(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-16
(45)【発行日】2024-07-24
(54)【発明の名称】情報処理システム、情報処理方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/40 20240101AFI20240717BHJP
【FI】
G06Q50/40
(21)【出願番号】P 2024072072
(22)【出願日】2024-04-26
【審査請求日】2024-05-01
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】521332187
【氏名又は名称】RYDE株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002789
【氏名又は名称】弁理士法人IPX
(72)【発明者】
【氏名】杉▲崎▼ 正哉
(72)【発明者】
【氏名】芝原 悠介
【審査官】塩屋 雅弘
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-230385(JP,A)
【文献】特開2013-210789(JP,A)
【文献】特開2020-144566(JP,A)
【文献】特開2020-067745(JP,A)
【文献】特開2015-153127(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報処理システムであって、
制御部を備え、
前記制御部は、次の各ステップを実行するように構成され、
第1の受付ステップでは、
ユーザが所持するユー
ザ端末
の操作によってコードが読み出された履歴を受け付け、ここで、前記コードは、所定の媒体に示されたものであり、
第1の付与ステップでは
、前記ユーザ
端末に、交通サービスに関するチケット及び/又は交通サービスを利用する権利を付与
するとともに、前記ユーザを識別可能な識別子と前記履歴とを対応付けて、前記ユーザ端末とは異なるサーバの記憶部に記憶させ、ここで、
前記交通サービスは、自家用車を除く移動体による交通手段であり
、
第2の受付ステップでは、前記識別子によって識別されるユーザの前記交通サービスの利用度合いを受け付け、
第2の付与ステップでは、前記ユーザの前記交通手段の利用度合いに応じて、前記ユーザにインセンティブを付与する、情報処理システム。
【請求項2】
情報処理システムであって、
制御部を備え、
前記制御部は、次の各ステップを実行するように構成され、
第1の受付ステップでは、ユーザの端末操作によってコードが読み出された履歴を受け付けるとともに、前記ユーザの端末操作に基づき、さらに割引コードを受け付け、ここで、前記コードは、所定の媒体に示されたものであり、
第1の付与ステップでは、前記割引コードに基づく割引額で、前記コードを読み出した前記ユーザに、交通サービスに関するチケット及び/又は交通サービスを利用する権利を付与し、ここで、
前記交通サービスは、自家用車を除く移動体による交通手段であり、
前記交通サービスに関するチケット及び/又は前記交通サービスを利用する権利を付与された前記ユーザには、前記履歴と識別子とが関連づけられ、
第2の受付ステップでは、前記識別子によって識別されるユーザの前記交通サービスの利用度合いを受け付け、
第2の付与ステップでは、前記ユーザの前記交通手段の利用度合いに応じて、前記ユーザにインセンティブを付与する、情報処理システム。
【請求項3】
情報処理システムであって、
制御部を備え、
前記制御部は、次の各ステップを実行するように構成され、
第1の受付ステップでは、ユーザの端末操作によってコードが読み出された履歴を受け付け、ここで、前記コードは、所定の媒体に示されたものであり、且つ、前記媒体の属性を識別可能であり、
前記属性は、前記媒体を配布したイベントに関する情報を含み、
第1の付与ステップでは、前記コードを読み出した前記ユーザに、交通サービスに関するチケット及び/又は交通サービスを利用する権利を付与し、ここで、
前記交通サービスは、自家用車を除く移動体による交通手段であり、
前記交通サービスに関するチケット及び/又は前記交通サービスを利用する権利を付与された前記ユーザには、前記履歴と識別子とが関連づけられ、
第2の受付ステップでは、前記識別子によって識別されるユーザの前記交通サービスの利用度合いを受け付け、
第2の付与ステップでは、前記ユーザの前記交通手段の利用度合いに応じて、前記ユーザにインセンティブを付与する、情報処理システム。
【請求項4】
請求項1に記載の情報処理システムにおいて、
前記交通サービスは、公共交通機関、タクシー、又は移動体のシェアリングサービスに関する交通手段を含む、システム。
【請求項5】
請求項1に記載の情報処理システムにおいて、
前記インセンティブはカーボンクレジットである、情報処理システム。
【請求項6】
情報処理方法であって、
請求項1~請求項5の何れか1つに記載の情報処理システムの各ステップを備える、方法。
【請求項7】
プログラムであって、
コンピュータに、請求項1~5の何れか1つに記載の情報処理システムの各ステップを実行させる、プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理システム、情報処理方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
たとえば、特許文献1には、「交通機関を利用してもらえるようにすることができる広告表示システム」が開示されている。広告表示システムは、乗り物を利用するユーザが使用するユーザ端末に、乗り物に表示される広告と同一の商品又はサービスに関する広告を表示させる端末表示制御部と、端末表示制御部が表示する広告をユーザが閲覧したことを検出するイベント処理部と、乗り物をユーザが利用したことを検出する利用検出部と、ユーザが広告を閲覧した後に乗り物を利用した場合に、ユーザに対しインセンティブを付与するインセンティブ付与部と、を備える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、ユーザへ公共交通機関の利用を促すための余地は依然として存在する。
