(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-16
(45)【発行日】2024-07-24
(54)【発明の名称】柱材と横材の係止装置
(51)【国際特許分類】
E04G 5/14 20060101AFI20240717BHJP
E04G 1/34 20060101ALI20240717BHJP
E06C 1/39 20060101ALI20240717BHJP
E04G 7/34 20060101ALI20240717BHJP
【FI】
E04G5/14 301G
E04G1/34 A
E06C1/39 Z
E04G7/34 303A
(21)【出願番号】P 2020195957
(22)【出願日】2020-11-26
【審査請求日】2023-10-23
(73)【特許権者】
【識別番号】000101662
【氏名又は名称】アルインコ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100077791
【氏名又は名称】中野 収二
(72)【発明者】
【氏名】澤田 明里
【審査官】櫻井 茂樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-2205(JP,A)
【文献】実開昭49-81335(JP,U)
【文献】特開平4-266771(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04G1/00-7/34
27/00
E06C1/00-9/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
柱材の頂部に開設した開口部(12)の内側に突設された係止部(13)に対して、横材の端部に装着したラッチ装置(14)の係止爪(15)を係脱自在に係止する装置であり、前記係止部に対向する前進方向X1及び離反する後退方向X2を含む進退方向Xに関して、
前記ラッチ装置(14)は、横材の端部に固定された固定ベース(16)と、前記固定ベースから下向きに突出する脚部(26)を有する可動ベース(17)と、前記可動ベースの脚部(26)に突設され前進方向X1に弾発付勢された係止爪(15)と、固定ベースの外側から可動ベースを操作可能とする操作手段(25)を備えており、
前記係止爪(15)は、常時は前進方向X1に付勢力を受けたロック姿勢(P1)とされ、前記操作手段(25)を操作したとき、後退方向X2に移動したアンロック姿勢(P2)とされるように構成され、更に、前記開口部(12)に挿入したとき、下縁部の傾斜ガイド部(29)により付勢力に抗して自動的に後退方向X2に移動した後退姿勢(PM)とされるように構成したものにおいて、
前記固定ベース(16)は、前記可動ベース(17)の脚部(26)の側面に沿う規制板(22)を設けており、前記規制板(22)は、ロック姿勢(P1)とされた係止爪(15)を該規制板(22)の側面から前進方向X1に突出させ、後退姿勢(PM)及びアンロック姿勢(P2)とされた係止爪(15)を該規制板(22)の側面に重ならせるように構成されて成ることを特徴とする柱材と横材の係止装置。
【請求項2】
進退方向の幅寸法に関して、前記規制板(22)は、前記開口部(12)に挿入されたとき、該開口部の内部で進退方向Xに遊動しないように構成されて成ることを特徴とする請求項1に記載の柱材と横材の係止装置。
【請求項3】
前記可動ベース(17)の脚部(26)の両側面に沿うように一対の規制板(22,22)が設けられて成ることを特徴とする請求項1又は2に記載の柱材と横材の係止装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、柱材の頂部に対して、横材の端部に装着したラッチ装置の係止爪を係脱自在に係止する装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、折り畳み式の可搬式作業台は、天板の隅部近傍に位置して該天板の上方に向けて起立する手掛かり棒を設け、更に、天板の桁側に関して相互に隣り合う一対の手掛かり棒を係脱自在に連結する手摺桟を設けている。この場合、手掛かり棒により柱材が構成され、手摺桟により横材が構成されており、横材の端部には、柱材の上部に係脱自在に係止する係止装置が設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許第5412456号公報
【文献】特許第5443441号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の場合、係止装置は、柱材の上部に設けたブラケットにより横材の端部を下から受止めるように構成され、その際、横材から付勢手段を介して突出させたピンを前記ブラケットの係止孔に挿入係止するように構成している。
