(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-16
(45)【発行日】2024-07-24
(54)【発明の名称】イソシアネートおよびアミンから作られる分散剤
(51)【国際特許分類】
C09K 23/52 20220101AFI20240717BHJP
C08G 18/28 20060101ALI20240717BHJP
C08G 18/50 20060101ALI20240717BHJP
C08G 18/78 20060101ALI20240717BHJP
【FI】
C09K23/52
C08G18/28 065
C08G18/50 021
C08G18/78 075
(21)【出願番号】P 2021552825
(86)(22)【出願日】2020-03-03
(86)【国際出願番号】 US2020020789
(87)【国際公開番号】W WO2020185450
(87)【国際公開日】2020-09-17
【審査請求日】2023-02-09
(32)【優先日】2019-03-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】505318547
【氏名又は名称】ハンツマン ペトロケミカル エルエルシー
【氏名又は名称原語表記】Huntsman Petrochemical LLC
(74)【代理人】
【識別番号】110000741
【氏名又は名称】弁理士法人小田島特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】グリグスビー,ジュニア,ロバート・アリソン
(72)【発明者】
【氏名】ファン,シアオフア
(72)【発明者】
【氏名】チャンピオン,ドナルド・ヒュー
【審査官】牟田 博一
(56)【参考文献】
【文献】特表2005-538192(JP,A)
【文献】特表2012-530162(JP,A)
【文献】国際公開第2009/080465(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C09K23/
C09D
C08G18/
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
(i)イソシアネートプレポリマーを実質的に含まない液体イソシアネート化合物
であって、イソシアヌレート、イミノオキサジアジン、ウレトジオン、アロファント(allophant)およびそれらの組み合わせからなる群から選択される官能基を含んでなる液体ポリイソシアネート化合物;および
(ii)ポリオキシアルキレンモノアミ
ン
の反応から得られるビウレット基を実質的に含まない分散剤。
【請求項2】
官能基がウレ
トジオン基である請求項
1に記載の分散剤。
【請求項3】
ポリオキシアルキレンモノアミンが、式
【化1】
(式中、R
1は水素、C
1からC
20アルキル基、または任意に1もしくは複数のC
1からC
10アルキル基で置換されたC
6アリール基であり;w,x,およびyはそれぞれ独立して0から
100の整数であるが、ただしw+x+yは2より大きく;dは0または1であり;そしてR
bはC
1からC
10アルキ
レン基である)
を有する化合物である請求項
1に記載の分散剤。
【請求項4】
ポリオキシアルキレン
モノアミンが、式
【化2】
式中、Rはメチルであり、そしてaおよびbはモノアミン中のPO/EOの比が
9/1から
1/11の範囲であるような整数である
を有するポリオキシアルキレンモノアミンである請求項1に記載の分散剤。
【請求項5】
請求項1に記載の分散剤、粒状固体および有機媒体を含んでなる組成物。
【請求項6】
有機媒体が極性有機媒体である請求項
5に記載の組成物。
【請求項7】
有機媒体が非極性有機媒体である請求項
5に記載の組成物。
【請求項8】
粒状固体が顔料である請求項
5に記載の組成物。
【請求項9】
組成物がさらに結合剤を含んでなる請求項
5に記載の組成物。
【請求項10】
コーティングが粒状固体
上に配置され
、ここで前記コーティングが粒状固体上に配置されとは、前記粒状固体の周囲に配置されること、及び前記粒状固体の一部若しくは完全な被覆を包含し、そして前記コーティングが請求項1に記載の分散剤を含んでなる請求項
5に記載の組成物。
【請求項11】
組成物が水性媒体を含んでなる請求項
5に記載の組成物。
【請求項12】
粒状固体が顔料である請求項
11に記載の組成物。
【請求項13】
液体イソシアネート化合物およびポリオキシアルキレンアミンを接触させ、そして液体イソシアネート化合物およびポリオキシアルキレンアミンを反応させて、分散剤を形
成することを含んでな
り、
前記液体イソシアネート化合物は、イソシアネートプレポリマーを実質的に含まない液体イソシアネート化合物であって、イソシアヌレート、イミノオキサジアジン、ウレトジオン、アロファント(allophant)およびそれらの組み合わせからなる群から選択される官能基を含んでなる液体ポリイソシアネート化合物であり;かつ
前記ポリオキシアルキレンアミンは、ポリオキシアルキレンモノアミンである
分散剤の形成方法。
【請求項14】
反応が周囲温度および/または触媒の不存在で行われる請求項
13に記載の方法。
【請求項15】
粒状固体
を水性または有機媒体に分散する
方法であって、前記水性または有機媒体は、請求項1に記載の有効量の分散剤を含
み、前記粒状固体と分散剤を接触させる
ことを含んでなる、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願との関係
本出願は、引用により全開示を本明細書に編入する2019年3月12日に出願された米国特許仮出願第62/817,001号明細書の利益を主張する。
【0002】
連邦政府により資金提供を受けた研究開発の記載
適用しない
【0003】
分野
本開示は一般に:液体イソシアネート化合物およびポリオキシアルキレンモノアミンの反応から得られる分散剤;分散剤の調製法;分散剤、粒状固体(particulate
solid)および有機または水性媒体を含有する組成物;および分散剤をコーティングした粒状固体に関する。さらに本開示は、コーティング、インキ、トナー、プラスチック材料、エンジンオイル、コンクリート、洗剤、石膏ボード、油井掘削液、石油流出および農業用有効成分との関連で使用することができる組成物およびコーティングされた粒状固体を提供する。
【背景技術】
【0004】
背景
固体を水性または有機媒体に包含するためには、一般に高い機械力が必要である。この力は一般に周辺媒体による固体の湿潤性、およびこの媒体に関する親和性に大きく依存している。分散力を下げるためには、固体の包含を促進するために分散剤を使用することが通例である。このような分散剤は主に、アニオン性、カチオン性または非イオン性構造を有する表面-活性剤(界面活性剤)であり、そして固体に直接配置されるか、または比較的少量で液体媒体に加えることができる。固体分散物に必要なエネルギーは、このような界面活性剤の使用により有意に下げることができる。
【0005】
固体は分散後再凝集し、先に固体の分散に使用したエネルギーが無駄になることも知られている。この現象はロンドン/ファンデルワールス力により説明することができ、ここで固体は互いに十分に引き付けあっている。これらの引き付け力を克服するためには、前記界面活性剤の使用により影響を受けることができる吸収層を固体上に配置しなければならない。
【0006】
