(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-16
(45)【発行日】2024-07-24
(54)【発明の名称】インスリンパッチを含む人工膵臓制御方法及びその装置
(51)【国際特許分類】
A61M 5/168 20060101AFI20240717BHJP
A61B 5/145 20060101ALI20240717BHJP
A61M 5/142 20060101ALI20240717BHJP
A61M 5/172 20060101ALI20240717BHJP
【FI】
A61M5/168 500
A61B5/145
A61M5/142 530
A61M5/172 500
(21)【出願番号】P 2023519899
(86)(22)【出願日】2021-10-14
(86)【国際出願番号】 KR2021014267
(87)【国際公開番号】W WO2022092637
(87)【国際公開日】2022-05-05
【審査請求日】2023-03-30
(31)【優先権主張番号】10-2020-0142657
(32)【優先日】2020-10-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】523049225
【氏名又は名称】イオフロー・カンパニー・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】EOFLOW CO.,LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100132241
【氏名又は名称】岡部 博史
(74)【代理人】
【識別番号】100113170
【氏名又は名称】稲葉 和久
(72)【発明者】
【氏名】ウェルズフォード,ジー イアン
(72)【発明者】
【氏名】ピン,インウク
(72)【発明者】
【氏名】チョン,ホミン
【審査官】小野田 達志
(56)【参考文献】
【文献】韓国公開特許第10-2020-0119216(KR,A)
【文献】国際公開第2020/068188(WO,A1)
【文献】特表2016-504119(JP,A)
【文献】特表2019-509085(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2020/0058386(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 5/168
A61B 5/145
A61M 5/142
A61M 5/172
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
インスリンポンプ及び血糖センサを含むインスリンパッチ
及び前記インスリンパッチとネットワークを介して通信を行い、コンピューティング装置を含むインスリンパッチ制御装置で実行される前記インスリンパッチの制御方法であって、
前記インスリンパッチが前記血糖センサから血糖情報を取得するステップと、
前記取得した血糖情報
を前記インスリンパッチ制御装置に送信し、前記コンピューティング装置の第1のニューラルネットワークに入力するステップと、
第1のニューラルネットワークの出力データに基づいてインスリンパッチのポンプパラメータを推定するステップと、
前記推定されたポンプパラメータのうちの1つを選択してインスリンパッチをシミュレートするステップと、
前記シミュレーションの結果、予想血糖値が有効範囲を超えている場合、選択されたポンプパラメータが無効であると判断し、前記推定されたポンプパラメータの中から他のポンプパラメータを選択するか、またはポンプパラメータを再推定するステップと、
前記シミュレーションの結果、予想血糖値が有効範囲内である場合、前記インスリンパッチに制御信号を送信するステップを含み、
前記インスリンパッチは、前記ネットワークの通信の障害または前記インスリンパッチ制御装置の問題により指定時間の間、前記制御信号を受信できない場合、前記インスリンパッチが独立して前記取得した血糖情報に基づいてアルゴリズムを介して、インスリンパッチのポンプパラメータを推定するステップと、
前記推定されたポンプパラメータに基づいてインスリンポンプに制御信号を送信するステップとを含む、インスリンパッチ制御方法。
【請求項2】
前記インスリンパッチ制御装置が前記インスリンパッチに制御信号を送信するステップの後に、
前記インスリンパッチ制御装置が、前記インスリンパッチから前記インスリンパッチの制御結果を取得するステップと、
前記取得された血糖情報および前記推定されたポンプパラメータを第2のニューラルネットワークに入力して第1の病理診断結果データを取得するステップと、
前記インスリンパッチの制御結果を使用して、前記第1の病理診断結果データに関連して第2のニューラルネットワークにフィードバックを実行するステップと、
前記第2のニューラルネットワークの出力データに基づいてインスリンパッチのユーザ病理診断結果データを推定するステップを含む、請求項1に記載のインスリンパッチ制御方法。
【請求項3】
前記取得した血糖情報を第1ニューラルネットワークに入力するステップは、
前記取得した血糖情報を外部サーバに送信し、前記外部サーバから前記血糖情報の有効性に関するフィードバック信号を受信するステップを含み、
前記インスリンパッチをシミュレーションするステップは、
前記インスリンパッチのシミュレーション結果を外部サーバに送信し、前記外部サーバから前記インスリンパッチのシミュレーション結果に関するフィードバック信号を受信するステップをさらに含む、
請求項2に記載のインスリンパッチ制御方法。
【請求項4】
前記インスリンパッチは、
血糖測定センサを含み、前記血糖測定センサを通じて取得した前記血糖情報に基づいて、指定されたアルゴリズムを通じてポンプパラメータを取得し、前記取得したポンプパラメータの有効性を検証した後、制御信号を生成する、
請求項2に記載のインスリンパッチ制御方法。
【請求項5】
プロセッサを含み、
前記プロセッサは、
