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特許7521910見守りシステム、サーバ装置、見守り方法、及びプログラム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-16
(45)【発行日】2024-07-24
(54)【発明の名称】見守りシステム、サーバ装置、見守り方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20240717BHJP
【FI】
G06Q50/10
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2020043039
(22)【出願日】2020-03-12
(65)【公開番号】P2021144495
(43)【公開日】2021-09-24
【審査請求日】2023-02-10
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 (1)ウェブサイトの掲載日:令和1年11月27日、ウェブサイトのアドレス: https://www.nttdata.com/jp/ja/news/release/2019/112700/ <資 料>株式会社エヌ・ティ・ティ・データのウェブサイトの告知ページ (2)発行日:令和1年12月28日 刊行物名:「日経FinTech」2019年12月号(第45号) (ウェブ版・ウェブサイト掲載日 令和1年12月23日) (ウェブサイトのアドレス:https://xtech.nikkei.com/it/atclnft/feature/00024/121800021/) <資 料>「日経FinTech」2019年12月号(第45号)掲載記事 <資 料>「日経FinTech」ウェブサイトの掲載記事 (3)発行日:令和2年1月1日 刊行物名:「ニッキン」2020年(令和2年)1月1日(水曜日) <資 料>「ニッキン」2020年(令和2年)1月1日(水曜日)の掲載記事
(73)【特許権者】
【識別番号】523286071
【氏名又は名称】株式会社NTTデータ
(74)【代理人】
【識別番号】110001634
【氏名又は名称】弁理士法人志賀国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】藤田 浩司
(72)【発明者】
【氏名】安藤 哲也
(72)【発明者】
【氏名】今井 博善
【審査官】塚田 肇
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-012206(JP,A)
【文献】特開2013-054487(JP,A)
【文献】特開2019-159454(JP,A)
【文献】特開2012-185734(JP,A)
【文献】特開2015-153227(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
見守り対象者の口座を識別する対象口座識別情報と、前記見守り対象者を見守る見守り人を識別する見守り人識別情報と、前記見守り対象者の口座の取引を通知する通知条件であって、前記見守り対象者によって1回の取引金額、入出金取引の種類、取引時刻、及び取引場所を含む複数種類のうちから設定された通知条件とを対応付けて記憶する通知条件記憶部と、
勘定系システムから取得した前記見守り対象者の口座の入出金データが、前記通知条件記憶部が記憶する前記対象口座識別情報に対応する前記通知条件を満たす場合に、前記対象口座識別情報に対応する前記見守り人識別情報が示す前記見守り人に、前記見守り人の承認なしに前記見守り対象者によって設定された前記通知条件を満たす取引があったことを示す見守り通知を通知する通知処理部と
を備えることを特徴とする見守りシステム。
【請求項2】
前記見守り人識別情報と、前記見守り人の通知先情報とを対応付けて記憶する通知先情報記憶部を備え、
前記通知処理部は、前記見守り対象者の口座の入出金データが、前記通知条件を満たす場合に、前記通知先情報記憶部が記憶する、見守り人識別情報に対応する前記見守り人の通知先情報に基づいて、前記見守り対象者の口座の入出金データにおいて、前記通知条件を満たす取引があったことを示す見守り通知を、前記見守り人に送信する
ことを特徴とする請求項1に記載の見守りシステム。
【請求項3】
前記通知先情報には、電子メールアドレスが含まれ、
前記通知処理部は、前記見守り人の前記電子メールアドレス宛に、前記見守り通知を電子メールにて送信する
ことを特徴とする請求項2に記載の見守りシステム。
【請求項4】
前記通知先情報には、プッシュ通知の通知先情報が含まれ、
前記通知処理部は、前記プッシュ通知の通知先情報に基づいて、前記見守り人が利用者登録しているインターネットバンキングのアプリケーションに、前記見守り通知を前記プッシュ通知により送信する
ことを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の見守りシステム。
【請求項5】
前記見守り人識別情報は、前記見守り人の口座を識別する見守り人口座識別情報である
ことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の見守りシステム。
【請求項6】
利用者の口座を識別する利用者口座識別情報と、インターネットバンキングを利用する契約をしたか否かを示す利用契約情報とを対応付けて記憶する利用情報記憶部と、
前記インターネットバンキングによる取引サービスを提供するネットバンキング処理部と
を備え、
前記勘定系システムは、前記利用情報記憶部が記憶する前記利用者口座識別情報に対応付けられた前記利用契約情報が前記インターネットバンキングを利用する契約をしたことを示す情報である場合に、前記利用者口座識別情報が示す前記利用者の口座の入出金データを送信し、
前記通知処理部は、前記勘定系システムが出力した前記利用者の口座の入出金データのうち、前記利用者口座識別情報が、前記通知条件記憶部が記憶する前記対象口座識別情報と一致する場合に、前記見守り対象者の口座の入出金データと判定する
ことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の見守りシステム。
【請求項7】
前記利用情報記憶部は、前記利用者口座識別情報と、前記利用契約情報と、前記インターネットバンキングによる取引サービスの利用を停止するか否かを示す利用停止情報とを
対応付けて記憶し、
前記ネットバンキング処理部は、前記利用情報記憶部が記憶する前記利用者口座識別情報に対応付けられた前記利用停止情報が前記インターネットバンキングによる取引サービスの利用を停止することを示す場合に、当該利用者口座識別情報が示す前記利用者の口座に対する前記インターネットバンキングによる取引サービスの提供を停止する
ことを特徴とする請求項6に記載の見守りシステム。
【請求項8】
前記見守り対象者からの要求に応じて、前記対象口座識別情報と、前記見守り人識別情報と、前記通知条件とを対応付けて、前記通知条件記憶部に記憶させる登録処理部を備える
ことを特徴とする請求項1から請求項のいずれか一項に記載の見守りシステム。
【請求項9】
見守り対象者の口座を識別する対象口座識別情報と、前記見守り対象者を見守る見守り人を識別する見守り人識別情報と、前記見守り対象者の口座の取引を通知する通知条件であって、前記見守り対象者によって1回の取引金額、入出金取引の種類、取引時刻、及び取引場所を含む複数種類のうちから設定された通知条件とを対応付けて記憶する通知条件記憶部と、
勘定系システムから取得した前記見守り対象者の口座の入出金データが、前記通知条件記憶部が記憶する前記対象口座識別情報に対応する前記通知条件を満たす場合に、前記対象口座識別情報に対応する前記見守り人識別情報が示す前記見守り人に、前記見守り人の承認なしに前記見守り対象者によって設定された前記通知条件を満たす取引があったことを示す見守り通知を通知する通知処理部と
を備えることを特徴とするサーバ装置。
【請求項10】
登録処理部が、見守り対象者の口座を識別する対象口座識別情報と、前記見守り対象者を見守る見守り人を識別する見守り人識別情報と、前記見守り対象者の口座の取引を通知する通知条件であって、前記見守り対象者によって1回の取引金額、入出金取引の種類、取引時刻、及び取引場所を含む複数種類のうちから設定された通知条件とを対応付けて、通知条件記憶部に記憶させる登録ステップと、
通知処理部が、勘定系システムから取得した前記見守り対象者の口座の入出金データが、前記通知条件記憶部が記憶する前記対象口座識別情報に対応する前記通知条件を満たす場合に、前記対象口座識別情報に対応する前記見守り人識別情報が示す前記見守り人に、前記見守り人の承認なしに前記見守り対象者によって設定された前記通知条件を満たす取引があったことを示す見守り通知を通知する通知処理ステップと
を含むことを特徴とする見守り方法。
【請求項11】
コンピュータに、
見守り対象者の口座を識別する対象口座識別情報と、前記見守り対象者を見守る見守り人を識別する見守り人識別情報と、前記見守り対象者の口座の取引を通知する通知条件であって、前記見守り対象者によって1回の取引金額、入出金取引の種類、取引時刻、及び取引場所を含む複数種類のうちから設定された通知条件とを対応付けて、通知条件記憶部に記憶させる登録ステップと、
勘定系システムから取得した前記見守り対象者の口座の入出金データが、前記通知条件記憶部が記憶する前記対象口座識別情報に対応する前記通知条件を満たす場合に、前記対象口座識別情報に対応する前記見守り人識別情報が示す前記見守り人に、前記見守り人の承認なしに前記見守り対象者によって設定された前記通知条件を満たす取引があったことを示す見守り通知を通知する通知処理ステップと
を実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、見守りシステム、サーバ装置、見守り方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、顧客本人の所有する口座の取引操作を行う際に、顧客の家族の口座の残額照会を一括して行う技術が知られている(例えば、特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2012-3559号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、高年齢化が進むことで、認知症(軽度認知症を含む)の人が増加することが考えられ、金融サービスにおいて、高齢者などの見守り対象者の取引を周囲に知らせる仕組みが求められている。しかしながら、上述した従来技術では、残額照会を一括で行うなど、見守り対象者の本人意思の尊重をせず、見守り対象者のプライバシーに配慮したものではなかった。また、上述した従来技術では、家族等の周囲の人が、例えば、取引操作を行わないと、見守り対象者の取引情報を得ることが困難であった。
【0005】
本発明は、上記問題を解決すべくなされたもので、その目的は、見守り対象者の本人意思を尊重しながら、見守り対象者のプライバシーを保護しつつ、見守り対象者の取引情報を適切に通知することができる見守りシステム、サーバ装置、見守り方法、及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記問題を解決するために、本発明の一態様は、見守り対象者の口座を識別する対象口座識別情報と、前記見守り対象者を見守る見守り人を識別する見守り人識別情報と、前記見守り対象者の口座の取引を通知する通知条件であって、前記見守り対象者によって1回の取引金額、入出金取引の種類、取引時刻、及び取引場所を含む複数種類のうちから設定された通知条件とを対応付けて記憶する通知条件記憶部と、勘定系システムから取得した前記見守り対象者の口座の入出金データが、前記通知条件記憶部が記憶する前記対象口座識別情報に対応する前記通知条件を満たす場合に、前記対象口座識別情報に対応する前記見守り人識別情報が示す前記見守り人に、前記見守り人の承認なしに前記見守り対象者によって設定された前記通知条件を満たす取引があったことを示す見守り通知を通知する通知処理部とを備えることを特徴とする見守りシステムである。
【0007】
また、本発明の一態様は、上記の見守りシステムにおいて、前記見守り人識別情報と、前記見守り人の通知先情報とを対応付けて記憶する通知先情報記憶部を備え、前記通知処理部は、前記見守り対象者の口座の入出金データが、前記通知条件を満たす場合に、前記通知先情報記憶部が記憶する、見守り人識別情報に対応する前記見守り人の通知先情報に基づいて、前記見守り対象者の口座の入出金データにおいて、前記通知条件を満たす取引があったことを示す見守り通知を、前記見守り人に送信することを特徴とする。
【0008】
また、本発明の一態様は、上記の見守りシステムにおいて、前記通知先情報には、電子メールアドレスが含まれ、前記通知処理部は、前記見守り人の前記電子メールアドレス宛に、前記見守り通知を電子メールにて送信することを特徴とする。
【0009】
また、本発明の一態様は、上記の見守りシステムにおいて、前記通知先情報には、プッシュ通知の通知先情報が含まれ、前記通知処理部は、前記プッシュ通知の通知先情報に基づいて、前記見守り人が利用者登録しているインターネットバンキングのアプリケーションに、前記見守り通知を前記プッシュ通知により送信することを特徴とする。
【0010】
また、本発明の一態様は、上記の見守りシステムにおいて、前記見守り人識別情報は、前記見守り人の口座を識別する見守り人口座識別情報であることを特徴とする。
【0011】
また、本発明の一態様は、上記の見守りシステムにおいて、利用者の口座を識別する利用者口座識別情報と、インターネットバンキングを利用する契約をしたか否かを示す利用契約情報とを対応付けて記憶する利用情報記憶部と、前記インターネットバンキングによる取引サービスを提供するネットバンキング処理部とを備え、前記勘定系システムは、前記利用情報記憶部が記憶する前記利用者口座識別情報に対応付けられた前記利用契約情報が前記インターネットバンキングを利用する契約をしたことを示す情報である場合に、前記利用者口座識別情報が示す前記利用者の口座の入出金データを送信し、前記通知処理部は、前記勘定系システムが出力した前記利用者の口座の入出金データのうち、前記利用者口座識別情報が、前記通知条件記憶部が記憶する前記対象口座識別情報と一致する場合に、前記見守り対象者の口座の入出金データと判定することを特徴とする。
【0012】
