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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-16
(45)【発行日】2024-07-24
(54)【発明の名称】アンタゴニスト
(51)【国際特許分類】
   C07K 16/40 20060101AFI20240717BHJP
   C12N 15/13 20060101ALI20240717BHJP
   C12P 21/08 20060101ALI20240717BHJP
   C12N 15/85 20060101ALI20240717BHJP
   C12N 5/10 20060101ALI20240717BHJP
   A61K 39/395 20060101ALI20240717BHJP
   A61P 3/06 20060101ALI20240717BHJP
   A61P 3/04 20060101ALI20240717BHJP
   A61P 3/10 20060101ALI20240717BHJP
   A61P 9/10 20060101ALI20240717BHJP
   A61P 1/16 20060101ALI20240717BHJP
   A61P 5/14 20060101ALI20240717BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20240717BHJP
   C07D 207/34 20060101ALN20240717BHJP
   C07D 309/30 20060101ALN20240717BHJP
   C07D 215/14 20060101ALN20240717BHJP
   C07D 239/42 20060101ALN20240717BHJP
   C07D 213/80 20060101ALN20240717BHJP
【FI】
C07K16/40 ZNA
C12N15/13
C12P21/08
C12N15/85 Z
C12N5/10
A61K39/395 N
A61P3/06
A61P3/04
A61P3/10
A61P9/10 101
A61P1/16
A61P5/14
A61P43/00 121
C07D207/34
C07D309/30 R
C07D215/14
C07D239/42 Z
C07D213/80
【請求項の数】 39
(21)【出願番号】P 2021536210
(86)(22)【出願日】2019-12-18
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-02-14
(86)【国際出願番号】 GB2019053607
(87)【国際公開番号】W WO2020128467
(87)【国際公開日】2020-06-25
【審査請求日】2022-12-16
(31)【優先権主張番号】1820687.0
(32)【優先日】2018-12-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(73)【特許権者】
【識別番号】512006066
【氏名又は名称】カイマブ・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】アラン・ブラッドリー
(72)【発明者】
【氏名】キ・リアン
(72)【発明者】
【氏名】イー-チアン・リー
(72)【発明者】
【氏名】リ-イン・リオウ
(72)【発明者】
【氏名】ユ-ホイ・ファン
(72)【発明者】
【氏名】イェン-ジュ・チェン
(72)【発明者】
【氏名】リ-ツ・チェン
【審査官】鳥居 敬司
(56)【参考文献】
【文献】特表2016-528193(JP,A)
【文献】国際公開第2017/063593(WO,A1)
【文献】特表2017-502030(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07K 16/00-16/46
C12N 15/00-15/90
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
CAplus/REGISTRY/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロタンパク質転換酵素サブチリシンケキシン9型(PCSK9)に特異的に結合する結合部位を含む抗体または断片であって、前記結合部位は、
(i)配列番号263もしくは277を含むCDRH1、配列番号267もしくは281を含むCDRH2、および配列番号271もしくは285を含むCDRH3を含むVHドメイン、ならびに
配列番号293もしくは307を含むCDRL1、配列番号297もしくは311を含むCDRL2、および配列番号301もしくは315を含むCDRL3を含むVLドメイン;または
(ii)配列番号323もしくは337を含むCDRH1、配列番号327もしくは341を含むCDRH2、および配列番号331もしくは345を含むCDRH3を含むVHドメイン、ならびに
配列番号353もしくは367を含むCDRL1、配列番号357もしくは371を含むCDRL2、および配列番号361もしくは375を含むCDRL3を含むVLドメイン;または
(iii)配列番号7もしくは21を含むCDRH1、配列番号11もしくは25を含むCDRH2、および配列番号15もしくは29を含むCDRH3を含むVHドメイン、ならびに
配列番号39もしくは53を含むCDRL1、配列番号43もしくは57を含むCDRL2、および配列番号47もしくは61を含むCDRL3を含むVLドメイン;または
(iv)配列番号69もしくは83を含むCDRH1、配列番号73もしくは87を含むCDRH2、および配列番号77もしくは91を含むCDRH3を含むVHドメイン、ならびに
配列番号99もしくは113を含むCDRL1、配列番号103もしくは117を含むCDRL2、および配列番号107もしくは121を含むCDRL3を含むVLドメイン;または
(v)配列番号203もしくは217を含むCDRH1、配列番号207もしくは221を含むCDRH2、および配列番号211もしくは225を含むCDRH3を含むVHドメイン、ならびに
配列番号233もしくは247を含むCDRL1、配列番号237もしくは251を含むCDRL2、および配列番号241もしくは255を含むCDRL3を含むVLドメイン
を含む、抗体または断片。
【請求項2】
前記結合部位が、
(i)配列番号259、319、1、65もしくは199;または前記配列と少なくとも70%同一であるアミノ酸を含むVHドメイン;および/あるいは
(ii)配列番号289、349、33、95もしくは229;または前記配列と少なくとも70%同一であるアミノ酸を含むVLドメイン;および/あるいは
(iii)配列番号289を含むVLドメインと対になった配列番号259を含むVHドメイン;あるいは
(iv)配列番号349を含むVLドメインと対になった配列番号319を含むVHドメイン
を含む、請求項1に記載の抗体または断片。
【請求項3】
前記VHドメインの第1および第2のコピーを含む、請求項1または2に記載の抗体または断片。
【請求項4】
配列番号189~194から選択されるアミノ酸配列を含むPCSK9に特異的に結合する、請求項1~3のいずれか一項に記載の抗体または断片。
【請求項5】
ヒト定常領を含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の抗体または断片。
【請求項6】
前記定常領域がIgG4-PE定常領域である、請求項5に記載の抗体または断片。
【請求項7】
別の標的抗原に特異的に結合する抗原結合部位をさらに含む、請求項1~6のいずれか一項に記載の抗体または断片。
【請求項8】
請求項1~7のいずれか一項に記載の抗PCSK9抗体または断片を含む剤であって、対象におけるPCSK9媒介疾患または状態を処置または防止するための剤。
【請求項9】
前記疾患または状態が、高コレステロール血症、高脂血症、脂質異常症、胆汁うっ滞性肝疾患、ネフローゼ症候群、甲状腺機能低下症、肥満、糖尿病、アテローム性動脈硬化症または心血管疾患から選択される、請求項8に記載の剤。
【請求項10】
スタチンと同時にまたは連続して前記対象に投与される、請求項8または9に記載の剤。
【請求項11】
ある量の抗PCSK9抗体または断片およびある量のスタチンの組み合わせ物であって、前記抗体または断片は請求項1~7のいずれか一項に記載のものである、組み合わせ物。
【請求項12】
請求項1~7のいずれか一項に記載の抗体もしくは断片を含む剤、または請求項11に記載の組み合わせ物であって、以前に第1の用量でスタチン治療レジメンを受けていた対象における高コレステロール血症を処置または防止するための剤または組み合わせ物であり、前記対象に投与されるスタチンの用量が、前記第1の用量と比較して、低減する、または前記対象にスタチンを投与しない、剤または組み合わせ物。
【請求項13】
前記対象に投与されるスタチンの用量が、前記第1の用量と比較して、10~20mg、または60mg未満の1日量へと低減する、請求項12に記載の組み合わせ物。
【請求項14】
請求項1~7のいずれか一項に記載の抗体もしくは断片を含む剤、または請求項11に記載の組み合わせ物であって、コレステロールの上昇に苦しむヒトまたは動物の対象に投与するための、あるいは前記対象が抗PCSK9抗体または断片を投与された後に前記対象の血漿低密度リポタンパク質コレステロール(LDL-C)レベルを低下させるための剤または組み合わせ物。
【請求項15】
PCSK9媒介疾患または状態を処置または防止するための、請求項11に記載の組み合わせ物。
【請求項16】
前記PCSK9媒介疾患または状態が高コレステロール血症である、請求項15に記載の組み合わせ物。
【請求項17】
前記対象が、さらなる治療をさらに受けている、請求項8~16のいずれか一項に記載の剤または組み合わせ物。
【請求項18】
請求項1~7のいずれか一項に記載の抗体もしくは断片または請求項11に記載の組み合わせ物、ならびに薬学的に許容される賦形剤、希釈剤または担体を含む、医薬組成物。
【請求項19】
PCSK9媒介状態または疾患を処置および/または防止するための、請求項18に記載の医薬組成物。
【請求項20】
ラベルまたは説明書と組み合わせた、請求項19に記載の医薬組成物。
【請求項21】
請求項1~7のいずれか一項に記載される抗体または断片のVHドメインおよび/またはVLドメインをコードする核酸。
【請求項22】
(a)配列番号259、319、1、65もしくは199を含むVHドメインのアミノ酸配列;またはそれと少なくとも70%同一であるアミノ酸を含むVHドメインをコードする;あるいは
(b)配列番号289、349、33、95もしくは229を含むVLドメインのアミノ酸配列;またはそれと少なくとも70%同一であるアミノ酸を含むVLドメインをコードする;あるいは
(c)配列番号260または320の配列と少なくとも70%同一であるヌクレオチド配列を有する;あるいは
(d)請求項1~7のいずれか一項に記載の抗体または断片の重鎖および/または軽鎖をコードする;あるいは
(e)配列番号259または319と少なくとも70%同一であるVHアミノ酸配列;およびIGHG4配列と少なくとも70%同一であるC領域アミノ酸配列を含む重鎖をコードする;あるいは
(f)配列番号289または349と少なくとも70%同一であるVLアミノ酸配列;およびIGKC配列と少なくとも70%同一であるC領域アミノ酸配列を含む軽鎖をコードする
請求項21に記載の核酸。
【請求項23】
請求項21または22に記載の核酸を含むベクター。
【請求項24】
請求項21または22に記載の核酸または請求項23に記載のベクターを含む宿主細胞。
【請求項25】
前記ヒト定常領域がIgG4定常領域またはIgG1定常領域である、請求項5に記載の抗体または断片。
【請求項26】
前記IgG4-PE定常領域が配列番号3または152のアミノ酸配列を含む、請求項6に記載の抗体または断片。
【請求項27】
前記標的抗原がANGPTL3である、請求項7に記載の抗体または断片。
【請求項28】
複数回投与の抗体および/またはスタチンを含む、請求項11に記載の組み合わせ物。
【請求項29】
前記1日量が10mgまたは40mgである、請求項13に記載の組み合わせ物。
【請求項30】
前記さらなる治療がさらなる治療薬である、請求項17に記載の剤または組み合わせ物。
【請求項31】
前記さらなる治療薬が、
a.スタチン;
b.ANGPTL3阻害剤;
c.フィブラート;
d.胆汁酸封鎖剤;
e.ニコチン酸;および
f.ナイアシンからなる群から選択される、請求項30に記載の剤または組み合わせ物。
【請求項32】
前記ANGPTL3阻害剤が抗ANGPTL3抗体またはエビナクマブである、請求項31に記載の剤または組み合わせ物。
【請求項33】
請求項31または32に定義された薬剤から選択されるさらなる治療薬と組み合わされた、請求項18に記載の医薬組成物。
【請求項34】
前記PCSK9媒介状態または疾患が高コレステロール血症である、請求項19に記載の医薬組成物。
【請求項35】
前記ラベルまたは説明書が販売承認番号を含む、請求項20に記載の医薬組成物。
【請求項36】
前記販売承認番号がFDAまたはEMA承認番号である、請求項35に記載の医薬組成物。
【請求項37】
抗体または断片を含むIVまたは注射デバイスとも組み合わされた、請求項36に記載の医薬組成物。
【請求項38】
前記重鎖のC領域アミノ酸配列が配列番号3または152と少なくとも70%同一である、請求項22に記載の核酸。
【請求項39】
前記軽鎖のC領域アミノ酸配列が配列番号156と少なくとも70%同一である、請求項22に記載の核酸。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、抗体および断片等のプロタンパク質転換酵素サブチリシンケキシン9型(PCSK9)アンタゴニスト、ならびに方法、使用および組み合わせに関する。
【背景技術】
【0002】
プロタンパク質転換酵素サブチリシンケキシン9型(PCSK9)は、低密度リポタンパク質受容体(LDLR)タンパク質のレベルの調節に関与するセリンプロテアーゼである(Horton et al.,2007;Seidah and Prat,2007)。インビトロ実験は、PCSK9をHepG2細胞に添加すると、細胞表面LDLRのレベルが低下することを示している(Benjannet et al.,2004;Lagace et al.,2006;Maxwell et al.,2005;Park et al.,2004)。マウスを使った実験では、PCSK9タンパク質レベルを上げると肝臓のLDLRタンパク質レベルが下がることが示されており(Benjannet et al.,2004;Lagace et al.,2006;Maxwell et al.,2005;Park et al.,2004)、PCSK9ノックアウトマウスでは、肝臓のLDLRレベルが上昇することが示されている(Rashid et al.,2005)。さらに、血漿LDLのレベルの増加または減少をもたらす様々なヒトPCSK9突然変異が同定されている(Kotowski et al.,2006;Zhao et al.,2006)。PCSK9は、LDLRタンパク質と直接相互作用し、LDLRとともにエンドサイトーシスを受け、エンドソーム経路全体でLDLRと共免疫蛍光を発することが示されている(Lagace et al.,2006)。
【0003】
PCSK9は、セリンプロテアーゼのサブチリシン(S8)ファミリーのプロホルモン-プロタンパク質転換酵素である(Seidah et al.,2003)。ヒトは、S8AサブファミリーおよびS8Bサブファミリーに分けることができる9つのプロホルモン-プロタンパク質転換酵素を有する(Rawlings et al.,2006)。フリン、PC1/PC3、PC2、PACE4、PC4、PC5/PC6およびPC7/PC8/LPC/SPC7はサブファミリーS8Bに分類される。マウスフリンおよびPC1とは異なるドメインの結晶およびNMR構造により、サブチリシン様のプロドメインおよび触媒ドメイン、ならびに触媒ドメインに対し直接C末端にあるPドメインが明らかである(Henrich et al.,2003;Tangrea et al.,2002)。このサブファミリー内のアミノ酸配列の類似性に基づいて、7つのメンバーすべてが同様の構造を有すると予測される(Henrich et al.,2005)。SKI-1/S1PおよびPCSK9は、サブファミリーS8Aに分類される。これらのタンパク質との配列比較もまた、サブチリシン様のプロドメインおよび触媒ドメインの存在を示唆している(Sakai et al.,1998;Seidah et al.,2003;Seidah et al.,1999)。これらのタンパク質では、触媒ドメインに対してC末端のアミノ酸配列はより可変的であり、Pドメインの存在を示唆していない。
【0004】
プロホルモン-プロタンパク質転換酵素はチモーゲンとして発現され、多段階プロセスを通じて成熟する。このプロセスにおけるプロドメインの機能は2つある。プロドメインは最初にシャペロンとして機能し、触媒ドメインの適切な折り畳みに必要である(Ikemura et al.,1987)。触媒ドメインが折り畳まれると、プロドメインと触媒ドメインとの間で自己触媒作用が生じる。この最初の切断反応の後、プロドメインは触媒ドメインに結合したままであり、そこで触媒活性の阻害剤として作用する(Fu et al.,2000)。条件が正しければ、成熟はプロドメイン内の部位での2回目の自己触媒イベントと共に進行する(Anderson et al.,1997)。この2回目の切断イベントが発生した後、プロドメインおよび触媒ドメインは解離し、活性プロテアーゼが生じる。
【0005】
PCSK9チモーゲンの自己触媒作用はGln152とSer153との間で生じ(VFAQ|SIP(配列番号67))(Naureckiene et al.,2003)、細胞からの分泌に必要であることが示されている(Seidah et al.,2003)。PCSK9のプロドメイン内の部位での2回目の自己触媒イベントは観察されていない。精製されたPCSK9は、非還元SDS-PAGEで分離され得る2つの種、17Kdのプロドメインおよび65Kdの触媒プラスC末端ドメインで構成されている。PCSK9は、その阻害性プロドメインなしでは単離されておらず、PCSK9の触媒活性の測定値は変動している(Naureckiene et al.,2003;Seidah et al.,2003)。
【0006】
ある特定の実施形態では、PCSK9ポリペプチドは、リーダー配列残基、標的化残基、アミノ末端メチオニン残基、リジン残基、タグ残基および/または融合タンパク質残基等であるがこれらに限定されない末端残基を含む。「PCSK9」は、FH3、NARC1、HCHOLA3、プロタンパク質転換酵素サブチリシン/ケキシン9型、および神経アポトーシス調節転換酵素1とも呼ばれている。PCSK9遺伝子は、分泌型サブチラーゼファミリーのプロテイナーゼKサブファミリーに属するプロタンパク質転換酵素タンパク質をコードする。「PCSK9」という用語は、プロタンパク質と、プロタンパク質の自己触媒作用の後に生成される生成物の両方を意味する。自己触媒生成物のみが参照されている場合(抗原結合タンパク質または切断されたPCSK9に結合するリガンド等)、タンパク質は「成熟」、「切断」、「処理済み」または「活性」PCSK9と呼ばれることがある。不活性形態のみが言及されている場合、タンパク質は、PCSK9の「不活性」、「プロ型」、または「未処理」形態と呼ばれることがある。PCSK9という用語はまた、グリコシル化されたPCSK9配列、そのシグナル配列が切断されたPCSK9配列、そのプロドメインが触媒ドメインから切断されているが触媒ドメインから分離されていないPCSK9配列等の、PCSK9アミノ酸配列の翻訳後修飾を組み込んだPCSK9分子を包含する(例えば、US2012/0093818A1の図1Aおよび1Bを参照されたい)。
【0007】
PCSK9は、受容体のリソソーム分解を促進することにより、肝臓での低密度リポタンパク質(LDL)受容体の発現を制御する。PCSK9を阻害すると、肝細胞のLDL受容体の発現が増加し、肝臓によるLDL粒子のクリアランスが増加することで血漿コレステロールレベルが低下する。PCSK9に対するモノクローナル抗体による処置は、スタチン処置に反応しない高脂血症または高コレステロール血症と診断された患者に対する臨床的に成功した治療的介入である。抗PCSK9抗体アリロクマブは、Regeneron Pharmaceuticals,IncからPraluent(商標)の名称で販売されている。抗PCSK9抗体エボロクマブはAmgen,IncからRepatha(商標)の名称で販売されている。
【0008】
発明の概要
第1の構成では、本発明は以下を提供する。
プロタンパク質転換酵素サブチリシンケキシン9型(PCSK9)に特異的に結合する結合部位を含む抗体または断片であって、結合部位は、ヒトVH遺伝子セグメント、DH遺伝子セグメントおよびJH遺伝子セグメントの組換えに由来するヌクレオチド配列によってコードされるVHドメインを含み、VH遺伝子セグメントは、IGHV4-31、IGHV4-59、IGHV4-4およびIGHV3-9から選択される、抗体または断片。
【0009】
第2の構成では、本発明は以下を提供する。
PCSK9に特異的に結合し、本発明による抗PCSK9抗体のCDRH3配列、または3つ、2つもしくは1つのアミノ酸置換を含む前記CDRH3配列を含む抗体または断片。
【0010】
第3の構成では、本発明は以下を提供する。
PCSK9に特異的に結合し、CL-274711、CL-148219QLT、CL-274698、CL-148219およびCL-148489から選択される抗体(例えば、CL-274711もしくはCL-148219QLT)のCDRH3配列;または3つ、2つもしくは1つのアミノ酸置換を含む前記配列を含むVHドメインを含む(任意選択で請求項1~2のいずれか一項に記載の)抗体または断片。
【0011】
第4の構成では、本発明は以下を提供する。
PCSK9に特異的に結合する結合部位を含む抗体または断片であって、結合部位は、CL-274711、CL-148219QLT、CL-274698、CL-148219およびCL-148489から選択される抗体(例えばCL-274711もしくはCL-148219QLT)のVHドメインのアミノ酸配列;またはそれと少なくとも70%同一であるアミノ酸を含むVHドメインを含む、抗体または断片。
【0012】
第5の構成では、本発明は以下を提供する。
PCSK9に特異的に結合する結合部位を含む(任意選択で請求項1~4のいずれか一項に記載の)抗体または断片であって、結合部位は、ヒトVL遺伝子セグメントおよびJL遺伝子セグメントの組換えに由来するヌクレオチド配列によってコードされるVLドメインを含み、VL遺伝子セグメントは、IGKV3-11、IGKV2-28およびIGKV2-29から選択される、抗体または断片。
【0013】
第6の構成では、本発明は以下を提供する。
PCSK9に特異的に結合し、本発明の抗PCSK9抗体のCDRL3配列を含む抗体または断片であって、前記CDRL3配列は3つ、2つまたは1つのアミノ酸置換を含む抗体または断片。
【0014】
第7の構成では、本発明は以下を提供する。
PCSK9に特異的に結合し、CL-274711、CL-148219QLT、CL-274698、CL-148219およびCL-148489から選択される抗体(例えばCL-274711もしくはCL-148219QLT)のCDRL3(および任意選択でCDRH3)配列;または、それぞれ3つ、2つ、もしくは1つのアミノ酸置換を含む前記配列を含むVLドメインを含む抗体または断片。
【0015】
第8の構成では、本発明は以下を提供する。
PCSK9に特異的に結合する結合部位を含む抗体または断片であって、結合部位は、CL-274711、CL-148219QLT、CL-274698、CL-148219およびCL-148489から選択される抗体(例えばCL-274711もしくはCL-148219QLT)のVLドメインのアミノ酸配列;またはそれと少なくとも70%同一であるアミノ酸を含むVLドメインを含む、抗体または断片。
【0016】
第9の構成では、本発明は以下を提供する。
PCSK9に特異的に結合し、CL-274711、CL-148219QLT、CL-274698、CL-148219およびCL-148489から選択される抗体(例えばCL-274711もしくはCL-148219QLT)の重鎖アミノ酸配列;またはそれと少なくとも70%同一であるアミノ酸を含む抗体または断片。
【0017】
第10の構成では、本発明は以下を提供する。
PCSK9に特異的に結合し、CL-274711、CL-148219QLT、CL-274698、CL-148219およびCL-148489から選択される抗体(例えばCL-274711もしくはCL-148219QLT)の軽鎖アミノ酸配列;またはそれと少なくとも70%同一であるアミノ酸を含む抗体または断片。
【0018】
第11の構成では、本発明は以下を提供する。
本発明の抗体(例えばCL-274711またはCL-148219QLT)が結合するエピトープと同一であるヒトPCSK9エピトープに特異的に結合する抗体または断片。
【0019】
第12の構成では、本発明は以下を提供する。
ヒトPCSK9への結合について本発明の抗体と競合する抗体または断片。
【0020】
第13の構成において、本発明は以下を提供する。
対象におけるPCSK9媒介疾患または状態(任意選択で高脂血症または高コレステロール血症)を処置または防止するための、本発明の抗PCSK9抗体または断片。
【0021】
第14の構成において、本発明は以下を提供する。
ある量の抗PCSK9抗体または断片およびある量のスタチン(任意選択で、前記抗体および/またはスタチンの複数回投与を含む)の組み合わせであって、抗体または断片は本発明によるものである組み合わせ。
【0022】
ある量の抗PCSK9抗体または断片およびある量のANGPTL3阻害剤(例えば抗ANGPTL3抗体、例えばエビナクマブ)(任意選択で、前記抗体および/またはスタチンの複数回投与を含む)の組み合わせであって、抗体または断片は本発明によるものである組み合わせ。任意選択で、組み合わせはまた、スタチンを含む。
【0023】
第15の構成において、本発明は以下を提供する。
PCSK9媒介疾患または状態、任意選択で高脂血症または高コレステロール血症を処置または防止するために対象に投与するための医薬の製造における、本発明の抗体、断片または組み合わせの使用。
【0024】
第16の構成では、本発明は以下を提供する。
対象におけるPCSK9媒介疾患または状態(任意選択で高脂血症または高コレステロール血症)を処置または防止する方法であって、治療有効量の本発明の抗体、断片または組み合わせを前記対象に投与することを含み、PCSK9媒介疾患または状態がそれによって処置または防止される方法。
【0025】
第17の構成において、本発明は以下を提供する。
本発明の抗体、断片または組み合わせ、および薬学的に許容される賦形剤、希釈剤または担体を含む医薬組成物。
【0026】
第18の構成において、本発明は以下を提供する。
本発明の抗体または断片のVHドメインおよび/またはVLドメインをコードする核酸。
【0027】
第19の構成において、本発明は以下を提供する。
CL-274711、CL-148219QLT、CL-274698、CL-148219およびCL-148489から選択される抗体(例えばCL-274711もしくはCL-148219QLT)のVHドメインのアミノ酸配列;またはそれと少なくとも70%同一であるアミノ酸を含むVHドメインをコードする核酸。
【0028】
第20の構成では、本発明は以下を提供する。
本発明の抗体または断片の重鎖および/または軽鎖をコードする核酸。
【0029】
第21の構成において、本発明は以下を提供する。
核酸を含むベクターであって、任意選択でCHOまたはHEK293ベクターであるベクター。
【0030】
第22の構成において、本発明は以下を提供する。
核酸またはベクターを含む宿主細胞。
【0031】
第23の構成において、本発明は以下を提供する。
本明細書に記載の抗体、断片、組み合わせ、ベクター、宿主細胞、使用または方法。
【図面の簡単な説明】
【0032】
図1】ベンチマーク抗体に対するCL-148219 hPCSK9中和を示す図である。
図2】ベンチマーク抗体に対するLDL取り込みのCL-148219回復を示す図である。
図3】ベンチマーク抗体に対するCL-148219親和性を示す図である。
図4】ベンチマーク抗体に対するCL-148219血漿非HDL低減を示す図である。
図5】ベンチマーク抗体に対するCL-148489 hPCSK9中和を示す図である。
図6】ベンチマーク抗体に対するLDL取り込みのCL-148489回復を示す図である。
図7】ベンチマーク抗体に対するCL-148489親和性を示す図である。
図8】ベンチマーク抗体に対するCL-148489血漿非HDL低減を示す図である。
図9】研究デザインを示す図である。
図10】総コレステロールを示す図である。
図11】総非HDLコレステロールを示す図である。
図12】HDLコレステロールを示す図である。
図13】トリグリセリドを示す図である。
図14】リン脂質およびコレステロールのプロファイルを示す図である。
図15】0.15%のコレステロールおよび15%の飽和脂肪を含む西洋型食餌が与えられたAPOE*3Leiden.CETPトランスジェニックマウスにおける、CL-148219QLT、ベンチマーク抗体F(市販の抗体)の単回1mg/kg皮下投薬、またはアイソタイプ対照の10mg/kgの単回皮下投薬の、総コレステロールレベル(±SEM)に対する影響を示す図である。
図16】0.15%のコレステロールおよび15%の飽和脂肪を含む西洋型食餌が与えられたAPOE*3Leiden.CETPトランスジェニックマウスにおける、CL-148219QLT、ベンチマーク抗体Fの単回3mg/kg皮下投薬、またはアイソタイプ対照の10mg/kgの単回皮下投薬の、総コレステロールレベル(±SEM)に対する影響を示す図である。
図17】0.15%のコレステロールおよび15%の飽和脂肪を含む西洋型食餌が与えられたAPOE*3Leiden.CETPトランスジェニックマウスにおける、CL-148219QLT、ベンチマーク抗体Fまたはアイソタイプ対照の単回10mg/kg皮下投薬の、総コレステロールレベル(±SEM)に対する影響を示す図である。
図18】0.15%のコレステロールおよび15%の飽和脂肪を含む西洋型食餌が与えられたAPOE*3Leiden.CETPトランスジェニックマウスにおける、総コレステロール値(±SEM)に対するCL-148219QLTの単回1mg/kg皮下投薬の効果とベンチマーク抗体Fの1および3mg/kg投薬の効果との比較を示す図である。
図19】0.15%のコレステロールおよび15%の飽和脂肪を含む西洋型食餌が与えられたAPOE*3Leiden.CETPトランスジェニックマウスにおける、総コレステロール値(±SEM)に対するCL-148219QLTの単回3mg/kg皮下投薬の効果とベンチマーク抗体Fの3および10mg/kg投薬の効果との比較を示す図である。
図20】0.15%のコレステロールおよび15%の飽和脂肪を含む西洋型食餌が与えられたAPOE*3Leiden.CETPトランスジェニックマウスにおける、CL-148219QLT/ベンチマーク抗体Fの単回1mg/kg(A)、3mg/kg(B)もしくは10mg/kg(C)皮下投薬、CL-274711の1mg/kgおよび3mg/kg(A、B)または10mg/kgのアイソタイプ対照の、非HDLコレステロールレベル(±SEM)に対する影響を示す図である。
図21】0.15%のコレステロールおよび15%の飽和脂肪を含む西洋型食餌が与えられたAPOE*3Leiden.CETPトランスジェニックマウスにおける、非HDLコレステロールレベル(±SEM)に対するCL-148219QLTの単回1mg/kg(A)および3mg/kg(B)皮下投薬の効果とベンチマーク抗体Fの1および3mg/kg(A)または3および10mg/kg(B)投薬の効果との比較を示す図である。
図22】0.15%のコレステロールおよび15%の飽和脂肪を含む西洋型食餌が与えられたAPOE*3Leiden.CETPトランスジェニックマウスにおける、ベンチマーク抗体F/CL-148219QLTの単回皮下1、3もしくは10mg/kg投薬、CL-274711の3もしくは10mg/kg、またはアイソタイプ対照の10mg/kg投薬後のリポタンパク質プロファイル(A-VLDLコレステロール、B-VLDLリン脂質、C-LDLコレステロール、D-LDLリン脂質)を示す図である。
図23】雄のC57/Bl6マウスにおけるベンチマーク抗体F、CL-148219QLTまたはCL-274711の単回3mg/kg皮下投薬後の経時的な抗体濃度(±SEM)を示す図である。図1.CL-148219は、インビトロでの細胞ベースのアッセイにおいてベンチマークよりもヒトPCSK9内在化を神経化した。HepG2細胞を、アイソタイプ対照、ベンチマーク、またはCL-148219の存在下でAF647標識化ヒトPCSK9機能獲得突然変異体で処理した後、BODIPY LDLで処理した。次いで細胞を収集し、AF647の蛍光シグナルをCytoFlex(商標)フローサイトメーターで検出した。
図24】CL-148219は、インビトロでの細胞ベースのアッセイにおいてベンチマークよりもヒトPCSK9内在化を神経化した。HepG2細胞を、アイソタイプ対照、ベンチマーク、またはCL-148219の存在下でAF647標識化ヒトPCSK9機能獲得突然変異体で処理した後、BODIPY LDLで処理した。次いで細胞を収集し、AF647の蛍光シグナルをCytoFlex(商標)フローサイトメーターで検出した。
図25】CL-148219は、インビトロでの細胞ベースのアッセイにおいてベンチマークよりもLDL取り込みを増加させた。HepG2細胞を、アイソタイプ対照、ベンチマーク、またはCL-148219の存在下でAF647標識化ヒトPCSK9機能獲得突然変異体で処理した後、BODIPY LDLで処理した。次いで細胞を収集し、BODIPYの蛍光シグナルをCytoFlexフローサイトメーターで検出した。
図26】CL-148219の親和性を示す図である。親和性はKDによって決定された。CL-148219のKDは、Proteon(商標)SPR分析システムによってpH7.6でヒトおよびマウスPCSK9に対して測定された。
図27】CL-148219は、高脂血症マウスモデル(E3L.CETPマウス)のベンチマークと比較して、非HDLコレステロールを低下させる優れた機能を示した。E3L.CETPマウスを西洋型食餌で4週間処置した後、抗体を注射した。Ab注射後の異なる時点で採血し、血漿HDL量および総コレステロールを測定した。次いで、総コレステロールからHDLを差し引くことにより、血漿非HDLコレステロールの量を計算した。
図28】CL-148219QLTは、インビトロでの細胞ベースのアッセイにおいてベンチマークよりも多くのヒトPCSK9内在化を神経化した。HepG2細胞を、アイソタイプ対照、ベンチマーク、またはCL-148219QLTの存在下でAF647標識化ヒトPCSK9機能獲得突然変異体で処理した後、BODIPY LDLで処理した。次いで細胞を収集し、AF647の蛍光シグナルをCytoFlexフローサイトメーターで検出した。
図29】CL-148219QLTは、インビトロでの細胞ベースのアッセイにおいてベンチマークよりも良好にLDL取り込みを増加させた。HepG2細胞を、アイソタイプ対照、ベンチマーク、またはCL-148219QLTの存在下でAF647標識化ヒトPCSK9機能獲得突然変異体で処理した後、BODIPY LDLで処理した。次いで細胞を収集し、BODIPYの蛍光シグナルをCytoFlexフローサイトメーターで検出した。
図30】CL-148219QLTの親和性を示す図である。親和性はKDによって決定された。CL-148219QLTのKDは、Proteon SPR分析システムによってpH7.6でヒトおよびマウスPCSK9に対して測定された。
図30】CL-148219QLTは、高脂血症マウスモデル(E3L.CETPマウス)のベンチマークと比較して、非HDLコレステロールを低下させる優れた機能を示した。E3L.CETPマウスを西洋型食餌で4週間処置した後、抗体を注射した。Ab注射後の異なる時点で採血し、血漿HDL量および総コレステロールを測定した。次いで、総コレステロールからHDLを差し引くことにより、血漿非HDLコレステロールの量を計算した。
図32】CL-148489は、インビトロでの細胞ベースのアッセイにおいてヒトPCSK9内在化を中程度に神経化した。HepG2細胞を、アイソタイプ対照、ベンチマーク、またはCL-148489の存在下でAF647標識化ヒトPCSK9機能獲得突然変異体で処理した後、BODIPY LDLで処理した。次いで細胞を収集し、AF647の蛍光シグナルをCytoFlexフローサイトメーターで検出した。
図33】CL-148489は、インビトロでの細胞ベースのアッセイにおいてベンチマークよりも良好にLDL取り込みを増加させた。HepG2細胞を、アイソタイプ対照、ベンチマーク、またはCL-148489の存在下でAF647標識化ヒトPCSK9機能獲得突然変異体で処理した後、BODIPY LDLで処理した。次いで細胞を収集し、BODIPYの蛍光シグナルをCytoFlexフローサイトメーターで検出した。
図34】CL-148489の親和性を示す図である。親和性はKDによって決定された。CL-148489のKDは、Proteon SPR分析システムによってpH7.6でヒトおよびマウスPCSK9に対して測定された。
図35】CL-148489は、高脂血症マウスモデル(E3L.CETPマウス)のベンチマークと比較して、非HDLコレステロールを低下させる優れた機能を示した。E3L.CETPマウスを西洋型食餌で4週間処置した後、抗体を注射した。Ab注射後の異なる時点で採血し、血漿HDL量および総コレステロールを測定した。次いで、総コレステロールからHDLを差し引くことにより、血漿非HDLコレステロールの量を計算した。
図36】CL-274698は、インビトロでの細胞ベースのアッセイにおいてベンチマークよりもヒトPCSK9内在化を神経化した。HepG2細胞を、アイソタイプ対照、ベンチマーク、またはCL-274698の存在下でAF647標識化ヒトPCSK9機能獲得突然変異体で処理した後、BODIPY LDLで処理した。次いで細胞を収集し、AF647の蛍光シグナルをCytoFlexフローサイトメーターで検出した。
図37】CL-274698は、インビトロでの細胞ベースのアッセイにおいてベンチマークよりも良好にLDL取り込みを増加させた。HepG2細胞を、アイソタイプ対照、ベンチマーク、またはCL-274698の存在下でAF647標識化ヒトPCSK9機能獲得突然変異体で処理した後、BODIPY LDLで処理した。次いで細胞を収集し、BODIPYの蛍光シグナルをCytoFlexフローサイトメーターで検出した。
図38】CL-274698の親和性を示す図である。親和性はKDによって決定された。CL-274698のKDは、Proteon SPR分析システムによってpH7.6でヒトおよびマウスPCSK9に対して測定された。
図39】CL-274698は、高脂血症マウスモデル(E3L.CETPマウス)のベンチマークと比較して、非HDLコレステロールを低下させる優れた機能を示した。E3L.CETPマウスを西洋型食餌で4週間処置した後、抗体を注射した。Ab注射後の異なる時点で採血し、血漿HDL量および総コレステロールを測定した。次いで、総コレステロールからHDLを差し引くことにより、血漿非HDLコレステロールの量を計算した。
図40】CL-274711は、インビトロでの細胞ベースのアッセイにおいてベンチマークよりもヒトPCSK9の内在化を神経化した。HepG2細胞を、アイソタイプ対照、ベンチマーク、またはCL-274711の存在下でAF647標識化ヒトPCSK9機能獲得突然変異体で処理した後、BODIPY LDLで処理した。次いで細胞を収集し、AF647の蛍光シグナルをCytoFlexフローサイトメーターで検出した。
図41】CL-274711は、インビトロでの細胞ベースのアッセイにおいてベンチマークよりも良好にLDL取り込みを増加させた。HepG2細胞を、アイソタイプ対照、ベンチマーク、またはCL-274711の存在下でAF647標識化ヒトPCSK9機能獲得突然変異体で処理した後、BODIPY LDLで処理した。次いで細胞を収集し、BODIPYの蛍光シグナルをCytoFlexフローサイトメーターで検出した。
図42】CL-274711の親和性を示す図である。親和性はKDによって決定された。CL-274711のKDは、Proteon SPR分析システムによってpH7.6でヒトおよびマウスPCSK9に対して測定された。
図43】CL-274711は、高脂血症マウスモデル(E3L.CETPマウス)のベンチマークと比較して、非HDLコレステロールを低下させる優れた機能を示した。E3L.CETPマウスを西洋型食餌で4週間処置した後、抗体を注射した。Ab注射後の異なる時点で採血し、血漿HDL量および総コレステロールを測定した。次いで、総コレステロールからHDLを差し引くことにより、血漿非HDLコレステロールの量を計算した。
【発明を実施するための形態】
【0033】