しかし界面活性剤による固体の分散中および後に、周囲媒体と固体粒子との間に相互作用が生じ、そして高濃度で存在している周囲媒体と引き換えに界面活性剤の離脱が起こる。この周囲媒体はほとんどの場合で安定な吸着層を形成することができず、分散した系の破壊を導く。この破壊は例えば粘度の上昇、光沢および/または色の濃さの喪失、および強化プラスチックの機械的強度の喪失により識別可能となる。
【0007】
固体の液体媒体への包含を促進する効果的分散剤の提供を目的とする多くの試みがなされ、例えば:
特許文献1は、(a)対称環式脂肪族、アララリファティック(aralaliphatic)または芳香族ジイソシアネート、および(b)モノ-またはジエーテルアミンの反応から形成される分散剤を開示し;
特許文献2は、(a)ポリイソシアネート、および(b)2以上の第一級および/または第二級アミノ基を有するアミンの反応から形成される分散剤を開示し;
特許文献3は、(a)2.0から5の平均官能性を有するポリイソシアネート、(b)
モノヒドロキシ化合物およびモノアミノー、モノカルボン酸化合物の混合物、および(c)1個の塩基性窒素およびイソシアネート反応性基を含有する化合物の反応生成物を含んでなる分散剤を開示し;
特許文献4は、(a)1.7から2.5の平均官能性を有するポリイソシアネート、および以下の1もしくは複数(b)一価ポリエーテルアルコール、(c)一価アルコール、(d)88-260の分子量を有し、そして少なくとも1つの第三級アミンを含むアミン、および(e)32-5000の数平均分子量を有し、そして少なくとも2つのイソシアネート-反応基を含む化合物、の反応から形成される分散剤を開示し;
特許文献5は、(a)ポリエポキシド、および(b)脂肪族またはアララリファティック第一級アミンの反応、引き続いて修飾イソシアネートとの反応から形成される分散剤を開示し;そして
特許文献6は、(a)ポリイソシアネート、(b)ポリエーテル鎖およびアミノ基を有する化合物、および(c)N-(3-アミノプロピル)イミダゾール、ベンゾグアナミンまたはN-(2-アミノエチル)ピペラジンの少なくとも1つの反応から形成される分散剤を開示する。
【0008】
最新の分散剤は特定の用途には適しているかもしれないが、様々な液体媒体中に様々な固体を分散して、改善とまではいかなくてもそのような最新の分散剤を含む従来の組成物に比べて少なくとも同様な物理的および化学的特性を有する組成物を形成することができる別の分散剤の開発の必要性が存在する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【文献】欧州特許第0198519号明細書
【文献】米国特許第4,735,984号明細書
【文献】米国特許第5,399,294号明細書
【文献】米国特許第5,910,556号明細書
【文献】米国特許第8,653,222号明細書
【文献】米国特許出願公開第2016/0083502号明細書
【発明の概要】
【0010】
要約
本開示は一般に、ビウレット基を実質的に含まず、そしてイソシアネートプレポリマーを実質的に含まない液体イソシアネート化合物、およびポリオキシアルキレンアミンの反応から得られる分散剤を提供する。
【0011】
別の態様では、本開示の分散剤、粒状固体および水性または有機媒体を含む組成物を提供する。
【0012】
さらに別の態様では、粒状固体を本開示の分散剤と接触させることを含んでなる、粒状固体を水性または有機媒体に分散する方法を提供する。
【発明を実施するための形態】
【0013】
詳細な説明
本開示は一般に、ビウレット基を実質的に含まず、そして(i)イソシアネートプレポリマーを実質的に含まない液体イソシアネート化合物;および(ii)ポリオキシアルキレンモノアミン、ポリオキシアルキレンジアミン、ポリオキシアルキレントリアミンおよびそれらの混合物からなる群から選択されるポリオキシアルキレンアミンの反応から得られる分散剤を対象とする。驚くことに本開示の分散剤は少なくとも:顔料を含む組成物の色の濃さおよび/または着色特性を改善し;組成物中の粒状固体の負荷を上げ;改善された明
るさおよび/または分散安定性を有する分散物を形成し;かつ/または周囲貯蔵条件および/または高温貯蔵条件下での低下した粘度および安定性を有する組成物を生成することができることが分かった。
【0014】
以下の用語は以下の意味を有する。
【0015】
用語「含んでなる」およびその派生語は、追加の構成要素、工程または手順が本明細書に開示されていてもいなくても、その存在を排除することを意図していない。いかなる疑いも避けるために、用語「含んでなる」の使用を通して本明細書で特許請求するすべての組成物は反対の記述がない限り、追加の任意の添加物、補助剤または化合物を含むことができる。対照的に本明細書に現れる用語「本質的に~からなる」は、続いて言及する範囲から他の構成要素、工程または手順を排除し、操作性に必須でないものを除き、そして用語「からなる」を使用する場合は、具体的に定義または列挙していない構成要素、工程または手順を排除する。用語「または」は特段の定めがない限り、個別に列挙した員ならびに任意の組み合わせを指す。
【0016】
本明細書で使用する冠詞「a」および「an」は、1または1より多く(すなわち少なくとも1)の冠詞の文法的対象物を指す。例として「アミン(an amine)は、1つのアミンまたは1つより多くのアミンを意味する。「1つの態様では」、「1つの態様によれば」等の句は、一般にこの句に続く特定の機能、構造または特徴が本開示の少なくとも1つの態様に含まれ、そして本開示の1より多くの態様にも含まれることができることを意味する。重要なことは、そのような句が同じ態様を必ずしも指していない点である。明細書で構成要素または機能が含まれ得るか、または特徴を有することができる(may,can,could,またはmight)と言う場合、その特定の構成要素または機能が含まれる必要はなく、または有する必要はない。
【0017】
本明細書で使用する用語「約」は、値または範囲の変動性をある程度可能とすることができ、例えばそれは言及した値の、または言及した範囲の限界の10%以内、5%内、または1%内であることができる。
【0018】
範囲の形式で表される値は、範囲の限界として明白に言及される数値的値のみならず、あたかも各数値的値および部分範囲が明白に言及されているかのようにその範囲に含まれる個別の数値または部分範囲の全ても含むと柔軟に解釈されるべきである。例えば1から6の範囲は、1から3または2から4または3から6等のような部分範囲、ならびにその範囲に入る具体的数値、例えば1,2,3,4,5および6を具体的に開示したと考えるべきである。これは範囲の広さにかかわらず適用する。
【0019】
用語「好適な」または「好ましくは」とは、特定の状況下で特定の利益をもたらすことができる態様を指す。しかし他の態様も同じか、または他の状況下で好適となり得る。さらに1もしくは複数の好適な態様という表現は、他の態様が有用ではないことを意味せず、そして本開示の範囲から他の態様を排除することを意図していない。
【0020】
用語「実質的に含まない」とは、組成物または化合物に物質的効果を持たない量で、特定の化合物または部分が存在する組成物または化合物を称する。幾つかの態様では、「実質的に含まない」とは、組成物または化合物の総重量に基づき2重量%未満、または1重量%未満、または0.5重量%未満、または0.1重量%未満、または0.05重量%未満、またはさらに0.01重量%未満の量で、組成物または化合物中に特定の化合物または部分が存在する組成物または化合物を指すか、または特定の化合物または部分がそれぞれ組成物または化合物に存在しないことを指す。