【0005】
本発明では上記事情に鑑み、公共交通機関の利用に基づき、ユーザにインセンティブを付与することができる情報処理システム等を提供することとした。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様によれば、情報処理システムが提供される。この情報処理システムは、制御部を備える。制御部は、次の各ステップを実行するように構成される。第1の受付ステップでは、ユーザの端末操作によってコードが読み出された履歴を受け付ける。コードは、所定の媒体に示されたものである。第1の付与ステップでは、コードを読み出したユーザに、交通サービスに関するチケット及び/又は交通サービスを利用する権利を付与する。交通サービスは、自家用車を除く移動体による交通手段である。交通サービスに関するチケット及び/又は交通サービスを利用する権利を付与されたユーザには、履歴と識別子とが関連づけられる。第2の受付ステップでは、識別子によって識別されるユーザの交通サービスの利用度合いを受け付ける。第2の付与ステップでは、ユーザの交通手段の利用度合いに応じて、ユーザにインセンティブを付与する。
【0007】
上記態様によれば、ユーザへ公共交通機関の利用を促す情報処理システム等が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本実施形態に係る情報処理システム100を表す構成図である。
【
図2】ユーザ端末2のハードウェア構成を示すブロック図である。
【
図3】サーバ3のハードウェア構成を示すブロック図である。
【
図4】サーバ3における制御部33等によって実現される機能を示すブロック図である。
【
図5】本実施形態の情報処理の流れを示すアクティビティ図である。
【
図6】第1の受付ステップに関するコードCD1を説明するための図である。
【
図7】ユーザ端末2の表示部24に表示される入力画面D1の一例である。
【
図8】ユーザ端末2の表示部24に表示される特典付与画面D2の一例である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を用いて本発明の実施形態について説明する。以下に示す実施形態中で示した各種特徴事項は、互いに組み合わせ可能である。
【0010】
ところで、一実施形態に登場するソフトウェアを実現するためのプログラムは、コンピュータが読み取り可能な非一時的な記録媒体(Non-Transitory Computer-Readable Medium)として提供されてもよいし、外部のサーバからダウンロード可能に提供されてもよいし、外部のコンピュータで当該プログラムを起動させてクライアント端末でその機能を実現(いわゆるクラウドコンピューティング)するように提供されてもよい。
【0011】
また、一実施形態に係る種々の情報処理において、入力と、入力に応じた出力とが実現されうる。ここで、入力の結果として出力が得られれば、かかる情報処理において参照される情報(以下、参照情報と称する。)の態様は、限定されない。参照情報は、例えば、データベース、ルックアップテーブル、所定の関数(統計学的手法によって構築された、回帰式等の判定式を含む。)等のルールベースの情報でもよいし、入力と出力との相関を予め学習させた学習済みモデルでもよいし、プロンプトを入力することで所望の結果を出力可能な大規模言語モデルでもよい。
【0012】
また、一実施形態において「部」とは、例えば、広義の回路によって実施されるハードウェア資源と、これらのハードウェア資源によって具体的に実現されうるソフトウェアの情報処理とを合わせたものも含みうる。また、一実施形態においては様々な情報を取り扱うが、これら情報は、例えば電圧・電流を表す信号値の物理的な値、0又は1で構成される2進数のビット集合体としての信号値の高低、又は量子的な重ね合わせ(いわゆる量子ビット)によって表され、広義の回路上で通信・演算が実行されうる。
【0013】
さらに、広義の回路とは、回路(Circuit)、回路類(Circuitry)、プロセッサ(Processor)、及びメモリ(Memory)等を少なくとも適当に組み合わせることによって実現される回路である。また、プロセッサは、汎用プロセッサでもよいし、専用の回路でもよい。すなわち、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit:ASIC)、プログラマブル論理デバイス(例えば、単純プログラマブル論理デバイス(Simple Programmable Logic Device:SPLD)、複合プログラマブル論理デバイス(Complex Programmable Logic Device:CPLD)、及びフィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array:FPGA))等を含むものである。
【0014】
1.ハードウェア構成
本節では、本実施形態のハードウェア構成について説明する。
【0015】
1.1 情報処理システム100
図1は、本実施形態に係る情報処理システム100を表す構成図である。情報処理システム100はユーザ端末2と、サーバ(情報処理システムの一例)3とを備え、これらがネットワーク1を通じて接続されている。これらの構成要素についてさらに説明する。なお、情報処理システム100に例示されるシステムとは、1つ又はそれ以上の装置又は構成要素からなるものである。したがって、サーバ3単体であってもシステムの一例となる。
【0016】
1.2 ユーザ端末2
ユーザ端末2は、本実施形態におけるユーザが所持する端末である。例えば、ユーザ端末2は、スマートフォン、タブレット端末、コンピュータ等が想定されるが、その詳細は限定されるものではない。なお、
