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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-16
(45)【発行日】2024-07-24
(54)【発明の名称】静電チャックヒータ
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/683 20060101AFI20240717BHJP
   H05B 3/74 20060101ALI20240717BHJP
【FI】
H01L21/68 R
H05B3/74
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2021527636
(86)(22)【出願日】2020-06-23
(86)【国際出願番号】 JP2020024573
(87)【国際公開番号】W WO2020262368
(87)【国際公開日】2020-12-30
【審査請求日】2021-10-15
【審判番号】
【審判請求日】2023-05-11
(31)【優先権主張番号】P 2019121489
(32)【優先日】2019-06-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000004064
【氏名又は名称】日本碍子株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000017
【氏名又は名称】弁理士法人アイテック国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】久野 達也
(72)【発明者】
【氏名】竹林 央史
(72)【発明者】
【氏名】相川 賢一郎
【合議体】
【審判長】瀧内 健夫
【審判官】中野 浩昌
【審判官】松永 稔
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-515713(JP,A)
【文献】特開2013-235879(JP,A)
【文献】特開2012-119120(JP,A)
【文献】特開2009-170509(JP,A)
【文献】特開2009-67662(JP,A)
【文献】国際公開第2015/198942(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L21/683
H05B 3/74
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
セラミック焼結体に静電電極が埋設された静電チャックと、
前記静電チャックを冷却する冷却部材と、
前記静電チャックと前記冷却部材との間に設けられ、抵抗発熱体が配線された抵抗発熱体層と前記抵抗発熱体に電力を供給するジャンパ線を有するジャンパ線層とで構成される複数の金属層が多段に埋設されたヒータ層と、
を備え、
前記ヒータ層は、前記金属層同士の間に厚さが2μm以上50μm以下のセラミック絶縁層を有し、
前記セラミック絶縁層の1層当たりの耐電圧は、AC200V以上である、
静電チャックヒータ。
【請求項2】
セラミック焼結体に静電電極が埋設された静電チャックと、
前記静電チャックを冷却する冷却部材と、
前記静電チャックと前記冷却部材との間に設けられ、抵抗発熱体が配線された抵抗発熱体層と前記抵抗発熱体に電力を供給するジャンパ線を有するジャンパ線層とで構成される複数の金属層が多段に埋設されたヒータ層と、
を備え、
前記ヒータ層は、前記金属層同士の間に厚さが2μm以上50μm以下のセラミック絶縁層を有し、
前記セラミック絶縁層の気孔率は、0.5%以下である、
電チャックヒータ。
【請求項3】
セラミック焼結体に静電電極が埋設された静電チャックと、
前記静電チャックを冷却する冷却部材と、
前記静電チャックと前記冷却部材との間に設けられ、抵抗発熱体が配線された抵抗発熱体層と前記抵抗発熱体に電力を供給するジャンパ線を有するジャンパ線層とで構成される複数の金属層が多段に埋設されたヒータ層と、
を備え、
前記ヒータ層は、前記金属層同士の間に厚さが2μm以上50μm以下のセラミック絶縁層を有し、