血糖センサで測定された血糖情報をインスリンパッチから取得し、前記取得した血糖情報を第1ニューラルネットワークに入力し、前記第1ニューラルネットワークの出力データに基づいて前記インスリンパッチのポンプパラメータを推定し、前記血糖情報及びポンプパラメータを第2ニューラルネットワークに入力して前記インスリンパッチをシミュレーション
し、
前記シミュレーションの結果、予想血糖値が有効範囲を超えている場合、選択されたポンプパラメータが無効であると判断し、前記推定されたポンプパラメータの中から他のポンプパラメータを選択するか、またはポンプパラメータを再推定し、
前記シミュレーションの結果、予想血糖値が有効範囲内である場合、前記インスリンパッチに制御信号を送信し、
前記インスリンパッチ制御装置が、前記インスリンパッチから前記インスリンパッチの制御結果を取得し、
前記取得された血糖情報および前記推定されたポンプパラメータを第2のニューラルネットワークに入力して第1の病理診断結果データを取得し、
前記インスリンパッチの制御結果を使用して、前記第1の病理診断結果データに関連して第2のニューラルネットワークにフィードバックを実行する、インスリンパッチ制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インスリンパッチ制御方法及びその装置に関する。より具体的には、人工ニューラルネットワークを用いて取得したインスリンパッチのポンプパラメータを用いてインスリンパッチを制御する方法及びその装置に関する。
【背景技術】
【0002】
糖尿病患者が利用するインスリン注入器に関する開発が盛んに行われている。糖尿病患者は、インスリンペンまたはインスリンポンプを介してインスリンを体内に注入するが、日常生活において活動性が非常に低下するというデメリットがある。
【0003】
これによりスマートインスリンパッチが開発されたが、過度なコスト、連続的なデータ管理の困難及びリアルタイムの血糖管理が難しいという限界が存在する。さらに、インスリンパッチ単独で血糖値を調整する場合に起こり得る危険性が存在するため、それを解決できる技術の提供が必要とされる。
【0004】
前述した背景技術は、発明者が本発明の導出のために保有していたりして、本発明の導出過程で習得した技術情報であり、必ずしも本発明の出願前に一般公衆に公開された公知技術とは限らない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の実施形態は、高い精度及び安定性を保証するインスリンパッチ制御方法及びその装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一実施形態に係るインスリンポンプ及び血糖センサを含むインスリンパッチで実行される前記インスリンパッチの制御方法は、血糖センサから血糖情報を取得するステップと、前記取得した血糖情報に基づいて前記インスリンパッチのポンプパラメータを推定するステップと、前記推定されたポンプパラメータに基づいて前記インスリンポンプに制御信号を送信するステップとを含むことができる。
【0007】
本発明の他の実施形態に係るコンピューティング装置によって実行されるインスリンパッチ制御方法は、血糖センサで測定された血糖情報をインスリンパッチから取得するステップと、前記取得した血糖情報を第1ニューラルネットワークに入力するステップと、前記第1ニューラルネットワークの出力データに基づいて前記インスリンパッチのポンプパラメータを推定するステップと、前記血糖情報及びポンプパラメータを用いて前記インスリンパッチをシミュレーションするステップとを含むことができる。
【0008】
一実施形態において、前記取得した血糖情報を第1ニューラルネットワークに入力するステップは、前記取得した血糖情報を外部サーバに送信し、前記外部サーバから前記血糖情報の有効性に関するフィードバック信号を受信するステップを含み、前記血糖情報及びポンプパラメータを用いて前記インスリンパッチをシミュレーションするステップは、前記インスリンパッチのシミュレーション結果を外部サーバに送信し、前記外部サーバから前記インスリンパッチのシミュレーション結果に関するフィードバック信号を受信するステップをさらに含むことができる。
【0009】
前述したもの以外の他の側面、特徴、利点が、以下の図面、特許請求の範囲及び発明の詳細な説明から明確になるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1は、本発明の一実施形態に係るインスリンパッチ制御システムの例を示す図である。
【
図2】
図2は、本発明の一実施形態に係るインスリンパッチ制御装置の内部構成を説明するためのブロック図である。
【
図3】
図3は、本発明の一実施形態に係るインスリンパッチ制御方法のフローチャートである。
【
図4】
図4は、本発明の一実施形態に係るインスリンパッチ制御システムの一実施形態を説明するための例示図である。
【
図5】
図5は、
図3の一部の動作を詳細に説明するための図である。
【
図6】
図6は、
図3の一部の動作を詳細に説明するための図である。
【
図7】
図7は、
図3の一部の動作を詳細に説明するための図である。
【発明を実施するための最善の形態】
【0011】
インスリンパッチ制御方法及びその装置が提供される。本発明の一実施形態に係るインスリンパッチ制御方法は、血糖センサで測定された血糖情報をインスリンパッチから取得するステップと、前記取得した血糖情報を第1ニューラルネットワークに入力するステップと、前記第1ニューラルネットワークの出力データに基づいて前記インスリンパッチのポンプパラメータを推定するステップと、前記血糖情報及びポンプパラメータを第2ニューラルネットワークに入力して前記インスリンパッチをシミュレーションするステップとを含む。
【発明を実施するための形態】
【0012】
