(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-16
(45)【発行日】2024-07-24
(54)【発明の名称】シリンジ保持具および液体吐出装置
(51)【国際特許分類】
G01N 1/00 20060101AFI20240717BHJP
B01L 3/02 20060101ALI20240717BHJP
A61J 1/20 20060101ALN20240717BHJP
【FI】
G01N1/00 101K
B01L3/02 Z
A61J1/20 314C
(21)【出願番号】P 2021027455
(22)【出願日】2021-02-24
【審査請求日】2023-12-18
(73)【特許権者】
【識別番号】000207551
【氏名又は名称】株式会社SCREENホールディングス
(74)【代理人】
【識別番号】100135013
【氏名又は名称】西田 隆美
(72)【発明者】
【氏名】木村 裕也
【審査官】外川 敬之
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2011/129175(WO,A1)
【文献】国際公開第2019/168039(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 1/00
B01L 3/02
A61J 1/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
軸方向に延びる円筒部および前記円筒部の軸方向一方側の端部から外側へ広がる鍔部を有するバレルと、前記円筒部の内側に挿入されるロッドとを有するシリンジを保持するシリンジ保持具であって、
前記円筒部の一部分が挿入される第1溝と、前記鍔部が挿入される第2溝と、を有するブロックと、
前記第2溝に挿入された前記鍔部を、前記軸方向に押圧する押圧部と、
を備え、
前記第1溝は、前記ブロックの正面側において前記軸方向に延び、かつ、前記第1溝の幅は、前記正面側から背面側へ向かうにつれて徐々に狭くなり、
前記押圧部は、
前記鍔部に接触する接触面と、
前記接触面を、前記第2溝に挿入された前記鍔部へ向けて前記軸方向に付勢する弾性部材と、
を有する、シリンジ保持具。
【請求項2】
請求項1に記載のシリンジ保持具であって、
前記第1溝は、前記軸方向に視たときに円弧状の曲面を含む、シリンジ保持具。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載のシリンジ保持具であって、
一対の前記押圧部を備え、
前記ブロックを前記正面側から視たときに、一対の前記押圧部は、前記第1溝の両側に位置する、シリンジ保持具。
【請求項4】
請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載のシリンジ保持具であって、
前記押圧部は、前記第2溝の軸方向他方側に位置し、前記第2溝に挿入された前記鍔部を、軸方向一方側へ向けて押圧する、シリンジ保持具。
【請求項5】
請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載のシリンジ保持具であって、
前記押圧部は、ボールプランジャーである、シリンジ保持具。
【請求項6】
請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載のシリンジ保持具と、
前記シリンジ保持具に保持された前記シリンジの前記ロッドを加圧することにより、前記バレルから液体を吐出させる加圧機構と、
を備えた、液体吐出装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シリンジを保持するシリンジ保持具および当該シリンジ保持具を備えた液体吐出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、液体を取り扱う検査装置では、試料容器に液体を吐出するために、ディスポーザブルタイプのシリンジを使用する場合がある。この種の検査装置は、試料容器の上方においてシリンジを保持し、シリンジのロッドを加圧することによって、シリンジから試料容器へ液体を吐出する。シリンジを保持する機能を備えた従来の装置については、例えば、特許文献1に記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の装置では、シリンジのバレルの円筒部を、板ばね等のチャック部により挟んで保持していた。このため、装置にシリンジをセットするときに、バレルの円筒部に押圧力が加わり、バレル内の液体の一部が漏れ出してしまう場合があった。また、バレルの円筒部が、チャック部に保持されることにより変形するため、シリンジから液体を均一に吐出することが難しいという問題があった。
