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特許7521949情報処理装置、プログラム、及び情報処理方法
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  • 特許-情報処理装置、プログラム、及び情報処理方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-16
(45)【発行日】2024-07-24
(54)【発明の名称】情報処理装置、プログラム、及び情報処理方法
(51)【国際特許分類】
   G09B 19/00 20060101AFI20240717BHJP
   G09B 7/02 20060101ALI20240717BHJP
   G06Q 50/20 20120101ALI20240717BHJP
【FI】
G09B19/00 H
G09B7/02
G06Q50/20
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2020107188
(22)【出願日】2020-06-22
(65)【公開番号】P2022001923
(43)【公開日】2022-01-06
【審査請求日】2023-04-07
(73)【特許権者】
【識別番号】709006024
【氏名又は名称】株式会社ベネッセコーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】石田 洋輔
(72)【発明者】
【氏名】永田 祐太郎
(72)【発明者】
【氏名】永見 良介
(72)【発明者】
【氏名】國吉 啓介
(72)【発明者】
【氏名】中島 悠太
【審査官】宇佐田 健二
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-096961(JP,A)
【文献】特開2016-148719(JP,A)
【文献】特開2017-156849(JP,A)
【文献】特開2019-045615(JP,A)
【文献】特開2006-171674(JP,A)
【文献】特開2019-144328(JP,A)
【文献】特開平08-146867(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09B 1/00- 9/56,17/00-19/26
G06Q 50/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
問題と該問題に対応付けられたスキルに関する情報とを記憶する問題データベースと、
学習者の第1学習ログを取得する学習情報管理部と、
取得した前記第1学習ログと前記問題データベースに基づいて、前記学習者が獲得した問題を解くための第1スキルを、前記第1学習ログの更新と連動して動的に評価するスキル評価部と、を備え
前記第1学習ログが、前記学習者が解答した問題の、量に関する情報と、正答又は誤答に関する情報と、を含み、
前記スキル評価部は、少なくとも前記学習者が誤答した問題量に基づき上昇するように前記第1スキルを評価する、
情報処理装置。
【請求項2】
前記学習情報管理部は、前記学習者の目標とする学力レベルに関する情報と、前記学力レベルを目標とする他の学習者の第2学習ログをさらに取得し、
前記スキル評価部は、取得した前記第2学習ログ及び前記問題データベースに基づいて、前記他の学習者が獲得した問題を解くための第2スキルを、前記第2学習ログの更新と連動して動的に評価する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記学習情報管理部は、任意の複数の学習者の第3学習ログをさらに取得し、
前記スキル評価部は、取得した前記第3学習ログ及び前記問題データベースに基づいて、前記複数の学習者が獲得した問題を解くための第3スキルを、前記第3学習ログの更新と連動して動的に評価する、
請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記問題データベースが、前記問題に対応付けられた難易度に関する情報を含む、
請求項1~3のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記スキル評価部は、前記学習者が解答した問題の難易度に関する情報を、前記第3学習ログに基づいて、前記第3学習ログの更新と連動して動的に評価する、
請求項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記学習情報管理部は、前記学習者が選択した上昇させたいスキルに関する情報をさらに取得し、
前記上昇させたいスキルを上昇させる問題を生成する問題生成部をさらに有する、
請求項1~5のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記問題生成部は、問題ごとに前記学習者がその問題を解いた際のスキルの上昇度を算出し、算出した前記上昇度に基づいて前記問題データベースから前記問題を生成する、
請求項6に記載の情報処理装置。
【請求項8】
情報処理装置に、
学習者の第1学習ログを取得するステップと、
取得した前記第1学習ログ、及び問題と該問題に対応付けられたスキルに関する情報とを記憶する問題データベースに基づいて、前記学習者が獲得した問題を解くための第1スキルを、前記第1学習ログの更新と連動して動的に評価するステップと、を実行させ
前記第1学習ログが、前記学習者が解答した問題の、量に関する情報と、正答又は誤答に関する情報と、を含み、
前記評価するステップは、少なくとも前記学習者が誤答した問題量に基づき上昇するように前記第1スキルを評価する、
プログラム。
【請求項9】
情報処理装置が、