【0021】
置換基が左から右に書かれたそれらの通常の化学式により特定される場合、右から左に構造を書くことから得られる化学的に同一の置換基を等しく包含し、例えば-CH2O-は-OCH2-と均等である。
【0022】
本明細書で使用する用語「水性媒体」は、必ずしもそれだけではないが、大部分が水、例えば少なくとも50重量%の水、または少なくとも60重量%の水、または少なくとも70重量%の水、または少なくとも80重量%の水、または少なくとも90重量%の水、または少なくとも95重量%の水、から成る液体媒体を指す。塩、共溶媒、バッファー等のような他の成分も存在してよい。
【0023】
用語「有機媒体」は、必ずしもそれだけではないが、大部分が1もしくは複数の有機溶媒、例えば少なくとも50重量%の有機溶媒、または少なくとも60重量%の有機溶媒、または少なくとも70重量%の水、または少なくとも80重量%の有機溶媒、または少なくとも90重量%の有機溶媒、または少なくとも95重量%の有機溶媒から成る液体媒体を指す。水、バッファー等のような他の成分も存在してよい。
【0024】
用語「脂肪族」は、置換もしくは非置換の直鎖、分岐および/または環状鎖配置の構成炭素原子を特徴とする有機化合物を指す。脂肪族化合物は化合物の分子構造の部分として芳香族環を含まない。本明細書で使用する用語「環式脂肪族」とは、閉環構造の炭素原子の配置を特徴とする有機化合物を指す。環式脂肪族化合物は化合物の分子構造の部分として芳香族環を含まない。したがって環式脂肪族化合物は脂肪族化合物の部分集合である。
【0025】
用語「任意の」(optional)または「任意に」(optionally)とは、続いて記載する事象または状況が生じても生じなくてもよく、そして説明にはそのような事象または状況が起こる場合、および起こらない場合を含む。
【0026】
1つの態様によれば、分散剤は液体イソシアネート化合物およびポリオキシアルキレンアミンの反応から得ることができる。液体イソシアネート化合物は、モノイソシアネート化合物、ポリイソシアネート化合物またはそれらの混合物であることができる。用語「モノイソシアネート化合物」は、1つのイソシアネート基を有するイソシアネート化合物を表示することを意味する。用語「ポリイソシアネート化合物」は、2以上の反応性イソシアネート基を一本鎖分子に有するジイソシアネート、トリイソシアネート、テトライソシアネート等のようなイソシアネート化合物を表示することを意味する。
【0027】
1つの態様によれば、イソシアネート化合物はモノイソシアネート化合物である。別の態様では、モノイソシアネート化合物は脂肪族モノイソシアネート化合物、芳香族モノイソシアネート化合物またはそれらの混合物である。
【0028】
モノイソシアネート化合物の例には、限定するわけではないがメチルイソシアネート、エチルイソシアネート、n-プロピルイソシアネート、イソプロピルイソシアネート、n-ブチルイソシアネート,イソブチルイソシアネート,tert-ブチルイソシアネート,n-ペンチルイソシアネート,n-ヘキシルイソシアネート,シクロヘキシルイソシアネート,ω-クロロヘキサメチレンイソシアネート,n-ヘプチルイソシアネート,n-オクチルイソシアネート,イソ-オクチルイソシアネート,2-エチルヘキシルイソシアネート,2-ノルボルニルメチルイソシアネート,ノニルイソシアネート,2,3,4-トリメチルシクロヘキシルイソシアネート,3,3,5-トリメチルシクロヘキシルイソシアネート,デシルイソシアネート,ウンデシルイソシアネート,ドデシルイソシアネート,トリデシルイソシアネート,テトラデシルイソシアネート,ペンタデシルイソシアネート,ヘキサデシルイソシアネート,オクタデシルイソシアネート,ステアリルイソシアネート,3-ブトキシプロピルイソシアネート,3-(2-エチルヘキシルオキシ)-プ
ロピルイソシアネート,6-クロロヘキシルイソシアネートベンジルイソシアネート,フェニルイソシアネート,オルト-,メタ-,パラ-トリルイソシアネート,ジメチルフェニルイソシアネート(技術的混合物および個別異性体),4-ペンチルフェニルイソシアネート,4-シクロヘキシルフェニルイソシアネート,4-ドデシルフェニルイソシアネート,オルト-,メタ-,パラ-メトキシフェニルイソシアネート,クロロフェニルイソシアネート(2,3,4-異性体),異なるジクロロフェニルイソシアネート異性体、4-ニトロフェニルイソシアネート、3-トリフルオロメチルフェニルイソシアネート,1-ナフチルイソシアネートおよびそれらの混合物を含む。
【0029】
別の態様によれば、イソシアネート化合物は、一般式Ra-(NCO)z(式中、Raは脂肪族または芳香族基であり、そしてzは少なくとも2の整数である)を有するポリイソシアネート化合物である。すなわちポリイソシアネート化合物は、脂肪族ポリイソシアネート化合物、芳香族ポリイソシアネート化合物またはそれらの混合物であることができる。
【0030】
ポリイソシアネート化合物の非限定的例には、ヘキサメチレンジイソシアネート,オクタメチレンジイソシアネート,2,2’-,2,4’-および4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート,純粋または異性体混合物(例えば4,4’-MDIおよび最高60重量%の2,2’-MDIおよび2,4’-MDIを含有する混合物),高分子メチレンジフェニルジイソシアネート,メタ-およびパラ-フェニレンジイソシアネート,トリレン-2,4-およびトリレン-2,6-ジイソシアネート(トルエンジイソシアネートとしても知られている),クロロフェニレン-2,4-ジイソシアネート、ナフチレン-1,5-ジイソシアネート,ジフェニレン-4,4′-ジイソシアネート,4,4′-ジイソシアネート-3,3′-ジメチル-ジフェニル,3-メチル-ジフェニルメタン-4,4′-ジイソシアネートおよびジフェニルエーテルジイソシアネート,シクロヘキサン-2,4-および-2,3-ジイソシアネート,1-メチルシクロヘキシル-2,4-および-2,6-ジイソシアネート,ビス-(イソシアナトシクロヘキシル)メタン(例えば4,4′-ジイソシアナトジシクロヘキシルメタン(H12MDI)),2,4,6-トリイソシアナトトルエンおよび2,4,4-トリイソシアナトジフェニルエーテル,イソホロンジイソシアネート(IPDI),ブチレンジイソシアネート,トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート,イソシアナトメチル-1,8-オクタンジイソシアネート,テトラメチルキシレンジイソシアネート(TMXDI),1,4-シクロヘキサンジイソシアネート(CDI),トルイジンジイソシアネート(TODI)およびそれらの任意の組み合わせを含む。
【0031】
別の態様によれば、イソシアネート化合物はイソシアヌレート、イミノオキサジアジン、ウレトジオン(uretdione)、アロファント(allophante)およびそれらの組み合わせからなる群から選択される官能基を含んでなるポリイソシアネート化合物であることができる。
【0032】
