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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-16
(45)【発行日】2024-07-24
(54)【発明の名称】光照射装置
(51)【国際特許分類】
   A45D 20/10 20060101AFI20240717BHJP
   A61N 5/06 20060101ALI20240717BHJP
【FI】
A45D20/10 Z
A61N5/06 A
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2018185613
(22)【出願日】2018-09-28
(65)【公開番号】P2020054496
(43)【公開日】2020-04-09
【審査請求日】2021-06-25
【審判番号】
【審判請求日】2023-03-27
(73)【特許権者】
【識別番号】000005810
【氏名又は名称】マクセル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100148138
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 聡
(72)【発明者】
【氏名】友寄 泰秀
(72)【発明者】
【氏名】山口 大介
(72)【発明者】
【氏名】松尾 亘祐
(72)【発明者】
【氏名】尾籐 智美
(72)【発明者】
【氏名】小原 浩志
(72)【発明者】
【氏名】岡本 祐介
(72)【発明者】
【氏名】岩倉 幸太郎
【合議体】
【審判長】窪田 治彦
【審判官】西 秀隆
【審判官】長馬 望
(56)【参考文献】
【文献】実開昭58-28920(JP,U)
【文献】実開昭50-48486(JP,U)
【文献】国際公開第2016/072031(WO,A1)
【文献】特開2013-40804(JP,A)
【文献】特開2003-184927(JP,A)
【文献】特開2002-373510(JP,A)
【文献】実開昭49-54362(JP,U)
【文献】実開昭52-130109(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A45D20/10
A61N5/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
発光構造(4)と、同構造(4)を収容するケース構造(1)とを備えており、
発光構造(4)とケース構造(1)の間に、ケース構造(1)に作用する外部衝撃が発
光構造(4)に伝わるのを緩和吸収する衝撃吸収構造(65)が設けられており、
発光構造(4)が、光源(28)と、前部に照射開口を有し、光源(28)から照射さ
れた光を照射開口へ向かって反射案内するリフレクタ(29)とを備えており、
発光構造(4)は、発光構造(4)の前部とケース構造(1)の間に設けた前支持構造
と、発光構造(4)の後部とケース構造(1)の間に設けた後支持構造とで支持されてお
り、
前支持構造と後支持構造の両者が衝撃吸収構造(65)で構成されており、
発光構造(4)が外部衝撃を受ける状態において、後支持構造である衝撃吸収構造(6
5)と前支持構造である衝撃吸収構造(65)は共に変位するとともに、後支持構造であ
る衝撃吸収構造(65)の変位量が、前支持構造である衝撃吸収構造(65)の変位量よ
り大きくなるように構成されていることを特徴とする光照射装置。
【請求項2】
ケース構造(1)の内部に導風路(9)が形成され、導風路(9)の前端に吹出口(1
1)が開口されており、
導風路(9)の内部に、吹出口(11)の側から順に発光構造(4)と、乾燥風を発光
構造(4)および吹出口(11)へ向かって送給する送風構造(3)とが配置されており

発光構造(4)とケース構造(1)の間に設けた衝撃吸収構造(65)が、少なくとも
ひとつの金属製のばね体を衝撃吸収要素にして構成されている請求項1に記載の光照射装
置。
【請求項3】
前支持構造の衝撃吸収構造(65)が、粘弾性体(67)を衝撃吸収要素にして構成さ
れており、
後支持構造の衝撃吸収構造(65)が、金属製のばね体(69)を衝撃吸収要素にして
構成されている請求項1または2に記載の光照射装置。
【請求項4】
発光構造(4)と粘弾性体(67)とが、発光構造(4)の径方向に凹凸係合する状態
で接合されており、発光構造(4)の径方向移動と前後方向の移動が粘弾性体(67)で
緩和吸収されている請求項3に記載の光照射装置。
【請求項5】
前支持構造の衝撃吸収構造(65)と、後支持構造の衝撃吸収構造(65)とが、それ
ぞれ金属製のばね体(69)を衝撃吸収要素にして構成されており、
前支持構造のばね体(69)のばね定数が、後支持構造のばね体(69)のばね定数よ
り大きく設定されている請求項1または2に記載の光照射装置。
【請求項6】
後支持構造の衝撃吸収構造(65)が、発光構造(4)の周囲3個所を支持するコイルばねからなる衝撃吸収ばね(69)で構成されている請求項1に記載の光照射装置。
【請求項7】
後支持構造の衝撃吸収構造(65)が、発光構造(4)の周囲を支持する3個のコイル
ばねからなる衝撃吸収ばね(69)で構成されている請求項6記載の光照射装置。
【請求項8】
後支持構造の周囲を囲むケース構造(1)の内面に、発光構造(4)を支持するリング
状のばね受枠(64)が固定されており、
発光構造(4)と対向するばね受枠(64)の3個所以上にばね座(71)が形成され
て、ばね座(71)と発光構造(4)の間に、圧縮コイルばねからなる衝撃吸収ばね(6
9)が配置されている請求項6、または7に記載の光照射装置。
【請求項9】
リング状のばね受枠(64)が六角リング状に形成されて、ばね座(71)が3個のリ
ング枠部に周方向へ均等に隣接する状態で配置されている請求項8に記載の光照射装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、赤外線を利用して毛髪などの乾燥を行うドライヤーや光を患部に照射する光治療器などの、光源を備える光照射装置に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の光照射装置は例えば特許文献1に開示されている。特許文献1に記載のドライヤー(光照射装置)は、円筒状の筐体の内部に、ファン(送風ファン)と、熱線性光源(光源)と、熱線性光源の周囲を覆う反射体(リフレクタ)と、反射体の開口に配置されるフィルタなどを備える。熱線性光源は、ハロゲンランプ、白熱ランプ、キセノンランプ、メタルハライドランプなどで構成される。反射体の開口にフィルタを設けることにより、熱線性光源から放射された光(電磁波)のうち可視光の殆どを遮断して、髪を加熱する赤外光のみを透過させることができる。
【0003】
本発明の光照射装置では、ハロゲンランプと可視光を遮断するフィルタをリフレクタに組込んで1個のユニット部品として構成し、得られた光源ユニットを衝撃吸収ばねや粘弾性体で浮動支持するが、この種の振動減衰構造は、例えば特許文献2のリアクトル装置に開示されている。特許文献2のリアクトル装置は、コア及びコイルを備えたリアクトルと、リアクトルを収納するケースを備えており、コアとケースの接触面に粘弾性体膜が設けられている。粘弾性体膜は、ゴム、熱可塑性エラストマー、高分子ゲル、ポリマーアロイなどで形成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】国際公開第2016/072031号
【文献】特開2008-112856号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1のドライヤーによれば、従来のニクロム線ヒーターを熱源とするドライヤーに比べて消費電力を低減できる。しかし、熱線性光源は電力供給用のソケットを含む固定具に装着されており、固定具は筐体に固定されている。そのため、使用時のドライヤーを誤って床面に落としたような場合に、筐体および熱線性光源に大きな落下衝撃が作用し、フィラメントがショートし断線することがある。
【0006】
特許文献2のリアクトル装置によれば、粘弾性体膜によりリアクトルの振動が減衰されてケースに伝達されるので、リアクトル装置や、同装置に連結された部材から発生する振動騒音を低減できる。しかし、特許文献2の振動減衰構造でドライヤーの光源ユニットを支持したとしても、光源ユニットに作用する落下衝撃を膜状の粘弾性体膜で吸収し減衰させることは難しく、特許文献1のドライヤーと同様に、フィラメントがショートし断線する可能性が高い。これは、ハロゲンランプに作用する落下衝撃が、粘弾性体膜で減衰できる衝撃値の限界を大きく超えるからである。
【0007】
本発明の目的は、光照射装置に落下衝撃や衝突衝撃などが作用するような場合でも、光源がショートし断線するのを確実に防止できる、耐久性に優れた光照射装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の光照射装置は、発光構造4と、同構造4を収容するケース構造1とを備え、発光構造4とケース構造1の間に、ケース構造1に作用する外部衝撃が発光構造4に伝わるのを緩和吸収する衝撃吸収構造65が設けられている。発光構造4は、光源28と、前部に照射開口を有し、光源28から照射された光を照射開口へ向かって反射案内するリフレクタ29とを備えている。発光構造4は、発光構造4の前部とケース構造1の間に設けた前支持構造と、発光構造4の後部とケース構造1の間に設けた後支持構造とで支持されている。前支持構造と後支持構造の両者が衝撃吸収構造65で構成されている。そして、発光構造4が外部衝撃を受ける状態において、後支持構造である衝撃吸収構造65と前支持構造である衝撃吸収構造65は共に変位するとともに、後支持構造である衝撃吸収構造65の変位量が、前支持構造である衝撃吸収構造65の変位量より大きくなるように構成されていることを特徴とする。