前記セラミック絶縁層は、エアロゾルデポジション膜である、
静電チャックヒータ。
【請求項4】
前記ヒータ層は、前記セラミック絶縁層を3層以上有する、
請求項1~3のいずれか1項に記載の静電チャックヒータ。
【請求項5】
前記金属層は、エアロゾルデポジション膜である、
請求項1~のいずれか1項に記載の静電チャックヒータ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、静電チャックヒータに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、半導体ウエハの搬送、露光、CVDなどの成膜プロセスや、洗浄、エッチング、ダイシングなどの微細加工においては、ウエハを吸着保持する静電チャックヒータが使用される。こうした静電チャックヒータとして、図3に示すように、セラミック焼結体122に静電電極124や複数の金属層126(抵抗発熱体層を含む)が埋設された静電チャック120と、その静電チャック120を冷却する冷却部材130とを接着層150で接着した静電チャックヒータ110が知られている。その場合、焼成前にセラミックグリーンシートを用いることになるため、寸法崩れを考慮してグリーンシート1枚の厚みをある程度厚くする必要があり、セラミック焼結体122全体の厚みが厚くなるという問題があった。一方、特許文献1には、図4に示すように、セラミック焼結体222に静電電極224が埋設された静電チャック220と、その静電チャック220を冷却する冷却部材230と、静電チャック220と冷却部材230との間に設けられたシートヒータ240とを備えた静電チャックヒータ210も知られている。シートヒータ240は、抵抗発熱体層を含む複数の金属層242が樹脂シート241に多段に埋設されている。シートヒータ240は、静電チャック220及び冷却部材230にそれぞれ接着層250を介して接着されている。図4の静電チャックヒータ210における静電チャック220とシートヒータ240とを合わせた厚みは、図3のセラミック焼結体122の厚みよりも薄くすることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】国際公開第2017/29876号パンフレット
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、静電チャック220と冷却部材230との間に設けられたシートヒータ240は熱抵抗が大きいため、静電チャック220に静電吸着されたウエハにプラズマ入熱等の外部入熱があった場合に迅速に冷却することが難しいという問題があった。
【0005】
本発明はこのような課題を解決するためになされたものであり、外部入熱に対する処理能力を向上させることを主目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の静電チャックヒータは、
セラミック焼結体に静電電極が埋設された静電チャックと、
前記静電チャックを冷却する冷却部材と、
前記静電チャックと前記冷却部材との間に設けられ、抵抗発熱体層を含む複数の金属層が多段に埋設されたヒータ層と、
を備え、
前記ヒータ層は、前記金属層同士の間に厚さが2μm以上50μm以下のセラミック絶縁層を有する、
ものである。
【0007】
この静電チャックヒータでは、ヒータ層は、金属層同士の間に厚さが2μm以上50μm以下のセラミック絶縁層を有する。セラミック絶縁層の厚さがこの数値範囲内であれば、抵抗発熱体層において通常要求される絶縁耐圧を満足する。また、ヒータ層の全体の厚さが薄くなり、ヒータ層の熱容量が小さくなる。更に、セラミックは樹脂に比べて熱伝導性に優れている。その結果、静電チャックと冷却部材との間に設けられたヒータ層の熱抵抗が小さくなり、静電チャックに静電吸着されたウエハにプラズマ入熱等の外部入熱があった場合に迅速に冷却することができる。このように、本発明の静電チャックヒータによれば、外部入熱に対する処理能力が向上する。
【0008】
本発明の静電チャックヒータにおいて、前記セラミック絶縁層の1層当たりの耐電圧は、AC200V以上であることが好ましい。こうすれば、静電チャックヒータとして使用するときに絶縁破壊が起きるのを十分防止することができる。
