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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-16
(45)【発行日】2024-07-24
(54)【発明の名称】磁気センサ
(51)【国際特許分類】
   G01R 33/02 20060101AFI20240717BHJP
   G01R 33/09 20060101ALI20240717BHJP
【FI】
G01R33/02 V
G01R33/09
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2020152521
(22)【出願日】2020-09-11
(65)【公開番号】P2022046892
(43)【公開日】2022-03-24
【審査請求日】2023-07-18
(73)【特許権者】
【識別番号】000003067
【氏名又は名称】TDK株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100115738
【弁理士】
【氏名又は名称】鷲頭 光宏
(74)【代理人】
【識別番号】100121681
【弁理士】
【氏名又は名称】緒方 和文
(72)【発明者】
【氏名】北島 伸夫
(72)【発明者】
【氏名】渡辺 浩幸
(72)【発明者】
【氏名】原川 修
(72)【発明者】
【氏名】オリバー バビラ
(72)【発明者】
【氏名】ジョニー ボンソル
【審査官】越川 康弘
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-215311(JP,A)
【文献】特開2020-071198(JP,A)
【文献】実開昭50-151132(JP,U)
【文献】特開2004-111525(JP,A)
【文献】特開2019-134065(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0148043(US,A1)
【文献】特開2019-174140(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01R 33/02
G01R 33/09
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも一つの感磁素子を有し、前記感磁素子が形成された素子形成面が基板の表面に対して垂直又は所定の傾きを持つよう、前記基板の表面に搭載されたセンサチップと、
前記基板の表面に搭載され、検出対象磁界を前記感磁素子に集磁する第1の外部磁性体と、
前記基板の表面に搭載され、前記センサチップから見て前記第1の外部磁性体とは反対側に位置する第2の外部磁性体と、
前記第1の外部磁性体に巻回された補償コイルと、
前記第1の外部磁性体に固定され、第1及び第2の接続ピンを保持する第1の成形部材と、
それぞれ前記第1及び第2の接続ピンに接続され、前記第2の外部磁性体上に配置された第1及び第2のワイヤと、を備え、
前記補償コイルの一端は前記第1の接続ピンに接続され、前記補償コイルの他端は前記第2の接続ピンに接続されることを特徴とする磁気センサ。
【請求項2】
前記第1の接続ピンは、前記第1の成形部材から突出する第1及び第2の突出部を有し、
前記第2の接続ピンは、前記第1の成形部材から突出する第3及び第4の突出部を有し、
前記補償コイルの前記一端は、前記第1の接続ピンの前記第1の突出部に固定され、
前記補償コイルの前記他端は、前記第2の接続ピンの前記第3の突出部に固定され、
前記第1のワイヤは、前記第1の接続ピンの前記第2の突出部に接続され、
前記第2のワイヤは、前記第2の接続ピンの前記第4の突出部に接続されることを特徴とする請求項に記載の磁気センサ。
【請求項3】
前記第1の接続ピンの前記第1の突出部と前記第2の接続ピンの前記第3の突出部は、互いに同方向に突出していることを特徴とする請求項に記載の磁気センサ。
【請求項4】
前記第1及び第2のワイヤは、前記第2の外部磁性体上で複数回に亘って交差することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の磁気センサ。
【請求項5】
前記第1の外部磁性体は、前記基板の表面に固定された幅太部と、前記幅太部よりも断面積の小さい幅細部を有し、
前記補償コイルは、前記幅細部に巻回されることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の磁気センサ。
【請求項6】
前記幅細部の先端に固定された第2の成形部材をさらに備えることを特徴とする請求項に記載の磁気センサ。
【請求項7】
前記第2の成形部材は、前記補償コイルを掛止する掛止部を有することを特徴とする請求項に記載の磁気センサ。
【請求項8】
前記幅太部は、前記幅細部の一端側に位置する第1の幅太部と前記幅細部の他端側に位置する第2の幅太部を有することを特徴とする請求項に記載の磁気センサ。
