(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-16
(45)【発行日】2024-07-24
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/02 20240101AFI20240717BHJP
【FI】
G06Q50/02
(21)【出願番号】P 2020186136
(22)【出願日】2020-11-06
【審査請求日】2023-08-14
(73)【特許権者】
【識別番号】302064762
【氏名又は名称】株式会社日本総合研究所
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】三輪 泰史
(72)【発明者】
【氏名】今泉 翔一朗
【審査官】山口 大志
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-159147(JP,A)
【文献】特開2021-179757(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
作業を実施する作業者に追従して移動する移動体の速度、加速度及び角加速度の少なくとも1つを示す情報を取得する追従情報取得部と、
前記追従情報取得部が取得した前記速度、前記加速度及び前記角加速度の少なくとも1つの異常を検出する追従異常検出部と、
前記追従異常検出部が前記速度、前記加速度及び前記角加速度の少なくとも1つの異常を検出した場合に、前記異常に関する質問を生成する質問生成部と、
を備える、情報処理装置。
【請求項2】
前記異常の原因を推定する原因推定部をさらに備え、
前記質問生成部は、前記原因推定部が推定した前記原因に基づいて、前記質問の内容を決定する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記原因に対処するために前記作業者が実施した行動の内容を示す情報を取得する行動情報収集部をさらに備える、
請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記行動情報収集部が取得した前記行動の内容を示す情報と、前記原因推定部が推定した前記原因を示す情報とが対応付けられた対処情報を生成する対処情報生成部をさらに備える、
請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記質問生成部は、前記作業者に対して、前記作業者が前記行動を選択した理由を問い合わせるための質問を生成し、
前記対処情報生成部は、
(i)前記原因推定部が推定した前記原因を示す情報として、前記質問に対する回答の内容を示す情報を含む前記対処情報、又は、
(ii)前記行動情報収集部が取得した前記行動の内容を示す情報と、前記原因推定部が推定した前記原因を示す情報と、前記質問に対する回答の内容を示す情報とが対応付けられた前記対処情報を生成する、
請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記原因推定部は、前記異常が、前記作業者の作業の対象である第1対象物に起因するか否かを判定する対象物判定部を有し、
前記質問生成部は、前記異常が前記第1対象物に起因するか否かに基づいて、前記質問の内容を決定する、
請求項2から請求項5までの何れか一項に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記対象物判定部は、
前記作業者の音声が記録された音声データを取得し、
前記音声データに記録された前記作業者の前記音声を解析し、
(i)前記異常の原因となる事象、及び、(ii)前記事象に関与する関与者を推定する、
請求項6に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記原因推定部は、
前記異常が検出された時点よりも前に、前記作業者と同一又は類似する作業を実施した他の作業者の作業に関する情報を取得し、
前記他の作業者の前記作業の内容に基づいて、前記異常の原因を推定する、
請求項2から請求項7までの何れか一項に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記他の作業者の前記作業は、前記異常が検出された時点における前記作業者の位置からの距離が予め定められた値よりも小さな位置で実施された作業の中から抽出される、
請求項8に記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記質問生成部は、
前記作業者の位置が予め定められた地理的範囲の範囲内に含まれる場合、前記質問を生成し、
前記作業者の位置が前記地理的範囲の範囲内に含まれない場合、前記質問を生成しない、
請求項1から請求項9までの何れか一項に記載の情報処理装置。
【請求項11】
コンピュータを、請求項1から請求項10までの何れか一項に記載の情報処理装置として機能させるためのプログラム。
【請求項12】
追従情報取得部が、作業を実施する作業者に追従して移動する移動体の速度、加速度及び角加速度の少なくとも1つを示す情報を取得する追従情報取得段階と、
追従異常検出部が、前記追従情報取得段階において取得された前記速度、前記加速度及び前記角加速度の少なくとも1つの異常を検出する追従異常検出段階と、
質問生成部が、前記追従異常検出段階において前記速度、前記加速度及び前記角加速度の少なくとも1つの異常が検出された場合に、前記異常に関する質問を生成する質問生成段階と、
を有する、情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、農作物の生産ノウハウの情報を蓄積した生産ノウハウデータベースを備えた農業支援システムが開示されている。
[先行技術文献]
[特許文献]
[特許文献1]特開2007-072787号公報
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
本発明の第1の態様においては、情報処理装置が提供される。上記の情報処理装置は、例えば、作業を実施する作業者に追従して移動する移動体の速度、加速度及び角加速度の少なくとも1つを示す情報を取得する追従情報取得部を備える。上記の情報処理装置は、例えば、追従情報取得部が取得した速度、加速度及び角加速度の少なくとも1つの異常を検出する追従異常検出部を備える。上記の情報処理装置は、例えば、追従異常検出部が速度、加速度及び角加速度の少なくとも1つの異常を検出した場合に、異常に関する質問を生成する質問生成部を備える。
【0004】
上記の情報処理装置は、異常の原因を推定する原因推定部を備えてよい。上記の情報処理装置において、質問生成部は、原因推定部が推定した原因に基づいて、質問の内容を決定してよい。上記の情報処理装置は、原因に対処するために作業者が実施した行動の内容を示す情報を取得する行動情報収集部を備えてよい。上記の情報処理装置は、行動情報収集部が取得した行動の内容を示す情報と、原因推定部が推定した原因を示す情報とが対応付けられた対処情報を生成する対処情報生成部を備えてよい。
【0005】
上記の情報処理装置において、質問生成部は、作業者に対して、作業者が行動を選択した理由を問い合わせるための質問を生成してよい。対処情報生成部は、(i)原因推定部が推定した原因を示す情報として、質問に対する回答の内容を示す情報を含む対処情報、又は、(ii)行動情報収集部が取得した行動の内容を示す情報と、原因推定部が推定した原因を示す情報と、質問に対する回答の内容を示す情報とが対応付けられた対処情報を生成してよい。
【0006】
上記の情報処理装置において、原因推定部は、異常が、作業者の作業の対象である第1対象物に起因するか否かを判定する対象物判定部を有してよい。上記の情報処理装置において、質問生成部は、異常が第1対象物に起因するか否かに基づいて、質問の内容を決定してよい。上記の情報処理装置において、対象物判定部は、作業者の音声が記録された音声データを取得してよい。対象物判定部は、音声データに記録された作業者の音声を解析してよい。対象物判定部は、(i)異常の原因となる事象、及び、(ii)事象に関与する関与者を推定してよい。
【0007】
上記の情報処理装置において、原因推定部は、異常が検出された時点よりも前に、作業者と同一又は類似する作業を実施した他の作業者の作業に関する情報を取得してよい。上記の情報処理装置において、原因推定部は、他の作業者の作業の内容に基づいて、異常の原因を推定してよい。上記の情報処理装置において、他の作業者の作業は、異常が検出された時点における作業者の位置からの距離が予め定められた値よりも小さな位置で実施された作業の中から抽出されてよい。上記の情報処理装置において、質問生成部は、作業者の位置が予め定められた地理的範囲の範囲内に含まれる場合、質問を生成してよい。質問生成部は、作業者の位置が地理的範囲の範囲内に含まれない場合、質問を生成しなくてよい。
【0008】
本発明の第2の態様においては、情報処理方法が提供される。上記の情報処理方法は、例えば、作業を実施する作業者に追従して移動する移動体の速度、加速度及び角加速度の少なくとも1つを示す情報を取得する追従情報取得段階を有する。上記の情報処理方法は、例えば、追従情報取得段階において取得された速度、加速度及び角加速度の少なくとも1つの異常を検出する追従異常検出段階を有する。上記の情報処理方法は、例えば、追従異常検出段階において速度、加速度及び角加速度の少なくとも1つの異常が検出された場合に、異常に関する質問を生成する質問生成段階を有する。
【0009】
本発明の第3の態様においては、プログラムが提供される。上記のプログラムは、コンピュータを、上記の第1の実施形態に係る情報処理装置として機能させるためのプログラムであってよい。上記のプログラムは、コンピュータに、上記の第2の実施形態に係る情報処理方法を実行させるためのプログラムであってもよい。上記のプログラムを格納するコンピュータ可読媒体が提供されてもよい。コンピュータ可読媒体は、非一時的なコンピュータ可読媒体であってもよい。コンピュータ可読媒体は、コンピュータ可読記録媒体であってもよい。
【0010】
なお、上記の発明の概要は、本発明の必要な特徴の全てを列挙したものではない。また、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた、発明となりうる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】農作業支援システム100のシステム構成の一例を概略的に示す。
【
図2】農作業ロボット120の内部構成の一例を概略的に示す。
【
図3】農作業管理サーバ142の内部構成の一例を概略的に示す。
【
図4】ノウハウ管理サーバ146の内部構成の一例を概略的に示す。
【
図5】データテーブル500の一例を概略的に示す。
【
図6】フローチャート600の一例を概略的に示す。
【
図7】ノウハウデータ生成部440の内部構成の一例を概略的に示す。
【
図8】質問部770の内部構成の一例を概略的に示す。
【
図9】質問生成部830の内部構成の一例を概略的に示す。
【
図10】コンピュータ3000のシステム構成の一例を概略的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。なお、図面において、同一または類似の部分には同一の参照番号を付して、重複する説明を省く場合がある。
【0013】
[農作業支援システム100の概要]
図1は、農作業支援システム100のシステム構成の一例を概略的に示す。本実施形態において、農作業支援システム100は、例えば、1以上の通信端末102と、1以上の撮像機器114と、1以上の計測機器116と、1以上の農作業ロボット120とを備える。本実施形態において、農作業支援システム100は、例えば、農作業管理サーバ142と、気象情報管理サーバ144と、ノウハウ管理サーバ146と、マッチングサービス管理サーバ148とを備える。
【0014】
本実施形態においては、圃場20において農産物22が栽培される場合を例として、農作業支援システム100の詳細が説明される。農産物22としては、穀類、野菜、果物、茶、キノコ類又は菌糸類などを例示することができる。
【0015】
本実施形態において、農産物22は、作業者40により栽培される。作業者40は、自然人であってもよく、法人であってもよく、団体であってもよい。例えば、作業者40は、農作業ロボット120を利用して農産物22を生産する。作業者40は、通信端末102を利用して、通信ネットワーク10を介して農作業支援システム100の各部と情報を送受することができる。
【0016】
本実施形態において、農産物22は、消費者50により消費される。消費者50は、自然人であってもよく、法人であってもよく、団体であってもよい。消費者50は、通信端末102を利用して、通信ネットワーク10を介して農作業支援システム100の各部と情報を送受することができる。
【0017】
本実施形態において、農作業支援システム100は、作業者40に対して、農作業を支援するための各種のサービスを提供する。一実施形態において、農作業支援システム100は、作業計画(作業スケジュール、工程計画などと称される場合もある。)の作成を支援する。他の実施形態において、農作業支援システム100は、作業者40の作業履歴の管理を支援する。例えば、農作業支援システム100は、作業記録、生育記録、収穫記録及び/又は出荷記録の作成を支援する。他の実施形態において、農作業支援システム100は、1以上の作業者40のそれぞれと、1以上の資材提供者(図示されていない。)のそれぞれとの間における資材の取引を仲介する。
【0018】
さらに他の実施形態において、農作業支援システム100は、農作業に関するノウハウの管理を支援する。例えば、農作業支援システム100は、ノウハウの収集及び整理を支援する。農作業支援システム100は、収集されたノウハウを作業者40にフローチャートとして提示可能な形式のデータとして記憶してよい。農作業支援システム100は、収集されたノウハウを農作業ロボット120が実行可能な形式のデータとして記憶してもよい。他の実施形態において、農作業支援システム100は、ノウハウの検索及び/又は共有を支援する。農作業支援システム100は、農作業ロボット120の状況に応じたノウハウのデータを、農作業ロボット120に送信してもよい。
【0019】
[農作業支援システム100に関連する各部の概要]
本実施形態において、通信ネットワーク10は、有線通信の伝送路であってもよく、無線通信の伝送路であってもよく、無線通信の伝送路及び有線通信の伝送路の組み合わせであってもよい。通信ネットワーク10は、無線パケット通信網、インターネット、P2Pネットワーク、専用回線、VPN、電力線通信回線などを含んでもよい。
【0020】
通信ネットワーク10は、(i)携帯電話回線網などの移動体通信網を含んでもよく、(ii)無線MAN(例えば、WiMAX(登録商標)である。)、無線LAN(例えば、WiFi(登録商標)である。)、Bluetooth(登録商標)、Zigbee(登録商標)、NFC(Near Field Communication)などの無線通信網を含んでもよい。無線LAN、Bluetooth(登録商標)、Zigbee(登録商標)、及び、NFCは、近距離無線通信の一例であってもよい。
【0021】
本実施形態において、通信端末102は、通信ネットワーク10を介して、農作業支援システム100の各部との間で情報を送受する。通信端末102としては、パーソナルコンピュータ、携帯端末などが例示される。携帯端末としては、携帯電話、スマートフォン、PDA、タブレット、ノートブック・コンピュータ又はラップトップ・コンピュータ、ウエアラブル・コンピュータなどが例示される。
【0022】
通信端末102は、作業者40又は消費者50が農作業支援システム100にアクセスする場合におけるユーザインタフェースとして機能してもよい。通信端末102は、農作業支援システム100によるユーザ認証処理に利用されてもよい。
【0023】
通信端末102は、通信ネットワーク10を介して、農作業ロボット120との間で情報を送受してもよい。通信端末102は、作業者40が農作業ロボット120を操作する場合におけるユーザインタフェースとして機能してもよい。通信端末102は、農作業ロボット120によるユーザ認証処理に利用されてもよい。
【0024】
通信端末102は、例えば、通信装置、入力装置、出力装置、自己位置推定装置、視線検出装置などを備える。入力装置としては、キーボード、ポインティングデバイス、音声入力装置(例えば、マイクである)、画像入力装置(例えば、カメラである)、音声認識装置、画像認識装置などが例示される。画像入力装置は、静止画像を撮像してもよく、動画像を撮像してもよい。画像入力装置は、画像及び音を記録してよい。出力装置としては、ディスプレイ、プロジェクタ、スピーカ、超音波出力装置、振動出力装置、プリンタなどが例示される。自己位置推定装置としては、GPS信号受信機、加速度センサ、角加速度センサなどが例示される。
【0025】
本実施形態において、撮像機器114は、圃場20の任意の位置に設置される。撮像機器114は、農産物22を撮像することのできる位置に配されることが好ましい。撮像機器114は、例えば、(i)作業を実施している作業者40の音声、及び、(ii)作業者40による作業の様子の少なくとも一方を撮像する。作業者40による作業の様子としては、(i)作業者40の外観、(ii)作業対象となる圃場20又は農産物22の外観、(iii)作業対象となる鳥獣、害虫、雑草などの外観などが例示される。撮像機器114が撮像した画像の画像データは、通信ネットワーク10を介して農作業支援システム100に送信される。上述されたとおり、画像データは、音声付きの画像が記録されたデータであってよい。
【0026】
本実施形態において、計測機器116は、圃場20の任意の位置に設置される。計測機器116は、農産物22の近傍に配されることが好ましい。計測機器116は、例えば、農産物22の周辺環境の状態を計測する。農産物22の周辺環境の状態としては、(i)農産物22の栽培位置の近傍における培地の水分量、(ii)当該培地に含まれる農薬成分、肥料成分又は微量元素の量、(iii)当該培地の温度、(iv)農産物22の栽培位置の近傍の気温、湿度、風速、照度、日照量又は雨量などが例示される。計測機器116の計測結果を示す計測データは、通信ネットワーク10を介して農作業支援システム100に送信される。
【0027】
本実施形態において、農作業ロボット120は、例えば、ベースユニット130と、ベースユニット130に取り付けて使用される各種のユニット(アタッチメントと称される場合もある。)とを備える。例えば、本実施形態において、農作業ロボット120は、1以上の移動ユニット132と、1以上のセンサユニット136と、1以上の農作業ユニット138とを備える。
【0028】
農作業ロボット120は、通信ネットワーク10を介して、農作業支援システム100の各部と情報を送受することができる。農作業ロボット120は、自律移動機能を有する。例えば、農作業ロボット120は、作業者40に追従して移動する。農作業ロボット120の詳細は後述される。
