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特許7522156DUOCARを用いてがんを処置するための組成物および方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-16
(45)【発行日】2024-07-24
(54)【発明の名称】DUOCARを用いてがんを処置するための組成物および方法
(51)【国際特許分類】
   A61K 35/17 20150101AFI20240717BHJP
   A61K 48/00 20060101ALI20240717BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20240717BHJP
   A61P 35/02 20060101ALI20240717BHJP
   C12N 15/62 20060101ALN20240717BHJP
   C12N 15/13 20060101ALN20240717BHJP
   C12N 15/12 20060101ALN20240717BHJP
   C12N 15/85 20060101ALN20240717BHJP
   C12N 5/10 20060101ALN20240717BHJP
【FI】
A61K35/17
A61K48/00
A61P35/00
A61P35/02
C12N15/62 Z
C12N15/13
C12N15/12
C12N15/85 Z
C12N5/10
【請求項の数】 4
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022100960
(22)【出願日】2022-06-23
(62)【分割の表示】P 2019512234の分割
【原出願日】2017-09-01
(65)【公開番号】P2022126801
(43)【公開日】2022-08-30
【審査請求日】2022-06-27
(31)【優先権主張番号】62/382,791
(32)【優先日】2016-09-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】517435353
【氏名又は名称】レンティジェン・テクノロジー・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】LENTIGEN TECHNOLOGY, INC.
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】オレンタス,リマス
(72)【発明者】
【氏名】シュナイダー,ディナ
(72)【発明者】
【氏名】ハソ,ワリード・エム
(72)【発明者】
【氏名】ミルテニー,シュテファン
(72)【発明者】
【氏名】ドロプリク,ボロ
【審査官】石井 裕美子
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2016/100232(WO,A1)
【文献】特表2015-513394(JP,A)
【文献】国際公開第2016/102965(WO,A1)
【文献】国際公開第2015/075470(WO,A1)
【文献】国際公開第2014/055657(WO,A1)
【文献】Molecular Therapy,2013年,Vol.21, No.11, pp.2087-2101
【文献】Neuro- Oncology,Vol.17,No.Suppl.3,2015年,p. iii16, Abstract No.IM-05
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 35/00-35/768
C12N 15/00-15/90
C12N 5/00- 5/28
A61K 48/00
A61K 39/00-39/44
A61K 38/00-38/58
A61P 1/00-43/00
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
CAplus/REGISTRY/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
GenBank/EMBL/DDBJ/GeneSeq
UniProt/GeneSeq
SwissProt/GeneSeq
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
CD19+、CD20+、CD22+またはCD19+およびCD20+リンパ腫を有する患者を治療する医薬組成物を製造するためのヒトT細胞集団の使用であって、ここにおいて医薬組成物は、CD19+、CD20+、CD22+またはCD19+およびCD20+リンパ腫を有する患者に投与されるものであり、ここにおいてヒトT細胞集団は患者に対し自家であり、ヒトT細胞集団の各細胞は少なくとも1つの多重シストロンベクターを含み、
少なくとも1つの多重シストロンベクターのそれぞれは、2つ以上の機能的CARをコードする多重シストロン核酸配列に作動可能に連結したプロモーターを含み、ここにおいて2つ以上の機能的CARの少なくとも1つは、2つの同一でない細胞外抗原結合ドメイン、膜貫通ドメイン、および1つ以上の同一でない細胞内シグナル伝達モチーフを含み、
かつ、配列番号10および配列番号52からなる群から選択されるアミノ酸配列を含み、ベクターの組み合わせは、CD19+、CD20+、CD22+またはCD19+およびCD20+リンパ腫に向けられる少なくとも2つの同一でない細胞外結合ドメインの発現をもたらし、それにより患者を治療する、使用。
【請求項2】
前記ヒトT細胞集団が前記患者に直接注入されるものである、請求項1に記載の使用。
【請求項3】
前記ヒトT細胞集団が活性化またはメモリー関連表面マーカーを発現する、請求項1に記載の使用。
【請求項4】
前記リンパ腫がマントル細胞リンパ腫、非ホジキンリンパ腫またはホジキンリンパ腫である、請求項1に記載の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、米国特許法第119条(e)の下で、その全内容が参照により本明細書に組み込まれる、2016年9月2日出願の米国仮特許出願第62/382,791号に対する優先権の利益を主張する。
【0002】
開示の分野
本出願は、がんの分野、特に、機能的キメラ抗原受容体をコードする少なくとも2つのベクターを含む組成物および患者特異的免疫療法におけるその使用方法に関する。
【背景技術】
【0003】
発明の背景
がんは、ヒトの健康に対する重大な脅威の1つである。米国だけで、がんは毎年ほぼ130万人の新たな患者が罹患し、心血管疾患に次いで2番目に多い死因であり、死亡数の約4分の1を占めている。固形腫瘍が、これらの死亡のほとんどの原因である。ある特定のがんの医学的処置においては顕著な進歩があったものの、全てのがんについての5年全生存率は過去20年間で約10%しか改善しなかった。がんまたは悪性腫瘍は、制御されずに迅速に転移および成長し、処置を非常に困難にする。現代のがん処置における困難の1つは、患者の生検およびがんの診断ならびに有効な処置の間に経過する時間である。この時間の間に、患者の腫瘍は妨げなしに成長する可能性があり、その結果、疾患は、処置が適用される前にさらに進行してしまう。これは、がんの予後および転帰に負の影響を与える。
【0004】
キメラ抗原受容体(DuoCAR)は、3つの本質的な単位を含むハイブリッド分子である:(1)細胞外抗原結合性モチーフ、(2)連結/膜貫通モチーフ、および(3)細胞内T細胞シグナル伝達モチーフ(Long AH、Haso WM,Orentas RJ.Lessons learned from a highly-active CD2-specific chimeric antigen receptor.Oncoimmunology.2013年;2巻(4号):e23621頁)。CARの抗原結合性モチーフは一般に、免疫グロブリン(Ig)分子の最小の結合性ドメインである単鎖断片可変(scFv)を基にして作られる。代替の抗原結合性モチーフとして、例えば、受容体リガンド(即ち、IL-13は、腫瘍が発現するIL-13受容体に結合するように操作されている)、インタクトな免疫受容体、ライブラリー由来ペプチド、および自然免疫系エフェクター分子(例えば、NKG2D)も操作されている。CAR発現のための代替の細胞標的(例えば、NKまたはガンマ-デルタT細胞)も開発中である(Brown CEら Clin Cancer Res.2012年;18巻(8号):2199~209頁;Lehner Mら PLoS One.2012年;7巻(2号):e31210頁)。CARベクターを形質導入するための最も活性なT細胞集団を定義すること、最適な培養および増殖の技術を決定すること、ならびにCARタンパク質構造自体の分子的詳細を定義することに関して、いまだにかなりの労力を要している。
【0005】
CARの連結モチーフは、IgGの定常ドメインなどの比較的安定な構造ドメインとするか、または伸長された可撓性リンカーとなるように設計することができる。IgGの定常ドメインに由来するものなどの構造モチーフを使用して、scFv結合性ドメインをT細胞原形質膜表面から離れて延在させることができる。これは、結合性ドメインが腫瘍細胞表面膜に特に近い一部の腫瘍標的にとって重要であり得る(例えば、ジシアロガングリオシドGD2にとって;Orentasら、未公開の観察)。今日まで、CARにおいて
使用されるシグナル伝達モチーフは常にCD3-ζ鎖を含んでいるが、それは、このコアモチーフが、T細胞活性化のための重要なシグナルであるからである。最初に報告された第2世代CARは、CD28シグナル伝達ドメインおよびCD28膜貫通配列を特徴としていた。このモチーフは、CD137(4-1BB)シグナル伝達モチーフを含有する第3世代CARでも同様に使用された(Zhao Yら J Immunol.2009年;183巻(9号):5563~74頁)。新たなテクノロジーの進歩に伴い、抗CD3および抗CD28抗体に連結されたビーズによるT細胞の活性化、ならびにCD28由来のカノニカルな「シグナル2」の存在がCAR自体によってコードされる必要はもはやなくなった。ビーズ活性化を使用して、第3世代ベクターは、in vitroアッセイにおいて第2世代ベクターよりも優れているわけではないことが見出され、また、白血病のマウスモデルにおいては第2世代ベクターを超える明らかな利益は得られなかった(Haso W,Lee DW,Shah NN,Stetler-Stevenson M,Yuan CM,Pastan IH,Dimitrov DS,Morgan RA,FitzGerald DJ,Barrett DM,Wayne AS,Mackall CL,Orentas RJ.Anti-CD22-chimeric antigen receptors targeting B cell precursor acute lymphoblastic leukemia.Blood.2013年;121巻(7号):1165~74頁;Kochenderfer JNら Blood.2012年;119巻(12号):2709~20頁)。これは、第2世代CD28/CD3-ζ(Lee DWら American Society of Hematology Annual Meeting.New Orleans,LA;12月7~10日、2013年)およびCD137/CD3-ζシグナル伝達形式(Porter
DLら N Engl J Med.2011年;365巻(8号):725~33頁)のCD19特異的CARの臨床的成功によって裏付けられている。CD137に加えて、OX40などの他の腫瘍壊死因子受容体スーパーファミリーメンバーも、CARが形質導入されたT細胞において重要な持続シグナルを提供することができる(Yvon Eら
Clin Cancer Res.2009年;15巻(18号):5852~60頁)。CAR T細胞集団が培養された培養条件も等しく重要である。
【0006】
がんに対するCAR療法のより広範で有効な適応における現在の課題は、説得力のある標的の不足に関する。細胞表面抗原への結合因子を創出することは、現在容易に達成可能であるが、正常組織を見逃しながら腫瘍に対して特異的な細胞表面抗原を発見することは、依然として厄介な課題である。CAR発現T細胞により高い標的細胞特異性を与えるための1つの潜在的な方法は、コンビナトリアルCARアプローチを使用することである。1つのシステムでは、CD3-ζとCD28シグナル単位が、同じ細胞において発現される2つの異なるCAR構築物間で分割される;別のシステムでは、2つのDuoCARが、同じT細胞において発現されるが、一方はより低い親和性を有し、したがって第2のCARの完全な活性のために代替的CARが最初に結合されることを必要とする(Lanitis Eら Cancer Immunol Res.2013年;1巻(1号):43~53頁;Kloss CCら Nat Biotechnol.2013年;31巻(1号):71~5頁)。免疫療法剤としての単一のscFvベースのCARの生成のための第2の課題は、腫瘍細胞の不均一性である。少なくとも1つのグループは、標的抗原陰性集団の成長を回避することを期待して、エフェクター細胞集団が複数の抗原(HER2、IL-13Ra、EphA2)を同時に標的化する、神経膠芽腫のためのCAR戦略を開発している(Hegde Mら Mol Ther.2013年;21巻(11号):2087~101頁)。
【0007】
T細胞ベースの免疫療法は、合成生物学における新たな領域になっている;複数のプロモーターおよび遺伝子産物は、これらの高度に強力な細胞を腫瘍微小環境に導くことが想定され、ここで、T細胞は、負の調節シグナルを免れることができ、かつ有効な腫瘍死滅
を媒介できる。誘導性カスパーゼ9構築物のAP1903との薬物誘導性二量体化を介した望ましくないT細胞の排除は、T細胞集団を制御できる強力なスイッチが薬理学的に開始され得る1つの方法を実証している(Di Stasi Aら N Engl J Med.2011年;365巻(18号):1673~83頁)。デコイ受容体の発現によるトランスフォーミング成長因子-βの負の調節効果に対して免疫性であるエフェクターT細胞集団の創出は、エフェクターT細胞が最適な抗腫瘍活性のために操作され得る程度をさらに実証している(Foster AEら J Immunother.2008年;31巻(5号):500~5頁)。
【0008】
したがって、CARは、内因性T細胞受容体と類似した様式でT細胞活性化を誘発できるようであるが、今日までのこのCARベースのテクノロジーの臨床適用に対する主要な障害は、CAR+T細胞の限定的なin vivo増殖、注入後の細胞の迅速な消失、期待外れの臨床活性、基礎疾患または状態の再発、および診断とかかるCAR+T細胞を使用するがんの時宜を得た処置との間に経過する過度の長さの時間である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
したがって、上述の欠点なしにがん特異的な意図した治療的特質を示し得るCARベース療法を使用するがんの処置のための組成物および方法を発見する、当該分野における緊急かつ長年にわたる要求が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、機能的キメラ抗原受容体をコードする少なくとも2つのベクターを含む組成物、ならびにがんならびに他の疾患および/または状態を処置するために使用され得る患者特異的免疫療法におけるその使用の方法を提供することによってこれらの必要性に対処する。
【0011】
具体的には、開示され、本明細書に記載される本発明は、各ベクターが機能的DuoCARをコードする少なくとも2つのベクターをコードする1または複数の単離された核酸分子を含む免疫療法組成物であって、それによりベクターの組合せが2つ以上の同一でない結合ドメインの発現を生じ、各ベクターによりコードされた結合ドメイン(複数可)が膜貫通ドメインおよび1または複数の同一でない細胞内シグナル伝達モチーフに共有結合で連結されており、腫瘍の安定化、低減、排除、がんの緩解またはがんの再発の予防もしくは寛解またはそれらの組合せを生じる患者特異的抗腫瘍T細胞のin vivo増殖、持続を患者特異的に促進するために患者に直接、注入により戻すことができる活性患者特異的抗腫瘍リンパ球細胞集団を生成する自家リンパ球への形質導入のために使用され得る免疫療法組成物を提供する。
【0012】
発明の概要
2つ以上のベクターが形質導入されたリンパ球を含む新規養子免疫療法組成物、ならびにがんならびに他の疾患および状態を処置するために使用され得る患者特異的併用免疫療法におけるその使用の方法が、本明細書で提供される。
【0013】
したがって、一態様では、Duoキメラ抗原受容体(DuoCAR)を発現するレンチウイルスベクターおよびDuoCARを発現するレンチウイルスベクターをコードする核酸分子が本明細書で提供される。DuoCARを発現する、開示されるレンチウイルスベクター、宿主細胞および核酸分子の使用方法も、例えば対象におけるがんを処置するために提供される。
【0014】
一態様では、免疫療法組成物は、少なくとも2つのベクターをコードする1または複数
の単離された核酸分子を含む形で提供され(DuoCAR)、各ベクターは機能的CARをコードし、ここでベクターの内の1つにおける少なくとも1つの結合ドメイン(複数可)は同一でなく、それによりベクターの組合せは2つ以上の同一でない結合ドメインの発現を生じ、ここで各ベクターによりコードされた結合ドメイン(複数可)は膜貫通ドメインおよび1または複数の同一でない細胞内シグナル伝達モチーフに共有結合で連結されている。
【0015】
一実施形態では、免疫療法組成物は、少なくとも3つのベクターをコードする1または複数の単離された核酸分子を含む形で提供され(TrioCAR)、各ベクターは機能的CARをコードし、それによりベクターの組合せは2つ以上の同一でない結合ドメインの発現を生じ、ここで各ベクターによりコードされた結合ドメイン(複数可)は膜貫通ドメインおよび1または複数の同一でない細胞内シグナル伝達モチーフに共有結合で連結されている。
【0016】
一実施形態では、免疫療法組成物は、少なくとも4つのベクターをコードする1または複数の単離された核酸分子を含む形で提供され(QuatroCAR)、各ベクターは機能的CARをコードし、それによりベクターの組合せは2つ以上の同一でない結合ドメインの発現を生じ、ここで各ベクターによりコードされた結合ドメイン(複数可)は膜貫通ドメインおよび1または複数の同一でない細胞内シグナル伝達モチーフに共有結合で連結されている。
【0017】
さらに別の実施形態では、免疫療法組成物は、少なくとも2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、8つ、9つまたは10個のベクターをコードする1または複数の単離された核酸分子を含む形で提供され(例えば「nCAR」)、各ベクターは機能的CARをコードし、それによりベクターの組合せは2つ以上の同一でない結合ドメインの発現を生じ、ここで各ベクターによりコードされた結合ドメイン(複数可)は膜貫通ドメインおよび1または複数の同一でない細胞内シグナル伝達モチーフに共有結合で連結されており、nCARセットのそれぞれの独自のメンバーは、CAR産物に組み入れられた場合に、本明細書で「n-SET」(例えば、Duo-SET、Trio-SET、Quatro-SET、Penta-SET、Hexa-SET、Hepta-SET、Octa-SET、Nona-SETおよびDeca-SETなど)と称される独自のCAR組成物を構成する。
【0018】
一実施形態では、免疫療法組成物は:(a)細胞中で機能的である核酸配列をそれぞれが含む少なくとも2つのベクターを含む形で提供され;(b)各ベクターは機能的CARをコードし;(c)各CARは少なくとも1つの結合ドメイン、単一膜貫通ドメインおよび少なくとも1つの細胞内シグナル伝達モチーフから構成され;(d)ベクターの内の1つにおける少なくとも1つの結合ドメインは同一でなく;ならびに(e)少なくとも1つの結合ドメイン、単一膜貫通ドメイン、少なくとも1つのリンカードメインおよび少なくとも1つの細胞内シグナル伝達モチーフは前記各ベクターにおいて共有結合で連結されており、ベクターの組合せは1または複数のリンパ球集団を遺伝子改変するために使用される。
【0019】
別の実施形態では、免疫療法組成物は:(a)細胞中で機能的である核酸配列をそれぞれが含む少なくとも2つのベクターを含む形で提供され;(b)各ベクターは機能的CARをコードし;(c)各CARは少なくとも1つの結合ドメイン、単一膜貫通ドメインおよび少なくとも1つの細胞内シグナル伝達モチーフを含み;(d)各ベクター中の少なくとも1つの結合ドメイン(複数可)は同一でなく;(e)少なくとも1つのシグナル伝達モチーフ組合せが各ベクター間で同一でなく;ならびに(f)少なくとも1つの結合ドメイン、単一膜貫通ドメインおよび少なくとも1つの細胞内シグナル伝達モチーフが前記各
ベクターにおいて共有結合で連結されており、2つ以上のベクターの組合せは1または複数のリンパ球集団を遺伝子改変するために使用される。
【0020】
一実施形態では、各ベクターが1個よりも多い機能的CARをコードする、免疫療法組成物が提供される。
【0021】
別の実施形態では、1または複数のシグナル伝達モチーフ組合せが1または複数のベクター上で同一である、免疫療法組成物が提供される。
【0022】
別の実施形態では、1または複数の多重結合ドメインが1または複数のベクター上で同一である、免疫療法組成物が提供される。
【0023】
別の実施形態では、リンパ球集団(複数可)が自家T細胞または末梢血由来リンパ球の混合物を含む、免疫療法組成物が提供される。
【0024】
別の実施形態では、CARの少なくとも1つの細胞外抗原結合性ドメインが、抗原に結合する抗体の少なくとも1つの単鎖可変断片を含む、免疫療法組成物が提供される。
【0025】
別の実施形態では、CARの少なくとも1つの細胞外抗原結合性ドメインが、抗原に結合する抗体の少なくとも1つの重鎖可変領域を含む、免疫療法組成物が提供される。
【0026】
別の実施形態では、CARの少なくとも1つの細胞外抗原結合性ドメイン、CARの少なくとも1つの細胞内シグナル伝達ドメイン、またはその両方が、リンカーまたはスペーサードメインによって膜貫通ドメインに接続される、免疫療法組成物が提供される。
【0027】
別の実施形態では、CARの細胞外抗原結合性ドメインにリーダーペプチドが先行する、免疫療法組成物が提供される。
【0028】
別の実施形態では、CARの細胞外抗原結合性ドメインが、CD19、CD20、CD22、ROR1、TSLPR、メソセリン、CD33、CD38、CD123(IL3RA)、CD138、BCMA(CD269)、GPC2、GPC3、FGFR4、c-Met、PSMA、糖脂質F77、EGFRvIII、GD-2、NY-ESO-1、MAGE-A3、MHCと組み合わせたPRAMEペプチド、またはそれらの任意の組合せを含む抗原を標的化する、免疫療法組成物が提供される。
【0029】
別の実施形態では、CARの細胞外抗原結合性ドメインが、抗CD19 scFV抗原結合性ドメイン、抗CD20 scFV抗原結合性ドメイン、抗CD22 scFV抗原結合性ドメイン、抗ROR1 scFV抗原結合性ドメイン、抗TSLPR scFV抗原結合性ドメイン、抗メソセリンscFV抗原結合性ドメイン、抗CD33 scFV抗原結合性ドメイン、抗CD38 scFV抗原結合性ドメイン、抗CD123(IL3RA)scFV抗原結合性ドメイン、抗CD138 scFV抗原結合性ドメイン、抗BCMA(CD269)scFV抗原結合性ドメイン、抗GPC2 scFV抗原結合性ドメイン、抗GPC3 scFV抗原結合性ドメイン、抗FGFR4 scFV抗原結合性ドメイン、抗c-Met scFV抗原結合性ドメイン、抗PMSA scFV抗原結合性ドメイン、抗糖脂質F77 scFV抗原結合性ドメイン、抗EGFRvIII scFV抗原結合性ドメイン、抗GD-2 scFV抗原結合性ドメイン、抗NY-ESO-1
TCR(1本鎖TCR構築物を含む)抗原結合性ドメイン、抗MAGE-A3 TCR、または85%、90%、95%、96%、97%、98%もしくは99%の同一性を有するそのアミノ酸配列、あるいはそれらの任意の組合せを含む、免疫療法組成物が提供される。
【0030】
別の実施形態では、CARのリンカーまたはスペーサードメインが、CD8の細胞外ドメインに由来し、膜貫通ドメインに連結される、免疫療法組成物が提供される。
【0031】
別の実施形態では、CARが、T細胞受容体のアルファ、ベータもしくはゼータ鎖、CD28、CD3イプシロン、CD45、CD4、CD5、CD8、CD9、CD16、CD22、CD33、CD37、CD64、CD80、CD86、CD134、CD137、CD154、CD271、TNFRSF19、FcイプシロンR、またはそれらの任意の組合せからなる群から選択されるタンパク質の膜貫通ドメインを含む膜貫通ドメインをさらに含む、免疫療法組成物が提供される。
【0032】
別の実施形態では、少なくとも1つの細胞内シグナル伝達ドメインが、CD3ゼータ細胞内ドメインをさらに含む、免疫療法組成物が提供される。
【0033】
別の実施形態では、少なくとも1つの細胞内シグナル伝達ドメインが、CD3ゼータ細胞内ドメインに対してC末端側に配置される、免疫療法組成物が提供される。
【0034】
別の実施形態では、少なくとも1つの細胞内シグナル伝達ドメインが、共刺激ドメイン、一次シグナル伝達ドメイン、またはそれらの任意の組合せを含む、免疫療法組成物が提供される。
【0035】
別の実施形態では、少なくとも1つの共刺激ドメインが、OX40、CD70、CD27、CD28、CD5、ICAM-1、LFA-1(CD11a/CD18)、ICOS(CD278)、DAP10、DAP12および4-1BB(CD137)、PD-1、GITR、CTLA-4の機能的シグナル伝達ドメイン、またはそれらの任意の組合せを含む、免疫療法組成物が提供される。
【0036】
別の実施形態では、単一のベクターが、組込みのためのCRISPRシステムとの組合せで、全てのキメラ抗原受容体(例えばレトロウイルス、アデノウイルス、SV40、ヘルペスベクター、POXベクター、RNA、プラスミド、コスミドまたは任意のウイルスベクターもしくは非ウイルスベクター)をコードするために使用される、免疫療法組成物が提供される。
【0037】
別の実施形態では、各ベクターはRNAまたはDNAベクターであり、単独で、あるいはトランスフェクション試薬または非限定的例が電気穿孔法であるRNAもしくはDNAを細胞に送達する方法との組合せで、免疫療法組成物が提供される。
【0038】
別の実施形態では、少なくとも1つのベクターが細胞における核酸の発現を調節する核酸分子を発現する、免疫療法組成物が提供される。
【0039】
別の実施形態では、核酸分子が内因性遺伝子の発現を阻害するまたは欠失させる、免疫療法組成物が提供される。
【0040】
ある特定の実施形態では、活性患者特異的自家抗腫瘍リンパ球細胞集団が、リンパ球回収または腫瘍生検の1日、2日、3日、4日、5日、7日、10日、12日、14日、21日または1カ月以内に生成され、がんに罹患している患者に直接、注入により戻すことができる活性患者特異的自家抗腫瘍リンパ球細胞集団が、腫瘍の安定化、低減、排除、がんの緩解またはがんの再発の予防もしくは寛解またはそれらの組合せを生じる患者特異的抗腫瘍リンパ球細胞のin vivo増殖、持続を患者特異的に促進することが可能である、免疫療法組成物が提供される。
【0041】
一態様では、上述のキメラ抗原受容体をコードする単離された核酸分子が、本明細書で提供される。
【0042】
本発明の免疫療法組成物の患者特異的自家リンパ球集団(複数可)において使用されるDuoCARの一態様では、DuoCARは、診断、がん患者の無増悪生存期間などの処置転帰のモニタリングおよび/もしくは予測における使用のため、またはかかる処置の進行をモニタリングするために、検出可能なマーカーを発現または含有するように改変される。患者特異的自家抗腫瘍リンパ球細胞集団(複数可)において使用されるDuoCARの一実施形態では、開示されたDuoCARをコードする核酸分子は、ウイルスまたは非ウイルスベクターなどのベクター中に含有され得る。ベクターは、DNAベクター、RNAベクター、プラスミドベクター、コスミドベクター、ヘルペスウイルスベクター、麻疹ウイルスベクター、レンチウイルスベクター、アデノウイルスベクター、もしくはレトロウイルスベクターまたはそれらの組合せである。
【0043】
患者特異的自家抗腫瘍リンパ球細胞集団(複数可)において使用されるDuoCARのある特定の実施形態では、2つ以上のレンチウイルスベクターは、例えば、限定としてではなく、両種指向性マウス白血病ウイルス[MLV-A]、ヒヒ内因性ウイルス(BaEV)、GP164、テナガザル白血病ウイルス[GALV]、RD114、ネコ内因性ウイルスレトロウイルス由来GP、および水疱性口内炎ウイルス[VSV]、麻疹ウイルス、家禽ペストウイルス[FPV]、エボラウイルス[EboV]、リンパ球性脈絡髄膜炎ウイルス[LCMV]非レトロウイルス由来GPを含む異なるウイルス糖タンパク質(GP)、ならびに例えば、限定としてではなく、MLV-A GPの細胞質テイル(TRと称する)に融合されたGALVまたはRD114 GPの細胞外ドメインおよび膜貫通ドメインをコードするキメラGPを含むそれらのキメラバリアントでシュードタイプ化される。
【0044】
患者特異的自家抗腫瘍リンパ球細胞集団(複数可)において使用されるDuoCARのある特定の実施形態では、ベクターは、誘導性プロモーター、組織特異的プロモーター、構成的プロモーター、自殺プロモーターまたはそれらの任意の組合せであるプロモーターをさらに含む。
【0045】
患者特異的自家抗腫瘍リンパ球細胞集団(複数可)において使用されるDuoCARのさらに別の実施形態では、CARを発現するベクターは、自殺スイッチによって、CAR
