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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-16
(45)【発行日】2024-07-24
(54)【発明の名称】吸収性物品
(51)【国際特許分類】
   A61F 13/475 20060101AFI20240717BHJP
   A61F 13/494 20060101ALI20240717BHJP
   A61F 13/15 20060101ALI20240717BHJP
   A61F 5/44 20060101ALI20240717BHJP
【FI】
A61F13/475 111
A61F13/494 111
A61F13/15 143
A61F5/44 H
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2020164163
(22)【出願日】2020-09-29
(65)【公開番号】P2022056249
(43)【公開日】2022-04-08
【審査請求日】2023-06-13
(73)【特許権者】
【識別番号】000000918
【氏名又は名称】花王株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002170
【氏名又は名称】弁理士法人翔和国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】前田 勝司
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 英和
【審査官】住永 知毅
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-255550(JP,A)
【文献】特開2009-195309(JP,A)
【文献】特開2002-272780(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61F 13/475
A61F 13/494
A61F 13/15
A61F 5/44
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
吸収体、該吸収体の肌対向面側に配された表面シート及び該吸収体の非肌対向面側に配された裏面シートを有する吸収性本体と、該吸収性本体の長手方向に沿って配され、固定端部及び自由端部を有する防漏カフと、該吸収性本体の非肌対向面側に配された外装不織布とを備える吸収性物品であって、
前記防漏カフは、防漏カフ形成用シートを含んで形成されており、
前記防漏カフ形成用シートは、前記固定端部から前記自由端部までの第1領域と、該自由端部において折り返されて該固定端部へ向かう第2領域とを有し、
第1領域と第2領域との間には弾性部材が伸長状態で配されており、
前記裏面シートは、前記防漏カフ形成用シートの外面側に位置するように巻き上げられた第1カフ形成部を有し、
前記外装不織布は、前記防漏カフ形成用シートの外面側において前記裏面シートを覆うように巻き上げられた第2カフ形成部を有し、
前記防漏カフは、第1領域と第2領域とが重なる領域の前記固定端部寄りの部位に、第1領域と第2領域との接合部である折り返し接合部を有しており、
第2カフ形成部の一部が、前記折り返し接合部と重なっており、且つ第2カフ形成部の端部が、前記折り返し接合部よりも前記自由端部側に位置しており、
第1カフ形成部の端部が、前記折り返し接合部よりも前記固定端部側に位置している、吸収性物品。
【請求項2】
前記折り返し接合部は、第1領域と第2領域とを融着させることにより形成されており、
第2カフ形成部と前記防漏カフ形成用シートとは、前記折り返し接合部と重なる位置において接着剤により接合されている、請求項1に記載の吸収性物品。
【請求項3】
第2カフ形成部と前記防漏カフ形成用シートの第1領域とが、前記折り返し接合部と重なる位置において、スパイラル状、ビード状又は、帯状に配された接着剤により接合されている、請求項2に記載の吸収性物品。
【請求項4】
第1カフ形成部は、前記防漏カフの幅方向に沿う長さが8mm以上25mm以下である、請求項1~の何れか1項に記載の吸収性物品。
【請求項5】
前記外装不織布は前記防漏カフ形成用シートよりも通気性が高い、請求項1~の何れか1項に記載の吸収性物品。
【請求項6】
前記吸収体は、長手方向の中央部の方が該長手方向の両端部よりも、幅方向の長さが短い、請求項1~の何れか1項に記載の吸収性物品。
【請求項7】
前記表面シートと前記吸収体との間に通気性の賦香シートが配されている、請求項1~の何れか1項に記載の吸収性物品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、吸収性物品に関する。
【背景技術】
【0002】