【0029】
本実施形態において、農作業管理サーバ142は、1以上の作業者40が実施する農作業を管理する。農作業管理サーバ142は、作業者40ごとに農作業を管理してもよく、圃場20ごとに農作業を管理してもよく、農産物22ごとに農作業を管理してもよい。一実施形態において、農作業管理サーバ142は、作業計画を管理する。他の実施形態において、農作業支援システム100は、作業履歴を管理する。例えば、農作業管理サーバ142は、作業記録、生育記録、収穫記録及び/又は出荷記録を管理する。農作業管理サーバ142の詳細は後述される。
【0030】
本実施形態において、気象情報管理サーバ144は、気象情報を管理する。気象情報管理サーバ144は、例えば、日時を示す情報と、位置を示す情報と、当該日時及び当該位置における気象情報とを対応づけて格納する。気象情報としては、過去の気象条件の実績値を示す情報、将来の気象条件の予測値を示す情報などが例示される。気象情報管理サーバ144は、例えば、(i)農作業管理サーバ142又はノウハウ管理サーバ146からの検索要求を受信し、(ii)当該検索要求により示された日時又は期間における当該要求により示された位置又は地域の気象情報を抽出し、(iii)抽出された情報を当該要求の送信元に送信する。
【0031】
本実施形態において、ノウハウ管理サーバ146は、農作業に関するノウハウを管理する。農作業管理サーバ142は、作業者40ごとにノウハウを管理してもよく、予め登録された複数の作業者40の間でノウハウを共有してもよい。農作業管理サーバ142は、圃場20ごとにノウハウを管理してもよく、地域ごとにノウハウを管理してもよい。農作業管理サーバ142は、農産物22の種類(品目と称される場合がある。)ごとにノウハウを管理してもよい。ノウハウ管理サーバ146の詳細は後述される。
【0032】
本実施形態において、マッチングサービス管理サーバ148は、1以上の作業者40のそれぞれと、1以上の資材提供者(図示されていない。)のそれぞれとの間における資材の取引を仲介する。マッチングサービス管理サーバ148は、譲渡契約又は賃貸借契約を仲介してもよい。資材としては、農薬、肥料、包装用品、農業用品(シート、杭、潅水用品、育苗ポットなどである)、センサー、センサーと連動して作動する機器、農機、農作業ロボット120用のアタッチメントなどが例示される。
【0033】
[マッチングサービス管理サーバ148の機能の一例]
例えば、マッチングサービス管理サーバ148には、資材の種類ごとに、当該資材を提供可能な資材提供者の情報が登録されている。資材の提供方法としては、販売、貸出、リースなどが例示される。マッチングサービス管理サーバ148は、マッチングサービス管理サーバ148に登録された資材提供者の情報を利用して、各種のサービスを提供する。マッチングサービス管理サーバ148は、農作業管理サーバ142及び/又はノウハウ管理サーバ146により提供される資材の需要に関する情報を利用して、各種のサービスを提供してもよい。
【0034】
例えば、マッチングサービス管理サーバ148は、農作業管理サーバ142及び/又はノウハウ管理サーバ146にアクセスして、特定の種類の資材に関する需要を示す情報、及び/又は、特定の種類の資材を利用する可能性の高い作業者40に関する情報を取得する。上記の資材の種類は、特定の作業者40からの要求に基づいて決定されてもよく、各資材の需要状況に基づいて決定されてもよい。
【0035】
例えば、マッチングサービス管理サーバ148は、農作業管理サーバ142及び/又はノウハウ管理サーバ146にアクセスして、特定の期間における需要の予測値又は推定値が予め定められた値よりも大きな資材の種類を示す情報を取得する。上記の予測値又は推定値は、例えば、1以上の作業者40の作業計画に基づいて決定される。上記の予測値又は推定値は、1以上の作業者40の作業計画と、1以上の作業者40により栽培される1以上の種類の農産物22に関するノウハウデータとに基づいて決定されてもよい。
【0036】
マッチングサービス管理サーバ148は、マッチングサービス管理サーバ148に登録されている情報を検索して、上記の種類の資材を提供可能な1以上の資材提供者を抽出する。マッチングサービス管理サーバ148は、(i)特定の種類の資材に関する需要を示す情報、(ii)特定の種類の資材を利用する可能性の高い作業者40に関する情報、及び、(iii)特定の種類の資材を提供可能な1以上の資材提供者を用いて、各種の情報配信サービスを提供する。
【0037】
一実施形態において、マッチングサービス管理サーバ148は、抽出された資材提供者に対して、上記の特定の種類の資材の需要に関する情報、及び/又は、上記の特定の種類の資材を利用する可能性の高い作業者40に関する情報を通知する。上記の資材の需要に関する情報は、時期ごとの需要量を示す情報であってもよく、地域ごとの需要量を示す情報であってもよく、時期及び地域ごとの需要量を示す情報であってもよい。資材の需要に関する情報は、資材の仕様又は品質に関する情報を含んでもよく、資材の価格又は価格帯に関する情報を含んでもよい。作業者40に関する情報としては、(i)匿名化された作業者40の識別情報、(ii)作業者40の氏名、名称、略称又はニックネームの少なくとも一部、(iii)作業者40の圃場20が存在する地域、(iv)作業者40が資材に対して希望する仕様又は品質、(v)作業者40が希望する資材の量、(vi)作業者40が希望する資材の価格などが例示される。
【0038】
他の実施形態において、マッチングサービス管理サーバ148は、上記の特定の資材を利用する可能性の高い作業者40に対して、抽出された資材提供者に関する情報を提供する。資材提供者に関する情報としては、(i)匿名化された資材提供者の識別情報、(ii)資材提供者の氏名、名称、略称又はニックネームの少なくとも一部、(iii)資材提供者が資材を発送する地域、(iv)資材提供者が提供する資材の仕様又は品質、(v)資材提供者が提供可能な資材の量、(vi)資材提供者が提供可能な資材の価格、(vii)資材提供者が資材を提供可能な時期などが例示される。
【0039】
[マッチングサービス管理サーバ148の機能の他の例]
上記の実施形態において、マッチングサービス管理サーバ148は、各資材の需要量に基づいて、情報を配信した。しかしながら、マッチングサービス管理サーバ148は、上記の実施形態に限定されない。他の実施形態において、マッチングサービス管理サーバ148は、各資材の需要の内容に基づいて、情報を配信する。例えば、マッチングサービス管理サーバ148は、各資材の需要の内容に関する情報を、資材提供者に配信する。マッチングサービス管理サーバ148は、(i)特定の資材提供者からの要求に応じて、当該要求に合致する情報を配信してもよく、(ii)予め定められたタイミングにおいて、各資材提供者の状況に合致した情報を配信してもよい。
【0040】
各資材の需要の内容としては、各資材の使用態様、各資材を使用する作業者40の様子、各資材を使用する作業者40の当該資材に対する要望などが例示される。各資材の使用態様としては、各資材が使用される状況、1回あたりの使用量、1回あたりの使用時間などが例示される。各資材が使用される状況としては、各資材が使用される圃場20の状態、各資材が使用される気象環境などが例示される。作業者40の様子としては、作業中の作業者40の動作、視線などが例示される。マッチングサービス管理サーバ148は、(i)各資材を使用する作業者40に対して、当該資材に対する要望を送信するように要求してもよく、(ii)各資材を使用する作業者40の様子が撮像された画像、又は、各資材を使用する作業者40の音声を解析して、上記の要望を抽出又は決定してもよい。
【0041】
例えば、マッチングサービス管理サーバ148には、農作業管理サーバ142及び/又はノウハウ管理サーバ146にアクセスして、(i)特定の種類の資材の使用態様を示す情報、及び、(ii)特定の種類の資材を使用する作業者40の様子を示す情報の少なくとも一方を取得する。マッチングサービス管理サーバ148には、農作業管理サーバ142及び/又はノウハウ管理サーバ146から取得した情報を適切な記憶装置に格納してよい。
【0042】
また、資材提供者は、通信端末102を利用してマッチングサービス管理サーバ148にアクセスし、希望する種類の資材の使用態様及び/又は当該資材を使用する作業者の様子を示す情報を要求する。マッチングサービス管理サーバ148には、上記の要求を受信すると、上記の要求により示された種類の資材について、当該資材の使用態様及び/又は当該資材を使用する作業者の様子を示す情報を抽出する。マッチングサービス管理サーバ148には、抽出された情報を、資材提供者が利用する通信端末102に送信する。
【0043】
これにより、資材提供者は、上記の資材がどのような環境で、どのように使用されているかを示す情報を取得することができる。その結果、資材提供者は、上記の資材を改良したり、新たな資材を開発したりすることができる。
【0044】
なお、マッチングサービス管理サーバ148が、資材の使用態様及び/又は当該資材を使用する作業者の様子を示す情報を提供する手順は、上記の手順に限定されない。他の実施形態において、マッチングサービス管理サーバ148が、資材提供者が利用する通信端末102から上記の要求を受信すると、マッチングサービス管理サーバ148は、農作業管理サーバ142及び/又はノウハウ管理サーバ146にアクセスして、(i)上記の要求により示される種類の資材の使用態様を示す情報、及び、(ii)当該資材を使用する作業者40の様子を示す情報の少なくとも一方を取得してもよい。
【0045】
[農作業支援システム100の各部の具体的な構成]
農作業支援システム100の各部は、ハードウエアにより実現されてもよく、ソフトウエアにより実現されてもよく、ハードウエア及びソフトウエアにより実現されてもよい。農作業支援システム100の各部は、その少なくとも一部が、単一のサーバによって実現されてもよく、複数のサーバによって実現されてもよい。農作業支援システム100の各部は、その少なくとも一部が、仮想マシン上又はクラウドシステム上で実現されてもよい。農作業支援システム100の各部は、その少なくとも一部が、パーソナルコンピュータ又は携帯端末によって実現されてもよい。携帯端末としては、携帯電話、スマートフォン、PDA、タブレット、ノートブック・コンピュータ又はラップトップ・コンピュータ、ウエアラブル・コンピュータなどを例示することができる。農作業支援システム100の各部は、ブロックチェーンなどの分散型台帳技術又は分散型ネットワークを利用して、情報を格納してもよい。
【0046】
農作業支援システム100を構成する構成要素の少なくとも一部がソフトウエアにより実現される場合、当該ソフトウエアにより実現される構成要素は、一般的な構成の情報処理装置において、当該構成要素に関する動作を規定したソフトウエア又はプログラムを起動することにより実現されてよい。上記の一般的な構成の情報処理装置は、(i)CPU、GPUなどのプロセッサ、ROM、RAM、通信インタフェースなどを有するデータ処理装置と、(ii)キーボード、ポインティングデバイス、タッチパネル、カメラ、音声入力装置、ジェスチャ入力装置、各種センサ、GPS受信機などの入力装置と、(iii)表示装置、音声出力装置、振動装置などの出力装置と、(iv)メモリ、HDD、SSDなどの記憶装置(外部記憶装置を含む。)とを備えてよい。
【0047】
上記の一般的な構成の情報処理装置において、上記のデータ処理装置又は記憶装置は、上記のソフトウエア又はプログラムを記憶してよい。上記のソフトウエア又はプログラムは、プロセッサによって実行されることにより、上記の情報処理装置に、当該ソフトウエア又はプログラムによって規定された動作を実行させる。上記のソフトウエア又はプログラムは、非一時的なコンピュータ可読記録媒体に格納されていてもよい。上記のソフトウエア又はプログラムは、コンピュータを、農作業支援システム100又はその一部として機能させるためのプログラムであってよい。上記のソフトウエア又はプログラムは、コンピュータに、農作業支援システム100又はその一部における情報処理方法を実行させるためのプログラムであってよい。
【0048】
上記の情報処理方法は、ノウハウ管理サーバ146において実行される情報処理方法であってよい。上記の情報処理方法は、例えば、(i)作業を実施している作業者の音声、及び、(ii)作業者による作業の様子の少なくとも一方に基づいて、作業の実施期間中に作業者が実行した1以上の行動を推定する行動推定段階を有する。上記の情報処理方法は、例えば、(i)作業者の音声、(ii)作業の様子、(iii)作業の作業記録に入力された事項、及び、(iv)作業の作業環境の状態の少なくとも1つに基づいて、行動が実行されるべきか否かの判断基準となる条件を推定する基準推定段階を有する。
【0049】
上記の情報処理方法は、例えば、作業を実施する作業者のバイタルサインを示す情報を取得するバイタル情報取得段階を有する。上記の情報処理方法は、例えば、バイタル情報取得段階において取得されたバイタルサインの異常を検出するバイタル異常検出段階を有する。上記の情報処理方法は、例えば、バイタル異常検出段階においてバイタルサインの異常が検出された場合に、異常に関する質問を生成する質問生成段階を有する。
【0050】
上記の情報処理方法は、例えば、作業を実施する作業者に追従して移動する移動体の速度、加速度及び角加速度の少なくとも1つを示す情報を取得する追従情報取得段階を有する。上記の情報処理方法は、例えば、追従情報取得段階において取得された速度、加速度及び角加速度の少なくとも1つの異常を検出する追従異常検出段階を有する。上記の情報処理方法は、例えば、追従異常検出段階において速度、加速度及び角加速度の少なくとも1つの異常が検出された場合に、異常に関する質問を生成する質問生成段階を有する。
【0051】
農作業支援システム100は、情報処理装置の一例であってよい。農作業ロボット120は、移動体の一例であってよい。ノウハウ管理サーバ146は、情報処理装置の一例であってよい。農作業は、作業の一例であってよい。
【0052】
[別実施形態の一例]
本実施形態においては、計測機器116が、圃場20の任意の位置に設置される場合を例として、農作業支援システム100の詳細が説明される。しかしながら、計測機器116は、本実施形態に限定されない。
【0053】
他の実施形態において、計測機器116は、作業者40に装着されてもよい。この場合、計測機器116としては、作業者40に装着されるウエアラブル端末に実装される各種のセンサ、カメラ、マイクなどが例示される。
【0054】
本実施形態においては、農作業ロボット120が、自律移動機能を有する農作業用の機械(農機と称される場合がある。)である場合を例として、農作業支援システム100の詳細が説明される。しかしながら、農作業支援システム100は、本実施形態に限定されない。
【0055】
他の実施形態において、農作業支援システム100は、農作業ロボット120を介して収集した情報と同様の情報を、(i)圃場20に配された機器、(ii)作業者40に保持又は装着された機器、及び、(iii)自律移動機能を有しない農機の少なくとも1つから収集してよい。また、農作業支援システム100は、農作業ロボット120に対して送信した情報と同様の情報を、(i)圃場20に配された機器、(ii)作業者40に保持又は装着された機器、及び、(iii)自律移動機能を有しない農機の少なくとも1つに対して送信してもよい。
【0056】
自律移動機能を有しない農機は、通信機能を有し、作業者40により操縦されてよい。自律移動機能を有しない農機は、当該農機に搭乗した作業者40により操縦されてもよく、作業者40により遠隔操作されてもよい。
【0057】
図2は、農作業ロボット120のシステム構成の一例を概略的に示す。
図1に関連して説明されたとおり、本実施形態において、農作業ロボット120は、ベースユニット130と、移動ユニット132と、撮像ユニット134と、センサユニット136と、農作業ユニット138とを備える。
【0058】
図2に示されるとおり、本実施形態において、農作業ロボット120は、制御ユニット220と、電源ユニット230と、制振ユニット250と、バランス調整ユニット280とを備える。農作業ロボット120は、複数の制御ユニット220を備えてもよい。農作業ロボット120は、複数の電源ユニット230を備えてもよい。農作業ロボット120は、複数の制振ユニット250を備えてもよい。農作業ロボット120は、複数のバランス調整ユニット280を備えてもよい。
【0059】
本実施形態において、農作業ロボット120は、任意の作業を実施する作業機械であってよい。農作業ロボット120は、例えば、各種の農作業、監視作業などを実施する。農作業ロボット120は、固定式であってもよく、移動式であってもよい。農作業ロボット120は、自律走行機能又は自律航行機能を有してもよく、遠隔操作により操縦されてもよく、農作業ロボット120に乗り込んだ作業者により操縦されてもよい。農作業ロボット120は、自律走行機能又は自律航行機能を有する、無人作業機械であることが好ましい。
【0060】
農作業ロボット120は、小型のロボットであってよい。例えば、農作業ロボット120の1台当たりの体積は、2m3以下であってよく、1m3以下であってよく、0.5m3以下であってよく、0.25m3以下であってもよい。これにより、圃場内を自由に移動することができる。また、人間では難しいアングルからでも農産物22を観察することができる。
【0061】
本実施形態において、ベースユニット130は、移動ユニット132、撮像ユニット134、センサユニット136、農作業ユニット138、制御ユニット220、電源ユニット230、制振ユニット250、及び、バランス調整ユニット280を保持する。本実施形態において、ベースユニット130は、移動ユニット132、撮像ユニット134、センサユニット136、農作業ユニット138、制振ユニット250及びバランス調整ユニット280の少なくとも1つを着脱可能に保持する。これにより、農作業ロボット120は、複数の異なる種類の作業に対応することができる。
【0062】
本実施形態において、ベースユニット130は、制御ユニット220及び電源ユニット230を有する。制御ユニット220及び電源ユニット230は、ベースユニット130に内蔵されてもよい。制御ユニット220及び電源ユニット230の少なくとも一方は、ベースユニット130に着脱可能に配されてもよい。一実施形態において、制御ユニット220及び電源ユニット230の少なくとも一方は、ベースユニット130の内部に着脱可能に配される。他の実施形態において、制御ユニット220及び電源ユニット230の少なくとも一方は、ベースユニット130の外部に着脱可能に配される。
【0063】
本実施形態において、移動ユニット132は、農作業ロボット120を移動させる。移動ユニット132の動力は、電力であってもよく、内燃機関であってもよく、蒸気機関であってもよい。例えば、移動ユニット132は、電源ユニット230から供給された電力を動力に変換して、農作業ロボット120を移動させる。本実施形態において、移動ユニット132は、電源ユニット230から供給された電力を利用して動力を発生させる動力源を内蔵してもよい。動力源としては、モータ、アクチュエータなどを例示することができる。