T細胞の発現を制御するため、またはCAR-T細胞を排除するために、1または複数の作動可能なエレメントを含むようにさらに改変され得る。自殺スイッチには、例えば、アポトーシス誘導性シグナル伝達カスケード、または細胞死を誘導する薬物が含まれ得る。好ましい実施形態では、CARを発現するベクターは、チミジンキナーゼ(TK)またはシトシンデアミナーゼ(CD)などの酵素を発現するようにさらに改変され得る。
【0046】
患者特異的自家抗腫瘍リンパ球細胞集団(複数可)において使用されるDuoCARの別の態様では、DuoCARをコードする核酸分子(複数可)を含む宿主細胞もまた提供される。一部の実施形態では、宿主細胞は、T細胞、例えば、対象から得られた初代T細胞である。一実施形態では、宿主細胞はCD8+T細胞である。一実施形態では宿主細胞は、CD4+T細胞である。一実施形態では宿主細胞は、患者産物から比を考慮せずに直接精製された、選択されたCD4+およびCD8+リンパ球である。別の実施形態では、産物中のCD4+およびCD8+T細胞の数は、特異的である。別の実施形態では、T細胞の特定のサブセットは、Tナイーブ細胞(Tn)、Tエフェクターメモリー細胞(Tem)、Tセントラルメモリー細胞(Tcm)、T調節性細胞(Treg)、誘導性T調節性細胞(iTreg)、Tサプレッサー細胞(Ts)、T幹細胞メモリー細胞(Tscm
)、ナチュラルキラー(NK)細胞およびリンホカイン活性化キラー(LAK)細胞が挙げられる表現型マーカーによって同定されるとおり利用される。
【0047】
さらに別の実施形態では、がんを有するヒトの患者特異的自家抗腫瘍リンパ球細胞集団(複数可)の集団を含む免疫療法組成物の抗腫瘍有効量を含む医薬組成物であって、集団の細胞が、各ベクターが機能的CARをコードする少なくとも2つのベクターをコードする核酸分子を含む細胞を含み、それによりベクターの組合せは2つ以上の同一でない結合ドメインの発現を生じ、ここで各ベクターによりコードされた結合ドメイン(複数可)が膜貫通ドメインおよび1または複数の同一でない細胞内シグナル伝達モチーフに共有結合で連結されている、医薬組成物が提供される。
【0048】
さらに別の実施形態では、がんを有するヒトの患者特異的自家抗腫瘍リンパ球細胞集団(複数可)の集団を含む免疫療法組成物の抗腫瘍有効量を含む医薬組成物であって、集団の細胞が(a)2つ以上のベクターをコードする核酸分子を含む細胞を含み;(b)各ベクターが機能的CARをコードし;(c)各CARが少なくとも1つの結合ドメイン、少なくとも1つの膜貫通ドメイン、少なくとも1つのリンカードメインおよび少なくとも1つの細胞内シグナル伝達モチーフから構成され;(d)ベクターの内の1つにおける少なくとも1つの結合ドメインが同一でなく;ならびに(e)少なくとも1つの結合ドメイン、単一膜貫通ドメイン、少なくとも1つのリンカードメインおよび少なくとも1つの細胞内シグナル伝達モチーフが前記各ベクターにおいて共有結合的に連結されており、ベクターの組合せが1または複数のリンパ球集団を遺伝子改変するために使用される、医薬組成物が提供される。
【0049】
さらに別の実施形態では、がんを有するヒトの患者特異的自家抗腫瘍リンパ球細胞集団(複数可)の集団を含む免疫療法組成物の抗腫瘍有効量を含む医薬組成物であって、集団の細胞が(a)2つ以上のベクターをコードする核酸分子を含む細胞を含み;(b)各ベクターが機能的CARをコードし;(c)各CARが少なくとも1つの結合ドメイン、少なくとも1つの膜貫通ドメイン、少なくとも1つのリンカードメインおよび少なくとも1つの細胞内シグナル伝達モチーフを含み;(d)各ベクター中の少なくとも1つの結合ドメイン(複数可)が同一でなく;(e)少なくとも1つのシグナル伝達モチーフ組合せが各ベクター間で同一でなく;ならびに(f)少なくとも1つの結合ドメイン、単一膜貫通ドメイン、少なくとも1つのリンカードメインおよび少なくとも1つの細胞内シグナル伝達モチーフが前記各ベクターにおいて共有結合的に連結されており、2つ以上のベクターの組合せが1または複数のリンパ球集団を遺伝子改変するために使用される、医薬組成物が提供される。
【0050】
一実施形態では、がんが、1または複数の化学療法剤に対して非応答性の難治性がんである。がんは、造血がん、骨髄異形成症候群、膵がん、頭頸部がん、皮膚腫瘍、急性リンパ芽球性白血病(acute lymphoblastic leukemia)(ALL)、急性骨髄性白血病(AML)における微小残存病変(MRD)、肺がん、乳房がん、卵巣がん、前立腺がん、結腸がん、黒色腫もしくは他の血液学的がんおよび固形腫瘍、またはそれらの任意の組合せを含む。別の実施形態では、がんが、血液学的がん、例えば、白血病(例えば、慢性リンパ性白血病(CLL)、急性リンパ性白血病(ALL)、急性骨髄性白血病(AML)もしくは慢性骨髄性白血病(CML))、リンパ腫(例えば、マントル細胞リンパ腫、非ホジキンリンパ腫またはホジキンリンパ腫)または多発性骨髄腫、あるいはそれらの任意の組合せを含む。
【0051】
さらに別の実施形態では、がんが、口腔および咽頭がん(舌、口、咽頭、頭頸部)、消化器系がん(食道、胃、小腸、結腸、直腸、肛門、肝臓、肝内胆管、胆嚢、膵臓)、呼吸器系がん(喉頭、肺および気管支)、骨および関節のがん、軟組織がん、皮膚がん(黒色
腫、基底細胞癌および扁平上皮癌)、小児腫瘍(神経芽細胞腫、横紋筋肉腫、骨肉腫、ユーイング肉腫)、中枢神経系の腫瘍(脳腫瘍、星状細胞腫、神経膠芽腫、神経膠腫)、ならびに乳房、生殖系(子宮頸部、子宮体、卵巣、外陰部、腟、前立腺、精巣、陰茎、子宮内膜)、泌尿器系(膀胱、腎臓および腎盂、尿管)、眼および眼窩、内分泌系(甲状腺)ならびに脳および他の神経系のがん、またはそれらの任意の組合せを含む成人癌を含む。
【0052】
別の態様では、単一または多重キメラ抗原受容体(DuoCAR)をコードする2つ以上のレンチウイルスベクターを用いて形質導入された自家リンパ球細胞集団を含み、それにより腫瘍の安定化、低減、排除、がんの緩解またはがんの再発の予防もしくは寛解またはそれらの組合せを生じる患者特異的抗腫瘍T細胞のin vivo増殖、持続を患者特異的に促進することが可能である患者特異的自家抗腫瘍リンパ球細胞集団を生成する医薬組成物が提供される。
【0053】
別の態様では、腫瘍の安定化、低減、排除、がんの緩解またはがんの再発の予防もしくは寛解またはそれらの組合せを生じる患者特異的抗腫瘍T細胞のin vivo増殖、持続を患者特異的に促進することが可能である患者特異的自家抗腫瘍リンパ球細胞集団を生成する、単一または多重キメラ抗原受容体(DuoCAR)をコードする1または複数のレンチウイルスベクターを用いて形質導入された自家リンパ球細胞集団を含む医薬組成物が提供される。
【0054】
別の態様では、活性患者特異的自家抗腫瘍Duo CAR含有リンパ球細胞を作製する方法が提供される。この方法は、抗原に特異的に結合する2つ以上のキメラ抗原受容体(DuoCAR)をコードする2つ以上のベクターまたは核酸分子をリンパ球細胞に形質導入し、それによって、活性患者特異的自家抗腫瘍DuoCAR含有リンパ球細胞を作製することを含む。
【0055】
さらに別の態様では、RNA操作されたリンパ球細胞の集団を生成する方法であって、2つ以上のキメラ抗原受容体(DuoCAR)をコードする核酸分子のin vitro転写されたRNAまたは合成RNAを対象の細胞集団中に導入し、それによって、腫瘍の安定化、低減、排除、がんの緩解またはがんの再発の予防もしくは寛解またはそれらの組合せを生じる患者特異的抗腫瘍T細胞のin vivo増殖、持続を患者特異的に促進することが可能な患者特異的自家抗腫瘍リンパ球細胞集団を生成することを含む方法が提供される。
【0056】
別の態様では、腫瘍抗原の上昇した発現と関連する疾患、障害または状態を有する哺乳動物を処置するための方法であって、方法が、単一または複数のキメラ抗原受容体(DuoCAR)をコードする1または複数のレンチウイルスベクターが形質導入された自家リンパ球細胞集団の抗腫瘍有効量を含む医薬組成物を対象に投与するステップを含み、それによって、腫瘍の安定化、低減、排除、がんの緩解またはがんの再発の予防もしくは寛解またはそれらの組合せを生じる患者特異的抗腫瘍T細胞のin vivo増殖、持続を患者特異的に促進することが可能な患者特異的自家抗腫瘍リンパ球細胞集団を生成する、方法が提供される。
【0057】
別の態様では、腫瘍抗原の上昇した発現と関連する疾患、障害または状態を有する哺乳動物を処置する方法であって、腫瘍の安定化、低減、排除またはがんの緩解またはがんの再発の予防もしくは寛解またはそれらの組合せを生じる患者特異的抗腫瘍T細胞のin vivo増殖、持続を患者特異的に促進するために患者に直接、注入により戻され得る患者特異的自家抗腫瘍リンパ球細胞集団を生成する、単一または多重キメラ抗原受容体(DuoCAR)をコードする2つ以上のレンチウイルスベクターを用いて形質導入された自家リンパ球細胞集団の抗腫瘍有効量を含む医薬組成物を対象に投与するステップを含む方
法が提供される。
【0058】
一実施形態では、腫瘍抗原の上昇した発現と関連する疾患、障害または状態を有する哺乳動物を処置する方法であって、各ベクターが機能的CARをコードする少なくとも2つのベクターおよび医薬的に許容される賦形剤を含む医薬組成物を対象に投与するステップを含み、それによりベクターの組合せが2つ以上の同一でない結合ドメインの発現を生じ、各ベクターによりコードされた結合ドメイン(複数可)が膜貫通ドメインおよび1または複数の同一でない細胞内シグナル伝達モチーフに共有結合で連結されており、ベクターの組合せが1または複数のリンパ球集団を遺伝子改変するために使用される、方法が提供される。
【0059】
別の実施形態では、腫瘍抗原の上昇した発現と関連する疾患、障害または状態を有する哺乳動物を処置する方法であって、(a)2つ以上のベクターをコードする核酸分子を含み、;(b)各ベクターが機能的CARをコードし;(c)各CARが少なくとも1つの結合ドメイン、少なくとも1つの膜貫通ドメインおよび少なくとも1つの細胞内シグナル伝達モチーフから構成され;(d)ベクターの内の少なくとも1つの結合ドメインが同一でなく;ならびに(e)少なくとも1つの結合ドメイン、単一膜貫通ドメインおよび少なくとも1つの細胞内シグナル伝達モチーフが前記各ベクターにおいて共有結合的に連結されており、ベクターの組合せが1または複数のリンパ球集団を遺伝子改変するために使用される、医薬組成物を対象に投与するステップを含む方法が提供される。
【0060】
さらに別の実施形態では、腫瘍抗原の上昇した発現と関連する疾患、障害または状態を有する哺乳動物を処置する方法であって、(a)2つ以上のベクターをコードする核酸分子を含み、;(b)各ベクターが機能的CARをコードし;(c)各CARが少なくとも1つの結合ドメイン、少なくとも1つの膜貫通ドメインおよび少なくとも1つの細胞内シグナル伝達モチーフを含み;(d)各ベクター中の少なくとも1つの結合ドメイン(複数可)が同一でなく;(e)少なくとも1つのシグナル伝達モチーフ組合せが各ベクター間で同一でなく;ならびに(f)少なくとも1つの結合ドメイン、単一膜貫通ドメインおよび少なくとも1つの細胞内シグナル伝達モチーフが前記各ベクターにおいて共有結合で連結されており、2つ以上のベクターの組合せが1または複数のリンパ球集団を遺伝子改変するために使用される、医薬組成物を対象に投与するステップを含む方法が提供される。
【0061】
ある特定の実施形態では、遺伝子改変されるリンパ球は、自家T細胞リンパ球であり、ここで自家または同種T細胞リンパ球は、悪性疾患の再発を予防または寛解するために患者に直接、注入により戻される。
【0062】
ある特定の他の実施形態では、遺伝子改変されるリンパ球は、自家T細胞リンパ球であり、自家リンパ球は、腫瘍の安定化、低減、排除またはがんの緩解またはがんの再発の予防もしくは寛解またはそれらの任意の組合せを生じる患者特異的抗腫瘍T細胞のin vivo増殖、持続を患者特異的に促進するように患者に直接、注入により戻される。
【0063】
さらに別の実施形態では、T細胞が、特異的活性化またはメモリー関連表面マーカーを発現するということによって事前選択されている。
【0064】
さらに別の実施形態では、T細胞が、造血幹細胞ドナーに由来し、この手順が、造血幹細胞移植の状況で実施される。
【0065】
ある特定の実施形態では、リンパ球細胞が、特異的活性化またはメモリー関連表面マーカーを発現するということによって事前選択されている、方法が本明細書で提供される。
【0066】
ある特定の実施形態では、リンパ球細胞がT細胞であり、造血幹細胞ドナーに由来し、この手順が造血幹細胞移植の状況で実施される方法が本明細書において提供される。
【0067】
さらに別の態様では、がんと診断されたヒトにおいて、遺伝子操作された患者特異的自家抗腫瘍リンパ球細胞集団(複数可)の持続性の集団を生成するための方法が提供される。一実施形態では、方法は、本明細書に記載される1または複数の患者特異的自家抗腫瘍リンパ球細胞集団(複数可)を、それを必要とするヒト患者に投与するステップであって、患者特異的自家抗腫瘍リンパ球細胞集団(複数可)の持続性の集団、またはリンパ球細胞の子孫の集団は、投与の後少なくとも1カ月、2カ月、3カ月、4カ月、5カ月、6カ月、7カ月、8カ月、9カ月、10カ月、11カ月、12カ月、2年または3年にわたって、ヒトにおいて持続するステップを含む。
【0068】
一実施形態では、ヒト中の子孫リンパ球細胞は、メモリーT細胞を含む。別の実施形態では、T細胞は自家T細胞である。
【0069】
本明細書に記載される方法の全ての態様および実施形態では、腫瘍抗原の上昇した発現と関連する上述のがん、疾患、障害または状態のいずれも本明細書に開示される1または複数のDuo Car免疫療法組成物を含む患者特異的自家抗腫瘍リンパ球細胞集団(複数可)を使用して処置または予防または緩和され得る。
【0070】
さらに別の態様では、上記患者特異的自家抗腫瘍リンパ球細胞集団(複数可)を含むDuoCar免疫療法組成物を作製するためのキット、または上記対象において、腫瘍抗原の上昇した発現と関連するがん、疾患、障害もしくは状態のいずれかを予防、処置もしくは寛解するためのキットであって、上に開示された核酸分子、ベクター、宿主細胞もしくは組成物のいずれか1つまたはそれらの任意の組合せを含むコンテナ、およびキットを使用するための指示書を含むキットが提供される。
【0071】
本発明の組成物および方法がDuoCARの生成および利用を参照して例示されているが、組成物および方法がTrioCARおよびQuatroCARの生成および利用を具体的に意図して含むことが本明細書で企図される。
【0072】
さらに別の態様では、免疫療法組成物は、少なくとも1つのベクターをコードする1または複数の単離された核酸を含み、前記ベクターは、DuoCARをコードする少なくとも1つのメッセンジャーRNAを生じる核酸配列(即ち、多重シストロン核酸または1つよりも多い転写物をもたらす核酸)を含有し、2つ以上の同一でない抗原標的に結合する能力を生じ、それにより前記ベクターを発現する単一細胞中に多重抗原特異性の存在をもたらす。
【0073】
さらに別の態様では、上記のような、免疫療法組成物は、少なくとも2つのベクターをコードする1または複数の単離された核酸を含み、ここで各ベクターは、可溶性バインダー(タグ化scFv、または抗タグバインダーに連結されたscFvなど)を共にインキュベーションまたは共に投与した際、機能的キメラ抗原受容体を再構成する機能的タグまたは抗タグ結合成分(AT-CAR)をさらにコードし、それにより2つのベクターの組合せは、2つ以上の同一でない抗原結合ドメインに結合する能力を生じ、これら2つのベクターを発現する細胞中に多重抗原特異性の存在をもたらす。
【0074】
さらに別の態様では、上記のような、免疫療法組成物は、少なくとも2つのベクターをコードする1または複数の単離された核酸を含み、ここで各ベクターは、可溶性バインダー(タグ化scFv、または抗タグバインダーに連結されたscFvなど)を共にインキュベーションまたは共に投与した際、機能的キメラ抗原受容体を再構成する機能的タグま
たは抗タグ結合成分(AT-CAR)をコードし、ここで各ベクターは可溶性タンパク質またはタンパク質改変構造(protein modified structure)に結合して多重抗原特異性をもたらすことができる独自のタグ(もしくは抗タグ)を発現する、または各ベクターは、可溶性結合ドメインの内の1つだけに結合する独自のタグ(もしくは抗タグ)を発現し、AT-CARによりコードされる細胞内シグナル伝達モチーフの、タグ化(もしくは抗タグ化)バインダーの抗原結合ドメインへの特異的連結を生じる。
【0075】
上記に参照される実施形態および態様において開示されるDuoCARベクターの製造、それぞれの組成物および方法についての非限定的実施形態では、2つのベクターは、別々に作製され、次いでT細胞に連続的にまたは同時に添加されてよい。別の非限定的実施形態では、2つ以上のベクターのプラスミドDNAは、多重DuoCARベクター粒子を含有するウイルスベクターの混合物を産生するために、産生細胞のトランスフェクション前もしくはその際に組み合わされてよく、または産生細胞ゲノムに組み入れられてよく、続いて患者T細胞の遺伝子導入および遺伝子改変のために使用される。
【0076】
上記のような、患者特異的自家抗腫瘍リンパ球細胞集団(複数可)、キメラ抗原受容体(DuoCAR)を発現する2つ以上のレンチウイルスベクター、宿主細胞および方法は、本明細書に詳細に記載される具体的な態様および実施形態を超えて有用であることが理解される。本開示の前述の特色および利点は、添付の図面を参照して進む以下の詳細な説明からより明らかになる。
【0077】
本発明の好ましい実施形態の以下の詳細な説明は、添付の図面と共に読むとさらによく理解される。本発明を例証する目的のため、本発明において好ましい図面の実施形態を示す。しかしながら本発明が、図面中に示した実施形態の正確な配置と手段に限られないことは理解されるはずである。
【図面の簡単な説明】
【0078】
図1】別々の商業的実体として生産され得る4個(4つ)の産物(例1から4)を示す図である。これらのDuoCARセットは、3個の白血病関連抗原、CD19、CD20およびCD22を発現するヒトB細胞悪性疾患を標的化するように創出されてよい。産物1では2つの遺伝子ベクターは、活性化T細胞集団を共形質導入するために使用される。第1のベクターは、CD8膜貫通領域(8)によって繋がれた単一細胞内ドメイン(z、CD3ゼータ鎖)に連結された2つの抗原結合ドメイン(CD19、CD20)をコードしている。第2のベクターは、CD22結合ドメインおよび2つのシグナル伝達ドメイン(BB、CD137/4-1BBに由来;およびz)をコードしている。第2の産物、例2は、CD28およびzシグナル伝達ドメインに連結されたCD19およびCD20結合ドメインを含む第1のベクターを特色とする。第2のベクターは、CD22結合ドメインならびにBBおよびzシグナル伝達ドメインをコードし、第3世代CARベクター(3個の異なるシグナル伝達ドメイン)のシグナル伝達パッケージを本質的に再現する。第3の産物、例3では、第1のベクターはBBおよびzシグナル伝達ドメインに連結されたCD20-およびCD22-結合ドメインをコードし、第2のベクターはCD28およびzシグナル伝達ドメインに連結されたCD19-結合ドメインをコードしている。第4の産物、例4では、第1のベクターはCD20-およびCD22-結合ドメインならびにBBおよびzシグナル伝達ドメインをコードしている。第2のベクターは、CD19結合ドメインおよびzシグナル伝達ドメインをコードしている。
図2】B細胞悪性疾患を標的化する治療製品のためにDuoCARセットに組み合わされ得る全ての可能な単一構成成分を示している。命名法は、図1のものと同一である。
図3】炎症性または自己免疫疾患および感染性疾患が挙げられる複数の治療必要性に適用され得るDuoCARセットについての一般的スキーマを示す図である。図においてa-CDX、a-CDY、a-CDZは、3つの異なる標的抗原、CDX、CDYおよびCDZにそれぞれ特異的な抗原結合ドメインを指す。CARの細胞内態様は、CD3-ゼータ、CD28または4-1BBシグナル伝達ドメインのいずれかに連結されたCD8リンカーおよび膜貫通ドメインを全て含む(図1のとおり)。単一ベクターへのこれら2つのベクターのいずれかの具体的な組合せ(例えばAプラスF、ここで抗原X、YおよびZは、CD3-ゼータおよび4-1BBを通じた細胞内シグナル伝達が提供される間に標的化される)は、具体的な治療的必要性により規定される。
図4】2つの抗原が各ベクターによって標的化されるDuoCARセットについての一般的スキーマを示す図である。図3におけるものと同一であるベクターは、それらの特定の文字指定を保持している(図3および図4中のAは同じである)。新たな第4の抗原結合ドメインは、a-CDWによって示されている。4個の抗原を標的化する一産物は、A+T Duo CARセットである。この場合細胞外抗原CDX、CDY、CDZおよびCDWは、CD3-ゼータおよびCD28細胞内シグナルの両方が提供されている間、標的化される。
図5】文献における現在のCAR(A、B、C、D)を本発明のDuoCAR(E、F、G)と比較して示す図である。リンカーおよび膜貫通ドメイン(単一の空四角)に繋がれた単一結合ドメイン(対になった黒、空のまたは縞の球、それぞれ別々の特異性を有する)の発現を誘導するCAR発現ベクターを創出することができる。図では、太い灰色線は形質細胞膜を表す。この図では、対になった黒球は抗CD19 scFvを表し、対になった空の球は抗CD20 scFvを表し、対になった縞の球は抗CD22 scFvを表し、全て、アミノ酸配列、例えばGGGGSの多量体(1、2、3、4、5または6回リピート)を繋ぐことによって連結される。細胞内では、4-1BB(CD137)、CD28およびCD3ゼータ鎖に由来するリンパ球シグナル伝達ドメインは、示されるとおりに組み合わされてよい。(A)単一CARでは、単一結合ドメインが、膜貫通および2つのシグナル伝達ドメインと組み合わされ、第2世代CARが創出される。(B)スプリットCARでは、2つの異なるバインダーが、2つの別々の抗原の認識でT細胞シグナル伝達を有効にするためには組み合わされなければならない単一シグナル伝達ドメインを有する形で発現される。(C)タンデムCARでは、2つの結合ドメインが、単一シグナル伝達ドメインに連結される。この場合、いずれかのドメインの結合は、完全なT細胞活性化を誘導する。(D)1つのベクターからの多重CARでは、2つの完全に機能的なCARは単一ベクターから発現され、それぞれ1つだけの抗原に結合できる。(E)対照的に、DuoCARは2つのベクターから構成され、シグナル伝達ドメインの可能な複数の組合せを含む少なくとも3つの結合ドメインを発現する。DuoCARを他と異なったものにする本質的な特色は、2つ以上の転写物の発現、結合ドメイン(少なくとも1つが多重標的化されている)の多重性、2つの発現された細胞表面タンパク質の少なくとも1つの完全に機能的なシグナル伝達特徴である。(F)DuoCAR単一特異性可溶性バインダーフォーマットでは、ベクターによってコードされるCAR部分は、膜貫通および細胞内シグナル伝達モチーフもコードするタグまたは抗タグモチーフを発現する(CARベースベクター。これらは細胞内モチーフに関して同一でない)。ベースベクターは、抗原と相互作用するscFvドメインを含有し、またCARベースタンパク質それ自体への結合を媒介するようにタグまたは抗タグモチーフも含有する可溶性タンパク質に結合する。可溶性タンパク質がCARベースタンパク質に結合すると、DuoCARによって媒介される抗腫瘍活性を媒介する同じ構造的特徴が再構築される[(E)のとおり]。(G)DuoCARでは、二重特異性可溶性バインダーフォーマット、二重特異性「タグ」-「抗タグ」相互作用は、独自であり、可溶性バインダーの1つだけがベースベクターの1つだけに結合できる。この場合、ベースベクター上の黒ひし形および可溶性二重scFvタンパク質上の角型バインダーは、「ビオチン」-「抗ビオチン」相互作用を表し、第2のCARベースベクター上の黒三日月形は、単一特異性scFv構造上の黒楕円と相互作用し、「FITC」-「抗FITC」相互作用を表すことができる。
図6】第2世代(2つの共刺激ドメイン)と第3世代(3つの共刺激ドメイン)フォーマットとの間で異なるCAR発現ベクターを用いて形質導入された初代ヒトT細胞上のCAR構築物の細胞表面発現レベルを示す図である。T細胞は、次のCAR:CARなし(偽)、第2世代CAR(CAR-A-28z)、第3世代CAR(CAR-A-28BBz)および代替第2世代CAR(CAR-A-BBz)を、発現するように形質導入された。CARの表面発現レベルは、フローサイトメトリーによって検出され、平均蛍光強度(MF)y軸として報告されている。全ての構築物がまさに同じCAR結合ドメインを発現したにも関わらず、両方の第2世代CARのMFIが、より明るかった。
図7】ヒトT細胞におけるDuoCAR細胞表面発現を示す図である。ヒトT細胞は、IL-2の存在下でCD3-CD28nanomatrix(TransAct、Miltenyi Biotec)を用いて活性化され、2つのベクター(1つはタンデムCD20-CD19 CARをコードし、1つは単一CD22 CARをコードする、それにより2+1 Duo-Setフォーマット)を用いて形質導入され、次いで、染色のために組換えCD19、CD20またはCD22を用いてフローサイトメトリーによってCD19-、CD20-またはCD22-scFvドメインの発現について分析された。対になった列は、左列、CD20およびCD19 scFvsならびに右列、CD22およびCD19 scFvsについての二重染色を示している。列1は、形質導入されておらず(UTD)、それにより結合を示さないT細胞を示している。列2は、CD8膜貫通ならびに細胞内CD28およびCD3-ゼータシグナル伝達ドメイン(20-19-28z)を含むCD20_CD19 CARベクターをコードするLVを用いて形質導入されたT細胞を示している。二重染色がCD20およびCD19結合(左パネル)について見られる一方で、CD19結合だけが右パネルにおいては見られる。列3は、CD8膜貫通ならびに細胞内4-1BBおよびCD3-ゼータシグナル伝達ドメイン(22-BBz)を含むCD22CARベクターを用いて形質導入されたT細胞を示している。CD19またはCD20(左パネル)では二重染色は見られず、細胞の単一の集団だけがCD22に結合できることが見られる(右パネル)。列4では、T細胞は、列2および列3における両方のベクターから構成されるDuoSetを用いて形質導入されている。DuoSetだけが3つ全ての、CARによりコードされる結合ドメインを発現している(42%の細胞はCD20_19を発現し(左パネル)、38%はCD22およびCD19結合ドメインを発現する(右パネル)。CD22およびCD19 scFvが、DuoSetを含む2つの別々の膜貫通タンパク質上にそれぞれあることから、38%がこの例における真のDuoSet発現集団を表している。
図8】DuoCAR発現T細胞の抗腫瘍細胞溶解活性を示す図である。図7に記載のとおり、単一CAR構成成分(20_19-28zもしくは22-BBz)またはDuoSet(20_19-28z+22-BBz)を用いて形質導入されたヒトT細胞は、4つの異なるエフェクター標的比(表示のとおり20:1、10:1、5:1、2.5:1)で細胞傷害性T細胞アッセイにおいて使用された。CAR-T標的として使用された白血病細胞株は:Raji(3つ全ての標的抗原を発現する)、REH(3つ全ての標的抗原を発現する)、K562(対照、標的を発現しない)、K562-CD19(CD19を発現する)、K562-CD20(CD20を発現する)およびK562-CD22(CD22を発現する)であった。DuoCAR形質導入細胞(20-19-28z+22-BBz、2+1 DuoSet)だけが両方の白血病細胞株(RajiおよびREH)および3つ全ての単一発現K562標的細胞株(K562-CD19、K562-CD20、K562-CD22)に対して高い細胞溶解活性を示した。
図9】LV調製の2つの異なる方法によって達成された初代ヒトT細胞におけるDuoCAR細胞表面発現を示す図である。同じ方法およびデータ分析が図7においてのとおり使用され、それにより、CD19、CD20およびCD22に対して特異的なDuoCAR(2+1 DuoSet、1つのCARがタンデムCD20およびCD19バインダーであり、第2のCARがCD22バインダーから構成される)を用いて形質導入された細胞が、創出された。データの第1の列は、CD19およびCD20バインダーの発現についてのフローサイトメトリー分析を示しており、一方第2の列は、それぞれ下左、上左、上右および下右の象限で、非形質導入、単一CD22-CAR形質導入、CD22およびCD20_19 CARを用いた二重形質導入ならびにタンデムCD20_CD19 CARを用いた単一形質導入に対応する4つの異なる集団に関して、DuoCAR発現細胞においてCARとして存在するCD22およびCD19バインダーについてのフローサイトメトリー分析を示している。2つのLV形質導入法(共形質導入)および単一LV形質導入法(共トランスフェクション)の両方は、両方のCA細胞表面タンパク質を発現していることから、T細胞集団の30%超が、CD19、CD20およびCD22に対して特異的であり、同様のDuoCAR染色パターンを示した。
【発明を実施するための形態】
【0079】
詳細な説明
定義