【0005】
また、バレルの円筒部を挟んで保持するだけでは、装置のフレームに対するシリンジの位置および姿勢を、精度よく一定とすることが困難であった。特に、円筒部の変形を抑制するために、チャック部の押圧力を弱めに設定すると、装置のフレームに対するシリンジの位置および姿勢がずれやすくなる、という問題があった。
【0006】
本発明は、このような事情に鑑みなされたものであり、シリンジを精度よく位置決めし、かつ、バレルの円筒部が変形することを抑制しつつ、シリンジを保持できる技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、本願の第1発明は、軸方向に延びる円筒部および前記円筒部の軸方向一方側の端部から外側へ広がる鍔部を有するバレルと、前記円筒部の内側に挿入されるロッドとを有するシリンジを保持するシリンジ保持具であって、前記円筒部の一部分が挿入される第1溝と、前記鍔部が挿入される第2溝と、を有するブロックと、前記第2溝に挿入された前記鍔部を、前記軸方向に押圧する押圧部と、を備え、前記第1溝は、前記ブロックの正面側において前記軸方向に延び、かつ、前記第1溝の幅は、前記正面側から背面側へ向かうにつれて徐々に狭くなり、前記押圧部は、前記鍔部に接触する接触面と、前記接触面を、前記第2溝に挿入された前記鍔部へ向けて前記軸方向に付勢する弾性部材と、を有する。
【0008】
本願の第2発明は、第1発明のシリンジ保持具であって、前記第1溝は、前記軸方向に視たときに円弧状の曲面を含む。
【0009】
本願の第3発明は、第1発明または第2発明のシリンジ保持具であって、一対の前記押圧部を備え、前記ブロックを前記正面側から視たときに、一対の前記押圧部は、前記第1溝の両側に位置する。
【0010】
本願の第4発明は、第1発明から第3発明までのいずれか1発明のシリンジ保持具であって、前記押圧部は、前記第2溝の軸方向他方側に位置し、前記第2溝に挿入された前記鍔部を、軸方向一方側へ向けて押圧する。
【0011】
本願の第5発明は、第1発明から第4発明までのいずれか1発明のシリンジ保持具であって、前記押圧部は、ボールプランジャーである。
【0012】
本願の第6発明は、液体吐出装置であって、第1発明から第5発明までのいずれか1発明のシリンジ保持具と、前記シリンジ保持具に保持された前記シリンジの前記ロッドを加圧することにより、前記バレルから液体を吐出させる加圧機構と、を備える。
【発明の効果】
【0013】
本願の第1発明~第6発明によれば、円筒部を第1溝に挿入するときに、第1溝の幅が徐々に狭くなっているため、円筒部が一定の位置へ誘導される。これにより、ブロックに対して円筒部を精度よく位置決めできる。また、押圧部が、円筒部ではなく鍔部を押圧する。これにより、円筒部の変形を抑制しつつ、ブロックに対してバレルを固定できる。その結果、シリンジから液体を均一に吐出できる。
【0014】
特に、本願の第3発明によれば、外力によりシリンジが傾いた場合でも、押圧力が無くなると、弾性部材の復元力により、シリンジを元の姿勢へ戻すことができる。このとき、一対の押圧部を第1溝の両側にバランスよく配置することで、シリンジの姿勢を精度よく元の姿勢へ戻すことができる。
【0015】
特に、本願の第4発明によれば、ロッドの軸方向一方側の端部を、押圧部に妨げられることなく、軸方向に移動させることができる。また、第1溝と押圧部が、同一の軸方向位置に配置される。このため、第1溝の軸方向の寸法を確保しつつ、シリンジ保持具を全体として小型化しやすい。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図5】シリンジを保持したシリンジ保持具の正面図である。
【
図6】シリンジを保持したシリンジ保持具の側面図である。