【0064】
一実施形態において、移動ユニット132は、陸上で移動するための車輪と、当該車輪を駆動する動力源とを備える。他の実施形態において、移動ユニット132は、陸上で移動するための無限軌道と、当該無限軌道を駆動する動力源とを備える。さらに他の実施形態において、移動ユニット132は、水上又は水中で移動するためのスクリューと、当該スクリューを駆動する動力源とを備えてよい。移動ユニット132は、浮力を得るための浮力材をさらに備えてもよい。さらに他の実施形態において、移動ユニット132は、空中で移動するためのプロペラと、当該プロペラを駆動する動力源とを備えてよい。移動ユニット132は、空中に浮遊するためのバルーン又は気嚢をさらに備えてもよい。
【0065】
本実施形態において、撮像ユニット134は、各種の被写体を撮像する。例えば、撮像ユニット134は、(i)作業者40、(ii)農作業ロボット120、(iii)農産物22、及び、(iv)農産物22の周辺環境の少なくとも1つを撮像する。農産物22の周辺環境としては、圃場20の内部又は圃場20の周辺を例示することができる。撮像ユニット134は、農産物22の周辺環境として、農産物22が栽培されている培地(例えば、土壌である。)を撮像してよい。例えば、撮像ユニット134は、上記の培地のうち、農産物22が生育している位置及び/又は当該位置の近傍を撮像する。
【0066】
一実施形態において、撮像ユニット134は、ベースユニット130の外部に脱着可能に配される。他の実施形態において、撮像ユニット134は、他のユニットに配される。例えば、撮像ユニット134は、農作業ユニット138に組み込まれる。撮像ユニット134は、制御ユニット220に組み込まれてもよい。
【0067】
撮像ユニット134は、ベースユニット130の進行方向前方に配されてもよく、ベースユニット130の進行方向後方に配されてもよい。撮像ユニット134は、農作業ロボット120の側面に配されてもよい。撮像ユニット134は、ベースユニット130の上面に配されてもよく、ベースユニット130の下面に配されてもよい。撮像ユニット134は、照明光を出射するライトを有してもよい。ライトは照明光を出射する照明部の一例であってよい。
【0068】
本実施形態において、撮像ユニット134は、静止画像及び動画像の少なくとも一方を撮像する。撮像ユニット134は、動画像を撮像できることが好ましい。撮像ユニット134は、可視光カメラであってもよく、赤外線カメラであってもよい。撮像ユニット134は、マニピュレータと、当該マニピュレータの先端に取り付けられた撮像装置とを有してもよい。マニピュレータは、電源ユニット230から供給された電力を利用して、上記の撮像装置を任意の方向に向けることができる。
【0069】
撮像ユニット134が撮像した画像のデータは、農作業ロボット120の記憶装置に記憶されてもよく、農作業管理サーバ142に送信されてもよい。農作業ロボット120は、撮像ユニット134が撮像した画像のデータを解析し、解析結果を農作業管理サーバ142に送信してもよい。
【0070】
本実施形態において、センサユニット136は、各種の物理量を測定する。例えば、センサユニット136は、作業者40に関する物理量、農作業ロボット120に関する物理量、農産物22に関する物理量、及び、農産物22の周辺環境に関する物理量の少なくとも1つを測定する。これにより、農産物22の生育環境に関する情報を取得することができる。
【0071】
農産物22に関する物理量としては、農産物22の色、艶、形状、模様、大きさ、重量又は質量、組成、特定成分の含有量、硬度、弾性などを例示することができる。農産物22の周辺環境に関する物理量としては、土壌に関する情報、大気に関する情報、光の強度に関する情報などを例示することができる。土壌に関する情報としては、pH、温度、含水率、粒度分布、硬さ、並びに、土壌に含まれる成分、バクテリア及びウイルスを例示することができる。土壌に含まれる成分としては、有機物(炭素)、窒素、リン、カリウム、マグネシウム、カルシウム、硫黄、鉄、マンガン、ホウ素、亜鉛、モリブデン、銅、塩素などを例示することができる。大気に関する情報としては、気温、気圧、湿度、二酸化炭素濃度、窒素濃度、酸素濃度、風向き及び風量などを例示することができる。
【0072】
一実施形態において、センサユニット136は、ベースユニット130の外部に脱着可能に配される。他の実施形態において、センサユニット136は、他のユニットに配される。例えば、センサユニット136は、農作業ユニット138に組み込まれる。センサユニット136は、制御ユニット220に組み込まれてもよい。
【0073】
センサユニット136の測定結果は、農作業ロボット120の記憶装置に記憶されてもよく、農作業管理サーバ142に送信されてもよい。農作業ロボット120は、センサユニット136の測定結果を解析し、解析結果を農作業管理サーバ142に送信してもよい。
【0074】
本実施形態において、農作業ユニット138は、農作業用のアタッチメントであってよい。例えば、用途に応じた農作業ユニット138が、ベースユニット130に取り付けられる。これにより、農作業ロボット120は、複数の異なる種類の農作業を実施することができる。
【0075】
本実施形態において、農作業ユニット138は、1又は複数の農作業に特化したユニットであってよい。農作業ユニット138としては、害虫駆除用の薬液散布装置、肥料を散布する肥料散布装置、ガスを散布するガス散布装置、畝立て装置、苗投下装置、種蒔き装置、耕うん装置、不要な枝葉を摘要するための治具を有するマニピュレータ、農産物を摘果するための治具を有するマニピュレータ、草刈り装置(例えば、放置された田畑用の草刈り装置である。)、散水装置、鳥獣威嚇装置(例えば、音声、光により鳥獣を威嚇する装置である。)、間引き装置、摘花装置、果樹摘果装置、袋掛け装置(例えば、果樹用の袋掛け装置である。)などを例示することができる。
【0076】
本実施形態において、農作業ユニット138は、ベースユニット130に着脱可能に保持される。農作業ユニット138は、電源ユニット230から供給された電力を利用して、農作業ユニット138を駆動するための動力を発生させる動力源を内蔵してもよい。動力源としては、モータ、アクチュエータなどを例示することができる。
【0077】
本実施形態において、農作業ユニット138は、ファームウエア294を実行し、農作業ユニット138を制御する情報処理装置を備える。上記の情報処理装置は、CPU、GPUなどのプロセッサであってもよい。上記の情報処理装置は、(i)CPU、GPUなどのプロセッサ、ROM、RAM、通信インタフェースなどを有するデータ処理装置と、(ii)キーボード、ポインティングデバイス、タッチパネル、カメラ、音声入力装置、ジェスチャ入力装置、各種センサ、GPS受信機などの入力装置と、(iii)表示装置、音声出力装置、振動装置などの出力装置と、(iv)メモリ、HDD、SSDなどの記憶装置(外部記憶装置を含む。)とを備えてもよい。
【0078】
最新版のファームウエア294は、例えば、農作業管理サーバ142により管理される。農作業管理サーバ142は、例えば、農作業ユニット138又は制御ユニット220からの要求に応じて、最新版のファームウエア294を、農作業ユニット138又は制御ユニット220に送信する。これにより、農作業ユニット138又は制御ユニット220は、ファームウエア294を更新することができる。
【0079】
本実施形態において、制御ユニット220は、農作業ロボット120を制御する。一実施形態において、制御ユニット220は、各ユニットと通信し、当該ユニットの種類に応じて、当該ユニットの動作を制御する。制御ユニット220は、複数のユニットの組み合わせに応じて、1又は複数のユニットの動作を制御してもよい。
【0080】
例えば、制御ユニット220は、移動ユニット132、農作業ユニット138及びバランス調整ユニット280の少なくとも1つと通信する。通信方式は、有線通信であってもよく、無線通信であってもよい。制御ユニット220及び他のユニットの間の通信方式が有線通信である場合、ベースユニット130は、制御ユニット220と他のユニットとの間で情報を伝送する通信経路(バスと称される場合がある。)を有してよい。上記の通信経路は通信部の一例であってよい。
【0081】
他の実施形態において、制御ユニット220は、農作業管理サーバ142及びノウハウ管理サーバ146の少なくとも一方と通信してよい。例えば、制御ユニット220は、農作業ロボット120に関する情報を農作業管理サーバ142及びノウハウ管理サーバ146の少なくとも一方に送信する。例えば、制御ユニット220は、農作業ロボット120の位置情報を取得し、当該位置情報を農作業管理サーバ142及びノウハウ管理サーバ146の少なくとも一方に送信する。例えば、制御ユニット220は、農作業ロボット120の位置情報と、当該位置情報により示される位置においてセンサユニット136が取得した情報とを対応付けて、農作業管理サーバ142及びノウハウ管理サーバ146の少なくとも一方に送信する。
【0082】
本実施形態において、制御ユニット220は、制御プログラム222を実行し、農作業ロボット120を制御する情報処理装置を備える。上記の情報処理装置は、CPU、GPUなどのプロセッサであってもよい。上記の情報処理装置は、(i)CPU、GPUなどのプロセッサ、ROM、RAM、通信インタフェースなどを有するデータ処理装置と、(ii)キーボード、ポインティングデバイス、タッチパネル、カメラ、音声入力装置、ジェスチャ入力装置、各種センサ、GPS受信機などの入力装置と、(iii)表示装置、音声出力装置、振動装置などの出力装置と、(iv)メモリ、HDD、SSDなどの記憶装置(外部記憶装置を含む。)とを備えてもよい。
【0083】
本実施形態において、制御プログラム222は、OS224の上で動作してよい。1又は複数の制御プログラム222が、1又は複数のOS224の上で動作してもよい。OS224は、農作業ロボット120に含まれる各種のハードウエアを制御するための1又は複数のドライバ226を介して、農作業ロボット120を制御する。例えば、OS224は、特定のドライバ226を介して、特定のユニット(例えば、移動ユニット132、農作業ユニット138などである。)を認識したり、当該ユニットの動作を制御したりする。制御プログラム222、OS224、及び、ドライバ226の少なくとも1つが更新されることにより、例えば、農作業ロボット120が新しいユニットを利用できるようになったり、農作業ロボット120が効率よくユニットを利用できるようになったりする。
【0084】
最新版の制御プログラム222、OS224、及び、ドライバ226は、例えば、農作業管理サーバ142により管理される。農作業管理サーバ142は、例えば、制御ユニット220からの要求に応じて、最新版の制御プログラム222、OS224及びドライバ226の少なくとも1つを、制御ユニット220に送信する。これにより、制御ユニット220は、制御プログラム222、OS224及びドライバ226の少なくとも1つを更新することができる。
【0085】
位置情報は、農作業ロボット120の位置を示す情報であればよく、位置情報の内容及び取得方法は特に限定されない。制御ユニット220は、任意の自己位置推定方法により、農作業ロボット120の位置を特定してよい。制御ユニット220は、GPS信号を受信して、当該GPS信号に基づいて、農作業ロボット120の位置を特定してよい。制御ユニット220は、農地の周辺に設置されたビーコン発信機からのビーコン信号を受信して、当該ビーコン信号に基づいて、農作業ロボット120の位置を特定してよい。農作業ロボット120の位置は、無線電波の電波強度に基づいて定められてもよい。制御ユニット220は、撮像ユニット134が撮像した農作業ロボット120の周囲の画像を解析して、位置が既知の複数のランドマークと農作業ロボット120とがなす角から、農作業ロボット120の位置を特定してもよい。
【0086】
制御ユニット220は、農作業管理サーバ142から、農作業ロボット120を制御するための情報を取得してもよい。農作業ロボット120を制御するための情報は、農作業ロボット120が今から実施すべき作業に関する情報であってもよい。農作業ロボット120を制御するための情報は、農作業管理サーバ142にアップロードされた制御用データであってよい。農作業ロボット120を制御するための情報は、学習済みの学習モデルであってもよい。農作業ロボット120を制御するための情報は、ノウハウ管理サーバ146により管理されているノウハウの内容を示すデータであってもよい。制御ユニット220は、農作業管理サーバ142から取得した情報に基づいて、当該情報に関連するユニットの動作を制御してもよい。
【0087】
本実施形態において、電源ユニット230は、移動ユニット132、農作業ユニット138及びバランス調整ユニット280の少なくとも1つに、当該ユニットを駆動するための電力を供給する。電源ユニット230は、制振ユニット250、撮像ユニット134及びセンサユニット136の少なくとも1つに、電力を供給してもよい。
【0088】
本実施形態において、制振ユニット250は、振動を制御する。例えば、制振ユニット250は、撮像ユニット134、センサユニット136及び農作業ユニット138の少なくとも1つの振動を制御する。制振ユニット250は、制御ユニット220からの命令にしたがって、振動を制御してよい。制振ユニット250は、電源ユニット230から供給された電力を利用して、制振ユニット250を駆動するための動力を発生させる動力源を有してよい。動力源としては、モータ、アクチュエータなどを例示することができる。
【0089】
本実施形態において、バランス調整ユニット280は、重りを有する。バランス調整ユニット280は、ベースユニット130に着脱可能に保持される。ベースユニット130に装着されるユニットの重さ及びその重心の位置によっては、農作業ロボット120の重量バランスが悪くなり、農作業ロボット120が不安定になる。そこで、ベースユニット130の適切な位置にバランス調整ユニット280を装着することにより、農作業ロボット120の重量バランスを調整することができる。
【0090】
バランス調整ユニット280は、先端に重りを有するマニピュレータであってもよい。マニピュレータが重りとベースユニット130との相対位置を変化させることにより、農作業ロボット120の重心の位置を変化させることができる。マニピュレータは動力源の一例であってよい。
【0091】
図3は、農作業管理サーバ142の内部構成の一例を概略的に示す。本実施形態において、農作業管理サーバ142は、入力受付部310と、画面生成部320と、作業計画生成部330と、格納部340とを備える。本実施形態において、格納部340は、ログデータ格納部352と、標準データ格納部354と、作業記録格納部362と、生育記録格納部364と、収穫記録格納部366と、出荷記録格納部368と、設定データ格納部372と、評価データ格納部374とを有する。
【0092】
本実施形態において、入力受付部310は、作業者40又は消費者50からの入力を受け付ける。作業者40は、例えば、圃場20に関する各種の情報を入力する。作業者40は、圃場20の位置及び範囲を示す情報を入力してよい。作業者40は、例えば、農産物22の作業計画及び作業履歴を入力する。作業者40は、例えば、農産物22の栽培に関するノウハウを入力する。作業者40及び/又は消費者50は、例えば、農産物22に関する評価を入力する。農産物22に関する評価の評価項目としては、品質、収量、特定の用途への適否などが例示される。農産物22の品質としては、外観、大きさ、味、特定成分の含有量などが例示される。上記の用途としては、農産物22を消費する動物の種類、農産物22が利用される料理の種類、農産物22の加工の種類などが例示される。
【0093】
例えば、入力受付部310は、農作業管理サーバ142に対する指示の入力を受け付ける。上記の指示としては、設定の登録、作業計画の作成又は更新、作業履歴の作成又は更新、評価の登録などが例示される。入力受付部310は、入力された指示の内容を示す情報を画面生成部320に出力する。
【0094】
また、入力受付部310は、データベースに登録される情報の入力を受け付ける。上記の情報としては、農作業管理サーバ142に関する各種設定の内容を示す情報、作業計画の内容を示す情報、作業履歴の内容を示す情報、評価の内容を示す情報などが例示される。入力受付部310は、入力された情報を格納部340に格納する。
【0095】
本実施形態において、画面生成部320は、各種の画面を生成する。例えば、画面生成部320は、入力受付部310から、入力受付部310が受け付けた指示の内容を示す情報を取得する。画面生成部320は、上記の指示の内容に応じた画面を指示者に提示するための情報(画面データと称される場合がある。)を生成する。上記の画面は、各種の入力画面であってよい。画面生成部320は、生成された画面データを、上記の指示の指示者が利用する通信端末102に送信する。
【0096】
本実施形態において、画面生成部320は、ノウハウ管理サーバ146と協働して上記の画面を生成してよい。一実施形態において、画面生成部320は、ノウハウ管理サーバ146が、作業者40に対して、ノウハウ管理サーバ146が作成したノウハウの内容の確認を依頼するための画面を生成する。他の実施形態において、ノウハウ管理サーバ146が、作業者40に対して、農作業に関するノウハウを作成するための質問に回答することを依頼するための画面を生成する。
【0097】
本実施形態において、作業計画生成部330は、作業計画を生成する。作業計画生成部330は、作業者40ごとに作業計画を生成してもよく、圃場20ごとに作業計画を生成してもよく、農産物22ごとに作業計画を生成してもよい。作業計画生成部330は、生成された作業計画を設定データ格納部372に格納してよい。
【0098】
作業計画は、日時を示す情報と、当該日時において実施される作業の内容とが対応づけられた情報であってよい。なお、日時を示す情報は、(i)年月日を示す情報であってもよく、(ii)年月日及び時刻を示す情報であってもよい。
【0099】
作業計画は、作業が実施される圃場20に関する基本的な情報を含んでよい。圃場20に関する基本的な情報としては、圃場20の識別情報、圃場20の位置及び範囲を示す情報、圃場20において作業を行う作業者40の識別情報、圃場20において栽培されている品目を示す情報、圃場20の土壌の特性を示す情報、圃場20の気象の特性を示す情報などが例示される。
【0100】
農産物22の栽培作業は、1以上の工程を含む。1以上の工程のそれぞれは、1以上の作業項目を含む。各作業項目を実施するために、作業者40は1以上の行動を実行する。作業計画に含まれる作業の内容は、工程のレベルで作成されてもよく、作業項目のレベルで作成されてもよく、行動のレベルで作成されてもよい。
【0101】