図1においてユーザ端末2はスマートフォン単体(2-1,2-2,・・・2-n)の集合体として記載しているが、本明細書においては端末単体をユーザ端末2と表記することもある。
【0017】
図2は、ユーザ端末2のハードウェア構成を示すブロック図である。ユーザ端末2は、通信部21と、記憶部22と、制御部23と、表示部24と、入力部25とを有し、これらの構成要素がユーザ端末2の内部において通信バス20を介して電気的に接続されている。通信部21、記憶部22及び制御部23の説明は、後述の、サーバ3における通信部31、記憶部32及び制御部33と略同様のため省略する。
【0018】
表示部24は、例えば、ユーザ端末2の筐体に含まれるものであってもよいし、外付けされるものであってもよい。表示部24は、ユーザが操作可能なグラフィカルユーザインターフェース(Graphical User Interface:GUI)の画面を表示する。これは例えば、CRTディスプレイ、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ及びプラズマディスプレイ等の表示デバイスを、ユーザ端末2の種類に応じて使い分けて実施することが好ましい。ここでは、表示部24は、ユーザ端末2の筐体に含まれるものとして説明する。
【0019】
入力部25は、ユーザ端末2の筐体に含まれるものであってもよいし、外付けされるものであってもよい。例えば、入力部25は、表示部24と一体となってタッチパネルとして実施されてもよい。タッチパネルであれば、ユーザは、タップ操作、スワイプ操作等を入力することができる。もちろん、タッチパネルに代えて、スイッチボタン、マウス、QWERTYキーボード等を採用してもよい。すなわち、入力部25がユーザによってなされた操作入力を受け付ける。当該入力が命令信号として、通信バス20を介して制御部23に転送され、制御部23が必要に応じて所定の制御や演算を実行しうる。
【0020】
なお、このユーザ端末2には緯度経度情報を発信する機能が備えられていてもよい。具体的には、ユーザ端末2には、GPS(Global Positioning System)等の信号を発信することができる機能(測位システム)が備えられていてもよい。
また、ユーザ端末2は、たとえばコードなどを読み出すカメラ機能などや、NFC(Near Field Communication)タグ等の各種タグを読み出し可能なリーダーを有していてもよい。
【0021】
1.3 サーバ3
図3は、サーバ3のハードウェア構成を示すブロック図である。サーバ3は、通信部31と、記憶部32と、制御部33とを有し、これらの構成要素がサーバ3の内部において通信バス30を介して電気的に接続されている。各構成要素についてさらに説明する。
【0022】
通信部31は、USB、IEEE1394、Thunderbolt(登録商標)、有線LANネットワーク通信等といった有線型の通信手段が好ましいものの、無線LANネットワーク通信、3G/LTE/5G等のモバイル通信、Bluetooth(登録商標)通信等を必要に応じて含めてもよい。すなわち、これら複数の通信手段の集合として実施することがより好ましい。すなわち、サーバ3は、通信部31を介して、ユーザ端末2とネットワーク1を介して種々の情報を通信する。
【0023】
記憶部32は、前述の記載により定義される様々な情報を記憶する。これは、例えば、制御部33によって実行されるサーバ3に係る種々のプログラム等を記憶するソリッドステートドライブ(Solid State Drive:SSD)等のストレージデバイスとして、あるいは、プログラムの演算に係る一時的に必要な情報(引数、配列等)を記憶するランダムアクセスメモリ(Random Access Memory:RAM)等のメモリとして実施されうる。また、これらの組合せであってもよい。特に、記憶部32は、制御部33によって実行されるサーバ3に係る種々のプログラム等を記憶している。
【0024】
制御部33は、サーバ3に関連する全体動作の処理・制御を行う。制御部33は、例えば不図示の中央処理装置(Central Processing Unit:CPU)である。制御部33は、記憶部32に記憶された所定のプログラムを読み出すことによって、サーバ3に係る種々の機能を実現する。すなわち、記憶部32に記憶されているソフトウェアによる情報処理が、ハードウェアの一例である制御部33によって具体的に実現されることで、制御部33に含まれる各機能部として実行されうる。これらについては、2.節においてさらに詳述する。なお、制御部33は単一であることに限定されず、機能ごとに複数の制御部33を有するように実施してもよい。またそれらの組合せであってもよい。
【0025】
2.機能構成
本節では、本実施形態の機能構成について説明する。前述の通り、記憶部32に記憶されているソフトウェアによる情報処理がハードウェアの一例である制御部33によって具体的に実現されることで、制御部33に含まれる各機能部として実行されうる。
【0026】
図4は、サーバ3における制御部33等によって実現される機能を示すブロック図である。具体的には、情報処理システム100の一例であるサーバ3は、受付部331と、表示制御部332と、決済登録部333と、記憶管理部334と、演算部335と、付与部336と、を備える。
【0027】
受付部331は、受付ステップを実行可能に構成される。受付ステップにおいて、受付部331は、種々の情報やデータを受け付ける。例えば、受付部331は、第1の受付ステップとして、ユーザの端末操作によってコードCD1が読み出された履歴を受け付ける。ここで、コードCD1は所定に媒体に示されたコードである。また例えば、受付部331は、第2の受付ステップとして、ユーザの交通サービスの利用度合いを受け付ける。これらの具体的処理については、後に詳述する。
【0028】