【
図7】シリンジを保持したシリンジ保持具の断面図である。
【
図8】シリンジを保持したシリンジ保持具の断面図である。
【
図9】シリンジを保持したシリンジ保持具の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
【0018】
<1.液体吐出装置について>
図1は、シリンジ保持具20を備えた液体吐出装置1の概要図である。この液体吐出装置1は、液体または液体に含まれる検体の特性を検査する検査装置の一部として使用される。液体吐出装置1は、ディスポーザブルタイプのシリンジ8を保持し、シリンジ8から試料容器7へ向けて、液体を吐出する。
【0019】
図1に示すように、液体吐出装置1は、テーブル10、シリンジ保持具20、加圧機構30、および制御部40を備える。テーブル10は、試料容器7を支持する支持台である。試料容器7には、例えば、プレパラート、シャーレ、ウェルプレートなどが使用される。シリンジ保持具20は、テーブル10に支持された試料容器7の上方において、シリンジ8を保持する。以下では、シリンジ保持具20に保持されるシリンジ8の中心軸9に沿う方向を「軸方向」と称する。本実施形態では、軸方向と上下方向とが一致する。
【0020】
図2は、シリンジ8の縦断面図である。
図2に示すように、シリンジ8は、液体を貯留するバレル81と、バレル81に挿入されるロッド82とを有する。バレル81は、円筒部811、吐出口812、および鍔部813を有する。円筒部811は、軸方向に沿って円筒状に延びる。吐出口812は、円筒部811の下端部に設けられている。鍔部813は、円筒部811の上端部(軸方向一方側の端部)から、外側へ向けて広がる。バレル81は、プラスチック等の樹脂により形成される。
【0021】
ロッド82は、軸方向に延びる柱状の部品である。ロッド82の上端部(軸方向一方側の端部)は、バレル81の外部に位置する。ロッド82の下端部(軸方向他方側の端部)は、バレル81の円筒部811の内側に挿入される。ロッド82は、バレル81に対して軸方向に移動可能である。ロッド82の下端部には、ガスケット83が固定されている。ガスケット83は、バレル81の円筒部811の内周面に接触しつつ、ロッド82とともに軸方向に移動する。
【0022】
図1に戻る。シリンジ保持具20は、バレル81の吐出口812が下向きとなるように、シリンジ8を鉛直方向に沿った姿勢で保持する。加圧機構30は、制御部40からの指令に従って、シリンジ保持具20に保持されたシリンジ8のロッド82の上端部を、下向きに加圧する。そうすると、バレル81内において、ガスケット83が下向きに移動する。これにより、ガスケット83と吐出口812との間に貯留された液体が、吐出口812から試料容器7へ向けて吐出される。
【0023】
<2.シリンジ保持具について>
続いて、シリンジ保持具20の詳細な構造について説明する。
図3は、シリンジ保持具20の斜視図である。
図4は、シリンジ保持具20の下面図である。
図5は、シリンジ8を保持したシリンジ保持具20の正面図である。
図6は、シリンジ8を保持したシリンジ保持具20の側面図である。
図7は、
図6におけるA-A線断面図である。
図8は、
図5におけるB-B線断面図である。
図3~
図8に示すように、シリンジ保持具20は、ブロック50と、一対の押圧部60とを備える。
【0024】
ブロック50は、略直方体状の部材である。ブロック50は、液体吐出装置1のフレームに固定される。ブロック50の材料には、例えば、剛性の高い金属が使用される。以下では、略直方体状のブロック50の6つの外面のうち、シリンジ8が挿入される面を正面501と称する。また、ブロック50の正面501とは反対側の面を背面502と称する。また、ブロック50に対するシリンジ8の挿入方向を「前後方向」と称する。また、軸方向および前後方向に対して直交する方向を「左右方向」と称する。
【0025】
図3に示すように、ブロック50は、第1溝51と第2溝52とを有する。第1溝51および第2溝52は、ブロック50の正面501から背面側へ向けて凹む。第1溝51は、ブロック50の正面側において軸方向に延びる。また、第1溝51は、ブロック50を軸方向に貫通する。第2溝52は、軸方向の寸法が第1溝51よりも小さく、かつ、左右方向および前後方向の寸法が第1溝51よりも大きい溝である。シリンジ8のバレル81のうち、円筒部811の上端の一部分は、第1溝51に挿入される。シリンジ8のバレル81のうち、鍔部813は、第2溝52に挿入される。
