(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-16
(45)【発行日】2024-07-24
(54)【発明の名称】睡眠質を点数化する装置、方法及びコンピュータプログラム
(51)【国際特許分類】
A61B 5/16 20060101AFI20240717BHJP
A61B 5/11 20060101ALI20240717BHJP
A61B 5/113 20060101ALI20240717BHJP
【FI】
A61B5/16 130
A61B5/11 110
A61B5/113
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023037711
(22)【出願日】2023-03-10
【審査請求日】2023-05-18
(31)【優先権主張番号】10-2022-0030033
(32)【優先日】2022-03-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2023-0021306
(32)【優先日】2023-02-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】523089128
【氏名又は名称】ビットセンシング インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100087398
【氏名又は名称】水野 勝文
(74)【代理人】
【識別番号】100128783
【氏名又は名称】井出 真
(74)【代理人】
【識別番号】100128473
【氏名又は名称】須澤 洋
(74)【代理人】
【識別番号】100160886
【氏名又は名称】久松 洋輔
(72)【発明者】
【氏名】チェ,ソン タク
【審査官】藤原 伸二
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2021/220247(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2019/0099582(US,A1)
【文献】特表2021-508279(JP,A)
【文献】特開2002-236698(JP,A)
【文献】特開2019-204444(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 5/16
A61B 5/11-5/113
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
睡眠質を点数化する装置において、
複数の睡眠ポリグラフ検査(PSG:polysomnography)対象者に対する睡眠ポリグラフ検査結果情報に基づいて
、睡眠ポリグラフ検査の要素別
の点数が前記睡眠ポリグラフ検査の要素別分布表で分布する水準である分布度合に応じて前記睡眠ポリグラフ検査の要素毎に分布モデルを生成し、前記分布モデル
上で前記分布度合に対する点数を与えるための点数化関数を
前記分布モデル毎に生成する点数化関数生成部と、
対象客体に向けてレーダ信号を送信し、前記対象客体から反射されたレーダ信号を受信する送受信部と、
前記対象客体の呼吸及び動きのうち少なくとも1つ以上による前記反射されたレーダ信号
の変化に基づいて
、前記対象客体
の睡眠時間に関する睡眠時間情報及び
前記対象客体の睡眠中に発生する睡眠イベントに関するイベント発生情報を導出する情報導出部と、
前記睡眠時間情報及び前記イベント発生情報を前記点数化関数に適用して
前記睡眠ポリグラフ検査の要素別点数を計算する要素別点数計算部と、
計算された前記要素別点数に基づいて前記対象客体に対する睡眠質点数を計算する睡眠質点数計算部と
を含むことを特徴とする睡眠質を点数化する装置。
【請求項2】
前記対象客体の前記睡眠時間情報は、
前記睡眠ポリグラフ検査の要素のうち総睡眠時間、総覚醒回数、総覚醒時間及び入眠潜時のうち少なくとも1つに対応する要素を含むことを特徴とする、請求項1に記載の睡眠質を点数化する装置。
【請求項3】
前記対象客体の前記イベント発生情報は、
前記睡眠ポリグラフ検査の要素のうち中枢性無呼吸回数、閉塞性無呼吸回数、低呼吸回数及び呼吸努力関連覚醒回数のうち少なくとも1つに対応する要素を含むことを特徴とする、請求項1に記載の睡眠質を点数化する装置。
【請求項4】
前記点数化関数生成部は、
前記複数の睡眠ポリグラフ検査対象者に対してそれぞれ測定された睡眠ポリグラフ検査結果情報から各要素別ヒストグラムを生成し、前記要素別ヒストグラムに基づいて前記分布モデルを生成することを特徴とする、請求項1に記載の睡眠質を点数化する装置。
【請求項5】
前記点数化関数生成部は、
睡眠ポリグラフ検査対象者の年齢及び疾病群のうち少なくとも1つ以上の分類基準に応じて互いに異なる分布モデルを生成することを特徴とする、請求項1に記載の睡眠質を点数化する装置。
【請求項6】
前記睡眠質点数計算部は、
前記要素別点数に加重値を与え、与えられた加重値を反映して前記睡眠質点数を計算し、前記加重値は、前記対象客体から入力されるフィードバック情報に基づいて計算されることを特徴とする、請求項1に記載の睡眠質を点数化する装置。
【請求項7】
睡眠質を点数化する装置を利用する睡眠質の点数化方法において、
前記睡眠質を点数化する装置が、複数の睡眠ポリグラフ検査対象者に対する睡眠ポリグラフ検査結果情報に基づいて
、睡眠ポリグラフ検査の要素別
の点数が前記睡眠ポリグラフ検査の要素別分布表で分布する水準である分布度合に応じて前記睡眠ポリグラフ検査の要素毎に分布モデルを生成し、前記分布モデル
上で前記分布度合の高い範囲に対してより高い点数を与えるための点数化関数を
前記分布モデル毎に生成する点数化関数生成ステップと、
前記睡眠質を点数化する装置が、対象客体に向けてレーダ信号を送信し、前記対象客体から反射されたレーダ信号を受信する送受信ステップと、
前記睡眠質を点数化する装置が、前記対象客体の呼吸及び動きのうち少なくとも1つ以上による前記反射されたレーダ信号
の変化に基づいて
、前記対象客体
の睡眠時間に関する睡眠時間情報及び
前記対象客体の睡眠中に発生する睡眠イベントに関するイベント発生情報を導出する導出ステップと、
前記睡眠質を点数化する装置が、前記睡眠時間情報及び前記イベント発生情報を前記点数化関数に適用して
前記睡眠ポリグラフ検査の要素別点数を計算する要素別点数計算ステップと、
前記睡眠質を点数化する装置が、計算された前記要素別点数に基づいて前記対象客体に対する睡眠質点数を計算する睡眠質点数計算ステップと
を含むことを特徴とする睡眠質の点数化方法。
【請求項8】
前記対象客体の前記睡眠時間情報は、
前記睡眠ポリグラフ検査の要素のうち総睡眠時間、総覚醒回数、総覚醒時間及び入眠潜時のうち少なくとも1つに対応する要素を含むことを特徴とする、請求項
7に記載の睡眠質の点数化方法。
【請求項9】
前記対象客体の前記イベント発生情報は、
前記睡眠ポリグラフ検査の要素のうち中枢性無呼吸回数、閉塞性無呼吸回数、低呼吸回数及び呼吸努力関連覚醒回数のうち少なくとも1つに対応する要素を含むことを特徴とする、請求項
7に記載の睡眠質の点数化方法。
【請求項10】
前記点数化関数生成ステップは、
前記複数の睡眠ポリグラフ検査対象者に対してそれぞれ測定された睡眠ポリグラフ検査結果情報から各要素別ヒストグラムを生成し、前記要素別ヒストグラムに基づいて前記分布モデルを生成するステップであることを特徴とする、請求項
7に記載の睡眠質の点数化方法。
【請求項11】
前記点数化関数生成ステップは、
睡眠ポリグラフ検査対象者の年齢及び疾病群のうち少なくとも1つ以上の分類基準に応じて互いに異なる分布モデルを生成するステップであることを特徴とする、請求項
7に記載の睡眠質の点数化方法。
【請求項12】
前記睡眠質点数計算ステップは、
前記要素別点数に加重値を与え、与えられた加重値を反映して前記睡眠質点数を計算し、前記加重値は、前記対象客体から入力されるフィードバック情報に基づいて計算されることを特徴とする、請求項
7に記載の睡眠質の点数化方法。
【請求項13】
睡眠質を点数化する命令語のシーケンスを含むコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納されたコンピュータプログラムにおいて、
複数の睡眠ポリグラフ検査対象者に対する睡眠ポリグラフ検査結果情報に基づいて
、睡眠ポリグラフ検査の要素別
の点数が前記睡眠ポリグラフ検査の要素別分布表で分布する水準である分布度合に応じて前記睡眠ポリグラフ検査の要素毎に分布モデルを生成し、前記分布モデル
上で前記分布度合の高い範囲に対してより高い点数を与えるための点数化関数を
前記分布モデル毎に生成し、
対象客体に向けてレーダ信号を送信し、前記対象客体から反射されたレーダ信号を受信し、
前記対象客体の呼吸及び動きのうち少なくとも1つ以上による前記反射されたレーダ信号に基づいて
、前記対象客体
の睡眠時間に関する睡眠時間情報及び
前記対象客体の睡眠中に発生する睡眠イベントに関するイベント発生情報を導出し、
前記睡眠時間情報及び前記イベント発生情報を前記点数化関数に適用して
前記睡眠ポリグラフ検査の要素別点数を計算し、
計算された前記要素別点数に基づいて前記対象客体に対する睡眠質点数を計算する命令語のシーケンスを含む、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納されたコンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、睡眠の質を測定して点数化する装置、方法及びコンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
睡眠ポリグラフ検査(PSG:polysomnography)は、睡眠障害を診断するための検査であって、睡眠中の脳波、眼球運動、筋肉の動き、呼吸、心電図などを総合的に測定すると同時に睡眠状態をビデオで録画した後、測定及び録画された記録を分析することで、睡眠と係わる疾患を診断し、治療方針を決めるのに使用されている。
【0003】
上述した睡眠ポリグラフ検査は、睡眠時無呼吸症、睡眠障害、睡眠時遊行症などの症状を診断することができ、このような疾患を判断するための指数として、睡眠ステップ(Sleep stage)、無呼吸指数(Apnea-hypopnea index、AHI)、呼吸障害指数(Respiratory Disturbance Index、RDI)などが使用されている。
