(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-16
(45)【発行日】2024-07-24
(54)【発明の名称】限定されたスペースが要求される電気ポンプのためのモジュラーブロックと関連するポンプ
(51)【国際特許分類】
F04B 43/067 20060101AFI20240717BHJP
F04B 53/00 20060101ALI20240717BHJP
F04B 53/16 20060101ALI20240717BHJP
【FI】
F04B43/067
F04B53/00 H
F04B53/16 A
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2020132263
(22)【出願日】2020-08-04
【審査請求日】2023-07-04
(32)【優先日】2019-08-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】516299279
【氏名又は名称】エクセル インダストリー
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【氏名又は名称】胡田 尚則
(74)【代理人】
【識別番号】100128495
【氏名又は名称】出野 知
(74)【代理人】
【識別番号】100146466
【氏名又は名称】高橋 正俊
(74)【代理人】
【氏名又は名称】板谷 一弘
(72)【発明者】
【氏名】マザン ザキ
(72)【発明者】
【氏名】ブノワ バトヨ
(72)【発明者】
【氏名】ブーシフ カルディ
(72)【発明者】
【氏名】フィリップ ドゥ タロエ
(72)【発明者】
【氏名】フレデリク バゼイユ
【審査官】山崎 孔徳
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第06078118(US,A)
【文献】米国特許第06412454(US,B1)
【文献】米国特許出願公開第2008/0063538(US,A1)
【文献】特表2002-541371(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F04B 43/067
F04B 53/00
F04B 53/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体製品用の電気ポンプ(100)のためのモジュラーブロック(10;104,106)であって、
-主軸(△)に沿って延在するハウジング(30)を画定する本体(12)であって、反転軸(δ)に関して離散的な回転対称性を有する一般的な形状を有し、ハウジング(30)内のハウジング(30)の主軸(△)が、中心面(P
v)の外側で中心面(P
v)の第1の側に延在し、反転軸(δ)が中心面(P
v)に含まれている本体(12)と、
-本体(12)のハウジング(30)において少なくとも部分的に延びるポンプ装置(14)を含
み、
前記本体(12)は、少なくとも1つの流体リザーバー(24)を画定し、少なくとも1つのリザーバー(24)は、反転軸に関する回転によって反転可能であり、
前記モジュラーブロック(10;104,106)は、反転軸(δ)を中心とした回転による可逆性を備えており、前記モジュラーブロックは、第1の形態と第2の形態で使用でき、前記モジュラーブロックは、第1の形態と第2の形態の間で、反転軸(δ)の周りに所定の角度で回転している、
モジュラーブロック。
【請求項2】
前記本体(12)は中間壁(18)を含み、中間壁(18)は少なくとも1つの流体リザーバー(24)を形成する2つの開放容積を画定し、各開放容積は吸引オリフィス(25)と排出オリフィス(27)を有する、請求項
1に記載のモジュラーブロック。
【請求項3】
前記ポンプ装置(14)はダイヤフラム(42)を含み、ダイヤフラム(42)は中心面(P
v)の外側で中心面(P
v)の第1の側に延在する、請求項1
または2に記載のモジュラーブロック。
【請求項4】
前記ポンプ装置(14)はピストン(40)を含み、ピストン(40)は少なくとも部分的にハウジング(30)内に延在し、ハウジング(30)の主軸(△)に沿ってスライドすることができる、請求項
3に記載のモジュラーブロック。
【請求項5】
前記本体(12)の一般的な形状は、中心面(P
v)に関して直交対称性を有する、請求項1~
4のいずれか1項に記載のモジュラーブロック。
【請求項6】
前記主軸(△)は第1の平面(P
h)に延在し、その第1の平面(P
h)は中心面(P
v)に垂直で、前記反転軸(δ)は第1の平面(P
h)に含まれている、請求項1~
5のいずれか1項に記載のモジュラーブロック。
【請求項7】
前記本体(12)は、高さ方向(Z)と呼ばれる、第1の平面(P
h)に垂直な方向において貫通オリフィス(20)を画定し、貫通オリフィス(20)は、第1の平面(P
h)に関して、また、中心面(P
v)に関して、直交対称性を有し、貫通オリフィス(20)にハウジング(30)が現れている、請求項
6に記載のモジュラーブロック。
【請求項8】
前記ポンプ装置(14)はダイヤフラム(42)を含み、ダイヤフラム(42)は中心面(Pv)の外側で中心面(Pv)の第1の側に延在し、前記ダイヤフラム(42)は、ハウジング(30)の主軸(△)に沿って
前記貫通オリフィス(20)から離れてハウジング(30)の外側に配置される、