【0009】
ケース構造1の内部に導風路9が形成され、導風路9の前端に吹出口11が開口されている。導風路9の内部に、吹出口11の側から順に発光構造4と、乾燥風を発光構造4および吹出口11へ向かって送給する送風構造3とが配置されている(図2参照)。発光構造4とケース構造1の間に設けた衝撃吸収構造65は、少なくともひとつの金属製のばね体69を衝撃吸収要素にして構成されている。
【0013】
図3に示すように、前支持構造の衝撃吸収構造65は、粘弾性体67を衝撃吸収要素にして構成されている。また、後支持構造の衝撃吸収構造65は、金属製のばね体69を衝撃吸収要素にして構成されている。
【0014】
発光構造4と粘弾性体67とは、発光構造4の径方向に凹凸係合する状態で接合されており(図22参照)、発光構造4の径方向移動と前後方向の移動が粘弾性体67で緩和吸収されている。
【0015】
前支持構造の衝撃吸収構造65と、後支持構造の衝撃吸収構造65とが、それぞれ金属製のばね体69を衝撃吸収要素にして構成されている(図26参照)。前支持構造のばね体69のばね定数は、後支持構造のばね体69のばね定数より大きく設定されている。
【0016】
後支持構造の衝撃吸収構造65が、発光構造4の周囲3個所ないし4個所を支持するコイルばねからなる衝撃吸収ばね69で構成されている。
【0017】
後支持構造の衝撃吸収構造65が、発光構造4の周囲を支持する3個のコイルばねからなる衝撃吸収ばね69で構成されている。
【0018】
後支持構造の周囲を囲むケース構造1の内面に、発光構造4を支持するリング状のばね受枠64が固定されている(図10参照)。発光構造4と対向するばね受枠64の3個所以上にばね座71が形成されて、ばね座71と発光構造4の間に、圧縮コイルばねからなる衝撃吸収ばね69が配置されている。
【0019】
リング状のばね受枠64が六角リング状に形成されて、ばね座71が3個のリング枠部に周方向へ均等に隣接する状態で配置されている。
【発明の効果】
【0037】
本発明の光照射装置においては、発光構造4とケース構造1の間に衝撃吸収構造65を設けたので、ケース構造1に作用する外部衝撃が発光構造4に伝わることを当該衝撃吸収構造65で緩和吸収して、発光構造4に外部衝撃が作用することを確実に防止できる。従って、光照射装置に落下衝撃や衝突衝撃などの外部衝撃が作用するような場合でも、発光構造4が破損することを防いで、光照射装置の耐久性の向上を図ることができる。
【0038】
発光構造4とケース構造1の間に設けた衝撃吸収構造65が金属製のばね体69を衝撃吸収要素にして構成されていると、発光構造4から照射される光による加熱作用に加えて、送風構造3から送給される乾燥風が、発光構造4からの熱伝導で加熱された衝撃吸収構造65と接触することによっても、乾燥風を温風化して吹出口11から送出させることができる。これにより、発光構造4から照射される光による加熱作用と、衝撃吸収構造65の熱で温風化された乾燥風による加熱作用とが発揮されるので、乾燥風の加熱効率に優れた光照射装置を得ることができる。
【0039】
光源28とリフレクタ29を備えている発光構造4は、発光構造4の前部および後部を前支持構造と後支持構造で支持するようにする。また、前支持構造と後支持構造のうち、少なくとも後支持構造が衝撃吸収構造65を備えるようにする。こうした衝撃吸収構造65によれば、発光構造4の前部とケース構造1の位置関係を固定した状態のままで、発光構造4の後部の揺れ動きを衝撃吸収構造65で緩和吸収することができる。このとき、前支持構造で支持した発光構造前部の径方向変位量が、後支持構造で支持した発光構造後部の径方向変位量より小さくなるように構成されていると、外部衝撃が発光構造4の光源28に伝わることを衝撃吸収構造65で緩和吸収しながら、光源28から照射される光の照射中心軸が大きくぶれることを防ぐことができるので、吹出口11の周辺の構造体が光源28から照射される光を受けて無駄に加熱されることを防ぐことができる。
【0040】
前支持構造および後支持構造の両者が、衝撃吸収構造65・65で構成されていると、ケース構造1に作用する外部衝撃を、発光構造4の前部と後部を支持する衝撃吸収構造65・65によって、協同して緩和吸収することができる。従って、発光構造4の前部、または後部のみが衝撃吸収構造65で支持されている構成に比べて、外部衝撃をより効果的に緩和し吸収することができるので、発光構造4が破損することをより確実に防ぐことができる。
【0041】
発光構造4が外部衝撃を受ける状態において、後支持構造である衝撃吸収構造65の変位量が、前支持構造である衝撃吸収構造65の変位量より大きくなるように構成されていると、ケース構造1に作用する外部衝撃を、発光構造4の前部と後部を支持する衝撃吸収構造65・65によって、協同して効果的に緩和吸収しながら、光源28から照射される光の照射中心軸が大きくぶれるのを、さらに確実に防ぐことができる。従って、吹出口11の周辺の構造体が光源28から照射される光を受けて無駄に加熱されることを、より確実に防ぐことができる。
【0042】
前支持構造の衝撃吸収構造65が粘弾性体67を衝撃吸収要素にして構成され、後支持構造の衝撃吸収構造65が金属製のばね体69を衝撃吸収要素にして構成されていると、発光構造4の後部に比べて、径方向寸法が大きな発光構造4の前部を、弾性変形量が小さな粘弾性体67で支持し、発光構造4の前部に比べて、径方向寸法が小さな発光構造4の後部を、弾性変形量が大きな金属製のばね体69で支持して、外部衝撃を粘弾性体67とばね体69とで緩和吸収することが可能となる。これにより、発光構造4の前部の径方向寸法を基準にしてケース構造1を構成することができるので、ケース構造1が肥大化するのを抑えながら、優れた外部衝撃の緩和吸収機能を備えた光照射装置を実現することができる。なお、発光構造4の後部の径方向寸法に比べて、発光構造4の前部の径方向寸法が大きくなるのは、発光構造4が備えるリフレクタ29の形状に起因している。
【0043】
発光構造4と粘弾性体67とが、発光構造4の径方向に凹凸係合する状態で接合されていると、発光構造4の径方向移動と前後方向の移動を粘弾性体67で緩和吸収することができるので、発光構造4の光源28が外部衝撃を受けて揺れ動くのを速やかに収斂させることができる。
【0044】
前支持構造の衝撃吸収構造65と、後支持構造の衝撃吸収構造65とが、それぞれ金属製のばね体69を衝撃吸収要素にして構成され、前支持構造のばね体69のばね定数が、後支持構造のばね体69のばね定数より大きくなるように設定されていると、前支持構造のばね体69と後支持構造のばね体69に外部衝撃が作用するとき、前支持構造のばね体69の変位量を、後支持構造のばね体69の変位量より小さくすることができる。これによれば、ケース構造1に作用する外部衝撃を、発光構造4の前部と後部を支持する前後のばね体69・69で協同して効果的に緩和吸収しながら、光源28から照射される光の照射中心軸が大きくぶれるのを防止することができるので、吹出口11の周辺の構造体が光源28から照射される光を受けて無駄に加熱されるのをさらに確実に防止できる。
【0045】
後支持構造の衝撃吸収構造が、発光構造4の周囲3個所ないし4個所を支持するコイルばねからなる衝撃吸収ばね69で構成されていると、発光構造4をケース構造1の中央付近の所定位置に位置保持した状態で浮動支持することができる。また、衝撃吸収ばね69が外部衝撃を受けて伸縮変形する場合に、各衝撃吸収ばね69を速やかに収斂させて、発光構造4を安定した状態で支持することができる。因みに、発光構造4の周囲2個所が一対のコイルばねで支持されている場合には、発光構造4がばね中心線と交差する向きに揺れ動くため、発光構造4を安定させるのに余分な時間が掛かってしまう。
【0046】
発光構造4は、その周囲が3個のコイルばねからなる衝撃吸収ばね69で支持されていると、発光構造4をケース構造1の中央付近の所定位置に位置保持した状態で浮動支持しながら、後支持構造の衝撃吸収ばね69の使用個数を3個に限ることができ、その分だけ部品点数を減らすことができる。また、送風構造3を備えている光照射装置の場合には、部品点数が少ない分だけ乾燥風の流れが衝撃吸収ばね69で乱されるのを極力避けて、乾燥風の送風効率を向上できる。
【0047】
ケース構造1の内面にリング状のばね受枠64を固定し、発光構造4と対向するばね受枠64の3個所以上にばね座71を形成して、ばね座71と発光構造4の間に、衝撃吸収ばね69が配置されていると、ケース構造1の内面に固定したばね受枠64に発光構造4の発光構造4を仮組した状態で、3個の衝撃吸収ばね69を、ばね受枠64のばね座71と発光構造4の間に順に組付ければよく、後支持構造をより少ない手間で的確に組むことができる。
【0048】
六角リング状に形成したばね受枠64の3個のリング枠部に、ばね座71を周方向へ均等に隣接する状態で配置されていると、直線状のリング枠部にばね座71を形成すればよいので、例えばばね受枠64が円形リング状に形成してある場合に比べて、ばね座71を容易に形成できるうえ、衝撃吸収ばね69をばね座71で安定した状態で支持できる。また、ばね受枠64とケース構造1の内面の間に空間が形成されるので、ばね受枠64の内外両面から放熱でき、さらに衝撃吸収ばね69からも放熱できるので、放熱効果の向上も期待できる。とくに、ケース構造1の内部に送風構造3が設けられた光照射装置の場合には、ばね受枠64と乾燥風の接触面積が大きい分だけ熱交換を促進して、乾燥風を効果的に温風化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0066】