【0004】
一方、睡眠ポリグラフ検査は、専門家が様々なセンサにより測定された患者の生体データを組み合わせて上述した指数を判断するマニュアル睡眠スコアリング(Manual sleep scoring)法を利用している。
【0005】
言い換えれば、現在の睡眠ポリグラフ検査は、睡眠スコアリング(Sleep scoring)を各専門家の主観的な判断基準に従って進行しており、スコアリング結果の正確度や信頼度が低いという問題がある。
【0006】
具体的に、睡眠ポリグラフ検査は、睡眠スコアリングのための判定基準が非常に明確なように見えるが、患者毎に生体信号の形態や大きさが異なっており、生体信号に示される非定型性によって、専門家の間でも多くの誤差がある。実際に、専門家らが同じ患者の同じ生体データにて睡眠スコアリングを行えば、10%程度のスコアリング偏差が表れると知られている。
【0007】
しかし、睡眠スコアリングは専門家によって手作業で進行されるので、所要時間が長すぎるという問題がある。実際に熟練の専門家が一人の患者に対して睡眠スコアリングを進行する際の所要時間は、約3~4時間であると知られている。
【0008】
一方、睡眠の質と量を測定する基礎的な方法は、手首活動量計(Wrist Actigraphy)を利用して睡眠時間を測定することである。具体的に、手首活動量計を着用した着用者の活動状態を基に着用者の睡眠時間を測定し、睡眠中の寝返り(Toss)などを検出する。そして、手首に着用する光電容積脈波(Photoplethysmography、PPG)測定装置を利用し、着用者の睡眠中の心拍数及び心拍変動度を測定することができる。具体的に、着用者の睡眠段階を区別し、酸素飽和度(SpO2)を測定することで、無呼吸による酸素飽和度の低下(Desaturation)を検出する。
【0009】
しかし、従来技術による検査方法は、人の身体一部に検査装置を取り付けた状態で検査を進行しなければならないという不便が存在し、睡眠疾患をより精密に検査するためには、高コストの検査装置のみに依存しなければならないという限界が存在する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【文献】韓国登録特許公報第10-2321991号(2021年10月29日付にて登録)
【文献】韓国公開特許公報第10-2018-0077453号(2018年7月9日付にて公開)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は、上述した従来技術の問題点を解決するためのものであり、レーダを利用して人の睡眠状態を分析し、分析された結果を通じて睡眠質に対する点数の判定を自動化することによって、睡眠質の測定に所要される時間を最小化することができる睡眠質を点数化する装置、方法及びそのコンピュータプログラムを提供することを目的としている。
【0012】
また、本発明は、検査対象者の状態に応じて異なる分布モデルと点数化関数を通じて睡眠質を判断し、導出された睡眠質点数に対する正確性及び信頼性を向上させることができる睡眠質を点数化する装置、方法及びそのコンピュータプログラムを提供することを目的としている。
【0013】
但し、本実施例が解決しようとする技術的課題は、上記したような技術的課題に限定されるものではなく、また他の技術的課題が存在し得る。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上述した技術的課題を解決するための技術的手段として、本発明の一実施例は、睡眠質を点数化する装置において、複数の睡眠ポリグラフ検査対象者に対する睡眠ポリグラフ検査結果情報に基づいて睡眠ポリグラフ検査の要素別に分布モデルを生成し、前記分布モデル別に点数化関数を生成する点数化関数生成部と、対象客体に向けてレーダ信号を送信し、前記対象客体から反射されたレーダ信号を受信する送受信部と、前記レーダ信号に基づいて前記対象客体に対する睡眠時間情報及び複数の睡眠項目に関するイベント発生情報を導出する情報導出部と、前記睡眠時間情報及び前記イベント発生情報を前記点数化関数に適用して要素別点数を計算する要素別点数計算部と、計算された前記要素別点数に基づいて前記対象客体に対する睡眠質点数を計算する睡眠質点数計算部とを含んでいても良い。
【0015】
上述した課題を解決するための手段は、単なる例示であり、本発明を制限する意図で解釈されてはならない。上述した例示的な実施例の他にも、図面及び発明の詳細な説明に記載された追加の実施例が存在し得る。
【発明の効果】
【0016】
上述した本発明の課題を解決するための手段の何れか一つによれば、レーダを利用して人の睡眠状態を分析し、分析された結果を通じて睡眠質に対する点数の判定を自動化することによって、睡眠質の測定に所要される時間を最小化することができる睡眠質を点数化する装置、方法及びそのコンピュータプログラムを提供することができる。
【0017】
また、本発明は、検査対象者の状態に応じて異なる分布モデルと点数化関数を通じて睡眠質を判断し、導出された睡眠質点数に対する正確性及び信頼性を向上させることができる睡眠質を点数化する装置、方法及びそのコンピュータプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本発明の一実施例に係る睡眠質を点数化するシステムの構成図である。
【
図2】本発明の一実施例に係る睡眠質を点数化する装置の構成図である。
【
図3】本発明の一実施例に係る平均呼吸信号を算出する過程を説明するための例示的な図である。
【
図4】本発明の一実施例に係る時間感度因子及び振幅感度因子を説明するための例示的な図である。
【
図5】本発明の一実施例に係る第1の睡眠呼吸パターン情報及び第2の睡眠呼吸パターン情報を説明するための例示的な図である。
【
図6】本発明の一実施例に係る第1の睡眠呼吸イベント及び第2の睡眠呼吸イベントを説明するための例示的な図である。
【
図7a】本発明の一実施例に係る複数の睡眠項目に対する最適なパラメータを説明するための例示的な図である。
【
図7b】本発明の一実施例に係る睡眠ポリグラフ検査に関するデータセットの例示的な図である。
【
図8】本発明の一実施例に係る睡眠関連病症の分布情報に関する例示的な図である。
【
図9】本発明の一実施例に係る対象客体が睡眠関連病症に当たるか否かを判断する過程を説明するための例示的な図である。
【
図10】本発明の一実施例に係る睡眠質を点数化する過程を例示して説明するための図である。
【
図11】本発明の一実施例に係る睡眠質を点数化する過程を例示して説明するための図である。
【
図12】本発明の一実施例に係る分布モデルを例示して説明するための図である。
【
図13】本発明の一実施例に係る分布モデルを例示して説明するための図である。
【
図14】本発明の一実施例に係る点数化関数を例示して説明するための図である。
【
図15】本発明の一実施例に係る点数化関数を例示して説明するための図である。
【
図16】
図14の点数化関数によって睡眠質を点数化する過程を例示して説明するための図である。
【
図17】本発明の一実施例によって睡眠ポリグラフ検査の要素別に計算された点数を基に睡眠質点数を計算することを例示して説明するための図である。
【
図18】本発明の一実施例によって睡眠ポリグラフ検査の要素別に計算された点数を加重値に基づいて睡眠質点数を計算することを例示して説明するための図である。
【
図19】本発明の一実施例に係る睡眠質の点数化方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下では、添付した図面を参照しながら、本発明の属する技術分野において通常の知識を有する者が容易に実施できるように本発明の実施例を詳しく説明する。ところが、本発明は、様々な異なる形態で具現されることができ、ここで説明する実施例に限定されるものではない。そして、図面において、本発明を明確に説明するために、説明とは関係ない部分は省略しており、明細書全体に亘って類似した部分に対しては類似した図面符号を付けている。
【0020】
明細書全体において、ある部分が他の部分と「連結」されているという場合、これは「直接的に連結」されている場合だけでなく、その中間に他の素子を挟んで「電気的に連結」されている場合も含む。また、ある部分がある構成要素を「含む」という場合、これは、特に反対の記載がない限り、他の構成要素を除くのではなく、他の構成要素をさらに含み得ることを意味し、1つ又はそれ以上の他の特徴や数字、段階、動作、構成要素、部分又はこれらを組み合わせたものの存在又は付加可能性を予め排除するものではないと理解されなければならない。
【0021】
本明細書において「部」とは、ハードウェアによって実現されるユニット(unit)、ソフトウェアによって実現されるユニット、両方を利用して実現されるユニットを含む。また、1つのユニットが2つ以上のハードウェアを利用して実現されても良く、2つ以上のユニットが1つのハードウェアによって実現されても良い。
【0022】
本明細書において、端末又はデバイスが行うと記述された動作や機能のうち一部は、当該端末又はデバイスと連結されたサーバにおいて代わりに行われても良い。それと同様に、サーバが行うと記述された動作や機能のうち一部も、当該サーバと連結された端末又はデバイスにおいて行われても良い。
【0023】
以下、添付された図面を参照しながら、本発明の一実施例を詳しく説明することとする。
【0024】
図1は、本発明の一実施例に係る睡眠質を点数化する装置の構成図である。
【0025】
図1を参照すると、睡眠質を点数化するシステム1は、睡眠質を点数化する装置100と、レーダ110とを含んでいても良い。
【0026】
図1の睡眠質を点数化するシステム1の各構成要素は、一般的にネットワーク(network)を介して連結される。例えば、
図1に示すように、睡眠質を点数化する装置100及びレーダ110は、同時に又は時間間隔を空けて連結されても良い。ネットワークは、端末及びサーバのようなそれぞれのノードの相互間に情報交換が可能な連結構造を意味するものであり、構内通信網(LAN:Local Area Network)、広域通信網(WAN:Wide Area Network)、インターネット(WWW:World Wide Web)、有無線データ通信網、電話網、有無線テレビ通信網などを含む。無線データ通信網の一例には、3G、4G、5G、3GPP(3rd Generation Partnership Project)、LTE(Long Term Evolution)、WIMAX(World Interoperability for Microwave Access)、ワイファイ(Wi-Fi)、ブルートゥース通信、赤外線通信、超音波通信、可視光通信(VLC:Visible Light Communication)、ライファイ(LiFi)などが含まれるが、これに限定されるものではない。