【請求項9】
前記第1の成形部材は、前記幅太部と前記幅細部の間の段差によって位置決めされることを特徴とする請求項5乃至8のいずれか一項に記載の磁気センサ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は磁気センサに関し、特に、感磁素子に磁束を集める外部磁性体と補償コイルを備えた磁気センサに関する。
【背景技術】
【0002】
感磁素子に磁束を集める外部磁性体と補償コイルを備えた磁気センサとしては、特許文献1及び2に記載された磁気センサが知られている。特許文献1及び2に記載された磁気センサは、センサチップに集積された感磁素子及び補償コイルと、センサチップ上に配置された外部磁性体とを備えている。そして、外部磁性体によって集磁された磁界が感磁素子に印加されるとともに、感磁素子に印加される磁界を補償コイルによってキャンセルすることによって、いわゆるクローズドループ制御が行われる。これにより、感磁素子に印加される磁界が常にゼロの状態が保たれることから、温度変化などに起因するオフセットが生じず、正確な磁界測定が可能となる。
【0003】
しかしながら、特許文献1及び2に記載された磁気センサでは、補償コイルがセンサチップに集積された構造を有していることから、補償コイルのターン数を十分に確保することが困難であり、このため補償コイルに流れる電流から発生する磁界が比較的小さい。このため、測定対象となる磁界が比較的強い場合には、感磁素子に印加される磁界をキャンセルすることが困難であった。また、補償コイルと外部磁性体の距離が離れていることから、測定対象となる磁界が強いと外部磁性体が磁気飽和してしまうことも考えられる。外部磁性体が磁気飽和すると、集磁能力の低下によって、磁界の強度とセンサ出力との間のリニアリティがなくなり、正確な磁界測定ができなくなるという問題があった。
【0004】
このような問題を解決する方法としては、特許文献1の図12に示すように、センサチップが搭載された基板上に、センサチップを取り囲むような大型の補償コイルを別途付加する方法が考えられる。この方法によれば、感磁素子及び外部磁性体に強いキャンセル磁界を印加することができるため、測定対象となる磁界が比較的強い場合であっても、感磁素子に印加される磁界を正しくキャンセルすることができるとともに、外部磁性体の磁気飽和を防止することが可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】国際公開第2017/077870号パンフレット
【文献】特開2018-179738号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、大型の補償コイルを基板上に搭載する方法では、磁気センサ全体のサイズが大型化するという問題があった。
【0007】
したがって、本発明は、感磁素子に印加される磁界を補償コイルによって正しくキャンセルすることができ、且つ、外部磁性体の磁気飽和を防止することが可能な小型の磁気センサを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明による磁気センサは、少なくとも一つの感磁素子を有するセンサチップと、検出対象磁界を感磁素子に集磁する第1の外部磁性体と、第1の外部磁性体に巻回された補償コイルと、第1の外部磁性体に固定され、第1及び第2の接続ピンを保持する第1の成形部材とを備え、補償コイルの一端は第1の接続ピンに接続され、補償コイルの他端は第2の接続ピンに接続されることを特徴とする。
【0009】
本発明によれば、補償コイルが第1の外部磁性体に巻回されていることから、コイル径を小さくすることができる。このため、磁気センサ全体のサイズの大型化を防止しつつ、キャンセル磁界を外部磁性体に効率よく印加することが可能となる。これにより、感磁素子に印加される磁界を正しくキャンセルすることができるとともに、第1の外部磁性体の磁気飽和を防止することが可能となる。また、補償コイルを別部品として配置しなくても良いので、補償コイルの位置ずれ等によるキャンセル磁界の変化が低減され、安定した歩留まりでセンサを提供できる。しかも、第1の外部磁性体に第1の成形部材が固定され、第1の成形部材に保持された第1及び第2の接続ピンに補償コイルの両端が接続されていることから、補償コイルとフィードバック回路の接続が容易となる。
【0010】
本発明において、センサチップは、感磁素子が形成された素子形成面が基板の表面に対して垂直又は所定の傾きを持つよう基板の表面に搭載され、第1の外部磁性体は基板の表面に搭載されていても構わない。これによれば、外部磁性体の長さが長い場合であっても、基板上に外部磁性体を安定して支持することが可能となる。
【0011】
本発明において、第1及び第2の接続ピンは、基板に設けられた第1及び第2の端子電極にそれぞれ接続されていても構わない。これによれば、補償コイルと第1及び第2の端子電極が第1及び第2の接続ピンを介して接続されるため、補償コイルを基板上の端子電極に直接ハンダ付けする必要がなくなり、アセンブリ作業の作業効率が高められる。
