(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-16
(45)【発行日】2024-07-24
(54)【発明の名称】電圧バランス検出回路及び電源システム
(51)【国際特許分類】
H02J 7/00 20060101AFI20240717BHJP
H01M 10/44 20060101ALI20240717BHJP
H01M 10/48 20060101ALI20240717BHJP
【FI】
H02J7/00 Y
H02J7/00 302C
H01M10/44 P
H01M10/48 P
(21)【出願番号】P 2020105242
(22)【出願日】2020-06-18
【審査請求日】2023-05-10
(73)【特許権者】
【識別番号】000237721
【氏名又は名称】FDK株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002664
【氏名又は名称】弁理士法人相原国際知財事務所
(72)【発明者】
【氏名】芳野 徹
【審査官】清水 祐樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-147147(JP,A)
【文献】特開2014-011897(JP,A)
【文献】特開平05-258778(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 7/00 - 7/12
H02J 7/34 - 7/36
H01M 10/42 - 10/48
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の直流電源を直列接続することにより構成される電力供給装置の、前記直流電源相互の電圧のアンバランスを検出するように構成される電圧バランス検出回路であって、
合成抵抗部と、バランス検出部と、を具備し、
前記合成抵抗部は、前記電力供給装置と並列に配列されるとともに、前記直流電源と同数の固定抵抗を
、順次、直列接続された直流電源
の各々に対応させて直列接続することにより構成され、前記固定抵抗の各抵抗値は、前記直流電源の公称電圧と前記直流電源に対応する固定抵抗の抵抗値との比が一定となるよう選定され、
前記バランス検出部は、
互いに隣接して
接続されて対をなす直流電源
に対して設けられた1つのフォトカプラ
と、
前記対をなす直流電源の間に位置する第一の接続点と、前記対をなす直流電源の各々に対応する固定抵抗の間に位置する第二の接続点と、の間に、入力部が接続されて、前記フォトカプラの順方向にのみ電流を流すように出力部が前記フォトカプラに接続されたダイオードブリッジ回路と、
を備え、
前記対をなす直流電源の少なくとも一方の電圧が前記公称電圧からずれた場合に
、前記第一の接続点の電圧が前記第二の接続点の電圧と異なることにより差分電流が前
記フォトカプラを流れるように構成され、前記差分電流が所定の値を超えた場合に前記フォトカプラが動作することにより、前記対をなす直流電源相互の電圧のアンバランスを検出するように構成される、電圧バランス検出回路。
【請求項2】
前記複数の直流電源の公称電圧は、すべて同一である、
請求項1に記載の電圧バランス検出回路。
【請求項3】
前記バランス検出部は、前記フォトカプラに並列接続された分流抵抗をさらに備え、
前記分流抵抗の抵抗値は、
前記対をなす前記直流電源の相互の電圧差が所定の値を超えた場合、前記フォトカプラが動作する差分電流が流れるように設定されている、請求項1
又は2に記載の電圧バランス検出回路。
【請求項4】
前記直流電源は、二次電池である、請求項1から請求項
3のいずれか一項に記載の電圧バランス検出回路。
【請求項5】
請求項1から請求項
4のいずれか一項に記載の電圧バランス検出回路と、前記電力供給装置と、制御部とを具備し、負荷に電力を供給する電源システムであって、
前記制御部は、
前記対をなす前記直流電
源において、
前記対をなす直流電源の相互の電圧差が所定の値を超えた場合に、前記負荷への電力の供給を停止するように構成される、電源システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電圧バランス検出回路及び電源システムに関する。
【背景技術】
【0002】