使い捨ておむつ等の吸収性物品は、尿等の体液を吸収する吸液部材として吸収体を備えており、更に該体液の漏れを防止する目的で、該吸収体の両側部に防漏カフを設けたものも知られている。防漏カフを備えた吸収性物品としては、例えば特許文献1~3に記載された吸収性物品が挙げられる。
【0003】
特許文献1の吸収性物品は、裏面シートが吸収体の長手方向の両側縁部に沿って表面シート側に折り返されており、防漏カフは、裏面シートの折り返し部と、この折り返し部に少なくとも一部が貼り付けられた不織布とで形成されている。
【0004】
特許文献2の吸収性物品は、裏面シートの幅方向の両端部が、それぞれ吸収体側に向かって折り返されている。防漏カフは、裏面シートの折り返された部分が防漏カフ形成用シートの内面側に貼り付けられることにより形成されている。
【0005】
特許文献3の吸収性物品は、一枚の防漏カフ形成用シートが、吸収体、該吸収体の肌対向面に配された表面シート及び該吸収体の非肌対向面に配された裏面シートを備える吸収性本体の外側縁に沿って折り返されている。防漏カフは、一枚の防漏カフ形成用シートにより形成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2006-116348号公報
【文献】特開2005-205038号公報
【文献】特開2001-145662号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1の吸収性物品は、防漏カフが裏面シートの折り返し部と該折り返し部に張り付けられた不織布とからなるので、体液の漏れを防止することはできる。しかしながら、特許文献1の吸収性物品は、裏面シートが不透液性を有するフィルム層を備えているので、防漏カフの通気性が低下し、該吸収性物品の着用時に着用者がムレを感じてしまう。特許文献2の吸収性物品は、防漏カフ形成用シートの内面に、遮水性を有する裏面シートの一部が張り付けられているので、防漏カフの通気性は十分とはいえず、吸収性物品の着用時に着用者がムレを感じてしまう。特許文献3の吸収性物品においては、防漏カフは、一枚の防漏カフ形成用シートのみからなるので、体液の漏れを十分に防止することは困難である。
したがって本発明の課題は、前述した従来技術が有する欠点を解消し得る吸収性物品を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、吸収体、該吸収体の肌対向面側に配された表面シート及び該吸収体の非肌対向面側に配された裏面シートを有する吸収性本体と、該吸収性本体の長手方向に沿って配され、固定端部及び自由端部を有する防漏カフと、該吸収性本体の非肌対向面側に配された外装不織布とを備える吸収性物品であって、
前記防漏カフは、防漏カフ形成用シートを含んで形成されており、
前記防漏カフ形成用シートは、前記固定端部から前記自由端部までの第1領域と、該自由端部において折り返されて該固定端部へ向かう第2領域とを有し、
第1領域と第2領域との間には弾性部材が伸長状態で配されており、
前記裏面シートは、前記防漏カフ形成用シートの外面側に位置するように巻き上げられた第1カフ形成部を有し、
前記外装不織布は、前記防漏カフ形成用シートの外面側において前記裏面シートを覆うように巻き上げられた第2カフ形成部を有し、
前記防漏カフは、第1領域と第2領域とが重なる領域の前記固定端部寄りの部位に、第1領域と第2領域との接合部である折り返し接合部を有しており、
第2カフ形成部の一部が、前記折り返し接合部と重なっている、吸収性物品を提供するものである。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、体液の漏れを防止することができ且つ通気性に優れた吸収性物品を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、本発明の吸収性物品の一実施形態の肌対向面側を示す平面図である。
図2図2は、図1のII-II線断面図である。
図3図3は、図2の要部拡大図である。
図4図4(a)~(c)は、防漏カフ形成用シートと、外装不織布のカフ形成部とを接合する接着剤の塗布パターンを模式的に表す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明をその好ましい実施形態に基づき説明する。
図1に本発明の吸収性物品の一実施形態である吸収性物品1を示す。吸収性物品1は、図1に示すとおり、長手方向Xとこれに直交する幅方向Yとを有する縦長の形状をしている。本実施形態において長手方向Xは、着用時に着用者の前後方向と一致する方向である。本実施形態の吸収性物品1は、使い捨ておむつ又はおむつカバーの肌対向面に載置されて使用される吸収性パッドとして好ましく用いられる。
【0012】
吸収性物品1は、吸収性本体2と、該吸収性本体2の非肌対向面側に配された外装不織布4と、該吸収性本体2の長手方向に沿って配された防漏カフ3とを備える。吸収性本体2は、平面視長方形状をなし、その長手方向が吸収性物品1の長手方向Xに一致している。吸収性本体2は、接着剤等の接合手段によって外装不織布4に接合されている。
【0013】