本明細書で使用する場合、単数形「1つの(a)」、「1つの(an)」および「この(the)」とは、文脈が明らかに他を示さない限り、単数形および複数形の両方を指す。例えば、用語「1つの抗原」は、単数または複数の抗原を含み、語句「少なくとも1つの抗原」と等価とみなされ得る。本明細書で使用する場合、用語「含む(comprises)」とは、「含む(includes)」を意味する。したがって、「1つの抗原を含む(comprising)」とは、他の要素を排除することなく、「1つの抗原を含む(including)」を意味する。語句「および/または」とは、「および」または「または」を意味する。核酸またはポリペプチドについて与えられた任意のおよび全ての塩基サイズまたはアミノ酸サイズ、ならびに全ての分子量または分子質量値は、特記しない限り、おおよそであり、便宜的に提供されていることをさらに理解すべきである。本明細書に記載されるものと類似または等価な多くの方法および材料が使用され得るが、特に適切な方法および材料が以下に記載される。矛盾する場合、用語の説明を含む本明細書が支配する。さらに、材料、方法および実施例は、例示にすぎず、限定を意図しない。種々の実施形態の再検討を容易にするために、以下の用語の説明が提供される。
【0080】
用語「約」とは、測定可能な値、例えば、量、時間的持続期間などに言及する場合、特定された値から±20%、±10%、またはより好ましくは±5%、もしくは±1%、またはなおより好ましくは±0.1%の変動を包含することを意味し、かかる変動は、開示された方法を実施するために適切である。
【0081】
特記しない限り、本明細書の技術用語は、従来の用法に従って使用される。分子生物学における一般的用語の定義は、Oxford University Pressによって刊行されたBenjamin Lewin、Genes VII、1999年;Blackwell Science Ltd.によって刊行されたKendrewら(編)The Encyclopedia of Molecular Biology、1994年;およびVCH Publishers,Inc.によって刊行されたRobert
A.Meyers(編)、Molecular Biology and Biotechnology:A Comprehensive Desk Reference、1995年;および他の類似の参考文献中に見出すことができる。
【0082】
本発明は、疾患および/または状態、ならびにこれだけに限らないが、血液悪性疾患および固形腫瘍が挙げられるがんを処置するための組成物および方法に関する。本発明は、1または複数のDuoCARを発現する2つ以上のベクターを用いて形質導入されたT細胞の養子細胞移入の患者特異的、腫瘍特異的戦略に関する。
【0083】
本発明は、より具体的には、キメラ抗原受容体(DuoCAR)を発現するレンチウイルスベクター、およびCARSを発現するレンチウイルスベクターを用いて形質導入され
た宿主細胞(例えば、リンパ球、T細胞)、レンチウイルスベクターおよびキメラ抗原受容体をコードする核酸分子に関し、ならびに例えば対象におけるがんを処置するために、それを使用する方法も提供される。
【0084】
驚くべきことにかつ予想外に、患者特異的自家抗腫瘍リンパ球細胞集団を含む免疫療法組成物が、自家リンパ球細胞集団が単一または多重キメラ抗原受容体(DuoCAR)をコードする2つ以上のレンチウイルスベクターを用いて形質導入された場合に、抗腫瘍免疫治療としてさらに有効であることが本発明者らによって発見された。単一または多重CARSを発現する少なくとも2つ以上のレンチウイルスベクターの使用は、腫瘍の安定化、低減、排除、またはがんの緩解またはがんの再発の予防もしくは寛解またはそれらの組合せを生じる患者特異的抗腫瘍T細胞のin vivo増殖、持続を患者特異的に促進するようである。
【0085】
本明細書に記載されるかかる活性患者特異的抗腫瘍T細胞集団は、腫瘍の安定化、低減、排除、がんの緩解またはがんの再発の予防もしくは寛解またはそれらの組合せを生じる患者特異的抗腫瘍T細胞のin vivo増殖、持続を患者特異的に促進するように患者に直接、注入により戻されてよい。これは、治療的細胞集団の有効な増殖および迅速な縮小も含む。
【0086】
したがって、その最も広い態様では、この養子免疫療法の新規性は、CAR-発現ベクターの組合せの使用にある。鑑別特色は、1または複数のキメラ抗原受容体を発現する単一ベクターの従来の使用とは対照的に、Duo CAR手法は、in vivoでの抗腫瘍T細胞活性に対して多重抗原特異性および最適なシグナル伝達の両方を付与する。それにより3つ以上の抗原が効率的に標的化されるシステムを創出することは、腫瘍がん細胞が腫瘍転移および/または腫瘍再発を生じるエスケープバリアントを生成できるようにする単一またはタンデム手法よりも優れている。少なくとも1つのシグナル伝達モチーフ組合せ(複数可)が各ベクター間で同一でないという条件と合わせた、各ベクター中の少なくとも1つの結合ドメイン(複数可)の具体的な組合せが同一でない単一または多重のキメラ抗原受容体(DuoCAR)をコードする2つ以上のベクターの使用は、かかる二重レンチウイルスベクター由来CARを用いて形質導入された遺伝子改変された1または複数のリンパ球集団が腫瘍もしくはがんの安定化、低減、排除もしくは緩解および/または腫瘍もしくはがんの再発の予防もしくは寛解またはそれらの任意の組合せを生じる患者特異的抗腫瘍リンパ球細胞のin vivo増殖、持続を患者特異的に促進できる患者特異的自家抗腫瘍リンパ球細胞集団を生成することを確実にするために働く。
【0087】
一態様では、免疫療法組成物は、少なくとも2つのベクターをコードする1または複数の単離された核酸分子を含む形で提供され(DuoCAR)、各ベクターは機能的CARをコードし、ここでベクターの内の1つにおける少なくとも1つの結合ドメイン(複数可)は同一でなく、それによりベクターの組合せは2つ以上の同一でない結合ドメインの発現を生じ、ここで各ベクターによりコードされた結合ドメイン(複数可)は膜貫通ドメインおよび1または複数の同一でない細胞内シグナル伝達モチーフに共有結合で連結されている。
【0088】
別の態様では、免疫療法組成物が図5(A)、(B)、(C)または(D)にそれぞれ示される単一CAR、スプリットCAR、タンデムCARまたは多重CARを特異的に排除するという条件で、少なくとも2つのベクターをコードする1または複数の単離された核酸分子を含む形で提供され(DuoCAR)、各ベクターは機能的CARをコードし、それによりベクターの組合せは2つ以上の同一でない結合ドメインの発現を生じ、ここで各ベクターによりコードされた結合ドメイン(複数可)は膜貫通ドメインおよび1または複数の同一でない細胞内シグナル伝達モチーフに共有結合で連結されている。
【0089】
本発明のDuoCARレンチウイルスベクター改変T細胞を用いて達成される免疫療法の有効性および腫瘍またはがんの再発の予防または寛解は、1つだけの従来のCAR設計を用いて達成されるものより顕著に大きく相乗的に多い。これは、従来のCARベースT細胞免疫療法と比較して腫瘍もしくはがんの安定化、低減、排除もしくは緩解生じる患者特異的抗腫瘍リンパ球細胞のin vivo増殖、維持の増加と関連する生物学的治療利益の独自の組合せである。
【0090】
リンカーおよび膜貫通ドメイン(単一の空四角)に繋がれた単一結合ドメイン(黒、空または縞の球、それぞれ別々の特異性を有する、図5)の発現を誘導するCAR発現ベクターを創出することができる。下記図5は、従来のCARに対する本発明のDuoCARの比較を示している。図5では、太い灰色線は形質細胞膜を表す。細胞内では、4-1BB(CD137)、CD28およびCD3ゼータ鎖に由来するリンパ球シグナル伝達ドメインは、示されるとおりに組み合わされてよい。本文書におけるCD3シグナル伝達ドメインの全ての例および使用において含まれるのは、そのチロシン残基の選択的変異導入、またはもはやITAMモチーフをリン酸化のための標的にしないようにする他の変異による免疫受容体チロシンベース活性化モチーフ(ITAM)の1つ、2つまたは3つのいずれかの変更による、CD3ゼータ鎖の改変である。単一CARでは(図5A)、単一結合ドメインが、膜貫通および2つのシグナル伝達ドメインと組み合わされる。スプリットCARでは(図5B)、2つの異なるバインダーが、シグナル伝達を有効にするためには組み合わされなければならない単一シグナル伝達ドメインを有する形で発現される。タンデムCARでは(図5C)、2つの結合ドメインが、単一シグナル伝達ドメインに連結される。1つのベクターからの多重CARでは(図5D)、2つの完全に機能的なCARは単一ベクターから発現される。本発明のDuoCARは(例えば、図5E)、各ベクターが機能的CARをコードする少なくとも2つのベクターをコードし、それにより、ベクターの組合せは2つ以上の同一でない結合ドメインの発現を生じ、各ベクターによりコードされた結合ドメイン(複数可)は膜貫通ドメインおよび1または複数の同一でない細胞内シグナル伝達モチーフに共有結合で連結される。本発明のDuoCARを他と異なったものにする本質的特色は、2つ以上のベクターの使用、結合ドメインの多重性および発現される2つの細胞表面タンパク質の少なくとも1つの完全に機能的なシグナル伝達特徴(in
vivoでのT細胞増殖に関して)である。
【0091】
別の態様では、DuoCARは、治療的T細胞集団によって媒介される、腫瘍に対する免疫応答を増強するために使用される。免疫応答は、少なくとも3つの方法で増強される。
【0092】
第1に、身体中で増殖および生存するためにT細胞にさらなるシグナルを提供することによって、本発明のDuoCARは、その喪失が患者によって忍容され得、腫瘍組織自体の中には存在しない治療的細胞集団に刺激シグナルを提供するようになおも機能する自己抗原(例えば、CD19)に遭遇したときにT細胞集団を刺激することによって、治療的T細胞集団の持続を可能にする。第3世代DuoCAR(単一細胞外Ig様バインダーに連結された3つの共刺激ドメインを細胞内で発現する)が、2つの細胞内共刺激ドメインを発現するこれらのDuoCARと比較して治療的T細胞では同様には発現されていないことは周知/定着している。例えば下記図6では、初代ヒトT細胞上でのCAR構築物の発現レベルは、第2世代(2つの共刺激ドメイン)と第3世代(3つの共刺激ドメイン)構築物との間で異なっている。T細胞は、次のCAR:CARを含まない(偽)、第2世代CAR(CAR-A-28z)、第3世代CAR(CAR-A-28BBz)および変更された第2世代CAR(CAR-A-BBz)を発現するように形質導入された。CARの表面発現レベルはフローサイトメトリーによって検出され、平均蛍光強度(MF)y軸として報告されている。全ての構築物がまさに同じCAR結合ドメインを発現したにも
関わらず、両方の第2世代CARのMFIは、さらに明るかった。
【0093】
別々のベクターCAR構築物上に第3のT細胞活性化配列を提供することによって、本発明者らは、T細胞表面でのCARの発現を減少させる不利益に陥ることなく、3つの共刺激ドメインを発現する利益を回復することができる。
【0094】
第二の態様では本発明のDuoCARは、免疫抑制性効果を媒介する腫瘍以外の細胞型を標的化してもよい。例えば、CD19発現B細胞が腫瘍病変に存在し、IL-4または他の媒介物の産生によって、抗腫瘍免疫も阻害する場合、DuoCAR発現腫瘍特異的T細胞集団を使用する第2の利益は、免疫抑制性細胞集団も除去されることである。
【0095】
例えば、免疫抑制性B細胞が固形腫瘍病変内に存在する場合、これらはB細胞特異的DuoCAR(CD19特異的DuoCARなど)の使用によって排除され得る。免疫抑制性線維芽細胞様細胞が存在する場合、これらは間質性特異的DuoCARによって(例えば、線維芽細胞活性化タンパク質-アルファ(FAP)を標的化することによって)除去され得る。奇形脈管構造が有効な免疫応答の欠如の原因である場合、これらの種類の血管またはリンパ管特異的標的(抗VEGFRなど)に特異的なDuoCARも治療転帰を改善できる。
【0096】
第3の態様では、本発明のDuoCARは、腫瘍に対して遠位の、即ち、身体中の別の区画中に存在する免疫抑制的集団を標的化する。例えば、骨髄系由来サプレッサー細胞(MDSC)を標的化し、腫瘍病変自体中または所属リンパ節もしくは骨髄中のいずれかに存在し得るDuoCARを使用する。腫瘍流入領域リンパ節が免疫活性化または免疫抑制の遺伝子座のいずれかである場合があることは充分定着している。これは、リンパ節の全体的な炎症性トーンおよびリンパ節への移動前の遠位樹状細胞分化に依存する。腫瘍流入領域リンパ節に、骨髄系由来サプレッサー細胞(MDSC)または樹状細胞などの誤分化した抗原提示細胞がある場合、これらの細胞型を標的化するDuoCARは、腫瘍自体からは遠位でも、同様に治療転帰を改善できる。がん特異的DuoCAR免疫療法適用を超える、DuoCARの第2の適用は、自己免疫性および/または炎症性疾患の予防または処置である。腫瘍学に基づく適用との差異は、T調節性細胞(Treg)、または誘導性T調節性細胞(iTreg)、またはTh-2様免疫応答を促進する条件下で培養された他の細胞が細胞質基質であることである。腫瘍学的適用について、Th-1様細胞は細胞質基質である。治療的適用では、造血幹細胞移植(HSCT)後の移植片対宿主病(GvHD)、アレルギー性気道、腸管もしくは他の粘膜炎症または皮膚アレルギーと同様に多様に、トランスフォーミング成長因子-ベータ(TFG-ベータ)などの免疫阻害性サイトカインを産生するCAR改変リンパ球の存在は、自己免疫性または炎症誘発疾患を回復させる広い免疫寛容原性シグナルを発するように働く。この手法は、アルツハイマー病、多発性硬化症、外傷性脳損傷、パーキンソン病およびCTE(頻回の脳振盪またはマイクロ振盪による慢性外傷性脳障害)などの末梢または中枢神経系(CNS)の神経の炎症状態を含む。この手法は、COPD(慢性閉塞性肺疾患)などの進行性瘢痕性疾患も含む。
【0097】
炎症性疾患の処置では、組織抗原に特異的なリンパ球、炎症性細胞の表面上のディストレスマーカーまたはミスフォールドタンパク質(タウタンパク質またはベータアミロイドなど)は、これらの標的に特異的であるDuoCAR発現ベクターを生成することによって創出される。アルツハイマー病に対する単一抗体ベースの治療は、既に臨床開発中である(即ち、Eli Lilly and CompanyによるソラネズマブおよびBiogen、Inc.によるアデュカヌマブ)。アルツハイマー病では、モノマー性または凝集性ベータアミロイドに対する抗体は、細胞表面タンパク質へのバインダーの代わりにCARフォーマットにおいて使用できる。MHC分子が結合したタウタンパク質またはタウペプチドへのバインダーは、CARに対する結合モチーフとしても使用できる。特異的
抹消組織へのリンパ球のホーミングを媒介する受容体も、CAR発現Treg集団に領域特異性を与えるために、CARフォーマットに含まれてよい。特定の組織へのリンパ球浸潤を駆動することが周知である接着受容体ドメインおよびサイトカイン配列、またはサイトカインもしくはケモカイン受容体もしくはバインダーは、CARドメインの一部として使用できる。CD44およびインテグリンアルファ-4などの接着分子は、リンパ球をCNSに標的化することが周知であり、それによりリンパ球集団のCNS遊走性挙動を媒介することが周知である接着分子由来ドメインを含むことは、CAR発現リンパ球を疾患の領域に標的するためにも使用できる。同じことが、腸管(即ち、MAdCAm-1へのバインダー、CCR9または抗CCL25の発現、など)、肺(即ち、P-セレクチンもしくはメソテリン)、皮膚(即ち、E-セレクチンへのバインダー)または他の粘膜表面にも当てはまる。
【0098】
この手法を使用するために、炎症状態を有するまたはアルツハイマー病など、その疾患が炎症性病態の軽減によって処置できる患者は、診療所に入院させ、末梢血液を採取する。Tregは、免疫磁気ビーズ(Regulatory T cell isolation kit、Miltenyi Biotec)によって直接選択できる、または適切なサイトカイン環境下での培養によって誘導できる。次いでこれらのTregまたはiTregをDuoCARベクターを用いて形質導入し、必要に応じてin vitroで増殖させる(Treg expansion kit、Miltenyi Biotec)。DuoCAR結合ドメインは、抗体、または組織特異的ホーミングを媒介する受容体、および抗ベータアミロイドなどの疾患関連バインダーに由来する。したがって、生成された、操作された免疫エフェクター細胞は、適切な部位に標的化され、それらのTh2またはTreg分化パターンと一致するサイトカインを産生する。CAR-T細胞がCAR受容体の活性化により、特異的な遺伝子ペイロードを分泌するように操作されてよいことも周知である。ベクターから発現されるDuoCARペイロードに加えて、さらなる治療用タンパク質またはペプチドは:a)A-ベータDP(アミロイドベータ分解プロテアーゼ)、b)マトリックスプロテアーゼ(COPDにおけるMMP-9およびMMP9阻害剤など)、c)プラーク形成を妨げるペプチドまたは可溶性抗体様バインダー、およびd)サイトカイン(TGF-ベータ、IL-4、IL-10など)などの操作されたT細胞集団によって発現または分泌されてよい。
【0099】
MiRNAは、T細胞機能を調節するために細胞内でも発現されてよい。miRNAの例は、miR-92a、miR-21、miR-155、miR-146a、miR-3162、miR-1202、miR-1246およびmiR-4281、miR-142、miR-17-92である。shRNAからmiRNAも開発されてよい。例はmiR-28、miR-150およびmiR-107に標的化されたshRNAであり、通常PD1に結合し、その発現を増加させる。
【0100】
腫瘍学に基づくならびに炎症性および自己免疫性疾患に基づく適用を超える、Duo CARテクノロジーの第3の適用は、ウイルス、細菌または真菌抗原に対して特異的な治療的リンパ球集団の生成である。それにより、B細胞悪性疾患について記載された腫瘍学適用に関しては、感染性疾患の標的化は、感染体または微生物抗原の認識に基づいて存在する疾患組織に対する免疫防御または免疫治療活性をDuoCAR産物が媒介できるようにする。T細胞受容体それ自体が、病原体によりコードされるペプチドの認識を媒介するT細胞受容体(TCR)ベースの手法とは異なり、Duo CAR手法は、形質導入されたT細胞集団に抗体様認識を与える(即ち、抗原プロセシングを必要としない)、CARベクターフォーマットにおいて発現される結合タンパク質を利用する。治療的T細胞集団の活性化は、感染細胞を除去できる、および微生物抗原が細胞結合型ではない場合、感染体に対して開始される有効な免疫応答を可能にするインターフェロン-ガンマなどの可溶性媒介物を放出できる免疫活性化遺伝子座を生じる。
【0101】
例えばHIVは、高度に可変性であることが周知であるが、特異的クレードまたは科を分類でき、クレード特異的ウイルスエンベロープタンパク質(env、gp120)に対する抗体を創出できる。DuoCAR手法を使用して、3つ以上のクレード特異的抗体様バインダーがCAR構築物に含まれ、幅広い抗HIV免疫活性をもたらしている。ウイルスタンパク質に加えて、細菌タンパク質も標的化できる。現在の医学の課題は、医療の現場で頻繁に生じる抗生物質耐性細菌株の処置である。これらとして、VRE(バンコマイシン耐性腸球菌)、MRSA(メチシリン耐性Staphylococcus aureus)、KPC(Klebsiella pneumoniaeカルバペネマーゼ産生グラム陰性細菌、同様にCRKP)などが挙げられる。Klebsiella細胞表面抗原として、O抗原(バリアント9個)およびK抗原(バリアントおよそ80個)が挙げられる。O抗原スペクトラムは、小さなDuoCARライブラリーを用いて容易に網羅され、多数のK抗原も同様である。使用にあたっては、異なるKまたはO血清型に結合する抗体を特徴とするCAR構築物が創出され、腫瘍学的適用の場合のように、これらのCARベクターはTh1-様エフェクター細菌集団への形質導入のために使用され、単離され、活性化される。真菌疾患では、L.Cooperらの業績(Kumasesan、P.R.、2014年、PNAS USA、111巻:10660頁)は、通常ヒト細胞上に発現される真菌結合タンパク質、デクチン1を、CARとして再構成することができ、真菌のin vitro増殖を制御するために使用できることを実証した。ヒト疾患アスペルギルス症は、重度に免疫抑制された個体において生じ、真菌A.fumigatusによって引き起こされる。複数の群が、アスペルギルス細胞表面の抗原性構成成分に対して特異的なモノクローナル抗体を産生し、それにより真菌表面上の3つ以上のアスペルギルス抗原を標的化するDuoCARを用いた養子免疫療法を可能にする。したがって、これらの感染性疾患適用の全てにおいて、微生物抗原に対する免疫グロブリン様バインダーを創出する能力は、複数の抗原がCAR発現エフェクターリンパ球集団によって標的化されるようにする。
【0102】
DuoCAR、抗体およびその抗原結合性断片、コンジュゲート、ヌクレオチド、発現、ベクターおよび宿主細胞、開示されたDuoCARを使用する処置の方法、組成物およびキットのさらなる記載と共に、それらの細胞外ドメイン、膜貫通ドメインおよび細胞内ドメインの記載を含む、本明細書に開示される患者特異的自家抗腫瘍リンパ球細胞集団(複数可)において使用され得るDuoCARの詳細な記載は以下である。本発明の組成物および方法は、DuoCARの生成および利用を参照して例示されているが、組成物および方法がTrioCARおよびQuatroCARの生成および利用を含むことが具体的に意図されることが、本明細書において企図される。
【0103】
A.キメラ抗原受容体(DuoCARに存在する)
本明細書で開示されるDuoCARは、各ベクターが機能的CARをコードする少なくとも2つのベクターを含み、それにより、ベクターの組合せは2つ以上の同一でない結合ドメインの発現を生じ、各ベクターによりコードされた結合ドメイン(複数可)は膜貫通ドメインおよび1または複数の同一でない細胞内シグナル伝達モチーフ、抗原に結合できる少なくとも1つの細胞外ドメイン、少なくとも1つの膜貫通ドメインおよび少なくとも1つの細胞内ドメインに共有結合で連結される。
【0104】
CARは、膜貫通ドメインを介してT細胞シグナル伝達ドメインに連結された抗体の抗原結合性ドメイン(例えば、単鎖可変断片(scFv))を含有する、人工的に構築されたハイブリッドタンパク質またはポリペプチドである。DuoCARの特徴には、非MHC拘束様式で、モノクローナル抗体の抗原結合特性を活用して、選択された標的に向かってT細胞の特異性および反応性を再指向させるそれらの能力が含まれる。非MHC拘束的な抗原認識は、DuoCARを発現するT細胞に、抗原プロセシングと無関係に抗原を認
識する能力を与え、そうして、腫瘍エスケープの主要な機構を迂回する。さらに、T細胞中で発現される場合、DuoCARは、有利なことに、内因性T細胞受容体(TCR)のアルファ鎖およびベータ鎖と二量体化しない。
【0105】
本明細書に開示するように、DuoCARの細胞内T細胞シグナル伝達ドメインには、例えば、T細胞受容体シグナル伝達ドメイン、T細胞共刺激シグナル伝達ドメイン、またはその両方が含まれ得る。T細胞受容体シグナル伝達ドメインとは、T細胞受容体の細胞内ドメイン、例えば、限定としてではなく、CD3ゼータタンパク質の細胞内部分などを含む、CARの一部分を指す。共刺激シグナル伝達ドメインとは、抗原に対するリンパ球の効率的な応答に必要とされる、抗原受容体またはそれらのリガンド以外の細胞表面分子である共刺激分子の細胞内ドメインを含む、CARの一部分を指す。一部の場合では活性化ドメインは、リン酸化の特定の部位、即ちCD3ゼータ鎖中のITAMモチーフの変異によって減弱される場合がある、即ちそのドメインによって媒介されるシグナル伝達の程度を慎重に調節する。
【0106】
1.細胞外ドメイン
一実施形態では、本明細書に開示される患者特異的自家抗腫瘍リンパ球細胞集団(複数可)において使用されるCARは、さもなければ抗原結合性ドメインまたは部分と呼ばれる標的特異的結合エレメントを含む。ドメインの選択は、標的細胞の表面を規定するリガンドの型および数に依存する。例えば、抗原結合性ドメインは、特定の疾患状態と関連する標的細胞上の細胞表面マーカーとして作用するリガンドを認識するように選択され得る。したがって、CAR中の抗原結合性ドメインに対するリガンドとして作用し得る細胞表面マーカーの例には、ウイルス、細菌および寄生生物感染、自己免疫疾患ならびにがん細胞と関連するものが含まれる。
【0107】
一実施形態では、CARは、腫瘍細胞上の抗原に特異的に結合する所望の抗原結合性ドメインを操作することによって、目的の腫瘍抗原を標的化するように操作され得る。腫瘍抗原は、免疫応答、特にT細胞媒介性免疫応答を惹起する、腫瘍細胞によって産生されるタンパク質である。抗原結合性ドメインの選択は、処置される特定の型のがんに依存する。腫瘍抗原は、当該分野で周知であり、これには、例えば、神経膠腫関連抗原、癌胎児性抗原(CEA)、ベータ-ヒト絨毛性ゴナドトロピン、アルファフェトプロテイン(AFP)、レクチン反応性AFP、サイログロブリン、RAGE-1、MN-CA IX、ヒトテロメラーゼ逆転写酵素、RU1、RU2(AS)、腸カルボキシルエステラーゼ、mut hsp70-2、M-CSF、プロスターゼ(prostase)、前立腺特異的抗原(PSA)、PAP、NY-ESO-1、LAGE-1a、p53、プロステイン(prostein)、PSMA、Her2/neu、サバイビンおよびテロメラーゼ、前立腺癌腫瘍抗原-1(PCTA-1)、MAGE、ELF2M、好中球エラスターゼ、エフリンB2、CD22、インスリン様成長因子(insulin growth factor)(IGF)-I受容体、IGF-II受容体、IGF-I受容体ならびにメソセリンが含まれる。本明細書に開示される腫瘍抗原は、例として含まれるにすぎない。このリストは、排他的である意図はなく、さらなる例が、当業者に容易に明らかである。
【0108】
一実施形態では、腫瘍抗原は、悪性腫瘍と関連する1または複数の抗原性がんエピトープを含む。悪性腫瘍は、免疫攻撃のための標的抗原として機能し得るいくつかのタンパク質を発現する。これらの分子には、組織特異的抗原、例えば、黒色腫におけるMART-1、チロシナーゼおよびGP 100、ならびに前立腺がんにおける前立腺酸性ホスファターゼ(PAP)および前立腺特異的抗原(PSA)が含まれるがこれらに限定されない。他の標的分子は、癌遺伝子HER-2/Neu/ErbB-2などの形質転換関連分子の群に属する。標的抗原のさらに別の群は、癌胎児性抗原(CEA)などのがん胎児性抗原である。B細胞リンパ腫では、腫瘍特異的イディオタイプ免疫グロブリンが、個々の腫
瘍に独自の真に腫瘍特異的な免疫グロブリン抗原を構成する。B細胞分化抗原、例えば、CD19、CD20、CD22およびCD37は、B細胞リンパ腫における標的抗原の他の候補である。これらの抗原の一部(CEA、HER-2、CD19、CD20、CD22、イディオタイプ)は、限定的な成功で、モノクローナル抗体による受動免疫療法の標的として使用されている。
【0109】
腫瘍抗原の型は、腫瘍特異的抗原(TSA)または腫瘍関連抗原(TAA)でもあり得る。TSAは、腫瘍細胞に独自であり、身体中の他の細胞上には存在しない。TAAは、腫瘍細胞に独自ではなく、その代り、抗原に対する免疫学的寛容の状態を誘導できない条件下で正常細胞上でも発現される。腫瘍上での抗原の発現は、免疫系が抗原に応答できるようにする条件下で生じ得る。TAAは、免疫系が未熟であり応答できない胎児発生の間に正常細胞上で発現される抗原であり得、または正常細胞上では非常に低いレベルで通常存在するが、腫瘍細胞上ではかなり高いレベルで発現される抗原であり得る。
【0110】
TSAまたはTAAの非限定的な例には、以下が含まれる:分化抗原、例えば、MART-1/MelanA(MART-I)、gp100(Pmel 17)、チロシナーゼ、TRP-1、TRP-2および腫瘍特異的多系列抗原、例えば、MAGE-1、MAGE-3、BAGE、GAGE-1、GAGE-2、p15;過剰発現された胚抗原、例えば、CEA;過剰発現された癌遺伝子および変異した腫瘍サプレッサー遺伝子、例えば、p53、Ras、HER-2/neu;染色体転座から生じる独自の腫瘍抗原;例えば、BCR-ABL、E2A-PRL、H4-RET、IGH-IGK、MYL-RAR;ならびにウイルス抗原、例えば、エプスタイン・バーウイルス抗原EBVAおよびヒトパピローマウイルス(HPV)抗原E6およびE7。他の大きいタンパク質ベースの抗原には、TSP-180、MAGE-4、MAGE-5、MAGE-6、RAGE、NY-ESO、p185erbB2、p180erbB-3、c-met、nm-23H1、PSA、TAG-72、CA 19-9、CA 72-4、CAM 17.1、NuMa、K-ras、ベータ-カテニン、CDK4、Mum-1、p 15、p 16、43-9F、5T4、791Tgp72、アルファ-フェトプロテイン、ベータ-HCG、BCA225、BTAA、CA 125、CA 15-3/CA 27.29/BCAA、CA 195、CA 242、CA-50、CAM43、CD68/P1、CO-029、FGF-5、G250、Ga733/EpCAM、HTgp-175、M344、MA-50、MG7-Ag、MOV18、NB/70K、NY-CO-1、RCAS1、SDCCAG16、TA-90/Mac-2結合タンパク質/シクロフィリンC関連タンパク質、TAAL6、TAG72、TLPおよびTPSが含まれる。
【0111】
好ましい実施形態では、CARの抗原結合性ドメイン部分は、CD19、CD20、CD22、ROR1、メソセリン、CD33、c-Met、PSMA、糖脂質F77、EGFRvIII、GD-2、MY-ESO-1 TCR、MAGE A3 TCRなどを含むがこれらに限定されない抗原を標的化する。さらに別の実施形態では、DuoCARは、タグまたは抗Tag結合ドメインを含む形で本明細書で提供される。
【0112】
標的化される望ましい抗原に応じて、CARは、望ましい抗原標的に特異的である適切な抗原結合ドメインを含むように操作されてよい。例えば、CD19が標的化される望ましい抗原である場合、CD19に特異的な抗体またはそのscFv細断片は、CARに組み込まれた抗原結合ドメインとして使用され得る。
【0113】