また、本発明の一態様は、上記の見守りシステムにおいて、前記利用情報記憶部は、前記利用者口座識別情報と、前記利用契約情報と、前記インターネットバンキングによる取引サービスの利用を停止するか否かを示す利用停止情報とを対応付けて記憶し、前記ネットバンキング処理部は、前記利用情報記憶部が記憶する前記利用者口座識別情報に対応付けられた前記利用停止情報が前記インターネットバンキングによる取引サービスの利用を停止することを示す場合に、当該利用者口座識別情報が示す前記利用者の口座に対する前記インターネットバンキングによる取引サービスの提供を停止することを特徴とする。
【0013】
また、本発明の一態様は、上記の見守りシステムにおいて、前記通知条件には、前記見守り対象者の口座の取引に承認が必要である条件が含まれ、前記通知処理部は、前記見守り対象者の口座の取引を行う際に、前記通知条件記憶部が記憶する前記対象口座識別情報に対応付けられた前記見守り対象者の口座の取引に承認が必要である条件を満たす場合に、前記見守り対象者の口座の取引を行う前に、前記見守り対象者の口座の取引の承認を依頼する承認通知を前記見守り人に送信し、前記見守り人からの前記見守り対象者の口座の取引の承認を受信した場合に、前記勘定系システムに、前記見守り対象者の口座の取引を完了させることを特徴とする。
【0014】
また、本発明の一態様は、上記の見守りシステムにおいて、前記見守り対象者からの要求に応じて、前記対象口座識別情報と、前記見守り人識別情報と、前記通知条件とを対応付けて、前記通知条件記憶部に記憶させる登録処理部を備えることを特徴とする。
【0015】
また、本発明の一態様は、見守り対象者の口座を識別する対象口座識別情報と、前記見守り対象者を見守る見守り人を識別する見守り人識別情報と、前記見守り対象者の口座の取引を通知する通知条件であって、前記見守り対象者によって1回の取引金額、入出金取引の種類、取引時刻、及び取引場所を含む複数種類のうちから設定された通知条件とを対応付けて記憶する通知条件記憶部と、勘定系システムから取得した前記見守り対象者の口座の入出金データが、前記通知条件記憶部が記憶する前記対象口座識別情報に対応する前記通知条件を満たす場合に、前記対象口座識別情報に対応する前記見守り人識別情報が示す前記見守り人に、前記見守り人の承認なしに前記見守り対象者によって設定された前記通知条件を満たす取引があったことを示す見守り通知を通知する通知処理部とを備えることを特徴とするサーバ装置である。
【0016】
また、本発明の一態様は、登録処理部が、見守り対象者の口座を識別する対象口座識別情報と、前記見守り対象者を見守る見守り人を識別する見守り人識別情報と、前記見守り対象者の口座の取引を通知する通知条件であって、前記見守り対象者によって1回の取引金額、入出金取引の種類、取引時刻、及び取引場所を含む複数種類のうちから設定された通知条件とを対応付けて、通知条件記憶部に記憶させる登録ステップと、通知処理部が、勘定系システムから取得した前記見守り対象者の口座の入出金データが、前記通知条件記憶部が記憶する前記対象口座識別情報に対応する前記通知条件を満たす場合に、前記対象口座識別情報に対応する前記見守り人識別情報が示す前記見守り人に、前記見守り人の承認なしに前記見守り対象者によって設定された前記通知条件を満たす取引があったことを示す見守り通知を通知する通知処理ステップとを含むことを特徴とする見守り方法である。
【0017】
また、本発明の一態様は、上記の見守りシステムにおいて、コンピュータに、見守り対象者の口座を識別する対象口座識別情報と、前記見守り対象者を見守る見守り人を識別する見守り人識別情報と、前記見守り対象者の口座の取引を通知する通知条件であって、前記見守り対象者によって1回の取引金額、入出金取引の種類、取引時刻、及び取引場所を含む複数種類のうちから設定された通知条件とを対応付けて、通知条件記憶部に記憶させる登録ステップと、勘定系システムから取得した前記見守り対象者の口座の入出金データが、前記通知条件記憶部が記憶する前記対象口座識別情報に対応する前記通知条件を満たす場合に、前記対象口座識別情報に対応する前記見守り人識別情報が示す前記見守り人に、前記見守り人の承認なしに前記見守り対象者によって設定された前記通知条件を満たす取引があったことを示す見守り通知を通知する通知処理ステップとを実行させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、見守り対象者の本人意思を尊重しながら、見守り対象者のプライバシーを保護しつつ、見守り対象者の取引情報を適切に通知することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】第1の実施形態による見守りシステムの一例を示すブロック図である。
図2】第1の実施形態における口座情報記憶部のデータ例を示す図である。
図3】第1の実施形態における取引履歴記憶部のデータ例を示す図である。
図4】第1の実施形態におけるIBアプリサーバの利用者情報記憶部のデータ例を示す図である。
図5】第1の実施形態におけるネットバンキングサーバの利用者情報記憶部のデータ例を示す図である。
図6】第1の実施形態における通知条件記憶部のデータ例を示す図である。
図7】見守り対象者と見守り人との関係例を示す図である。
図8】第1の実施形態における通知先記憶部のデータ例を示す図である。
図9】第1の実施形態による見守りシステムの登録処理の一例を示す図である。
図10】第1の実施形態におけるIB店舗端末装置の登録画面の一例を示す図である。
図11】第1の実施形態による見守りシステムの登録処理の別の一例を示す図である。
図12】第1の実施形態における見守り対象者PCの登録画面の一例を示す図である。
図13】第1の実施形態による見守りシステムの通知処理の一例を示す図である。
図14】第1の実施形態における電子メールによる見守り通知の一例を示す図である。
図15】第1の実施形態による見守りシステムの明細照会処理の一例を示す図である。
図16】第1の実施形態における見守り人PCの明細照会画面の一例を示す図である。
図17】第2の実施形態による見守りシステムの一例を示すブロック図である。
図18】第2の実施形態における通知条件記憶部のデータ例を示す図である。
図19】第2の実施形態における見守り人によるメモ情報の付加処理の一例を示す図である。
図20】第2の実施形態における見守り対象者による利用者スマートフォンの明細照会画面の一例を示す図である。
図21】第2の実施形態による見守りシステムの取引承認処理の一例を示す図である。
図22】第3の実施形態による見守りシステムの一例を示すブロック図である。
図23】第3の実施形態による見守りシステムの登録処理の一例を示す図である。
図24】第3の実施形態による見守りシステムの登録処理の別の一例を示す図である。
図25】第3の実施形態による見守りシステムの通知処理の一例を示す図である。
図26】第3の実施形態による見守りシステムの明細照会処理の一例を示す図である。
図27】第4の実施形態による見守りシステムの一例を示すブロック図である。
図28】第4の実施形態による見守りシステムの登録処理の一例を示す図である。
図29】第4の実施形態による見守りシステムの通知処理の一例を示す図である。
図30】第4の実施形態による見守りシステムの明細照会処理の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施形態による見守りシステム、サーバ装置、見守り方法、及びプログラムについて図面を参照して説明する。
【0021】
[第1の実施形態]
図1は、本実施形態による見守りシステム1の一例を示すブロック図である。
図1に示すように、見守りシステム1は、ネットバンキングサーバ10と、IB店舗端末装置21と、勘定系端末装置22と、ATM23と、勘定系システム30と、IBアプリサーバ40と、利用者PC51と、利用者スマートフォン52とを備える。なお、ネットバンキングサーバ10と、IB店舗端末装置21と、勘定系端末装置22と、ATM23と、勘定系システム30と、IBアプリサーバ40と、利用者PC(利用者パーソナルコンピュータ)51と、利用者スマートフォン52とは、ネットワークNW1を介して接続可能である。
【0022】
なお、本実施形態において、インターネットバンキングのことを。「IB」と表記することがある。
また、本実施形態による見守りシステム1において、見守られる側の利用者を見守り対象者U1とし、見守る側の利用者を見守り人U2として説明する。
【0023】
IB店舗端末装置21と、勘定系端末装置22と、ATM23とは、例えば、銀行店舗ST(金融機関店舗の一例)に配置された装置である。
IB店舗端末装置21は、例えば、銀行店舗STの行員によって操作される端末装置であり、インターネットバンキングのサービスに関する各種設定及び操作を行うための端末装置である。IB店舗端末装置21は、例えば、銀行店舗STの窓口において、見守りシステム1への登録処理を場合に、登録情報を入力情報として受け付け、ネットワークNW1を介して、ネットバンキングサーバ10に送信する。
【0024】
IB店舗端末装置21は、例えば、見守り対象者U1の口座番号と、見守り人U2の口座番号と、見守り対象者U1によって設定された通知条件とを含む登録依頼をネットバンキングサーバ10に送信する。
【0025】
勘定系端末装置22は、例えば、銀行店舗STの行員によって操作される端末装置であり、勘定系システム30に対する各種処理を実行するための端末装置である。勘定系端末装置22は、例えば、銀行店舗STの窓口において、見守りシステム1への登録処理を場合に、見守り対象者U1のIB契約のための情報を入力情報として受け付け、ネットワークNW1を介して、勘定系システム30に送信する。
【0026】
勘定系端末装置22は、例えば、見守り対象者U1の口座番号と、IB契約情報と、IB利用停止情報とを含む登録依頼を勘定系システム30に送信する。なお、IB契約情報と、IB利用停止情報との詳細については後述する。
【0027】
ATM(Automatic Teller Machine)23は、例えば、銀行店舗STに配置された装置であり、利用者によって、入出金等の金融取引を実行する際に操作される。ATM23は、取引情報を、ネットワークNW1を介して、勘定系システム30に送信して、取引を実行する。
【0028】
利用者PC51は、利用者が保有するパーソナルコンピュータを示し、インターネットバンキングを利用する際に利用される。
利用者スマートフォン52は、利用者が保有するスマートフォンを示し、IBアプリを用いて、インターネットバンキングを利用する際に利用される。
【0029】
なお、ここでの利用者には、見守り対象者U1及び見守り人U2の両方が含まれる。
また、利用者PC51及び利用者スマートフォン52は、利用者端末50の一例である。また、図1に示す例では、説明上、1台の利用者PC51と、1台の利用者スマートフォン52を記載しているが、複数の利用者PC51と、複数の利用者スマートフォン52が用いられてもよい。
【0030】
勘定系システム30は、銀行などの金融機関における基幹システムであり、主に、入出金や資金の決済、口座の管理などを行なうシステムである。勘定系システム30は、例えば、NW(ネットワーク)通信部31と、口座情報記憶部32と、取引履歴記憶部33と、取引処理部34と、入出金データ配信部35とを備える。
【0031】
NW通信部31は、ネットワークNW1に接続し、ネットワークNW1を介して各種通信を行う。NW通信部31は、例えば、ネットワークNW1を介して、主に、ネットバンキングサーバ10と、勘定系端末装置22と、ATM23と、IBアプリサーバ40とに接続し、各種通信を行う。
【0032】
口座情報記憶部32(利用情報記憶部の一例)は、銀行などの金融機関を利用している利用者の口座情報を記憶する。口座情報記憶部32は、例えば、図2に示すように、少なくとも、「口座番号」と、「氏名」と、「住所」と、「IB契約情報」と、「IB利用停止情報」とを対応付けて記憶する。ここで、図2を参照して、口座情報記憶部32のデータ例について説明する。
【0033】
図2は、本実施形態における口座情報記憶部32のデータ例を示す図である。
図2において、「口座番号」は、口座の開設者である利用者の口座番号を示し、利用者の口座を識別する利用者口座識別情報の一例である。また、「氏名」及び「住所」は、利用者の「氏名」及び「住所」を示している。
【0034】
また、「IB契約情報」(利用契約情報の一例)は、当該口座が、インターネットバンキングを利用する契約をしたか否かを示すフラグ情報である。「IB契約情報」は、“1”である場合に、インターネットバンキングを利用する契約であることを示し、“0”である場合に、インターネットバンキングを利用する契約でないことを示している。「IB契約情報」は、利用者の口座の入出金データをネットバンキングサーバ10に配信する際に利用される。
【0035】
また、「IB利用停止情報」(利用停止情報の一例)は、当該口座が、インターネットバンキングによる取引サービスの利用を停止するか否かを示すフラグ情報である。「IB利用停止情報」は、“1”である場合に、インターネットバンキングによる取引サービスの利用を停止することを示し、“0”である場合に、インターネットバンキングによる取引サービスの利用を停止しない(許可する)ことを示している。「IB利用停止情報」は、例えば、見守り対象者U1が高齢者などのインターネットバンキングを利用しない場合に、“1”に設定される。
【0036】
例えば、図2に示す例では、「口座番号」が“XXXX-201-1234567”の口座は、利用者の「氏名」が“○○ タロウ”であり、利用者の「住所」が“○○市××町1-2”であることを示している。また、「IB契約情報」は、“1”であり、「IB利用停止情報」が“1”であることを示している。この場合、IB利用停止情報」が“1”であるため、この口座が、インターネットバンキングによる取引サービスを利用しないことを示している。
【0037】
また、「口座番号」が“XXXX-202-78901234”の口座は、利用者の「氏名」が“○○ ハナコ”であり、利用者の「住所」が“××市○△町3-3-3”であることを示している。また、「IB契約情報」は、“1”であり、「IB利用停止情報」が“0”であることを示している。この場合、IB利用停止情報」が“0”であるため、この口座が、インターネットバンキングによる取引サービスを利用することを示している。
【0038】
図1の説明に戻り、取引履歴記憶部33は、入出金などの取引履歴を記憶する。ここで、図3を参照して、取引履歴記憶部33のデータ例について説明する。
図3は、本実施形態における取引履歴記憶部33のデータ例を示す図である。
【0039】
図3に示すように、取引履歴記憶部33は、「口座番号」と、「年月日」と、「概要」と、「お支払金額」と、「お預り金額」と、「差引残高」と、「店番号」と、「ATM番号」とを対応付けて記憶する。