【0009】
本発明の静電チャックヒータにおいて、前記セラミック絶縁層の気孔率は、0.5%以下であることが好ましい。こうすれば、単位厚み当たりの耐電圧性能を高くすることができ、耐電圧を担保するために必要なヒータ層の厚みを薄くでき、熱抵抗がより小さくなる。
【0010】
本発明の静電チャックヒータにおいて、前記ヒータ層は、前記セラミック絶縁層を3層以上有することが好ましく5層以上有することがより好ましい。こうすれば、多ゾーンヒータ(静電チャックを複数のゾーンに分割しゾーンごとに抵抗発熱体が配置されたもの)を容易に設計することができる。
【0011】
本発明の静電チャックヒータにおいて、前記セラミック絶縁層は、エアロゾルデポジション(AD)膜であってもよい。ADは、微細なセラミック粒子の薄い膜を精度よく形成するのに適している。また、ADは、衝撃固化現象でセラミック粒子を成膜することができるため、セラミック粒子を高温で焼結する必要がない。
【0012】
本発明の静電チャックヒータにおいて、前記金属層は、AD膜、CVD膜、PVD膜、めっき膜であってもよい。金属層は、印刷等で形成してもよいが、AD法(プラズマAD法を含む)、CVD法、PVD法、めっき法などで形成するのが好ましい。これらは、微細な金属粒子の薄い膜を精度よく形成するのに適している。また、これらは、金属粒子を樹脂成分と混合したペーストを使う必要がない。
【0013】
本発明の静電チャックヒータにおいて、前記金属層は、前記抵抗発熱体層に電力を供給するジャンパ線が配線されたジャンパ線層を含んでいてもよい。特に、1つの抵抗発熱体層が複数のゾーンに分割され、ゾーンごとに抵抗発熱体が配置されている場合には、ジャンパ線層を設けることが好ましい。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本実施形態の静電チャックヒータの縦断面図。
図2】実験例で試作したサンプルの縦断面図。
図3】従来の静電チャックヒータの縦断面図。
図4】従来の静電チャックヒータの縦断面図。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の好適な実施形態を、図面を参照しながら以下に説明する。図1は本実施形態の静電チャックヒータの縦断面図である。
【0016】
静電チャックヒータ10は、図1に示すように、静電チャック20と、冷却部材30と、ヒータ層40とを備えている。静電チャック20は、円板状のセラミック焼結体22に静電電極24が埋設されたものであり、静電電極24に電圧が印加されると静電チャック20の上面に載置されたウエハ(図示せず)を静電吸着する。冷却部材30は、内部に冷媒通路(図示せず)を有する金属製の部材であり、静電チャック20を冷却するものである。ヒータ層40は、静電チャック20と冷却部材30との間に設けられ、抵抗発熱体層44a,44bやジャンパ線層46a,46bを含む複数の金属層42が多段に埋設されたものである。ヒータ層40は、静電チャック20のウエハ吸着面とは反対側の面に直接形成され、冷却部材30に接着層50を介して接着されている。
【0017】
ヒータ層40は、金属層42同士の間に厚さが2μm以上50μm以下のセラミック絶縁層48を有する。セラミック絶縁層48は、セラミック粒子を用いてAD法で成膜したAD膜であることが好ましい。AD膜は溶射膜に比べて絶縁性が高く薄くすることができる。金属層42は、金属粒子を用いてAD法で成膜したAD膜やCVD法、PVD法、めっき法で形成されたものであることが好ましい。金属層42としては、上部の抵抗発熱体層44a、上部のジャンパ線層46a、下部のジャンパ線層46b及び下部の抵抗発熱体層44bが含まれる。上部の抵抗発熱体層44aは、多数のゾーンに分割されており、ゾーンごとに抵抗発熱体が配線されている。抵抗発熱体は、一筆書きの要領で一端から他端までそのゾーンの全体に行き渡るように配線されている。下部の抵抗発熱体層44bは、上部の抵抗発熱体層よりも少ない数のゾーンに分割されており、ゾーンごとに抵抗発熱体が配線されている。上部及び下部のジャンパ線層46a,46bは、それぞれ複数のジャンパ線を有している。ジャンパ線は、上部及び下部の抵抗発熱体層44a,44bに含まれる抵抗発熱体のそれぞれにヒータ電源から電力を供給する。