なお、工程のレベルで作業計画が作成される工程と、作業項目のレベルで作業計画が作成される工程とが混在してもよい。また、工程のレベルで作業計画が作成される工程と、作業項目のレベルで作業計画が作成される工程と、行動のレベルで作業計画が作成される工程とが混在してもよい。例えば、実施予定日時までの残り期間の長さが予め定められた値よりも小さな工程については、作業項目のレベル又は行動のレベルで作業計画が作成される。一方、実施予定日時までの残り期間の長さが予め定められた値よりも大きな工程については、工程のレベルで作業計画が作成される。
【0102】
作業計画生成部330は、作業の進捗状況を管理してもよい。例えば、作業計画生成部330は、農作業ロボット120から、日時を示す情報と、当該日時に農作業ロボット120が実施した作業の内容を示す情報とが対応付けられた情報(作業履歴と称される場合がある。)を取得する。また、例えば、作業計画生成部330は、作業者40の通信端末102から、作業者40の作業履歴を取得する。作業計画生成部330は、作業計画及び作業履歴を比較して、作業の進捗具合を算出する。これにより、作業計画生成部330は、作業の進捗状況を管理することができる。
【0103】
作業計画生成部330は、作業計画を更新してもよい。例えば、作業計画生成部330は、農作業ロボット120から、日時を示す情報と、当該日時における圃場20及び農産物22の状況を示す情報とが対応付けられた情報を取得する。例えば、作業計画生成部330は、作業者40の通信端末102から、日時を示す情報と、当該日時における圃場20及び農産物22の状況を示す状況とが対応付けられた情報を取得する。例えば、作業計画生成部330は、(i)圃場20の状況、(ii)農産物22の状況、及び、(iii)作業の進捗状況の少なくとも1つに基づいて、作業計画を更新する。
【0104】
本実施形態において、格納部340は、各種の情報を格納する。一実施形態において、格納部340は、作業者40又は消費者50が農作業支援システム100に入力した情報を格納する。他の実施形態において、格納部340は、農業データに関するプラットフォーム又はデータベースを運営する外部のサーバから各種の情報を取得し、当該情報を格納する。農業データとしては、気象データ、土壌データ、地図データ、農地データ、資材データ、作業適期予測用データ、生育予測用データなどが例示される。
【0105】
本実施形態において、ログデータ格納部352は、1以上の作業者40のそれぞれについて、時刻又は期間を示す情報と、当該時刻又は期間において作業者40が実施した作業項目を示す情報とが対応づけられた情報(作業ログと称される場合がある。)を格納する。作業ログは、(i)各時刻又は期間における作業者40の位置を示す情報、(ii)作業者40の作業計画において、各時刻又は期間に実施することが予定されている作業項目を示す情報、及び、(iii)各時刻又は期間における作業者40のステータスを示す情報の少なくとも1つを含んでよい。作業者40のステータスとしては、作業中、休憩中、移動中、作業時間外、作業不能などが例示される。作業ログは、作業者40の識別情報(ユーザIDと称される場合がある)を含んでもよく、農作業ロボット120の識別情報(ロボットIDと称される場合がある)を含んでもよい。
【0106】
ログデータ格納部352は、作業計画生成部330から、作業者40の作業計画に関する情報を取得してよい。ログデータ格納部352は、作業者40が利用する通信端末102又は農作業ロボット120から、作業者40の位置を示す情報を取得してよい。ログデータ格納部352は、作業者40が利用する通信端末102又は農作業ロボット120から、作業者40が実施した作業に関する情報を取得してよい。
【0107】
例えば、作業者40は、作業を開始する前に、作業者40が今から実施する作業の識別情報を、通信端末102に入力する。作業者40は、作業中に、作業者40が実施している作業の識別情報を、通信端末102に入力してもよい。作業者40は、作業を終了した後で、作業者40が実施した作業の識別情報を、通信端末102に入力してもよい。作業の識別情報としては、名称、略称、識別記号などが例示される。作業者40は、(i)音声入力により作業の識別情報を入力してもよく、(ii)キーボード、ポインティングデバイス、タッチデバイスなどを利用して、作業の識別情報を入力してもよい。
【0108】
農作業ロボット120は、例えば、作業計画又は作業者40からの指示に基づいて作業を実施する。農作業ロボット120は、作業ログ又はその一部を生成しながら、作業を実施してよい。農作業ロボット120は、任意のタイミング、又は、予め定められたタイミングで、作業ログを農作業管理サーバ142に送信してよい。
【0109】
本実施形態において、ログデータ格納部352は、1以上の作業者40のそれぞれについて、時刻又は期間を示す情報と、当該時刻又は期間における作業者40の行動に関する情報とが対応づけられた情報(行動ログと称される場合がある。)を格納する。作業者40の行動に関する情報としては、当該行動の種別を識別するための識別情報、当該行動の内容を示す情報、当該行動を行っている作業者40の画像データなどが例示される。
【0110】
ログデータ格納部352は、作業者40が利用する通信端末102又は農作業ロボット120から、作業者40の行動に関する情報を取得してよい。例えば、作業者40は、上記の行動の種別を識別するための識別情報、及び、上記の行動の内容を示す情報を、通信端末102に入力する。上記の入力方法及び入力タイミングは、特に限定されない。また、農作業ロボット120は、行動ログ又はその一部を生成しながら、作業を実施してよい。農作業ロボット120は、任意のタイミング、又は、予め定められたタイミングで、行動ログを農作業管理サーバ142に送信してよい。
【0111】
本実施形態において、標準データ格納部354は、栽培品目ごとに規定された標準的な作業の内容を示す情報(標準データと称される場合がある。)を格納する。標準データは、標準的な工程、標準的な作業項目、標準的な行動、各工程が実施される標準的な時期、各作業項目が実施される標準的な時期などに関する情報を含む。各工程が実施される標準的な時期は、(i)特定の月、週又は日として表されてもよく、(ii)気象環境に関する条件として表されてもよく、(iii)他の工程又は作業項目が実施されてからの期間として表されてもよい。同様に各作業項目が実施される標準的な時期は、(i)特定の月、週又は日として表されてもよく、(ii)気象環境に関する条件として表されてもよく、(iii)他の工程又は作業項目が実施されてからの期間として表されてもよい。
【0112】
標準データ格納部354は、地域ごとの標準データを格納してよい。これにより、作業計画生成部330は、農産物22が栽培される地域に応じて、適切な作業計画を生成することができる。標準データ格納部354は、作業者40ごとの標準データを格納してよい。これにより、作業計画生成部330は、作業者40の独自のノウハウが反映された作業計画を生成することができる。標準データ格納部354は、気象条件ごとの標準データを格納してよい。これにより、作業計画生成部330は、各年の気象条件に応じて、適切な作業計画を生成することができる。
【0113】
一実施形態において、標準データは、農業データに関するプラットフォーム又はデータベースを運営するサーバから取得される。他の実施形態において、標準データは、同一の種類の農産物22を栽培する複数の作業者40の過去の作業履歴に基づいて作成される。地域ごとの標準データは、同一の地域において同一の種類の農産物22を栽培する複数の作業者40の過去の作業履歴に基づいて作成される。作業者40ごとの標準データは、作業者40ごとの過去の作業履歴に基づいて生成されてもよく、作業者40が作成した作業計画に基づいて生成されてもよい。
【0114】
本実施形態において、作業記録格納部362は、作業者40の作業記録を格納する。作業者40の作業記録は、作業者40が通信端末102を介して農作業支援システム100に入力した情報に基づいて作成されてもよく、作業者40が利用した農作業ロボット120の作業履歴に基づいて作成されてもよい。
【0115】
本実施形態において、生育記録格納部364は、農産物22の生育記録を格納する。農産物22の生育記録は、作業者40が通信端末102を介して農作業支援システム100に入力した情報に基づいて作成されてもよく、作業者40が利用した農作業ロボット120が撮像又は計測した農産物22のデータに基づいて作成されてもよい。
【0116】
本実施形態において、収穫記録格納部366は、農産物22の収穫記録を格納する。農産物22の収穫記録は、作業者40が通信端末102を介して農作業支援システム100に入力した情報に基づいて作成されてもよく、作業者40が利用した農作業ロボット120が撮像又は計測した農産物22のデータに基づいて作成されてもよい。
【0117】
本実施形態において、出荷記録格納部368は、農産物22の出荷記録を格納する。農産物22の出荷記録は、作業者40が通信端末102を介して農作業支援システム100に入力した情報に基づいて作成されてもよく、作業者40が利用した農作業ロボット120が撮像又は計測した農産物22のデータに基づいて作成されてもよい。
【0118】
本実施形態において、設定データ格納部372は、各種の設定に関する情報(設定データと称される場合がある)を格納する。設定データとしては、作業計画生成部330が作成した作業計画、農産物22の生産原価を算出するための単価、農産物22の販売価格の予測値などが例示される。設定データの他の例としては、各作業者の経験に関する情報、各作業者が所有又は作業する農地に関する情報などが例示される。作業者の経験に関する情報としては、(i)作業の種類と、当該作業の経験年数との組み合わせ、(ii)当該作業者が有する資格の種類、(iii)当該作業者が受賞した賞の種類、(iv)当該資格又は賞の取得時期などが例示される。農地に関する情報としては、農地の識別情報、農地の位置する地域の識別情報、農地の土壌又は培地の種類又は特性などが例示される。
【0119】
本実施形態において、評価データ格納部374は、農産物22に関する評価の内容を示す情報(評価データと称される場合がある。)を格納する。評価データは、消費者50が通信端末102を介して農作業支援システム100に入力した情報に基づいて作成されてよい。
【0120】
図4は、ノウハウ管理サーバ146の内部構成の一例を概略的に示す。本実施形態において、ノウハウ管理サーバ146は、例えば、作業計画取得部422と、音声データ取得部432と、画像データ取得部434と、履歴データ取得部436と、環境データ取得部438とを備える。本実施形態において、ノウハウ管理サーバ146は、例えば、ノウハウデータ生成部440と、ノウハウデータベース450とを備える。本実施形態において、ノウハウ管理サーバ146は、例えば、要求受付部460と、要求処理部470とを備える。
【0121】
本実施形態において、作業計画取得部422は、設定データ格納部372にアクセスして、作業者40の作業計画を示す情報を取得する。作業計画取得部422は、作業者40の作業計画を示す情報を、ノウハウデータ生成部440に出力する。
【0122】
本実施形態において、音声データ取得部432は、作業者40の音声が記録されたデータ(音声データと称される場合がある。)を取得する。音声データ取得部432は、作業者40が農作業を実施している期間における音声データを取得してよい。音声データ取得部432は、例えば、通信端末102、撮像機器114及び農作業ロボット120の少なくとも1つから、音声データを取得する。音声データ取得部432は、取得された音声データを、ノウハウデータ生成部440に出力する。
【0123】
本実施形態において、画像データ取得部434は、作業者40による作業の様子が撮像された画像のデータ(画像データと称される場合がある。)を取得する。作業者40による作業の様子は、作業者40の様子であってもよく、作業者40の作業対象の様子であってもよい。上述されたとおり、作業対象としては、(i)圃場20、(ii)農産物22、(iii)農産物22の近傍に位置する鳥獣、害虫又は雑草などが例示される。画像データには、撮像された被写体の画像のデータに加えて、(i)作業者40の音声及び(ii)作業者40の注視位置の少なくとも一方を示すデータが記録され得る。
【0124】
画像データ取得部434は、作業者40が農作業を実施している期間における画像データを取得してよい。画像データ取得部434は、例えば、通信端末102、撮像機器114及び農作業ロボット120の少なくとも1つから、画像データを取得する。画像データ取得部434は、取得された画像データを、ノウハウデータ生成部440に出力する。
【0125】
本実施形態において、履歴データ取得部436は、作業者40又は農作業ロボット120に関する各種の履歴を示す情報(履歴データと称される場合がある。)を取得する。履歴データ取得部436は、取得された履歴データを、ノウハウデータ生成部440に出力する。
【0126】
一実施形態において、履歴データ取得部436は、作業者40が利用する通信端末102から、作業者40のバイタルサインの変動履歴を示すデータを取得する。作業者40のバイタルサインとしては、作業者40の呼吸数、呼吸パターン、体温、血圧、脈拍数、脈拍パターン、血中酸素濃度、瞬きの頻度、発汗量などが例示される。作業者40のバイタルサインは、例えば、作業者40に装着されたセンサにより計測され、近距離無線通信を介して通信端末102に送信さえる。これにより、例えば、作業者40のバイタルサイン又は心理状態の異常が検出され得る。作業者40のバイタルサインを計測するセンサは、例えば、作業者40が装着するウエアラブル端末に内蔵される。
【0127】
他の実施形態において、履歴データ取得部436は、農作業ロボット120から、作業者40又は農作業ロボット120の作業履歴を示すデータを取得する。これにより、作業者40又は農作業ロボット120が実際に実施した作業の内容と、作業計画に記載された作業の内容とが比較され得る。その結果、作業計画からの逸脱が検出され得る。
【0128】
他の実施形態において、履歴データ取得部436は、農作業ロボット120から、(i)作業者40が特定の行動を実行した時刻を示すデータ又は(ii)作業者40が予め定められた行動以外の行動を実行した時刻を示すデータを取得してもよい。これにより、例えば、作業者40の異常行動が検出され得る。
【0129】
他の実施形態において、履歴データ取得部436は、農作業ロボット120から、農作業ロボット120の速度、加速度及び角加速度の少なくとも1つの変動履歴を示すデータを取得してもよい。履歴データ取得部436は、農作業ロボット120から、農作業ロボット120が急加速は急減速した時刻を示すデータを取得してもよい。これにより、農作業ロボット120の異常行動が検出され得る。農作業ロボット120が作業者40に追従して移動するように設定されている場合、農作業ロボット120の異常行動を検出することで、作業者40の異常行動が検出され得る。
【0130】
本実施形態において、環境データ取得部438は、農産物22の周辺環境の状態を示す情報(環境データと称される場合がある。)を取得する。環境データ取得部438は、例えば、計測機器116及び農作業ロボット120の少なくとも1つから、環境データを取得する。環境データ取得部438は、気象情報管理サーバ144から、環境データを取得してもよい。環境データ取得部438は、農業データに関するプラットフォーム又はデータベースを運営する外部のサーバから、環境データを取得してもよい。環境データ取得部438は、取得された環境データを、ノウハウデータ生成部440に出力する。
【0131】
本実施形態において、ノウハウデータ生成部440は、農作業に関するノウハウを示す情報(ノウハウデータと称される場合がある。)を生成する。ノウハウデータ生成部440は、作業計画取得部422、音声データ取得部432、画像データ取得部434、履歴データ取得部436及び環境データ取得部438の少なくとも1つが取得した情報を利用して、ノウハウデータを生成する。
【0132】
例えば、ノウハウデータ生成部440は、農産物22を生産するための1以上の工程の少なくとも1つに含まれる1以上の作業項目の少なくとも1つに関するノウハウデータを生成する。ノウハウデータ生成部440は、作業項目ごとにノウハウデータを生成してよい。ノウハウデータ生成部440は、単一の作業項目について単一のノウハウデータを生成してもよく、単一の作業項目について複数のノウハウデータを生成してもよい。
【0133】
例えば、ノウハウデータ生成部440は、音声データ取得部432が取得した音声データの一部又は全部を、ノウハウデータとして利用する。ノウハウデータ生成部440は、画像データ取得部434が取得した画像データの一部又は全部を、ノウハウデータとして利用してもよい。
【0134】
例えば、ノウハウデータ生成部440は、音声データ取得部432が取得した音声データ、及び、画像データ取得部434が取得した画像データの少なくとも一方を解析して、ノウハウデータを生成する。具体的には、ノウハウデータ生成部440は、(i)農作業を実施している作業者40の音声、及び、(ii)作業者40による作業の様子の少なくとも一方に基づいて、農作業の実施期間中に作業者40が実行した1以上の行動を推定する。また、ノウハウデータ生成部440は、作業者40が実行した1以上の行動のそれぞれについて、当該行動が実行されるべきか否かの判断基準となる条件を推定する。
【0135】
次に、ノウハウデータ生成部440は、上記の1以上の行動のそれぞれと、各行動に関する上記の条件とを対応付けて、ノウハウデータを生成する。一実施形態において、ノウハウデータ生成部440は、作業者40に対してノウハウの内容をフローチャートとして提示可能な形式で、ノウハウデータを生成する。他の実施形態において、ノウハウデータ生成部440は、農作業ロボット120がノウハウデータを実行することにより、ノウハウの内容に従って農作業ロボット120を動作させることのできる形式で、ノウハウデータを生成する。ノウハウデータ生成部440の詳細は後述される。
【0136】
本実施形態において、ノウハウデータベース450は、ノウハウデータ生成部440が生成したノウハウデータを格納する。ノウハウデータベース450は、品目ごとにノウハウデータを格納してもよく、圃場ごとにノウハウデータを格納してもよく、地域又は地区ごとにノウハウデータを格納してもよく、作業者40ごとにノウハウデータを格納してもよく、作業者40のグループごとにノウハウデータを格納してもよい。
【0137】
本実施形態において、要求受付部460は、作業者40又は農作業ロボット120からの要求を受け付ける。例えば、要求受付部460は、ノウハウデータの検索要求を受け付ける。要求受付部460は、受け付けられた要求の内容を示す情報を、要求処理部470に出力する。
【0138】
本実施形態において、要求処理部470は、要求受付部460が受け付けた要求に対応する処理を実行する。例えば、要求受付部460がノウハウデータの検索要求を受け付けた場合、要求処理部470は、ノウハウデータベース450にアクセスして、当該検索要求により示される条件に合致するノウハウデータを抽出する。要求処理部470は、抽出されたノウハウデータを、上記の検索要求の送信元に送信する。