定義
本明細書で別段の定義がない限り、科学的および技術的用語は、当業者によって一般的に理解される意味を有するものとする。さらに、文脈上別段の必要がない限り、単数形の用語は複数形を含み、複数形の用語は単数形を含むものとする。
【0034】
単数形の用語「a」、「an」、および「the」は、文脈上別段に明示されない限り、複数の指示対象を含む。同様に、「または」という単語は、文脈上別段に明示されない限り、「および」を含むことを意図する。本明細書に記載されているものと類似または同等の方法および材料が本開示の実践または試験に使用され得るが、好適な方法および材料が以下に記載される。略語「e.g.」はラテン語のexempli gratiaに由来し、本明細書では非限定的な例を示すために使用される。したがって、略語「e.g.」は「例えば」という用語と同義である。
【0035】
明細書および特許請求の範囲において、「約」という用語は、例えば、組成物中の成分の量、濃度、体積、プロセス温度、プロセス時間、収率、流量、圧力等の値およびその範囲を修飾するために使用され、本開示の実施形態を説明する際に使用される。「約」という用語は、例えば、化合物、組成物、濃縮物または使用製剤を作製するために使用される典型的な測定および取り扱い手順を通して;これらの手順での不注意によるエラーを通して;方法を実行するために使用される出発材料または成分の製造、源、または純度の違いを通して、ならびに同様の近似的考慮事項を通して発生し得る数値の変動を指す。「約」という用語はまた、特定の初期濃度または混合物を有する製剤の経年劣化に起因する異なる量、および特定の初期濃度または混合物を有する製剤の混合または処理に起因する異なる量を包含する。「約」という用語によって修飾された場合、本明細書に添付された特許請求の範囲には、これらの数量に相当するもが含まれる。
【0036】
本明細書で使用される場合、「投与する」または「投与」は、体外に存在する物質(例えば、本明細書で提供される抗hPCSK9抗体)を、粘膜、皮内、静脈内、筋肉内送達、および/または本明細書に記載の、もしくは当技術分野で知られている他の任意の物理的送達方法等によって患者に注射または別様に物理的に送達する行為を指す。疾患またはその症状が処置されている場合、物質の投与は、典型的には、疾患またはその症状の発症後に行われる。疾患またはその症状が防止されている場合、物質の投与は、典型的には、疾患またはその症状の発症前に行われる。
【0037】
「抗体」、「免疫グロブリン」または「Ig」という用語は、本明細書で交換可能に使用され得、免疫グロブリン分子の可変領域内の少なくとも1つの抗原認識部位を介して、タンパク質、ポリペプチド、ペプチド、炭水化物、ポリヌクレオチド、脂質、または上記の組み合わせ等の標的を認識し、特異的に結合する免疫グロブリン分子を意味する。本明細書で使用される場合、「抗体」という用語は、インタクトなポリクローナル抗体、インタクトなモノクローナル抗体、抗体断片(Fab、Fab’、F(ab’)、およびFv断片等)、一本鎖Fv(scFv)突然変異体、多重特異性抗体、例えば二重特異性抗体(二重結合抗体を含む)、キメラ抗体、ヒト化抗体、ヒト抗体、抗体の抗原決定部分を含む融合タンパク質、および抗体が所望の生物学的活性を示す限り抗原認識部位を含む他の任意の修飾免疫グロブリン分子を包含する。「抗体」という用語はまた、4つのポリペプチド鎖(2つの軽(L)鎖および2つの重鎖(H)鎖)で構成される分子量約150kDaのY字型糖タンパク質を指し得る。ギリシャ文字のアルファ(α)、デルタ(δ)、イプシロン(ε)、ガンマ(γ)、およびミュー(μ)で示される哺乳類Ig重鎖アイソタイプには5つの型がある。重鎖の型は、抗体のクラス、すなわち、それぞれIgA、IgD、IgE、IgG、およびIgMを定義する。γクラスおよびαクラスは、定常ドメインの配列および機能の違いに基づいて、さらにサブクラスに、例えばIgG1、hIgG2、mIgG2A、mIgG2B、IgG3、IgG4、IgA1およびIgA2に分類される。哺乳類には、λおよびκの2つの型の免疫グロブリン軽鎖がある。抗体の「可変領域」または「可変ドメイン」は、抗体の重鎖または軽鎖のアミノ末端ドメインを指す。重鎖および軽鎖の可変ドメインは、それぞれ「V」および「V」と呼ばれることがある。これらのドメインは一般に(同じクラスの他の抗体と比較して)抗体の最も可変的な部分であり、抗原結合部位を含む。抗体の例は、重鎖の二量体(5’-VH-(任意選択のヒンジ)-CH2-CH3-3’)を含み、軽鎖を欠く重鎖のみ(すなわちH2)抗体である。
【0038】
本明細書に記載の抗体は、オリゴクローナル、ポリクローナル、モノクローナル(完全長モノクローナル抗体を含む)、ラクダ化、キメラ、CDR移植、多重特異性、二重特異性(二重結合抗体を含む)、触媒、キメラ、ヒト化、完全ヒト、抗イディオタイプであってもよく、単独の、または既知の技術によって提供される他のアミノ酸配列と組み合わせた、可溶性または結合形態で標識化され得る抗体、およびその断片、変異体または誘導体を含む。抗体は任意の種に由来し得る。本明細書に記載の抗体は、裸であるか、または毒素、放射性同位元素等の他の分子に結合していてもよい。
【0039】
「抗原結合部位」、「抗原結合ドメイン」、「抗原結合領域」、「抗原結合断片」という用語、および同様の用語は、抗原と相互作用し、抗原に対するその特異性および親和性を結合する物質に付与するアミノ酸残基を含む抗体の部分を指す(例えば相補性決定領域(CDR))。抗原結合領域は、げっ歯類(例えばウサギ、ラットまたはハムスター)およびヒト等の任意の動物種に由来し得る。好ましくは、抗原結合領域はヒト起源のものである。
【0040】
本明細書に記載の抗原結合断片は、一本鎖Fv(scFv)、一本鎖抗体、単一ドメイン抗体、ドメイン抗体、Fv断片、Fab断片、F(ab’)断片、F(ab’)断片、所望の生物学的活性を示す抗体断片、ジスルフィド安定化可変領域(dsFv)、二量体可変領域(ダイアボディ)、抗イディオタイプ(抗Id)抗体(例えば抗体に対する抗Id抗体を含む)、イントラボディ、線状抗体、一本鎖抗体分子、ならびに上記のいずれかの抗体断片およびエピトープ結合断片から形成される多重特異性抗体を含み得る。特に、本明細書に記載の抗体および抗体断片は、免疫グロブリン分子および免疫グロブリン分子の免疫学的に活性な断片、すなわち抗原結合部位を含む分子を含み得る。抗体を酵素パパインで消化すると、「Fab」断片としても知られる2つの同一の抗原結合断片、および抗原結合活性を有さないが結晶化する能力を有する「Fc」断片が得られる。本明細書で使用される場合の「Fab」は、重鎖および軽鎖のそれぞれの1つの定常ドメインおよび1つの可変ドメインを含む抗体の断片を指す。本明細書における「Fc領域」という用語は、ネイティブ配列Fc領域および変異体Fc領域を含む、免疫グロブリン重鎖のC末端領域を定義するために使用される。「Fc断片」は、ジスルフィドによって一緒に保持された両方のH鎖のカルボキシ末端部分を指す。抗体のエフェクター機能は、ある特定の型の細胞に見られるFc受容体(FcR)によっても認識される領域であるFc領域の配列によって決定される。酵素ペプシンによる抗体の消化は、抗体分子の2つのアームが連結されたままで2つの抗原結合部位を含むF(ab’)断片をもたらす。F(ab’)断片は、抗原を架橋する能力を有する。
【0041】
遺伝子セグメントに関連する「の組換えに由来する」という用語は当業者には容易に明らかであり、B細胞がそれらの可変領域遺伝子セグメントを再結合して可変ドメインのコード配列を生成することが理解される。例えば、「ヒトVH遺伝子セグメント、DH遺伝子セグメントおよびJH遺伝子セグメントの組換えに由来する」は、1つのヒトVH遺伝子セグメントの組換えに関連し、1つのDH遺伝子セグメントおよび1つのJH遺伝子セグメントが一緒になって、重鎖抗体可変ドメインをコードする再配列VDJ配列を形成する。接合部および体細胞超変異もプロセスの特徴となり得、それにより、結果として生じる組換えVDJ配列は、生殖細胞系V、DおよびJ配列に含まれない1つまたは複数のヌクレオチドの付加、置換または欠失(例えばp-付加および/またはn-付加)を含む。カッパ軽鎖可変ドメインの場合はVκおよびJκ遺伝子セグメントについて、ラムダ軽鎖可変ドメインの場合はVλおよびJλについて同等のことが説明される。翻訳後修飾は、可変ドメインにさらに含まれる可能性があることが意図される。
【0042】
本明細書で使用される場合の「Fv」は、抗原認識部位および抗原結合部位の両方を保持する抗体の最小断片を指す。この領域は、緊密な非共有結合または共有結合の1つの重鎖および1つの軽鎖可変ドメインの二量体で構成されている。各可変ドメインの3つのCDRが相互作用して、V-V二量体の表面上に抗原結合部位を画定するのがこの構成である。まとめると、6つのCDRは抗体に抗原結合特異性を与える。しかしながら、単一の可変ドメイン(または抗原に特異的な3つのCDRのみを含むFvの半分)でさえ、結合部位全体よりも親和性は低いものの、抗原を認識して結合する能力を有する。
【0043】
本明細書で使用される「モノクローナル抗体」という用語は、実質的に均質な抗体の集団から得られる抗体を指し、すなわち、集団を含む個々の抗体は、少量で存在し得る可能な自然発生的突然変異および/または翻訳後修飾(例えば異性化、アミド化)を除いて同一である。モノクローナル抗体は非常に特異的であり、単一の抗原決定基またはエピトープに対するものである。対照的に、ポリクローナル抗体調製物は、典型的には、異なる抗原決定基(またはエピトープ)に対する異なる抗体を含む。本明細書で使用される場合、「モノクローナル抗体」という用語は、無傷および完全長のモノクローナル抗体の両方、ならびに抗体断片(Fab、Fab’、F(ab’)、Fv等)、一本鎖(scFv)突然変異体、抗体部分を含む融合タンパク質、および抗原認識部位を含む他の任意の修飾免疫グロブリン分子を包含する。さらに、「モノクローナル抗体」は、ハイブリドーマ、ファージ選択、組換え発現、およびトランスジェニック動物を含むがこれらに限定されない、任意の数の手法で作製されたそのような抗体を指す。
本明細書のモノクローナル抗体は、重鎖および/または軽鎖の一部が特定の種に由来する、または特定の抗体クラスもしくはサブクラスに属する抗体の対応する配列と同一または相同であるが、鎖の残りの部分は別の種に由来する、または別の抗体クラスもしくはサブクラスに属する抗体の対応する配列と同一または相同である「キメラ」抗体(免疫グロブリン)、ならびに所望の生物学的活性を示すそのような抗体の断片を含み得る。
【0044】
「ヒト化抗体」という用語は、非ヒト免疫グロブリン(ドナー抗体)からの「超可変領域」がヒト免疫グロブリン(レシピエント抗体)の超可変領域からの残基を置き換えるキメラ抗体のサブセットを指す。一般に、ヒト化抗体は、少なくとも1つ、典型的には2つの可変ドメインの実質的にすべてを含み、超可変ループのすべてまたは実質的にすべてが非ヒト免疫グロブリン配列のループに対応し、フレームワーク領域のすべてまたは実質的にすべてが、ヒト免疫グロブリン配列のものであるが、フレームワーク領域は、結合親和性、異性化、免疫原性等の抗体性能を改善する1つまたは複数の置換を含み得る。
【0045】
「二重特異性抗体」という用語は、2つの標的分子に対する特異性を含み、DVD-Ig等の形式を含むがこれらに限定されない抗体を意味する(DiGiammarino et al.,“Design and generation of DVD-Ig(商標)molecules for dual-specific targeting”,Meth.Mo.を参照されたい)。Biol.,2012,889,145-156を参照されたい)、mAb(WO2008/003103を参照されたく、mAb形式の説明は参照により本明細書に組み込まれる)、FIT-Ig(WO2015/103072を参照されたく、FIT-Ig足場の説明は参照により本明細書に組み込まれる)、mAb-dAb、ドックアンドロック、Fab-アーム交換、SEEDbody、Triomab、LUZ-Y、Fcab、κλ-body、直交Fab、scDiabody-Fc、diabody-Fc、タンデムscFv-Fc、Fab-scFv-Fc、Fab-scFv、イントラボディ、BiTE、ジアボディ、DART、TandAb、scDiabody、scDiabody-CH3、Diabody-CH3、トリプルボディ、ミニ抗体、ミニボディ、TriBiミニボディ、scFv-CH3 KIH、scFv-CH-CL-scFv、F(ab’)2-scFv、scFv-KIH、Fab-scFv-Fc、4価HCab、ImmTAC、ノブインホール、共通の軽鎖を有するノブインホール、共通の軽鎖および電荷対を有するノブインホール、電荷対、共通の軽鎖を有する電荷対、DT-IgG、DutaMab、IgG(H)-scFv、scFv-(H)IgG、IgG(L)-scFv、scFv-(L)IgG、IgG(L,H)-Fv、IgG(H)-V、V(H)-IgG、IgG(L)-V、V(L)-IgG、KIH IgG-scFab、2scFv-IgG、IgG-2scFv、scFv4-Igおよびzybody。二重特異性形式のレビューについては、Spiess,C.,et al.,Mol.Immunol.(2015)を参照されたい。別の実施形態では、二重特異性分子は、別の非Ig形式、例えば、T細胞受容体結合ドメイン;免疫グロブリンスーパーファミリードメイン;無顎類の可変リンパ球受容体;フィブロネクチンドメ
イン(例えばAdnectin(商標));抗体定常ドメイン(例えばCHドメイン、例えばFcab(商標)のCHおよび/またはCH)(定常ドメインは機能性CHドメインではない);scFv;(scFv);sc-ジアボディ;scFab;CTLA-4(Evibody商標))から選択された足場に由来するセンチリンおよびエピトープ結合ドメイン;リポカリンドメイン;プロテインAのZドメイン等のプロテインA(例えばAffibody(商標)またはSpA);Aドメイン(例えばAvimer(商標)またはMaxibody(商標));熱ショックタンパク質(GroEIおよびGroESに由来するエピトープ結合ドメイン等);トランスフェリンドメイン(例えばトランス-ボディ);アンキリンリピートタンパク質(例えばDARPin(商標));ペプチドアプタマー;C型レクチンドメイン(例えばTetranectin(商標));ヒトγ-クリスタリンまたはヒトユビキチン(アフィリン);PDZドメイン;サソリ毒素;ならびにヒトプロテアーゼ阻害剤のクニッツ型ドメインに融合された抗体を含む。ノブインホール技術の非限定的な例については、例えば、US5,731,568およびWO98/50431(両方とも参照により本明細書に組み込まれる)を参照されたい。
【0046】
その原理は、ヘテロ二量体重鎖の対になったCH3ドメインを操作して、一方のCH3ドメインが「ノブ」を含み、他方のCH3ドメインが立体的に反対の位置に「ホール」を含むようにすることである。ノブはCH3ドメイン間の界面で小さなアミノ酸側鎖を置き換えることによって形成され、ホールは大きな側鎖をより小さなものに置き換えることによって形成される。ノブはホールに挿入するように設計されており、ホモ二量体形成を不安定にしながら、様々なCH3ドメインのヘテロ二量体化に有利となる。したがって、アセンブルして二重特異性抗体を形成する抗体重鎖および軽鎖の混合物において、対になったヘテロ二量体重鎖を有するIgG分子の割合が増加し、活性分子の収量および回収率を高める。
【0047】
変異Y349Cおよび/またはT366Wは、IgG CH3ドメインに「ノブ」を形成するために含まれ得る。変異E356C、T366S、L368Aおよび/またはY407Vは、IgG CH3ドメインに「ホール」を形成するために含まれ得る。ノブおよびホールは、任意のヒトIgG CH3ドメイン、例えばIgG1、IgG2、IgG3またはIgG4 CH3ドメインに導入され得る。好ましい例はIgG4である。前述のように、IgG4は、「P」および/または「E」突然変異等のさらなる修飾を含み得る。IgG4型a(「ra」)配列は置換Y349CおよびT366W(「ノブ」)を含み、IgG4型b(「γb」)配列は置換E356C、T366S、L368A、およびY407V(「ホール」)を含む。raおよびγbはまた、両方とも、重鎖のヒンジ領域を安定化するためにヒンジの228位に「P」置換を含む(S228P)。raおよびγbはまた、両方とも、FcγRへの結合を無効にするために、235位のCH2領域に「E」置換を含む(L235S)。したがって、IgG4-PE重鎖の関連配列は、ppcpPcpapefEggpsである。
【0048】
二重特異性IgGエンジニアリングのさらなる進歩は、WO98/50431で説明されているように、共通の軽鎖を使用するという考えであった。2つの重鎖対を含む二重特異性抗体が説明されており、両方の重鎖対の可変軽鎖が共通の配列を有していた。WO98/50431は、共通軽鎖アプローチを、重鎖ヘテロ二量体化界面(例えばノブからホールへ)における特定の相補的相互作用と組み合わせて、ヘテロ二量体形成を促進し、ホモ二量体形成を妨げることを説明した。総合して、これらのアプローチは、望ましくないヘテロ二量体およびホモ二量体と比較して、所望のヘテロ二量体の形成を増強する。
【0049】
ノブイントゥホール技術では、アミノ酸側鎖を操作して、二重特異性ヘテロ二量体の対になったCH3ドメインの界面に相補的な分子形状を形成するが、ヘテロ二量体形成を促進し、ホモ二量体の形成を妨げる別の方法は、アミノ酸側鎖を反対の電荷を有するように操作することである。重鎖ヘテロ二量体のCH3ドメインの結合は、反対に帯電した残基の対合によって有利となるが、対になった正電荷または対になった負電荷は、ホモ二量体形成をエネルギー的に有利にしない。WO2006/106905は、2種以上のポリペプチドで構成されるヘテロ多量体(例えば2つの異なる抗体重鎖のヘテロ二量体)であって、アミノ酸残基に置換を含み、ヘテロ多量体結合が調節されるように前記ポリペプチドとの間に界面を形成するヘテロ多量体を生成するための方法を説明しており、この方法は、
(a)1つまたは複数の多量体を形成するポリペプチド間の結合が2種以上の多量体を形成し得るヘテロ多量体において阻害されるように、元の核酸からのポリペプチド間の界面を形成するアミノ酸残基をコードする核酸を修飾するステップと;
(b)ステップ(a)によって修飾された核酸配列が発現されるように宿主細胞を培養するステップと;
(c)宿主細胞培養物から前記ヘテロ多量体を回収するステップと
を含み、ステップ(a)の修飾は、界面を形成する突然変異残基を含む2つ以上のアミノ酸残基が同じ種類の正または負の電荷を保持するように、1つ以上のアミノ酸残基が置換されるように元の核酸を修飾する。
【0050】
この例は、重鎖ホモ二量体の界面に静電反発力を導入することによって、例えば、
位置356および439
位置357および370
位置399および409
を含むCH3ドメインの界面で互いに接触するアミノ酸残基を修飾することによって、重鎖間の結合を抑制することであり、残基の番号付けは、EUの番号付けシステムに従う。
【0051】
これらの残基の対の1つ以上を、最初の重鎖のCH3ドメインに同様の電荷(両方が正または両方が負)を有するように修飾することにより、重鎖ホモ二量体の対合が静電反発によって阻害される。第2の(異なる)重鎖のCH3ドメインの同じ対または残基の対を、第1の重鎖の対応する残基と比較して反対の電荷を有するように操作することにより、静電引力による第1および第2の重鎖のヘテロ二量体対合が促進される。
【0052】
重鎖定常領域CH3界面のアミノ酸は、電荷対を導入するように修飾されたが、突然変異は、WO2006/106905の表1に列挙されている。重鎖位置356、357、370、399、409、および439のアミノ酸を修飾して、CH3界面に電荷誘導分子反発を導入することは、目的の二重特異性抗体の形成効率を増加させる効果を有することが報告された。例えば、EUの番号付けを使用して、一方の重鎖定常領域は突然変異K439E(正に帯電したLysが負に帯電したGluに置き換えられる)を含むIgG4定常領域であってもよく、他方の重鎖定常領域は突然変異E356K(負に帯電したGluが正に帯電したLysに置き換えられる)を含むIgG4定常領域であってもよい。「電荷の対」は、これら2つの定常領域のヘテロ二量体化からアセンブルされたFc領域の残基439および356の空間的近接性から得られる。
【0053】
2つの異なる重鎖定常領域が使用される場合、これらは、いずれかの方向で抗体の2つの異なるVHドメインに接続され得る。
【0054】
WO2006/106905はまた、IgG4のCH3ドメインがノブからホールへの突然変異で操作された二重特異性IgG抗体を例示した。a型a型(IgG4γa)はY349CおよびT366Wで置換されたIgG4であり、b型(IgG4γb)はE356C、T366S、L368A、およびY407Vで置換されたIgG4であった。
別の例では、抗体のVHおよびVLドメインへの電荷対の導入を使用して、「誤った」VH-VL対の形成(一方の抗体のVHともう一方の抗体のVLの対合)が阻害された。一例では、VHおよびVLのQ残基がKもしくはR(正)またはEもしくはD(負)に変更されて、Q側鎖間の水素結合が阻害され、静電反発が導入された。
【0055】
電荷対のさらなる例は、単一の細胞からヘテロ二量体のCH3ドメインを含む分子を生成するための方法を説明したWO2013/157954に開示されており、分子は、界面を形成することができる2つのCH3ドメインを含む。この方法は、細胞内で、
(a)第1のCH3ドメインを含むポリペプチド鎖をコードする第1の核酸分子であって、この鎖は、EU番号付けシステムに従って366位にK残基を含む、第1の核酸分子と、
(b)第2のCH3ドメインを含むポリペプチド鎖をコードする第2の核酸分子であって、この鎖は、EU番号付けシステムに従って351位にD残基を含む、第2の核酸分子とを提供することを含み、
この方法は、宿主細胞を培養し、2つの核酸分子の発現を可能にし、培養物からヘテロ二量体のCH3ドメインを含む分子を採取するステップをさらに含む。
【0056】
ホモ二量体形成よりもヘテロ二量体形成を促進するためにポリペプチド鎖における静電相互作用を操作するさらなる方法が、WO2011/143545で説明された。
【0057】
CH3-CH3界面での操作の別の例は、ストランド交換操作ドメイン(SEED)CH3ヘテロ二量体である。CH3ドメインは、ヒトIgAおよびIgG CH3配列の交互のセグメントで構成され、「SEED-bodies」と呼ばれる相補的なSEEDヘテロ二量体の対を形成する[WO2007/110205]。
【0058】
二重特異性はまた、CH3ドメインで示差的に修飾されてプロテインA等の精製試薬への結合に対する親和性を変化させるヘテロ二量体化重鎖で生成されている。WO2010/151792は、N末端からC末端に向かって、第1のエピトープに選択的に結合する第1のエピトープ結合領域、IgG1、IgG2、およびIgG4から選択されるヒトIgGの第1のCH3領域を含む免疫グロブリン定常領域含む第1のポリペプチド;ならびにN末端からC末端に向かって、第2のエピトープに選択的に結合する第2のエピトープ結合領域、IgG1、IgG2、およびIgG4から選択されるヒトIgGの第2のCH3領域を含む免疫グロブリン定常領域を含む第2のポリペプチドを含むヘテロ二量体二重特異性抗原結合タンパク質であって、第2のCH3領域は、第2のCH3ドメインのプロテインAへの結合を低減または排除する修飾を含むヘテロ二量体二重特異性抗原結合タンパク質を説明した。
【0059】
したがって、Fc領域は、ホモ二量体種からの活性ヘテロ二量体の示差的精製を促進するための1つ以上の突然変異を含み得る。一方の重鎖定常領域のCH3は、突然変異His435Argおよび/またはTyr436Phe(EU番号付け)[]を含み得、他方の重鎖定常領域のCH3は、上記の突然変異を欠いている。例えば、エミシズマブは、一方のCH3がHis435を含み、他方のCH3がHis435Argを含むFc領域を含む。
【0060】
本発明の二重特異性は、必要に応じて、これらの二重特異性技術および分子形式のいずれかを使用し得る。
【0061】
一実施形態では、二重特異性抗体はmAbである。mAbは、「Fcab」として知られる抗原結合部位を形成するように操作された、修飾定常領域に融合された無傷抗体からのVおよびVドメインを含む。Fcab/mAb形式の背後にある技術は、WO2008/003103でさらに詳細に説明されており、mAb形式の説明は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0062】
別の実施形態では、二重特異性抗体は「二重結合抗体」である。本明細書で使用される場合、「二重結合抗体」という用語は、両方の抗原結合ドメインがV/V対によって形成される二重特異性抗体であり、FIT-Ig(参照により本明細書に組み込まれるWO2015/103072を参照されたい)、mAb-dAb、ドックアンドロック、Fabアーム交換、SEEDbody、Triomab、LUZ-Y、Fcab、κλ-body、直交Fab、scDiabody-Fc、diabody-Fc、タンデムscFv-Fc、Fab-scFv-Fc、Fab-scFv、イントラボディ、BiTE、ジアボディ、DART、TandAb、scDiabody、scDiabody-CH3、Diabody-CH3、トリプルボディ、ミニ抗体、ミニボディ、scFv-CH KIH、scFv-CH-CL-scFv、F(ab’)2-scFv、scFv-KIH、Fab-scFv-Fc、4価HCab、ImmTAC、ノブインホール、共通の軽鎖を有するノブインホール、共通の軽鎖および電荷対を有するノブインホール、電荷対、共通の軽鎖を有する電荷対、DT-IgG、DutaMab、IgG(H)-scFv、scFv-(H)IgG、IgG(L)-scFv、scFv-(L)IgG、IgG(L,H)-Fv、IgG(H)-V、V(H)-IgG、IgG(L)-V、V(L)-IgG、KIH IgG-scFab、2scFv-IgG、IgG-2scFvおよびscFv4-Igを含む。
【0063】
「超可変領域」、「CDR領域」または「CDR」という用語は、配列が超可変である、および/または構造的に定義されたループを形成する抗体可変ドメインの領域を指す。一般に、抗体の抗原結合部位は、6つの超可変領域、すなわちV(CDRH1、CDRH2、CDRH3)に3つ、およびV(CDRL1、CDRL2、CDRL3)に3つの超可変領域を含む。抗体の重鎖および軽鎖のこれらの領域は、抗体に抗原結合特異性を付与する。CDRは、Kabatシステムに従って定義され得る(Kabat,E.A.et al.,1991,“Sequences of Proteins of Immunological Interest”,5th edit.,NIH Publication no.91-3242,U.S.Department of Health and Human Servicesを参照されたい)。Chothiaらにより考案されたシステム(Chothia,C.& Lesk,A.M.,1987,“Canonical structures for the hypervariable regions of immunoglobulins”,J.Mol.Biol.,196,901-917を参照されたい)およびIMGTシステム(Lefranc,M.P.,1997,“Unique database numbering system for immunogenetic analysis”,Immunol.Today,18,50を参照されたい)等の他のシステムを使用してCDRを定義することもできる。抗体は、典型的には3つの重鎖CDRおよび3つの軽鎖CDRを含む。ここで、CDRまたはCDRsという用語は、これらの領域の1つまたは複数を示すために使用される。当業者は、命名法の様々なシステムを容易に比較し、特定の配列がCDRとして定義され得るかどうかを決定することができる。
【0064】
「ヒト抗体」は、ヒトによって産生される抗体のアミノ酸配列に対応するアミノ酸配列を有する、および/またはヒト抗体を作製するための技術のいずれかを使用して作製された抗体であり、非ヒト抗原結合残基を含むヒト化抗体を具体的に除外する。「特異的に結合する」という用語は、生体分子を含む分子の不均一な集団の存在下での標的の存在を決定する、標的と抗体との間の結合等の測定可能および再現可能な相互作用を指す。例えば、標的(エピトープであってもよい)に特異的に結合する抗体は、他の標的への結合よりも高い親和性、結合力で、より容易に、および/またはより長い持続時間この標的に結合する抗体である。一実施形態では、無関係の標的への抗体の結合の程度は、例えばラジオイムノアッセイ(RIA)によって測定される場合、標的への抗体の結合の約10%未満である。
【0065】
hPCSK9抗原に特異的に結合する抗体またはその断片は、関連する抗原と交差反応性であってもよい。好ましくは、hPCSK9抗原に特異的に結合する抗体またはその断片は、他の抗原と交差反応しない(しかし任意選択で、異なる種、例えばアカゲザルまたはネズミのPCSK9と交差反応してもよい)。hPCSK9抗原に特異的に結合する抗体またはその断片は、例えば、イムノアッセイ、BIAcore(商標)、または当業者に知られている他の技術によって同定することができる。抗体またはその断片は、ラジオイムノアッセイ(RIA)および酵素結合免疫吸着測定法(ELISA)等の実験技術を使用して決定されるように、交差反応性抗原よりも高い親和性でhPCSK9抗原に結合する場合、PCSK9抗原に特異的に結合する。典型的には、特異的または選択的な反応は、少なくとも2倍のバックグラウンドシグナルまたはノイズであり、より典型的には10倍を超える(例えば、15倍を超える、20倍を超える、50倍を超えるまたは100倍を超える)バックグラウンドである。抗体の特異性に関する議論については、例えば、Paul,ed.,1989,Fundamental Immunology Second Edition,Raven Press,New York at pages 332-336を参照されたい。
【0066】
「脂肪族アミノ酸」という用語は、アミノ酸R基が非極性および疎水性であることを意味する。疎水性は、炭化水素鎖のC原子の数が増えると増加する。グリシン、アラニン、バリン、ロイシンおよびイソロイシンは脂肪族アミノ酸である。
【0067】
「芳香族アミノ酸」という用語は、アミノ酸R基が芳香環系を含むことを意味する。フェニルアラニン、チロシン、トリプトファンは芳香族アミノ酸である。
「ヒドロキシル含有アミノ酸」という用語は、アミノ酸R基がヒドロキシル基を含み、親水性であることを意味する。セリン、システイン、スレオニン、メチオニンはヒドロキシル含有アミノ酸である。
【0068】
「塩基性アミノ酸」という用語は、アミノ酸R基が窒素含有であり、中性pHで塩基性であることを意味する。ヒスチジン、リジンおよびアルギニンは塩基性アミノ酸である。
【0069】
「環状アミノ酸」という用語は、アミノ酸R基が脂肪族環状構造を有することを意味する。プロリンは唯一の環状脂肪族アミノ酸である。
【0070】
「酸性アミノ酸」という用語は、アミノ酸R基が極性であり、生理学的pHで負に帯電していることを意味する。アスパラギン酸およびグルタメートは酸性アミノ酸である。
【0071】
「アミドアミノ酸」という用語は、アミノ酸R基がアミド基を含むことを意味する。アスパラギンおよびグルタミンはアミドアミノ酸である。
【0072】
本明細書で使用される場合、「承認番号」または「販売承認番号」は、規制機関により発行された番号を指し、その機関が、特定の医療製品および/または組成物が、その機関の管轄下のエリアで流通および/または販売され得ることを決定したものである。本明細書で使用される場合、「規制機関」は、例えば、医療製品および/または組成物の安全性および有効性を評価し、所与のエリアにおけるそのような製品および/または組成物の販売/マーケティングを管理する責任を負う機関の1つを指す。米国の食品医薬品局(FDA)およびヨーロッパの欧州医薬品庁(EPA)は、そのような規制機関の2つの例にすぎない。他の非限定的な例には、SDA、MPA、MHPRA、IMA、ANMAT、香港保健-医薬品局、CDSCO、Medsafe、およびKFDAが含まれ得る。
【0073】
本明細書で使用される場合、「緩衝液」は、pHの強い変動を受けることなく、ある特定の量の酸または塩基を吸収することができる化学薬品を指す。
【0074】
本明細書で使用される場合、「担体」という用語は、治療薬が投与される希釈剤、アジュバント(例えばフロイントアジュバント(完全および不完全))、賦形剤、またはビヒクルを指す。そのような医薬担体は、水、およびピーナッツ油、大豆油、鉱油、ゴマ油等の石油、動物、植物または合成起源のものを含む油等の無菌液体であってもよい。医薬組成物を静脈内投与する場合、水が好ましい担体である。生理食塩水、ならびにデキストロースおよびグリセロール水溶液も、特に注射可能な溶液の場合、液体担体として使用することができる。
【0075】
本明細書で使用される場合、「組成物」という用語は、指定の成分(例えば本発明の抗体)を任意選択で指定の量で含む生成物、ならびに、任意選択で指定の量の指定の成分の組み合わせから直接的または間接的に生じる任意の生成物を包含することを意図する。
【0076】
本明細書で使用される場合、「含む(comprising)」または「含む(comprises)」という用語は、抗体、断片、使用、組成物、方法、および方法または組成物に必須であるそれらのそれぞれの成分に関して使用されるが、必須かどうかにかかわらず、不特定の要素の包含も含む。
【0077】
「からなる」という用語は、本明細書に記載の抗体、断片、使用、組成物、方法、およびそれらのそれぞれの成分を指し、これらは、実施形態のその説明に記載されていない要素を除く。
【0078】
本明細書で使用される場合、「から本質的になる」という用語は、所与の実施形態に必要な要素を指す。この用語は、その実施形態の基本的かつ新規または機能的な特性に実質的に影響を及ぼさない要素の存在を可能にする。
【0079】
ポリペプチに関連して、本明細書で使用される「誘導体」という用語は、アミノ酸残基の置換、欠失もしくは追加の導入によって改変された、hPCSK9ポリペプチドのアミノ酸配列、hPCSK9ポリペプチドの断片、またはhPCSK9ポリペプチドに特異的に結合する抗体もしくは断片を含むポリペプチドを含む。本明細書で使用される「誘導体」という用語はまた、hPCSK9ポリペプチド、hPCSK9ポリペプチドの断片、または例えばポリペプチドに対する任意の種類の分子の共有結合により化学的に修飾されたhPCSK9ポリペプチドに特異的に結合する抗体を含む。例えば、限定ではないが、hPCSK9ポリペプチド、hPCSK9ポリペプチドの断片、またはhPCSK9抗体は、例えば、グリコシル化、アセチル化、ペグ化、リン酸化、アミド化、既知の保護/遮断基による誘導体化、タンパク質分解切断、細胞リガンドまたは他のタンパク質への結合等によって化学的に修飾され得る。誘導体は、結合した分子の種類または位置のいずれかにおいて、自然に発生または開始するペプチドまたはポリペプチドとは異なる様式で修飾される。誘導体はさらに、ペプチドまたはポリペプチド上に自然に存在する1つまたは複数の化学基の欠失を含む。hPCSK9ポリペプチドの誘導体、hPCSK9ポリペプチドの断片、またはhPCSK9抗体は、特定の化学的切断、アセチル化、製剤化、ツニカマイシンの代謝合成等を含むがそれらに限定されない当業者に知られた技術を使用した化学修飾により化学修飾されてもよい。さらに、hPCSK9ポリペプチドの誘導体、hPCSK9ポリペプチドの断片、またはhPCSK9抗体は、1つ以上の非古典的アミノ酸を含み得る。ポリペプチド誘導体は、hPCSK9ポリペプチド、hPCSK9ポリペプチドの断片、または本明細書に記載のhPCSK9抗体と類似または同一の機能を有する。
【0080】
本明細書で使用される「エフェクター機能」(または「エフェクター対応」)という用語は、抗体依存性細胞媒介細胞傷害活性(ADCC)、補体依存性細胞傷害活性(CDC)媒介性応答、Fc媒介食作用または抗体依存性細胞傷害(ADCP)およびFcRn受容体を介した抗体リサイクルのうちの1つ以上を指す。
【0081】
「有効量」は、治療的または予防的結果を含む、所望の効果を達成するために必要な投薬量および期間で有効な量を指す。「治療有効量」は、特定の障害の測定可能な改善または防止をもたらすために必要な最低濃度を指す。本明細書における治療有効量は、対象の疾患状態、年齢、性別、および体重、ならびに個体における所望の応答を惹起する抗体の能力等の要因によって変化し得る。治療有効量は、抗体の毒性または有害な効果よりも治療的に有益な効果が上回る量でもある。「予防的に有効な量」は、所望の予防的結果を達成するために必要な投薬量および期間で有効な量を指す。いくつかの実施形態では、本発明の抗体の有効量は、約0.1mg/kg(対象の体重1kgあたりの抗体のmg)~約100mg/kgである。ある特定の実施形態では、提供される抗体の有効量は、約0.1mg/kg、約0.5mg/kg、約1mg/kg、3mg/kg、5mg/kg、約10mg/kg、約15mg/kg、約20mg/kg、約25mg/kg、約30mg/kg、約35mg/kg、約40mg/kg、約45mg/kg、約50mg/kg、約60mg/kg、約70mg/kg、約80mg/kg、約90mg/kgまたは約100mg/kg(またはその中の範囲)である。いくつかの実施形態では、「有効量」はまた、本明細書で使用される場合、特定の結果(例えば、細胞のhPCSK9生物学的活性の阻害)を達成するための本発明の抗体の量を指す。
【0082】
本明細書で使用される「エピトープ」という用語は、抗体の1つまたは複数の抗原結合領域に結合することができ、また免疫応答を惹起することができる動物、好ましくは哺乳動物、最も好ましくはヒトにおいて抗原性または免疫原性活性を有する、hPCSK9ポリペプチドまたはhPCSK9ポリペプチド断片等の抗原の表面上の局在領域を指す。免疫原性活性を有するエピトープは、動物において抗体応答を惹起するポリペプチドの一部である。抗原活性を有するエピトープは、当技術分野で周知の任意の方法、例えば、本明細書に記載のイムノアッセイによって決定されるように、抗体が特異的に結合するポリペプチドの一部である。抗原性エピトープは必ずしも免疫原性である必要はない。エピトープは通常、アミノ酸または糖側鎖等の分子の化学的に活性な表面グループからなり、特定の3次元構造特性および特定の電荷特性を有する。エピトープに寄与するポリペプチドの領域は、ポリペプチドの隣接するアミノ酸であってもよく、または、エピトープは、ポリペプチドの2つ以上の非隣接領域から一緒になってもよい。エピトープは、抗原の三次元表面特徴であってもよく、またはそうでなくてもよい。特定の実施形態では、hPCSK9エピトープは、hPCSK9ポリペプチド(例えば、hPCSK9ポリペプチドの三量体形態)の三次元表面特徴である。他の実施形態では、hPCSK9エピトープは、hPCSK9ポリペプチドの線形特徴である(例えば、hPCSK9ポリペプチドの三量体形態または単量体形態)。本明細書において提供される抗体は、hPCSK9の単量体(変性)形態のエピトープ、hPCSK9の三量体(天然)形態のエピトープ、またはhPCSK9の単量体(変性)形態および三量体(天然)形態の両方に特異的に結合し得る。特定の実施形態では、本明細書において提供される抗体は、hPCSK9の三量体形態のエピトープに特異的に結合するが、hPCSK9の単量体形態には特異的に結合しない。
【0083】
「賦形剤」という用語は、本明細書で使用される場合、薬物の希釈剤、ビヒクル、保存剤、結合剤、または安定剤として一般的に使用される不活性物質を指し、タンパク質(例えば血清アルブミン等)、アミノ酸(例えばアスパラギン酸、グルタミン酸、リジン、アルギニン、グリシン、ヒスチジン等)、脂肪酸およびリン脂質(例えばスルホン酸アルキル、カプリレート等)、界面活性剤(例えばSDS、ポリソルベート、非イオン性界面活性剤等)、糖類(例えばスクロース、マルトース、トレハロース等)ならびにポリオール(例えばマンニトール、ソルビトール等)を含むが、これらに限定されない。また、参照によりその全体が本明細書に組み込まれるRemington’s Pharmaceutical Sciences(1990)Mack Publishing Co.,Easton,PAを参照されたい。
【0084】
本明細書で使用される場合、「承認番号」または「販売承認番号」は、規制機関により発行された番号を指し、その機関が、特定の医療製品および/または組成物が、その機関の管轄下のエリアで流通および/または販売され得ることを決定したものである。本明細書で使用される場合、「規制機関」は、例えば、医療製品および/または組成物の安全性および有効性を評価し、所与のエリアにおけるそのような製品および/または組成物の販売/マーケティングを管理する責任を負う機関の1つを指す。米国の食品医薬品局(FDA)およびヨーロッパの欧州医薬品庁(EPA)は、そのような規制機関の2つの例にすぎない。他の非限定的な例には、SDA、MPA、MHPRA、IMA、ANMAT、香港保健-医薬品局、CDSCO、Medsafe、およびKFDAが含まれ得る。
【0085】