後述する本発明に関する詳細の説明は、本発明を実施することができる特定の実施形態を例示として示す添付の図面を参照する。このような実施形態は、当業者が本発明を実施するのに十分であるように詳細に説明される。本発明の様々な実施形態は互いに異なるが相互に排他的である必要はないことが理解されなければならない。例えば、本明細書に記載されている特定の形状、構造及び特性は、本発明の精神と範囲から逸脱することなく、一実施形態から他の実施形態に変更して実施することができる。さらに、それぞれの実施形態における個々の構成要素の位置または配置も、本発明の精神と範囲から逸脱することなく変更できることが理解されなければならない。したがって、後述する詳細の説明は限定的な意味で行われることではなく、本発明の範囲は特許請求の範囲の請求項が請求する範囲及びそれと均等な全ての範囲を包括するものとして受け入れられなければならない。図面において類似の参照符号は、様々な側面にわたって同一または類似の構成要素を表す。
【0013】
本発明において開示される人工知能(artificial intelligence、AI)は、人工的な知能またはそれを作ることができる方法論を研究する分野を意味することができ、機械学習(machine learning)は人工知能技術の一分野としてコンピューティング装置がデータを通じて学習し、特定の対象または条件を理解できるようにするか、データのパターンを見つけて分類する技術的方法としてコンピュータがデータを分析できるようにするアルゴリズムであってもよい。本発明において開示される機械学習は、人工知能モデルを学習するための動作方法を含む意味として理解されることができる。
【0014】
以下では、本発明が属する技術分野において通常の知識を有する者が本発明を容易に実施できるようにするために、本発明の様々な実施形態に関して添付の図面を参照して詳細に説明する。
【0015】
以下、
図1を参照して、本発明の一実施形態に係るインスリンパッチ制御システムについて詳細に説明する。
【0016】
一実施形態において、インスリンパッチ制御システムは、インスリンパッチ10のみで構成されることができ、インスリンパッチ10及びインスリンパッチ制御装置100から構成されることもできる。または、他の実施形態においてインスリンパッチシステムは、インスリンパッチ10、インスリンパッチ制御装置100及び医療サービス提供サーバ200を含むことができる。
【0017】
一実施形態においてインスリンパッチ10は、人の体にインスリンを注入するインスリンポンプ及び人の血糖を測定する血糖センサを含むことができる。一例として、インスリンパッチは、ウェアラブルデバイス形態の自動インスリン注入器で、一種のウェアラブル人工膵臓デバイスであってもよい。また、インスリンパッチ10は、
図5で後述する方法に従って、外部装置との通信なしで単独でインスリン注入量を決定することができる。
【0018】
一実施形態においてインスリンパッチ10は、血糖を測定する血糖測定センサを含むことができる。本実施形態においてインスリンパッチ10は、血糖測定センサを通じて取得した血糖情報に基づいて既定のアルゴリズムを通じてポンプパラメータを取得することができる。その後、インスリンパッチ10は、上述したポンプパラメータを用いて単独でインスリンパッチ制御を実行することができる。
【0019】
一実施形態においてインスリンパッチ制御装置100は、インスリンパッチ10とネットワークを介して通信を実行することができる。上述したインスリンパッチ制御装置100とインスリンパッチ10との間の通信方式は限定されない。一実施形態において上述したネットワークは、近距離無線通信網であってもよい。例えば、ネットワークは、ブルートゥース(Bluetooth、登録商標)、BLE(Bluetooth Low Energy)、Wifi通信網であってもよい。
【0020】
一実施形態においてインスリンパッチ制御装置100は、インスリンパッチ10から血糖情報を取得することができ、取得した血糖情報を用いてインスリンパッチ10のインスリンの注入量を決定するポンプパラメータを推定することができる。この場合、インスリンパッチ制御装置100は、上述した血糖情報を用いてニューラルネットワークを通じてポンプパラメータを推定することができる。
【0021】
その後、インスリンパッチ制御装置100は、推定されたポンプパラメータをインスリンパッチ10に送信することができ、インスリンパッチ10からインスリンパッチの制御結果データを取得することができる。本発明のいくつかの実施形態に係るインスリンパッチの制御結果データの形態及び種類は限定されず、一実施形態においてインスリンパッチの制御結果データは、上述したポンプパラメータ及びポンプパラメータに対応する血糖情報を含むことができる。また、上述した制御結果データは、時間の経過に伴う血糖情報を含む時系列データを含むことができる。その後、一実施形態に係るインスリンパッチ制御装置100は、前記取得した血糖情報、前記推定したポンプパラメータ及び前記取得したインスリンパッチの制御結果データを用いて、インスリンパッチユーザの病理診断結果データを推定することができる。
【0022】
また、一実施形態において、インスリンパッチ制御装置100は、ニューラルネットワークを用いてインスリンパッチ10のポンプパラメータを推定することができ、上述したニューラルネットワークの出力データをクラスタリングした後、指定された基準に従って最終ポンプパラメータを選定することができる。この場合、インスリンパッチ制御装置100は、前記選定されたポンプパラメータに基づいてインスリンパッチ10をシミュレーションすることができる。
【0023】
すなわち、本実施形態においてインスリンパッチ制御装置100は、安定性の向上のためにポンプパラメータを用いてインスリン注入アルゴリズムを通じてシミュレーションを実行した後、当該ポンプパラメータの有効性が検証された場合に限ってインスリンパッチ10で上述したポンプパラメータを送信することができる。
【0024】
他の実施形態においてインスリンパッチ制御装置100は、インスリンパッチのユーザ情報をさらに利用して上述したポンプパラメータを推定することができる。本実施形態においてインスリンパッチ制御装置100は、インスリンパッチを使用するユーザの過去のインスリンパッチ利用情報を記憶することができ、医療サービス提供サーバ200からユーザの以前の病理診断結果データを取得することができる。これにより、インスリンパッチ制御装置100は、ユーザ情報に基づいて個人化されたインスリンパッチのポンプパラメータを推定することができる。