【0027】
睡眠質を点数化する装置100は、対象客体111の睡眠中にレーダ110を利用して対象客体111の呼吸信号を分析しても良い。睡眠質を点数化する装置100は、対象客体111の呼吸信号を利用して対象客体111の睡眠障害を検出し、睡眠関連疾患を判断しても良い。
【0028】
例えば、睡眠質を点数化する装置100は、睡眠中の対象客体111と所定距離を維持した位置に配置され、レーダ110を介して対象客体111に向けてレーダ信号を送信しても良く、対象客体111から反射されるレーダ信号を受信しても良い。
【0029】
睡眠質を点数化する装置100は、レーダ110を利用して対象客体111の閉塞性睡眠時無呼吸症、中枢性睡眠時無呼吸症及び混合性睡眠時無呼吸症などを含む睡眠関連病症を判断しても良い。
【0030】
よって、睡眠質を点数化する装置100を利用すれば、睡眠ポリグラフ検査を進行しなくても、睡眠ポリグラフ検査のように対象客体111の睡眠関連病症を精密に判断し、原因を分析することができる。
【0031】
これにより、睡眠質を点数化する装置100は、レーダ110を利用して対象客体111の睡眠と係わる呼吸信号を分析することで、従来の睡眠ポリグラフ検査を進行する過程における煩雑さを簡素化することができる。また、睡眠質を点数化する装置100は、日常生活で簡便に対象客体111の睡眠呼吸を持続的に分析することができ、睡眠関連病症の追跡観察を進行することができる。また、非対面で対象客体111の睡眠呼吸を分析することができるという効果もある。
【0032】
以下、睡眠質を点数化する装置100の各構成要素を検討することとする。
【0033】
図2は、本発明の一実施例に係る睡眠質を点数化する装置の構成図である。
図2を参照すると、睡眠質を点数化する装置100は、送受信部210と、情報導出部220と、指数導出部230と、病症判断部240と、点数化関数生成部250と、要素別点数計算部260と、睡眠質点数計算部270とを含んでいても良い。但し、上記の構成要素210~270は、睡眠質を点数化する装置100によって制御され得る構成要素を例示的に示したものに過ぎない。上記した送受信部210は、
図1のレーダ110に対応する構成として理解されても良い。
【0034】
以下、睡眠質を点数化する装置100の各構成要素を検討することとする。
【0035】
送受信部210は、対象客体に向けてレーダ信号を送信しても良い。送受信部210は、対象客体から反射されるレーダ信号を受信しても良い。例えば、送受信部210は、レーダを利用して対象客体に向けてレーダ信号を送信し、対象客体から反射されるレーダ信号を受信しても良い。
【0036】
情報導出部220は、対象客体から反射されるレーダ信号を利用して対象客体の平均呼吸信号を導出し、平均呼吸信号に基づいて対象客体の睡眠呼吸パターン情報を生成し、睡眠中に発生する睡眠呼吸イベントを検出しても良い。
【0037】
情報導出部220は、平均呼吸信号導出部221と、睡眠呼吸パターン情報生成部222と、睡眠呼吸イベント検出部223とを含んでいても良い。平均呼吸信号導出部221は、レーダ信号に基づいて対象客体に対する平均呼吸信号を導出しても良い。例えば、平均呼吸信号導出部221は、対象客体から反射されるレーダ信号のパターン、信号の振幅の変化を利用し、対象客体の通常の呼吸に当たる信号を算出しても良い。
【0038】
平均呼吸信号導出部221は、対象客体から反射されるレーダ信号と2つの感度因子を利用し、対象客体に対する平均呼吸信号を算出しても良い。
【0039】
以下、
図3及び
図4を参照しながら平均呼吸信号を算出する過程を検討することとする。
【0040】
図3は、本発明の一実施例に係る平均呼吸信号を算出する過程を説明するための例示的な図である。
図3を参照すると、平均呼吸信号導出部221は、対象客体から反射されるレーダ信号310を利用して対象客体の平均呼吸信号311を導出し、対象客体の睡眠呼吸に関する状態情報312を生成しても良い。
【0041】
例えば、平均呼吸信号導出部221は、レーダ信号310に基づき、時間感度因子及び振幅感度因子を利用して平均呼吸信号311を導出しても良い。平均呼吸信号導出部221は、下記数学式1を利用しても良い。
【0042】
【0043】
数学式1において、mは、対象客体の平均呼吸信号であり、xは、対象客体から反射されて受信したレーダ信号である。Lは、特定連続区間の時間長さを意味する時間感度因子であり、シーケンス単位でレーダ信号の周波数と秒単位の長さを掛けた整数である。そして、Fは、特定連続区間の振幅に反応する振幅感度因子である。
【0044】
例えば、平均呼吸信号導出部221は、時間感度因子及び振幅感度因子を利用して対象客体に対する平均呼吸信号を算出しても良い。数学式1を参照すると、対象客体に対する平均呼吸信号は、時間感度因子が大きくなるほど、振幅感度因子が小さくなるほど、時間に応じた信号の波形が鈍り、時間感度因子が小さくなるほど、振幅感度因子が大きくなるほど、時間に応じた信号の波形が急変し得る。
【0045】
平均呼吸信号導出部221は、対象客体から受信したレーダ信号310と平均呼吸信号311とを比較しても良い。例えば、平均呼吸信号導出部221は、レーダ信号310のうち平均呼吸信号311よりも小さい区間を検出しても良い。平均呼吸信号導出部221は、レーダ信号310のうち平均呼吸信号311よりも小さい区間を検出し、睡眠呼吸に関する状態情報312を生成しても良い。
【0046】
平均呼吸信号導出部221は、レーダ信号310のうち平均呼吸信号311よりも小さい区間に対して「1」を付与し、それ以外の区間に対して「0」を付与しても良い。例えば、平均呼吸信号導出部221は、検出結果に基づいて対象客体の睡眠呼吸に関する呼吸状態情報を生成しても良い。つまり、対象客体の睡眠呼吸に関する状態情報312は、「1」又は「0」の値で表現されても良い。
【0047】
図4は、本発明の一実施例に係る時間感度因子及び振幅感度因子を説明するための例示的な図である。例えば、平均呼吸信号導出部221は、対象客体から受信したレーダ信号に基づいて対象客体に対する平均呼吸信号を算出しても良い。このとき、平均呼吸信号導出部221は、時間感度因子及び振幅感度因子を活用しても良い。
【0048】
図4の(a)は、レーダ信号410から導出された時間感度因子の変化に応じた平均呼吸信号を示すグラフであり、(b)は、レーダ信号410から導出された振幅感度因子の変化に応じた平均呼吸信号を示すグラフである。
【0049】
図4の(a)に示された例示及び上述した数学式1を参照すると、時間感度因子の周期が短くなるほど、当該時間感度因子に対応する平均呼吸信号の波形は急変し得る。例えば、10秒周期の時間感度因子に対応する平均呼吸信号の波形411と、20秒周期の時間感度因子412に対応する平均呼吸信号の波形と、30秒周期の時間感度因子413に対応する平均呼吸信号の波形とを比較すると、10秒周期の時間感度因子に対応する平均呼吸信号の波形411の方が最も急変し得る。
【0050】
図4の(b)に示された例示及び上述した数学式1を参照すると、振幅感度因子の周期が短くなるほど、当該振幅感度因子に対応する平均呼吸信号の波形は鈍り得る。例えば、0.5周期の振幅感度因子に対応する平均呼吸信号の波形414と、1.0周期の振幅感度因子415に対応する平均呼吸信号の波形と、1.5周期の振幅感度因子416に対応する平均呼吸信号の波形とを比較すると、0.5周期の振幅感度因子に対応する平均呼吸信号の波形411の方が最も鈍り得る。
【0051】
睡眠呼吸パターン情報生成部222は、平均呼吸信号とレーダ信号とを比較することで対象客体に対する睡眠呼吸パターン情報を生成しても良い。例えば、睡眠呼吸パターン情報生成部222は、対象客体から受信したレーダ信号のうち対象客体の平均呼吸信号よりも小さい区間を検出しても良い。
【0052】
睡眠呼吸パターン情報生成部222は、レーダ信号のうち平均呼吸信号よりも小さい場合を検出し、対象客体の睡眠呼吸に関する呼吸状態情報を生成しても良い。つまり、睡眠呼吸パターン情報生成部222は、レーダを利用して対象客体の現在の睡眠呼吸と通常の睡眠呼吸とを比較した対象客体の睡眠呼吸状態情報を生成しても良い。例えば、睡眠呼吸パターン情報生成部222は、下記数学式2を利用しても良い。
【0053】
【0054】
数学式2において、a1は、対象客体の睡眠呼吸に関する呼吸状態情報であり、x[i]は、対象客体から反射されて受信したレーダ信号であり、m[i]は、対象客体の平均呼吸信号である。
【0055】
例えば、睡眠呼吸パターン情報生成部222は、睡眠中に対象客体から受信したレーダ信号と対象客体の平均呼吸信号とを比較しても良い。睡眠呼吸パターン情報生成部222は、対象客体から受信したレーダ信号のうち対象客体の平均呼吸信号よりも小さい区間を検出しても良い。
【0056】
睡眠呼吸パターン情報生成部222は、対象客体の睡眠呼吸に関する呼吸状態情報を利用し、対象客体の睡眠状態の連続性を表現する第1の睡眠呼吸パターン情報及び第2の睡眠呼吸パターン情報を生成しても良い。
【0057】
以下、
図5を参照しながら対象客体の睡眠呼吸パターン情報を生成する過程を検討することとする。
【0058】
図5は、本発明の一実施例に係る第1の睡眠呼吸パターン情報及び第2の睡眠呼吸パターン情報を説明するための例示的な図である。
図5を参照すると、先ず、睡眠呼吸パターン情報生成部222は、対象客体の平均呼吸信号を生成しても良い。例えば、レーダ信号のうち平均呼吸信号よりも小さい場合は、対象客体の現在の呼吸状態情報が「1」と導出され(
図5の図面符号510に当たる)、レーダ信号のうち平均呼吸信号よりも大きい場合は、対象客体の現在の呼吸状態情報が「0」と導出されても良い(
図5の図面符号512に当たる)。
【0059】
そして、睡眠呼吸パターン情報生成部222は、対象客体から反射されるレーダ信号を対象客体の平均呼吸信号と比較し、第1の睡眠呼吸パターン情報511及び第2の睡眠呼吸パターン情報512を含む睡眠呼吸パターン情報を生成しても良い。
【0060】