【0005】
しかしながら、特許文献1のように、柱材の上部にブラケット等の金具を突設するときは、異物が衝突したとき金具が変形する問題や、作業者の身体が金具に引っ掛かり負傷する問題等がある。
【0006】
これに対して、特許文献2の場合、柱材の頂部に開設された開口部の内側に突設された係止部に向けて、横材の端部に装着したバネ製の係止手段を係脱自在に係止させるように構成している。係止手段は、板バネの折曲により変形可能な係止爪を構成しており、前記開口部に挿入したときは弾発付勢力に抗して後退移動し、挿入後に弾発付勢力で前進移動することにより前記係止部に係止する。更に、横材の端部に操作片を設け、これを操作することにより係止爪を後退させ、開口部から抜き出すように構成している。
【0007】
従って、特許文献2によれば、特許文献1について指摘したような問題を解決することができる。しかしながら、特許文献2の係止手段は、開口部に挿入するとき、板バネ製の係止爪が開口部の内部で変形するため、位置決めが困難であり、挿入作業が容易でない。
【0008】
しかも、係止爪を開口部に挿入して係止部に係止させた状態においても、横材に横向きの力を与えると、開口部の内部で係止爪が変形可能なため、横材の係止状態が安定堅固でないという問題がある。
【0009】
このため、係止装置は、柱材の頂部に開設された開口部に対して、横材の端部に設けたラッチ装置の係止爪を挿入して係止させる際、挿入作業が容易であり、しかも、挿入後の係止状態が安定堅固となるように構成することが望まれる。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、上記課題を解決した柱材と横材の係止装置を提供するものであり、その手段として構成したところは、柱材の頂部に開設した開口部の内側に突設された係止部に対して、横材の端部に装着したラッチ装置の係止爪を係脱自在に係止する装置であり、前記係止部に対向する前進方向X1及び離反する後退方向X2を含む進退方向Xに関して、前記ラッチ装置は、横材の端部に固定された固定ベースと、前記固定ベースから下向きに突出する脚部を有する可動ベースと、前記可動ベースの脚部から前進方向X1に弾発付勢された状態で突設された係止爪と、固定ベースの外側から操作可能な操作手段を備えており、前記係止爪は、常時は前進方向X1に付勢力を受けたロック姿勢とされ、前記操作手段を操作したとき、後退方向X2に移動したアンロック姿勢とされるように構成され、更に、前記開口部に挿入したとき、下縁部の傾斜ガイド部により付勢力に抗して自動的に後退方向X2に移動した後退姿勢とされるように構成したものにおいて、前記固定ベースは、前記可動ベースの脚部の側面に沿う規制板を設けており、前記規制板は、係止爪がロック姿勢とされたとき、該規制板の側面から前進方向に突出させ、係止爪が後退姿勢及びアンロック姿勢とされたとき、該規制板の側面に重ならせるように構成されて成る点にある。
【0011】
進退方向の幅寸法に関して、前記規制板は、前記開口部に挿入されたとき、該開口部の内部で進退方向に遊動しないように構成することが好ましい。この際、前記可動ベースの両側面に沿うように一対の規制板を設けることが好ましい。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、係止爪15を開口部12に押し込む際、開口部12に挿入された規制板22が進退方向Xの位置ずれ移動を規制するので、付勢手段18の弾発付勢力より、係止爪15が開口部12の縁の上で暴れるおそれはなく、係止爪15の挿入係止作業を容易に行うことができる。しかも、係止爪15を開口部12の係止部13に係止した状態においても、規制板22が開口部12の内部に固定されるので、安定堅固な係止状態が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明の1実施形態を実施した作業台を示す斜視図である。
【
図3】作業台の使用方法に関し、折畳まれた主脚の展開方法を示す正面図である。
【
図4】作業台の使用方法に関し、(A)は柱材を構成する手掛かり棒を起立する方法を示す正面図、(B)は横材を構成する手摺桟を手掛かり棒に架設する方法を示す正面図である。
【
図5】本発明の1実施形態に係る装置を分解状態で示す斜視図である。
【
図6】分解状態とされた構成部品の断面を示す斜視図である。
【
図7】本発明の1実施形態に係る装置に関し、柱材の頂部に対して、横材の端部に装着されたラッチ装置を臨ませた状態を示す断面図である。
【
図8】
