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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-16
(45)【発行日】2024-07-24
(54)【発明の名称】ネットワーク構成特定装置および方法
(51)【国際特許分類】
   H04L 41/00 20220101AFI20240717BHJP
【FI】
H04L41/00
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2020199764
(22)【出願日】2020-12-01
(65)【公開番号】P2022087693
(43)【公開日】2022-06-13
【審査請求日】2023-09-27
(73)【特許権者】
【識別番号】000006666
【氏名又は名称】アズビル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100098394
【弁理士】
【氏名又は名称】山川 茂樹
(74)【代理人】
【識別番号】100064621
【弁理士】
【氏名又は名称】山川 政樹
(72)【発明者】
【氏名】太田 貴彦
(72)【発明者】
【氏名】神宮 武志
【審査官】岩田 玲彦
(56)【参考文献】
【文献】特開2001-320393(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 41/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
IPネットワークに接続されているネットワーク機器および端末機器からなる接続機器のすべてのMACアドレスを示すMACアドレス情報と、前記ネットワーク機器から取得したMACアドレステーブル情報とを記憶するように構成された記憶回路と、
前記ネットワーク機器のMACアドレステーブル情報に含まれる、当該ネットワーク機器のポートと当該ポートに接続されている接続機器のMACアドレスとの対応関係を示すポート-アドレス対応情報と、前記MACアドレス情報とに基づいて、前記接続機器に関する接続形態を示すネットワーク構成を特定するように構成された制御回路とを備え、
前記制御回路は、前記ポート-アドレス対応情報および前記MACアドレス情報に基づいて、前記ネットワーク機器のうち、前記MACアドレステーブル情報を取得できた幹線機器に関する接続形態を示す幹線構成を特定するように構成された幹線構成特定部と、
前記ポート-アドレス対応情報、前記MACアドレス情報、および前記幹線構成に基づいて、前記幹線機器に直接的に接続されている端末機器と、前記ネットワーク機器のうち前記幹線機器以外の前記MACアドレステーブル情報を取得できなかった非幹線機器を介して前記幹線機器に間接的に接続されている端末機器とを特定し、得られた特定結果と前記幹線構成とに基づいて、前記ネットワーク構成を示すネットワーク構成情報を生成するように構成された端末機器特定部と、を備え
前記幹線構成特定部は、前記幹線機器ごとに、当該幹線機器以外の幹線機器のMACアドレスが全て対応付けられているポートの有無を確認し、当該ポートがある場合、当該幹線機器が末端幹線機器であると特定し、前記末端幹線機器以外の幹線機器ごとに、前記末端幹線機器が1つだけ対応付けられているポートの有無を確認し、当該ポートがある場合、当該幹線機器が、前記末端幹線機器と幹線経路を介して接続された中間幹線機器であると特定し、これら特定結果に基づいて前記幹線構成を特定する
ことを特徴とするネットワーク構成特定装置。
【請求項2】
請求項に記載のネットワーク構成特定装置において、
前記幹線構成特定部は、前記末端幹線機器以外の幹線機器ごとに、前記末端幹線機器が複数対応付けられているポートの有無を確認し、当該ポートがある場合、前記末端幹線機器以外の幹線機器のうち、前記末端幹線機器が対応付けられているポートを選択し、選択したポートのうち、当該ポートに対応付けられている幹線機器の数が最も少ないポートを有する幹線機器が、前記末端幹線機器と幹線経路を介して接続された中間幹線機器であると特定することを特徴とするネットワーク構成特定装置。
【請求項3】
請求項1または請求項に記載のネットワーク構成特定装置において、
前記端末機器特定部は、前記幹線機器に設けられているポートのうち、他の幹線機器が接続されていないポートに1つの端末機器が接続されている場合、当該端末機器が当該幹線機器に直接的に接続されていると特定することを特徴とするネットワーク構成特定装置。
【請求項4】
請求項1~請求項のいずれかに記載のネットワーク構成特定装置において、
前記端末機器特定部は、前記幹線機器に設けられているポートのうち、他の幹線機器が接続されていないポートに複数の端末機器が接続されている場合、これらの端末機器が当該幹線機器に非幹線機器を介して間接的に接続されていると特定することを特徴とするネットワーク構成特定装置。
【請求項5】
請求項1~請求項のいずれかに記載のネットワーク構成特定装置において、
前記端末機器特定部は、前記幹線構成において2つの幹線機器がそれぞれのポートに対向して接続されており、かつ、これらのポートに同一の端末機器が共通して接続されている場合、当該端末機器が非幹線機器を介して当該幹線機器間に間接的に接続されていると特定することを特徴とするネットワーク構成特定装置。
【請求項6】
IPネットワークに接続されているネットワーク機器および端末機器からなる接続機器のすべてのMACアドレスを示すMACアドレス情報と、前記ネットワーク機器から取得したMACアドレステーブル情報とを記憶するように構成された記憶回路と、前記ネットワーク機器のMACアドレステーブル情報に含まれる、当該ネットワーク機器のポートと当該ポートに接続されている接続機器のMACアドレスとの対応関係を示すポート-アドレス対応情報と、前記MACアドレス情報とに基づいて、前記接続機器に関する接続形態を示すネットワーク構成を特定するように構成された制御回路とを備えるネットワーク構成特定装置、で用いられるネットワーク構成特定方法であって、
前記制御回路が、前記ポート-アドレス対応情報および前記MACアドレス情報に基づいて、前記ネットワーク機器のうち、前記MACアドレステーブル情報を取得できた幹線機器に関する接続形態を示す幹線構成を特定するように構成された幹線構成特定ステップと、
前記制御回路が、前記ポート-アドレス対応情報、前記MACアドレス情報、および前記幹線構成に基づいて、前記幹線機器に直接的に接続されている端末機器と、前記ネットワーク機器のうち前記幹線機器以外の前記MACアドレステーブル情報を取得できなかった非幹線機器を介して前記幹線機器に間接的に接続されている端末機器とを特定し、得られた特定結果と前記幹線構成とに基づいて、前記ネットワーク構成を示すネットワーク構成情報を生成するように構成された端末機器特定ステップと
を備え
前記幹線構成特定ステップは、前記幹線機器ごとに、当該幹線機器以外の幹線機器のMACアドレスが全て対応付けられているポートの有無を確認し、当該ポートがある場合、当該幹線機器が末端幹線機器であると特定し、前記末端幹線機器以外の幹線機器ごとに、前記末端幹線機器が1つだけ対応付けられているポートの有無を確認し、当該ポートがある場合、当該幹線機器が、前記末端幹線機器と幹線経路を介して接続された中間幹線機器であると特定し、これら特定結果に基づいて前記幹線構成を特定する