学習者の第1学習ログを取得するステップと、
取得した前記第1学習ログ、及び問題と該問題に対応付けられたスキルに関する情報とを記憶する問題データベースに基づいて、前記学習者が獲得した問題を解くための第1スキルを、前記第1学習ログの更新と連動して動的に評価するステップと、を実行し、
前記第1学習ログが、前記学習者が解答した問題の、量に関する情報と、正答又は誤答に関する情報と、を含み、
前記評価するステップは、少なくとも前記学習者が誤答した問題量に基づき上昇するように前記第1スキルを評価する、
情報処理方法。
【請求項10】
情報処理装置に、
請求項1に記載の他の情報処理装置から、学習者が獲得した問題を解くための第1スキルに関する情報と、前記学習者の目標とする学力レベルを目標とする他の学習者が獲得した問題を解くための第2スキルに関する情報、及び/又は、任意の複数の学習者が獲得した問題を解くための第3スキルに関する情報と、を取得するステップと、
取得した、前記第1スキルに関する情報と、前記第2スキルに関する情報、及び/又は、前記第3スキルに関する情報と、を対比可能に表示制御するステップと、を実行させる、
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、プログラム、及び情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
インターネットなどを介して、スマートフォンやタブレットなどの情報端末装置に問題を配信することで、学習者の学習を支援するサービスが普及している。このようなサービスでは、学習者の学習効率をより高めるために、学習者に対して未習項目を最適学習項目として提供することが行われる。
【0003】
例えば、特許文献1では、管理サーバが、学習者が必要とする学習項目を自然言語処理技術を応用し、類似度などを用いて抽出し、抽出した学習項目から学習者が既に学習済である項目を推定、除外することで、未習項目と推定される項目を最適学習項目として自動生成する学習項目提示システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】国際公開2010/119571号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、学習プロセスには、学習者が自身の得意と不得意を認識し、得意とするところを伸ばし、不得意とするところを克服するという過程が欠かせない。このような過程を経るためには、前提として学習者が獲得している問題を解くためのスキルを評価する必要がある。
【0006】
しかしながら、従来は、未習項目の問題を提示することは行われてきたが、学習者の分野横断的な能力であるスキルをリアルタイムで評価するシステムは提供されておらず、学習者毎にそのスキルを延ばすような問題の提示は行われてこなかった。
【0007】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、学習者のスキルをリアルタイムで評価し、それに基づいて学習者の成長に有用な情報を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するため、本発明の実施形態に係る情報処理装置は、問題と該問題に対応付けられたスキルに関する情報とを記憶する問題データベースと、学習者の第1学習ログを取得する学習情報管理部と、取得した第1学習ログと問題データベースに基づいて、学習者が獲得した問題を解くための第1スキルを動的に評価するスキル評価部と、を備える。
【0009】
また、本発明の実施形態に係るプログラムは、情報処理装置に、学習者の第1学習ログを取得するステップと、取得した第1学習ログ、及び問題と該問題に対応付けられたスキルに関する情報とを記憶する問題データベースに基づいて、学習者が獲得した問題を解くための第1スキルを動的に評価するステップと、を実行させる。
【0010】
さらに、本発明の実施形態に係る情報処理方法は、情報処理装置が、学習者の第1学習ログを取得するステップと、取得した第1学習ログ、及び問題と該問題に対応付けられたスキルに関する情報とを記憶する問題データベースに基づいて、学習者が獲得した問題を解くための第1スキルを動的に評価するステップと、を実行する。
【0011】
また、本発明の実施形態に係る他のプログラムは、情報処理装置に、他の情報処理装置から、学習者が獲得した問題を解くための第1スキルに関する情報と、学習者の目標とする学力レベルを目標とする他の学習者が獲得した問題を解くための第2スキルに関する情報、及び/又は、任意の複数の学習者が獲得した問題を解くための第3スキルに関する情報と、を取得するステップと、取得した、第1スキルに関する情報と、第2スキルに関する情報、及び/又は、第3スキルに関する情報と、を対比可能に表示制御するステップと、を実行させる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、学習者のスキルをリアルタイムで評価し、それに基づいて学習者の成長に有用な情報を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本開示のシステムの概要を説明するための図である。
図2】実施形態に係るサーバの構成の一例を示す図である。
図3】実施形態に係るサーバの学習者データベースの一例を示す図である。
図4】実施形態に係るサーバの問題データベースの一例を示す図である。
図5】実施形態に係る学習用端末の構成の一例を示す図である。
図6】実施形態に係る学習用端末の表示装置に表示されるスキルの一例を示す図である。