表示制御部332は、表示制御ステップを実行可能に構成される。表示制御ステップにおいて、表示制御部332は、種々の表示情報を生成して、ユーザが視認可能な表示内容を制御するように構成される。なお、表示情報とは、画面、画像、アイコン、テキスト等といった、ユーザが視認可能な態様で生成された情報そのものでもよいし、例えばユーザ端末2に画面、画像、アイコン、テキスト等を表示させるためのレンダリング情報であってもよい。例えば、表示制御部332は、表示制御ステップとして、コードCD1が読み出された履歴を受け付けたことに応じて、ユーザ情報を入力するための画面をユーザ端末2の表示部24に表示させてもよい。これらの具体的処理については、後に詳述する。
【0029】
決済登録部333は、決済登録ステップを実行可能に構成される。決済登録ステップにおいて、決済登録部333は、ユーザが各種費用の決済を行ったことを登録する。なお、この登録の内容についてはサーバ3中の記憶部32に記憶するよう、制御部33が制御することができる。
【0030】
記憶管理部334は、記憶管理ステップを実行可能に構成される。記憶管理ステップにおいて、記憶管理部334は、本実施形態の情報処理に関連する、記憶すべき種々の情報について管理するように構成される。典型的には、記憶管理部334は、サーバ3が取り扱った情報等を記憶領域に記憶させるように構成される。この記憶領域は、たとえばサーバ3の記憶部32や各種装置や端末の記憶部が例示されるが、この記憶領域は必ずしも
図1に示したシステム内である必要はなく、記憶管理部334は、種々の情報を外部記憶装置などに記憶するように管理することもできる。
【0031】
演算部335は、演算ステップを実行可能に構成される。演算ステップにおいて、演算部335は、種々の演算を実行するように構成される。例えば、演算部335は、受付部331が受け付けた情報を、媒体の属性ごとに集計してもよい。これらの具体的処理については、後に詳述する。
【0032】
付与部336は、付与ステップを実行可能に構成される。付与ステップにおいて、付与部336は、種々の情報を、ユーザに関する情報と対応付けるように構成される。例えば、付与部336は、第1の付与ステップとして、交通サービスに関するチケット及び/又は交通サービスを利用する権利をユーザに付与する。また例えば、付与部336は、第2の付与ステップとして、ユーザの交通手段の利用度合いに応じて、ユーザにインセンティブを付与する。
【0033】
3.情報処理方法
本節では、前述した情報処理システム100の実行する情報処理方法の各ステップについて、適宜、アクティビティ図を示しながら説明する。
【0034】
図5は、本実施形態の情報処理の流れを示すアクティビティ図である。
図5に示すように、本実施形態の情報処理方法においては、まず、受付部331が、第1の受付ステップとして、ユーザの端末操作によってコードCD1が読み出された履歴を受け付ける(アクティビティA101)。ここで、コードCD1は、所定の媒体に示されたコードである。
【0035】
図6は、第1の受付ステップに関するコードCD1を説明するための図である。
図6に示されるように、コードCD1は、所定の媒体に示されている。以下、本実施形態では所定の媒体として、パンフレットMD1の紙面にコードCD1が示されている例について説明するものする。例えば、パンフレットMD1は、交通サービスの利用を促進するためのイベントで配布される媒体であってもよい。
図6では、パンフレットMD1の紙面が示されているが、媒体の種類はこれに制限されない。すなわち、所定の媒体は、雑誌や新聞、テレビ等のいわゆるマス媒体;検索エンジン(Yahoo!(登録商標)やGoogle(登録商標)等のサービスを含む)やソーシャルメディア(Facebook(登録商標)やInstagram(登録商標)に代表されるSNS(Social Networking Service)のほか、LINE(登録商標)やWechat(登録商標)等のメッセージアプリ;PayPay(登録商標)等のウォレットアプリ等の各種サービスを含む)、動画配信サービス(YouTube(登録商標)やTiktok(登録商標)等のサービスを含む)、Eコマースサイト、旅行予約サイト、宿泊予約サイト、航空券予約サイト等に関連するインターネット媒体;POP、DM、ポスター、チラシ、フリーペーパー等のセールスプロモーション(SP)媒体等であってよい。また、これ以外であっても、電子掲示板、電柱広告、看板広告等の屋外広告媒体;教材や頒布物等を含む各種紙媒体;電車、バス、タクシー、車(レンタカーやカーシェア等を含む)、船、飛行機などの内外又は停留所等の付帯施設における交通広告媒体;カーナビゲーションシステムにおける表示画面;公共交通機関のチケット(デジタルチケット、紙チケットを含む)に関する媒体(デジタルチケットを表示する画面、紙チケットの余白や裏面等を含む);アドバルーン等の飛行体や、スポーツ選手のユニフォームなどの動的な媒体についても、所定の媒体として用いることができる。
【0036】
第1の受付ステップにおいて、パンフレットMD1に接したユーザは、自身のユーザ端末2を用いて、パンフレットMD1に示されたコードCD1を読み出す。これには制限されないが、例えば、ユーザ端末2に備えられるカメラを用いて、コードCD1を読み出すことで、このようなステップを実現することができる。
図6にはコードCD1として、QRコード(登録商標)のような二次元コードが示されているが、本実施形態に用いられるコードは、ユーザ端末2の読出し可能な任意のコードであってよい。すなわち、本実施形態のコードは、バーコード等であってもよいし、ユーザによって入力可能な文字又は数字から構成されるコードであってもよい。また、ユーザが、ユーザ端末2によってコードCD1を読み出すと、この読み出しの履歴を受付部331が受け付けることとなる。パンフレットMD1は、さらに割引コードCD2を含んでもよい。詳細は後述する。
【0037】
上記のようにして、第1の受付ステップが実行された後、受付部331は、ユーザ情報の入力をユーザから受け付ける(アクティビティA102)。具体的には、受付部331は、ユーザ端末2に対する入力を介して、ユーザ情報を受け付ける。
【0038】