図1】本発明の実施例1に係る光照射装置の要部の縦断側面図である。
図2】実施例1に係る光照射装置の縦断側面図である。
図3】実施例1に係る光照射装置の発光構造を示す縦断側面図である。
図4】実施例1に係る光照射装置の発光構造を示す横断平面図である。
図5】実施例1に係る光照射装置のケース構造を示す分解側面図である。
図6】実施例1に係る光照射装置のケース構造を示す分解斜視図である。
図7】実施例1に係る光照射装置のリフレクタを示す分解斜視図である。
図8】実施例1に係る光照射装置の発光構造を示す分解断面図である。
図9】実施例1に係る光照射装置の防眩構造を示す断面図である。
図10図3におけるA-A線断面図である。
図11図3におけるC-C線断面図である。
図12図3におけるB-B線断面図である。
図13参考に係る光照射装置の概略縦断側面図である。
図14参考に係る光照射装置の概略縦断側面図である。
図15参考に係る光照射装置の概略縦断側面図である。
図16参考に係る光照射装置の概略縦断側面図である。
図17参考に係る光照射装置の概略縦断側面図である。
図18参考に係る光照射装置の概略縦断側面図である。
図19】実施例に係る光照射装置の概略縦断側面図である。
図20参考に係る光照射装置の概略縦断正面図である。
図21】実施例に係る光照射装置の概略縦断正面図である。
図22図21におけるD-D線断面図である。
図23】実施例に係る光照射装置の概略縦断正面図である。
図24】実施例に係る光照射装置の概略縦断正面図である。
図25参考に係る光照射装置の概略縦断側面図である。
図26】実施例に係る光照射装置の概略縦断側面図である。
図27参考に係る光照射装置の概略縦断側面図である。
図28参考例1に係る光照射装置の概略縦断側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0067】
(実施例1) 図1ないし図12に、本発明に係る光照射装置をヘアードライヤー(以下、単にドライヤーと言う)に適用した実施例1を示す。本実施例における前後、左右、上下とは、図2、および図6に示す交差矢印と、各矢印の近傍に表記した前後、左右、上下の表示に従う。図2および図3においてドライヤーは、中空筒状の本体ケース(ケース構造)1の内部に、ファンモータ(駆動源)2で回転駆動される軸流型の送風ファン(送風構造)3と、加熱源となる光源ユニット(発光構造)4などを収容して構成される。本体ケース1は、左右に分割された一対の半割体7a・7bを接合して形成される風導筒7と、風導筒7に外嵌装着される外装筒8とを備える。風導筒7の内面は、送風ファン3から送給される乾燥風の導風路9とされており、導風路9の後端に空気の吸込口10が設けられ、前端に空気の吹出口11が設けられている。風導筒7の後部下面には、グリップ12が一体に形成されており、その内部にメインスイッチ13と、消灯スイッチ14と、トランス15などが配置されている。符号16はメインスイッチ13を切換えるスライドノブ、符号17は消灯スイッチ14を切換える押ボタンである。上記のように実施例1では、風導筒7の内部が導風路9になっているが、風導筒7を備えていない場合には、外装筒8の内部が導風路9となる。また、風導筒7の内面、または外装筒8の内面に、断熱用のマイカや金属製の筒体が設けてあってもよい。
【0068】
送風ファン3は本体ケース1の後半部に配置されており、風導筒7に固定したファンケース20のホルダー部21にファンモータ2が固定されており、吸込口10から吸い込んだ空気を送風ファン3で加圧して吹出口11へ向かって送給する。ファンケース20とホルダー部21の間には、複数個の整流翼26が形成されている。ホルダー部21の前面には、ファンモータ2や後述するハロゲンランプ(光源)28、およびイオン放出構造の駆動状態を制御する制御基板22などが固定されている。先のメインスイッチ13がオフ位置から弱運転位置に切換えられると、制御部はハロゲンランプ28を低輝度状態で点灯し、送風ファン3を低速で駆動する。メインスイッチ13が弱運転位置から強運転位置に切換えられると、制御部はハロゲンランプ28を高輝度状態で点灯し、送風ファン3を高速で駆動する。後述するイオン放出構造は、弱運転位置、および強運転位置のいずれの場合にも作動してマイナスイオンを放出する。ハロゲンランプ28が点灯している状態で、消灯スイッチ14がオン操作されると、制御部はハロゲンランプ28を一時的に消灯させる。
【0069】
吸込口10の外面は、パンチングメタル製の第1グリル23と、多重リング状の第2グリル24で覆われている。また、吹出口11の内面は吹出グリル(第3グリル)25で覆われている。第2グリル24と吹出グリル25とは、半割体7a・7bで挟持固定されており、第1グリル23は風導筒7の後部に着脱可能に装着されている。風導筒7は、前すぼまり状に形成されており、光源ユニット4と吹出口11の間に配置されている。
【0070】
図3および図4に示すように吹出口11は、外装筒8の前端内面に装着したポリカーボネイト製の吹出ケース5と、吹出ケース5の内面に固定したPPS樹脂製の補助吹出ケース6で形成されている。吹出ケース5は、前拡がりテーパ状のリング体からなり、その前開口の周縁に部分筒状の接当部5aが形成され、リング壁の後面の4個所に係合脚5bが後向きに突設されている。各係合脚5bには係合溝5cが形成されている。外装筒8の前部内面には、接当部5aを受止めるケース受座8aがC字状に張出し形成されている(図6参照)。また、風導筒7の前部外面の周方向4個所には、係合溝5cと係合する係合壁7cが形成されている(図5参照)。吹出口11に臨む風導筒7の前部には、前すぼまり状の風導筒7の筒壁と吹出ケース5とによって、内凹み状のくびれ部35が形成されており、くびれ部35の内面に吹出グリル25が配置されている。
【0071】
吹出ケース5を外装筒8の前方から組み付けて、接当部5aがケース受座8aで受止め支持された状態で、吹出ケース5を回転操作することにより、係合脚5bの係合溝5cと係合壁7cとが互いに係合して、外装筒8と吹出ケース5と風導筒7の3者を一体化している。上記のように吹出ケース5は、4個の係合脚5bと、係合脚5bに対応して風導筒7の前部外面に設けた4個の係合壁7cとで構成される吹出口連結構造によって風導筒7にバヨネット連結されており、吹出ケース5の下端を外装筒8の周面側からねじ込んだビス19(図3参照)で締結することにより、外装筒8と一体化されている。
【0072】
補助吹出ケース6は花弁状のリング体からなり、赤外光および乾燥風の通過を許す円形の通口96を備えており、通口96の下側に乾燥風の一部とマイナスイオンの通過を許すイオン通口97が横長長円状に形成されている。通口96の直径は、後述する照射開口の直径より僅かに大きく設定されている。以上のように構成した吹出口11は、乾燥風の吹出口として機能する以外に、ハロゲンランプ28から放射される赤外光(赤外線(熱線))をユーザーの毛髪へ向けて照射する照射口を兼ねている。
【0073】
図3および図4において光源ユニット4は、ハロゲンランプ28と、リフレクタ29と、リフレクタ29の前面の照射開口に装着されるフィルタ30を備えた1個のユニット部品からなる。ハロゲンランプ28は、発光部(フィラメント)36と不活性ガス及びハロゲンガスなどを封入した前後に長いバルブ31とハウジング32を備えており、ハウジング32のプラグ33をソケット34に差込み装着することにより、ソケット34で固定支持されている。ソケット34は後述する光源台45に締結固定されている。ハロゲンランプ28を点灯すると、バルブ31の発光部36から可視光と赤外光が放射される。フィルタ30は、赤外光は透過するが可視光の透過を阻むように構成されており、これにより、ユーザーはハロゲンランプ28の眩しさを感じることはない。なお、可視光の透過を阻むとは、完全に可視光を遮ることを意味するものではなく、可視光を減衰することを含む概念である。もちろん、可視光を完全に遮って赤外光のみが透過可能なものも含む。
【0074】
リフレクタ29は、前リフレクタ37と後リフレクタ38を接合して構成されている。図7に示すように前リフレクタ37は、左右に分割形成された一対の分割体37a・37bを接合して構成されている。これら分割体37a・37bはアルミニウムなどの金属製のプレス成形品からなり、その内面には反射面が形成されている。反射面は、研磨加工や鏡面仕上げ加工などで形成することができ、必要があればメッキ処理を施すことができる。
【0075】
前リフレクタ37の内面には、ハロゲンランプ28から照射された光をフィルタ30へ向かって前向きに反射案内する第1反射面39と、ハロゲンランプ28から照射された光を、第3反射面43へ向かって後向きに反射案内する第2反射面40とが設けられている。第2反射面40は第1反射面39に隣接する状態で形成されている。分割体37a・37bの前端内面にはフィルタ受座41が形成されており、フィルタ受座41の後周面には第2通気口42が2個ずつ形成されている。第2通気口42は、分割体37a・37bを接合した状態において、前リフレクタ37の前端寄りの壁面に、スリット状の開口として全周にわたって形成されている。前リフレクタ37は、1個の反射筒で構成してあってもよい。その場合にはアルミニウムなどの金属を素材とするダイキャスト成形品で構成することができる。
【0076】
後リフレクタ38は、アルミニウムなどの金属を素材とするダイキャスト成形品からなり、その前面にハロゲンランプ28から照射された光および第2反射面40で反射案内された光を、フィルタ30へ向かって前向きに反射案内する凹面鏡状の第3反射面43が設けられている。反射面は研磨加工や、鏡面仕上げ加工などで形成することができ、必要があればメッキ処理を施して形成することができる。第3反射面43の後側には、ハロゲンランプ28を支持する光源支持構造が設けられている。