【0018】
以上説明した本実施形態の静電チャックヒータ10では、ヒータ層40は、金属層42同士の間に厚さが2μm以上50μm以下のセラミック絶縁層48を有する。セラミック絶縁層48の厚さがこの数値範囲内であれば、抵抗発熱体層44a,44bに通常要求される絶縁耐圧を満足する。また、ヒータ層40の全体の厚さが薄くなり、ヒータ層40の熱容量が小さくなる。更に、セラミックは樹脂に比べて熱伝導性に優れている。その結果、静電チャック20と冷却部材30との間に設けられたヒータ層40の熱抵抗が小さくなり、静電チャック20に静電吸着されたウエハにプラズマ入熱等の外部入熱があった場合に迅速に冷却することができる。このように、本実施形態の静電チャックヒータ10によれば、外部入熱に対する処理能力が向上する。
【0019】
また、セラミック絶縁層48の1層当たりの耐電圧(絶縁耐圧)は、AC200V以上であることが好ましい。こうすれば、静電チャックヒータ10として使用するときに絶縁破壊が起きるのを十分防止することができる。
【0020】
更に、セラミック絶縁層48の気孔率は、0.5%以下であることが好ましい。こうすれば、単位厚み当たりの耐電圧性能を高くすることができ、耐電圧を担保するために必要なヒータ層の厚みを薄くでき、熱抵抗がより小さくなる。
【0021】
更にまた、ヒータ層40は、セラミック絶縁層48を3層以上有することが好ましく、5層以上有することがより好ましい。こうすれば、多ゾーンヒータを容易に設計することができる。
【0022】
そしてまた、セラミック絶縁層48は、AD膜であることが好ましい。ADは、微細なセラミック粒子の薄い層を精度よく形成するのに適している。また、ADは、衝撃固化現象でセラミック粒子を成膜することができるため、セラミック粒子を高温で焼結する必要がない。
【0023】
そして更に、金属層42は、抵抗発熱体層44a,44bに電力を供給するジャンパ線が配線されたジャンパ線層46a,46bを含んでいる。特に、1つの抵抗発熱体層が複数のゾーンに分割され、ゾーンごとに抵抗発熱体が配置されている場合には、ジャンパ線層を設けることが好ましい。
【0024】
なお、本発明は上述した実施形態に何ら限定されることはなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の態様で実施し得ることはいうまでもない。
【実施例
【0025】
[実験例1-6]
図2に示すように、静電チャック70とヒータ層80とを積層したサンプルSを作製した。静電チャック70は、直径φ300mmのアルミナセラミック焼結体72に静電電極74を埋設した構造とした。アルミナセラミック焼結体72のうち静電電極74を境界にして上側の層を誘電体層72a、下側の層を絶縁層72bと称する。誘電体層72aの厚みは0.4[mm]、絶縁層72bの厚みは0.5[mm]とした。ヒータ層80は、内部に金属層82を6層有する構造とし、金属層82同士の間にアルミナセラミック製の層間絶縁膜84を設け、最下層の金属層82の裏面にアルミナセラミック製の裏面絶縁膜86を設けた。
【0026】
実験例1-4では、まず、静電チャック70を作製した。続いて、その静電チャック70の裏面に金属層82を1層形成したあとAD法でその金属層82を覆うように絶縁膜(層間絶縁膜84)を1層形成した。続いて、絶縁膜の裏面に金属層82を1層形成したあとAD法でその金属層82を覆うように絶縁膜を1層形成する作業を繰り返し行うことにより、サンプルSを作製した。最後の絶縁膜が裏面絶縁膜86となった。実験例5では、AD法の代わりに溶射法を採用した以外は実験例1-4と同様にしてサンプルSを作製した。実験例6では、予め複数のテープ成形体を作製しておき、静電チャック70の裏面に金属層を1層形成したあと1枚のテープ成形体を積層し、更にテープ成形体の裏面に金属層を形成したあとその金属層を覆うように別のテープ成形体を積層する作業を繰り返し行い、最後に全体を焼結させることにより、サンプルSを作製した。
【0027】