(入力画面D1)
図7は、ユーザ端末2の表示部24に表示される入力画面D1の一例である。入力画面D1は、
図5のアクティビティA102で表示される画面の一例である。入力画面D1は、フォームF1~F7と、ボタンBT1、BT2とを含む。
【0039】
入力画面D1は、「○○バス」という所定の地域で運行しているバスの1日乗車チケットの購入をユーザが購入可能な画面である。より好ましくは、パンフレットMD1に示される内容と、ユーザに付与するチケットは、一定の関係性を持ってもよいが、これに限られない。また、入力画面D1は、氏名、住所、年齢、性別、職業のユーザ情報と、使用日と、チケット枚数との入力をユーザから受付可能なフォーム(F1~F7)を含む。すなわち、受付部331は、ユーザ端末2を介してユーザからユーザ情報等の入力を受け付ける。さらに、ボタンBT2がユーザによって押下されることに応じて、記憶管理部334は、受け付けたユーザ情報等をサーバ3の記憶部32に記憶する。
【0040】
なお、入力画面D1を介してユーザから受け付けるユーザ情報はこれに限られない。例えば、ユーザ情報は、ユーザの、資金力、家族構成、国籍、使用言語、連絡先、過去のイベント参加履歴、過去の移動履歴、使用端末種及びIPアドレスからなる群から選択される1以上に関する情報を含むことが好ましい。
【0041】
さらに、入力画面D1は、クーポンを選択するためのボタンBT1を含む。ここで、「クーポンの選択」は、選択肢としてユーザに提示される態様に限らず、ユーザによって割引コードCD2の入力を受け付ける態様を含んでもよい。ボタンBT1がユーザによって押下されることに応じて、表示制御部332は、ユーザ端末2の表示部24に表示されている入力画面D1を、クーポンの選択をユーザから受け付けるための画面(不図示)に遷移させてもよい。
【0042】
続いて、受付部331は、第1の受付ステップとして、ユーザの端末操作に基づき、さらに割引コードCD2を受け付ける(アクティビティA103)。具体的には、受付部331は、
図6のパンフレットMD1に示された割引コードCD2の入力をユーザから受け付ける。割引コードCD2を受け付ける方法は、これに限られない。例えば、受付部331は、ユーザ端末2の表示部24に表示されたクーポンを示す情報に対する選択をユーザから受け付けてもよい。さらに、クーポンに関する情報はコードCD1に紐づけられていてもよい。すなわち、アクティビティA101においてユーザがユーザ端末2を介してコードCD1を読み出すことに応じて、ユーザが利用可能なクーポンを示す情報が特定されてもよい。このような態様によれば、ユーザによる公共交通期間の利用をよりいっそう促すことができる。なお、割引コードCD2の入力をユーザから受け付けない場合は、そのままアクティビティA104の処理に進んでもよい。
【0043】
続いて、付与部336は、第1の付与ステップとして、コードCD1を読み出したユーザに、バスの乗車チケット(交通サービスに関するチケット及び/又は交通サービスを利用する権利の一例)を付与する。ここで、交通サービスとは、自家用車を除く移動体による交通手段であるものとする。具体的には、
図7の入力画面D1におけるボタンBT2がユーザによって押下されたことに応じて、チケット等の取引(売買)に関する処理が行われる。この際、決済登録部333は、この取引履歴を所定の記憶領域に記憶させてもよい。次に、付与部336は、チケットを付与する対象であるユーザの識別子(ユーザ情報の一例)と、バスの乗車チケットに関する情報とを対応付けて記憶部32に記憶させる。さらに、ここで、識別子は、ユーザを識別可能な情報である。すなわち、交通サービスに関するチケット及び/又は交通サービスを利用する権利を付与されたユーザには、コードCD1を読み出した履歴と識別子とが関連づけられる。より具体的には、
図5のアクティビティA102において受付部331がユーザ情報を受け付けることに応じて、当該ユーザに対応する識別子が発行されてもよい。
【0044】
なお、ここでの「交通サービス」は、人が移動することを支援する種々の交通手段を提供するサービスの中から選択される。例えば、交通サービスは、公共交通機関、タクシー、又は移動体のシェアリングサービスに関する交通手段を含む。交通手段は、電車やバス、路面電車、地下鉄、飛行機、船、フェリー、遊覧船、水上バス、タクシー、車(レンタカーやカーシェア等を含む)、自転車(レンタサイクルやシェアサイクルを含む。)、電動キックボード、ケーブルカー、モノレール、ドローン、ヘリコプター、バイク等が挙げられる。また、この「移動手段」には、例えば時刻表等に基づいて定期運行される交通機関(公共交通機関)による移動サービスや、ユーザの需要により運行される交通機関によるデマンド型の移動サービス(オンデマンド交通サービス)等が包含される。このような態様によれば、移動に自家用車を用いる場合と比較して、渋滞の緩和及び二酸化炭素排出量の低減が期待できる。
【0045】
また、上述の「交通サービスに関するチケット及び/又は交通サービスを利用する権利」は、割引価格で購入可能な乗車券に限られない。「交通サービスに関するチケット及び/又は交通サービスを利用する権利」は、交通サービスの乗車券を割引価格で購入可能な割引チケットであってもよい。また、交通サービスを利用する権利として、乗車券そのものがユーザに提供されてもよい。
【0046】
また、ユーザが過去にユーザ情報を入力済みである場合、すなわち、記憶部32にユーザ情報が既に記憶されている場合は、入力画面D1におけるユーザ情報の入力が省略されてもよい。具体的には、ユーザによってコードCD1が読み出されることに応じて、付与部336が当該ユーザの識別子と乗車券に関する情報とを対応付けて記憶部32に記憶してもよい。かかる場合において、ログイン情報の入力をユーザから受け付けることにより、ユーザの識別子が特定されてもよい。
【0047】