【0139】
これにより、例えば、作業者40が特定の工程又は作業項目のノウハウを知りたい場合、作業者40は、当該特定の工程又は作業項目に関するノウハウデータを取得することができる。また、作業者40又は農作業ロボット120による作業履歴、圃場20の状態、農産物22の状態などのデータが農作業管理サーバ142に蓄積されている場合、作業者40は、圃場20又は農産物22の状態に応じたノウハウを取得することができる。その結果、作業者40は、圃場20又は農産物22の状態に応じて、当該特定の工程又は作業項目を適切に実行することができる。
【0140】
また、農作業ロボット120がノウハウデータの検索要求を送信した場合、当該ノウハウデータは、農作業ロボット120の制御プログラム222に読み込まれる。その結果、農作業ロボット120は、圃場20又は農産物22の状態に応じて、当該特定の工程又は作業項目を適切に実行することができる。
【0141】
音声データ取得部432は、データ取得部の一例であってよい。画像データ取得部434は、データ取得部の一例であってよい。ノウハウデータ生成部440は、情報処理装置の一例であってよい。農産物22の周辺環境は作業環境の一例であってよい。ノウハウデータは、ノウハウ情報の一例であってよい。画像データは、音声データの一例であってよい。
【0142】
履歴データ取得部436は、バイタル情報取得部の一例であってよい。履歴データ取得部436は、追従情報取得部の一例であってよい。
【0143】
図5及び
図6を用いて、ノウハウデータの詳細が説明される。
図5は、データテーブル500の一例を概略的に示す。データテーブル500に含まれる1以上のレコードのそれぞれは、ノウハウデータベース450に格納されているノウハウデータの一例であってよい。
図6は、ノウハウデータにより示されるフローチャート600の一例を概略的に示す。フローチャート600は、データテーブル500に格納されている単一の作業項目に対応する複数のレコードにより提示されるノウハウの内容を示す。
【0144】
[テーブル形式で表現されたノウハウデータ]
図5に示されるとおり、本実施形態において、データテーブル500は、品目を示す情報502と、工程を示す情報504と、作業項目を示す情報506と、ノウハウを示す情報508とを対応付けて格納する。単一の作業項目に対応付けられるノウハウの個数は1個であってもよく、2個以上であってもよい。
【0145】
本実施形態において、工程を示す情報504は、例えば、農産物22の栽培作業を構成する1以上の工程のそれぞれについて、当該工程が実施される順番を示す情報と、当該工程の識別情報とを含む。工程の識別情報としては、例えば、当該工程の名称又は略称が用いられる。
【0146】
本実施形態において、作業項目を示す情報506は、例えば、各工程を構成する1以上の作業項目のそれぞれについて、当該作業項目が実施される順番を示す情報と、当該作業項目の識別情報とを含む。作業項目の識別情報としては、例えば、当該作業項目の名称又は略称が用いられる。
【0147】
本実施形態において、ノウハウを示す情報508は、当該ノウハウの目的又は当該ノウハウにより達成される課題を示す情報と、ノウハウの内容を示す情報と、ノウハウの内容が実行される条件を示す情報と、当該ノウハウに関連する画像データのURIとを含む。ノウハウの内容を示す情報は、上記の条件が成立した場合の行動の内容を示す情報、及び、上記の条件が成立しなかった場合の行動の内容を示す情報の少なくとも一方を含んでよい。
【0148】
上記の条件は、現在の事実に基づく条件であってもよく、過去の事実に基づく条件であってもよく、将来的に予定されている事項に基づく条件であってもよい。現在の事実としては、圃場20の現在の状態、農産物22の現在の状態などが例示される。過去の事実としては、圃場20の過去の状態、農産物22の過去の状態、圃場20又は農産物22に対して過去に実施された作業の内容などが例示される。将来的に予定されている事項としては、天気予報により示される気象環境、作業計画により示される工程又は作業項目などが例示される。
【0149】
ノウハウの目的としては、利益を拡大するための目的と、損失を抑制するための目的とが例示される。ノウハウの目的としては、品質、収量、コスト、収益、納期、作業時間の調整、後続する作業の実施時期の調整などに関連する目的が例示される。例えば、品質を向上させることを目的とするノウハウとして、特定の品質を有する農産物22を生産して利益を拡大するためのノウハウ、天候不順による品質への影響を最小限に抑えることで損失を抑制ためのノウハウなどが例示される。
【0150】
本実施形態によれば、工程又は作業項目と、ノウハウとが対応づけて管理される。また、上述されたとおり、例えば、作業計画生成部330が生成する作業計画において、工程又は作業項目は、当該工程又は作業項目の実施予定時期と対応づけて管理される。そのため、本実施形態によれば、工程又は作業項目に関するノウハウが、当該工程又は作業項目の実施予定時期と対応付けて管理され得る。これにより、例えば、画面生成部320は、工程又は作業項目に関するノウハウと、当該工程又は作業項目の実施予定時期とが対応付けられた画面を生成することができる。
【0151】
[ノウハウデータの具体例]
例えば、「水稲」を栽培する場合、工程の内容としては、(i)資材の発注又は予約、(ii)圃場に配された施設若しくは機器又は農機の動作確認及び補修、(iii)施肥、(iv)代掻き、(v)水張り、(vi)定植、(vii)除草又は農薬散布、(viii)鳥獣防止設備の設置、(ix)水抜き、(x)収穫、(xi)乾燥、(xii)脱穀、(xiii)保管などが例示される。また、各工程はこの順番で実施されてよい。なお、圃場ごとに上記の工程の内容及び順番が異なってもよい。地域ごとに上記の工程の内容及び順番が異なってもよい。気象環境ごとに上記の工程の内容及び順番が異なってもよい。
【0152】
また、各工程は、1又は複数の作業項目を含む。例えば、上記の資材の発注又は予約という工程には、苗の発注、トレーの発注、田植機の貸出予約などの複数の作業項目が含まれる。さらに、データテーブル500の各レコードは、各作業項目に関するノウハウデータを格納する。単一の作業項目に対して、複数のノウハウデータが格納されてもよい。例えば、苗の発注という作業項目に関するノウハウとしては、収益を最大化することを目的とする場合のノウハウと、特定の品質を有する米を生産することを目的とする場合のノウハウなどが例示される。
【0153】
[フローチャート形式で表現されたノウハウデータ]
図6に示されるとおり、特定の作業項目に対応付けられた複数のレコードにより、フローチャート形式のノウハウが表現され得る。フローチャート形式のノウハウは、データテーブル500の各レコードにおいて、ノウハウを示す情報508の「目的」、ノウハウを示す情報508の「条件」、及び、ノウハウを示す情報508の「内容」として格納されてよい。
【0154】
一実施形態において、画面生成部320は、データテーブル500の各レコードの「目的」、「条件」及び「内容」に記憶された情報に基づいて、
図6に示されるようなフローチャート600を作業者40に提示するための画面を生成する。他の実施形態において、画面生成部320は、作業者40又は農作業ロボット120から取得した情報に基づいて、フローチャート600に示される複数の「内容」の中から、現在の状況に合致する1又は複数の「内容」を抽出する。画面生成部320は、抽出された「内容」を当該特定の作業項目に関するノウハウとして作業者40に提示するための画面を生成する。
【0155】
本実施形態によれば、特定の作業項目又は当該作業項目を含む工程の目的がP1である場合、A1、A2及びA3という内容のノウハウが存在する。また、この場合、特定の作業項目をどのように実施するかは、条件C1及びC2に基づいて決定される。上述されたとおり、条件C1及びC2が成立するか否かは、上記の条件は、現在の事実、過去の事実、又は、将来的に予定されている事項に基づいて決定され得る。
【0156】
具体的には、条件C1が成立する場合、現況に適したノウハウとして内容A1が抽出される。また、条件C1が成立せず、条件C2が成立する場合、現況に適したノウハウとして内容A2が抽出される。さらに、条件C1及びC2が成立しない場合、現況に適したノウハウとして内容A3が抽出される。
【0157】
一方、特定の作業項目又は当該作業項目を含む工程の目的がP2である場合、A4及びA5という内容のノウハウが存在する。また、この場合、特定の作業項目をどのように実施するかは、条件C3に基づいて決定される。具体的には、条件C3が成立する場合、現況に適したノウハウとして内容A4が抽出される。また、条件C3が成立しない場合、現況に適したノウハウとして内容A5が抽出される。
【0158】
本実施形態によれば、ノウハウが、条件と、内容とにより表現されている。これにより、圃場20又は農産物22の状態に応じて、適切なノウハウが自動的に抽出され得る。そのため、上述されたとおり、その結果、作業者40又は農作業ロボット120は、圃場20又は農産物22の状態に応じて、当該特定の工程又は作業項目を適切に実行することができる。
【0159】
より具体的には、作業者40又は農作業ロボット120が目的P1を目的として作業項目を実施する場合、条件C1が成立するときには、作業者40又は農作業ロボット120は、内容A1に従って作業項目を実施する。一方、条件C1が成立しないときには、作業者40又は農作業ロボット120は、条件C2が成立するか否かを判断する。そして、条件C2が成立するとき、作業者40又は農作業ロボット120は、内容A2に従って作業項目を実施する。条件C2が成立しないとき、作業者40又は農作業ロボット120は、内容A3に従って作業項目を実施する。
【0160】
同様に、作業者40又は農作業ロボット120が目的P2を目的として作業項目を実施する場合、条件C3が成立するときには、作業者40又は農作業ロボット120は、内容A4に従って作業項目を実施する。一方、条件C3が成立しないとき、作業者40又は農作業ロボット120は、内容A5に従って作業項目を実施する。
【0161】
なお、目的が指定されない場合、又は、目的がノウハウデータベース450に登録されていない場合には、作業項目を実施する際の標準的な行動又は留意点が提示されてもよい。上記の標準的な行動又は留意点は、例えば、標準データ格納部354を参照して抽出される。
【0162】
図7は、ノウハウデータ生成部440の内部構成の一例を概略的に示す。本実施形態において、ノウハウデータ生成部440は、例えば、テキストデータ生成部720と、データ編集部730とを備える。本実施形態において、ノウハウデータ生成部440は、例えば、共有設定部740と、作業内容推定部752と、目的推定部754と、条件推定部756と、条件定量化部758と、データ統合部760とを備える。本実施形態において、ノウハウデータ生成部440は、例えば、質問部770を備える。
【0163】
本実施形態において、テキストデータ生成部720は、音声データ取得部432が取得した音声データに収録されている音声を認識して、当該音声の内容を示すテキストデータを生成する。テキストデータ生成部720は、画像データ取得部434が取得した画像データに収録されている音声を認識して、当該音声の内容を示すテキストデータを生成する。テキストデータ生成部720は、生成されたテキストデータを、元の音声データ又は画像データに関連付けて、ノウハウ管理サーバ146の記憶装置(図示されていない。)に格納してよい。
【0164】
本実施形態において、データ編集部730は、テキストデータ、音声データ及び画像データを編集する。一実施形態において、データ編集部730は、音声データ及び画像データの一部をカットする。データ編集部730は、テキストデータの一部をカットしてもよい。例えば、データ編集部730は、(i)音声データ及び画像データにおいて作業者40の音声が記録された位置及び(ii)音声データ及び画像データにおいて作業者40の行動が記録された位置が残存するように、音声データ及び画像データの一部をカットする。これにより、作業者40のノウハウが含まれている可能性が比較的小さいデータが削除される。その結果、ノウハウデータの生成処理が高速化され得る。
【0165】
他の実施形態において、画像データが撮像された画像のデータと、作業者の注視位置を示す情報とを含む場合、データ編集部730は、画像と、作業者40の注視位置を示すアイコンとが合成された合成画像を生成する。これにより、ノウハウデータの画像の閲覧者は、当該注視位置を中心に画像を閲覧することができる。
【0166】
本実施形態において、共有設定部740は、ノウハウデータの共有範囲を設定する。共有設定部740は、例えば、ノウハウを提供した作業者40からの指示に従って、ノウハウデータの共有範囲を設定する。共有範囲としては、ノウハウを提供した作業者40本人、ノウハウを提供した作業者40が許可した他の作業者40、ノウハウの利用料を支払った他の作業者40、ノウハウを提供した作業者40と同一の種類の農産物22を栽培する他の作業者40、ノウハウを提供した作業者40と同一の種類の農産物22を栽培していない他の作業者40、ノウハウを提供した作業者40と同一又は近隣の地域で農産物22を栽培する他の作業者40、ノウハウを提供した作業者40と同一又は近隣の地域で農産物22を栽培していない他の作業者40、及び、上記の作業者が利用する農作業ロボット120が例示される。
【0167】
本実施形態において、作業内容推定部752は、(i)作業を実施している作業者40の音声、及び、(ii)作業者40による作業の様子の少なくとも一方に基づいて、作業の実施期間中に作業者40が実行した1以上の行動を推定する。例えば、作業内容推定部752は、作業中の作業者40の音声が記録された音声データ、作業中の作業者40の作業の様子が記録された画像データ、並びに、テキストデータ生成部720が上記の音声データ及び画像データを処理して生成されたテキストデータの少なくとも1つを解析して、作業の実施期間中に作業者40が実行した1以上の行動を推定する。
【0168】
本実施形態において、目的推定部754は、(i)作業者40の音声、(ii)作業者40が作業記録に入力した事項、及び、(iii)質問部770が作業者40に問い合わせた質問に対する作業者40からの回答の少なくとも1つに基づいて、作業内容推定部752により推定された作業者40の行動の目的を推定する。
【0169】
本実施形態において、条件推定部756は、(i)作業者40の音声、(ii)作業者40による作業の様子、(iii)作業者40が作業記録に入力した事項、及び、(iv)農産物22の周辺環境の状態の少なくとも1つに基づいて、作業内容推定部752により推定された作業者40の行動が実行されるべきか否かの判断基準となる条件を推定する。条件推定部756は、質問部770が作業者40に問い合わせた質問に対する作業者40からの回答に基づいて、上記の条件の少なくとも一部を推定してよい。
【0170】
本実施形態において、条件定量化部758は、作業の作業記録に入力された事項、及び、農産物22の周辺環境の状態の少なくとも一方に基づいて、行動が実行されるべきか否かの判断基準となる閾値を推定する。一実施形態において、単一の作業者40が同一の作業項目を実施した複数のデータが存在する場合、条件定量化部758は、当該複数のデータにより示される条件と行動との対応関係を解析することで、当該行動を実行する場合の閾値、又は、当該行動を実行しない場合の閾値を決定してよい。他の実施形態において、複数の作業者40が同一の作業項目を実施した複数のデータが存在する場合、条件定量化部758は、当該複数のデータにより示される条件と行動との対応関係を解析することで、当該行動を実行する場合の閾値、又は、当該行動を実行しない場合の閾値を決定してよい。
【0171】
本実施形態において、データ統合部760は、作業内容推定部752が推定した1以上の行動のそれぞれと、条件推定部756が推定した各行動に関する条件とを対応付けて、ノウハウデータを生成する。データ統合部760は、作業内容推定部752が推定した1以上の行動のそれぞれと、条件推定部756が推定した各行動に関する条件と、目的推定部754が推定した各行動の目的とを対応付けて、ノウハウデータを生成してもよい。
【0172】
データ統合部760は、生成されたノウハウデータをノウハウデータベース450に格納する。データ統合部760は、生成されたノウハウデータを、共有設定部740が決定した共有範囲を示す情報と対応付けて、ノウハウデータベース450に格納してもよい。
【0173】
本実施形態において、質問部770は、作業者40に対する質問の内容を示す情報(質問データと称される場合がある)を生成する。質問部770が作業者40に関する異常を検出した場合、質問部770は、当該異常の原因又は理由を確認するための質問を生成する。例えば、(i)作業者40が、各作業項目に関する標準的な行動から逸脱した行動を起こした場合、(ii)作業者40が、各作業項目に関する過去の作業者40の行動から逸脱した行動を起こした場合、(iii)作業者40のバイタルサインに異常が検出された場合、(iv)作業者40又は農作業ロボット120が異常な行動を起こした場合に、当該行動を起こした理由に関する質問を生成する。
【0174】
一実施形態において、質問部770は、作業者40が利用する通信端末102に、質問データを送信する。また、質問部770は、通信端末102から、上記の質問に対する作業者40の回答を示す情報(回答データと称される場合がある。)を取得する。他の実施形態において、質問部770は、農作業管理サーバ142に、質問データを送信する。農作業管理サーバ142は、例えば、作業記録の入力画面を生成するときに、質問部770が生成した質問の内容を含む入力画面を生成する。これにより、上記の質問に対する回答を含む作業記録が、作業記録格納部362に格納される。質問部770は、作業記録格納部362にアクセスして、上記の質問に対する作業者40の回答を示す情報を取得する。質問部770の詳細は後述される。
【0175】
データ編集部730は、編集部の一例であってよい。作業内容推定部752は、行動推定部の一例であってよい。条件推定部756は、基準推定部の一例であってよい。条件定量化部758は、閾値推定部の一例であってよい。データ統合部760は、ノウハウ情報生成部の一例であってよい。質問部770は、異常検出部又は質問情報生成部の一例であってよい。質問部770は、原因推定部の一例であってもよい。質問データは、質問情報の一例であってよい。
【0176】
図8は、質問部770の内部構成の一例を概略的に示す。本実施形態において、質問部770は、例えば、作業異常検出部822と、バイタル異常検出部824と、言動異常検出部826と、質問生成部830とを備える。
【0177】
本実施形態において、作業異常検出部822は、作業内容推定部752により推定された作業者40又は農作業ロボット120の行動が、基準となる行動から逸脱しているか否かを判定する。作業異常検出部822は、判定結果を示す情報を質問生成部830に出力する。