例示的な一実施形態では、CARの抗原結合性ドメイン部分は、CD19を標的化する。好ましくは、CAR中の抗原結合性ドメインは、抗CD19 scFVであり、ここで、抗CD19 scFVの核酸配列は、配列番号27に示される配列を含む。一実施形態では、抗CD19 scFVは、配列番号28のアミノ酸配列をコードする核酸配列を含
む。別の実施形態では、CARの抗CD19 scFV部分は、配列番号28に示されるアミノ酸配列を含む。第2の例示的実施形態では、CARの抗原結合ドメインはCD20を標的化する。好ましくは、CAR中の抗原結合ドメインは、抗CD20 scFvであり、抗CD20 scFvの核酸配列は、配列番号1に記載される配列を含む。別の実施形態では、CARの抗CD20 scFV部分は、配列番号2に記載されるアミノ酸配列を含む。第3の例示的実施形態では、CARの抗原結合ドメインはCD22を標的化する。好ましくはCAR中の抗原結合ドメインは抗CD22 scFvであり、抗CD22 scFvの核酸配列は、配列番号7に記載される配列を含む。別の実施形態では、CARの抗CD22 scFV部分は、配列番号8に記載されるアミノ酸配列を含む。
【0114】
本発明の一態様では、例えば、限定としてではなく、レトロウイルス科(例えば、ヒト免疫不全ウイルス、例えば、HIV-1およびHIV-LP)、ピコルナウイルス科(例えば、ポリオウイルス、A型肝炎ウイルス、エンテロウイルス、ヒトコクサッキーウイルス、ライノウイルスおよびエコーウイルス)、風疹ウイルス、コロナウイルス、水疱性口内炎ウイルス、狂犬病ウイルス、エボラウイルス、パラインフルエンザウイルス、ムンプスウイルス、麻疹ウイルス、呼吸器多核体ウイルス、インフルエンザウイルス、B型肝炎ウイルス、パルボウイルス、アデノウイルス科、ヘルペスウイルス科[例えば、1型および2型単純ヘルペスウイルス(HSV)、水痘帯状疱疹ウイルス、サイトメガロウイルス(CMV)ならびにヘルペスウイルス]、ポックスウイルス科(例えば、天然痘ウイルス、ワクシニアウイルスおよびポックスウイルス)もしくはC型肝炎ウイルスに由来する抗原、またはそれらの任意の組合せを含む非TSAまたは非TAAに結合することが可能なCARが提供される。
【0115】
本発明の別の態様では、Staphylococci、Streptococcus、Escherichia coli、PseudomonasまたはSalmonellaの細菌株に由来する抗原に結合することが可能なCARが提供される。特に、感染性細菌、例えば、Helicobacter pyloris、Legionella pneumophilia、Mycobacteria sps.の細菌株(例えば、M.tuberculosis、M.avium、M.intracellulare、M.kansaiiまたはM.gordonea)、Staphylococcus aureus、Neisseria gonorrhoeae、Neisseria meningitides、Listeria monocytogenes、Streptococcus pyogenes、A群Streptococcus、B群Streptococcus(Streptococcus agalactiae)、Streptococcus pneumoniaeもしくはClostridium tetaniに由来する抗原、またはそれらの組合せに結合することが可能なCARが提供される。
【0116】
2.膜貫通ドメイン
本明細書に開示される患者特異的自家抗腫瘍リンパ球細胞集団(複数可)において使用されるDuoCARでは、CARは、CARの細胞外ドメインに融合された1または複数の膜貫通ドメインを含む。
【0117】
一実施形態では、コードされるリンカードメインが、CD8の細胞外ドメインに由来し、膜貫通ドメインに連結される、単離された核酸分子が提供される。
【0118】
一実施形態では、コードされるリンカードメインが、膜貫通ドメインの細胞外ドメインに由来し、膜貫通ドメインに連結される、単離された核酸分子が提供される。
【0119】
一部の場合には、膜貫通ドメインは、受容体複合体の他のメンバーとの相互作用を最小化するために、かかるドメインの、同じまたは異なる表面膜タンパク質の膜貫通ドメイン
への結合を回避するために、選択され得るまたはアミノ酸置換により得る。
【0120】
膜貫通ドメインは、天然供給源または合成供給源のいずれかに由来し得る。供給源が天然である場合、ドメインは、任意の膜結合型または膜貫通タンパク質に由来し得る。本発明において特に使用される膜貫通領域は、T細胞受容体のアルファ、ベータまたはゼータ鎖、CD28、CD3イプシロン、CD45、CD4、CD5、CD8、CD9、CD16、CD22、CD33、CD37、CD64、CD80、CD86、CD134、CD137、CD154、CD271、TNFRSF19、FcイプシロンR、またはそれらの任意の組合せに由来し得る(即ち、それらの膜貫通領域(複数可)を少なくとも含み得る)。あるいは、膜貫通ドメインは、合成であり得、その場合、ロイシンおよびバリンなどの疎水性残基を優勢に含む。好ましくは、フェニルアラニン、トリプトファンおよびバリンの三つ組が、合成膜貫通ドメインの各末端において見出される。任意選択で、短いオリゴペプチドリンカーまたはポリペプチドリンカー、好ましくは2アミノ酸長と10アミノ酸長との間が、CARの膜貫通ドメインと細胞質シグナル伝達ドメインとの間での連結を形成し得る。グリシン-セリン二重または三重アラニンモチーフは、特に好適なリンカーを提供する。
【0121】
一実施形態では、本発明のCAR中の膜貫通ドメインは、CD8膜貫通ドメインである。一実施形態では、CD8膜貫通ドメインは、配列番号11の核酸配列を含む。一実施形態では、CD8膜貫通ドメインは、配列番号12のアミノ酸配列をコードする核酸配列を含む。別の実施形態では、CD8膜貫通ドメインは、配列番号12のアミノ酸配列を含む。
【0122】
一部の場合には、CARの膜貫通ドメインは、CD8アルファヒンジドメインを含む。一実施形態では、CD8ヒンジドメインは、配列番号13の核酸配列を含む。一実施形態では、CD8ヒンジドメインは、配列番号14のアミノ酸配列をコードする核酸配列を含む。別の実施形態では、CD8ヒンジドメインは、配列番号14のアミノ酸配列を含む。
【0123】
任意の特定の作用機構に限定する意図はないが、本発明の本明細書に開示される患者特異的自家抗腫瘍リンパ球細胞集団(複数可)において使用される例示的なDuoCARと関連する増強された治療機能の可能な理由には、例えば、限定としてではなく、a)より効率的なシグナル伝達を可能にする、原形質膜内での改善された側方の動き、b)脂質ラフトなどの原形質膜マイクロドメイン内の優れた位置、およびT細胞活性化と関連する膜貫通シグナル伝達カスケードと相互作用するより高い能力、c)抑制的もしくは下方調節性の相互作用から離れる優先的な動きによる、原形質膜内の優れた位置、例えば、CD45などのホスファターゼとあまり近接していないこと、もしくはそれとのより少ない相互作用、ならびにd)T細胞受容体シグナル伝達複合体(即ち、免疫シナプス)への優れたアセンブリ、またはそれらの任意の組合せが含まれると考えられる。
【0124】
本明細書に開示される患者特異的自家抗腫瘍リンパ球細胞集団(複数可)の一実施形態では、本明細書に開示されるDuoCARにおいて使用される非限定的な例示的な膜貫通ドメインには、TNFRSF16が含まれ、TNFRSF19膜貫通ドメインは、出願人の同時係属中の仮特許出願第62/239,509号、表題CHIMERIC ANTIGEN RECEPTORS AND METHODS OF USE、2015年10月9日出願、および譲渡されたLentigen Technology,Inc.の案件番号LEN_015PROに開示されたような、特に、その中の表Iに列挙された腫瘍壊死因子受容体スーパーファミリー内に列挙された他のTNFRSFメンバーを含む、TNFRSF膜貫通ドメインおよび/またはリンカーもしくはスペーサードメインを誘導するために使用され得る。
【0125】
3.スペーサードメイン
本明細書に開示される患者特異的自家抗腫瘍リンパ球細胞集団(複数可)において使用されるDuoCARでは、スペーサードメインは、細胞外ドメインとTNFRSF膜貫通ドメインとの間、または細胞内ドメインとTNFRSF膜貫通ドメインとの間に配置され得る。スペーサードメインは、TNFRSF膜貫通ドメインを細胞外ドメインと連結させるように、および/またはTNFRSF膜貫通ドメインを細胞内ドメインと連結させるように機能する、任意のオリゴペプチドまたはポリペプチドを意味する。スペーサードメインは、最大で300アミノ酸、好ましくは10~100アミノ酸、最も好ましくは25~50アミノ酸を含む。
【0126】
いくつかの実施形態では、リンカーは、存在する場合には、リンカーのサイズを増加させ、その結果、エフェクター分子または検出可能なマーカーと抗体または抗原結合性断片との間の距離が増加される、スペーサーエレメントを含み得る。例示的なスペーサーは、当業者に公知であり、これには、米国特許第7,964,566号、米国特許第7,498,298号、米国特許第6,884,869号、米国特許第6,323,315号、米国特許第6,239,104号、米国特許第6,034,065号、米国特許第5,780,588号、米国特許第5,665,860号、米国特許第5,663,149号、米国特許第5,635,483号、米国特許第5,599,902号、米国特許第5,554,725号、米国特許第5,530,097号、米国特許第5,521,284号、米国特許第5,504,191号、米国特許第5,410,024号、米国特許第5,138,036号、米国特許第5,076,973号、米国特許第4,986,988号、米国特許第4,978,744号、米国特許第4,879,278号、米国特許第4,816,444号および米国特許第4,486,414号、ならびに米国特許出願公開第20110212088号および米国特許出願公開第20110070248号中に列挙されるものが含まれ、その各々は、その全内容が参照により本明細書に組み込まれる。
【0127】
スペーサードメインは、好ましくは、抗原とのCARの結合を促進し、細胞中へのシグナル伝達を増強する配列を有する。結合を促進すると予測されるアミノ酸の例には、システイン、荷電アミノ酸、ならびに潜在的グリコシル化部位中のセリンおよびスレオニンが含まれ、これらのアミノ酸は、スペーサードメインを構成するアミノ酸として使用され得る。
【0128】
スペーサードメインとして、CD8アルファ(NCBI RefSeq:NP_001759.3)のヒンジ領域を含むアミノ酸番号137~206(配列番号15)、CD8ベータ(GenBank:AAA35664.1)のアミノ酸番号135~195、CD4(NCBI RefSeq:NP_000607.1)のアミノ酸番号315~396、またはCD28(NCBI RefSeq:NP_006130.1)のアミノ酸番号137~152の全体または一部が使用され得る。また、スペーサードメインとして、抗体H鎖またはL鎖の定常領域の一部(CH1領域またはCL領域、例えば、配列番号16に示されるアミノ酸配列を有するペプチド)が使用され得る。さらに、スペーサードメインは、人工的に合成された配列であり得る。
【0129】
さらに、CARでは、シグナルペプチド配列が、N末端に連結され得る。シグナルペプチド配列は、多くの分泌タンパク質および膜タンパク質のN末端に存在し、15~30アミノ酸の長さを有する。細胞内ドメインとして上で言及されるタンパク質分子の多くは、シグナルペプチド配列を有するので、これらのシグナルペプチドがCARのためのシグナルペプチドとして使用され得る。一実施形態ではシグナルペプチドは、配列番号5に示されるリーダー(シグナルペプチド)配列のヌクレオチド配列を含む。一実施形態では、シグナルペプチドは、配列番号6に示されるアミノ酸配列を含む。
【0130】
4.細胞内ドメイン
CARの細胞質ドメインまたはさもなければ細胞内シグナル伝達ドメインは、CARが中に置かれた免疫細胞の正常なエフェクター機能のうち少なくとも1つの活性化を担う。用語「エフェクター機能」とは、細胞の特殊化した機能を指す。例えば、T細胞のエフェクター機能は、サイトカインの分泌を含む細胞溶解活性またはヘルパー活性であり得る。したがって、用語「細胞内シグナル伝達ドメイン」とは、エフェクター機能シグナルを伝達し、特殊化した機能を実行するように細胞を指示する、タンパク質の部分を指す。通常は細胞内シグナル伝達ドメイン全体が使用され得るが、多くの場合、鎖全体を使用する必要はない。細胞内シグナル伝達ドメインの短縮された部分が使用される限りにおいて、かかる短縮された部分は、それがエフェクター機能シグナルを伝達する限り、インタクトな鎖の代わりに使用され得る。したがって、用語、細胞内シグナル伝達ドメインとは、エフェクター機能シグナルを伝達するのに十分な、細胞内シグナル伝達ドメインの任意の短縮された部分を含むことを意味する。
【0131】
CARでの使用のための細胞内シグナル伝達ドメインの好ましい例には、抗原受容体係合後にシグナル伝達を開始させるように協力して作用するT細胞受容体(TCR)および共受容体の細胞質配列、ならびにこれらの配列の任意の誘導体もしくはバリアント、および同じ機能的能力を有する任意の合成配列が含まれる。
【0132】
TCR単独を通じて生成されるシグナルが、T細胞の完全な活性化には不十分であること、および二次または共刺激シグナルもまた必要とされることは公知である。したがって、T細胞活性化は、2つの別個のクラスの細胞質シグナル伝達配列によって媒介されると言われ得る:TCRを介した抗原依存的な一次活性化を開始させるもの(一次細胞質シグナル伝達配列)および二次または共刺激シグナルを提供するように抗原依存的に作用するもの(二次細胞質シグナル伝達配列)。
【0133】
一次細胞質シグナル伝達配列は、刺激性の方法または阻害性の方法のいずれかで、TCR複合体の一次活性化を調節する。刺激性の様式で作用する一次細胞質シグナル伝達配列は、免疫受容活性化チロシンモチーフまたはITAMとして公知のシグナル伝達モチーフを含有し得る。
【0134】
本明細書に開示されるCARにおいて特に使用される一次細胞質シグナル伝達配列を含有するITAMの例には、TCRゼータ(CD3ゼータ)、FcRガンマ、FcRベータ、CD3ガンマ、CD3デルタ、CD3イプシロン、CD5、CD22、CD79a、CD79bおよびCD66dに由来するものが含まれる。ITAMの具体的な非限定的な例には、CD3ゼータ(NCBI RefSeq:NP_932170.1)のアミノ酸番号51~164、FcイプシロンRIガンマ(NCBI RefSeq:NP_004097.1)のアミノ酸番号45~86、FcイプシロンRIベータ(NCBI RefSeq:NP_000130.1)のアミノ酸番号201~244、CD3ガンマ(NCBI RefSeq:NP_000064.1)のアミノ酸番号139~182、CD3デルタ(NCBI RefSeq:NP_000723.1)のアミノ酸番号128~171、CD3イプシロン(NCBI RefSeq:NP_000724.1)のアミノ酸番号153~207、CD5(NCBI RefSeq:NP_055022.2)のアミノ酸番号402~495、0022(NCBI RefSeq:NP_001762.2)のアミノ酸番号707~847、CD79a(NCBI RefSeq:NP_001774.1)のアミノ酸番号166~226、CD79b(NCBI RefSeq:NP_000617.1)のアミノ酸番号182~229、およびCD66d(NCBI
RefSeq:NP_001806.2)のアミノ酸番号177~252の配列を有するペプチド、ならびにこれらのペプチドが有するのと同じ機能を有するそれらのバリアントが含まれる。本明細書に記載されるNCBI RefSeq IDまたはGenBan
kのアミノ酸配列情報に基づくアミノ酸番号は、各タンパク質の前駆体(シグナルペプチド配列などを含む)の全長に基づいて番号付けされる。一実施形態では、CAR中の細胞質シグナル伝達分子は、CD3ゼータに由来する細胞質シグナル伝達配列を含む。別の実施形態では、CD3ゼータ中の1つ、2つまたは3つのITAMモチーフは、別のアミノ酸によるチロシン残基の変異または置換によって減弱される。
【0135】
好ましい実施形態では、CARの細胞内ドメインは、それ自体で、またはCARの状況で有用な任意の他の所望の細胞質ドメイン(複数可)と組み合わせて、CD3-ゼータシグナル伝達ドメインを含むように設計され得る。例えば、CARの細胞内ドメインは、CD3ゼータ鎖部分および共刺激シグナル伝達領域を含み得る。共刺激シグナル伝達領域とは、共刺激分子の細胞内ドメインを含むCARの一部分を指す。共刺激分子は、抗原に対するリンパ球の効率的な応答のために必要とされる、抗原受容体またはそれらのリガンド以外の細胞表面分子である。かかる共刺激分子の例には、CD27、CD28、4-1BB(CD137)、OX40、CD30、CD40、PD-1、ICOS、リンパ球機能関連抗原-1(LFA-1)、CD2、CD7、LIGHT、NKG2C、B7-H3、およびCD83と特異的に結合するリガンドなどが含まれる。かかる共刺激分子の具体的な非限定的な例には、CD2(NCBI RefSeq:NP_001758.2)のアミノ酸番号236~351、CD4(NCBI RefSeq:NP_000607.1)のアミノ酸番号421~458、CD5(NCBI RefSeq:NP_055022.2)のアミノ酸番号402~495、CD8アルファ(NCBI RefSeq:NP_001759.3)のアミノ酸番号207~235、CD83(GenBank:AAA35664.1)のアミノ酸番号196~210、CD28(NCBI RefSeq:NP_006130.1)のアミノ酸番号181~220、CD137(4-1BB、NCBI RefSeq:NP_001552.2)のアミノ酸番号214~255、CD134(OX40、NCBI RefSeq:NP_003318.1)のアミノ酸番号241~277およびICOS(NCBI RefSeq:NP_036224.1)のアミノ酸番号166~199の配列を有するペプチド、ならびにこれらのペプチドが有するのと同じ機能を有するそれらのバリアントが含まれる。したがって、本明細書の開示は、4-1BBを共刺激シグナル伝達エレメントとして主に例示するが、他の共刺激エレメントが本開示の範囲内である。
【0136】
CARの細胞質シグナル伝達部分内の細胞質シグナル伝達配列は、ランダムにまたは特定された順序で、互いに連結され得る。任意選択で、短いオリゴペプチドリンカーまたはポリペプチドリンカー、好ましくは2アミノ酸長と10アミノ酸長との間が、連結を形成し得る。グリシン-セリン二つ組は、特に適切なリンカーを提供する。
【0137】
一実施形態では、細胞内ドメインは、CD3-ゼータのシグナル伝達ドメインおよびCD28のシグナル伝達ドメインを含むように設計される。別の実施形態では、細胞内ドメインは、CD3-ゼータのシグナル伝達ドメインおよび4-1BBのシグナル伝達ドメインを含むように設計される。さらに別の実施形態では、細胞内ドメインは、CD3-ゼータのシグナル伝達ドメインならびにCD28および4-1BBのシグナル伝達ドメインを含むように設計される。
【0138】
一実施形態では、CAR中の細胞内ドメインは、4-1BBのシグナル伝達ドメインおよびCD3-ゼータのシグナル伝達ドメインを含むように設計され、ここで、4-1BBのシグナル伝達ドメインは、配列番号17に示される核酸配列を含み、CD3-ゼータのシグナル伝達ドメインは、配列番号19に示される核酸配列を含む。
【0139】
一実施形態では、CAR中の細胞内ドメインは、4-1BBのシグナル伝達ドメインおよびCD3-ゼータのシグナル伝達ドメインを含むように設計され、ここで、4-1BB
のシグナル伝達ドメインは、配列番号18のアミノ酸配列をコードする核酸配列を含み、CD3-ゼータのシグナル伝達ドメインは、配列番号20のアミノ酸配列をコードする核酸配列を含む。
【0140】
一実施形態では、CAR中の細胞内ドメインは、4-1BBのシグナル伝達ドメインおよびCD3-ゼータのシグナル伝達ドメインを含むように設計され、ここで、4-1BBのシグナル伝達ドメインは、配列番号18に示されるアミノ酸配列を含み、CD3-ゼータのシグナル伝達ドメインは、配列番号20に示されるアミノ酸配列を含む。
【0141】
5.DuoCARのさらなる記載
本明細書で開示される患者特異的自家抗腫瘍リンパ球細胞集団(複数可)において使用されるDuoCARの機能的部分もまた、本発明の範囲内に明示的に含まれる。用語「機能的部分」とは、CARに関して使用する場合、本明細書に開示されるDuoCARの1または複数の任意の一部または断片を指し、この一部または断片は、それがその一部であるCAR(親CAR)の生物学的活性を保持する。機能的部分は、例えば、親CARと類似の程度、同じ程度、またはより高い程度まで、標的細胞を認識する能力、または疾患を検出、処置もしくは予防する能力を保持する、CRAの一部を包含する。親CARに関して、機能的部分は、例えば、親CARの約10%、25%、30%、50%、68%、80%、90%、95%以上を含み得る。
【0142】
機能的部分は、その部分のアミノ末端もしくはカルボキシ末端において、または両方の末端において、さらなるアミノ酸を含み得、このさらなるアミノ酸は、親CARのアミノ酸配列中には見出されない。望ましくは、さらなるアミノ酸は、例えば、標的細胞を認識し、がんを検出し、がんを処置または予防するなどの、機能的部分の生物学的機能を妨害しない。より望ましくは、さらなるアミノ酸は、親CARの生物学的活性と比較して、その生物学的活性を増強する。
【0143】
本明細書に開示されるDuoCARの機能的バリアントが、本開示の範囲内に含まれる。用語「機能的バリアント」とは、本明細書で使用する場合、親CARに対する実質的なまたは著しい配列同一性または類似性を有するCAR、ポリペプチドまたはタンパク質を指し、この機能的バリアントは、それがそのバリアントであるCARの生物学的活性を保持する。機能的バリアントは、例えば、親CARと類似の程度、同じ程度、またはより高い程度まで、標的細胞を認識する能力を保持する、本明細書に記載されるCAR(親CAR)のバリアントを包含する。親CARに関して、機能的バリアントは、例えば、親CARに対して、少なくとも約30%、50%、75%、80%、90%、98%以上、アミノ酸配列が同一であり得る。
【0144】
機能的バリアントは、例えば、少なくとも1つの保存的アミノ酸置換を有する親CARのアミノ酸配列を含み得る。あるいは、またはさらに、機能的バリアントは、少なくとも1つの非保存的アミノ酸置換を有する親CARのアミノ酸配列を含み得る。この場合、非保存的アミノ酸置換は、機能的バリアントの生物学的活性を妨害も阻害もしないことが好ましい。非保存的アミノ酸置換は、機能的バリアントの生物学的活性を増強し得、その結果、機能的バリアントの生物学的活性は、親CARと比較して増加される。
【0145】
DuoCARのアミノ酸置換は、好ましくは、保存的アミノ酸置換である。保存的アミノ酸置換は、当該分野で公知であり、これには、ある特定の物理的および/または化学的特性を有する1つのアミノ酸が、同じまたは類似の化学的または物理的特性を有する別のアミノ酸に交換されるアミノ酸置換が含まれる。例えば、保存的アミノ酸置換は、酸性/負に荷電した別の極性アミノ酸(例えば、AspまたはGlu)を置換する酸性/負に荷電した極性アミノ酸、非極性側鎖を有する別のアミノ酸(例えば、Ala、Gly、Va
l、He、Leu、Met、Phe、Pro、Trp、Cys、Valなど)を置換する非極性側鎖を有するアミノ酸、塩基性/正に荷電した別の極性アミノ酸(例えば、Lys、His、Argなど)を置換する塩基性/正に荷電した極性アミノ酸、極性側鎖を有する別の非荷電アミノ酸(例えば、Asn、Gin、Ser、Thr、Tyrなど)を置換する極性側鎖を有する非荷電アミノ酸、ベータ分岐側鎖を有する別のアミノ酸(例えば、He、ThrおよびVal)を置換するベータ分岐側鎖を有するアミノ酸、芳香族側鎖を有する別のアミノ酸(例えば、His、Phe、TrpおよびTyr)を置換する芳香族側鎖を有するアミノ酸などであり得る。
【0146】
CARは、本明細書に記載される特定されたアミノ酸配列(単数または複数)から本質的になり得、その結果、他の構成要素、例えば、他のアミノ酸は、機能的バリアントの生物学的活性を著しくは変化させない。
【0147】
DuoCAR(機能的部分および機能的バリアントを含む)は、任意の長さであり得る、即ち、任意の数のアミノ酸を含み、但し、DuoCAR(またはその機能的部分もしくは機能的バリアント)は、それらの生物学的活性、例えば、抗原に特異的に結合する能力、哺乳動物において罹患細胞を検出する能力、または哺乳動物において疾患を処置もしくは予防する能力などを保持する。例えば、CARは、約50~約5000アミノ酸長、例えば、50、70、75、100、125、150、175、200、300、400、500、600、700、800、900、1000以上アミノ酸長であり得る。
【0148】
DuoCAR(本発明の機能的部分および機能的バリアントを含む)は、1または複数の天然に存在するアミノ酸の代わりに合成アミノ酸を含み得る。かかる合成アミノ酸は、当該分野で公知であり、これには、例えば、アミノシクロヘキサンカルボン酸、ノルロイシン、-アミノ n-デカン酸、ホモセリン、S-アセチルアミノメチル-システイン、トランス-3-ヒドロキシプロリンおよびトランス-4-ヒドロキシプロリン、4-アミノフェニルアラニン、4-ニトロフェニルアラニン、4-クロロフェニルアラニン、4-カルボキシフェニルアラニン、β-フェニルセリン、β-ヒドロキシフェニルアラニン、フェニルグリシン、a-ナフチルアラニン、シクロヘキシルアラニン、シクロヘキシルグリシン、インドリン-2-カルボン酸、1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン-3-カルボン酸、アミノマロン酸、アミノマロン酸モノアミド、N’-ベンジル-N’-メチル-リシン、Ν’,Ν’-ジベンジル-リシン、6-ヒドロキシリシン、オルニチン、-アミノシクロペンタンカルボン酸、a-アミノシクロヘキサンカルボン酸、a-アミノシクロヘプタンカルボン酸、a-(2-アミノ-2-ノルボルナン)-カルボン酸、γ-ジアミノ酪酸、β-ジアミノプロピオン酸、ホモフェニルアラニンおよびa-tert-ブチルグリシンが含まれる。
【0149】
DuoCAR(機能的部分および機能的バリアントを含む)は、グリコシル化、アミド化、カルボキシル化、リン酸化、エステル化、N-アシル化、例えばジスルフィド架橋を介した環化、もしくは酸付加塩へ変換および/または任意選択で二量体化もしくは重合、あるいはコンジュゲートされ得る。
【0150】
DuoCAR(その機能的部分および機能的バリアントを含む)は、当該分野で公知の方法によって得られ得る。DuoCARは、ポリペプチドまたはタンパク質を作製する任意の適切な方法によって作製され得る。ポリペプチドおよびタンパク質をデノボ合成する適切な方法は、Chanら、Fmoc Solid Phase Peptide Synthesis、Oxford University Press、Oxford、United Kingdom、2000年;Peptide and Protein Drug Analysis、Reid,R.編、Marcel Dekker,Inc.、2000年;Epitope Mapping、Westwoodら編、Oxfor
d University Press、Oxford、United Kingdom、2001年;および米国特許第5,449,752号などの参考文献に記載されている。キメラ抗原受容体を生成する方法、かかる受容体を含むT細胞、およびそれらの使用(例えば、がんの処置のため)は、当該分野で公知であり、本明細書にさらに記載されている(例えば、その各々が、その全内容が参照により本明細書に組み込まれる、Brentjensら、2010年、Molecular Therapy、18巻:4号、666~668頁;Morganら、2010年、Molecular Therapy、オンライン公開2月23日、2010年、1~9頁;Tillら、2008年、Blood、112巻:2261~2271頁;Parkら、Trends Biotechnol.、29巻:550~557頁、2011年;Gruppら、N Engl J Med.、368巻:1509~1518頁、2013年;Hanら、J.Hematol Oncol.、6巻:47頁、2013年;Tumainiら、Cytotherapy、15巻、1406~1417頁、2013年;Hasoら、(2013年)Blood、121巻、1165~1174頁;PCT公開WO2012/079000、WO2013/126726;および米国特許出願公開第2012/0213783号を参照のこと)。例えば、開示されたキメラ抗原結合性受容体をコードする核酸分子は、開示されたCARを作製するために、T細胞などの宿主細胞に形質導入するために使用される発現ベクター(例えば、レンチウイルスベクター)中に含まれ得る。一部の実施形態では、キメラ抗原受容体を使用する方法は、対象からT細胞を単離するステップ、キメラ抗原受容体をコードする発現ベクター(例えば、レンチウイルスベクター)をT細胞に形質導入するステップ、および対象における処置、例えば腫瘍の処置のために、CAR発現T細胞を対象に投与するステップを含む。
【0151】
B.抗体および抗原結合性断片
一実施形態は、本明細書に開示される患者特異的自家抗腫瘍リンパ球細胞集団(複数可)において使用されるCAR、CARを発現するT細胞、本明細書で開示された抗原のうち1または複数に特異的に結合する抗体またはその抗原結合性ドメインもしくは部分をさらに提供する。本明細書で使用する場合、「CARを発現するT細胞」または「CAR T細胞」とは、CARを発現するT細胞を意味し、例えば、CARの抗体由来の標的化ドメインによって決定される抗原特異性を有する。
【0152】