図7】実施形態に係る処理シーケンスの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、以下の実施の形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明をその実施の形態のみに限定する趣旨ではない。また、本発明は、その要旨を逸脱しない限り、さまざまな変形が可能である。さらに、当業者であれば、以下に述べる各要素を均等なものに置換した実施の形態を採用することが可能であり、かかる実施の形態も本発明の範囲に含まれる。またさらに、必要に応じて示す上下左右等の位置関係は、特に断らない限り、図示の表示に基づくものとする。さらにまた、図面における各種の寸法比率は、その図示の比率に限定されるものではない。また、同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0015】
以下、添付図面を参照しながら本開示の実施形態について詳細に説明する。
【0016】
<システム概要>
図1は、本開示のシステムの概要を説明するための図である。図1に例示されるように、本開示の学習支援システム1では、サーバ100と、学習用端末200とが、ネットワークNを介して相互に通信可能に接続される。本開示の学習支援システム1において、ネットワークNに接続されるサーバ100は複数あってもよく、またサーバ100は外付けのデータベースに通信可能に接続されてもよい。また、学習用端末200は、パーソナルコンピュータ、スマートフォン、タブレット端末などの処理可能な装置であり、そのいずれであってもよい。
【0017】
この学習支援システム1では、例えば、サーバ100は、学習用端末200に対して、問題データベース中の問題に関する情報を送信し、学習者は学習用端末200を操作してその問題に解答する。そして、学習用端末200はその解答情報をサーバ100に送信し、サーバ100は学習者の学習ログを記録する。学習ログを記録したサーバ100は、その学習ログと問題データベースに基づいて、学習者が獲得した問題を解くためのスキルを評価する。
【0018】
サーバ100は、本開示の学習支援システム1において実行される学習支援を管理する情報処理装置である。サーバ100は、ネットワークNを介して、問題とその解答に関する情報を学習用端末200に送受信し、その学習ログに基づいて学習者の獲得した問題を解くためのスキルを評価する。サーバ100は、このようにして評価したスキルに関する情報を学習用端末200に送信してもよい。
【0019】
学習用端末200は、学習者が操作する装置であり、サーバ100から受信した問題をディスプレイに表示し、その問題に対する学習者の解答を受け付け、その解答をサーバ100に送信する。また、学習用端末200は、サーバ100から受信した学習者のスキルに関する情報をディスプレイに表示してもよい。
【0020】
ネットワークNは、複数種の通信回線や通信網及び種々のネットワーク機器を含んで構成され得るものであり、サーバ100及び学習用端末200の間で各種情報の送受信可能に構成されていればよい。例えば、ネットワークNは、サーバ100に無線接続される基地局や、無線LANのアクセスポイント(WiFiルータ等)、基地局に接続された移動体通信網、アクセスポイントからルータやモデムを介して接続された電話回線、ケーブルテレビ回線又は光通信回線などの公衆回線、サーバ100に接続されたインターネット、移動体通信網や、公衆回線とインターネットを接続するゲートウェイ装置などを含む。
【0021】
以下、サーバ100、学習用端末200の構成についてそれぞれ説明する。
【0022】
<サーバ>
図2は、実施形態に係るサーバ100のハードウェア構成と機能構成の一例を示す図である。図2に示すようにサーバ100は、典型的には、1つ又は複数のプロセッサ110、有線又は無線の通信を制御する通信インターフェース120、入出力インターフェース130、メモリ140、ストレージ150及びこれらの構成要素を相互接続するための1つ又は複数の通信バス160を含み、これらの協働により、本開示に記載される処理、機能、または、方法を実現する。
【0023】
プロセッサ110は、メモリ140に記憶されるプログラムに含まれるコード、または、命令によって実現する処理、機能、または、方法を実行する。プロセッサ110は、限定でなく例として、1又は複数の中央処理装置(CPU)、画像処理装置(GPU)を含む。
【0024】
通信インターフェース120は、ネットワークを介して学習用端末200等の他の情報処理装置と各種データの送受信を行う。当該通信は、有線、無線のいずれで実行されてもよく、互いの通信が実行できるのであれば、どのような通信プロトコルを用いてもよい。例えば、通信インターフェース120は、ネットワークアダプタ等のハードウェア、各種の通信用ソフトウェア、又はこれらの組み合わせとして実装される。
【0025】
入出力インターフェース130は、サーバ100に対する各種操作を入力する入力装置、および、サーバ100で処理された処理結果を出力する出力装置を含む。例えば、入出力インターフェース130は、キーボード、マウス、及びタッチパネル等の情報入力装置、及びディスプレイ等の画像出力装置を含む。
【0026】
メモリ140は、ストレージ150からロードしたプログラムを一時的に記憶し、プロセッサ110に対して作業領域を提供する。メモリ140には、プロセッサ110がプログラムを実行している間に生成される各種データも一時的に格納される。メモリ140は、限定でなく例として、ROM、DRAM、SRAM、DDR RAM又は他のランダムアクセス固体記憶装置などの高速ランダムアクセスメモリ等であってよく、これらが組み合わせられてもよい。
【0027】