【0012】
本発明において、第1の接続ピンは第1の成形部材から突出する第1及び第2の突出部を有し、第2の接続ピンは第1の成形部材から突出する第3及び第4の突出部を有し、補償コイルの一端は第1の接続ピンの第1の突出部に固定され、補償コイルの他端は第2の接続ピンの第3の突出部に固定され、第1の端子電極は第1の接続ピンの第2の突出部に接続され、第2の端子電極は第2の接続ピンの第4の突出部に接続されていても構わない。これによれば、接続ピンと補償コイル及び端子電極との接続が容易となる。
【0013】
本発明において、第1の接続ピンの第1の突出部と第2の接続ピンの第3の突出部は、互いに同方向に突出していても構わない。これによれば、補償コイルの両端をハンダによって接続ピンに固定する場合に、ハンダ付け作業を1回で完了することが可能となる。この場合、第1の接続ピンの第1の突出部と第2の接続ピンの第3の突出部は、基板の表面からの高さ位置が互いに異なっていても構わない。これによれば、補償コイルの両端が互いに干渉することなく、それぞれ第1及び第3の突出部に接続することが可能となる。
【0014】
本発明において、第1の接続ピンの第1の突出部と第2の接続ピンの第3の突出部は、互いに逆方向に突出していても構わない。これによれば、第1及び第3の突出部の高さ位置が互いに同じであっても、補償コイルの両端が互いに干渉することなく、それぞれ第1及び第3の突出部に接続することが可能となる。
【0015】
本発明による磁気センサは、基板の裏面又は内層に設けられ、それぞれ第1及び第2の端子電極に接続された第1及び第2の配線パターンをさらに備えていても構わない。これによれば、配線パターンから発生するノイズが感磁素子に与える影響を低減することが可能となる。この場合、第1及び第2の配線パターンは、コプレナー構造又はマイクロストリップライン構造を有していても構わない。これによれば、ノイズの影響をより低減することが可能となる。
【0016】
本発明による磁気センサは、基板の表面に搭載され、センサチップから見て第1の外部磁性体とは反対側に位置する第2の外部磁性体と、それぞれ第1及び第2の接続ピンに接続され、第2の外部磁性体上に配置された第1及び第2のワイヤとをさらに備えていても構わない。これによれば、補償コイルに流れる電流によって生じるノイズが感磁素子に与える影響をより低減することが可能となる。この場合、第1及び第2のワイヤは、第2の外部磁性体上で複数回に亘って交差しても構わない。これによれば、インダクタンスのばらつきやインピーダンスのばらつきを低減することが可能となる。
【0017】
本発明において、外部磁性体は、基板の表面に固定された幅太部と、幅太部よりも断面積の小さい幅細部を有し、補償コイルは、幅細部に巻回されていても構わない。これによれば、基板と補償コイルの干渉を防止することが可能となる。
【0018】
本発明による磁気センサは、幅細部の先端に固定された第2の成形部材をさらに備えていても構わない。これによれば、補償コイルの外部磁性体からの脱落を防止することが可能となる。この場合、第2の成形部材は、補償コイルを掛止する掛止部を有していても構わない。これによれば、補償コイルの折り返し位置が固定されることから、補償コイルの巻崩れを防止することが可能となる。
【0019】
本発明において、幅太部は、幅細部の一端側に位置する第1の幅太部と幅細部の他端側に位置する第2の幅太部を有するものであっても構わない。これによれば、補償コイルの外部磁性体からの脱落を防止することが可能となる。
【0020】
本発明において、第1の成形部材は、幅太部と幅細部の間の段差によって位置決めされていても構わない。これによれば、外部磁性体と第1の成形部材の位置関係を固定することが可能となる。
【発明の効果】
【0021】
このように、本発明によれば、感磁素子に印加される磁界を補償コイルによって正しくキャンセルすることができ、且つ、外部磁性体の磁気飽和を防止することが可能な小型の磁気センサを提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1図1は、本発明の第1の実施形態による磁気センサ1の外観を示す略斜視図である。
図2図2は、磁気センサ1の略分解斜視図である。
図3図3は、センサチップ20の略平面図である。
図4図4は、図3のA-A線に沿った略断面図である。
図5図5は、磁性体層と感磁素子が重なりを有している例を説明するための略断面図である。
図6図6は、感磁素子R1~R4と補償コイルCの接続関係を説明するための回路図である。
図7A図7Aは、成形部材50の形状を説明するための略斜視図である。
図7B図7Bは、成形部材50の形状を説明するための略斜視図である。
図7C図7Cは、成形部材50の形状を説明するための略斜視図である。
図8A図8Aは、成形部材60の形状を説明するための略斜視図である。
図8B図8Bは、成形部材60の形状を説明するための略斜視図である。
図9図9は、掛止部61の役割を説明するための模式図である。