本明細書で使用される場合、「注射デバイス」は、注射を実行するように設計されたデバイスを指し、注射は、注射デバイスを人の組織、典型的には皮下組織に一時的に流体結合させるステップを含む。注射はさらに、ある量の液体薬物を組織に投与すること、および注射デバイスを組織から切り離す、または取り除くことを含む。いくつかの実施形態では、注射デバイスは、標的組織が循環系内の血液、例えば静脈内の血液である場合に使用される注射デバイスの種類である静脈内デバイスまたはIVデバイスであってもよい。注射デバイスの一般的であるが非限定的な例は、針および注射器である。
本明細書で使用される場合、「緩衝液」は、pHの強い変動を受けることなく、ある特定の量の酸または塩基を吸収することができる化学薬品を指す。
【0086】
本明細書で使用される場合、「包装」は、構成要素が、分配および/または使用に適合するユニットにどのように編成および/または拘束されるかを指す。包装には、例えば、箱、バッグ、注射器、アンプル、バイアル、チューブ、クラムシェル包装、バリアおよび/または無菌性を維持するための容器、ラベリング等が含まれ得る。
【0087】
本明細書で使用される場合、「説明書」は、物品の直接の容器上に書かれた、印刷された、またはグラフィックの物の表示、例えば、薬学的に活性な薬剤を含むバイアル上に表示された書かれた資料、または組成物および対象の組成物を含むキットに含まれる対象の製品の使用の詳細を指す。説明書は、投与または実施されることが企図される治療の方法を説明している。
【0088】
ペプチドまたはポリペプチドに関連して、「断片」という用語は、本明細書で使用される場合、完全長未満のアミノ酸配列を含むペプチドまたはポリペプチドを指す。そのような断片は、例えば、アミノ末端でのトランケーション、カルボキシ末端でのトランケーション、および/またはアミノ酸配列からの残基の内部欠失から生じ得る。断片は、例えば、選択的RNAスプライシングまたはインビボプロテアーゼ活性に起因し得る。ある特定の実施形態では、PCSK9断片は、hPCSK9ポリペプチドまたはhPCSK9ポリペプチドに特異的に結合する抗体のアミノ酸配列の少なくとも5個の連続アミノ酸残基、少なくとも10個の連続アミノ酸残基、少なくとも15個の連続アミノ酸残基、少なくとも20個の連続アミノ酸残基、少なくとも25個の連続アミノ酸配列を含むポリペプチドを含む。アミノ酸残基、少なくとも40個の連続アミノ酸残基、少なくとも50個の連続アミノ酸残基、少なくとも60個の連続アミノ酸残基、少なくとも70個の連続アミノ酸残基、少なくとも80個の連続アミノ酸残基、少なくとも90個の連続アミノ酸残基、少なくとも連続する100個のアミノ酸残基、少なくとも125個の連続アミノ酸残基、少なくとも150個の連続アミノ酸残基、少なくとも175個の連続アミノ酸残基、少なくとも200個の連続アミノ酸残基、または少なくとも250個の連続アミノ酸残基のアミノ酸配列を含むポリペプチドを含む。ある特定の実施形態では、hPCSK9ポリペプチドまたはhPCSK9抗原に特異的に結合する抗体の断片は、ポリペプチドまたは抗体の少なくとも1つ、少なくとも2つ、または少なくとも3つの機能を保持する。
【0089】
「遊離」という用語は、緩衝液と組み合わされたポリペプチド、例えば、PCSK9またはその断片および変異体を指し得、ポリペプチドは細胞表面または細胞膜に結合していない。したがって、「遊離」という用語は、表面発現が可能である(すなわち、1つ以上の膜貫通ドメインまたは膜結合ドメインを含む)が、現在の状態では細胞の表面上に発現されていない、または細胞の表面上に発現するタンパク質に結合していないポリペプチドを指し得る。遊離ポリペプチドはまた、遊離組換えまたは天然または非結合ポリペプチドを指し得る。ファージディスプレイに関連して、遊離抗原は、溶液中で選択され得る(本明細書では「可溶性選択」と呼ばれる)か、または表面に吸着され、例えば96ウェルプレートの表面に吸着され得る(本明細書では「バイオパニング選択」と呼ばれる)。
【0090】
「融合タンパク質」という用語は、本明細書で使用される場合、抗体のアミノ酸配列および異種ポリペプチドまたはタンパク質(すなわち、通常は抗体の一部ではないポリペプチドまたはタンパク質(例えば非抗PCSK9抗原抗体))のアミノ酸配列を含むポリペプチドを指す。PCSK9または抗PCSK9抗体に関して使用される場合の「融合」という用語は、ペプチドもしくはポリペプチド、またはそれらの断片、変異体および/もしくは誘導体と、異種ペプチドまたはポリペプチドとの結合を指す。好ましくは、融合タンパク質は、PCSK9または抗PCSK9抗体の生物学的活性を保持している。ある特定の実施形態では、融合タンパク質は、PCSK9抗体VHドメイン、VLドメイン、VH CDR(1つ、2つ、もしくは3つのVH CDR)、および/またはVL CDR(1つ、2つ、もしくは3つのVL CDR)を含み、融合タンパク質は、PCSK9エピトープに特異的に結合する。
【0091】
抗体に関連して使用される場合の「重鎖」という用語は、重鎖定常ドメインのアミノ酸配列に基づいて、アルファ(α)、デルタ(δ)、イプシロン(ε)、ガンマ(γ)およびミュー(μ)と呼ばれる5つの異なる型を指す。これらの異なる型の重鎖は周知であり、IgGの4つのサブクラス、すなわちIgG1、IgG2、IgG3、およびIgG4を含む、それぞれ5つのクラスの抗体IgA、IgD、IgE、IgG、およびIgMを生じる。好ましくは、重鎖はヒト重鎖である。ヒト集団には、各免疫グロブリンまたは免疫グロブリンサブクラスの複数の重鎖定常領域対立遺伝子が存在する。これらの対立遺伝子変異体のヌクレオチドおよびアミノ酸配列は、IMGT、ENSEMBL Swiss-ProtおよびUniprot等の公開されているデータベースからアクセス可能である。対立遺伝子変異体は、様々なゲノムシーケンシングプロジェクトでも特定され得る。一実施形態では、本明細書に開示される抗体および抗体断片は、IgG1定常領域対立遺伝子によってコードされる重鎖を含み、これには、ヒトIGHG1*01(配列番号340、341および537)、IGHG1*02(配列番号340、341および537)、IGHG1*03(配列番号523および524)、IGHG1*04(配列番号525および526)ならびにIGHG1*05(配列番号340、341および537)が含まれるが、それらに限定されない。一実施形態では、本明細書に開示される抗体および抗体断片は、IgG2定常領域対立遺伝子によってコードされるタンパク質を含み、これには、ヒトIGHG2*01(配列番号527および528)、IGHG2*02(配列番号529および530)、IGHG2*03(配列番号527および528)、IGHG2*04(配列番号531および532)、IGHG2*05(配列番号527および528)ならびにIGHG2*06(配列番号533および534)が含まれるが、それらに限定されない。一実施形態では、本明細書に開示される抗体または抗体断片は、IgG3定常領域対立遺伝子によってコードされるタンパク質を含み、これには、ヒトIGHG3*01、IGHG3*02、IGHG3*03、IGHG3*04、IGHG3*05、IGHG3*06、IGHG3*07、IGHG3*08、IGHG3*09、IG
HG3*10、IGHG3*11、IGHG3*12、IGHG3*13、IGHG3*14、IGHG3*15、IGHG3*16、IGHG3*17、IGHG3*18およびIGHG3*19が含まれるが、それらに限定されない。一実施形態では、本明細書に開示される抗体または抗体断片は、IgG4定常領域対立遺伝子によってコードされるタンパク質を含み、これには、ヒトIGHG4*01(例えば本明細書における配列表を参照されたい)、IGHG4*02(例えば本明細書における配列表を参照されたい)、IGHG4*03(例えば本明細書における配列表を参照されたい)およびIGHG4*04(例えば本明細書における配列表を参照されたい)が含まれるが、それらに限定されない。別の例では、重鎖は無効化IgGアイソタイプ、例えば無効化IgG4である。ある特定の実施形態では、本発明の抗体は、ヒトガンマ4定常領域を含む。別の実施形態では、重鎖定常領域は、Fc-γ受容体に結合せず、例えば、Leu235Glu突然変異を含む。別の実施形態では、重鎖定常領域は、安定性を高めるためにSer228Pro突然変異を含む。別の実施形態では、重鎖定常領域は、IgG4-PEである(例えば本明細書における配列表を参照されたい)。別の実施形態では、本明細書に開示される抗体および抗体断片は、マウスIgG1定常領域対立遺伝子によってコードされる重鎖定常領域を含み、これには、マウスIGHG1*01またはIGHG1*02が含まれるがそれらに限定されない。一実施形態では、本明細書に開示される抗体および抗体断片は、マウスIgG2定常領域対立遺伝子によってコードされる重鎖定常領域を含み、これには、マウスIGHG2A*01、IGHG2A*02、IGHG2B*01、IGHG2B*02、IGHG2C*01、IGHG2C*02またはIGHG2C*03が含まれるがそれらに限定されない。一実施形態では、本明細書に開示される抗体または抗体断片は、マウスIgG3定常領域対立遺伝子によってコードされるタンパク質を含み、これには、マウスIGHG3*01が含まれるがそれに限定されない。
【0092】
「宿主」という用語は、本明細書で使用される場合、動物、好ましくは哺乳動物、最も好ましくはヒトを指す。
【0093】
「宿主細胞」という用語は、本明細書で使用される場合、核酸分子でトランスフェクトされた特定の対象細胞、およびそのような細胞の子孫または潜在的な子孫を指す。そのような細胞の子孫は、次の世代または宿主細胞ゲノムへの核酸分子の組み込みにおいて起こり得る突然変異または環境の影響のために、核酸分子でトランスフェクトされた親細胞と同一ではない可能性がある。
【0094】
他の治療の投与に関連する「組み合わせて」という用語は、2つ以上の治療の使用を指す。「組み合わせて」という用語の使用は、疾患を有する対象に治療が投与される順序を制限するものではない。第1の治療は、PCSK9媒介疾患に罹患した、罹患している、罹患しやすい対象への第2の治療の投与の前に(例えば、1分、45分、30分、45分、1時間、2時間、4時間、6時間、12時間、24時間、48時間、72時間、96時間、1週間、2週間、3週間、4週間、5週間、6週間、8週間、または12週間前に)、それと同時に、またはその後に(例えば、1分、45分、30分、45分、1時間、2時間、4時間、6時間、12時間、24時間、48時間、72時間、96時間、1週間、2週間、3週間、4週間、5週間、6週間、8週間、または12週間後に)投与され得る。追加の治療は、他の追加の治療と一緒に任意の順序で投与され得る。特定の実施形態では、本発明の抗体は、1つ以上の治療(例えば、PCSK9媒介疾患を防止、処置、管理、および/または改善するために現在投与されている本発明の抗体ではない治療)と組み合わせて投与され得る。本発明の抗体と組み合わせて投与され得る治療の非限定的な例には、鎮痛剤、麻酔剤、抗生物質、または免疫調節剤、または米国薬局方および/またはPhysician’s Desk Referenceに列挙されている他の任意の薬剤が含まれる。
【0095】
本明細書で使用される場合、「注射デバイス」は、注射を実行するように設計されたデバイスを指し、注射は、注射デバイスを人の組織、典型的には皮下組織に一時的に流体結合させるステップを含む。注射はさらに、ある量の液体薬物を組織に投与すること、および注射デバイスを組織から切り離す、または取り除くことを含む。いくつかの実施形態では、注射デバイスは、標的組織が循環系内の血液、例えば静脈内の血液である場合に使用される注射デバイスの種類である静脈内デバイスまたはIVデバイスであってもよい。注射デバイスの一般的であるが非限定的な例は、針および注射器である。本明細書で使用される場合、「説明書」は、物品の直接の容器上に書かれた、印刷された、またはグラフィックの物の表示、例えば、薬学的に活性な薬剤を含むバイアル上に表示された書かれた資料、または組成物および対象の組成物を含むキットに含まれる対象の製品の使用の詳細を指す。説明書は、投与または実施されることが企図される治療の方法を説明している。
【0096】
「単離された」または「精製された」抗体またはタンパク質は、その生成環境の成分(例えば自然または組換え)から同定、分離、および/または回収されたものである。例えば、抗体またはタンパク質は、抗体が由来する細胞もしくは組織源からの細胞物質もしくは他の汚染タンパク質を実質的に含まないか、または化学的に合成される場合、化学前駆体もしくは他の化学物質を実質的に含まない。「細胞物質を実質的に含まない」という言葉は、抗体が、それが単離されるかまたは組換えにより生成される細胞の細胞成分から分離される抗体の調製物を含む。したがって、細胞物質を実質的に含まない抗体には、約30%、20%、10%、または5%(乾燥重量で)未満の異種タンパク質(本明細書では「汚染タンパク質」とも呼ばれる)を有する抗体の調製物が含まれる。抗体が組換え的に生成される場合、それはまた、好ましくは、培養培地を実質的に含まない、すなわち、培養培地は、タンパク質調製物の体積の約20%、10%、または5%未満に相当する。抗体が化学合成によって生成される場合、それは好ましくは化学前駆体または他の化学物質を実質的に含まない、すなわちそれはタンパク質の合成に関与する化学前駆体または他の化学物質から分離される。したがって、抗体のそのような調製物は、約30%、20%、10%、5%(乾燥重量で)未満の目的の抗体以外の化学前駆体または化合物を有する。好ましい実施形態では、本発明の抗体は、単離または精製される。
【0097】
「Kabat番号付け」という用語、および同様の用語は、当技術分野で認識されており、抗体の重鎖可変領域、またはその抗原結合部分の他のアミノ酸残基よりも可変である(すなわち超可変である)アミノ酸残基を番号付けするシステムを指す(Kabat et al.,(1971)Ann.NY Acad.Sci.,190:382-391およびKabat et al.(1991)Sequences of Proteins of Immunological Interest,Fifth Edition,U.S.Department of Health and Human Services,NIH Publication No.91-3242)。重鎖可変領域の場合、超可変領域は、典型的には、CDR1の場合はアミノ酸位置31~35、CDR2の場合はアミノ酸位置50~65、CDR3の場合はアミノ酸位置95~102の範囲である。
【0098】
「標識」または「標識化」は、本明細書で使用される場合、ポリペプチドへの検出可能な部分、例えば、放射性標識、蛍光標識、酵素標識、化学発光標識またはビオチン基または金の付加を指す。放射性同位元素または放射性核種は、H、14C、15N、35S、90Y、99Tc、115In、125I、131Iを含み得、蛍光標識は、ローダミン、ランタニド蛍光体またはFITCを含み得、酵素標識は、ホースラディッシュペルオキシダーゼ、β-ガラクトシダーゼ、ルシフェラーゼ、アルカリホスファターゼを含み得る。追加の標識は、限定ではなく例示として、酵素、例えばグルコース-6-リン酸デヒドロゲナーゼ(「G6PDH」)、アルファ-D-ガラクトシダーゼ、グルコースオキシダーゼ、グルコースアミラーゼ、炭酸脱水酵素、アセチルコリンエステラーゼ、リゾチーム、リンゴ酸デヒドロゲナーゼおよびペルオキシダーゼ;染料(例えばシアニン染料、例えばCy5(商標)、Cy5.5(商標)又はCy7(商標);追加の蛍光標識または蛍光体、例えばフルオレセインおよびその誘導体、蛍光色素、GFP(GFPは「緑色蛍光タンパク質」を意味する)、他の蛍光タンパク質(例えばmCherry、mTomato)、ダンシル、ウンベリフェロン、フィコエリトリン、フィコシアニン、アロフィコシアニン、o-フタルアルデヒドおよびフルオレスカミン;フルオロフォア、例えばランタニドクリプテートおよびキレート、例えばユーロピウム等(Perkin ElmerおよびCisbio Assays);化学発光標識または化学発光体、例えばイソルミノール、ルミノールおよびジオキセタン;増感剤;補酵素;酵素基質;ラテックスまたは炭素粒子等の粒子;金属ゾル;微結晶;リポソーム;染料、触媒または他の検出可能な基でさらに標識化され得る細胞等;ビオチン、ジゴキシゲニンまたは5-ブロモデオキシウリジン等の分子;毒素部分、例えばシュードモナス外毒素(PEまたはその細胞毒性断片もしくは突然変異体)、ジプテリア毒素またはその細胞毒性断片もしくは突然変異体、ボツリヌス毒素A、B、C、D、EまたはF、リシンまたはその細胞毒性断片、例えばリシンA、アブリンまたはその細胞毒性断片、サポリンまたはその細胞毒性断片、ヨウシュヤマゴボウ抗ウイルス毒素またはその細胞毒性断片、およびブリオジン1またはその細胞毒性
断片等を含む。
【0099】
抗体に関して使用される場合の「軽鎖」という用語は、免疫グロブリン軽鎖を指し、哺乳動物にはラムダ(λ)とカッパ(κ)の2つの型がある。好ましくは、軽鎖はヒト軽鎖である。好ましくは、軽鎖定常領域はヒト定常領域である。ヒト集団には、複数の軽鎖定常領域対立遺伝子が存在する。これらの対立遺伝子変異体のヌクレオチドおよびアミノ酸配列は、IMGT、ENSEMBL、Swiss-Prot、Uniprot等の公的に利用可能なデータベースからアクセス可能である。一実施形態では、本明細書に開示される抗体または抗体断片は、ヒトκ定常領域対立遺伝子によってコードされるタンパク質を含み、これには、IGKC*01(例えば本明細書における配列表を参照されたい)、IGKC*02(例えば本明細書における配列表を参照されたい)、IGKC*03(例えば本明細書における配列表を参照されたい)、IGKC*04(例えば本明細書における配列表を参照されたい)およびIGKC*05(例えば本明細書における配列表を参照されたい)が含まれるが、それらに限定されない。一実施形態では、本明細書に開示される抗体または抗体断片は、ヒトλ定常領域対立遺伝子によってコードされるタンパク質を含み、これには、IGLC1*01(例えば本明細書における配列表を参照されたい)、IGLC1*02(例えば本明細書における配列表を参照されたい)、IGLC2*01(例えば本明細書における配列表を参照されたい)、IGLC2*02(例えば本明細書における配列表を参照されたい)、IGLC2*03(例えば本明細書における配列表を参照されたい)、IGLC3*01(例えば本明細書における配列表を参照されたい)、IGLC3*02(例えば本明細書における配列表を参照されたい)、IGLC3*03(例えば本明細書における配列表を参照されたい)、IGLC3*04(例えば本明細書における配列表を参照されたい)、IGLC6*01(例えば本明細書における配列表を参照されたい)、IGLC7*01(例えば本明細書における配列表を参照されたい)、IGLC7*02(例えば本明細書における配列表を参照されたい)、IGLC7*03(例えば本明細書における配列表を参照されたい)が含まれるが、それらに限定されない。別の実施形態では、本明細書に開示される抗体および抗体断片は、マウスκ定常領域対立
遺伝子によってコードされる軽鎖定常領域を含み、これには、IGKC*01、IGKC*03またはIGKC*03が含まれるが、それらに限定されない。別の実施形態では、本明細書に開示される抗体および抗体断片は、マウスλ定常領域対立遺伝子によってコードされる軽鎖定常領域を含み、これには、IGLC1*01、IGLC2*01またはIGLC3*01が含まれるが、それらに限定されない。
【0100】
ペプチド、ポリペプチドまたは抗体配列に関する「パーセント(%)アミノ酸配列同一性」および「相同性」は、配列を整列させ、必要に応じてギャップを導入して最大パーセントの配列同一性を達成した後の、および配列同一性の一部として保存的置換を考慮しない、特定のペプチドまたはポリペプチド配列におけるアミノ酸残基と同一である候補配列におけるアミノ酸残基のパーセンテージとして定義される。パーセントアミノ酸配列同一性を決定する目的での整列は、例えば、BLAST、BLAST-2、ALIGNまたはMEG ALIGN(商標)(DNASTAR)ソフトウェア等の公的に利用可能なコンピュータソフトウェアを使用して、当業者の技術の範囲内である様々な手法で達成することができる。一実施形態では、%相同性は約70%である。一実施形態では、%相同性は約75%である。一実施形態では、%相同性は約80%である。一実施形態では、%相同性は約85%である。一実施形態では、%相同性は約90%である。一実施形態では、%相同性は約92%である。一実施形態では、%相同性は約95%である。一実施形態では、%相同性は約97%である。一実施形態では、%相同性は約98%である。一実施形態では、%相同性は約99%である。一実施形態では、%相同性は100%である。
【0101】
核酸分子、ポリペプチド、宿主細胞等の生物学的材料に関連して使用される場合の「自然に発生する」または「天然」という用語は、自然界に見出され、人間によって操作されないものを指す。
【0102】
本明細書で使用される場合、「包装」は、構成要素が、分配および/または使用に適合するユニットにどのように編成および/または拘束されるかを指す。包装には、例えば、箱、バッグ、注射器、アンプル、バイアル、チューブ、クラムシェル包装、バリアおよび/または無菌性を維持するための容器、ラベリング等が含まれ得る。
本明細書で使用される「薬学的に許容される」という用語は、連邦もしくは州政府の規制機関によって承認されること、または動物、より具体的にはヒトで使用するために米国薬局方、欧州薬局方もしくは他の一般に認められた薬局方に記載されることを意味する。
【0103】
本明細書で使用される場合、「ポリヌクレオチド」、「ヌクレオチド」、「核酸」、「核酸分子」という用語および他の同様の用語は交換可能に使用され、DNA、RNA、mRNA等を含む。
【0104】
本明細書で使用される場合、「防止する」、「防止すること」、および「防止」という用語は、本明細書において提供される治療または治療の組み合わせ(例えば、本発明の抗体等の予防薬剤または治療薬剤の組み合わせ)の投与から得られる、hPCSK9媒介疾患および/またはそれに関連する症状の発生、再発、発症または拡大の完全または部分的阻害を指す。
【0105】
「可溶性」という用語は、天然または膜結合形態で見られる1つ以上の膜貫通ドメインまたは細胞質ドメインを欠く、PCSK9およびその変異体または断片等のポリペプチドを指す。一実施形態では、PCSK9の「可溶性」形態は、膜貫通ドメインおよび細胞質ドメインの両方を欠いている。
【0106】
「対象」または「患者」という用語は、哺乳動物を含むがそれに限定されない任意の動物を指す。本明細書で使用される場合、「哺乳動物」という用語は、子を授乳し、生児を産む(真獣類もしくは有胎盤哺乳動物)、または産卵する(後獣類もしくは非胎盤哺乳動物)任意の脊椎動物を指す。哺乳動物種の例には、ヒトおよび他の霊長類、例えばチンパンジーおよび他の類人猿およびサル種等の非ヒト霊長類;牛、羊、豚、山羊、馬等の飼育動物;犬や猫等の家畜哺乳類;マウス、ラット(コットンラットを含む)およびモルモット等のげっ歯類を含む実験動物;鶏、七面鳥および他のキジ目鳥、アヒル、ガチョウ等の家禽、野生および狩猟鳥を含む鳥が含まれるが、それらに限定されない。
【0107】
本明細書で使用される場合、「実質的にすべて」とは、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約98%、少なくとも約99%、または約100%を指す。
【0108】
本明細書で使用される場合、「治療薬剤」という用語は、PCSK9媒介疾患および/またはそれに関連する症状の処置、管理または改善に使用することができる任意の薬剤を指す。ある特定の実施形態では、「治療薬剤」という用語は、本発明の抗体を指す。ある特定の他の実施形態では、「治療薬剤」という用語は、本発明の抗体以外の薬剤を指す。好ましくは、治療薬剤は、PCSK9媒介疾患またはそれに関連する1つまたは複数の症状の治療、管理または改善に有用であることが知られている、または使用されてきた、または現在使用されている薬剤である。特定の実施形態では、治療薬剤は、完全ヒト抗PCSK9モノクローナル抗体等の完全ヒト抗PCSK9抗体である。
【0109】
本明細書で使用される場合、「治療」という用語は、PCSK9媒介疾患(例えば癌)の防止、管理、処置、および/または改善に使用され得る任意のプロトコル、方法、および/または薬剤を指す。ある特定の実施形態では、「治療(therapies)」および「治療(therapy)」という用語は、生物学的治療、支持治療、ならびに/または医療関係者等の当業者に知られているPCSK9媒介疾患の防止、管理、治療および/もしくは改善に有用な他の治療を指す。
「処置する」、「処置」および「処置すること」という用語は、1つ以上の治療(本発明の抗体等の1つ以上の防止薬剤または治療薬剤の投与を含むがそれらに限定されない)から得られる、hPCSK9媒介疾患(例えば癌)の進行、重症度および/または期間の低減または改善を指す。特定の実施形態では、そのような用語は、hPCSK9のBMP受容体もしくはHJVへの結合の低減もしくは阻害、および/または高脂血症もしくは高コレステロール血症等のPCSK9媒介疾患に関連する1つ以上の症状の阻害もしくは低減を指す。
【0110】
「可変領域」または「可変ドメイン」という用語は、軽鎖および重鎖の一部を指し、典型的には、重鎖のアミノ末端の約120~130アミノ酸および軽鎖の約100~110アミノ酸であり、これは抗体間で配列が大きく異なり、特定の抗原に対する各特定の抗体の結合および特異性に使用される。配列の変動性は、相補的決定領域(CDR)と呼ばれる領域に集中し、可変ドメイン内のより高度に保存された領域はフレームワーク領域(FR)と呼ばれる。PCSK9のCDRおよび重鎖は、主に抗体と抗原との相互作用に関与している。本明細書で使用されるアミノ酸位置の番号付けは、Kabat et al.(1991)Sequences of proteins of immunological interest.(U.S.Department of Health and Human Services,Washington,D.C.)5th ed.(「Kabat et al.」)にあるようなEUインデックスに従っている。好ましい実施形態では、可変領域はヒト可変領域である。
【0111】
細胞生物学および分子生物学の一般的な用語の定義は、”The Merck Manual of Diagnosis and Therapy”,19th Edition,Merck Research Laboratories刊,2006(ISBN 0-911910-19-0);Robert S.Porter et al.(eds.),The Encyclopedia of Molecular Biology,Blackwell Science Ltd.刊,1994(ISBN 0-632-02182-9);Benjamin Lewin,Genes X,Jones & Bartlett Publishing刊,2009(ISBN-10:0763766321);Kendrew et al.(eds.),Molecular Biology and Biotechnology:a Comprehensive Desk Reference,VCH Publishers,Inc.刊,1995(ISBN 1-56081-569-8)およびCurrent Protocols in Protein Sciences 2009,Wiley Intersciences,Coligan et al.,eds.に見出すことができる。
【0112】
別段に指定されない限り、本発明は、例えば、全て参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、Sambrook et al.,Molecular Cloning:A Laboratory Manual(4 ed.),Cold Spring Harbor Laboratory Press,Cold Spring Harbor,N.Y.,USA(2012);Davis et al.,Basic Methods in Molecular Biology,Elsevier Science Publishing,Inc.,New York,USA(1995);またはMethods in Enzymology:Guide to Molecular Cloning Techniques Vol.152,S.L.Berger and A.R.Kimmel Eds.,Academic Press Inc.,San Diego,USA(1987);Current Protocols in Protein Science(CPPS)(John E.Coligan,et al.,ed.,John Wiley and Sons,Inc.)、Current Protocols in Cell Biology(CPCB)(Juan S.Bonifacino et al.ed.,John Wiley and Sons,Inc.)、およびCulture of Animal Cells:A Manual of Basic Technique by R.Ian Freshney,Publisher:Wiley-Liss;5th edition(2005)、Animal Cell Culture Methods(Methods in Cell Biology,Vol.57,Jennie P.Mather and David Barnes editors,Academic Press,1st edition,1998)に記載の標準的手順を使用して行われた。
【0113】
他の用語は、本明細書において、本発明の様々な態様の説明の中で定義されている。
【0114】
抗PCSK9抗体および断片
本発明は、様々な抗PCSK9抗体および断片(FabまたはscFv断片等)、使用、方法および組み合わせ(例えばスタチンとの組み合わせ)を提供する。その例は、次の番号付きの条項に記載される。
【0115】
1.プロタンパク質転換酵素サブチリシンケキシン9型(PCSK9)に特異的に結合する結合部位を含む抗体または断片であって、結合部位は、ヒトVH遺伝子セグメント、DH遺伝子セグメントおよびJH遺伝子セグメントの組換えに由来するヌクレオチド配列によってコードされるVHドメインを含み、VH遺伝子セグメントは、IGHV4-59およびIGHV3-9から選択される、抗体または断片。
【0116】
例えば、VH遺伝子セグメントはIGHV4-59*01であり、DH遺伝子セグメントおよびJH遺伝子セグメントはヒト遺伝子セグメントである。例えば、VH遺伝子セグメントはIGHV3-9*01であり、DH遺伝子セグメントおよびJH遺伝子セグメントはヒト遺伝子セグメントである。
【0117】
一例では、特異的結合は、以下でさらに説明するようにKD、Koffおよび/またはKonを伴う。一例では、特異的結合は1pM~5nMのKDを伴う。
【0118】
当業者は、ヒトおよび他の種の抗体遺伝子セグメントに関するデータベースおよび他の情報源に精通している。例えば、IMGTデータベース(www.IMGT.org)、例えば、2018年9月1日現在のバージョンが適切なソースである。
【0119】
IGHV4-59およびIGHV3-9に基づく抗体を示す実施例を参照する。驚くべきことに、このヒトVH遺伝子セグメントは、例えば実施例に記載されているような、望ましい抗PCSK9特性を有する抗PCSK9抗体を生成する。
例えば、本発明の抗体または断片は、対象において用量依存的に血漿総コレステロールおよび血漿非HDLコレステロールを減少させるための対象への投与用である。
【0120】
例えば、本発明の抗体または断片は、対象における血漿総コレステロールを減少させるために対象に投与するためのものである。
【0121】
例えば、本発明の抗体または断片は、対象における血漿非HDLコレステロールを(任意選択で用量依存的に)減少させるために対象に投与するためのものである。
【0122】
例えば、本発明の抗体または断片は、対象における血漿トリグリセリドレベルを低下させるための対象への投与のための対象への投与のためのものである。
【0123】
これらの例のいずれかの実施形態では、HDLコレステロールは、対象において低減されないか、または有意に低減されない。
【0124】
実施例は、アリロクマブベンチマークと比較した本発明の抗体の有益な投薬を示している。例えば、本発明の抗体または断片は、PCSK9媒介疾患または状態(例えば、ヘテロ接合性家族性高コレステロール血症(HeFH)またはホモ接合性家族性高コレステロール血症(HoFH))を処置または防止するための対象への投与用であり、抗体または断片は、2週間ごとに75mg未満または4週間ごとに300mg未満の用量で投与される。例えば、本発明の抗体または断片は、PCSK9媒介疾患または状態(例えば、ヘテロ接合性家族性高コレステロール血症(HeFH)またはホモ接合性家族性高コレステロール血症(HoFH))を処置または防止するための対象への投与用であり、抗体または断片は、2週間ごとに140mg未満または4週間ごとに420mg未満の用量で投与される。例えば、本発明の抗体または断片は、PCSK9媒介疾患または状態(例えば、ヘテロ接合性家族性高コレステロール血症(HeFH)またはホモ接合性家族性高コレステロール血症(HoFH))を処置または防止するための対象への投与用であり、抗体または断片は、PraluentまたはRepathaの週2回未満の用量で投与される。例えば、本発明の抗体または断片は、PCSK9媒介疾患または状態(例えば、ヘテロ接合性家族性高コレステロール血症(HeFH)またはホモ接合性家族性高コレステロール血症(HoFH))を処置または防止するための対象への投与用であり、抗体または断片は、PraluentまたはRepathaの週4回未満の用量で投与される。例えば、本発明の抗体または断片は、PCSK9媒介疾患または状態(例えば、ヘテロ接合性家族性高コレステロール血症(HeFH)またはホモ接合性家族性高コレステロール血症(HoFH))を処置または防止するための対象への投与用であり、抗体または断片は、70、65、60、50、40、30または25mg未満の週2回または週4回の用量で投与される。
【0125】
Praluent(商標)の推奨開始用量は、皮下投与される2週間ごと1回75mgであり、これは、大多数の患者がこの投薬量または4週間ごとに2×150mgで十分なLDL-C低減を達成するためである。
【0126】
心血管疾患が確立している成人または原発性高脂血症(ヘテロ接合性家族性高コレステロール血症[HeFH]を含む)の成人におけるRepatha(商標)の推奨皮下投薬量は、投薬頻度および注射量に関する患者の好みに基づいて、2週間ごとに140mg、または1か月に1回420mgのいずれかである。HoFH患者におけるRepatha(商標)の推奨皮下投薬量は、月に1回420mgである。
【0127】
例えば、抗体または断片は、CL-274711、CL-148219QLT、CL-274698、CL-148219およびCL-148489(例えばCL-274711またはCL-148219QLT)から選択される抗体のCDRH3配列、ならびに任意選択で、前記選択される抗体のCDRL3を含む。例えば、抗体または断片は、CL-274711、CL-148219QLT、CL-274698、CL-148219およびCL-148489(例えばCL-274711またはCL-148219QLT)から選択される抗体のCDRH1およびCDRH3配列、ならびに任意選択で、前記選択される抗体のCDRL2を含む。例えば、抗体または断片は、CL-274711、CL-148219QLT、CL-274698、CL-148219およびCL-148489(例えば、CL-274711またはCL-148219QLT)から選択される抗体のCDRH1およびCDRH2配列を含む。例えば、抗体または断片は、CL-274711、CL-148219QLT、CL-274698、CL-148219およびCL-148489(例えばCL-274711またはCL-148219QLT)から選択される抗体のCDRH2およびCDRH3配列を含む。例えば、抗体または断片は、抗PCSK9結合部位を含み、結合部位は、CL-58838のVLドメインと対になったCL-58838のCDRH3配列を含むVHドメインを含む。
【0128】
例えば、抗体または断片は、抗PCSK9結合部位を含み、結合部位は、それぞれ配列番号33を含むVLドメインと任意選択で対になった配列番号1を含むVHドメインを含む。例えば、抗体または断片は、抗PCSK9結合部位を含み、結合部位は、配列番号95を含むVLドメインと対になった配列番号65を含むVHドメインを含む。
【0129】
例えば、抗体または断片は、抗PCSK9結合部位を含み、結合部位は、選択される抗体のVLドメインと任意選択で対になった、CL-274711、CL-148219QLT、CL-274698、CL-148219およびCL-148489から選択される抗体(例えばCL-274711またはCL-148219QLT)のVHドメインを含む。例えば、抗体または断片は、抗PCSK9結合部位を含み、結合部位は、CL-58838のVLドメインと対になったCL-58838のVHドメインを含む。
【0130】
2.(i)VH遺伝子セグメントがIGHV4-59(例えばIGHV4-59*01)であり、DH遺伝子セグメントがヒト遺伝子セグメントIGHD3-10(例えばIGHD3-10*01)である;または(ii)VH遺伝子セグメントがIGHV3-9(例えばIGHV3-9*01)であり、DH遺伝子セグメントがヒト遺伝子セグメントIGHD3-9(例えばIGHD3-9*01)である、項目1に記載の抗体または断片。
【0131】
3.JH遺伝子セグメントがヒト遺伝子セグメントJH6(例えばJH6*02)である、項目1または2に記載の抗体または断片。
【0132】
4.プロタンパク質転換酵素サブチリシンケキシン9型(PCSK9)に特異的に結合し、項目1~3のいずれか一項に記載の抗PCSK9抗体のCDRH3配列を含む抗体または断片。
【0133】
5.プロタンパク質転換酵素サブチリシンケキシン9型(PCSK9)に特異的に結合し、本明細書に開示される任意の抗PCSK9抗体(例えばCL-148219もしくはCL-148489)のCDRH3配列、または3つ、2つもしくは1つのアミノ酸置換を含む前記CDRH3配列を含むVHドメインを含む抗体または断片。
【0134】
6.プロタンパク質転換酵素サブチリシンケキシン9型(PCSK9)に特異的に結合し、CL-274711、CL-148219QLT、CL-274698、CL-148219およびCL-148489から選択される抗体(例えば、CL-274711もしくはCL-148219QLT)のCDRH3配列;または3つ、2つもしくは1つのアミノ酸置換を含む前記配列を含むVHドメインを含む(任意選択で項目1~5のいずれか一項に記載の)抗体または断片。
【0135】
任意選択で、VHドメインは、本明細書に開示されるCDRH3配列から選択されるCDRH3配列、または3つ、2つもしくは1つのアミノ酸置換を含む前記選択される配列を含む。
【0136】
7.VHドメインが、(i)CL-274711、CL-148219QLT、CL-274698、CL-148219およびCL-148489から選択される抗体(例えばCL-274711もしくはCL-148219QLT)のCDRH3配列;または、3つ、2つもしくは1つのアミノ酸置換を含む前記CDRH3配列;ならびに(ii)前記選択される抗体のCDRH1配列;または、3つ、2つもしくは1つのアミノ酸置換を含む前記CDRH1配列を含む、項目6に記載の抗体または断片。
【0137】
8.VHドメインが、(iii)CL-274711、CL-148219QLT、CL-274698、CL-148219およびCL-148489から選択される抗体(例えばCL-274711もしくはCL-148219QLT)のCDRH3配列;または、3つ、2つもしくは1つのアミノ酸置換を含む前記CDRH3配列;ならびに(iv)前記選択される抗体のCDRH2配列;または、3つ、2つもしくは1つのアミノ酸置換を含む前記CDRH2配列を含む、項目6または7に記載の抗体または断片。
【0138】
9.プロタンパク質転換酵素サブチリシンケキシン9型(PCSK9)に特異的に結合する結合部位を含む(任意選択で項目1~8のいずれか一項に記載の)抗体または断片であって、結合部位は、CL-274711、CL-148219QLT、CL-274698、CL-148219およびCL-148489から選択される抗体(例えばCL-274711もしくはCL-148219QLT)のVHドメインのアミノ酸配列;またはそれと少なくとも70、80、85、90、95、96、97、98または99%同一であるアミノ酸を含むVHドメインを含む、抗体または断片。
【0139】
例えば、同一性は少なくとも85%である。例えば、同一性は少なくとも90%である。例えば、同一性は少なくとも95%である。
【0140】
任意選択で、抗体または断片のVHドメインは、本明細書に開示されるVHアミノ酸配列、またはそれと少なくとも70、80、85、90、95、96、97、98または99である重鎖可変ドメインアミノ酸配列を含む。例えば、同一性は少なくとも85%である。例えば、同一性は少なくとも90%である。例えば、同一性は少なくとも95%である。
【0141】
10.前記VHドメインの第1および第2のコピーを含む、前述の項目1~9のいずれか一項に記載の抗体または断片。
【0142】
一例では、抗体または断片は、本発明のVLドメインと対になった本発明のVHドメインを含む結合部位を含み、結合部位は、PCSK9(例えば成熟PCSK9、例えばヒトおよび/またはカニクイザルPCSK9)に特異的に結合することができる。例えば、抗体または断片は、そのような結合部位のうちの2つを含む。