【0026】
図4のように、ブロック50を軸方向に視た状態において、第1溝51の形状は、略U字状である。すなわち、第1溝51は、円弧状の曲面511と、曲面511の両端から正面側へ向けて延びる一対の平面512とで構成されている。したがって、第1溝51の曲面511により構成される部分の左右方向の幅は、正面側から背面側へ向かうにつれて、徐々に狭くなる。曲面511の径は、シリンジ8の円筒部811の径と同一か、それよりも大きい。
【0027】
シリンジ保持具20にシリンジ8をセットするときには、バレル81の円筒部811を第1溝51に挿入するとともに、鍔部813を第2溝52に挿入する。このとき、円筒部811は、第1溝51の一対の平面512の間に挿入される。その後、円筒部811は、円弧状の曲面511に沿って背面側へ移動する。そして、
図4中の二点鎖線のように、円筒部811の最も背面側の部分が、曲面511の最も背面側の部分に接触した状態で、円筒部811が静止する。このように、背面側へ向かうにつれて第1溝51の左右方向の幅が徐々に狭くなっていることにより、円筒部811は、一定の位置へ誘導される。すなわち、円筒部811は、前後方向だけではなく、左右方向にも位置決めされる。その結果、作業者によるばらつきや、作業回数によるばらつきを抑えて、ブロック50に対して円筒部811を精度よく位置決めできる。
【0028】
一対の押圧部60は、第2溝52に挿入された鍔部813を固定するための機構である。一対の押圧部60は、第2溝52の下側(軸方向他方側)に位置する。また、
図4に示すように、一対の押圧部60は、第1溝51に挿入された円筒部811の中心よりも、背面側に位置する。本実施形態では、押圧部60にボールプランジャーが使用されている。
図7および
図8に示すように、押圧部60は、球体61と、球体61を上方へ向けて付勢する弾性部材62とを有する。球体61は、押圧部60の上端部に位置する。弾性部材62は、例えばコイルばねである。弾性部材62は、押圧部60のケーシングと球体61との間に、自然長よりも軸方向に圧縮された状態で、介挿されている。このため、弾性部材62は、その反発力によって、球体61を上方(軸方向一方側)へ向けて付勢する。
【0029】
第2溝52に鍔部813が挿入されると、球体61は、鍔部813の下面に接触する。すなわち、球体61の表面は、鍔部813に接触する接触面となる。そして、弾性部材62の付勢力により、球体61が鍔部813を上方(軸方向一方側)へ向けて押圧する。これにより、鍔部813が、第2溝52の上面に押し付けられる。その結果、バレル81が軸方向に位置決めされるとともに、ブロック50に対してバレル81が固定される。
【0030】
このように、押圧部60は、バレル81の円筒部811ではなく、バレル81の鍔部813を押圧する。これにより、円筒部811の変形を抑制しつつ、ブロック50に対してバレル81を固定できる。したがって、シリンジ保持具20にシリンジ8をセットするときに、バレル81内の液体が加圧されて、液体の一部が吐出口812から漏れ出してしまう、という問題が生じにくい。また、円筒部811が押圧されないため、円筒部811がくびれるように変形するということがない。このため、円筒部811の内側でガスケット83を下向き(軸方向他方側)に移動させるときに、圧力の変動が生じにくい。したがって、バレル81から液体を均一に吐出できる。
【0031】
また、このシリンジ保持具20は、シリンジ8に外力が加わった場合でも、シリンジ8を元の姿勢に戻すことができる。例えば、
図8の破線矢印のように、シリンジ8の下端部に正面側へ向かう押圧力が加わった場合、シリンジ8は、鍔部813の上面と第2溝52の上面の前端部との接触点Pを中心として回動する。このとき、押圧部60の球体61が僅かに下降し、弾性部材62が軸方向に収縮する。しかしながら、破線矢印の押圧力がなくなると、弾性部材62が再び伸長する。これにより、シリンジ8を、二点鎖線の姿勢から、元の実線の姿勢へ戻すことができる。
【0032】