ストレージ150は、プログラム、各種機能部、及び各種データを記憶する。ストレージ150は、限定でなく例として、磁気ディスク記憶装置、光ディスク記憶装置、フラッシュメモリデバイス、又は他の不揮発性固体記憶装置などの不揮発性メモリ等であってよく、これらが組み合わせられてもよい。ストレージ150の他の例としては、プロセッサ110から遠隔に設置される1つ又は複数の記憶装置を挙げることができる。
【0028】
本発明の一実施形態において、ストレージ150はプログラム、機能部及びデータ構造、又はそれらのサブセットを格納する。サーバ100は、ストレージ150に記憶されているプログラムに含まれる命令をプロセッサ110が実行することによって、図2に示すように、学習情報管理部155、スキル評価部156、及び問題生成部157として機能するように構成されている。
【0029】
オペレーティング学習支援システム151は、例えば、様々な基本的なシステムサービスを処理するとともにハードウェアを用いてタスクを実行するためのプロシージャを含む。
【0030】
ネットワーク通信部152は、例えば、サーバ100を学習用端末200等の他のコンピュータに、通信インターフェース120、及びネットワークNを介して接続するために使用され、各種情報の送受信部として機能する。
【0031】
例えば、ネットワーク通信部152は、後述する問題生成部157の指示に従い、問題データベース154が記憶する問題に関する情報を、学習用端末200に対して送信し、また、学習用端末200からその問題の解答に関する情報を受信する。
【0032】
また、ネットワーク通信部152は、学習用端末200から学習者の目標とする学力レベルに関する情報を受信し、その情報を学習者データベース153に記録することができる。
【0033】
さらに、ネットワーク通信部152は、学習用端末200からの要求に応じて、後述するスキル評価部156の指示に従い、学習者が獲得した問題を解くためのスキルに関する情報を学習用端末200に対して送信することができる。
【0034】
また、ネットワーク通信部152は、学習者が選択した上昇させたいスキルに関する情報を学習用端末200から受信し、後述する問題生成部157の指示に従い、スキルを上昇させる問題を学習用端末200へ送信することができる。
【0035】
学習者データベース153は、例えば、学習ログ、学年、目標とする学力レベルに関する情報などの学習者の個人情報を含む。ここで、学習ログは、例えば、学習者の問題データベース中の問題解答数や未解答数、その解答が正答か誤答かなど記録したものであり、学習者が学習用端末200を操作して問題に取り組むことで更新される情報である。また、学習者データベース153は、後述するスキル評価部156が評価した学習者のスキルに関する情報を含んでいてもよい。
【0036】
図3に、学習者データベース153の一例を示す。図3に示す学習者データベース153は、学習者を一意に特定するための学習者IDを主キーとした、学習者の氏名、学年、目標学力レベル、スキル情報、学習ログなどからなるレコードの集合体である。「学習者ID」とはサーバ100が学習者を一意に特定するための識別符号である。「氏名」及び「学年」は学習者の氏名と学年である。「目標学力レベル」とは、例えば、学習者が指定した目標とする志望校や目標とする偏差値などの情報である。「スキル情報」とは、学習者が獲得したスキルに関する情報である。「学習ログ」とは、例えば、学習者のが解答した問題IDや、その問題の正答又は誤答に関する情報である。
【0037】
ここで、本開示におけるスキルは、学習者が獲得した問題を解くための力であり、例えば、数学でいえば、計算力、思考力、分析力、簡単化力、図解力、論証力などが挙げられる。数学の二次関数の問題であっても、その中には主に計算力が必要な問題と、主に簡単化力が必要な問題などがあり、問題を解くための力は異なることがある。一方で、計算力が必要な二次関数の問題と、計算力が必要な確率の問題があるように、分野や項目が異なっていても、問題を解くための力は同じことがある。このような、分野や項目に縛られない学習者が獲得した問題を解くための分野横断的な力を、本開示では、スキルと呼ぶ。したがって、本開示におけるスキルは、例えば、数学の二次関数に関する問題の進捗度などとは、概念が異なるものである。なお、本開示におけるスキルは、国語、数学、英語などの教科ごとに設定することができる。
【0038】
学習者データベース153に記録されるスキルは、後述するスキル評価部156が、学習ログの更新、より具体的には問題の解答数や、その解答数のうち正答及び誤答の数や割合の変化に伴って、随時更新するようにしてもよい。
【0039】
問題データベース154は、問題とその問題に対応付けられたスキルに関する情報とを含む。問題データベース154が記憶するスキルに関する情報は、例えば、ある問題に正答した場合に、計算力が所定の値だけ向上するなど、その問題を正答することで学習者が取得する問題を解くためのスキルに関する情報であってもよい。また、問題データベース154は、問題に対応付けて、その問題の難易度や、本開示の学習支援システム1を利用する学習者の正答率を含んでもよい。
【0040】
図4に、問題データベース154の一例を示す。図4に示す問題データベース154は、問題を一意に特定するための問題IDを主キーとした、教科、単元、問題、答え、獲得スキル、難易度、正答率などからなるレコードの集合体である。「問題ID」は、サーバ100が問題を一意に特定するための識別符号である。「教科」は、国語、数学、英語などの教科に関する情報である。「単元」は、例えば、数学の一学習範囲である二次関数や確率など、各教科における所定の学習範囲に関する情報である。「問題」は、学習用端末200に表示される問題画面を構成するためのテキストデータやイメージデータに関する情報である。「答え」とは、問題の答えを示すデータであり、学習者の解答が正答であるか誤答であるかを判断するために用いられる情報であり、テキストデータやイメージデータなどの正答に至るための解説を含んでいてもよい。「難易度」は、その問題の難しさや易しさを示す指標となるパラメータである。「正答率」は、本開示の学習支援システム1を利用する学習者の解答数に対する正答数の割合である。