睡眠呼吸パターン情報生成部222は、呼吸状態情報の持続有無に基づいて対象客体の睡眠呼吸に関する第1の睡眠呼吸パターン情報511を生成しても良い。睡眠呼吸パターン情報生成部222は、対象客体の現在の睡眠呼吸が通常の睡眠呼吸よりも小さい際に増加する値を有する第1の睡眠呼吸パターン情報511を生成しても良い。例えば、睡眠呼吸パターン情報生成部222は、下記数学式3を利用して第1の睡眠呼吸パターン情報511を生成しても良い。
【0061】
【0062】
数学式3において、c
11は、第1の睡眠呼吸パターン情報511である。例えば、睡眠呼吸パターン情報生成部222は、数学式3及び
図5を参照すると、対象客体から反射されるレーダ信号、即ち、対象客体の現在の呼吸が対象客体の平均呼吸信号よりも小さく、当該値が維持される場合に増加する値である第1の睡眠呼吸パターン情報511を算出しても良い。つまり、第1の睡眠呼吸パターン情報511は、対象客体の現在の呼吸状態情報が「1」に維持される場合に(
図5の図面符号510に当たる)増加し得る値であり、対象客体の睡眠中平均呼吸信号よりも小さい区間全体を意味しても良い。
【0063】
他の例において、睡眠呼吸パターン情報生成部222は、数学式3及び
図5を参照すると、対象客体の現在の呼吸が対象客体の平均呼吸信号よりも高くなれば第1の睡眠呼吸パターン情報511を初期化しても良い。つまり、第1の睡眠呼吸パターン情報511は、対象客体の呼吸状態情報が「1」ではない場合に(
図5の図面符号520に当たる)初期化されても良い。
【0064】
睡眠呼吸パターン情報生成部222は、呼吸状態情報の持続有無及び予め設定された閾値に基づいて第2の睡眠呼吸パターン情報512を生成しても良い。睡眠呼吸パターン情報生成部222は、対象客体の現在の睡眠呼吸が通常の睡眠呼吸よりも小さい際に増加するが、特定臨界時間に到逹すれば初期化され、再び増加する値を有する第2の睡眠呼吸パターン情報512を生成しても良い。例えば、睡眠呼吸パターン情報生成部222は、下記数学式4を利用して第2の睡眠呼吸パターン情報512を生成しても良い。
【0065】
【0066】
数学式4において、c
12は、第2の睡眠呼吸パターン情報512であり、Tは、予め設定された閾値であって、特定臨界時間530である。例えば、睡眠呼吸パターン情報生成部222は、数学式4及び
図5を参照すると、第1の睡眠呼吸パターン情報511と同様に、対象客体から反射されるレーダ信号、即ち、対象客体の現在の呼吸が対象客体の平均呼吸信号よりも小さく、当該値が維持される場合に増加する値であるが、特定臨界時間(数学式4のT、530)に到逹すれば初期化し、再び増加する第2の睡眠呼吸パターン情報512を算出しても良い。
【0067】
例えば、睡眠呼吸パターン情報生成部222は、数学式4及び
図5を参照すると、対象客体の現在の呼吸状態情報が「1」に維持される場合(510)、第2の睡眠呼吸パターン情報512の値を増加させても良いが、特定臨界時間530に到逹すれば第2の睡眠呼吸パターン情報512の値を初期化させ、再び増加させても良い。
【0068】
また、睡眠呼吸パターン情報生成部222は、レーダ信号のうち平均呼吸信号よりも大きい場合を検出し、対象客体の睡眠呼吸に関する動き状態情報を生成しても良い。例えば、睡眠呼吸パターン情報生成部222は、対象客体の睡眠中に感知される動きに関する動き状態情報を利用し、対象客体の睡眠動き状態の連続性を表現する第1の睡眠動きパターン情報及び第2の睡眠動きパターン情報を生成しても良い。
【0069】
先ず、睡眠呼吸パターン情報生成部222は、レーダ信号のうち平均呼吸信号よりも大きい場合を検出し、対象客体の睡眠呼吸に関する動き状態情報を生成しても良い。つまり、睡眠呼吸パターン情報生成部222は、レーダを利用して対象客体の現在の睡眠呼吸と通常の睡眠呼吸とを比較した対象客体の睡眠動き状態情報を生成しても良い。例えば、睡眠呼吸パターン情報生成部222は、下記数学式5を利用しても良い。
【0070】
【0071】
数学式5において、a2は、対象客体の睡眠呼吸に関する動き状態情報であり、x[i]は、対象客体から反射されて受信したレーダ信号であり、m[i]は、対象客体の平均呼吸信号である。
【0072】
例えば、睡眠呼吸パターン情報生成部222は、数学式5を参照すると、睡眠中に対象客体から受信したレーダ信号のうち対象客体の平均呼吸信号よりも大きい区間を検出しても良く、検出結果に基づき、対象客体の睡眠呼吸に関する動き状態情報、第1の睡眠動きパターン情報及び第2の睡眠動きパターン情報を生成しても良い。
【0073】
睡眠呼吸パターン情報生成部222は、動き状態情報の持続有無に基づいて対象客体の睡眠動きに関する第1の睡眠動きパターン情報を生成しても良い。
【0074】
睡眠呼吸パターン情報生成部222は、対象客体の現在の睡眠呼吸が通常の睡眠呼吸よりも大きい際に増加する値を有する第1の睡眠動きパターン情報を生成しても良い。
【0075】
例えば、睡眠呼吸パターン情報生成部222は、下記数学式6を利用しても良い。
【0076】
【0077】
数学式6において、c21は、第1の睡眠動きパターン情報であり、a2は、対象客体の睡眠呼吸に関する動き状態情報である。例えば、睡眠呼吸パターン情報生成部222は、数学式6を参照すると、対象客体から反射されるレーダ信号が対象客体の平均呼吸信号よりも大きく、当該値が維持される場合に増加する値である第1の睡眠動きパターン情報を算出しても良い。つまり、第1の睡眠動きパターン情報は、対象客体の睡眠中平均呼吸信号よりも大きい区間全体を意味しても良い。
【0078】
睡眠呼吸パターン情報生成部222は、動き状態情報の持続有無及び予め設定された閾値に基づいて第2の睡眠動きパターン情報を生成しても良い。睡眠呼吸パターン情報生成部222は、対象客体の現在の睡眠呼吸が通常の睡眠呼吸よりも大きい際に増加するが、特定臨界時間に到逹すれば初期化され、再び増加する値を有する第2の睡眠動きパターン情報を生成しても良い。例えば、睡眠呼吸パターン情報生成部222は、下記数学式7を利用しても良い。
【0079】
【0080】
数学式7において、c22は、第2の睡眠動きパターン情報であり、Tは、予め設定された閾値であって、特定臨界時間である。例えば、睡眠呼吸パターン情報生成部222は、数学式7を参照すると、第1の睡眠動きパターン情報と同様に、対象客体から反射されるレーダ信号が大きく、当該値が維持される場合に増加する値であるが、特定臨界時間に到逹すれば初期化し、再び増加する第2の睡眠動きパターン情報を算出しても良い。
【0081】
睡眠呼吸イベント検出部223は、睡眠呼吸パターン情報に基づいて睡眠呼吸イベントを検出しても良い。例えば、睡眠呼吸イベント検出部223は、第1の睡眠呼吸パターン情報及び第2の睡眠呼吸パターン情報を利用し、対象客体の睡眠中に第1の睡眠呼吸イベント及び第2の睡眠呼吸イベントを検出しても良い。以下、
図6を参照しながら対象客体の睡眠呼吸パターン情報を生成する過程を検討することとする。
【0082】
図6は、本発明の一実施例に係る第1の睡眠呼吸イベント及び第2の睡眠呼吸イベントを説明するための例示的な図である。
図6を参照すると、睡眠質を点数化する装置100は、第1の睡眠呼吸パターン情報610及び第2の睡眠呼吸パターン情報620から尖頭値640、650を検出し、第1の睡眠呼吸イベント及び第2の睡眠呼吸イベントを検出しても良い。
【0083】
睡眠呼吸イベント検出部223は、第1の睡眠呼吸パターン情報610のうち閾値以上に当たる値に基づいて第1の睡眠呼吸イベントを検出しても良い。睡眠呼吸イベント検出部223は、対象客体の睡眠中に特定臨界時間よりも大きい範囲において対象客体の睡眠呼吸が通常よりも小さい場合の睡眠呼吸イベントが発生した回数を検出した第1の睡眠呼吸イベントを検出しても良い。例えば、睡眠呼吸イベント検出部223は、下記数学式8を利用して第1の睡眠呼吸イベントを検出しても良い。
【0084】
【0085】
数学式8において、d
11は、第1の睡眠呼吸イベントであり、c
11は、第1の睡眠呼吸パターン情報610であり、Tは、予め設定された閾値であって、特定臨界時間630である。数学式8及び
図6を参照すると、睡眠質を点数化する装置100は、第1の睡眠呼吸パターン情報610のうち特定臨界時間630を超える区間において尖頭値(Peak)640を検出し、カウントすることによって、第1の睡眠呼吸イベントが発生した回数を検出しても良い。
【0086】
睡眠呼吸イベント検出部223は、第2の睡眠呼吸パターン情報620のうち閾値に到逹する値に基づいて第2の睡眠呼吸イベントを検出しても良い。睡眠呼吸イベント検出部223は、対象客体の睡眠中に特定臨界時間に到逹した睡眠呼吸イベントの発生回数を検出した第2の睡眠呼吸イベントを検出しても良い。例えば、睡眠質を点数化する装置100は、下記数学式9を利用して第2の睡眠呼吸イベントを検出しても良い。
【0087】
【0088】
数学式9において、d
12は、第2の睡眠呼吸イベントであり、c
12は、第2の睡眠呼吸パターン情報620であり、Tは、予め設定された閾値であって、特定臨界時間630である。数学式9及び
図6を参照すると、睡眠質を点数化する装置100は、第2の睡眠呼吸パターン情報620のうち特定臨界時間630に到逹した尖頭値650を検出し、カウントすることによって、第2の睡眠呼吸イベントが発生した回数を検出しても良い。
【0089】
つまり、睡眠呼吸イベント検出部223は、第1の睡眠呼吸イベント及び第2の睡眠呼吸イベントを混合して検出することにより、無呼吸/低呼吸イベントの持続時間に応じた様態を表現することができる。
【0090】
また、睡眠呼吸イベント検出部223は、睡眠動きパターン情報に基づいて睡眠動きイベントを検出しても良い。睡眠呼吸イベント検出部223は、第1の睡眠動きパターン情報のうち閾値以上に当たる値に基づいて第1の睡眠動きイベントを検出しても良い。睡眠呼吸イベント検出部223は、対象客体の睡眠中に特定臨界時間よりも大きい範囲において対象客体の睡眠呼吸が通常よりも大きい場合の睡眠動きイベントが発生した回数を検出した第1の睡眠動きイベントを検出しても良い。
【0091】
例えば、睡眠呼吸イベント検出部223は、下記数学式10を利用しても良い。
【0092】
【0093】
数学式10において、d21は、第1の睡眠動きイベントであり、c21は、第1の睡眠動きパターン情報であり、Tは、予め設定された閾値であって、特定臨界時間である。数学式10を参照すると、睡眠呼吸イベント検出部223は、第1の睡眠動きパターン情報のうち特定臨界時間を超える区間において尖頭値(Peak)を検出し、カウントすることによって、第1の睡眠動きイベントが発生した回数を検出しても良い。