各実験例について、誘電体層72aの厚み、絶縁層72bの厚み、金属層82の総数、層間絶縁膜84に関する情報、裏面絶縁膜86の厚み及びサンプルSに関する情報を表1にまとめた。層間絶縁膜84に関する情報としては、材料、層数、製造方法、厚み、耐電圧及び総厚を示した。耐電圧は、層間絶縁膜84の両側にACの電位差を印加することにより測定した。また、サンプルSに関する情報としては、合計の厚み、熱抵抗(抜熱性能)及び1kWで50℃昇温するのに必要な時間(理論値)を示した。なお、表1のサンプル全体の合計厚は、6層分の金属層の厚みを考慮していない値である。
【0028】
【表1】
【0029】
層間絶縁膜84(AD膜)の厚さが2μm、50μmの実験例1,2では、1層あたり通常要求される耐電圧(AC200V以上)を満足した。また、ヒータ層80の全体の厚さ(層間絶縁膜84の総厚と裏面絶縁膜86との和)が0.3mm以下と薄く、ヒータ層80の熱容量及び熱抵抗が小さくなり、1kWで50℃昇温するのに必要な時間も短かった。一方、層間絶縁膜84(AD膜)の厚さが1.5μmの実験例3では、1層あたり通常要求される耐電圧を下回った。また、層間絶縁膜84(AD膜)の厚さが60μmの実験例4では、割れが発生した。割れの原因は、AD膜の内部応力が高くなったことによると考えられる。以上のことから、層間絶縁膜84の厚さは2μm以上50μm以下が好ましいことがわかった。
【0030】
層間絶縁膜84(溶射膜)の厚さが50μmの実験例5では、1層あたり通常要求される耐電圧(AC200V以上)を満足した。ヒータ層80の全体の厚さも0.5mm以下と薄く、ヒータ層80の熱容量及び熱抵抗が比較的小さく、1kWで50℃昇温するのに必要な時間も比較的短かった。但し、その時間はAD膜よりも若干長かった。その原因は、溶射膜の気孔率は数%であり、AD膜の気孔率(0.5%以下)と比べて高かったことによると考えられる。
【0031】
層間絶縁膜84としてテープ成形後焼成して得た膜を採用した実験例6では、1層あたり通常要求される耐電圧(AC200V以上)を満足したものの、ヒータ層80の全体の厚さは1.25mmと厚く、ヒータ層80の熱容量及び熱抵抗が大きくなり、1kWで50℃昇温するのに必要な時間は長くなった。表1には示していないが、テープ成形の代わりに粉末成形を用いた場合も、ヒータ層80の全体の厚さは3mmと更に厚くなり、1kWで50℃昇温するのに必要な時間は40秒を超えた。なお、テープ成形や粉末成形を用いた製法では、焼成歪みによってセラミック内部での埋設位置がバラツクため、層間絶縁膜84はAD法や溶射法で製作した際よりも更に分厚くする必要がある。これにより、熱容量及び熱抵抗が大きくなる。
【0032】
なお、実験例1,2,5が本発明の実施例に相当し、実験例3,4,6が比較例に相当する。これらの実施例は本発明を何ら限定するものでないことは言うまでもない。
【0033】
本出願は、2019年6月28日に出願された日本国特許出願第2019-121489号を優先権主張の基礎としており、引用によりその内容の全てが本明細書に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0034】
本発明の静電チャックヒータは、例えば、半導体ウエハの搬送、露光、CVDなどの成膜プロセスや、洗浄、エッチング、ダイシングなどの微細加工に利用可能である。
【符号の説明】
【0035】
10 静電チャックヒータ、20 静電チャック、22 セラミック焼結体、24 静電電極、30 冷却部材、40 ヒータ層、42 金属層、44a,44b 抵抗発熱体層、46a,46b ジャンパ線層、48 セラミック絶縁層、50 接着層、70 静電チャック、72 アルミナセラミック焼結体、72a 誘電体層、72b 絶縁層、74 静電電極、80 ヒータ層、82 金属層、84 層間絶縁膜、86 裏面絶縁膜、110 静電チャックヒータ、120 静電チャック、122 セラミック焼結体、124 静電電極、126 金属層、130 冷却部材、150 接着層、210 静電チャックヒータ、220 静電チャック、222 セラミック焼結体、224 静電電極、230 冷却部材、240 シートヒータ、241 樹脂シート、242 金属層、250 接着層、S サンプル。
図1
図2
図3
図4