【0041】
学習情報管理部155は、学習者データベース153を参照して、学習者の学習ログを取得する処理を実行する。また、学習情報管理部155は、学習者データベース153の学習ログを更新する処理を実行する。具体的には、学習用端末200から解答に関する情報を受信すると、後述する問題生成部157が問題データベース154を参照しその解答が正答であるか誤答であるかを判定する。そして、問題生成部157は、学習情報管理部155に問題IDと正答であるか誤答であるかに関する情報を引き渡し、学習情報管理部155はその情報に基づいて、学習ログを更新する処理を実行する。
【0042】
本開示においては、学習情報管理部155が、学習者データベース153から取得した、各学習者の学習ログを第1学習ログという。また、学習情報管理部155は、複数の学習者からなる群の学習ログも取得することができる。本開示においては、目標とする学力レベルが同等である学習者の学習ログを第2学習ログといい、任意の複数の学習者の学習ログを第3学習ログという。
【0043】
ここで、第2学習ログ及び第3学習ログは、学習情報管理部155が、各学習者の学習ログを統計的手法で平均化又は典型化して作成した学習ログであってもよい。この場合、第2学習ログは、学力レベルが同等である学習者の学習ログの平均像又は典型像を示すものとなる。また、第3学習ログは学習支援システム1を利用する学習者の学習ログの平均像又は典型像を示すものとなる。
【0044】
学習情報管理部155は、学習者データベース153を参照して、目標とする学力レベル別に学習者を分類し、それら学習者の第1学習ログを収集し、必要に応じて統計的手法で平均化又は典型化することで、第2学習ログを取得することができる。また、同様にして、学習情報管理部155は、学習者データベース153を参照して、任意の複数の学習者の第1学習ログを収集し、必要に応じて統計的手法で平均化又は典型化することで、第3学習ログを取得することができる。学習情報管理部155は、第2学習ログ及び第3学習ログについても、学習者データベース153に格納するようにしてもよい。
【0045】
例えば、第2学習ログは、ある学力レベルを目標とする学習者にとって、自己の獲得したスキルと、同じ目標を有する他の学習者の獲得した平均スキルとを、比較するための元となるデータとして使用することができる。また、第3学習ログは、学習者にとって、自己の獲得したスキルと、本開示の学習支援システム1を利用する複数の学習者の獲得した平均スキルとを、比較するための元となるデータとして使用することができる。
【0046】
スキル評価部156は、学習者データベース153を参照し、学習者の第1学習ログと問題データベース154に基づいて、学習者が獲得した問題を解くための第1スキルを動的に評価する処理を実行する。学習者データベース153が記憶する学習ログは、学習者が学習用端末200を操作して問題に解答することで更新される。そのため、スキル評価部156は、学習ログの更新にともない、学習者が獲得した問題を解くためのスキルを動的に評価することができる。「動的に」とは、学習ログの更新と連動して学習者のスキルを評価することを意味する。
【0047】
例えば、第1学習ログにある問題が正答であることが記録されると、スキル評価部156は、問題データベース154に含まれるその問題に対応付けられたスキルに関する情報を参照し、そのスキルに関する情報に基づいて、学習者のスキルを向上させることができる。
【0048】
より具体的には、スキル評価部156は、第1学習ログに含まれる、学習者が解答した問題の量に関する情報、学習者が解答した問題の正答又は誤答に関する情報と、問題データベース154に含まれる学習者が解答した問題の難易度に関する情報などに基づいて、その学習者が獲得した問題を解くためのスキルを評価するようにしてもよい。なお、スキルを評価するためのこれら情報は、単独で用いてもよいし、適宜組み合わせて用いてもよい。
【0049】
学習者が解答した問題の量に関する情報に基づく評価の場合、例えば、スキル評価部156は、学習者データベース153を参照し、第1学習ログから学習者が解答した問題を抽出し、その問題に対応付けられたスキルに関する情報を問題データベース154により特定する。そして、スキル評価部156は、解答した問題に対応付けられたスキルの値の集計値に基づいて、スキルを評価することができる。この場合、スキル評価部156は、第1学習ログから学習者が正答した問題と誤答した問題の両方を抽出して、スキルを評価してもよい。このようにスキルの評価処理に誤答した問題量を考慮することで、たとえ誤答であったとしても学習者が問題に取り組んだことにより獲得するスキルをより適切に評価することができる。
【0050】
また、学習者が解答した問題の正答又は誤答に関する情報に基づく評価の場合、例えば、スキル評価部156は、学習者データベース153を参照し、第1学習ログから学習者が正答した問題を抽出し、その問題に対応付けられたスキルに関する情報を問題データベース154により特定する。そして、スキル評価部156は、正答した問題に対応付けられたスキルの値の集計値に基づいて、スキルを評価することができる。これにより、正答した場合には学習者がより多くのスキルを獲得したものとして評価することができる。また、解答した問題の量に関する情報に基づく評価と組み合わせることにより、正答した問題と誤答した問題とで、上昇させるスキルの幅が異なるようにすることができる。
【0051】