吸収性本体2は、肌対向面側に配された表面シート21、非肌対向面側に配された裏面シート22及びこれら両シート間に配された吸収体23を有する。
吸収体23は、吸収性本体2と同様に、吸収性物品1の長手方向Xに長い形状を有しており、表面シート21と裏面シート22との間に介在配置されている。
【0014】
「肌対向面」は、吸収性物品1又はその構成部材(例えば吸収体)に着目したときに、吸収性物品1の着用時に着用者の肌に向けられる面であり、「非肌対向面」は、吸収性物品1の着用時に着用者の肌とは反対側に向けられる面である。また「着用時」及び「着用状態」は、吸収性物品1の適正な着用位置が維持されて着用された状態を指す。
【0015】
吸収体23の形状は特に制限されない。吸収体23の形状としては、矩形形状、砂時計形状等が挙げられ、砂時計形状であることが好ましい。吸収体23が砂時計形状であると、吸収性物品1の着用時に股下部分にフィットしやすくすることができる。また、後述する防漏カフ3の自由端部3bから、吸収体23における幅方向Yの側縁までの距離を長くすることができるので、吸収性物品1の着用時に股下部分に空間を作ることができ、体液の漏れを効果的に防止することができる。
【0016】
吸収体23は、単層構造を有していてもよいし、複数の吸収体23が積層された積層構造を有していてもよい。本実施形態においては、図2に示すように、吸収体23は、上層吸収体23aと上層吸収体23aの非肌対向面側に配された下層吸収体23bとからなる。下層吸収体23bは、上層吸収体23aよりも幅方向Yの長さが短い。上層吸収体23aは、図1に示すように、長手方向Xの中央部がくびれた砂時計形状を有している。下層吸収体23bは、矩形形状を有している。
【0017】
表面シート21は、吸収体23の周縁を越えて外方に延出している。表面シート21における幅方向Yの両端部21eは、肌対向面側に折り返されている。
裏面シート22も、表面シート21と同様に、吸収体23の周縁を越えて外方に延出している。裏面シート22は、吸収体23の非肌対向面側に配された部分と、第1カフ形成部36とを有する。第1カフ形成部36は、裏面シート22における、肌対向面側に巻き上げられている部分である。第1カフ形成部36は、後述する防漏カフ形成用シート31の外面側に位置している。
【0018】
外装不織布4は、吸収性本体2の周縁を越えて外方に延出している。特に、外装不織布4における幅方向Yの側縁が、吸収性本体2における幅方向Yの側縁を越えて外方に延出していることが好ましい。外装不織布4は、裏面シート22の非肌対向面側に配された部分と、第2カフ形成部37とを有する。第2カフ形成部37は、外装不織布4における、肌対向面側に巻き上げられた部分である。第2カフ形成部37は、後述する防漏カフ形成用シート31の外面側において裏面シート22を覆うように巻き上げられている。外装不織布4は、一枚の不織布からなるものであってもよいし、複数枚の不織布を積層したものであってもよい。
【0019】
防漏カフ3は、防漏カフ形成用シート31を含んで形成されている。防漏カフ3は、図1及び図2に示すように、吸収性本体2の肌対向面における長手方向Xに沿う左右両側部それぞれに設けられている。防漏カフ3は、長手方向Xに沿って延びている。防漏カフ3の長手方向Xの両端部は、接着剤等の公知の手段により、表面シート21に接合されている。防漏カフ3における幅方向Yの一端側は、表面シート21に固定された固定端部3aとなっている。固定端部3aは、表面シート21における肌対向面側に折り返された端部21eに固定されている。防漏カフ3における幅方向Yの他端側は、吸収性物品1の他の構成部材には固定されておらず、自由端部3bとなっている。
【0020】
防漏カフ形成用シート31は、図2及び図3に示すように、固定端部3aから自由端部3bまでの第1領域32と、自由端部3bにおいて折り返されて固定端部3aへ向かう第2領域33とを有する。第1領域32と第2領域33との間には1本又は複数本の弾性部材34が伸長状態で固定されている。防漏カフ3は、吸収性物品1の着用時に弾性部材34が収縮することにより、固定端部3a又は固定端部3a付近を立ち上がり基点として、自由端部3b側が立ち上がるようになされている。
【0021】
第1領域32と第2領域33との間に配される弾性部材34の本数は、防漏カフ3の立ち上がり性を良好にする観点から、好ましくは1本以上、より好ましくは2本以上であり、また好ましくは4本以下、より好ましくは3本以下であり、また好ましくは1本以上4本以下、より好ましくは2本以上3本以下である。
【0022】
防漏カフ3は、第1領域32と第2領域33とが接合された接合部である折り返し接合部35を有する。折り返し接合部35は、第1領域32と第2領域33とが重なる領域(以下、「積層領域」と言う)における固定端部3a寄りの位置に形成されている。折り返し接合部35を形成する方法は特に制限されない。例えば、第1領域32と第2領域33とをホットメルト接着剤等の接着剤により接合してもよい。また、第1領域32と第2領域33とを熱、超音波等により融着させることにより折り返し接合部35を形成してもよい。