イソシアヌレートは、ポリイソシアネート化合物の環状三量化により調製することができる。三量化は、例えば1当量のイソシアヌレート環を生成するために3当量のポリイソシアネート化合物を反応させることにより行うことができる。3当量のポリイソシアネートは、3当量の同じポリイソシアネート化合物、あるいは2または3の異なるポリイソシアネート化合物の様々な混合物を含んでなることができる。例えばホスフィン、マンニッヒ塩基、および例えば1,4-ジアザ-ビシクロ2.2.2]オクタン,ジアルキルピペラジンのような第三級アミン等のような化合物は、三量化触媒として使用することができる。イミノオキサジアジンは、ポリイソシアネート化合物の非対称環状三量化により調製することができる。ウレトジオンは、熱および任意に触媒の存在下でポリイソシアネート化合物の二量化により調製することができる。アロファネートは、ポリイソシアネート化
合物とウレタンとの反応により調製することができる。
【0033】
そのようなイソシアヌレート-、イミノオキサジアジン-、ウレチジオン(uretidione)-、およびアロファネート-修飾イソシアネートの生産に用途を見出すことができるポリイソシアネート化合物は、前記のポリイソシアネート化合物を含むことができる。幾つかの態様では、ポリイソシアネート化合物は、エチレンジイソシアネート,1,4-テトラメチレンジイソシアネート;1,6-ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI),オクタメチレンジイソシアネート,デカメチルレンジイソシアネート,2,2,4-トリメチル-1,6-ヘキサメチレンジイソシアネート,1,12-ドデカメチレンジイソシアネート,シクロヘキサン-1,4-ジイソシアネート,1-イソシアナト-3-イソシアナトメチル-3,5,5-トリメチル-シクロヘキサン(イソホロンジイソシアネートまたはIPDI),ビス-(4-イソシアナトシクロヘキシル)メタン(HMDI),ビス-(4-イソシアナト-3-メチル-シクロヘキシル)メタン、ベンゼンジイソシアネート,1,3-フェニレンジイソシアネート(m-フェニレンジイソシアネート),1,4-フェニレンジイソシアネート(p-フェニレンジイソシアネート),4,4′-メチレンジフェニルジイソシアネート(4,4-MDI),2,4′-メチレンジフェニルジイソシアネート(2,4-MDI),2,2′-ジイソシアナトジフェニルメタン(2,2-MDI),2,4-トルエンジイソシアネート,2,6-トルエンジイソシアネート,ヘキサヒドロトルエンジイソシアネート(および異性体),水素化メチレンビス(フェニルイソシアネート),1,5-ナフタレンジイソシアネート,1-メトキシフェニル-2,4-ジイソシアネート,4,4′-ビフェニレンジイソシアネート,3,3′-ジメトキシ-4,4′-ビフェニルジイソシアネート,3,3′-ジメチルジフェニルメタン-4,4′-ジイソシアネート(トルイジンジイソシアネート),l-[(2,4-ジイソシアナトフェニル)メチル]-3-イソシアナト-2-メチル,2,4,6-トリイソプロピル-m-フェニレンジイソシアネート,ビス(4,4′-イソシアナト-シクロヘキシル)メタン(H12MDI),1,3-およびl,4-ビス-(2-イソシアナト-プロピ-2-イル)-ベンゼン(TMXDI),4,4′,4″-トリフェニルメタントリイソシアネート,トルエン2,4,6-トリイソシアネート,4,4′-ジメチルジフェニルメタン-2,2′,5,5′-テトライソシアネート,ポリメチレンポリフェニレンポリイソシアネート,およびそれらの任意の組み合わせであることができる。
【0034】
1つの特定の態様では、イソシアネート化合物はウレチジオン基を含んでなるポリイソシアネート化合物である。代表的な出発ポリイソシアネート化合物は、前記ポリイソシアネート化合物のものを含むことができる。1つの特定の態様では、出発ポリイソシアネート化合物は、2,4-TDI,2,6-TDI,4,4-MDI,2,4-MDI,2,2-MDI,4,4′-メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート),2,4′-メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート),2,2′-メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート),ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート,α,α′-キシレンジイソシアネート,β,β′-ジエチルベンゼンジイソシアネート,4,4′,4″-トリフェニルメチレントリイソシアネート,o-トルイジンジイソシアネート,ヘキサメチレンジイソシアネート,オクタメチレンジイソシアネート,デカメチレンジイソシアネートおよびそれらの任意の組み合わせであることができる。1つの特定の態様では、ポリイソシアネート化合物は、脂肪族ポリイソシアネート化合物である。さらに別の特定の態様では、ポリイソシアネート化合物は4,4-MDIおよび/または2,4-MDIおよび/または2,2-MDI、および好ましくは少なくとも45重量%、または少なくとも50重量%、または少なくとも60重量%、または少なくとも70重量%、または少なくとも80重量%、または少なくとも90重量から約100重量%の4-MDI含量を有する混合物であることができる。ウレトジオン基(1もしくは複数)を含んでなるポリイソシアネート化合物の例は、限定するわけではないがハンツマンインターナショナルLLCから登録商標RUBINATE(商標)(例えばRUBINATE(商標)1680およ
び9225イソシアネート)で販売されているもの、ならびに他の会社から提供されているウレトジオン基(1もしくは複数)を含んでなる類似のポリイソシアネート化合物を含む。
【0035】
イソシアネート化合物と反応して本開示の分散剤を形成するポリオキシアルキレンアミンは、ポリオキシアルキレンモノアミン,ポリオキシアルキレンジアミン,ポリオキシアルキレントリアミンおよびそれらの任意の組み合わせであることができる。このような化合物はポリエーテル骨格の末端についているアミノ基により定められ、したがってポリエーテルアミンと考えられる。アミノ基は、第一級(-NH2)または第二級(-NH-)アミノ基であることができる。1つの好適な態様では、アミノ基は第一級アミノ基である。ポリオキシアルキレンアミンがモノ-,ジ-,またはトリアミンであるかどうかに依存して、各化合物はそれぞれ1,2,または3個のアミノ基を含むことができ、各基がポリエーテル骨格の末端に付いている。したがって1もしくは複数のポリエーテル骨格は、末端アミノ基の数を収容する必要があることになる。以下でさらに検討するように、ポリエーテル骨格(1もしくは複数)は、プロピレンオキシド(PO),エチレンオキシド(EO),ブチレンオキシド(BO)およびそれらの混合物のようなアルキレンオキシド基に基づく、すなわちさらに定められる。混合された構造では、比率は任意の所望のする比率であることができ、そしてブロックで(例えば反復または交互)または不規則に分布されて配置され得る。1つの非限定的例では、混合EO/PO構造では、EO:POの比は約1:1から約1:50およびその逆であることができる。このようにポリオキシアルキレンアミンは実質的にポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシドおよび/またはポリブチレンオキシドを定めることができる。ポリオキシアルキレンアミンの分子量は変動することができ、そして最高約6,000の分子量の範囲となり得る。
【0036】