【0025】
さらに、一実施形態に係るインスリンパッチ制御装置100とネットワークを介して接続された医療サービス提供サーバ200は、インスリンパッチのポンプパラメータを推定するアルゴリズムの有効性検証を実行することができ、前述したシミュレーション結果に関する検証を実行することもできる。
【0026】
一実施形態において医療サービス提供サーバ200は、上述したインスリンパッチ制御装置100の代わりに、インスリンパッチユーザの病理診断結果データを推定することもできる。一実施形態において医療サービス提供サーバ200は、インスリンパッチ10から取得した血糖情報、インスリンパッチ10のポンプパラメータ及びインスリンパッチ10の制御結果データを用いてインスリンパッチユーザの病理診断結果データを推定することができる。一例として、医療サービス提供サーバ200は、血糖情報、ポンプパラメータ及びインスリンパッチの制御結果データを人工ニューラルネットワークに入力することができ、当該人工ニューラルネットワークを用いて病理診断結果データを推定することができる。病理診断結果データの種類及び形態は限定されない。例えば、一実施形態に係る病理診断結果データは、糖尿病診断結果を含むことができる。
【0027】
その後、一実施形態に係る医療サービス提供サーバ200は、推定した病理診断結果データに対するユーザのフィードバック信号を受信することができる。この場合、ユーザは医療サービスを提供する医療スタッフであってもよい。その後、医療サービス提供サーバ200は、上述したユーザのフィードバック信号に従って修正された病理診断結果データを上述したニューラルネットワークに入力して再学習及び/又は推定を行うことができる。上述したステップを繰り返すことにより、本発明の一実施形態に係る医療サービス提供サーバ200で推定するユーザの病理診断結果データの精度を向上させることができる。
【0028】
以下、
図2を参照して、インスリンパッチ制御システムを構成するハードウェアの構成及び動作を詳細に説明する。
【0029】
前述したように、一実施形態に係るインスリンパッチ制御システムは、インスリンパッチ10を含み、他の実施形態でインスリンパッチ制御装置100をさらに含むことができ、また他のいくつかの実施形態で医療サービス提供サーバ200をさらに含むことができる。
【0030】
一実施形態において、インスリンパッチ10、インスリンパッチ制御装置100及び医療サービス提供サーバ200は、入出力インタフェース11、101、201、メモリ12、102、202、プロセッサ13、103、203及び通信モジュール14、104、204を含むことができる。メモリ12、102、202は、コンピュータで読み取り可能な記録媒体であり、RAM(random access memory)、ROM(read only memory)及びディスクドライブなどの非消滅性大容量記録装置(permanent mass storage device)を含むことができる。一例として、インスリンパッチ10のメモリ12には血糖情報及び/またはポンプパラメータ情報が一時的または永久的に記憶されることができ、インスリンパッチ制御装置100のメモリ102にはユーザ別の血糖情報及び/または、インスリンパッチのポンプパラメータ情報が記憶されることができる。また、一実施形態において医療サービス提供サーバ200のメモリ202には、ユーザの病理診断結果データが記憶されることができる。
【0031】
プロセッサ13、103、203は、基本的な算術、論理、及び入出力演算を実行することによってコンピュータプログラムの命令を処理するように構成されることができる。命令は、メモリ12、102、202または通信モジュール14、104、204によってプロセッサ13、103、203に提供されることができる。例えば、プロセッサ13、103、203は、メモリ12、102、202などの記録装置に記憶されたプログラムコードによって受信される命令を実行するように構成されることができる。一実施形態においてインスリンパッチ制御装置100のプロセッサ103は、インスリンパッチ10から血糖情報を取得し、前記取得した血糖情報を第1ニューラルネットワークに入力し、前記第1ニューラルネットワークの出力データに基づいて前記インスリンパッチのポンプパラメータを推定し、前記推定されたポンプパラメータに基づいて前記インスリンパッチ10に制御信号を送信し、前記インスリンパッチ10から制御結果データを取得し、前記血糖情報、前記ポンプパラメータ及び前記制御結果データを第2ニューラルネットワークに入力し、前記第2ニューラルネットワークの出力データに基づいて前記インスリンパッチのユーザ病理診断結果データを推定することができる。
【0032】
通信モジュール14、104、204は、ネットワークを介して通信するための機能を提供することができる。一例として、インスリンパッチ制御装置100のプロセッサ103がメモリ102などの記録装置に記憶されたプログラムコードに従って生成した要求が、通信モジュール104の制御に従ってネットワークを介してインスリンパッチ10に送信されることができる。また、医療サービス提供サーバ200のプロセッサ203の制御に従って提供される制御信号や命令、コンテンツ、ファイルなどがネットワークを経て通信モジュール104を介してインスリンパッチ制御装置100に送信されることができる。さらに、インスリンパッチ制御装置100の通信モジュール104を介して受信された医療サービス提供サーバ200の制御信号や命令などは、インスリンパッチ制御装置100のプロセッサ103やメモリ102に送信されることができ、インスリンパッチ10から血糖情報及び/または制御結果データなどは、インスリンパッチ制御装置100がさらに含むことができる記憶媒体に記憶されることができる。さらに、通信モジュール14、104、204の通信方式は限定されないが、ネットワークは近距離無線通信網であってもよい。例えば、ネットワークは、ブルートゥース(Bluetooth)、BLE(Bluetooth Low Energy)、Wifi通信網であってもよい。