図10図10は、配線パターン13,14をコプレナー構造とした例を示す模式図である。
図11図11は、配線パターン13,14をマイクロストリップライン構造とした例を示す模式図である。
図12図12は、本発明の第2の実施形態による磁気センサ2の外観を示す略斜視図である。
図13A図13Aは、成形部材80の形状を説明するための略斜視図である。
図13B図13Bは、成形部材80の形状を説明するための略斜視図である。
図13C図13Cは、成形部材80の形状を説明するための略斜視図である。
図14図14は、本発明の第3の実施形態による磁気センサ3の外観を示す略斜視図である。
図15図15は、第3の実施形態において使用する外部磁性体30の形状を説明するための模式図である。
図16図16は、本発明の第4の実施形態による磁気センサ4の外観を示す略斜視図である。
図17A図17Aは、成形部材90の形状を説明するための略斜視図である。
図17B図17Bは、成形部材90の形状を説明するための略斜視図である。
図17C図17Cは、成形部材90の形状を説明するための略斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、添付図面を参照しながら、本発明の好ましい実施形態について詳細に説明する。
【0024】
<第1の実施形態>
図1は、本発明の第1の実施形態による磁気センサ1の外観を示す略斜視図である。また、図2は、磁気センサ1の略分解斜視図である。
【0025】
図1及び図2に示すように、第1の実施形態による磁気センサ1は、基板10と、基板10のxz面を構成する表面11に搭載されたセンサチップ20及び外部磁性体30,40と、外部磁性体30に巻回された補償コイルCと、外部磁性体30に固定された成形部材50,60とを備えている。センサチップ20は、xy面を構成する素子形成面21及び裏面22と、yz面を構成する側面23,24と、xz面を構成する側面25,26とを有しており、側面26が基板10の表面11と向かい合うよう、基板10に搭載されている。センサチップ20の素子形成面21上には、後述する感磁素子及び磁性体層M1~M3が形成されている。このように、本実施形態においては、基板10の表面11とセンサチップ20の素子形成面21が垂直である。但し、本発明おいて両者が完全に垂直であることは必須でなく、垂直に対して所定の傾きを有していても構わない。
【0026】
外部磁性体30,40は、センサチップ20に磁束を集める役割を果たし、いずれもフェライトなどの高透磁率材料によって構成される。このうち、外部磁性体30はz方向を長手方向とする棒状体であり、磁性体層M1の一部を覆うよう、素子形成面21のx方向における略中央部に位置決めされている。外部磁性体40は、センサチップ20から見て外部磁性体30とは反対側に位置する。外部磁性体40は、磁性体層M2,M3の一部を覆うとともに、センサチップ20の側面23,24及び裏面22を覆っており、z方向を長手方向とする棒状形状を有している。かかる構成により、z方向の磁界が選択的に集磁され、集磁された磁界がセンサチップ20に印加されることになる。
【0027】
外部磁性体30は、基板10の表面11に固定された幅太部31と、幅太部31よりもxy断面の断面積が小さい幅細部32を有する。幅細部32は基板10の表面11から離れている。
【0028】
補償コイルCは、z方向が軸方向となるよう外部磁性体30の幅細部32に巻回されたワイヤ(被覆導線)からなる。本実施形態においては、補償コイルCが外部磁性体30に直接巻回されている。また、巻崩れを防止するために、外部磁性体30に巻回した補償コイルCを接着剤などで固めても構わない。補償コイルCを構成するワイヤのターン数については特に限定されず、目的とするキャンセル磁界の発生に必要なターン数とすれば良い。本実施形態においては、補償コイルCを外部磁性体30に巻回していることから、センサチップ20に補償コイルを集積する方式と比べて、ターン数を大幅に増やすことが可能であるとともに、より大きな電流を流すことが可能である。また、基板上に補償コイルを別途配置する方式のように、磁気センサ全体のサイズが大型化することもない。
【0029】
成形部材50,60は樹脂などの非磁性絶縁材料からなり、いずれも接着剤などを用いて外部磁性体30に固定される。このうち、成形部材50は、外部磁性体30の幅太部31及び幅細部32の境界に位置する段差33を覆うように設けられ、成形部材60は、幅細部32の先端に設けられる。成形部材50,60の構造及び役割については追って詳述する。
【0030】
図3はセンサチップ20の略平面図であり、図4図3のA-A線に沿った略断面図である。
【0031】