ここで、「年月日」は、取引の年月日を示し、「概要」は、取引の内容を示している。また、「お支払金額」は、出金金額を示し、「お預り金額」は、入金金額を示し、「差引残高」は、預金残額を示している。また、「店番号」は、取引が行われた店舗の識別番号を示し、「ATM番号」は、取引が行われたATMの識別番号を示している。
【0040】
例えば、図3に示す例では、「口座番号」が“XXXX-201-1234567”の口座の取引において、「年月日」が“20-212”(2020年2月12日)に「概要」が“カード”により、“10000”の出金があった」ことを示している。また、この取引が「店番号」が“201”、「ATM番号」が“M0001”のATMによって行われたことを示している。
【0041】
再び、図1の説明に戻り、取引処理部34は、銀行店舗STの窓口やATM23からの各種取引の処理を実行し、入出金の取引履歴を取引履歴記憶部33に記憶させる。取引処理部34は、例えば、図3に示すような入出金の取引履歴(入出金データ)を取引履歴記憶部33に記憶させる。
【0042】
入出金データ配信部35は、入出金データを配信する所定の時刻に定期的(例えば、0時と12時との1日2回など)に、取引履歴記憶部33が記憶する取引履歴から、インターネットバンキングに契約している利用者の入出金データを抽出して、ネットバンキングサーバ10に配信する。入出金データ配信部35は、履歴情報のうち、口座情報記憶部32が記憶する「IB契約情報」が“1”である口座番号に対応する入出金データを抽出し、抽出した入出金データを、NW通信部31を介して、ネットバンキングサーバ10に送信する。
【0043】
IBアプリサーバ40は、利用者スマートフォン52のIBアプリケーション(以下、IBアプリという)を使用したインターネットバンキングのサービスを提供するサーバ装置である。IBアプリサーバ40は、例えば、NW通信部41と、利用者情報記憶部42と、IBサービス処理部43と、プッシュ通知処理部44とを備える。
【0044】
NW通信部41は、ネットワークNW1に接続し、ネットワークNW1を介して各種通信を行う。NW通信部41は、例えば、ネットワークNW1を介して、主に、ネットバンキングサーバ10と、利用者スマートフォン52とに接続し、各種通信を行う。
【0045】
利用者情報記憶部42(通知先情報記憶部の一例)は、IBアプリの利用者に関する利用者情報を記憶する。利用者情報記憶部42は、例えば、図4に示すように、「口座番号」と、「アプリユーザID」と、「デバイストークン」とを対応付けて記憶する。ここで、図4を参照して、利用者情報記憶部42のデータ例について説明する。
【0046】
図4は、本実施形態における利用者情報記憶部42のデータ例を示す図である。
図4において、「アプリユーザID」は、IBアプリがインストールされた利用者スマートフォン52に付与されたユーザIDであり、「デバイストークン」は、利用者スマートフォン52にプッシュ通知を送信するために、利用者スマートフォン52から取得したデバイス識別情報である。本実施形態において、「デバイストークン」は、見守り人U2の通知先情報であり、プッシュ通知の通知先情報に対応する。
【0047】
例えば、図4に示す例では、「口座番号」が“XXXX-202-78901234”に対応する「アプリユーザID」が、“UXXXXXXXX”であり、「デバイストークン」が“XXXXXXXXXX”であることを示している。
【0048】
再び、図1の説明に戻り、IBサービス処理部43は、IBアプリによるインターネットバンキングの各種サービスの処理を実行する。
【0049】
プッシュ通知処理部44は、IBアプリによるプッシュ通知を送信する処理を実行する。プッシュ通知処理部44は、利用者情報記憶部42が記憶する「デバイストークン」を通知先情報として、ネットワークNW1を介して、プッシュ通知を送信する。プッシュ通知処理部44は、例えば、後述する見守り人U2に見守り通知をプッシュ通知にて通知する際に、見守り人U2のデバイス(例えば、利用者スマートフォン52)に、見守り通知を送信する処理を実行する。
【0050】
ネットバンキングサーバ10(サーバ装置の一例)は、インターネットバンキングのサービスを提供するサーバ装置であり、例えば、インターネットバンキングのWebにより各種取引を実行可能である。ネットバンキングサーバ10は、例えば、NW通信部11と、サーバ記憶部12と、サーバ制御部13とを備える。
【0051】
NW通信部11は、ネットワークNW1に接続し、ネットワークNW1を介して各種通信を行う。NW通信部11は、例えば、ネットワークNW1を介して、主に、IB店舗端末装置21と、勘定系システム30と、IBアプリサーバ40と、利用者端末50とに接続し、各種通信を行う。
【0052】
サーバ記憶部12は、ネットバンキングサーバ10が利用する各種情報を記憶する。サーバ記憶部12は、例えば、利用者情報記憶部121と、通知条件記憶部122と、通知先情報記憶部123と、入出金データ記憶部124とを備える。
【0053】
利用者情報記憶部121は、インターネットバンキングを利用する利用者の情報を記憶する。利用者情報記憶部121は、例えば、図5に示すように、「口座番号」と、「ユーザID」と、「パスワード」と、「IB利用停止情報」とを対応付けて記憶する。ここで、図5を参照して、利用者情報記憶部121のデータ例について説明する。
【0054】
図5は、本実施形態における利用者情報記憶部121のデータ例を示す図である。
図5において、「ユーザID」は、インターネットバンキングを利用するためのユーザ識別情報であり、例えば、ログインIDである。また、「パスワード」は、ログインの際に、「ユーザID」とともに使用されるパスワードを示している。また、「IB利用停止情報」は、上述した口座情報記憶部32の「IB利用停止情報」と同様であり、勘定系システム30の口座情報記憶部32から取得したフラグ情報である。
【0055】
例えば、図5に示す例では、「口座番号」が“XXXX-201-1234567”に対応する「ユーザID」及び「パスワード」が、“UXXXXX”及び“XXXXXXXXXX”であることを示している。また、この口座の「IB利用停止情報」が“1”であり、インターネットバンキングの利用が停止されていることを示している。
【0056】
再び、図1の説明に戻り、通知条件記憶部122は、見守り対象者U1の口座を識別する対象口座識別情報と、見守り人U2を識別する見守り人識別情報と、見守り対象者U1の口座の取引を通知する通知条件であって、見守り対象者U1によって設定された通知条件とを対応付けて記憶する。ここで、見守り人識別情報は、例えば、見守り人U2の口座を識別する見守り人口座識別情報である。
【0057】
なお、通知条件には、例えば、入出金取引の種類(例えば、入金、出金、振込など)、取引金額情報(例えば、取引金額、所定の期間の取引合計金額など)、等が含まれる。また、図6を参照して、通知条件記憶部122のデータ例について説明する。
【0058】
図6は、本実施形態における通知条件記憶部122のデータ例を示す図である。
図6に示すように、通知条件記憶部122は、「見守り対象者の口座番号」と、「見守り人の口座番号」と、「通知条件」とを対応付けて記憶する。ここで、「見守り対象者の口座番号」は、見守り対象者U1の口座番号であり、対象口座識別情報の一例である。また、見守り人の口座番号」は、見守り人U2の口座番号であり、見守り人口座識別情報の一例である。また、「見守り対象者の口座番号」と、「見守り人の口座番号」とは、同一金融機関の口座番号とする。
【0059】
例えば、図6に示す例では、「見守り対象者の口座番号」の“XXXX-201-1234567”に対して、「見守り人の口座番号」の“XXXX-202-78901234”が対応付けられていることを示している。すなわち、“XXXX-201-1234567”の口座を持つ見守り対象者U1の見守り人U2が、“XXXX-202-78901234”の口座を持つ利用者であることを示している。
【0060】
また、「通知条件」が、“10万円以上の出金取引”であることを示している。この場合、見守り対象者U1が“XXXX-201-1234567”の口座で、10万円以上の出金取引を行った場合に、“XXXX-202-78901234”の見守り人U2に通知することを示している。
【0061】
ここで、図7を参照して、本実施形態における見守りシステム1における見守り対象者U1と、見守り人U2との適用例について説明する。
図7は、見守り対象者U1と見守り人U2との関係例を示す図である。
【0062】
図7に示すように、例えば、見守り対象者U1が高齢者や障害者である場合には、見守り人U2として、家族や友人などが考えられ、見守り対象者U1が夫(又は妻)である場合には、見守り人U2として、妻(又は夫)である配偶者などが考えられる。また、見守り対象者U1が子供(未成年)である場合には、見守り人U2として、両親や兄弟などが考えられる。
【0063】
このように、見守り対象者U1と見守り人U2との関係には、様々な関係が考えられ、通知条件記憶部122に設定される「通知条件」は、見守り対象者U1と見守り人U2との関係に応じて、様々な条件が設定可能である。
また、通知条件記憶部122が記憶する情報は、後述する登録処理部132によって登録される。
【0064】
再び、図1の説明に戻り、通知先情報記憶部123は、見守り人識別情報と、見守り人U2の通知先情報とを対応付けて記憶する。通知先情報記憶部123は、例えば、図8に示すように、「見守り人の口座番号」と、「見守り人の電子メールアドレス」とを対応付けて記憶する。ここで、図8を参照して、通知先情報記憶部123のデータ例について説明する。
【0065】
図8は、本実施形態による通知先情報記憶部123のデータ例を示す図である。
図8において、「見守り人の口座番号」は、通知条件記憶部122と同様に、見守り対象者U1の口座番号であり、対象口座識別情報の一例である。また、「見守り人の電子メールアドレス」は、見守り人の通知先である電子メールアドレスを示し、見守り人U2の通知先情報の一例である。
【0066】
図8に示す例では、「見守り人の口座番号」が“XXXX-202-78901234”に対して、「見守り人の電子メールアドレス」として“xxxx@abcd.com”が対応付けられていることを示している。
【0067】
再び、図1の説明に戻り、入出金データ記憶部124は、勘定系システム30から定期的(例えば、0時と12時との1日2回など)に配信された、インターネットバンキングに契約している口座の入出金データを記憶する。入出金データ記憶部124は、例えば、上述した図3の取引履歴記憶部33と同様に、口座番号と、入出金データである取引情報とを対応付けて記憶する。
【0068】
サーバ制御部13は、例えば、CPU(Central Processing Unit)などを含むプロセッサであり、ネットバンキングサーバ10を統括的に制御する。サーバ制御部13は、例えば、ネットバンキング処理部131と、登録処理部132と、通知処理部133と、明細照会処理部134とを備える。
【0069】
ネットバンキング処理部131は、インターネットバンキングの各種処理を実行する。ネットバンキング処理部131は、例えば、Webにより、インターネットバンキングによる取引サービスを提供し、利用者情報記憶部121が記憶する「ユーザID」及び「パスワード」により、ログイン処理を実行するとともに、ログイン処理後に、勘定系システム30と連携して、入出金取引などの取引処理を実行する。
【0070】
また、ネットバンキング処理部131は、口座情報記憶部32が記憶する利用者口座識別情報に対応付けられた利用停止情報がインターネットバンキングによる取引サービスの利用を停止することを示す場合に、当該利用者口座識別情報が示す利用者の口座に対するインターネットバンキングによる取引サービスの提供を停止する。ネットバンキング処理部131は、例えば、口座情報記憶部32の「IB利用停止情報」から取得された利用者情報記憶部121の「IB利用停止情報」を参照し、「IB利用停止情報」が“1”である場合に、対応する口座番号の口座に対するインターネットバンキングによる取引サービスの提供を停止する。
【0071】
登録処理部132は、見守り対象者U1からの要求に応じて、対象口座識別情報(「見守り対象者の口座番号」)と、見守り人識別情報(「見守り人の口座番号」)と、通知条件とを対応付けて通知条件記憶部122に記憶させる登録処理を実行する。登録処理部132は、IB店舗端末装置21、見守り対象者U1の利用者PC51、及び見守り対象者U1の利用者スマートフォン52とのいずれかからの登録依頼に応じて、登録依頼に含まれる見守り対象者U1の口座番号と、見守り人U2の口座番号と、通知条件とを対応付けて通知条件記憶部122に記憶させる。
【0072】
また、登録処理部132は、勘定系システム30からのIB利用停止情報の登録依頼に応じて、利用者情報記憶部121の「IB利用停止情報」を“1”にする登録処理を実行する。
【0073】
通知処理部133は、勘定系システム30から取得した見守り対象者U1の口座の入出金データが、通知条件記憶部122が記憶する対象口座識別情報に対応する通知条件を満たす場合に、対象口座識別情報に対応する見守り人識別情報が示す見守り人U2に通知する。ここで、通知処理部133は、勘定系システム30が定期的に出力した利用者の口座の入出金データのうち、利用者口座識別情報が、通知条件記憶部122が記憶する対象口座識別情報と一致する場合に、見守り対象者U1の口座の入出金データと判定する。
【0074】
通知処理部133は、見守り対象者U1の口座の入出金データが、通知条件を満たす場合に、通知先情報記憶部123が記憶する、見守り人U2の口座番号に対応する見守り人U2の通知先情報(例えば、電子メールアドレス)に基づいて、見守り対象者U1の口座の入出金データにおいて、通知条件を満たす取引があったことを示す見守り通知を、見守り人U2に送信する。通知処理部133は、例えば、見守り人U2の電子メールアドレス宛に、見守り通知を電子メールにて送信する。
【0075】
また、通知先情報には、プッシュ通知の通知先情報が含まれる。ここで、プッシュ通知の通知先情報は、例えば、IBアプリサーバ40の利用者情報記憶部42(通知先情報記憶部の一例)が記憶する「デバイストークン」である。通知処理部133は、プッシュ通知の通知先情報(「デバイストークン」)に基づいて、見守り人U2が利用者登録しているインターネットバンキングのアプリケーション(IBアプリ)に、見守り通知をプッシュ通知により送信させる。
なお、通知処理部133は、勘定系システム30が定期的に出力(配信)した利用者の口座の入出金データを、入出金データ記憶部124に記憶させる。
【0076】