【0077】
光源支持構造は、ハロゲンランプ28を支持する4個のボスからなる光源台45と、光源台45の周囲を囲む、六角筒状の導風壁46とを備えており、先に説明したソケット34が各光源台45に4個のビス47により配線基板49とともに締結固定されている。第3反射面43の中央には、乾燥風をリフレクタ29の内部に導入するための第1通気口48が形成されている。配線基板49は、ハロゲンランプ28に電力を供給するリード線や、ファンモータ2に電力を供給するリード線などを、いったんまとめて振り分けるために設けられている。導風壁46とハロゲンランプ28の間は光源冷却通路とされており、第1通気口48に連通している。光源台45に固定した配線基板49は、第1通気口48から漏れ出た光が吸込口10側へ放射されるのを阻止するための遮光板を兼ねている。
【0078】
第1反射面39と、第2反射面40と、第3反射面43はそれぞれ以下のように構成されている。第1反射面39は、楕円状の曲面で形成されている。また、第2反射面40はハロゲンランプ28の発光部36を中心にした円弧面で形成されている。さらに、第3反射面43は、楕円状の曲面、または放物線状の曲面で形成されている。このように、第2反射面40がハロゲンランプ28の発光部36を中心にした円弧面で形成されていると、ハロゲンランプ28から照射されて、第2反射面40で反射されて第3反射面43に向かう光の軌跡と、ハロゲンランプ28から第3反射面43に向かって直接照射される光の軌跡とを一致させることができる。本実施例においては、第1反射面39で反射案内されてフィルタ30へ向かう光と、第3反射面43で反射案内されてフィルタ30へ向かう光とは、発光部36から約30cm前方の本体ケース1の外部で集光される。
【0079】
上記のように、3個の反射面39・40・43を備えたリフレクタ29によれば、ハロゲンランプ28から照射されて各反射面39・40・43に到達した光を、各反射面39・40・43で効率良く反射案内してフィルタ30に向って照射させることができる。また、前後に長いハロゲンランプ28の発光部(フィラメント)36の軸方向の中心を、第2反射面40と第3反射面43の隣接部分に臨ませたので、リフレクタ29の径方向寸法が大きくなるのを防止してコンパクト化を実現しながら、ハロゲンランプ28から放射された光をフィルタ30に向かって照射させることができる。これは、ハロゲンランプ28から照射された光を、例えば1個の反射面のみで反射案内する場合には、リフレクタ29の照射開口の直径寸法が大きくなってしまい、その分だけリフレクタ29が大形になるからである。発光部36は、その発光中心が第2反射面40と第3反射面43の隣接部分に一致する状態で配置させる必要はなく、軸方向に長い発光部36の一部が、第2反射面40と第3反射面43の隣接部分にオーバーラップしていればよい。さらに、第1反射面39と、第2反射面40と、第3反射面43を備えたリフレクタ29の前後寸法を、リフレクタ29の径方向寸法より大きく設定したので、前後に長いハロゲンランプ28を使用するのに適した細長い筒構造のリフレクタ29を構成することができ、リフレクタ29の径方向寸法が小さい分だけドライヤーをコンパクト化することができる。
【0080】
上記の光源支持構造によれば、導風壁46とハロゲンランプ28の間の光源冷却通路が第1通気口48と連通されるので、導風壁46の後端開口から導入した乾燥風を、第1通気口48からリフレクタ29の内部へ流動させ、リフレクタ29の内部を換気することができる。また、このとき第1通気口48からリフレクタ29の内部へ流動させた乾燥風を、ハロゲンランプ28およびリフレクタ29に接触させることで、これらハロゲンランプ28およびリフレクタ29を効果的に冷却して、ハロゲンランプ28およびリフレクタ29の温度上昇を抑制することができる。また、ビス47を緩めてソケット34を光源台45から取外すことにより、ハロゲンランプ28およびソケット34をリフレクタ29から簡単に分離することができ、また、プラグ33をソケット34から抜外すことにより、ハロゲンランプ28をソケット34から分離できるので、ハロゲンランプ28が故障した場合の交換作業を容易に行うことができる。
【0081】
前リフレクタ37と後リフレクタ38は、第2反射面40と第3反射面43とが隣接する状態で接合されて締結固定されている。両リフレクタ37・38を締結固定するために、分割体37a・37bの後縁に位置する係合壁57に前係合部(凸状係合部)51が折曲げられた状態で径方向へ突出形成されている。また、後リフレクタ38の前端に、前リフレクタ37の係合壁57を嵌合支持する接合溝52と、前リフレクタ37の係合壁57の周面を支持する接合壁53が形成されており、さらに接合壁53の対向2個所には、接合壁53を切欠いて形成される後係合部(凹状係合部)54とねじボス55とが形成されている。
【0082】
一対の分割体37a・37bを接合し、前係合部51と後係合部54とを凹凸係合させることにより、前リフレクタ37と後リフレクタ38とを接合することができる。また、前係合部51の貫通孔51aに挿通したビス56をねじボス55にねじ込むことにより、前リフレクタ37と後リフレクタ38とを一体化できる。上記のように、前リフレクタ37と後リフレクタ38とは、前リフレクタ37の係合壁57と接合溝52の係合により、径方向のずれ動きが阻止されており、さらに、前係合部51と後係合部54の係合により、中心軸P回りの回動が阻止されている。さらに、前係合部51に挿通したビス56をねじボス55にねじ込むだけで、前リフレクタ37と後リフレクタ38を一体化できるので、前後のリフレクタ37・38をより簡単な締結構造で強固に固定することができる。従って、リフレクタ29に設けた反射面39・40・43の光学特性を常に一定にすることができる。なお、前係合部51、後係合部54、ビス56は、対向2個所にある必要はなく、1個所のみで構成することができる。前リフレクタ37は、3以上の分割体を接合して構成してもよい。
【0083】
フィルタ30は低膨張性ガラスで形成されており、フィルタ支持構造で前リフレクタ37の照射開口に固定されている。フィルタ支持構造は、前リフレクタ37に形成したフィルタ受座41と、フィルタ受座41と協同してフィルタ30を前後に挟持固定する押えリング60とからなる。押えリング60は、フィルタ30の前周縁を押え保持する端壁61と、フィルタ受座41の外周面に外嵌するリング状の周回壁62とを備えており、この周回壁62が後述する防眩壁75として機能する。図4に示すように、押えリング60はビス63で前リフレクタ37に固定されている。フィルタ受座41はフィルタ30の周面および後周縁に密着されており、フィルタ30の熱を前リフレクタ37側へ効果的に伝導させて、フィルタ30の冷却を促進し常に適温状態に維持することができる。
【0084】
上記のように、フィルタ支持構造は、前リフレクタ37に形成したフィルタ受座41と、同受座41と協同してフィルタ30を挟持固定する押えリング60を備える。こうしたフィルタ支持構造によれば、フィルタ30をフィルタ受座41に組み、押えリング60を前リフレクタ37の前部周面に外嵌し固定することで、フィルタ30を前リフレクタ37に簡単に組んで、分離不能にしっかりと固定することができる。
【0085】
ハロゲンランプ28は衝撃に弱く、大きな外力が作用するとフィラメントが揺れ動いて
ショートし断線するおそれがある。ハロゲンランプ28に外部衝撃が作用するのを防ぐために、光源ユニット4は本体ケース1に対して浮動支持されている。詳しくは図4に示すように、光源ユニット4は、光源ユニット4の前部と風導筒7の間に設けた前支持構造と、光源ユニット4の後部と風導筒7の間に設けた後支持構造とで支持されている。
【0086】
図1および図10に示すように後支持構造は、光源支持構造の周囲を囲む風導筒7の内面に、光源ユニット4を支持するリング状のばね受枠64を固定し、後リフレクタ38とばね受枠64の対向面の3個所に、光源ユニット4を支持する圧縮コイルばねからなる衝撃吸収ばね(ばね体)69を配置している。前支持構造は、図1および図11に示すように、フィルタ30の周囲を囲む風導筒7の内面に、光源ユニット4を支持する六角リング状のユニット支持枠66を固定し、後述する防眩壁75とユニット支持枠66の対向面の3個所に、光源ユニット4を支持するゲル状の粘弾性体67を配置している。このように本実施例1では、前支持構造の衝撃吸収構造65は、粘弾性体67を衝撃吸収要素にして構成されており、後支持構造の衝撃吸収構造65は、金属製の衝撃吸収ばね69を衝撃吸収要素にして構成されている。粘弾性体67は、低反発性の高分子ゲル、ゴム、熱可塑性エラストマーなどで形成することができる。
【0087】
後支持構造のばね受枠64は、金属製の板ばねで形成した3個のばね腕70を六角枠状に連結して構成されており、各ばね腕70の中央には、衝撃吸収ばね69の一端を受止めるばね座71が形成されている。ばね座71と対向する後リフレクタ38の導風壁46にも衝撃吸収ばね69の他端を受止めるばね座72が形成されている。衝撃吸収ばね69は金属線材で形成した円錐コイルばね(ばね体)からなり、その大径部がばね座72で支持され、小径部がばね座71で支持されている。前支持構造のユニット支持枠66は、板ばねで六角枠状に形成されており、その3個所に粘弾性体67を保持するゲル保持部73が形成されている。ゲル保持部73は側面視において断面角樋状に形成されており、粘弾性体67は、角樋断面を備えるゲル保持部73の前後端にわたってその内面側に固定されている。これらユニット支持枠66および粘弾性体67は、各粘弾性体67の内面が押えリング60の外周面に密着する状態で光源ユニット4の前部に装着されており、このとき粘弾性体67の前後端は、押えリング60の前後縁に被さっている(図1参照)。これにより、押えリング60(光源ユニット4)と粘弾性体67とは、光源ユニット4の径方向に凹凸係している。ばね受枠64およびユニット支持枠66は板ばね材で形成してあるので、本体ケース1に外部衝撃が作用する場合には、それぞれ厚み方向へ弾性変形して衝撃を吸収することができる。従って、ばね受枠64と衝撃吸収ばね69、およびユニット支持枠66と粘弾性体67が、それぞれ協働して外部衝撃を効果的に緩和し吸収できる。なお、ばね受枠64とユニット支持枠66は剛体であってもよいが、その場合には、衝撃吸収ばね69および粘弾性体67のみで外部衝撃を緩和吸収するとよい。