図3及び図4に示すように、センサチップ20の素子形成面21には、4つの感磁素子R1~R4が形成されている。感磁素子R1~R4は、磁束の向きによって電気抵抗が変化する素子であれば特に限定されず、例えばMR素子などを用いることができる。感磁素子R1~R4の固定磁化方向は、互いに同じ向き(例えばx方向におけるプラス側)に揃えられている。感磁素子R1~R4は絶縁層27で覆われており、絶縁層27の表面には、パーマロイなどからなる磁性体層M1~M3が形成されている。磁性体層M1~M3は絶縁層28で覆われている。そして、磁性体層M1~M3のうち、y方向における一方側(図3における上側)に位置する部分を磁性体層M11,M21,M31と定義し、y方向における他方側(図3における下側)に位置する部分を磁性体層M12,M22,M32と定義した場合、平面視で(z方向から見て)、感磁素子R1は磁性体層M11と磁性体層M21の間に位置し、感磁素子R2は磁性体層M12と磁性体層M22の間に位置し、感磁素子R3は磁性体層M11と磁性体層M31の間に位置し、感磁素子R4は磁性体層M12と磁性体層M32の間に位置している。これにより、磁気ギャップG1~G4を通過する磁界が感磁素子R1~R4に印加される。
【0032】
但し、本発明において、各感磁素子R1~R4が平面視で2つの磁性体層間に位置することは必須でなく、2つの磁性体層からなる磁気ギャップG1~G4の近傍、つまり、磁気ギャップG1~G4によって形成される磁路上に各感磁素子R1~R4が配置されていれば足りる。また、磁気ギャップG1~G4の幅が感磁素子R1~R4の幅よりも広い必要はなく、磁気ギャップG1~G4の幅が感磁素子R1~R4よりも狭くても構わない。図5に示す例では、磁気ギャップG1のx方向における幅Gxが感磁素子R1のx方向における幅Rxよりも狭く、これにより、z方向から見て磁性体層M1,M2と感磁素子R1が重なりOVを有している。磁気ギャップG1~G4と感磁素子R1~R4との関係は、図5に示す関係であっても構わない。
【0033】
図3及び図4において、符号30a,40aで示す領域はそれぞれ外部磁性体30,40によって覆われる領域を示している。図3及び図4に示すように、外部磁性体30は磁性体層M1を覆い、外部磁性体40は磁性体層M2,M3を覆う。
【0034】
図6は、感磁素子R1~R4と補償コイルCの接続関係を説明するための回路図である。
【0035】
図6に示すように、感磁素子R1は端子電極T11,T13間に接続され、感磁素子R2は端子電極T12,T14間に接続され、感磁素子R3は端子電極T11,T12間に接続され、感磁素子R4は端子電極T13,T14間に接続されている。端子電極T11~T14は、図2に示す端子電極群T10を構成する端子電極である。端子電極群T10はセンサチップ20に設けられ、基板10に形成された図示しない配線を介して、図1及び図2に示す端子電極群T30に接続される。端子電極T11には電源電位Vccが与えられ、端子電極T14には接地電位GNDが与えられる。そして、感磁素子R1~R4は全て同一の磁化固定方向を有していることから、外部磁性体30からみて一方側に位置する感磁素子R1,R2の抵抗変化量と、外部磁性体30からみて他方側に位置する感磁素子R3,R4の抵抗変化量との間には差が生じる。これにより、感磁素子R1~R4は差動ブリッジ回路を構成し、磁束密度に応じた感磁素子R1~R4の電気抵抗の変化が差動信号Vaとして端子電極T12,T13に現れることになる。
【0036】
端子電極T12,T13から出力される差動信号Vaは、基板10又はセンサチップ20に設けられた差動アンプ71に入力される。差動アンプ71の出力信号は、端子電極T21にフィードバックされる。図6に示すように、端子電極T21と端子電極T22との間には補償コイルCが接続されており、これにより、補償コイルCは差動アンプ71の出力信号に応じたキャンセル磁界を発生させる。端子電極T21,T22は、成形部材50に保持された接続ピンP1,P2にそれぞれ接続される。かかる構成により、検出対象磁界の磁束密度に応じた感磁素子R1~R4の電気抵抗の変化に応じた差動信号Vaが端子電極T12,T13に現れると、これに応じた電流が補償コイルCに流れ、逆方向のキャンセル磁界を発生させる。これにより、検出対象磁界が打ち消される。そして、差動アンプ71から出力される電流を検出回路72によって電流電圧変換すれば、検出対象磁界の強さを検出することが可能となる。このようなクローズドループ制御により、外部磁性体30,40を介して集磁された磁界を高精度に検出することが可能となる。
【0037】
そして、本実施形態においては、補償コイルCが外部磁性体30に巻回されていることから、十分なターン数を確保することができるとともに、より大きな電流を流すことが可能である。これにより、強いキャンセル磁界を発生させることができるため、測定対象となる磁界が比較的強い場合であっても、感磁素子R1~R4に印加される磁界を正しくキャンセルすることができるだけでなく、外部磁性体30の磁気飽和を防止することが可能となる。
【0038】
しかも、本実施形態においては、外部磁性体30が幅太部31と幅細部32を有しており、補償コイルCが幅細部32に巻回されていることから、補償コイルCと基板10の接触や干渉が生じない。これにより、外部磁性体30の幅太部31を基板10の表面11に密着させることができることから、外部磁性体30を基板10の表面11に安定的に固定することが可能となる。