明細照会処理部134は、見守り人U2が、見守り対象者U1の口座による取引明細を照会する処理を実行する。明細照会処理部134は、例えば、見守り人U2の利用者端末50(利用者PC51、又は利用者スマートフォン52)から、見守り人U2の取引明細の照会要求があった場合に、入出金データ記憶部124が記憶する見守り対象者U1の口座に対応する入出金データのうちから、通知条件記憶部122が記憶する見守り対象者U1の通知条件を満たす入出金データを抽出して、明細照会データとして、見守り人U2の利用者端末50(利用者PC51、又は利用者スマートフォン52)に送信する。
【0077】
次に、図面を参照して、本実施形態による見守りシステム1の動作について説明する。
なお、以下の説明において、見守り対象者U1の利用者端末50を見守り対象者端末50-1とし、見守り人U2の利用者端末50を見守り人端末50-2とし、見守り対象者U1の利用者PC51を見守り対象者PC51-1とし、見守り人U2の利用者PC51を見守り人PC51-2とする。また、見守り対象者U1の利用者スマートフォン52を見守り対象者スマートフォン52-1とし、見守り人U2の利用者スマートフォン52を見守り人スマートフォン52-2とする。
【0078】
図9は、第1の実施形態による見守りシステム1の登録処理の一例を示す図である。ここでは、銀行店舗STの窓口から、見守り対象者U1が見守りシステム1が提供する見守りサービスの利用を登録する登録処理について説明する。また、見守り対象者U1は、例えば、高齢者などのインターネットバンキングを利用しないものとする。
【0079】
図9に示すように、まず、IB店舗端末装置21は、登録情報を受け付ける(ステップS101)。IB店舗端末装置21は、例えば、銀行店舗STの窓口担当者によって操作され、見守り対象者U1からの登録申請書などに基づいて、入力された登録情報を受け付ける。IB店舗端末装置21は、例えば、図10に示す画面G1のような登録画面により、登録情報を受け付ける。ここで、登録情報には、対象口座識別情報である見守り対象者U1の口座番号と、見守り人口座識別情報である見守り人U2の口座番号と、通知条件とが含まれる。
【0080】
また、図10は、本実施形態におけるIB店舗端末装置21の登録画面の一例を示す図である。IB店舗端末装置21は、画面G1のような登録画面を表示し、銀行店舗STの窓口担当者の操作によって、登録情報を受け付ける。
【0081】
次に、IB店舗端末装置21は、登録依頼をネットバンキングサーバ10に送信する(ステップS102)。IB店舗端末装置21は、上述した登録情報を含む登録依頼を、ネットワークNW1を介して、ネットバンキングサーバ10に送信する。
【0082】
次に、ネットバンキングサーバ10は、登録処理を実行する(ステップS103)。ネットバンキングサーバ10のNW通信部11は、ネットワークNW1を介して、IB店舗端末装置21からの登録依頼を受信する。ネットバンキングサーバ10の登録処理部132は、受信した登録依頼に応じて、登録依頼に含まれる上述した見守り対象者U1の口座番号と、見守り人U2の口座番号と、通知条件とを対応付けて、例えば、図6に示すように、通知条件記憶部122に記憶させる。
【0083】
また、一方で、勘定系端末装置22は、登録情報を受け付ける(ステップS104)。勘定系端末装置22は、例えば、銀行店舗STの窓口担当者によって操作され、見守り対象者U1の口座番号と、インターネットバンキングを利用する契約をした設定のIB契約情報と、インターネットバンキングによる取引サービスの利用を停止する設定のIB利用停止情報などの登録情報を受け付ける。
【0084】
次に、勘定系端末装置22は、登録依頼を勘定系システム30に送信する(ステップS105)。勘定系端末装置22は、例えば、見守り対象者U1の口座番号と、IB契約情報と、IB利用停止情報とを含む登録依頼を、ネットワークNW1を介して、勘定系システム30に送信する。
【0085】
次に、勘定系システム30は、IB利用の登録処理を実行する(ステップS106)。勘定系システム30は、NW通信部31を介して、勘定系端末装置22からの登録依頼を受信し、受信した登録依頼に応じて、登録依頼に含まれる登録情報を、口座情報記憶部32に記憶させる。勘定系システム30は、例えば、口座情報記憶部32が記憶する口座情報のうちから、受信した登録依頼に含まれる見守り対象者U1の口座番号に対応する口座情報を抽出し、当該口座情報のIB契約情報及びIB利用停止情報をそれぞれ“1”に変更する。
【0086】
また、勘定系システム30は、IB利用停止情報を含む登録依頼を、ネットワークNW1を介して、ネットバンキングサーバ10に送信する(ステップS107)。ここでは、見守り対象者U1は、例えば、高齢者などのインターネットバンキングを利用しない利用者であるため、勘定系システム30は、IB利用停止情報が“1”であるフラグ情報を含む登録依頼を、ネットワークNW1を介して、ネットバンキングサーバ10に送信する。
【0087】
次に、ネットバンキングサーバ10は、IB利用停止処理を実行する(ステップS108)。NW通信部11は、ネットワークNW1を介して、勘定系システム30からの登録依頼を受信する。そして、登録処理部132は、受信した登録依頼に応じて、利用者情報記憶部121のIB利用停止情報を“1”にするIB利用停止処理を実行する。
これにより、見守り対象者U1が見守りサービスの利用を登録する登録処理が完了する。
【0088】
次に、図11及び図12を参照して、インターネットバンキングからの登録処理について説明する。
図11は、本実施形態による見守りシステム1の登録処理の別の一例を示す図である。ここでは、見守り対象者U1自身が、インターネットバンキングから、見守りシステム1が提供する見守りサービスの利用を登録する登録処理について説明する。
【0089】
図11に示すように、まず、見守り対象者端末50-1は、登録情報を受け付ける(ステップS201)。ここでの見守り対象者端末50-1には、見守り対象者PC51-1、及び見守り対象者スマートフォン52-1が含まれる。見守り対象者端末50-1は、見守り対象者U1自身によって操作され、登録情報を受け付ける。見守り対象者端末50-1(見守り対象者PC51-1)は、例えば、図12に示す画面G2のような登録画面により、登録情報を受け付ける。ここで、登録情報には、対象口座識別情報である見守り対象者U1の口座番号と、見守り人口座識別情報である見守り人U2の口座番号と、通知条件とが含まれる。
【0090】
また、図12は、本実施形態における見守り対象者PC51-1の登録画面の一例を示す図である。見守り対象者PC51-1は、ネットバンキングサーバ10から受信した画面G2のような登録画面を表示し、見守り対象者U1の操作によって、登録情報を受け付ける。
【0091】
次に、見守り対象者端末50-1は、登録依頼をネットバンキングサーバ10に送信する(ステップS202)。見守り対象者端末50-1は、上述した登録情報を含む登録依頼を、ネットワークNW1を介して、ネットバンキングサーバ10に送信する。
【0092】
次に、ネットバンキングサーバ10は、登録処理を実行する(ステップS203)。NW通信部11は、ネットワークNW1を介して、見守り対象者端末50-1からの登録依頼を受信する。そして、登録処理部132は、受信した登録依頼に応じて、登録依頼に含まれる上述した見守り対象者U1の口座番号と、見守り人U2の口座番号と、通知条件とを対応付けて、例えば、図6に示すように、通知条件記憶部122に記憶させる。
【0093】
次に、ネットバンキングサーバ10は、見守り人端末50-2に、登録完了通知を送信する(ステップS204)。登録処理部132は、例えば、登録した見守り人U2の口座番号に対応する電子メールアドレスを、通知先情報記憶部123から取得し、当該電子メールアドレス宛に、登録完了通知を送信する。なお、登録処理部132は、プッシュ通知により、登録完了通知を送信するようにしてもよい。
これにより、見守り対象者U1が見守りサービスの利用を登録する登録処理が完了する。
【0094】
次に、図13及び図14を参照して、本実施形態による見守りシステム1の通知処理について説明する。
図13は、本実施形態による見守りシステム1の通知処理の一例を示す図である。ここでは、見守り対象者U1が、ATM23を用いて、入出金取引を行った場合の通知処理の一例について説明する。
【0095】
図13に示すように、見守り対象者U1によって、ATM23が操作されると、ATM23は、操作に応じた入出金取引処理を実行する(ステップS301)。
次に、ATM23は、入出金取引情報を勘定系システム30に送信する(ステップS302)。ATM23は、ネットワークNW1を介して、見守り対象者U1の口座番号を含む入出金取引情報を勘定系システム30に送信する。
【0096】
次に、勘定系システム30は、入出金処理を実行する(ステップS303)。勘定系システム30の取引処理部34は、NW通信部31を介して受信した入出金取引情報に基づいて入出金処理を実行する。取引処理部34は、入出金取引情報に基づいて、例えば、図3に示すように、入出金などの取引履歴を取引履歴記憶部33に記憶させる。
【0097】
次に、勘定系システム30は、配信時刻であるか否かを判定する(ステップS304)。勘定系システム30の入出金データ配信部35は、入出金データを配信する所定の時刻である配信時刻になったか否かを判定する。入出金データ配信部35は、配信時刻である場合(ステップS304:YES)に、処理をステップS305に進める。また、入出金データ配信部35は、配信時刻でない場合(ステップS304:NO)に、処理をステップS304に戻し、配信時刻になるのを待つ。
【0098】
ステップS305において、入出金データ配信部35は、入出金データを抽出する。入出金データ配信部35は、取引履歴記憶部33が記憶する入出金データのうち、口座情報記憶部32のIB契約情報が“1”である口座番号に対応する入出金データを抽出する。
【0099】
次に、勘定系システム30は、抽出した入出金データを、ネットバンキングサーバ10に送信する(ステップS306)。入出金データ配信部35は、NW通信部31を介して、抽出した入出金データを、ネットバンキングサーバ10に送信する。なお、ここで、送信する入出金データには、見守り対象者U1を含むインターネットバンキングの契約者の口座に対応する入出金データである。
【0100】
次に、ネットバンキングサーバ10は、入出金データを入出金データ記憶部124に記憶させる(ステップS307)。例えば、ネットバンキングサーバ10の通知処理部133は、NW通信部11を介して、勘定系システム30から受信した入出金データを入出金データ記憶部124に記憶させる。
【0101】
次に、ネットバンキングサーバ10の通知処理部133は、通知データを抽出する(ステップS308)。通知処理部133は、勘定系システム30から受信した入出金データのうち、通知条件記憶部122が記憶する見守り対象者U1の口座番号及び通知条件に一致する入出金データを抽出する。通知処理部133は、例えば、入出金データのうち、見守り対象者U1の口座番号に対応する入出金データを抽出した上で、通知条件を充足する入出金データを抽出する。なお、通知処理部133は、勘定系システム30から受信した入出金データから対象の入出金データを抽出してもよいし、入出金データ記憶部124が記憶する入出金データから対象の入出金データを抽出してもよい。
【0102】
次に、ネットバンキングサーバ10は、見守り通知を、見守り人PC51-2に送信する(ステップS309)。通知処理部133は、抽出した入出金データに対する見守り人U2の通知先を、通知先情報記憶部123から取得する。すなわち、通知処理部133は、抽出した入出金データの見守り対象者U1に対応する見守り人U2の口座番号を、通知条件記憶部122から取得し、当該見守り人U2の口座番号に対応する電子メールアドレスを、通知先情報記憶部123から取得する。通知処理部133は、取得した電子メールアドレス宛に、電子メールにより見守り通知を送信する。
【0103】
図14は、本実施形態における電子メールによる見守り通知の一例を示す図である。
通知処理部133は、図14に示すような内容の電子メールの見守り通知を、見守り人U2の電子メールアドレス宛に送信する。また、当該電子メールを受信した見守り人PC51-2は、図14の画面G3に示すような見守り通知を表示し、見守り人U2は、見守り対象者U1による入出金取引があったことをしることが可能である。
【0104】
また、通知処理部133は、見守り通知を、プッシュ通知により送信するプッシュ通知依頼を、IBアプリサーバ40に送信する(ステップS310)。通知処理部133は、例えば、見守り人U2の口座番号と、見守り通知の内容とを含むプッシュ通知依頼を、NW通信部11を介して、IBアプリサーバ40に送信する。
【0105】
次に、IBアプリサーバ40は、見守り通知をプッシュ通知により、見守り人スマートフォン52-2に送信する(ステップS311)。IBアプリサーバ40のプッシュ通知処理部44は、NW通信部41を介して、ネットバンキングサーバ10からのプッシュ通知依頼を受信し、受信したプッシュ通知依頼に含まれる見守り人U2の口座番号に対応するデバイストークンを、利用者情報記憶部42から取得する。プッシュ通知処理部44は、取得したデバイストークンに基づいて、プッシュ通知依頼に含まれる見守り通知の内容を、プッシュ通知により送信する処理を実行する。
【0106】
見守り人スマートフォン52-2は、受信した見守り通知のプッシュ通知を表示する。なお、通知処理部133は、プッシュ通知による見守り通知に、詳細な入出金の情報を含めずに、通知条件を満足する入出金取引をあったことを通知するようにしてもよい。
【0107】
次に、図15及び図16を参照して、本実施形態による見守りシステム1の明細照会処理について説明する。
図15は、本実施形態による見守りシステム1の明細照会処理の一例を示す図である。
【0108】
図15に示すように、まず、見守り人PC51-2は、見守り人U2のWeb画面の操作に応じて、見守り対象者U1の明細照会要求をネットバンキングサーバ10に送信する(ステップS401)。
【0109】
次に、ネットバンキングサーバ10は、見守り対象者の明細データを抽出する(ステップS402)。ネットバンキングサーバ10の明細照会処理部134は、NW通信部11を介して、明細照会要求を受信すると、インターネットバンキングの利用者のユーザIDに対応する口座番号を、見守り人U2の口座番号として、利用者情報記憶部121から取得する。明細照会処理部134は、取得した見守り人U2の口座番号に対応する見守り対象者U1の口座番号及び通知条件を、通知条件記憶部122から取得する。明細照会処理部134は、入出金データ記憶部124が記憶する入出金データのうちから、見守り対象者U1の口座番号及び通知条件を満たす入出金データを、見守り対象者U1の明細データとして抽出する。
【0110】
