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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-16
(45)【発行日】2024-07-24
(54)【発明の名称】シート供給装置
(51)【国際特許分類】
   B65H 3/48 20060101AFI20240717BHJP
   B65H 3/12 20060101ALI20240717BHJP
【FI】
B65H3/48 320A
B65H3/12 310A
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2020116491
(22)【出願日】2020-07-06
(65)【公開番号】P2022014261
(43)【公開日】2022-01-19
【審査請求日】2023-05-09
(73)【特許権者】
【識別番号】000250502
【氏名又は名称】理想科学工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100101247
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 俊一
(74)【代理人】
【識別番号】100095500
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 正和
(72)【発明者】
【氏名】森田 悦久
【審査官】杉山 豊博
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-195527(JP,A)
【文献】特開2016-078974(JP,A)
【文献】特開平02-081838(JP,A)
【文献】特開2001-233488(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65H 3/48
B65H 3/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
シート束に空気を吹きつけて前記シート束の複数のシートを浮上させる浮上部と、
前記シート束から浮上した複数のシートのうちの最上位のシートを搬送する搬送部と、
前記搬送部より低い位置から前記シート束側へ斜め上方向に空気を吹き出す吹出部と、
前記吹出部が吹き出した空気を、吹き出し時より下向きに方向転換させて前記シート束から浮上した複数のシートのうちの最上位のシートと上から2枚目のシートとの間に送る方向転換部と
前記浮上部が前記シート束に空気を吹きつけて最上位のシートが前記搬送部に保持され、前記吹出部が空気を吹き出して最上位のシートと上から2枚目のシートとの間に空気が送り込まれている状態で、前記浮上部による空気の吹きつけを停止させて、上から2枚目以下のシートを最上位のシートから分離させて落下させる制御部と
を備えることを特徴とするシート供給装置。
【請求項2】
前記搬送部は、シートを搬送する搬送ベルトを有し、
前記搬送ベルトが前記方向転換部を兼ねていることを特徴とする請求項1に記載のシート供給装置。
【請求項3】
前記吹出部は、それぞれ空気を吹き出す複数の吹出口を有することを特徴とする請求項1または2に記載のシート供給装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シートを供給するシート供給装置に関する。
【背景技術】
【0002】
シートを供給するシート供給装置として、給紙台に積載された用紙束に空気を吹き付けて用紙を浮上させ、浮上した用紙のうちの最上位(一番上)の用紙を吸着搬送手段により吸着搬送して印刷装置に給紙する給紙装置が知られている。
【0003】
このような給紙装置では、用紙を1枚ずつ給紙するために、吸着搬送手段により吸着搬送される最上位の用紙と上から2枚目以下の用紙とを分離する必要がある。
【0004】
これに対し、特許文献1には、吸着搬送手段による用紙の搬送方向における用紙束の下流側から用紙束側(上流側)へ斜め上方向に空気を吹き出して用紙をさばくことで、最上位の用紙と上から2枚目以下の用紙とを分離する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2008-222400号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1の技術では、用紙を分離するための空気が斜め上方向に吹き出すため、その空気により用紙に浮上力が発生し、最上位の用紙と上から2枚目以下の用紙とを十分に分離できないおそれがある。この結果、重送等の給紙の不具合が発生することがある。