【0039】
図7A図7Cは、成形部材50の形状を説明するための略斜視図であり、互いに異なる角度から視認した状態を示している。
【0040】
図7A図7Cに示すように、成形部材50は、接続ピンP1を保持する保持機構51と、接続ピンP2を保持する保持機構52と、補償コイルCの一端を案内するガイド溝53と、補償コイルCの他端を案内するガイド溝54と、外部磁性体30と嵌合するスリット55とを備えている。接続ピンP1,P2は、それぞれ保持機構51,52に挿入されることにより、成形部材50に保持され、好ましくは位置決めされる。接続ピンP1,P2は、接着剤などを用いて成形部材50に接着しても構わない。
【0041】
接続ピンP1,P2は、成形部材50の表面から-x方向に突出する突出部P1a,P2aと、成形部材50の表面から-y方向に突出する突出部P1b,P2bを有している。突出部P1a,P2aはそれぞれ補償コイルCの一端及び他端に接続され、突出部P1b,P2bはそれぞれ端子電極T21,T22に接続される。
【0042】
突出部P1a,P2aと補償コイルCの接続は、絶縁被覆を除去した補償コイルCの一端及び他端をそれぞれ突出部P1a,P2aに巻き付け、さらにハンダによって固定することにより行う。この時、突出部P1a,P2aが成形部材50の表面から突出していることから、補償コイルCの巻き付け作業や、ハンダ付け作業を容易に行うことが可能となる。特に、ハンダ付け作業については、補償コイルCの一端及び他端をそれぞれ突出部P1a,P2aに巻き付けた後、突出部P1a,P2aをハンダ浴に浸すことによって1回で完了することが可能となる。
【0043】
一方、突出部P1b,P2bは、図2に示すように、基板10に設けられた貫通孔T21a,T22aに挿入され、ハンダ付けされることにより、貫通孔T21a,T22aの周囲又は内壁に設けられた端子電極T21,T22にそれぞれ接続される。
【0044】
また、接続ピンP1の突出部P1aと、接続ピンP2の突出部P2aは、基板10の表面11からの高さ位置が互いに異なっている。これにより、補償コイルCのガイド溝53,54を互いに異なる高さ位置に設けることができるため、補償コイルの両端近傍が互いに干渉することなく、それぞれ突出部P1a,P2aに案内することが可能となる。
【0045】
成形部材50のスリット55には、外部磁性体30が挿入される。ここで、スリット55は、x方向における幅がW1である幅広部55aと、x方向における幅がW2(<W1)である幅狭部55bを有しており、幅広部55aに外部磁性体30の幅太部31が挿入され、幅狭部55bに外部磁性体30の幅細部32が挿入される。そして、成形部材50のスリット55に外部磁性体30を挿入すると、外部磁性体30の段差33とスリット55内の段差56が干渉し、これにより、成形部材50が外部磁性体30に対してz方向に位置決めされる。
【0046】
図8A図8Bは、成形部材60の形状を説明するための略斜視図であり、互いに異なる角度から視認した状態を示している。
【0047】
図8A図8Bに示すように、成形部材60は、補償コイルCを掛止する掛止部61と、外部磁性体30の先端と嵌合するキャビティ62とを備えている。図1に示す例では、補償コイルCを成形部材60にも巻回しているが、本発明においてこの点は必須でない。また、掛止部61は、補償コイルCの折り返し部分をz方向に保持する役割を果たす。つまり、模式図である図9に示すように、補償コイルCの両端が接続される接続ピンP1,P2は、いずれも成形部材50に保持されていることから、成形部材60が配置された部分において補償コイルCが折り返されることになる。このような折り返し部分を掛止部61に掛止することによって、補償コイルCの折り返し部分における巻崩れを防止することが可能となる。
【0048】
本実施形態による磁気センサ1は、外部磁性体30にあらかじめ成形部材50,60を固定し、補償コイルCの巻回、並びに、接続ピンP1,P2と補償コイルCの接続を行った後、接続ピンP1,P2の突出部P1b,P2bが貫通孔T21a,T22aに挿入されるよう、外部磁性体30を基板10に搭載することによって作製することができる。これにより、補償コイルCの両端を基板10に直接ハンダ付けする必要がなくなることから、磁気センサ1を効率よく作製することが可能となる。
【0049】
端子電極T21,T22は、基板10に設けられた配線パターンを介して端子電極群T30に接続される。配線パターンは、基板10の表面11に設けても構わないが、配線パターンから発生するノイズが感磁素子R1~R4に与える影響を低減するためには、配線パターンを基板10の裏面又は内層に設けることが好ましい。この場合、図10に示すように、端子電極T21,T22にそれぞれ接続される配線パターン13,14を基板10の裏面12に設けるとともに、配線パターン13,14を挟むよう、基板10の裏面12にグランドパターン15を設けることによってコプレナー構造とすれば、ノイズの影響をより低減することが可能となる。或いは、図11に示すように、端子電極T21,T22にそれぞれ接続される配線パターン13,14を基板10の裏面12に設けるとともに、配線パターン13,14と重なるよう、基板10の内層にグランドパターン16を設けることによってマイクロストリップライン構造とすれば、ノイズの影響をよりいっそう低減することが可能となる。