【0033】
また、入出力インタフェース11、101、201は、ユーザの入力を受信し、出力データを表示することができる。一実施形態に係るインスリンパッチ10の入出力インタフェース11は、ユーザから入力信号を受信することができ、ディスプレイにインスリンパッチの動作情報などを表示することができる。また、一実施形態において、医療サービス提供サーバ200の入出力インタフェース201は、ユーザのフィードバック信号を受信することができ、インスリンパッチ10の制御結果データを出力することができる。
【0034】
また、他の実施形態において、インスリンパッチ10、インスリンパッチ制御装置100、及び医療サービス提供サーバ200は、
図2の構成要素よりも多くの構成要素を含むことができる。しかしながら、ほとんどの従来技術的な構成要素を明確に示す必要はない。例えば、インスリンパッチ制御装置100は、ユーザ端末の内部構成要素に電力を供給するバッテリー及び充電装置を含むことができ、上述した入出力装置のうち少なくとも一部を含むように具現されるか、またはトランシーバ(transceiver)、GPS(Global Positioning System)モジュール、各種センサ、データベースなどの他の構成要素をさらに含むことができる。また、
図2には示されていないが、インスリンパッチ10は、血糖値を測定するための血糖測定センサを含むことができ、他の実施形態ではインスリン注入管をさらに含むことができる。
【0035】
図3は、本発明の一実施形態に係るインスリンパッチ制御方法を説明するための図である。
【0036】
ステップS110において、インスリンパッチ制御装置は、インスリンパッチの血糖センサから血糖情報を取得することができる。一実施形態において、インスリンパッチは血糖センサを通じてユーザの血糖情報を取得することができる。本発明のいくつかの実施形態に係る血糖センサの種類は限定されず、例えば、持続血糖測定(Continuous glucose monitoring、CGM)センサであってもよい。一実施形態において、血糖情報はユーザの血糖値を含み、いくつかの実施形態で血糖測定時間及び血糖測定方法に関する情報をさらに含むことができる。
【0037】
ステップS120において、インスリンパッチ制御装置は、取得した血糖情報を第1ニューラルネットワークに入力し、上述した第1ニューラルネットワークの出力データに基づいてインスリンパッチのポンプパラメータを推定することができる。一実施形態において血糖情報を入力された第1ニューラルネットワークは、当該血糖情報に含まれる血糖値に応じたインスリン注入量を推定することができる。この場合、インスリンパッチを介して注入されるインスリンの量はポンプパラメータに従って調整することができる。したがって、一実施形態に従って血糖情報を入力された上述の第1ニューラルネットワークは、リアルタイムで取得された血糖情報に基づいて最適のポンプパラメータを推定することができる。
【0038】
他の実施形態においてインスリンパッチは、測定された血糖情報に基づいてインスリンパッチ制御装置とは別に単独でポンプパラメータを推定することができ、推定ポンプパラメータに基づいてインスリン注入量を調整することができる。すなわち、本実施形態に係るインスリンパッチ制御方法は、インスリンパッチとインスリンパッチ制御装置との間の通信問題またはインスリンパッチ制御装置の問題が発生しても、安定的にユーザにインスリンを注入することができる。より詳細な説明は
図5で後述する。
【0039】
ステップS130においてインスリンパッチ制御装置は、ステップS120で推定されたポンプパラメータに基づいて前記インスリンパッチに制御信号を送信することができる。一実施形態において、インスリンパッチ制御装置とインスリンパッチはネットワークを介して通信することができる。前述したようにインスリンパッチ制御装置とインスリンパッチとの間のネットワーク通信方式は限定されないが、一例で上述したネットワークは近距離無線通信網で、例えばブルートゥース通信網であってもよい。
【0040】
他の実施形態においてインスリンパッチ制御装置は、インスリンパッチに制御信号を送信する前に、推定されたポンプパラメータを用いたインスリン注入アルゴリズムに基づいてシミュレーションを実行することができる。また、シミュレーション結果に基づいてポンプパラメータを再推定することができる。例えば、シミュレーション結果、ユーザの予想血糖値が有効範囲外である場合、推定されたポンプパラメータは有効でないと判断することができ、その後、上述したニューラルネットワークを用いてポンプパラメータを再推定することができる。本実施形態に係るインスリンパッチ制御方法により、インスリンパッチの精度を高めることができる。より詳細な説明は
図6で後述する。
【0041】
ステップS140においてインスリンパッチ制御装置は、インスリンパッチから制御結果データを取得することができる。一実施形態において、インスリンパッチの制御結果データは、時間の流れに従って測定された血糖情報、測定された血糖情報に従って推定されたポンプパラメータ、前記ポンプパラメータに従って注入されたインスリン注入量及びインスリン注入後の血糖情報のうち少なくとも1つを含むことができる。本発明のいくつかの実施形態に係るインスリンパッチの制御結果データに含まれるデータの種類及び形態は限定されないことに留意する必要がある。例えば、インスリンパッチの制御結果データは、血糖値に関する時系列データ、ポンプパラメータに関する時系列データまたはインスリン注入量に関する時系列データのうち1つであってもよく、インスリン注入量と血糖値のペアからなる形式のデータを含むことができ、ポンプパラメータと血糖値のペアからなる形態のデータを含むことができる。
【0042】