【0088】
使用時には、ハロゲンランプ28を点灯し、送風ファン3を駆動して、フィルタ30を通過した赤外光を髪に照射し、さらに、送風ファン3から送給された乾燥風(冷却風)を髪に送給して髪の乾燥を行う。乾燥風の一部は後開口58から導風壁46内へ導入され、光源冷却通路から第1通気口48へ流入しながら、ハロゲンランプ28とリフレクタ29、およびフィルタ30を冷却したのち、第2通気口42からリフレクタ29の外へ流出し、導風路9を流動する乾燥風と合流して吹出口11から送出される。送風ファン3から送給された乾燥風の一部は、光源ユニット4の周囲の導風路9に沿って流動する間に、第2通気口42の周囲を負圧状態にする。従って、ベンチュリー効果によって、リフレクタ29内部の第2通気口42の付近の空気が先の乾燥風に引寄せられて合流し、吹出口11へと送出される。
【0089】
乾燥風が第2通気口42から流出するとき、ハロゲンランプ28から放射された光の一部が第2通気口42から漏れ出てしまう。このように、第2通気口42から漏れ出た光が吹出口11から放射されて、髪乾燥時のユーザーに眩しさを感じさせるのを防ぐために、第2通気口42の外面に、第2通気口42から漏れ出た光を吹出口11から遠ざかる向きに変向案内する防眩構造が設けられている。図9において防眩構造は、第2通気口42の開口外面を覆う筒状の防眩壁75を備えており、先に説明した周回壁62が防眩壁75を兼ねている。
【0090】
第1反射面39と第2反射面40が隣接するくびれ部分の周囲に、美容成分を乾燥風に放出する徐放リング80が配置されている。徐放リング80は、内リング81と、外リング82と、両リングの間に設けられる一群の放射壁83を一体に備えた多孔セラミック体からなり、その多孔部分にビタミンやコラーゲンなどの美容成分が含浸されている。ユニット支持枠66と、徐放リング80と、ばね受枠64は、それぞれ風導筒7の半割体7a・7bの対向面の前後3個所に設けた前挟持部86と、中挟持部87と、後挟持部88で強固に挟持固定されている。上記のように、導風路9に臨んで徐放リング80が設けられていると、徐放リング80と接触する乾燥風に美容成分を放出して、美容成分を含む乾燥風を吹出口11から送給することができる。
【0091】
マイナスイオンを乾燥風とともに髪へ送給するために、吹出口11に臨む風導筒7の内部にイオン放出構造を設けるとともに、風導筒7を光源ユニット4と吹出口11の間で前すぼまり状に形成している。図3および図4においてイオン放出構造は、絶縁材で形成される横長長円状の電極ホルダー91と、電極ホルダー91で支持される3個の放電電極92と、放電電極92の周囲を囲む横長長円状の筒壁93と、筒壁93の周囲に固定される対向電極94とを備えている。さらに電極ホルダー91には、対向電極94の外側周囲に横長長円状の外筒壁93aが設けられており、これら筒壁93と外筒壁93aとで電極ホルダー91の前半部は二重筒状に構成されている(図5参照)。このように外筒壁93aを設けることにより、放電電極92から放出されたマイナスイオンが、対向電極94の外面側へとまわり込むのを阻止して、当該マイナスイオンが対向電極94に吸収されるのを抑制できる。図5に示すように対向電極94の前縁には一群の尖端放電部94aが形成されている。電極ホルダー91は風導筒7に設けた一対の挟持壁95で挟持固定されて、放電電極92がイオン通口97に指向されている。図3において、光源ユニット4より前側の風導筒7の上壁部分には、温度センサー98が配置されている。
【0092】
上記のように、吹出口11に臨む風導筒7の内部にイオン放出構造が設けられていると、光源ユニット4から照射される赤外光と、イオン放出構造から放出されるマイナスイオンを乾燥風とともに髪へ送給することができる。従って、髪の乾燥を行いながら、マイナスイオンと結合した空気中の水分を髪に付着させて、髪が不必要に乾燥することを防ぐことができる。また、吹出口11と正対する側から見るときのイオン放出構造の放電電極92は光源ユニット4と風導筒7の間に位置されているので、イオン放出構造で生成されたマイナスイオンを導風路9に放出して、送風ファン3から送給される乾燥風とともに吹出口11から遠くまで送給することができる。
【0093】
以上より、実施例1のドライヤーにおいては、光源ユニット4と本体ケース1との間に衝撃吸収ばね69と粘弾性体67とからなる衝撃吸収構造65を設けたので、本体ケース1に作用する外部衝撃が光源ユニット4に伝わることを、これら衝撃吸収ばね69と粘弾性体67とで緩和吸収して、光源ユニット4に外部衝撃が作用することを確実に防止することができる。従って、ドライヤーに落下衝撃や衝突衝撃などの外部衝撃が作用するような場合でも、ハロゲンランプ28がショートし断線することを確実に防止して耐久性に優れたドライヤーを得ることができる。
【0094】
本体ケース1の導風路9の内部に光源ユニット4と送風ファン3を配置し、光源ユニット4と本体ケース1の間に設けた衝撃吸収構造65を、金属製のばね体である衝撃吸収ばね69を衝撃吸収要素にして構成したので、送風ファン3から送給される乾燥風が、ハロゲンランプ28からの熱伝導で加熱された衝撃吸収ばね69と接触することによっても、当該乾燥風を温風化して吹出口11から送出させることができる。従って、ハロゲンランプ28から照射される光による加熱作用に加えて、温風化された乾燥風による加熱作用を発揮され、加熱効率に優れたドライヤーを得ることができる。
【0095】
前支持構造の衝撃吸収構造65を粘弾性体67で構成し、後支持構造の衝撃吸収構造65を衝撃吸収ばね69で構成したので、光源ユニット4の前部と本体ケース1の位置関係を粘弾性体67で維持しながら、光源ユニット4の後部の揺れ動きを衝撃吸収ばね69で緩和吸収することができる。また、上記構成を採ることで、外部衝撃が作用したときにも、前支持構造で支持された光源ユニット4の前部の径方向変位量を、後支持構造で支持された光源ユニット4の後部の径方向変位量より小さくすることができる。以上より、外部衝撃が光源ユニット4のハロゲンランプ28に伝わることを衝撃吸収ばね69で緩和吸収しながら、ハロゲンランプ28から照射される光の照射中心軸が大きくぶれることを防ぐことができるので、吹出口11の周辺の構造体がハロゲンランプ28から照射される光を受けて無駄に加熱されることを確実に防止できる。
【0096】
また、前支持構造の衝撃吸収構造65を粘弾性体67で構成し、後支持構造の衝撃吸収構造65を衝撃吸収ばね69で構成したので、本体ケース1に作用する外部衝撃を、光源ユニット4の前部と後部を支持する衝撃吸収構造によって、協同して緩和吸収することができる。従って、光源ユニット4の前部、または後部のみが衝撃吸収構造65で支持されている構成に比べて、外部衝撃をより効果的に緩和し吸収して、光ハロゲンランプ28がショートし断線するのをさらに確実に防止できる。リフレクタ29の前部の径方向寸法を基準にして本体ケース1を構成することができるので、本体ケース1が肥大化するのを避けながら、外部衝撃を粘弾性体67と衝撃吸収ばね69とでさらに効果的に緩和吸収することができる。
【0097】
光源ユニット4と粘弾性体67とを、光源ユニット4の径方向に凹凸係合する状態で接合したので、光源ユニット4の径方向移動と前後(中心軸P)方向の移動を粘弾性体67で緩和吸収して、光源ユニット4のハロゲンランプ28が外部衝撃を受けて揺れ動くことを速やかに収斂させることができる。
【0098】
後支持構造の衝撃吸収構造65を、光源ユニット4の周囲3個所を支持するコイルばねからなる衝撃吸収ばね69で構成するようにしたので、光源ユニット4のリフレクタ29を、本体ケース1の中央付近の所定位置に位置保持した状態で浮動支持することができる。また、衝撃吸収ばね69が外部衝撃を受けて伸縮変形する場合に、各衝撃吸収ばね69を速やかに収斂させて、光源ユニット4を安定した状態で支持できる。因みに、光源ユニット4の周囲2個所が一対のコイルばねで支持した場合には、光源ユニット4がばね中心線と交差する向きに揺れ動くため、光源ユニット4を安定させるのに余分な時間が掛かる。乾燥風の流れが衝撃吸収ばね69で乱されるのを極力避けて、乾燥風の送風効率を向上できる利点もある。
【0099】
本体ケース1の内面にリング状のばね受枠64を固定し、光源ユニット4と対向するばね受枠64の3個所にばね座71を形成して、ばね座71と光源ユニット4の間に、衝撃吸収ばね69を配置した。これによれば、本体ケース1の内面に固定したばね受枠64に光源ユニット4を仮組した状態で、3個の衝撃吸収ばね69を、ばね受枠64のばね座71と光源ユニット4の間に順に組付ければよく、後支持構造をより少ない手間で的確に組むことができる。
【0100】