さらに本開示の分散剤が水性媒体のような高度に極性の系で使用するために調製される場合、特定領域の使用に十分な水溶性レベルを達成するために、分散剤の形成に使用されるポリオキシアルキレンアミンは、無極性基(すなわちポリプロピレンおよび/またはブチレンオキシド)より十分に高い画分(例えばより高い量)の極性基(すなわちポリエチレンオキシド)を含むことができる。例えばポリオキシアルキレンアミンは、50重量%より高い、または60重量%より高い、または75重量%より高い、または90重量%より高いエチレンオキシドを含むことができる。同様に非極性の系で使用する分散剤を形成する場合では、ポリオキシアルキレンアミンは、極性基よりも十分に高い画分(例えば高い量)の無極性基、例えば50重量%より高い、または60重量%より高い、または75重量%より高い、または90重量%より高いプロピレンオキシドおよび/またはブチレンオキシドを含むことができる。広い適合性が重要となる系で使用するための分散剤を形成する場合、ポリオキシアルキレンアミンは、そのような極性基と無極性基のバランスがとれた組み合わせを含むことができる。
【0037】
1つの態様では、ポリオキシアルキレンアミンはポリオキシアルキレンモノアミンである。ポリオキシアルキレンモノアミンは一般に、一価の開始剤、例えばアルコールとエチレンおよび/またはプロピレンオキシドおよび/またはブチレンオキシドとの反応により調製することができる。この反応に続いて生じた末端ヒドロキシル基のアミンへの変換が生じ、これによりプロピレンオキシド(PO)、エチレンオキシド(EO),ブチレンオキシド(BO)またはそれらの混合物、および末端アミノ基、例えば末端の第一級アミノ基または第二級アミノ基、好ましくは第一級アミノ基を含むポリエーテル骨格を提供する。
【0038】
1つの特定の態様によれば、ポリオキシアルキレンモノアミンは式:
【化1】
を有する化合物であり、式中、R
1は水素、C
1からC
20アルキル基または任意に1もしくは複数のC
1からC
10アルキル基で置換されたC
6アリール基であり;w,xおよびyはそれぞれ独立してゼロから約100の整数であるが、ただしw+x+yは2より大きいことを条件とし;dは0または1であり;そしてR
bはC
1からC
10アルキル基である。幾つかの態様では、w,xおよびyは、ゼロから約50の整数、またはゼロから約20の整数,またはゼロから約10の整数であるが、ただしw+x+yは2より大きい。
【0039】
前記構造は、単独または任意の比率で互いに混合されたいずれかで以下の1もしくは複数のホモポリマーおよびコポリマーを含むことができる:エチレンオキシド、プロピレンオキシドおよびブチレンオキシド。1つの観点によれば、ポリオキシアルキレンモノアミンの分子量は、約500から約6000の間の任意の分子量であることができる。別の特定の態様では、ポリオキシアルキレンモノアミンは、約600から約3000の間の分子量を有することができる。さらに別の特定の態様では、ポリオキシアルキレンモノアミンは、少なくとも1000,または少なくとも2000,または少なくとも3000,または少なくとも4000,またはさらに少なくとも5000の分子量を有することができる。
【0040】
前記構造のポリオキシアルキレンモノアミンの例は、限定するわけではないがハンツマン ペトロケミカルLLCから登録商標JEFFAMINE(商標)のアミン、およびSURFONAMINE(商標)のアミンで得られるもの、ならびに他の会社により提供されるポリオキシアルキレン第一級モノアミンを含んでなる類似の化合物を含む。例には一般構造:
【化2】
を有するSURFONAMINE(商標)B-およびL-シリーズのアミンを含み、式中、Rはメチルであり、そしてaおよびbは、化合物中のPO/EOのモル比が約9/1から約1/11の範囲となるような整数である。このように幾つかの態様では、Rはメチルであり、そしてPO/EOのモル比は約9/1から約1/1、または約9/1から約4.5/1の範囲である。別の態様では、Rはメチルであり、そしてPO/EOのモル比が約1/1から約1/11、または約1/3.3から約1/11、または約1/6.3から約1/11、またはさらに約1/7から約1/11の範囲である。前述のように、POおよびEO単位は、ブロック形態(例えば反復もしくは交互)または不規則に分布されることができる。これらの化合物はメトキシ末端化されているが、ポリオキシアルキレンモノアミンは、メトキシ基のメチル基が、エチル,プロピル,ブチル,フェニルまたはベンジルのようなより高い炭化水素に置き換わる他の基でキャップされることもできる。
【0041】
別の態様によれば、ポリオキシアルキレンアミンはポリオキシアルキレンジアミンである。ポリオキシアルキレンジアミンを作成する手順は、例えば米国特許第3,654,370号明細書記載にされ、この内容は引用により本明細書に編入する。
【0042】
1つの態様では、ポリオキシアルキレンジアミンは、アミン末端化ポリオキシアルキレンジオールである。そのようなポリオキシアルキレンジオールのポリエーテル骨格は、エチレンオキシド,プロピレンオキシド,ブチレンオキシドまたはそれらの混合物を含むことができ、そしてこのようにポリオキシアルキレン第一級ジアミンは、一般式
【化3】
を有することができ、式中、mは2から約100の整数であり、そして各R
2は独立して水素、メチルまたはエチルである。幾つかの態様では、各R
2は独立して水素またはメチルであり、そしてmは2から約70、または2から約35、または2から約7の整数である。他の態様では、各R
2は独立して水素またはメチルであり、そしてmは6から約70、または約6から約35の整数である。さらなる態様では、各R
2はメチルであり、そしてmは2から約70の整数である。このような化合物の例は、ハンツマン ペトロケミカルLLCから入手可能なJEFFAMINE(商標)D-シリーズのアミン、ならびに他の会社により提供されるポリオキシアルキレン第一級ジアミンを含んでなる類似の化合物を含む。
【0043】
別の態様では、ポリオキシアルキレンジアミンは一般式:
【化4】
を有し、式中、nおよびpはそれぞれ独立して約1から約10の整数であり、そしてoは約2から約40の整数である。幾つかの態様では、oは約2から約40,または約2から約13,または約2から約10の整数である。別の態様では、oは約9から約40,または約12から約40,または約15から約40、またはさらに約25から約40の整数である。他の態様では、n+pは約1から約6の範囲内、または約1から約4の範囲内、または約1から約3の範囲内の整数である。さらなる態様では、n+pは約2から約6の範囲内、または約3から約6の範囲内の整数である。これらの化合物の例にはハンツマン ペトロケミカルLLCから入手可能なJEFFAMINE(商標)ED-シリーズのアミン、ならびに他の会社から提供されるポリオキシアルキレン第一級ジアミンを含んでなる類似の化合物を含む。
【0044】
さらに別の態様では、ポリオキシアルキレンジアミンは式:
【化5】
を有することができ、式中、gは約2から約3の整数である。このような化合物の例にはハンツマン ペトロケミカルLLCから入手可能なJEFFAMINE(商標)EDR-シリーズのアミン、ならびに他の会社から提供されるポリオキシアルキレン第一級ジアミンを含んでなる類似の化合物を含む。
【0045】