ステップS150において、インスリンパッチ制御装置は、血糖情報、ポンプパラメータ及び上述したインスリンパッチの制御結果データを第2ニューラルネットワークに入力することができ、ステップS160において、インスリンパッチ制御装置は、第2ニューラルネットワークの出力データに基づいてインスリンパッチのユーザ病理診断結果データを推定することができる。より具体的に、一実施形態に係るインスリンパッチ制御装置は、血糖情報及びポンプパラメータを第2ニューラルネットワークに入力して第1病理診断結果データを取得することができ、その後、インスリンパッチの制御結果データに基づいて上述した第1病理診断結果データに対するフィードバックを実行することができる。例えば、第1病理診断結果データ及びインスリンパッチの制御結果データを用いて、上述した第2ニューラルネットワークを再学習させることができる。一例として、インスリンパッチ制御装置は、インスリンパッチの制御結果データを用いて第2ニューラルネットワークの強化学習を実行することができる。この場合、インスリンパッチの制御結果データは、ポンプパラメータに基づいたインスリンパッチの制御信号及びインスリン注入による血糖情報を含むことができ、いくつかの実施形態で、ユーザの糖尿病診断結果情報をさらに含むことができる。
【0043】
他の実施形態において、インスリンパッチ制御装置とネットワークを介して接続された外部サーバは、上述したステップS150~ステップS160を実行することができる。本実施形態において外部サーバは病院サーバまたは医療サービス提供サーバであってもよい。この場合、外部サーバは、インスリンパッチのポンプパラメータ、インスリンパッチのシミュレーション結果またはユーザの病理診断結果データに対するユーザフィードバック信号を受信することができる。この場合、ユーザは、病院サーバ及び医療サービス提供サーバのユーザであり、例えば医師、看護師または医療スタッフであってもよい。その後、本発明のいくつかの実施形態に係る外部サーバのフィードバック信号は、上述した第1ニューラルネットワークまたは第2ニューラルネットワークに再入力されてニューラルネットワークを再学習させることができる。
【0044】
以下、
図4を参照して、本発明の一実施形態に係るインスリンパッチを制御する一連の過程を詳細に説明する。
【0045】
本発明の一実施形態に係るインスリンパッチ10は、当該インスリンパッチをモニタリング及び/または制御することができるユーザ端末20とネットワーク通信を実行することができる。一例では、インスリンパッチ10とユーザ端末20はブルートゥース通信を実行することができる。本実施形態に係るユーザ端末20には、インスリンパッチ10をモニタリング及び/または制御するためのアプリケーションがインストールされることができ、ユーザ端末20は、当該アプリケーションを介してリアルタイムでインスリンパッチに対するユーザ入力を受信することができる。この場合、一実施形態によってインスリンパッチ10はインスリンパッチ制御装置100だけでなく、ユーザ端末20との通信が切れた場合に限り、単独でポンプパラメータを推定することができる。
【0046】
一実施形態に係るインスリンパッチ制御装置100は、インスリンパッチのユーザ情報に基づいてポンプパラメータを推定することができる。すなわち、インスリンパッチ制御装置100は、同時に1つ以上のインスリンパッチ10のポンプパラメータを推定することができ、それぞれのインスリンパッチ10のユーザ情報をさらに利用し、それぞれのインスリンパッチ10に対するポンプパラメータを推定することができる。これにより、個人化されたインスリンパッチ制御が可能であってもよい。また、インスリンパッチ制御装置100は、インスリンパッチのそれぞれに対応する仮想のインスリンパッチを生成し、推定されたポンプパラメータを用いたインスリンパッチのシミュレーションを実行することができる。インスリンを注入することは安定性の確保が非常に重要であるため、本発明のいくつかの実施形態に係るインスリンパッチ制御装置100は、このような過程を通じてインスリンパッチを安定的に制御することができる。
【0047】
一実施形態に係るインスリンパッチ制御装置100からインスリンパッチユーザの病理診断結果データを取得した外部装置200は、前記病理診断結果データに関するフィードバック信号を受信することができる追加のユーザ端末210をさらに含むことができる。この場合、病理診断結果データに対してフィードバック信号を入力するユーザは、医師などの医療スタッフであってもよい。これにより、インスリンパッチ制御装置100または外部装置200が実行するポンプパラメータ推定ニューラルネットワークに関する精度が向上されることができる。
【0048】
以下、
図5~
図7を用いて、
図4に示したインスリンパッチ部300、インスリンパッチ制御装置100及び病理診断結果データ分析部400で実行されるそれぞれのステップをより詳細に説明する。
図5~
図7に記載された各ステップの実行主体は、必ずしも
図4に示す特定の電子装置に限定されるものではないことに留意されたい。
【0049】
以下、
図5を参照して、本発明の一実施形態においてインスリンパッチが単独でポンプパラメータを推定する過程について詳細に説明する。
【0050】
ステップS210において、CGMセンサを通じて血糖情報を取得することができる。ただし、CGMセンサは血糖測定センサの一例に過ぎず、本発明のいくつかの実施形態に係るインスリンパッチの血糖測定センサ及び血糖測定方法が必ずしもCGMセンサを利用するわけではないことに留意された。
【0051】
ステップS220において、血糖情報に基づいて指定されたアルゴリズムを通じてポンプパラメータを取得することができる。一実施形態において、前記指定されたアルゴリズムは、上述した第1ニューラルネットワークと類似または同一であってもよいが、ステップS220を実行する主体がインスリンパッチである場合、コンピューティングリソースの節約のために第1ニューラルネットワークより計算量が少ない単純化されたアルゴリズムである可能性もある。一例として、インスリンパッチと通信するユーザ端末のエラー、インスリンパッチ制御装置のエラーまたはネットワークの通信障害が発生した場合、本実施形態に係るインスリンパッチは、独立してポンプパラメータを推定することができる。したがって、一実施形態に係るインスリンパッチは、指定された時間の間、外部からインスリンパッチ制御信号またはポンプパラメータ情報を受信できない場合、独立してインスリン注入量を決定するためのポンプパラメータを推定することができる。すなわち、本実施形態に係るインスリンパッチは、外部装置との通信なしに独立してインスリン注入量を決定することができる。