ことを特徴とするネットワーク構成特定方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、IPネットワークに接続されている通信制御機器や端末機器などの各種接続機器に関する接続形態を、ネットワーク構成として特定するためのネットワーク構成特定技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年IoT(Internet of Things)の普及により、従来のL2(レイヤ2)スイッチ(スイッチングハブ)、ハブ、ルータ、ゲートウェイなど、パケットの転送制御を行うネットワーク機器(通信制御機器)と、PCなどの情報処理端末のほか、IoTで用いられるセンサ、フィールド機器、コントローラなどの様々な端末機器とが、LANなどのIPネットワークに接続されるようになった。このような接続機器の増加により、IPネットワークのネットワーク構成が複雑化すると、ネットワーク構成全体を容易に把握できないため、トラブル発生時に原因箇所をすばやく特定することが難しくなる。
【0003】
具体的には、作業者がネットワーク構成全体を把握できていない場合、トラブル発生状況の確認や保守の対象となる端末機器が、どのネットワーク機器さらにはどのポートに接続されているかを、特定することが難しい。したがって、このような場合には、作業者が現場に出向いて各接続機器の接続形態(接続状況)を目視で確認し、対象となる接続機器が、どのネットワーク機器さらにはどのポートに接続されているかを、特定する必要がある。このため、トラブル対応や保守に要する作業負担が大きくなるという問題点がある。
【0004】
従来、このようなネットワーク構成を可視化する技術として、特許文献1には、ネットワーク機器のうち、例えばARP(Address Resolution Protocol)を用いて、L2スイッチなどMACアドレステーブルを有するネットワーク機器から、MACアドレステーブル情報を取得し、得られたMACアドレステーブル情報から、各接続端末に関する物理的な接続形態、すなわちネットワーク構成を特定する技術が提案されている。これにより、IPネットワークに接続された任意の情報処理端末から、リモートでネットワーク構成を特定することができ、トラブル発生時に原因箇所をすばやく特定することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2016-032226号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
前述した特許文献1の従来技術では、MACアドレステーブルを取得できることが前提となる。しかし、IPネットワークに接続されるネットワーク機器には、MACアドレステーブル情報を有するL2スイッチやL3(レイヤ3)スイッチだけでなく、元々MACアドレスを解釈しない、すなわちMACアドレステーブル情報を持たないハブもある。また、MACアドレステーブル情報を有していても、MACアドレステーブル情報の取得に対応していないネットワーク機器もある。したがって、MACアドレステーブル情報の取得に非対応のネットワーク機器が含まれる場合、ネットワーク構成を特定できないという問題点があった。
【0007】
本発明はこのような課題を解決するためのものであり、MACアドレステーブル情報の取得に非対応のネットワーク機器が含まれる場合でも、ネットワーク構成を特定することができるネットワーク構成特定技術を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
このような目的を達成するために、本発明にかかるネットワーク構成特定装置は、IPネットワークに接続されているネットワーク機器および端末機器からなる接続機器のすべてのMACアドレスを示すMACアドレス情報と、ネットワーク機器から取得したMACアドレステーブル情報とを記憶するように構成された記憶回路と、ネットワーク機器のMACアドレステーブル情報に含まれる、当該ネットワーク機器のポートと当該ポートに接続されている接続機器のMACアドレスとの対応関係を示すポート-アドレス対応情報と、MACアドレス情報とに基づいて、接続機器に関する接続形態を示すネットワーク構成を特定するように構成された制御回路とを備え、制御回路は、ポート-アドレス対応情報およびMACアドレス情報に基づいて、ネットワーク機器のうち、MACアドレステーブル情報を取得できた幹線機器に関する接続形態を示す幹線構成を特定するように構成された幹線構成特定部と、ポート-アドレス対応情報、MACアドレス情報、および幹線構成に基づいて、幹線機器に直接的に接続されている端末機器と、ネットワーク機器のうち幹線機器以外の前記MACアドレステーブル情報を取得できなかった非幹線機器を介して幹線機器に間接的に接続されている端末機器とを特定するように構成された端末機器特定部とを備え、前記幹線構成特定部が、前記幹線機器ごとに、当該幹線機器以外の幹線機器のMACアドレスが全て対応付けられているポートの有無を確認し、当該ポートがある場合、当該幹線機器が末端幹線機器であると特定し、前記末端幹線機器以外の幹線機器ごとに、前記末端幹線機器が1つだけ対応付けられているポートの有無を確認し、当該ポートがある場合、当該幹線機器が、前記末端幹線機器と幹線経路を介して接続された中間幹線機器であると特定し、これら特定結果に基づいて前記幹線構成を特定するように構成したものである。
【0010】
また、本発明にかかる上記ネットワーク構成特定装置の一構成例は、前記幹線構成特定部が、前記末端幹線機器以外の幹線機器ごとに、前記末端幹線機器が複数対応付けられているポートの有無を確認し、当該ポートがある場合、前記末端幹線機器以外の幹線機器のうち、前記末端幹線機器が対応付けられているポートを選択し、選択したポートのうち、当該ポートに対応付けられている幹線機器の数が最も少ないポートを有する幹線機器が、前記末端幹線機器と幹線経路を介して接続された中間幹線機器であると特定するように構成したものである。
【0011】
また、本発明にかかる上記ネットワーク構成特定装置の一構成例は、端末機器特定部が、幹線機器に設けられているポートのうち、他の幹線機器が接続されていないポートに1つの端末機器が接続されている場合、当該端末機器が当該幹線機器に直接的に接続されていると特定するように構成したものである。
【0012】
また、本発明にかかる上記ネットワーク構成特定装置の一構成例は、端末機器特定部が、幹線機器に設けられているポートのうち、他の幹線機器が接続されていないポートに複数の端末機器が接続されている場合、これらの端末機器が当該幹線機器に非幹線機器を介して間接的に接続されていると特定するように構成したものである。
【0013】
また、本発明にかかる上記ネットワーク構成特定装置の一構成例は、端末機器特定部が、幹線構成において2つの幹線機器がそれぞれのポートに対向して接続されており、かつ、これらのポートに同一の端末機器が共通して接続されている場合、当該端末機器が非幹線機器を介して当該幹線機器間に間接的に接続されていると特定するように構成したものである。
【0017】
また、本発明にかかるネットワーク構成特定方法は、IPネットワークに接続されているネットワーク機器および端末機器からなる接続機器のすべてのMACアドレスを示すMACアドレス情報と、ネットワーク機器から取得したMACアドレステーブル情報とを記憶するように構成された記憶回路と、ネットワーク機器のMACアドレステーブル情報に含まれる、当該ネットワーク機器のポートと当該ポートに接続されている接続機器のMACアドレスとの対応関係を示すポート-アドレス対応情報と、MACアドレス情報とに基づいて、接続機器に関する接続形態を示すネットワーク構成を特定するように構成された制御回路とを備えるネットワーク構成特定装置、で用いられるネットワーク構成特定方法であって、制御回路が、ポート-アドレス対応情報およびMACアドレス情報に基づいて、ネットワーク機器のうち、MACアドレステーブル情報を取得できた幹線機器に関する接続形態を示す幹線構成を特定するように構成された幹線構成特定ステップと、制御回路が、ポート-アドレス対応情報、MACアドレス情報、および幹線構成に基づいて、幹線機器に直接的に接続されている端末機器と、ネットワーク機器のうち幹線機器以外の前記MACアドレステーブル情報を取得できなかった非幹線機器を介して幹線機器に間接的に接続されている端末機器とを特定するように構成された端末機器特定ステップとを備え、前記幹線構成特定ステップは、前記幹線機器ごとに、当該幹線機器以外の幹線機器のMACアドレスが全て対応付けられているポートの有無を確認し、当該ポートがある場合、当該幹線機器が末端幹線機器であると特定し、前記末端幹線機器以外の幹線機器ごとに、前記末端幹線機器が1つだけ対応付けられているポートの有無を確認し、当該ポートがある場合、当該幹線機器が、前記末端幹線機器と幹線経路を介して接続された中間幹線機器であると特定し、これら特定結果に基づいて前記幹線構成を特定する。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、MACアドレステーブル情報の取得に非対応のネットワーク機器が含まれる場合でも、ネットワーク構成を特定することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1図1は、ネットワーク構成特定装置の構成を示すブロック図である。