なお、アクティビティA103において受付部331が割引コードを受け付けた場合の処理について説明する。かかる場合において、第1の付与部は、割引コードに基づく割引額で、交通サービスに関するチケット及び/又は交通サービスを利用する権利をユーザに付与する(アクティビティA104)。このような態様によれば、ユーザが公共交通機関を利用する機会を容易に設けることができる。したがって、ユーザの公共交通期間の利用をよりいっそう促進することができる
【0048】
続いて、演算部335は、ユーザによる交通サービスの利用履歴を受け付けることに応じて、利用回数を更新する(アクティビティA105)。換言すると、受付部331は、第2の受付ステップとして、識別子によって識別されるユーザの交通サービスの利用度合いを受け付ける。ここで、交通サービスの利用度合いとは、所定の期間中にユーザが交通サービスを利用した回数、すなわち利用頻度を示す指標であってもよい。また例えば、交通サービスの利用度合いとは、所定の始期を起点に、ユーザが交通サービスを利用した累積回数を示す指標であってもよい。例えば、ユーザによる交通サービスの利用履歴を受付部331が受け付けることに応じて、利用履歴と当該ユーザの識別子とが対応付けられて記憶部32に記憶されることにより、利用度合いが算出されてもよい。
【0049】
続いて、ユーザによる交通サービスの利用度合いが所定以上になった場合、サーバ3の付与部336は、インセンティブをユーザへ付与する(アクティビティA106)。換言すると、付与部336は、第2の付与ステップとして、ユーザの交通手段の利用度合いに応じて、ユーザにインセンティブを付与する。具体的には、付与部336は、インセンティブを付与する対象であるユーザの識別子(ユーザ情報の一例)と、インセンティブに関する情報とを対応付けて記憶部32に記憶させる。次に、表示制御部332は、インセンティブを示す情報をユーザ端末2の表示部24に表示させる。
【0050】
(特典付与画面D2)
図8は、ユーザ端末2の表示部24に表示される特典付与画面D2の一例である。特典付与画面D2は、
図5のアクティビティA106において、ユーザ端末2の表示部24に表示される画面の一例である。特典付与画面D2は、領域R1とボタンBT3とを含む。
【0051】
領域R1は、ユーザに付与されるインセンティブの内容を、ユーザに視認可能な態様で表示するための領域である。本実施形態において、インセンティブが動物園の入場チケットである場合について説明するが、この限りでない。例えば、インセンティブは、水族館、科学館、遊園地、映画館などのレジャー施設に入場可能な権利であってもよいし、レジャー施設で利用可能な割引券であってもよい。より好ましくは、
図5のアクティビティA104において付与されるチケット又は権利に係る交通サービスと、インセンティブの内容は、一定の関係性を有してもよいが、これに限られない。例えば、インセンティブは、当該交通サービスを利用して移動可能な場所にあるレジャー施設に関するものであることがより好ましい。また同様に、インセンティブは、
図5のアクティビティA105において記憶された、ユーザの利用した交通サービスによって移動可能な場所にあるレジャー施設に関するものであってもよい。
【0052】
特典付与画面D2に示されるボタンBT3は、インセンティブとしてユーザに付与されたチケットを使用するためのボタンである。受付部331がBT3に対する入力をユーザから受け付けることに応じて、ユーザ端末2の表示部24に表示されている特典付与画面D2を、チケットを使用する処理を受け付ける画面(不図示)に遷移させてもよい。例えば、表示制御部332は、読み取り可能なQRコード(登録商標)を表示部24に表示させてもよい。チケットに係る施設のスタッフが使用する端末を介して読み取ることにより、チケットが使用されてもよい。
【0053】
なお、本実施形態で付与され得るインセンティブは、上記に制限されず、ユーザにとって有益なものの中から適宜選択されてよい。すなわち、インセンティブは、ポイントや電子クーポン等の電子財であってもよいし、その他、物品(現品)や金銭、金券等であってよい。なお、インセンティブが電子財でない物品等の場合、以下のようにしてユーザの手元に届くように構成されてよい。例えば、別途、発送先を入力する画面をユーザ端末2に表示し、この画面にユーザが所定の情報を入力させることで、送付先を受け付けることができる。この送付先に基づき、郵便などのサービスを利用することでユーザに所望の特典を付与することができる。なお、インセンティブとしてユーザが受けることのできる物品は適宜設定することができる。
【0054】
さらに、インセンティブはカーボンクレジットであってもよい。このような態様によれば、ユーザが環境問題に興味を持つよう促すことができる。なお、情報処理システム100によって実現されるサービスにおける協賛企業とインセンティブの内容とは、一定の関係性を有してもよいが、これに限られない。
【0055】
また、本実施形態において付与可能なインセンティブは、特許第716904号に記載される各種特典であってよい。ここでは簡略化のため全ての態様を記載しないが、本実施形態のインセンティブは、上述した特許公報に開示される内容をすべて包含し得る。また、本実施形態におけるインセンティブは、上述した特許公報に記載される抽選を行うための権利等であってよい。
【0056】
以上をまとめると、情報処理システム100は、制御部33を備える。制御部33は、次の各部を備える。受付部331は、第1の受付ステップとして、ユーザの端末操作によってコードCD1が読み出された履歴を受け付ける。コードCD1は、所定の媒体に示されたコードである。付与部336は、第1の付与ステップとして、コードCD1を読み出したユーザに、交通サービスに関するチケット及び/又は交通サービスを利用する権利を付与する。ここで、交通サービスは、自家用車を除く移動体による交通手段である。さらに、交通サービスに関するチケット及び/又は交通サービスを利用する権利を付与されたユーザには、ユーザを識別可能な識別子と履歴とが関連づけられる。受付部331は、第2の受付ステップとして、識別子によって識別されるユーザの交通サービスの利用度合いを受け付ける。付与部336は、第2の付与ステップとして、ユーザの交通手段の利用度合いに応じて、ユーザにインセンティブを付与する。