請求項7に記載のモジュラーブロック。
【請求項9】
前記貫通オリフィス(20)は、高さ方向(Z)に沿った中心軸(D)を有し、主軸(△)と中心面(P
v)との交点が中心軸(D)に含まれる、請求項
7または
8に記載のモジュラーブロック。
【請求項10】
電気モーター(102)と請求項1~
9のいずれか1項に記載のモジュラーブロックを少なくとも2つ(104、106)含む流体製品用の電気ポンプ(100)であって、モジュラーブロック(104、106)は同一であり、それらの一般的な形状が高さ方向(Z)で重ね合わされるように並べて配置され、それぞれの中心面が共通の中心面(P
v)に結合され、それぞれの主軸(△
1、△
2)が共通の中心面(P
v)の第1の側(108)と第2の側(110)に交互になるようにモジュラーブロック(104、106)が配置される、電気ポンプ(100)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、流体製品、特に塗料用の電気ポンプのためのモジュラーブロックと関連する電気ポンプに関する。
【0002】
これ以降、「流体製品」とは、1mPa・sから300,000mPa・sの間の粘度を有する製品を指し、この粘度は、例えば、Brookfield Plan Cone粘度計を使用して、常温常圧条件下で測定される。したがって、この表現は、完全に変形可能で低粘度の液体状態の製品、および一般に「糊状」と表現され、液体より粘性が高く、液体状態と固体状態の中間の状態にある製品を含む。
【0003】
このようなポンプは、例えば、回路内で塗料を循環させるのに適している。これにより、特に、塗料の沈殿を回避し、塗料を均質に保つことが可能になる。
【0004】
ポンプは、望ましい循環速度に適合させられなければならない。特に、ポンプがその速度に適合していない場合、ポンプの運転が速すぎて塗料が薄片になるリスク、またはポンプの運転が遅すぎて塗料が均一でなくなるリスクがある。
【0005】
さらに、例えば、塗料の塗布中に、流体を均一に分配できるように、ユーザーの近くで流体製品の一定の流速と圧力を提供することが重要である。
【0006】
さらに、毎分20リットル、毎分40リットル、毎分60リットルなどの異なる流速範囲に従って、循環アセンブリ内の循環速度を適合させることができることが望ましい。次に、流速の変化にポンプを適合させる必要がある。
【0007】
1つの可能性は、所望の流速範囲ごとに1つのポンプを有し、流速の各変化に応じてポンプを変えることからなる。しかしながら、これは高価であり、使用されていないポンプのために大きな保管領域を必要とする。
【0008】
化粧品、石油化学、製薬、食品産業界における化学的方法の文脈において、流速の調整および/または異なる製品の使用を可能にするために組み合わせるべく提供される同一のモジュールと電気モーターとを含む電気ポンプが存在する。
【0009】
モジュールは、例えば、電気モーターのシャフトに沿って重ね合わされる。
【0010】
しかしながら、そのようなポンプは、電気モーターのシャフトの方向でのモジュールの重ね合わせのために、その方向でかなりの大きさを持っている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明の1つの目的は、限られた大きさを有し、異なる流速範囲に適合可能なポンプシステムを提案することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
そのために、本発明は、流体製品用の電気ポンプのためのモジュラーブロックであって、
-主軸に沿って延在するハウジングを画定する本体であって、反転軸に関して離散的な回転対称性を有する一般的な形状を有し、ハウジング内のハウジングの主軸が、中心面の外側で中心面の第1の側に延在し、反転軸が中心面に含まれている本体と、
-本体のハウジングにおいて少なくとも部分的に延びるポンプ装置
を含むモジュラーブロックに関する。
【0013】
モジュラーブロックの対称性は、2つの同一のモジュラーブロックを重ねて、第2の各平面が同じ平面に広がり、一方で、ハウジングの位置を、ひいてはポンプ装置の位置を、前記平面に対して交互にすることを可能にする。モジュラーブロックに要する一般的なスペースは、ポンプ装置に要するスペースに依存するところ、ポンプ装置の交互配置は、重ね合わせ方向におけるモジュラーブロックの重ね合わせに要求されるスペースを低減する可能性を提供する。
【0014】
モジュラーブロックは、個別に、または、技術的に可能な組み合わせに従って、以下の1つ以上の特徴をさらに備えることができる。
-本体は、少なくとも1つの流体リザーバを画定し、少なくとも1つのリザーバは、反転軸に関する回転によって反転可能である、
-本体は中間壁を含み、中間壁は少なくとも1つのリザーバを形成する2つの開放容積を画定し、各開放容積は吸引オリフィスと排出オリフィスを有する、
-ポンプ装置はダイヤフラムを含み、ダイヤフラムは中心面の外側で中心面の第1の側に延在する、
-ポンプ装置はピストンを含み、ピストンは少なくとも部分的にハウジング内に延在し、ハウジングの主軸に沿ってスライドすることができる、
-本体の一般的な形状は、中心面に関して直交対称性を有する、
-主軸は第1の平面に延在し、第1の平面は中心面に垂直で、反転軸は第1の平面に含まれている、
