掘削装置が掘削する掘削対象物の複数地点における高さ情報を取得する取得手段と、
前記高さ情報を参照して、前記掘削装置が掘削を開始する掘削地点の候補である掘削地点候補を複数抽出する抽出手段と、
前記抽出手段によって抽出された複数の前記掘削地点候補の各々に関して、前記掘削装置の掘削軌道に基づいて、前記掘削装置が掘削する掘削量を推定する推定手段と、
前記推定手段によって推定された掘削量に基づいて、複数の前記掘削地点候補の中から掘削地点を選択する選択手段とを備える、掘削地点特定装置。
【0114】
上記の構成により、掘削対象物の形状が変化しても、掘削量が多い掘削地点を効率的に特定することができる。
【0115】
(付記2)
前記掘削対象物を含むエリアを複数のメッシュに分割するエリア分割手段を備え、
前記抽出手段は、前記掘削対象物の高さ情報に応じていずれかのメッシュを前記掘削地点候補として抽出する、付記1に記載の掘削地点特定装置。
【0116】
上記の構成により、掘削地点候補を容易に抽出することができる。
【0117】
(付記3)
前記エリア分割手段は、前記メッシュに含まれる計測装置の計測点数が所定数以上となるように前記メッシュのサイズを算出する、付記2に記載の掘削地点特定装置。
【0118】
上記の構成により、センサ測定誤差を抑えるフィルタを適用しやすく、メッシュを適切な大きさとすることができる。
【0119】
(付記4)
前記推定手段は、前記掘削装置の掘削軌道に含まれる前記メッシュ内の高さ情報を参照して前記掘削量を推定する、付記2または3に記載の掘削地点特定装置。
【0120】
上記の構成により、掘削地点候補を掘削開始地点とした掘削量を容易に算出することができる。
【0121】
(付記5)
前記抽出手段は、
前記複数の掘削地点候補に含まれる第1の掘削地点候補を掘削地点とした場合の掘削軌道が示す掘削領域に、前記複数の掘削地点候補に含まれる第2の掘削地点候補が含まれる場合、当該第2の掘削地点候補を、前記複数の掘削地点候補から除外する、付記1~4のいずれかに記載の掘削地点特定装置。
【0122】
上記の構成により、適切に掘削地点候補の数を減らすことができ、掘削量を算出する際の演算量を削減することができる。
【0123】
(付記6)
前記抽出手段は、前記掘削装置のショベルが届かない範囲には前記掘削地点候補を設定しない、付記1~5のいずれかに記載の掘削地点特定装置。
【0124】
上記の構成により、適切に掘削地点候補の数を減らすことができ、掘削量を算出する際の演算量を削減することができる。
【0125】
(付記7)
掘削装置が掘削する掘削対象物を含んだエリアを計測する計測手段と、
前記計測手段から受信した前記計測情報を参照して、前記掘削装置が掘削する前記掘削対象物の複数地点における高さ情報を取得する取得手段と、
前記高さ情報を参照して、前記掘削装置が掘削を開始する掘削地点の候補である掘削地点候補を複数抽出する抽出手段と、
前記抽出手段によって抽出された複数の前記掘削地点候補の各々に関して、前記掘削装置の掘削軌道に基づいて、前記掘削装置が掘削する掘削量を推定する推定手段と、
前記推定手段によって推定された掘削量に基づいて、複数の前記掘削地点候補の中から掘削地点を選択する選択手段とを含む、掘削地点特定システム。
【0126】
上記の構成により、掘削対象物の形状が変化しても、掘削量が多い掘削地点を効率的に特定することができる。
【0127】
(付記8)
前記掘削対象物を含むエリアを複数のメッシュに分割するエリア分割手段を備え、
前記抽出手段は、前記掘削対象物の高さ情報に応じていずれかのメッシュを前記掘削地点候補として抽出する、付記7に記載の掘削地点特定システム。
【0128】
上記の構成により、掘削地点候補を容易に抽出することができる。
【0129】
(付記9)
前記エリア分割手段は、前記メッシュに含まれる前記計測手段の計測点数が所定数以上となるように前記メッシュのサイズを算出する、付記8に記載の掘削地点特定システム。
【0130】
上記の構成により、センサ測定誤差を抑えるフィルタを適用しやすく、メッシュを適切な大きさとすることができる。
【0131】
(付記10)
前記推定手段は、前記掘削装置の掘削軌道に含まれる前記メッシュ内の高さ情報を参照して前記掘削量を推定する、付記8または9に記載の掘削地点特定システム。
【0132】
上記の構成により、掘削地点候補を掘削開始地点とした掘削量を容易に算出することができる。
【0133】
(付記11)
前記抽出手段は、
前記複数の掘削地点候補に含まれる第1の掘削地点候補を掘削地点とした場合の掘削軌道が示す掘削領域に、前記複数の掘削地点候補に含まれる第2の掘削地点候補が含まれる場合、当該第2の掘削地点候補を、前記複数の掘削地点候補から除外する、付記7~10のいずれかに記載の掘削地点特定システム。
【0134】
上記の構成により、適切に掘削地点候補の数を減らすことができ、掘削量を算出する際の演算量を削減することができる。
【0135】
(付記12)
前記抽出手段は、前記掘削装置のショベルが届かない範囲には前記掘削地点候補を設定しない、付記7~11のいずれかに記載の掘削地点特定システム。
【0136】
上記の構成により、適切に掘削地点候補の数を減らすことができ、掘削量を算出する際の演算量を削減することができる。
【0137】
(付記13)
掘削装置が掘削する掘削対象物の複数地点における高さ情報を取得し、