図2図2は、IPネットワークの構成例を示す説明図である。
図3図3は、図2の各接続機器に付与されているアドレスを示す説明図である。
図4図4は、ネットワーク構成特定処理を示すフローチャートである。
図5図5は、アドレス探索動作を示す説明図である。
図6図6は、MACアドレステーブル更新動作を示す説明図である。
図7図7は、MACアドレステーブル取得動作を示す説明図である。
図8図8は、MACアドレステーブル情報(SW#A)の構成例を示す説明図である。
図9図9は、MACアドレステーブル情報(SW#B)の構成例を示す説明図である。
図10図10は、MACアドレステーブル情報(SW#C)の構成例を示す説明図である。
図11図11は、幹線構成特定処理を示すフローチャートである。
図12図12は、幹線構成特定処理例を示す説明図である。
図13図13は、幹線構成特定処理例(末端幹線機器が複数の場合)を示す説明図である。
図14図14は、端末機器特定処理を示すフローチャートである。
図15図15は、端末機器特定処理を示すフローチャート(続き)である。
図16図16は、端末機器(直接接続)の特定例を示す説明図である。
図17図17は、端末機器(間接接続)の特定例を示す説明図である。
図18図18は、端末機器(幹線機器間接続)の特定例を示す説明図である。
図19図19は、ネットワーク構成情報の可視化例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
次に、本発明の一実施の形態について図面を参照して説明する。
[ネットワーク構成特定装置]
まず、図1を参照して、本発明の第1の実施の形態にかかるネットワーク構成特定装置10について説明する。図1は、ネットワーク構成特定装置の構成を示すブロック図である。
このネットワーク構成特定装置10は、全体としてPCやサーバ装置などの情報処理装置からなり、特定対象となるLANなどのIPネットワークNWに接続されて、IPネットワークNWに接続されているネットワーク機器や端末機器などの接続機器とデータ通信を行うことにより、これら接続機器に関する接続形態を示すネットワーク構成を特定して、可視化する装置である。
【0021】
以下では、L2(レイヤ2)スイッチ、L3(レイヤ3)スイッチ、ハブ、ルータ、ゲートウェイなど、パケットの転送制御を行う機器をネットワーク機器(通信制御機器)という。また、PCなどの情報処理端末のほか、IoT(Internet of Things)で用いられるセンサ、フィールド機器、コントローラなどの様々な機器を端末機器という。
また、ネットワーク機器のうち、パケットの転送制御に用いるMACアドレステーブル情報を取得できた機器を幹線機器といい、取得できなかった機器を非幹線機器という。
【0022】
また、以下では、IPネットワークNWが図2に示すネットワーク構成を有しており、各接続機器に対して図3に示すようなアドレスが付与されているものとする。図2に示すように、IPネットワークNWは、5つのネットワーク機器と5つの端末機器とから構成されている。図2は、IPネットワークの構成例を示す説明図である。図3は、図2の各接続機器に付与されているアドレスを示す説明図である。
【0023】
図2に示すように、ネットワーク機器は、3つのL2スイッチSW#A,#B,#Cと2つのハブHUB#X,#Yから構成されている。このうち、SW#A,#B,#Cは、MACアドレステーブル情報を取得可能な幹線機器であり、HUB#X,#Yは、MACアドレステーブル情報を取得不可能な非幹線機器である。また、端末機器は、5つのパーソナルコンピュータPC#0,#1,#2,#3,#4から構成されている。このうち、PC#0がネットワーク構成特定装置10に相当する。
【0024】
図2に示すように、SW#A,#B,#Cは、それぞれ5つのポート(接続ポート)P1,P2,P3,P4,P5を備えている。SW#AのP5はHUB#Xと接続されており、SW#AのP1はSW#CのP4と接続されており、SW#AのP4はPC0と接続されている。HUB#X,#Yは、それぞれ5つのポート(接続ポート)を備えているものとする。HUB#XはPC#2,SW#BのP1と接続されている。SW#BのP2はPC#1と接続されている。SW#CのP2はHUB#Yと接続されている。HUB#YはPC#3,#4と接続されている。
【0025】
図3に示すように、これら接続機器には、IPアドレスとMACアドレスが付与されている。SW#A,#B,#Cには、IPアドレス「192.168.1.10」,「192.168.1.11」,「192.168.1.12」と、MACアドレス「XX:XX:XX:XX:XX:10」,「XX:XX:XX:XX:XX:11」,「XX:XX:XX:XX:XX:12」とが付与されている。なお、一般的なHUBの多くは、IPアドレスやMACアドレスを持たない。このため、以下の説明では、HUB#X,#Yは、IPアドレスおよびMACアドレスを持たないものとする。また、図2では、HUB#X,#Yにポート番号が記載されているが、HUB#X,#YはMACアドレステーブル情報を持たないため、接続機器が接続されているポートを特定することはできない。このため、HUB#X,#Yの具体的なポート番号は省略して説明する。
【0026】
PC#0,#1,#2,#3,#4には、IPアドレス「192.168.1.100」,「192.168.1.101」,「192.168.1.102」,「192.168.1.103」,「192.168.1.104」と、MACアドレス「ZZ:ZZ:ZZ:ZZ:ZZ:100」,「ZZ:ZZ:ZZ:ZZ:ZZ:101」,「ZZ:ZZ:ZZ:ZZ:ZZ:102」,「ZZ:ZZ:ZZ:ZZ:ZZ:103」,「ZZ:ZZ:ZZ:ZZ:ZZ:104」とが付与されている。
なお、これらネットワーク構成は、説明を容易とするための例であり、これに限定されるものではない。他のネットワーク構成であっても、本発明を同様に適用でき、同様の効果を奏することができる。
【0027】
[ネットワーク構成特定装置の構成]
次に、図1を参照して、本実施の形態にかかるネットワーク構成特定装置10の構成について詳細に説明する。
図1に示すように、ネットワーク構成特定装置10は、主な回路部として、通信I/F11、操作入力回路12、表示回路13、記憶回路14、および制御回路15を備えている。
【0028】
[通信I/F]
通信I/F11は、通信回線Lを介してIPネットワークNWと接続されて、各接続機器との間でデータ通信を行うことにより、各接続機器のアドレス情報や幹線機器のMACアドレステーブル情報を取得するように構成されている。
[操作入力回路]
操作入力回路12は、キーボード、マウス、タッチパネルなどの操作入力装置からなり、オペレータの操作を検出して制御回路15へ出力するように構成されている。