【0023】
吸収性物品1においては、図2及び図3に示すように、外装不織布4の第2カフ形成部37の一部が折り返し接合部35と重なっている。第2カフ形成部37は、該第2カフ形成部37の端部37bが折り返し接合部35と重なる位置に配されていてもよいし、該第2カフ形成部37の端部37bが折り返し接合部35よりも自由端部3b側に位置していてもよい。
【0024】
本実施形態の吸収性物品1によれば、第2カフ形成部37の一部が折り返し接合部35と重なっているので、体液の漏れをより確実に防止することができる。以下、この点について詳述する。防漏カフ3における積層領域は、第1領域32を構成する防漏カフ形成用シート31と、第2領域33を構成する防漏カフ形成用シート31とが積層された2層構造となっている。これに対し、第1領域32と第2領域33とが重なる領域よりも固定端部3a側の領域(以下、「非積層領域」と言う)は、第1領域32を構成する防漏カフ形成用シート31のみにより構成されている。非積層領域は、積層領域に比して該領域を構成するシートの枚数が少ないので、相対的に体液の漏れが起こりやすくなってしまう。しかしながら本実施形態の吸収性物品1においては、第2カフ形成部37の一部が折り返し接合部35と重なっているので、非積層領域を第2カフ形成部37が覆っている。これにより、非積層領域は、第1領域32を構成する防漏カフ形成用シート31と、第2カフ形成部37とが積層された2層構造となるので、体液の漏れをより確実に防止することができる。
【0025】
また第2カフ形成部37は外装不織布4により構成されているので、非積層領域を第2カフ形成部37が覆っていても、通気性を低下させにくい。したがって、本実施形態の吸収性物品1は通気性にも優れている。
【0026】
また第1領域32と第2領域33との折り返し接合部35を融着により形成した場合、該折り返し接合部35においてピンホールが形成されてしまう場合がある。折り返し接合部35にピンホールが存在すると、該ピンホールを介して体液が漏れてしまう場合がある。しかしながら、本実施形態の吸収性物品1によれば、第2カフ形成部37の一部が折り返し接合部35と重なっているので、折り返し接合部35にピンホールが存在している場合であっても、体液の漏れを防ぐことができる。
【0027】
第2カフ形成部37と防漏カフ形成用シート31とは、折り返し接合部35と重なる位置において接合していることが好ましい。こうすることにより、外装不織布4の側部が巻き上げられ防漏カフ形成用シート31の外面に接合された状態を維持することができるので、体液の漏れを一層確実に防止することができる。第2カフ形成部37と防漏カフ形成用シート31とは、両者が重なる領域の全域にわたって接合されていてもよいが、両者が重なる領域の一部のみが接合されていることが好ましい。こうすることで、防漏カフ3の通気性及び防漏性を維持しつつ、防漏カフ3の柔軟性を維持することができる。第2カフ形成部37と防漏カフ形成用シート31とを接合する方法は特に制限されない。例えば、第2カフ形成部37と防漏カフ形成用シート31とをホットメルト接着剤等の接着剤により接合してもよい。
【0028】
第2カフ形成部37と防漏カフ形成用シート31と接着剤により接合する場合、接着剤の塗布パターンは特に制限されないが、防漏カフ3の通気性及び防漏性を維持しつつ、防漏カフ3の柔軟性を維持するという効果が一層顕著に奏されるようにする観点から、接着剤9は、折り返し接合部35の幅よりも細幅の帯状(図4(a)参照)、ビード状(図4(b)参照)、スパイラル状(図4(c)参照)等に塗布することが好ましい。
【0029】
第2カフ形成部37は、体液の漏れをより確実に防止するという効果を一層顕著にする観点から、防漏カフの幅方向Y3に沿う長さL1が、好ましくは15mm以上、より好ましくは17mm以上であり、また好ましくは35mm以下、より好ましくは32mm以下であり、また好ましくは15mm以上35mm以下、より好ましくは17mm以上32mm以下である。前記長さL1とは、第2カフ形成部37の端部37bから、防漏カフ3の固定端部3aにおける自由端部3bとは反対側の端までの長さを意味する。
【0030】
また、第1カフ形成部36は、折り返し接合部35と重なっていないことが好ましい。こうすることにより、防漏カフ3の通気性が低下することを防ぐことができる。詳細には、第1カフ形成部36、第2カフ形成部37及び防漏カフ形成用シート31が重なる領域においては通気性が低下してしまうところ、第1カフ形成部36と折り返し接合部35とが重ならないようにすることにより、第1カフ形成部36の端部36bが折り返し接合部35よりも固定端部3a側に位置することになる。したがって、第1カフ形成部36、第2カフ形成部37及び防漏カフ形成用シート31の3者が重なる領域を減らすことができるので、防漏カフ3の通気性が低下することを防ぐことができる。この効果を一層顕著にする観点から、第1カフ形成部36は、防漏カフの幅方向Y3に沿う方向の長さL2が、好ましくは8mm以上、より好ましくは10mm以上であり、また好ましくは25mm以下、より好ましくは22mm以下であり、また好ましくは8mm以上25mm以下、より好ましくは10mm以上22mm以下である。前記長さL2とは、第1カフ形成部36の端部36bから、防漏カフ3の固定端部3aにおける自由端部3bとは反対側の端までの長さを意味する。