図7に示す装置に関し、(A)はA-A断面図、(B)はB-B断面図である。
【
図9】可動ベースの作用に関し、(A)はアンロック姿勢とした状態を示す断面図、(B)は後退姿勢とした状態を示す断面図である。
【
図10】ラッチ装置の作用に関し、係止爪を開口部に進入させた状態を示す断面図である。
【
図11】ラッチ装置の作用に関し、係止爪が開口部の内部で後退姿勢とされた状態を示す断面図である。
【
図12】ラッチ装置の作用に関し、ロック姿勢とされた係止爪が係止部に係止した状態を示す断面図である。
【
図13】ラッチ装置の作用に関し、操作手段を押動して係止爪をアンロック姿勢とすることにより係止を解除した状態を示す断面図である。
【
図14】本発明の別の実施形態に係る装置を示しており、(A)は係止爪を開口部に進入させた状態を示す断面図、(B)は係止爪がロック姿勢とされて係止部に係止した状態を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下図面に基づいて本発明の好ましい実施形態を詳述する。
【0015】
(作業台の構成)
本発明は、柱材の頂部に開設された開口部の内側に突設された係止部に対して、横材の端部に装着したラッチ装置の係止爪を係脱自在に係止する装置であり、広く柱材と横材の間に実施されるものであるが、その1例として、
図1ないし
図4に作業台を示している。
【0016】
図例の場合、作業台1は、ほぼ長方形の天板2を備え、天板2の長手方向の両側縁を桁側とし、短手方向の両側縁を妻側として、妻側にそれぞれ主脚3を設けている。詳細は図示省略しているが、各主脚3は、一対の脚本体4、4にステップを架設した梯子状に構成され、それぞれの脚本体4を天板2の四隅に折畳み機構5を介して枢結されている。これにより、両主脚3、3は、
図3に鎖線で示すように天板2の下側に向けて回動された格納姿勢と、実線で示すように天板2の妻側から外向きに支持された展開姿勢との間で姿勢変更可能に構成されている。
【0017】
天板2の隅部近傍に位置して脚本体4には、該天板2の上方に向けて起立する合計4本の手掛かり棒6aを構成する柱材6が設けられており、柱材6は、それぞれの下端部を脚主体4の外側面に起倒機構7を介して取付けられている。従って、柱材6は、
図4(A)に鎖線で示すように脚主体4の外側面に沿わせられた格納姿勢と、実線で示すように上方に起立された起立姿勢の間で姿勢変更可能に構成されている。
【0018】
図4(B)に示すように、桁側に関して相互に対向する一対の柱材6、6のうち、一方の柱材6の上端部には手摺桟8aを構成する横材8の基端部が枢支金具9を介して枢結され、該横材8の先端部8Eを他方の柱材6の上端部6Uに係脱自在に係止するように構成されている。
【0019】
横材8は、複数のパイプ材を入れ子式に組立てることにより伸縮自在に構成されており、収縮させた状態で、前記枢支金具9を介して回動自在とされ、
図4(A)に実線で示すように柱材6に沿わせられた格納姿勢と、鎖線で示すように横向きとされた展開姿勢との間で姿勢変更可能に構成されており、展開姿勢とした状態で伸張させると共に、
図4(B)に示すように先端部8Eを他方の柱材6の上端部6Uに係止することにより、天板2の上に桁側が横材8により囲まれた作業空間を形成する。
【0020】
図1及び
図2に示すように、妻側に関して相互に対向する一対の柱材6、6のうち、一方の柱材6の上端部には安全桟10の基端部が枢結されており、該安全桟10の先端部を他方の柱材6の上端部係脱自在に係止するように構成されている。安全桟10は、
図2に示すように柱材6に沿わせられた格納姿勢と、
図1に示すように横向きとされた展開姿勢との間で姿勢変更可能に構成されており、展開姿勢とした状態で先端部を他方の柱材6の上端部に係止することにより、天板2の上に妻側が安全桟10により囲まれた作業空間を形成する。
【0021】
図示実施形態において、本発明の係止装置は、一方の柱材6に基端部を枢結することにより前記手摺桟8aを構成する横材8の先端部8E(以下、単に端部8Eという。)と、他方の柱材6の上端部6Uとの間に設けられている。
【0022】
作業台1の場合、上述のように、主脚3や、手掛かり棒6aを構成する柱材6や、手摺桟8aを構成する横材8や、安全桟10を折畳んだ格納姿勢と、展開姿勢との間で姿勢変更させることにより使用される。従って、横材8の端部8Eを柱材6の上端部6Uに係止する係止装置は、係脱作業をワンタッチで容易に行うことができ、しかも、天板上の作業空間における作業者の安全を確保するため、安定堅固な係止状態が可能となるように構成することが望ましい。
【0023】
(1実施形態)
図5ないし
図13は、本発明の1実施形態を示している。