【0052】
ステップS230において、ポンプパラメータの有効性検証を実行することができる。すなわち、取得されたポンプパラメータを用いてインスリンパッチを制御する前に、安定性を確保するための最小限の有効性検証を実行することができる。例えば、取得したポンプパラメータが指定された安定範囲内のポンプパラメータであるか否かを確認することができる。この場合、指定された安定範囲は、ユーザによって入力された固定値であってもよく、以前のポンプパラメータ記録に基づいて定められた値であってもよく、ステップS220のように指定されたアルゴリズムを通じて推定された値であってもよい。一実施形態において、インスリンパッチは、インスリンパッチ制御装置からインスリンパッチの制御信号またはポンプパラメータを受信する場合でも、ポンプパラメータの有効性検証を実行することができることは言うまでもない。すなわち、本実施形態に係るインスリンパッチ制御方法は、安定性の向上のためにインスリンパッチ制御装置ではなくインスリン注入部を含むインスリンパッチで上述したポンプパラメータの有効性検証を実行することができる。
【0053】
ステップS240で有効性が検証されたポンプパラメータに基づいてインスリンパッチを制御することができ、制御結果に基づいてCGMセンサ及びインスリンパッチ制御装置を制御することができ、インスリンパッチ制御結果データを前記インスリンパッチ制御装置へ送信することができる。他の実施形態において、ステップS230でポンプパラメータに対する有効性が検証されていない場合、上述したステップS210~ステップS230を繰り返し実行することができる。
【0054】
以下、
図6を参照して、本発明の一実施形態に係るインスリンパッチ制御装置がシミュレーションを実行する過程について詳細に説明する。
【0055】
ステップS310において、インスリンパッチ制御装置は、取得された血糖情報の有効性検証を実行することができる。インスリンパッチ制御装置は、インスリンパッチから取得した血糖情報をニューラルネットワークに入力する前に、当該血糖情報に対する有効性検証を実行することができる。例えば、取得した血糖情報が所定の有効範囲内の血糖情報であるか否かを確認することができる。これにより、インスリンパッチ制御装置は、インスリンパッチのエラー発生の有無を確認することができる。上述した血糖情報の有効範囲は、ユーザによって入力された固定値であってもよく、ユーザ別の過去の血糖情報記録に基づいて定められた値であってもよいし、所定のアルゴリズムを通じて推定された値であってもよい。
【0056】
ステップS320において、インスリンパッチ制御装置は、インスリンパッチのポンプパラメータを推定するために血糖情報を第1ニューラルネットワークに入力することができる。一実施形態において、第1ニューラルネットワークは、インスリン注入前のユーザの血糖情報、インスリン注入量、インスリンポンプパラメータ及びインスリン注入後のユーザの血糖情報を用いて学習されたニューラルネットワークであってもよく、インスリン注入量と血糖情報を用いて学習された他のニューラルネットワークを用いて転移学習されたニューラルネットワークであってもよい。さらに、一実施形態において第1ニューラルネットワークは、ユーザ情報をさらに用いて学習されたニューラルネットワークであってもよい。これにより、インスリンパッチ制御装置は、ユーザ別の血糖変化の程度及び速度をさらに考慮してポンプパラメータを推定することができる。
【0057】
ステップS330においてインスリンパッチ制御装置は、第1ニューラルネットワークの出力データを分類し、出力データに含まれるポンプパラメータのうち指定された条件に応じたポンプパラメータを選定することができる。一実施形態において、ポンプパラメータを選定するために指定された条件は、ユーザ情報に基づいて定められることができる。一例として、インスリンパッチ制御装置は、ユーザ情報を用いて少量のインスリンを長期間注入するためのポンプパラメータと、多量のインスリンを短期間注入するためのポンプパラメータのうち、より適切なポンプパラメータを選定することができる。
【0058】
ステップS340においてインスリンパッチ制御装置は、インスリンパッチのポンプパラメータをステップS330で選定されたポンプパラメータに設定することができ、ステップS350で設定されたポンプパラメータに基づいてインスリン注入アルゴリズムを通じて仮想のインスリンパッチに対するシミュレーションを実行することができる。
【0059】
一実施形態においてシミュレーションした結果、ユーザの予想血糖値が有効範囲外である場合、インスリンパッチ制御装置は、推定されたポンプパラメータが有効でないと判断することができる。この場合、インスリンパッチ制御装置は、ステップS330で選定されていないポンプパラメータを用いてインスリンパッチのシミュレーションを実行することができ、前述したステップS310~ステップS340を繰り返し実行し、再推定されたポンプパラメータを用いてシミュレーションを実行することができる。本実施形態に係るインスリンパッチ制御方法を通じて推定されるポンプパラメータの精度と安定性を高めることができる。
【0060】
以下、
図7を参照して、本発明の一実施形態によって病理診断結果データを取得する過程について詳細に説明する。
【0061】
ステップS410においてインスリンパッチ制御装置は、取得した血糖情報及び推定したポンプパラメータを第2ニューラルネットワークに入力することができる。
【0062】
その後、ステップS420においてインスリンパッチ制御装置は、第2ニューラルネットワークの出力データと既に取得したインスリンパッチの制御結果データとを用いて第2ニューラルネットワークを再訓練させことができる。一実施形態において、インスリンパッチの制御結果データは、時間の流れに従って測定された血糖情報、測定された血糖情報に従って推定されたポンプパラメータ、前記ポンプパラメータに従って注入されたインスリン注入量及びインスリン注入後の血糖情報のうち少なくとも1つを含むことができる。