[表示回路]
表示回路13は、LCDなどの画面表示装置からなり、制御回路15から出力された、メニュー画面、設定画面、ネットワーク構成特定結果画面などの各種画面情報を画面表示するように構成されている。
【0029】
[記憶回路]
記憶回路14は、ハードディスクや半導体メモリなどの記憶装置からなり、制御回路15でのネットワーク構成特定処理に用いる各種の処理データやプログラム14Pを記憶するように構成されている。
[プログラム]
プログラム14Pは、制御回路15のCPUと協働することにより、制御回路15でのネットワーク構成特定処理に用いる各種の処理部を実現するためのプログラムである。このプログラム14Pは、ネットワーク構成特定装置10に通信回線を介して接続された外部装置や記録媒体(ともに図示せず)から、予め記憶回路14へ格納される。
【0030】
記憶回路14で記憶する主な処理データとして、MACアドレス情報14A、MACアドレステーブル情報14B、幹線構成情報14C、およびネットワーク構成情報14Dがある。
[MACアドレス情報]
MACアドレス情報14Aは、各接続機器のMACアドレスを示す情報であり、一般的には、図3に示すように、IPアドレスとの組として記憶されている。なお、HUB#X,#Yは、IPアドレスやMACアドレスを持たないため、「-」表記となっている。
[MACアドレステーブル情報]
MACアドレステーブル情報14Bは、一般的なL2スイッチが有するMACアドレステーブル情報であり、後述する図8図10に示すように、ネットワーク機器のポートと当該ポートに接続されている接続機器のMACアドレスとの対応関係を示すポート-アドレス対応情報が含まれている。なお、HUB#X,#Yは、MACアドレスを持たないため、HUB#X,#Yは、MACアドレステーブル情報14Bに含まれていない。
【0031】
[幹線構成情報]
幹線構成情報14Cは、ネットワーク機器のうちMACアドレステーブルを取得可能な幹線機器に関する接続形態を示す情報である。幹線構成情報14Cは、後述する図12に示すように、幹線機器間を接続する幹線経路ごとに、当該幹線経路の両端に接続された幹線機器を示すID(例えばMACアドレス)と、その接続ポートすなわち幹線ポートとの組から構成されている。
【0032】
[ネットワーク構成情報]
ネットワーク構成情報14Dは、各接続機器の接続形態を示す情報であり、どのネットワーク機器、さらにはどのポートに、どのネットワーク機器やどの端末機器が接続されているかを示している。ネットワーク構成情報14Dは、後述する図19に示すように、ツリー形式で、可視表示することができる。
【0033】
[制御回路]
制御回路15は、CPUとその周辺回路を有し、記憶回路14からプログラム14Pを読み出してCPUと協働させることにより、制御回路15でのネットワーク構成特定処理に用いる各種の処理部を実現するように構成されている。
制御回路15は、主な処理部として、アドレス探索部15A、テーブル取得部15B、幹線構成特定部15C、端末機器特定部15D、および可視化処理部15Eを備えている。
【0034】
[アドレス探索部]
アドレス探索部15Aは、通信I/F11を介してIPネットワークNWに接続されている各接続機器のアドレスを探索して、各接続機器からMACアドレスを取得し、記憶回路14のMACアドレス情報14Aに保存するように構成されている。MACアドレスの取得方法としては、ARP(Address Resolution Protocol)、NS(Neighbor Solicitation/IPv6)、MLD(Multicast Listener Discovery/IPv6)などの一般的な既知のアドレス解決技術を用いて、指定したIPアドレスの機器からMACアドレスを取得する方法がある。なお、各接続機器のIPアドレスについては、予め設定しておいたものを用いてもよく、指定された範囲でIPアドレスを順に生成して探索してもよい。
【0035】
[テーブル取得部]
テーブル取得部15Bは、通信I/F11を介してIPネットワークNWに接続されているネットワーク機器のうち、MACアドレステーブル情報を取得可能な幹線機器から、MACアドレステーブル情報14Bを取得して、記憶回路14に保存するように構成されている。MACアドレステーブル情報14Bの取得方法としては、一般的なSNMP(Simple Network Management Protocol)などの一般的な既知のネットワーク管理プロトコルを用いて、指定した幹線機器からMACアドレステーブル情報14Bを取得する方法がある。
【0036】
[幹線構成特定部]
幹線構成特定部15Cは、記憶回路14のMACアドレス情報14Aと、記憶回路14のMACアドレステーブル情報14Bに含まれているポート-アドレス対応情報とに基づいて、幹線機器に関する接続形態を示す幹線構成を特定し、特定結果を記憶回路14の幹線構成情報14Cに保存するように構成されている。
【0037】
具体的には、幹線構成特定部15Cは、幹線機器ごとに、当該幹線機器以外の幹線機器のMACアドレスが全て対応付けられているポートの有無を確認し、当該ポートがある場合、当該幹線機器が末端幹線機器であると特定し、末端幹線機器以外の幹線機器ごとに、末端幹線機器が1つだけ対応付けられているポートの有無を確認し、当該ポートがある場合、当該幹線機器が、末端幹線機器と幹線経路を介して接続された中間幹線機器であると特定し、これら特定結果に基づいて幹線構成を特定する。
【0038】
また、幹線構成特定部15Cは、末端幹線機器以外の幹線機器ごとに、末端幹線機器が複数対応付けられているポートの有無を確認し、当該ポートがある場合、末端幹線機器以外の幹線機器のうち、末端幹線機器が対応付けられているポートを選択し、選択したポートのうち、当該ポートに対応付けられている幹線機器の数が最も少ないポートを有する幹線機器が、末端幹線機器と幹線経路を介して接続された中間幹線機器であると特定する。
【0039】
[端末機器特定部]
端末機器特定部15Dは、記憶回路14のMACアドレス情報14Aと、記憶回路14のMACアドレステーブル情報14Bに含まれているポート-アドレス対応情報と、記憶回路14の幹線構成情報14Cとに基づいて、幹線機器に直接的に接続されている端末機器と、ネットワーク機器のうち幹線機器以外の非幹線機器を介して幹線機器に間接的に接続されている端末機器とを特定し、得られた特定結果と幹線構成情報14Cとに基づいて、各接続機器の接続形態を示すネットワーク構成情報14Dを生成し、記憶回路14に保存するように構成されている。
【0040】
具体的には、端末機器特定部15Dは、幹線機器に設けられているポートのうち、他の幹線機器が接続されていないポートに1つの端末機器が接続されている場合、当該端末機器が当該幹線機器に直接的に接続されていると特定する。また、端末機器特定部15Dは、幹線機器に設けられているポートのうち、他の幹線機器が接続されていないポートに複数の端末機器が接続されている場合、これらの端末機器が当該幹線機器に非幹線機器を介して間接的に接続されていると特定する、また、端末機器特定部15Dは、幹線構成において2つの幹線機器がそれぞれのポートに対向して接続されており、かつ、これらのポートに同一の端末機器が共通して接続されている場合、当該端末機器が非幹線機器を介して当該幹線機器間に間接的に接続されていると特定し、ネットワーク構成に当該非幹線機器を補完する。
【0041】