【0057】
このような態様によれば、ユーザに適切なインセンティブが付与されることで、ユーザの公共サービスの利用を促進することができる。したがって、二酸化炭素の排出量低減や渋滞緩和を実現することができる。
【0058】
4.関連する技術事項
続いて、
図5~
図8を用いて説明した情報処理に関する技術事項について、
図9を参照しながら説明する。
【0059】
(管理テーブルT1)
図9は、管理テーブルT1の概要図である。管理テーブルT1は、情報処理システム100によって実現されるサービスに登録されているユーザの情報を示すルックアップテーブルである。例えば、
図5のアクティビティA102において受付部331がユーザ情報を受け付けることに応じて、管理テーブルT1のレコードが追加されてもよい。より具体的には、受付部331がコードの読み取り履歴とユーザ情報とを受け付けることに応じて、これらの情報が関連付けられて管理テーブルT1に追加され、記憶される。さらに、ユーザによる交通サービスの利用又はユーザに対するインセンティブの付与に関する情報を受付部331が受け付けることに応じて、これらの情報と当該コードの読み取り履歴とが関連付けられて管理テーブルT1に記憶され、レコードが更新される。
【0060】
例えば、管理テーブルT1は、ユーザID(T11)、読み出しコード(T12)、読み出し日時(T13)、割引コードCD2(T14)、付与チケット(T15)、利用度合い(T16)、及び特典(T17)等の情報を含んでよい。ユーザID(T11)は、ユーザを識別可能な識別子の一例であり、ユーザの端末操作によって情報を読み出した履歴と関連づけられて管理テーブルT1に記憶されてもよい。読み出しコード(T12)は、ユーザの端末操作によって読み出したコードであり、
図6のコードCD1に対応する情報であってもよい。さらに好ましくは、コードCD1は、媒体の属性を識別可能であってもよい。媒体の属性とは、例えば、インターネット媒体、セールスプロモーション媒体、又は交通広告媒体など、媒体自体の種別を示す情報を含んでもよい。また好ましくは、媒体の属性は、媒体を配布したイベントに関する情報を含んでもよい。具体的には、属性は、媒体が配布されたイベントの対象者を識別可能な情報であってもよい。また例えば、属性は、媒体が配布されたイベントの開催地を識別可能な情報であってもよい。属性は、複数の識別可能な情報から構成されていてもよい。このような態様によれば、イベント等で配布した媒体を通じて効果測定を行うことができる。特に、媒体ごとに、すなわち、イベント毎に効果測定を行うことが可能である。例えば、情報処理システム100によって実現されるサービスの運営者(以下、運営者とする)は、イベントにおけるパンフレットMD1の配布数に対する、パンフレットMD1を介したコードの読み取り数を把握可能であり、イベントに参加した者の反応を把握することができる。さらには、運営者は、次回イベントの開催企画に当該情報を活用することができる。
【0061】
読み出し日時(T13)は、ユーザがコードCD1を読み出した日時を示す情報である。割引コードCD2(T14)は、割引内容を示す情報であり、例えば
図5のアクティビティA103においてユーザから受け付ける情報であってもよい。付与チケット(T15)は、ユーザに付与したチケットを識別可能な情報である。付与チケット(T15)は、例えば、
図5のアクティビティA104において、ユーザID(T11)と対応付けて記憶される情報であってもよい。
【0062】
利用度合い(T16)は、ユーザによる交通サービスの利用回数又は利用頻度を数値で表した情報である。利用度合いは、例えば、0から1の間の数値で設定され、1に近いほど交通サービスの利用回数又は利用頻度が高いことを意味する。利用度合い(T16)の更新は、
図5のA105において受付部331がユーザから利用履歴を新たに受け付けることに応じて実行されてもよい。
【0063】
特典(T17)は、ユーザに付与されたインセンティブを識別可能な情報である。インセンティブは、利用度合い(T16)の数値に応じて、ユーザに対して付与される態様であってもよい。
【0064】
このような態様によれば、イベント等で配布した媒体を通じて効果測定を行うことができる。例えば、イベントに参加したユーザの行動(例えば、公共交通機関の利用又はインセンティブの活用)を測定可能であるため、運営者は当該測定結果を新たなイベントの企画などに活用することができる。
【0065】
好ましくは、制御部33はさらに人工知能部(不図示)を有しており、人工知能部は管理テーブルT1に記憶されたデータを教師データとする機械学習によって構築された学習済みモデルを有してもよい。また、人工知能部は、膨大なデータを学習した大規模言語モデル(Large Language Models(LLM))のような汎用的な自然言語処理の学習モデルを有していてもよい。
【0066】
ここで、人工知能部のモデルによって、新たなイベントの企画をアシストする情報が出力され、表示制御部332は、当該情報を運営者に視認可能な態様で表示部24に表示させてもよい。例えば、イベントの対象者に関する情報がモデルに入力される。続いて、人工知能部は、イベントへの参加特典としてユーザに付与されるチケット又はインセンティブの種類を示す情報を出力し、運営者に提示してもよい。このような態様によれば、運営者は、蓄積された過去の実績が反映された最適なイベント企画を行うことができる。なお、制御部33は、サーバ3の外部にある人工知能部に対して、所定の情報(前述したユーザの行動等)を入力することで、上述したイベント企画等を当該人工知能部から受け付けるように構成されてもよい。
【0067】
5.その他
本実施形態に係る情報処理システム100に関して、以下のような態様を採用してもよい。
【0068】