【0007】
用紙を分離するための空気を水平に吹き出すように吹出口を配置すれば、上述のような浮上力の発生を抑えることが可能である。しかし、この構成は、空気の吹出口と搬送される用紙とが干渉することになるため、実現が困難である。
【0008】
本発明は上記に鑑みてなされたもので、シート供給の不具合を低減できるシート供給装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため、本発明のシート供給装置は、シート束から浮上した複数のシートのうちの最上位のシートを搬送する搬送部と、前記搬送部より低い位置から前記シート束側へ斜め上方向に空気を吹き出す吹出部と、前記吹出部が吹き出した空気を、吹き出し時より下向きに方向転換させて前記シート束から浮上した複数のシートのうちの最上位のシートと上から2枚目のシートとの間に送る方向転換部とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明のシート供給装置によれば、シート供給の不具合を低減できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】実施の形態に係る給紙装置の概略構成図である。
図2図1に示す給紙装置の制御ブロック図である。
図3図1に示す給紙装置の部分拡大平面図である。
図4図1に示す給紙装置の浮上エア吹出口近傍の拡大図である。
図5】分離気流の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。各図面を通じて同一もしくは同等の部位や構成要素には、同一もしくは同等の符号を付している。
【0013】
以下に示す実施の形態は、この発明の技術的思想を具体化するための装置等を例示するものであって、この発明の技術的思想は、各構成部品の材質、形状、構造、配置等を下記のものに特定するものでない。この発明の技術的思想は、特許請求の範囲において、種々の変更を加えることができる。
【0014】
図1は、本発明の実施の形態に係る給紙装置の概略構成図である。図2は、図1に示す給紙装置の制御ブロック図である。図3は、図1に示す給紙装置の部分拡大平面図である。図4は、図1に示す給紙装置の浮上エア吹出口近傍の拡大図である。以下の説明において、図1の紙面に直交する方向を前後方向とする。また、図1における紙面の上下左右を上下左右方向とする。
【0015】
図1図2に示すように、本実施の形態に係る給紙装置(シート供給装置に相当)1は、給紙台2と、昇降モータ3と、給紙ガイド板4と、サバキゲート5と、エンドフェンス6と、浮上部7と、分離部(吹出部に相当)8と、搬送部9と、上限センサ10と、制御部11とを備える。
【0016】
給紙装置1は、印刷装置(図示せず)に対して用紙(シートに相当)Pを給紙(供給)する装置である。図1において左から右に向かう方向が、搬送部9による用紙Pの搬送方向である。搬送部9による用紙Pの搬送方向は、水平方向に平行である。以下の説明における上流、下流は、搬送部9による用紙Pの搬送方向における上流、下流を意味する。
【0017】
給紙台2は、印刷に用いられる用紙Pが積載されるものである。給紙台2は、昇降可能に構成されている。
【0018】
昇降モータ3は、給紙台2を昇降させる。
【0019】
給紙ガイド板4は、給紙台2上の用紙Pの下流端(右端)の位置を規制する部材である。給紙ガイド板4は、給紙台2の下流側近傍に配置されている。給紙ガイド板4の上端部は、下流側ほど高くなるように傾斜している。給紙ガイド板4は、給紙台2上の用紙Pの下流端の位置を規制する鉛直なガイド面4aを有する。また、給紙ガイド板4には、図3図4に示すように、浮上部7から給紙台2上の用紙Pに空気を吹き付けるための切り欠き部4bが、前後方向における中央部の上部を切り欠いて形成されている。
【0020】
サバキゲート5は、浮上部7により浮上させられた用紙Pのうち搬送部9に吸着された最上位の用紙P以外の用紙Pをせき止める部材である。2つのサバキゲート5が、搬送部9の下流端部の下方近傍において、前後方向に互いに離間して設置されている。
【0021】
エンドフェンス6は、給紙台2上の用紙Pの上流端(左端)の位置を規制する部材である。
【0022】