本明細書で使用する場合、「抗原結合性ドメイン」は、抗体およびその抗原結合性断片を含み得る。用語「抗体」は、最も広い意味で本明細書において使用され、それらが所望の抗原結合活性を示す限り、モノクローナル抗体、ポリクローナル抗体、多特異的抗体(例えば、二重特異的抗体)、およびそれらの抗原結合性断片を含むがこれらに限定されない種々の抗体構造を包含する。抗体の非限定的な例には、例えば、当該分野で公知のインタクトな免疫グロブリン、ならびに抗原に対する結合親和性を保持するそのバリアントおよび断片が含まれる。
【0153】
「モノクローナル抗体」は、実質的に均質な抗体の集団から得られた抗体である、即ち、集団を構成する個々の抗体は、微量で存在し得る可能な天然に存在する変異を除いて同一である。モノクローナル抗体は、高度に特異的であり、単一の抗原性エピトープに対するものである。修飾語「モノクローナル」は、抗体の実質的に均質な集団から得られるという抗体の特徴を示すのであって、任意の特定の方法による抗体の産生を必要とすると解釈すべきではない。一部の例では、モノクローナル抗体は、単一クローンのBリンパ球によって産生された抗体、または単一の抗体(またはその抗原結合性断片)の抗体の軽鎖および重鎖可変領域をコードする核酸がトランスフェクトされた細胞、もしくはその子孫によって産生された抗体である。一部の例では、モノクローナル抗体は、対象から単離される。モノクローナル抗体は、抗原結合または他の免疫グロブリン機能に対する影響を実質的に有さない保存的アミノ酸置換を有し得る。モノクローナル抗体の産生の例示的な方法
は公知であり、例えば、Harlow & Lane、Antibodies,A Laboratory Manual、第2版 Cold Spring Harbor Publications、New York(2013年)を参照のこと。
【0154】
典型的には、免疫グロブリンは、ジスルフィド結合によって相互接続された重(H)鎖および軽(L)鎖を有する。免疫グロブリン遺伝子は、カッパ、ラムダ、アルファ、ガンマ、デルタ、イプシロンおよびミュー定常領域遺伝子、ならびに無数の免疫グロブリン可変ドメイン遺伝子を含む。2つの型の軽鎖、ラムダ(λ)およびカッパ(κ)が存在する。抗体分子の機能的活性を決定する5つの主要な重鎖クラス(またはアイソタイプ):IgM、IgD、IgG、IgAおよびIgEが存在する。
【0155】
各重鎖および軽鎖は、定常領域(または定常ドメイン)および可変領域(または可変ドメインを含有する;例えば、Kindtら Kuby Immunology、第6版、W.H.Freeman and Co.、91頁(2007年)を参照のこと)。いくつかの実施形態では、重鎖および軽鎖の可変領域は、組み合わさって、抗原に特異的に結合する。さらなる実施形態では、重鎖可変領域のみが必要とされる。例えば、重鎖のみからなる天然に存在するラクダ科動物(camelid)抗体は、軽鎖の非存在下で機能的かつ安
定である(例えば、Hamers-Castermanら、Nature、363巻:446~448頁、1993年;Sheriffら、Nat.Struct.Biol.、3巻:733~736頁、1996年を参照のこと)。「VH」または「VH」への言及は、抗原結合性断片、例えば、Fv、scFv、dsFvまたはFabのものを含む、抗体重鎖の可変領域を指す。「VL」または「VL」への言及は、Fv、scFv、dsFvまたはFabのものを含む、抗体軽鎖の可変ドメインを指す。
【0156】
軽鎖および重鎖の可変領域は、「相補性決定領域」または「CDR」とも呼ばれる3つの超可変領域によって中断された「フレームワーク」領域を含有する(例えば、Kabatら、Sequences of Proteins of Immunological Interest、U.S.Department of Health and Human Services、1991年を参照のこと)。異なる軽鎖または重鎖のフレームワーク領域の配列は、種内で比較的保存されている。構成成分である軽鎖および重鎖の組み合わされたフレームワーク領域である抗体のフレームワーク領域は、3次元空間にCDRを位置付けアラインさせるように機能する。
【0157】
CDRは主に、抗原のエピトープへの結合を担う。所与のCDRのアミノ酸配列境界は、Kabatら(「Sequences of Proteins of Immunological Interest」、第5版 Public Health Service、National Institutes of Health、Bethesda、MD、1991年;「Kabat」番号付けスキーム)、Al-Lazikaniら、(JMB 273巻、927~948頁、1997年;「Chothia」番号付けスキーム)、およびLefrancら(「 IMGT unique numbering for immunoglobulin and T cell receptor
variable domains and Ig superfamily V-like domains」、Dev.Comp.Immunol.、27巻:55~77頁、2003年;「IMGT」番号付けスキーム)に記載されるものを含む、いくつかの周知のスキームのいずれかを使用して容易に決定され得る。各鎖のCDRは、典型的には、CDR1、CDR2およびCDR3(N末端からC末端へ)と呼ばれ、典型的には、特定のCDRが位置する鎖によっても同定される。したがって、VH CDR3は、それが見出される抗体の重鎖の可変ドメイン由来のCDR3であるが、VL CDR1は、それが見出される抗体の軽鎖の可変ドメイン由来のCDR1である。軽鎖CDRは、LCDR1、LCDR2およびLCDR3と呼ばれる場合もある。重鎖CDRは、LCDR1、L
CDR2およびLCDR3と呼ばれる場合もある。
【0158】
「抗原結合性断片」は、同族抗原を特異的に認識する能力を保持する全長抗体の部分、ならびにかかる部分の種々の組合せである。抗原結合性断片の非限定的な例には、Fv、Fab、Fab’、Fab’-SH、F(ab’)2;ディアボディ(diabody);直鎖状抗体;単鎖抗体分子(例えば、scFv);および抗体断片から形成された多特異的抗体が含まれる。抗体断片には、抗体全体の改変によって産生された抗原結合性断片、または組換えDNA方法論を使用してde novoで合成された抗原結合性断片が含まれる(例えば、KontermannおよびDubel(編)、Antibody Engineering、1~2巻、第2版、Springer Press、2010年を参照のこと)。
【0159】
単鎖抗体(scFv)は、適切なポリペプチドリンカーによって連結された1または複数の抗体(複数可)のVHおよびVLドメインを遺伝学的に融合された単鎖分子として含有する遺伝子操作された分子である(例えば、Birdら、Science、242巻:423~426頁、1988年;Hustonら、Proc.Natl.Acad.Sci.、85巻:5879~5883頁、1988年;Ahmadら、Clin.Dev.Immunol.、2012年、doi:10.1155/2012/980250;Marbry、IDrugs、13巻:543~549頁、2010年を参照のこと)。scFv中のVHドメインおよびVLドメインの分子内配向は、典型的には、scFvにとって決定的ではない。したがって、両方の可能な配置(VHドメイン-リンカードメイン-VLドメイン;VLドメイン-リンカードメイン-VHドメイン)を有するscFvが使用され得る。
【0160】
dsFvでは、重鎖および軽鎖の可変鎖は、鎖の会合を安定化させるために、ジスルフィド結合を導入するように変異されている。VHおよびVLドメインが、単一のポリペプチド鎖上で発現されるが、同じ鎖上の2つのドメイン間のペアリングを可能にするには短すぎるリンカーを使用し、それによって、そのドメインを別の鎖の相補的ドメインとペアリングさせ、2つの抗原結合部位を創出する、二価の二重特異的抗体であるディアボディもまた含まれる(例えば、Holligerら、Proc.Natl.Acad.Sci.、90巻:6444~6448頁、1993年;Poljakら、Structure、2巻:1121~1123頁、1994年を参照のこと)。
【0161】
抗体は、キメラ抗体(例えば、ヒト化マウス抗体)およびヘテロコンジュゲート抗体(例えば、二重特異的抗体)などの、遺伝子操作された形態もまた含む。Pierce Catalog and Handbook、1994~1995年(Pierce Chemical Co.、Rockford、IL);Kuby,J.、Immunology、第3版、W.H.Freeman & Co.、New York、1997年もまた参照のこと。
【0162】
天然に存在しない抗体は、固相ペプチド合成を使用して構築され得、組換え産生され得、または、例えば、参照により本明細書に組み込まれるHuseら、Science 246巻:1275~1281頁(1989年)に記載されるように、可変重鎖および可変軽鎖からなるコンビナトリアルライブラリーをスクリーニングすることによって得られ得る。例えば、キメラ、ヒト化、CDR移植、単鎖および二機能性抗体を作製するこれらおよび他の方法は、当業者に周知である(WinterおよびHarris、Immunol.Today 14巻:243~246頁(1993年);Wardら、Nature
341巻:544~546頁(1989年);HarlowおよびLane、上記、1988年;Hilyardら、Protein Engineering:A practical approach(IRL Press 1992年);Borrabec
k、Antibody Engineering、第2版(Oxford University Press 1995年);その各々は、参照により本明細書に組み込まれる)。
【0163】
参照抗体と「同じエピトープに結合する抗体」とは、競合アッセイにおいてその抗原への参照抗体の結合を50%以上遮断する抗体を指し、逆に、参照抗体は、競合アッセイにおいてその抗原への抗体の結合を50%以上遮断する。抗体競合アッセイは公知であり、例示的な競合アッセイが本明細書で提供される。
【0164】
「ヒト化」抗体または抗原結合性断片は、ヒトフレームワーク領域および非ヒト(例えば、マウス、ラットまたは合成)抗体または抗原結合性断片由来の1または複数のCDRを含む。CDRを提供する非ヒト抗体または抗原結合性断片は、「ドナー」と呼ばれ、フレームワークを提供するヒト抗体または抗原結合性断片は、「アクセプター」と呼ばれる。一実施形態では、全てのCDRが、ヒト化免疫グロブリン中のドナー免疫グロブリン由来である。定常領域は、存在する必要はないが、存在する場合には、ヒト免疫グロブリン定常領域と実質的に同一、例えば、少なくとも約85~90%、例えば、約95%以上同一であり得る。したがって、ヒト化抗体または抗原結合性断片の全ての部分は、おそらくはCDRを除いて、天然ヒト抗体配列の対応する部分と実質的に同一である。
【0165】
「キメラ抗体」は、典型的には異なる種のものである2つの異なる抗体に由来する配列を含む抗体である。一部の例では、キメラ抗体は、1つのヒト抗体由来の1または複数のCDRおよび/またはフレームワーク領域ならびに別のヒト抗体由来のCDRおよび/またはフレームワーク領域を含む。
【0166】
「完全ヒト抗体」または「ヒト抗体」は、ヒトゲノム由来の(またはヒトゲノムに由来する)配列を含むが、別の種由来の配列を含まない抗体である。一部の実施形態では、ヒト抗体は、ヒトゲノム由来の(またはヒトゲノムに由来する)CDR、フレームワーク領域および(存在する場合には)Fc領域を含む。ヒト抗体は、例えば、ファージディスプレイによって、ヒトゲノムに由来する配列に基づいて配列を創出するためのテクノロジーを使用して、またはトランスジェニック動物を使用して、同定および単離され得る(例えば、Barbasら Phage display:A Laboratory Manuel.第1版 New York:Cold Spring Harbor Laboratory Press、2004年 Print.;Lonberg、Nat.Biotech.、23巻:1117~1125頁、2005年;Lonenberg、Curr.Opin.Immunol.、20巻:450~459頁、2008年を参照のこと)。
【0167】
抗体は、1または複数の結合部位を有し得る。1よりも多い結合部位が存在する場合、これらの結合部位は、互いに同一であってもよく、異なってもよい。例えば、天然に存在する免疫グロブリンは、2つの同一の結合部位を有し、単鎖抗体またはFab断片は、1つの結合部位を有するが、二重特異的または二機能性抗体は、2つの異なる結合部位を有する。
【0168】
CARの任意の機能的部分に結合する能力について抗体を試験する方法は、当該分野で公知であり、これには、任意の抗体-抗原結合アッセイ、例えば、ラジオイムノアッセイ(RIA)、ELISA、ウエスタンブロット、免疫沈降および競合阻害アッセイなどが含まれる(例えば、Janewayら、以下、米国特許出願公開第2002/0197266号Al、および米国特許第7,338,929号を参照のこと)。
【0169】
また、CAR、CARを発現するT細胞、抗体またはその抗原結合性部分は、検出可能
な標識、例えば、放射性同位体、フルオロフォア(例えば、フルオレセインイソチオシアネート(FITC)、フィコエリトリン(PE))、酵素(例えば、アルカリホスファターゼ、西洋ワサビペルオキシダーゼ)および元素粒子(例えば、金粒子)などを含み得る。
【0170】
C.コンジュゲート
本明細書に開示される患者特異的自家抗腫瘍リンパ球細胞集団(複数可)において使用されるDuoCAR、CARを発現するT細胞、または本明細書に開示された抗原のうち1もしくは複数に対して特異的なモノクローナル抗体もしくはその抗原結合性断片は、当業者に公知のいくつもの手段を使用して、エフェクター分子または検出可能なマーカーなどの薬剤にコンジュゲートされ得る。共有結合および非共有結合の両方の手段が使用され得る。コンジュゲートには、本明細書に開示された抗原のうち1または複数に特異的に結合する抗体または抗原結合性断片へのエフェクター分子または検出可能なマーカーの共有結合的連結が存在する分子を含むがこれらに限定されない。当業者は、化学療法剤、抗血管新生剤、毒素、放射活性剤、例えば、125I、32P、14C、Hおよび35S、ならびに他の標識、標的部分およびリガンドなどを含む(がこれらに限定されない)種々のエフェクター分子および検出可能なマーカーが使用され得ることを理解する。
【0171】
特定のエフェクター分子または検出可能なマーカーの選択は、特定の標的分子または細胞、および所望の生物学的効果に依存する。したがって、例えば、エフェクター分子は、特定の標的細胞(例えば、腫瘍細胞)の死をもたらすために使用される細胞毒であり得る。
【0172】
エフェクター分子または検出可能なマーカーを抗体または抗原結合性断片に結合させるための手順は、エフェクターの化学構造に従って変動する。ポリペプチドは、典型的には、種々の官能基;例えば、カルボン酸(COOH)、遊離アミン(-NH)またはスルフヒドリル(-SH)基を含有し、これらは、エフェクター分子または検出可能なマーカーの結合を生じるための、抗体上の適切な官能基との反応のために利用可能である。あるいは、抗体または抗原結合性断片は、さらなる反応性官能基を曝露または結合するために誘導体化される。誘導体化は、Pierce Chemical Company、Rockford、ILから入手可能なものなどの、いくつかの公知のリンカー分子のいずれかの結合を含み得る。リンカーは、抗体または抗原結合性断片をエフェクター分子または検出可能なマーカーに結合させるために使用される任意の分子であり得る。リンカーは、抗体または抗原結合性断片およびエフェクター分子または検出可能なマーカーの両方への共有結合を形成することが可能である。適切なリンカーは、当業者に周知であり、これには、直鎖もしくは分岐鎖炭素リンカー、複素環式炭素リンカーまたはペプチドリンカーが含まれるがこれらに限定されない。抗体または抗原結合性断片およびエフェクター分子または検出可能なマーカーがポリペプチドである場合、リンカーは、それらの側基を介して(例えば、システインへのジスルフィド連結を介して)構成成分アミノ酸に、または末端アミノ酸のアルファ炭素のアミノおよびカルボキシル基に結合され得る。
【0173】
いくつかの実施形態では、リンカーは、存在する場合には、リンカーのサイズを増加させ、その結果、エフェクター分子または検出可能なマーカーと抗体または抗原結合性断片との間の距離が増加される、スペーサーエレメントを含み得る。例示的なスペーサーは、当業者に公知であり、これには、米国特許第7,964,566号、米国特許第7,498,298号、米国特許第6,884,869号、米国特許第6,323,315号、米国特許第6,239,104号、米国特許第6,034,065号、米国特許第5,780,588号、米国特許第5,665,860号、米国特許第5,663,149号、米国特許第5,635,483号、米国特許第5,599,902号、米国特許第5,554,725号、米国特許第5,530,097号、米国特許第5,521,284号、米
国特許第5,504,191号、米国特許第5,410,024号、米国特許第5,138,036号、米国特許第5,076,973号、米国特許第4,986,988号、米国特許第4,978,744号、米国特許第4,879,278号、米国特許第4,816,444号および米国特許第4,486,414号、ならびに米国特許出願公開第20110212088号および米国特許出願公開第20110070248号中に列挙されるものが含まれ、その各々は、その全内容が参照により本明細書に組み込まれる。
【0174】
一部の実施形態では、リンカーは、細胞内条件下で切断可能であり、その結果、リンカーの切断は、細胞内環境中で、抗体または抗原結合性断片からエフェクター分子または検出可能なマーカーを放出させる。さらに他の実施形態では、リンカーは切断不能であり、エフェクター分子または検出可能なマーカーは、例えば、抗体分解によって放出される。一部の実施形態では、リンカーは、細胞内環境中(例えば、リソソームまたはエンドソームまたはカベオラ内)に存在する切断剤によって切断可能である。リンカーは、例えば、リソソームまたはエンドソームプロテアーゼを含むがこれらに限定されない細胞内ペプチダーゼまたはプロテアーゼ酵素によって切断されるペプチドリンカーであり得る。一部の実施形態では、ペプチドリンカーは、少なくとも2アミノ酸長または少なくとも3アミノ酸長である。しかし、リンカーは、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14または15アミノ酸長、例えば、1~2、1~3、2~5、3~10、3~15、1~5、1~10、1~15アミノ酸長であり得る。プロテアーゼには、カテプシンBおよびDならびにプラスミンが含まれ得、その全ては、ジペプチド薬物誘導体を加水分解して、標的細胞の内側での活性薬物の放出を生じることが公知である(例えば、DubowchikおよびWalker、1999年、Pharm.Therapeutics 83巻:67~123頁を参照のこと)。例えば、チオール依存的プロテアーゼであるカテプシンBによって切断可能なペプチドリンカーが使用され得る(例えば、フェニルアラニン-ロイシンまたはグリシン-フェニルアラニン-ロイシン-グリシンリンカー)。かかるリンカーの他の例は、例えば、参照により本明細書に組み込まれる米国特許第6,214,345号に記載されている。具体的な実施形態では、細胞内プロテアーゼによって切断可能なペプチドリンカーは、バリン-シトルリン(Citruline)リンカーまたはフェニルアラニン-リシンリンカーである(例えば、バリン-シトルリンリンカーを用いたドキソルビシンの合成を記載する米国特許第6,214,345号を参照のこと)。
【0175】
他の実施形態では、切断可能なリンカーは、pH感受性、即ち、ある特定のpH値において加水分解に対して感受性である。典型的には、pH感受性リンカーは、酸性条件下で加水分解可能である。例えば、リソソームにおいて加水分解可能な酸不安定性リンカー(例えば、ヒドラゾン、セミカルバゾン、チオセミカルバゾン、シス-アコニットアミド(cis-aconitic amide)、オルトエステル、アセタール、ケタールなど)が使用され得る(例えば、米国特許第5,122,368号;米国特許第5,824,805号;米国特許第5,622,929号;DubowchikおよびWalker、1999年、Pharm.Therapeutics 83巻:67~123頁;Nevilleら、1989年、Biol.Chem.264巻:14653~14661頁を参照のこと)。かかるリンカーは、血液中などの中性のpH条件下で比較的安定であるが、リソソームのおよそのpHであるpH5.5または5.0を下回るpHでは不安定である。ある特定の実施形態では、加水分解可能なリンカーは、チオエーテルリンカー(例えば、アシルヒドラゾン結合を介して治療剤に結合されたチオエーテルなど)である(例えば、米国特許第5,622,929号を参照のこと)。
【0176】
他の実施形態では、リンカーは、還元条件下で切断可能である(例えば、ジスルフィドリンカー)。種々のジスルフィドリンカーが当該分野で公知であり、これには、例えば、SATA(N-スクシンイミジル-S-アセチルチオアセテート)、SPDP(N-スクシンイミジル-3-(2-ピリジルジチオ)プロピオネート)、SPDB(N-スクシン
イミジル-3-(2-ピリジルジチオ)ブチレート)およびSMPT(N-スクシンイミジル-オキシカルボニル-アルファ-メチル-アルファ-(2-ピリジル-ジチオ)トルエン)-、SPDBおよびSMPTを使用して形成され得るものが含まれる(例えば、Thorpeら、1987年、Cancer Res.47巻:5924~5931頁;Wawrzynczakら、 Immunoconjugates:Antibody C
onjugates in Radioimagery and Therapy of
Cancer(C.W.Vogel編、Oxford U.Press、1987年);Phillipsら、Cancer Res.68巻:9280~9290頁、2008年を参照のこと)。米国特許第4,880,935号もまた参照のこと。
【0177】
さらに他の具体的な実施形態では、リンカーは、マロネートリンカー(Johnsonら、1995年、Anticancer Res.15巻:1387~93頁)、マレイミドベンゾイルリンカー(Lauら、1995年、Bioorg-Med-Chem.3巻(10号):1299~1304頁)または3’-N-アミドアナログ(Lauら、1995年、Bioorg-Med-Chem.3巻(10号):1305~12頁)である。
【0178】
さらに他の実施形態では、リンカーは切断不能であり、エフェクター分子または検出可能なマーカーは、抗体分解によって放出される(その全内容が参照により本明細書に組み込まれる米国特許出願公開第2005/0238649号を参照のこと)。
【0179】
いくつかの実施形態では、リンカーは、細胞外環境中での切断に対して抵抗性である。例えば、コンジュゲートが細胞外環境中(例えば、血漿中)に存在する場合、コンジュゲートのサンプル中のリンカーの約20%以下、約15%以下、約10%以下、約5%以下、約3%以下、または約1%以下が切断される。リンカーが細胞外環境中での切断に対して抵抗性であるか否かは、例えば、目的のリンカーを含有するコンジュゲートを、所定の期間(例えば、2、4、8、16または24時間)にわたって血漿と共にインキュベートし、次いで、血漿中に存在する遊離のエフェクター分子または検出可能なマーカーの量を定量することによって決定され得る。コンジュゲート中で使用され得る種々の例示的なリンカーは、WO2004-010957、米国特許出願公開第2006/0074008号、米国特許出願公開第20050238649号および米国特許出願公開第2006/0024317号に記載されており、その各々は、その全内容が参照により本明細書に組み込まれる。
【0180】
いくつかの実施形態では、CARのコンジュゲート、CARを発現するT細胞、抗体またはその抗原結合性部分、および1または複数の小分子毒素、例えば、カリチアマイシン、マイタンシノイド(maytansinoid)、ドラスタチン、アウリスタチン(auristatin)、トリコテシンおよびCC1065ならびに毒素活性を有するこれらの毒素の誘導体が提供される。
【0181】
マイタンシノイド毒素部分としての使用に適切なマイタンシン(maytansine)化合物は、当該分野で周知であり、公知の方法に従って天然供給源から単離され得、遺伝子操作技術(Yuら(2002年)PNAS 99巻:7968~7973頁を参照のこと)、または公知の方法に従って合成により調製されたマイタンシノール(maytansinol)およびマイタンシノールアナログを使用して産生され得る。マイタンシノイドは、チューブリン重合を阻害することによって作用する有糸分裂阻害剤である。マイタンシンは、東アフリカの低木Maytenus serrataから最初に単離された(米国特許第3,896,111号)。引き続いて、ある特定の微生物もまた、マイタンシノールおよびC-3マイタンシノールエステルなどのマイタンシノイドを産生することが発見された(米国特許第4,151,042号)。合成マイタンシノールならびにその
誘導体およびアナログは、例えば、米国特許第4,137,230号;米国特許第4,248,870号;米国特許第4,256,746号;米国特許第4,260,608号;米国特許第4,265,814号;米国特許第4,294,757号;米国特許第4,307,016号;米国特許第4,308,268号;米国特許第4,308,269号;米国特許第4,309,428号;米国特許第4,313,946号;米国特許第4,315,929号;米国特許第4,317,821号;米国特許第4,322,348号;米国特許第4,331,598号;米国特許第4,361,650号;米国特許第4,364,866号;米国特許第4,424,219号;米国特許第4,450,254号;米国特許第4,362,663号;および米国特許第4,371,533号に開示されており,その各々は、参照により本明細書に組み込まれる。マイタンシノイドを含有するコンジュゲート、それを作製する方法、およびそれらの治療的使用は、例えば、米国特許第5,208,020号;米国特許第5,416,064号;米国特許第6,441,163号および欧州特許EP0 425 235 B1に開示されており、それらの開示は、参照により本明細書に明示的に組み込まれる。
【0182】
さらなる毒素が、CAR、CARを発現するT細胞、抗体またはその抗原結合性部分と共に使用され得る。例示的な毒素には、Pseudomonas外毒素(PE)、ヒマ毒、アブリン、ジフテリア毒素およびそのサブユニット、リボトキシン(ribotoxin)、リボヌクレアーゼ、サポリンおよびカリチアマイシン、ならびにボツリヌス毒素A~Fが含まれる。これらの毒素は、当該分野で周知であり、多くは、商業的供給源(例えば、Sigma Chemical Company、St.Louis、MO)から容易に入手可能である。企図される毒素には、これらの毒素のバリアントも含まれる(例えば、米国特許第5,079,163号および米国特許第4,689,401号を参照のこと)。
【0183】
サポリンは、リボソーム複合体の60S部分を不活性化することによってタンパク質合成を破壊する、Saponaria officinalisに由来する毒素である(Stirpeら、Bio/Technology、10巻:405~412頁、1992年)。しかし、この毒素は、細胞中への特異的進入のための機構を有さず、したがって、細胞によって効率的に取り込まれるために、内在化される細胞表面タンパク質を認識する抗体または抗原結合性断片へのコンジュゲートを必要とする。
【0184】
ジフテリア毒素は、Corynebacterium diphtheriaeから単離される。典型的には、免疫毒素における使用のためのジフテリア毒素は、非特異的毒性を低減または排除するために変異される。完全な酵素活性を有するが非特異的毒性が顕著に低減された、CRM107として公知の変異体は、1970年代以降公知であり(LairdおよびGroman、J.Virol.19巻:220頁、1976年)、ヒト臨床試験において使用されてきた。米国特許第5,792,458号および米国特許第5,208,021号を参照のこと。
【0185】
ヒマ毒は、Ricinus communis(トウゴマ)由来のレクチンRCA60である。ヒマ毒の例については、米国特許第5,079,163号および米国特許第4,689,401号を参照のこと。Ricinus communisアグルチニン(RCA)は、それぞれ、およそ65kDおよび120kDの分子量に従って、RCA60およびRCA120と称される2つの形態で存在する(NicholsonおよびBlaustein、J.Biochim.Biophys.Acta 266巻:543頁、1972年)。A鎖は、タンパク質合成の不活性化および細胞の死滅を担う。B鎖は、ヒマ毒を細胞表面ガラクトース残基に結合させ、細胞質ゾル中へのA鎖の輸送を促進する(Olsnesら、Nature 249巻:627~631頁、1974年および米国特許第3,060,165号)。
【0186】
リボヌクレアーゼもまた、免疫毒素としての使用のために標的化分子にコンジュゲートされてきた(Suzukiら、Nat.Biotech.17巻:265~70頁、1999年を参照のこと)。例示的なリボトキシン、例えば、α-サルシン(α-sarcin)およびレストリクトシン(restrictocin)は、例えば、Rathoreら、Gene 190巻:31~5頁、1997年;ならびにGoyalおよびBatra、Biochem.345巻2部:247~54頁、2000年で議論されている。カリチアマイシンは、Micromonospora echinosporaから最初に単離されたものであり、DNA中にアポトーシスをもたらす二本鎖切断を生じさせて、エンジイン抗腫瘍抗生物質ファミリーのメンバーである(例えば、Leeら、J.Antibiot.42巻:1070~87頁、1989年を参照のこと)。この薬物は、臨床試験中の免疫毒素の毒性部分である(例えば、Gillespieら、Ann.Oncol.11巻:735~41頁、2000年を参照のこと)。