前記高さ情報を参照して、前記掘削装置が掘削を開始する掘削地点の候補である掘削地点候補を複数抽出し、
前記抽出された複数の前記掘削地点候補の各々に関して、前記掘削装置の掘削軌道に基づいて、前記掘削装置が掘削する掘削量を推定し、
前記推定された掘削量に基づいて、複数の前記掘削地点候補の中から掘削地点を選択する、掘削地点特定方法。
【0138】
上記の構成により、掘削対象物の形状が変化しても、掘削量が多い掘削地点を効率的に特定することができる。
【0139】
(付記14)
前記掘削対象物を含むエリアを複数のメッシュに分割し、
前記掘削地点候補を複数抽出する処理において、前記掘削対象物の高さ情報に応じていずれかのメッシュを前記掘削地点候補として抽出する、付記13に記載の掘削地点特定方法。
【0140】
上記の構成により、掘削地点候補を容易に抽出することができる。
【0141】
(付記15)
前記複数のメッシュに分割する処理において、前記メッシュに含まれる計測装置の計測点数が所定数以上となるように前記メッシュのサイズを算出する、付記14に記載の掘削地点特定方法。
【0142】
上記の構成により、センサ測定誤差を抑えるフィルタを適用しやすく、メッシュを適切な大きさとすることができる。
【0143】
(付記16)
前記掘削装置が掘削する掘削量を推定する処理において、前記掘削装置の掘削軌道に含まれる前記メッシュ内の高さ情報を参照して前記掘削量を推定する、付記14または15に記載の掘削地点特定方法。
【0144】
上記の構成により、掘削地点候補を掘削開始地点とした掘削量を容易に算出することができる。
【0145】
(付記17)
前記掘削地点候補を複数抽出する処理において、
前記複数の掘削地点候補に含まれる第1の掘削地点候補を掘削地点とした場合の掘削軌道が示す掘削領域に、前記複数の掘削地点候補に含まれる第2の掘削地点候補が含まれる場合、当該第2の掘削地点候補を、前記複数の掘削地点候補から除外する、付記13~16のいずれかに記載の掘削地点特定方法。
【0146】
上記の構成により、適切に掘削地点候補の数を減らすことができ、掘削量を算出する際の演算量を削減することができる。
【0147】
(付記18)
前記掘削地点候補を複数抽出する処理において、前記掘削装置のショベルが届かない範囲には前記掘削地点候補を設定しない、付記13~17のいずれかに記載の掘削地点特定方法。
【0148】
上記の構成により、適切に掘削地点候補の数を減らすことができ、掘削量を算出する際の演算量を削減することができる。
【0149】
(付記19)
コンピュータを掘削地点特定装置として機能させるプログラムであって、
前記コンピュータを、掘削装置が掘削する掘削対象物の複数地点における高さ情報を取得する取得手段、
前記高さ情報を参照して、前記掘削装置が掘削を開始する掘削地点の候補である掘削地点候補を複数抽出する抽出手段、
前記抽出手段によって抽出された複数の前記掘削地点候補の各々に関して、前記掘削装置の掘削軌道に基づいて、前記掘削装置が掘削する掘削量を推定する推定手段、
前記推定手段によって推定された掘削量に基づいて、複数の前記掘削地点候補の中から掘削地点を選択する選択手段、
として機能させるプログラム。
【0150】
(付記20)
コンピュータを掘削地点特定装置として機能させるプログラムを記録した、前記コンピュータで読み取り可能な記録媒体であって、
前記コンピュータを、掘削装置が掘削する掘削対象物の複数地点における高さ情報を取得する取得手段、
前記高さ情報を参照して、前記掘削装置が掘削を開始する掘削地点の候補である掘削地点候補を複数抽出する抽出手段、
前記抽出手段によって抽出された複数の前記掘削地点候補の各々に関して、前記掘削装置の掘削軌道に基づいて、前記掘削装置が掘削する掘削量を推定する推定手段、
前記推定手段によって推定された掘削量に基づいて、複数の前記掘削地点候補の中から掘削地点を選択する選択手段、
として機能させるプログラムを記録した記録媒体。
【0151】
(付記21)
少なくとも1つのプロセッサを備え、前記プロセッサは、掘削装置が掘削する掘削対象物の複数地点における高さ情報を取得する処置と、高さ情報を参照して、掘削装置が掘削を開始する掘削地点の候補である掘削地点候補を複数抽出する処理と、抽出された複数の掘削地点候補の各々に関して、掘削装置の掘削軌道に基づいて、掘削装置が掘削する掘削量を推定する処理と、推定された掘削量に基づいて、複数の掘削地点候補の中から掘削地点を選択する処理とを実行する掘削地点特定装置。
【0152】
なお、この掘削地点特定装置は、更にメモリを備えていてもよく、このメモリには、前記取得する処理と、前記抽出する処理と、前記推定する処理と、前記選択する処理とを前記プロセッサに実行させるためのプログラムが記憶されていてもよい。また、このプログラムは、コンピュータ読み取り可能な一時的でない有形の記録媒体に記録されていてもよい。
【符号の説明】
【0153】
1,1a,1b,1c 掘削地点特定装置
2 計測装置
3 掘削装置
4 通信ネットワーク
5 制御装置
6 コンピュータ
7 記録媒体
11 取得部
12 抽出部
13 推定部
14 選択部
15 エリア分割部
16 通信部
61 プロセッサ
62 メモリ
63 内部バス
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13