浮上部7は、給紙台2上に重ねて積載された複数の用紙Pからなる用紙束(シート束に相当)PTに空気を吹きつけ、用紙束PTの上端部の複数の用紙Pを浮上させる。浮上部7は、用紙束PTの下流側に配置されている。浮上部7は、浮上ファン21と、シャッタ22と、2つの浮上エア吹出口23とを備える。
【0023】
浮上ファン21は、給紙台2上の用紙束PTの用紙Pを浮上させるための浮上気流の発生源である。
【0024】
シャッタ22は、浮上エア吹出口23からの浮上気流の吹き出しのオンオフを切り替える。
【0025】
浮上エア吹出口23は、浮上ファン21の駆動により発生する浮上気流の吹出口である。2つの浮上エア吹出口23は、搬送部9の下流端部の下方近傍において、前後方向に互いに離間して配置されている。
【0026】
分離部8は、浮上部7により浮上させられて搬送部9に保持された最上位の用紙Pと上から2枚目以下の用紙Pとを分離させるための空気を吹き出し、分離気流F(図5参照)を発生させる。分離部8は、用紙束PTの下流側に配置されている。分離部8は、分離ファン26と、2つの分離エア吹出口(吹出口に相当)27とを備える。
【0027】
分離ファン26は、分離気流Fの発生源である。
【0028】
分離エア吹出口27は、分離気流Fの吹出口である。分離エア吹出口27は、搬送部9より低い位置から用紙束PT側へ斜め上方向(左斜め上方向)に空気(分離気流F)を吹き出す。2つの分離エア吹出口27は、搬送部9の下流端部の下方近傍において、前後方向に並列して配置されている。2つの分離エア吹出口27は、それぞれから吹き出した空気が互いにぶつかり、最上位の用紙Pと上から2枚目の用紙Pとの間の圧力を高めることができる位置関係で配置されている。
【0029】
搬送部9は、浮上部7が吹き出した浮上気流により用紙束PTから浮上した複数の用紙Pのうちの最上位の用紙Pをエア吸引により保持して搬送する。搬送部9は、2つのベルトユニット31と、搬送モータ32と、チャンバ33と、サクションファン34とを備える。
【0030】
ベルトユニット31は、用紙Pを保持して搬送する。2つのベルトユニット31は、前後方向に並列して配置されている。ベルトユニット31は、搬送ベルト36と、駆動ローラ37と、従動ローラ38とを備える。
【0031】
搬送ベルト36は、駆動ローラ37と従動ローラ38とに掛け渡される環状のベルトである。搬送ベルト36には、複数のベルト穴36aが全周に渡って形成されている。搬送ベルト36は、サクションファン34の駆動によりベルト穴36aに発生する吸着力により、搬送面36bに用紙Pを保持する。搬送面36bは、駆動ローラ37と従動ローラ38との間における搬送ベルト36の下側の部分の下面である水平な面である。搬送面36bに用紙Pを保持した状態で駆動ローラ37の駆動により搬送ベルト36が回転(無端移動)することで、用紙Pが搬送される。搬送ベルト36は、左右方向において、搬送面36bの右端が給紙ガイド板4のガイド面4aより下流側(右側)に位置するように配置されている。
【0032】
搬送ベルト36は、分離部8が左斜め上方向に吹き出した空気(分離気流F)を水平方向に方向転換させて最上位の用紙Pと上から2枚目の用紙Pとの間に送る方向転換部としての役割も果たす。
【0033】
駆動ローラ37は、搬送ベルト36を回転(無端移動)させる。2つのベルトユニット31の駆動ローラ37は、シャフト39により互いに接続されている。
【0034】
従動ローラ38は、駆動ローラ37とともに搬送ベルト36を支持する。従動ローラ38は、回転する搬送ベルト36に従動回転する。2つのベルトユニット31の従動ローラ38は、シャフト40により互いに接続されている。
【0035】
搬送モータ32は、シャフト39を回転させることにより、駆動ローラ37を回転させる。
【0036】
チャンバ33は、搬送ベルト36のベルト穴36aに吸着力を発生させるための負圧室を形成するものである。チャンバ33は、搬送ベルト36の搬送面36bが外部に露出するように、ベルトユニット31を内部に保持している。チャンバ33の底板の搬送ベルト36が通過する部分には、通気穴(図示せず)が形成されている。搬送ベルト36のベルト穴36aおよびチャンバ33の通気穴を介したチャンバ33内への空気の吸引により、ベルト穴36aに吸着力が発生する。
【0037】
サクションファン34は、チャンバ33から排気する。サクションファン34がチャンバ33から排気すると、搬送ベルト36の搬送面36bのベルト穴36aおよびチャンバ33の通気穴を介してチャンバ33外から空気がチャンバ33内に吸引される。サクションファン34は、チャンバ33の上側に配置されている。