【0143】
11.プロタンパク質転換酵素サブチリシンケキシン9型(PCSK9)に特異的に結合する結合部位を含む(任意選択で項目1~10のいずれか一項に記載の)抗体または断片であって、結合部位は、ヒトVL遺伝子セグメントおよびJL遺伝子セグメントの組換えに由来するヌクレオチド配列によってコードされるVLドメインを含み、VL遺伝子セグメントは、IGKV2-28(例えばIGKV2-28*01)およびIGKV2-29(例えばIGKV2-29*01)から選択される、抗体または断片。
【0144】
12.VLがVκであり、JL遺伝子セグメントがIGKJ3およびIGKJ4から選択されるヒト遺伝子セグメントである、項目11に記載の抗体または断片。
【0145】
任意選択で、JL遺伝子セグメントは、IGKJ3*01およびIGKJ4*01から選択される。
【0146】
13.プロタンパク質転換酵素サブチリシンケキシン9型(PCSK9)に特異的に結合し、項目11または12に記載の抗PCSK9抗体のCDRL3配列を含む抗体または断片。
【0147】
14.プロタンパク質転換酵素サブチリシンケキシン9型(PCSK9)に特異的に結合し、本明細書に開示される任意の抗PCSK9抗体(例えばCL-148219もしくはCL-148489)のCDRL3配列、または3つ、2つもしくは1つのアミノ酸置換を含む前記選択されるCDRL3配列を含むVLドメインを含む(任意選択で項目1~13のいずれか一項に記載の)抗体または断片。
【0148】
15.前記選択される抗体のCDRH3配列を含むVHドメインを含む、項目14の抗体または断片。
【0149】
16.プロタンパク質転換酵素サブチリシンケキシン9型(PCSK9)に特異的に結合し、本明細書に開示されるCDRL3配列から選択されるCDRL3配列、または3を含む前記選択されたCDRL3配列を含むVLドメインを含む抗体または断片(任意選択で項目1~15のいずれか一項に記載の)、2または1アミノ酸置換。
【0150】
17.プロタンパク質転換酵素サブチリシンケキシン9型(PCSK9)に特異的に結合し、CL-274711、CL-148219QLT、CL-274698、CL-148219およびCL-148489から選択される抗体(例えばCL-274711もしくはCL-148219QLT)のCDRL3(および任意選択でCDRH3)配列;または、それぞれ3つ、2つ、もしくは1つのアミノ酸置換を含む前記配列を含むVLドメインを含む(任意選択で項目1~16のいずれか一項に記載の)抗体または断片。
【0151】
18.VLドメインが、(i)CL-274711、CL-148219QLT、CL-274698、CL-148219およびCL-148489から選択される抗体(例えばCL-274711もしくはCL-148219QLT)のCDRL3配列(および任意選択でCDRH3);または、それぞれ3つ、2つもしくは1つのアミノ酸置換を含む前記CDR3配列;ならびに(ii)前記選択される抗体のCDRL1(および任意選択でCDRH1)配列;または、それぞれ3つ、2つもしくは1つのアミノ酸置換を含む前記CDR1配列を含む、項目17に記載の抗体または断片。
【0152】
19.VLドメインが、(iii)CL-274711、CL-148219QLT、CL-274698、CL-148219およびCL-148489から選択される抗体(例えばCL-274711もしくはCL-148219QLT)のCDRL3(および任意選択でCDRH3)配列;または、それぞれ3つ、2つもしくは1つのアミノ酸置換を含む前記CDR3配列;ならびに(iv)前記選択される抗体のCDRL2(および任意選択でCDRH2)配列;または、それぞれ3つ、2つもしくは1つのアミノ酸置換を含む前記CDR2配列を含む、項目17または18に記載の抗体または断片。
【0153】
20.プロタンパク質転換酵素サブチリシンケキシン9型(PCSK9)に特異的に結合する結合部位を含む(任意選択で項目1~19のいずれか一項に記載の)抗体または断片であって、結合部位は、CL-274711、CL-148219QLT、CL-274698、CL-148219およびCL-148489から選択される抗体(例えばCL-274711もしくはCL-148219QLT)のVLドメインのアミノ酸配列;またはそれと少なくとも70、80、85、90、95、96、97、98もしくは99%%同一であるアミノ酸を含むVLドメインを含む、抗体または断片。
【0154】
例えば、同一性は少なくとも85%である。例えば、同一性は少なくとも90%である。例えば、同一性は少なくとも95%である。
【0155】
21.前記VLドメインの第1および第2のコピーを含む、項目1~20のいずれか一項に記載の抗体または断片。
【0156】
一例では、抗体または断片は、VHドメインと対になった本発明のVLドメインを含む結合部位を含み、結合部位は、PCSK9(例えば成熟PCSK9、例えばヒトおよび/またはカニクイザルPCSK9)に特異的に結合することができる。例えば、抗体または断片は、そのような結合部位のうちの2つを含む。
【0157】
22.プロタンパク質転換酵素サブチリシンケキシン9型(PCSK9)に特異的に結合し、CL-274711、CL-148219QLT、CL-274698、CL-148219およびCL-148489から選択される抗体(例えばCL-274711もしくはCL-148219QLT)の重鎖アミノ酸配列;またはそれと少なくとも70、80、85、90、95、96、97、98もしくは99%同一であるアミノ酸を含む(任意選択で項目1~21のいずれか一項に記載の)抗体または断片。
【0158】
一例では、重鎖配列は、本明細書に開示される抗体重鎖定常領域、例えばIgG4-PE定常領域に融合したCL-148219またはCL-148489のVHアミノ酸配列、例えば配列番号3を含む。追加的に、または代替的に、一例では、軽鎖配列は、本明細書に開示される抗体軽鎖定常領域、例えば、カッパ定常領域に融合したCL-148219またはCL-148489のVLアミノ酸配列、例えば配列番号156を含む。
【0159】
例えば、同一性は少なくとも85%である。例えば、同一性は少なくとも90%である。例えば、同一性は少なくとも95%である。
【0160】
23.プロタンパク質転換酵素サブチリシンケキシン9型(PCSK9)に特異的に結合し、CL-274711、CL-148219QLT、CL-274698、CL-148219およびCL-148489から選択される抗体(例えばCL-274711もしくはCL-148219QLT)の軽鎖アミノ酸配列;またはそれと少なくとも70、80、85、90、95、96、97、98もしくは99%同一であるアミノ酸を含む(任意選択で項目1~22のいずれか一項に記載の)抗体または断片。
【0161】
例えば、同一性は少なくとも85%である。例えば、同一性は少なくとも90%である。例えば、同一性は少なくとも95%である。
【0162】
24.前記選択される抗体の軽鎖アミノ酸配列;またはそれと少なくとも70、80、85、90、95、96、97、98または99%同一であるアミノ酸を含む、項目23に記載の抗体または断片。
【0163】
例えば、同一性は少なくとも85%である。例えば、同一性は少なくとも90%である。例えば、同一性は少なくとも95%である。
【0164】
25.前述の項目のいずれかに記載の抗体が結合するエピトープと同一であるヒトPCSK9エピトープに特異的に結合する(任意選択で項目1~24のいずれか一項に記載の)抗体または断片。
【0165】
26.エピトープが、無関係のアミノ酸スキャニングによって、またはX線結晶学によって同定される、項目25に記載の抗体または断片。
【0166】
抗体および抗原の相互作用に関与する接触アミノ酸残基は、当業者に知られた様々な方法によって決定することができる。
【0167】
一実施形態では、抗原配列、この場合PCSK9のアミノ酸の、アラニン(別名アラニンスキャン)または別の無関係のアミノ酸による連続的な置換(標準的な分子生物学技術を使用して抗原のコード配列のDNAを突然変異させる)は、その突然変異が問題の抗原を認識する抗体の能力を低減または消失させるであろう残基を提供し得る。結合は、SPR、HTRF、ELISA(本明細書の他の場所に記載されている)等であるがそれらに限定されない標準的な技術を使用して評価することができる。抗原配列アミノ酸の側鎖の電荷の変化(例えばリジンのグルタミン酸への変化)、極性および非極性残基の切り替え(例えばセリンのロイシンへの変化)等、結合の破壊を強化するために他の置換が行われてもよい。アラニンスキャンまたは他のアミノ置換法は、組換え可溶性抗原を用いて、または標的が細胞膜標的である場合、突然変異バージョンの一過性または安定した発現を使用して細胞上で直接行われてもよい。
【0168】
一実施形態では、タンパク質結晶学を使用して、抗体と抗原との間の接触残基を決定する(すなわち、抗体が結合するエピトープを決定する)ことができ、結晶学は、抗体-抗原相互作用に関与する接触残基の直接的視覚化を可能にする。標準的なX線結晶構造解析と同様に、低温電気顕微鏡法を使用して、抗体とHIVキャプシドタンパク質との間の接触残基が決定された(Lee,Jeong Hyun,et al.”Antibodies to a conformational epitope on gp41 neutralize HIV-1 by destabilizing the Env spike.”,Nature communications,6,(2015)を参照されたい)。
【0169】
一実施形態では、抗体が線状エピトープを認識する場合、抗原配列に基づく短いペプチドを生成することができ、これらのペプチドへの抗体の結合は、これらに限定されないが、SPR、HTRF、ELISA等の標準的な技術を使用して評価することができる(これは本明細書の他の場所で説明されている)。結合を示す任意のペプチドに対してアラニンスキャンを実行することにより、エピトープのさらなる調査を提供することができる。線状ペプチドの代わりに、CD20ターゲティング抗体上の不連続エピトープを決定するために使用されている足場へのペプチドの化学結合を使用したPepscan技術を使用して、コンフォメーションスキャンを行うことができる(Niederfellner,Gerhard,et al.”Epitope characterization and crystal structure of GA101 provide insights into the molecular basis for type I/II distinction of CD20 antibodies.”,Blood,118.2,(2011),358-367)。
【0170】
一実施形態では、限定されたタンパク質分解消化および質量分析を使用して、結合エピトープを同定することができる。抗体-抗原複合体は、トリプシン等であるがそれに限定されないプロテアーゼによって消化される。消化された複合ペプチドは、抗体のみおよび抗原のみの消化質量分析と比較され、特定のエピトープが複合体化によって保護されているかどうかが決定される。次いで、アミノ酸置換、競合結合を含むさらなる研究を使用して、相互作用に関与する個々のアミノ酸残基に絞り込むことができる(例えば、Suckau,Detlev,et al.”Molecular epitope identification by limited proteolysis of an immobilized antigen-antibody complex and mass spectrometric peptide mapping.”,Proceedings of the National Academy of Sciences,87.24,(1990),9848-9852を参照されたい)。
【0171】
したがって、一実施形態では、エピトープの接触残基は、無関係のアミノ酸スキャン(例えばアラニンスキャン)で識別される。別の実施形態では、無関係のアミノ酸スキャン(例えばアラニンスキャン)は、SPR、HTRF、ELISA、X線結晶学、低温電気顕微鏡学、および限定されたタンパク質分解消化および質量分析の組み合わせから選択される技術を使用して行われる。一実施形態では、無関係のアミノ酸スキャン(例えばアラニンスキャン)は、HTRFを使用して行われる。一実施形態では、無関係のアミノ酸スキャン(例えばアラニンスキャン)は、ELISAを使用して行われる。
【0172】
ELISAまたはHTRFのいずれかを使用してアラニンスキャンを行うと、シグナルの低減が少なくとも25%である場合、アミノ酸残基がエピトープに寄与すると特定される。一実施形態では、信号の低減は少なくとも30%である。一実施形態では、信号の低減は少なくとも35%である。一実施形態では、信号の低減は少なくとも40%である。一実施形態では、信号の低減は少なくとも45%である。一実施形態では、信号の低減は少なくとも50%である。一実施形態では、信号の低減は少なくとも55%である。一実施形態では、信号の低減は少なくとも60%である。一実施形態では、信号の低減は少なくとも70%である。一実施形態では、信号の低減は少なくとも75%である。一実施形態では、信号の低減は少なくとも80%である。一実施形態では、信号の低減は少なくとも85%である。一実施形態では、信号の低減は少なくとも90%である。
【0173】
SPRを使用してアラニンスキャンを行うと、親和性に少なくとも10倍の低減が見られる場合、アミノ酸残基がエピトープに寄与していると特定される。一実施形態では、親和性の低減は少なくとも15倍である。一実施形態では、親和性の低減は少なくとも20倍である。一実施形態では、親和性の低減は少なくとも30倍である。一実施形態では、親和性の低減は少なくとも40倍である。一実施形態では、親和性の低減は少なくとも50倍である。一実施形態では、親和性の低減は少なくとも100倍である。
【0174】
一実施形態では、エピトープの接触残基は、X線結晶学によって同定される。一実施形態では、エピトープの接触残基は、低温電気顕微鏡法によって同定される。一実施形態では、エピトープの接触残基は、限定されたタンパク質分解消化および質量分析の組み合わせによって同定される。
【0175】
27.エピトープの接触残基が、SPRによって決定されるような無関係のアミノ酸スキャン、例えばアラニンスキャンにおける親和性の少なくとも10倍の低減によって定義される、項目26に記載の抗体または断片。
【0176】
一実施形態では、親和性の低減は少なくとも15倍である。一実施形態では、親和性の低減は少なくとも20倍である。一実施形態では、親和性の低減は少なくとも30倍である。一実施形態では、親和性の低減は少なくとも40倍である。一実施形態では、親和性の低減は少なくとも50倍である。一実施形態では、親和性の低減は少なくとも100倍である。
SPRは、本明細書に記載されているように行うことができる。
【0177】
28.ヒトPCSK9への結合について項目1~27のいずれか一項に記載の抗体と競合する(任意選択で項目1~27のいずれか一項に記載の)抗体または断片。
【0178】
任意選択で、競合は、表面プラズモン共鳴(SPR)またはELISAによって決定される。当業者は、例えば、これらの技術および標準条件に精通しているであろう。
【0179】
一実施形態では、抗体または断片は、細胞表面に発現されたhPCSK9への結合について、hPCSK9(またはその融合タンパク質)と(例えば用量依存的に)競合する。一実施形態では、抗体または断片は、可溶性hPCSK9への結合について、hPCSK9(またはその融合タンパク質)と(例えば用量依存的に)競合する。
【0180】
任意選択で、hPCSK9への結合の競合は、SPRを使用して行われる。SPRは、本明細書に記載されているように行うことができる。
【0181】
29.配列番号189~192のいずれか1つを含むヒトPCSK9;および/または配列番号193を含むカニクイザルPCSK9;および/または配列番号194を含むマウスPCSK9に特異的に結合する、前述の項目1~28のいずれか一項に記載の抗体または断片。
【0182】
任意選択で、本発明の抗体または断片は、配列番号189のアミノ酸配列に特異的に結合する。任意選択で、本発明の抗体または断片は、配列番号193のアミノ酸配列に特異的に結合する。任意選択で、本発明の抗体または断片は、配列番号194のアミノ酸配列に特異的に結合する。
【0183】
一例では、本明細書におけるPCSK9は、ヒト、マウス、またはカニクイザルのPCSK9である。
【0184】
一実施形態では、抗体または断片は、1nM未満(例えば1nM~0.01pM、または1nM~0.1pM、または1nM~1pM)の親和性でカニクイザルPCSK9に結合する。一実施形態では、抗体または断片は、10nM未満(例えば10nM~0.01pM、または10nM~0.1pM、または10nM~1pM)の親和性でカニクイザルPCSK9に結合する。一実施形態では、抗体または断片は、0.1nM未満(例えば0.1nM~0.01pM、または0.1nM~0.1pM、または0.1nM~1pM)の親和性でカニクイザルPCSK9に結合する。一実施形態では、抗体または断片は、0.01nM未満(例えば0.011nM~0.01pMまたは0.01nM~0.1pM)の親和性でカニクイザルPCSK9に結合する。
【0185】
一実施形態では、抗体または断片は、hPCSK9に対する親和性の2倍以内の親和性でカニクイザルPCSK9に結合する。一実施形態では、抗体または断片は、hPCSK9に対する親和性の4倍以内の親和性でカニクイザルPCSK9に結合する。一実施形態では、抗体または断片は、hPCSK9に対する親和性の5倍以内の親和性でカニクイザルPCSK9に結合する。一実施形態では、抗体または断片は、hPCSK9に対する親和性の6倍以内の親和性でカニクイザルPCSK9に結合する。一実施形態では、抗体または断片は、hPCSK9に対する親和性の8倍以内の親和性でカニクイザルPCSK9に結合する。一実施形態では、抗体または断片は、hPCSK9に対する親和性の10倍以内の親和性でカニクイザルPCSK9に結合する。
【0186】
本明細書における「hPCSK9」は、ヒトPCSK9、例えば配列番号562を含む本明細書に開示されるヒトPCSK9等である。
【0187】
一実施形態では、抗体または断片は、カニクイザルPCSK9に検出可能に結合しない。一実施形態では、抗体または断片は、マウス(例えばマウスおよび/またはラット)PCSK9に検出可能に結合しない。
【0188】
一実施形態では、抗体または断片は、1nM未満(例えば1nM~0.01pM、または1nM~0.1pM、または1nM~1pM)の親和性でマウス(例えば、マウスおよび/またはラット)PCSK9に結合する。一実施形態では、抗体または断片は、10nM未満(例えば10nM~0.01pM、または10nM~0.1pM、または10nM~1pM)の親和性でマウスPCSK9に結合する。一実施形態では、抗体または断片は、0.1nM未満(例えば0.1nM~0.01pM、または0.1nM~0.1pM、または0.1nM~1pM)の親和性でマウスPCSK9に結合する。一実施形態では、抗体または断片は、0.01nM未満(例えば0.011nM~0.01pMまたは0.01nM~0.1pM)の親和性でマウスPCSK9に結合する。
【0189】
任意選択で、抗体または断片は、ヒト定常領域、例えばエフェクターヌルヒト定常領域、例えばIgG4定常領域またはIgG1定常領域等のエフェクター有効化またはエフェクター無効化定常領域を含み、任意選択で、定常領域は、IgG4-PE、または無効化IgG1である。任意選択で、抗体または断片は、マウス(例えばマウスおよび/またはラット)定常領域を含む。任意選択で、抗体または断片は、本明細書に記載の重鎖定常領域配列のいずれかを含む。
【0190】
任意選択で、定常領域は、CDCおよび/またはADCC活性を有する。
【0191】
30.ヒト定常領域、例えばIgG4定常領域またはIgG1定常領域を含む、前述の項目1~29のいずれか一項に記載の抗体または断片。
【0192】
例えば、定常領域は、本明細書に開示される重鎖定常領域を含む。
一例では(任意選択で直前の段落に従う重鎖領域に加えて)、定常領域は軽鎖定常領域を含み、軽鎖定常領域は本明細書に開示される軽鎖定常領域アミノ酸配列を含む。
【0193】
31.定常領域がIgG4-PE定常領域である、項目30に記載の抗体または断片。
【0194】
本発明による抗PCSK9抗体または断片は、ヒト定常領域、例えば、エフェクターヌルヒト定常領域、例えばIgG4定常領域またはIgG1定常領域等の定常領域を含み得、任意選択で、定常領域は、IgG4-PE、または本明細書における配列表に定義されている無効化IgG1である。
【0195】
他の実施形態では、抗体または断片は、本明細書で定義されるアイソタイプまたは定常領域のいずれかである。一実施形態では、定常領域は、野生型ヒトIgG1である。例えば、定常領域は、エフェクター有効化IgG1定常領域であり、任意選択で、ADCCおよび/またはCDC活性を有する。一実施形態では、定常領域は、ADCCおよび/またはCDCおよび/またはADCPを強化するように設計されている。別の実施形態では、定常領域は、エフェクター機能を強化するように設計されている。
【0196】
IgG4定常領域は、IgG4定常領域アミノ酸配列のいずれかであり得るか、または本明細書における配列表の核酸配列のいずれかによってコードされ得る。重鎖定常領域は、Leu235Glu突然変異およびSer228Pro突然変異の両方を含むIgG4であってもよい。この「IgG4-PE」重鎖定常領域(例えば配列表を参照されたい)は、エフェクターヌルである。
【0197】
代替のエフェクターヌルヒト定常領域は、L235Aおよび/またはG237A突然変異(例えばLAGA、配列表を参照されたい)を含むIgG1*01対立遺伝子である無効化IgG1である。一実施形態では、本明細書に開示される抗体または抗体断片は、IgG1重鎖定常領域を含み、配列は、位置235および/または237(EUインデックス番号付け)にアラニンを含む。
【0198】
Fc媒介効果の効力は、当業者に明らかであるような技術のいずれかによりFcドメインを操作することによって増強され得る。別の実施形態では、本明細書に開示される抗体および断片は、FcRnへの結合を増強する三重突然変異(M252Y/S254T/T256E)を含み得る。
【0199】
32.別の標的抗原(例えばANGPTL3、例えばヒトANGPTL3)に特異的に結合する抗原結合部位をさらに含む、前述の項目1~31のいずれか一項に記載の抗体または断片(例えば二重特異性抗体)。
【0200】
一例では、さらなる結合部位は、前記別の抗原のアゴニスト結合部位である。一例では、さらなる結合部位は、前記別の抗原のアンタゴニスト結合部位である。
【0201】
一例では、さらなる結合部位は、VHおよびVLを含む抗体結合部位、抗体の定常ドメインに含まれる結合部位(例えばFcab結合部位)または非免疫グロブリン結合部位(例えばフィブロネクチンドメイン)である。任意選択で、抗原結合部位は、本明細書に開示される任意の抗原結合部位である。
【0202】
例えば、抗体または断片は、二重特異性抗体または断片である。例えば、抗体または断片は、二重結合抗体もしくは断片、または前述の項目1~31のいずれか一項で定義された抗体もしくはその断片を含む融合タンパク質である。二重結合抗体は、上記の意味を有する。
【0203】
一例では、抗体または断片は、DVD-Ig、mAb、FIT-Ig、mAb-dAb、ドックアンドロック、SEEDbody、scDiabody-Fc、diabody-Fc、タンデムscFv-Fc、Fab-scFv-Fc、Fab-scFv、イントラボディ、BiTE、ジアボディ、DART、TandAb、scDiabody、scDiabody-CH、Diabody-CH、ミニボディ、ノブインホール、共通の軽鎖を有するノブインホール、共通の軽鎖および電荷対を有するノブインホール、電荷対、共通の軽鎖を有する電荷対、特にmAb、ノブインホール、共通の軽鎖を有するノブインホール、共通の軽鎖および電荷対を有するノブインホールチェーンおよびFIT-Ig、例えばmAbおよびFIT-Igから選択される二重特異性形式を含む。
【0204】
一実施形態では、二重特異性形式は、DVD-Ig、mAb、FIT-Ig、mAb-dAb、ドックアンドロック、Fabアーム交換、SEEDbody、Triomab、LUZ-Y、Fcab、κλ-body、直交Fab、scDiabody-Fc、diabody-Fc、タンデムscFv-Fc、Fab-scFv-Fc、Fab-scFv、イントラボディ、BiTE、ジアボディ、DART、TandAb、scDiabody、scDiabody-CH、Diabody-CH、トリプルボディ、ミニ抗体、ミニボディ、TriBiミニボディ、scFv-CH KIH、scFv-CH-CL-scFv、F(ab’)-scFv、scFv-KIH、Fab-scFv-Fc、4価HCab、ImmTAC、ノブインホール、共通の軽鎖を有するノブインホール、共通の軽鎖および電荷対を有するノブインホール、電荷対、共通の軽鎖を有する電荷対、DT-IgG、DutaMab、IgG(H)-scFv、scFv-(H)IgG、IgG(L)-scFv、scFv-(L)IgG、IgG(L、H)-Fv、IgG(H)-V、V(H)-IgG、IgG(L)-V、V(L)-IgG、KIH IgG-scFab、2scFv-IgG、IgG-2scFv、scFv4-Igおよびzybodyから選択される。
【0205】
一実施形態では、二重特異性形式は、DVD-Ig、FIT-Ig、mAb-dAb、ドックアンドロック、Fab-アーム交換、SEEDbody、Triomab、LUZ-Y、Fcab、κλ-body、直交Fab、scDiabody-Fc、diabody-Fc、タンデムscFv-Fc、Fab-scFv-Fc、Fab-scFv、イントラボディ、BiTE、ジアボディ、DART、TandAb、scDiabody、scDiabody-CH、Diabody-CH、トリプルボディ、ミニ抗体、ミニボディ、TriBiミニボディ、scFv-CH KIH、scFv-CH-CL-scFv、F(ab’)-scFv、scFv-KIH、Fab-scFv-Fc、4価HCab、ImmTAC、ノブインホール、共通の軽鎖を有するノブインホール、共通の軽鎖および電荷対を有するノブインホール、電荷対、共通の軽鎖を有する電荷対、DT-IgG、DutaMab、IgG(H)-scFv、scFv-(H)IgG、IgG(L)-scFv、scFv-(L)IgG、IgG(L,H)-Fv、IgG(H)-V、V(H)-IgG、IgG(L)-V、V(L)-IgG、KIH IgG-scFab、2scFv-IgG、IgG-2scFv、scFv4-Igおよびzybody、例えばDVD-Ig、FIT-Ig、mAb-dAb、ドックアンドロック、SEEDbody、scDiabody-Fc、diabody-Fc、タンデムscFv-Fc、Fab-scFv-Fc、Fab-scFv、イントラボディ、BiTE、ジアボディ、DART、TandAb、scDiabody、scDiabody-CH、Diabody-CH、ミニボディ、ノブインホール、共通軽鎖を有するノブインホール、共通軽鎖および電荷対を有するノブインホール、電荷対、共通軽鎖を有する電荷対、特にノブインホール、共通の軽鎖を有するノブインホール、共通の軽鎖および電荷対を有するノブインホール、ならびにFIT-Ig、例えばFIT-Igから選択される。
【0206】
一実施形態では、二重特異性形式は、DVD-Ig、mAb、mAb-dAb、ドックアンドロック、Fab-アーム交換、SEEDbody、Triomab、LUZ-Y、Fcab、κλ-body、直交Fab、scDiabody-Fc、diabody-Fc、タンデムscFv-Fc、Fab-scFv-Fc、Fab-scFv、イントラボディ、BiTE、ジアボディ、DART、TandAb、scDiabody、scDiabody-CH、Diabody-CH、トリプルボディ、ミニ抗体、ミニボディ、TriBiミニボディ、scFv-CH KIH、scFv-CH-CL-scFv、F(ab’)-scFv、scFv-KIH、Fab-scFv-Fc、4価HCab、ImmTAC、ノブインホール、共通の軽鎖を有るノブインホール、共通の軽鎖および電荷対を有するノブインホール、電荷対、共通の軽鎖を有する電荷対、DT-IgG、DutaMab、IgG(H)-scFv、scFv-(H)IgG、IgG(L)-scFv、scFv-(L)IgG、IgG(L,H)-Fv、IgG(H)-V、V(H)-IgG、IgG(L)-V、V(L)-IgG、KIH IgG-scFab、2scFv-IgG、IgG-2scFv、scFv4-Igおよびzybody、例えばDVD-Ig、mAb、mAb-dAb、ドックアンドロック、SEEDbody、scDiabody-Fc、diabody-Fc、タンデムscFv-Fc、Fab-scFv-Fc、Fab-scFv、イントラボディ、BiTE、ジアボディ、DART、TandAb、scDiabody、scDiabody-CH、Diabody-CH、ミニボディ、ノブインホール、共通軽鎖を有するノブインホール、共通軽鎖および電荷対を有するノブインホール、電荷対、共通軽鎖を有する電荷対、特にmAb、ノブインホール、共通の軽鎖および電荷対を有するノブインホール、ならびに共通の軽鎖を有するノブインホール、例えばmAbから選択される。
【0207】
一実施形態では、二重特異性形式は、DVD-Ig、mAb-dAb、ドックアンドロック、Fab-アーム交換、SEEDbody、Triomab、LUZ-Y、Fcab、κλ-body、直交Fab、scDiabody-Fc、diabody-Fc、タンデムscFv-Fc、Fab-scFv-Fc、Fab-scFv、イントラボディ、BiTE、ジアボディ、DART、TandAb、scDiabody、scDiabody-CH、Diabody-CH、トリプルボディ、ミニ抗体、ミニボディ、TriBiミニボディ、scFv-CH KIH、scFv-CH-CL-scFv、F(ab’)-scFv、scFv-KIH、Fab-scFv-Fc、4価HCab、ImmTAC、ノブインホール、共通の軽鎖を有するノブインホール、共通の軽鎖および電荷対を有するノブインホール、電荷対、共通の軽鎖を有する電荷対、DT-IgG、DutaMab、IgG(H)-scFv、scFv-(H)IgG、IgG(L)-scFv、scFv-(L)IgG、IgG(L,H)-Fv、IgG(H)-V、V(H)-IgG、IgG(L)-V、V(L)-IgG、KIH IgG-scFab、2scFv-IgG、IgG-2scFv、scFv4-Igおよびzybody、例えばDVD-Ig、mAb-dAb、ドックアンドロック、SEEDbody、scDiabody-Fc、diabody-Fc、タンデムscFv-Fc、Fab-scFv-Fc、Fab-scFv、イントラボディ、BiTE、ジアボディ、DART、TandAb、scDiabody、scDiabody-CH、Diabody-CH、ミニボディ、ノブインホール、共通軽鎖を有するノブインホール、共通軽鎖および電荷対を有するノブインホール、電荷対、共通軽鎖を有する電荷対、特にノブインホール、共通の軽鎖および電荷の対を有するノブインホール、ならびに共通の軽鎖を有するノブインホールから選択される。
【0208】
33.対象におけるPCSK9媒介疾患または状態(例えば高脂血症または高コレステロール血症)を処置または防止するための、前述の項目1~32のいずれか一項に定義される抗PCSK9抗体または断片。
【0209】
一例では、対象はヒトである。代替例では、対象はヒト以外の動物である。一例では、対象は成人のヒトである。一例では、対象は小児のヒトである。一例では、対象は透析処置を受けているヒトCKD患者である。一例では、対象は末期腎疾患を有するヒトである。
【0210】
一例では、本明細書における抗体または断片は、高コレステロール血症、高脂血症、高コレステロール血症、脂質異常症、胆汁うっ滞性肝疾患、ネフローゼ症候群、甲状腺機能低下症、肥満、糖尿病、アテローム性動脈硬化症または心血管疾患から選択される疾患または状態を処置または防止するためのものである。一例では、疾患または状態は、脂質障害、高リポタンパク血症、高脂血症、脂質異常症;高コレステロール血症、心臓発作、脳卒中、冠状動脈性心臓病、アテローム性動脈硬化症、末梢血管疾患、クラウディケーション、II型糖尿病、高血圧、および心血管疾患または状態から選択される。例えば、病気または状態は高脂血症である。例えば、病気または状態は高コレステロール血症である。例えば、病気または状態は糖尿病である。例えば、病気または状態は脳卒中である。例えば、病気または状態はアテローム性動脈硬化症である。例えば、病気または状態はCNS障害である。例えば、病気または状態は神経障害である。例えば、病気または状態はうつ病である。
【0211】
一例では、疾患または状態はヒトにおける疾患または状態である。一例では、疾患または状態は動物における疾患または状態である。
【0212】
一例では、PCSK9媒介疾患または状態は、例えばアルツハイマー病、筋萎縮性側索硬化症、パーキンソン病、ハンチントン病、原発性進行性多発性硬化症、続発性進行性多発性硬化症、大脳皮質基底核変性症、レット症候群、加齢性黄斑変性症および色素性網膜炎から選択される網膜変性障害;前部虚血性視神経症、緑内障、ブドウ膜炎、うつ病、外傷関連ストレスまたは外傷後ストレス障害、前頭側頭認知症、レビー体認知症、軽度の認知障害、後部皮質萎縮、原発性進行性失語症ならびに進行性核上麻痺または加齢性認知症から選択される神経変性疾患、障害または状態であり、特に、神経変性疾患、障害または状態は、アルツハイマー病、筋萎縮性側索硬化症、パーキンソン病、およびハンチントン病から選択され、例えばアルツハイマー病である。
【0213】
一例では、本発明の抗体、断片、組み合わせは、対象に静脈内投与される、または対象への静脈内投与用である。一例では、本発明の抗体、断片、組み合わせは、対象に皮下投与される、または対象への皮下投与用である。
【0214】
34.スタチンと同時にまたは連続して対象に投与される、項目33に記載の抗体または断片。
【0215】
35.ある量の抗PCSK9抗体または断片およびある量のスタチン(任意選択で、前記抗体および/またはスタチンの複数回投与を含む)の組み合わせであって、抗体または断片は項目1~34のいずれか一項に記載のものである組み合わせ。
【0216】
また、組み合わせ、前記量の抗体または断片を含む第1の滅菌容器、および前記量のスタチンを含む第2の滅菌容器、および任意選択で、対象における高脂血症または高コレステロール血症を処置するために組み合わせを使用するための説明書を含む医療キットも提供される。
【0217】
組み合わせ、前記量の抗体または断片を含む第1の滅菌容器、および前記量のANGPTL3阻害剤を含む第2の滅菌容器、および任意選択で、対象における高脂血症または高コレステロール血症を処置するために組み合わせを使用するための説明書を含む医療キットも提供される。
【0218】
一例では、組み合わせは、対象における高脂血症または高コレステロール血症を処置または防止するためのものであり、連続する4週間にわたって、抗体の総用量およびスタチンの総用量が、X:Yの比率で前記対象に投与され、Xは10~2x10およびY=4であり、例えば、Xは10~2x10マイクログラムおよびY=4マイクログラムである。
【0219】
36.以前に第1の用量でスタチン治療レジメンを受けていた対象における高コレステロール血症を処置または防止する方法で使用するための、本発明による抗体、断片または組み合わせであって、対象に投与されるスタチンの用量を低減する、または対象にスタチンを投与しないことを含み、抗体または断片を対象に投与することを含む方法。
【0220】
37.10~20mg(例えば10mg)、または60mg未満(例えば40mg)の1日量でスタチンを含む、項目35または36に記載の組み合わせ。
【0221】
38.コレステロールの上昇に苦しむヒトまたは動物の対象に投与するための、対象が抗PCSK9抗体または断片を投与された後に対象の血漿低密度リポタンパク質コレステロール(LDL-C)レベルを低下させるための、前述の項目1~37のいずれか一項に記載の抗体、断片または組み合わせ。
【0222】
39.PCSK9媒介疾患または状態、例えば高脂血症または高コレステロール血症を処置または防止するために対象に投与するための医薬の製造における、前述の項目1~38のいずれか一項に定義される抗体、断片または組み合わせの使用。
【0223】
40.対象におけるPCSK9媒介疾患または状態(例えば高脂血症または高コレステロール血症)を処置または防止する方法であって、治療有効量の項目1~38のいずれか一項に定義される抗体、断片または組み合わせを前記対象に投与することを含み、PCSK9媒介疾患または状態がそれによって処置または防止される方法。
【0224】
疾患または状態は、本明細書に開示される任意のものであり得る。
【0225】
41.PCSK9媒介疾患または状態が、高脂血症または高コレステロール血症である、項目39に記載の使用または項目40に記載の方法。
【0226】
42.対象にさらなる治療、例えばさらなる治療薬を投与することをさらに含み、任意選択で、さらなる治療薬が、
a.スタチン;
b.ANGPTL3阻害剤(例えば抗ANGPTL3抗体、例えばエビナクマブ)
c.フィブラート;
d.胆汁酸封鎖剤;
e.ニコチン酸;および
f.ナイアシンからなる群から選択される、項目33から41のいずれか一項に記載の抗体、断片、組み合わせ、使用、または方法。
【0227】
本開示は、代わりにブランド薬のジェネリック版を含み、これらのジェネリック薬の開示は、例えば、組み合わせの一部として、本発明での可能な使用のために、参照により本明細書に含まれる。
【0228】
43.項目1~38および42のいずれか一項に定義される抗体、断片または組み合わせ、ならびに薬学的に許容される賦形剤、希釈剤または担体を含み、任意選択で前述のもの(たとえば項目42で言及されたもの)から選択されるさらなる治療薬剤と組み合わせた医薬組成物。
【0229】
44.PCSK9媒介状態または疾患、例えば高脂血症または高コレステロール血症を処置および/または防止するための、請求項43に記載の医薬組成物。
【0230】
45.ヒトの前記疾患または状態を処置および/または防止するために使用するためのラベルまたは説明書と組み合わせた、項目43または44に記載の医薬組成物であって、任意選択で、ラベルまたは説明書は、販売承認番号(例えばFDAまたはEMA承認番号)を含み、任意選択で、キットは、抗体または断片を含むIVまたは注射デバイスを含む医薬組成物。
【0231】
46.項目1~32のいずれか一項に定義される抗体または断片のVHドメインおよび/またはVLドメインをコードする核酸。
【0232】
47.CL-274711、CL-148219QLT、CL-274698、CL-148219およびCL-148489から選択される抗体(例えばCL-274711もしくはCL-148219QLT)のVHドメインのアミノ酸配列;またはそれと少なくとも70、80、85、90、95、96、97、98もしくは99%同一であるアミノ酸を含むVHドメインをコードする核酸。
【0233】
例えば、同一性は少なくとも85%である。例えば、同一性は少なくとも90%である。例えば、同一性は少なくとも95%である。
【0234】
任意選択で、配列番号114のアミノ酸配列、またはそれと少なくとも70、80、85、90、95、96、97、98もしくは99%同一であるアミノ酸を含むVHドメインをコードする核酸が提供される。例えば、同一性は少なくとも85%である。例えば、同一性は少なくとも90%である。例えば、同一性は少なくとも95%である。
【0235】
48.CL-274711、CL-148219QLT、CL-274698、CL-148219およびCL-148489から選択される抗体(例えばCL-274711もしくはCL-148219QLT)のVLドメインのアミノ酸配列;またはそれと少なくとも70、80、85、90、95、96、97、98もしくは99%同一であるアミノ酸を含むVLドメインをコードする核酸。
【0236】
任意選択で、核酸はまた、選択される抗体のVHドメインのアミノ酸配列;またはそれと少なくとも70、80、85、90、95、96、97、98もしくは99%同一であるアミノ酸を含むVHドメインをコードする。例えば、同一性は少なくとも85%である。例えば、同一性は少なくとも90%である。例えば、同一性は少なくとも95%である。
【0237】
49.配列番号2または66の配列と少なくとも70%同一であるヌクレオチド配列を含む核酸(例えば宿主細胞、例えばCHOまたはHEK293またはCos細胞内)。
ここで、%同一性が言及されているいかなる場合も、一例では100%同一性がある。
【0238】
50.項目1~32のいずれか一項に定義される抗体または断片の重鎖および/または軽鎖をコードする核酸。
【0239】
51.配列番号22または66と少なくとも70%同一であるVHアミノ酸配列を含む重鎖;およびIGHG4配列と少なくとも70%同一である、任意選択で配列番号3または152と少なくとも70%同一であるC領域アミノ酸配列をコードする核酸。
【0240】
52.配列番号93または95と少なくとも70%同一であるVLアミノ酸配列を含む軽鎖;およびIGKC配列と少なくとも70%同一である、任意選択で配列番号156と少なくとも70%同一であるC領域アミノ酸配列をコードする核酸。
【0241】
53.