【0187】
アブリンは、Abrus precatorius由来の毒性レクチンを含む。毒性素であるアブリンa、b、cおよびdは、約63kDおよび67kDの分子量を有し、2つのジスルフィド連結されたポリペプチド鎖AおよびBから構成される。A鎖はタンパク質合成を阻害する;B鎖(アブリン-b)は、D-ガラクトース残基に結合する(Funatsuら、Agr.Biol.Chem.52巻:1095頁、1988年;およびOlsnes、Methods Enzymol.50巻:330~335頁、1978年を参照のこと)。
【0188】
患者特異的自家抗腫瘍リンパ球細胞集団(複数可)において使用されるCAR、CARを発現するT細胞、本明細書に開示された抗原のうち1または複数に対して特異的なモノクローナル抗体、その抗原結合性断片はまた、検出可能なマーカー;例えば、ELISA、分光光度法、フローサイトメトリー、顕微鏡法または画像診断技術(例えば、コンピュータ断層撮影(CT)、コンピュータ体軸断層撮影(computed axial tomography)(CAT)スキャン、磁気共鳴画像法(MRI)、核磁気共鳴画像法(NMRI)、磁気共鳴断層撮影(MTR)、超音波、光ファイバー試験および腹腔鏡下試験)による検出が可能な検出可能なマーカーとコンジュゲートされ得る。検出可能なマーカーの具体的な非限定的な例には、フルオロフォア、化学発光剤、酵素的連結、放射活性同位体および重金属または化合物(例えば、MRIによる検出のための超常磁性酸化鉄ナノ結晶)が含まれる。例えば、有用な検出可能なマーカーには、フルオレセイン、フルオレセインイソチオシアネート、ローダミン、5-ジメチルアミン-1-ナフタレンスルホニル(napthalenesulfonyl)塩化物、フィコエリトリン、ランタニドリン蛍光体などを含む蛍光化合物が含まれる。ルシフェラーゼ、緑色蛍光タンパク質(GFP)、黄色蛍光タンパク質(YFP)などの生物発光マーカーもまた使用される。CAR、CARを発現するT細胞、抗体またはその抗原結合性部分は、検出のために有用な酵素、例えば、西洋ワサビペルオキシダーゼ、β-ガラクトシダーゼ、ルシフェラーゼ、アルカリホスファターゼ、グルコースオキシダーゼなどにもコンジュゲートされ得る。CAR、CARを発現するT細胞、抗体またはその抗原結合性部分が、検出可能な酵素とコンジュゲートされる場合、それは、識別できる反応産物を産生するために酵素が使用するさらなる試薬を添加することによって検出され得る。例えば、薬剤西洋ワサビペルオキシダーゼが存在する場合、過酸化水素およびジアミノベンジジンの添加が、視覚的に検出可能な着色反応産物をもたらす。CAR、CARを発現するT細胞、抗体またはその抗原結合性部分はまた、ビオチンとコンジュゲートされ得、アビジンまたはストレプトアビジンの結合の間接的な測定を介して検出され得る。アビジン自体が酵素または蛍光標識とコンジュゲートされ得ることに留意すべきである。
【0189】
CAR、CARを発現するT細胞、抗体またはその抗原結合性部分は、ガドリニウムな
どの常磁性薬剤とコンジュゲートされ得る。超常磁性酸化鉄などの常磁性薬剤もまた、標識として使用される。抗体は、ランタニド(例えば、ユーロピウムおよびジスプロシウム)およびマンガンともコンジュゲートされ得る。抗体または抗原結合性断片はまた、二次レポーターによって認識される所定のポリペプチドエピトープ(例えば、ロイシンジッパー対配列、二次抗体への結合部位、金属結合ドメイン、エピトープタグ)で標識され得る。
【0190】
CAR、CARを発現するT細胞、抗体またはその抗原結合性部分はまた、放射標識されたアミノ酸とコンジュゲートされ得る。放射標識は、診断目的および治療目的の両方のために使用され得る。例えば、放射標識は、x線、発光スペクトルまたは他の診断技術によって本明細書に開示された抗原および抗原発現細胞のうち1または複数を検出するために使用され得る。さらに、放射標識は、対象における腫瘍の処置のため、例えば、神経芽細胞腫の処置のために、毒素として治療的に使用され得る。ポリペプチドのための標識の例には、以下の放射性同位体または放射性ヌクレオチド(radionucleotide)が含まれるがこれらに限定されない:H、14C、15N、35S、90Y、99Tc、111In、125I、131I。
【0191】
かかる検出可能なマーカーを検出する手段は、当業者に周知である。したがって、例えば、放射標識は、写真フィルムまたはシンチレーションカウンターを使用して検出され得、蛍光マーカーは、発せられた照明を検出するために光検出器を使用して検出され得る。酵素標識は、典型的には、酵素に基質を提供し、基質に対する酵素の作用によって産生された反応産物を検出することによって検出され、発色標識は、着色標識を単純に可視化することによって検出される。
【0192】
D.ヌクレオチド、発現、ベクターおよび宿主細胞
本明細書に記載されるDuoCAR、抗体またはその抗原結合性部分(その機能的部分および機能的バリアントを含む)のいずれかをコードするヌクレオチド配列を含む核酸が、本発明の一実施形態によってさらに提供される。本発明の核酸は、本明細書に記載されるリーダー配列、抗原結合性ドメイン、膜貫通ドメインおよび/または細胞内T細胞シグナル伝達ドメインのいずれかをコードするヌクレオチド配列を含み得る。
【0193】
一実施形態では、N末端からC末端へ、少なくとも1つの細胞外抗原結合性ドメイン、少なくとも1つの膜貫通ドメインおよび少なくとも1つの細胞内シグナル伝達ドメインを含むキメラ抗原受容体(DuoCAR)をコードする単離された核酸分子が提供される。
【0194】
患者特異的自家抗腫瘍リンパ球細胞集団(複数可)において使用されるCARの一実施形態では、コードされる細胞外抗原結合性ドメインが、抗原に結合する抗体の少なくとも1つの単鎖可変断片を含む、CARをコードする単離された核酸分子が提供される。
【0195】
患者特異的自家抗腫瘍リンパ球細胞集団(複数可)において使用されるCARの別の実施形態では、コードされる細胞外抗原結合性ドメインが、抗原に結合する抗体の少なくとも1つの重鎖可変領域を含む、CARをコードする単離された核酸分子が提供される。
【0196】
患者特異的自家抗腫瘍リンパ球細胞集団(複数可)において使用されるCARのさらに別の実施形態では、コードされるCAR細胞外抗原結合性ドメインが、抗原に結合する少なくとも1つのリポカリンベースの抗原結合性抗原(アンチカリン(anticalin))を含む、CARをコードする単離された核酸分子が提供される。
【0197】
患者特異的自家抗腫瘍リンパ球細胞集団(複数可)において使用されるCARの一実施形態では、コードされる細胞外抗原結合性ドメインが、リンカードメインによって膜貫通
ドメインに接続される、単離された核酸分子が提供される。
【0198】
患者特異的自家抗腫瘍リンパ球細胞集団(複数可)において使用されるDuoCARの別の実施形態では、コードされる細胞外抗原結合性ドメインに、リーダーまたはシグナルペプチドをコードする配列が先行する、CARをコードする単離された核酸分子が提供される。
【0199】
患者特異的自家抗腫瘍リンパ球細胞集団(複数可)において使用されるDuoCARのさらに別の実施形態では、コードされる細胞外抗原結合性ドメインが、CD19、CD20、CD22、ROR1、メソセリン、CD33/IL3Ra、CD38、CD123(IL3RA)、CD138、BCMA(CD269)、GPC2、GPC3、FGFR4、c-Met、PSMA、糖脂質F77、EGFRvIII、GD-2、NY-ESO-1 TCR、MAGE A3 TCR、またはそれらの任意の組合せを含むがこれらに限定されない抗原を標的化する、CARをコードする単離された核酸分子が提供される。
【0200】
患者特異的自家抗腫瘍リンパ球細胞集団(複数可)において使用されるDuoCARのある特定の実施形態では、コードされる細胞外抗原結合性ドメインが、抗CD19 scFV抗原結合性ドメイン、抗CD20 scFV抗原結合性ドメイン、抗CD22 scFV抗原結合性ドメイン、抗ROR1 scFV抗原結合性ドメイン、抗TSLPR scFV抗原結合性ドメイン、抗メソセリンscFV抗原結合性ドメイン、抗CD33/IL3Ra scFV抗原結合性ドメイン、抗CD38 scFV抗原結合性ドメイン、抗CD123(IL3RA)scFV抗原結合性ドメイン、抗CD138 scFV抗原結合性ドメイン、抗BCMA(CD269)scFV抗原結合性ドメイン、抗GPC2 scFV抗原結合性ドメイン、抗GPC3 scFV抗原結合性ドメイン、抗FGFR4 scFV抗原結合性ドメイン、抗c-Met scFV抗原結合性ドメイン、抗PMSA
scFV抗原結合性ドメイン、抗糖脂質F77 scFV抗原結合性ドメイン、抗EGFRvIII scFV抗原結合性ドメイン、抗GD-2 scFV抗原結合性ドメイン、抗NY-ESo-1 TCR scFV抗原結合性ドメイン、抗MAGE A3 TCR scFV抗原結合性ドメイン、または85%、90%、95%、96%、97%、98%もしくは99%の同一性を有するそのアミノ酸配列、あるいはそれらの任意の組合せを含む、CARをコードする単離された核酸分子が提供される。
【0201】
患者特異的自家抗腫瘍リンパ球細胞集団(複数可)において使用されるDuoCARの一態様では、本明細書で提供されるDuoCARは、リンカードメインをさらに含む。
【0202】
患者特異的自家抗腫瘍リンパ球細胞集団(複数可)において使用されるDuoCARの一実施形態では、細胞外抗原結合性ドメイン、細胞内シグナル伝達ドメイン、またはその両方が、リンカードメインによって膜貫通ドメインに接続される、CARをコードする単離された核酸分子が提供される。
【0203】
患者特異的自家抗腫瘍リンパ球細胞集団(複数可)において使用されるDuoCARの一実施形態では、コードされるリンカードメインが、CD8の細胞外ドメインに由来し、膜貫通ドメインに連結される、CARをコードする単離された核酸分子が提供される。
【0204】
患者特異的自家抗腫瘍リンパ球細胞集団(複数可)において使用されるDuoCARのさらに別の実施形態では、膜貫通ドメインをコードする核酸配列が、85%、90%、95%、96%、97%、98%または99%の同一性を有するそのヌクレオチド配列を含む、CARをコードする単離された核酸分子が提供される。
【0205】
患者特異的自家抗腫瘍リンパ球細胞集団(複数可)において使用されるDuoCARの
一実施形態では、コードされる膜貫通ドメインが、少なくとも1つであるが10以下の改変を含むアミノ酸配列、または85%、90%、95%、96%、97%、98%もしくは99%の同一性を有するその配列を含む、CARをコードする単離された核酸分子が提供される。
【0206】
患者特異的自家抗腫瘍リンパ球細胞集団(複数可)において使用されるDuoCARの別の実施形態では、コードされるCARが、T細胞受容体のアルファ、ベータもしくはゼータ鎖、CD28、CD3イプシロン、CD45、CD4、CD5、CD8、CD9、CD16、CD22、CD33、CD37、CD64、CD80、CD86、CD134、CD137およびCD154、またはそれらの組合せからなる群から選択されるタンパク質の膜貫通ドメインを含む膜貫通ドメインをさらに含む、CARをコードする単離された核酸分子が提供される。
【0207】
患者特異的自家抗腫瘍リンパ球細胞集団(複数可)において使用されるDuoCARのさらに別の実施形態では、コードされる細胞内シグナル伝達ドメインが、CD3ゼータ細胞内ドメインをさらに含む、CARをコードする単離された核酸分子が提供される。
【0208】
本明細書に開示されるCARの一実施形態では、コードされる細胞内シグナル伝達ドメインが、CD3ゼータ細胞内ドメインに対してC末端側に配置される、CARをコードする単離された核酸分子が提供される。
【0209】
患者特異的自家抗腫瘍リンパ球細胞集団(複数可)において使用されるDuoCARの別の実施形態では、コードされる少なくとも1つの細胞内シグナル伝達ドメインが、共刺激ドメイン、一次シグナル伝達ドメイン、またはそれらの組合せを含む、CARをコードする単離された核酸分子が提供される。
【0210】
患者特異的自家抗腫瘍リンパ球細胞集団(複数可)において使用されるDuoCARのさらなる実施形態では、コードされる少なくとも1つの共刺激ドメインが、OX40、CD70、CD27、CD28、CD5、ICAM-1、LFA-1(CD11a/CD18)、ICOS(CD278)、DAP10、DAP12および4-1BB(CD137)の機能的シグナル伝達ドメイン、またはそれらの組合せを含む、CARをコードする単離された核酸分子が提供される。
【0211】
患者特異的自家抗腫瘍リンパ球細胞集団(複数可)において使用されるDuoCARの一実施形態では、リーダー配列またはシグナルペプチド配列をさらに含有する、CARをコードする単離された核酸分子が提供される。
【0212】
一部の実施形態では、ヌクレオチド配列は、コドン改変され得る。特定の理論に束縛されないが、ヌクレオチド配列のコドン最適化は、mRNA転写物の翻訳効率を増加させると考えられる。ヌクレオチド配列のコドン最適化は、ネイティブコドンを、同じアミノ酸をコードするが、細胞内でより容易に利用可能なtRNAによって翻訳され得る別のコドンに置換し、そうして翻訳効率を増加させることを含み得る。ヌクレオチド配列の最適化はまた、翻訳を妨害する二次mRNA構造を低減させ得、そうして翻訳効率を増加させる。
【0213】
本発明の実施形態では、核酸は、本発明のCARの抗原結合性ドメインをコードするコドン改変されたヌクレオチド配列を含み得る。本発明の別の実施形態では、核酸は、本明細書に記載されるDuoCAR(その機能的部分および機能的バリアントを含む)のいずれかをコードするコドン改変されたヌクレオチド配列を含み得る。
【0214】
「核酸」は、本明細書で使用する場合、「ポリヌクレオチド」、「オリゴヌクレオチド」および「核酸分子」を含み、一般に、一本鎖または二本鎖の、合成のまたは天然供給源から得られた(例えば、単離および/または精製された)ものであり得、天然、非天然または変更されたヌクレオチドを含有し得、未改変のオリゴヌクレオチドのヌクレオチド間に見出されるホスホジエステルの代わりに、天然、非天然または変更されたヌクレオチド間連結、例えば、ホスホロアミデート(phosphoroamidate)連結またはホスホロチオエート連結を含有し得る、DNAまたはRNAのポリマーを意味する。一部の実施形態では、核酸は、いずれの挿入、欠失、逆位および/または置換も含まない。しかし、一部の場合には、本明細書で議論されるように、核酸は、1または複数の挿入、欠失、逆位および/または置換を含むことが適切であり得る。
【0215】
組換え核酸は、天然に存在しない配列を有するもの、または配列の2つのさもなければ分離されたセグメントの人工的な組合せによって作製される配列を有するものであり得る。この人工的な組合せは、化学的合成によって、またはより一般的には、例えばSambrookら、上記に記載されるものなどの遺伝子操作技術による、核酸の単離されたセグメントの人工的操作によって達成される場合が多い。核酸は、当該分野で公知の手順を使用する化学的合成および/または酵素的ライゲーション反応に基づいて構築され得る。例えば、Sambrookら、上記およびAusubelら、上記を参照のこと。例えば、核酸は、天然に存在するヌクレオチド、または分子の生物学的安定性を増加させるように、もしくはハイブリダイゼーションの際に形成される二重鎖の物理的安定性を増加させるように設計された種々に改変されたヌクレオチド(例えば、ホスホロチオエート誘導体およびアクリジン置換ヌクレオチド)を使用して化学合成され得る。核酸を生成するために使用され得る改変型ヌクレオチドの例には、5-フルオロウラシル、5-ブロモウラシル、5-クロロウラシル、5-ヨードウラシル、ヒポキサンチン、キサンチン、4-アセチルシトシン、5-(カルボキシヒドロキシメチル)ウラシル、5-カルボキシメチルアミノメチル-2-チオウリジン、5-カルボキシメチルアミノメチルウラシル、ジヒドロウラシル、ベータ-D-ガラクトシルキューオシン(galactosylqueosine)、イノシン、N6-イソペンテニルアデニン、1-メチルグアニン、1-メチルイノシン、2,2-ジメチルグアニン、2-メチルアデニン、2-メチルグアニン、3-メチルシトシン、5-メチルシトシン、N6-置換されたアデニン、7-メチルグアニン、5-メチルアミノメチルウラシル、5-メトキシアミノメチル-2-チオウラシル、ベータ-D-マンノシルキューオシン(mannosylqueosine)、5’-メトキシカルボキシメチルウラシル、5-メトキシウラシル、2-メチルチオ-N6-イソペンテニルアデニン、ウラシル-5-オキシ酢酸(v)、ウブトキソシン(wybutoxosine)、シュードウラシル、キューオシン(queosine)、2-チオシトシン、5-メチル-2-チオウラシル、2-チオウラシル、4-チオウラシル、5-メチルウラシル、ウラシル-5-オキシ酢酸メチルエステル、3-(3-アミノ-3-N-2-カルボキシプロピル)ウラシルおよび2,6-ジアミノプリンが含まれるがこれらに限定されない。あるいは、本発明の核酸のうち1または複数は、Integrated DNA Technologies(Coralville、IA、USA)などの会社から購入できる。
【0216】
核酸は、DuoCARまたはその機能的部分もしくは機能的バリアントのいずれかをコードする任意の単離または精製されたヌクレオチド配列を含み得る。あるいは、ヌクレオチド配列は、配列のいずれかと縮重するヌクレオチド配列、または縮重配列の組合せを含み得る。
【0217】
一実施形態は、本明細書に記載される核酸のいずれかのヌクレオチド配列と相補的であるヌクレオチド配列、または本明細書に記載される核酸のいずれかのヌクレオチド配列とストリンジェントな条件下でハイブリダイズするヌクレオチド配列を含む、単離または精
製された核酸もまた提供する。
【0218】
ストリンジェントな条件下でハイブリダイズするヌクレオチド配列は、高いストリンジェンシーの条件下でハイブリダイズし得る。「高いストリンジェンシーの条件」とは、ヌクレオチド配列が、非特異的ハイブリダイゼーションよりも検出可能に強い量で、標的配列(本明細書に記載される核酸のいずれかのヌクレオチド配列)に特異的にハイブリダイズすることを意味する。高いストリンジェンシーの条件には、ヌクレオチド配列と一致したいくつかの小領域(例えば、3~10塩基)を偶然に有するランダム配列から、正確に相補的な配列を有するポリヌクレオチド、またはいくつかの散在するミスマッチしか含有しないポリヌクレオチドを識別する条件が含まれる。相補性のかかる小領域は、14~17またはそれを超える塩基の全長相補体よりも容易に融解され、高いストリンジェンシーのハイブリダイゼーションは、それらを容易に識別可能にする。比較的高いストリンジェンシーの条件には、例えば、約0.02~0.1MのNaClまたは等価物によって、約50~70℃の温度で提供されるような、低塩および/または高温条件が含まれる。かかる高いストリンジェンシーの条件は、存在するとしても、ヌクレオチド配列と鋳型または標的鎖との間のミスマッチをほとんど忍容せず、本発明のDuoCARのいずれかの発現を検出するのに特に適切である。一般に、条件は、漸増量のホルムアミドの添加によって、よりストリンジェントにされ得ることが理解される。
【0219】
本明細書に記載される核酸のいずれかに対して、少なくとも約70%以上、例えば、約80%、約90%、約91%、約92%、約93%、約94%、約95%、約96%、約97%、約98%または約99%同一であるヌクレオチド配列を含む核酸もまた提供される。
【0220】
一実施形態では、核酸は、組換え発現ベクター中に取り込まれ得る。これに関して、一実施形態は、核酸のいずれかを含む組換え発現ベクターを提供する。本明細書の目的のために、用語「組換え発現ベクター」とは、構築物が、mRNA、タンパク質、ポリペプチドまたはペプチドをコードするヌクレオチド配列を含む場合、およびベクターが、mRNA、タンパク質、ポリペプチドまたはペプチドが細胞内で発現されるのに十分な条件下で細胞と接触させられる場合に、宿主細胞によるmRNA、タンパク質、ポリペプチドまたはペプチドの発現を可能にする、遺伝子改変されたオリゴヌクレオチドまたはポリヌクレオチド構築物を意味する。ベクターは、全体としては天然に存在しない。
【0221】
しかし、ベクターの一部は、天然に存在し得る。組換え発現ベクターは、一本鎖または二本鎖の、合成または一部天然供給源から得られたものであり得、天然、非天然または変更されたヌクレオチドを含有し得る、DNAおよびRNAを含むがこれらに限定されない任意の型のヌクレオチドを含み得る。組換え発現ベクターは、天然に存在するもしくは天然に存在しないヌクレオチド間連結、またはその両方の型の連結を含み得る。好ましくは、天然に存在しないまたは変更されたヌクレオチドまたはヌクレオチド間連結は、ベクターの転写も複製も邪魔しない。
【0222】
一実施形態では、組換え発現ベクターは、任意の適切な組換え発現ベクターであり得、任意の適切な宿主細胞を形質転換またはトランスフェクトするために使用され得る。適切なベクターには、プラスミドおよびウイルスなどの、繁殖および増殖のためもしくは発現のため、またはその両方のために設計されたものが含まれる。ベクターは、pUCシリーズ(Fermentas Life Sciences、Glen Burnie、MD)、pBluescriptシリーズ(Stratagene、LaJolla、CA)、pETシリーズ(Novagen、Madison、WI)、pGEXシリーズ(Pharmacia Biotech、Uppsala、Sweden)およびpEXシリーズ(Clontech、Palo Alto、CA)からなる群から選択され得る。
【0223】
バクテリオファージベクター、例えば、λυΤΙ Ο、λυΤΙ 1、λZapII(Stratagene)、EMBL4およびλΝΜΙ 149もまた使用され得る。植物発現ベクターの例には、pBIOl、pBI101.2、pBHOl.3、pBI121およびpBIN19(Clontech)が含まれる。動物発現ベクターの例には、pEUK-Cl、pMAMおよびpMAMneo(Clontech)が含まれる。組換え発現ベクターは、ウイルスベクター、例えば、レトロウイルスベクターまたはレンチウイルスベクターであり得る。レンチウイルスベクターは、特に、Miloneら、Mol.Ther.17巻(8号):1453~1464頁(2009年)に提供されるような自己不活性化レンチウイルスベクターを含む、レンチウイルスゲノムの少なくとも一部分に由来するベクターである。クリニックにおいて使用され得るレンチウイルスベクターの他の例には、例えば、限定としてではなく、Oxford BioMedica plcのLENTIVECTOR(登録商標)遺伝子送達テクノロジー、LentigenのLENTIMAX(商標)ベクター系などが含まれる。非臨床型のレンチウイルスベクターもまた利用可能であり、当業者に公知である。
【0224】
いくつかのトランスフェクション技術が、当該分野で一般に公知である(例えば、Grahamら、Virology、52巻:456~467頁(1973年);Sambrookら、上記;Davisら、Basic Methods in Molecular Biology、Elsevier(1986年);およびChuら、Gene、13巻:97頁(1981年)を参照のこと)。
【0225】
トランスフェクション方法には、リン酸カルシウム共沈(例えば、Grahamら、上記を参照のこと)、培養細胞中への直接的マイクロインジェクション(例えば、Capecchi、Cell、22巻:479~488頁(1980年)を参照のこと)、エレクトロポレーション(例えば、Shigekawaら、BioTechniques、6巻:742~751頁(1988年)を参照のこと)、リポソーム媒介性遺伝子移入(例えば、Manninoら、BioTechniques、6巻:682~690頁(1988年)を参照のこと)、脂質媒介性形質導入(例えば、Feignerら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA、84巻:7413~7417頁(1987年)を参照のこと)および高速微小推進剤(high velocity microprojectile)を使用する核酸送達(例えば、Kleinら、Nature、327巻:70~73頁(1987年)を参照のこと)が含まれる。
【0226】
一実施形態では、組換え発現ベクターは、例えば、Sambrookら、上記およびAusubelら、上記に記載される、標準的な組換えDNA技術を使用して調製され得る。環状または直鎖状である発現ベクターの構築物は、原核生物または真核生物宿主細胞において機能的な複製系を含有するように調製され得る。複製系は、例えば、ColEl、2μプラスミド、λ、SV40、ウシパピローマウイルスなどに由来し得る。
【0227】
組換え発現ベクターは、ベクターがDNAベースであるかRNAベースであるかを考慮に入れて、必要に応じて、ベクターが導入される宿主細胞の型(例えば、細菌、真菌、植物または動物)に特異的な調節配列、例えば、転写および翻訳開始および終結コドンを含み得る。組換え発現ベクターは、クローニングを容易にするための制限部位を含み得る。
【0228】
組換え発現ベクターは、形質転換またはトランスフェクトされた宿主細胞の選択を可能にする、1または複数のマーカー遺伝子を含み得る。マーカー遺伝子には、殺生物剤耐性、例えば、抗生物質、重金属などに対する耐性、原栄養性を提供するための栄養要求性宿主における補完などが含まれる。本発明の発現ベクターに適切なマーカー遺伝子には、例えば、ネオマイシン/G418耐性遺伝子、ハイグロマイシン耐性遺伝子、ヒスチジノー
ル耐性遺伝子、テトラサイクリン耐性遺伝子およびアンピシリン耐性遺伝子が含まれる。
【0229】
組換え発現ベクターは、CAR(その機能的部分および機能的バリアントを含む)をコードするヌクレオチド配列に、またはCARをコードするヌクレオチド配列に対して相補的なもしくはかかるヌクレオチド配列にハイブリダイズするヌクレオチド配列に作動可能に連結したネイティブまたは非ネイティブのプロモーターを含み得る。プロモーターの選択、例えば、強い、弱い、誘導性、組織特異的および発生特異的は、当業者の技術範囲内である。同様に、ヌクレオチド配列をプロモーターと組み合わせることもまた、当業者の技術範囲内である。プロモーターは、非ウイルスプロモーターまたはウイルスプロモーター、例えば、サイトメガロウイルス(CMV)プロモーター、SV40プロモーター、RSVプロモーター、またはマウス幹細胞ウイルスの末端反復配列において見出されるプロモーターであり得る。
【0230】
組換え発現ベクターは、一過性の発現のため、安定な発現のため、またはその両方のために設計され得る。また、組換え発現ベクターは、構成的発現または誘導性発現のために作製され得る。
【0231】
さらに、組換え発現ベクターは、自殺遺伝子を含むように作製され得る。本明細書で使用する場合、用語「自殺遺伝子」とは、自殺遺伝子を発現する細胞を死なせる遺伝子を指す。自殺遺伝子は、この遺伝子が発現される細胞に薬物などの薬剤に対する感受性を付与する遺伝子、または細胞が薬剤と接触した場合もしくは薬剤に曝露された場合にその細胞を死なせる遺伝子であり得る。自殺遺伝子は、当該分野で公知であり(例えば、Suicide Gene Therapy: Methods and Reviews、Springer、Caroline J.(Cancer Research UK Centre for Cancer Therapeutics at the Institute of Cancer Research、Sutton、Surrey、UK)、Humana Press、2004年を参照のこと)、これには、例えば、単純ヘルペスウイルス(HSV)チミジンキナーゼ(TK)遺伝子、シトシンデアミナーゼ(daminase)、プリンヌクレオシドホスホリラーゼおよびニトロレダクターゼが含まれる。
【0232】
一実施形態は、本明細書に記載される組換え発現ベクターのいずれかを含む宿主細胞をさらに提供する。本明細書で使用する場合、用語「宿主細胞」とは、本発明の組換え発現ベクターを含有し得る任意の型の細胞を指す。宿主細胞は、真核生物細胞、例えば、植物、動物、真菌もしくは藻類であり得る、または原核生物細胞、例えば、細菌もしくは原生生物であり得る。宿主細胞は、培養細胞または初代細胞であり得る、即ち、ヒトなどの生物から直接単離され得る。宿主細胞は、接着細胞または懸濁細胞、即ち、懸濁物中で成長する細胞であり得る。適切な宿主細胞は、当該分野で公知であり、これには、例えば、DH5a E.coli細胞、チャイニーズハムスター卵巣細胞、サルVERO細胞、COS細胞、HEK293細胞などが含まれる。組換え発現ベクターを増幅または複製することを目的とすると、宿主細胞は、原核生物細胞、例えば、DH5a細胞であり得る。組換えCARを産生することを目的とすると、宿主細胞は、哺乳動物細胞であり得る。宿主細胞は、ヒト細胞であり得る。宿主細胞は任意の細胞型のものであり得、任意の型の組織に起源し得、任意の発生段階のものであり得るが、宿主細胞は、末梢血リンパ球(PBL)または末梢血単核球(PBMC)であり得る。宿主細胞は、T細胞であり得る。
【0233】
本明細書の目的のために、T細胞は、任意のT細胞、例えば、培養T細胞、例えば、初代T細胞、または培養T細胞株、例えば、Jurkat、SupTlなど由来のT細胞、または哺乳動物から得られたT細胞であり得る。哺乳動物から得られる場合、T細胞は、血液、骨髄、リンパ節、胸腺または他の組織もしくは体液を含むがこれらに限定されない