【0038】
上限センサ10は、給紙台2上に積載された用紙Pの下流側(右側)の端面を監視するものである。上限センサ10は、給紙台2より下流側において、浮上部7により浮上させられた用紙Pを検出可能な高さ位置に配置されている。上限センサ10は、反射型の光センサからなる。
【0039】
制御部11は、給紙装置1全体の動作を制御する。制御部11は、CPU、RAM、ROM、ハードディスク等を備えて構成される。
【0040】
次に、給紙装置1の動作について説明する。
【0041】
給紙を開始する際、制御部11は、シャッタ22を開放する。また、制御部11は、浮上ファン21、分離ファン26、およびサクションファン34の駆動を開始させる。
【0042】
これにより、浮上エア吹出口23から浮上気流が吹き出し、分離エア吹出口27から分離気流Fが吹き出す。また、搬送ベルト36のベルト穴36aに吸着力が発生する。
【0043】
浮上エア吹出口23からの浮上気流により用紙束PTの最上部の複数の用紙Pが用紙束PTから浮上し、それらのうちの最上位の用紙Pが搬送ベルト36の搬送面36bに吸着保持される。ここで、搬送面36bの下流端部は、最上位の用紙Pに覆われずに露出している。
【0044】
分離エア吹出口27から左斜め上方向に吹き出した分離気流Fは、図5に示すように、搬送面36bの下流端部によって、水平で上流側(左側)へ向かう方向に方向転換される。方向転換された分離気流Fは、最上位の用紙Pと上から2枚目の用紙Pとの間に送り込まれ、上流側へ向かって流れる。
【0045】
また、2つの分離エア吹出口27から吹き出した空気は、上流側へ流れつつ互いにぶつかる。これにより、最上位の用紙Pと上から2枚目の用紙Pとの間の圧力が高まる。
【0046】
この状態において、制御部11は、シャッタ22を閉鎖する。これにより、浮上エア吹出口23からの浮上気流の吹き出しが停止される。この結果、分離気流Fにより最上位の用紙Pと上から2枚目以下の用紙Pとが分離され、上から2枚目以下の用紙Pが落下する。
【0047】
次いで、制御部11は、搬送モータ32を駆動させることで搬送部9に用紙Pを搬送させる。
【0048】
次いで、制御部11は、次の用紙Pの給紙のために、シャッタ22を開放して用紙Pを浮上させる。
【0049】
上記の動作を繰り返すことにより、用紙Pが給紙装置1から印刷装置へ順次給紙される。
【0050】
この給紙動作中において、制御部11は、給紙による給紙台2上の用紙Pの減少に応じて給紙台2を上昇させる制御を行う。具体的には、制御部11は、1枚の給紙ごとに、用紙Pの浮上中のタイミングで上限センサ10のセンサ値を取得する。そして、制御部11は、取得したセンサ値が所定の追従閾値未満の場合、センサ値と追従閾値との差に応じた高さ分だけ、給紙台2を上昇させる。
【0051】
給紙動作で給紙する枚数分の給紙が終了すると、制御部11は、給紙動作を終了させる。
【0052】
以上説明したように、給紙装置1では、搬送ベルト36が、分離部8が左斜め上方向に吹き出した空気(分離気流F)を水平方向に方向転換させて、最上位の用紙Pと上から2枚目の用紙Pとの間に送る。このように分離気流Fを方向転換させることで、分離気流Fにより用紙Pに浮上力が発生することが抑えられる。これにより、最上位の用紙Pと上から2枚目以下の用紙Pとの分離不良が低減するので、重送等の給紙の不具合を低減できる。
【0053】
また、給紙装置1では、搬送ベルト36が、分離気流Fを方向転換させる方向転換部を兼ねている。これにより、浮上した用紙Pの近傍で分離気流Fを方向転換させ、最上位の用紙Pと上から2枚目の用紙Pとの間に効率よく空気を送ることができる。この結果、最上位の用紙Pと上から2枚目以下の用紙Pとの分離不良がより低減し、重送等の給紙の不具合をより低減できる。また、方向転換部としての専用の部材が不要なため、装置構成の複雑化を抑えることができる。
【0054】
また、給紙装置1では、分離部8が2つの分離エア吹出口27を有する。これにより、2つの分離エア吹出口27からそれぞれ吹き出した空気が上流側へ流れつつ互いにぶつかり、最上位の用紙Pと上から2枚目の用紙Pとの間の圧力を高めるようにすることが可能である。この結果、最上位の用紙Pと上から2枚目以下の用紙Pとの分離不良がより低減し、重送等の給紙の不具合をより低減できる。
【0055】