【0094】
睡眠呼吸イベント検出部223は、第2の睡眠動きパターン情報のうち閾値に到逹する値に基づいて第2の睡眠動きイベントを検出しても良い。睡眠呼吸イベント検出部223は、対象客体の睡眠中に特定臨界時間に到逹した睡眠動きイベントの発生回数を検出した第2の睡眠動きイベントを検出しても良い。例えば、睡眠呼吸イベント検出部223は、下記数学式11を利用して第2の睡眠動きイベントを検出しても良い。
【0095】
【0096】
数学式11において、d22は、第2の睡眠動きイベントであり、c22は、第2の睡眠動きパターン情報であり、Tは、予め設定された閾値であって、特定臨界時間である。数学式11を参照すると、睡眠呼吸イベント検出部223は、第2の睡眠動きパターン情報のうち特定臨界時間に到逹した尖頭値を検出し、カウントすることによって、第2の睡眠動きイベントが発生した回数を検出しても良い。
【0097】
つまり、睡眠呼吸イベント検出部223は、第1の睡眠動きイベント及び第2の睡眠動きイベントを混合して検出することにより、睡眠呼吸イベントに対する誤探知を防止することができる。
【0098】
睡眠呼吸イベント検出部223は、複数の睡眠項目(又は睡眠検査項目)に対する最適なパラメータを設定しても良い。例えば、睡眠呼吸イベント検出部223は、レーダを利用して抽出できる睡眠検査項目を設定しても良い。睡眠呼吸イベント検出部223は、人の腹腔(Abdominal)及び四肢(Limb)の動きなどに基づき、無呼吸(Apnea)、低呼吸(Hypopnea)、無呼吸と低呼吸の原因となる中枢性(Central)及び各種の一時的な覚醒(Arousal)及び睡眠段階などを含む各種の睡眠検査項目を設定しても良い。
【0099】
最適なパラメータは、イベント発生関連パラメータと、信号処理パラメータとを含んでいても良い。例えば、イベント発生関連パラメータは、対象客体の睡眠中に検出された第1の睡眠呼吸パターン情報、第2の睡眠呼吸パターン情報、第1の睡眠動きパターン情報、及び第2の睡眠動きパターン情報に関する回帰係数であっても良く、信号処理パラメータは、例えば、数学式1のF、T、Lに当たり、複数の睡眠項目のそれぞれを検出するためのパラメータであっても良い。
【0100】
睡眠呼吸イベント検出部223は、最適なパラメータに基づいて複数の睡眠項目に関するイベント発生情報を導出しても良い。例えば、睡眠呼吸イベント検出部223は、信号処理パラメータを変化させ、複数の睡眠項目のそれぞれに対するイベント発生回数を算出しても良い。
【0101】
例えば、睡眠呼吸イベント検出部223は、下記数学式12を利用して複数の睡眠項目に関するイベント発生情報を導出しても良い。
【0102】
【0103】
例えば、数学式12において、Yは、イベント発生情報に当たるイベントの総発生回数であっても良く、b0乃至b4は、イベント発生関連パラメータであって、最小自乗法を利用して算出されても良い。N11乃至N22は、上述した方法により検出された第1の睡眠呼吸イベント、第2の睡眠呼吸イベント、第1の睡眠動きイベント及び第2の睡眠動きイベント、それぞれに当たるイベント発生回数であり、eは、誤差項であっても良い。
【0104】
例えば、睡眠呼吸イベント検出部223は、無呼吸に関し、中枢性項目に対して予め設定された信号処理パラメータ(F、L、T)に基づき、中枢性項目に関する第1の睡眠呼吸イベント、第2の睡眠呼吸イベント、第1の睡眠動きイベント、及び第2の睡眠動きイベントを検出しても良く、予め設定されたイベント発生関連パラメータと中枢性項目に対して検出された第1の睡眠呼吸イベントが発生した総回数、第2の睡眠イベントが発生した総回数、第1の睡眠動きイベントが発生した総回数、及び第2の睡眠動きイベントが発生した総回数を数学式12に代入し、無呼吸での中枢性項目に関するイベント発生情報を導出しても良い。
【0105】
指数導出部230は、睡眠時間情報及び複数の睡眠項目に関するイベント発生情報に基づいて呼吸関連指数情報を導出しても良い。例えば、睡眠時間情報は、検査対象者の総睡眠時間に当たる。指数導出部230は、複数の睡眠項目に対して導出されたイベント発生情報の総回数を睡眠時間情報で分けることで、呼吸関連指数情報を導出しても良い。
【0106】
指数導出部230は、無呼吸-低呼吸指数情報及び呼吸障害指数情報を含む呼吸関連指数情報を算出しても良い。指数導出部230は、複数の睡眠項目のうち無呼吸項目に関するイベント発生情報及び低呼吸項目に関するイベント発生情報に基づいて無呼吸-低呼吸指数情報を導出しても良い。例えば、指数導出部230は、下記数学式13を利用しても良い。
【0107】
【0108】
数学式13において、AHIは、無呼吸-低呼吸指数(Apnea-Hypopnea Index、AHI)情報であり、Σ無呼吸回数は、無呼吸と関連して検出された検出項目に関するイベント発生情報の総合であり、Σ低呼吸回数は、低呼吸と関連して検出された検出項目に関するイベント発生情報の総合であっても良い。
【0109】
例えば、数学式13を参照すると、指数導出部230は、無呼吸と関連して検出された中枢性項目に関するイベント発生情報、混合性項目に関するイベント発生情報、及び閉塞性項目に関するイベント発生情報を合わせることで無呼吸回数を算出しても良く、低呼吸と関連して検出された中枢性項目に関するイベント発生情報、混合性項目に関するイベント発生情報、及び閉塞性項目に関するイベント発生情報を合わせることで低呼吸回数を算出しても良い。
【0110】
例えば、指数導出部230は、対象客体から受信したレーダ信号を基に動きを分析することによって対象客体の睡眠時間を推定しても良い。指数導出部230は、無呼吸回数と低呼吸回数を対象客体の総睡眠時間で分けることで無呼吸-低呼吸指数情報を算出しても良い。
【0111】
指数導出部230は、複数の睡眠項目のうち無呼吸項目に関するイベント発生情報、低呼吸項目に関するイベント発生情報、及び呼吸努力関連項目に関するイベント発生情報に基づいて呼吸障害指数情報を導出しても良い。例えば、指数導出部230は、下記数学式14を利用しても良い。
【0112】
【0113】
数学式14において、RDIは、呼吸障害指数(Respiration Disturbance Index、RDI)情報であり、Σ無呼吸回数、Σ低呼吸回数及びΣ呼吸努力関連覚醒は、無呼吸、低呼吸及び呼吸努力関連覚醒と関連して各検出された検出項目に関するイベント発生情報の総合であっても良い。
【0114】
例えば、数学式14を参照すると、指数導出部230は、対象客体から受信したレーダ信号から検出された無呼吸回数、低呼吸回数及び呼吸努力関連覚醒回数を対象客体の総睡眠時間で分けることで、呼吸障害指数情報を算出しても良い。
【0115】
病症判断部240は、呼吸関連指数情報に基づいて睡眠関連病症に当たるか否かを判断しても良い。病症判断部240は、睡眠関連病症に関する疾病群分布情報及び対照群分布情報と呼吸関連指数情報を比較することで睡眠関連病症に当たるか否かを判断しても良い。一例において、病症判断部240は、ディープラーニングモデルを利用して呼吸関連指数情報と睡眠関連病症に関する疾病群分布情報又は対照群分布情報を比較しても良い。この場合、本発明の疾病群及び対照群は、アルツハイマー型認知症に対する疾病群及び対照群を含んでいても良い。
【0116】
例えば、病症判断部240は、睡眠関連病症に対する疾病群の睡眠要素の分布値及び対照群の睡眠要素の分布値を活用しても良い。一例において、病症判断部240は、疾病群及び対照群の睡眠要素の分布値として平均及び標準偏差を利用しても良い。病症判断部240は、無呼吸-低呼吸指数情報を関連病症に対する疾病群の平均及び標準偏差と比較しても良く、無呼吸-低呼吸指数情報を対照群の平均及び標準偏差と比較しても良い。
【0117】
例えば、病症判断部240は、比較結果に基づいて対象客体が睡眠関連病症に当たるか否かを判断しても良い。病症判断部240は、対象客体に対する無呼吸-低呼吸指数情報を無呼吸の疾病群の分布情報又は無呼吸の対照群の分布情報とそれぞれ比較しても良く、比較結果に基づいて対象客体が睡眠時無呼吸症であるか否かを判断しても良い。
図7aは、本発明の一実施例に係る複数の睡眠項目に対する最適なパラメータを説明するための例示的な図であり、
図7bは、睡眠ポリグラフ検査に関するデータセットの例示的な図である。
【0118】
図7a及び
図7bを参照すると、病症判断装置100は、レーダを利用して検出できる複数の睡眠項目710を設定しても良く、各項目に対する最適なパラメータを設定しても良い。病症判断装置100は、複数の睡眠項目710に対して設定された最適なパラメータに基づいてイベント発生情報を導出しても良い。
【0119】
先ず、
図7aに示された例示のように、病症判断装置100は、無呼吸711、低呼吸712、及び一時的な覚醒713などと関連した複数の睡眠項目のそれぞれに対する検出項目710を設定しても良い。病症判断装置100は、無呼吸711に関し、無呼吸711の原因となる中枢性項目711a、混合性項目711b、及び閉塞性項目711cを検出項目710として設定しても良く、低呼吸712に関し、低呼吸712の原因となる中枢性項目、混合性項目、及び閉塞性項目を検出項目710として設定しても良く、一時的な覚醒713に関し、一時的な覚醒713の原因となる四肢の動きによる覚醒項目、呼吸努力関連覚醒項目、無呼吸/低呼吸覚醒項目、いびきによる覚醒項目、及び自発的な覚醒項目を検出項目710として設定しても良い。
【0120】
例えば、睡眠質を点数化する装置100は、複数の睡眠項目のそれぞれに設定された検出項目710に対して信号処理パラメータ720及びイベント発生関連パラメータ730を含む最適なパラメータを設定しても良い。
【0121】
図7aに示された例示のように、睡眠質を点数化する装置100は、特定連続区間の時間長さを意味する時間感度因子、L721と、特定連続区間の振幅に反応する振幅感度因子、F722と、特定臨界時間、T723とを含む信号処理パラメータ720を設定しても良い。
【0122】
睡眠質を点数化する装置100は、対象客体から反射されるレーダ信号から検出された第1の睡眠呼吸イベントに対する回帰係数、b1(732)と、第2の睡眠呼吸イベントに対する回帰係数、b2(733)と、第1の睡眠動きイベントに対する回帰係数、b3(734)と、第2の睡眠動きイベントに対する回帰係数、b4(735)と、その他の回帰係数、b0(731)とを含むイベント発生関連パラメータ730を設定しても良い。