負荷へ電力を供給する電力供給装置において、高電圧を出力するために、複数の直流電源を直列接続する方法が一般に使用されている。しかしながら、当該方法を使用した場合、各電源の制御及び監視のための構成が複雑になってしまうという問題がある。例えば、上記電力供給装置において、各電源相互の電圧のバランスを検出する場合、当該検出のために、アンプ及びコンパレータ等を用いたICを設置する必要がある。また、当該ICを使用する場合、駆動用電源として出力部(高電圧)に電源回路等の追加設備が必要になり、システム構成が煩雑になるという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明はこのような事情を考慮してなされたものであり、その目的とするところは、システム構成が煩雑になることを防止することができる電圧バランス検出回路及び電源システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は前述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の態様として実現することができる。
【0006】
本態様に係る電圧バランス検出回路は、複数の直流電源を直列接続することにより構成される電力供給装置の、前記直流電源相互の電圧のアンバランスを検出するように構成される電圧バランス検出回路であって、合成抵抗部と、バランス検出部と、を具備し、前記合成抵抗部は、前記電力供給装置と並列に配列されるとともに、前記直流電源と同数の固定抵抗を前記直流電源の配列に対応させて直列接続することにより構成され、前記固定抵抗の各抵抗値は、前記直流電源の公称電圧と前記直流電源に対応する固定抵抗の抵抗値との比が一定となるよう選定され、前記バランス検出部は、相隣接して対をなす前記直流電源の各対について、少なくとも1つのフォトカプラを備え、前記フォトカプラの両端には、これらの直流電源の間に位置する第一の接続点からこれらの直流電源にそれぞれ対応する固定抵抗の間に位置する第二の接続点の方向に、及び/又は、その逆方向に電流が流れるように、前記第一の接続点、及び/又は、第二の接続点が接続されており、これらの直流電源の少なくとも一方の電圧が前記公称電圧からずれた場合に前記第一の接続点の電圧が前記第二の接続点の電圧と異なることにより差分電流が前記少なくとも1つのフォトカプラを流れるように構成され、前記差分電流が所定の値を超えた場合に前記フォトカプラが動作することにより、前記対をなす直流電源について相互の電圧のアンバランスを検出するように構成される。
【0007】
上記構成によれば、本態様に係る電圧バランス検出回路は、システム構成が煩雑になることを防止することができる。
【0008】
本態様に係る電源システムは、本態様に係る電圧バランス検出回路と、前記電力供給装置と、制御部とを具備し、負荷に電力を供給する電源システムであって、前記制御部は、相隣接して対をなす前記直流電源の少なくとも1つの対において、これらの直流電源の相互の電圧差が所定の値を超えた場合に、前記負荷への電力の供給を停止するように構成される。
【0009】
上記構成によれば、本態様に係る電源システムは、システム構成が煩雑になることを防止することができる。
【発明の効果】
【0010】
本態様に係る電圧バランス検出回路及び電源システムは、システム構成が煩雑になることを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】第1実施形態に係る電圧バランス検出回路を搭載する電源システムを示す回路図である。
【
図2】第1実施形態の変形例に係る電圧バランス検出回路を搭載する電源システムを示す回路図である。
【
図3】第2実施形態に係る電圧バランス検出回路を搭載する電源システムを示す回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、一実施形態に係る電圧バランス検出回路及び電源システムについて、図面を参照して説明する。なお、本実施形態は以下に説明する内容に限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲において任意に変更して実施することが可能である。また、実施形態の説明に用いる図面は、いずれも構成部材を模式的に示すものであって、理解を深めるべく部分的な強調、拡大、縮小、または省略などを行っており、構成部材の縮尺や形状等を正確に表すものとはなっていない場合がある。
【0013】
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態に係る電圧バランス検出回路12を搭載する電源システム1を示す回路図である。
図1に示す電源システム1は、当該電源システム1に接続される負荷2に対して電力を供給するものである。本実施形態に係る電源システム1は、例えば、電力供給装置11、電圧バランス検出回路12及び制御部13を備える。本実施形態における電力供給装置11は、