【0031】
防漏カフ3の幅方向Yの長さL3は、体液の漏れを確実に防止することができるようにする観点から、好ましくは24mm以上、より好ましくは27mm以上であり、また好ましくは60mm以下、より好ましくは54mm以下であり、また好ましくは24mm以上60mm以下、より好ましくは27mm以上54mm以下である。前記長さL3とは、防漏カフ3の自由端部3bから、防漏カフ3の固定端部3aにおける自由端部3bとは反対側の端までの長さを意味する。
【0032】
防漏カフ形成用シート31における第2領域33の長さL4は、第2領域33を加工機で安定的に加工するため及び防漏カフ3の防漏性を向上させる観点から、好ましくは15mm以上であり、また好ましくは30mm以下、より好ましくは27mm以下であり、また好ましくは15mm以上30mm以下、より好ましくは15mm以上27mm以下である。前記長さL4とは、防漏カフ3の自由端部3bから、第2領域33における固定端部3a側の端部までの長さを意味する。
【0033】
第1領域32と第2領域33との接合部である折り返し接合部35の長さL5は、防漏カフ3の剥がれ防止性と穴あき防止性を向上させる観点から、好ましくは2mm以上、より好ましくは3mm以上であり、また好ましくは10mm以下、より好ましくは8mm以下であり、また好ましくは2mm以上10mm以下、より好ましくは3mm以上8mm以下である。前記長さL5とは、折り返し接合部35における自由端部3b側の端部から固定端部3a側の端部までの長さを意味する。
【0034】
また、外装不織布4は防漏カフ形成用シート31よりも通気性が高いことが好ましい。こうすることにより、防漏カフ3の通気性をより高めることができる。通気性は、以下の方法により評価することができる。
【0035】
<通気性の評価方法>
不織布の通気性は、一般不織布試験法JIS L1913:2010の通気性試験(フラジール形試験)に準じて測定することができる。測定は、フラジール形試験機を用いて以下の手順により行う。
1)測定対象の試料から150mm×150mmの試験片を3枚採取する。
2)フラジール形試験機の円筒の一端に試験片を取り付けた後,加減抵抗器によって傾斜形気圧計が125Paの圧力を示すように吸込みファン及び空気孔を調整し,そのときの垂直形気圧計の示す圧力を測る。
3)測定した圧力と使用した空気孔の種類とから,試験機に附属の換算表によって試験片を通過する空気量(cm/cm・S)を求める。
4)3回の試験結果の平均値を算出し,JIS Z8401の規則B(四捨五入法)によって整数に丸める。
【0036】
また、吸収体23は、長手方向Xの中央部の方が該長手方向Xの両端部よりも、幅方向Yの長さが短いことが好ましい。こうすることにより、吸収性物品1における長手方向Xの中央部において防漏カフ3が立ち上がる高さを高くすることができる。吸収性物品1における長手方向Xの中央部は、該吸収性物品1の着用時に着用者の股間部に位置する。したがって、体液の漏れをより効果的に防止することができる。
【0037】
また、吸収性物品1においては、表面シート21と吸収体23との間に通気性の賦香シート5が配されていることが好ましい。こうすることにより、仮に吸収性物品1から悪臭が発生した場合であって、賦香シート5の香りによるマスキング効果及び/又はハーモナージュ効果により、悪臭を効果的に消臭することができる。この効果が一層顕著に奏されるようにする観点から、香料の添加量は、シートに対して、好ましくは200ppm以上、より好ましくは400ppm以上、更に好ましくは500ppm以上であり、また好ましくは4000ppm以下、より好ましくは3500ppm以下、更に好ましくは3000ppm以下であり、また好ましくは200ppm以上4000ppm以下、より好ましくは400ppm以上3500ppm以下、更に好ましくは500ppm以上3000ppm以下である。賦香シート5としては、例えば、パルプを抄紙したティッシュ等のシートに香料をスプレー又はコーターで塗工したものを使用することができる。
【0038】
また、吸収性物品1においては、外装不織布4の非肌対向面にずれ止め6が配されていてもよい。ずれ止め6は、吸収性物品1を着用物品に取り付けたときに、吸収性物品1と着用物品との位置のずれが生じないようにするためのものであり、これによって、吸収性物品1は着用物品に対して脱着可能となる。ずれ止め6としては、粘着タイプのものとメカニカルタイプのものが挙げられる。粘着タイプのずれ止め6は、接着剤等を外装不織布4の非肌対向面に配することにより形成することができる。メカニカルタイプのずれ止め6としては、メカニカルファスナーのオス材等のフックテープ等が挙げられる。これらの中でもフックテープが装着のしやすさの点から好ましい。着用物品とは、外科用衣類、使い捨て下着、生理用ショーツ等の衣類や、使い捨ておむつ等の、本発明の吸収性物品とは別体に着用される吸収性物品を指す。