a.CL-274711、CL-148219QLT、CL-274698、CL-148219およびCL-148489から選択される抗体(例えばCL-274711もしくはCL-148219QLT)の重鎖配列と少なくとも70%同一であるヌクレオチド配列;および/または
b.CL-274711、CL-148219QLT、CL-274698、CL-148219およびCL-148489からそれぞれ選択される抗体(例えばCL-274711もしくはCL-148219QLT)の軽鎖配列と少なくとも70%同一であるヌクレオチド配列を含む核酸(例えば宿主細胞、例えばCHOまたはHEK293またはCos細胞内)。
【0242】
54.核酸(例えば項目46から53のいずれか一項に記載の核酸)を含むベクターであって、任意選択でCHOまたはHEK293ベクターであるベクター。
【0243】
本明細書における本発明の核酸はすべて、本発明の抗体または断片の可変ドメインまたは鎖を発現するため等、宿主細胞、例えばCHOまたはHEK293またはCos細胞において発現可能である。
【0244】
55.核酸(例えば項目46~53のいずれか一項に記載の核酸)または項目54に記載のベクターを含む宿主細胞。
【0245】
一例では、抗体または断片は、9、10、11または12残基、例えば10、例えば11残基のHCDR3長さを備える。一例では、抗体または断片は、7、8または9残基、例えば8、例えば9残基のLCDR3長さを備える。一例では、抗体または断片の各VHドメインは、1~11個の非生殖細胞系残基、例えば1、2、3、4、5、6、7、8、9、10または11個の非生殖細胞系残基を含む。一例では、抗体または断片の各VLドメインは、3~8個の非生殖細胞系残基、例えば、3、4、5、6、7または8個の非生殖細胞系残基を含む。
【0246】
一実施形態では、本明細書のCDR配列は、Kabatに従って決定される。代替例では、CDR配列は、IMGTに従って決定される。
【0247】
一例では、選択される抗体は、CL-148219である。一例では、選択される抗体は、CL-148489である。
【0248】
一例では、選択される抗体は、CL-148219またはCL-148489の重鎖を含む。
【0249】
一例では、本発明の抗体または断片の重鎖は、ヒトガンマ-1、ガンマ-2、ガンマ-3、ガンマ-4、ミュー、デルタ、イプシロンまたはアルファアイソタイプ、好ましくはガンマアイソタイプ(例えばIgG4アイソタイプ)である。一例では、本発明の抗体または断片の軽鎖は、ヒトカッパ定常領域を含む。代替として、一例では、本発明の抗体または断片の軽鎖は、ヒトラムダ定常領域を含む。
【0250】
任意選択で、抗体は、軽鎖の二量体と結合した重鎖の二量体を含む4本鎖抗体である。一例では、重鎖は、本明細書に開示される1つもしくは重鎖CDRもしくはCDRの組み合わせを含み、および/または、軽鎖は、同じ選択される抗体からのもの等、本明細書に開示される1つもしくは重鎖のCDRもしくはCDRの組み合わせを含む。一例では、重鎖は、本明細書に開示されるようなVHドメインを含み、および/または軽鎖は、同じ選択される抗体からのもの等、本明細書に開示されるVLを含む。一例では、重鎖および軽鎖は、同じ選択される抗体、例えば、本明細書における配列表または本明細書における実施例の表に開示されている任意の抗体からのものである。
【0251】
一例では、選択される抗体は、CL-148219またはCL-148489の軽鎖(および任意選択で重鎖)を含む。
【0252】
一例では、選択される抗体は、CL-148219またはCL-148489の可変ドメインを含む。
【0253】
一例では、選択される抗体は、CL-148219またはCL-148489のVHドメインを含む。
【0254】
一例では、選択される抗体は、CL-148219またはCL-148489のVHおよびVLドメインを含む。
【0255】
任意選択で、VHは、ヒトIGHV4-59(例えばIGHV4-59*01)、D遺伝子セグメント(例えばIGHD3-10、例えばIGHD3-10*01)およびIGHJ6(例えばIGHJ6*02)遺伝子セグメントの組換えに由来するヌクレオチド配列によってコードされる。任意選択で、追加的または代替的に、VLは、ヒトIGKV2-28(例えばIGKV2-28*01)およびIGKJ3(例えばIGKJ3*01)の組換えに由来するヌクレオチド配列によってコードされる。
【0256】
任意選択で、VHは、ヒトIGHV3-9(例えばIGHV3-9*01)、D遺伝子セグメント(例えばIGHD3-9、例えばIGHD3-9*01)およびIGHJ6(例えばIGHJ6*02)遺伝子セグメントの組換えに由来するヌクレオチド配列によってコードされる。任意選択で、追加的または代替的に、VLは、ヒトIGKV2-29(例えばIGKV2-29*01またはIGKV2D-29*01)およびIGKJ4(例えばIGKJ4*01)の組換えに由来するヌクレオチド配列によってコードされる。
【0257】
一例では、抗体または断片は、9-12残基のHCDR3長さを備え、および/または抗体または断片は、7-9残基のLCDR3長さを備える。一例では、抗体または断片は、9、10、11または12残基、例えば10、例えば11残基のHCDR3長さを備える。一例では、抗体または断片は、7、8、または9残基、例えば8、例えば9残基のLCDR3長さを備える。一例では、抗体または断片の各VHドメインは、1~11個の非生殖細胞系残基、例えば1、2、3、4、5、6、7、8、9、10または11個の非生殖細胞系残基を含む。一例では、抗体または断片の各VLドメインは、3~8個の非生殖細胞系残基、例えば3、4、5、6、7または8個の非生殖細胞系残基を含む。
【0258】
任意選択で、抗体または断片は、SPRによって決定されるように、PCSK9(例えばヒトPCSK9)への結合についてCL-148219(例えばIgG形式、例えばIgG4-PEのCL-148219)と競合する。
【0259】
任意選択で、抗体または断片は、SPRによって決定されるように、PCSK9(例えばヒトPCSK9)への結合についてCL-148489(例えばIgG形式、例えばIgG4-PEのCL-148489)と競合する。
【0260】
任意選択で、アミノ酸置換は保存的アミノ酸置換であり、任意選択で、各保存的置換は以下のグループ(1)から(6)までである:
1)アラニン(A)、セリン(S)、スレオニン(T);
2)アスパラギン酸(D)、グルタミン酸(E);
3)アスパラギン(N)、グルタミン(Q);
4)アルギニン(R)、リジン(K);
5)イソロイシン(I)、ロイシン(L)、メチオニン(M)、バリン(V);および
6)フェニルアラニン(F)、チロシン(Y)、トリプトファン(W)。
【0261】
本明細書における任意のSPRは、例えば、37℃およびpH7.6での表面プラズモン共鳴(SPR)である。
【0262】
任意選択で、本明細書における任意のPCSK9は、(例えばインビトロ試験において)ヒトPCSK9である。
【0263】
一例では、本発明の抗体または断片は、例えば5×10-1×s-1、または約5×10-1×s-1のKaでヒトPCSK9に結合する。一例では、本発明の抗体または断片は、例えば4もしくは5s-1、または約4もしくは5秒-1のKdでヒトPCSK9に結合する。一例では、本発明の抗体または断片は、例えば0.07もしくは0.14nM、または約0.07もしくは0.14nMのKDでヒトPCSK9に結合する。一実施形態では、断片はFab断片である。一実施形態では、断片はscFvである。
【0264】
本明細書で使用される場合、本明細書で使用される「阻害する」、「阻害」、「阻害すること」等は、別の抗原の結合を部分的または完全に防止するエピトープ(例えばhPCSK9の)に結合するアンタゴニスト(例えば抗体またはその断片)の能力を指す。アンタゴニストが結合するエピトープがリガンドの結合部位を完全にブロックする場合、リガンドの結合は完全に防止され(これは物理的ブロッキング(エピトープが重複している場合)または立体的ブロッキング(アンタゴニストが大きく、リガンドがその別個のエピトープに結合するのを妨げる場合)であってもよい)、リガンドは循環から除去されない。したがって、循環リガンドの濃度が増加しているように見える場合がある。アンタゴニストが結合するエピトープがリガンドの結合部位を部分的にブロックする場合、リガンドは結合し得る可能性があるが、ごく弱い(部分的阻害の場合)、または自然の結合相互作用とは異なる方向である。この場合、リガンドの一部は循環から除去され得るが、リガンド結合部位が完全に遊離していて結合に利用できる場合ほどではない。したがって、阻害とは、リガンドおよび受容体の物理的相互作用を指す。阻害は、HTRFによって測定することができ、HTRFは、本明細書の他の場所およびMathis(1995)Clinical Chemistry 41(9),1391-1397に詳細に記載されている。阻害はまた、受容体が細胞上に発現するフローサイトメトリーにより、または受容体がプレート上に吸着されるELISAにより測定され得る。
【0265】
任意選択で、本発明の抗体は、1pM~5nMのPCSK9に結合するための親和性(KD)を有し、任意選択で、結合は、37℃、pH7.6で前記抗体のFabを使用するSPRによって決定される。
【0266】
任意選択で、抗体は、1×10-5~1×10-3-1のPCSK9に結合するためのオフレート(Koff)を有し、任意選択で、結合は、37℃、pH7.6で前記抗体のFabを使用するSPRによって決定される。
【0267】
任意選択で、抗体は、1×10~1×10-1-1のPCSK9に結合するためのオンレート(Kon)を有し、任意選択で、結合は、37℃、pH7.6で前記抗体のFabを使用するSPRによって決定される。
【0268】
一例では、抗体(例えばFabとして)または断片は、PCSK9(例えばヒトPCSK9)に結合するための以下の親和性(KD)を有する。
(a)2、3、4、5もしくは10pM~3、4もしくは5nM;
(b)1~10pM~5nM;
(c)10pM~3、4、もしくは5nM;
(d)50もしくは80pM~200nM;
(e)50もしくは80pM~150nM;または
(f)50もしくは80pM~100nM。
【0269】
一例では、KDは、5~15pM(例えば10pM)である(または約5~15pM(例えば10pM)である)。一例では、KDは、2~5nM(例えば3nM)である(または約2~5nM(例えば3nM)である)。一例では、KDは、100~400pM(例えば140もしくは390pM)である(または約100~400pM(例えば140もしくは390pM)である)。
【0270】
一例では、抗体(例えばFabとして)または断片は、PCSK9(例えばヒトPCSK9)に結合するための以下の(Koff)を有する。
(a)1×10-5~5×10-4-1
(b)1×10-5~6×10-4-1
(c)1×10-5~7×10-4-1
(d)1×10-5~8×10-4-1
(e)2×10-5~1×10-3-1
(f)2×10-5~5×10-4-1
(g)2×10-5~6×10-4-1
(h)2×10-5~7×10-4-1;または
(i)2×10-5~8×10-4-1
【0271】
一例では、Koffは、5×10-4-1である(または約5×10-4-1である)(例えば、KDが2nM~400pMである(もしくは約2nM~400pMである)場合;KDが2~5nM(例えば3nM)である(もしくは約2~5nM(例えば3nM)である)場合;またはKDが100~400pM(例えば140もしくは390pM)である(または約100~400pM(例えば140もしくは390pM)である)場合)。一例では、Koffは、3×10-5-1である(例えば、KDが5~15pM(例えば10pM)である(または約5~15pM(例えば10pM)である)場合)。
【0272】
一例では、抗体(例えばFabとして)または断片は、PCSK9(例えばヒトPCSK9)に結合するための以下のオンレート(Kon)を有する。
(a)1×10~1×10-1-1
(b)1×10~2×10-1-1
(c)1×10~3×10-1-1
(d)1×10~4×10-1-1
(e)1×10~5×10-1-1
(f)2×10~5×10-1-1
(g)3×10~5×10-1-1
(h)4×10~5×10-1-1
(i)5×10~5×10-1-1;または
(j)6×10~5×10-1-1
【0273】
一例では、Konは、1もしくは2×10-5-1-1(または約1もしくは2×10-5-1-1)である(例えばKDが2~5nM(例えば3nM)の場合)。一例では、Konは、1~4、1、2、3もしくは4×10-6-1-1(または約1~4、1、2、3もしくは4×10-6-1-1)である(例えばKDが5~400pM(例えば140もしくは390pM)または5~15pM(例えば10pM)(あるいは約5~400pM(例えば140もしくは390pM)または5~15pM(例えば10pM))の場合)。
【0274】
本明細書における項目または他の態様で提供されるように、抗PCSK9抗体または断片は、表面プラズモン共鳴によって決定されるように、50nM未満、40nM未満、30nM未満のKでPCSK9、例えばヒトPCSK9に結合し得る。別の実施形態では、抗PCSK9抗体または断片は、表面プラズモン共鳴によって決定されるように、20nM未満、15nM未満、10nM未満のKでPCSK9、例えばヒトPCSK9に結合し得る。抗PCSK9抗体または断片は、表面プラズモン共鳴によって決定されるように、8nM未満、5nM未満、4nM未満、3nM未満、2nM未満または1nM未満のKでPCSK9、例えばヒトPCSK9に結合し得る。Kは、0.9nM以下、0.8nM以下、0.7nM以下、0.6nM以下、0.5nM以下、0.4nM以下、0.3nM以下、0.2nM以下、または0.1nM以下であってもよい。
【0275】
別の実施形態では、Kは、0.01~1nMの範囲内、または0.05~2nMの範囲内、または0.05~1nMの範囲内である。Kは、hPCSK9、カニクイザル(すなわち「cyno」)PCSK9および/またはマウスPCSK9に関するものであってもよい。
【0276】
別の実施形態では、本明細書に記載の抗PCSK9抗体は約0.5~10μM、例えば約1~8μMまたは約1~7μMのKONレート(例えば25℃または37℃等でSPRによって測定される)を有する。別の実施形態では、KONレートは、約1~5μM、例えば約1μM、約1.5μM、約2μM、約2.5μM、または約3μMである。別の実施形態では、KONレートは、約3.5μM、約4μM、約4.5μM、約5μM、または約5.5μMである。
【0277】
別の実施形態では、本明細書に記載の抗PCSK9抗体は、約0.01~100mM、例えば約0.1~50mMまたは約0.5~50mMのKOFFレート(例えば25℃または37℃等でSPRによって測定される)を有する。別の実施形態では、KOFFレートは、約0.5~10mM、または約0.5~10mM、例えば約1mM、約2mM、約3mM、約4mM、または約5mMである。別の実施形態では、KOFFレートは、約0.6mM、約0.7mM、約0.8mMまたは約0.9mMである。
【0278】
任意選択で、本発明の抗体は、ヒトIgG4定常領域を含む。
好ましくは、hPCSK9に特異的に結合する抗体またはその断片は、他の抗原と交差反応しない(しかし、任意選択で、アカゲザル、カニクイザル、またはネズミ等の異なるPCSK9種と交差反応し得る)。PCSK9抗原に特異的に結合する抗体またはその断片は、例えば、イムノアッセイ、BIAcore(商標)、または当業者に知られている他の技術によって同定され得る。抗体またはその断片は、ラジオイムノアッセイ(RIA)および酵素結合免疫吸着測定法(ELISA)等の実験技術を使用して決定された交差反応性抗原よりも高い親和性でhPCSK9抗原に結合すると、hPCSK9抗原に特異的に結合する。典型的には、特異的または選択的な反応は、バックグラウンド信号またはノイズの少なくとも2倍、より典型的にはバックグラウンドの10倍超となる。抗体の特異性に関する議論については、例えば、Paul,ed.,1989,Fundamental Immunology Second Edition,Raven Press,New York at pages 332-336を参照されたい。
【0279】
PCSK9等の抗体と抗原との相互作用に関与する接触アミノ酸残基は、当業者に知られた様々な方法によって決定され得る。
【0280】
一実施形態では、抗体が線状エピトープを認識する場合、抗原配列に基づく短いペプチドが生成され得、これらのペプチドへの抗体の結合は、標準的な技術を使用して評価され得る。
【0281】
一実施形態では、限定されたタンパク質分解消化および質量分析を使用して、結合エピトープを同定することができる。
【0282】
一実施形態では、エピトープの接触残基は、X線結晶学によって同定される。一実施形態では、エピトープの接触残基は、低温電気顕微鏡法によって同定される。一実施形態では、エピトープの接触残基は、限定されたタンパク質分解消化および質量分析の組み合わせによって同定される。
【0283】
別の実施形態では、本明細書に記載の抗PCSK9抗体(および断片)は、他の抗PCSK9抗体および断片よりも改善された一過性発現レベルを提供する。したがって、一実施形態では、抗PCSK9抗体(または断片)は、HEK293細胞、例えば、HEK293T細胞において、約100μg/mL、または約100~350μg/mLの範囲内の発現レベルで発現される。別の実施形態では、発現レベルは、約350μg/mL超である。
【0284】
別の実施形態では、抗PCSK9抗体(または断片)は、CHO細胞、例えば、Expi-CHO細胞において、約100μg/mL、または約100~350μg/mLの範囲内の発現レベルで発現される。別の実施形態では、発現レベルは、約350μg/mL超である。
【0285】
別の実施形態では、抗PCSK9抗体(または断片)は、CHO細胞、例えば、Expi-CHO細胞またはCHO-E7 EBNA細胞において、約100μg/mL、または約100~350μg/mLの範囲内の発現レベルで発現される。別の実施形態では、発現レベルは、約350μg/mL超である。例えば、抗体は、ヒトIgG1またはヒトIgG4(例えばIgG4-PE)として形式化された、CL-58838のいずれか1つのVHおよびVLドメインを含む。
【0286】
これらの発現系のいずれにおいても、発現は、約0.5mL~3mLの間、例えば約0.5mL~2mLの間のスケールで行われる。これらの発現系のいずれにおいても、抗PCSK9抗体(または断片)は、pTT5ベクターから発現され得る。これらの発現系のいずれにおいても、抗PCSK9抗体(または断片)は、脂質トランスフェクション試薬と併せて発現され得、任意選択で、CHO細胞、例えばExpi-CHO細胞において発現され得る。これらの発現系のいずれにおいても、抗PCSK9抗体(または断片)は、PEIトランスフェクション試薬と併せて発現され得、任意選択で、CHO細胞、例えばCHO-E7 EBNA細胞において発現され得る。これらの発現系のいずれにおいても、抗PCSK9抗体(または断片)は、ヘルパープラスミド(例えばAKTヘルパープラスミド)と併せて発現され得、任意選択で、CHO細胞、例えばCHO-E7 EBNA細胞において発現され得る。
【0287】
これらの発現系のいずれにおいても、発現レベルは、約100μg/mL~約1500μg/mLの間、例えば約100μg/mL~約1000μg/mLの間、または約200μg/mL~約1000μg/mLの間、または約350μg/mL~約1000μg/mLの間である。これらの発現系のいずれにおいても、発現の下限は、約100μg/mL、約200μg/mL、約300μg/mL、または約400μg/mLであってもよい。別の実施形態では、発現の下限は、約500μg/mL、約600μg/mL、約700μg/mL、または約800μg/mLであってもよい。これらの発現系のいずれにおいても、発現の上限は、約2000μg/mL、約1800μg/mL、約1600μg/mL、または約1500μg/mLであってもよい。別の実施形態では、発現の上限は、約1250μg/mL、約1000μg/mL、約900μg/mL、または約800μg/mLであってもよい。
【0288】
別の実施形態では、発現系は、Lonza発現系、例えば、Lonza X-Ceed(登録商標)系である。Lonza発現系では、発現は、約30mL~2L、例えば50mL~1L、または1L~2Lのスケールで行うことができる。Lonza発現系では、抗PCSK9抗体(または断片)は、エレクトロポレーションと併せて、任意選択でヘルパープラスミドなしで発現され得る。Lonza発現系では、抗PCSK9抗体(または断片)は、約1g/L、または約900mg/L、または約800mg/L、または約700mg/Lのレベルで発現され得る。別の実施形態では、Lonza発現系において、抗PCSK9抗体(または断片)は、約600mg/Lまたは約500mg/Lまたは約400mg/Lのレベルで発現され得る。ロンザ発現系において、抗PCSK9抗体(または断片)は、約400mg/L~約2g/Lの間、例えば約500mg/L~約1.5g/Lの間、または約500mg/L~約1g/Lの間のレベルで発現され得る。別の実施形態では、発現レベルは、1g/L超である。別の実施形態では、抗PCSK9抗体は、他の抗PCSK9抗体よりも改善された半減期を提供する。
【0289】
一実施形態では、抗体または断片は、ヒト抗体または断片である。一実施形態では、抗体または断片は、完全ヒト抗体または断片である。一実施形態では、抗体または断片は、完全ヒトモノクローナル抗体または断片である。
【0290】
一実施形態では、抗体または断片は、ヒト化抗体または断片である。一実施形態では、抗体または断片は、ヒト化モノクローナル抗体または断片である。
【0291】
抗体および抗原の相互作用に関与する接触アミノ酸残基は、アラニンスキャニング、タンパク質結晶学、質量分析、または当業者に明らかである他の任意の技術等、当業者に知られた様々な方法によって決定され得る。
【0292】
一実施形態では、列挙されたCDRは、1つのアミノ酸置換を含み、これは保存的アミノ酸置換であってもよい。一実施形態では、列挙されたCDRは、2つのアミノ酸置換を含み、これは保存的アミノ酸置換であってもよい。一実施形態では、列挙されたCDRは、3つのアミノ酸置換を含み、これは保存的アミノ酸置換であってもよい。一実施形態では、列挙されたCDRは、4つのアミノ酸置換を含み、これは保存的アミノ酸置換であってもよい。一実施形態では、列挙されたCDRは、5つのアミノ酸置換を含み、これは保存的アミノ酸置換であってもよい。一実施形態では、列挙されたCDRは、6つのアミノ酸置換を含み、これは保存的アミノ酸置換であってもよい。
【0293】
アミノ酸置換には、アミノ酸が異なる自然に発生するアミノ酸残基で置換される改変が含まれる。そのような置換は「保存的」として分類され得、その場合、ポリペプチドに含まれるアミノ酸残基は、極性、側鎖機能性またはサイズのいずれかに関して類似の特徴を有する別の自然に発生するアミノ酸で置き換えられる。そのような保存的置換は当技術分野で周知である。本発明に包含される置換はまた「非保存的」であってもよく、ペプチドに存在するアミノ酸残基は、異なるグループからの自然に発生するアミノ酸等の異なる特性を有するアミノ酸で置換される(例えば、荷電もしくは疎水性アミノ酸をアラニンで置換)、または代替的に、自然に発生するアミノ酸は非従来型アミノ酸で置換される。
【0294】
一実施形態では、保存的アミノ酸置換は、本明細書に記載されている通りである。例えば、置換は、YとF、TとSまたはK、PとA、EとDまたはQ、NとDまたはG、RとK、GとNまたはA、TとSまたはK、DとNまたはE、IとLまたはV、FとY、SとTまたはA、RとK、GとNまたはA、KとR、AとS、KまたはPであってもよい。別の実施形態では、保存的アミノ酸置換は、YがFで、TがAまたはSで、IがLまたはVで、WがYで、MがLで、NがDで、GがAで、TがAまたはSで、DがNで、IがLまたはVで、FがYまたはLで、SがAまたはTで、AがS、G、TまたはVで置換されたものであってもよい。
【0295】
一実施形態では、本発明は、本発明の抗PCSK9アンタゴニスト(例えば抗体またはそのPCSK9結合断片)、および許容される担体、希釈剤、または賦形剤を含む医薬組成物を提供する。より具体的には、本発明の組成物は、1種以上の追加の治療薬剤、例えば、スタチンをさらに含む。本明細書で言及されるように、「スタチン」(HMG-CoAレダクターゼ阻害剤としても知られている)は、肝臓におけるコレステロール産生を媒介する酵素HMG-coAレダクターゼの阻害剤である。スタチンは、HMG-CoAレダクターゼに競合的に結合することにより、HMG-CoAの酵素への結合を防止し、それによってレダクターゼの活性(例えばメバロン酸の生成)を阻害する。スタチンの非限定的な例には、アトルバスタチン(LIPITOR(商標))、フルバスタチン(LESCOL(商標))、ロバスタチン(MEVACOR(商標)、ALTOCOR(商標))、ピタバスタチン(LIVALO(商標))、プラバスタチン(PRAVACHOL(商標))、ロスバスタチン(CRESTOR(商標))、およびシンバスタチン(ZOCOR(商標))が含まれ得る。スタチンは、他の薬剤、例えばエゼチミブおよびシンバスタチンの組み合わせと組み合わせて投与され得る。
【0296】
一例では、抗PCSK9アンタゴニスト、抗体または断片は、当技術分野で知られている一般的な方法により、例えば37℃での表面プラズモン共鳴(SPR)バイオセンサーの使用により決定されるように、約1×10-8M未満、好ましくは約1×10-9M未満のKDでPCSK9に結合する。
【0297】
「有効量」とは、対象、研究者、医師、または他の臨床医学者により求められる哺乳動物またはヒトに対する生物学的もしくは医学的応答または所望の治療効果を惹起する、本発明のアンタゴニスト(例えば抗体)または本発明の医薬組成物の量を意味する。有効量は、個体の疾患状態、年齢、性別、および体重、ならびに個体における所望の応答を惹起する抗体および/またはスタチンの能力等の要因によって変動し得る。また、有効量は、いかなる毒性または有害な効果よりも治療的に有益な効果が上回る量でもある。
【0298】
本発明の抗PCSK9アンタゴニスト抗体またはその抗原結合断片、それを含む組み合わせまたは医薬組成物は、非経口経路(例えば皮下、静脈内、腹腔内、筋肉内、または経皮)によって投与され得る。投与は、単回または複数回の用量で、単独または薬学的に許容される担体および/もしくは希釈剤と組み合わせて対象に行うことができる。本発明の医薬組成物、組み合わせまたはアンタゴニストは、当技術分野で周知の方法によって調製することができ(例えば、Remington:The Science and Practice of Pharmacy,19th ed.(1995),A.Gennaro et al.,Mack Publishing Co.)、1種以上の薬学的に許容される担体、希釈剤、または賦形剤を含む、またはそれらと組み合わせることができる。
【0299】
一実施形態では、対象は、ヒト男性、例えば成人または幼児である。一実施形態では、対象は、ヒト女性、例えば成人または幼児、例えば非妊娠女性または妊娠女性である。一例では、ヒトは、透析患者である。幼児は、生後1ヶ月超のヒトであってもよい。一例では、対象は、確立された心血管疾患または原発性高脂血症(例えばヘテロ接合性家族性高コレステロール血症[HeFH])を有する成人のヒトである。一例では、対象は、HoFHを有するヒト、例えば成人のヒトである。
【0300】
対象は、処置を必要とする状態またはそのような状態に関連する1つ以上の合併症を以前に診断された、またはそれらに罹患しているもしくは有すると特定され、任意選択で、その状態またはその状態に関連する1つ以上の合併症に対する処置をすでに受けている者であってもよい。代替として、対象はまた、その状態またはその状態に関連する1つ以上の合併症を有すると以前に診断されていない者であってもよい。例えば、対象は、その状態もしくはその状態に関連する1つ以上の合併症に対して1つ以上の危険因子を示す者、または危険因子を示さない対象であってもよい。
【0301】
本発明は、抗PCSK9アンタゴニストおよびスタチンを同時にまたは連続して投与することを含み得る。一例では、アンタゴニストおよびスタチンは、1ヶ月、4週間、3週間、2週間、1週間、10日、9日、8日、7日、6日、5日、4日、3日、2日または1日以内の間隔で投与される。本明細書に例示されるように、アンタゴニストおよびスタチンの投与は、7日以内(例えば1日以内)の間隔である場合に有効となり得る。一例では、抗PCSK9アンタゴニストおよびスタチンは、10、14、21または28日以内の間隔で対象に投与される。
【0302】
一例では、スタチンは、週に2、3または4回投与される。別の例では、スタチンは、月に1、2、3もしくは4回、または8週間の期間で投与される。
【0303】
一例では、スタチンおよび/または抗体もしくは断片は、対象に静脈内または皮下投与される。
【0304】
一例では、高脂血症または高コレステロール血症は、スタチン処置を受けている、または受けた対象、例えば、スタチン処置に対する反応が低い、または反応しない患者にある。
【0305】
一実施形態では、本発明は、医薬の製造のための抗PCSK9アンタゴニストおよびスタチンの使用を提供する。さらなる実施形態では、本発明は、例えばスタチン処置に対する反応が低い、または反応がない対象における、中等度から重度の高脂血症または高コレステロール血症等の高脂血症または高コレステロール血症の処置または防止のための医薬の製造のための、抗PCSK9アンタゴニストおよびスタチンの使用を提供する。
【0306】
一例では、本発明の抗PCSK9抗体は、HTRFアッセイにおいて参照抗体と競合する抗体である。例えば、HTRFアッセイにおいて、本発明の抗体は、ヒトPCSK9とプレインキュベートされ、続いて非標識化参照抗体(パートIまたはIIによる)と組み合わされる標識化抗体であり、抗体間の競合は、アッセイにより検出される。一例では、アッセイは、本発明のAlexaFluor(商標)647標識化抗体を使用する。代替例では、ヒトPCSK9は標識化される(例えば、AlexaFluor(商標)647を使用すると、試験抗体はEu3+クリプテート-ストレプトアビジンに結合するためにビオチンで標識化され、参照抗体は標識化されない)。例示的な参照抗体は、好ましくは、CL-274711、CL-148219QLT、CL-274698、CL-148219およびCL-148489(例えばCL-274711またはCL-148219QLT)である。代替例はアリロクマブまたはエボロクマブである。
【0307】
任意選択で、本発明の抗PCSK9抗体(試験抗体)は、HTRFアッセイにおいて、ヒトPCSK9への結合(または参照抗体と同じヒトPCSK9のエピトープに結合する)について参照抗体と競合し、アッセイは、ドナー(例えばEu3+クリプテート等)またはアクセプターフルオロフォア(例えばAlexaFluor(商標)647等)で直接的または間接的に標識化された直接的または間接的標識化テスト抗体と、ドナーまたはアクセプターフルオロフォアのいずれかで標識化された標的PCSK9とを使用して、ドナーとアクセプターとの間のエネルギー移動を可能にし、それにより蛍光シグナルが生成および検出される。AlexaFluor(商標)647標識化が使用される例では、試験抗体が参照抗体の存在下にある場合、参照抗体が存在しない場合に対する665nMでの蛍光シグナルの少なくとも20%の低減によって競合が検出される。任意選択で、665nMでのシグナルの低減は、少なくとも20、30、40、50、60、70、80、または90%である。
【0308】
一例では、抗体または断片は、高脂血症または高コレステロール血症または本明細書に開示される任意の他の疾患または状態を処置または防止するために、ヒトまたは動物の対象に4週間にわたって投与される総用量を減らすためのものである。
【0309】
一例では、抗体または断片は、高脂血症または高コレステロール血症または本明細書に開示される任意の他の疾患もしくは状態を処置または防止するために、ヒトまたは動物対照への抗PCSK9アンタゴニスト(例えば抗体または断片)の投与なしでのスタチンの投与を除いて、4週間にわたって同一の処置を受けている対照対象において必要とされる総用量を1/2~1/3に減らすためのものである。
【0310】
一例では、抗体または断片は、高脂血症または高コレステロール血症骨粗鬆症または本明細書に開示される他の疾患もしくは状態を処置または防止するために、処置期間、例えば4週間にわたってヒトまたは動物対象に投与されるスタチンの投与を1/2~1/3節約するためのものである。
【0311】
任意選択で、抗体は、IgG4抗体である。
【0312】
任意選択で、対象に投与されるスタチンの用量は、抗PCSK9アンタゴニスト(例えば本発明の抗体または本断片)の非存在下で投与される場合、効果的ではない。
【0313】
一例では、本明細書における対象は、スタチンの用量に対して不応性であるが、本発明の抗体または断片およびスタチンの用量を投与した場合、高脂血症または高コレステロール血症または別の疾患もしくは状態の処置に応答する。
【0314】
したがって、一例では、本発明の抗体または断片は、対象におけるPCSK9関連疾患または状態を処置するためのヒトまたは動物対象へのスタチンの用量と組み合わせて投与するためのものであり、対象は組み合わせで処置されるが、前記抗体または断片の投与がない状態でのスタチンの用量の投与による疾患または状態の処置は不可能である。
【0315】
疾患または状態は、高脂血症または高コレステロール血症、または、例えば脂質障害、高リポタンパク血症、高脂血症、脂質異常症、高コレステロール血症、心臓発作、脳卒中、冠状動脈性心臓病、アテローム性動脈硬化症、末梢血管疾患、跛行、II型糖尿病、高血圧、および心血管疾患もしくは状態から選択される、本明細書に開示される任意の他の疾患もしくは状態であってもよい。
【0316】
本発明は、PCSK9に特異的に結合する抗体または断片を提供する。任意選択で、抗体または断片は、本明細書に開示されるようなCDRH1配列、またはそれと少なくとも70、80、85、90、95、96、97、98もしくは99%同一である配列を含む。任意選択で、抗体または断片は、本明細書に開示されるようなCDRH2配列、またはそれと少なくとも70、80、85、90、95、96、97、98もしくは99%同一である配列を含む。任意選択で、抗体または断片は、本明細書に開示されるようなCDRH3配列、またはそれと少なくとも70、80、85、90、95、96、97、98もしくは99%同一である配列を含む。任意選択で、抗体または断片は、本明細書に開示されるようなCDRL1配列、またはそれと少なくとも70、80、85、90、95、96、97、98もしくは99%同一である配列を含む。任意選択で、抗体または断片は、本明細書に開示されるようなCDRL2配列、またはそれと少なくとも70、80、85、90、95、96、97、98もしくは99%同一である配列を含む。任意選択で、抗体または断片は、本明細書に開示されるようなCDRL3配列、またはそれと少なくとも70、80、85、90、95、96、97、98もしくは99%同一である配列を含む。
【0317】
任意選択で、抗体または断片は、CL-148219のCDRH1配列、またはそれと少なくとも70、80、85、90、95、96、97、98もしくは99%同一である配列;CL-148219のCDRH2配列、または少なくとも70、80、85、90、95、96、97、98もしくは99%同一である配列;およびCL-148219のCDRH3配列、またはそれと少なくとも70、80、85、90、95、96、97、98もしくは99%同一である配列を含む。任意選択で、抗体または断片は、CL-148219のCDRL1配列、またはそれと少なくとも70、80、85、90、95、96、97、98もしくは99%同一である配列;CL-148219のCDRL2配列、またはそれと少なくとも70、80、85、90、95、96、97、98もしくは99%同一である配列;およびCL-148219のCDRL3配列、またはそれと少なくとも70、80、85、90、95、96、97、98もしくは99%同一である配列を含む。
【0318】
任意選択で、抗体または断片は、CL-148489のCDRH1配列、またはそれと少なくとも70、80、85、90、95、96、97、98もしくは99%同一である配列;CL-148489のCDRH2配列、またはそれと少なくとも70、80、85、90、95、96、97、98もしくは99%同一である配列;およびCL-148489のCDRH3配列、またはそれと少なくとも70、80、85、90、95、96、97、98もしくは99%同一である配列を含む。任意選択で、抗体または断片は、CL-148489のCDRL1配列、またはそれと少なくとも70、80、85、90、95、96、97、98もしくは99%同一である配列;CL-148489のCDRL2配列、またはそれと少なくとも70、80、85、90、95、96、97、98もしくは99%同一である配列;CL-148489のCDRL3配列、またはそれと少なくとも70、80、85、90、95、96、97、98もしくは99%同一である配列を含む。
【0319】
任意選択で、抗体または断片は、CL-148219のVH FR1配列、またはそれと少なくとも70、80、85、90、95、96、97、98もしくは99%同一である配列;CL-148219のVH FR2配列、またはそれと少なくとも70、80、85、90、95、96、97、98もしくは99%同一である配列;CL-148219のVH FR3配列、またはそれと少なくとも70、80、85、90、95、96、97、98もしくは99%同一である配列;およびCL-148219のVH FR4配列、またはそれと少なくとも70、80、85、90、95、96、97、98もしくは99%同一である配列を含む。追加的または代替的に、任意選択で、抗体または断片は、CL-148219のVL FR1配列、またはそれと少なくとも70、80、85、90、95、96、97、98もしくは99%同一である配列;CL-148219のVL FR2配列、またはそれと少なくとも70、80、85、90、95、96、97、98もしくは99%同一である配列;CL-148219のVL FR3配列、またはそれと少なくとも70、80、85、90、95、96、97、98もしくは99%同一である配列;およびCL-148219のVL FR4配列、またはそれと少なくとも70、80、85、90、95、96、97、98もしくは99%同一である配列を含む。
【0320】
任意選択で、抗体または断片は、CL-148489のVH FR1配列、またはそれと少なくとも70、80、85、90、95、96、97、98もしくは99%同一である配列;CL-148489のVH FR2配列、またはそれと少なくとも70、80、85、90、95、96、97、98もしくは99%同一である配列;CL-148489のVH FR3配列、またはそれと少なくとも70、80、85、90、95、96、97、98もしくは99%同一である配列;およびCL-148489のVH FR4配列、またはそれと少なくとも70、80、85、90、95、96、97、98もしくは99%同一である配列を含む。追加的または代替的に、任意選択で、抗体または断片は、CL-148489のVL FR1配列、またはそれと少なくとも70、80、85、90、95、96、97、98もしくは99%同一である配列;CL-148489のVL FR2配列、またはそれと少なくとも70、80、85、90、95、96、97、98もしくは99%同一である配列;CL-148489のVL FR3配列、またはそれと少なくとも70、80、85、90、95、96、97、98もしくは99%同一である配列;およびCL-148489のVL FR4配列、またはそれと少なくとも70、80、85、90、95、96、97、98もしくは99%同一である配列を含む。
【0321】
一例では、本明細書における各CDRおよびFR1~4は、IMGTの命名法に従っている。代替例では、本明細書における各CDRおよびFR1~4は、Kabatの命名法に従っている。
【0322】
任意選択で、抗体または断片は、例えば、本明細書に開示されるガンマ-1重鎖定常領域配列、またはそれと少なくとも70、80、85、90、95、96、97、98もしくは99%同一である配列を含む、ヒトガンマ-1重鎖定常領域を含む。例えば、前記C領域は、配列番号126、またはそれと少なくとも70、80、85、90、95、96、97、98もしくは99%同一である配列を含む。
【0323】
任意選択で、抗体または断片は、例えば、本明細書に開示される配列ガンマ-2重鎖定常領域配列、またはそれと少なくとも70、80、85、90、95、96、97、98もしくは99%同一である配列を含む、ヒトガンマ-2重鎖定常領域を含む。例えば、前記C領域は、配列番号136、またはそれと少なくとも70、80、85、90、95、96、97、98もしくは99%同一である配列を含む。
【0324】
任意選択で、抗体または断片は、ヒトガンマ-3重鎖定常領域を含む。
【0325】
任意選択で、抗体または断片は、例えば、本明細書に開示される配列ガンマ-4重鎖定常領域配列、またはそれと少なくとも70、80、85、90、95、96、97、98もしくは99%同一である配列を含む、ヒトガンマ-4重鎖定常領域を含む。例えば、前記C領域は、配列番号3、144、152もしくは154、またはそれらと少なくとも70、80、85、90、95、96、97、98もしくは99%同一である配列を含む。
【0326】
任意選択で、抗体または断片は、例えば、本明細書に開示されるカッパ軽鎖定常領域配列、またはそれと少なくとも70、80、85、90、95、96、97、98もしくは99%同一である配列を含む、ヒトカッパ軽鎖定常領域を含む。例えば、前記C領域は、配列番号156、またはそれと少なくとも70、80、85、90、95、96、97、98もしくは99%同一である配列を含む。一実施形態では、抗体または断片は、ヒトガンマ-4重鎖定常領域、例えばIgG4-PE定常領域を含む。
【0327】
任意選択で、抗体または断片は、例えば、本明細書に開示されるラムダ軽鎖定常領域配列、またはそれと少なくとも70、80、85、90、95、96、97、98もしくは99%同一である配列を含む、ヒトラムダ軽鎖定常領域を含む。例えば、前記C領域は、配列番号166、またはそれと少なくとも70、80、85、90、95、96、97、98もしくは99%同一である配列を含む。一実施形態では、抗体または断片は、ヒトガンマ-4重鎖定常領域、例えばIgG4-PE定常領域を含む。
【0328】
標的結合能力、特異性および親和性(Kd、Koffおよび/またはKon)は、当技術分野における任意の日常的な方法、例えば表面プラズモン共鳴(SPR)によって決定され得る。「Kd」という用語は、本明細書で使用される場合、特定の抗体-抗原相互作用の平衡解離定数を指すことを意図する。
【0329】
一実施形態では、表面プラズモン共鳴(SPR)は、25℃で行われる。別の実施形態では、SPRは、37℃で行われる。
【0330】
一実施形態では、SPRは、約pH7またはpH7.6等の生理学的pHで行われる(例えば、pH7.6のHepes緩衝生理食塩水(HBS-EPとも呼ばれる)を使用する)。
【0331】
一実施形態では、SPRは、生理学的塩レベル、例えば150mMのNaClで行われる。
【0332】
一実施形態では、SPRは、0.05体積%以下の洗浄剤レベルで、例えば0.05%のP20(ポリソルベート20;例えばTween-20(商標))および3mMのEDTAの存在下で行われる。
【0333】
一例では、SPRは、pH7.6、150mMのNaCl、0.05%の洗浄剤(例えばP20)および3mMのEDTAの緩衝液中で、25℃または37℃で行われる。緩衝液は、10mMのHepesを含んでもよい。一例では、SPRは、HBS-EP中で25℃または37℃で行われる。HBS-EPは、Teknova Inc(California、カタログ番号H8022)から入手可能である。
【0334】
一例では、リガンド(例えば抗体)の親和性は、以下によってSPRを使用して決定される。
1.一級アミンカップリング等の、バイオセンサチップ(例えばGLMチップ)への抗マウス(または他の関連するヒト、ラットもしくは非ヒト脊椎動物抗体定常領域種が適合する)IgG(例えばBiacore(商標)BR-1008-38)のカップリング;
2.抗マウスIgG(または他の適合する種の抗体)を試験IgG抗体に曝露して、チップ上に試験抗体を捕捉する;
3.1024nM、256nM、64nM、16nM、4nMおよび0nM(すなわち緩衝液のみ)でチップの捕捉表面上にテスト抗原を通過させる;ならびに
4.表面プラズモン共鳴を使用して、例えば上記のSPR条件下で(例えば生理学的緩衝液中25℃で)、試験抗原への試験抗体の結合の親和性を決定する。SPRは、例えばBiacore(商標)により、またはProteOn XPR36(商標)(Bio-Rad(登録商標))を用いることにより、任意の標準的なSPR装置を使用して行うことができる。
【0335】
捕捉表面の再生は、pH1.7の10mMグリシンで行うことができる。これにより、捕捉された抗体が除去され、表面を別の相互作用に使用できるようになる。結合データは、ProteOn XPR36(商標)分析ソフトウェアに固有のモデルを使用する等、標準的な手法を使用して固有の1:1モデルにフィッティングすることができる。
【0336】
一例では、本発明のアンタゴニスト(例えば抗体または断片)は、医療容器、例えばバイアル、注射器、IV容器または注射デバイス(例えば眼内または硝子体内注射デバイス)に含まれる。一例では、アンタゴニストは、インビトロで、例えば無菌容器内にある。一例では、本発明は、本発明のアンタゴニスト、包装、およびヒトにおいてPCSK9によって媒介される疾患または状態を処置または防止または診断する際に使用するための説明書を含むキットを提供する。一例では、説明書は、アンタゴニストをヒトに投与する前に、ヒトが本発明のPCSK9変異体配列について遺伝子型決定されるべきであることを示している。一例では、説明書は、リガンドをヒトに投与する前に、ヒトが本発明のPCSK9変異体について表現型決定されるべきであることを示している。例では、ヒトは中国人(例えば漢民族)であり、説明書は中国語(例えば北京語)である。
【0337】
一例では、アンタゴニストは、PCSK9の中和剤である(またはPCSK9の中和剤として決定されている)。一例では、決定は、ヒトで行われる(例えば臨床試験において)。一例では、決定は、非ヒト、例えばマウス、ラット、ウサギ、ブタ、イヌ、ヒツジ、または非ヒト霊長類(例えばカニクイザル、アカゲザルもしくはヒヒ)で行われる。