【0178】
例えば、作業異常検出部822は、作業内容推定部752から、作業内容推定部752が推定した1以上の行動の内容を示す情報を取得する。作業異常検出部822は、農作業管理サーバ142の標準データ格納部354にアクセスして、作業項目ごとに予め定められた標準的な行動の内容を示す情報を取得する。
【0179】
作業異常検出部822は、農作業管理サーバ142の設定データ格納部372にアクセスして、作業項目ごとに作業者40が独自に定めた行動の内容を示す情報を取得してもよい。例えば、作業異常検出部822は、作業計画に記載された具体的な行動の内容を示す情報を取得する。作業異常検出部822は、ノウハウ管理サーバ146のノウハウデータベース450にアクセスして、作業者40のノウハウデータを取得してもよい。作業異常検出部822は、作業項目ごとに作業者40が独自に定めた行動、及び、作業者40のノウハウデータにより規定された行動を、上記の標準的な行動とみなしてよい。
【0180】
作業異常検出部822は、作業内容推定部752が推定した1以上の行動の内容と、上記の標準的な行動の内容との相違する度合いが予め定められた基準を超えるか否かを判定する。上記の相違の度合いが予め定められた基準を超えていると判定された場合、作業異常検出部822は、作業者40の行動が標準的な行動から逸脱していると判定する。この場合、作業異常検出部822は、例えば、作業の手順又は内容に関する異常(作業異常と称される場合がある。)が検出されたことを示す情報を質問生成部830に送信する。
【0181】
作業異常検出部822は、作業者40の位置が圃場20の内部に含まれる場合に、作業異常が検出されたことを示す情報を質問生成部830に送信してよい。作業者40の位置が圃場20の内部に含まれない場合、作業異常検出部822は、作業異常が検出されたことを示す情報を質問生成部830に送信しなくてもよい。
【0182】
本実施形態において、バイタル異常検出部824は、作業者40に関する異常を検出する。バイタル異常検出部824は、作業者40のバイタルサインに関する異常(バイタル異常と称される場合がある。)を検出する。例えば、作業者40のバイタルサインの値又は変動パターンが予め定められた基準に合致する場合、バイタル異常検出部824は、バイタル異常を検出する。
【0183】
バイタル異常が検出された場合、バイタル異常検出部824は、例えば、バイタル異常が検出されたことを示す情報を質問生成部830に送信する。バイタル異常検出部824は、作業者40の位置が圃場20の内部に含まれる場合に、バイタル異常が検出されたことを示す情報を質問生成部830に送信してよい。作業者40の位置が圃場20の内部に含まれない場合、バイタル異常検出部824は、バイタル異常が検出されたことを示す情報を質問生成部830に送信しなくてもよい。
【0184】
本実施形態において、言動異常検出部826は、作業者40の言動に関する異常を検出する。例えば、言動異常検出部826は、作業者40の発言に関する異常、及び、作業者40の行動に関する異常の少なくとも一方を検出する。作業者40の言動に関する異常としては、突然立ち止まる、突然走り出す、大声を出す、慌てた様子又は動揺した様子を示す、長時間立ち止まる、作業計画又はノウハウから大きく逸脱した行動を行う、標準的な作業とは異なる作業を行うなどが例示される。
【0185】
作業計画又はノウハウから大きく逸脱した行動としては、例えば、(i)作業計画又はノウハウに定められた作業量と、実際に実施された作業量との差の絶対値が、予め定められた値よりも大きい、(ii)作業計画又はノウハウに定められた手順どおりに実施されていない作業項目の数が、予め定められた値よりも大きいなどが例示される。例えば、作業者40が実際に散布した肥料又は農薬の量と、作業計画により定められた散布量との差の絶対値が、予め定められた値よりも大きい場合、作業計画に定められた作業量と、実際に実施された作業量との差の絶対値が予め定められた値よりも大きいと判定される。
【0186】
標準的な作業とは異なる作業としては、上述された標準データにより規定された作業、上述された作業項目ごとの標準的な行動などが例示される。例えば、作業者40が過剰に薬剤を散布した場合、言動異常検出部826は、作業者40の言動に関する異常を検出する。
【0187】
本実施形態において、言動異常検出部826は、農作業ロボット120の行動に関する異常を検出する。例えば、言動異常検出部826は、農作業ロボット120の速度、加速度及び角加速度の少なくとも1つの異常を検出する。農作業ロボット120の行動に関する異常としては、急発進、急停止、急加速、急減速、衝突、作業計画又はノウハウから大きく逸脱した動作を実行する、標準的な作業とは異なる作業を実行するなどが例示される。作業計画又はノウハウから大きく逸脱した動作は、上述された作業計画又はノウハウから大きく逸脱した行動と同様であってよい。標準的な作業とは異なる作業の具体例は、上述されたとおりであってよい。例えば、農作業ロボット120が過剰に薬剤を散布した場合、言動異常検出部826は、農作業ロボット120の行動に関する異常を検出する。
【0188】
作業者40の言動又は農作業ロボット120の行動に関する異常(言動異常と称される場合がある。)が検出された場合、言動異常検出部826は、例えば、言動異常が検出されたことを示す情報を質問生成部830に送信する。言動異常検出部826は、作業者40の位置が圃場20の内部に含まれる場合に、言動異常が検出されたことを示す情報を質問生成部830に送信してよい。作業者40の位置が圃場20の内部に含まれない場合、言動異常検出部826は、言動異常が検出されたことを示す情報を質問生成部830に送信しなくてもよい。
【0189】
本実施形態において、質問生成部830は、上述された各種の異常が検出された場合に、当該異常に関する質問を生成する。例えば、質問生成部830は、異常の原因又は理由を作業者40に問い合わせるための質問を生成する。上記の質問は、「どうしましたか?」のような定型の質問であってもよく、検出された異常の種類又は内容に応じた質問であってもよく、作業者40又は農作業ロボット120の状況に応じた質問であってもよい。
【0190】
一実施形態において、作業者40の行動が標準的な行動から逸脱していると判定された場合に、当該行動の理由を作業者40に問い合わせるための質問を生成する。他の実施形態において、作業者40のバイタルサインに関する異常が検出された場合に、圃場20又は農産物22に関する異常の発生の有無及び当該異常の内容を問い合わせるための質問を生成する。他の実施形態において、作業者40の言動又は農作業ロボット120の行動に関する異常が検出された場合に、当該言動又は行動の理由を作業者40に問い合わせるための質問を生成する。
【0191】
本実施形態において、質問生成部830は、上記の質問を作業者40に提示するための処理を実行する。質問の提示態様は、特に限定されない。
【0192】
一実施形態において、質問生成部830は、作業者40の通信端末102、又は、作業者40の近傍に配された農作業ロボット120に、質問データを送信する。作業者40の通信端末102、又は、作業者40の近傍に配された農作業ロボット120は、質問データを受信すると、任意の出力装置を利用して質問を作業者40に提示する。上記の出力装置としては、ディスプレイ、プロジェクタ、スピーカなどが例示される。
【0193】
他の実施形態において、質問生成部830は、農作業管理サーバ142に、質問データを送信する。農作業管理サーバ142は、質問データを受信すると、例えば、作業者40が作業記録の入力処理を実行するときに、上記の質問の内容を含む入力画面を生成し、当該入力画面を作業者40に提示する。
【0194】
本実施形態において、質問生成部830は、上記の質問に対する作業者40の回答を示す情報を取得する。例えば、質問生成部830は、作業者40の通信端末102から、上記の質問に対して作業者40が回答した情報を取得する。質問生成部830は、作業者40の近傍に配された撮像機器114若しくは農作業ロボット120から、上記の質問に対して回答する作業者40の音声のデータを取得してもよい。
【0195】
質問生成部830は、作業者40からの回答に応じて、新たな質問を生成してよい。質問生成部830は、新たな質問を作業者40に提示するための処理を実行する。このとき、質問生成部830は、上記の回答又は質問に関連する情報(関連情報)を含む質問データを作業者40が利用する通信端末102又は農作業ロボット120に送信してよい。
【0196】
関連情報としては、(i)作業者40がアクセスすることのできるノウハウデータにより示されるノウハウ、(ii)作業者40の作業計画に記載された内容、(iii)近隣の圃場20に関する作業計画、作業記録、生育記録、収穫記録及び出荷記録の少なくとも1つに記載された内容などが例示される。上記の近隣の圃場20は、作業者40の圃場であってもよく、他の作業者40の圃場であってもよい。
【0197】
質問生成部830は、作業者Aに関する各種の異常が検出された場合に、作業者Aに対して質問を提示してもよく、他の作業者Bに対して質問を提示してもよい。例えば、質問生成部830は、作業者Aに関する各種の異常が検出された場合において、当該異常が作業者Aの作業対象となる農産物22の品質又は収量に関連するとき、質問生成部830は、作業者Aに対して質問を提示する。一方、作業者Aに関する各種の異常が検出された場合において、当該異常が作業者Bの作業対象となる農産物22の品質又は収量に関連するとき、質問生成部830は、作業者Bに対して質問を提示する。
【0198】
本実施形態において、質問生成部830は、各種の異常が検出された作業者Aの状況、及び、質問が提示される作業者Bの状況の少なくとも一方に基づいて、質問の生成処理及び質問の提示処理の要否を決定する。質問生成部830は、各種の異常が検出された作業者Aの状況、及び、質問が提示される作業者Bの状況の少なくとも一方に基づいて、質問の提示態様を決定してもよい。
【0199】
上記の状況としては、位置、ステータス、実施中の作業項目の種類などが例示される。例えば、質問生成部830は、作業者Aが圃場20の内部に存在している場合に限って、質問の生成処理及び提示処理を実行する。これにより、農作業に関係のない質問の生成が抑制され、農作業支援システム100のリソースの消費量が抑制される。
【0200】
作業異常検出部822は、異常検出部又は判定部の一例であってよい。バイタル異常検出部824は、異常検出部の一例であってよい。言動異常検出部826は、異常検出部の一例であってよい。質問生成部830は、質問情報生成部又は質問生成部の一例であってよい。作業項目ごとの標準的な行動は、標準行動の一例であってよい。
【0201】
図7及び
図8に関連して説明された実施形態においては、質問部770が作業者40に関する異常を検出したときに、質問部770が当該異常の原因又は理由を確認するための質問を生成する場合を例として、作業者40又は農作業ロボット120の行動の内容と、作業者40又は農作業ロボット120が当該行動を実行する条件とが対応付けられたノウハウデータの構築方法の一例が説明された。しかしながら、ノウハウデータは本実施形態に限定されない。また、ノウハウデータの構築方法は本実施形態に限定されない。
【0202】
図9は、質問生成部830の内部構成の一例を概略的に示す。本実施形態において、質問生成部830は、例えば、異常検出信号受信部910と、異常レベル推定部920と、発言内容解析部930と、異常原因推定部940と、質問決定部950と、回答取得部960と、対処データ生成部970と、作業者特性決定部982と、作業者特性格納部984とを備える。
【0203】
本実施形態において、異常検出信号受信部910は、各種の異常が検出されたことを示す信号(異常検出信号と称される場合がある。)を受信する。異常検出信号受信部910が異常検出信号を受信すると、異常検出信号受信部910は、例えば、検出された異常の種類を示す情報を、異常レベル推定部920、発言内容解析部930及び異常原因推定部940に出力する。これにより、質問の生成処理が開始される。
【0204】
一実施形態において、異常検出信号受信部910は、作業異常検出部822から、作業異常が検出されたことを示す異常検出信号を受信する。上記の異常検出信号は、例えば、異常が検出された作業を実施している作業者40のユーザID、異常が検出された作業を実施している農作業ロボット120のロボットID、及び、異常が検出された作業を実施している農作業ロボット120を利用している作業者40のユーザIDの少なくとも1つを含む。上記の異常検出信号は、異常が検出された作業に関する情報を含んでよい。上記の作業に関する情報としては、(i)当該作業の品目、工程及び作業項目の少なくとも1つ、(ii)当該作業が実施された時刻又は期間、(iii)当該作業が実施された位置又は圃場などが例示される。
【0205】
他の実施形態において、異常検出信号受信部910は、バイタル異常検出部824から、バイタル異常が検出されたことを示す異常検出信号を受信する。上記の異常検出信号は、例えば、異常が検出された作業者40のユーザIDを含む。上記の異常検出信号は、異常が検出されたバイタルサインに関する情報を含んでよい。上記のバイタルサインに関する情報としては、バイタルサインの種類、バイタルサインの数値などが例示される。
【0206】
さらに他の実施形態において、異常検出信号受信部910は、言動異常検出部826から、言動異常が検出されたことを示す異常検出信号を受信する。上記の異常検出信号は、例えば、異常が検出された作業者40のユーザID、異常が検出された農作業ロボット120のロボットID、及び、異常が検出された農作業ロボット120のを利用している作業者40のユーザIDの少なくとも1つを含む。上記の異常検出信号は、異常が検出された言動に関する情報を含んでよい。上記の言動に関する情報としては、作業者40の発言の内容、発言時の作業者40の心理状態又はその種類、作業者40の行動の内容又はその種類、農作業ロボット120の行動の内容又はその種類などが例示される。
【0207】
発言時の作業者40の心理状態は、例えば、作業者40のバイタルサイン又は発言の解析結果に基づいて決定される。発言時の作業者40の心理状態は、例えば、作業者40の発言に含まれる感嘆詞の種類、発言の音量、及び、発言の抑揚パターン、並びに、発言時の作業者40のバイタルサインの少なくとも1つに基づいて決定される。
【0208】
本実施形態において、異常レベル推定部920は、検出された異常の程度を推定する。異常レベル推定部920は、例えば、検出された異常の種類、及び、当該異常の内容の少なくとも一方に基づいて、当該異常の程度を推定する。異常の程度は、例えば、当該異常が農産物22の品質及び収量の少なくとも一方に与え得る影響の大きさに応じて決定される。例えば、異常レベル推定部920は、農産物22の品質及び収量の少なくとも一方に与え得る影響が大きいほど、異常の程度が大きくなるように、異常の程度を決定する。これにより、異常の程度が推定され得る。
【0209】
異常レベル推定部920は、機械学習により生成された推定モデルを用いて、異常の程度を推定してよい。例えば、異常レベル推定部920は、異常の種類及び当該異常の内容の少なくとも一方を示す特徴量から、当該異常の程度を推定するための機械学習により生成された推定モデルを用いて、異常検出信号により示される異常の種類及び当該異常の内容の少なくとも一方から、異常の程度を出力する。
【0210】
異常レベル推定部920は、作業者40のバイタルサイン又は発言の解析結果に基づいて、検出された異常の程度を推定してよい。例えば、異常レベル推定部920は、まず、作業者40のバイタルサイン又は発話を解析して、作業者40が感じた異常の程度(主観的なレベルと称される場合がある)を推定する。
【0211】
主観的なレベルは、例えば、バイタルサインの値及び変動パターンの少なくとも一方が、1以上のレベルのそれぞれに応じて予め定められた基準に合致するか否かにより決定される。主観的なレベルは、例えば、発言に含まれる感嘆詞の種類、発言の音量及び発言の抑揚パターンの少なくとも1つが、1以上のレベルのそれぞれに応じて予め定められた基準に合致するか否かにより決定される。
【0212】
上記の主観的なレベルは、作業者40の心理状態を示す指標であってもよい。作業者40の心理状態としては、肯定的な心理状態と、否定的な心理状態とが例示される。肯定的な心理状態としては、喜び、楽しみなどが例示される。否定的な心理状態としては、怒り、悲しみ、不安、心配、反省、恐怖、驚愕などが例示される。
【0213】
次に、異常レベル推定部920は、例えば、上記の主観的なレベルを、客観的に評価可能な異常の程度(客観的なレベルと称される場合がある。)に変換する。上述されたとおり、客観的なレベルは、例えば、当該異常が農産物22の品質及び収量の少なくとも一方に与え得る影響の大きさに応じて決定される。
【0214】
例えば、異常レベル推定部920は、作業者特性格納部984を参照して、作業者40の主観的なレベルを客観的なレベルに変換するための1以上のパラメータ(作業者特性と称される場合がある。)を取得する。上記の1以上のパラメータのそれぞれは、主観的なレベルを客観的なレベルに変換するために用いられる関数又はモデルに含まれる1以上の係数であってよい。異常レベル推定部920は、上記の1以上のパラメータを用いて、作業者40が感じた主観的な異常のレベルを、客観的な異常のレベルに変換する。
【0215】
異常レベル推定部920は、推定された異常の程度を示す情報を、例えば、質問決定部950及び質問決定部950の少なくとも一方に出力する。異常レベル推定部920は、上記の異常の程度を示す情報は、主観的なレベルを示す情報であってもよく、客観的なレベルを示す情報であってもよい。
【0216】
本実施形態において、発言内容解析部930は、作業者40の発言内容を解析する。例えば、発言内容解析部930は、作業者40の音声が記録された音声データを取得する。発言内容解析部930は、音声データに記録された作業者40の音声を解析し、(i)異常の原因となる事象、及び、(ii)事象に関与する関与者を推定する。上記の関与者は、発言した作業者40(作業者Aと称される場合がある。)を含んでもよく、発言した作業者40とは異なる1以上の他の作業者40(作業者Bと称される場合がある。)を含んでもよい。
【0217】
一実施形態において、作業者Aが、作業者Aの圃場20で栽培されている農産物22(農産物Xと称される場合がある。)に害虫が付着していることを発見した場合、作業者Aのバイタルサインに異常が検出される。この場合、(i)異常の原因となる事象は、農産物Xに害虫が付着していることであり、(ii)事象に関与する関与者は、作業者Aである。
【0218】
他の実施形態において、作業者Aが、作業者Bの農作業の様子を観察しながら「あぁ、あれじゃだめだ」と発言した場合、作業者Aの発言に異常が検出される。この場合、(i)異常の原因となる事象は、作業者Bの圃場20で栽培されている農産物22(農産物Yと称される場合がある。)、又は、作業者Bの行動であり、(ii)事象に関与する関与者は、作業者Bである。