【0050】
以上説明したように、本実施形態による磁気センサ1は、補償コイルCが外部磁性体30に巻回されていることから、キャンセル磁界を外部磁性体30に効率よく印加することが可能となる。また、外部磁性体30に成形部材50が固定され、成形部材50に保持された接続ピンP1,P2に補償コイルCの両端が接続されていることから、補償コイルとフィードバック回路の接続が容易となる。
【0051】
<第2の実施形態>
図12は、本発明の第2の実施形態による磁気センサ2の外観を示す略斜視図である。
【0052】
図12に示すように、第2の実施形態による磁気センサ2は、成形部材50の代わりに成形部材80が用いられている点において、第1の実施形態による磁気センサ1と相違している。その他の基本的な構成は、第1の実施形態による磁気センサ1と同一であることから、同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
【0053】
図13A図13Cは、成形部材80の形状を説明するための略斜視図であり、互いに異なる角度から視認した状態を示している。
【0054】
図13A図13Cに示すように、成形部材80は、接続ピンP1を保持する保持機構81と、接続ピンP2を保持する保持機構82と、補償コイルCの一端を案内するガイド溝83と、補償コイルCの他端を案内するガイド溝84と、外部磁性体30と嵌合するスリット85とを備えている。接続ピンP1,P2は、それぞれ保持機構81,82に挿入されることにより、成形部材80に保持され、好ましくは位置決めされる。接続ピンP1,P2は、接着剤などを用いて成形部材80に接着しても構わない。
【0055】
接続ピンP1は、成形部材80の表面から-x方向に突出する突出部P1aと、成形部材80の表面から-y方向に突出する突出部P1bを有している。接続ピンP2は、成形部材80の表面から+x方向に突出する突出部P2aと、成形部材80の表面から-y方向に突出する突出部P2bを有している。突出部P1a,P2aはそれぞれ補償コイルCの一端及び他端に接続され、突出部P1b,P2bはそれぞれ端子電極T21,T22に接続される。
【0056】
突出部P1a,P2aと補償コイルCの接続は、絶縁被覆を除去した補償コイルCの一端及び他端をそれぞれ突出部P1a,P2aに巻き付け、さらにハンダによって固定することにより行う。この時、突出部P1a,P2aが成形部材80の表面から突出していることから、補償コイルCの巻き付け作業や、ハンダ付け作業を容易に行うことが可能となる。
【0057】
本実施形態において用いる成形部材80を用いれば、接続ピンP1の突出部P1aと接続ピンP2の突出部P2aが互いに逆方向に突出することから、突出部P1a,P2aの高さ位置が互いに同じであっても、補償コイルCの両端が互いに干渉することなく、それぞれ突出部P1a,P2aに案内することが可能となる。
【0058】
成形部材80のスリット85には、外部磁性体30が挿入される。ここで、スリット85は、x方向における幅がW1である幅広部85aと、x方向における幅がW2(<W1)である幅狭部85bを有しており、幅広部85aに外部磁性体30の幅太部31が挿入され、幅狭部85bに外部磁性体30の幅細部32が挿入される。そして、成形部材80のスリット85に外部磁性体30を挿入すると、外部磁性体30の段差33とスリット85内の段差86が干渉し、これにより、成形部材80が外部磁性体30に対してz方向に位置決めされる。
【0059】
<第3の実施形態>
図14は、本発明の第3の実施形態による磁気センサ3の外観を示す略斜視図である。
【0060】
図14に示すように、第3の実施形態による磁気センサ3は、成形部材60が省略されるとともに、外部磁性体30の形状が異なっている点において、第1の実施形態による磁気センサ1と相違している。その他の基本的な構成は、第1の実施形態による磁気センサ1と同一であることから、同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
【0061】
図15は、本実施形態において使用する外部磁性体30の形状を説明するための模式図である。
【0062】
図15に示すように、本実施形態において使用する外部磁性体30は、幅細部32と、幅細部32の両側に位置する幅太部31,34とを有している。幅太部31,34は基板10の表面11と接する部分であり、幅細部32は基板10の表面11から離れる部分である。そして、補償コイルCは、z方向が軸方向となるよう外部磁性体30の幅細部32に巻回される。外部磁性体30は、幅細部32と幅太部31の境界に位置する段差33と、幅細部32と幅太部34の境界に位置する段差35を有しており、これらの段差33,35によって補償コイルCの脱落が防止される。