また、端末機器特定部15Dは、幹線構成において2つの幹線機器がそれぞれのポートに対向して接続されており、かつ、これらのポートのうち一方のポートにのみ端末機器が1つだけ接続されている場合、非幹線機器を介して当該一方のポートを持つ幹線機器に間接的に、当該端末機器が接続されていると特定し、ネットワーク構成に当該非幹線機器を補完する。また、端末機器特定部15Dは、幹線構成において2つの幹線機器がそれぞれのポートに対向して接続されており、かつ、これらのポートのうち一方のポートにのみ端末機器が複数接続されている場合、当該端末機器が対応付けられているポートのうち、当該ポートに対応付けられている幹線機器数が最も少ないポートを持つ幹線機器に、当該端末機器が間接的に接続されていると特定し、ネットワーク構成に当該非幹線機器を補完する。
【0042】
[可視化処理部]
可視化処理部15Eは、端末機器特定部15Dにより得られた記憶回路14のネットワーク構成情報14Dに基づいて、IPネットワークNWのネットワーク構成を可視化した可視化データを生成するように構成されている。この際、可視化データは、接続機器ごとに生成した、当該接続機器を示すアイコン、当該接続機器のアドレス情報、および、当該接続機器が接続されているネットワーク機器のポート番号を含む表記と、これら表記を接続機器の接続形態に沿って階層的にツリー形式で接続する接続線とから構成されている。
これにより、得られた可視化データを表示回路13で画面表示することにより、後述する図19に示すようなネットワーク構成表示画面が、可視表示される。なお、表示回路13ではなく他のPCで画面表示などに用いる場合、可視化処理部15Eにより、通信I/F11からIPネットワークNWを介して他のPCに転送出力してもよい。
【0043】
[本実施の形態の動作]
次に、図4を参照して、本実施の形態にかかるネットワーク構成特定装置10のネットワーク構成特定方法の動作について説明する。図4は、ネットワーク構成特定処理を示すフローチャートである。
ネットワーク構成特定装置10の制御回路15は、操作入力回路12からのオペレータ指示に応じて、図4のネットワーク構成特定処理を実行する。以下では、前述した図2のネットワーク構成で各接続機器が接続されているものとする。
【0044】
まず、制御回路15は、アドレス探索部15Aにより、通信I/F11を介してIPネットワークNWに接続されている各接続機器のアドレス範囲を総当たりで探索して、すべての接続機器からMACアドレスを取得し、記憶回路14のMACアドレス情報14Aに保存する(ステップS100)。
図5は、アドレス探索動作を示す説明図である。SW#Bのアドレスを探索する場合、図5に示すように、まず、ネットワーク構成特定装置10(PC#0)から、SW#BのIPアドレスを指定したARP要求を送信すると(ステップS200)、SW#BからMACアドレスを含むAPR応答が返送される(ステップS201)。このARP応答からMACアドレスが抽出されて、SW#BのMACアドレスとして、MACアドレス情報14Aに保存される。
【0045】
次に、制御回路15は、テーブル取得部15Bにより、通信I/F11を介してIPネットワークNWに対して、接続機器として存在しない架空のIPアドレスを送信元に指定した、通信経路の疎通確認要求を行うことにより、各幹線機器のMACアドレステーブルを更新する(ステップS101)。
図6は、MACアドレステーブル更新動作を示す説明図である。図6に示すように、まず、ネットワーク構成特定装置10(PC#0)から、架空のIPアドレスを送信元に指定したpingコマンドを送信する(ステップS210)。pingコマンドを受信した幹線機器、例えばSW#Bは、各接続機器に対してARP要求をブロードキャストで送信する(ステップS211)。これにより、ARP要求がネットワーク機器SW#A,SW#Cに届くため、幹線機器SW#A,#B,#CのMACアドレステーブルが更新される。
【0046】
一般に、MACアドレスを解釈するL2スイッチなどのネットワーク機器では、ある端末機器から他の端末機器に対するMACフレームを受信した場合、そのMACフレームに含まれる送信元のMACアドレスと、そのMACフレームの受信ポートとの組を学習して、自己のMACアドレステーブル(FDB:Forwarding Data Base)に登録しておくことにより、MACフレームの送信先ポートを効率よく決定している。登録された内容は、エージングタイムだけ経過した後に自動削除される。エージングタイムは可変設定できるが、一般的には300秒程度である。このため、MACアドレステーブル情報14Bの取得に先立って、通信経路の疎通確認を行うことにより、各幹線機器のMACアドレステーブルを更新すれば、最新のMACアドレステーブル情報14Bを取得できる。
【0047】
続いて、制御回路15は、テーブル取得部15Bにより、通信I/F11を介して各幹線機器からMACアドレステーブル情報14Bを取得し、記憶回路14に保存する(ステップS102)。
図7は、MACアドレステーブル取得動作を示す説明図である。図7に示すように、まず、ネットワーク構成特定装置10(PC#0)から、例えばSNMPを用いてSW#BにMACアドレステーブルの参照要求を送信すると(ステップS220)、SW#BからMACアドレステーブル情報14Bが返送される(ステップS221)。これにより、返送されたMACアドレステーブル情報14Bが記憶回路14に保存される。
【0048】
図8は、MACアドレステーブル情報(SW#A)の構成例を示す説明図である。図9は、MACアドレステーブル情報(SW#B)の構成例を示す説明図である。図10は、MACアドレステーブル情報(SW#C)の構成例を示す説明図である。図8図10に示すように、MACアドレステーブル情報14Bには、ネットワーク機器のポートと当該ポートに接続されている接続機器のMACアドレスとの対応関係を示すポート-アドレス対応情報が含まれている。例えば、図8に示すように、SW#AのMACアドレステーブル情報14Bには、SW#C,PC#3,PC#4がP1に対応付けられており、PC#0がP4に対応付けられており、SW#B,PC#1,PC#2がP5に対応付けられている。
【0049】
次に、制御回路15は、幹線構成特定部15Cにより、後述の図11に示す幹線構成特定処理を実行することにより、記憶回路14のMACアドレス情報14Aと、記憶回路14のMACアドレステーブル情報14Bに含まれているポート-アドレス対応情報とに基づいて、幹線機器に関する接続形態を示す幹線構成を特定し、特定結果を記憶回路14の幹線構成情報14Cに保存する(ステップS103:幹線構成特定ステップ)。
【0050】
続いて、制御回路15は、端末機器特定部15Dにより、後述の図14に示す端末機器特定処理を実行することにより、記憶回路14のMACアドレステーブル情報14Bに含まれているポート-アドレス対応情報と、記憶回路14の幹線構成情報14Cとに基づいて、幹線機器に直接的に接続されている端末機器と、ネットワーク機器のうち幹線機器以外の非幹線機器を介して幹線機器に間接的に接続されている端末機器とを特定し、得られた特定結果と幹線構成情報14Cとに基づいてネットワーク構成情報14Dを生成し、記憶回路14に保存する(ステップS104:端末機器特定ステップ)。
【0051】
この後、制御回路15は、可視化処理部15Eにより、端末機器特定部15Dで生成された記憶回路14のネットワーク構成情報14Dから可視化データを生成して、表示回路13で画面表示し(ステップS105)、一連のネットワーク構成特定処理を終了する。
これにより、後述する図19に示すようなネットワーク構成表示画面が、表示回路13で可視表示される。
【0052】
[幹線構成特定処理]
次に、図11を参照して、図4のステップS103における幹線構成特定処理について詳細に説明する。図11は、幹線構成特定処理を示すフローチャートである。
まず、幹線構成特定部15Cは、図11のステップS120~ステップS124により、幹線経路の末端に位置する末端幹線機器を特定する。
すなわち、幹線構成特定部15Cは、すべての幹線機器SW#A,SW#B,SW#Cから未選択の幹線機器を1つ選択する(ステップS120)。