【0039】
ずれ止め6は、1箇所にのみ設けられていてもよいし、2箇所以上に設けられていてよい。図1に示す実施形態においては、吸収体23における長手方向Xの両端部それぞれと重なる位置に配されている。吸収体23における長手方向Xの端部から、ずれ止め6までの距離D1は、ずれ止め6が吸収体23と位置ずれなく固定され、装着時にずれ止め6が変形を受け難くする観点から、好ましくは10mm以上、より好ましくは15mm以上であり、また好ましくは60mm以下、より好ましくは50mm以下であり、また好ましくは10mm以上60mm以下、より好ましくは15mm以上50mm以下である。
【0040】
ずれ止め6の形状は特に制限されるものではなく、正方形、矩形、円形等であってもよい。ずれ止め6が矩形形状である場合、ずれ止め6における吸収性物品1の幅方向Yの長さD3は、装着中の吸収性物品1の左右のズレ防止の観点から、好ましくは40mm以上、より好ましくは50m以上であり、また好ましくは120mm以下、より好ましくは100mm以下であり、また好ましくは40mm以上120mm以下、より好ましくは50mm以上100mm以下である。また、ずれ止め6における吸収性物品1の長手方向Xの長さD2は、装着中の長手方向Xの伸縮や引張力による剥がれを防止する観点から、好ましくは12mm以上、より好ましくは14mm以上であり、また好ましくは40mm以下、より好ましくは35mm以下であり、また好ましくは12mm以上40mm以下、より好ましくは14mm以上35mm以下である。
【0041】
次に、吸収性物品1の構成材料について説明する。
表面シート21としては、親水性不織布、開口親水性不織布、エアスルー不織布、スパンボンド不織布、スパンレース不織布等を用いることができる。表面シート21を構成する繊維としては、ポリプロピレン(PP)の単繊維、PPとポリエチレン(PE)との複合繊維、ポリエチレンテレフタレート(PET)とPEとの複合繊維、コットン繊維等が挙げられる。
【0042】
表面シート21を構成する繊維は、溶融した単一樹脂からなる熱可塑性樹脂を均一に紡糸して形成された単一樹脂繊維や同芯型若しくは偏芯型の芯鞘型の繊維、又はサイド・バイ・サイド型の繊維などの複合繊維であってもよい。また、単一樹脂としては、PP、PE、PET等が挙げられる。繊維の繊度は、表面シート21の肌触りの観点から、好ましくは1.0dtex以上、より好ましくは1.5dtex以上であり、また好ましくは4.4dtex以下、より好ましくは3.3dtex以下であり、また好ましくは1.0dtex以上4.4dtex以下、より好ましくは1.5dtex以上3.3dtex以下である。
【0043】
また表面シート21は、単層であってもよいし、2層の積層構造を有していてもよい。表面シート21が2層の積層構造を有する場合、肌対向面側の層を構成する繊維の繊度は、滑らかさと吸水性の観点から、好ましくは1.0dtex以上、より好ましくは1.5dtex以上であり、また好ましくは3.3dtex以下、より好ましくは2.2dtex以下であり、また好ましくは1.0dtex以上3.3dtex以下、より好ましくは1.5dtex以上2.2dtex以下である。非肌対向面側の層を構成する繊維の繊度は、クッション性の向上と液戻り防止の観点から、好ましくは2.2dtex以上、より好ましくは3.3dtex以上であり、また好ましくは5.5dtex以下、より好ましくは4.4dtex以下であり、また好ましくは2.2dtex以上5.5dtex以下、より好ましくは3.3dtex以上4.4dtex以下である。
繊度は以下の方法により測定することができる。
【0044】
<繊度の測定方法>
繊度は、構成繊維の比重と繊維の断面積を測定することよって、繊維の10000m当たりの繊維の質量として求めることができる。例えば、1dtexは、繊維の10000m当たりの質量1gを表している。
【0045】
表面シート21の坪量は、本実施形態のように防漏カフ3の固定端部3aが表面シート21に固定されている場合に、表面シート21と防漏カフ3の接着強度を良好なものとすする観点から、好ましくは14g/m以上、より好ましくは16g/m以上であり、また好ましくは40g/m以下、より好ましくは30g/m以下であり、また好ましくは14m以上40g/m以下、より好ましくは16g/m以上30g/m以下である。坪量は以下の方法により測定することができる。
【0046】
<坪量の測定方法>
坪量は単位面積当たりの質量であり、一般不織布試験法JIS L1913:2010に準じて測定することができる。例えば、測定対象のシートを縦250mm×横200mmの長方形にカットした試験片を3枚準備し、標準状態における各試験片の質量を電子天秤で測定し、1m当たりの質量として表すことができる。3枚の試験片それぞれについて算出された坪量の平均値を、測定対象のシートの坪量とする。