六角リング状に形成したばね受枠64の3個のリング枠部に、ばね座71を周方向へ均等に隣接する状態で配置した。これによれば、直線状のリング枠部にばね座71を形成すればよく、例えばばね受枠64が円形リング状に形成してある場合に比べて、ばね座71を容易に形成できるうえ、衝撃吸収ばね69をばね座71で安定した状態で支持することができる。また、ばね受枠64と本体ケース1の内面の間に空間が形成されるので、ばね受枠64の内外両面から放熱でき、さらに衝撃吸収ばね69からも放熱することができ、放熱効果の向上が期待できる。とくに、本実施例のように、本体ケース1の内部に送風ファン3が設けられたドライヤーの場合には、ばね受枠64と乾燥風の接触面積が大きい分だけ熱交換を促進して、乾燥風を効果的に温風化することができる。
【0101】
前リフレクタ37と後リフレクタ38とで構成されるリフレクタ29において、前後のリフレクタ37・38のいずれか一方の接合部に形成した接合溝52に、他方の接合部に設けた係合壁57を互いに凹凸係合して、前後のリフレクタ37・38を接合した。これによれば、係合壁57と接合溝52の係合により、後リフレクタ38に対する前リフレクタ37の径方向のずれ動きが阻止された状態で両リフレクタ37・38を適正に接合することができる。
【0102】
接合溝52を備えた一方のリフレクタ38に凹状の後係合部54を形成し、他方のリフレクタ37に、後係合部54と係合する凸状の前係合部51を形成した。これによれば、凸状係合部51と凹状係合部54の係合により、一方のリフレクタ38に対する他方のリフレクタ37の中心軸P回りの回動が阻止された状態で両リフレクタ37・38を適正に接合することができる。
【0103】
前係合部51に挿通したビス56を後係合部54に形成したねじボス55にねじ込むことで、前リフレクタ37と後リフレクタ38とを分離不能に固定したので、より簡単な締結構造でありながら、前リフレクタ37と後リフレクタ38とをビス56で強固に締結固定することができる。従って、リフレクタ29に設けた反射面39・40・43の光学特性を常に一定にすることができる。
【0104】
前リフレクタ37を、複数の分割体37a・37bを接合して構成し、後リフレクタ38の前リフレクタ37との接合面に、接合溝52と接合壁53とを形成し、また、複数の分割体37a・37bを接合し、前リフレクタ37の開口周縁壁を接合溝52および接合壁53で係合支持し、さらに、前係合部51と後係合部54を凹凸係合させて、前リフレクタ37と後リフレクタ38を一体化するようにした。こうしたリフレクタ29によれば、分割体37a・37bを接合し、前係合部51と後係合部54を凹凸係合させた状態で、ビス56をねじボス55にねじ込むことにより、前リフレクタ37と後リフレクタ38とを強固に締結固定することができる。また、前リフレクタ37と後リフレクタ38の形状や構造が様々に変更される場合であっても、分割体37a・37bと後リフレクタ38とを互いに位置決めした状態で適正に一体化することができる。
【0105】
前リフレクタ37の照射開口に、ハロゲンランプ28から放射された光のうち可視光の透過を阻むフィルタ30が配置するとともに、前リフレクタ37を複数個の分割体37a・37bで構成した。また、前リフレクタ37の前端内面に形成したフィルタ受座41と、前リフレクタ37の前部周面に外嵌固定される押えリング60とで、フィルタ30を挟持固定した。これによれば、フィルタ30をフィルタ受座41に組んで、その周面を分割体37a・37bで挟持した状態で、押えリング60を前リフレクタ37の前部周面に外嵌し固定することにより、フィルタ30を前リフレクタ37に対して簡単に組付けて、分離不能にしっかりと固定することができる。
【0106】
リフレクタ29の後部の光源台45にソケット34を固定し、ソケット34にハロゲンランプ28のハウジング32を装着して、ハロゲンランプ28を光源台45で支持するようにしたので、ソケット34を光源台45から取外すことにより、ハロゲンランプ28およびソケット34をリフレクタ29から分離することができる。また、プラグ33をソケット34から抜外すことにより、ハロゲンランプ28をソケット34から分離することができる。以上より、ハロゲンランプ28が故障した場合の交換作業を容易に行うことができる。さらに、ハロゲンランプ28をリフレクタ29の後部に設けた光源台45で安定して支持することができるので、ハロゲンランプ28とリフレクタ29の位置関係を常に一定にして、ハロゲンランプ28から放射された光をフィルタ30に向かって効率良く反射案内することができる。
【0107】
光源台45の回りを囲む導風壁46に、衝撃吸収ばね69用のばね座72を形成したので、衝撃吸収ばね69のばね力を導風壁46で受け止めて、後リフレクタ38の第3反射面43にばね力が作用するのを防止でき、第3反射面43による光の反射案内を常に好適に行うことができる。
【0108】
吹出口11に臨む導風路9の内部にイオン放出構造が設けたので、光源ユニット4から照射される赤外光と、イオン放出構造から放出されるマイナスイオンとを、乾燥風とともに髪へ送給することができる。従って、髪の乾燥を行いながら、マイナスイオンと結合した空気中の水分を髪に付着させて、髪が不必要に乾燥することを防止できる。また、電極ホルダー91で支持される3個の放電電極92と、横長長円状の筒壁93の周囲に固定される対向電極94とでイオン放出構造を構成したので、各放電電極92と対向電極94の間で活発にコロナ放電を生じさせて、より大量のマイナスイオンを乾燥風中に放出させることができる。
【0109】
対向電極94の前縁に複数の尖端放電部94aを形成したので、対向電極94と放電電極92の間のコロナ放電をさらに活発化して、マイナスイオンを安定した状態で効果的に生成することができる。
【0110】
吹出口11と正対する側から見て、放電電極92を光源ユニット4と本体ケース1の間に配置したので、イオン放出構造で生成されたマイナスイオンを、光源ユニット4と本体ケース1の間の導風路9に放出することができる。従って、マイナスイオンを送風ファン3から送給される乾燥風とともに吹出口11から遠くまで送給することができる。
【0111】
イオン放出構造を、光源ユニット4の光照射領域の外に位置する状態で、光源ユニット4と吹出口11の間に配置したので、イオン放出構造で生成されたマイナスイオンを、光源ユニット4と吹出口11の間の自由空間に放出して乾燥風とともに吹出口11から送給することができる。また、光源ユニット4の光照射領域の外で、光源ユニット4と吹出口11の間にイオン放出構造を配置したので、光源ユニット4から放射された光がイオン放出構造で遮られるのを防ぎながら、光源ユニット4と吹出口11の間のスペースを利用してイオン放出構造を配置することができる。従って、イオン放出構造を設けることで本体ケース1の径方向寸法が大きくなるのを避けて、本体ケース1をコンパクト化することができる。
【0112】
風導筒7を、光源ユニット4と吹出口11の間で前すぼまり状に形成したので、吹出口11に向かって送給される乾燥風の流速を増強して、乾燥風中に放出されたマイナスイオンを、乾燥風とともに吹出口11からさらに遠くまで送給することができる。
【0113】
本体ケース1を、風導筒7と、風導筒7に外嵌装着される外装筒8とで二重筒状に構成し、また、吹出口11に臨む風導筒7の前部に、内凹み状のくびれ部35を形成し、くびれ部35の内面に吹出グリル25を配置したので、二重筒状の風導筒7と外装筒8で本体ケース1の構造強度を増強して、衝撃吸収機能を向上することができる。また、二重筒状の風導筒7と外装筒8によって、本体ケース1全体の断熱機能を向上できるうえ、風導筒7の前部に形成したくびれ部35の周囲の空気層によって断熱作用を強化できるので、高温になっている吹出グリル25周辺のケース壁の熱が外装筒8に伝導するのをさらに確実に防止して、吹出口11の近傍のケース壁が高温になるのを解消できる。
【0114】
2分割された一対の半割体7a・7bで風導筒7を構成し、外装筒8を風導筒7に外嵌することにより、一対の半割体7a・7bを分離不能に保持できるようにした。また、外装筒8の前端内面に装着した吹出ケース5で、風導筒7と外装筒8を係合連結し、吹出ケース5をビス19で外装筒8に締結固定するようにした。こうしたケース構造によれば、二重筒状の風導筒7と外装筒8を吹出ケース5で分離不能に保持固定して、基本的な構造体である風導筒7や外装筒8が遊動し、あるいはがたつくことを確実に防止できる。
【0115】
吹出ケース5と風導筒7は吹出口連結構造で着脱可能に係合連結した。また吹出口連結構造は、吹出ケース5の後面に形成した複数個の係合脚5bと、風導筒7の前部外面に設けた複数の係合壁7cで構成し、吹出ケース5を回転操作することにより、係合脚5bと係合壁7cが互いに係合して、外装筒8と吹出ケース5と風導筒7の3者を一体化した。こうしたケース構造によれば、ビス19を外装筒8から分離し、吹出ケース5を取外す向きに回転操作するだけで、外装筒8を風導筒7から分離し、さらに半割体7a・7bの一方を他方から取外すことで、本体ケース1に収容された光源ユニット4や送風ファン3などを露出させることができる。従って、ハロゲンランプ28を交換し、あるいは送風ファン3のメンテナンスを行うような場合に、本体ケース1をより少ない手間で簡単に分解してメンテナンス作業に要する手間を省くことができる。
【0116】
吹出口11に臨む風導筒7の内面に温度センサー98を配置して、吹出口11に向かって送給される乾燥風の温度を温度センサー98で検知できるようにしたので、例えば吹出口11がタオルで塞がれてしまった場合や、ファンモータ2が過熱状態に陥った場合などに、乾燥風の温度が異常であることを温度センサー98が検知することができる。従って、ヘアードライヤーの作動を直ちに停止させることができる。
【0117】
常態における温度センサー98は、導風路9に沿って送給される乾燥風に晒されて、比較的低い温度状態に保持されているが、吹出口11がタオルで塞がれてしまったような異常時には、吹出口11の内部の温度が急に上昇する。このため、リフレクタ29の照射開口より前方の風導筒7の内面に温度センサー98を配置することで、温度異常の検知を適確に行うことができる。なお、温度センサー98に替えて温度ヒューズを配置してもよく、また、温度センサー98および温度ヒューズの両者を配置してもよい。