【0219】
発言内容解析部930は、作業者40の発言の解析結果を示す情報と、作業者A及び作業者Bの作業に関する情報とに基づいて、(i)異常の原因となる事象、及び、(ii)事象に関与する関与者の少なくとも一方を推定してよい。作業に関する情報としては、作業計画、作業ログ、行動ログ、作業記録、生育記録、収穫記録、出荷記録などが例示される。
【0220】
例えば、発言内容解析部930は、作業者Aの発言内容を解析して、上記の関与者の位置、作業内容及びステータスの少なくとも1つを推定する。発言内容解析部930は、作業計画、作業ログ又は行動ログに記録された情報を解析して、1以上の作業者40のそれぞれの現在位置、現在の作業内容及び現在のステータスの少なくとも1つを示す情報を取得する。発言内容解析部930は、作業記録又は生育記録に記録された情報に基づいて、特定の時刻における、1以上の作業者40のそれぞれの位置、作業内容及びステータスの少なくとも1つを示す情報を取得してもよい。発言内容解析部930は、発言内容の解析により推定された関与者の位置、作業内容及びステータスの少なくとも1つに合致する作業者40を、関与者又はその候補者として抽出する。
【0221】
これにより、発言内容解析部930は、例えば、異常検出信号受信部910が受信した異常検出信号により示される異常が、作業者Aの作業の対象である農産物Xに起因するか否かを判定することができる。また、発言内容解析部930は、異常検出信号受信部910が受信した異常検出信号により示される異常が、作業者Aの農産物X、及び、他の作業者Bの農産物Yの何れに起因するのかを判定することができる。上記の異常が農産物X又は農産物Yに起因するか否かは、異常の原因となる事象の一例であってよい。
【0222】
なお、発言内容解析部930は、機械学習により生成された推定モデルを用いて、異常の原因となる事象を推定してもよい。また、発言内容解析部930は、機械学習により生成された推定モデルを用いて、事象に関与する関与者を推定してもよい。
【0223】
例えば、発言内容解析部930は、発言内容の特徴量から、(i)異常の原因となる事象及び(ii)当該事象に関与する関与者の少なくとも一方を推定するための機械学習により生成された推定モデルを用いて、作業者40の音声が記録された音声データ又は当該音声のテキストデータから、(i)異常の原因となる事象及び(ii)当該事象に関与する関与者の少なくとも一方を示す情報を出力する。発言内容解析部930は、発言内容の特徴量、及び、上述された作業に関する情報(作業計画、作業ログ及び行動ログなどである。)から、(i)異常の原因となる事象及び(ii)当該事象に関与する関与者の少なくとも一方を推定するための機械学習により生成された推定モデルを用いて、作業者40の音声が記録された音声データ又は当該音声のテキストデータと、圃場20に存在する1以上の作業者40の作業に関する情報とから、(i)異常の原因となる事象及び(ii)当該事象に関与する関与者の少なくとも一方を示す情報を出力する。
【0224】
発言内容解析部930は、(i)異常の原因となる事象、及び、(ii)事象に関与する関与者を示す情報を、異常原因推定部940に出力する。発言内容解析部930は、上記の異常が農産物Xに起因するか否かを示す情報を、異常原因推定部940に出力してもよい。上記の異常が農産物Yに起因するか否かを示す情報を、異常原因推定部940に出力してもよい。
【0225】
本実施形態において、異常原因推定部940は、異常検出信号受信部910が受信した異常検出信号により示される異常の原因を推定する。一実施形態において、異常原因推定部940は、異常が検出された時刻を含む期間における作業者Aの発言内容に基づいて、上記の異常の原因を推定してよい。例えば、異常原因推定部940は、発言内容解析部930が推定した異常の原因となる事象が、上記の異常の原因であると判定する。
【0226】
他の実施形態において、異常原因推定部940は、異常が検出された時刻を含む期間における作業者Aの様子が記録された画像に基づいて、上記の異常の原因を推定してよい。異常原因推定部940は、上記の期間における作業者Aの様子が記録された画像及び作業者Bの様子が記録された画像に基づいて、上記の異常の原因を推定してよい。例えば、異常原因推定部940は、作業者Aの行動、及び、作業者Aの作業対象である農産物22の状態が、上記の異常の原因であると判定する。例えば、作業者Aが作業者Bの方向を向いている場合、異常原因推定部940は、作業者Bの行動、及び、作業者Bの作業対象である農産物22の状態が、上記の異常の原因であると判定する。
【0227】
さらに他の実施形態において、異常原因推定部940は、異常が検出された時刻を含む期間における作業者Aの作業計画、作業ログ及び行動ログに基づいて、上記の異常の原因を推定してよい。例えば、異常原因推定部940は、上記の作業者Aの作業計画、作業ログ又は行動ログにより示される作業者Aの行動、及び、作業者Aの作業対象である農産物22の状態が、上記の異常の原因であると判定する。
【0228】
異常原因推定部940は、異常が検出された時刻を含む期間における作業者A以外の作業者40の作業計画、作業ログ及び行動ログに基づいて、上記の異常の原因を推定してもよい。例えば、異常原因推定部940は、発言内容解析部930が推定した関与者の作業計画、作業ログ及び行動ログに基づいて、上記の異常の原因を推定する。より具体的には、異常原因推定部940は、上記の関与者の作業計画、作業ログ又は行動ログにより示される関与者の行動、及び、関与者の作業対象である農産物22の状態が、上記の異常の原因であると判定する。
【0229】
さらに他の実施形態において、異常原因推定部940は、異常レベル推定部920が推定した異常の程度に基づいて、上記の異常の原因を推定してよい。例えば、異常原因推定部940は、まず、上記の1以上の実施形態において、異常の原因んであると推定された事象のそれぞれにより発生する異常の程度を決定する。次に、異常原因推定部940は、異常レベル推定部920が推定した異常の程度と同一又は類似する程度の異常を発生させる事象を、上記の異常の原因であると判定する。
【0230】
上記の実施形態においては、異常原因推定部940が、異常が検出された時点の情報に基づいて上記の異常の原因を推定する場合を例として、異常原因推定部940の詳細が説明された。しかしながら、異常原因推定部940は上記の実施形態に限定されない。他の実施形態において、異常原因推定部940は、上記の異常が検出された時点よりも前の時点の情報に基づいて、上記の異常の原因を推定する。
【0231】
例えば、異常原因推定部940は、まず、上記の異常が検出された時点よりも前に、作業者Aと同一又は類似する作業を実施した他の作業者40の作業に関する情報を取得する。次に、異常原因推定部940は、上記の他の作業者40の作業の内容に基づいて、異常の原因を推定する。上記の他の作業者40の作業は、異常が検出された時点における作業者Aの位置からの距離が予め定められた値よりも小さな位置で実施された作業の中から抽出されてよい。
【0232】
より具体的には、異常原因推定部940は、例えば、農作業管理サーバ142にアクセスして、作業者Aの圃場20の近隣に配された圃場20において、農産物Xを栽培している作業者Cの作業記録又は生育記録を取得する。上記の作業記録又は生育記録に、害虫が発生したことが記録されていた場合、異常原因推定部940は、作業者Aに関する異常の原因が、害虫の発生であると推定する。同様に、異常原因推定部940は、農作業管理サーバ142にアクセスして、作業者Cの作業計画を取得してもよい。この場合、上記の作業計画に、農薬を散布する予定が記録されていた場合、異常原因推定部940は、作業者Aに関する異常の原因が、害虫の発生であると推定する。
【0233】
なお、異常原因推定部940が異常の原因を推定する手法は、これらの実施形態に限定されない。例えば、異常原因推定部940は、上記の複数の実施形態の組み合わせにより、異常の原因を推定する。異常原因推定部940は、機械学習により生成された推定モデルを用いて、異常の原因を推定してもよい。例えば、異常原因推定部940は、(i)作業者の発言内容の特徴量、(ii)作業者の様子が撮像された画像の特徴量、及び、(iii)上述された作業に関する情報(作業計画、作業ログ及び行動ログなどである。)の少なくとも1つから、異常の原因を推定するための機械学習により生成された推定モデルを用いて、(i)作業者40の音声が記録された音声データ又は当該音声のテキストデータ、(ii)作業者40の作業の様子が記録された画像データ、及び、(iii)圃場20に存在する1以上の作業者40の作業に関する情報の少なくとも1つから、異常の原因を示す情報を出力する。
【0234】
本実施形態において、質問決定部950は、質問データを生成する。質問決定部950は、作業者40が利用する通信端末102及び農作業ロボット120の少なくとも一方に、質問データを送信する。質問決定部950は、農作業管理サーバ142に質問データを送信してもよい。
【0235】
質問決定部950は、異常検出信号受信部910が特定の作業者40に関する異常検出信号を受信したことに応じて、当該特定の作業者40に関する質問データの生成処理を開始する。上記の特定の作業者40の位置が圃場20に含まれていない場合、質問決定部950は、質問の生成処理及び送信処理を実行しなくてもよく、質問決定部950は質問の送信処理を実行しなくてもよい。
【0236】
これにより、作業者40の位置が予め定められた地理的範囲の範囲内に含まれる場合、質問が生成又は送信され、作業者40の位置が地理的範囲の範囲内に含まれない場合、質問が生成又は送信されない。その結果、農作業支援システム100のリソースの消耗が抑制され得る。
【0237】
本実施形態において、質問決定部950は、(i)質問が提示される作業者40、(ii)質問の内容、及び、(iii)質問の提示態様の少なくとも1つを決定する。例えば、質問決定部950は、発言内容解析部930が推定した関与者を、質問が提示される作業者40として決定する。より具体的には、作業者Aに関する異常が農産物Xに起因する場合、質問決定部950は、作業者Aに質問を提示することを決定する。一方、作業者Aに関する異常が農産物Yに起因する場合、質問決定部950は、作業者Bに質問を提示することを決定する。
【0238】
例えば、質問決定部950は、異常原因推定部940が推定した原因に基づいて、質問の内容を決定する。質問決定部950は、作業者Aに関する異常が農産物Xに起因するか否かに基づいて、質問の内容を決定してもよく、作業者Aに関する異常が農産物Yに起因するか否かに基づいて、質問の内容を決定してもよい。異常原因推定部940が異常の原因を推定することができなかった場合、又は、異常原因推定部940により推定された異常の原因の精度が予め定められた基準に満たない場合、質問決定部950は、予め定められた定型文の中から、質問の内容を決定してよい。
【0239】
他の実施形態において、質問決定部950は、以前の質問に対する回答に基づいて、新たな質問の内容を決定する。例えば、作業者40からの回答により異常の原因が特定された場合、質問決定部950は、作業者40に対して、上記の異常の原因に対処するために作業者40が実施した行動の内容を示す情報を取得するための新たな質問を生成する。質問決定部950は、作業者40からの回答により異常の原因に対処するための行動が特定された場合、質問決定部950は、作業者40に対して、作業者40が行動を選択した理由を問い合わせるための新たな質問を生成する。
【0240】
例えば、質問決定部950は、リアルタイムで質問を提示するか否か、又は、事後的に質問を提示するか否かを決定する。例えば、質問が提示される作業者40のステータスが作業中である場合、又は、質問が提示される作業者40の位置が圃場20の内部に含まれる場合、質問決定部950は、リアルタイムで質問を提示することを決定する。例えば、上記以外の場合、質問決定部950は、事後的に質問を提示することを決定する。
【0241】
リアルタイムで質問を提示することが決定された場合、質問決定部950は、例えば、質問が提示される作業者40が利用する通信端末102又は農作業ロボット120に対して、質問データを送信する。一方、事後的に質問を提示することが決定された場合、質問決定部950は、農作業管理サーバ142に質問データを送信する。質問決定部950は、農作業管理サーバ142の入力画面生成部320が作業記録の入力画面を生成するときに、当該質問データにより示される質問の内容を含む入力画面を生成させるための命令を、農作業管理サーバ142に送信してもよい。
【0242】
本実施形態において、回答取得部960は、質問を提示された作業者40からの回答の内容を示す情報を取得する。回答取得部960は、回答の内容を示す情報を、例えば、質問決定部950及び対処データ生成部970の少なくとも一方に出力する。
【0243】
本実施形態において、対処データ生成部970は、例えば、回答取得部960から、質問を提示された作業者40から得られた情報であって、上記の異常の原因に対処するために作業者40が実施した行動の内容を示す情報を取得する。対処データ生成部970は、上記の行動の内容を示す情報と、上記の異常の原因を示す情報とが対応付けられた情報(対処データと称される場合がある。)を生成する。対処データ生成部970は、上記の行動の内容を示す情報と、上記の異常の原因を示す情報と、質問に対する回答の内容を示す情報とが対応付けられた対処データを生成してもよい。上記の異常の原因は、(i)異常原因推定部940により推定された事象であってもよく、(ii)上記の異常の原因として、質問を提示された作業者40が回答した事象であってもよい。
【0244】
対処データ生成部970は、対処データをノウハウデータ生成部440に出力する。ノウハウデータ生成部440は、対処データを利用してノウハウデータを生成してよい。対処データに含まれる異常の原因、及び/又は、作業者40が行動を選択した理由は、当該異常に対処するために作業者40が行った行動が実行されるべきか否かの判断基準となる条件を示している。これにより、ノウハウデータ生成部440は、より正確なノウハウデータを生成することができる。
【0245】
本実施形態において、作業者特性決定部982は、作業者40の主観的なレベルを客観的なレベルに変換するための1以上のパラメータ(作業者特性と称される場合がある。)を決定する。作業者特性決定部982は、1以上の作業者40のそれぞれについて、上記の1以上のパラメータを決定してよい。
【0246】
上述されたとおり、上記の1以上のパラメータのそれぞれは、主観的なレベルを客観的なレベルに変換するために用いられる関数又はモデルに含まれる1以上の係数であってよい。上記のパラメータは、例えば、複数の事例に関する、(i)作業者40の発言に含まれる感嘆詞の種類、発言の音量、及び、発言の抑揚パターン、並びに、発言時の作業者40のバイタルサインの少なくとも1つと、(ii)異常のレベルとの相関関係に基づいて決定される。
【0247】
本実施形態において、作業者特性格納部984は、作業者特性決定部982が決定した作業者特性を格納する。作業者特性格納部984は、例えば、異常レベル推定部920からの要求に応じて、当該要求により示される作業者40の作業者特性を抽出し、抽出結果を異常レベル推定部920に出力する。
【0248】
異常検出信号受信部910は、バイタル異常検出部又は追従異常検出部の一例であってよい。発言内容解析部930は、対象物判定部の一例であってよい。異常原因推定部940は、バイタル情報取得部、追従情報取得部又は原因推定部の一例であってよい。質問決定部950は、質問生成部の一例であってよい。対処データ生成部970は、行動情報収集部又は対処情報生成部の一例であってよい。対処データは、対処情報の一例であってよい。農産物22は、農作業の対象であってよい。農産物Xは、第1対象物の一例であってよい。農産物Yは、第2対象物の一例であってよい。
【0249】
なお、質問部770は、情報処理装置の一例であってよい。バイタル異常検出部824は、バイタル情報取得部又はバイタル異常検出部の一例であってよい。言動異常検出部826は、追従情報取得部又は追従異常検出部の一例であってよい。質問生成部830は、情報処理装置又は質問生成部の一例であってよい。
【0250】
図10は、本発明の複数の態様が全体的又は部分的に具現化されてよいコンピュータ3000の一例を示す。農作業支援システム100の少なくとも一部は、コンピュータ3000により実現されてよい。例えば、農作業管理サーバ142の少なくとも一部が、コンピュータ3000により実現される。例えば、ノウハウ管理サーバ146の少なくとも一部が、コンピュータ3000により実現される。農作業ロボット120の少なくとも一部は、コンピュータ3000により実現されてよい。通信端末102の少なくとも一部は、コンピュータ3000により実現されてよい。
【0251】
コンピュータ3000にインストールされたプログラムは、コンピュータ3000に、本発明の実施形態に係る装置に関連付けられるオペレーション又は当該装置の1又は複数の「部」として機能させ、又は当該オペレーション又は当該1又は複数の「部」を実行させることができ、及び/又はコンピュータ3000に、本発明の実施形態に係るプロセス又は当該プロセスの段階を実行させることができる。そのようなプログラムは、コンピュータ3000に、本明細書に記載のフローチャート及びブロック図のブロックのうちのいくつか又はすべてに関連付けられた特定のオペレーションを実行させるべく、CPU3012によって実行されてよい。
【0252】
本実施形態によるコンピュータ3000は、CPU3012、RAM3014、GPU3016、及びディスプレイデバイス3018を含み、それらはホストコントローラ3010によって相互に接続されている。コンピュータ3000はまた、通信インタフェース3022、ハードディスクドライブ3024、DVD-ROMドライブ3026、及びICカードドライブのような入出力ユニットを含み、それらは入出力コントローラ3020を介してホストコントローラ3010に接続されている。コンピュータはまた、ROM3030及びキーボード3042のようなレガシの入出力ユニットを含み、それらは入出力チップ3040を介して入出力コントローラ3020に接続されている。
【0253】
CPU3012は、ROM3030及びRAM3014内に格納されたプログラムに従い動作し、それにより各ユニットを制御する。GPU3016は、RAM3014内に提供されるフレームバッファ等又はそれ自体の中に、CPU3012によって生成されるイメージデータを取得し、イメージデータがディスプレイデバイス3018上に表示されるようにする。
【0254】
通信インタフェース3022は、ネットワークを介して他の電子デバイスと通信する。ハードディスクドライブ3024は、コンピュータ3000内のCPU3012によって使用されるプログラム及びデータを格納する。DVD-ROMドライブ3026は、プログラム又はデータをDVD-ROM3001から読み取り、ハードディスクドライブ3024にRAM3014を介してプログラム又はデータを提供する。ICカードドライブは、プログラム及びデータをICカードから読み取り、及び/又はプログラム及びデータをICカードに書き込む。