【0024】
係止装置は、
図5及び
図6に示すように、柱材6の上端部6Uに装着されたソケット11と、横材8の端部8Eに装着されたラッチ装置14により構成されている。
【0025】
前記ソケット11は、金属パイプ製とされた柱材6の上端部6Uに装着され、該柱材6の頂部に開口部12を形成すると共に、該開口部12の内側に突出する係止部13を設けている。
【0026】
これに対して、ラッチ装置14は、前記係止部13に係脱自在に係止する係止爪15を設けている。係止部13に対する前進方向X1と離反する後退方向X2を含む方向を進退方向Xとし、進退方向Xに直交する方向を幅方向Yとして説明する。
【0027】
ラッチ装置14は、横材8の端部8Eに固定される固定ベース16と、前記係止爪15を設けた可動ベース17と、可動ベース17を前進方向X1に弾発付勢するコイルスプリングから成る付勢手段18により構成されている。
【0028】
前記固定ベース16は、横材8の端部8Eに挿入固定されるケース部19と、横材8の端面に添設されるキャップ部20を備えている。
【0029】
前記ケース部19は、幅方向Yに並設された一対の側壁の下端部から内向きに対向して突出するように構成された底部により支持部21を形成すると共に、該支持部21から下向きに延びる一対の規制板22を一体に形成しており、前記キャップ部20は、進退方向Xに貫通する制御孔23を設けている。
【0030】
前記可動ベース17は、前記ケース部19に内装される頭部24と、該頭部24から前進方向X1に延びることにより前記制御孔23に挿通される操作手段25と、前記頭部24から下方に延びる脚部26を一体に形成しており、脚部26の下端近傍に前進方向X1に突出するように前記係止爪15を設けている。
【0031】
この際、可動ベース17の頭部24は、上面に後退方向X2に向けて角度θの下り勾配とされた傾斜面27を形成すると共に、下面に脚部26の両側から張り出す載置面28を形成している。そして、係止爪15の下側縁部には、前進方向X1に向けて上向き傾斜する傾斜ガイド部29が形成されている。
【0032】
そこで、可動ベース17は、操作手段25をキャップ部20の制御孔23に挿通させ、頭部24をケース部19に内装して載置面28を支持部21に載置し、脚部26を規制板22、22の間に挿入させ、ケース部19に付勢手段18を装入することにより頭部24を前進方向X1に弾発付勢した状態で、固定ベース16のケース部19を横材8の端部8Eに挿入固定することにより装着される。この際、横材8の端部8Eには、端縁から底壁を切り欠く窓部30が設けられており、該窓部30から、固定ベース16の規制板22と、可動ベース17の脚部26が下向きに突出させられる。
【0033】
図7及び
図8に示すように、前記制御孔23と操作手段25は、相互に操作手段25の下側に隙間23aを形成するように構成されており、これにより、可動ベース17は、頭部24の上端近傍部を支点(s)として、傾動可能とされている(
図10参照)。
【0034】
ところで、係止爪15を設けた可動ベース17は、常時は付勢手段18による前進方向X1の弾発付勢力を受けた状態で前記ケース部19の内部に保持されたロック姿勢P1を保持しており、このとき、係止爪15は、規制板22の側面から前進方向X1に突出させられている(
図7参照)。
【0035】
可動ベース17は、頭部24の載置面28を支持部21に摺動させることにより、進退方向Xに移動自在とされており、キャップ部20の外側から操作手段25を押し込むと、付勢手段18に抗して後退方向X2に移動してアンロック姿勢P2とされ、このとき、係止爪15は、規制板22の側面に重ねられている(
図9(A)参照)。
【0036】
また、ロック姿勢P1から係止爪15を後退方向X2に押動すると、上述の支点(s)を中心として傾動することにより後退姿勢PMとされ、このとき、係止爪15が規制板22の側面に重ねられる姿勢となるまで傾動させることができる(
図9(B)参照)。
【0037】
図7に示すように、規制板22の進退方向Xに関する板幅寸法W1は、開口部12の内寸にほぼ等しく形成されており、開口部12に挿入されたとき、開口部12の内部で進退方向Xに遊動しないように構成されている。
【0038】
図8(B)に示すように、並設された規制板22、22の幅方向Yに関する外法寸法W2は、開口部12の内寸にほぼ等しく形成されており、開口部12に挿入されたとき、開口部12の内部で幅方向Yに遊動しないように構成されている。
【0039】
(作用)
柱材6の開口部12に対して横材8のラッチ装置14を係止させるときは、
図10及び
図11に示すように、単純に規制板22を開口部12に押し込めば良い。
【0040】