【0118】
また実施例1のドライヤーでは、リフレクタ29の内部に導入した乾燥風でハロゲンランプ28とリフレクタ29を冷却しながら、乾燥風と共に第2通気口42から漏れ出た光を防眩壁75で遮蔽して、光が導風路9に沿って吹出口11側へ向かって放射されることを防ぐことができる。例えば、第2通気口42から漏れ出た光を、防眩壁75で第2通気口42の側へ向かって反射させ、あるいは防眩壁75で散乱させ、さらに防眩壁75で吸収し減衰させることができる。従って、リフレクタ29の外へ漏れ出た光が吹出口11から放射されるのを確実に防止して、髪乾燥時のユーザーに眩しさを感じさせることのないドライヤーを提供できる。
【0119】
また、防眩壁75を筒状に構成し、防眩壁75の筒壁後端を第2通気口42の後開口縁より後方へ突設させるようにしたので、第2通気口42の後開口縁から径方向に放射された光や、斜め前向きに放射された光を、防眩壁75の筒壁内面で確実に遮蔽できる。光の一部は、防眩壁75とリフレクタ29の周面の間の空間を介して導風路9に放射されるが、防眩壁75の筒壁後端を第2通気口42の後開口縁より後方に位置したので、導風路9に放射された光は全て後向きに傾斜した状態で反射を繰り返す。従って、導風路9内の光が吹出口11へ向かって放射されるのをさらに確実に防止できる。
【0120】
前リフレクタ37と後リフレクタ38でリフレクタ29を構成し、前リフレクタ37の前部に配置したフィルタ30をフィルタ支持構造で固定するようにした。また、フィルタ支持構造は、前リフレクタ37に形成したフィルタ受座41と、同受座41と協同してフィルタ30を挟持固定する押えリング60を備えるようにした。これによれば、フィルタ30をフィルタ受座41に組み、押えリング60を前リフレクタ37の前部周面に外嵌し固定することで、フィルタ30を前リフレクタ37に簡単に組付けて、分離不能にしっかりと固定することができる。
【0121】
送風ファン3から送給された乾燥風は、第1通気口48からリフレクタ29の内部に導入されて第2通気口42から送出される。これによれば、リフレクタ29の内部における乾燥風の流れの方向と、送風ファン3から送給された乾燥風の導風路9における流れの方向を一致させることができるので、乾燥風の一部をリフレクタ29の内部に確実に導入して、光源ユニット4とリフレクタ29の冷却を適確に行うことができる。
【0122】
また、防眩壁75と第2通気口42の間に通気通路76を形成し、同通路76の前端の通路端壁77と防眩壁75で挟まれる内隅部分に、乾燥風を後向きに反転案内する後反転案内面78を形成するようにした。このように、防眩壁75と通路端壁77の間の内隅部分に後反転案内面78が形成されていると、第2通気口42を通過した後の乾燥風を後反転案内面78で通気通路76の後開口へ向かって円滑に反転案内することができる。従って、通気通路76における乾燥風の流れを整然とした流れにして、光源ユニット4とリフレクタ29を冷却した後の乾燥風の一部が第2通気口42や通気通路76で滞留するのを解消できる。
【0123】
加えて、防眩壁75の後端部に、通気通路76から流出する乾燥空気を前向きに反転案内する前反転案内面79を形成したので、通気通路76から流出した乾燥空気を防眩壁75の外面側へ向かって円滑に反転案内させて、導風路9を流動する乾燥風に合流させることができる。
【0124】
(参考例1) 図13に衝撃吸収構造65を変更した光照射装置(ドライヤー)の参考を示す。この参考のドライヤーでは、本体ケース1を風導筒7と外装筒8で構成し、風導筒7の内部に光源ユニット4とファンモータ2および送風ファン3とを配置した。光源ユニット4は風導筒7の内部に設けた光源ホルダー101で固定支持し、ファンモータ2は風導筒7の内部に設けたホルダー部21で固定支持した。光源ホルダー101は複数個の放射壁で構成した。風導筒7と外装筒8の間に粘弾性体67を周方向へ断続的に配置して衝撃吸収構造65とし、外部衝撃がハロゲンランプ28に伝わるのを粘弾性体67で防止するようにした。
【0125】
光源ユニット4は、ハロゲンランプ28およびハウジング32と、ハウジング32に固定したリフレクタ29で構成した。リフレクタ29は、ハロゲンランプ28から放射された可視光および赤外光を吹出口11へ向かって反射案内する第1反射面39を備えるものとした。上記以外の点は、実施例1と同様であるので、同一の部材には同一の符号を付してその説明を省略する。以下の実施例と参考例においても同様とする。
【0126】
以上のような構成からなる参考に係る衝撃吸収構造65では、外装筒8に外部衝撃が作用する場合には、各粘弾性体67が伸縮変形して、外部衝撃が風導筒7から光源ユニット4へ伝わるのを緩和することができる。なお、衝撃吸収構造65は、粘弾性体67に換えて、金属製の衝撃吸収ばね69で構成してもよく、その場合には、風導筒7の周面の前後を、それぞれ3ないし4個の衝撃吸収ばね69で支持するとよい。
【0127】
参考図14に衝撃吸収構造65を変更した光照射装置(ドライヤー)の参考を示す。参考においては、ハロゲンランプ28およびハウジング32と、ハウジング32に固定したリフレクタ29で光源ユニット4を構成し、風導筒7とハウジング32との間に圧縮コイル形の衝撃吸収ばね69を配置して衝撃吸収構造65とし、外部衝撃がハロゲンランプ28に伝わるのを衝撃吸収ばね69で防止するようにした。衝撃吸収ばね69は、ハウジング32の周面の3ないし4個所を支持している。常態における光源ユニット4は、衝撃吸収ばね69の圧縮力(約2kg)を受けて、風導筒7の中央に位置保持されているが、外部衝撃が作用した場合には、各衝撃吸収ばね69が伸縮変形して、外部衝撃が風導筒7から光源ユニット4へ伝わるのを緩和する。
【0128】
参考図15に衝撃吸収構造65を変更した光照射装置(ドライヤー)の参考を示す。この参考においては、リフレクタ29を参考で説明した光源ホルダー101で固定支持し、ハロゲンランプ28のハウジング32と風導筒7の間に、圧縮コイル形の衝撃吸収ばね69を配置して衝撃吸収構造65とし、外部衝撃がハロゲンランプ28に伝わるのを衝撃吸収ばね69で防止するようにした。衝撃吸収ばね69は、ハウジング32の周面の3ないし4個所を支持するものとした。こうした衝撃吸収構造65によれば、ハロゲンランプ28のみを衝撃吸収ばね69で支持すればよいので、衝撃吸収ばね69のばね定数を小さくできる。常態における光源ユニット4は、衝撃吸収ばね69の圧縮力を受けて、リフレクタ29の後開口の中央に位置保持されているが、外部衝撃が作用した場合には、各衝撃吸収ばね69が伸縮変形して、外部衝撃が風導筒7から光源ユニット4へ伝わるのを緩和する。
【0129】
参考図16に衝撃吸収構造65を変更した光照射装置(ドライヤー)の参考を示す。この参考においては、リフレクタ29の周面の3個所以上に放射状の支持腕102を設け、支持腕102の突端を風導筒7の内面に固定した粘弾性体67で支持して衝撃吸収構造65とした。ハロゲンランプ28は、そのハウジング32をリフレクタ29の後部開口に固定することにより、リフレクタ29と一体化した。この衝撃吸収構造65によれば、外部衝撃が作用した場合には、各粘弾性体67が伸縮変形することで、外部衝撃が風導筒7から光源ユニット4へ伝わることを緩和できる。
【0130】
参考図17に衝撃吸収構造65を変更した光照射装置(ドライヤー)の参考を示す。この参考においては、リフレクタ29の前部周面と風導筒7の間に板ばね製の衝撃吸収ばね69を配置して衝撃吸収構造65とした。U字状に折曲げ形成した衝撃吸収ばね69は、リフレクタ29の周面の3個所以上に設けた。ハロゲンランプ28は、そのハウジング32をリフレクタ29の後部開口に固定することにより、リフレクタ29と一体化した。こうした衝撃吸収構造65によれば、外部衝撃が作用した場合には、各衝撃吸収ばね69が伸縮変形することで、外部衝撃が風導筒7から光源ユニット4へ伝わることを緩和できる。
【0131】
参考図18に衝撃吸収構造65を変更した光照射装置(ドライヤー)の参考を示す。この参考においては、光源ユニット4をハロゲンランプ28とリフレクタ29で構成し、フィルタ30は風導筒7の内面に設けた放射壁状のフィルタ支持腕103で支持されるものとした。また、風導筒7とハウジング32との間に圧縮コイル形の衝撃吸収ばね69を配置して衝撃吸収構造65とした。こうした衝撃吸収構造65によれば、外部衝撃が作用した場合には、各衝撃吸収ばね69が伸縮変形することで、外部衝撃が風導筒7から光源ユニット4へ伝わることを緩和できる。
【0132】
実施図19に衝撃吸収構造65を変更した本発明の光照射装置(ドライヤー)の実施例を示す。この実施例においては、光源ユニット4をハロゲンランプ28とリフレクタ29とフィルタ30で構成した。また、リフレクタ29の前周面に弾性体装着座104を形成し、同装着座104に装着したリング状の粘弾性体67が、風導筒7の内面に設けた丸筒状の弾性体受座105で受止められるようにした。さらに、光源ユニット4を引張りばね106でファンモータ2の側へ引張り付勢して、粘弾性体67を弾性体受座105に常時密着させて衝撃吸収構造65とした。引張りばね106の一端はハウジング32に、他端はファンモータ2に掛止した。以上のように、前支持構造は、粘弾性体67を衝撃吸収要素にして構成されており、後支持構造は、引張りばね(ばね体)106を衝撃吸収要素にして構成した。換言すれば、衝撃吸収構造65を粘弾性体67と引張りばね(ばね体)106とで構成した。こうした衝撃吸収構造65によれば、外部衝撃が作用した場合には、光源ユニット4の後端が揺れ動こうとすることを引張りばね106が伸縮することで緩和吸収し、さらに粘弾性体67が圧縮変形することで、外部衝撃が風導筒7から光源ユニット4へ伝わることを緩和できる。