図1に示すように、2つの直流電源V1,V2を直列接続することにより構成され、当該2つの直流電源V1,V2各々から出力される電圧を合成した出力電圧を負荷2へ供給する。本実施形態における電圧バランス検出回路12は、上記電力供給装置11の当該直流電源相互の電圧のアンバランスを検出するように構成される。電圧バランス検出回路12は、
図1に示すように、合成抵抗部21及びバランス検出部22を備える。
【0014】
合成抵抗部21は、上記電力供給装置11と並列に配列されるとともに、上記直流電源V1,V2と同数の固定抵抗R1,R2を上記直流電源V1,V2の配列に対応させて直列接続することにより構成される。本実施形態における電圧バランス検出回路12において、上記固定抵抗R1,R2の各抵抗値は、下記数式(1)に基づいている。
【0015】
【0016】
すなわち、上記固定抵抗R1,R2は、上記直流電源V1,V2の公称電圧と上記直流電源V1,V2に対応する固定抵抗R1,R2の抵抗値との比が一定となるように選定する。
【0017】
バランス検出部22は、相隣接して対をなす上記直流電源V1,V2について、少なくとも1つのフォトカプラPIを備える。ここで、
図1に示すバランス検出部22は、フォトカプラPIを1つ備える。上記フォトカプラPIの両端のそれぞれは、上記第一の接続点P及び第二の接続点Qの両方にそれぞれ少なくとも1つのダイオードD1~D4を介して接続されている。上記ダイオードD1~D4は、差分電流IsがフォトカプラPIの順方向にのみ流れるように向けられている。
【0018】
上記フォトカプラPIの両端には、上記直流電源V1,V2の間に位置する第一の接続点Pから上記直流電源V1,V2にそれぞれ対応する固定抵抗R1,R2の間に位置する第二の接続点Qの方向に、及び/又は、その逆方向に電流が流れるように、第一の接続点P、及び/又は、第二の接続点Qが接続されている。上記バランス検出部22において、上記直流電源V1,V2の少なくとも一方の電圧が公称電圧からずれた場合に、第一の接続点Pの電圧が第二の接続点Qの電圧と異なることにより、差分電流IsがフォトカプラPIを流れる。ここで、上記差分電流Isは、下記数式(2)により表すことができる。
【0019】
【0020】
すなわち、バランス検出部22は、上記差分電流Isが所定の値を超えた場合にフォトカプラPIが動作することにより、上記対をなす上記直流電源V1,V2について相互の電圧のアンバランスを検出する。
【0021】
制御部13は、ハードウェア資源として、所定のプロセッサを含む。本実施形態における制御部13は、例えば、相隣接して対をなす上記直流電源V1,V2において、これらの直流電源V1,V2の相互の電圧差が所定の値を超えた場合(すなわち、上記差分電流Isが所定の値を超えた場合)に、負荷2への電力の供給を停止するように構成される。制御部13は、電圧差が所定の値を超えた場合に、負荷2への電力の供給を停止することにより、電源システム1全体の故障及び破損を防止することができる。
【0022】
上記構成によれば、第1実施形態に係る電源システム1は、アンプ及びコンパレータ等を用いたICを使用せず、上記電圧バランス検出回路12を受動部品で構成することにより、上記対をなす上記直流電源V1,V2について相互の電圧のアンバランスを検出することができる。すなわち、第1実施形態に係る電源システム1は、従来、出力部(高電圧)に設けていた駆動用電源を省略することができる。これにより、第1実施形態に係る電源システム1は、システム構成が煩雑になることを防止することができる。
【0023】
(第1実施形態の変形例)
上記第1実施形態に係る電源システム1において、当該電圧バランス検出回路12のバランス検出部22は、フォトカプラPIを1つ備えている。しかしながら、本実施形態に係る電源システム1は、これに限定されない。
図2は、第1実施形態の変形例に係る電圧バランス検出回路12を搭載する電源システム10を示す回路図である。例えば、上記電圧バランス検出回路12のバランス検出部22は、フォトカプラPI1,PI2を2つ備える構成としてもよい。これらのフォトカプラPI1,PI2は、上記第一の接続点P1,P2と第二の接続点Q1,Q2との間で互いに順方向が反対に向くよう並列に配置されていてもよい。ここで、上記差分電流Is1,Is2は、下記数式(3)により表すことができる。
【0024】
【0025】