なお、分離気流Fを方向転換させる方向転換部を、搬送ベルト36とは別の部材で形成してもよい。例えば、搬送ベルト36の下流側に方向転換部として機能する部材を設置し、この部材に分離部8が左斜め上方向に吹き出した分離気流Fを衝突させるようにしてもよい。
【0056】
また、上述した実施の形態では、分離部8に2つの分離エア吹出口27が設けられた構成を示したが、分離エア吹出口27の数はこれに限らない。3つ以上の分離エア吹出口27が設けられ、それぞれの分離エア吹出口27が吹き出した空気が、当該分離エア吹出口27とは異なる分離エア吹出口27が吹き出した空気とぶつかり、最上位の用紙Pと上から2枚目の用紙Pとの間の圧力を高める構成でもよい。分離エア吹出口の数よりも少ない数の分離ファンで最上位の用紙Pと上から2枚目の用紙Pとを分離させる効果を得られるため、分離エア吹出口の数と分離ファンの数とが同じ構成と比較して分離ファンの駆動電力を削減できる。
【0057】
また、分離エア吹出口27が1つでもよい。
【0058】
また、上述した実施の形態の分離部8以外に、前後方向において給紙台2上の用紙束PTを挟んで互いに対向して配置され、それぞれ最上位の用紙Pと上から2枚目以下の用紙Pとを分離させるための空気を吹き出す2つの分離機構(吹出部)がさらに設けられていてもよい。また、これらの分離機構が用紙束PT側へ斜め上方向に空気を吹き出し、この空気を方向転換部により水平方向に方向転換させて最上位の用紙Pと上から2枚目の用紙Pとの間に送るようにしてもよい。この場合でも、方向転換部は、搬送ベルト36が兼ねていてもよいし、搬送ベルト36とは別の部材で形成されていてもよい。また、この場合でも、分離機構(吹出部)が空気を吹き出す吹出口は、複数でもよいし、1つでもよい。
【0059】
また、上述した実施の形態の浮上部7以外に、前後方向において給紙台2上の用紙束PTを挟んで互いに対向して配置され、それぞれ用紙Pを浮上させるために用紙束PTに空気を吹きつける2つの浮上機構がさらに設けられていてもよい。
【0060】
また、上述した実施の形態では、分離部8が左斜め上方向に吹き出した空気を水平方向に方向転換したが、これに限らず、吹き出し時より下向きに方向転換すればよい。このように空気を方向転換させることで、用紙Pに発生する浮上力を低減できる。これにより、最上位の用紙Pと上から2枚目以下の用紙Pとの分離不良が低減するので、重送等の給紙の不具合を低減できる。
【0061】
また、上述した実施の形態では、用紙を給紙する給紙装置について説明したが、用紙以外のシートを供給する装置にも本発明は適用可能である。
【0062】
本発明は上記実施の形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施の形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合せにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施の形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。
【0063】
[付記]
本出願は、以下の発明を開示する。
【0064】
(付記1)
シート束から浮上した複数のシートのうちの最上位のシートを搬送する搬送部と、
前記搬送部より低い位置から前記シート束側へ斜め上方向に空気を吹き出す吹出部と、
前記吹出部が吹き出した空気を、吹き出し時より下向きに方向転換させて前記シート束から浮上した複数のシートのうちの最上位のシートと上から2枚目のシートとの間に送る方向転換部と
を備えることを特徴とするシート供給装置。
【0065】
(付記2)
前記搬送部は、シートを搬送する搬送ベルトを有し、
前記搬送ベルトが前記方向転換部を兼ねていることを特徴とする付記1に記載のシート供給装置。
【0066】
(付記3)
前記吹出部は、それぞれ空気を吹き出す複数の吹出口を有することを特徴とする付記1または2に記載のシート供給装置。
【符号の説明】
【0067】
1 給紙装置
2 給紙台
3 昇降モータ
4 給紙ガイド板
5 サバキゲート
6 エンドフェンス
7 浮上部
8 分離部
9 搬送部
10 上限センサ
11 制御部
26 分離ファン
27 分離エア吹出口
31 ベルトユニット
32 搬送モータ
33 チャンバ
34 サクションファン
36 搬送ベルト
36a ベルト穴
36b 搬送面
P 用紙
PT 用紙束
図1
図2
図3
図4
図5