-本体は、高さ方向と呼ばれる、第1の平面に垂直な方向において貫通オリフィスを画定し、貫通オリフィスは、第1の平面(Ph)に関して、また、中心面に関して、直交対称性を有し、貫通オリフィスにハウジングが現れている、
-ダイヤフラムは、ハウジングの主軸に沿って貫通オリフィスから離れて、または、それに関して反対側に、ハウジングの外側に配置され、または、延在する、および/または
-貫通オリフィスは、高さ方向に沿った中心軸を有し、主軸と中心面との交点が中心軸に含まれる。
【0015】
本発明は、さらに、本体とポンプ装置を含む電気ポンプのためのモジュラーブロックであって、本体は平面に関して直交対称性を有する一般的な形状を有し、ポンプ装置は前記平面の一方の側において前記平面の外側に配置され、平面に含まれる反転軸に関して反転性を有するモジュラーブロックに関する。
【0016】
本発明は、さらに、電気モーターと先に記載のモジュラーブロックを少なくとも2つ含む流体製品用の電気ポンプであって、モジュラーブロックは同一であり、それらの一般的な形状が高さ方向で重ね合わされるように並べて配置され、それぞれの中心面が共通の中心面に結合され、主軸が共通の中心面の第1の側と第2の側に交互になるようにモジュラーブロックが配置される、電気ポンプに関する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
本発明の他の特徴および利点は、単なる例としてのそして図面を参照して行われる本発明の実施形態の以下の説明を読むと明らかになる。
【
図1】
図1は、本発明の一実施形態によるモジュールブロックの斜視図である。
【
図2】
図2は、
図1のモジュラーブロックのポンプ装置のモジュラーブロックダイヤフラムである。
【
図3】
図3は、本発明の一実施形態による2つのモジュラーブロックを含む電気ポンプの正面図である。
【
図4】
図4は、本発明による2つのモジュラーブロック間の例示的な転がり軸受の概略図である。
【
図5】
図5は、本発明の変形形態による3つのモジュラーブロックを備える電気ポンプの正面図である。
【
図6】
図6は、本発明の変形形態による5つのモジュラーブロックを備える電気ポンプの正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
流体製品用の電気ポンプのためのモジュラーブロック10を
図1に示し、そして、
図2~6に示す。
【0019】
モジュラーブロック10は、本体12とポンプ装置14を含む。
【0020】
モジュラーブロック10は、高さ方向Zと呼ばれる方向に延びるモーターのシャフトと協働するために提供される。
【0021】
互いに直交し、高さ方向Zに垂直な縦方向Xおよび横方向Yを定義し、直交座標系を定義する。
【0022】
本体12は、1つ、またはここでは、いくつかの外側壁16を備える。
【0023】
本体12はさらに、内側壁17、そしてここでは、中間壁18を含む。
【0024】
本体12は、一般的な形状を有する。ここでの一般的な形状は、1つまたは複数の外側壁16によって画定される。
【0025】
ここで外側壁16は、高さ方向Zに延びる。
【0026】
外側壁16は、高さ方向Zにおいて寸法を有し、前記寸法は「高さ」と呼ばれ、壁全体にわたって一定である。
【0027】
一般的な形状は、反転軸δに関し、より具体的には実質的に180°に等しい回転角度に対して、離散的な回転対称性を有する。
【0028】
一般的な形状は、第1の平面Phおよび第2の平面Pvに関して直交対称性を有する。
【0029】
第2の平面Pvは、第1の平面Phに垂直である。
【0030】
ここでの反転軸δは、第1の平面Phと第2の平面Pvとの交線に対応する。
【0031】
第1の平面Phは、縦方向Xおよび横方向Yに延びる。
【0032】
第2の平面Pvは、横方向Yおよび高さ方向Zに延びる。
【0033】
説明のために、第2の平面Pvは、空間を第2の平面の第1の側E1および第2の平面の第2の側E2を有する2つの半空間に分割すると考える。第2の平面Pvは、中心面とも呼ばれる。
【0034】
内側壁17は、モジュラーブロック10を通過する貫通オリフィス20を画定する。
【0035】
貫通オリフィス20は、モジュラーブロック10を高さ方向Zに通過する。
【0036】
本体12は、貫通オリフィス20の中にモーターのシャフトを受け入れるように構成される。
【0037】
内側壁17は一定の高さを有し、より具体的には外側壁の高さに等しい一定の高さを有する。
【0038】
内側壁17は、外側壁16と同じ高さである。
【0039】
内側壁17は、一般的な形状に含まれる。
【0040】
内側壁17は、第2の平面Pvに含まれる位置21で1つまたは複数の外側壁16と接触している。
【0041】
貫通オリフィス20は、ここでは高さ方向Zに沿って延びる中心軸Dを有する。
【0042】
貫通オリフィス20は、第1の平面Phおよび第2の平面Pvに関する直交対称性を有する。
【0043】
内側壁17は、ここでは、貫通オリフィス20の中心軸Dを回転軸として有する円形ベースを有するシリンダーである。
【0044】
本体12、より具体的には内側壁17は、高さ方向Zにおける貫通オリフィス20の各端部にボア(穴)23を有する。ボア23は、ここでは、貫通オリフィス20を画定する内側壁17の表面にわたって延在する。
【0045】
ここで、中間壁18は、本体12を二等分する壁である、すなわち、中間壁18は、高さ方向Zにおいて本体12の中間の高さで広がっている。
【0046】
中間壁18は、ここでは第1の平面Phに沿って延在する。