上記構成によれば、第1実施形態の変形例に係る電源システム10は、アンプ及びコンパレータ等を用いたICを使用せず、上記電圧バランス検出回路12を受動部品で構成することにより、上記対をなす上記直流電源V1,V2について相互の電圧のアンバランスを検出することができる。すなわち、第1実施形態の変形例に係る電源システム10は、従来、出力部(高電圧)に設けていた駆動用電源を省略することができる。また、第1実施形態の変形例に係る電源システム10は、差分電流Is1,Is2が順方向にのみ流れるように設けられる上記ダイオードD1~D4を省略することができる。これにより、第1実施形態の変形例に係る電源システム10は、システム構成が煩雑になることを防止することができる。
【0026】
ここで、第1実施形態及び第1実施形態の変形例における電圧バランス検出回路12において、2つの直流電源V1,V2の公称電圧は、すべて同一であってもよい。また、第1実施形態及び第1実施形態の変形例における電圧バランス検出回路12において、バランス検出部22は、フォトカプラPIに並列接続された分流抵抗Rsをさらに備えていてもよい。分流抵抗Rsの抵抗値は、隣接して対をなす上記直流電源V1,V2の相互の電圧差が所定の値を超えた場合に、フォトカプラPIが動作する差分電流Isが流れるように設定されていてもよい。また、第1実施形態及び第1実施形態の変形例における電圧バランス検出回路12において、上記直流電源V1,V2は、二次電池であってもよい。
【0027】
(第2実施形態)
上記第1実施形態及び第1実施形態の変形例に係る電源システム1,10の電圧バランス検出回路12は、2つの直流電源V1,V2により構成される電力供給装置11に適用する場合の一例を示している。しかしながら、本実施形態に係る電源システム100は、これに限定されない。
図3は、第2実施形態に係る電圧バランス検出回路12を搭載する電源システム100を示す回路図である。例えば、第2実施形態における電圧バランス検出回路12のバランス検出部22は、3つ以上の直流電源V1~Vn(nは、3以上の整数である。)により構成される電力供給装置11に適用してもよい。
【0028】
図3に示す電源システム100は、第1実施形態及び第1実施形態の変形例に係る電源システム1と同様に、当該電源システム100に接続される負荷2に対して電力を供給するものである。本実施形態に係る電源システム100は、例えば、電力供給装置11、電圧バランス検出回路12及び制御部13を備える。本実施形態における電力供給装置11は、
図3に示すように、複数の直流電源V1~Vnを直列接続することにより構成され、当該複数の直流電源V1~Vn各々から出力される電圧を合成した出力電圧を負荷2へ供給する。本実施形態における電圧バランス検出回路12は、上記電力供給装置11の当該直流電源相互の電圧のアンバランスを検出するように構成される。電圧バランス検出回路12は、
図3に示すように、合成抵抗部21及びバランス検出部22を備える。
【0029】
合成抵抗部21は、上記電力供給装置11と並列に配列されるとともに、上記直流電源V1~Vnと同数の固定抵抗R1~Rnを上記直流電源V1~Vnの配列に対応させて直列接続することにより構成される。本実施形態における電圧バランス検出回路12において、上記固定抵抗R1~Rnの各抵抗値は、下記数式(4)に基づいている。
【0030】
【0031】
すなわち、上記固定抵抗R1~Rnは、上記直流電源V1~Vnの公称電圧と上記直流電源V1~Vnに対応する固定抵抗R1~Rnの抵抗値との比が一定となるように選定する。
【0032】
バランス検出部22は、相隣接して対をなす上記直流電源V1~Vnの各対について、少なくとも1つのフォトカプラPI1~PIn-1を備える。ここで、
図3に示すバランス検出部22は、相隣接して対をなす上記直流電源V1~Vnの各対に対して、フォトカプラPI1~PIn-1を1つ備える。上記フォトカプラPI1~PIn-1の両端のそれぞれは、上記第一の接続点P1~Pn-1及び第二の接続点Q1~Qn-1の両方にそれぞれ少なくとも1つのダイオードD11~D4n-1を介して接続されている。上記ダイオードD11~D4n-1は、差分電流Is1~Isn-1がフォトカプラPI1~PIn-1の順方向にのみ流れるように向けられている。
【0033】
上記フォトカプラPI1~PIn-1の両端には、上記直流電源V1~Vnの間に位置する第一の接続点P1~Pn-1から上記直流電源V1~Vnにそれぞれ対応する固定抵抗R1~Rnの間に位置する第二の接続点Q1~Qn-1の方向に、及び/又は、その逆方向に電流が流れるように、第一の接続点P1~Pn-1、及び/又は、第二の接続点Q1~Qn-1が接続されている。上記バランス検出部22において、上記直流電源V1~Vnの少なくとも一方の電圧が公称電圧からずれた場合に、第一の接続点P1~Pn-1の電圧が第二の接続点Q1~Qn-1の電圧と異なることにより、差分電流IsがフォトカプラPI1~PIn-1を流れる。ここで、上記差分電流Is1~Isn-1は、下記数式(5)により表すことができる。