【0123】
例えば、睡眠質を点数化する装置100は、複数の睡眠項目に対して信号処理パラメータ720を変化させながらイベント発生情報を算出し、回帰分析により各睡眠項目に対する最適な因子と回帰係数を導出しても良い。一例において、信号処理パラメータ720の変化のために、L721は、10s、20s、30s、40s、50s、及び60sのうち1つであっても良く、F722は、0.5、0.75、1、1.25、1.5、1.75、及び2のうち1つであっても良く、T723は、5s、7.5s、10s、12.5s、15s、17.5s、及び20sのうち1つであっても良い。
【0124】
図7bを参照すると、睡眠質を点数化する装置100は、睡眠ポリグラフ検査に関するデータセット740に基づいて複数の睡眠項目に対する最適なパラメータを設定しても良い。
【0125】
例えば、睡眠質を点数化する装置100は、
図7bに例示されたデータセット740に基づき、
図7aに例示された無呼吸711において中枢性項目711aに対する信号処理パラメータ720及びイベント発生関連パラメータ730を含む最適なパラメータを設定しても良い。
【0126】
例えば、
図7a及び
図7bを参照すると、睡眠質を点数化する装置100は、データセット740において、睡眠ポリグラフ検査により測定された睡眠時無呼吸症750の原因となる中枢性項目751に関する情報を基に無呼吸711の中枢性項目711aに対する信号パラメータ720及びイベント発生関連パラメータ730を設定しても良く、睡眠ポリグラフ検査により測定された睡眠時無呼吸症750の原因となる混合性項目752に関する情報を基に無呼吸711の混合性項目711bに対する信号パラメータ720及びイベント発生関連パラメータ730を設定しても良い。
【0127】
また、睡眠質を点数化する装置100は、睡眠ポリグラフ検査により測定された睡眠時無呼吸症754に関する情報を基に無呼吸711に対する信号パラメータ720及びイベント発生関連パラメータ730を設定しても良い。
【0128】
例えば、
図7a及び
図7bを参照すると、睡眠質を点数化する装置100は、データセット740を参照して睡眠ポリグラフ検査で測定された正解値と相関係数が最も高い因子を最適因子に決定することにより、無呼吸711の検出項目710、中枢性項目711aに対して、時間感度因子、L721は「30s」、振幅感度因子、F722は「1.5」、及び特定臨界時間、T723は「17.5s」を含む信号処理パラメータ720を最適なパラメータに設定しても良く、回帰係数、b0(731)は「-3.21」、b1(732)は「1.28」、b2(733)は「-1.38」、b3(734)は「0.05」、b4(735)は「-0.05」を含むイベント発生関連パラメータ730を設定しても良い。
【0129】
例えば、睡眠質を点数化する装置100は、複数の睡眠項目に対して設定された最適なパラメータに基づき、複数の睡眠項目に関するイベント発生情報を導出しても良い(上述した数学式12を参照)。具体的に、睡眠質を点数化する装置100は、無呼吸711の中枢性711aと関連して検出された情報、第1の睡眠呼吸イベント、第2の睡眠呼吸イベント、第1の睡眠動きイベント、及び第2の睡眠動きイベントと、無呼吸711の中枢性項目711aに対して設定された最適なパラメータ720、730を利用して対象客体の無呼吸症の中枢性項目に関するイベント発生情報を導出しても良い。
【0130】
図8は、本発明の一実施例に係る睡眠関連病症の分布情報に関する例示的な図である。
図8の(a)は、アルツハイマー疾病群及び対照群の総睡眠時間(Total Sleep Time、TST)に関する分布情報であり、(b)は、アルツハイマー疾病群及び対照群の無呼吸-低呼吸に関する分布情報であり、(c)は、アルツハイマー疾病群及び対照群の呼吸障害に関する分布情報である。
図8の(a)~(c)に例示された分布情報は、アルツハイマーに対する総睡眠時間、無呼吸-低呼吸指数及び呼吸障害指数に関するデータを加工し、図式化した分布情報であっても良く、平均値及び標準偏差を含んでいても良い。
【0131】
例えば、睡眠質を点数化する装置100は、対象客体の呼吸関連指数情報と睡眠関連病症の分布情報とを比較することで対象客体が当該睡眠関連病症の疾病群に含まれるか否かを判断しても良い。
【0132】
例えば、
図8の(a)を参照すると、病症判断装置100は、対象客体の総睡眠時間とアルツハイマー疾病群の総睡眠時間との分布情報810を比較しても良く、対象客体の総睡眠時間と対照群の総睡眠時間との分布情報820を比較しても良い。睡眠質を点数化する装置100は、比較結果に基づいて対象客体の総睡眠時間分布情報がアルツハイマー疾病群に当たるか否かを判断しても良い。
【0133】
例えば、
図8の(b)を参照すると、睡眠質を点数化する装置100は、対象客体から導出された無呼吸-低呼吸指数情報とアルツハイマー疾病群の無呼吸-低呼吸に関する分布情報830とを比較しても良く、対象客体の無呼吸-低呼吸指数情報と対照群の無呼吸-低呼吸に関する分布情報840とを比較しても良い。睡眠質を点数化する装置100は、比較結果に基づいて対象客体の無呼吸-低呼吸指数情報がアルツハイマー疾病群に当たるか否かを判断しても良い。
【0134】
例えば、
図8の(c)を参照すると、睡眠質を点数化する装置100は、対象客体から導出された呼吸障害指数情報とアルツハイマー疾病群の呼吸障害に対する分布情報850とを比較しても良く、対象客体の呼吸障害指数情報と対照群の呼吸障害に関する分布情報860とを比較しても良い。睡眠質を点数化する装置100は、比較結果に基づいて対象客体の呼吸障害指数情報がアルツハイマー疾病群に当たるか否かを判断しても良い。
【0135】
図9は、本発明の一実施例に係る対象客体が睡眠関連病症に当たるか否かを判断する過程を説明するための例示的な図である。
図9を参照すると、睡眠質を点数化する装置100は、複数の呼吸関連指数項目910に関して対象客体から導出された呼吸関連指数情報920を睡眠関連病症に関する疾病群の分布情報及び対照群の分布情報とそれぞれ比較しても良く、比較結果に基づき、対象客体が確率分布上で睡眠関連病症に当たるか否かを判断した予測情報950を生成しても良い。
【0136】
例えば、睡眠質を点数化する装置100は、複数の呼吸関連指数項目910に関する対象客体の指数情報920を睡眠関連病症に関する疾病群分布情報と比較することで対象客体が疾病群に属する確率情報930を導出しても良く、複数の呼吸関連指数項目910に関する対象客体の指数情報920を睡眠関連病症に関する対照群分布情報と比較することで対象客体が正常群に属する確率情報940を導出しても良い。睡眠質を点数化する装置100は、導出された確率情報930、940に基づき、対象客体が睡眠関連病症の疾病群に当たるか否かを判断した予測情報950を生成しても良い。
【0137】
図9に示された例示を参照すると、睡眠質を点数化する装置100は、対象客体の総睡眠時間911に関する指数情報「183(921)」と疾病群の総睡眠時間の分布情報及び対照群の総睡眠時間の分布情報とを比較した結果に基づき、疾病群に属する確率情報「0.8692(931)」及び対照群に属する確率情報「0.1308(941)」を導出しても良い。これにより、睡眠質を点数化する装置100は、対象客体の総睡眠時間から対象客体が確率分布上で睡眠関連病症の疾病群に当たると判断した予測情報「AD(951)」を生成しても良い。
【0138】
睡眠質を点数化する装置100は、対象客体の無呼吸-低呼吸指数912に関する指数情報「10.49(922)」と疾病群の無呼吸-低呼吸に関する分布情報及び対照群の無呼吸-低呼吸に関する分布情報とを比較した結果に基づき、疾病群に属する確率情報「0.2179(932)」及び対照群に属する確率情報「0.7821(942)」を導出しても良い。これにより、睡眠質を点数化する装置100は、対象客体の無呼吸-低呼吸指数情報から対象客体が確率分布上で正常群に当たると判断した予測情報「Control(952)」を生成しても良い。
【0139】
睡眠質を点数化する装置100は、対象客体の呼吸障害指数913に関する指数情報「14.43(923)」と疾病群の呼吸障害に関する分布情報及び対照群の呼吸障害に関する分布情報とを比較した結果に基づき、疾病群に属する確率情報「0.9801(933)」及び対照群に属する確率情報「0.0199(943)」を導出しても良い。これにより、睡眠質を点数化する装置100は、対象客体の呼吸障害指数情報から対象客体が確率分布上で疾病群に当たると判断した予測情報「AD(953)」を生成しても良い。
【0140】
この場合、各項目毎に疾病群/正常群に対する最終判断結果を投票(Votting)により決定しても良い。例えば、対象客体の総睡眠時間911及び呼吸障害指数913は疾病群と判断され、無呼吸-低呼吸指数912では正常群と判断されたので、対象客体は各項目別に疾病群という判定が優勢であり、最終的に疾病群と判定することで病症を判断することができる。
【0141】
このように、本発明は、対象客体に対する睡眠中レーダ信号分析結果を利用して病症判断を行っても良く、このような病症判断に関する情報を提供する病症判断サービスを対象客体に提供しても良い。
【0142】
その他に、病症判断の後に判断の根拠となった情報を収合しても良い。収合された情報は、サービスの時点でユーザに病症判断の根拠を共に提供しても良い。
【0143】
単に検査に使用された項目と項目別の病症判断の尺度を製錬し、特定のドメイン情報上において対象客体の位置と確率を表現しても良い。
【0144】
また、より詳しい情報を派生させて対象客体に提供することもできる。当該検査者(対象客体)の場合、AHI(無呼吸-低呼吸指数912)は正常群であったものの、RERA(呼吸努力による覚醒)に関する平均回数が加えられたRDI(呼吸障害指数913)は非常に高い確率で疾病群と算出された。つまり、RERAの回数がRDIの増加に大いに寄与しており、RERAは一般的に中枢性無呼吸と深い関係がある。よって、複数の睡眠検査項目のうち「中枢性項目」と関連した項目の結果を共に対象客体に提供することができる。
【0145】
このような情報と共に後日様々な事例データが蓄積されれば、類似した年齢群;家庭環境群;基底疾病群などにおける疾病の位置のような統計的情報を共に提供することができる。
【0146】
以下、睡眠質を点数化する装置100が睡眠ポリグラフ検査結果情報から分布モデルと点数化関数を生成し、レーダ信号から生成された情報を点数化関数に代入して睡眠質点数を導出する過程を説明することとする。