【0047】
中間壁18は、次にモジュラーブロック10を2つの半分22に分離するところ、これらの半分22は、ここでは直交対称である。
【0048】
モジュラーブロック10、より具体的には中間壁18、外側壁16および内側壁17は、各半分22に対する開放容積24を画定する。開放容積24は、高さ方向Zにおいて中間壁18の反対側でオープンである。
【0049】
各開放容積24は、流体リザーバを形成するように適合可能である。
【0050】
特に、各開放容積24は、吸引口25および排出口27を有する。
【0051】
吸引口25は、中間壁18の近くに位置し、排出口27は、吸引口25よりも中間壁18から離れている。
【0052】
モジュラーブロック10は、さらに、1つもしくはいくつかの補強リブ26、および/または、1つもしくはいくつかの放射状隔壁28を有する。
【0053】
各補強リブ26は、内側壁17を中間壁18に接続する。
【0054】
各放射状隔壁28は、本体12の全高にわたって外側壁16またはそのうちの1つと内側壁17を接続する。したがって、放射状隔壁28は、中間壁18の両側に延在する。
【0055】
あるいは、本体12は、前述のような中間壁18を含まないが、流体リザーバを形成するように適合され得る少なくとも1つの容積を画定する別の配置を含む。本体12は、例えば、第1のハーフボトムおよび第2のハーフボトムを含む。第1のハーフボトムは、空間の第1の半分E1において、本体の高さ方向Zの第1端に延在する。第2のハーフボトムは、空間の第2の半分E2において、高さ方向Zにおいて第1端とは反対の、本体の第2端に延在する。
【0056】
本体12は、さらにハウジング30を画定し、このハウジングは、ポンプ装置14を受け入れるために提供される。
【0057】
ハウジング30は、内側壁17と外側壁16またはそのうちの1つとの間に配置される。
【0058】
ハウジング30は、内側壁17と1つまたは複数の外側壁16との間の接触位置21から縦方向Xにおいて離れて延在する。
【0059】
ハウジング30は、第1の平面Phに含まれる主軸△に沿って延びる。より具体的には、ハウジング30は、貫通オリフィス20の近くに位置する近位端と呼ばれる端部と、主軸△の方向で近位端の反対側にある遠位端と呼ばれる端部とを有する。
【0060】
ハウジング30内のハウジング30の主軸△は、第2の平面P
vの一方の側、より具体的には
図1の例では第1の側E
1に延在する。
【0061】
ハウジング30内のハウジング30の主軸△は、第2の平面Pvの外側に延在する、すなわち、主軸△と第2の平面Pvとの間の交点を形成する点は、ハウジングの外側に位置する。
【0062】
主軸△と第2の平面Pvとの間の交点は、より詳細には貫通オリフィス20内、より具体的には貫通オリフィス20の中心軸Dに位置する。
【0063】
ハウジング30は、一方では貫通オリフィス20内に現れ、他方では本体12の外側に現れる。
【0064】
ハウジング30は、第1の平面Phに関して直交対称性を有する。
【0065】
ハウジング30の主軸△は、第2の平面Pvとの角度αを画定する。
【0066】
第2の平面Pvにおけるハウジング30内の主軸△の横方向Yの距離は、近位端から遠位端に向かって単調に増加している。
【0067】
ハウジング30は、ここでは主軸△を回転軸として有する中空のシリンダーによって画定されている。
【0068】
ハウジング30は、貫通オリフィス20の近くに
図2に見える肩32を有する。
【0069】
本体12は、全体として、第1の平面Phに関して直交対称性を有する。
【0070】
本体12は、ここでは反転角度と呼ばれる所与の角度だけ反転軸δの周りを回転することによる可逆性を有する。その反転角度は180°である。これは、モジュラーブロックの動作に照らして、以下、より詳細に説明される。
【0071】
ここで、本体12は、120ミリメートルに等しい高さh12を有する。
【0072】
本体12は、例えば、アルミニウムまたはステンレス鋼から作られる。
【0073】
ポンプ装置14は、本体12のハウジング30内に部分的に延在する。
【0074】
ポンプ装置14は、第1の平面Phに関して直交対称性を有する。
【0075】
ポンプ装置14は、第2の平面Pvの外側に延在する。
【0076】
図示された例では、
図2に示されるように、ポンプ装置14は、ピストン40およびダイヤフラム42を備える。
【0077】
ピストン40は、少なくとも部分的にハウジング30内に延在する。
【0078】
ダイヤフラム42は、ハウジング30の外側に、貫通オリフィス20とは反対側に、または、それから離れて、延在する。
【0079】
ダイヤフラム42は、本体12の一般的な形状の外側に延在する。
【0080】
ポンプ装置14はさらに、ピストン40および/またはピストン40の戻り部材46が移動するスリーブ44を備える。
【0081】
ポンプ装置14は、ダイヤフラム42および/または閉鎖壁50のための基部48をさらに備える。ダイヤフラム42は、基部48と閉鎖壁50との間に延在する。
【0082】
スリーブ44、および該当する場合は基部48および閉鎖壁50は、例えばアルミニウムおよび/またはステンレス鋼から作られる。
【0083】
スリーブ44は、少なくとも部分的にハウジング30内に延在する。
【0084】
スリーブ44は、貫通オリフィス20側の近位端とダイヤフラム42側の遠位端との間に延在する。
【0085】