押し込まれているとき、係止爪15の傾斜ガイド部29が開口部12の縁に当接して下動し、これにより係止爪15が後退方向X2に押動され、可動ベース17を傾動させて後退姿勢PMとする。可動ベース17が傾動しているとき、規制板22が開口部12の内部で遊動しないように保持され、これにより開口部12に対する係止爪15の位置決め状態が維持される。換言すると、規制板22による位置決めが存在しない場合は、付勢手段18の弾発付勢力により係止爪15が開口部12の縁上で暴れるおそれがある。
【0041】
そして、係止爪15が開口部12を通過すると、
図12に示すように、可動ベース17が付勢手段18によりロック姿勢P1に復帰させられ、係止爪15を係止部13の下側に係止する。この状態においても、規制板22が開口部12の内部で遊動しないように固定されているので、外力により可動ベース17が進退方向Xに移動させられることはなく、安定堅固な係止状態を可能にする。換言すると、規制板22による固定が存在しない場合は、開口部12に対して、ラッチ装置14が進退方向Xに移動し、係止爪15を係止部13から離脱するおそれがある。
【0042】
ラッチ装置14の係止爪15による係止を解除するときは、
図13に示すように、キャップ部20の外側から操作手段25を押し込み、可動ベース17を付勢手段18に抗して後退方向X2に移動し、アンロック姿勢P2とすれば良い。このとき、係止爪15は、係止部13から離脱し、規制板22の側面に重ねられた状態とされるので、該規制板22と共に開口部12から引き抜けば良い。
【0043】
(別の実施形態)
図14は、ラッチ装置14の別の実施形態を示しており、可動ベース17は、上述した特許文献2と同様に、板バネを折曲することにより形成されており、固定ベース16のケース部19に固定された固定脚部31と、該固定脚部31に対して折曲部により形成された付勢手段32を介して前進方向X1に弾発付勢された可動脚部33を備え、可動脚部33を更に折曲することにより前進方向X1に突出する係止爪15を設け、係止爪15の下側に傾斜ガイド部29を形成している。
【0044】
前記可動脚部33にはボタン形状の操作手段25が固着されており、固定ベース16のキャップ部20を貫通して外部に突出させられている。
【0045】
図14(A)において、鎖線で示した状態が係止爪15を含む可動ベース17のロック姿勢P1であり、実線で示した状態が後退姿勢PMである。
【0046】
図14(B)において、実線で示した状態が係止爪15を含む可動ベース17のロック姿勢P1であり、鎖線で示した状態がアンロック姿勢P2である。
【0047】
上述の実施形態と同様に、固定ベース16のケース部19は、下向きに延びる一対の規制板22を一体に形成しており、該規制板22は、固定脚部31及び可動脚部33の側面に沿わせられている。
【0048】
前記規制板22は、係止爪15がロック姿勢P1とされたとき、該規制板22の側面から前進方向に突出させ、係止爪15が後退姿勢PM及びアンロック姿勢P2とされたとき、該規制板22の側面に重ならせるように構成されている。
【0049】
上述の実施形態と同様に、規制板22の進退方向Xに関する板幅寸法は、開口部12の内寸にほぼ等しく形成されており、開口部12に挿入されたとき、開口部12の内部で進退方向Xに遊動しないように構成されている。また、並設された規制板22、22の幅方向Yに関する外法寸法は、開口部12の内寸にほぼ等しく形成されており、開口部12に挿入されたとき、開口部12の内部で幅方向Yに遊動しないように構成されている。
【0050】
その結果、
図14(A)に示すように、係止爪15を開口部12に押し込む際は、開口部12に挿入された規制板22が進退方向Xの位置ずれ移動を規制するので、付勢手段32の弾発付勢力より、係止爪15が開口部12の縁の上で暴れるおそれはない。また、
図14(B)に示すように、係止爪15を開口部12の係止部13に係止した状態においては、規制板22が開口部12の内部で固定保持され、安定堅固な係止状態を提供する。
【符号の説明】
【0051】
1 作業台
2 天板
3 主脚
4 脚本体
5 折畳み機構
6 柱材
6a 手掛かり棒
6U 上端部
7 起倒機構
8 横材
8a 手摺桟
8E 端部(先端部)
9 枢支金具
10 安全桟
11 ソケット
12 開口部
13 係止部
14 ラッチ装置
15 係止爪
16 固定ベース
17 可動ベース
18 付勢手段
19 ケース部
20 キャップ部
21 支持部
22 規制板
23 制御孔
23a 隙間
24 頭部
25 操作手段
26 脚部
27 傾斜面
28 載置面
29 傾斜ガイド部
30 窓部
31 固定脚部
32 付勢手段
33 可動脚部