次に、明細照会処理部134は、抽出した見守り対象者U1の明細データを、見守り人PC51-2に送信する(ステップS403)。明細照会処理部134は、NW通信部11を介して、抽出した見守り対象者U1の明細データを、見守り人PC51-2に送信する。
【0111】
次に、見守り人PC51-2は、明細データを表示する(ステップS404)。見守り人PC51-2は、ネットバンキングサーバ10から受信した明細データを、例えば、図16に示すように表示する。
【0112】
図16は、本実施形態における見守り人PC51-2の明細照会画面の一例を示す図である。
図16に示す画面G4は、見守り人PC51-2の明細照会画面の一例である。見守り人PC51-2は、Webによるインターネットバンキングを利用して、画面G4のような明細照会画面を表示する。
【0113】
また、見守り人スマートフォン52-2は、見守り人U2のIBアプリの画面の操作に応じて、見守り対象者U1の明細照会要求をIBアプリサーバ40に送信する(ステップS411)。
【0114】
次に、IBアプリサーバ40は、見守り対象者U1の明細照会要求をネットバンキングサーバ10に送信する(ステップS412)。IBアプリサーバ40のIBサービス処理部43は、NW通信部41を介して、見守り人スマートフォン52-2からの明細照会要求を受信し、明細照会要求を送信した見守り人スマートフォン52-2のアプリユーザIDに対応する口座番号を、見守り人U2の口座番号として、利用者情報記憶部42から取得する。IBサービス処理部43は、取得した見守り人U2の口座番号を含む明細照会要求を、NW通信部41を介して、ネットバンキングサーバ10に送信する。
【0115】
次に、ネットバンキングサーバ10は、見守り対象者の明細データを抽出する(ステップS413)。ネットバンキングサーバ10の明細照会処理部134は、NW通信部11を介して、明細照会要求を受信すると、明細照会要求に含まれる見守り人U2の口座番号に対応する見守り対象者U1の口座番号及び通知条件を、通知条件記憶部122から取得する。明細照会処理部134は、入出金データ記憶部124が記憶する入出金データのうちから、見守り対象者U1の口座番号及び通知条件を満たす入出金データを、見守り対象者U1の明細データとして抽出する。
【0116】
次に、明細照会処理部134は、抽出した見守り対象者U1の明細データを、IBアプリサーバ40に送信する(ステップS414)。明細照会処理部134は、NW通信部11を介して、抽出した見守り対象者U1の明細データを、IBアプリサーバ40に送信する。
【0117】
次に、IBアプリサーバ40は、見守り対象者U1の明細データを、見守り人スマートフォン52-2に送信する(ステップS415)。IBアプリサーバ40のIBサービス処理部43は、NW通信部41を介して、見守り対象者U1の明細データを、ネットバンキングサーバ10から受信し、受信した見守り対象者U1の明細データをIBアプリ用に変換して、見守り人スマートフォン52-2に送信する。
【0118】
次に、見守り人スマートフォン52-2は、明細データを表示する(ステップS416)。見守り人スマートフォン52-2は、受信した明細データを、インストールされているIBアプリを用いて表示する。
【0119】
以上説明したように、本実施形態による見守りシステム1は、通知条件記憶部122と、通知処理部133とを備える。通知条件記憶部122は、見守り対象者U1の口座を識別する対象口座識別情報(例えば、見守り対象者U1の口座番号)と、見守り対象者U1を見守る見守り人U2を識別する見守り人識別情報(例えば、見守り人U2の口座番号)と、通知条件とを対応付けて記憶する。ここで、通知条件は、見守り対象者U1の口座の取引を通知する通知条件であって、見守り対象者U1によって設定された条件である。通知処理部133は、勘定系システム30から取得した見守り対象者U1の口座の入出金データが、通知条件記憶部122が記憶する対象口座識別情報に対応する通知条件を満たす場合に、対象口座識別情報に対応する見守り人識別情報が示す見守り人U2に通知する。
【0120】
これにより、本実施形態による見守りシステム1は、見守り対象者U1によって設定された通知条件を満たす見守り対象者U1の入出金データがある場合に、見守り人U2に通知するため、見守り対象者U1の本人意思を尊重しながら、見守り対象者U1のプライバシーを保護しつつ、見守り対象者U1の取引情報(例えば、入出金データ)を適切に通知することができる。
【0121】
また、本実施形態による見守りシステム1は、見守り人識別情報(例えば、見守り人U2の口座番号)と、見守り人U2の通知先情報(例えば、電子メールアドレスやデバイストークンなど)とを対応付けて記憶する通知先情報記憶部123(又は、利用者情報記憶部42)を備える。通知処理部133は、見守り対象者U1の口座の入出金データが、通知条件を満たす場合に、通知先情報記憶部123(又は、利用者情報記憶部42)が記憶する、見守り人識別情報に対応する見守り人U2の通知先情報に基づいて、見守り対象者U1の口座の入出金データにおいて、通知条件を満たす取引があったことを示す見守り通知を、見守り人U2に送信する。
【0122】
これにより、本実施形態による見守りシステム1は、見守り人U2に、見守り対象者U1の見守り通知を適切に送信することができる。
【0123】
また、本実施形態では、通知先情報には、電子メールアドレスが含まれる。通知処理部133は、見守り人U2の電子メールアドレス宛に、見守り通知を電子メールにて送信する。
これにより、本実施形態による見守りシステム1は、電子メールにより、見守り対象者U1の見守り通知を適切に送信することができ、見守り対象者U1は、電子メールにより、見守り人U2の見守り対象者U1の取引情報を知ることができる。
【0124】
また、本実施形態では、通知先情報には、プッシュ通知の通知先情報(例えば、デバイストークンなど)が含まれる。通知処理部133は、プッシュ通知の通知先情報に基づいて、見守り人U2が利用者登録しているインターネットバンキングのアプリケーションに、見守り通知をプッシュ通知により送信する。
これにより、本実施形態による見守りシステム1は、プッシュ通知により、見守り対象者U1の見守り通知を適切に送信することができ、見守り対象者U1は、電子メールにより、見守り人U2の見守り対象者U1の取引情報を知ることができる。
【0125】
また、本実施形態では、見守り人識別情報は、見守り人U2の口座を識別する見守り人口座識別情報(例えば、見守り人U2の口座番号)である。
これにより、本実施形態による見守りシステム1は、見守り人口座識別情報(例えば、見守り人U2の口座番号)を用いることで、既存のインターネットバンキングのサービスを流用することができ、開発工数及び開発コストを低減することができる。
【0126】
また、本実施形態による見守りシステム1は、口座情報記憶部32(利用情報記憶部)と、ネットバンキング処理部131とを備える。口座情報記憶部32は、利用者の口座を識別する利用者口座識別情報(例えば、利用者の口座番号)と、インターネットバンキングを利用する契約をしたか否かを示す利用契約情報(例えば、IB契約情報)とを対応付けて記憶する。ネットバンキング処理部131は、インターネットバンキングによる取引サービスを提供する。勘定系システム30は、口座情報記憶部32が記憶する利用者口座識別情報に対応付けられた利用契約情報がインターネットバンキングを利用する契約をしたことを示す情報である場合に、利用者口座識別情報(例えば、利用者の口座番号)が示す利用者の口座の入出金データを送信する。通知処理部133は、勘定系システム30が出力した利用者の口座の入出金データのうち、利用者口座識別情報が、通知条件記憶部122が記憶する対象口座識別情報と一致する場合に、見守り対象者U1の口座の入出金データと判定する。
【0127】
これにより、本実施形態による見守りシステム1は、利用契約情報(例えば、IB契約情報)により、既存のインターネットバンキングにおける入出金データの配信の仕組みを流用することができ、開発工数及び開発コストを低減することができる。
【0128】
また、本実施形態では、口座情報記憶部32(利用情報記憶部)は、利用者口座識別情報と、利用契約情報(例えば、IB契約情報)と、インターネットバンキングによる取引サービスの利用を停止するか否かを示す利用停止情報(例えば、IB利用停止情報)とを対応付けて記憶する。ネットバンキング処理部は、口座情報記憶部32が記憶する利用者口座識別情報に対応付けられた利用停止情報がインターネットバンキングによる取引サービスの利用を停止することを示す場合に、当該利用者口座識別情報が示す利用者の口座に対するインターネットバンキングによる取引サービスの提供を停止する。
【0129】
これにより、本実施形態による見守りシステム1は、インターネットバンキングの仕組みを流用しつつ、インターネットバンキングのサービスの利用を選択的に停止することができる。そのため、本実施形態による見守りシステム1は、例えば、見守り対象者U1が高齢者であるなど、インターネットバンキングのサービスを利用しない場合に、インターネットバンキングが悪用させることを防止することができる。よって、本実施形態による見守りシステム1は、開発工数及び開発コストを低減しつつ、見守り対象者U1の安全を確保することができる。
【0130】
また、本実施形態による見守りシステム1は、見守り対象者U1からの要求に応じて、対象口座識別情報と、見守り人識別情報と、通知条件とを対応付けて、通知条件記憶部122に記憶させる登録処理部132を備える。
これにより、本実施形態による見守りシステム1は、例えば、インターネットバンキングのサービスやIBアプリにより、見守りサービスへの登録を容易に行うことができ、利便性を向上させることができる。
【0131】
また、本実施形態によるネットバンキングサーバ10(サーバ装置)は、通知条件記憶部122と、通知処理部133とを備える。通知条件記憶部122は、見守り対象者U1の口座を識別する対象口座識別情報(例えば、見守り対象者U1の口座番号)と、見守り対象者U1を見守る見守り人U2を識別する見守り人識別情報(例えば、見守り人U2の口座番号)と、通知条件とを対応付けて記憶する。ここで、通知条件は、見守り対象者U1の口座の取引を通知する通知条件であって、見守り対象者U1によって設定された条件である。通知処理部133は、勘定系システム30から取得した見守り対象者U1の口座の入出金データが、通知条件記憶部122が記憶する対象口座識別情報に対応する通知条件を満たす場合に、対象口座識別情報に対応する見守り人識別情報が示す見守り人U2に通知する。
【0132】
これにより、本実施形態によるネットバンキングサーバ10は、上述した見守りシステム1と同様の効果を奏し、見守り対象者U1の本人意思を尊重しながら、見守り対象者U1のプライバシーを保護しつつ、見守り対象者U1の取引情報(例えば、入出金データ)を適切に通知することができる。
【0133】
また、本実施形態による見守り方法は、登録ステップと、通知処理ステップとを含む。登録ステップにおいて、登録処理部132が、見守り対象者U1の口座を識別する対象口座識別情報と、見守り対象者U1を見守る見守り人U2を識別する見守り人識別情報と、見守り対象者U1の口座の取引を通知する通知条件であって、見守り対象者U1によって設定された通知条件とを対応付けて、通知条件記憶部122に記憶させる。通知処理ステップにおいて、通知処理部133が、勘定系システム30から取得した見守り対象者U1の口座の入出金データが、通知条件記憶部122が記憶する対象口座識別情報に対応する通知条件を満たす場合に、対象口座識別情報に対応する見守り人識別情報が示す見守り人U2に通知する。
【0134】
これにより、本実施形態による見守り方法は、上述した見守りシステム1及びネットバンキングサーバ10と同様の効果を奏し、見守り対象者U1の本人意思を尊重しながら、見守り対象者U1のプライバシーを保護しつつ、見守り対象者U1の取引情報(例えば、入出金データ)を適切に通知することができる。
【0135】
[第2の実施形態]
次に、図面を参照して、第2の実施形態による見守りシステム1aについて説明する。
図17は、第2の実施形態による見守りシステム1aの一例を示すブロック図である。
【0136】
図17に示すように、見守りシステム1aは、ネットバンキングサーバ10aと、IB店舗端末装置21と、勘定系端末装置22と、ATM23と、勘定系システム30aと、IBアプリサーバ40と、利用者PC51と、利用者スマートフォン52とを備える。なお、ネットバンキングサーバ10aと、IB店舗端末装置21と、勘定系端末装置22と、ATM23と、勘定系システム30aと、IBアプリサーバ40と、利用者PC(利用者パーソナルコンピュータ)51と、利用者スマートフォン52とは、ネットワークNW1を介して接続可能である。
【0137】
また、この図において、上述した図1に示す構成と同一の構成には、同一の符号を付与して、ここではその説明を省略する。
なお、本実施形態では、見守り対象者U1の取引を行う前に、見守り人U2に取引を承認する承認依頼の通知を行う変形例について説明する。
【0138】
勘定系システム30aは、銀行などの金融機関における基幹システムであり、主に、入出金や資金の決済、口座の管理などを行なうシステムである。勘定系システム30aは、例えば、NW通信部31と、口座情報記憶部32と、取引履歴記憶部33と、取引処理部34aと、入出金データ配信部35とを備える。
【0139】
取引処理部34aは、銀行店舗STの窓口やATM23からの各種取引の処理を実行する際に、インターネットバンキングの契約をしている口座の取引の場合(口座情報記憶部32の「IB契約情報」が“1”である口座の取引の場合)に、取引承認依頼をネットバンキングサーバ10aに送信する。取引処理部34aは、ネットバンキングサーバ10aから承認通知を受信した場合に、各種取引の処理を実行する。また、取引処理部34aは、ネットバンキングサーバ10aから拒否通知を受信した場合に、各種取引の処理を実行しない制御を行う。
なお、取引処理部34aの入出金の取引履歴を取引履歴記憶部33に記憶させる処理は、第1の実施形態の取引処理部34と同様である。
【0140】
ネットバンキングサーバ10a(サーバ装置の一例)は、インターネットバンキングのサービスを提供するサーバ装置であり、例えば、インターネットバンキングのWebにより各種取引を実行可能である。ネットバンキングサーバ10aは、例えば、NW通信部11と、サーバ記憶部12aと、サーバ制御部13aとを備える。
【0141】
サーバ記憶部12aは、ネットバンキングサーバ10aが利用する各種情報を記憶する。サーバ記憶部12aは、例えば、利用者情報記憶部121と、通知条件記憶部122aと、通知先情報記憶部123と、入出金データ記憶部124aとを備える。
【0142】