スリーブ44の近位端は、ハウジング30の肩32に当接する。
【0086】
図示の例においては、スリーブ44は、部分的にハウジング30の外側に延在する。より具体的には、スリーブ44の遠位端は、ハウジング30の外側に延在する。
【0087】
スリーブ44は、内部容積を画定する。
【0088】
スリーブ44は中空シリンダーであり、シリンダーの軸は主軸△と有利に組み合わされている。
【0089】
スリーブ44の外径は、ハウジング30を形成するシリンダーの直径と実質的に等しい。
【0090】
スリーブ44は、ハウジング30を形成するオリフィスのライニングを形成する。
【0091】
ピストンは、スリーブ44内に十分に延び、少なくとも部分的にハウジング30内に延びる。
【0092】
スリーブ44は、ピストン40がスリーブ44内でスライドすることができ、ピストン40の補足的なシリンダーを形成するように、ピストン40と協働する。
【0093】
ピストン40は、スリーブ44内を主軸△の方向に並進的にスライドすることができる。
【0094】
ピストン40は、スリーブ44の内部容積を、貫通オリフィス20の側の近位チャンバー52とダイヤフラム42の側の遠位チャンバー54とに分離する。
【0095】
遠位チャンバー54は、伝達流体を含む。
【0096】
ピストン40は、2つの極端な位置、すなわち、
図2に示されるいわゆる吸引位置と、いわゆる排出位置との間で並進可能である。
【0097】
吸引位置にある遠位チャンバー54の容積は、所与の排出量の排出位置にある遠位チャンバー54の容積よりも厳密に大きく、例えば、50cLと500cLの間である。
【0098】
図示の例では、
図2に見える吸引位置において、ピストン40は、貫通オリフィス20の側でスリーブ44と実質的に同一平面にあり、より具体的には、ここでは、スリーブ44の端肩55に当接する。
【0099】
排出位置では、ピストンは、ダイヤフラム42の側でスリーブ44と実質的に同一平面にある。
【0100】
ピストン40の戻し部材46は、ピストン40を吸引位置に戻すように配置される。
【0101】
戻し部材46は、ここでは伸長して働くばねである。
【0102】
戻し部材46は、ピストン40の当接面58とスリーブ44の遠位端に形成された肩60との間に延在する。
【0103】
より具体的には、肩60は、基部48によって形成される。
【0104】
基部48は、前記スリーブ44の遠位端でスリーブ44に隣接して延びる。
【0105】
基部48は、ダイヤフラム42のための支持面62を有する。
【0106】
支持面62は、ハウジング30の主軸△の方向でスリーブ44と反対側の基部48上に配置される。
【0107】
支持面62は湾曲しており、凹面である。
【0108】
支持面62は、主軸△の周りの回転の連続的な対称性を有する。
【0109】
支持面62は、一般にボウルの形状である。
【0110】
支持面62の中心部は、スリーブ44の遠位端に対して延在する。
【0111】
支持面62は、中心部を取り囲む周辺部をさらに含む。
【0112】
基部48は、スリーブ44の内部容積と支持面62との間に複数の貫通開口64を有する。
【0113】
支持面62の周辺部は開口していない。
【0114】
基部48は、ここでは、本体12に固定されている。
【0115】
閉鎖壁50は、主軸△に沿って基部48に面して延びる。
【0116】
基部の逆方向に湾曲している。
【0117】
基部48および閉鎖壁50は、それらの間の容積を、ここではスピンドルの形で画定する。
【0118】
閉鎖壁50は、接続開口と呼ばれる2つの開口65を有し、流体が閉鎖壁を通って出入りすることを可能にする。より具体的には、入口開口と呼ばれる開口の一方は、流体が入るのを可能にし、出口開口と呼ばれる開口の他方は、流体が出るのを可能にする。
【0119】
接続開口65の外側の閉鎖壁50は、主軸△の周りの回転の連続的な対称性を有する。
【0120】
各開口65は、ここでは第1の平面Phに平行に延在する。
【0121】
各開口65は、ここでは第2の平面Pvに平行に延在する。より具体的には、各開口65は、ハウジング30の主軸△との角度βを画定し、ハウジング30の主軸△と第2の平面Pvとの間に画定される角度αに追加して前記角度βが画定される。
【0122】
これにより、追加のエルボーパーツを必要とせずに縦方向Xに延びるパイプを接続することができ、オペレーターの配管システムの操作を容易にすることができ、横軸Yに沿った配管システムを伴うモジュラーブロックのスペース要求を限定することができる。
【0123】
各接続開口65は、開口を通る流体の出入りをそれぞれ調整することができるバルブシステム(図示せず)を有する。
【0124】
各バルブシステムは、閉じられた位置において開口を閉じることができる。
【0125】
各バルブシステムは、その閉じられた位置に弁を戻すためのシステムを含む。戻しシステムは、例えば、ばねおよび/または磁石および/または電磁石を機械的に用いる。
【0126】
バルブシステムは、所望の方向に対応して所与の力を超える圧力がバルブシステムに確立されると、開口を通じて流体を所望の方向に通過させることができる。
【0127】
有利には、戻しシステムを備えるそのようなバルブシステムは、特定の方向付けを必要とせず、特に後者は重力によって機能するものでない。
【0128】
ダイヤフラム42は、基部48と閉鎖壁50との間に、より具体的には、基部48と閉鎖壁50との間に画定された容積内に延在する。