【0338】
PCSK9の変異体は、WO2015/092393にa、f、c、r、p、m、e h、aj、およびqとして記述されている形態を含み得る。これらの変異体の配列は、その文献に提供されており、例えば、配列番号1~27および表1、2または6を参照されたい。この参照およびこれらの配列の開示は、本発明での可能な使用のために参照により本明細書に組み込まれる。一例では、アンタゴニストは、WO2015/092393に開示されているPCSK9変異体に特異的に結合する。一例では、追加的または代替的に、ヒト対象はそのようなPCSK9変異体を発現する。
【0339】
一例では、アンタゴニストは、E670Gアミノ酸を含むPCSK9変異体に特異的に結合する。一例では、追加的または代替的に、ヒト対象はそのようなPCSK9変異体を発現する。
【0340】
一例では、アンタゴニストは、I474Vアミノ酸を含むPCSK9変異体に特異的に結合する。一例では、追加的または代替的に、ヒト対象は、そのようなPCSK9変異体を発現する。
【0341】
本発明のアンタゴニストは、例えば、特異的結合アッセイ、ヒトの遺伝子型決定または表現型決定、PCSK9の親和性精製、およびPCSK9活性の他のアンタゴニストを同定するためのスクリーニングアッセイにおいて有用である。本発明のアンタゴニストのいくつかは、同族のヒト受容体またはタンパク質へのPCSK9の結合を阻害するため、またはPCSK9媒介性活性を阻害するために有用である。
【0342】
本発明は、改変されたグリコシル化パターンを有する抗PCSK9(例えばPCSK9)抗体アンタゴニストを包含する。いくつかの用途では、望ましくないグリコシル化部位を除去するための改変、または例えば、抗体依存性細胞傷害(ADCC)機能を増加させるためのフコース部分の除去が有用となり得る(Shield et al.(2002)JBC 277:26733を参照されたい)。他の用途では、補体依存性細胞毒性(CDC)を改変するために、ガラクトシル化の改変を行うことができる。
【0343】
一例では、本発明は、本発明のアンタゴニストを含む医薬組成物を特徴とし、アンタゴニストは、PCSK9(例えば本明細書に記載のまれな変異体)および薬学的に許容される担体に特異的に結合する組換えヒト抗体またはその断片であるか、またはそれらを含む。一実施形態では、本発明は、本発明の抗体の抗体アンタゴニストまたは抗原結合断片と第2の治療薬剤との組み合わせである組成物を特徴とする。第2の治療薬剤は、抗炎症剤、抗血管新生剤、鎮痛剤、利尿剤、化学療法剤、抗腫瘍剤、血管拡張剤、血管収縮剤、スタチン、ベータ遮断薬、栄養素、補助剤、抗肥満剤および抗糖尿病剤のいずれかであってもよい。
【0344】
一例では、本発明は、本発明の抗PCSK9アンタゴニスト(例えば、本発明の抗体または抗体の抗原結合部分)を使用してPCSK9活性を阻害するための方法を特徴とし、治療方法は、アンタゴニストを含む治療有効量の医薬組成物を投与することを含む。処置される障害は、PCSK9活性の除去、阻害、または低減によって向上、改善、阻害、または防止される任意の疾患または状態である。
【0345】
段落:
本発明は、段落1以降に記載された以下の態様を提供する。
【0346】
1.プロタンパク質転換酵素サブチリシンケキシン9型(PCSK9)に特異的に結合する結合部位を含む抗体または断片であって、結合部位は、ヒトVH遺伝子セグメント、DH遺伝子セグメントおよびJH遺伝子セグメントの組換えに由来するヌクレオチド配列によってコードされるVHドメインを含み、VH遺伝子セグメントは、IGHV4-31、IGHV4-59、IGHV4-4およびIGHV3-9から選択される、抗体または断片。
【0347】
2.(i)VH遺伝子セグメントがIGHV4-31であり、DH遺伝子セグメントがヒト遺伝子セグメントIGHD3-9である、または(ii)VH遺伝子セグメントがIGHV4-59であり、DH遺伝子セグメントがヒト遺伝子セグメントIGHD3-10である、または(iii)VH遺伝子セグメントがIGHV4-4であり、DH遺伝子セグメントがヒト遺伝子セグメントIGHD2-15である、または(iv)VH遺伝子セグメントがIGHV3-9であり、DH遺伝子セグメントがヒト遺伝子セグメントIGHD3-9である、段落1に記載の抗体または断片。
【0348】
3.JH遺伝子セグメントがヒト遺伝子セグメントIGHJ6である、段落1または2に記載の抗体または断片。
【0349】
4.結合部位が、配列番号271、285、15、77、29、91、211および225から選択されるCDRH3配列を含む、段落1~3のいずれか1つに記載の抗体または断片。
【0350】
5.結合部位が、配列番号259、1、65または199を含むVHドメインを含む、段落1~4のいずれか1つに記載の抗体または断片。
【0351】
6.結合部位が、配列番号289を含むVLドメインと対になった配列番号259を含むVHドメインを含む、段落1~5のいずれか1つに記載の抗体または断片。
【0352】
7.結合部位が、配列番号349を含むVLドメインと対になった配列番号319を含むVHドメインを含む、段落1~5のいずれか1つに記載の抗体または断片。
【0353】
8.PCSK9に特異的に結合し、段落1~7のいずれか1つに記載の抗PCSK9抗体のCDRH3配列、または3つ、2つもしくは1つのアミノ酸置換を含む前記CDRH3配列を含む抗体または断片。
【0354】
9.PCSK9に特異的に結合し、CL-274711、CL-148219QLT、CL-274698、CL-148219およびCL-148489から選択される抗体(例えば、CL-274711もしくはCL-148219QLT)のCDRH3配列;または3つ、2つもしくは1つのアミノ酸置換を含む前記配列を含むVHドメインを含む(任意選択で段落1~8のいずれか1つに記載の)抗体または断片。
【0355】
10.VHドメインが、(i)CL-274711、CL-148219QLT、CL-274698、CL-274711、CL-148219QLT、CL-274698、CL-148219およびCL-148489から選択される抗体(例えばCL-274711もしくはCL-148219QLT)のCDRH3配列;または、3つ、2つもしくは1つのアミノ酸置換を含む前記CDRH3配列;ならびに(ii)前記選択される抗体のCDRH1配列;または、3つ、2つもしくは1つのアミノ酸置換を含む前記CDRH1配列を含む、段落9に記載の抗体または断片。
【0356】
11.VHドメインが、(iii)CL-274711、CL-148219QLT、CL-274698、CL-148219およびCL-148489から選択される抗体(例えばCL-274711もしくはCL-148219QLT)のCDRH3配列;または、3つ、2つもしくは1つのアミノ酸置換を含む前記CDRH3配列;ならびに(iv)前記選択される抗体のCDRH2配列;または、3つ、2つもしくは1つのアミノ酸置換を含む前記CDRH2配列を含む、段落9または10に記載の抗体または断片。
【0357】
12.PCSK9に特異的に結合する結合部位を含む(任意選択で段落1~11のいずれか1つに記載の)抗体または断片であって、結合部位は、CL-274711、CL-148219QLT、CL-274698、CL-148219およびCL-148489から選択される抗体(例えばCL-274711もしくはCL-148219QLT)のVHドメインのアミノ酸配列;またはそれと少なくとも70%同一であるアミノ酸を含むVHドメインを含む、抗体または断片。
【0358】
13.選択される抗体が、CL-274711またはCL-148219QLTである、段落9、10、11または12に記載の抗体または断片。
【0359】
14.前記VHドメインの第1および第2のコピーを含む、段落1~13のいずれか1つに記載の抗体または断片。
【0360】
15.PCSK9に特異的に結合する結合部位を含む(任意選択で段落1~14のいずれか1つに記載の)抗体または断片であって、結合部位は、ヒトVL遺伝子セグメントおよびJL遺伝子セグメントの組換えに由来するヌクレオチド配列によってコードされるVLドメインを含み、VL遺伝子セグメントは、IGKV3-11、IGKV2-28およびIGKV2-29から選択される、抗体または断片。
【0361】
16.JL遺伝子セグメントが、IGKJ4、IGJK3およびIGKJ1から選択されるヒト遺伝子セグメントである、段落15に記載の抗体または断片。
【0362】
17.PCSK9に特異的に結合し、段落1~16のいずれか1つに記載の抗PCSK9抗体のCDRL3配列、または3つ、2つもしくは1つのアミノ酸置換を含む前記CDRL3配列を含む抗体または断片。
【0363】
18.PCSK9に特異的に結合し、配列番号301、315、47、107、61、121、241および255から選択されるCDRL3配列、または3つ、2つもしくは1つのアミノ酸置換を含む前記選択されたCDRL3配列を含むVLドメインを含む(任意選択で段落1~17のいずれか1つに記載の)抗体または断片。
【0364】
19.PCSK9に特異的に結合し、CL-274711、CL-148219QLT、CL-274698、CL-148219およびCL-148489から選択される抗体(例えばCL-274711もしくはCL-148219QLT)のCDRL3(および任意選択でCDRH3)配列;または、それぞれ3つ、2つ、もしくは1つのアミノ酸置換を含む前記配列を含むVLドメインを含む(任意選択で段落1~18のいずれか1つに記載の)抗体または断片。
【0365】
20.VLドメインが、(i)CL-274711、CL-148219QLT、CL-274698、CL-148219およびCL-148489から選択される抗体(例えばCL-274711もしくはCL-148219QLT)のCDRL3配列(および任意選択でCDRH3);または、それぞれ3つ、2つもしくは1つのアミノ酸置換を含む前記CDR3配列;ならびに(ii)前記選択される抗体のCDRL1(および任意選択でCDRH1)配列;または、それぞれ3つ、2つもしくは1つのアミノ酸置換を含む前記CDR1配列を含む、段落19に記載の抗体または断片。
【0366】
21.VLドメインが、(iii)CL-274711、CL-148219QLT、CL-274698、CL-148219およびCL-148489から選択される抗体(例えばCL-274711もしくはCL-148219QLT)のCDRL3(および任意選択でCDRH3)配列;または、それぞれ3つ、2つもしくは1つのアミノ酸置換を含む前記CDR3配列;ならびに(iv)前記選択される抗体のCDRL2(および任意選択でCDRH2)配列;または、それぞれ3つ、2つもしくは1つのアミノ酸置換を含む前記CDR2配列を含む、段落19または20に記載の抗体または断片。
【0367】
22.PCSK9に特異的に結合する結合部位を含む(任意選択で段落1~21のいずれか1つに記載の)抗体または断片であって、結合部位は、CL-274711、CL-148219QLT、CL-274698、CL-148219およびCL-148489から選択される抗体(例えばCL-274711もしくはCL-148219QLT)のVLドメインのアミノ酸配列;またはそれと少なくとも70%同一であるアミノ酸を含むVLドメインを含む、抗体または断片。
【0368】
23.PCSK9に特異的に結合し、CL-274711、CL-148219QLT、CL-274698、CL-148219およびCL-148489から選択される抗体(例えばCL-274711もしくはCL-148219QLT)の重鎖アミノ酸配列;またはそれと少なくとも70%同一であるアミノ酸を含む(任意選択で段落1~22のいずれか1つに記載の)抗体または断片。
【0369】
24.PCSK9に特異的に結合し、CL-274711、CL-148219QLT、CL-274698、CL-148219およびCL-148489から選択される抗体(例えばCL-274711もしくはCL-148219QLT)の軽鎖アミノ酸配列;またはそれと少なくとも70%同一であるアミノ酸を含む(任意選択で段落1~23のいずれか1つに記載の)抗体または断片。
【0370】
25.前記選択される抗体の軽鎖アミノ酸配列;またはそれと少なくとも70%同一であるアミノ酸を含む、段落23に記載の抗体または断片。
【0371】
26.段落1~25のいずれか1つに記載の抗体が結合するエピトープと同一であるヒトPCSK9エピトープに特異的に結合する(任意選択で段落1~25のいずれか1つに記載の)抗体または断片。
【0372】
27.エピトープが、無関係のアミノ酸スキャニングによって、またはX線結晶学によって同定される、段落26に記載の抗体または断片。
【0373】
28.エピトープの接触残基が、SPRによって決定されるような無関係のアミノ酸スキャン、例えばアラニンスキャンにおける親和性の少なくとも10倍の低減によって定義される、段落27に記載の抗体または断片。
【0374】
29.ヒトPCSK9への結合について{1]段落1~28のいずれか1つに記載の抗体と競合する(任意選択で段落1~28のいずれか1つに記載の)抗体または断片。
【0375】
30.配列番号189~194から選択されるアミノ酸配列を含むPCSK9に特異的に結合する、段落1~29のいずれか1つに記載の抗体または断片。
【0376】
31.ヒト定常領域、任意選択でIgG4定常領域またはIgG1定常領域を含む、段落1~30のいずれか1つに記載の抗体または断片。
【0377】
32.定常領域がIgG4-PE定常領域であり、任意選択で定常領域が配列番号3または152のアミノ酸配列を含む、段落31に記載の抗体または断片。
【0378】
33.別の標的抗原、任意選択でANGPTL3に特異的に結合する抗原結合部位をさらに含む、段落1~32のいずれか1つに記載の抗体または断片。
【0379】
34.対象におけるPCSK9媒介疾患または状態(任意選択で高コレステロール血症)を処置または防止するための、段落1~33のいずれか1つに定義される抗PCSK9抗体または断片。
【0380】
35.疾患または状態が、高コレステロール血症、高脂血症、高コレステロール血症、脂質異常症、胆汁うっ滞性肝疾患、ネフローゼ症候群、甲状腺機能低下症、肥満、糖尿病、アテローム性動脈硬化症または心血管疾患から選択される、段落34に記載の抗PCSK9抗体または断片。
【0381】
36.スタチンと同時にまたは連続して対象に投与される、段落34または35に記載の抗体または断片。
【0382】
37.ある量の抗PCSK9抗体または断片およびある量のスタチン(任意選択で、前記抗体および/またはスタチンの複数回投与を含む)の組み合わせであって、抗体または断片は段落1~36のいずれか1つに記載のものである組み合わせ。
【0383】
38.以前に第1の用量でスタチン治療レジメンを受けていた対象における高コレステロール血症を処置または防止する方法で使用するための、段落1~37のいずれか1つに記載の抗体、断片または組み合わせであって、対象に投与されるスタチンの用量を低減する、または対象にスタチンを投与しないことを含み、抗体または断片を対象に投与することを含む方法。
【0384】
39.10~20mg(例えば10mg)、または60mg未満(例えば40mg)の1日量でスタチンを含む、段落37または38に記載の組み合わせ。
【0385】
40.コレステロールの上昇に苦しむヒトまたは動物の対象に投与するための、対象が抗PCSK9抗体または断片を投与された後に対象の血漿低密度リポタンパク質コレステロール(LDL-C)レベルを低下させるための、段落1~39のいずれか1つに記載の抗体、断片または組み合わせ。
【0386】
41.PCSK9媒介疾患または状態、任意選択で高コレステロール血症を処置または防止するために対象に投与するための医薬の製造における、段落1~40のいずれか1つに定義される抗体、断片または組み合わせの使用。
【0387】
42.対象におけるPCSK9媒介疾患または状態(任意選択で高コレステロール血症)を処置または防止する方法であって、治療有効量の段落1~40のいずれか1つに定義される抗体、断片または組み合わせを前記対象に投与することを含み、PCSK9媒介疾患または状態がそれによって処置または防止される方法。
【0388】
43.PCSK9媒介疾患または状態が高コレステロール血症である、段落41に記載の使用または段落42に記載の方法。
【0389】
44.対象にさらなる治療、例えばさらなる治療薬を投与することをさらに含み、任意選択で、さらなる治療薬が、
a.スタチン;
b.ANGPTL3阻害剤(例えば抗ANGPTL3抗体、例えばエビナクマブ)
c.フィブラート;
d.胆汁酸封鎖剤;
e.ニコチン酸;および
f.ナイアシンからなる群から選択される、段落34~43のいずれか1つに記載の抗体、断片、組み合わせ、使用、または方法。
【0390】
45.段落1~40および44のいずれか1つに定義される抗体、断片または組み合わせ、ならびに薬学的に許容される賦形剤、希釈剤または担体を含み、任意選択で段落44に列挙された薬剤から選択されるさらなる治療薬と組み合わせた医薬組成物。
【0391】
46.PCSK9媒介状態または疾患、任意選択で高コレステロール血症を処置および/または防止するための、段落45に記載の医薬組成物。
【0392】
47.ヒトの前記疾患または状態を処置および/または防止するために使用するためのラベルまたは説明書と組み合わせた、段落45または46に記載の医薬組成物であって、任意選択で、ラベルまたは説明書は、販売承認番号(任意選択でFDAまたはEMA承認番号)を含み、任意選択で、キットは、抗体または断片を含むIVまたは注射デバイスを含む医薬組成物。
【0393】
48.段落1~33のいずれか1つに定義される抗体または断片のVHドメインおよび/またはVLドメインをコードする核酸。
【0394】
49.CL-274711、CL-148219QLT、CL-274698、CL-148219およびCL-148489から選択される抗体(例えばCL-274711もしくはCL-148219QLT)のVHドメインのアミノ酸配列;またはそれと少なくとも70%同一であるアミノ酸を含むVHドメインをコードする核酸。
【0395】
50.CL-274711、CL-148219QLT、CL-274698、CL-148219およびCL-148489から選択される抗体(例えばCL-274711もしくはCL-148219QLT)のVLドメインのアミノ酸配列;またはそれと少なくとも70%同一であるアミノ酸を含むVLドメインをコードする核酸。
【0396】
51.配列番号260または320の配列と少なくとも70%同一であるヌクレオチド配列を含む核酸。
【0397】
代替として:
配列番号2、66または200の配列と少なくとも70%同一であるヌクレオチド配列を含む核酸。
【0398】
52.段落1~33のいずれか1つに定義される抗体または断片の重鎖および/または軽鎖をコードする核酸。
【0399】
53.配列番号259または319と少なくとも70%同一であるVHアミノ酸配列を含む重鎖;およびIGHG4配列と少なくとも70%同一である、任意選択で配列番号3または152と少なくとも70%同一であるC領域アミノ酸配列をコードする核酸。
【0400】
代替として:
配列番号1、65と少なくとも70%同一であるVHアミノ酸配列を含む重鎖;およびIGHG4配列と少なくとも70%同一である、任意選択で配列番号3または152と少なくとも70%同一であるC領域アミノ酸配列をコードする核酸。
【0401】
54.配列番号289または349と少なくとも70%同一であるVLアミノ酸配列を含む軽鎖;およびIGKC配列と少なくとも70%同一である、任意選択で配列番号156と少なくとも70%同一であるC領域アミノ酸配列をコードする核酸。
【0402】
代替として:
配列番号33、95および229と少なくとも70%同一であるVLアミノ酸配列を含む軽鎖;およびIGKC配列と少なくとも70%同一である、任意選択で配列番号156と少なくとも70%同一であるC領域アミノ酸配列をコードする核酸。
【0403】
55.
a.CL-274711、CL-148219QLT、CL-274698、CL-148219およびCL-148489から選択される抗体(例えばCL-274711もしくはCL-148219QLT)の重鎖配列と少なくとも70%同一であるヌクレオチド配列;および/または
b.CL-274711、CL-148219QLT、CL-274698、CL-148219およびCL-148489からそれぞれ選択される抗体(例えばCL-274711もしくはCL-148219QLT)の軽鎖配列と少なくとも70%同一であるヌクレオチド配列を含む核酸(例えば宿主細胞、例えばCHOまたはHEK293またはCos細胞内)。
【0404】
56.核酸(例えば段落48~55のいずれか1つに記載の核酸)を含むベクターであって、任意選択でCHOまたはHEK293ベクターであるベクター。
【0405】
57.核酸(例えば段落48~55のいずれか1つに記載の核酸)または段落56に記載のベクターを含む宿主細胞。
【0406】
58.本明細書に記載の抗体、断片、組み合わせ、ベクター、宿主細胞、使用または方法。
【0407】
本明細書の任意の実施形態において、好ましくは、選択される抗体はCL-274711である。
【0408】
治療薬投与および製剤化
本発明は、本発明の抗PCSK9アンタゴニスト、例えば抗体またはその抗原結合断片を含む治療用組成物を提供する。本発明による治療用組成物の投与は、改善された移動、送達、耐性等を提供するために製剤に組み込まれる適切な担体、賦形剤、および他の薬剤と共に投与されるであろう。多数の適切な製剤を、すべての医薬品化学者に知られている処方集:Remington’s Pharmaceutical Sciences,Mack Publishing Company,Easton,Paに見出すことができる。これらの製剤には、例えば、粉末、ペースト、軟膏、ゼリー、ワックス、油、脂質、脂質(カチオン性またはアニオン性)含有ベシクル(LIPOFECTINT(商標)等)、DNAコンジュゲート、無水吸収ペースト、水中油および油中水エマルジョン、エマルジョンカーボワックス(様々な分子量のポリエチレングリコール)、半固体ゲル、ならびにカーボワックスを含む半固体混合物が含まれる。Powell et al.“Compendium of excipients for parenteral formulations”PDA(1998)J Pharm Sci Technol 52:238-311も参照されたい。
【0409】
用量は、投与される対象の年齢およびサイズ、標的疾患、状態、投与経路等に応じて変動し得る。本発明のアンタゴニスト、例えば抗体が、成人患者におけるPCSK9に関連する様々な状態および疾患を処置するために使用される場合、本発明の抗体を、通常約0.01~約20mg/kg体重、より好ましくは約0.02~約7、約0.03~約5、または約0.05から約3mg/kg体重の単回用量で静脈内投与することが有利である。状態の重症度に応じて、処置の頻度および期間を調節することができる。
【0410】
様々な送達システムが知られており、本発明のアンタゴニストまたは医薬組成物、例えば、リポソーム、マイクロ粒子、マイクロカプセルへのカプセル化、突然変異ウイルスを発現することができる組換え細胞、受容体媒介エンドサイトーシス等により提供されるアンタゴニストを投与するために使用することができる(例えば、Wu et al.(1987)J.Biol.Chem.262:4429-4432を参照されたい)。導入の方法には、皮内、筋肉内、腹腔内、静脈内、皮下、鼻腔内、硬膜外、および経口経路が含まれるが、それらに限定されない。アンタゴニストまたは組成物は、任意の便利な経路によって、例えば注入またはボーラス注射によって、上皮または粘膜皮膚内層(例えば口腔粘膜、直腸および腸粘膜等)を介した吸収によって投与することができ、他の生物学的に活性な薬剤と一緒に投与されてもよい。投与は、全身的または局所的であってもよい。
【0411】
アンタゴニストまたは医薬組成物は、ベシクル、特にリポソームで送達することもできる(Langer(1990)Science 249:1527-1533;Treat et al.(1989)in Liposomes in the Therapy of Infectious Disease and Cancer,Lopez Berestein and Fidler(eds.),Liss,New York,pp.353-365;Lopez-Berestein,同上,pp.317-327を参照されたい;全般的に同上)。
【0412】
ある特定の状況において、アンタゴニストまたは医薬組成物は、制御放出系で送達され得る。一実施形態では、ポンプが使用され得る(上記のLanger;Sefton(1987)CRC Crit.Ref.Biomed.Eng.14:201を参照されたい)。別の実施形態では、ポリマー材料を使用され得る。Medical Applications of Controlled Release,Langer and Wise(eds.),CRC Pres.,Boca Raton,Fla.(1974)を参照されたい。さらに別の実施形態では、制御放出系は、組成物の標的の近くに配置することができ、したがって、全身用量のほんの一部しか必要としない(例えば、Goodson,in Medical Applications of Controlled Release,supra,vol.2,pp.115-138,1984を参照されたい)。
【0413】
注射用調製物は、静脈内、皮下、皮内および筋肉内注射、点滴注入等のための剤形を含み得る。これらの注射用調製物は公知の方法によって調製され得る。例えば、注射用調製物は、例えば抗体またはその塩を注射に従来使用されている滅菌水性媒体または油性媒体に溶解、懸濁、または乳化することによって調製され得る。注射用の水性媒体として、例えば、生理食塩水、グルコースおよび他の補助剤を含む等張液等があり、これらは、アルコール(例えばエタノール)、ポリアルコール(例えばプロピレングリコール、ポリエチレングリコール)、非イオン性界面活性剤[例えばポリソルベート80、HCO-50(硬化ヒマシ油のポリオキシエチレン(50モル)付加物)]等の適切な可溶化剤と組み合わせて使用され得る。油性媒体として、例えばゴマ油、大豆油等が使用され、これらは、安息香酸ベンジル、ベンジルアルコール等の可溶化剤と組み合わせて使用され得る。このようにして調製された注射剤は、好ましくは適切なアンプルに充填される。本発明の医薬組成物は、標準的な針および注射器を用いて皮下または静脈内に送達され得る。さらに、皮下送達に関して、ペン型送達デバイスは、本発明の医薬組成物を送達する上で容易に適用される。そのようなペン型送達デバイスは、再利用可能または使い捨てであってもよい。再利用可能なペン型送達デバイスは、一般に、医薬組成物を含む交換可能なカートリッジを利用する。カートリッジ内のすべての医薬組成物が投与され、カートリッジが空になったら、空のカートリッジを容易に廃棄して、医薬組成物を含む新しいカートリッジと交換することができる。その後、ペン型送達デバイスを再利用することができる。使い捨てペン型送達デバイスには、交換可能なカートリッジがない。むしろ、使い捨てペン型送達デバイスは、デバイス内のリザーバに保持された医薬組成物が事前に充填されている。リザーバの医薬組成物が空になると、デバイス全体が廃棄される。
【0414】
多数の再利用可能なペン型および自動注射器送達デバイスは、本発明のアンタゴニストまたは医薬組成物の皮下送達における用途を有する。例としては、いくつか挙げると、AUTOPEN(商標)(Owen Mumford,Inc.、Woodstock、UK)、DISETRONIC(商標)ペン(Disetronic Medical Systems、Burghdorf、Switzerland)、HUMALOG MIX 75/25(商標)ペン、HUMALOG(商標)ペン、HUMALIN 70/30(商標)ペン(Eli Lilly and Co.、Indianapolis、Ind.)、NOVOPEN(商標)I、IIおよびIII(Novo Nordisk、Copenhagen、Denmark)、NOVOPEN JUNIOR(商標)(Novo Nordisk、Copenhagen、Denmark)、BD(商標)ペン(Becton Dickinson、Franklin Lakes、N.J.)、OPTIPENT(商標)、OPTIPEN PRO(商標)、OPTIPEN STARLET(商標)、およびOPTICLIKT(商標)(Sanofi-Aventis、Frankfurt、Germany)が含まれるが、それらに限定されない。本発明の医薬組成物の皮下送達における用途を有する使い捨てペン型送達デバイスの例には、SOLOSTAR(商標)ペン(Sanofi-Aventis)、FLEXPEN(商標)(Novo Nordisk)、およびKWIKPEN(商標)が含まれるが、確実にそれらに限定されない。
【0415】
有利には、上記の経口または非経口使用のための医薬組成物は、アンタゴニストの用量に適合するのに適した単位用量の剤形に調製される。単位用量におけるそのような剤形には、例えば、錠剤、ピル、カプセル、注射(アンプル)、坐剤等が含まれる。含まれる前述の抗体の量は、一般に、単位用量における剤形あたり約5~約500mgであり、特に注射の形態では、前述の抗体は、約5~約100mgで含まれ、他の剤形では約10~約250mgで含まれることが好ましい。
【0416】
便宜上、本明細書、実施例、および添付の特許請求の範囲で使用されるいくつかの用語および語句の意味を以下に記載する。特に明記されていない限り、または文脈から暗示されない限り、以下の用語および語句は、以下に記載される意味を含む。定義は、特定の実施形態を説明するのを補助するために提供され、発明の範囲は特許請求の範囲によってのみ制限されるため、請求される発明を制限することを意図しない。別段に定義されない限り、本明細書で使用される全ての技術用語および科学用語は、本発明が属する技術分野の当業者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有する。当技術分野における用語の使用法と本明細書で提供されるその定義との間に明らかな矛盾がある場合、明細書内で提供される定義が優先するものとする。
【0417】
便宜上、本明細書、実施例および添付の特許請求の範囲において使用されるある特定の用語がここに集約されている。
【0418】
「減少する」、「低減した」、または「低減」という用語はすべて、統計的に有意な量の減少を意味するように本明細書で使用される。いくつかの実施形態では、「低減する」、「低減」または「減少する」は、典型的には、参照レベル(例えば所与の処置なし)と比較して少なくとも10%の減少を意味し、例えば、少なくとも約10%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約98%、少なくとも約99%、またはそれ以上の減少を含み得る。本明細書で使用される場合、「低減」は、参照レベルと比較した完全な低減を含まない。減少は、好ましくは、所与の障害のない個人の正常範囲内であると認められるレベルまでであってもよい。しかしながら、例えばコレステロール値を低下または低減させる目的では、例えば約5~10ポイントの低減を「低下」または「低減」と見なすことができる。
【0419】
本発明のすべての実施形態のある特定の態様では、「阻害」という用語が使用される。阻害は、参照レベル(例えば所与の処置なし)と比較して少なくとも10%の減少を指し、例えば、参照レベルと比較して少なくとも約10%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約98%、少なくとも約99%以上の減少を含み得、100%の阻害を含む。「完全な阻害」とは、参照レベルと比較して100%の阻害を指す。
【0420】
「増加した」、「増加する」、「増強する」、または「活性化する」という用語はすべて、静的に有意な量の増加を意味するために本明細書で使用される。いくつかの実施形態では、「増加した」、「増加する」、「増強する」、または「活性化する」という用語は、参照レベルと比較して少なくとも10%の増加、例えば参照レベルと比較して少なくとも約20%、もしくは少なくとも約30%、もしくは少なくとも約40%、もしくは少なくとも約50%、もしくは少なくとも約60%、もしくは少なくとも約70%、もしくは少なくとも約80%、もしくは少なくとも約90%、もしくは最大100%の増加、もしくは10~100%の間の任意の増加、または参照レベルと比較して少なくとも約2倍、もしくは少なくとも約3倍、もしくは少なくとも約4倍、もしくは少なくとも約5倍、もしくは少なくとも約10倍の増加、もしくは2倍~10倍以上の間の任意の増加を意味し得る。マーカーまたは症状の文脈では、「増加」は、そのようなレベルの統計的に有意な増加である。
【0421】
本明細書で使用される場合、「実質的に」という用語は、関心のある特徴または特性の全体的またはほぼ全体的な範囲または程度を示す定性的条件を指す。生物学的技術の当業者は、生物学的および化学的現象が、たとえあったとしても、完全に進こと、および/もしくは完全に進行すること、または絶対的な結果を達成もしくは回避することはめったにないことを理解するであろう。したがって、「実質的に」という用語は、多くの生物学的および化学的現象に固有の完全性の潜在的な欠如を把握するために本明細書で使用される。疑念を取り除くために、「実質的に」は、関心のある特徴または特性の少なくとも90%の範囲または程度、例えば少なくとも90%、少なくとも92%、少なくとも95%、少なくとも98%、少なくとも99%またはそれ以上を示し得る。
【0422】
本出願を通して引用される参考文献、発行済み特許、公開特許出願、および同時係属中の特許出願を含むすべての特許およびその他の出版物は、例えば本明細書に記載される技術に関連して使用され得るそのような刊行物に記載される方法論を説明および開示する目的で、参照により本明細書に明示的に組み込まれる。これらの刊行物は、本出願の出願日より前の開示に対して提供されている。この点に関して、発明者が先行発明またはその他の任意の理由によりそのような開示に先行する権利がないことを認めるものとして解釈されるべきではない。これらの文書の日付に関する全ての記述または内容に関する表明は、申請者が入手できる情報に基づいており、これらの文書の日付または内容の正確性についての承認を構成するものではない。
【0423】
本開示の実施形態の説明は、網羅的であること、または本開示を開示された正確な形態に限定することを意図するものではない。本開示の特定の実施形態およびその例は、例示の目的で本明細書に記載されているが、関連技術の当業者が認識するように、本開示の範囲内で様々な同等の修正が可能である。例えば、方法のステップまたは機能は所与の順序で提示されているが、代替の実施形態は、異なる順序で機能を実行することができ、または機能は実質的に同時に実行することができる。本明細書で提供される開示の教示は、必要に応じて他の手順または方法に適用することができる。本明細書に記載の様々な実施形態を組み合わせて、さらなる実施形態を提供することができる。本開示の態様は、必要に応じて、上記の参考文献および用途の組成物、機能、および概念を使用して、本開示のさらにさらなる実施形態を提供するように修正することができる。さらに、生物学的機能的同等性の考慮により、種類または量における生物学的または化学的作用に影響することなく、タンパク質構造にいくつかの変更を加えることができる。これらおよび他の変更は、詳細な説明に照らして開示に加えることができる。そのようなすべての変更は、添付の特許請求の範囲内に含まれることが意図される。
【0424】
前述の実施形態のいずれかの特定の要素は、他の実施形態の要素と組み合わせて、またはその代わりに使用されてもよい。さらに、本開示のある特定の実施形態に関連する利点がこれらの実施形態の文脈で説明されてきたが、他の実施形態もまたそのような利点を示し得、必ずしもすべての実施形態が本開示の範囲に含まれるためにそのような利点を示す必要はない。
【0425】
本明細書に記載の特定の構成、態様、例、項目および実施形態は、本発明の限定としてではなく例示として示されていることが理解されよう。本発明の主な特徴は、本発明の範囲から逸脱することなく、様々な実施形態で使用することができる。当業者は、本明細書に記載の特定の手順の多数の均等物を多数認識し、または日常的にすぎない試験を用いて確認することができるであろう。そのような均等物は、本発明の範囲内であると見なされ、特許請求の範囲によってカバーされる。本明細書に記載されているすべての刊行物および特許出願は、本発明が関連する技術の当業者の技能のレベルを示している。すべての刊行物および特許出願は、個々の刊行物または特許出願が参照により組み込まれることが具体的かつ個別に示された場合と同程度に、参照により本明細書に組み込まれる。特許請求の範囲および/または明細書において「備える」という用語と併せて使用される場合の「a」または「an」という単語の使用は、「1つ」を意味し得るが、「1つ以上」、「少なくとも1つ」および「1つまたは2つ以上」の意味とも一致する。特許請求の範囲における「または」という用語の使用は、代替物のみを指すように明示的に示されない限り、または代替物が相互に排他的でない限り、「および/または」を意味するように使用されるが、開示は、代替物および「および/または」のみを指す定義を支持する。本出願全体を通して、「約」という用語は、値がデバイスの固有の誤差の変動、値を決定するために使用される方法、または研究対象間に存在する変動を含むことを示すために使用される。
【0426】
本明細書および特許請求の範囲で使用される場合、「備える(comprising)」(および備える(comprising)の任意の形態、例えば「備える(comprise)」および「備える(comprises)」)、「有する(having)」(および有する(having)の任意の形態、例えば「有する(have)」および「有する(has)」)、「含む(including)」(および含む(including)の任意の形態、例えば「含む(includes)」および「含む(include)」、または「含有する(containing)」(および含有する(containing)の任意の形態、例えば「含有する(contains)」および「含有する(contain)」)は、包括的または非限定的であり、追加の列挙されていない要素または方法ステップを除外しない。
【0427】
本開示の任意の部分は、文脈から別段に明らかでない限り、本開示の他の部分と組み合わせて読むことができる。
【0428】
本明細書に開示され請求される全ての組成物および/または方法は、本開示に照らして過度の実験をすることなく作製および実行することができる。本発明の組成物および方法を好ましい実施形態に関して説明してきたが、本発明の概念、趣旨および範囲から逸脱することなく、本明細書に記載される、組成物および/または方法、ならびに方法のステップまたはステップの順序に変更を加えてもよいことが当業者には明らかであろう。当業者に明らかなそのような類似の置換および改変はすべて、添付の特許請求の範囲によって定義される本発明の趣旨、範囲および概念内にあるとみなされる。
本発明は、以下の非限定的な実施例においてより詳細に説明される。
【実施例
【0429】
血漿LDLコレステロール(LDL-C)は、心血管疾患の主な危険因子であり、ヨーロッパでは年間400万人が死亡している。血漿LDL-Cのクリアランスは、主にLDL受容体(LDLR)によって肝臓で行われる。LDLRは常に血漿から肝細胞にLDL-Cを内在化し、細胞表面にリサイクルすることでLDL-Cの取り込みを継続する。LDLRの表面レベルは、PCSK9によって負に調節され、これは、LDLRに直接結合し、LDLRのリソソーム媒介分解を促進する。LDLRのLDL-Cへの表面曝露が減少すると、肝細胞におけるLDL-Cの内在化が減少し、したがって血漿LDL-Cが増加し、これによりプラークが形成され、血流が詰まる可能性がある。最近、PCSK9の標的化が、血漿LDL-Cレベルを制御するための有望な戦略として浮上している。
【0430】
我々は、PCSK9の機能をブロックし、治療の可能性を有するモノクローナル抗体を発見した。我々はまず、交差反応性抗体を生成するために、ヒトおよびマウスの両方のPCSK9タンパク質を使用してKymice(商標)を免疫化した(例えば、WO2011/004192およびLee et al,Nat Biotechnol.2014 Apr;32(4):356-63.doi:10.1038/nbt.2825.Epub 2014 Mar 16,“Complete humanization of the mouse immunoglobulin loci enables efficient therapeutic antibody discovery”を参照されたい)。Hisタグの望ましくない影響を回避するために、免疫化のためにHisタグなしでヒトおよびマウスの両方のPCSK9タンパク質の天然形態を活発に分泌する細胞株を作製した。免疫化後、次世代シーケンシングによって抗原特異的B細胞から抗体配列を取得し、コンピュータで分析して、進行するのに有利な抗体を同定した。発現後、抗体を、交差反応性結合、親和性、および機能に基づいて、連続的なインビトロスクリーニングカスケードによってスクリーニングおよび選択した。ヒトPCSK9変異体への結合は、大多数のヒト集団で有効性を確保することが確認された。選択された抗体の生物物理学的特徴を、開発可能性の観点から特性評価した。高脂血症のマウスモデルにおいて、2つの傑出した抗体(CL-274711、CL-148219QLT、CL-274698、CL-148219およびCL-148489(例えばCL-274711またはCL-148219QLT))が、HDLコレステロールを変化させずに血漿非HDLコレステロールの減少において優れた機能を示し、ベンチマーク抗体と比較して長期間効果を持続した。結論として、我々はPCSK9に対する交差反応性抗体の惹起に成功し、PCSK9機能をインビトロおよびインビボでブロックするための少なくとも2つの優れた完全ヒトモノクローナル抗体を同定した。
【0431】
実施例1:インビトロアッセイによる抗体の同定
Kymice(商標)で5つの免疫化キャンペーンを行い、以下の選択基準を含むインビトロアッセイを行った。
(a)ヒトPCSK9(hPCSK9)、カニクイザルPCSK9(cynoPCSK9)およびマウスPCSK9(mPCSK9)に対する交差反応性結合剤を選択した。
(b)hPCSK9aおよびmPCSK9に対する抗体親和性を決定し、より親和性の高い抗体を優先した。
(c)インビトロの細胞ベースアッセイでは、抗体の中和がヒト肝細胞株(HepG2)の蛍光hPCSK9の内在化を低減することが実証された。
(d)同時に、HepG2細胞におけるLDL取り込みを回復するための抗体の機能性を、(c)と同じインビトロ細胞ベースアッセイで決定した。
【0432】
2つの抗体(CL-274711、CL-148219QLT、CL-274698、CL-148219およびCL-148489(例えばCL-274711またはCL-148219QLT))は、インビトロおよびインビボの両方で特に有望な機能を示した(実施例2)。
【0433】
CL-148219
ベンチマークと比較して、CL-148219はより強い中和活性を示し、インビトロでLDLの取り込みを回復する能力がより高く、これは、CL-148219がPCSK9とLDLRとの間の相互作用を直接ブロックし得ることを示唆している。高脂血症のマウスモデル(E3L.CETPマウス;de Knijff、Westerterp、Ason、van den HoekおよびKuhnast)では、CL-148219は、ベンチマークAbよりも優れた血漿非HDLコレステロールの低減を示し、効果の持続時間がより長かった。図1~4を参照されたい。
【0434】
CL-148489
インビトロ細胞ベースアッセイでは、CL-148489はhPCSK9を適度に中和したが、LDL取り込みを回復する有意な能力を含んでおり、これは、おそらくPCSK9へのHSPG結合の遮断を介して、この抗体がPCSK9のLDLRへの結合を間接的に妨害し得ることを示唆している。この抗体はまた、高脂血症のマウスモデル(E3L.CETPマウス)において、血漿非HDLコレステロールを同様の効果持続期間を有するベンチマークよりも良好に低減した。図5~8を参照されたい。
【0435】
ベンチマークは、アリロクマブhIgG4-PE(配列番号195および196)ならびに「Regeneron pH-D」(pH依存性(リソソームの内側と外側のPCSK9結合が異なる)抗PCSK9 hIgG4-PE抗体)(配列番号197および198)であった。
【表1】
【0436】
参考文献:
de Knijff,P.et al,1991,“Familial dysbetalipoproteinemia associated with apolipoprotein E3-Leiden in an extended multigeneration pedigree”,J.Clin.Invest.88:643-655;
Westerterp,M.et al,2006,“Cholesteryl ester transfer protein decreases high-density lipoprotein and severely aggravates atherosclerosis in APOE*3-Leidenmice”,Arterioscler.Thromb.Vasc.Biol.26:2552-2559;
Ason,B.et al,2011,“PCSK9 inhibition fails to alter hepatic LDLR,circulating cholesterol,and atherosclerosis in the absence of ApoE”,J Lipid Res.2011 Apr,52(4):679-687;
van den Hoek AM.et al,2014,“APOE*3Leiden.CETP transgenic mice as model for pharmaceutical treatment of the metabolic syndrome”,Diabetes Obes Metab.2014 Jun;16(6):537-44;および
Kuhnast,S et al,2014,“Alirocumab inhibits atherosclerosis,improves the plaque morphology,and enhances the effects of a statin”,J Lipid Res.2014 Oct,55(10):2103-2112.