【0063】
より具体的に、一実施形態に係るインスリンパッチ制御装置は、血糖情報及びポンプパラメータを第2ニューラルネットワークに入力して第1病理診断結果データを取得することができ、その後、インスリンパッチの制御結果データに基づいて上述した第1病理診断結果データに対するフィードバックを実行することができる。例えば、第1病理診断結果データ及びインスリンパッチの制御結果データを用いて、上述した第2ニューラルネットワークを再学習させることができる。
【0064】
一例として、インスリンパッチ制御装置は、インスリンパッチの制御結果データを用いて第2ニューラルネットワークの強化学習を実行することができる。この場合、インスリンパッチの制御結果データは、ポンプパラメータに基づいたインスリンパッチの制御信号及びインスリン注入による血糖情報を含むことができ、いくつかの実施形態で、ユーザの糖尿病診断結果情報をさらに含むことができる。
【0065】
以上で説明した装置は、ハードウェア構成要素、ソフトウェア構成要素、及び/またはハードウェア構成要素及びソフトウェア構成要素の組み合わせで実装することができる。例えば、実施形態で説明した装置及び構成要素は、例えば、プロセッサ、コントローラ、ALU(arithmetic logic unit)、デジタル信号プロセッサ(digital signal processor)、マイクロコンピュータ、FPGA(field programmable gate array)、PLU(programmable logic unit)、マイクロプロセッサ、または命令(instruction)を実行して応答できる他の任意の装置のように、1つまたは複数の汎用コンピュータまたは特殊目的コンピュータを使用して実装することができる。処理装置は、オペレーティングシステム(OS)及びオペレーティングシステム上で実行される1つまたは複数のソフトウェアアプリケーションを実行することができる。さらに、処理装置は、ソフトウェアの実行に応答し、データにアクセス、記憶、操作、処理及び生成することができる。理解の便宜のために、処理装置は1つが使用されると説明されている場合もあるが、当該技術分野で通常の知識を有する者は、処理装置が複数の処理要素(processing element)及び/または複数タイプの処理要素を含むことができるということが分かる。例えば、処理装置は、複数のプロセッサまたは1つのプロセッサ及び1つのコントローラを含むことができる。さらに、並列プロセッサ(parallel processor)のような、他の処理構成(processing configuration)も可能である。
【0066】
ソフトウェアは、コンピュータプログラム(computer program)、コード(code)、命令(instruction)、またはこれらのうち1つ以上の組み合わせを含むことができ、所望のよう動作するように処理装置を構成するか、独立してまたは組み合わせて(collectively)処理装置を命令することができる。ソフトウェア及び/またはデータは、処理装置によって解釈されるか、処理装置に命令またはデータを提供するために、任意のタイプの機械、構成要素(component)、物理的装置、仮想装置(virtual equipment)、コンピュータ記憶媒体または装置、または送信される信号波(signal wave)に永久的に、または一時的に具体化(embody)されることができる。ソフトウェアはネットワークで接続されたコンピュータシステム上に分散され、分散された方法で記憶または実行されることができる。ソフトウェア及びデータは、1つまたは複数のコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記憶されることができる。
【0067】
実施形態による方法は、様々なコンピュータ手段を介して実行されることができるプログラム命令の形態で実装され、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されることができる。コンピュータ読み取り可能な記録媒体は、プログラム命令、データファイル、データ構造などを単独でまたは組み合わせて含むことができる。媒体に記録されるプログラム命令は、実施形態のために特別に設計及び構成されたものであるか、コンピュータソフトウェアの当業者に公知され、利用可能なものである可能性がある。コンピュータ読み取り可能な記録媒体の例には、ハードディスク、フロッピーディスク及び磁気テープなどの磁気媒体(magnetic media)、CD-ROM、DVDなどの光記録媒体(optical media)、フロプティカルディスク(floptical disk)などの光磁気媒体(magneto-optical media)、及びロム(ROM)、ラム(RAM)、フラッシュメモリなどのプログラム命令を記憶及び実行するように特別に構成されたハードウェア装置が含まれる。プログラム命令の例には、コンパイラによって作成されるような機械語コードだけでなく、インタプリタなどを使用し、コンピュータによって実行されることができる高級言語コードを含む。前記のハードウェア装置は、実施形態の動作を実行するために1つまたは複数のソフトウェアモジュールとして動作するように構成することができ、その逆も同様である。
【0068】
以上のように実施形態が限定された実施形態と図面によって説明されているが、当該技術分野で通常の知識を有する者ならば前記の記載から様々な修正及び変形が可能である。例えば、記載された技術が記載された方法と異なる順序で実行されたり、及び/または記載されたシステム、構造、装置、回路などの構成要素が記載された方法とは異なる形態で結合または組み合わされたり、他の構成要素または均等物によって代置または置換されても、適切な結果を達成することができる。
【0069】
したがって、他の実装、他の実施形態及び特許請求の範囲と均等なものも、後述する特許請求の範囲の範囲に属する。