【0129】
ダイヤフラム42は、その外周が基部48の外周部と閉塞壁50の外周部とに留められる。
【0130】
ダイヤフラム42は、基部48および閉鎖壁50と共に、第2の平面Pvの外側で第1の側E1上で延在する。
【0131】
ダイヤフラム42は気密性である。
【0132】
それは、基部48と閉鎖壁50との間の空間を、遠位チャンバー54と流体連通する容積66と外側容積68との間で気密に分離する。
【0133】
接続開口部65は、外側容積68と流体連通している。
【0134】
ダイヤフラム42は、連通する容積66と外側容積68との間の圧力差の下で変形することができる。
【0135】
連通する容積66の圧力が、外側容積68に等しい、いわゆる等圧ケースの場合、ダイヤフラムは、例えば高さ方向Zに平行な平面に実質的に沿って延在する。
【0136】
ピストン40が吸引位置にあるとき、遠位チャンバー内の圧力は減少し、ダイヤフラムは、等圧の場合と比較して、連通する容積66が減少し、外側容積68が増加するように変形する。
【0137】
デフォルトで接続開口を閉じるバルブシステムは、外側容積68の圧力が減少する。これにより、入口開口のバルブシステムが開き、流体が外部容積68に浸透する。
【0138】
ピストン40が排出位置にあるとき、遠位チャンバー内の圧力が増加し、ダイヤフラムは、等圧の場合と比較して、連通する容積66が増加し、外側容積68が減少するように変形する。
【0139】
デフォルトで接続開口を閉じるバルブシステムは、外側容積68の圧力が増加する。これにより、出口開口のバルブシステムが開き、流体が外部容積68から排出される。
【0140】
ダイヤフラム42は、本体12よりも高さ方向Zの寸法が厳密に大きい。
【0141】
変形していないダイヤフラム42は、ここでは、その中心軸が主軸△であるディスクである。
【0142】
ダイヤフラム42は、ここでは、厳密に120ミリメートルより大きく、より具体的には250ミリメートル以上である直径D42を有する。
【0143】
ダイヤフラム42は、さらに、100ミリメートル以上、より具体的には150ミリメートル以上の湿式直径と呼ばれる直径DM
42を有する。「湿式直径」は、連通容積66および外側容積68と接触しているダイヤフラムの直径を指す。湿式直径は、ダイヤフラムの表面の、つまり変形可能な直径に対応する。
【0144】
ハウジングの主軸△と第2の平面Pvとの間の角度αは、ダイヤフラムが第2の平面Pvの完全に外側に延在するように選択される。特に、角度αは、とりわけダイヤフラムの直径およびダイヤフラムから貫通オリフィス20までの距離に依存する。
【0145】
角度αは、例えば、20°以上である。
【0146】
このように、ダイヤフラム42が本体12の一般的な形状の外側に延在するという事実は、ダイヤフラム42が本体の内側に延在する場合よりも、本体12の高さ方向Zのサイズをより小さいサイズに低減することを可能にする。
【0147】
各モジュールブロックは、反転軸δを中心とした回転による可逆性を備えている、つまり、モジュールブロックは、第1の形態と第2の形態で使用でき、モジュラーブロックは、反転軸δの周りに所定の角度で回転している。所定の角度、いわゆる反転角度は、ここでは180°に等しい。より具体的には、ここでは、モジュラーブロックへの配管と接続のシステムを変更して、モジュラーブロックをどちらかの形態で使用できるようにするだけで十分である。
【0148】
モジュラーブロックの各機能部分は、ポンプ装置のように両方の形態において共通で使用可能であるか、図示された場合の、対応する開口を備えた開放容積のように、重複して存在する。
【0149】
特に、本体12、ダイヤフラム42の基部48および閉鎖壁50は、反転軸δに関して反転可能である。
【0150】
次に、モジュールブロックを製造するための例示的な方法を、
図1および2に照らして説明する。
【0151】
製造方法は、次のステップで構成される:
-例えば、機械加工または押し出しによって、前述の本体12を提供し、
-ポンプ装置14を本体のハウジング30に配置する。
【0152】
ポンプ装置は、本体の第2の平面Pvに関して偏心している。
【0153】
次に
図3に照らして、本発明による流体製品用の例示的な電気ポンプ100を説明する。
【0154】
ポンプは、30バールの圧力まで機能するサイズである。
【0155】
前述のように、ポンプ100は、電気モーター102および少なくとも2つのモジュラーブロック104、106を備える。
【0156】
より具体的には、ここでは、ポンプ100が、2つのモジュラーブロック104、106を備える。
【0157】
モジュラーブロック104、106は同一である、すなわち、それらは同じ寸法を有する同じモデルに基づいて形成される。
【0158】
それらは、その一般的な形状が各々の高さ方向Zにおいて重なり合うように重ね合わされる。
【0159】
異なるモジュラーブロックの各高さ方向Zが組み合わされる。
【0160】
異なるモジュラーブロックの外側と内側の側壁は、高さ方向Zに並んでいる。
【0161】
図示の例では、高さ方向Zは、実質的に局所的な重力の方向と平行である。
【0162】
あるいは、高さ方向Zは、例えば、局所的な重力の方向に対して垂直である。ジョイントは、モジュラーブロック間に有利に提供される。
【0163】
モジュラーブロック104、106のそれぞれの第2の平面は、共通の第2の平面Pvに組み合わされる。