さらに、学習者が解答した問題の難易度に関する情報に基づく評価の場合、例えば、スキル評価部156は、学習者データベース153を参照し、第1学習ログから学習者が正答した問題を抽出し、その問題に対応付けられたスキルに関する情報を問題データベース154により特定する。そして、スキル評価部156は、問題の難易度に応じて上昇させるスキルの値を補正し、補正したスキルの値の集計値に基づいて、スキルを評価することができる。これにより、問題の難易度に応じて、学習者が獲得するスキルをより適切に評価することができる。
【0052】
この場合、スキル評価部156は、第3学習ログに基づいて問題の難易度を動的に評価して、問題データベース154に記録することができる。例えば、スキル評価部156は、学習者データベース153の第3学習ログから、特定の問題についての解答数に対する正答数の割合(正答率)を算出し、その正答率を問題の難易度として問題データベース154に記録することができる。また、スキル評価部156は、正答率に変化があった場合には、難易度を更新するようにしてもよい。これにより、本開示の学習支援システム1を利用する学習者の問題の取り組み結果を、動的に反映した難易度を特定することができる。
【0053】
本開示においては、スキル評価部156が評価する各学習者のスキルを第1スキルという。また、スキル評価部156は、複数の学習者からなる群のスキルも取得することができる。本開示においては、目標とする学力レベルが同等である学習者が獲得した問題を解くためのスキルを第2スキルといい、任意の複数の学習者の学習者が獲得した問題を解くためのスキルを第3スキルという。ここで、第2スキル及び第3スキルは、各学習者のスキルを統計的手法で平均化又は典型化して作成されたスキルであってもよい。また、第3スキルは学習支援システム1を利用する学習者のスキルの平均像又は典型像を示すものである。
【0054】
スキル評価部156は、学習情報管理部155が取得した第2学習ログ及び問題データベース154に基づいて、第2スキルを動的に評価するようにしてもよい。スキル評価部156が第2スキルを学習用端末200へ送信し、学習用端末200のディスプレイに第2スキルを表示させることにより、学習者は目標とする学力レベルが同等である他の学習者のスキルを把握することができる。
【0055】
スキル評価部156は、学習情報管理部155が取得した第3学習ログ及び問題データベース154に基づいて、第3スキルを動的に評価するようにしてもよい。スキル評価部156が第3スキルを学習用端末200へ送信し、学習用端末200のディスプレイに第3スキルを表示させることにより、学習者は平均的又は典型的な学習者のスキルを把握することができる。
【0056】
問題生成部157は、問題データベース154を参照して、学習者に送信するための問題を生成し、生成した問題をネットワーク通信部152を介して学習用端末200へと送信する処理を実行する。この際、問題生成部157は、教科の分野別に問題を生成してもよいし、ランダムに問題を生成してもよい。また、問題生成部157が生成する問題は、複数の問題のセットであってもよい。なお、「問題を生成する」とは、問題データベース154から適切な問題又は問題のセットを抽出することを意味し、問題文を新たに作成することとは異なる。
【0057】
また、問題生成部157は、学習用端末200から解答を受信すると、問題データベース154の答えを参照してその解答が正答であるか誤答であるかを判定し、問題IDとその正答又は誤答の判定結果を、学習情報管理部155に渡す。そして、学習情報管理部155は、これら情報を第1学習ログの一部として学習者データベース153に記録する処理を実行する。
【0058】
また、問題生成部157は、学習用端末200から学習者が選択した上昇させたいスキルに関する情報を受信した時は、その情報に基づいて、問題データベース154を参照して、上昇させたいスキルを上昇させる問題を生成してもよい。これにより、学習者の苦手なスキルを克服し、得意とするスキルをさらに伸ばすことが可能となる。
【0059】
問題生成部157は、問題データベース154の問題ごとに学習者がその問題を解いた際のスキルの上昇度を算出し、算出した上昇度に基づいて問題データベース154から問題を生成する。例えば、問題生成部157は、学習者が選択した上昇させたいスキル、例えば計算力、と紐づいた問題を問題データベース154から抽出し、抽出した問題毎にスキルの上昇度を算出するようにしてもよい。そして、問題生成部157は、スキルの上昇度が大きいほうから問題を任意の数だけ選定することで問題を作成するようにしてもよい。
【0060】
上記のとおり、本開示の学習支援システム1では、学習ログの更新に連動して、学習者のスキルをリアルタイムで評価することが可能となり、学習者が獲得したスキルを適切に把握しやすくなる。また、それと同時に、学習者が苦手とするスキルも適切に把握することも可能であり、その苦手スキルを克服するために必要な問題を抽出することも可能となる。
【0061】
<学習用端末>
次に、学習用端末200について説明する。図5は、実施形態に係る学習用端末200のハードウェア構成と機能構成の一例を示す図である。図5に示すように学習用端末200は、典型的には、1つ又は複数のプロセッサ210、有線又は無線の通信を制御する通信インターフェース220、入出力インターフェース230、メモリ240、ストレージ250及びこれらの構成要素を相互接続するための1つ又は複数の通信バス260を含み、これらの協働により、本開示に記載される処理、機能、または、方法を実現する。
【0062】
学習用端末200のプロセッサ210、通信インターフェース220、入出力インターフェース230、メモリ240、ストレージ250、及び通信バス260は、サーバ100で説明したものと同様とすることができる。
【0063】