【0047】
裏面シート22としては透湿性フィルムを用いることが、ムレを防止する観点から好ましい。また、裏面シート22は通気性を有していることも、吸収性物品1の着用時にムレにくくする観点から好ましい。裏面シート22の透湿度は、ムレを防止する観点から、好ましくは2400g/m・24hr以上、より好ましくは3000g/m・24hr以上であり、また好ましくは7200g/m・24hr以下、より好ましくは6500g/m・24hr以下であり、また好ましくは2400g/m・24hr以上7200g/m・24hr以下、より好ましくは3000g/m・24hr以上6500g/m・24hr以下である。透湿度は以下の方法により測定することができる。
【0048】
<透湿度の測定方法>
透湿性フィルムの透湿度は、JIS Z0208-1976防湿包装材料の透湿度試験方法(カップ法)に準じて測定することができる。
【0049】
裏面シート22の坪量は、柔軟性及び耐水性を両立させる観点から、好ましくは13g/m以上、より好ましくは15g/m以上であり、また好ましくは30g/m以下、より好ましくは24g/m以下であり、また好ましくは13g/m以上30g/m以下、より好ましくは15g/m以上24g/m以下である。
【0050】
防漏カフ形成用シート31としては、撥水性不織布を用いることができる。撥水性不織布としては、スパンボンド不織布、スパンボンド-メルトブローン-スパンボンド(SMS)不織布等を用いることができ、これらの中でもSMS不織布は防漏性が高く好ましい。
防漏カフ形成用シート31の坪量は、通気性及び防漏性を両立させる観点から、好ましくは10g/m以上、より好ましくは11g/m以上であり、また好ましくは25g/m以下、より好ましくは22g/m以下であり、また好ましくは10g/m以上25g/m以下、より好ましくは11g/m以上22g/m以下である。
【0051】
防漏カフ3が有する弾性部材34としては、断面が矩形、正方形、円形、楕円形、若しくは多角形状等の糸状(糸ゴム等)、又は紐状(平ゴム等)のもの等を用いることができる。弾性部材34が糸状の形態を有している場合、弾性部材34の繊維径は、柔軟性及び防漏性を両立させるとともに、防漏カフ3の立ち上がり性を良好にする観点から、好ましくは480dtex以上、より好ましくは620dtex以上であり、また好ましくは1240dtex以下、より好ましくは940dtex以下であり、また好ましくは480dtex以上1240dtex以下、より好ましくは620dtex以上940dtex以下である。
【0052】
弾性部材34の伸長倍率は、装着時の装着感及び防漏性を両立させるとともに、防漏カフ3の立ち上がり性を良好にする観点から、好ましくは1.5倍以上、より好ましくは1.6倍以上であり、また好ましくは3.0倍以下、より好ましくは2.5倍以下であり、また好ましくは1.5倍以上3.0倍以下、より好ましくは1.6倍以上2.5倍以下である。伸長倍率は以下の方法により測定することができる。
【0053】
<伸長倍率の測定方法>
吸収性物品1を広げ、防漏カフ3の伸縮部の長手方向Xの両端に第1の印をつける。そして防漏カフ3から、前記伸縮部を含むように、長手方向Xに長い長方形状の測定片を切り出す。測定片の幅は、最も自由端部3b側に位置する弾性部材34及び最も固定端部3a側に位置する弾性部材34の両方が含まれる幅とし、測定片の長手方向の長さは、第1の印をつけた前記伸縮部の長手方向Xの両端間の長さとする。切り出した測定片を10分放置し、該測定片を収縮させた状態(以下、「収縮状態」と言う。)で、測定片の長さ方向中央位置から該長さ方向の一端側及び他端側に各50mm(計100mm)の位置に第2の印をつける。その後、測定片を、吸収性物品1を広げた状態における、防漏カフ3に付けた第1の印間の長さまで伸ばし、その測定片における第2の印間の長さGL(mm)を測定する。そして、以下の計算式(式1)により伸長倍率を算出する。なお、前記伸縮部は、防漏カフ3における、弾性部材34が弾性伸縮性を発現する態様で配されている範囲をいう。
伸長倍率(倍)=GL/100・・・(式1)
前記収縮状態において測定片の長さが100mm未満である場合は、前記収縮状態における第1の印間の長さH1(mm)と、吸収性物品1を広げた状態における第1の印間の長さH0(mm)とから以下の計算式(式2)により伸長倍率を算出する。
伸長倍率(倍)=H0/H1・・・(式2)
【0054】
外装不織布4としては、撥水性不織布を用いることができる。撥水性不織布としては、防漏カフ形成用シート31として用いることができるものと同様のものを用いることができ、通気性の観点から、坪量が10g/m以上15g/m以下のSMS不織布や、坪量が13g/m以上18g/m以下のスパンボンド不織布を用いることが好ましく、特にスパンボンド不織布を用いることが好ましい。
【0055】