【0133】
参考図20に衝撃吸収構造65を変更した光照射装置(ドライヤー)の参考を示す。この参考においては、ハロゲンランプ28のハウジング32を、2個の渦巻きばね状の衝撃吸収ばね69で支持して衝撃吸収構造65とした。各衝撃吸収ばね69の外端は、風導筒7の内面の上部および下部に固定し、各衝撃吸収ばね69の内端は、ハウジング32の上面および下面に固定するようにした。こうした衝撃吸収構造65によれば、外部衝撃が作用した場合に、光源ユニット4の後端が揺れ動こうとするのを各衝撃吸収ばね69が伸縮することで、外部衝撃が風導筒7から光源ユニット4へ伝わることを緩和できる。
【0134】
(実施例図21、および図22に前支持構造の衝撃吸収構造65を変更した本発明の光照射装置(ドライヤー)の実施例を示す。この実施例においては、風導筒7の内面に固定したゲル保持リング109とリフレクタ29の間に3個のブロック状の粘弾性体67を配置して衝撃吸収構造65とした。粘弾性体67の外面をゲル保持リング109に設けた筒座上のゲル保持部73で保持し、リフレクタ29(光源ユニット4)と粘弾性体67とは、リフレクタ29(光源ユニット4)の径方向に凹凸係合する状態で接合した。詳しくは、図22に示すように、リフレクタ29の周面に突設したリブ壁110が、粘弾性体67の内面に設けた凹溝111に係合する状態で、リフレクタ29と粘弾性体67とを接合させた。こうした前支持構造によれば、リフレクタ29の径方向移動と前後方向の移動を粘弾性体67で緩和吸収することで、外部衝撃が風導筒7から光源ユニット4へ伝わることを解消できる。なお、凹溝111はリフレクタ29に形成し、リブ壁110は粘弾性体67に形成してもよい。
【0135】
(実施例図23に前支持構造の衝撃吸収構造65を変更した本発明の光照射装置(ドライヤー)の実施例を示す。この実施例においては、風導筒7の内面に衝撃吸収リング112を固定し、同リングの内面3個所に設けた弾性変形可能な支持腕113でリフレクタ29を支持するようにした。支持腕113は、その突端がリフレクタ29の周面に形成した凹字状の連結部114に係合固定させた。こうした衝撃吸収構造65によれば、外部衝撃が作用した場合には、各支持腕113が弾性変形して光源ユニット4が揺れ動こうとするのを規制して、外部衝撃が風導筒7から光源ユニット4へ伝わることを緩和できる。支持腕113を備えた衝撃吸収リング112は、耐熱樹脂あるいは金属ばね材で形成するとよい。
【0136】
(実施例図24に前支持構造の衝撃吸収構造65を変更した本発明の光照射装置(ドライヤー)の実施例を示す。この実施例においては、実施例と同様に支持腕113を備えた衝撃吸収リング112でリフレクタ29を支持するが、支持腕113を傾斜させ、さらに腕先端に形成した部分円弧状の接合部115を凹字状の連結部114に圧接させる点が実施例と異なる。すなわち、本実施例では、傾斜する支持腕113を備えた衝撃吸収リング112で衝撃吸収構造65を構成した。こうした衝撃吸収構造65によれば、外部衝撃が作用した場合には、各支持腕113が径方向に弾性変形することで、光源ユニット4が揺れ動こうとするのを規制して、外部衝撃が風導筒7から光源ユニット4へ伝わるのを緩和できる。
【0137】
参考図25に衝撃吸収構造65を変更した光照射装置(ドライヤー)の参考を示している。この参考においては、光源ユニット4をハロゲンランプ28とリフレクタ29とフィルタ30で構成し、ハウジング32の左右側面に設けたボス116を、風導筒7の内面に固定した揺動軸117で軸支して、光源ユニット4が揺動軸117を中心にして上下回動できるように支持した。そのうえで、リフレクタ29の前部周面の上面および下面と、風導筒7の間に一対の衝撃吸収ばね69を配置して、光源ユニット4を、その中心軸が中心軸Pと平行になる状態で、衝撃吸収ばね69で支持した。こうした衝撃吸収構造65によれば、外部衝撃が作用した場合には、各衝撃吸収ばね69が伸縮変形することで、光源ユニット4が上下に回動しようとするのを規制して、外部衝撃が風導筒7から光源ユニット4へ伝わることを緩和できる。
【0138】
(実施例図26に衝撃吸収構造65を変更した本発明の光照射装置(ドライヤー)の実施例を示す。この実施例においては、リフレクタ29の前部周面の上面および下面と、風導筒7の間に一対の前衝撃吸収ばね(衝撃吸収ばね)69A(69)を配置し、ハウジング32の上面および下面と、風導筒7の間に一対の後衝撃吸収ばね(衝撃吸収ばね)69B(69)を配置して、光源ユニット4を浮動支持した。前衝撃吸収ばね69Aおよび後衝撃吸収ばね69Bは、それぞれ圧縮コイルばね(ばね体)で形成し、前衝撃吸収ばね69Aのばね定数は、後衝撃吸収ばね69Bのばね定数より大きく設定した。こうした衝撃吸収構造65によれば、前支持構造の衝撃吸収ばね69(69A)と後支持構造の衝撃吸収ばね69(69B)に外部衝撃が作用するとき、前支持構造の衝撃吸収ばね69の変位量を、後支持構造の衝撃吸収ばね69の変位量より小さくすることができる。従って、本体ケース1に作用する外部衝撃を、リフレクタ29の前部と後部を支持する前後の衝撃吸収ばね69A・69Bで協同して効果的に緩和吸収しながら、ハロゲンランプ28から照射される光の照射中心軸が大きくぶれるのを防止して、吹出口11の周辺の構造体がハロゲンランプ28から照射される光を受けて無駄に加熱されるのを防止できる。
【0139】
参考図27に衝撃吸収構造65を変更した光照射装置(ドライヤー)の参考を示す。この参考においては、ハウジング32の下面と、風導筒7の間に配置した1個の衝撃吸収ばね69で光源ユニット4を浮動支持した。圧縮コイルばねで構成した衝撃吸収ばね69の両端は、ハウジング32および風導筒7に固定した。こうした衝撃吸収構造65によれば、外部衝撃が作用した場合には、衝撃吸収ばね69が伸縮変形し、あるいは傾動変形することで光源ユニット4が揺れ動こうとするのを規制して、外部衝撃が風導筒7から光源ユニット4へ伝わることを緩和できる。
【0140】
参考10図28に衝撃吸収構造65を変更した光照射装置(ドライヤー)の参考10を示す。この参考10においては、参考と同様にハウジング32の下面と、風導筒7の間に配置した1個の衝撃吸収ばね69で光源ユニット4を浮動支持するが、衝撃吸収ばね69を板ばねで横臥U字状に形成する点が参考と異なる。衝撃吸収ばね69の上腕および下腕は、それぞれハウジング32および風導筒7に固定した。こうした衝撃吸収構造65によれば、外部衝撃が作用した場合には、衝撃吸収ばね69が上下に弾性変形することで光源ユニット4が揺れ動こうとするのを規制して、外部衝撃が風導筒7から光源ユニット4へ伝わることを緩和できる。
【0141】
空気の吸込口10は、上記の各実施例のように本体ケース1の後端背面に形成される形態に加え、本体ケース1の後端背面は塞がれ同ケース1の後端周側面に形成される形態であってもよい。本発明に係る導風路9の一端(後端)に設けられる吸込口10とは、これら形態を含む意味である。本体ケース1の後端周側面に吸込口10を設けた場合には、送風ファン3は、プロペラ型ないしインペラ型の軸流ファン、求心ファンなどで構成する。リフレクタ29の形状は、乾燥対象への赤外光の放射態様により適宜変更することができる。本発明における光照射装置は、毛髪を乾燥対象とするヘアードライヤーに限らず、手足、爪などの身体部位、あるいは人用に限らず犬や猫など動物用のドライヤーにも適用でき、また、衣類用の衣類乾燥器にも適用できる。さらに、本発明の光照射装置は、乾燥対象に対して光を照射する機器であれば、例えば、毛髪を乾燥しながらカール状、あるいはストレート状に整形することができるドライヤーの機能を備えたヘアーアイロンや、光を患部に照射する光治療器にも適用できる。上記以外に、光源28はハロゲンランプ以外に、白熱ランプ、キセノンランプ、メタルハライドランプなどであってもよい。
【符号の説明】
【0142】
1 ケース構造(本体ケース)
3 送風構造(送風ファン)
4 発光構造(光源ユニット)
5 吹出ケース
5a 接当部
5b 係合脚
7 風導筒
7a 半割体
7b 半割体
7c 係合壁
8 外装筒
8a ケース受座
9 導風路
10 吸込口
11 吹出口
19 ビス
25 吹出グリル
28 光源(ハロゲンランプ)
29 リフレクタ
30 フィルタ
32 ハウジング
34 ソケット
35 くびれ部
37 前リフレクタ
37a 分割体
37b 分割体
38 後リフレクタ
41 フィルタ受座
42 第2通気口
45 光源台
46 導風壁
48 第1通気口
51 凸状係合部(前係合部)
52 接合溝
53 接合壁
54 凹状係合部(後係合部)
55 ねじボス
57 係合壁
56 ビス
60 押えリング
64 ばね受枠
65 衝撃吸収構造
67 粘弾性体
69 ばね体、衝撃吸収ばね
71 ばね座
72 ばね座
91 電極ホルダー
92 放電電極
93 筒壁
94 対向電極
94a 尖端放電部
98 温度センサー
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
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図10
図11
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図13
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図15
図16
図17
図18
図19
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図28