学習用端末200は、ストレージ250に記憶されているプログラムに含まれる命令をプロセッサ210が実行することによって、図5に示すように、表示制御部253として機能するように構成されている。
【0064】
オペレーティングシステム251は、例えば、様々な基本的なシステムサービスを処理するとともにハードウェアを用いてタスクを実行するためのプロシージャを含む。
【0065】
ネットワーク通信部252は、例えば、学習用端末200をサーバ100等の他のコンピュータに、通信インターフェース220、及びネットワークNを介して接続するために使用され、各種情報の送受信部として機能する。
【0066】
例えば、ネットワーク通信部252は、サーバ100から問題に関する情報を受信し、また、サーバ100に対してその問題の解答に関する情報を送信することができる。
【0067】
また、ネットワーク通信部252は、サーバ100に対して学習者の目標とする学力レベルに関する情報を送信することができる。
【0068】
さらに、ネットワーク通信部252は、サーバ100に対して学習者のスキルに関する情報を要求することができ、また、サーバ100から学習者のスキルに関する情報を受信することができる。
【0069】
また、ネットワーク通信部252は、サーバ100に対して学習者が選択した上昇させたいスキルに関する情報を送信し、サーバ100からスキルを上昇させる問題を受信することができる。
【0070】
表示制御部253は、サーバ100から受信した各情報を入出力インターフェース230であるディスプレイに表示制御する処理を実行する。
【0071】
例えば、表示制御部253は、ディスプレイの問題表示エリアにサーバ100から受信した問題を表示し、解答表示エリアにその問題の答えの選択肢又は解答フォームなど解答を記入するための領域を表示することができる。
【0072】
また、表示制御部253は、ディスプレイのスキル表示エリアにサーバ100から受信した第1スキルに関する情報を表示し、スキル選択エリアに、上昇させるスキルの候補を表示することができる。また、表示制御部253は、サーバ100から第2スキルに関する情報及び/又は第2スキルに関する情報を受信したときは、それら情報についてもスキル表示エリアに表示することができる。
【0073】
図6に、学習用端末200のディスプレイに表示制御されるスキル表示エリアOB1とスキル選択エリアOB2とを示す。スキル表示エリアOB1には、学習者自身のスキルOB11がレーダーチャートで表されている。さらに、スキル表示エリアOB1には、同じ志望大学レベルの他の学習者が有する平均的なスキルOB12と、全国の学習者が有する平均的なスキルOB13が、レーダーチャートに重ねて表示されている。このように表示することで、学習者は自己のスキルの強み弱みを客観的に把握することが可能となり、また、具体的にどのようなスキルを伸ばすことで自己が目標とする学力レベルに到達できるかを把握することが可能となる。
【0074】
また、スキル選択エリアOB2には、各スキルアップのための問題に取り組むためのボタンOB21が表示されている。学習者が上昇させたいスキルを選択し、対応するボタンOB21をタップすると、表示制御部253は、学習者が選択したスキルに関する情報をサーバ100に対し送信し、サーバ100からスキルを上昇させる問題を受信する。そして、表示制御部253は、サーバ100から受信した問題を表示制御する。
【0075】
表示制御部253は、スキル選択エリアOB2に、生成させる問題の難しさに関する選択肢OB22を表示してもよい。例えば、選択肢OB22は、学習者のスキルを基準として、生成する問題のレベルが、易しい、普通、難しい等とすることができる。学習者が選択した選択肢に応じて、サーバ100の問題生成部157は、生成する問題の難しさを調製することができる。これにより、学習者は自分のペースでスキルアップのスピードを調整することが可能となる。
【0076】
<動作処理>
次に、このように構成された本発明の実施形態の学習支援システム1の動作処理について説明する。図7に、サーバ100と学習用端末200により構成される学習支援システム1の処理シーケンスを示す。
【0077】
(第1学習ログと第1スキルの更新)
ステップS701において、サーバ100の問題生成部157は、問題データベース154を参照して、任意の問題を学習用端末200に送信する。この際、問題生成部157は、教科の分野別に問題を生成してもよいし、ランダムに問題を生成してもよい。また、後述するステップS711のように、特定のスキルをアップさせる問題を生成してもよい。生成する問題について学習用端末200から要求がある場合には、問題生成部157はその要求に沿った問題を生成することができる。
【0078】
ステップS702において、学習用端末200の表示制御部253は、受信した問題とその解答フォームを表示画面に表示制御する。そして、学習用端末200の表示制御部253は、学習者の操作に応じて入力された解答を、サーバ100に送信する。
【0079】
ステップS703において、サーバ100の問題生成部157は、問題データベース154の答えを参照して、学習用端末200から受信した解答の正誤を判定し、問題IDとその正答又は誤答の判定結果を、学習情報管理部155に渡す。そして、学習情報管理部155は、これら情報を第1学習ログの一部として学習者データベース153に記録する。
【0080】
ステップS704において、第1学習ログが更新されると、サーバ100のスキル評価部156は、更新された第1学習ログに基づいて、学習者の第1スキルを更新し、学習者データベース153に記録する。この際、スキル評価部156は、第1学習ログと問題データベース154とを参照し、学習者が解答した問題の量に関する情報、学習者が解答した問題の正答又は誤答に関する情報、学習者が解答した問題の難易度に関する情報などに基づいて、第1スキルを評価してもよい。