特に、本実施形態のシリンジ保持具20では、ブロック50を正面側から視たときに、一対の押圧部60が、第1溝51の両側に、左右対称に配置されている。このように、一対の押圧部60を、第1溝51の両側にバランスよく配置することで、外力により傾いたシリンジ8の姿勢を、元の姿勢へ精度よく戻すことができる。
【0033】
<3.変形例>
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、上記の実施形態に限定されるものではない。
【0034】
<3-1.第1変形例>
図9は、シリンジ8を保持したシリンジ保持具20の一変形例の断面図である。
図9のシリンジ保持具20は、押圧部60が、第2溝52の下側(軸方向他方側)ではなく、第2溝52の上側(軸方向一方側)に設けられている。この場合、球体61は、押圧部60の下端部に位置する。弾性部材62は、球体61を下方(軸方向他方側)へ向けて付勢する。第2溝52に鍔部813が挿入されると、球体61は、鍔部813の上面に接触する。そして、弾性部材62の付勢力により、球体61が鍔部813を下方(軸方向他方側)へ向けて押圧する。これにより、鍔部813が、第2溝52の下面に押し付けられる。その結果、バレル81が軸方向に位置決めされるとともに、ブロック50に対してバレル81が固定される。
【0035】
このように、押圧部60は、第2溝52の下側および上側のどちらに設けられていてもよい。ただし、押圧部60を、第2溝52の上側に配置すると、ロッド82の上端部の軸方向の移動範囲が、押圧部60により制限される場合がある。ロッド82の上端部を、鍔部813の上面近傍の高さまで下降させる必要がある場合には、押圧部60が、第2溝52の下側に配置されている方が好ましい。
【0036】
また、押圧部60を第2溝52の下側に配置すれば、第1溝51と押圧部60とが、同一の軸方向位置に配置される。このため、押圧部60を第2溝52の上側に配置する場合よりも、押圧部60を第2溝52の下側に配置する場合の方が、第1溝51の軸方向の長さを確保しつつ、シリンジ保持具20を全体として軸方向に小型化しやすい。
【0037】
<3-2.第2変形例>
上述した実施形態では、ブロック50の第1溝51が、曲面511と一対の平面512とで構成されるU字状の溝であった。しかしながら、第1溝51は、他の形状であってもよい。例えば、一対の平面512を省略し、円弧状の曲面511のみで、第1溝51を構成してもよい。また、第1溝51は、一対の傾斜した平面で構成されるV字状の溝であってもよい。すなわち、第1溝51は、左右方向の幅が、前記正面側から背面側へ向かうにつれて徐々に狭くなっていればよい。
【0038】
<3-3.第3変形例>
上述した実施形態では、押圧部60にボールプランジャーを使用していた。しかしながら、押圧部60に、ボールプランジャー以外の機構を使用してもよい。例えば、板ばねまたは高反発性のゴムを、押圧部60として使用してもよい。その場合、板ばねまたはゴムを、他の部品を介して鍔部813に接触させてもよいし、板ばねまたはゴムの表面を、直接鍔部813に接触させてもよい。すなわち、弾性部材である板ばねまたはゴムの表面の一部分が、鍔部813に接触する接触面となっていてもよい。
【0039】
<3-4.第4変形例>
上記の実施形態のシリンジ保持具20は、シリンジ8を、鉛直方向に沿う姿勢で保持していた。しかしながら、シリンジ保持具20は、シリンジ8を、他の姿勢で保持するものであってもよい。例えば、シリンジ保持具20は、シリンジ8を、水平方向に沿う姿勢で保持するものであってもよい。
【0040】
<3-5.その他>
シリンジ保持具20の細部の形状および構造については、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、適宜に変更してもよい。また、上記の実施形態や変形例に登場した各要素を、矛盾が生じない範囲で、適宜に取捨選択してもよい。
【符号の説明】
【0041】
1 液体吐出装置
7 試料容器
8 シリンジ
9 中心軸
10 テーブル
20 シリンジ保持具
30 加圧機構
40 制御部
50 ブロック
51 第1溝
52 第2溝
60 押圧部
61 球体
62 弾性部材
81 バレル
82 ロッド
83 ガスケット
501 正面
502 背面
511 曲面
512 平面
811 円筒部
812 吐出口
813 鍔部