続いて、幹線構成特定部15Cは、選択した当該幹線機器のMACアドレステーブル情報14Bを参照し(ステップS121)、当該幹線機器に設けられているポートのうち、他のすべての幹線機器が対応付けられているポートの有無を確認する(ステップS122)。
【0053】
ここで、他のすべての幹線機器が対応付けられているポートがある場合(ステップS122:YES)、幹線構成特定部15Cは、当該幹線機器を末端幹線機器として特定し(ステップS123)、後述のステップS124へ移行する。一方、他のすべての幹線機器が対応付けられているポートがない場合(ステップS122:NO)、後述のステップS124へ移行する。
この後、ステップS124において、幹線構成特定部15Cは、未選択の幹線機器の有無を確認し(ステップS124)、未選択の幹線機器がある場合(ステップS124:YES)、ステップS120に戻る。一方、未選択の幹線機器がない場合(ステップS124:NO)、後述するステップS125へ移行する。
【0054】
次に、幹線構成特定部15Cは、図11のステップS125~ステップS130により、末端幹線機器と接続されている中間幹線機器を特定する。
まず、幹線構成特定部15Cは、ステップS125において、末端幹線機器以外の未特定の幹線機器のうちから、未選択の幹線機器を1つ選択する(ステップS125)。
続いて、幹線構成特定部15Cは、選択した当該幹線機器のMACアドレステーブル情報14Bを参照し(ステップS126)、当該幹線機器に設けられているポートのうち、対応付けられている末端幹線機器が1つだけであるポートの有無を確認する(ステップS127)。この際、当該ポートに、末端幹線機器以外の接続機器が対応付けられていてもよい。
【0055】
ここで、対応付けられている末端幹線機器が1つだけであるポートがある場合(ステップS127:YES)、幹線構成特定部15Cは、当該幹線機器を中間幹線機器として特定し(ステップS128)、後述するステップS129へ移行する。一方、対応付けられている末端幹線機器が1つだけであるポートがない場合(ステップS127:NO)、後述するステップS129へ移行する。
この後、ステップS129において、幹線構成特定部15Cは、未特定の幹線機器のうち、未選択の幹線機器の有無を確認し(ステップS129)、未選択の幹線機器がある場合(ステップS129:YES)、ステップS125に戻る。一方、未選択の幹線機器がない場合(ステップS129:NO)、後述するステップS130へ移行する。
【0056】
次に、幹線構成特定部15Cは、このようにして特定した、末端幹線機器と中間幹線機器との特定結果に基づいて、幹線機器の接続形態を示す幹線構成を特定し、末端幹線機器と中間幹線機器とを結ぶ幹線経路ごとに、当該幹線経路の両端に接続された幹線機器を示すID(例えばMACアドレス)と、その接続ポートすなわち幹線ポートとの組から構成された幹線構成情報14Cを生成し、記憶回路14に保存する(ステップS130)。
【0057】
図12は、幹線構成特定処理例を示す説明図である。まず、SW#BのMACアドレステーブル情報14Bを参照すると、SW#A,#CのすべてがP1に対応付けられており、SW#Bには、他のすべての幹線機器が対応付けられているポートP1が存在している。これにより、SW#Bより先には、幹線機器が接続されておらず、SW#Bは、末端幹線機器であると特定される(ステップS230)。
【0058】
同様に、SW#CのMACアドレステーブル情報14Bを参照すると、SW#A,#BのすべてがP4に対応付けられており、SW#Cには、他のすべての幹線機器が対応付けられているポートP4が存在している。これにより、SW#Cより先には、幹線機器が接続されておらず、SW#Cは、末端幹線機器であると特定される(ステップS231)。
【0059】
次に、末端幹線機器として特定されたSW#B,#C以外のSW#AのMACアドレステーブル情報14Bを参照すると、SW#Aには、対応付けられている末端幹線機器SW#Bが1つだけであるP5と、対応付けられている末端幹線機器SW#Cが1つだけであるP1とが存在している。これにより、SW#Aは、末端幹線機器SW#B,#Cに接続された中間幹線機器であると特定される(ステップS232)。
【0060】
これら特定結果から、末端幹線機器SW#B,#Cがそれぞれ中間幹線機器SW#Aに接続された幹線構成が特定される。これにより、SW#AとSW#Bを結ぶ幹線経路L1の両端に、SW#AのP5とSW#BのP1とが接続されており、SW#AとSW#Cを結ぶ幹線経路L2の両端に、SW#AのP1とSW#CのP4とが接続されていることを示す幹線構成情報14Cが生成される。
以上の処理により、図12に示すように、SW#AにSW#B,#Cが幹線経路L1,L2を介して接続されたネットワーク構成が特定済みとなる。
【0061】
なお、図11および図12では、中間幹線機器がSW#Aだけである場合を例として説明したが、中間幹線機器が階層的に接続されている幹線構成も考えられる。この場合には、図11のステップS125~ステップS129に示した中間幹線機器特定処理を繰り返し実行すればよい。この際、ステップS127において、末端幹線機器に代えて、対応付けられている特定済みの中間幹線機器が1つだけであるポートの有無を確認すればよい。これにより、中間幹線機器間の幹線経路を特定することができる。
【0062】
また、中間幹線機器において、1つのポートに末端幹線機器が複数接続されている場合、図11のステップS120~ステップS124に示した末端幹線機器特定処理で、接続形態を特定できない。例えば、図13の幹線構成例では、SW#AのP5に対して、HUB#Xを介して2つの末端幹線機器SW#B,SW#Dが対応付けられている。図13は、幹線構成特定処理例(末端幹線機器が複数の場合)を示す説明図である。
【0063】
このような場合には、これら末端幹線機器が対応付けられている他のMACアドレステーブル情報14Bのポートを確認する。例えば、図13の場合、SW#AのP5とSW#CのP4が対象となる。次に、これらポートのうち、対応付けられている幹線機器が最も少ないポートを持つ幹線機器を接続先の中間幹線機器として選択すればよい。図13の場合、SW#AのP5にはSW#B,#Dの2つの幹線機器が対応付けられており、SW#CのP4にはSW#A,#B,#Dの3つの幹線機器が対応付けられている。このため、SW#B,#Dは、任意のHUBを介して中間幹線機器SW#Aに接続されていると特定できる。この際、図13の例では任意のHUBはHUB#Xに相当するが、IPアドレスおよびMACアドレスを持たないため、任意のHUBがHUB#Xであると特定することはできない。
【0064】
[端末機器特定処理]
次に、図14および図15を参照して、図4のステップS104における端末機器特定処理について詳細に説明する。図14は、端末機器特定処理を示すフローチャートである。図15は、端末機器特定処理(続き)を示すフローチャートである。
まず、図14に示すように、端末機器特定部15Dは、すべての端末機器PC#0,#1,#2,#3,#4のうちから、未選択の端末機器を1つ選択する(ステップS140)。
続いて、端末機器特定部15Dは、各MACアドレステーブル情報14Bのうちから、選択した当該端末機器が接続されている幹線機器のポートを確認し(ステップS141)、当該端末機器が幹線ポート以外のポートに対応付けられているか確認する(ステップS142)。幹線ポートとは、幹線機器に設けられているポートのうち、幹線経路が接続されているポートである。
【0065】
当該端末機器が幹線ポート以外のポートに対応付けられている場合(ステップS142:YES)、端末機器特定部15Dは、当該ポートに対応付けられている端末機器が1つだけであるか確認する(ステップS143)。この際、当該ポートに、端末機器以外の接続機器が対応付けられていてもよい。