【0034】
【0035】
バランス検出部22は、上記差分電流Is1~Isn-1が所定の値を超えた場合にフォトカプラPI1~PIn-1が動作することにより、対をなす上記直流電源V1~Vnについて相互の電圧のアンバランスを検出する。
【0036】
制御部13は、ハードウェア資源として、所定のプロセッサを含む。本実施形態における制御部13は、例えば、相隣接して対をなす上記直流電源V1~Vnの各対において、これらの直流電源V1~Vnの相互の電圧差が所定の値を超えた場合(すなわち、上記差分電流Is1~Isn-1が所定の値を超えた場合)に、負荷2への電力の供給を停止するように構成される。
【0037】
上記構成によれば、第2実施形態に係る電源システム100は、アンプ及びコンパレータ等を用いたICを使用せず、上記電圧バランス検出回路12を受動部品により構成することにより、上記対をなす上記直流電源V1~Vnの各対について相互の電圧のアンバランスを検出することができる。すなわち、第2実施形態に係る電源システム100は、従来、出力部(高電圧)に設けていた駆動用電源を省略することができる。これにより、第2実施形態に係る電源システム100は、システム構成が煩雑になることを防止することができる。
【0038】
ここで、第2実施形態における電圧バランス検出回路12において、複数の直流電源V1~Vn(nは、3以上の整数である。)の公称電圧は、すべて同一であってもよい。また、第2実施形態における電圧バランス検出回路12において、バランス検出部22は、フォトカプラPI1~PIn-1(nは、3以上の整数である。)に並列接続された分流抵抗Rs1~Rsn-1(nは、3以上の整数である。)をさらに備えていてもよい。分流抵抗Rs1~Rsn-1の抵抗値は、隣接して対をなす上記直流電源の相互の電圧差が所定の値を超えた場合に、フォトカプラPI1~PIn-1が動作する差分電流Is1~Isn-1が流れるよう設定されていてもよい。また、第2実施形態に係る電源システム100において、直流電源V1~Vnは、二次電池であってもよい。また、第2実施形態に係る電源システム100において、上記変形例に示すように、上記電圧バランス検出回路12のバランス検出部22は、相隣接して対をなす上記直流電源V1~Vnの各対に対して、上記フォトカプラを2つ備える構成としてもよい。
【0039】
また、上記説明において用いた「所定のプロセッサ」という文言は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)又はGPU(Graphics Processing Unit)等の専用又は汎用のプロセッサ、若しくは、特定用途向け集積回路(ASIC:Application Specific Integrated Circuit)、プログラマブル論理デバイス(例えば、単純プログラマブル論理デバイス(SPLD:Simple Programmable Logic Device)、複合プログラマブル論理デバイス(CPLD:Complex Programmable Logic Device)、及びフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA:Field Programmable Gate Array)等を意味する。また、本実施形態の各構成要素(各処理部)は、単一のプロセッサに限らず、複数のプロセッサによって実現するようにしてもよい。さらに、複数の構成要素(複数の処理部)を、単一のプロセッサによって実現するようにしてもよい。
【0040】
以上、いくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これらの新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0041】
1,10,100 電源システム
2 負荷
11 電力供給装置
12 電圧バランス検出回路
13 制御部
21 合成抵抗部
22 バランス検出部
D1~D4,D11~D4n-1 ダイオード
Is,Is1~Isn-1 差分電流
P,P1~Pn-1 第一の接続点
PI,PI1~PIn-1 フォトカプラ
Q,Q1~Qn-1 第二の接続点
R1~Rn 固定抵抗
Rs,Rs1~Rsn-1 分流抵抗
V1~Vn 直流電源