【0147】
図1には示されていないが、睡眠質を点数化する装置100は、外部の睡眠ポリグラフ検査装置(未図示)と連結され、睡眠ポリグラフ検査装置から睡眠ポリグラフ検査結果情報を受信しても良い。
【0148】
ここで、睡眠ポリグラフ検査装置は、睡眠ポリグラフ検査を行う装置であり、睡眠障害を診断するために、睡眠中の脳波、眼球運動、筋肉の動き、呼吸、心電図のような生体データを睡眠ポリグラフ検査対象者から測定する装置を意味しても良い。
【0149】
睡眠ポリグラフ検査装置は、EEG(Electroencephalogram)センサ、EOG(Electrooculography)センサ、EMG(Electromyogram)センサ、EKG(Electrokardiogramme)センサ、PPG(Photoplethysmography)センサ、チェストベルト(Chest belt)、腹部ベルト(Abdomen belt)、サーミスタ(Thermister)、流量(Flow)センサ、及びマイク(Microphone)のうち少なくとも1つの感知手段により測定された睡眠ユーザの生体データを生成しても良い。
【0150】
つまり、睡眠ポリグラフ検査装置は、脳波を測定するためのEEGセンサ、眼球の動きを測定するためのEOGセンサ、筋肉の動きを測定するためのEMGセンサ、心臓の拍動を測定するためのEKGセンサ、酸素飽和度及び心拍数を測定するためのPPGセンサ、呼吸を測定するためのサーミスタと流量センサ、腹部と胸の動きを測定するためのチェストベルトと腹部ベルト、及びいびき(Snoring)を測定するためのマイクにより測定される少なくとも1つの睡眠ポリグラフ検査対象者の生体データを生成しても良い。そして、睡眠ポリグラフ検査装置は、上記した生体データから睡眠ポリグラフ検査結果情報を生成しても良い。
【0151】
睡眠質を点数化する装置100は、睡眠ポリグラフ検査装置から上記した睡眠ポリグラフ検査結果情報を受信し、データベース(未図示)に保存しても良い。そして、データベースは、上記した睡眠ポリグラフ検査結果情報及び後述する分布モデルと点数化関数に関する情報を保存しても良い。
【0152】
このとき、データベースに保存される睡眠ポリグラフ検査結果情報は、複数の睡眠ポリグラフ検査対象者に対してそれぞれ生成された睡眠ポリグラフ検査結果の集合に当たっても良い。上記した睡眠ポリグラフ検査結果情報は、睡眠ポリグラフ検査装置から生成されてデータベースに送信されても良いが、他のデータベースにて加工されてファイル形態で保存されても良い。このような場合、データベースは、睡眠ポリグラフ検査装置ではなく他のデータベースから予め生成された睡眠ポリグラフ検査結果情報を受信しても良い。
【0153】
上記したデータベースは、睡眠質を点数化する装置100の内部だけでなく外部に位置しても良く、このような場合、睡眠質を点数化する装置100と外部のデータベースとは有線又は無線で連結されてデータや情報を送受信しても良い。
【0154】
点数化関数生成部250は、複数の睡眠ポリグラフ検査対象者に対する睡眠ポリグラフ検査結果情報に基づいて睡眠ポリグラフ検査の要素別に分布モデルを生成し、前記分布モデル別に点数化関数を生成しても良い。
【0155】
ここで、睡眠ポリグラフ検査の要素は、睡眠時間関連要素と呼吸イベント関連要素とを含んでいても良い。睡眠時間関連要素は、総睡眠時間、総覚醒回数、総覚醒時間及び入眠潜時を含んでいても良く、呼吸イベント関連要素は、中枢性無呼吸回数、閉塞性無呼吸回数、低呼吸回数、呼吸努力関連覚醒回数を含んでいても良い。
【0156】
さらに具体的に、睡眠時間関連要素のうち総睡眠時間(Total Sleep Time)は、睡眠ポリグラフ検査対象者の睡眠時間に応じて決定されても良く、総覚醒時間(WASO、Wake After Sleep Onset)と総覚醒回数(#of wake)は、睡眠ポリグラフ検査対象者の睡眠中に覚醒した回数と時間に応じて決定されても良い。そして、入眠潜時(Sleep Latency)は、睡眠ポリグラフ検査対象者が寝床に入ってから眠りに入るまでの所要時間を意味しても良い。
【0157】
呼吸イベント関連要素のうち中枢性無呼吸回数(Central Apnea)、閉塞性無呼吸回数(Obstructive Apnea)は、睡眠中の呼吸停止が10秒以上持続する際に、呼吸調節系の問題で呼吸努力が消失して発生する場合と、上気道が狭くなって呼吸努力があるにもかかわらず呼吸が停止する場合とに分けて決定されても良く、低呼吸回数(Hypopnea)は、呼吸数には変化が殆どないが呼吸の深さが浅くなって一回換気量が減少する状態の回数に応じて決定されても良い。呼吸努力関連覚醒回数(RERA、Respiratory Effort Related Arousal)は、呼吸努力の増加によって睡眠中に覚醒する回数を意味しても良い。
【0158】
分布モデルは、点数化関数生成部250によって睡眠ポリグラフ検査の要素別に生成されても良い。さらに具体的に、分布モデルは、睡眠ポリグラフ検査の要素のうち睡眠時間関連要素である総睡眠時間、総覚醒回数、総覚醒時間及び入眠潜時に対してそれぞれ生成されても良く、呼吸イベント関連要素である中枢性無呼吸回数、閉塞性無呼吸回数、低呼吸回数、呼吸努力関連覚醒回数に対してそれぞれ生成されても良い。
【0159】
つまり、分布モデルは、収集された睡眠ポリグラフ検査結果情報に基づいて各要素別に生成されても良く、そのために、データベースに保存された多数の検査対象者を対象にした睡眠ポリグラフ検査結果情報が使用されても良い。多数の睡眠ポリグラフ検査対象者から測定された各睡眠ポリグラフ検査項目別の点数から分布表を生成すれば、分布度合に応じて睡眠ポリグラフ検査項目別の正常数値に含まれるか否かを判断できるようになる。つまり、点数化関数生成部250は、複数の睡眠ポリグラフ検査対象者に対してそれぞれ測定された睡眠ポリグラフ検査結果情報から各要素別ヒストグラムを生成し、前記要素別ヒストグラムに基づいて分布モデルを生成しても良い。
【0160】
例えば、総睡眠時間に関する分布モデルは、大多数の検査対象者が特定の睡眠時間範囲(例えば、300分~450分)に分布しても良く、このような分布を反映して当該時間範囲の値が高くなるように分布モデルが生成されても良い。他の例において、総覚醒時間、総覚醒回数、入眠潜時の場合、睡眠健康が正常な殆どの検査対象者からその数値が小さく表れるので、より小さい数値に対して高い分布度合を有するように分布モデルが生成されても良い。それに対し、睡眠健康が正常な殆どの検査対象者において呼吸関連イベントの発生回数がないか、少ないので、それに関する分布モデルは、少ない回数においてより高い分布度合を有するように分布モデルが生成されても良い。
【0161】
また、点数化関数生成部250は、睡眠ポリグラフ検査対象者の年齢又は疾病群に応じて互いに異なる分布モデルを生成しても良い。さらに具体的に、検査対象者の身体的特性又は疾患の特徴を考慮してより正確な睡眠質点数を算出するために、一貫した分布モデルではなく、検査対象者の年齢又は検査対象者が持つ疾病群別に異なる分布モデルを使用しても良い。さらに具体的に、睡眠ポリグラフ検査対象者又は睡眠ポリグラフ検査者から入力される情報を活用して分布モデルを設定しても良い。例えば、点数化関数生成部250は、睡眠ポリグラフ検査対象者の性別や年齢を区分して測定される睡眠ポリグラフ検査結果を活用し、各性別や年齢帯に合わせた分布モデルを生成しても良い。あるいは、点数化関数生成部250は、高血圧患者又は睡眠薬を服用している患者によって異なる分布モデルを生成しても良く、このような性別、年齢、疾患などに関する情報は、データベースに保存された睡眠ポリグラフ検査結果からフィルタリング過程を行うことで導出された睡眠ポリグラフ検査結果に基づくものであっても良い。
【0162】
点数化関数生成部250は、生成された分布モデルの各々に対して点数化関数を生成しても良い。各々の分布モデル別に生成される点数化関数は、上記に生成された分布モデルを基にそれぞれの要素値に対応する点数に変換する関数であっても良い。つまり、点数化関数は、睡眠ポリグラフ検査の要素別に生成され、各要素に対応する睡眠時間情報又はイベント発生情報が入力されれば、前記睡眠時間情報又はイベント発生情報の数値を前記分布モデル内の位置による点数に変換する関数であっても良い。
【0163】
点数化関数は、基本的にガウス分布を使用しても良いが、全ての要素の値が負数になることはできないので、追加の点数変換過程が求められる。睡眠時間要素に対する点数化関数の場合、特に総覚醒時間、総覚醒回数及び入眠潜時は、最高点を基準に、それより低い値を有する場合、何れも最高点を算出するように設定されても良い。
【0164】
そして、呼吸イベント要素に対する点数化関数の場合、ガウス分布の平均を0にして標準偏差を計算するように設定されても良い。
【0165】
上記したように、睡眠質を点数化する装置100は、送受信部210を利用して対象客体の閉塞性睡眠時無呼吸症、中枢性睡眠時無呼吸症及び混合性睡眠時無呼吸症などを含む睡眠関連病症を判断することができる。
【0166】
また、上記した閉塞性睡眠時無呼吸症、中枢性睡眠時無呼吸症及び混合性睡眠時無呼吸症などを含む睡眠関連病症を判断する過程において、情報導出部220は、中枢性無呼吸回数、閉塞性無呼吸回数、低呼吸回数及び呼吸努力関連覚醒回数を把握することができる。
【0167】
よって、睡眠質を点数化する装置100を利用すれば、睡眠ポリグラフ検査を進行しなくても、睡眠ポリグラフ検査のように対象客体の睡眠関連病症を精密に判断し、原因を分析することができる。
【0168】
また、睡眠質を点数化する装置100は、送受信部210を通じて対象客体が睡眠を開始した時点と睡眠を終了した時点を把握することができ、睡眠中に覚醒した時点と覚醒した時間を把握することができる。
【0169】
その後、情報導出部220は、上記した睡眠開始時点と睡眠終了時点との差から総睡眠時間を導出しても良い。また、情報導出部220は、睡眠中に覚醒した時点と当該覚醒が維持された時間を通じて総覚醒回数と総覚醒時間を導出しても良い。また、情報導出部220は、睡眠開始時点とレーダ信号に基づく動き分析を通じて入眠潜時を導出しても良い。
【0170】
つまり、情報導出部220が導出する睡眠時間情報は、前記睡眠ポリグラフ検査の要素のうち総睡眠時間、総覚醒回数、総覚醒時間及び入眠潜時のうち少なくとも1つに対応する要素を含んでいても良く、情報導出部220が導出するイベント発生情報は、前記睡眠ポリグラフ検査の要素のうち中枢性無呼吸回数、閉塞性無呼吸回数、低呼吸回数及び呼吸努力関連覚醒回数のうち少なくとも1つに対応する要素を含んでいても良い。