外装不織布4は、幅方向Yの長さが、裏面シート22よりも長いことが好ましい。具体的には、外装不織布4の幅方向Yの長さは、裏面シート22の幅方向Yの長さよりも、14mm以上60mm以下長いことが好ましく、18mm以上50mm以下長いことがより好ましい。外装不織布4は、該外装不織布4の両側部のうち一方における裏面シート22からの延出長さと、他方における裏面シート22からの延出長さとが、同じであることが左右のバランスが取れる点で好ましい。
【0056】
吸収体23は、吸収性コアを備えている。吸収性コアは例えばパルプを初めとするセルロース等の親水性繊維の積繊体、該親水性繊維と吸収性ポリマーとの混合積繊体、吸収性ポリマーの堆積体、2枚の吸収性シート間に吸収性ポリマーが担持された積層構造体などから構成される。吸収性コアに含まれるパルプとしては、フラッフパルプ、植物由来のパルプ、リサイクルパルプ等を用いることができ、これらの中でもフラッフパルプを用いることが好ましい。吸収性コアは、少なくともその肌対向面が液透過性のコアラップシートで覆われていてもよく、肌対向面及び非肌対向面を含む表面の全域がコアラップシートで覆われていてもよい。コアラップシートとしては、例えば親水性繊維からなる薄葉紙や、液透過性を有する不織布などを用いることができる。
【0057】
吸収体23がパルプを含む場合、パルプの坪量は、吸収性物品1の装着感を向上させる観点や吸収性物品1の装着中に吸収体23が壊れることを防止する観点から、好ましくは200g/m以上、より好ましくは250g/m以上であり、また好ましくは800g/m以下、より好ましくは700g/m以下であり、好ましくは200g/m以上800g/m以下、より好ましくは250g/m以上700g/m以下である。パルプの坪量は以下の方法により測定することができる。
【0058】
<パルプの坪量の測定方法>
吸収性物品1の吸収体23の面積を測定し、吸収体23に使用されているパルプの質量を面積で割って求める。吸収体23が、例えば図2のように2層の吸収体からなる場合は、それぞれの吸収体についてパルプの坪量を計算し、合計値をパルプの坪量とする。
【0059】
吸収体23が吸収性ポリマーを含む場合、吸収性ポリマーの坪量は、排尿液を十分吸収させる観点から、好ましくは100g/m以上、より好ましくは150g/m以上であり、また好ましくは800g/m以下、より好ましくは700g/m以下であり、好ましくは100g/m以上800g/m以下、より好ましくは150g/m以上700g/m以下である。吸収性ポリマーの坪量は以下の方法により測定することができる。
【0060】
<吸収性ポリマーの坪量の測定方法>
吸収性ポリマーの坪量はパルプの坪量と同様に求めることができる。吸収体23が、例えば図2のように2層の吸収体からなる場合は、それぞれの吸収体について吸収性ポリマーの坪量を計算し、合計値を吸収性ポリマーの坪量とする。
【0061】
また吸収体23は、図1に示すように、長手方向Xの中央部に、長手方向Xに延びるスリット部8を有することが好ましい。スリット部8は、幅方向Yの中央部及び両側部のいずれか一方又は両方に位置している。スリット部8は、吸収体23を厚み方向に貫通していてもよいし、吸収体23の肌対向面側にのみ形成された溝であってもよい。図2に示す実施形態のように吸収体23が上層吸収体23aと下層吸収体23bとからなる場合、スリット部8は、上層吸収体23a及び下層吸収体23bを貫通していてもよいし、上層吸収体23aのみを貫通していてもよいし、上層吸収体23aの肌対向面側にのみ形成された溝であってもよい。
【0062】
スリット部8の幅D4は、吸収性物品1を幅方向Yに変形しやすくし、該吸収性物品1に長手方向Xに延びる溝部を形成させやすくする観点から、好ましくは3mm以上、より好ましくは5mm以上であり、また好ましくは20mm以下、より好ましくは16mm以下であり、好ましくは3mm以上20mm以下、より好ましくは5mm以上16mm以下である。吸収性物品1が長手方向Xに延びる溝部を有していると、体液を該溝部に沿って長手方向に拡散することができ、吸収性を向上させることができる。スリット部8の長さD5は、長手方向Xの液拡散による吸収性向上の観点から、好ましくは80mm以上、より好ましくは100mm以上であり、また好ましくは250mm以下、より好ましくは200mm以下であり、好ましくは80mm以上250mm以下、より好ましくは100mm以上200mm以下である。
【0063】
以上、本発明の吸収性物品を、その好ましい一実施形態に基づいて説明してきたが、本発明の積層不織布は、上述した実施形態に限定されるものではない。例えば、本発明の吸収性物品は、失禁パッド、生理用ナプキン、乳幼児又は成人用のパンツ型使い捨ておむつ、乳幼児又は成人用の展開型使い捨ておむつ、等であってもよい。
【符号の説明】
【0064】
1 吸収性物品
2 吸収性本体
21 表面シート
22 裏面シート
23吸収体
3 防漏カフ
3a 固定端部
3b 自由端部
31 防漏カフ形成用シート
32 第1領域
33 第2領域
34 弾性部材
35 折り返し接合部
36 第1カフ形成部
37 第2カフ形成部
4 外装不織布
5 賦香シート
6 ずれ止め
X 長手方向
Y 幅方向
図1
図2
図3
図4