通知条件記憶部122aは、対象口座識別情報と、見守り人識別情報と、通知条件と、通知の種別を示す通知情報とを対応付けて記憶する。ここで、図18を参照して、本実施形態における通知条件記憶部122aのデータ例について説明する。
【0143】
図18は、本実施形態における通知条件記憶部122aのデータ例を示す図である。
図18に示すように、通知条件記憶部122aは、「見守り対象者の口座番号」と、「見守り人の口座番号」と、「通知条件」と、「通知情報」とを対応付けて記憶する。ここで、「通知情報」は、例えば、“承認依頼”や“見守り通知”など通知の種別を示す情報である。
【0144】
例えば、図18に示す例では、「見守り対象者の口座番号」の“XXXX-201-1234567”に対して、「見守り人の口座番号」の“XXXX-202-78901234”が対応付けられていることを示している。すなわち、“XXXX-201-1234567”の口座を持つ見守り対象者U1の見守り人U2が、“XXXX-202-78901234”の口座を持つ利用者であることを示している。
【0145】
また、「通知条件」が、“10万円以上の出金取引”である場合に、「通知情報」が“承認依頼”であることを示している。この場合、見守り人U2に、取引の承認依頼通知を送信する必要があることを示している。
また、「通知条件」が、“10万円未満の出金取引”である場合に、「通知情報」が“見守り通知”であることを示している。この場合、見守り人U2に、見守り通知を送信することを示している。
このように、通知条件には、見守り対象者U1の口座の取引に承認が必要である条件が含まれる。
【0146】
図17の説明に戻り、サーバ制御部13aは、例えば、CPUなどを含むプロセッサであり、ネットバンキングサーバ10aを統括的に制御する。サーバ制御部13aは、例えば、ネットバンキング処理部131aと、登録処理部132と、通知処理部133aと、明細照会処理部134aとを備える。
【0147】
通知処理部133aは、見守り対象者U1の口座の取引を行う際に、通知条件記憶部122aが記憶する対象口座識別情報に対応付けられた見守り対象者U1の口座の取引に承認が必要である条件を満たす場合に、見守り対象者U1の口座の取引を行う前に、見守り対象者U1の口座の取引の承認を依頼する承認通知を見守り人U2に送信する。通知処理部133aは、勘定系システム30aからの取引承認依頼に応じて、通知条件記憶部122aを参照し、「通知情報」が“承認依頼”である通知条件を満たす場合に、承認通知を見守り人U2に送信する。なお、通知処理部133aは、見守り人U2への承認通知の送信を、見守り通知と同様に、電子メール及びプッシュ通知により実行する。
【0148】
また、通知処理部133aは、見守り人U2からの見守り対象者U1の口座の取引の承認を受信した場合に、勘定系システム30aに、見守り対象者U1の口座の取引を完了させる。すなわち、通知処理部133aは、承認通知を勘定系システム30aに送信する。
また、通知処理部133aは、見守り人U2からの見守り対象者U1の口座の取引の拒否を受信した場合に、勘定系システム30aに、拒否通知を勘定系システム30aに送信する。
【0149】
なお、通知処理部133aは、「通知情報」が“承認依頼”である通知条件を満たす場合以外では、承認通知を見守り人U2に送信せずに、承認通知を勘定系システム30aに送信する。
【0150】
明細照会処理部134aは、上述した第1の実施形態の明細照会処理部134と同様の処理を実行するとともに、見守り人U2により、明細照会データにメモ情報を付加する付加処理を実行する。明細照会処理部134aは、例えば、図19(a)に示すように、明細照会画面(画面G5)の各入出金データの項目に、メモ情報を付加できるようにする。
なお、図19に示す例は、見守り人スマートフォン52-2に、明細照会を表示させる場合の一例である。
【0151】
また、明細照会処理部134aは、例えば、図19(b)に示すような、メモ情報の付加画面(画面G6)を表示させて、メモ情報の入力を受け付ける。明細照会処理部134aは、受け付けたメモ情報を、入出金データ記憶部124aに、対応する入出金データに対応付けて記憶させる。
【0152】
また、本実施形態によるネットバンキング処理部131aは、見守り対象者U1が、自身の明細照会を行う際に、例えば、図20に示すように、各入出金データの状態(例えば、見守り人U2による既読、未読、又は注意など)を表示させるとともに、見守り人U2が付加してメモ情報を見守り対象者U1が参照できるようにする。
【0153】
図20は、本実施形態における見守り対象者U1による利用者スマートフォン52の明細照会画面の一例を示す図である。
ネットバンキング処理部131aは、図20の画面G7に示すような明細照会画面を表示し、例えば、メモ情報のマークM1を選択することで、上述した図19(b)に示すようなメモ情報の内容を表示する。このように、メモ情報を見守り対象者U1と見守り人U2との間で共有することで、本実施形態による見守りシステム1aは、見守りサービスにおいて、見守り人U2によるスムーズなアクション(対応)に繋げることができる。
【0154】
次に、図21を参照して、本実施形態による見守りシステム1aの取引承認処理について説明する。
図21は、本実施形態による見守りシステム1aの取引承認処理の一例を示す図である。なお、ここでは、振込の取引のように、現金の出金や入金を伴わない取引を行う場合の例について説明する。
【0155】
図21に示すように、見守り対象者U1によって、ATM23が操作されると、ATM23は、操作に応じた入出金取引処理を実行する(ステップS501)。ここでは、ATM23は、振込の取引を受け付けるものとする。
【0156】
次に、ATM23は、入出金取引情報を勘定系システム30aに送信する(ステップS502)。ATM23は、ネットワークNW1を介して、見守り対象者U1の口座番号を含む入出金取引情報を勘定系システム30aに送信する。
【0157】
次に、勘定系システム30aは、入出金取引を実行する前に、取引承認依頼を、ネットバンキングサーバ10aに送信する(ステップS503)。勘定系システム30aの取引処理部34aは、インターネットバンキングの契約をしている口座の取引の場合(口座情報記憶部32の「IB契約情報」が“1”である口座の取引の場合)に、取引承認依頼をネットバンキングサーバ10aに送信する。
【0158】
次に、ネットバンキングサーバ10aは、承認依頼が必要か否かを判定する(ステップS504)。ネットバンキングサーバ10aの通知処理部133aは、勘定系システム30aからの取引承認依頼に応じて、通知条件記憶部122aを参照し、「通知情報」が“承認依頼”である通知条件を満たか否かにより、承認依頼が必要か否かを判定する。通知処理部133aは、承認依頼が必要である場合(ステップS504:YES)に、処理をステップS505に進める。また、通知処理部133aは、承認依頼が必要でない場合(ステップS504:NO)に、処理をステップS509に進め、承認通知を勘定系システム30aに送信する。
【0159】
ステップS505において、ネットバンキングサーバ10aの通知処理部133aは、承認依頼通知を、見守り人PC51-2に送信する。通知処理部133aは、見守り対象者U1の口座番号に対応する見守り人U2の通知先(電子メールアドレス)を、通知先情報記憶部123から取得する。通知処理部133aは、取得した電子メールアドレス宛に、電子メールにより承認依頼通知を送信する。
【0160】
また、通知処理部133aは、承認依頼通知を、プッシュ通知により送信するプッシュ通知依頼を、IBアプリサーバ40に送信する(ステップS506)。通知処理部133aは、例えば、見守り人U2の口座番号と、承認依頼通知の内容とを含むプッシュ通知依頼を、NW通信部11を介して、IBアプリサーバ40に送信する。
次に、IBアプリサーバ40は、見守り通知をプッシュ通知により、見守り人スマートフォン52-2に送信する(ステップS507)。
【0161】
次に、見守り人PC51-2が、承認通知(拒否通知)を、ネットバンキングサーバ10aに送信する(ステップS508)。なお、見守り人スマートフォン52-2が、承認(拒否)通知を、ネットバンキングサーバ10aに送信してもよい。
【0162】
次に、ネットバンキングサーバ10aの通知処理部133aは、承認通知(拒否通知)を勘定系システム30aに送信する(ステップS509)。
勘定系システム30aの取引処理部34aは、取引承認であるか否かを判定する(ステップS510)。取引処理部34aは、ネットバンキングサーバ10aから承認通知を受信したか否かによって、取引承認であるか否かを判定する。取引処理部34aは、承認通知を受信した場合(ステップS510:YES)に、処理をステップS511に進める。また、取引処理部34aは、拒否通知を受信した場合(ステップS510:NO)に、処理を取引処理を実行しない。
ステップS511において、勘定系システム30aは、入出金処理を実行する。
【0163】
なお、銀行店舗STの窓口で取引処理が実行される場合には、勘定系システム30aから取引承認の結果を、例えば、勘定系端末装置22などに送信して、取引承認の結果に応じて、取引処理が実行されるようにしてもよい。
また、本実施形態による見守りシステム1aのその他の処理は、上述した第1の実施形態と同様であるため、ここではその説明を省略する。
【0164】
以上説明したように、本実施形態による見守りシステム1aは、上述した通知条件記憶部122aと、通知処理部133aとを備える。これにより、本実施形態による見守りシステム1aは、第1の実施形態と同様に、見守り対象者U1の本人意思を尊重しながら、見守り対象者U1のプライバシーを保護しつつ、見守り対象者U1の取引情報(例えば、入出金データ)を適切に通知することができる。
【0165】
また、本実施形態では、通知条件には、見守り対象者U1の口座の取引に承認が必要である条件が含まれる。通知処理部133aは、見守り対象者U1の口座の取引を行う際に、通知条件記憶部122aが記憶する対象口座識別情報に対応付けられた見守り対象者U1の口座の取引に承認が必要である条件を満たす場合に、見守り対象者U1の口座の取引を行う前に、見守り対象者U1の口座の取引の承認を依頼する承認通知を見守り人U2に送信する。また、通知処理部133aは、見守り人U2からの見守り対象者U1の口座の取引の承認を受信した場合に、勘定系システム30aに、見守り対象者U1の口座の取引を完了させる。
【0166】
これにより、本実施形態による見守りシステム1aは、条件に応じて、見守り対象者U1の口座の取引処理において、見守り人U2の承認が必要になるため、例えば、見守り対象者U1が特殊詐欺などの被害にあうことを、事前に防止することができる。
【0167】
[第3の実施形態]
次に、図面を参照して、第3の実施形態による見守りシステム1bについて説明する。
本実施形態では、上述したネットバンキングサーバ10の構成が、IBアプリサーバ40aに含まれ、ネットバンキングサーバ10の各種処理をIBアプリサーバ40aにより実行する変形例について説明する。
【0168】
図22は、第3の実施形態による見守りシステム1bの一例を示すブロック図である。
図22に示すように、見守りシステム1bは、勘定系端末装置22と、ATM23と、IBアプリ店舗端末装置24と、勘定系システム30と、IBアプリサーバ40aと、利用者PC51と、利用者スマートフォン52とを備える。
【0169】
なお、勘定系端末装置22と、ATM23と、IBアプリ店舗端末装置24と、勘定系システム30と、IBアプリサーバ40aと、利用者PC51と、利用者スマートフォン52とは、ネットワークNW1を介して接続可能である。
また、この図において、上述した図1に示す構成と同一の構成には、同一の符号を付与して、ここではその説明を省略する。
【0170】
IBアプリ店舗端末装置24は、例えば、銀行店舗STの行員によって操作される端末装置であり、インターネットバンキングのサービスに関する各種設定及び操作を行うための端末装置である。IBアプリ店舗端末装置24は、例えば、銀行店舗STの窓口において、見守りシステム1bへの登録処理を場合に、登録情報を入力情報として受け付け、ネットワークNW1を介して、IBアプリサーバ40aに送信する。
【0171】
IBアプリサーバ40aは、利用者スマートフォン52のIBアプリを使用したインターネットバンキングのサービスを提供するサーバ装置である。IBアプリサーバ40aは、上述したネットバンキングサーバ10の機能を含んでおり、例えば、NW通信部41と、サーバ記憶部12bと、サーバ制御部13bとを備える。
【0172】
サーバ記憶部12bは、IBアプリサーバ40aが利用する各種情報を記憶する。サーバ記憶部12bは、例えば、利用者情報記憶部121aと、通知条件記憶部122と、通知先情報記憶部123と、入出金データ記憶部124とを備える。
【0173】
利用者情報記憶部121aは、第1の実施形態の利用者情報記憶部121と利用者情報記憶部42とを統合した記憶部である。利用者情報記憶部121aは、例えば、図4及び図5に示す情報を記憶するものとする。
【0174】
サーバ制御部13bは、例えば、CPUなどを含むプロセッサであり、IBアプリサーバ40aを統括的に制御する。サーバ制御部13bは、例えば、ネットバンキング処理部131bと、登録処理部132と、通知処理部133bと、明細照会処理部134とを備える。
【0175】
ネットバンキング処理部131bは、第1の実施形態のネットバンキング処理部131の機能とIBサービス処理部43の機能とを統合したものである。
通知処理部133bの基本的な機能は、第1の実施形態の通知処理部133と同様であるが、通知処理部133bは、さらにプッシュ通知処理部44の機能を備え、見守り通知をプッシュ通知により、見守り人スマートフォン52-2に送信可能である。
【0176】
次に、図面を参照して、本実施形態による見守りシステム1bの動作について説明する。
図23は、本実施形態による見守りシステム1bの登録処理の一例を示す図である。ここでは、銀行店舗STの窓口から、見守り対象者U1が見守りシステム1bが提供する見守りサービスの利用を登録する登録処理について説明する。
【0177】
図23において、IBアプリ店舗端末装置24は、登録情報を受け付ける(ステップS601)。
次に、IBアプリ店舗端末装置24は、登録依頼をIBアプリサーバ40aに送信する(ステップS602)。IBアプリ店舗端末装置24は、上述した登録情報を含む登録依頼を、ネットワークNW1を介して、IBアプリサーバ40aに送信する。
【0178】
なお、本実施形態では、IB店舗端末装置21がIBアプリ店舗端末装置24に置き換わっている点、及び、ネットバンキングサーバ10が、IBアプリサーバ40aに置き換わっている点を除いて、上述した図9に示す第1の実施形態と同様である。