さらに別の態様では、ポリオキシアルキレンアミンは、ポリオキシアルキレントリアミンである。ポリオキシアルキレントリアミンは、同様にエチレンオキシド、プロピレンオキシド、またはブチレンオキシド、ならびにそれらの混合物であることができ、そしてそのようなオキシドとトリオール開始剤(例えばグリセリンまたはトリメチロールプロパン)との反応、続いて末端ヒドロキシル基のアミノ化により調製することができる。1つの態様では、ポリオキシアルキレントリアミンは一般式:
【化6】
を有することができ、式中、各R
3は独立して水素、メチルまたはエチルであり、R
4は水素、メチルまたはエチルであり、tは0または1であり、そしてh,iおよびjは独立して約1から約100の整数である。1つの態様では、R
4は水素またはエチルである。別の態様では、各R
3は独立して水素またはメチルであり、そして幾つかの態様では、各R
3はメチルである。さらに別の態様では、h+i+jは約1から約100の範囲内、または約5から約85の範囲内の整数である。これら化合物の例にはハンツマン ペトロケミカルLLCから入手可能なJEFFAMINE(商標)T-シリーズのアミン、ならびに他の会社から提供されるポリオキシアルキレン第一級トリアミンを含んでなる類似の化合物を含む。
【0046】
本開示の分散剤は、ポリオキシアルキレンアミンおよび液体イソシアネート化合物を接触させ、そしてそれらをすべてのイソシアネート基が完全に反応し、そして生成物のNCO含量がゼロまたは無視できるようになるまで反応させることにより得ることができる。反応では、ポリオキシアルキレンアミンの量またはイソシアネート化合物の量のいずれかを化学量論的量に対して過剰に使用することができ、あるいはポリオキシアルキレンアミンおよびイソシアネート化合物の量を等しい化学量論的量で使用することができる。例えばポリオキシアルキレンアミンからのアミノ基の数 対 イソシアネート化合物からのイソシアネート基の数の比は、約0.7から1.5の範囲内、または約0.8から約1.2の範囲内、または約0.9から約1.1の範囲内、またはさらに約0.95から約1.05の範囲内、さらに一層約0.98から約1.02の範囲内となることができる。反応は
溶媒の不存在下で起こることが好ましいが、幾つかの態様では、反応は溶媒の存在下で行うことができる。存在する場合には、溶媒はイソシアネート化合物のイソシアネート基と反応することができる官能基を実質的に含むべきではない。そのような溶媒の例には、限定わけではないがケトン、例えばメチルエチルケトン、メチルプロピルケトンおよびアセトン、エステル、例えば酢酸ブチルおよびプロピオン酸ペンチル、エーテル、例えばジエチレングリコールジメチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフランN-メチルピロリドン,ケトエステル、芳香族炭化水素アルカン,環式アルカンおよびそれらの混合物を含む。溶媒は例えば蒸留により既知の方法で反応中、または完了後に除去することができる。
【0047】
ポリオキシアルキレンアミンはイソシアネート化合物と大変反応性なので、ポリオキシアルキレンアミンとイソシアネート化合物との間の反応を行うために熱および/または触媒は必要とされない(すなわち好適な態様が使用される場合に)。したがって反応は周囲温度(反応が周囲温度と100℃との間の温度で行うことができる場合もあるが)、および/または触媒の不存在下で行うことができる。これは周知技術の分散剤を調製するために必要な触媒は、一旦反応が完了すると除去することが難しくそして形成される反応生成物の経時的分解を引き起こす可能性があるので、有利である。したがって本開示に従う分散剤を生成するための反応混合物中にそのような触媒の存在を避ける能力は、本開示の分散剤を含有するより安定な分散物をもたらす。
【0048】
加えて、ポリオキシアルキレンアミンとイソシアネート化合物との間の反応は迅速に起こり得るので、混合物全体の均一な混合および均一な反応を促進するために、できる限り速いか、または生じてる反応より速い速度で、均一な混合を促すことになる混合法を提供することが必要になり得る。移動式または静置式機械的撹拌機で混合を提供するための容器が使用されるならば、撹拌は反応が混合物全体で均質になるように、この均一かつ迅速な混合を提供するための速度となるべきである。また撹拌は衝突混合のような当該技術分野で周知の他の手段により行われることができる。衝突混合では、2以上の流れが高速で衝突し、そして生じた乱流で完全な混合を大変迅速に提供できる。RIM機械のヘッドは反応物を一緒に混合するために衝突混合に依存することから射出成形の分野で既知であるので、衝突混合は当業者に公知である。1つの態様では、ポリオキシアルキレンアミンおよびイソシアネート化合物から形成される分散剤は、反応物をRIM機または同様な装置のヘッドを介して混合することにより作成することができ、そしてこの材料を通常のRIM工程でなされる型に射出する代わりに、混合物を後に使用する容器に向けることができる。ポリオキシアルキレンの種類、およびイソシアネート化合物の種類に依存して、均一な均質反応を提供するために必要な混合の速度の程度は変動することになる。例えばポリオキシアルキレンアミンと反応する典型的な脂肪族イソシアネート化合物の場合に、反応速度は速いが、所望により撹拌機のような機械的混合手段が使用できるように十分に遅くなることがある。しかし反応が大変早い速度で起こる場合、撹拌機のような普通の混合手段は、最終生成物において非均質反応相を回避するために十分速く2成分を混合することができないので現実的ではないかもしれない。この場合、衝突混合技術または当業者により知られている混合技術(これは少なくとも衝突混合と同じくらい早くかつ徹底的である)を、正しい迅速な混合を確実にするために使用することができる。
【0049】
別の態様によれば、本開示の分散剤は第2液体中に第1液体を分散するために、および/または液体中に粒状固体を分散するために使用することができる。したがって
本開示の有効量の分散剤を用いて、第1液体および第2液体を接触させることを含んでなる第2液体に第1液体を分散する方法を提供する。
【0050】
別の態様では、水性または有機媒体に粒状固体を分散する方法が提供され、この方法は粒状固体を本開示の有効量の分散剤と接触させることを含んでなる。使用する分散剤の量
は、分散される粒状固体の総重量に基づき約0.1重量%から約100重量、または約0.5重量%から約40重量%、またはさらに約1重量%から約15重量%となり得る。分散剤は分散される粒状固体とプレミックスされるか、または粒状固体(例えば顔料、充填剤)の添加前または添加と同時に水性または有機媒体に直接溶解されるかのいずれかでよい。
【0051】
さらに別の態様では、粒状固体、本開示による分散剤、および有機媒体を含んでなる組成物が提供される。幾つかの態様では、有機媒体は非極性有機媒体または極性有機媒体である。
【0052】
非極性有機媒体は、鉱物油、脂肪族または芳香族炭化水素、塑性材料(例えば熱可塑性または熱硬化性樹脂)、可塑材またはそれらの混合物であることができる。特定の例には限定するわけではないが、非ハロゲン化芳香族炭化水素(例えばトルエンおよびキシレン)、ハロゲン化芳香族炭化水素(例えばクロロベンゼン、ジクロロベンゼン、クロロトルエン)、非ハロゲン化脂肪族炭化水素(例えば、双方とも完全に、または部分的に飽和の6個以上の炭素原子を含有する直鎖および分岐脂肪族炭化水素)、およびハロゲン化脂肪族炭化水素(例えばジクロロメタン、四塩化炭素、クロロホルム、トリクロロエタン)を含むことができる。非極性有機媒体はまた、天然の非極性有機物質(例えば植物油、ヒマワリ油、ナタネ油、アマニ油、テルペンおよびグリセリド)を含むことができる。