【0063】
このように、本実施形態によれば、成形部材60を用いることなく、外部磁性体30からの補償コイルCの脱落を防止することが可能となる。
【0064】
<第4の実施形態>
図16は、本発明の第4の実施形態による磁気センサ4の外観を示す略斜視図である。
【0065】
図16に示すように、第4の実施形態による磁気センサ4は、成形部材50の代わりに成形部材90が用いられているとともに、接続ピンP1,P2とコネクタ100を接続するワイヤW1,W2を備えている点において、第1の実施形態による磁気センサ1と相違している。その他の基本的な構成は、第1の実施形態による磁気センサ1と同一であることから、同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
【0066】
図17A図17Cは、成形部材90の形状を説明するための略斜視図であり、互いに異なる角度から視認した状態を示している。
【0067】
図17A図17Cに示すように、成形部材90は、接続ピンP1を保持する保持機構91と、接続ピンP2を保持する保持機構92と、補償コイルCの一端を案内するガイド溝93と、補償コイルCの他端を案内するガイド溝94と、外部磁性体30と嵌合するスリット95とを備えている。本実施形態においては、接続ピンP1,P2が略U字型であり、突出部P1a,P1b,P2a,P2bがいずれも+y方向に突出している。接続ピンP1,P2は、それぞれ保持機構91,92に挿入されることにより、成形部材90に保持され、好ましくは位置決めされる。接続ピンP1,P2は、接着剤などを用いて成形部材90に接着しても構わない。
【0068】
突出部P1a,P2aはそれぞれ補償コイルCの一端及び他端に接続され、突出部P1b,P2bはそれぞれワイヤW1,W2の一端に接続される。突出部P1a,P2aと補償コイルCの接続、並びに、突出部P1b,P2bとワイヤW1,W2の接続は、絶縁被覆を除去した補償コイルC及びワイヤW1,W2の端部をそれぞれ突出部P1a,P2a,P1b,P2bに巻き付け、さらにハンダによって固定することにより行う。この時、突出部P1a,P2a,P1b,P2bが成形部材90の表面から突出していることから、補償コイルC及びワイヤW1,W2の巻き付け作業や、ハンダ付け作業を容易に行うことが可能となる。
【0069】
ワイヤW1,W2は、外部磁性体40上に配置されるとともに、外部磁性体40上で複数回に亘って交差している。このように、本実施形態においては、基板10の配線パターンを用いるのではなく、ワイヤW1,W2を用いて接続ピンP1,P2とコネクタ100を接続していることから、補償コイルCに流れる電流によって生じるノイズが感磁素子R1~R4に与える影響を低減することが可能となる。しかも、ワイヤW1,W2をツイストした構造とすれば、インダクタンスのばらつきやインピーダンスのばらつきを低減することが可能となる。
【0070】
さらに、本実施形態においては、基板10に貫通孔T21a,T22aを設け、貫通孔T21a,T22aに接続ピンP1,P2を挿入する必要がないことから、アセンブリ作業も容易となる。
【0071】
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は、上記の実施形態に限定されることなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含されるものであることはいうまでもない。
【符号の説明】
【0072】
1~4 磁気センサ
10 基板
11 基板の表面
12 基板の裏面
13,14 配線パターン
15,16 グランドパターン
20 センサチップ
21 素子形成面
22 センサチップの裏面
23~26 センサチップの側面
27,28 絶縁層
30,40 外部磁性体
30a,40a 外部磁性体で覆われる領域
31,34 幅太部
32 幅細部
33,35 段差
50,60 成形部材
51,52 保持機構
53,54 ガイド溝
55 スリット
55a 幅広部
55b 幅狭部
56 段差
61 掛止部
62 キャビティ
71 差動アンプ
72 検出回路
80 成形部材
81,82 保持機構
83,84 ガイド溝
85 スリット
85a 幅広部
85b 幅狭部
86 段差
90 成形部材
91,92 保持機構
93,94 ガイド溝
95 スリット
100 コネクタ
C 補償コイル
G1~G4 磁気ギャップ
M1~M3,M11,M21,M31,M12,M22,M32 磁性体層
P1,P2 接続ピン
P1a,P2a,P1b,P2b 突出部
R1~R4 感磁素子
T10,T30 端子電極群
T11~T14,T21,T22 端子電極
T21a,T22a 貫通孔
W1,W2 ワイヤ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7A
図7B
図7C
図8A
図8B
図9
図10
図11
図12
図13A
図13B
図13C
図14
図15
図16
図17A
図17B
図17C