続く、ステップS603からステップS608の処理も、上述した図9に示すステップS103からステップS108の処理と同様であるため、ここではその説明を省略する。
【0179】
次に、図24を参照して、本実施形態によるインターネットバンキングからの登録処理について説明する。
図24は、本実施形態による見守りシステム1bの登録処理の別の一例を示す図である。ここでは、見守り対象者U1自身が、インターネットバンキングから、見守りシステム1bが提供する見守りサービスの利用を登録する登録処理について説明する。
【0180】
なお、本実施形態では、ネットバンキングサーバ10が、IBアプリサーバ40aに置き換わっている点を除いて、上述した図11に示す第1の実施形態と同様である。すなわち、図24に示すステップS611からステップS614までの処理は、上述した図11に示すステップS201からステップS204までの処理と同様であるため、ここではその説明を省略する。
【0181】
次に、図25を参照して、本実施形態による見守りシステム1bの通知処理について説明する。
図25は、本実施形態による見守りシステム1bの通知処理の一例を示す図である。ここでは、見守り対象者U1が、ATM23を用いて、入出金取引を行った場合の通知処理の一例について説明する。
【0182】
図25において、ステップS621からステップS625までの処理は、上述した図11に示すステップS301からステップS305までの処理と同様であるため、ここではその説明を省略する。
【0183】
次に、勘定系システム30は、抽出した入出金データを、IBアプリサーバ40aに送信する(ステップS626)。入出金データ配信部35は、NW通信部31を介して、抽出した入出金データを、ネットバンキングサーバ10の代わりに、IBアプリサーバ40aに送信する。なお、ここで、送信する入出金データには、見守り対象者U1を含むインターネットバンキングの契約者の口座に対応する入出金データである。
【0184】
次に、IBアプリサーバ40aは、入出金データを入出金データ記憶部124に記憶させる(ステップS627)。例えば、IBアプリサーバ40aの通知処理部133bは、NW通信部41を介して、勘定系システム30から受信した入出金データを、入出金データ記憶部124に記憶させる。
【0185】
次に、IBアプリサーバ40aの通知処理部133bは、通知データを抽出する(ステップS628)。通知処理部133bは、勘定系システム30から受信した入出金データのうち、通知条件記憶部122が記憶する見守り対象者U1の口座番号及び通知条件に一致する入出金データを抽出する。
【0186】
次に、IBアプリサーバ40aの通知処理部133bは、見守り通知を、プッシュ通知により見守り通知を、見守り人スマートフォン52-2に送信する(ステップS629)。通知処理部133bは、例えば、見守り人U2の口座番号に対応するデバイストークンを、利用者情報記憶部121aから取得する。通知処理部133bは、取得したデバイストークンに基づいて、見守り通知を、プッシュ通知により送信する処理を実行する。
【0187】
次に、図26を参照して、本実施形態による見守りシステム1bの明細照会処理について説明する。
図26は、本実施形態による見守りシステム1bの明細照会処理の一例を示す図である。
【0188】
図26に示すように、まず、見守り人スマートフォン52-2は、見守り人U2のIBアプリの画面の操作に応じて、見守り対象者U1の明細照会要求をIBアプリサーバ40aに送信する(ステップS631)。
【0189】
次に、IBアプリサーバ40aは、見守り対象者の明細データを抽出する(ステップS632)。IBアプリサーバ40aの明細照会処理部134は、NW通信部41を介して、明細照会要求を受信すると、明細照会要求に含まれる見守り人U2の口座番号に対応する見守り対象者U1の口座番号及び通知条件を、通知条件記憶部122から取得する。明細照会処理部134は、入出金データ記憶部124が記憶する入出金データのうちから、見守り対象者U1の口座番号及び通知条件を満たす入出金データを、見守り対象者U1の明細データとして抽出する。
【0190】
次に、明細照会処理部134は、抽出した見守り対象者U1の明細データを、見守り人スマートフォン52-2に送信する(ステップS633)。明細照会処理部134は、抽出した見守り対象者U1の明細データをIBアプリ用に変換して、NW通信部41を介して、見守り人スマートフォン52-2に送信する。
【0191】
次に、見守り人スマートフォン52-2は、明細データを表示する(ステップS634)。見守り人スマートフォン52-2は、受信した明細データを、インストールされているIBアプリを用いて表示する。
【0192】
以上説明したように、本実施形態による見守りシステム1bでは、IBアプリサーバ40aが、第1の実施形態におけるネットバンキングサーバ10の機能を含む。
これにより、本実施形態による見守りシステム1bは、第1の実施形態と同様の効果を奏し、見守り対象者U1の本人意思を尊重しながら、見守り対象者U1のプライバシーを保護しつつ、見守り対象者U1の取引情報(例えば、入出金データ)を適切に通知することができる。
【0193】
[第4の実施形態]
次に、図面を参照して、第4の実施形態による見守りシステム1cについて説明する。
本実施形態では、上述した第3の実施形態の構成に、さらにAPI(Application Programming Interface)管理基盤システム60を追加した変形例について説明する。
【0194】
図27は、第4の実施形態による見守りシステム1cの一例を示すブロック図である。
図27に示すように、見守りシステム1cは、勘定系端末装置22と、ATM23と、IBアプリ店舗端末装置24と、勘定系システム30bと、IBアプリサーバ40bと、利用者PC51と、利用者スマートフォン52と、API管理基盤システム60とを備える。
【0195】
なお、勘定系端末装置22と、ATM23と、IBアプリ店舗端末装置24と、勘定系システム30bと、IBアプリサーバ40bと、利用者PC51と、利用者スマートフォン52と、API管理基盤システム60とは、ネットワークNW1を介して接続可能である。
また、この図において、上述した図1又は図22に示す構成と同一の構成には、同一の符号を付与して、ここではその説明を省略する。
【0196】
勘定系システム30bは、銀行などの金融機関における基幹システムであり、主に、入出金や資金の決済、口座の管理などを行なうシステムである。勘定系システム30bの基本的な機能は、第1の実施形態の勘定系システム30と同様であるが、API管理基盤システム60との認証処理に対応している点、及び、IBアプリサーバ40bからの要求に応じて、入出金データを配信する点が勘定系システム30と異なる。
【0197】
勘定系システム30bは、見守りシステム1cの登録処理の際に、API管理基盤システム60を介して見守り対象者U1が入力した認証情報と、勘定系システム30bが保有する情報との整合性をチェック(検査)する。
勘定系システム30bは、例えば、NW通信部31と、口座情報記憶部32と、取引履歴記憶部33と、取引処理部34と、入出金データ配信部35aとを備える。
【0198】
入出金データ配信部35aは、NW通信部31を介して、API管理基盤システム60から入出金データの配信要求に応じて、取引履歴記憶部33が記憶する取引履歴から利用者の入出金データを抽出して、API管理基盤システム60に配信する。
【0199】
API管理基盤システム60は、勘定系システム30bによる認証処理を実行し、認証結果が問題ない場合に、トークンを発行して、IBアプリサーバ40bを認可する認可処理と、発行したトークンによる認証処理とを実行する。API管理基盤システム60は、NW通信部61と、認可管理部62と、認証管理部63とを備える。
【0200】
NW通信部61は、ネットワークNW1に接続し、ネットワークNW1を介して各種通信を行う。NW通信部61は、例えば、ネットワークNW1を介して、主に、勘定系システム30bと、IBアプリサーバ40bと、利用者スマートフォン52とに接続し、各種通信を行う。
【0201】
認可管理部62は、IBアプリサーバ40bからの登録依頼の転送(リダイレクト)を受信した場合に、登録依頼の送信元である見守り対象者端末50-1(例えば、見守り対象者スマートフォン52-1)に、認証情報要求を送信する。また、認可管理部62は、見守り対象者端末50-1(例えば、見守り対象者スマートフォン52-1)から認証情報を含む認証情報連携を受信した場合に、当該認証情報連携を勘定系システム30bに転送する。なお、認証情報は、例えば、インターネットバンキングのログイン情報(ユーザID及びパスワード)や、口座番号及び暗証番号、口座番号及び生年月日などである。
【0202】
また、認可管理部62は、勘定系システム30bから認証結果を受信し、認証結果が問題ない場合に、トークンを発行する。ここで、トークンは、ランダムな英数字の文字列であり、トークンには、アクセストークンと、リフレッシュトークンとが含まれる。認可管理部62は、発行したトークン(アクセストークン及びリフレッシュトークン)を含む認可通知をIBアプリサーバ40bに送信する。
【0203】
認証管理部63は、IBアプリサーバ40bから入出金データ配信要求及びアクセストークンを受信した場合に、アクセストークンによる認証処理(アクセストークンによる整合性確認)を実行し、認証結果が問題ない場合に、入出金データ配信要求を勘定系システム30bに転送する。
また、認証管理部63は、勘定系システム30bから入出金データを受信した場合に、受信した入出金データをIBアプリサーバ40bに転送する。
【0204】
IBアプリサーバ40bは、利用者スマートフォン52のIBアプリを使用したインターネットバンキングのサービスを提供するサーバ装置である。IBアプリサーバ40bは、API管理基盤システム60を利用する点において、上述したIBアプリサーバ40aの一部の処理が異なる。IBアプリサーバ40bは、例えば、NW通信部41と、サーバ記憶部12bと、サーバ制御部13cとを備える。
【0205】
サーバ制御部13cは、例えば、CPUなどを含むプロセッサであり、IBアプリサーバ40bを統括的に制御する。サーバ制御部13cは、例えば、ネットバンキング処理部131bと、登録処理部132aと、通知処理部133cと、明細照会処理部134aとを備える。
【0206】
登録処理部132aの基本的な機能は、第1の実施形態の登録処理部132と同様であるが、登録処理部132aでは、API管理基盤システム60からトークンを取得する処理が追加されている。登録処理部132aは、受信した登録依頼をAPI管理基盤システム60に転送して、トークン(アクセストークン及びリフレッシュトークン)を受信する処理を実行する。登録処理部132aは、受信したトークン(アクセストークン及びリフレッシュトークン)をサーバ記憶部12bに記憶させる。なお、リフレッシュトークンは、アクセストークンが期限切れになった場合に、アクセストークンを再取得する際に利用される。
【0207】
通知処理部133cの基本的な機能は、第3の実施形態の通知処理部133bと同様であるが、通知処理部133cでは、入出金データを受信する処理が異なる。通知処理部133cは、見守り通知を送信する所定の時刻に定期的(例えば、30分間隔など)に入出金データ配信要求及びアクセストークンを、API管理基盤システム60に送信する。通知処理部133cは、入出金データ配信要求に応じて、勘定系システム30bからAPI管理基盤システム60を介して入出金データを受信する。入出金データを受信した後の見守り通知処理は、通知処理部133bと同様である。
【0208】
明細照会処理部134aの基本的な機能は、第1の実施形態の明細照会処理部134と同様であるが、明細照会処理部134aでは、明細照会要求に応じて、毎回、入出金データの配信を要求する点が異なる。明細照会処理部134aは、明細照会要求に応じて、入出金データ配信要求及びアクセストークンを、API管理基盤システム60に送信し、勘定系システム30bからAPI管理基盤システム60を介して入出金データを受信する。その後の明細照会処理は、明細照会処理部134と同様である。
【0209】
次に、図面を参照して、本実施形態による見守りシステム1cの動作について説明する。
図28は、本実施形態による見守りシステム1cの登録処理の一例を示す図である。ここでは、見守り対象者U1自身が、インターネットバンキングから、見守りシステム1cが提供する見守りサービスの利用を登録する登録処理について説明する。
【0210】
図28において、ステップS701からステップS703までの処理は、上述した図24が示すステップS611からステップS613までの処理と同様であるため、その説明を省略する。
【0211】
ステップS704において、IBアプリサーバ40bの登録処理部132aは、受信した登録依頼をAPI管理基盤システム60に転送する。登録処理部132aは、依頼元の情報を含む登録依頼を、NW通信部41を介して、API管理基盤システム60に送信する。
【0212】
次に、API管理基盤システム60は、受信した登録依頼に応じて、見守り対象者端末50-1に、認証情報要求を送信する(ステップS705)。API管理基盤システム60の認可管理部62は、登録依頼の送信元である見守り対象者端末50-1(例えば、見守り対象者スマートフォン52-1)に、NW通信部61を介して、認証情報要求を送信する。
【0213】
次に、見守り対象者端末50-1(例えば、見守り対象者スマートフォン52-1)は、認証情報要求画面を表示し、認証情報の入力を受け付ける(ステップS706)。ここで、認証情報は、例えば、インターネットバンキングのログイン情報(ユーザID及びパスワード)や、口座番号及び暗証番号、口座番号及び生年月日などである。
【0214】
次に、見守り対象者端末50-1(例えば、見守り対象者スマートフォン52-1)は、受け付けた認証情報を、認証情報連携として、API管理基盤システム60に送信する(ステップS707)。
【0215】
次に、API管理基盤システム60の認可管理部62は、認証情報連携を、勘定系システム30bに転送する(ステップS708)。認可管理部62は、NW通信部61を介して受信した認証情報連携を、NW通信部61を介して、勘定系システム30bに送信する。
【0216】
次に、勘定系システム30bは、認証情報の整合性のチェック(検査)を行う(ステップS709)。勘定系システム30bは、例えば、認証情報と、勘定系システム30bが保有する情報(例えば、口座情報記憶部32の情報)との整合性をチェック(検査)する。
【0217】
次に、勘定系システム30bは、整合性のチェックの結果を、結果連携として、API管理基盤システム60に送信する(ステップS710)。