当該ポートに対応付けられている端末機器が1つだけである場合(ステップS143:YES)、端末機器特定部15Dは、当該ポートを当該端末機器の接続先として特定し、すなわち当該端末機器が当該幹線機器の当該ポートに直接的に接続されていると特定し(ステップS144)、後述するステップS160へ移行する。
【0066】
図16は、端末機器(直接接続)の特定例を示す説明図である。図16のネットワーク構成例では、幹線構成情報14Cに基づいて、幹線機器SW#Bのうち、幹線経路L1が接続されているP1が幹線ポートであることがわかる。SW#Bにおいて、P1以外のP2,P3,P4,P5のうち、P2に対応付けられている端末機器は、PC#1の1つだけである。このため、PC#1は、SW#BのP2に直接的に接続されていると特定される。
以上の処理により、図16に示すように、図12に加えてSW#BにPC#1が接続されたネットワーク構成が特定済みとなる。
【0067】
一方、ステップS143において、当該ポートに対応付けられている端末機器が1つだけではない場合、すなわち複数の端末機器が当該ポートに対応付けられている場合(ステップS143:NO)、端末機器特定部15Dは、当該ポートに非幹線機器を補完接続し(ステップS145)、当該非幹線機器をこれら端末機器の接続先として特定し、すなわちこれら端末機器が当該非幹線機器を介して当該幹線機器の当該ポートに間接的に接続されていると特定し(ステップS146)、後述するステップS160へ移行する。
【0068】
図17は、端末機器(間接接続)の特定例を示す説明図である。図17のネットワーク構成例では、幹線構成情報14Cに基づいて、幹線機器SW#Cのうち、幹線経路L2が接続されているP4が幹線ポートであることがわかる。SW#Cにおいて、P4以外のP1,P2,P3,P5のうち、P2に対応付けられている端末機器は、PC#3,#4の2つである。これにより、PC#3,#4は、SW#CのP2に任意のHUBを介して間接的に接続されていると特定される。この際、図17の例では任意のHUBはHUB#Yに相当するが、IPアドレスおよびMACアドレスを持たないため、任意のHUBがHUB#Yであると特定することはできない。
以上の処理により、図17に示すように、図16に加えてSW#Cに任意のHUBを介してPC#3,#4が接続されたネットワーク構成が特定済みとなる。
【0069】
また、ステップS142において、当該端末機器が幹線ポート以外のポートに対応付けられていない場合、すなわち当該端末機器が幹線ポートに対応付けられている場合(ステップS142:NO)、図15に示すように、端末機器特定部15Dは、当該幹線ポートに幹線経路を介して対向接続されている対向幹線機器側の対向幹線ポートにも同一の当該端末機器が対応付けられているか、すなわち対向幹線機器の両方に当該端末機器が対応付けられているか確認する(ステップS150)。
【0070】
ここで、対向幹線機器の両方に端末機器が対応付けられている場合(ステップS150:YES)、端末機器特定部15Dは、当該幹線ポートに非幹線機器を補完接続し(ステップS151)、当該非幹線機器を端末機器と対向幹線機器の接続先として特定し、すなわち端末機器と対向幹線機器とが当該非幹線機器を介して当該幹線機器の当該幹線ポートに間接的に接続されていると特定し(ステップS152)、後述するステップS160へ移行する。なお、当該非幹線機器がすでに補完されている場合、さらなる補完はしない。
【0071】
一方、対向幹線ポートに同一の当該端末機器が対応付けられておらず、すなわち対応幹線機器の一方にのみ当該端末機器が対応付けられている場合(ステップS150:NO)、端末機器特定部15Dは、当該端末機器が当該幹線ポートに1つだけ対応付けられているか確認する(ステップS153)。
ここで、当該端末機器が幹線ポートに1つだけ対応付けられている場合(ステップS153:YES)、端末機器特定部15Dは、当該幹線ポートに非幹線機器を補完接続し(ステップS154)、当該非幹線機器を当該端末機器と対向幹線機器の接続先として特定し、すなわち端末機器と対向幹線機器とが当該非幹線機器を介して当該幹線機器の当該幹線ポートに間接的に接続されていると特定し(ステップS155)、後述するステップS160へ移行する。なお、当該非幹線機器がすでに補完されている場合、さらなる補完はしない。
【0072】
一方、当該端末機器が幹線ポートに複数対応付けられている場合(ステップS153:NO)、端末機器特定部15Dは、これら端末機器が対応付けられているポートごとに、当該ポートに対応付けられている幹線機器数を確認し(ステップS156)、幹線機器数が最も少ないポートに非幹線機器を補完接続し(ステップS157)、当該非幹線機器を当該端末機器と対向幹線機器の接続先として特定し、すなわち端末機器と対向幹線機器とが当該非幹線機器を介して当該幹線機器の当該幹線ポートに間接的に接続されていると特定し(ステップS158)、後述するステップS160へ移行する。なお、当該非幹線機器がすでに補完されている場合、さらなる補完はしない。
【0073】
ステップS160において、端末機器特定部15Dは、未選択の端末機器の有無を確認し(ステップS160)、未選択の端末機器がある場合(ステップS160:YES)、ステップS140へ戻る。
一方、未選択の端末機器がない場合(ステップS160:NO)、端末機器特定部15Dは、記憶回路14の幹線構成情報14Cと各端末機器の特定結果とに基づいて、IPネットワークNW全体のネットワーク構成を示すネットワーク構成情報14Dを生成して記憶回路14に保存し(ステップS161)、一連の端末機器特定処理を終了する。
【0074】
図18は、端末機器(幹線機器間接続)の特定例を示す説明図である。図18のネットワーク構成例では、幹線構成情報14Cに基づいて、幹線機器SW#Aと幹線機器SW#Bとが、幹線経路L1を介してSW#AのP5とSW#BのP1とに対向して接続されており、これらが幹線ポートであることがわかる。また、SW#AのP5とSW#BのP1との両方に、同一の端末機器PC#2が対応付けられている。これにより、PC#2は、SW#CのP2に任意のHUBを介して間接的に接続されていると特定される。図18の例では任意のHUBはHUB#Xに相当するが、IPアドレスおよびMACアドレスを持たないため、任意のHUBがHUB#Xであると特定することはできない。なお、非幹線機器がすでに補完されている場合、さらなる補完はしない。
【0075】
なお、図18では、SW#AのP5とSW#BのP1との両方に、同一の端末機器PC#2が対応付けられている場合を例として説明したが、場合によっては、一方のSW#AのP5だけにPC#2が対応付けられており、他方のSW#BのP1にPC#2が対応付けられていない場合がある。このような場合、対応付けられている端末機器がPC#2の1つだけである場合には、PC#2が対応付けられているSW#Aの直下に任意の非幹線機器(具体的にはMACアドレステーブル情報を取得できないスイッチ)を補完接続し、この任意の非幹線機器を介してPC#2が間接的に接続されていると特定すればよい。この際、非幹線機器は、IPアドレスおよびMACアドレスを持たないため、任意の非幹線機器を特定することはできない。なお、非幹線機器がすでに補完されている場合、さらなる補完はしない。
【0076】
また、SW#AのP5だけに複数の端末機器が対応付けられている場合もある。このような場合には、全てのMACアドレステーブル情報14Bのうち、これら複数の端末機器が対応付けられているポートごとに、当該ポートに対応付けられている幹線機器数を確認し、幹線機器数が最も少ないポートを持つ幹線機器の直下に任意のHUBを補完接続し、この任意のHUBを介して複数の端末機器が間接的に接続されていると特定すればよい。例えば、図18において、PC#2を含めて複数の端末機器がHUB#Xに接続されていた場合、これら端末機器が対応付けられているSW#AのP5とSW#CのP4との幹線機器数が確認される。この場合、SW#AのP5の幹線機器数が1で、SW#CのP4幹線機器数が2であることから、幹線機器数が最も少ないSW#AのP5に、これら端末機器が任意のHUBを介して間接的に接続されていると特定すればよい。この際、HUBは、IPアドレスおよびMACアドレスを持たないため、任意のHUBを特定することはできない。なお、非幹線機器がすでに補完されている場合、さらなる補完はしない。