【0164】
モジュラーブロック104、106のそれぞれの第1の平面は、互いに平行である。
【0165】
それぞれのハウジング内のモジュラーブロック104、106のそれぞれの主軸△1、△2は、第2の共通平面Pvの第1の側108および第2の側110に交互に配置される。
【0166】
より具体的には、対応するハウジング内の第1のモジュラーブロック104の主軸△1は、第2の平面Pvの第1の側108に配置され、対応するハウジング内の第2のモジュラーブロック106の主軸△2は、第2の平面Pvの第2の側110に配置される。
【0167】
モジュラーブロック104、106の各ポンプ装置のダイヤフラムは、第2の共通平面Pvの第1の側108上または第2の側110上に交互に配置される。
【0168】
ダイヤフラムは、第2の共通平面Pvのいずれかの側に互い違いの列で配置される。
【0169】
各モジュールブロックは、対応する反転軸δに沿って、隣接するモジュールブロックに対して反転される。
【0170】
各モジュールブロックは、ポンプ内の配置に従って動作するのに適している。
【0171】
より具体的には、各モジュラーブロックは、流体製品循環回路の接続開口で接続することができる。
【0172】
各モジュールまたはブロックに接続される様々なコネクタとパイプは、所定の配置に適合される。
【0173】
各モジュラーブロックにとって、接続開口のバルブシステムは、高さ方向Zの下部開口112、114が入口開口であり、上部開口116、118が出口開口になるように配置される。
【0174】
これにより、有利には、前記モジュラーブロックの外側容積に存在し、ポンプ装置のポンプ効率を低下させる可能性がある空気を追い出すことが可能になる。
【0175】
図1に照らして説明される例に対応する各モジュラーブロックについて、高さ方向Zの中間壁の上にある半分の開放容積は、ここではベースリザーバとして機能し、連通する容積に接続される。例えば、上半分の開放容積は、連通する容積に含まれる同じ伝達流体を含み、それにより、一方で連通する容積に流体を供給し、連通する容積からの流体の排出を可能にする。
【0176】
対応する開放容積の吸引口および排出口は、コネクタおよびパイプによって連通する容積に接続される。他の開放容積の吸引口と排出口が塞がれる。
【0177】
より具体的には、ここでのポンプは、各モジュラーブロックについて、オリフィスとストッパーを含む吸引コネクタ120,122を含み、オリフィスはリザーバの吸引口に面して、ストッパーは他の開放容積の吸引口に面して配置されるべく提供される。
【0178】
ポンプは、さらに、各モジュラーブロックについて、リザーバの排出口に接続された排出コネクタ124、126と、他の開放容積の排出口を閉じるべく提供されたストッパー128、130とを含む。
【0179】
前述のように、代替として、1つまたはいくつかのリザーバが、図示された例とは異なって配置された容積によって形成される。前述のように各モジュラーブロックが2つのハーフボトムを含む場合、リザーバは、例えば、2つのモジュラーブロックの高さを超えて延び、吸引口および排出口が各ハーフに提供される。
【0180】
各リザーバは、連通する容積および変位などの、伝達流体を含む空間のすべてを満たすために、伝達流体の最大体積以上の体積を有する。
【0181】
リザーバまたはリザーバのセットは、反転角度による反転軸δ周りの回転により、可逆性を有する。
【0182】
ポンプ100は、
図4に示されるように、2つの隣接するモジュラーブロック104、106の間の各界面に、軸受132、特に転がり軸受をさらに含む。
【0183】
ベアリング132は、2つのモジュラーブロックに跨って延在する。
【0184】
貫通オリフィスの一端にある各モジュラーブロックのボアは、ベアリングの半分と相補的であり、ベアリングは、インターフェイスで各モジュラーブロックのボアに配置される。
【0185】
ポンプ100は、モジュラーブロック104、106の重ね合わせの各側において、高さ方向Zに配置された下部プレート134および上部プレート136をさらに含む。
【0186】
下部プレート134および上部プレート136は、モジュラーブロックの形状と概ね重ね合わせることができる形状を有している。
【0187】
下部プレート134および上部プレート136は、モジュラーブロック104、106のいずれかの側でポンプ100を閉じる。
【0188】
ポンプ100は、モジュラーブロック104、106の貫通オリフィスを通って高さ方向Zに延在し、電気モーター102によって高さ方向Zの周りに回転可能なシャフト(図示せず)を備える。
【0189】
ポンプは、各モジュラーブロックについて、シャフトの回転運動を前記モジュラーブロックでの高さ方向の並進運動に伝達する手段をさらに含む。
【0190】
その伝達手段は、例えば、連接棒およびクランクシステム、偏心器またはカムを含む。
【0191】
伝達手段は、一方では高さ方向Zの周りに回転するシャフトに固定され、他方ではモジュラーブロックのポンプ装置と相互作用するように設けられている。
【0192】
より具体的には、伝達手段は、吸引位置と排出位置との間でピストンを動かし、それから逆に、シャフトをモーターの動作と同じ方向に回転させることによって提供される。
【0193】
次に、
図3に示されるポンプの動作について説明する。
【0194】