【0053】
極性有機媒体には、アミン,エーテル,特に低級アルキルエーテル、有機酸、エステル,ケトン,グリコール,グリコールエーテル,グリコールエステル,アルカノール,アミドおよびそれらの混合物を含むことができる。特定の例には限定するわけではないが、アセトン、メチルエチルケトン,ジエチルケトン,ジ-イソプロピルケトン,メチルイソブチルケトン,ジ-イソブチルケトン,メチルイソアミルケトン,メチルn-アミルケトンおよびシクロヘキサノン;アルキルエステル、例えば酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル、ギ酸エチル、プロピオン酸メチル、酢酸メトキシプロピル,酪酸エチル、エチレングリコール,2-エトキシエタノール,3-メトキシプロピルプロパノール,3-エトキシプロピルプロパノール,酢酸2-ブトキシエチル、酢酸3-メトキシプロピル、酢酸3-エトキシプロピルおよび酢酸2-エトキシエチル、メタノール,エタノール,n-プロパノール,イソプロパノール,n-ブタノールおよびイソブタノール(2-メチルプロパノールとしても知られている),テルピネオール、ジエチルエーテルおよびテトラヒドロフランを含むことができる。
【0054】
別の態様によれば、粒状固体、本開示による分散剤、有機媒体および結合剤を含んでなる組成物が提供される。幾つかの態様では、結合剤はニトロセルロース樹脂、ポリエポキシド樹脂、ポリウレタン樹脂、アルキド樹脂、ポリアクリレート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリビニル樹脂、ポリアミド樹脂、ならびに他の合成および天然樹脂であることができる。
【0055】
さらに別の態様によれば、粒状固体、本開示による分散剤および水性媒体を含んでなる組成物が提供される。別の態様では、組成物はさらに前記のような結合剤を含むことができる。
【0056】
さらに別の態様では、粒状固体および粒状固体上に配置されたコーティングを含んでなる組成物が提供され、コーティングは本開示の分散剤を含んでなる。本明細書で使用する「上に配置される(disposed on)」とは、粒状固体の「周囲に配置される(disposed about)」ことを包含し、そしてコーティングにより粒状固体の一部または完全な両方の被覆を網羅する。粒状固体上へ配置される分散剤の量は、粒状固体の具体的な応用に依存するが、幾つかの態様では100重量部の粒状固体に基づき約0
.001重量%から約50重量%、または約0.01重量%から約40重量%、または約0.1重量%から約30重量%となり得る。被覆される粒状固体は、限定するわけではないが混合、パンコーティング、流動床コーティング、共押出し、スプレー、その場でのコーティングの形成、および回転ディスクカプセル化(spinning disk encapsulation)を含む既知の技術により粒状固体を分散剤に接触させることにより形成できる。
【0057】
前記態様の粒状固体は、任意の無機または有機固体材料でよく、これは意図する温度で実質的に有機媒体に不溶性であり、かつ/または水性媒体に不溶性であり、そしてそれらの中で微細に分割されて安定化されることが望まれる。粒状固体は、顆粒状材料、繊維、小板、または粉末の形態、しばしば吹込み粉末(blown powder)の形態であることができる。
【0058】
幾つかの態様では、粒状固体は光散乱測定法により測定される直径が10ナノメートルから10ミクロン、または10ナノメートルから1,2,3または5ミクロン、または20ナノメートルから1,2,3また5ミクロンの平均粒子サイズを有することができる。
【0059】
特定の粒状固体の例には限定するわけではないが、顔料;増量剤;充填剤;発泡剤;塗料およびプラスチック材料用の難燃剤;染料、特に分散染料;蛍光増白剤および織物用助剤;インキおよびトナー用の顔料;油系およびインバース-エマルジョン掘削泥用の固体;ドライクリーニング液中の泥および固体粒子;金属;セラミック、圧電セラミック印刷、耐火物、研磨剤、コンデンサ、燃料電池、磁性流体、導電性インキ、磁気記録媒体、水処理および炭化水素土壌修復のための粒状セラミック材料および磁性材料;有機および無機ナノ分散固体;電池中の電極用金属、金属酸化物および炭素;複合材料用の木材、紙、ガラス、鋼鉄、炭素およびホウ素のような繊維;および有機および/または水性媒体中の分散物として適用される殺虫剤、農薬および医薬品を含む。
【0060】
1つの態様では、粒状固体は有機顔料である。有機顔料の例は限定するわけではないが、アゾ、ジアゾ、トリアゾ、縮合(condensed)アゾ、アゾレーキ、ナフトール顔料、アンサントロン、アントラピリミジン、アントラキノン、ベンズイミダゾロン、カルバゾール、ジケトピロロピロール、フラバントロン、インジゴイド顔料、インダントロン、イソジベンザントロン、イソインダントロン、イソインドリノン、イソインドリン、イソビオラントロン、金属錯体顔料、オキサジン、ペリレン、ペリノン、ピラントロン、ピラゾロキナゾロン、キナクリドン、キノフタロン、チオインジゴ、トリアリールカルボニウム顔料、トリフェンジオキサジン、キサンテンおよびフタロシアニンシリーズ、特に銅フタロシアニンおよびその核ハロゲン化誘導体、およびまた酸性、塩基性および媒染染料のレーキを含む。カーボンブラックは厳密に無機であるが、その分散特性においてはむしろ有機顔料のように挙動する。1つの態様では、有機顔料はフタロシアニン、特に銅フタロシアニン、モノアゾ、ジアゾ、インダントロン、アントラアントロン、キナクリドン、ジケトピロロピロール、ペリレンおよびカーボンブラックである。
【0061】
別の態様によれば、粒状固体は無機顔料である。無機顔料の例には限定するわけではないが、金属酸化物、例えば二酸化チタン、ルチル形二酸化チタン、および表面被覆二酸化チタン、イエローおよびブラックのような異なる色の酸化チタン、イエロー、レッド、ブラウンおよびブラックのような異なる色の酸化鉄、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、酸化アルミニウム、オキシ金属化合物、例えばバナジン酸ビスマス、アルミン酸コバルト、スズ酸コバルト、亜鉛酸コバルト、クロム酸亜鉛、およびマンガン、ニッケル、チタン、クロム、アンチモン、マグネシウム、コバルト、鉄またはアルミニウムの2以上の混合金属酸化物、プロシアンブルー、朱赤、ウルトラマリン、リン酸亜鉛、硫化亜鉛、カルシウムおよび亜鉛のモリブデン酸塩およびクロム酸塩、金属エフェクト顔料、例えばアルミニウム
フレーク、銅および銅/亜鉛合金、真珠光沢フレーク、例えば炭酸鉛およびオキシ塩化ビスマスを含む。
【0062】