【0255】
ROM3030はその中に、アクティブ化時にコンピュータ3000によって実行されるブートプログラム等、及び/又はコンピュータ3000のハードウエアに依存するプログラムを格納する。入出力チップ3040はまた、様々な入出力ユニットをパラレルポート、シリアルポート、キーボードポート、マウスポート等を介して、入出力コントローラ3020に接続してよい。
【0256】
プログラムが、DVD-ROM3001又はICカードのようなコンピュータ可読記憶媒体によって提供される。プログラムは、コンピュータ可読記憶媒体から読み取られ、コンピュータ可読記憶媒体の例でもあるハードディスクドライブ3024、RAM3014、又はROM3030にインストールされ、CPU3012によって実行される。これらのプログラム内に記述される情報処理は、コンピュータ3000に読み取られ、プログラムと、上記様々なタイプのハードウエアリソースとの間の連携をもたらす。装置又は方法が、コンピュータ3000の使用に従い情報のオペレーション又は処理を実現することによって構成されてよい。
【0257】
例えば、通信がコンピュータ3000及び外部デバイス間で実行される場合、CPU3012は、RAM3014にロードされた通信プログラムを実行し、通信プログラムに記述された処理に基づいて、通信インタフェース3022に対し、通信処理を命令してよい。通信インタフェース3022は、CPU3012の制御の下、RAM3014、ハードディスクドライブ3024、DVD-ROM3001、又はICカードのような記録媒体内に提供される送信バッファ領域に格納された送信データを読み取り、読み取られた送信データをネットワークに送信し、又はネットワークから受信した受信データを記録媒体上に提供される受信バッファ領域等に書き込む。
【0258】
また、CPU3012は、ハードディスクドライブ3024、DVD-ROMドライブ3026(DVD-ROM3001)、ICカード等のような外部記録媒体に格納されたファイル又はデータベースの全部又は必要な部分がRAM3014に読み取られるようにし、RAM3014上のデータに対し様々なタイプの処理を実行してよい。CPU3012は次に、処理されたデータを外部記録媒体にライトバックしてよい。
【0259】
様々なタイプのプログラム、データ、テーブル、及びデータベースのような様々なタイプの情報が記録媒体に格納され、情報処理を受けてよい。CPU3012は、RAM3014から読み取られたデータに対し、本開示の随所に記載され、プログラムの命令シーケンスによって指定される様々なタイプのオペレーション、情報処理、条件判断、条件分岐、無条件分岐、情報の検索/置換等を含む、様々なタイプの処理を実行してよく、結果をRAM3014に対しライトバックする。また、CPU3012は、記録媒体内のファイル、データベース等における情報を検索してよい。例えば、各々が第2の属性の属性値に関連付けられた第1の属性の属性値を有する複数のエントリが記録媒体内に格納される場合、CPU3012は、当該複数のエントリの中から、第1の属性の属性値が指定されている条件に一致するエントリを検索し、当該エントリ内に格納された第2の属性の属性値を読み取り、それにより予め定められた条件を満たす第1の属性に関連付けられた第2の属性の属性値を取得してよい。
【0260】
上で説明したプログラム又はソフトウエアモジュールは、コンピュータ3000上又はコンピュータ3000近傍のコンピュータ可読記憶媒体に格納されてよい。また、専用通信ネットワーク又はインターネットに接続されたサーバシステム内に提供されるハードディスク又はRAMのような記録媒体が、コンピュータ可読記憶媒体として使用可能であり、それにより、上記のプログラムを、ネットワークを介してコンピュータ3000に提供する。
【0261】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。また、技術的に矛盾しない範囲において、特定の実施形態について説明した事項を、他の実施形態に適用することができる。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【0262】
特許請求の範囲、明細書、および図面中において示した装置、システム、プログラム、および方法における動作、手順、ステップ、および段階等の各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」等と明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、および図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」等を用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。
【0263】
例えば、本願明細書には下記の事項が開示されている。
[項目A-1]
(i)作業を実施している作業者の音声、及び、(ii)上記作業者による上記作業の様子の少なくとも一方に基づいて、上記作業の実施期間中に上記作業者が実行した1以上の行動を推定する行動推定部と、
(i)上記作業者の上記音声、(ii)上記作業の上記様子、(iii)上記作業の作業記録に入力された事項、及び、(iv)上記作業の作業環境の状態の少なくとも1つに基づいて、上記行動が実行されるべきか否かの判断基準となる条件を推定する基準推定部と、
を備える、情報処理装置。
[項目A-2]
上記行動推定部が推定した上記1以上の行動のそれぞれと、上記基準推定部が推定した各行動に関する上記条件とが対応付けられたノウハウ情報を生成するノウハウ情報生成部をさらに備える、
項目A-1に記載の情報処理装置。
[項目A-3]
上記ノウハウ情報は、
(a)1以上の上記条件の内容を示す情報と、
(b)(i)上記1以上の条件のそれぞれが成立した場合の上記行動の内容、及び、(ii)上記1以上の条件のそれぞれが成立しなかった場合の上記行動の内容の少なくとも一方を示す情報と、
を含む、
項目A-2に記載の情報処理装置。
[項目A-4]
上記ノウハウ情報生成部は、農産物を生産するための1以上の工程の少なくとも1つに含まれる1以上の作業項目の少なくとも1つに関する上記ノウハウ情報を生成する、
項目A-2又は項目A-3に記載の情報処理装置。
[項目A-5]
上記行動推定部が推定した上記1以上の行動の内容と、上記作業項目ごとに予め定められた1以上の標準行動の内容とが相違する度合いが予め定められた基準を超えるか否かを判定する判定部と、
上記相違の度合いが上記予め定められた基準を超えると判定された場合に、上記相違の理由を上記作業者に問い合わせるための質問情報を生成する質問情報生成部と、
をさらに備える、
項目A-4に記載の情報処理装置。
[項目A-6]
上記作業者に関する異常を検出する異常検出部と、
上記異常が検出された場合に、上記異常の理由を上記作業者に問い合わせるための質問情報を生成する質問情報生成部と、
をさらに備える、
項目A-1から項目A-4までの何れか一項に記載の情報処理装置。
[項目A-7]
上記作業を実施している上記作業者の上記音声が記録された音声データ、及び、上記作業者による上記作業の上記様子が撮像された画像データの少なくとも一方を取得するデータ取得部と、
上記音声データ及び上記画像データの一部をカットする編集部と、
をさらに備える、
項目A-1から項目A-6までの何れか一項に記載の情報処理装置。
[項目A-8]
上記編集部は、上記音声データ及び上記画像データにおける、(i)上記作業者の音声が記録された位置、及び、(ii)上記行動推定部が推定した上記1以上の行動が記録された位置が残存するように、上記音声データ及び上記画像データの一部をカットする、
項目A-7に記載の情報処理装置。
[項目A-9]
上記画像データは、
撮像された画像のデータと、
上記作業者の注視位置を示す情報と、
を含み、
上記編集部は、上記画像と、上記作業者の注視位置を示すアイコンとが合成された合成画像を生成する、
項目A-7又は項目A-8に記載の情報処理装置。
[項目A-10]
上記基準推定部は、
上記作業の作業記録に入力された事項、及び、上記作業の作業環境の状態の少なくとも一方に基づいて、上記行動が実行されるべきか否かの判断基準となる閾値を推定する閾値推定部、
を有する、
項目A-1から項目A-9までの何れか一項に記載の情報処理装置。
[項目A-11]
コンピュータを、項目A-1から項目A-11までの何れか一項に記載された情報処理装置として機能させるためのプログラム。
[項目A-12]
(i)作業を実施している作業者の音声、及び、(ii)上記作業者による上記作業の様子の少なくとも一方に基づいて、上記作業の実施期間中に上記作業者が実行した1以上の行動を推定する行動推定段階と、
(i)上記作業者の上記音声、(ii)上記作業の上記様子、(iii)上記作業の作業記録に入力された事項、及び、(iv)上記作業の作業環境の状態の少なくとも1つに基づいて、上記行動が実行されるべきか否かの判断基準となる条件を推定する基準推定段階と、
を有する、情報処理方法。
【0264】
[項目B-1]
作業を実施する作業者のバイタルサインを示す情報を取得するバイタル情報取得部と、
上記バイタル情報取得部が取得した上記バイタルサインの異常を検出するバイタル異常検出部と、
上記バイタル異常検出部が上記バイタルサインの異常を検出した場合に、上記異常に関する質問を生成する質問生成部と、
を備える、情報処理装置。
[項目B-2]
上記異常の原因を推定する原因推定部をさらに備え、
上記質問生成部は、上記原因推定部が推定した上記原因に基づいて、上記質問の内容を決定する、
項目B-1に記載の情報処理装置。
[項目B-3]
上記原因に対処するために上記作業者が実施した行動の内容を示す情報を取得する行動情報収集部をさらに備える、
項目B-2に記載の情報処理装置。
[項目B-4]
上記行動情報収集部が取得した上記行動の内容を示す情報と、上記原因推定部が推定した上記原因を示す情報とが対応付けられた対処情報を生成する対処情報生成部をさらに備える、
項目B-3に記載の情報処理装置。
[項目B-5]
上記質問生成部は、上記作業者に対して、上記作業者が上記行動を選択した理由を問い合わせるための質問を生成し、
上記対処情報生成部は、
(i)上記原因推定部が推定した上記原因を示す情報として、上記質問に対する回答の内容を示す情報を含む上記対処情報、又は、
(ii)上記行動情報収集部が取得した上記行動の内容を示す情報と、上記原因推定部が推定した上記原因を示す情報と、上記質問に対する回答の内容を示す情報とが対応付けられた上記対処情報を生成する、
項目B-4に記載の情報処理装置。
[項目B-6]
上記原因推定部は、上記異常が、上記作業者の作業の対象である第1対象物に起因するか否かを判定する対象物判定部を有し、
上記質問生成部は、上記異常が上記第1対象物に起因するか否かに基づいて、上記質問の内容を決定する、
項目B-2から項目B-5までの何れか一項に記載の情報処理装置。
[項目B-7]
上記対象物判定部は、
上記作業者の音声が記録された音声データを取得し、
上記音声データに記録された上記作業者の上記音声を解析し、
(i)上記異常の原因となる事象、及び、(ii)上記事象に関与する関与者を推定する、
項目B-6に記載の情報処理装置。
[項目B-8]
上記原因推定部は、
上記異常が検出された時点よりも前に、上記作業者と同一又は類似する作業を実施した他の作業者の作業に関する情報を取得し、
上記他の作業者の上記作業の内容に基づいて、上記異常の原因を推定する、
項目B-2から項目B-7までの何れか一項に記載の情報処理装置。
[項目B-9]
上記他の作業者の上記作業は、上記異常が検出された時点における上記作業者の位置からの距離が予め定められた値よりも小さな位置で実施された作業の中から抽出される、
項目B-8に記載の情報処理装置。
[項目B-10]
上記質問生成部は、
上記作業者の位置が予め定められた地理的範囲の範囲内に含まれる場合、上記質問を生成し、
上記作業者の位置が上記地理的範囲の範囲内に含まれない場合、上記質問を生成しない、
項目B-1から項目B-9までの何れか一項に記載の情報処理装置。
[項目B-11]
コンピュータを、項目B-1から項目B-10までの何れか一項に記載された情報処理装置として機能させるためのプログラム。
[項目B-12]
作業を実施する作業者のバイタルサインを示す情報を取得するバイタル情報取得段階と、
上記バイタル情報取得段階において取得された上記バイタルサインの異常を検出するバイタル異常検出段階と、
上記バイタル異常検出段階において上記バイタルサインの異常が検出された場合に、上記異常に関する質問を生成する質問生成段階と、
を有する、情報処理方法。
【0265】
[項目C-1]
作業を実施する作業者に追従して移動する移動体の速度、加速度及び角加速度の少なくとも1つを示す情報を取得する追従情報取得部と、
上記追従情報取得部が取得した上記速度、上記加速度及び上記角加速度の少なくとも1つの異常を検出する追従異常検出部と、
上記追従異常検出部が上記速度、上記加速度及び上記角加速度の少なくとも1つの異常を検出した場合に、上記異常に関する質問を生成する質問生成部と、
を備える、情報処理装置。
[項目C-2]
上記異常の原因を推定する原因推定部をさらに備え、
上記質問生成部は、上記原因推定部が推定した上記原因に基づいて、上記質問の内容を決定する、
項目C-1に記載の情報処理装置。
[項目C-3]
上記原因に対処するために上記作業者が実施した行動の内容を示す情報を取得する行動情報収集部をさらに備える、
項目C-2に記載の情報処理装置。
[項目C-4]
上記行動情報収集部が取得した上記行動の内容を示す情報と、上記原因推定部が推定した上記原因を示す情報とが対応付けられた対処情報を生成する対処情報生成部をさらに備える、
項目C-3に記載の情報処理装置。
[項目C-5]
上記質問生成部は、上記作業者に対して、上記作業者が上記行動を選択した理由を問い合わせるための質問を生成し、
上記対処情報生成部は、
(i)上記原因推定部が推定した上記原因を示す情報として、上記質問に対する回答の内容を示す情報を含む上記対処情報、又は、
(ii)上記行動情報収集部が取得した上記行動の内容を示す情報と、上記原因推定部が推定した上記原因を示す情報と、上記質問に対する回答の内容を示す情報とが対応付けられた上記対処情報を生成する、
項目C-4に記載の情報処理装置。
[項目C-6]
上記原因推定部は、上記異常が、上記作業者の作業の対象である第1対象物に起因するか否かを判定する対象物判定部を有し、
上記質問生成部は、上記異常が上記第1対象物に起因するか否かに基づいて、上記質問の内容を決定する、
項目C-2から項目C-5までの何れか一項に記載の情報処理装置。
[項目C-7]
上記対象物判定部は、
上記作業者の音声が記録された音声データを取得し、
上記音声データに記録された上記作業者の上記音声を解析し、
(i)上記異常の原因となる事象、及び、(ii)上記事象に関与する関与者を推定する、
項目C-6に記載の情報処理装置。
[項目C-8]
上記原因推定部は、
上記異常が検出された時点よりも前に、上記作業者と同一又は類似する作業を実施した他の作業者の作業に関する情報を取得し、
上記他の作業者の上記作業の内容に基づいて、上記異常の原因を推定する、
項目C-2から項目C-7までの何れか一項に記載の情報処理装置。
[項目C-9]
上記他の作業者の上記作業は、上記異常が検出された時点における上記作業者の位置からの距離が予め定められた値よりも小さな位置で実施された作業の中から抽出される、
項目C-8に記載の情報処理装置。
[項目C-10]
上記質問生成部は、
上記作業者の位置が予め定められた地理的範囲の範囲内に含まれる場合、上記質問を生成し、
上記作業者の位置が上記地理的範囲の範囲内に含まれない場合、上記質問を生成しない、
項目C-1から項目C-9までの何れか一項に記載の情報処理装置。
[項目C-11]
コンピュータを、項目C-1から項目C-10までの何れか一項に記載された情報処理装置として機能させるためのプログラム。
[項目C-12]
作業を実施する作業者に追従して移動する移動体の速度、加速度及び角加速度の少なくとも1つを示す情報を取得する追従情報取得段階と、
上記追従情報取得段階において取得された上記速度、上記加速度及び上記角加速度の少なくとも1つの異常を検出する追従異常検出段階と、
上記追従異常検出段階において上記速度、上記加速度及び上記角加速度の少なくとも1つの異常が検出された場合に、上記異常に関する質問を生成する質問生成段階と、
を有する、情報処理方法。
【符号の説明】
【0266】
10 通信ネットワーク、20 圃場、22 農産物、40 作業者、50 消費者、100 農作業支援システム、102 通信端末、114 撮像機器、116 計測機器、120 農作業ロボット、130 ベースユニット、132 移動ユニット、134 撮像ユニット、136 センサユニット、138 農作業ユニット、142 農作業管理サーバ、144 気象情報管理サーバ、146 ノウハウ管理サーバ、148 マッチングサービス管理サーバ、220 制御ユニット、222 制御プログラム、224 OS、226 ドライバ、230 電源ユニット、250 制振ユニット、280 バランス調整ユニット、294 ファームウエア、310 入力受付部、320 画面生成部、330 作業計画生成部、340 格納部、352 ログデータ格納部、354 標準データ格納部、362 作業記録格納部、364 生育記録格納部、366 収穫記録格納部、368 出荷記録格納部、372 設定データ格納部、374 評価データ格納部、422 作業計画取得部、432 音声データ取得部、434 画像データ取得部、436 履歴データ取得部、438 環境データ取得部、440 ノウハウデータ生成部、450 ノウハウデータベース、460 要求受付部、470 要求処理部、500 データテーブル、502 情報、504 情報、506 情報、508 情報、600 フローチャート、720 テキストデータ生成部、730 データ編集部、740 共有設定部、752 作業内容推定部、754 目的推定部、756 条件推定部、758 条件定量化部、760 データ統合部、770 質問部、822 作業異常検出部、824 バイタル異常検出部、826 言動異常検出部、830 質問生成部、910 異常検出信号受信部、920 異常レベル推定部、930 発言内容解析部、940 異常原因推定部、950 質問決定部、960 回答取得部、970 対処データ生成部、982 作業者特性決定部、984 作業者特性格納部、3000 コンピュータ、3001 DVD-ROM、3010 ホストコントローラ、3012 CPU、3014 RAM、3016 GPU、3018 ディスプレイデバイス、3020 入出力コントローラ、3022 通信インタフェース、3024 ハードディスクドライブ、3026 DVD-ROMドライブ、3030 ROM、3040 入出力チップ、3042 キーボード