【0077】
以上の処理により、すべての接続機器が特定されたことになり、図18に示すように、図17に加えてSW#Aに任意のHUBを介してPC#2とSW#Bとが間接的に接続されたネットワーク構成、すなわちIPネットワークNW全体のネットワーク構成が特定済みとなる。
【0078】
図19は、ネットワーク構成情報の画面表示例を示す説明図である。図19には、前述した図5のネットワーク構成に含まれる各接続機器が、1行ごとに階層的にツリー形式で可視表示されている。各行には、当該接続機器を示すアイコン(シンボル)31,32,33、当該接続機器が接続されているネットワーク機器のポート番号34、IPアドレスやMACアドレスなどの当該接続機器のアドレス情報35が表記されている。
【0079】
このうち、アイコン31,32,33は、接続機器の種別に応じた図柄や色が用いられており、例えばアイコン31はL2スイッチやL3スイッチなどの幹線機器を示し、アイコン32はハブなどの非幹線スイッチを示し、アイコン33はPCなどの端末機器を示している。これにより、アイコンを見ただけで接続機器の種別を容易に識別でき、例えばトラブル発生状況の確認や保守の対象となる接続機器をすぐに特定することができる。
【0080】
また、アイコン31,32,33は、接続線36により階層的に接続されており、各接続機器の接続形態を容易に把握できる。また、接続線36のうちネットワーク機器が接続されている接続点には、折り畳みシンボル37が配置されている。この折り畳みシンボル37を操作することにより、当該ネットワーク機器の配下に接続されている機器の表示/非表示を切り替えることができる。これにより、余分な接続機器を非表示とすることができ、ネットワーク構成が複雑であっても、対象となる接続機器を見やすく表示することができる。
【0081】
また、各行のポート番号34により、当該接続機器が接続先のネットワーク機器のどのポートに接続されているかを容易かつ具体的に把握できる。これにより、ポート番号34さらにはアドレス情報35に基づいて、当該接続機器に対するトラブル発生状況の確認や保守などの作業や準備を、容易に開始することができる。
なお、図19では、各接続機器に関する、アイコン31,32,33、ポート番号34、およびアドレス情報35を含む表記を、行に沿って表示した場合を例として説明したが、これに限定されるものではない。例えば、各接続機器に関する表記を、行に依存した位置ではなく、フリーな位置に接続機器ごとに表示し、これらをそれぞれの接続機器の接続形態に沿って階層的にツリー形式で接続線36により接続するように表示してもよい。
【0082】
[本実施の形態の効果]
このように、本実施の形態は、制御回路15において、幹線構成特定部15Cが、MACアドレステーブル情報14Bに含まれるポート-アドレス対応情報とMACアドレス情報14Aとに基づいて、ネットワーク機器のうち、MACアドレステーブル情報14Bを取得できた幹線機器に関する接続形態を示す幹線構成を特定し、端末機器特定部15Dが、MACアドレステーブル情報14Bに含まれるポート-アドレス対応情報、MACアドレス情報14A、および幹線構成に基づいて、幹線機器に直接的に接続されている端末機器と、ネットワーク機器のうち幹線機器以外の非幹線機器を介して幹線機器に間接的に接続されている端末機器とを特定する、ように構成したものである。
【0083】
これにより、MACアドレステーブル情報14Bを取得できた幹線機器に関する接続形態、すなわち幹線構成が特定された後、これら幹線機器に対して直接的あるいは間接的に接続されている接続機器が特定される。したがって、MACアドレステーブル情報14Bの取得に非対応のネットワーク機器、すなわち非幹線機器が含まれる場合でも、ネットワーク構成を特定することが可能となる。
【0084】
また、本実施の形態において、幹線構成特定部15Cが、幹線機器ごとに、当該幹線機器以外の幹線機器のMACアドレスが全て対応付けられているポートの有無を確認し、当該ポートがある場合、当該幹線機器が末端幹線機器であると特定し、末端幹線機器以外の幹線機器ごとに、末端幹線機器が1つだけ対応付けられているポートの有無を確認し、当該ポートがある場合、当該幹線機器が、末端幹線機器と幹線経路を介して接続された中間幹線機器であると特定し、これら特定結果に基づいて幹線構成を特定するようにしてもよい。これにより、幹線構成を正確に特定することが可能となる。
【0085】
また、本実施の形態において、幹線構成特定部15Cが、末端幹線機器以外の幹線機器ごとに、末端幹線機器が複数対応付けられているポートの有無を確認し、当該ポートがある場合、末端幹線機器以外の幹線機器のうち、末端幹線機器が対応付けられているポートを選択し、選択したポートのうち、当該ポートに対応付けられている幹線機器の数が最も少ないポートを有する幹線機器が、末端幹線機器と幹線経路を介して接続された中間幹線機器であると特定するようにしてもよい。これにより、幹線構成をさらに正確に特定することが可能となる。
【0086】
また、本実施の形態において、端末機器特定部15Dが、幹線機器に設けられているポートのうち、他の幹線機器が接続されていないポートに1つの端末機器が接続されている場合、当該端末機器が当該幹線機器に直接的に接続されていると特定するように構成してもよい。これにより、幹線機器に対して直接的に接続されている端末機器を正確に特定することが可能となる。
【0087】
また、本実施の形態において、端末機器特定部15Dが、幹線機器に設けられているポートのうち、他の幹線機器が接続されていないポートに複数の端末機器が接続されている場合、これらの端末機器が当該幹線機器に非幹線機器を介して間接的に接続されていると特定するように構成してもよい。これにより、幹線機器に対して間接的に接続されている端末機器を正確に特定することが可能となる。
【0088】
また、本実施の形態において、端末機器特定部15Dが、幹線構成において2つの幹線機器がそれぞれのポートに対向して接続されており、かつ、これらのポートに同一の端末機器が共通して接続されている場合、当該端末機器が非幹線機器を介して当該幹線機器間に間接的に接続されていると特定するように構成してもよい。これにより、非幹線機器を介して幹線機器間に間接的に接続されている端末機器を正確に特定することが可能となる。
【0089】
[実施の形態の拡張]
以上、実施形態を参照して本発明を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。本発明の構成や詳細には、本発明のスコープ内で当業者が理解しうる様々な変更をすることができる。また、各実施形態については、矛盾しない範囲で任意に組み合わせて実施することができる。
【符号の説明】
【0090】
10…ネットワーク構成特定装置、11…通信I/F、12…操作入力回路、13…表示回路、14…記憶回路、14A…MACアドレス情報、14B…MACアドレステーブル情報、14C…幹線構成情報、14D…ネットワーク構成情報、14P…プログラム、15…制御回路、15A…アドレス探索部、15B…テーブル取得部、15C…幹線構成特定部、15D…端末機器特定部、15E…可視化処理部、NW…IPネットワーク、L1,L2…幹線経路、31,32,33…アイコン、34…ポート番号、35…アドレス情報、36…接続線、37…折り畳みシンボル。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19