【0081】
(第2学習ログ/第3学習ログと第2スキル/第3スキルの更新)
ステップS705において、サーバ100の学習情報管理部155は、定期的又は随時に、目標とする学力レベルが同等である学習者の第1学習ログを収集し、第2学習ログを更新することができる。
【0082】
ステップS706において、サーバ100のスキル評価部156は、第2学習ログを更新すると、更新された第2学習ログに基づいて、第2スキルを更新する。更新した第2スキルは学習者データベース153に記録してもよい。これにより、サーバ100のスキル評価部156は、学習用端末200から第2スキルの表示要求があったときには、すぐに第2スキルに関する情報を学習用端末200に送信することができる。
【0083】
第3学習ログと第3スキルの更新についても、上記と同様に行うことができる。
【0084】
(第1スキルの表示と問題の生成)
ステップS707において、学習用端末200の表示制御部253は、サーバ100に対して、学習者の第1スキルの表示要求をする。この際、表示制御部253は、第2スキル及び/又は第3スキルの表示要求を併せて行うことができる。
【0085】
ステップS708において、サーバ100のスキル評価部156は、学習者データベース153を参照し、第1スキルに関する情報を学習用端末200に対して送信する。この際、スキル評価部156は、第2スキル及び/又は第3スキルに関する情報を学習用端末200に対して送信してもよい。
【0086】
ステップS709において、学習用端末200の表示制御部253は、第1スキルを表示画面に表示制御する。この際、表示制御部253は、第2スキル及び/又は第3スキルについても表示画面に対比可能に表示制御することができる。
【0087】
ステップS710において、学習用端末200の表示制御部253は、学習者の操作に応じて、学習者が選択したスキルをアップさせる問題の要求をサーバ100に送信する。この際、表示制御部253は、学習者が希望する問題の難しさに関する情報を併せてサーバ100に送信してもよい。例えば、学習者のスキルを基準として、生成する問題のレベルが、易しい、普通、難しいなどを選択して、サーバ100に送信してもよい。これにより、ステップS711において生成される問題のレベルを調整することができる。
【0088】
ステップS711において、サーバ100の問題生成部157は、問題データベース154を参照して、特定のスキルをアップさせる問題を生成する。この際、問題生成部157は、学習者がその問題を解いた際のスキルの上昇度を算出し、算出した上昇度に基づいて問題データベースから問題を生成することができる。
【0089】
また、ステップS710において、学習者が希望する問題の難しさに関する情報が送信されている場合には、サーバ100の問題生成部157はその情報を考慮して問題を生成することができる。これにより、学習者は自分のペースでスキルアップのスピードを調整することが可能となる。
【0090】
ステップS712において、サーバ100の問題生成部157は、生成した問題を学習用端末200に送信する。
【0091】
ステップS713において、学習用端末200の表示制御部253は、受信した問題とその解答フォームを表示画面に表示制御する。そして、学習用端末200の表示制御部253は、学習者の操作に応じて入力された解答を、サーバ100に送信する。
【0092】
ステップS714において、サーバ100の問題生成部157は、問題データベース154の答えを参照して、学習用端末200から受信した解答の正誤を判定し、問題IDとその正答又は誤答の判定結果を、学習情報管理部155に渡す。そして、学習情報管理部155は、これら情報を第1学習ログの一部として学習者データベース153に記録する。
【0093】
ステップS715において、第1学習ログが更新されると、サーバ100のスキル評価部156は、更新された第1学習ログに基づいて、学習者の第1スキルを更新し、学習者データベース153に記録する。
【0094】
以上説明した本発明の実施形態に係るサーバ100が提供する学習支援システム1では、学習ログの更新に連動して、学習者のスキルをリアルタイムで評価することが可能となり、学習者が獲得したスキルを適切に把握しやすくなる。また、それと同時に、学習者が苦手とするスキルも適切に把握することも可能であり、その苦手スキルを克服するために必要な問題を抽出することも可能となる。このような学習支援システム1を用いることにより、学習者は自身のスキルを見直し、自身の選択により効率的にスキルアップを図ることが可能となる。
【0095】
なお、上述したとおり、本発明は、上記の実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内において様々な変形が可能である。すなわち、上記実施形態はあらゆる点で単なる例示にすぎず、限定的に解釈されるものではない。
【符号の説明】
【0096】
1…学習支援システム、100…サーバ、110…プロセッサ、120…通信インターフェース、130…入出力インターフェース、140…メモリ、150…ストレージ、151…オペレーティング学習支援システム、152…ネットワーク通信部、153…学習者データベース、154…問題データベース、155…学習情報管理部、156…スキル評価部、157…問題生成部、160…通信バス、200…学習用端末、210…プロセッサ、220…通信インターフェース、230…入出力インターフェース、240…メモリ、250…ストレージ、251…オペレーティングシステム、252…ネットワーク通信部、253…表示制御部、260…通信バス
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7