【0437】
実施例2:インビボアッセイ
この研究では、APOE*3Leiden.コレステリルエステル移送タンパク質(CETP)マウスを使用したが、これにはマウスApoE、ヒト突然変異APOE3*Leiden、および機能的LDLRが含まれる。これらのマウスは、患者において効果的な同じ治療により処置可能なモデルで見られるコレステロールの増加とともに優れた翻訳価値を示し、クリニックで得られるものと同様の最大のLDLレベルの低減を示す。
【0438】
CETPマウスに高脂肪食を4週間与え、次いで0日目に抗体、アイソタイプ対照、または標準ケア(アリロクマブ、FDA承認PCSK9阻害剤)を単回投与した。次いで、18日目に、マウスに2番目に高い用量(1/2log)を与えた。個々の動物のコレステロール値を、0、3、7、14、21および28日目に測定した。完全脂質プロファイルを、28日目の最終出血からのプールされた群の試料で行った。
【0439】
試験した10種類の抗体のうち、2種類(CL-148219およびCL148489)は、同等の用量のアリロクマブよりもコレステロールレベルを低減し、そのうち一方のCL-148219はより長い効果持続期間を示した。要約すると、我々はクラス最高となり得るPCSK9阻害剤を2つ特定した。
【0440】
方法
研究デザインについては図9を参照されたい。8~14週齢の128匹の雌のAPOE*3Leiden.CETPトランスジェニックマウスに、0.15%のコレステロールおよび15%の飽和脂肪を含む西洋型食餌(WTD)を与えた。4週間の慣らし期間の後、24匹の低応答マウスを研究から除外し、動物をグループに分け(n=6~8)、4時間の絶食後(t=0)、年齢、体重、血漿コレステロール、トリグリセリド、およびHDLコレステロールを一致させた。マウスに、3mg/kgのアイソタイプ対照、ベンチマークまたは我々の抗PCSK9抗体をt=0で皮下投与した。以前のインビトロスクリーニングから優れていると特定された我々の抗体の4つは、t=0で1mg/kgの追加用量群を有していた。t=18日目に、マウスに同じ抗体の2回目の皮下用量を1回目の用量より1/2log高い用量で与えた(すなわち、1回目の用量3mg/kg、2回目の用量10mg/kg)。
【0441】
体重および食物摂取量を週に2回測定した。初回投与後0、3、7、14、21、および28日目に、血漿総コレステロール、HDLコレステロール、およびトリグリセリドを測定するために、4時間の絶食血漿試料を採取した。血漿非HDLコレステロール値を計算した。最後の採血後、t=28日目にマウスを致死させ、血漿および肝臓組織を採取した。リポタンパク質プロファイルを、群プール血漿試料からのFPLCフラクションで決定した。
統計:双方向annovaおよびDunnettsの事後分析-Graphpad Prism(商標)。
【0442】
結果
総コレステロール(図10
アイソタイプ対照群は、研究中に16~22mmol/Lの血漿総コレステロールレベルを示した。
【0443】
アリロクマブは、アイソタイプ対照抗体と比較して、3mg/kgの用量で3日目に(-34.9%)、10mg/kgの用量で21日目および28日目(それぞれ2回目の注射の3日後および10日後)に(それぞれ-33.2%および-32.3%)総コレステロールを有意に低減した。
【0444】
CL-148219は、1および3mg/kgの用量で3日目に(それぞれ-36.4%および-47.0%)、3mg/kgの用量で7日目に(-32.6%)総コレステロールを有意に低減した。2回目の投薬後、CL-148219は、3mg/kgの用量(それぞれ-33.4%および-27.1%)および10mg/kgの用量(それぞれ-46.3%および-49.6%)の両方で、21日目および日目に総コレステロールを有意に低減した。
【0445】
CL-148489は、3mg/kgの用量で3日目および21日目(2回目の注射の3日後)に(それぞれ-47.3%および-32.3%)、ならびに10mg/kgの用量で21日目および28日目(それぞれ-42.9%および-56.0%)の2回目の投与後に総コレステロールを有意に低減した。
【0446】
総非HDLコレステロール(図11
アイソタイプ対照群は、研究中に15.2~21.3mmol/Lの非HDLコレステロールレベルを示した。
【0447】
アリロクマブは、アイソタイプ対照抗体と比較して、3mg/kgの用量で3日目に(-36.5%)、および10mg/kgの用量で21日目および28日目(それぞれ2回目の注射後3日目および10日目)に(それぞれ-35.5および34.3%)、非HDLコレステロールを有意に低減した。
【0448】
CL-148219は、1および3mg/kgの用量で3日目に(それぞれ-37.7%および-49.1%)、3mg/kgの用量で7日目に(-33.5%)非HDLコレステロールを有意に低減した。2回目の注射後、CL-148219は、3mg/kg(それぞれ-34.4%および-29.2%)および10mg/kgの用量(それぞれ-49.6%および-51.8%)の両方で、21日目および28日目に非HDLコレステロールを有意に低減した。
【0449】
CL-148489は、3mg/kgの用量で3日目および21日目(2回目の注射の3日後)に(それぞれ-49.4%および-35.0%)、ならびに10mg/kgの用量で21日目と28日目(それぞれ-45.5%および-58.5%)の2回目の注射後に非HDLコレステロールを有意に低減した。
【0450】
HDLコレステロール(図12
どの抗体もHDLコレステロールに影響を与えなかった。
【0451】
トリグリセリド(図13
研究の間、血漿トリグリセリドレベルはアイソタイプ対照群では安定したままであった。アイソタイプ対照群CL-148219、Cl-148489、およびアリロクマブと比較して、血漿トリグリセリドに有意な影響を与えた抗体はなかったが、28日目により低いトリグリセリドレベルに向かう傾向を示した。
【0452】
リン脂質およびコレステロールのプロファイル(図14
プール試料のリン脂質(A)およびコレステロール(B)プロファイルを以下に示す。フラクション4~8はVLDL、9~15はLDL、および16~24はHDLと見なされる。群ごとに1つのプール試料を使用して測定が行われたため、統計は実行されなかった。リポタンパク質プロファイルは、アリロクマブ、CL-274711、CL-148219QLT、CL-274698、CL-148219およびCL-148489(例えばCL-274711またはCL-148219QLT)がVLDL-コレステロールおよびLDL-コレステロールを低減し、HDLコレステロールには影響を与えなかったことを裏付けている。
【0453】
結論
・我々の抗体は、研究の間正常な挙動を示し、不快感の兆候を示さない動物で十分に許容された。
・組織の切片は肉眼的病理を示さなかった。
・体重および食物摂取量は、どの抗体によっても有意な影響を受けなかった。
・肝臓重量はどの抗体によっても有意な影響を受けなかった。
・CL-148219およびCL-148489は、アイソタイプ対照群と比較して、血漿総コレステロールおよび血漿非HDLコレステロールを用量依存的に有意に減少させた。リポタンパク質プロファイルは、これらの抗体で処置されたマウスの血漿VLDLコレステロールの減少を示した。
・アイソタイプ対照群と比較して、HDLコレステロールに有意な影響を与えた抗体はなかった。
・抗体はいずれも血漿トリグリセリドレベルに有意な影響を与えなかったが、アリロクマブ、CL-274711、CL-148219QLT、CL-274698、CL-148219、CL-148489(CL-274711またはCL-148219QLT等)は、アイソタイプ対照群と比較して血漿トリグリセリドレベルの減少に向かう傾向を示した。
【0454】
実施例3および4
マウス
実施例3では、雌のAPOE*3Leiden.CETPトランスジェニックマウスを飼育した。マウスを動物室のマクロロンケージに収容し(ケージあたり3または4匹のマウス)、相対湿度を40~70%、気温を20~24℃、照明サイクルを午前7時~午後7時にした。マウスには餌と滅菌した水道水を自由に与えた。
【0455】
実施例4では、実験当日で体重18~22gのC57BL/6マウスを使用した。動物を標準条件下:室温(22±2℃)、湿度測定(55±10%)、明/暗サイクル(12時間/12時間)、空気交換(15~20体積/時間)、水と食物は自由に摂取のポリスルホンケージ(床面積=1500cm2)に2~4匹の群で収容した。
【0456】
血漿コレステロール、リポタンパク質およびトリグリセリド分析
Cholesterol CHOD-PAPキット(Roche、Mannheim、Germany)を使用して総血漿コレステロールを決定し、Triglycerides GPO-PAPキット(Roche、Mannheim、Germany)を使用してトリグリセリドを決定した。血漿HDLコレステロールを測定するために、PEG-6000/グリシンを使用してApoB含有脂質を沈殿させた後、Cholesterol CHOD-PAPキット(Roche、Mannheim、Germany)を使用して定量した。AKTA装置(GE Healthcare)を使用したFPLC分析によって、リポタンパク質プロファイルを測定した。分析は、プールされたプール群試料に対して行った。フラクションは、保持時間と、Cholesterol CHOD-PAPキット(Roche、Mannheim、Germany)およびPhospholipidsキット(Instruchemie、Delfzijl、Netherlands)を使用してフラクション中で測定されたコレステロールおよびリン脂質とに基づいて採取された。
【0457】
血清抗体濃度
捕捉ELISAを使用して、血清抗体濃度を決定した。プレートを抗ヒトIgG(Fc特異的)抗体で2~8℃で一晩被覆した。翌日、プレートウォッシャーを使用してアッセイプレートを300μL/ウェルのPBS+0.1%Tween(PBS-T)で3回洗浄した。次いで、プレートを室温で少なくとも1時間、ウェルあたり250μL/ウェルの2.5%ミルクでブロックした。標準およびQCはエッペンドルフチューブで調製した。次いで、標準、試料およびQCを、エッペンドルフチューブ内のアッセイ緩衝液中で20分の1のMRDに希釈した。プレートウォッシャーを使用して、プレートを300μL/ウェルのPBS-Tで3回洗浄した。ウェルあたり100μLの検量線、試料およびQCを、プレートマップに従ってアッセイプレートに加えた。プレートを室温で1時間インキュベートし、300RPMで振とうした。プレートウォッシャーを使用して、プレートを300μL/ウェルのPBS-Tで5回洗浄し、PBSで5000分の1に希釈した100μLの抗ヒトIgG(Fc特異的)-ペルオキシダーゼを各ウェルに加え、次いでプレートを室温で1時間、300RPMで振とうしながらインキュベートした。次いで、プレートウォッシャーを使用して、プレートを300μLのPBS-Tで5回洗浄した。100μLのTMB基質を各ウェルに加え、プレートを暗所で室温で15分間インキュベートした。次いで、100μL/ウェルの停止溶液(1M硫酸)を各ウェルに加え、450nmに設定され、参照値を540nmとしたマイクロプレートリーダーを使用して、光学密度を決定した。次いで、プレートリーダーソフトウェアを使用して、450nmの読み取り値から参照読み取り値を差し引いた。次いで、Softmax Proを使用し、回帰分析および4PL曲線フィッティングを用いてデータの分析を行った。濃度は検量線から測定した。
【0458】
実施例3
雌の8~14週齢APOE*3Leiden.CETPトランスジェニックマウスに、0.15%のコレステロールおよび15%の飽和脂肪を含む西洋型食餌(WTD)を与えた。4週間の慣らし期間の後、低応答マウスを研究から除外した。残りのマウスは、年齢、体重、血漿コレステロール、およびトリグリセリドについて一致させた。動物を6匹(アイソタイプ対照群)または10匹のグループに分けた。
【0459】
動物は0日目に皮下注射を受けた(5mL/kg)。抗体(アイソタイプ対照、ベンチマーク抗体F、CL-148218およびCL-274711)を、1、3、または10mg/kgで投与した。処置後0、3、7、14、18、21、および28日目に、4時間の絶食期間の後、動物の尾静脈から血液試料を採取した。総コレステロール、トリグリセリド(0、7、および28日目)、ならびにHDLコレステロール測定用のEDTA-二カリウム塩を含むCB 300 K2Eマイクロベット(Sarstedt、Nurnbrecht、Germany)を使用して血液を採取した。チューブまたはキャピラリーはすぐに氷上に置いた。4℃で遠心分離(6000rpmで10分)した後、EDTA血漿を得た。マウスは、最後の尾静脈血液採取点の直後、CO窒息により28日目に致死させた。群リポタンパク質プロファイルを28日目の試料に対して確認した。
【0460】
この実験の目的は、0.15%のコレステロールおよび15%の飽和脂肪を含む西洋型食餌を与えたAPOE*3Leiden.CETPトランスジェニックマウスにおける抗体CL-274711、CL-148219QLT、およびベンチマーク抗体Fの用量反応の総/非HDLコレステロールおよびリポタンパク質プロファイルに対する薬力学的効果を評価することであった。
【0461】
3つの抗体はすべて、試験したすべての用量でコレステロールレベルを低減し(図15~17を参照されたい)、用量を増やすと、観察されるコレステロールの低下および効果持続期間が増加した。1および3mg/kgでは、CL-148219QLTは、コレステロールレベルの低下においてベンチマーク抗体Fよりも効果的であり、試験したすべての用量で、CL-148219QLTはベンチマーク抗体Fよりも効果持続期間が長かった(図15~17)。さらなる分析により、CL-148219QLTは、コレステロールレベルの低下において3倍高い用量のベンチマーク抗体Fと同程度に効果的であり、より高い用量のベンチマーク抗体Fと同じ効果持続期間を有することが示された(図18~19)。CL-274711は、コレステロールレベルを同じ用量のベンチマーク抗体Fで観察されたものと同じレベルまで低減したが、効果持続期間はより長かった(図16~17)。
【0462】
抗体は、試験したすべての用量で非HDLコレステロールレベルの同等の低減を示し(図20を参照されたい)、用量を増やすと、非HDLコレステロールの低減および反応の持続期間が徐々に増加した。1および3mg/kgでは、CL-148219QLTは、非HDLコレステロールレベルの低下においてベンチマーク抗体Fよりも効果的であり、試験したすべての用量で、CL-148219QLTはベンチマーク抗体Fよりも効果持続期間が長かった(図20)。また、さらなる分析により、CL-148219QLTは、非HDLコレステロールレベルの低下において3倍高い用量のベンチマーク抗体Fと同程度に効果的であり、より高用量のベンチマーク抗体Fと同じ効果持続期間を有することが示された(図21)。CL-274711は、コレステロールレベルを同じ用量のベンチマーク抗体Fで見られたものと同じレベルまで低減したが、効果持続期間はより長かった(図21)。
【0463】
28日目のリン脂質プロファイルの評価(図22)は、CL-274711およびCL-148219QLTの両方がVLDL/LDLコレステロールおよびリン脂質を用量依存的に低減することを示した。ベンチマーク抗体Fと比較して、10mg/kgのCL-274711およびCL-148219QLTの両方が、VLDL/LDLコレステロールおよびリン脂質の低減により効果的であった。
【0464】
実施例4
実験当日で体重18~22gの雄のC57BL/6マウス(JANVIER LABS、C.S.4105、Saint-Berthevin F-53941、フランス)を研究に使用した。動物は、0日目にCL-148219QLT、CL-274711またはベンチマークFの3mg/kg皮下注射を受けた(10mL/kg)。投与後1、3、7、14、21、および28日目に血液採取を行った(試料採取点あたりn=3)。次いで、各血液試料から血清を調製し、次いでこれを使用して各時点での抗体濃度を決定した。
【0465】
実験の目的は、CL-148219QLT、CL-274711およびベンチマーク抗体Fの薬物動態を28日間にわたり評価することであった。PKプロファイルの評価は、CL-274711およびCL-148218の両方がベンチマーク抗体Fよりも高い初期血清抗体濃度を有し、このより高い血清抗体濃度が研究の28日の間保持されたことを示した(図23)。CL-148219QLTは当初CL-274711よりも血清抗体濃度が高かったが、CL-274711は血清からのクリアランスがより遅かった。
【0466】
さらなるデータ:
本発明の抗体の有効性を示す図24以降を参照する。中性pH(7.6)対酸性pH(5.8)でのヒトPCSK9変異体、カニクイザルPCSK9、およびマウスPCSK9に対する抗体親和性を示す表1もまた参照する。KDは、ProteOn(商標)SPR分析システムによって測定された。
【0467】
比較のために、6つのPCSK9ベンチマーク抗体を対照として含めた。3つのベンチマーク抗体は市販の抗体のバージョン(ベンチマーク抗体A、B、およびF)であり、3つは臨床試験の抗体(ベンチマーク抗体C、D、およびE)から選択された。ベンチマーク抗体A、B、C、D、およびEは、ヒトIgG4PE形式で作製された。ベンチマーク抗体Fは、ヒトIgG1形式であった。
【0468】
免疫化および/またはスクリーニングに使用された抗原は、4つのヒトPCSK9変異体、カニクイザルPCSK9、およびマウスPCSK9を含んでいた。ここでは、4つのヒトPCSK9変異体を次のように称した:ヒトPCSK9参照(hPCSK9 Ref)、ヒトPCSK9変異体a(hPCSK9a)、ヒトPCSK9変異体b(hPCSK9b)、およびヒトPCSK9 D374Y機能獲得型変異体(hPCSK9 GOF)。ヒトPCSK9参照配列と比較して、ヒト変異体aはV474IおよびG670Eアミノ酸置換を有し、ヒト変異体bはA53V、V474I、およびG670Eアミノ酸置換を有する。ヒト集団の4つの変異体すべておよび突然変異体を中和する能力を有する抗体を見つけるために、アッセイスクリーニングにこれらの4つのヒト変異体を含めた。
【0469】
CL-148219
ベンチマークと比較して、CL-148219はより強い中和活性を示し、インビトロでLDLの取り込みを回復する能力がより高く、これは、CL-148219がPCSK9とLDLRとの間の相互作用を直接ブロックし得ることを示唆している。高脂血症のマウスモデル(E3L.CETPマウス;de Knijff、Westerterp、Ason、van den HoekおよびKuhnast)では、CL-148219は、ベンチマークAbよりも優れた血漿非HDLコレステロールの低減を示し、効果の持続時間がより長かった。図24~27および表1を参照されたい。
【0470】
CL-148219QLT変異体
コンピュータでの配列分析により、CL-148219の重鎖にN-グリコシル化モチーフが発見された。重鎖のフレームワーク3領域に位置するNLTモチーフは、グリコシル化され得、開発性に悪影響を有し得る。その後、質量分析により、CL-148219のNLTモチーフが実際にN-グリコシル化されていることが確認された。したがって、NをQ残基に置き換えることにより、NLTモチーフに突然変異を導入し、CL-148219QLT突然変異体を生成してグリコシル化を妨害した。グリコシル化の除去は、質量分析によってさらに確認された。CL-148219QLT突然変異体は、親CL-148219と比較した場合、インビトロで同様の親和性および機能性を示した。親のCL-148219と同様に、QLT変異体は、高脂血症マウスモデル(E3L.CETPマウス)において、より長い効果持続期間でベンチマークよりも優れた血漿非HDLコレステロールを低減した。図27~31および表1を参照されたい。
【0471】
CL-148489
インビトロ細胞ベースアッセイでは、CL-148489はhPCSK9を適度に中和したが、LDL取り込みを回復する有意な能力を含んでおり、これは、おそらくPCSK9へのHSPG結合の遮断を介して、この抗体がPCSK9のLDLRへの結合を間接的に妨害し得ることを示唆している。この抗体はまた、高脂血症のマウスモデル(E3L.CETPマウス)において、血漿非HDLコレステロールを同様の効果持続期間を有するベンチマークよりも良好に低減した。図32~35および表1を参照されたい。
【0472】
CL-274698
ヒト化抗体遺伝子座を有し、PCSK9遺伝子のノックアウトがないマウスに由来するCL-148219およびCL-148489とは異なり、CL-274698はPCSK9ノックアウトマウスに由来する。PCSK9がない場合、マウスはヒトおよびマウスの両方のPCSK9を含む免疫原に対して高親和性抗体を産生した。このようにCL-274698が生成され、スクリーニングされた。CL-274698は、nM未満の範囲のKDでPCSK9に対して高い親和性を示しただけでなく、hPCSK9を中和し、インビトロでLDL取り込みを回復する優れた機能も示した。E3L.CETPマウスを使用したインビボ有効性試験では、CL-274698はAb注射後3日以内にベンチマークより血漿非HDLコレステロールを低減し、非HDLコレステロールのレベルは7日目以降のベンチマークと同様であった。図36~39および表1を参照されたい。
【0473】
CL-274711
CL-274698と同様に、CL-274711はPCSK9ノックアウトマウスを免疫化することによって生成された。インビトロ細胞ベースアッセイでは、CL-274711はhPCSK9を中和し、ベンチマークよりもLDLの取り込みを回復した。E3L.CETPマウスを使用したインビボ有効性アッセイでは、CL-274711は、ベンチマークと比較して、血漿非HDLコレステロールの低下においてわずかに優れた機能を示し、効果持続期間がより長かった。図40~43および表1を参照されたい。
【0474】
方法
インビトロでの細胞ベース機能アッセイ
96ウェルクリア平底細胞培養プレート(Costar)内のMEMα中の10%FBS、1×ペニシリン/ストレプトマイシンおよび1×NEAAを含む完全培地に、HepG2細胞を6×10細胞/ウェルで播種した。付着させるために、細胞を24時間、37℃で5%COインキュベーター中でインキュベートした。翌日、培地を無血清培地(MEMα中の1×NEAAおよび1×ペニシリン/ストレプトマイシン)と交換し、細胞をインキュベーター内で一晩(16~18時間)維持した。翌日、5μg/mlのAF647標識化hPCSK9GOF抗原とともにプレインキュベートされた様々な濃度の抗PCSK9モノクローナル抗体で細胞を処理した。抗体を60μg/mlから3倍系列希釈で希釈した。hPCSK9 GOFおよび抗PCSK9抗体とともに1時間インキュベートした後、BODIPY LDL(Invitrogen)を10μg/mlの最終濃度で細胞に添加した。細胞をさらに3時間インキュベートすることにより、LDLを取り込ませた。処理の最後に、細胞をアキュターゼ(BD)で剥離し、PBS(Alfa Aesar)で希釈した2%パラホルムアルデヒドで4℃で一晩固定した。洗浄後、細胞を5mM EDTAを含むPBSに再懸濁し、CytoFlexフローサイトメトリーで蛍光細胞を検出した。
【0475】
ProteOn SPR分析
ProteOn(登録)XPR36(Bio-Rad)を使用して、中性(HBS-EP+、pH7.6)および酸性緩衝液(30mM酢酸ナトリウム、150mM NaCl、0.05%P20、pH5.8)中の抗原(ヒトPCSK9変異体、カニクイザルPCSK9およびマウスPCSK9)に対する抗体結合親和性を25℃で測定した。SPRの実行は、抗ヒトFc抗体で固定化されたGLCチップ(Bio-Rad)を使用して行われた。分析物のヒト抗体は、2ug/mlでチップ表面に捕捉された。PCSK9タンパク質を100nM、25nM、6.25nM、1.56nM、0.39nMで180秒間注入し、解離を流速30μL/分で600秒間監視した。チップ表面は、10mMグリシンpH1.5を30μl/分で160秒間2回注入して再生した。次いで、センサーグラムに1:1モデル(Langmuir速度論モデル)をフィッティングしたが、ここではkaおよびkdがフィッティングされ、KDはProteOnソフトウェアで計算される。
【表2-1】
【表2-2】
【表3-1】
【表3-2】
【表3-3】
【表4-1】
【表4-2】
【0476】
配列
CL-148219
CL-148219重鎖
可変領域アミノ酸配列(配列番号1)
Q V H L Q E S G P G L V K P S E T L S L
T C T V S G G S I S S Y Y W S W I R Q Y
P G K G L E W I G Y I S Y S G S S N Y N_
P S L K R R V T I S R D T S K N Q F S L
N L T S V I A A D T A V Y Y C A R N L M
I R G A Y G M D V W G Q G T T V T V S S
可変領域ヌクレオチド配列(配列番号2)
caggtgcacctgcaggagtcgggcccaggactggtgaagccttcggagaccctgtccctc
acgtgcactgtctctggtggctccatcagtagttactactggagctggatccggcagtac
ccaggaaagggactggagtggattggatatatctcttacagtgggagcagcaattataat
ccctccctcaagaggcgagtcaccatatcacgagacacgtccaagaaccagttctccctg
aatctgacctctgtaatcgctgcggacacggccgtttattactgtgcgagaaatcttatg
attcggggagcctacggcatggacgtctggggccaagggaccacggtcaccgtctcctca
FR1-IMGTアミノ酸配列(配列番号5)
Q V H L Q E S G P G L V K P S E T L S L T C T V S
FR1-IMGTヌクレオチド配列(配列番号6)
CAGGTGCACCTGCAGGAGTCGGGCCCAGGACTGGTGAAGCCTTCGGAGACCCTGTCCCTCACGTGCACTGTCTCT
CDR1-IMGTアミノ酸配列(配列番号7)
G G S I S S Y Y
CDR1-IMGTヌクレオチド配列(配列番号8)
GGTGGCTCCATCAGTAGTTACTAC
FR2-IMGTアミノ酸配列(配列番号9)
W S W I R Q Y P G K G L E W I G Y
FR2-IMGTヌクレオチド配列(配列番号:10)
TGGAGCTGGATCCGGCAGTACCCAGGAAAGGGACTGGAGTGGATTGGATAT
CDR2-IMGTアミノ酸配列(配列番号11)
I S Y S G S S
CDR2-IMGTヌクレオチド配列(配列番号12)
ATCTCTTACAGTGGGAGCAGC
FR3-IMGTアミノ酸配列(配列番号13)
N Y N P S L K R R V T I S R D T S K N Q F S L N L T S V I A A D T A V Y Y C
FR3-IMGTヌクレオチド配列(配列番号14)
AATTATAATCCCTCCCTCAAGAGGCGAGTCACCATATCACGAGACACGTCCAAGAACCAGTTCTCCCTGAATCTGACCTCTGTAATCGCTGCGGACACGGCCGTTTATTACTGT
CDR3-IMGTアミノ酸配列(配列番号15)
A R N L M I R G A Y G M D V
CDR3-IMGTヌクレオチド配列(配列番号16)
GCGAGAAATCTTATGATTCGGGGAGCCTACGGCATGGACGTC
FR4-IMGTアミノ酸配列(配列番号17)
W G Q G T T V T V S S
FR4-IMGTヌクレオチド配列(配列番号18)
TGGGGCCAAGGGACCACGGTCACCGTCTCCTCA
FR1-KABATアミノ酸配列(配列番号19)
Q V H L Q E S G P G L V K P S E T L S L T C T V S G G S I S
FR1-KABATヌクレオチド配列(配列番号20)
CAGGTGCACCTGCAGGAGTCGGGCCCAGGACTGGTGAAGCCTTCGGAGACCCTGTCCCTCACGTGCACTGTCTCTGGTGGCTCCATCAGT
CDR1-KABATアミノ酸配列(配列番号21)
S Y Y W S
CDR1-KABATヌクレオチド配列(配列番号22)
AGTTACTACTGGAGC
FR2-KABATアミノ酸配列(配列番号23)
W I R Q Y P G K G L E W I G
FR2-KABATヌクレオチド配列(配列番号24)
TGGATCCGGCAGTACCCAGGAAAGGGACTGGAGTGGATTGGA
CDR2-KABATアミノ酸配列(配列番号25)
Y I S Y S G S S N Y N P S L K R
CDR2-KABATヌクレオチド配列(配列番号26)
TATATCTCTTACAGTGGGAGCAGCAATTATAATCCCTCCCTCAAGAGG
FR3-KABATアミノ酸配列(配列番号27)
R V T I S R D T S K N Q F S L N L T S V I A A D T A V Y Y C A R
FR3-KABATヌクレオチド(配列番号28)
CGAGTCACCATATCACGAGACACGTCCAAGAACCAGTTCTCCCTGAATCTGACCTCTGTAATCGCTGCGGACACGGCCGTTTATTACTGTGCGAGA
CDR3-KABATアミノ酸配列(配列番号29)
N L M I R G A Y G M D V
CDR3-KABATヌクレオチド配列(配列番号30)
AATCTTATGATTCGGGGAGCCTACGGCATGGACGTC
FR4-KABATアミノ酸配列(配列番号31)
W G Q G T T V T V S S
FR4-KABATヌクレオチド配列(配列番号32)
TGGGGCCAAGGGACCACGGTCACCGTCTCCTCA
CL-148219軽鎖カッパ
可変領域アミノ酸配列(配列番号33)
D T V M T Q S P L S L P V T P G E P A S
I S C R S S Q S L L H S N G Y N Y L D W
Y L Q K A G Q S P Q L L I Y L G S N R A
S G V P D R F S G S V S G T D F T L K I
S R V E A E D V G I Y Y C M Q A L Q T P
F T F G P G T K V D I K
可変領域ヌクレオチド配列(配列番号34)
gatactgtgatgactcagtctccactctccctgcccgtcacccctggagagccggcctcc
atctcctgcaggtctagtcagagcctcctgcatagtaatggatacaattatttggattgg
tacctgcagaaggcaggacagtctccacaactcctgatctatttgggttctaatcgggcc
tccggggtccctgacaggttcagtggcagtgtatcaggcacagatttcacactgaaaatc
agcagagtggaggctgaggatgttgggatttattactgcatgcaagctctacaaactcca
ttcactttcggccctgggaccaaagtggatatcaaa
C領域アミノ酸配列(配列番号35)
R T V A A P S V F I F P P S D E Q L K S
G T A S V V C L L N N F Y P R E A K V Q
W K V D N A L Q S G N S Q E S V T E Q D
S K D S T Y S L S S T L T L S K A D Y E
K H K V Y A C E V T H Q G L S S P V T K
S F N R G E C
C領域ヌクレオチド配列(配列番号36)
cgtacggtggccgctccctccgtgttcatcttcccaccttccgacgagcagctgaagtcc
ggcaccgcttctgtcgtgtgcctgctgaacaacttctacccccgcgaggccaaggtgcag
tggaaggtggacaacgccctgcagtccggcaactcccaggaatccgtgaccgagcaggac
tccaaggacagcacctactccctgtcctccaccctgaccctgtccaaggccgactacgag
aagcacaaggtgtacgcctgcgaagtgacccaccagggcctgtctagccccgtgaccaag
tctttcaaccggggcgagtgt
FR1-IMGTアミノ酸配列(配列番号37)
D T V M T Q S P L S L P V T P G E P A S I S C R S S
FR1-IMGTヌクレオチド配列(配列番号38)
GATACTGTGATGACTCAGTCTCCACTCTCCCTGCCCGTCACCCCTGGAGAGCCGGCCTCCATCTCCTGCAGGTCTAGT
CDR1-IMGTアミノ酸配列(配列番号39)
Q S L L H S N G Y N Y
CDR1-IMGTヌクレオチド配列(配列番号40)
CAGAGCCTCCTGCATAGTAATGGATACAATTAT
FR2-IMGTアミノ酸配列(配列番号41)
L D W Y L Q K A G Q S P Q L L I Y
FR2-IMGTヌクレオチド配列(配列番号42)
TTGGATTGGTACCTGCAGAAGGCAGGACAGTCTCCACAACTCCTGATCTAT
CDR2-IMGTアミノ酸配列(配列番号43)
L G S
CDR2-IMGTヌクレオチド配列(配列番号44)
TTGGGTTCT
FR3-IMGTアミノ酸配列(配列番号45)
N R A S G V P D R F S G S V S G T D F T L K I S R V E A E D V G I Y Y C
FR3-IMGTヌクレオチド配列(配列番号46)
AATCGGGCCTCCGGGGTCCCTGACAGGTTCAGTGGCAGTGTATCAGGCACAGATTTCACACTGAAAATCAGCAGAGTGGAGGCTGAGGATGTTGGGATTTATTACTGC
CDR3-IMGTアミノ酸配列(配列番号47)
M Q A L Q T P F T
CDR3-IMGTヌクレオチド配列(配列番号48)
ATGCAAGCTCTACAAACTCCATTCACT
FR4-IMGTアミノ酸配列(配列番号49)
F G P G T K V D I K
FR4-IMGTヌクレオチド配列(配列番号50)
TTCGGCCCTGGGACCAAAGTGGATATCAAA
FR1-KABATアミノ酸配列(配列番号51)
D T V M T Q S P L S L P V T P G E P A S I S C
FR1-KABATヌクレオチド配列(配列番号52)
GATACTGTGATGACTCAGTCTCCACTCTCCCTGCCCGTCACCCCTGGAGAGCCGGCCTCCATCTCCTGC
CDR1-KABATアミノ酸配列(配列番号53)
R S S Q S L L H S N G Y N Y L D
CDR1-KABATヌクレオチド配列(配列番号54)
AGGTCTAGTCAGAGCCTCCTGCATAGTAATGGATACAATTATTTGGAT
FR2-KABATアミノ酸配列(配列番号55)
W Y L Q K A G Q S P Q L L I Y
FR2-KABATヌクレオチド配列(配列番号56)
TGGTACCTGCAGAAGGCAGGACAGTCTCCACAACTCCTGATCTAT
CDR2-KABATアミノ酸配列(配列番号57)
L G S N R A S
CDR2-KABATヌクレオチド配列(配列番号58)
TTGGGTTCTAATCGGGCCTCC
FR3-KABATアミノ酸配列(配列番号59)
G V P D R F S G S V S G T D F T L K I S R V E A E D V G I Y Y C
FR3-KABATヌクレオチド配列(配列番号60)
GGGGTCCCTGACAGGTTCAGTGGCAGTGTATCAGGCACAGATTTCACACTGAAAATCAGCAGAGTGGAGGCTGAGGATGTTGGGATTTATTACTGC
CDR3-KABATアミノ酸配列(配列番号61)
M Q A L Q T P F T
CDR3-KABATヌクレオチド配列(配列番号62)
ATGCAAGCTCTACAAACTCCATTCACT
FR4-KABATアミノ酸配列(配列番号63)
F G P G T K V D I K
FR4-KABATヌクレオチド配列(配列番号64)
TTCGGCCCTGGGACCAAAGTGGATATCAAA
CL-148489
CL-148489重鎖
可変領域アミノ酸配列(配列番号65)
E V Q L V E S G G G L V Q P G R S L R L
S C T A S G F T F A D Y V M H W V R Q T
P G K G L E W V S G I S W N S Y S I N Y
A D S V K G R F T I S R D N A Q N S L Y
L Q M N S L R A E D T A L Y F C A K D I
T Y D L L T G Y N Y N Y G L D V W G Q G
T T V T V S S
可変領域ヌクレオチド配列(配列番号66)
gaagtgcagctggtagagtctgggggaggcttggtacagcctggcaggtccctgagactc
tcctgtacagcctctggattcacctttgctgattatgtcatgcactgggtccggcaaact
ccagggaagggcctggagtgggtctcaggtattagttggaatagttatagtataaattat
gcggactctgtgaagggccgattcaccatctccagagacaacgcccagaactccctgtat
ctgcaaatgaacagtctgagagctgaggacacggccttgtatttttgtgcaaaagatata
acttacgatcttttgactggttataactacaactacggtttagacgtctggggccaaggg
accacggtcaccgtctcctca
FR1-IMGTアミノ酸配列(配列番号67)
E V Q L V E S G G G L V Q P G R S L R L S C T A S
FR1-IMGTヌクレオチド配列(配列番号68)
GAAGTGCAGCTGGTAGAGTCTGGGGGAGGCTTGGTACAGCCTGGCAGGTCCCTGAGACTCTCCTGTACAGCCTCT
CDR1-IMGTアミノ酸配列(配列番号69)
G F T F A D Y V
CDR1-IMGTヌクレオチド配列(配列番号70)
GGATTCACCTTTGCTGATTATGTC
FR2-IMGTアミノ酸配列(配列番号71)
M H W V R Q T P G K G L E W V S G
FR2-IMGTヌクレオチド配列(配列番号72)
ATGCACTGGGTCCGGCAAACTCCAGGGAAGGGCCTGGAGTGGGTCTCAGGT
CDR2-IMGTアミノ酸配列(配列番号73)
I S W N S Y S I
CDR2-IMGTヌクレオチド配列(配列番号74)
ATTAGTTGGAATAGTTATAGTATA
FR3-IMGTアミノ酸配列(配列番号75)
N Y A D S V K G R F T I S R D N A Q N S L Y L Q M N S L R A E D T A L Y F C
FR3-IMGTヌクレオチド配列(配列番号76)
AATTATGCGGACTCTGTGAAGGGCCGATTCACCATCTCCAGAGACAACGCCCAGAACTCCCTGTATCTGCAAATGAACAGTCTGAGAGCTGAGGACACGGCCTTGTATTTTTGT
CDR3-IMGTアミノ酸配列(配列番号77)
A K D I T Y D L L T G Y N Y N Y G L D V
CDR3-IMGTヌクレオチド配列(配列番号78)
GCAAAAGATATAACTTACGATCTTTTGACTGGTTATAACTACAACTACGGTTTAGACGTC
FR4-IMGTアミノ酸配列(配列番号79)
W G Q G T T V T V S S
FR4-IMGTヌクレオチド配列(配列番号80)
TGGGGCCAAGGGACCACGGTCACCGTCTCCTCA
FR1-KABATアミノ酸配列(配列番号81)
E V Q L V E S G G G L V Q P G R S L R L S C T A S G F T F A
FR1-KABATヌクレオチド配列(配列番号82)
GAAGTGCAGCTGGTAGAGTCTGGGGGAGGCTTGGTACAGCCTGGCAGGTCCCTGAGACTCTCCTGTACAGCCTCTGGATTCACCTTTGCT
CDR1-KABATアミノ酸配列(配列番号83)
D Y V M H
CDR1-KABATヌクレオチド配列(配列番号84)
GATTATGTCATGCAC
FR2-KABATアミノ酸配列(配列番号85)
W V R Q T P G K G L E W V S
FR2-KABATヌクレオチド配列(配列番号86)
TGGGTCCGGCAAACTCCAGGGAAGGGCCTGGAGTGGGTCTCA
CDR2-KABATアミノ酸配列(配列番号87)
G I S W N S Y S I N Y A D S V K G
CDR2-KABATヌクレオチド配列(配列番号88)
GGTATTAGTTGGAATAGTTATAGTATAAATTATGCGGACTCTGTGAAGGGC
FR3-KABATアミノ酸配列(配列番号89)
R F T I S R D N A Q N S L Y L Q M N S L R A E D T A L Y F C A K
FR3-KABATヌクレオチド配列(配列番号90)
CGATTCACCATCTCCAGAGACAACGCCCAGAACTCCCTGTATCTGCAAATGAACAGTCTGAGAGCTGAGGACACGGCCTTGTATTTTTGTGCAAAA
CDR3-KABATアミノ酸配列(配列番号91)
D I T Y D L L T G Y N Y N Y G L D V
CDR3-KABATヌクレオチド配列(配列番号92)
GATATAACTTACGATCTTTTGACTGGTTATAACTACAACTACGGTTTAGACGTC
FR4-KABATアミノ酸配列(配列番号93)
W G Q G T T V T V S S
FR4-KABATヌクレオチド配列(配列番号94)
TGGGGCCAAGGGACCACGGTCACCGTCTCCTCA
CL-148489軽鎖カッパ
可変領域アミノ酸配列(配列番号95)
D I V M T Q T P L S L S V T P G Q P A S
I S C R S S Q S L L H S D G K T Y L Y W
Y L Q K P G Q P P Q L L I Y E V S N R F
S G V P D R F S G S G S G T D F T L K I
S R V E A E D V G L Y Y C M Q S I Q L P
L T F G G G T K V E I K
可変領域ヌクレオチド配列(配列番号96)
gatattgtgatgacccagactccactctctctgtccgtcacccctggacagccggcctcc
atctcctgcaggtctagtcagagcctcctacatagtgatggaaagacctatttgtattgg
tacctgcagaagcccggccagcctccacagctcctgatctatgaagtttccaaccgtttc
tctggagtgccagataggttcagtggcagcgggtcagggacagatttcacactgaagatc
agccgggtggaggctgaagatgttggcctttattactgcatgcaaagtatacagcttccg
ctcactttcggcggagggaccaaggtagagatcaaa
FR1-IMGTアミノ酸配列(配列番号97)
D I V M T Q T P L S L S V T P G Q P A S I S C R S S
FR1-IMGTヌクレオチド配列(配列番号98)
GATATTGTGATGACCCAGACTCCACTCTCTCTGTCCGTCACCCCTGGACAGCCGGCCTCCATCTCCTGCAGGTCTAGT
CDR1-IMGTアミノ酸配列(配列番号99)
Q S L L H S D G K T Y
CDR1-IMGTヌクレオチド配列(配列番号100)
CAGAGCCTCCTACATAGTGATGGAAAGACCTAT
FR2-IMGTアミノ酸配列(配列番号101)
L Y W Y L Q K P G Q P P Q L L I Y
FR2-IMGTヌクレオチド配列(配列番号102)
TTGTATTGGTACCTGCAGAAGCCCGGCCAGCCTCCACAGCTCCTGATCTAT
CDR2-IMGTアミノ酸配列(配列番号103)
E V S
CDR2-IMGTヌクレオチド配列(配列番号104)
GAAGTTTCC
FR3-IMGTアミノ酸配列(配列番号105)
N R F S G V P D R F S G S G S G T D F T L K I S R V E A E D V G L Y Y C
FR3-IMGTヌクレオチド配列(配列番号106)
AACCGTTTCTCTGGAGTGCCAGATAGGTTCAGTGGCAGCGGGTCAGGGACAGATTTCACACTGAAGATCAGCCGGGTGGAGGCTGAAGATGTTGGCCTTTATTACTGC
CDR3-IMGTアミノ酸配列(配列番号107)
M Q S I Q L P L T
CDR3-IMGTヌクレオチド配列(配列番号108)
ATGCAAAGTATACAGCTTCCGCTCACT
FR4-IMGTアミノ酸配列(配列番号109)
F G G G T K V E I K
FR4-IMGTヌクレオチド配列(配列番号110)
TTCGGCGGAGGGACCAAGGTAGAGATCAAA
FR1-KABATアミノ酸配列(配列番号111)
D I V M T Q T P L S L S V T P G Q P A S I S C
FR1-KABATヌクレオチド配列(配列番号112)
GATATTGTGATGACCCAGACTCCACTCTCTCTGTCCGTCACCCCTGGACAGCCGGCCTCCATCTCCTGC
CDR1-KABATアミノ酸配列(配列番号113)
R S S Q S L L H S D G K T Y L Y
CDR1-KABATヌクレオチド配列(配列番号114)
AGGTCTAGTCAGAGCCTCCTACATAGTGATGGAAAGACCTATTTGTAT
FR2-KABATアミノ酸配列(配列番号115)
W Y L Q K P G Q P P Q L L I Y
FR2-KABATヌクレオチド配列(配列番号116)
TGGTACCTGCAGAAGCCCGGCCAGCCTCCACAGCTCCTGATCTAT
CDR2-KABATアミノ酸配列(配列番号117)
E V S N R F S
CDR2-KABATヌクレオチド配列(配列番号118)
GAAGTTTCCAACCGTTTCTCT
FR3-KABATアミノ酸配列(配列番号119)
G V P D R F S G S G S G T D F T L K I S R V E A E D V G L Y Y C
FR3-KABATヌクレオチド配列(配列番号120)
GGAGTGCCAGATAGGTTCAGTGGCAGCGGGTCAGGGACAGATTTCACACTGAAGATCAGCCGGGTGGAGGCTGAAGATGTTGGCCTTTATTACTGC
CDR3-KABATアミノ酸配列(配列番号121)
M Q S I Q L P L T
CDR3-KABATヌクレオチド配列(配列番号122)
ATGCAAAGTATACAGCTTCCGCTCACT
FR4-KABATアミノ酸配列(配列番号123)
F G G G T K V E I K
FR4-KABATヌクレオチド配列(配列番号124)