以上の実施形態では、情報処理システム100の構成として説明したが、コンピュータに情報処理システム100の各ステップを実行させるプログラムが提供されてもよい。
【0069】
以上の実施形態では、サーバ3が種々の記憶や制御を行ったが、サーバ3に代えて、複数の外部装置が用いられてもよい。すなわち、ブロックチェーン技術等を用いて、情報処理に関する種々の情報等を分散して複数の外部装置に記憶させてもよい。
【0070】
さらに、次に記載の各態様で提供されてもよい。
【0071】
(1)情報処理システムであって、制御部を備え、前記制御部は、次の各ステップを実行するように構成され、第1の受付ステップでは、ユーザの端末操作によってコードが読み出された履歴を受け付け、ここで、前記コードは、所定の媒体に示されたものであり、第1の付与ステップでは、前記コードを読み出した前記ユーザに、交通サービスに関するチケット及び/又は交通サービスを利用する権利を付与し、ここで、前記交通サービスは、自家用車を除く移動体による交通手段であり、前記交通サービスに関するチケット及び/又は前記交通サービスを利用する権利を付与された前記ユーザには、前記履歴と識別子とが関連づけられ、第2の受付ステップでは、前記識別子によって識別されるユーザの前記交通サービスの利用度合いを受け付け、第2の付与ステップでは、前記ユーザの前記交通手段の利用度合いに応じて、前記ユーザにインセンティブを付与する、情報処理システム。
【0072】
このような態様によれば、ユーザに適切なインセンティブが付与されることで、ユーザの公共サービスの利用を促進することができる。したがって、二酸化炭素の排出量低減や渋滞緩和を実現することができる。
【0073】
(2)上記(1)に記載の情報処理システムにおいて、前記第1の受付ステップでは、前記ユーザの端末操作に基づき、さらに割引コードを受け付け、前記第1の付与ステップでは、前記割引コードに基づく割引額で、前記交通サービスに関するチケット及び/又は前記交通サービスを利用する権利を前記ユーザに付与する、情報処理システム。
【0074】
このような態様によれば、ユーザの公共交通期間の利用をよりいっそう促進することができる
【0075】
(3)上記(1)又は(2)に記載の情報処理システムにおいて、前記交通サービスは、公共交通機関、タクシー、又は移動体のシェアリングサービスに関する交通手段を含む、システム。
【0076】
このような態様によれば、移動に自家用車を用いる場合と比較して、渋滞の緩和及び二酸化炭素排出量の低減が期待できる。
【0077】
(4)上記(1)~(3)の何れか1つに記載の情報処理システムにおいて、前記インセンティブはカーボンクレジットである、情報処理システム。
【0078】
このような態様によれば、ユーザが環境問題に興味を持つよう促すことができる。
【0079】
(5)上記(1)~(4)の何れか1つに記載の情報処理システムにおいて、前記コードは、前記媒体の属性を識別可能である、情報処理システム。
【0080】
このような態様によれば、公共交通手段の利用を呼びかけるイベント等で配布した媒体を通じて効果測定を行うことができる。
【0081】
(6)上記(5)に記載の情報処理システムにおいて、前記属性は、前記媒体を配布したイベントに関する情報を含む、情報処理システム。
【0082】
このような態様によれば、公共交通手段の利用を呼びかけるイベント等で配布した媒体を通じて効果測定を行うことができる。
【0083】
(7)情報処理方法であって、上記(1)~(6)の何れか1つに記載の情報処理システムの各ステップを備える、方法。
【0084】
(8)プログラムであって、コンピュータに、上記(1)~(6)の何れか1つに記載の情報処理システムの各ステップを実行させる、プログラム。
もちろん、この限りではない。
【0085】
最後に、本発明に係る種々の実施形態を説明したが、これらは、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。当該新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。当該実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0086】
1 :ネットワーク
100 :情報処理システム
2 :ユーザ端末
20 :通信バス
21 :通信部
22 :記憶部
23 :制御部
24 :表示部
25 :入力部
3 :サーバ
30 :通信バス
31 :通信部
32 :記憶部
33 :制御部
331 :受付部
332 :表示制御部
333 :決済登録部
334 :記憶管理部
335 :演算部
336 :付与部
BT1 :ボタン
BT2 :ボタン
BT3 :ボタン
CD1 :コード
CD2 :割引コード
D1 :入力画面
D2 :特典付与画面
F1 :フォーム
F2 :フォーム
F3 :フォーム
F4 :フォーム
F5 :フォーム
F6 :フォーム
F7 :フォーム
MD1 :パンフレット
R1 :領域
T1 :管理テーブル
【要約】
【課題】公共交通機関の利用に基づき、ユーザにインセンティブを付与することができる情報処理システム等を提供する。
【解決手段】本発明の一態様によれば、情報処理システムが提供される。この情報処理システムは、制御部を備える。制御部は、次の各ステップを実行するように構成される。第1の受付ステップでは、ユーザの端末操作によってコードが読み出された履歴を受け付ける。コードは、所定の媒体に示されたものである。第1の付与ステップでは、コードを読み出したユーザに、交通サービスに関するチケット及び/又は交通サービスを利用する権利を付与する。交通サービスは、自家用車を除く移動体による交通手段である。交通サービスに関するチケット及び/又は交通サービスを利用する権利を付与されたユーザには、履歴と識別子とが関連づけられる。第2の受付ステップでは、識別子によって識別されるユーザの交通サービスの利用度合いを受け付ける。第2の付与ステップでは、ユーザの交通手段の利用度合いに応じて、ユーザにインセンティブを付与する。
【選択図】
図1