各モジュラーブロック104、106の入口開口112、114および出口開口116、118は、流体製品循環回路に接続され、出口開口は、循環回路における所定の流速で流体製品を放出するために提供され、入口開口は、液体製品を吸引するために提供される。
【0195】
第1の実施形態では、モジュラーブロック104、106は、循環回路内の流速を増大させるように、同じ流体製品循環回路に接続される。
【0196】
第2の実施形態では、モジュラ-ブロック104、106は、例えば、異なる流体製品を含む別個の流体製品循環回路に接続される。
【0197】
あるいは、特定のモジュラーブロックは、同じ流体製品循環回路に接続され、モジュラーブロックの少なくとも1つは、別個の循環回路に接続される。
【0198】
電気モーター102は、ポンプのシャフトを高さ方向Zの周りに、より具体的には一定の回転速度で回転させる。
【0199】
各モジュラーブロックのピストンを、伝達手段を介して吸引位置と排出位置の間で動かし、その逆も同様である。
【0200】
先に説明したように、これにより、入口開口を通じて流体製品が吸引され、そして、出口開口を通じて流体製品が排出される。
【0201】
各モジュラーブロックごとに、各サイクルにおいて、このモジュラーブロックの場合、ポンプは、所定量、ここでは関連するポンプ装置の変位に対応する量の流体製品を吸引および排出する。
【0202】
本発明による流体製品用の電気ポンプの第2および第3の例が、
図5および6に示される。
【0203】
前記ポンプは、モジュラーブロックの数の点で
図3に示されるポンプと異なるだけであり、第2の例は3つのモジュラーブロックを示し、第3の例は5つのモジュラーブロックを示す。
【0204】
モジュラーブロックは、
図3の例と同様に配置される、つまり、主軸が、結合された第2の平面の一方または他方に交互に配置されるように重ねられる。
【0205】
モジュラーブロックの追加または削除により、ポンプの置き換えを調整することができ、モジュラーブロックに対応する流速を増幅することにより、同じ製品循環回路における流速を調整することができる。
【0206】
代替的または追加的に、モジュラーブロックの追加は、ポンプが接続されている異なる製品の循環回路の数を変更することにより、異なる製品の流速を制御することを可能にする。
【0207】
したがって、このようなポンプは、モーターを変更する必要なく、モジュラーブロックを追加または削除することにより、異なる流速範囲に簡単に適応できる。
【0208】
さらに、互いに同一のモジュラーブロックを使用することで、ポンプを製造するのに必要な部品モデルの数を削減できる。
【0209】
さらに、そのようなポンプは、モジュラーブロックを高さ方向Zに積み重ねることにより、設置面積を減少させる。
【0210】
このようなポンプは、ポンプ装置が第2の平面の一方の側またはその反対側に交互に配置されることに起因して、高さ方向Zで必要なスペースがさらに少なくなっているが、これは、特に、各モジュラーブロックの各々の第1の平面に関する直交対称性により可能となるものである。
【0211】
ここでのダイヤフラムは、高さ方向Zにかなりの大きさがある。実際、ポンプ装置のピストンの変位が大きいほど、同じ直径のダイヤフラムの各サイクルでダイヤフラムの中心が高くなり、ダイヤフラムの摩耗を引き起こす。ダイヤフラムの摩耗を制限するためには、ダイヤフラムの湿式直径に対するダイヤフラムの中心での移動距離の比率を減らすことが有利である。
【0212】
ダイヤフラムの中心での移動距離を制限するために、大径のダイヤフラムが使用される。したがって、所与の変位、すなわち所与の排出容積の場合、大径のダイヤフラムの場合に、中心での移動が厳密に少ない。ここで、「大径のダイヤフラム」とは、いわゆる湿式直径が100mm以上のダイヤフラムをいう。
【0213】
ダイヤフラムの側面を交互に配置することにより、対応するダイヤフラムの寸法よりも厳密に小さい高さ方向Zの寸法を有する各モジュラーブロックの本体を有することが可能になる。
【0214】
より具体的には、本体の高さ方向Zの寸法は、ダイヤフラムの外径を2で除したものに等しく、片側のダイヤフラムの重ね合わせの遊びにより増加する。その遊びは、例えば1ミリメートルと10ミリメートルの間である。
【0215】
したがって、本発明による3つのモジュラーブロックの重ね合わせは、ポンプ装置が重ね合わされる2つのモジュラーブロックの重ね合わせと、高さ方向Zにおいて実質的に同じ空間を要する。
【0216】
一般に、本発明による5つのモジュラーブロックの重ね合わせは、ポンプ装置が重ね合わされる3つのモジュラーブロックの重ね合わせと、高さ方向Zにおいて実質的に同じ空間を要する。
【0217】
本発明は、ダイヤフラムを備えるポンプ装置の文脈で説明され、例示されてきた。しかしながら、本発明は、異なるポンプ装置を含む、特にピストンを含み、ダイヤフラムのないモジュラーブロックに適合可能である。
【0218】
そのようなモジュラーブロックは、例えば、伝達流体リザーバとして使用できる容量を画定しない。
【0219】
これにより、特に、ポンプ装置の性質に関係なく、本体の高さ方向Zにおけるサイズをポンプ装置の高さ方向におけるサイズよりも厳密に小さくすることが可能になる。
【0220】
したがって、各本体は、ポンプ装置が互いに重ね合わされるようなサイズの本体である場合と比較して、高さ方向Zにおいてより小さいサイズを有する。
【0221】
モジュラーブロックを互いに重ね合わせると、高さ方向Zにおいて嵩が小さくなる。