多数の供給源から得られ得る。T細胞はまた、富化または精製され得る。T細胞は、ヒトT細胞であり得る。T細胞は、ヒトから単離されたT細胞であり得る。T細胞は、CD4+/CD8+二重陽性T細胞、CD4+ヘルパーT細胞、例えば、ThiおよびTh2細胞、CD8+T細胞(例えば、細胞傷害性T細胞)、腫瘍浸潤性細胞、メモリーT細胞、ナイーブT細胞などを含むがこれらに限定されない、任意の型のT細胞であり得、任意の発生段階のものであり得る。T細胞は、CD8+T細胞またはCD4+T細胞であり得る。
【0234】
一実施形態では、本明細書に記載されるDuoCARは、適切な非T細胞において使用され得る。かかる細胞は、免疫エフェクター機能を有する細胞、例えば、多能性幹細胞から生成されたNK細胞およびT様細胞などである。
【0235】
本明細書に記載される少なくとも1つの宿主細胞を含む細胞の集団もまた、一実施形態によって提供される。細胞の集団は、いずれの組換え発現ベクターも含まない少なくとも1つの他の細胞、例えば宿主細胞(例えば、T細胞)、またはT細胞以外の細胞、例えば、B細胞、マクロファージ、好中球、赤血球、肝細胞、内皮細胞、上皮細胞、筋肉細胞、脳細胞などに加えて、記載される組換え発現ベクターのいずれかを含む宿主細胞を含む不均一な集団であり得る。あるいは、細胞の集団は、実質的に均質な集団であり得、ここで、集団は主に、組換え発現ベクターを含む(例えば、それらから本質的になる)宿主細胞を含む。集団はまた、細胞のクローン性集団であり得、ここで、集団の全ての細胞は、組換え発現ベクターを含む単一の宿主細胞のクローンであり、その結果、集団の全ての細胞は、その組換え発現ベクターを含む。本発明の一実施形態では、細胞の集団は、本明細書に記載される組換え発現ベクターを含む宿主細胞を含むクローン性集団である。
【0236】
DuoCAR(その機能的部分およびバリアントを含む)、核酸、組換え発現ベクター、宿主細胞(その集団を含む)および抗体(その抗原結合性部分を含む)は、単離および/または精製され得る。例えば、精製(または単離)された宿主細胞の調製物は、宿主細胞が身体内のその天然環境中の細胞よりも純粋である調製物である。かかる宿主細胞は、例えば、標準的な精製技術によって産生され得る。一部の実施形態では、宿主細胞の調製物は精製され、その結果、宿主細胞は、調製物の総細胞含量の少なくとも約50%、例えば、少なくとも約70%を示す。例えば、純度は、少なくとも約50%であり得、約60%、約70%もしくは約80%よりも上であり得、または約100%であり得る。
【0237】
E.処置の方法
患者特異的自家抗腫瘍リンパ球細胞集団(複数可)において使用されるDuoCARは、哺乳動物において疾患を処置または予防する方法において使用され得ることが企図される。これに関して、一実施形態は、DuoCAR、核酸、組換え発現ベクター、宿主細胞、細胞の集団、抗体および/もしくはその抗原結合性部分、ならびに/または医薬組成物を、哺乳動物においてがんを処置または予防するのに有効な量で哺乳動物に投与するステップを含む、哺乳動物においてがんを処置または予防する方法を提供する。上述のDuoCARのさらなる使用方法は、上に開示されている。
【0238】
一実施形態は、本明細書に開示されるDuoCARを投与するステップの前に、哺乳動物をリンパ枯渇させる(lymphodepleting)ステップをさらに含む。リンパ枯渇の例には、非骨髄破壊的リンパ枯渇性化学療法、骨髄破壊的リンパ枯渇性化学療法、全身照射などが含まれ得るがこれらに限定されない。
【0239】
宿主細胞、または細胞の集団が投与される方法を目的として、細胞は、哺乳動物にとって同種または自家である細胞であり得る。好ましくは、細胞は、哺乳動物にとって自家である。本明細書で使用する場合、同種とは、材料が導入される個体と同じ種の異なる動物
に由来する任意の材料を意味する。1または複数の遺伝子座において遺伝子が同一でない場合、2以上の個体は、互いに同種であると言われる。一部の態様では、同じ種の個体由来の同種材料は、抗原性に相互作用するのに十分に遺伝的に異なり得る。本明細書で使用する場合、「自家」とは、個体に後に再導入される、同じ個体に由来する任意の材料を意味する。
【0240】
本明細書で言及される哺乳動物は、任意の哺乳動物であり得る。本明細書で使用する場合、用語「哺乳動物」とは、齧歯目の哺乳動物、例えば、マウスおよびハムスター、ならびにウサギ(Logomorpha)目の哺乳動物、例えば、ウサギを含むがこれらに限定されない任意の哺乳動物を指す。哺乳動物は、ネコ(Feline)(ネコ(cat))およびイヌ(Canine)(イヌ(dog))を含む食肉目由来であり得る。哺乳動物は、ウシ(Bovine)(ウシ(cow))およびブタ(Swine)(ブタ(pig))を含む偶蹄目由来、またはウマ(Equine)(ウマ(horse))を含む奇蹄目(Perssodactyla)のものであり得る。哺乳動物は、霊長目、新世界ザル(Ceboid)目もしくはサル(Simoid)目(サル(monkey))または類人猿(Anthropoid)目(ヒトおよび類人猿(ape))のものであり得る。好ましくは、哺乳動物はヒトである。
【0241】
これらの方法に関して、がんは、急性リンパ性がん、急性骨髄性白血病、胞巣状横紋筋肉腫、膀胱がん(例えば、膀胱癌)、骨がん、脳がん(例えば、髄芽腫)、乳房がん、肛門、肛門管もしくは肛門直腸のがん、眼のがん、肝内胆管のがん、関節のがん、頸部、胆嚢もしくは胸膜のがん、鼻、鼻腔もしくは中耳のがん、口腔のがん、外陰部のがん、慢性リンパ性白血病、慢性骨髄性がん(chronic myeloid cancer)、結腸がん、食道がん、子宮頸がん、線維肉腫、消化管カルチノイド腫瘍、頭頸部がん(例えば、頭頸部扁平上皮癌)、ホジキンリンパ腫、下咽頭がん、腎臓がん、喉頭がん、白血病、液性腫瘍、肝臓がん、肺がん(例えば、非小細胞肺癌および肺腺癌)、リンパ腫、中皮腫、肥満細胞腫、黒色腫、多発性骨髄腫、上咽頭がん、非ホジキンリンパ腫、B-慢性リンパ性白血病(CLL)、ヘアリー細胞白血病、急性リンパ性白血病(ALL)、急性骨髄性白血病(AML)およびバーキットリンパ腫、卵巣がん、膵がん、腹膜、網および腸間膜のがん、咽頭がん、前立腺がん、直腸がん、腎がん、皮膚がん、小腸がん、軟組織がん、固形腫瘍、滑膜肉腫、胃がん、精巣がん、甲状腺がんならびに尿管がんのいずれかを含む任意のがんであり得る。
【0242】
用語「処置する」および「予防する」ならびにそれらから派生した単語は、本明細書で使用する場合、100%または完全な処置または予防を必ずしも意味しない。むしろ、当業者が潜在的な有益な効果または治療効果を有すると認識する、種々の程度の処置または予防が存在する。これに関して、この方法は、任意の量または任意のレベルの、哺乳動物におけるがんの処置または予防を提供し得る。
【0243】
さらに、この方法によって提供される処置または予防には、処置または予防されているがんなどの疾患の1または複数の状態または症状の処置または予防が含まれ得る。また、本明細書の目的のために、「予防」は、疾患、またはその症状もしくは状態の発病を遅延させることを包含し得る。
【0244】
別の実施形態は、哺乳動物におけるがんの存在を検出する方法であって、(a)哺乳動物由来の1または複数の細胞を含む試料を、DuoCAR、核酸、組換え発現ベクター、宿主細胞、細胞の集団、抗体および/もしくはその抗原結合性部分、または医薬組成物と接触させ、それによって、複合体を形成するステップ、ならびに(b)複合体を検出するステップであって、複合体の検出が、哺乳動物におけるがんの存在を示す、ステップを含む方法を提供する。
【0245】
試料は、任意の適切な方法、例えば、生検または剖検によって得られ得る。生検は、個体からの組織および/または細胞の取り出しである。かかる取り出しは、取り出された組織および/または細胞に対する実験を実施するために、個体から組織および/または細胞を収集することであり得る。この実験には、個体がある特定の状態もしくは疾患状態を有するかどうか、および/またはある特定の状態もしくは疾患状態に罹患しているかどうかを決定するための実験が含まれ得る。状態または疾患は、例えば、がんであり得る。
【0246】
哺乳動物における増殖障害、例えばがんの存在を検出する方法の実施形態に関して、哺乳動物の細胞を含む試料は、細胞全体、その溶解物、または細胞全体溶解物の画分、例えば、核もしくは細胞質画分、タンパク質全体画分、または核酸画分を含む試料であり得る。試料が細胞全体を含む場合、これらの細胞は、哺乳動物の任意の細胞、例えば、血液細胞または内皮細胞を含む任意の臓器または組織の細胞であり得る。
【0247】
接触させるステップは、哺乳動物に関してin vitroまたはin vivoで起こり得る。好ましくは、接触させるステップは、in vitroである。
【0248】
また、複合体の検出は、当該分野で公知の多くの方法によって行われ得る。例えば、本明細書に記載される、本明細書に開示されるDuoCAR、ポリペプチド、タンパク質、核酸、組換え発現ベクター、宿主細胞、細胞の集団、または抗体もしくはその抗原結合性部分は、検出可能な標識、例えば、上に開示される放射性同位体、フルオロフォア(例えば、フルオレセインイソチオシアネート(FITC)、フィコエリトリン(PE))、酵素(例えば、アルカリホスファターゼ、西洋ワサビペルオキシダーゼ)および元素粒子(例えば、金粒子)などで標識され得る。
【0249】
標的細胞を認識する能力および抗原特異性についてCARを試験する方法は、当該分野で公知である。例えば、Clayら、J.Immunol、163巻:507~513頁(1999年)は、サイトカイン(例えば、インターフェロン-γ、顆粒球/単球コロニー刺激因子(granulocyte/monocyte colony stimulating factor)(GM-CSF)、腫瘍壊死因子a(TNF-a)またはインターロイキン2(IL-2))の放出を測定する方法を教示している。さらに、CAR機能は、Zhaoら、J.Immunol.174巻:4415~4423頁(2005年)に記載されるように、細胞傷害性の測定によって評価され得る。
【0250】
別の実施形態は、本発明のDuoCAR、核酸、組換え発現ベクター、宿主細胞、細胞の集団、抗体もしくはその抗原結合性部分、および/または医薬組成物の使用、哺乳動物におけるがんなどの増殖障害の処置または予防を提供する。がんは、本明細書に記載されるがんのいずれかであり得る。
【0251】
局所および全身投与を含む任意の投与方法が、開示された治療剤のために使用され得る。例えば、外用、経口、静脈内などの血管内、筋内、腹腔内、鼻腔内、皮内、くも膜下腔内および皮下投与が使用され得る。特定の投与様式および投薬レジメンは、症例の特徴(例えば、対象、疾患、関与する疾患状態、および処置が予防的かどうか)を考慮して、担当の臨床医によって選択される。1よりも多い薬剤または組成物が投与されている場合、1または複数の投与経路が使用され得る;例えば、化学療法剤は、経口投与され得、抗体もしくは抗原結合性断片またはコンジュゲートまたは組成物は、静脈内投与され得る。投与方法には、CAR、CAR T細胞、コンジュゲート、抗体、抗原結合性断片または組成物が、非毒性の医薬的に許容される担体、例えば、水、食塩水、リンゲル溶液、デキストロース溶液、5%ヒト血清アルブミン、固形油、オレイン酸エチルまたはリポソーム中に提供される注射が含まれる。一部の実施形態では、開示された化合物の局所投与は、例
えば、腫瘍が除去された組織の領域、または腫瘍発達の傾向があると疑われる領域に、抗体または抗原結合性断片を適用することによって使用され得る。一部の実施形態では、治療有効量の抗体または抗原結合性断片を含む医薬調製物の持続性の腫瘍内(または腫瘍近傍)放出が有益であり得る。他の例では、コンジュゲートが、角膜に点眼薬として外用で、または目に硝子体内で適用される。
【0252】
開示された治療剤は、正確な投薬量の個々の投与に適切な単位剤形で製剤化され得る。さらに、開示された治療剤は、単一の用量でまたは複数用量のスケジュールで投与され得る。複数用量のスケジュールは、処置の主要な過程が、1よりも多い別々の用量、例えば1~10用量と、その後の、組成物の作用を維持または強化するために必要に応じて引き続く時間間隔で与えられる他の用量とによるものであり得るスケジュールである。処置は、数日~数カ月またはさらには数年の期間にわたる、1日用量または複数の1日用量の化合物(複数可)を含み得る。したがって、投薬レジームはまた、処置される対象の特定の要求に基づいて少なくとも一部決定され、投与する実務者の判断に依存する。
【0253】
抗体またはコンジュゲートの典型的な投薬量は、約0.01~約30mg/kg、例えば、約0.1~約10mg/kgの範囲であり得る。
【0254】
特定の例では、対象には、複数の1日投薬スケジュールで、例えば、少なくとも2連続日、10連続日など、例えば、数週間、数カ月または数年の期間にわたって、コンジュゲート、抗体、組成物、DuoCAR、CAR T細胞またはさらなる薬剤のうち1または複数を含む治療組成物が投与される。一例では、対象には、少なくとも30日、例えば、少なくとも2カ月、少なくとも4カ月、少なくとも6カ月、少なくとも12カ月、少なくとも24カ月または少なくとも36カ月の期間にわたって、コンジュゲート、抗体、組成物またはさらなる薬剤が投与される。
【0255】
一部の実施形態では、開示された方法は、開示された抗体、抗原結合性断片、コンジュゲート、CARまたはCARを発現するT細胞と組み合わせて、手術、放射線療法および/または化学療法薬を(例えば、連続的に、実質的に同時にまたは同時に)対象に提供することを含む。かかる薬剤および処置の方法および治療的投薬量は、当業者に公知であり、熟練の臨床医によって決定され得る。さらなる薬剤についての調製および投薬スケジュールは、製造業者の指示に従って使用され得る、または当業者によって実験的に決定されるとおりであり得る。かかる化学療法についての調製および投薬スケジュールは、Chemotherapy Service、(1992年)M.C.Perry編、Williams & Wilkins、Baltimore、Mdにも記載されている。
【0256】
一部の実施形態では、併用治療は、治療有効量のさらなるがん阻害剤の、対象への投与を含み得る。併用治療で使用され得るさらなる治療剤の非限定的な例には、微小管結合剤、DNAインターカレーターまたはクロスリンカー、DNA合成阻害剤、DNAおよびRNA転写阻害剤、抗体、酵素、酵素阻害剤、遺伝子調節因子ならびに血管新生阻害剤が含まれる。これらの薬剤(治療有効量で投与される)および処置は、単独でまたは組み合わせて使用され得る。例えば、任意の適切な抗がん剤または抗血管新生剤は、本明細書に開示されるCAR、CAR-T細胞、抗体、抗原結合性断片またはコンジュゲートと組み合わせて投与され得る。方法およびかかる薬剤の治療的投薬量は、当業者に公知であり、熟練の臨床医によって決定され得る。
【0257】
併用免疫療法用のさらなる化学療法剤には、アルキル化剤、例えば、ナイトロジェンマスタード(例えば、クロラムブシル、クロルメチン、シクロホスファミド、イホスファミドおよびメルファラン)、ニトロソウレア(例えば、カルムスチン、ホテムスチン、ロムスチンおよびストレプトゾシン)、白金化合物(例えば、カルボプラチン、シスプラチン
、オキサリプラチンおよびBBR3464)、ブスルファン、ダカルバジン、メクロレタミン、プロカルバジン、テモゾロミド、チオテパおよびウラムスチン(uramustine);代謝拮抗薬、例えば、葉酸(例えば、メトトレキサート、ペメトレキセドおよびラルチトレキセド)、プリン(例えば、クラドリビン、クロファラビン、フルダラビン、メルカプトプリンおよびチオグアニン)、ピリミジン(例えば、カペシタビン)、シタラビン、フルオロウラシルおよびゲムシタビン;植物アルカロイド、例えば、ポドフィルム(例えば、エトポシドおよびテニポシド)、タキサン(例えば、ドセタキセルおよびパクリタキセル)、ビンカ(例えば、ビンブラスチン、ビンクリスチン、ビンデシンおよびビノレルビン);細胞傷害性/抗腫瘍抗生物質、例えば、アントラサイクリンファミリーのメンバー(例えば、ダウノルビシン、ドキソルビシン、エピルビシン、イダルビシン、ミトキサントロンおよびバルルビシン)、ブレオマイシン、リファンピシン、ヒドロキシウレアおよびマイトマイシン;トポイソメラーゼ阻害剤、例えば、トポテカンおよびイリノテカン;モノクローナル抗体、例えば、アレムツズマブ、ベバシズマブ、セツキシマブ、ゲムツズマブ、リツキシマブ、パニツムマブ、ペルツズマブおよびトラスツズマブ;腫瘍親和性感光色素、例えば、アミノレブリン酸、アミノレブリン酸メチル、ポルフィマーナトリウムおよびベルテポルフィン;ならびに他の薬剤、例えば、アリトレチノイン、アルトレタミン、アムサクリン、アナグレリド、三酸化ヒ素、アスパラギナーゼ、アキシチニブ、ベキサロテン、ベバシズマブ、ボルテゾミブ、セレコキシブ、デニロイキンジフチトクス、エルロチニブ、エストラムスチン、ゲフィチニブ、ヒドロキシカルバミド、イマチニブ、ラパチニブ、パゾパニブ、ペントスタチン、マソプロコール、ミトタン、ペグアスパルガーゼ、タモキシフェン、ソラフェニブ、スニチニブ、ベムラフェニブ(vemurafinib)、バンデタニブおよびトレチノインが含まれるがこれらに限定されない。かかる薬剤の選択および治療的投薬量は、当業者に公知であり、熟練の臨床医によって決定され得る。
【0258】
本発明のある特定の実施形態では、本明細書に記載される方法、またはT細胞が治療レベルまで増殖される当該分野で公知の他の方法を使用して活性化および増殖された細胞は、MS患者のための、薬剤による処置、例えば、抗ウイルス療法、シドホビルおよびインターロイキン-2、シタラビン(ARA-Cとしても公知)もしくはナタリズマブ処置、または乾癬患者のためのエファリズマブ処置、またはPML患者のための他の処置を含むがこれらに限定されない、いくつもの適切な処置モダリティと併せて(例えば、その前に、それと同時に、またはその後に)患者に投与される。さらなる実施形態では、本発明のT細胞は、化学療法、放射線、免疫抑制剤、例えば、シクロスポリン、アザチオプリン、メトトレキサート、ミコフェノレート、およびFK506、抗体、または他の免疫除去(immunoablative)薬剤、例えば、CAM PATH、抗CD3抗体もしくは他の抗体療法、細胞毒(cytoxin)、フルダラビン(fludaribine)、シクロスポリン、FK506、ラパマイシン、ミコフェノール酸、ステロイド、FR901228、サイトカインならびに照射と組み合わせて使用され得る。これらの薬物は、カルシウム依存的ホスファターゼであるカルシニューリンを阻害する(シクロスポリンおよびFK506)、または増殖因子誘導性シグナル伝達にとって重要なp70S6キナーゼを阻害する(ラパマイシン)(Liuら、Cell 66巻:807~815頁、1991年;Hendersonら、Immun 73巻:316~321頁、1991年;Biererら、Curr.Opin.Immun 5巻:763~773頁、1993年)。さらなる実施形態では、本発明の細胞組成物は、骨髄移植、化学療法薬剤、例えばフルダラビン、外部照射療法(XRT)、シクロホスファミドまたは抗体、例えば、OKT3もしくはCAMPATHのいずれかを使用するT細胞除去療法と併せて(例えば、その前に、それと同時に、またはその後に)患者に投与される。別の実施形態では、本発明の細胞組成物は、CD20と反応する薬剤、例えばRituxanなどのB細胞除去療法の後に投与される。例えば、一実施形態では、対象は、高用量化学療法とその後の末梢血幹細胞移植とによる標準的な処置を受け得る。ある特定の実施形態では、移植後、対象は
、本発明の増殖された免疫細胞の注入を受ける。さらなる一実施形態では、増殖された細胞は、手術の前または後に投与される。
【0259】
患者に投与される上記処置の投薬量は、処置されている状態および処置のレシピエントの正確な性質によって変動する。ヒト投与のための投薬量の調整は、当該分野で受容された実務に従って実施され得る。例えば、CAMPATHの用量は一般に、成人患者について1~約100mgの範囲内であり、通常は1日と30日との間の期間にわたって毎日投与される。好ましい1日用量は、1日当たり1~10mgであるが、一部の場合には、1日当たり最大で40mgのより大きい用量が使用され得る。
【0260】
併用療法は、相乗作用を提供し得、相乗的であることが証明され得る、即ち、活性成分が一緒に使用される場合に達成される効果は、それらの化合物を別々に使用することから生じ得る効果の合計よりも大きい。相乗効果は、活性成分が、(1)共製剤化され、併用される単位投薬製剤と同時に投与もしくは送達される場合;(2)別々の製剤として交互にもしくは並行して送達される場合;または(3)一部の他のレジメンによる場合に、達成され得る。交互に送達される場合、相乗効果は、それらの化合物が、例えば、別々のシリンジ中の異なる注射によって連続的に投与または送達される場合に達成され得る。一般に、交代の間、有効投薬量の各活性成分が、連続的に、即ち、順次に投与されるが、併用療法では、有効投薬量の2以上の活性成分が一緒に投与される。
【0261】
一実施形態では、本明細書に開示された抗原のうち1もしくは複数に特異的に結合する抗体もしくは抗原結合性断片またはそのコンジュゲートの有効量が、抗がん処置後に腫瘍を有する対象に投与される。投与された抗体もしくは抗原結合性断片またはコンジュゲートがそれぞれのがん細胞上で発現された抗原と免疫複合体を形成するのに十分な量の時間が経過した後で、免疫複合体が検出される。免疫複合体の存在(または非存在)は、処置の有効性を示す。例えば、処置の前に採取された対照と比較した免疫複合体の増加は、その処置が有効でないことを示し、処置の前に採取された対照と比較した免疫複合体の減少は、その処置が有効であることを示す。
【0262】
F.バイオ医薬組成物
担体(例えば、医薬的に許容される担体)中に、開示されたDuoCAR、またはCARを発現するT細胞、抗体、抗原結合性断片、コンジュゲート、DuoCAR、または本明細書に開示された1もしくは複数の抗原に特異的に結合するCARを発現するT細胞のうち1または複数を含む、遺伝子治療、免疫療法、養子免疫療法および/または細胞療法における使用のためのバイオ医薬組成物または生物製剤組成物(本明細書で以下「組成物」)が、本明細書で提供される。これらの組成物は、対象への投与のために単位投薬形態で調製され得る。所望の転帰を達成するための投与の量およびタイミングは、処置を行う臨床医の裁量である。これらの組成物は、全身(例えば、静脈内)または局所(例えば、腫瘍内)投与のために製剤化され得る。一例では、開示されたDuoCAR、またはCARを発現するT細胞、抗体、抗原結合性断片、コンジュゲートは、静脈内投与などの非経口投与のために製剤化される。本明細書に開示されるCAR、またはCARを発現するT細胞、コンジュゲート、抗体もしくは抗原結合性断片を含む組成物は、腫瘍、例えば、限定としてではなく、神経芽細胞腫の、例えば、処置および検出などのために使用される。一部の例では、これらの組成物は、癌の処置または検出に有用である。本明細書に開示されるCAR、またはCARを発現するT細胞、コンジュゲート、抗体もしくは抗原結合性断片を含む組成物は、例えば、病理学的血管新生の検出にも使用される。
【0263】
投与のための組成物には、水性担体などの医薬的に許容される担体中に溶解されたCAR、またはCARを発現するT細胞、コンジュゲート、抗体もしくは抗原結合性断片の溶液が含まれ得る。例えば緩衝食塩水などの種々の水性担体が使用され得る。これらの溶液
は無菌であり、一般に、望ましくない物質を含まない。組成物は、従来の周知の無菌化技術によって無菌化され得る。組成物は、生理学的条件に近づくのに必要な医薬的に許容される補助的物質、例えば、pH調整剤および緩衝剤、毒性調整剤、アジュバント薬剤など、例えば、酢酸ナトリウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、乳酸ナトリウムなどを含有し得る。これらの製剤中のCAR、またはCARを発現するT細胞、抗体もしくは抗原結合性断片またはコンジュゲートの濃度は、広く変動し得、選択された特定の投与様式および対象の要求に従って、液量、粘度、体重などに主に基づいて選択される。遺伝子治療、免疫療法および/または細胞療法における使用のためのかかる投薬形態を調製する実際の方法は、当業者に公知であり、または明らかとなる。
【0264】
静脈内投与のための典型的な組成物は、1日当たり対象1人当たり約0.01~約30mg/kgの抗体もしくは抗原結合性断片またはコンジュゲート(あるいは対応する用量のCAR、またはCARを発現するT細胞、抗体もしくは抗原結合性断片を含むコンジュゲート)を含む。投与可能な組成物を調製するための実際の方法は、当業者に公知または明らかであり、Remington’s Pharmaceutical Science、第19版、Mack Publishing Company、Easton、PA(1995年)などの刊行物中により詳細に記載されている。
【0265】
CAR、またはCARを発現するT細胞、抗体、抗原結合性断片、またはコンジュゲートは、凍結乾燥形態で提供され得、投与前に無菌水で再水和され得るが、これらは、既知の濃度の無菌溶液中でも提供される。次いで、DuoCAR、またはCARを発現するT細胞、抗体もしくは抗原結合性断片またはコンジュゲートの溶液が、0.9%塩化ナトリウム、USPを含有する注入バッグに添加され、一部の場合には、0.5~15mg/体重kgの投薬量で投与される。抗体または抗原結合性断片およびコンジュゲート薬物の投与では、当該分野でかなりの経験が利用可能である;例えば、抗体薬物は、1997年のRituxan(登録商標)の承認以降、米国で市販されている。CAR、またはCARを発現するT細胞、抗体、抗原結合性断片およびそれらのコンジュゲートは、静注または静脈内ボーラスでではなく、緩徐な注入によって投与され得る。一例では、より高い負荷用量が、より低いレベルで投与される引き続く維持用量と共に投与される。例えば、4mg/kgの初期負荷用量の抗体または抗原結合性断片(または対応する用量の、抗体もしくは抗原結合性断片を含むコンジュゲート)が、およそ90分の期間にわたって注入され得、その後、以前の用量が十分に忍容された場合に30分の期間にわたって注入される4~8週間にわたる2mg/kgの毎週の維持用量が注入され得る。
【0266】
制御放出非経口製剤は、インプラント、油性注射として、または粒状の系として作製され得る。タンパク質送達系の広い概説については、Banga,A.J.,Therapeutic Peptides and Proteins: Formulation,Processing,and Delivery Systems、Technomic Publishing Company,Inc.,Lancaster,PA(1995年)を参照のこと。粒状の系には、ミクロスフェア、マイクロ粒子、マイクロカプセル、ナノカプセル、ナノスフェアおよびナノ粒子が含まれる。マイクロカプセルは、中心コアとして、細胞毒または薬物などの治療的タンパク質を含有する。ミクロスフェアでは、治療薬は、粒子の至る所に分散される。約1μmよりも小さい粒子、ミクロスフェアおよびマイクロカプセルは一般に、それぞれ、ナノ粒子、ナノスフェアおよびナノカプセルと呼ばれる。毛細管は、ナノ粒子だけが静脈内投与されるように、およそ5μmの直径を有する。マイクロ粒子は、典型的には、直径がおよそ100μmであり、皮下または筋内投与される。例えば、Kreuter,J.,Colloidal Drug Delivery Systems、J.Kreuter編,Marcel Dekker,Inc.,New York、NY、219~342頁(1994年);ならびにTiceおよびTabibi,Treatise on Controlled Drug D
elivery,A.Kydonieus編、Marcel Dekker,Inc.New York,NY、315~339頁(1992年)を参照のこと。
【0267】
ポリマーは、本明細書に開示されるDuoCAR、またはCARを発現するT細胞、抗体もしくは抗原結合性断片またはコンジュゲート組成物のイオン制御された放出のために使用され得る。制御された薬物送達に使用される種々の分解性および非分解性ポリマーマトリックスは、当該分野で公知である(Langer,Accounts Chem.Res.26巻:537~542頁,1993年)。例えば、ブロックコポリマーであるpolaxamer 407は、低温で粘性であるがなお可動性の液体として存在するが、体温では半流動性ゲルを形成する。これは、組換えインターロイキン-2およびウレアーゼの製剤化および持続性送達のための有効なビヒクルであることが示されている(Johnstonら,Pharm.Res.9巻:425~434頁,1992年;およびPecら,J.Parent.Sci.Tech.44巻(2号):58~65頁,1990年)。あるいは、ヒドロキシアパタイトが、タンパク質の制御された放出のための微小担体として使用されてきた(Ijntemaら,Int.J.Pharm.112巻:215~224頁,1994年)。さらに別の態様では、リポソームが、脂質カプセル化薬物の制御された放出および薬物標的化に使用される(Betageriら,Liposome Drug Delivery Systems,Technomic Publishing Co.,Inc.,Lancaster、PA(1993年))。治療的タンパク質の制御された送達のための多数のさらなる系が公知である(米国特許第5,055,303号;米国特許第5,188,837号;米国特許第4,235,871号;米国特許第4,501,728号;米国特許第4,837,028号;米国特許第4,957,735号;米国特許第5,019,369号;米国特許第5,055,303号;米国特許第5,514,670号;米国特許第5,413,797号;米国特許第5,268,164号;米国特許第5,004,697号;米国特許第4,902,505号;米国特許第5,506,206号;米国特許第5,271,961号;米国特許第5,254,342号および米国特許第5,534,496号を参照のこと)。