TTCGGCGGAGGGACCAAGGTAGAGATCAAA
CL-274698
CL-274698重鎖
可変領域アミノ酸配列(配列番号199)
QVQLQESGPG LVKPSGTLSL TCAVSGGSIS SSKWWSWVRQ PPGKGLEWIG ETHYSGSTNY NPSLKSRVTI SVDKSKNQFS LKLRSVTAAD TAVYYCARVG ATENFWGQGT LVTVSS
可変領域ヌクレオチド配列(配列番号200)
CAGGTGCAGC TGCAGGAGTC GGGCCCAGGA CTGGTGAAGC CTTCGGGGAC CCTGTCCCTC ACCTGCGCTG TCTCTGGTGG CTCCATCAGC AGTAGTAAAT GGTGGAGTTG GGTCCGCCAG CCCCCAGGGA AGGGGCTGGA GTGGATTGGG GAAACCCATT ATAGTGGGAG CACCAACTAC AACCCGTCCC TCAAGAGTCG AGTCACCATA TCAGTAGACA AGTCCAAGAA CCAGTTCTCC CTGAAGCTGA GGTCTGTGAC CGCCGCGGAC ACGGCCGTTT ATTACTGTGC GAGAGTGGGT GCTACTGAGA ACTTCTGGGG CCAGGGAACC CTGGTCACCG TCTCCTCA
FR1-IMGTアミノ酸配列(配列番号201)
QVQLQESGPG LVKPSGTLSL TCAVS
FR1-IMGTヌクレオチド配列(配列番号202)
CAGGTGCAGCTGCAGGAGTCGGGCCCAGGACTGGTGAAGCCTTCGGGGACCCTGTCCCTCACCTGCGCTGTCTCT
CDR1-IMGTアミノ酸配列(配列番号203)
GGSIS SSKW
CDR1-IMGTヌクレオチド配列(配列番号204)
GGTGGCTCCATCAGCAGTAGTAAATGG
FR2-IMGTアミノ酸配列(配列番号205)
WSWVRQ PPGKGLEWIG E
FR2-IMGTヌクレオチド配列(配列番号206)
TGGAGTTGGGTCCGCCAGCCCCCAGGGAAGGGGCTGGAGTGGATTGGGGAA
CDR2-IMGTアミノ酸配列(配列番号207)
THYSGST
CDR2-IMGTヌクレオチド配列(配列番号208)
ACCCATTATAGTGGGAGCACC
FR3-IMGTアミノ酸配列(配列番号209)
NY NPSLKSRVTI SVDKSKNQFS LKLRSVTAAD TAVYYC
FR3-IMGTヌクレオチド配列(配列番号210)
AACTACAACCCGTCCCTCAAGAGTCGAGTCACCATATCAGTAGACAAGTCCAAGAACCAGTTCTCCCTGAAGCTGAGGTCTGTGACCGCCGCGGACACGGCCGTTTATTACTGT
CDR3-IMGTアミノ酸配列(配列番号211)
ARVG ATENF
CDR3-IMGTヌクレオチド配列(配列番号212)
GCGAGAGTGGGTGCTACTGAGAACTTC
FR4-IMGTアミノ酸配列(配列番号213)
WGQGT LVTVSS
FR4-IMGTヌクレオチド配列(配列番号214)
TGGGGCCAGGGAACCCTGGTCACCGTCTCCTCAG
FR1-KABATアミノ酸配列(配列番号215)
QVQLQESGPG LVKPSGTLSL TCAVSGGSIS
FR1-KABATヌクレオチド配列(配列番号216)
CAGGTGCAGCTGCAGGAGTCGGGCCCAGGACTGGTGAAGCCTTCGGGGACCCTGTCCCTCACCTGCGCTGTCTCTGGTGGCTCCATCAGC
CDR1-KABATアミノ酸配列(配列番号217)
SSKWWS
CDR1-KABATヌクレオチド配列(配列番号218)
AGTAGTAAATGGTGGAGT
FR2-KABATアミノ酸配列(配列番号219)
WVRQ PPGKGLEWIG
FR2-KABATヌクレオチド配列(配列番号220)
TGGGTCCGCCAGCCCCCAGGGAAGGGGCTGGAGTGGATTGGG
CDR2-KABATアミノ酸配列(配列番号221)
ETHYSGSTNY NPSLKS
CDR2-KABATヌクレオチド配列(配列番号222)
GAAACCCATTATAGTGGGAGCACCAACTACAACCCGTCCCTCAAGAGT
FR3-KABATアミノ酸配列(配列番号223)
RVTI SVDKSKNQFS LKLRSVTAAD TAVYYCAR
FR3-KABATヌクレオチド配列(配列番号224)
CGAGTCACCATATCAGTAGACAAGTCCAAGAACCAGTTCTCCCTGAAGCTGAGGTCTGTGACCGCCGCGGACACGGCCGTTTATTACTGTGCGAGA
CDR3-KABATアミノ酸配列(配列番号225)
VG ATENF
CDR3-KABATヌクレオチド配列(配列番号226)
GTGGGTGCTACTGAGAACTTC
FR4-KABATアミノ酸配列(配列番号227)
WGQGT LVTVSS
FR4-KABATヌクレオチド配列(配列番号228)
TGGGGCCAGGGAACCCTGGTCACCGTCTCCTCAG
CL-274698軽鎖カッパ
可変領域アミノ酸配列(配列番号229)
EIVLTQSPAT LSLSPGERAT LSCRASQSVF RYLAWYQQKP GQAPRLLIYD ASTRATDIPA RFSGSGSGTD FTLTISSLEP EDFAVYYCQQ RSNWPPTFGQ GTKVEIK
可変領域ヌクレオチド配列(配列番号230)
GAAATTGTGT TGACACAGTC TCCAGCCACC CTGTCTTTGT CTCCAGGGGA AAGAGCCACC CTCTCCTGCA GGGCCAGTCA GAGTGTTTTC AGGTACTTAG CCTGGTACCA ACAGAAACCT GGCCAGGCTC CCAGGCTCCT CATCTATGAT GCATCCACCA GGGCCACTGA CATCCCAGCC AGGTTCAGTG GCAGTGGGTC TGGGACAGAT TTCACTCTCA CCATCAGCAG CCTAGAGCCT GAAGATTTTG CAGTTTATTA CTGTCAGCAA CGTAGCAACT GGCCTCCGAC GTTCGGCCAA GGGACCAAGG TGGAAATCAA A
FR1-IMGTアミノ酸配列(配列番号231)
EIVLTQSPAT LSLSPGERAT LSCRAS
FR1-IMGTヌクレオチド配列(配列番号232)
GAAATTGTGTTGACACAGTCTCCAGCCACCCTGTCTTTGTCTCCAGGGGAAAGAGCCACCCTCTCCTGCAGGGCCAGT
CDR1-IMGTアミノ酸配列(配列番号233)
QSVF RY
CDR1-IMGTヌクレオチド配列(配列番号234)
CAGAGTGTTTTCAGGTAC
FR2-IMGTアミノ酸配列(配列番号235)
LAWYQQKP GQAPRLLIY
FR2-IMGTヌクレオチド配列(配列番号236)
TTAGCCTGGTACCAACAGAAACCTGGCCAGGCTCCCAGGCTCCTCATCTAT
CDR2-IMGTアミノ酸配列(配列番号237)
D AS
CDR2-IMGTヌクレオチド配列(配列番号238)
GATGCATCC
FR3-IMGTアミノ酸配列(配列番号239)
TRATDIPA RFSGSGSGTD FTLTISSLEP EDFAVYYC
FR3-IMGTヌクレオチド配列(配列番号240)
ACCAGGGCCACTGACATCCCAGCCAGGTTCAGTGGCAGTGGGTCTGGGACAGATTTCACTCTCACCATCAGCAGCCTAGAGCCTGAAGATTTTGCAGTTTATTACTGT
CDR3-IMGTアミノ酸配列(配列番号241)
QQ RSNWPPT
CDR3-IMGTヌクレオチド配列(配列番号242)
CAGCAACGTAGCAACTGGCCTCCGACG
FR4-IMGTアミノ酸配列(配列番号243)
FGQ GTKVEIK
FR4-IMGTヌクレオチド配列(配列番号244)
TTCGGCCAAGGGACCAAGGTGGAAATCAAA
FR1-KABATアミノ酸配列(配列番号245)
EIVLTQSPAT LSLSPGERAT LSC
FR1-KABATヌクレオチド配列(配列番号246)
GAAATTGTGTTGACACAGTCTCCAGCCACCCTGTCTTTGTCTCCAGGGGAAAGAGCCACCCTCTCCTGC
CDR1-KABATアミノ酸配列(配列番号247)
RASQSVF RYLA
CDR1-KABATヌクレオチド配列(配列番号248)
AGGGCCAGTCAGAGTGTTTTCAGGTACTTAGCC
FR2-KABATアミノ酸配列(配列番号249)
WYQQKP GQAPRLLIY
FR2-KABATヌクレオチド配列(配列番号250)
TGGTACCAACAGAAACCTGGCCAGGCTCCCAGGCTCCTCATCTAT
CDR2-KABATアミノ酸配列(配列番号251)
D ASTRAT
CDR2-KABATヌクレオチド配列(配列番号252)
GATGCATCCACCAGGGCCACT
FR3-KABATアミノ酸配列(配列番号253)
DIPA RFSGSGSGTD FTLTISSLEP EDFAVYYC
FR3-KABATヌクレオチド配列(配列番号254)
GACATCCCAGCCAGGTTCAGTGGCAGTGGGTCTGGGACAGATTTCACTCTCACCATCAGCAGCCTAGAGCCTGAAGATTTTGCAGTTTATTACTGT
CDR3-KABATアミノ酸配列(配列番号255)
QQ RSNWPPT
CDR3-KABATヌクレオチド配列(配列番号256)
CAGCAACGTAGCAACTGGCCTCCGACG
FR4-KABATアミノ酸配列(配列番号257)
FGQ GTKVEIK
FR4-KABATヌクレオチド配列(配列番号258)
TTCGGCCAAGGGACCAAGGTGGAAATCAAA
CL-274711
CL-274711重鎖
可変領域アミノ酸配列(配列番号259)
QVQLQESGPG LVKPSQTLSL TCTVSGGSIS SGGYYWSWIR QHPGKGLEWI GHIFYSGSTY YNPSLKSRVT ISVDTSKNQF SLKLNSVTAA DTAVYYCASE GGYYDIPDVW GQGTTVTVSS
可変領域ヌクレオチド配列(配列番号260)
CAGGTGCAGC TGCAGGAGTC GGGCCCAGGA CTGGTGAAGC CTTCACAGAC CCTGTCCCTC ACCTGCACTG TCTCTGGTGG CTCCATCAGC AGTGGTGGTT ACTACTGGAG CTGGATCCGC CAGCACCCAG GGAAGGGCCT GGAGTGGATT GGGCACATCT TTTACAGTGG GAGCACCTAC TACAACCCGT CCCTCAAGAG TCGAGTTACC ATATCAGTTG ACACGTCTAA GAACCAGTTC TCCCTGAAGC TGAACTCTGT GACTGCCGCG GACACGGCCG TGTATTACTG TGCGAGCGAG GGAGGGTATT ACGATATTCC GGACGTCTGG GGCCAAGGGA CCACGGTCAC CGTCTCCTCA
FR1-IMGTアミノ酸配列(配列番号261)
QVQLQESGPG LVKPSQTLSL TCTVS
FR1-IMGTヌクレオチド配列(配列番号262)
CAGGTGCAGCTGCAGGAGTCGGGCCCAGGACTGGTGAAGCCTTCACAGACCCTGTCCCTCACCTGCACTGTCTCT
CDR1-IMGTアミノ酸配列(配列番号263)
GGSIS SGGYY
CDR1-IMGTヌクレオチド配列(配列番号264)
GGTGGCTCCATCAGCAGTGGTGGTTACTAC
FR2-IMGTアミノ酸配列(配列番号265)
WSWIR QHPGKGLEWI GH
FR2-IMGTヌクレオチド配列(配列番号266)
TGGAGCTGGATCCGCCAGCACCCAGGGAAGGGCCTGGAGTGGATTGGGCAC
CDR2-IMGTアミノ酸配列(配列番号267)
IFYSGST
CDR2-IMGTヌクレオチド配列(配列番号268)
ATCTTTTACAGTGGGAGCACC
FR3-IMGTアミノ酸配列(配列番号269)
Y YNPSLKSRVT ISVDTSKNQF SLKLNSVTAA DTAVYYC
FR3-IMGTヌクレオチド配列(配列番号270)
TACTACAACCCGTCCCTCAAGAGTCGAGTTACCATATCAGTTGACACGTCTAAGAACCAGTTCTCCCTGAAGCTGAACTCTGTGACTGCCGCGGACACGGCCGTGTATTACTGT
CDR3-IMGTアミノ酸配列(配列番号271)
ASE GGYYDIPDV
CDR3-IMGTヌクレオチド配列(配列番号272)
GCGAGCGAGGGAGGGTATTACGATATTCCGGACGTC
FR4-IMGTアミノ酸配列(配列番号273)
W GQGTTVTVSS
FR4-IMGTヌクレオチド配列(配列番号274)
TGGGGCCAAGGGACCACGGTCACCGTCTCCTCA
FR1-KABATアミノ酸配列(配列番号275)
QVQLQESGPG LVKPSQTLSL TCTVSGGSIS
FR1-KABATヌクレオチド配列(配列番号276)
CAGGTGCAGCTGCAGGAGTCGGGCCCAGGACTGGTGAAGCCTTCACAGACCCTGTCCCTCACCTGCACTGTCTCTGGTGGCTCCATCAGC
CDR1-KABATアミノ酸配列(配列番号277)
SGGYYWS
CDR1-KABATヌクレオチド配列(配列番号278)
AGTGGTGGTTACTACTGGAGC
FR2-KABATアミノ酸配列(配列番号279)
WIR QHPGKGLEWI G
FR2-KABATヌクレオチド配列(配列番号280)
TGGATCCGCCAGCACCCAGGGAAGGGCCTGGAGTGGATTGGG
CDR2-KABATアミノ酸配列(配列番号281)
HIFYSGSTY YNPSLKS
CDR2-KABATヌクレオチド配列(配列番号282)
CACATCTTTTACAGTGGGAGCACCTACTACAACCCGTCCCTCAAGAGT
FR3-KABATアミノ酸配列(配列番号283)
RVT ISVDTSKNQF SLKLNSVTAA DTAVYYCAS
FR3-KABATヌクレオチド配列(配列番号284)
CGAGTTACCATATCAGTTGACACGTCTAAGAACCAGTTCTCCCTGAAGCTGAACTCTGTGACTGCCGCGGACACGGCCGTGTATTACTGTGCGAGC
CDR3-KABATアミノ酸配列(配列番号285)
E GGYYDIPDV
CDR3-KABATヌクレオチド配列(配列番号286)
GAGGGAGGGTATTACGATATTCCGGACGTC
FR4-KABATアミノ酸配列(配列番号287)
W GQGTTVTVSS
FR4-KABATヌクレオチド配列(配列番号288)
TGGGGCCAAGGGACCACGGTCACCGTCTCCTCA
CL-274711軽鎖カッパ
可変領域アミノ酸配列(配列番号289)
EIVLTQSPAT LSLSPGERAT LSCRASQSVS NYLAWYQQKP GQAPRLLISD ASNRATGIPA RFSGSGSGTD FTLTISSLEP EDFAIYYCQQ RSNWPLTFGG GTKVEIK
可変領域ヌクレオチド配列(配列番号290)
GAAATTGTGT TGACACAGTC TCCAGCCACC CTGTCTTTGT CTCCAGGGGA AAGAGCCACC CTCTCCTGCA GGGCCAGTCA GAGTGTTAGC AACTACTTAG CCTGGTACCA ACAGAAACCT GGCCAGGCTC CCAGGCTCCT CATCTCTGAT GCATCCAACA GGGCCACTGG CATCCCAGCC AGGTTCAGTG GCAGTGGGTC TGGGACAGAC TTCACTCTCA CCATCAGCAG CCTAGAGCCT GAAGATTTTG CAATTTATTA CTGTCAGCAG CGTAGCAACT GGCCGCTCAC TTTCGGCGGA GGGACCAAGG TGGAGATCAA A
FR1-IMGTアミノ酸配列(配列番号291)
EIVLTQSPAT LSLSPGERAT LSCRAS
FR1-IMGTヌクレオチド配列(配列番号292)
GAAATTGTGTTGACACAGTCTCCAGCCACCCTGTCTTTGTCTCCAGGGGAAAGAGCCACCCTCTCCTGCAGGGCCAGT
CDR1-IMGTアミノ酸配列(配列番号293)
QSVS NY
CDR1-IMGTヌクレオチド配列(配列番号294)
CAGAGTGTTAGCAACTAC
FR2-IMGTアミノ酸配列(配列番号295)
LAWYQQKP GQAPRLLIS
FR2-IMGTヌクレオチド配列(配列番号236)
TTAGCCTGGTACCAACAGAAACCTGGCCAGGCTCCCAGGCTCCTCATCTCT
CDR2-IMGTアミノ酸配列(配列番号297)
D AS
CDR2-IMGTヌクレオチド配列(配列番号298)
GATGCATCC
FR3-IMGTアミノ酸配列(配列番号299)
NRATGIPA RFSGSGSGTD FTLTISSLEP EDFAIYYC
FR3-IMGTヌクレオチド配列(配列番号300)
AACAGGGCCACTGGCATCCCAGCCAGGTTCAGTGGCAGTGGGTCTGGGACAGACTTCACTCTCACCATCAGCAGCCTAGAGCCTGAAGATTTTGCAATTTATTACTGT
CDR3-IMGTアミノ酸配列(配列番号301)
QQ RSNWPLT
CDR3-IMGTヌクレオチド配列(配列番号302)
CAGCAGCGTAGCAACTGGCCGCTCACT
FR4-IMGTアミノ酸配列(配列番号303)
FGG GTKVEIK
FR4-IMGTヌクレオチド配列(配列番号304)
TTCGGCGGAGGGACCAAGGTGGAGATCAAA
FR1-KABATアミノ酸配列(配列番号305)
EIVLTQSPAT LSLSPGERAT LSC
FR1-KABATヌクレオチド配列(配列番号306)
GAAATTGTGTTGACACAGTCTCCAGCCACCCTGTCTTTGTCTCCAGGGGAAAGAGCCACCCTCTCCTGC
CDR1-KABATアミノ酸配列(配列番号307)
RASQSVS NYLA
CDR1-KABATヌクレオチド配列(配列番号308)
AGGGCCAGTCAGAGTGTTAGCAACTACTTAGCC
FR2-KABATアミノ酸配列(配列番号309)
WYQQKP GQAPRLLIS
FR2-KABATヌクレオチド配列(配列番号310)
TGGTACCAACAGAAACCTGGCCAGGCTCCCAGGCTCCTCATCTCT
CDR2-KABATアミノ酸配列(配列番号311)
D ASNRAT
CDR2-KABATヌクレオチド配列(配列番号312)
GATGCATCCAACAGGGCCACT
FR3-KABATアミノ酸配列(配列番号313)
GIPA RFSGSGSGTD FTLTISSLEP EDFAIYYC
FR3-KABATヌクレオチド配列(配列番号314)
GGCATCCCAGCCAGGTTCAGTGGCAGTGGGTCTGGGACAGACTTCACTCTCACCATCAGCAGCCTAGAGCCTGAAGATTTTGCAATTTATTACTGT
CDR3-KABATアミノ酸配列(配列番号315)
QQ RSNWPLT
CDR3-KABATヌクレオチド配列(配列番号316)
CAGCAGCGTAGCAACTGGCCGCTCACT
FR4-KABATアミノ酸配列(配列番号317)
FGG GTKVEIK
FR4-KABATヌクレオチド配列(配列番号318)
TTCGGCGGAGGGACCAAGGTGGAGATCAAA
CL-148219QLT
CL-148219QLT重鎖
可変領域アミノ酸配列(配列番号319)
QVHLQESGPG LVKPSETLSL TCTVSGGSIS SYYWSWIRQY PGKGLEWIGY ISYSGSSNYN PSLKRRVTIS RDTSKNQFSL QLTSVIAADT AVYYCARNLM IRGAYGMDVW GQGTTVTVSS
可変領域ヌクレオチド配列(配列番号320)
CAGGTGCACC TGCAGGAGTC GGGCCCAGGA CTGGTGAAGC CTTCGGAGAC CCTGTCCCTC ACGTGCACTG TCTCTGGTGG CTCCATCAGT AGTTACTACT GGAGCTGGAT CCGGCAGTAC CCAGGAAAGG GACTGGAGTG GATTGGATAT ATCTCTTACA GTGGGAGCAG CAATTATAAT CCCTCCCTCA AGAGGCGAGT CACCATATCA CGAGACACGT CCAAGAACCA GTTCTCCCTG CAGCTGACCT CTGTAATCGC TGCGGACACG GCCGTTTATT ACTGTGCGAG AAATCTTATG ATTCGGGGAG CCTACGGCAT GGACGTCTGG GGCCAAGGGA CCACGGTCAC CGTCTCCTCA
FR1-IMGTアミノ酸配列(配列番号321)
QVHLQESGPG LVKPSETLSL TCTVS
FR1-IMGTヌクレオチド配列(配列番号322)
CAGGTGCACCTGCAGGAGTCGGGCCCAGGACTGGTGAAGCCTTCGGAGACCCTGTCCCTCACGTGCACTGTCTCT
CDR1-IMGTアミノ酸配列(配列番号323)
GGSIS SYY
CDR1-IMGTヌクレオチド配列(配列番号324)
GGTGGCTCCATCAGTAGTTACTAC
FR2-IMGTアミノ酸配列(配列番号325)
WSWIRQY PGKGLEWIGY
FR2-IMGTヌクレオチド配列(配列番号326)
TGGAGCTGGATCCGGCAGTACCCAGGAAAGGGACTGGAGTGGATTGGATAT
CDR2-IMGTアミノ酸配列(配列番号327)
ISYSGSS
CDR2-IMGTヌクレオチド配列(配列番号328)
ATCTCTTACAGTGGGAGCAGC
FR3-IMGTアミノ酸配列(配列番号329)
NYN PSLKRRVTIS RDTSKNQFSL QLTSVIAADT AVYYC
FR3-IMGTヌクレオチド配列(配列番号330)
AATTATAATCCCTCCCTCAAGAGGCGAGTCACCATATCACGAGACACGTCCAAGAACCAGTTCTCCCTGCAGCTGACCTCTGTAATCGCTGCGGACACGGCCGTTTATTACTGT
CDR3-IMGTアミノ酸配列(配列番号331)
ARNLM IRGAYGMDV
CDR3-IMGTヌクレオチド配列(配列番号332)
GCGAGAAATCTTATGATTCGGGGAGCCTACGGCATGGACGTC
FR4-IMGTアミノ酸配列(配列番号333)
W GQGTTVTVSS
FR4-IMGTヌクレオチド配列(配列番号334)
TGGGGCCAAGGGACCACGGTCACCGTCTCCTCA
FR1-KABATアミノ酸配列(配列番号335)
QVHLQESGPG LVKPSETLSL TCTVSGGSI
FR1-KABATヌクレオチド配列(配列番号336)
CAGGTGCACCTGCAGGAGTCGGGCCCAGGACTGGTGAAGCCTTCGGAGACCCTGTCCCTCACGTGCACTGTCTCTGGTGGCTCCATC
CDR1-KABATアミノ酸配列(配列番号337)
S SYYWS
CDR1-KABATヌクレオチド配列(配列番号338)
AGTAGTTACTACTGGAGC
FR2-KABATアミノ酸配列(配列番号339)
WIRQY PGKGLEWIG
FR2-KABATヌクレオチド配列(配列番号340)
TGGATCCGGCAGTACCCAGGAAAGGGACTGGAGTGGATTGGA
CDR2-KABATアミノ酸配列(配列番号341)
Y ISYSGSSNYN PSLKR
CDR2-KABATヌクレオチド配列(配列番号342)
TATATCTCTTACAGTGGGAGCAGCAATTATAATCCCTCCCTCAAGAGG
FR3-KABATアミノ酸配列(配列番号343)
RVTIS RDTSKNQFSL QLTSVIAADT AVYYCAR
FR3-KABATヌクレオチド配列(配列番号344)
CGAGTCACCATATCACGAGACACGTCCAAGAACCAGTTCTCCCTGCAGCTGACCTCTGTAATCGCTGCGGACACGGCCGTTTATTACTGTGCGAGA
CDR3-KABATアミノ酸配列(配列番号345)
NLM IRGAYGMDV
CDR3-KABATヌクレオチド配列(配列番号346)
AATCTTATGATTCGGGGAGCCTACGGCATGGACGTC
FR4-KABATアミノ酸配列(配列番号347)
W GQGTTVTVSS
FR4-KABATヌクレオチド配列(配列番号348)
TGGGGCCAAGGGACCACGGTCACCGTCTCCTCA
CL-148219QLT軽鎖カッパ
可変領域アミノ酸配列(配列番号349)
DTVMTQSPLS LPVTPGEPAS ISCRSSQSLL HSNGYNYLDW YLQKAGQSPQ LLIYLGSNRA SGVPDRFSGS VSGTDFTLKI SRVEAEDVGI YYCMQALQTP FTFGPGTKVD IK
可変領域ヌクレオチド配列(配列番号350)
GATACTGTGA TGACTCAGTC TCCACTCTCC CTGCCCGTCA CCCCTGGAGA GCCGGCCTCC ATCTCCTGCA GGTCTAGTCA GAGCCTCCTG CATAGTAATG GATACAATTA TTTGGATTGG TACCTGCAGA AGGCAGGACA GTCTCCACAA CTCCTGATCT ATTTGGGTTC TAATCGGGCC TCCGGGGTCC CTGACAGGTT CAGTGGCAGT GTATCAGGCA CAGATTTCAC ACTGAAAATC AGCAGAGTGG AGGCTGAGGA TGTTGGGATT TATTACTGCA TGCAAGCTCT ACAAACTCCA TTCACTTTCG GCCCTGGGAC CAAAGTGGAT ATCAAA
FR1-IMGTアミノ酸配列(配列番号351)
DTVMTQSPLS LPVTPGEPAS ISCRSS
FR1-IMGTヌクレオチド配列(配列番号352)
GATACTGTGATGACTCAGTCTCCACTCTCCCTGCCCGTCACCCCTGGAGAGCCGGCCTCCATCTCCTGCAGGTCTAGT
CDR1-IMGTアミノ酸配列(配列番号353)
QSLL HSNGYNY
CDR1-IMGTヌクレオチド配列(配列番号354)
CAGAGCCTCCTGCATAGTAATGGATACAATTAT
FR2-IMGTアミノ酸配列(配列番号355)
LDW YLQKAGQSPQ LLIY
FR2-IMGTヌクレオチド配列(配列番号356)
TTGGATTGGTACCTGCAGAAGGCAGGACAGTCTCCACAACTCCTGATCTAT
CDR2-IMGTアミノ酸配列(配列番号357)
LGS
CDR2-IMGTヌクレオチド配列(配列番号358)
TTGGGTTCT
FR3-IMGTアミノ酸配列(配列番号359)
NRA SGVPDRFSGS VSGTDFTLKI SRVEAEDVGI YYC
FR3-IMGTヌクレオチド配列(配列番号360)
AATCGGGCCTCCGGGGTCCCTGACAGGTTCAGTGGCAGTGTATCAGGCACAGATTTCACACTGAAAATCAGCAGAGTGGAGGCTGAGGATGTTGGGATTTATTACTGC
CDR3-IMGTアミノ酸配列(配列番号361)
MQALQTP FT
CDR3-IMGTヌクレオチド配列(配列番号362)
ATGCAAGCTCTACAAACTCCATTCACT
FR4-IMGTアミノ酸配列(配列番号363)
FGPGTKVD IK
FR4-IMGTヌクレオチド配列(配列番号364)
TTCGGCCCTGGGACCAAAGTGGATATCAAA
FR1-KABATアミノ酸配列(配列番号365)
DTVMTQSPLS LPVTPGEPAS ISC
FR1-KABATヌクレオチド配列(配列番号366)
GATACTGTGATGACTCAGTCTCCACTCTCCCTGCCCGTCACCCCTGGAGAGCCGGCCTCCATCTCCTGC
CDR1-KABATアミノ酸配列(配列番号367)
RSSQSLL HSNGYNYLD
CDR1-KABATヌクレオチド配列(配列番号368)
AGGTCTAGTCAGAGCCTCCTGCATAGTAATGGATACAATTATTTGGAT
FR2-KABATアミノ酸配列(配列番号369)
W YLQKAGQSPQ LLIY
FR2-KABATヌクレオチド配列(配列番号370)
TGGTACCTGCAGAAGGCAGGACAGTCTCCACAACTCCTGATCTAT
CDR2-KABATアミノ酸配列(配列番号371)
LGSNRA S
CDR2-KABATヌクレオチド配列(配列番号372)
TTGGGTTCTAATCGGGCCTCC
FR3-KABATアミノ酸配列(配列番号373)
GVPDRFSGS VSGTDFTLKI SRVEAEDVGI YYC
FR3-KABATヌクレオチド配列(配列番号374)
GGGGTCCCTGACAGGTTCAGTGGCAGTGTATCAGGCACAGATTTCACACTGAAAATCAGCAGAGTGGAGGCTGAGGATGTTGGGATTTATTACTGC
CDR3-KABATアミノ酸配列(配列番号375)
MQALQTP FT
CDR3-KABATヌクレオチド配列(配列番号376)
ATGCAAGCTCTACAAACTCCATTCACT
FR4-KABATアミノ酸配列(配列番号377)
FGPGTKVD IK
FR4-KABATヌクレオチド配列(配列番号378)
TTCGGCCCTGGGACCAAAGTGGATATCAAA
【表5-1】
【表5-2】
【表5-3】
【表5-4】
【表5-5】
【表5-6】
【表5-7】
【表5-8】
【表5-9】
【表5-10】
【表5-11】
【表5-12】
【表5-13】
【表5-14】
【表5-15】
【表5-16】
【表5-17】
【表5-18】
【表5-19】
【表5-20】
【表5-21】
C領域アミノ酸配列(配列番号3)
A S T K G P S V F P L A P C S R S T S E
S T A A L G C L V K D Y F P E P V T V S
W N S G A L T S G V H T F P A V L Q S S
G L Y S L S S V V T V P S S S L G T K T
Y T C N V D H K P S N T K V D K R V E S
K Y G P P C P P C P A P E F E G G P S V
F L F P P K P K D T L M I S R T P E V T
C V V V D V S Q E D P E V Q F N W Y V D
G V E V H N A K T K P R E E Q F N S T Y
R V V S V L T V L H Q D W L N G K E Y K
C K V S N K G L P S S I E K T I S K A K
G Q P R E P Q V Y T L P P S Q E E M T K
N Q V S L T C L V K G F Y P S D I A V E_
W E S N G Q P E N N Y K T T P P V L D S
D G S F F L Y S R L T V D K S R W Q E G
N V F S C S V M H E A L H N H Y T Q K S
L S L S L G K
C領域ヌクレオチド配列(配列番号4)
gccagcaccaagggcccttccgtgttccccctggccccttgcagcaggagcacctccgaa
tccacagctgccctgggctgtctggtgaaggactactttcccgagcccgtgaccgtgagc
tggaacagcggcgctctgacatccggcgtccacacctttcctgccgtcctgcagtcctcc
ggcctctactccctgtcctccgtggtgaccgtgcctagctcctccctcggcaccaagacc
tacacctgtaacgtggaccacaaaccctccaacaccaaggtggacaaacgggtcgagagc
aagtacggccctccctgccctccttgtcctgcccccgagttcgaaggcggacccagcgtg
ttcctgttccctcctaagcccaaggacaccctcatgatcagccggacacccgaggtgacc_
tgcgtggtggtggatgtgagccaggaggaccctgaggtccagttcaactggtatgtggat
ggcgtggaggtgcacaacgccaagacaaagccccgggaagagcagttcaactccacctac
agggtggtcagcgtgctgaccgtgctgcatcaggactggctgaacggcaaggagtacaag
tgcaaggtcagcaataagggactgcccagcagcatcgagaagaccatctccaaggctaaa
ggccagccccgggaacctcaggtgtacaccctgcctcccagccaggaggagatgaccaag
aaccaggtgagcctgacctgcctggtgaagggattctacccttccgacatcgccgtggag
tgggagtccaacggccagcccgagaacaattataagaccacccctcccgtcctcgacagc
gacggatccttctttctgtactccaggctgaccgtggataagtccaggtggcaggaaggc
aacgtgttcagctgctccgtgatgcacgaggccctgcacaatcactacacccagaagtcc
ctgagcctgtccctgggaaag
>PCSK9参照配列(配列番号189)
QEDEDGDYEELVLALRSEEDGLAEAPEHGT
TATFHRCAKDPWRLPGTYVVVLKEETHLSQSERTARRLQAQAARRGYLTKILHVFHGLLP
GFLVKMSGDLLELALKLPHVDYIEEDSSVFAQSIPWNLERITPPRYRADEYQPPDGGSLV
EVYLLDTSIQSDHREIEGRVMVTDFENVPEEDGTRFHRQASKCDSHGTHLAGVVSGRDAG
VAKGASMRSLRVLNCQGKGTVSGTLIGLEFIRKSQLVQPVGPLVVLLPLAGGYSRVLNAA
CQRLARAGVVLVTAAGNFRDDACLYSPASAPEVITVGATNAQDQPVTLGTLGTNFGRCVD
LFAPGEDIIGASSDCSTCFVSQSGTSQAAAHVAGIAAMMLSAEPELTLAELRQRLIHFSA
KDVINEAWFPEDQRVLTPNLVAALPPSTHGAGWQLFCRTVWSAHSGPTRMATAVARCAPD
EELLSCSSFSRSGKRRGERMEAQGGKLVCRAHNAFGGEGVYAIARCCLLPQANCSVHTAP
PAEASMGTRVHCHQQGHVLTGCSSHWEVEDLGTHKPPVLRPRGQPNQCVGHREASIHASC
CHAPGLECKVKEHGIPAPQEQVTVACEEGWTLTGCSALPGTSHVLGAYAVDNTCVVRSRD
VSTTGSTSEGAVTAVAICCRSRHLAQASQELQ
>PCSK9バリアントa(配列番号190)
QEDEDGDYEELVLALRSEEDGLAEAPEHGT
TATFHRCAKDPWRLPGTYVVVLKEETHLSQSERTARRLQAQAARRGYLTKILHVFHGLLP
GFLVKMSGDLLELALKLPHVDYIEEDSSVFAQSIPWNLERITPPRYRADEYQPPDGGSLV
EVYLLDTSIQSDHREIEGRVMVTDFENVPEEDGTRFHRQASKCDSHGTHLAGVVSGRDAG
VAKGASMRSLRVLNCQGKGTVSGTLIGLEFIRKSQLVQPVGPLVVLLPLAGGYSRVLNAA
CQRLARAGVVLVTAAGNFRDDACLYSPASAPEVITVGATNAQDQPVTLGTLGTNFGRCVD
LFAPGEDIIGASSDCSTCFVSQSGTSQAAAHVAGIAAMMLSAEPELTLAELRQRLIHFSA
KDVINEAWFPEDQRVLTPNLVAALPPSTHGAGWQLFCRTVWSAHSGPTRMATAIARCAPD
EELLSCSSFSRSGKRRGERMEAQGGKLVCRAHNAFGGEGVYAIARCCLLPQANCSVHTAP
PAEASMGTRVHCHQQGHVLTGCSSHWEVEDLGTHKPPVLRPRGQPNQCVGHREASIHASC_
CHAPGLECKVKEHGIPAPQEQVTVACEEGWTLTGCSALPGTSHVLGAYAVDNTCVVRSRD
VSTTGSTSEEAVTAVAICCRSRHLAQASQELQ
>PCSK9バリアントb(配列番号191)
QEDEDGDYEELVLA
LRSEEDGLVEAPEHGTTATFHRCAKDPWRLPGTYVVVLKEETHLSQSERTARRLQAQA
ARRGYLTKILHVFHGLLPGFLVKMSGDLLELALKLPHVDYIEEDSSVFAQSIPWNLER
ITPPRYRADEYQPPDGGSLVEVYLLDTSIQSDHREIEGRVMVTDFENVPEEDGTRFHR
QASKCDSHGTHLAGVVSGRDAGVAKGASMRSLRVLNCQGKGTVSGTLIGLEFIRKSQL
VQPVGPLVVLLPLAGGYSRVLNAACQRLARAGVVLVTAAGNFRDDACLYSPASAPEVI
TVGATNAQDQPVTLGTLGTNFGRCVDLFAPGEDIIGASSDCSTCFVSQSGTSQAAAHV
AGIAAMMLSAEPELTLAELRQRLIHFSAKDVINEAWFPEDQRVLTPNLVAALPPSTHG
AGWQLFCRTVWSAHSGPTRMATAIARCAPDEELLSCSSFSRSGKRRGERMEAQGGKLV
CRAHNAFGGEGVYAIARCCLLPQANCSVHTAPPAEASMGTRVHCHQQGHVLTGCSSHW
EVEDLGTHKPPVLRPRGQPNQCVGHREASIHASCCHAPGLECKVKEHGIPAPQEQVTV
ACEEGWTLTGCSALPGTSHVLGAYAVDNTCVVRSRDVSTTGSTSEEAVTAVAICCRSR
HLAQASQELQ
>PCSK9 GOF突然変異体(配列番号192)
QEDEDGDYEELVLA
LRSEEDGLAEAPEHGTTATFHRCAKDPWRLPGTYVVVLKEETHLSQSERTARRLQAQA
ARRGYLTKILHVFHGLLPGFLVKMSGDLLELALKLPHVDYIEEDSSVFAQSIPWNLER
ITPPRYRADEYQPPDGGSLVEVYLLDTSIQSDHREIEGRVMVTDFENVPEEDGTRFHR
QASKCDSHGTHLAGVVSGRDAGVAKGASMRSLRVLNCQGKGTVSGTLIGLEFIRKSQL
VQPVGPLVVLLPLAGGYSRVLNAACQRLARAGVVLVTAAGNFRDDACLYSPASAPEVI
TVGATNAQDQPVTLGTLGTNFGRCVDLFAPGEDIIGASSYCSTCFVSQSGTSQAAAHV
AGIAAMMLSAEPELTLAELRQRLIHFSAKDVINEAWFPEDQRVLTPNLVAALPPSTHG
AGWQLFCRTVWSAHSGPTRMATAVARCAPDEELLSCSSFSRSGKRRGERMEAQGGKLV
CRAHNAFGGEGVYAIARCCLLPQANCSVHTAPPAEASMGTRVHCHQQGHVLTGCSSHW
EVEDLGTHKPPVLRPRGQPNQCVGHREASIHASCCHAPGLECKVKEHGIPAPQEQVTV
ACEEGWTLTGCSALPGTSHVLGAYAVDNTCVVRSRDVSTTGSTSEGAVTAVAICCRSR
HLAQASQELQ
>PCSK9カニクイザル(配列番号193)
QEDEDGDYEELVLALRSEEDGLADAPEHGA
TATFHRCAKDPWRLPGTYVVVLKEETHRSQSERTARRLQAQAARRGYLTKILHVFHHLLP
GFLVKMSGDLLELALKLPHVDYIEEDSSVFAQSIPWNLERITPARYRADEYQPPKGGSLV
EVYLLDTSIQSDHREIEGRVMVTDFESVPEEDGTRFHRQASKCDSHGTHLAGVVSGRDAG
VAKGAGLRSLRVLNCQGKGTVSGTLIGLEFIRKSQLVQPVGPLVVLLPLAGGYSRVFNAA
CQRLARAGVVLVTAAGNFRDDACLYSPASAPEVITVGATNAQDQPVTLGTLGTNFGRCVD
LFAPGEDIIGASSDCSTCFVSRSGTSQAAAHVAGIAAMMLSAEPELTLAELRQRLIHFSA
KDVINEAWFPEDQRVLTPNLVAALPPSTHRAGWQLFCRTVWSAHSGPTRMATAVARCAQD
EELLSCSSFSRSGKRRGERIEAQGGKRVCRAHNAFGGEGVYAIARCCLLPQVNCSVHTAP
PAGASMGTRVHCHQQGHVLTGCSSHWEVEDLGTHKPPVLRPRGQPNQCVGHREASIHASC
CHAPGLECKVKEHGIPAPQEQVIVACEDGWTLTGCSALPGTSHVLGAYAVDNTCVVRSRD
VSTTGSTSEEAVAAVAICCRSRHLVQASQELQ
>PCSK9マウス(配列番号194)
QDEDGDYEELMLALPSQEDGLADEAA
HVATATFRRCSKEAWRLPGTYIVVLMEETQRLQIEQTAHRLQTRAARRGYVIKVLHIFYD
LFPGFLVKMSSDLLGLALKLPHVEYIEEDSFVFAQSIPWNLERIIPAWHQTEEDRSPDGS
SQVEVYLLDTSIQGAHREIEGRVTITDFNSVPEEDGTRFHRQASKCDSHGTHLAGVVSGR
DAGVAKGTSLHSLRVLNCQGKGTVSGTLIGLEFIRKSQLIQPSGPLVVLLPLAGGYSRIL
NAACRHLARTGVVLVAAAGNFRDDACLYSPASAPEVITVGATNAQDQPVTLGTLGTNFGR
CVDLFAPGKDIIGASSDCSTCFMSQSGTSQAAAHVAGIVARMLSREPTLTLAELRQRLIH
FSTKDVINMAWFPEDQQVLTPNLVATLPPSTHETGGQLLCRTVWSAHSGPTRTATATARC
APEEELLSCSSFSRSGRRRGDWIEAIGGQQVCKALNAFGGEGVYAVARCCLVPRANCSIH
NTPAARAGLETHVHCHQKDHVLTGCSFHWEVEDLSVRRQPALRSRRQPGQCVGHQAASVY
ASCCHAPGLECKIKEHGISGPSEQVTVACEAGWTLTGCNVLPGASLTLGAYSVDNLCVAR
VHDTARADRTSGEATVAAAICCRSRPSAKASWVQ
アリロクマブHC(ヒトIgG4)(配列番号195)
EVQLVESGGGLVQPGGSLRLSCAASGFTFNNYAMNWVRQ
APGKGLDWVSTISGSGGTTNYADSVKGRFIISRDSSKHTLYLQMNSLRAEDTAVYYCAKD
SNWGNFDLWGRGTLVTVSSASTKGPSVFPLAPCSRSTSESTAALGCLVKDYFPEPVTVSW
NSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTKTYTCNVDHKPSNTKVDKRVESKYG
PPCPPCPAPEFEGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSQEDPEVQFNWYVDGVE
VHNAKTKPREEQFNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKGLPSSIEKTISKAKGQPR
EPQVYTLPPSQEEMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFF_
LYSRLTVDKSRWQEGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSLGK
アリロクマブLC(ヒトカッパ)(配列番号196)
DIVMTQSPDSLAVSLGERATINCKSSQSVLYRSNNRNFLGWY
QQKPGQPPNLLIYWASTRESGVPDRFSGSGSGTDFTLTISSLQAEDVAVYYCQQYYTTPYTF
GQGTKLEIKRTVAAPSVFIFPPSDEQLKSGTASVVCLLNNFYPREAKVQWKVDNALQSGNS
QESVTEQDSKDSTYSLSSTLTLSKADYEKHKVYACEVTHQGLSSPVTKSFNRGEC
pH依存性抗体HC(ヒトIgG4)(配列番号197)
EMQLVESGGGLVQPGGSLRLSCAASGFTFSSHWMKWV
RQAPGKGLEWVANINQDGSEKYYVDSVKGRFTISRDNAKNSLFLQMNSLRAEDTAVYYCA
RDIVLMVYHMDYYYYGMDVWGQGTTVTVSSASTKGPSVFPLAPCSRSTSESTAALGCLVK
DYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTKTYTCNVDHKPS
NTKVDKRVESKYGPPCPPCPAPEFEGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSQED
PEVQFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQFNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKGLPS
SIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSQEEMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENN
YKTTPPVLDSDGSFFLYSRLTVDKSRWQEGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSLGK
pH依存性抗体LC(ヒトカッパ)(配列番号198)
DIVMTQSPLSLPVTPGEPASISCRSSQSLHHSNGNNY
LDWYLQKPGQSPQLLIYLGSNRASGVPDRFSGSGSGTDFTLKISRVEAEDVGVYYCMQTL
QTPLTFGGGTKVEIKRTVAAPSVFIFPPSDEQLKSGTASVVCLLNNFYPREAKVQWKVDN
ALQSGNSQESVTEQDSKDSTYSLSSTLTLSKADYEKHKVYACEVTHQGLSSPVTKSFNRG
EC
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14a-1】
図14a-2】
図14a-3】
図14b-1】
図14b-2】
図14b-3】
図15
図16
図17
図18
図19
図20a
図20b
図20c
図21a
図21b
図22a-b】
図22c-d】
図23
図24
図25
図26
図27
図28
図29
図30
図31
図32
図33
図34
図35
図36
図37
図38
図39
図40
図41
図42
図43
【配列表】
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