【0171】
要素別点数計算部260は、情報導出部220が導出した情報を前記点数化関数に適用して要素別点数を計算しても良い。さらに具体的に、要素別点数計算部260は、対象客体に対し情報導出部220により生成された測定値に対して点数化関数を適用しても良く、これにより、0~100の範囲内の結果値に各睡眠ポリグラフ検査の要素別点数を導出しても良い。
【0172】
睡眠質点数計算部270は、要素別点数計算部260により計算された前記要素別点数に基づいて前記対象客体に対する睡眠質点数を計算しても良い。さらに具体的に、睡眠質点数計算部270は、睡眠ポリグラフ検査要素別に計算された点数を全て平均し、睡眠質点数を導出しても良い。
【0173】
このような睡眠質点数は、睡眠質を点数化する装置100の出力装置により、別途のディスプレイ装置を介して表示されるか、連結された他の装置に提供されても良い。
【0174】
また、睡眠質点数計算部270は、対象客体から入力されるフィードバック情報に基づいて計算された要素別点数に加重値を与え、与えられた加重値を反映して睡眠質点数を計算しても良い。ここで、フィードバック情報は、対象客体が睡眠後に睡眠質を点数化する装置100に去る睡眠に対するフィードバックを入力することで生成される情報に当たっても良い。
【0175】
さらに具体的に、フィードバック情報は、毎日又は間欠的に行われる睡眠質を点数化する装置100による睡眠検査中の睡眠満足度についてのアンケート結果に対して対象客体が入力する情報を含んでいても良い。睡眠質を点数化する装置100は、フィードバックを受ける日付に算出された各睡眠検査対象項目の要素に対する値と、フィードバックを受けた満足度との間の相関分析を通じて、フィードバックの変動と要素値の変動との間の一致度を把握し、加重値を生成しても良い。ここで、より高い加重値が与えられた睡眠検査対象項目は、その分対象客体が睡眠の質において敏感に反応する項目を意味し得る。よって、加重値が反映された睡眠質点数は、より対象客体の状態を表現するのに適合であり、対象客体の睡眠質をより正確に測定することができる。
【0176】
図10は、本発明の一実施例に係る睡眠質を点数化する過程を例示して説明するための図である。
【0177】
図10を参照すると、睡眠質を点数化する装置が、データベース1010から抽出されたデータに基づいて分布モデル1050と点数化関数1060を生成し、レーダ信号が保存されたデータベース1011から抽出された情報に基づいて睡眠時間測定1020と呼吸イベント分類1030が行われることが分かる。そして、睡眠質を点数化する装置100は、睡眠時間測定1020により各睡眠時間関連要素1041に関する情報を生成し、呼吸イベント分類1030により呼吸イベント関連要素1042に関する情報を生成することが分かる。その後、睡眠質を点数化する装置100は、各々の要素1040に関する情報に分布モデル1050と点数化関数1060を適用して各要素別に睡眠時間関連要素別点数1070と呼吸イベント関連要素別点数1080を計算し、これらを総合して睡眠質点数1090を計算することが分かる。
【0178】
図11を参照すると、睡眠ポリグラフ検査結果1110から要素別に分布モデルと点数化関数1120を生成し、睡眠関連要素と呼吸関連要素1130に対して点数化関数を適用することで要素別点数化1140を行い、これらを合算1150する過程を通じて睡眠質点数を導出することが分かる。
【0179】
図12及び
図13は、本発明の一実施例に係る分布モデルを例示して説明するための図である。
図12は、睡眠時間関連要素に対して生成された分布モデルを例示し、
図13は、呼吸イベント関連要素に対して生成された分布モデルを例示している。
図12において、総睡眠時間に対する分布モデルは300分~450分の範囲で高い分布度合を有することが分かり、それに対し、総覚醒時間は0分~100分の高い分布度合を有することが分かる。
【0180】
図13は、呼吸イベント関連要素に対する分布モデルを例示しており、各呼吸イベントの場合、その頻度が少ないほどより高い分布度合を有することが分かる。
【0181】
図14及び
図15は、本発明の一実施例に係る点数化関数を例示して説明するための図である。
【0182】
図14は、睡眠時間関連要素に対する点数化関数を例示し、
図15は、呼吸イベント関連要素に対する点数化関数を例示している。さらに具体的に、
図14において、点数化関数は、
図12の分布モデルを基に分布モデル上で分布度合の高い範囲に対してより高い点数が与えられるように決定されることが分かる。但し、総覚醒時間(WASO)、総覚醒回数(#of Wake)、入眠潜時(Sleep Latency)の点数化関数は、最高点を基準に、それより低い値を有する場合、何れも最高点を算出するように設定されても良い。
【0183】
図15において、点数化関数は、
図13の分布モデルを基により少ない回数に対してより高い点数が与えられるように決定されることが分かる。ここで、
図15の点数化関数は、ガウス分布の平均を0にして標準偏差を再算出し、負の領域(第2象限)に対称の分布があると仮定しても良い。
【0184】
図16は、
図14の点数化関数に対し測定値を入力して要素別点数を計算する過程を例示して説明するための図である。
【0185】
さらに具体的に、
図16は、
図14の点数化関数のうち総覚醒時間に対する点数化関数を例示している。要素別点数計算部は、対象客体の総覚醒時間を対応する点数化関数に代入することで総覚醒時間に対する点数を計算しても良い。
図16は、対象客体の総覚醒時間が70分の場合に89点、総覚醒時間が120分の場合に30点が計算されるように点数化関数が生成されたことを例示している。
図8は、各要素別点数化関数を通じて点数を計算する過程の一部を例示するものであり、
図8に例示された総覚醒時間以外の要素に対しても
図16のように点数が計算されても良い。
【0186】
図17は、本発明の一実施例によって睡眠ポリグラフ検査の要素別に計算された点数を基に睡眠質点数を計算することを例示して説明するための図である。
図17を参照すると、睡眠質を点数化する装置が各要素別に計算された点数に対する平均値にて睡眠質点数を計算したことが分かる。
【0187】
図18は、本発明の一実施例によって睡眠ポリグラフ検査の要素別に計算された点数に加重値を与えて睡眠質点数を計算することを例示して説明するための図である。
図18の左側の図は、睡眠質点数を計算する過程で各睡眠ポリグラフ検査の要素別に計算された点数に対して均等な加重値(0.25)に設定した上で睡眠質点数を計算したことを例示している。それに対し、
図18の右側の図は、フィードバックデータを通じて加重値を再調整し、睡眠ポリグラフ検査の要素別に異なる加重値を与えて睡眠質点数を計算したことを例示している。
【0188】
図19は、本発明の一実施例に係る睡眠質点数化方法のフローチャートである。
図19を参照すると、本発明の一実施例に係る睡眠質を点数化する方法は、複数の睡眠ポリグラフ検査対象者に対する睡眠ポリグラフ検査結果情報に基づいて睡眠ポリグラフ検査の要素別に分布モデルを生成し、前記分布モデル別に点数化関数を生成する点数化関数生成ステップS100と、対象客体に向けてレーダ信号を送信し、前記対象客体から反射されたレーダ信号を受信する送受信ステップS200と、前記レーダ信号に基づいて前記対象客体に対する睡眠時間情報及び複数の睡眠項目に関するイベント発生情報を導出する導出ステップS300と、前記睡眠時間情報及びイベント発生情報を前記点数化関数に適用して前記要素別点数を計算する要素別点数計算ステップS400と、計算された前記要素別点数に基づいて前記対象客体に対する睡眠質点数を計算するステップS500とを含んでいても良い。
【0189】
睡眠質を点数化する方法は、上記に
図1乃至
図18を通じて説明された実施例によって追加のステップにさらに分割されたり、より少ないステップに組み合わせられても良い。また、一部のステップは必要に応じて省略されても良く、ステップ間の順番が切り替えられても良い。
【0190】
上述した睡眠質を点数化する方法はコンピュータにより実行されるコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納されたコンピュータプログラム又はコンピュータにより実行可能な命令語を含む記録媒体の形態に具現されても良い。また、上述した睡眠質を点数化する方法は、コンピュータにより実行されるコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納されたコンピュータプログラムの形態に具現されても良い。
【0191】
コンピュータ読み取り可能な媒体は、コンピュータによってアクセスできる任意の可用媒体であっても良く、揮発性及び不揮発性の媒体、分離型及び非分離型の媒体を全て含む。また、コンピュータ読み取り可能な媒体は、コンピュータ格納媒体を含んでいても良い。ンピュータ格納媒体は、コンピュータ読み取り可能な命令語、データ構造、プログラムモジュール、又はその他のデータのような情報格納のための任意の方法又は技術に具現された揮発性及び不揮発性、分離型及び非分離型の媒体を全て含む。
【0192】
上述した本発明の説明は例示のためのものであり、本発明の属する技術分野において通常の知識を有する者であれば、本発明の技術的思想や必須の特徴を変更せずに他の具体的な形態に容易に変形可能であるということを理解できるはずである。それゆえ、上記した実施例は全ての面において例示的なものであり、限定的なものではないと理解すべきである。例えば、単一型で説明されている各構成要素は分散して実施されても良く、同様に、分散したものと説明されている構成要素も結合された形態で実施されても良い。
【0193】
本発明の範囲は、上記詳細な説明よりは後述する特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲の意味及び範囲、並びにその均等概念から導出される全ての変更又は変形された形態が本発明の範囲に含まれると解釈されなければならない。
【符号の説明】
【0194】
100: 睡眠質を点数化する装置
210: 送受信部
220: 情報導出部
230: 指数導出部
240: 病症判断部
250: 点数化関数生成部
260: 要素別点数計算部
270: 睡眠質点数計算部