別の態様では、粒状固体は無機または有機固体である。そのような固体の例には限定するわけではないが、増量剤および充填剤、例えば挽き、そして沈降した炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、酸化カルシウム、シュウ酸カルシウム、リン酸カルシウム、ホスホン酸カルシウム、硫酸バリウム、炭酸バリウム、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、天然水酸化マグネシウムまたは水滑石、沈降水酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム、ドロマイト、アルミニウムトリヒドロキシド、アルミニウムヒドロペルオキシドまたはベーマイト、カルシウムおよびマグネシウムケイ酸塩、アルミノケイ酸塩(ナノクレイ、カオリンを含む)、モンモリロナイト(ベントナイト、ヘクトライトおよびサポナイトを含む)、天然、合成および膨張性(expandable)雲母を含むボールクレイ、タルク(白雲母、金雲母、鱗雲母および緑泥石を含む)、白亜、合成および沈降シリカ、フュームドシリカ、金属繊維および粉末、亜鉛、アルミニウム、ガラス繊維、耐火性繊維、カーボンブラック(単層および多層カーボンナノチューブ、強化および非強化カーボンブラックを含む)、黒鉛、バックミンスターフラーレン、アスファルテン、グラフェン、ダイヤモンド、アルミナ、石英、パーライト、ペグマイト、シリカゲル、木粉、木材フレーク(軟木および硬木、おが屑を含む)、粉末化紙/繊維、セルロース系繊維、例えばケナフ、ヘンプ、サイザル、亜麻、綿、綿リンター、ジュード、ラミー、もみ殻または外皮、ラフィア、ガマ葦、ココナッツ繊維、コイア、アブラヤシ繊維、カオポック、バナナの葉、カロ(caro)、クラワ、エネケンの葉、ハラケケの葉、マニラ麻、サトウキビバガス、麦ワラ、竹細片、小麦粉、MDF等、バーミキュライト、ゼオライト、ヒドロタルサイト、発電設備からのフライアッシュ、下水スラッジ焼却灰、ポゾラン(pozzolanes)、高炉スラグ、石綿、クリソタイル、アンソフィライト(anthophylite)、クロシドライト、ウォラストナイト、アタパルジャイトなど、微粒子状セラミック材料、例えば、アルミナ、ジルコニア、チタニア、セリア、窒化ケイ素、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、炭化ケイ素、炭化ホウ素、混合ケイ素-アルミニウム窒化物およびチタン酸金属;微粒子状磁性材料、例えば、遷移金属、しばしば鉄およびクロムの磁性酸化物、例えば、ガンマ-Fe2O3、Fe3O4、およびコバルトをドープした酸化鉄、フェライト、例えば、バリウムフェライト;および金属粒子、例えば、金属のアルミニウム、鉄、ニッケル、コバルト、銅、銀、金、パラジウム、および白金、ならびにその合金が含まれる。
【0063】
さらに別の態様では、粒状固体は難燃剤、例えば、ペンタブロモジフェニルエーテル、オクタブロモジフェニルエーテル、デカブロモジフェニルエーテル、ヘキサブロモシクロドデカン、ポリリン酸アンモニウム、メラミン、シアヌル酸メラミン、酸化アンチモンおよびボレート、殺生物剤、工業用微生物剤、または農業用有効成分、例えば有害生物防除剤、殺菌・殺カビ剤、殺虫剤、殺線虫剤、除草剤、薬害軽減剤、植物生長調整剤またはそれらの混合物であることができる。
【0064】
前記組成物は他の材料、例えば樹脂(これらが有機媒体を未だ構成していない場合)、架橋剤、流動化剤、湿潤剤、抗沈降剤、可塑剤、界面活性剤、本開示の化合物以外の分散剤、保湿剤、消泡剤、へこみ防止剤(anti-cratering agents)、レオロジー調節剤、熱安定化剤、光安定化剤、UV吸収材、酸化防止剤、均洗剤、光沢調節剤、保存剤およびそれらの混合物も含むことができる。
【0065】
前記任意の組成物中の分散剤の濃度は、乾燥粒状固体の重量に基づき約0.001重量%から約100重量%の間であることができる。別の態様では、組成物中の分散剤の濃度は、乾燥粒状固体の重量に基づき約0.01重量%から約90重量%の間、または約0.05重量%から約75重量%の間、または約0.1重量%から約60重量%の間、または約0.5重量%から約50重量%の間であることができる。別の態様によれば、分散剤は
前記組成物中に、乾燥粒状固体の重量に基づき約0.75重量%から約30重量%の間の量で存在する。さらに別の観点によれば、分散剤は前記組成物中に、乾燥粒状固体の重量に基づき約1重量%から約15重量%の間の量で存在する。
【0066】
本開示を以下の非限定的実施例を参照にしてこれからさらに説明する。
【実施例】
【0067】
実施例1.本発明の分散剤の調製
69.9グラム(0.035モル、0.035当量)のポリオキシアルキレンモノアミン(SURFONAMINE(商標)L-200のアミン)を50°Cに加熱し、そして乾燥した250mlの容器に加えた。次いでウレトジオン基(Isonate(商標)143Lのポリイソシアネート)を含んでなる5.0グラム(0.017モル、0.35当量)のポリイソシアネート化合物を混合しながらゆっくりと時間をかけて容器に加えた(約1分)。すべてのポリイソシアネート化合物を加えた後、容器を覆い、そして次いで反応混合物をさらに30秒間混合した。次いで容器を60℃のオーブンに一定時間(14時間)置いた。
【0068】
他のポリオキシアルキレンモノアミンおよびイソシアネート化合物は、前記のように反応させて追加の本発明の分散剤を形成した。表1は各分散剤について、そのようなモノアミンとイソシアネート化合物の組み合わせ、およびアミン対イソシアネート当量の比を示す。反応はIR分光法により分散剤に関するアミン価およびイソシアネート含量の測定により評価した。以下に示すように、生成した各分散剤は残存するイソシアネート含量を含まなかった。
【表1】
【0069】
【0070】
実施例2.分散剤の使用
A.水性媒体/分散剤の調製
前記各分散剤の量を等量の水に溶解して、50重量%/50重量%の組成物を形成した。
【0071】
B.着色剤の調製
顔料、20重量%、Aの水性媒体/分散剤,5重量%(または1:10,活性分散剤顔料)および追加の水、75重量%のブレンドを、3000rpmで30秒間、スピードミキサー(FlackTek Speed Mixer)を使用して一緒にプレミックスした。次いで40グラムのこの混合物を、10グラムの2mmガラスビーズと混合し、そして3000rpmで3分間挽いた。次いでビーズを着色剤から分けた。
【0072】
C.色受容性塗料の調製
ホワイト系塗料(PPG Olympic One Interior Semi-gloss Enamel (Base 1-356824))をAで作成した1%のブレンドと3000rpmで3分間、前記スピードミキサーを使用して混合した。
【0073】
D.ドローダウンフィルムの試験
Cの色受容性塗料およびBの着色剤を3000rpmで3分間、前記スピードミキサーを使用して一緒に混合して97重量%のCの色受容性塗料および3重量%の着色剤Bを含有する組成物を形成した。次いでドローダウンフィルムを4mmのドローダウンバーを使用して作成した。フィルムを一晩乾燥し、そしてそれぞれの光沢および着色力を分光測色計を使用して分析した。純粋なベース塗料(分散剤を含まない)を対照として使用した。4種の顔料、サンケミカル(SUN Chemical)からのSunfast(商標)Green7(PG7)、Clariant Hostaperm Violet BL01(PV23),BASF Heliogen Blue L7101F(PB15:4),およびサンケミカルからのQuindo Magenta 122(PR122)と合わせたこれら分散剤の結果を表3に示す。
【表3】
【0074】
前記結果から、本開示の分散剤を含有するドローダウンダウンフィルムの、着色力および光沢に関する優れた性能が明確に理解される。
【0075】
本発明の様々な態様を作成および使用することを上に詳細に説明してきたが、本発明は広範な様々の具体的内容を具現できる多くの応用可能な発明の概念を提供すると理解すべきである。本明細書に記載する具体的態様は、本発明を作成し、そして使用するための具体的方法の単に説明であり、本発明の範囲を限定するものではない。