次に、認可管理部62は、トークンを発行する(ステップS711)。認可管理部62は、勘定系システム30bによる認証情報の整合性のチェックが問題ない場合に、トークン(アクセストークン及びリフレッシュトークン)を発行する。
【0218】
次に、認可管理部62は、認可通知を、IBアプリサーバ40bに送信する(ステップS712)。認可管理部62は、トークン(アクセストークン及びリフレッシュトークン)を含む認可通知を、NW通信部61を介して、IBアプリサーバ40bに送信する。
【0219】
次に、IBアプリサーバ40bの登録処理部132aは、受信したトークン(アクセストークン及びリフレッシュトークン)を保存する(ステップS713)。すなわち、登録処理部132aは、トークン(アクセストークン及びリフレッシュトークン)をサーバ記憶部12bに記憶させる。
【0220】
次に、登録処理部132aは、見守り対象者端末50-1(例えば、見守り対象者スマートフォン52-1)に、登録完了通知を送信する(ステップS714)。
また、登録処理部132aは、見守り人端末50-2に、登録完了通知を送信する(ステップS715)。
これにより、見守り対象者U1が見守りサービスの利用を登録する登録処理が完了する。
【0221】
次に、図29を参照して、本実施形態による見守りシステム1cの通知処理について説明する。
図29は、本実施形態による見守りシステム1cの通知処理の一例を示す図である。ここでは、見守り対象者U1が、ATM23を用いて、入出金取引を行った場合の通知処理の一例について説明する。
【0222】
図29において、ステップS721からステップS723までの処理は、上述した図25に示すステップS621からステップS623までの処理と同様であるため、ここではその説明を省略する。
【0223】
次に、IBアプリサーバ40bの通知処理部133cは、入出金データの取得時刻であるか否かを判定する(ステップS724)。通知処理部133cは、入出金データの取得時刻である場合(ステップS724:YES)に、処理をステップS725に進める。また、通知処理部133cは、入出金データの取得時刻でない場合(ステップS724:NO)に、処理をステップS724に戻す。
【0224】
ステップS725において、通知処理部133cは、入出金データ配信要求をAPI管理基盤システム60に送信する。ここで、通知処理部133cは、入出金データ配信要求とともにアクセストークンを、API管理基盤システム60に送信する。
【0225】
次に、API管理基盤システム60の認証管理部63は、トークンの整合性を確認する(ステップS726)。認証管理部63は、NW通信部61を介して受信したアクセストークンと、IBアプリサーバ40bに発行したアクセストークンとが一致するか否かによって、トークンの整合性を確認する。
【0226】
次に、認証管理部63は、入出金データ配信要求を勘定系システム30bに転送する(ステップS727)。認証管理部63は、トークンの整合性が確認された場合に、NW通信部61を介して、入出金データ配信要求を勘定系システム30bに送信する。
【0227】
次に、勘定系システム30bの入出金データ配信部35aは、入出金データを抽出する(ステップS728)。入出金データ配信部35aは、入出金データ配信要求に応じて、取引履歴記憶部33が記憶する入出金データのうち、口座情報記憶部32のIB契約情報が“1”である口座番号に対応する入出金データを抽出する。
【0228】
次に、入出金データ配信部35aは、抽出した入出金データを、API管理基盤システム60に送信する(ステップS729)。
次に、API管理基盤システム60は、勘定系システム30bから受信した入出金データを、IBアプリサーバ40aに送信する(ステップS730)。
【0229】
次に、IBアプリサーバ40aの通知処理部133cは、新たな入出金データがあるか否かを判定する(ステップS731)。通知処理部133cは、受信した入出金データに新たに追加された(更新された)入出金データがあるか否かを判定する。通知処理部133cは、新たな入出金データがある場合(ステップS731:YES)に、処理をステップS732に進める。また、通知処理部133cは、新たな入出金データがない場合(ステップS731:NO)に、処理をステップS724に戻す。
【0230】
ステップS732からステップS734までの処理は、上述した図25に示すステップS627からステップS628までの処理と同様であるため、ここではその説明を省略する。
【0231】
次に、図30を参照して、本実施形態による見守りシステム1cの明細照会処理について説明する。
図30は、本実施形態による見守りシステム1cの明細照会処理の一例を示す図である。
【0232】
図30に示すように、まず、見守り人スマートフォン52-2は、見守り人U2のIBアプリの画面の操作に応じて、見守り対象者U1の明細照会要求をIBアプリサーバ40bに送信する(ステップS741)。
【0233】
次に、IBアプリサーバ40bの明細照会処理部134aは、入出金データ配信要求をAPI管理基盤システム60に送信する(ステップS742)。ここで、通知処理部133cは、入出金データ配信要求とともにアクセストークンを、API管理基盤システム60に送信する。
【0234】
続く、ステップS743からステップS748までの処理は、上述した図29に示すステップS726からステップS730までの処理と同様であるため、ここではその説明を省略する。なお、IBアプリサーバ40bの明細照会処理部134aは、受信した入出金データを入出金データ記憶部124に記憶させる。
【0235】
また、ステップS749からステップS751までの処理は、上述した図26に示すステップS632からステップS634までの処理と同様であるため、ここではその説明を省略する。
【0236】
以上説明したように、本実施形態による見守りシステム1cでは、上述した第3の実施形態と同様に、IBアプリサーバ40bが、ネットバンキングサーバ10の機能を含み、さらに、トークンによる認証を行うAPI管理基盤システム60を備える。
これにより、本実施形態による見守りシステム1cは、第3の実施形態と同様の効果を奏し、見守り対象者U1の本人意思を尊重しながら、見守り対象者U1のプライバシーを保護しつつ、見守り対象者U1の取引情報(例えば、入出金データ)を適切に通知することができる。また、本実施形態による見守りシステム1cは、トークンによる認証を行うことで、セキュリティを向上させることができる。
【0237】
なお、本発明は、上記の各実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で変更可能である。
例えば、上記の各実施形態において、通知条件が、入出金取引の種類(例えば、入金、出金、振込など)、取引金額情報(例えば、取引金額、所定の期間の取引合計金額など)、を含む例を説明したが、これに限定されるものではない。通知条件は、例えば、取引時刻や、取引場所(銀行店舗やATM番号)などを含めてもよい。
【0238】
また、上記の実施形態において、ネットバンキングサーバ10(10a)は、1台のサーバ装置である例を説明したが、これに限定されるものではなく、複数のサーバ装置により構成されてもよい。すなわち、サーバ記憶部12(12a)及びサーバ制御部13(13a)の一部を、ネットバンキングサーバ10(10a)の外部に備えるようにしてもよい。
【0239】
また、上記の実施形態において、通知条件記憶部122(122a)と、通知先情報記憶部123とを個別の記憶部として構成する例を説明したが、通知条件記憶部122(122a)と、通知先情報記憶部123とを1つの記憶部に構成してもよい。
【0240】
また、上記の各実施形態において、一人の見守り対象者U1に対して、一人の見守り人U2とを対応付ける例を説明したが、これに限定されるものではない。例えば、一人の見守り対象者U1に対して複数の見守り人U2とを対応付けてもよいし、複数の見守り対象者U1に対して一人の見守り人U2とを対応付けてもよい。また、例えば、夫婦間のように、見守り対象者U1と見守り人U2とを相互に設定するようにしてもよい。
【0241】
また、上記の実施形態において、ネットバンキングサーバ10(10a)の利用者情報記憶部121が、勘定系システム30(30a)の口座情報記憶部32と同一の「IB利用停止情報」を記憶する例を説明したが、これに限定されるものではなく、例えば、ネットバンキングサーバ10(10a)は、毎回、勘定系システム30(30a)から「IB利用停止情報」を取得するようにしてもよい。
【0242】
また、上記の各実施形態において、口座番号によって、見守り対象者U1と見守り人U2とを識別する例を説明したが、例えば、氏名、ユーザIDなどの他の識別情報によって、見守り対象者U1と見守り人U2とを識別するようにしてもよい。
また、上記の各実施形態において、通知条件記憶部122(122a)が記憶する「見守り対象者の口座番号」と、「見守り人の口座番号」とは、同一金融機関の口座番号である例を説明したがこれに限定されるものではなく、他の一金融機関の口座番号であってもよい。
【0243】
また、上記の実施形態において、勘定系システム30(30a)から0時と12時との1日2回、入出金データをネットバンキングサーバ10(10a)に配信する例を説明したが、これに限定されるものではなく、例えば、1日1回、又は1日3回以上、入出金データをネットバンキングサーバ10(10a)に配信するようにしてもよい。また、ネットバンキングサーバ10(10a)が、通知処理を行う際に、その都度、勘定系システム30(30a)から入出金データを取得するようにしてもよい。
【0244】
また、上記の第2の実施形態において、明細照会処理部134aが、明細照会データにメモ情報を付加して表示する例を説明したが、これに限定されるものではなく、他の情報を付加して表示するようにしてもよい。明細照会処理部134aは、例えば、図3に示す店番号及びATM番号に基づいて、取引を行った銀行店舗STやATM23の場所情報や取引時刻などを表示するようにしてもよい。この場合、見守りシステム1aは、見守り対象者U1が普段と異なり取引を行っていることが判明しやすくなり、見守り対象者U1の異常を把握し易くなる。
また、上記の第2の実施形態において、付加されたメモ情報を収集分析して、将来の見守りサービスの機能拡張に活用するようにしてもよい。
【0245】
また、上記の第3の実施形態及び第4の実施形態は、第1の実施形態に適用する例を説明したが、第2の実施形態に適用してもよい。
【0246】
なお、上述した見守りシステム1(1a~1c)が備える各構成は、内部に、コンピュータシステムを有している。そして、上述した見守りシステム1(1a~1c)が備える各構成の機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより上述した見守りシステム1(1a~1c)が備える各構成における処理を行ってもよい。ここで、「記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行する」とは、コンピュータシステムにプログラムをインストールすることを含む。ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。
また、「コンピュータシステム」は、インターネットやWAN、LAN、専用回線等の通信回線を含むネットワークを介して接続された複数のコンピュータ装置を含んでもよい。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。このように、プログラムを記憶した記録媒体は、CD-ROM等の非一過性の記録媒体であってもよい。
【0247】
また、記録媒体には、当該プログラムを配信するために配信サーバからアクセス可能な内部又は外部に設けられた記録媒体も含まれる。なお、プログラムを複数に分割し、それぞれ異なるタイミングでダウンロードした後に見守りシステム1(1a~1c)が備える各構成で合体される構成や、分割されたプログラムのそれぞれを配信する配信サーバが異なっていてもよい。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、ネットワークを介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(RAM)のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また、上記プログラムは、上述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。さらに、上述した機能をコンピュータシステムに既に記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
【0248】
また、上述した機能の一部又は全部を、LSI(Large Scale Integration)等の集積回路として実現してもよい。上述した各機能は個別にプロセッサ化してもよいし、一部、又は全部を集積してプロセッサ化してもよい。また、集積回路化の手法はLSIに限らず専用回路、又は汎用プロセッサで実現してもよい。また、半導体技術の進歩によりLSIに代替する集積回路化の技術が出現した場合、当該技術による集積回路を用いてもよい。
【符号の説明】
【0249】
1、1a、1b、1c 見守りシステム
10、10a ネットバンキングサーバ
11、31、41、61 NW通信部
12、12a、12b サーバ記憶部
13、13a、13b、13c サーバ制御部
21 IB店舗端末装置
22 勘定系端末装置
23 ATM
24 IBアプリ店舗端末装置
30、30a、30b 勘定系システム
32 口座情報記憶部
33 取引履歴記憶部
34、34a 取引処理部
35、35a 入出金データ配信部
40、40a、40b IBアプリサーバ
43 IBサービス処理部
44 プッシュ通知処理部
42、121、121a 利用者情報記憶部
50 利用者端末
50-1 見守り対象者端末
50-2 見守り人端末
51 利用者PC
51-1 見守り対象者PC
51-2 見守り人PC
52 利用者スマートフォン
52-1 見守り対象者スマートフォン
52-2 見守り人スマートフォン
60 API管理基盤システム
62 認可管理部
63 認証管理部
122、122a 通知条件記憶部
123 通知先情報記憶部
124、124a 入出金データ記憶部
131、131a、131b ネットバンキング処理部
132、132a 登録処理部
133、133a、133b、133c 通知処理部
134、134a 明細照会処理部
NW1 ネットワーク
U1 見守り対象者
U2 見守り人
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