【0268】
G.キット
一態様では、本明細書に開示されるDuoCARを使用するキットもまた提供される。例えば、対象における腫瘍を処置するためのキットまたは本明細書に開示されるDuoCARのうち1もしくは複数を発現するCAR T細胞を作製するためのキット。キットは、典型的には、本明細書に開示される、開示された抗体、抗原結合性断片、コンジュゲート、核酸分子、DuoCARまたはCARを発現するT細胞を含む。開示された抗体、抗原結合性断片、コンジュゲート、核酸分子、CARまたはCARを発現するT細胞のうち1よりも多くが、キット中に含まれ得る。
【0269】
キットは、コンテナ、およびコンテナ上のまたはコンテナと関連したラベルまたは添付文書を含み得る。適切なコンテナには、例えば、瓶、バイアル、シリンジなどが含まれる。コンテナは、ガラスまたはプラスチックなどの種々の材料から形成され得る。コンテナは、典型的には、開示された抗体、抗原結合性断片、コンジュゲート、核酸分子、DuoCARまたはCARを発現するT細胞のうち1または複数を含む組成物を保持する。いくつかの実施形態では、コンテナは、無菌アクセスポートを有し得る(例えば、コンテナは、皮下注射針によって貫通可能なストッパーを有する静脈内溶液バッグまたはバイアルであり得る)。ラベルまたは添付文書は、その組成物が特定の状態を処置するために使用されることを示す。
【0270】
ラベルまたは添付文書は、典型的には、例えば、腫瘍を処置もしくは予防する方法、またはCAR T細胞を作製する方法における、開示された抗体、抗原結合性断片、コンジュゲート、核酸分子、DuoCARまたはCARを発現するT細胞の使用のための指示書
をさらに含む。添付文書は、典型的には、治療的製品の使用に関する、適応症、用法、投薬量、投与、禁忌および/またはかかる警告についての情報を含む、治療的製品の市販の包装中に習慣的に含まれる指示書を含む。教材は、電子的形態(例えば、コンピューターディスケットまたはコンパクトディスク)で書かれ得、または視覚的(例えば、動画ファイル)であり得る。キットは、キットが設計される特定の適用を容易にするためのさらなる構成要素もまた含み得る。したがって、例えば、キットは、標識を検出する手段(例えば、酵素標識のための酵素基質、蛍光標識を検出するためのフィルターセット、二次抗体などの適切な二次標識など)をさらに含み得る。キットは、特定の方法の実施のために慣用的に使用される緩衝液および他の試薬をさらに含み得る。かかるキットおよび適切な内容物は、当業者に周知である。
【実施例
【0271】
本発明は、その例がその範囲に制限をかけるといかなる場合も解釈されることなく、以下の添付の図および17~27頁、両端を含む、の開示内に示されるDuoCARの例によってさらに例示される。反対に、その様々な他の実施形態、変更形態、および均等物に頼らなければならず、これらは本明細書の記載を読んだ後、本発明の精神および/または添付の特許請求の範囲から逸脱せずに、当業者の念頭に浮かび得ることは容易に理解される。
【0272】
様々な詳細を前に略述した例示的施行と共に記載してきたが、様々な代替、変更形態、変形、改良、および/または実質的均等物が、公知であれまたは現在予想外もしくは予想外の可能性があれ、前述の開示を再検討することによって明らかとなり得る。
【0273】
本文中に引用したそれぞれの出願と特許、および(訴訟中のそれぞれの交付済特許、「出願引用文書」を含めた)それぞれの出願と特許中で引用されたそれぞれの文書または参照文献、およびこれらの出願と特許のいずれかに対応するおよび/またはその優先権を主張するそれぞれのPCTと外国出願または特許、およびそれぞれの出願引用文書中で引用もしくは参照されたそれぞれの文書は、ここで明確に参照により本明細書に組み込まれ、本発明を実施する際に利用することができる。より一般的には、文書または参照文献は本文中、特許請求の範囲の前の参照文献一覧中、または本文自体中のいずれかに引用され、それぞれのこれらの文書または参照文献(「本明細書中引用参照文献」)、および(任意の製造者の仕様書、説明書などを含めた)それぞれの本明細書中引用参照文献中に引用されたそれぞれの文書または参照文献は、ここで明確に参照により本明細書に組み込まれる。
【0274】
一部の具体的実施形態の前述の記載によって、他者が、本発明の知識を適用することによって、一般的概念から逸脱せずに、具体的実施形態などの様々な適用例に関して容易に変更または適合させることができるのに充分な情報を与え、したがってこのような適合および変更形態は、開示した実施形態の均等物の意味および範囲内と理解すべきであり、理解することが意図されている。本明細書で利用する語句または述語は、限定の目的ではなく記載の目的であることは理解される。図面および記載中、例示的実施形態を開示しており、特異的用語が利用された可能性はあるが、他に言及しない限り、それらは限定の目的ではなく一般的および叙述的な意味でのみ使用され、したがって特許請求の範囲もそのように限定されない。さらに当業者は、本明細書で論じた方法の、ある特定ステップは別の順序で順に並べることができ、またはステップを組み合わせることができることを理解する。したがって、添付の特許請求の範囲は本明細書で開示した詳細な実施形態に限られないことが意図される。当業者は、ごく普通の実験を使用した、本明細書に記載した本発明の実施形態の多くの均等物を理解し、把握することができる。このような均等物は以下の特許請求の範囲によって包含される。
【0275】
2つの例が提供され、それによりLV形質導入ヒトT細胞集団の表面上の3つの機能的結合ドメインの発現は、DuoSetテクノロジーの実現可能性を証明し(実施例1)、3つの異なる白血病抗原に対するこの集団の機能活性はその有効性を証明している(実施例2)。
【0276】
このテクノロジーが基づき、DuoCAR中にDuoSet構成成分として含まれる場合がある単一特異性CARの例として、単一CD20標的化ベクターLTG1495、ヌクレオチド配列の配列番号3およびアミノ酸配列の配列番号4が挙げられる。第2の例は、CD22に対して特異的な単一特異性CAR LTG2200、ヌクレオチド配列の配列番号9およびアミノ酸配列の配列番号10である。DuoCARを創出することにおける重要な分子態様は、非重複適合性配列の包含、および有害な組換えまたは細胞内会合が生じないように形質導入T細胞におけるこれらの配列を評価することである。これは、ベクターの産生細胞株または標的細胞集団の両方において生じる場合がある。この理由から本発明者らは、DuoCAR設定において適合性であることが周知であるバリアントCAR構造を含める。これらは、ヌクレオチド配列の配列番号29およびアミノ酸配列の配列番号30にそれぞれ記載されるCD19特異的 CAR LTG1494を含む。この配列は、ウィットロウリンカーと称されるscFvの重鎖と軽鎖とをつなぐ、十分記載されたリンカー(アミノ酸配列GSTSGSGKPGSGEGSTKG、Whitlow M.ら,1993年,Protein Eng.6巻:989~995頁を参照されたい)を含む。一部の場合では、ウィットロウリンカーは、例えばLTG1538においてと同様に、CD19 CARフォーマットそれぞれヌクレオチド配列の配列番号31およびアミノ酸配列の配列番号32において、(GGGGS)リンカーに置換されている。別の例ではCARは、代替膜貫通ドメインを有する形で創出した。抗CD19 CAR LTG1562、それぞれヌクレオチド配列の配列番号21およびアミノ酸配列の配列番号22は、CD4(CD8の反対として)膜貫通ドメインを利用する。同様に抗CD19 CAR LTG1563は、TNFRSF19、それぞれヌクレオチド配列の配列番号49およびアミノ酸配列の配列番号50に由来する代替膜貫通を有する。DuoCARは、固形腫瘍、例えばメソテリン腫瘍抗原を発現しているものに標的化されてもよい。例えば、scFVバインダーは、本出願人の同時係属仮特許出願第62/444,201号、表題Compositions and Methods for Treating Cancer with Anti-Mesothelin Immunotherapy、2017年1月9日出願、およびLentigen Technology,Inc.に譲渡された案件番号LEN_017、それぞれヌクレオチド配列の配列番号37およびアミノ酸配列の配列番号38に開示されたようにメソテリンに対して創出され、機能的CAR、それぞれヌクレオチド配列の配列番号39およびアミノ酸配列の配列番号40に組み込まれてよく、それによりDuoCAR療法に組み込まれてよい。scFv配列に加えて、1本鎖抗原バインダー(scFvの反対として)は、DuoCAR適用に組み込まれてよい。例えば、CD33特異的な重鎖のみのバインダーは、本出願人の同時係属仮特許出願第62/476,438号、表題Compositions and Methods
For Treating Cancer With Anti-CD33 Immunotherapy、2017年3月24日出願、およびLentigen Technology,Inc.に譲渡された案件番号LEN_018、それぞれヌクレオチド配列の配列番号41およびアミノ酸配列の配列番号42に開示されたように、機能的CAR、LTG1906、それぞれヌクレオチド配列の配列番号43およびアミノ酸配列の配列番号44に組み入れられてよく、CD33発現悪性疾患を標的化する。DuoCAR治療適用の一例は、CD19、CD20およびTSLPR抗原を発現する白血病の処置である。この場合、LTG1496またはLTG 1497(それぞれ配列番号35、26)は、TSLPR特異的CAR(LTG1789)、それぞれ配列番号47およびアミノ酸配列の配列番号48と組み合わされてよく、TSLPR特異的scFVドメイン、ヌクレオチド配列の配列番号45およびアミノ酸配列の配列番号46から創出された。
【0277】
本テクノロジーが基づくタンデムCAR(ヌクレオチド配列の配列番号23およびアミノ酸配列の配列番号24として記載される2つのscFvドメインを含有する)の例として、CD20_CD19 CAR LTG1497、ヌクレオチド配列の配列番号25およびアミノ酸配列の配列番号26が挙げられる。一部の場合では、2つのバインダーの順序を逆にすることは、標的細胞におけるさらに良好なDuoCAR発現を提供できる。したがって、CD19 scFVがさらに近位であり、ヌクレオチド配列の配列番号25およびアミノ酸配列の配列番号26に示すLTG1497;およびCD19 scFVが膜にさらに遠位であるヌクレオチド配列の配列番号33およびアミノ酸配列の配列番号34に示すLTG1496は、両方とも、DuoCARを含むDuoSetのメンバーの1つとして使用することができる。
【0278】
実施例1および2において利用される方法:
細胞株(PBMCおよび標的)
特記しない限り、全ての細胞株および試薬は、American Tissue Culture Collection(ATCC、Manassas、VA)から購入した。バーキットリンパ腫細胞株Raji、急性リンパ性白血病細胞株REH、および慢性骨髄性白血病細胞株K562を、10%熱不活性化ウシ胎児血清(FBS、Hyclone、Logan、UT)および2mM L-Glutamax(Thermo Fisher Scientific、Grand Island、NY)を補充したRPMI-1640培地において培養した。ヒト胎児由来腎臓細胞株293Tは、10%熱不活性化FBSを補充したダルベッコ変法イーグル培地中で増殖させた。
【0279】
ルシフェラーゼ発現細胞株の単一細胞クローンをホタルルシフェラーゼをコードしているレンチウイルスベクター(Lentigen Technology,Inc.,Gaithersburg、MD)を用いて安定に形質導入した野生型腫瘍株によって生成し、クローニングおよびルシフェラーゼ陽性クローンの選択が続いた。マウス適応Raji-luc株を、ホタルルシフェラーゼを安定に発現しているRajiクローンをNSGマウス(NOD.Cg-Prkdcscid Il2rgtm1Wjl/SzJ)、The
Jackson Laboratory Sacramento、CA)に移植し、移植したRaji-luc腫瘍細胞をマウス脾臓から陽性(CD19 microBeads、human、Miltenyi Biotec、Bergisch Gladbach、Germany)または陰性選択(mouse cell depletion kit、Miltenyi Biotec)によって単離し、培養物中で増殖させ、ホタルルシフェラーゼの高発現を有するクローンの選択を促進するために再クローニングすることによって生成した。全血をOklahoma Blood Institute(OBI、Oklahoma City、OK)においてドナーの承諾書と共に健常者から収集した。処理済バフィーコートは、OBIから購入した。CD4陽性およびCD8陽性ヒトT細胞は、CD4- and CD8-MicroBeads(Miltenyi Biotec)の1:1混合物を製造者のプロトコールに従って使用する陽性選択を介してバフィーコートから精製した。
【0280】
DuoSetを含むキメラ抗原受容体(CAR)発現ベクターの創出
CAR抗原結合ドメイン、scFv、配列は、CD19についてのマウス融合細胞FMC-63(FMC-63:AA 1-267、GenBank ID:HM852952.1)ならびにCD20についてのLeu-16[1]、VLおよびVHの全体配列に由来した。CD22 scFv結合は、公表されている配列から創出した。タンデムCAR19_20またはCAR20_19を、各抗体のscFvをインフレームでCD8ヒンジおよび膜貫通ドメイン(AA 123-191、参照配列ID NP_001759.3)、4-1BB(CD137、AA 214-255、UniProt配列ID Q07
011)トランス活性化ドメインおよびCD3ゼータシグナル伝達ドメイン(CD247、AA 52-163、参照配列ID:NP_000725.1.)に連結することによって生成した。19Aおよび20AのscFv領域を可撓性鎖間リンカー(GGGGS)、に続いてCD8、4-1BBおよびCD3ゼータドメインによって配列中に連結した。ヒト顆粒球マクロファージコロニー刺激因子受容体アルファサブユニット由来リーダー配列は、[2]に記載のとおり、全ての構築物に含まれた。CAR構築物配列をコドン最適化し(DNA2.0、Newark、CA)、ヒトEF-1αプロモーターの調節下で第3世代レンチウイルスプラスミド骨格(Lentigen Technology Inc.、Gaithersburg、MD)にクローニングした。レンチウイルスベクター(LV)含有上清を、[3]に既に記載のとおり、HEK 293T細胞の一過性トランスフェクションによって生成した。回収した沈殿レンチウイルス上清を-80℃で保存した。
【0281】
初代T細胞形質導入:
正常ドナーから選択されたCD4+およびCD8+ヒト初代T細胞を40IU/ml IL-2を補充したTexMACS培地(無血清)中で細胞0.3から2x10個/mlの密度で培養し、CD3/CD28 MACS(登録商標)GMP TransAct
reagent(Miltenyi Biotec)を用いて活性化し、3日目にCAR構築物をコードするレンチウイルスベクターを用いて10ug/ml硫酸プロタミン(Sigma-Aldrich、St.Louis、MO)の存在下で一晩形質導入し、4日目に培地を交換した。5日目に培養物を、200IU/ml IL-2を補充したTexMACS培地に移し、10~13日目の回収まで増殖させた。
【0282】
免疫エフェクターアッセイ:
細胞媒介性細胞傷害を決定するために(CTLアッセイ)、ホタルルシフェラーゼを用いて安定に形質導入された5,000個の標的細胞を様々なエフェクター対標的比でCAR T細胞と組み合わせ、一晩インキュベートした。SteadyGlo reagent(Promega、Madison WI)を各ウエルに加え、生じた発光をEnSpire plate reader(Perkin Elmer、Shelton、Connecticut)上で分析し、1秒当たりのカウントとして記録した(試料CPS)。標的のみのウエル(最大CPS)および1%Tween-20を加えた標的のみのウエル(最少CPS)をアッセイ範囲を決定するために使用した。特異的溶解のパーセントを:(1-(試料CPS-最少CPS)/(最大CPS-最少CPS))として算出した。
【0283】
フローサイトメトリー分析:
特記しない限り、フローサイトメトリーのための全ての細胞染色試薬は、Miltenyi Biotecからのものであった。100万個のCAR T形質導入細胞を培養物から回収し、冷却染色緩衝液(0.5%ウシ血清アルブミンを含むAutoMACS溶液)中で2回洗浄し、350xg、5分間、4℃で沈殿させた。形質導入されたT細胞上のCAR表面発現を、タンパク質L-ビオチンコンジュゲート(ストック1mg/ml、1:1000希釈、GenScript、Piscataway、NJ)を用いて30分間、4℃で染色し、続く2回の洗浄およびストレプトアビジン-PEコンジュゲートを用いる30分間、4℃での染色(ストック:1.0ml、1:200希釈、Jackson ImmunoResearch Laboratories、West Grove、PA)によって最初に検出した。非形質導入細胞およびストレプトアビジン-PEのみを用いて染色した形質導入細胞を陰性対照として使用した。抗CD4抗体をCAR T陽性集団のCD4対CD8比を決定するために使用し、2回目のインキュベーションステップの際に加えた。死細胞を7AAD染色(BD Biosciences、San Jose、CA)によって排除した。フローサイトメトリーによる定量的分析の前に細胞を2回洗浄し、200ul染色緩衝液に再懸濁した。特異的DuoSet CAR T染色を、C
D3-CD28ナノマトリックス(TransAct、Miltenyi Biotec)を用いて活性化し、DuoSetベクターを用いてIL-2の存在下で形質転換したヒトT細胞上で実行し、CD19-、CD20-またはCD22-scFvドメインの発現について、抗体に関する染色のために組換えCD19、CD20またはCD22を使用するフローサイトメトリーによって分析した。
【0284】
抗CD19 scFv活性を、1ug/試料で使用するCD19-Fc(R&D Biosystems)を用い、ヤギ抗ヒトFc-ガンマ-R-PE(Jackson ImmuoResearch Laboratories、Inc.)を0.75ug/試料で用いて染色して検出した。抗CD20 scFv活性をCD20-ビオチン(Miltenyi Biotech)、0.1ug/試料を用いて検出し、ストレプトアビジンpAPC(Miltenyi Biotec)を0.2ug/試料で用いて検出した。抗CD22 scFc活性をCD22-His(Thermo Fisher)を0.1ug/試料で用いて検出し、抗His FITC(Miltenyi Biotec)を用いて検出した。フローサイトメトリー分析をMACSQuant(登録商標)10 Analyzer(Miltenyi Biotec)上で実施した。標的腫瘍株およびルシフェラーゼ陽性サブクローンの特徴付けをCD19-FITC、CD20 VioBlueおよびCD22-APC抗体を用いて実施した。死細胞を7AAD染色(BD Biosciences、San Jose、CA)によって分析から排除した。
【0285】
実施例1
初代ヒトT細胞上のDuoCAR(2+1 DuoSet)の発現
原理の証明として、2つのCAR-Tベクターから構成されるDuoSetを創出した。セットのメンバーの1つは、CD8膜貫通ならびにCD28およびCD3-ゼータシグナル伝達ドメイン(LTG2228)、配列番51および配列番号52に連結されたタンデムCD20_CD19結合ドメインを発現した。DuoSetの第2のメンバーは、CD8膜貫通ならびに4-1BBおよびCD3ゼータシグナル伝達ドメイン(LTG2200)、配列番号9および配列番号10に連結されたCD22バインダーを含むCAR構築物であった。図7では、対になった列は、CD20およびCD19 scFvs、左列ならびにCD22およびCD19 scFvs、右列についての二重染色を示している。列1は、形質導入されておらず、それにより結合を示さないT細胞を示している(UTD)。列2は、CD8膜貫通ならびに細胞内CD28およびD3ゼータシグナル伝達ドメインを含む、CD20_CD19 CARベクターをコードするLVを用いて形質導入されたT細胞を示している(20-19-28z)。二重染色がCD20およびCD19結合(左パネル)について見られる一方で、CD19結合だけが右パネルにおいては見られる。列3は、CD8膜貫通ならびに細胞内4-1BBおよびCD3-ゼータシグナル伝達ドメインを含むCD22 CARベクターを用いて形質導入されたT細胞を示している(22-BBz)。CD19またはCD20(左パネル)では二重染色は見られず、細胞の単一の集団だけがCD22に結合できることが見られる(右パネル)。列4では、T細胞は、列2および列3における両方のベクターから構成されるDuoSetを用いて形質導入される。DuoSetだけが3つ全ての、CARによりコードされる結合ドメインを発現している(42%の細胞はCD20_19を発現し(左パネル)、38%はCD22およびCD19結合ドメインを発現する(右パネル)。CD22およびCD19 scFvが、DuoSetを含む2つの別々の膜貫通タンパク質上にそれぞれあることから、38%がこの実施例における真のDuoSet発現集団を表している。
【0286】
実施例2
DuoCARを発現しているヒトT細胞調製物の抗白血病活性
DuoCARを発現しているヒトT細胞調製物の抗白血病活性は、3つの白血病抗原を同時に標的化する(DuoCAR発現特徴について図7を参照されたい)。CD20_1
9タンデムCARおよびCD22特異的単一CAR(実施例1において調製されたとおり)から構成されるDuoSetは、白血病細胞株および標的としてのモデル細胞株を使用する細胞傷害性T細胞アッセイにおいて、エフェクターT細胞集団を使用した。単一CAR構成成分(20_19-28zもしくは22-BBz)またはDuoSet(20_19-28z+22-BBz)を用いて形質導入したヒトT細胞を、4つの異なるエフェクター標的比(表示のとおり20:1、10:1、5:1、2.5:1)で細胞傷害性T細胞アッセイにおいて使用した(図8を参照されたい)。CAR-T標的として使用された白血病細胞株は:Raji(3つ全ての標的抗原を発現する)、REH(3つ全ての標的抗原を発現する)、K562(対照、標的を発現しない)、K562-CD19(CD19を発現する)、K562-CD20(CD20を発現する)およびK562-CD22(CD22を発現する)であった。DuoCAR形質導入細胞(20-19-28z+22-BBz)だけが両方の白血病細胞株(RajiおよびREH)、および3つ全ての単一発現K562標的細胞株(K562-CD19、K562-CD20、K562-CD22)に対して高い細胞溶解活性を示した。これは、DuoCARテクノロジーが同じエフェクターT細胞集団において、3つの白血病抗原を同時に独自に標的化できることを実証し、それにより1つまたは2つよりも多い標的抗原を同時に標的化できることによる優れた抗新生物活性を実証し、それにより悪性腫瘍がエスケープ変異体(1つまたは2つの抗原が喪失したまたは下方制御されている細胞クローン。これは免疫アブレーションからエスケープした)を生成する可能性を減少させた。最終結果は、結果的には再発である抗原喪失バリアントのエスケープおよび増殖に起因する、患者についてのさらに高い治癒率である。
【0287】
実施例3
DuoCAR産生方法
本出願に記載されるDuoCARテクノロジーは、遺伝子ベクターによってコードされる1つよりも多い膜貫通タンパク質から2つよりも多い抗原特異性を発現する治療的リンパ球、本実施例ではヒトT細胞の集団を生成する。本実施例では、これは2つの別々の手段によって達成される。図9は、「未形質導入」「共形質導入」および「共トランスフェクション」と表示される3つのデータ列を含有している。図9は、図7においてと同様に生成されたデータの2つの列を含有し、ここで第1列はCD20-およびCD19-特異的な特異的結合の発現についてフローサイトメトリーによって分析され、第2列はCD22-およびCD19-結合活性の発現についてフローサイトメトリーによって分析している。データの第1の列は、未形質導入ヒトT細胞を示している。結合活性は、CAR由来結合活性のCD19、CD20またはCD22組換えタンパク質指標については示されておらず、DuoCAR発現が無いことを実証している。第2の列では、「共形質導入」を、DuoCARを生成するために使用した。このデータセットでは、2つのLVを活性化T細胞を同時に形質導入するために使用した。図7においてと同様に、DuoCARを含むDuoSet中の1つのCARは、CD28シグナル伝達およびCD3ゼータシグナル伝達モチーフに連結されたタンデムCD20およびCD19バインダーであり;他のCARは、CD22バインダーであり4-1BBおよびCD3ゼータシグナル伝達モチーフに連結されていた。列1中の第2象限(Q2)は、CD20およびCD19-scFv活性についてのユニタリ染色の非常に特異的なパターンを示している。これは、両方のバインダーが同じ表面糖タンパク質上にあるためであり、それによりそれらは同じ強度で共発現され、見られる非常に特異的な直線のパターンを生じている。共形質導入データの第2列では、2つの糖タンパク質が各細胞上で均一なパターンで発現されない場合に、さらに伝統的なパターンが見られる。それにより、4つの異なる集団のパターンが見られる。下左の象限では、いずれのバインダーも発現していない細胞が見られる。上左の象限では、CD22 CARだけを発現している細胞が見られる。下右の象限では、CD20_CD19タンデムCARだけを発現している細胞が見られる。最後に、上右の象限では、DuoCARを含むCAR DuoSetの両方のメンバーを発現している細胞が見られる。
【0288】
下の列では、DuoCARを発現する細胞集団が異なる様式で生成されている。無関係に創出された2つのLV調製物をT細胞形質導入の時に使用する共形質導入法とは異なり、「共トランスフェクション」は、2つの骨格プラスミド(DuoCARを含む2つのCARをコードしている)が293T細胞にトランスフェクトされ、同時にLVを生成する方法を指す。この第3世代LVシステムを含む他のプラスミドは、両方の方法において同一である。共トランスフェクション法の有利点は、両方のCARをコードするベクターを含有するLVの単一の調製物が、創出されることである。データから見られるとおり、第2の列の共形質導入法と比較して、CD20-CD19 CARおよびCD22 CAR発現のほとんど同一のパターンが見られる。第2列中のデータの上右象限における、共トランスフェクション(CD22-CARについてCD22およびCD20_19 CARについてCD19共染色)によって生成されたLVによって誘導された両方の糖タンパク質についての染色パターンは、両方法が効率的にDuoCARを生成することを実証している。
【0289】
参考文献:
【0290】
【表1】
【0291】
配列表に関する参照
本出願は、「配列表」という表題のPDFファイルによって米国特許商標庁に電子出願された配列表を含有する。その配列表は参照により本明細書に組み込まれる。
【0292】
本開示の配列
以下に列記した核酸およびアミノ酸配列は、37C.F.R.1.822において定義されたのと同様に、ヌクレオチド塩基に関する標準的な文字略語およびアミノ酸に関する3文字コードを使用して示す。それぞれの核酸配列の一本鎖のみを示すが、示した鎖に関する何らかの参照によって相補鎖が含まれると理解される。添付の配列表中:
配列番号1は、CD20反応性scFv結合ドメインLTG1495)のヌクレオチド配列である。
GAGGTGCAGTTGCAACAGTCAGGAGCTGAACTGGTCAAGCCAGGAGCCAGCGTGAAGATGAGCTGCAAGGCCTCCGGTTACACCTTCACCTCCTACAACATGCACTGGGTGAAACAGACCCCGGGACAAGGGCTCGAATGGATTGGCGCCATCTACCCCGGGAATGGCGATACTTCGTACAACCAGAAGTTCAAGGGAAAGGCCACCCTGACCGCCGACAAGAGCTCCTCCACCGCGTATATGCAGTTGAGCTCCCTGACCTCCGAGGACTCCGCCGACTACTACTGCGCACGGTCCAACTACTATGGAAGCTCGTACTGGTTCTTCGATGTCTGGGGGGCCGGCACCACTGTGACCGTCAGCTCCGGGGGCGGAGGATCCGGTGGAGGCGGAAGCGGGGGTGGAGGATCCGACATTGTGCTGACTCAGTCCCCGGCAATCCTGTCGGCCTCACCGGGCGAAAAGGTCACGATGACTTGTAGAGCGTCGTCCAGCGTGAACTACATGGATTGGTACCAAAAGAAGCCTGGATCGTCACCCAAGCCTTGGATCTACGCTAC
ATCTAACCTGGCCTCCGGCGTGCCAGCGCGGTTCAGCGGGTCCGGCTCGGGCACCTCATACTCGCTGACCATCTCCCGCGTGGAGGCTGAGGACGCCGCGACCTACTACTGCCAGCAGTGGTCCTTCAACCCGCCGACTTTTGGAGGCGGTACTAAGCTGGAGATCAAA
配列番号2は、CD20反応性scFv結合ドメイン(LTG1495)のアミノ酸配列である。
EVQLQQSGAELVKPGASVKMSCKASGYTFTSYNMHWVKQTPGQGLEWIGAIYPGNGDTSYNQKFKGKATLTADKSSSTAYMQLSSLTSEDSADYYCARSNYYGSSYWFFDVWGAGTTVTVSSGGGGSGGGGSGGGGSDIVLTQSPAILSASPGEKVTMTCRASSSVNYMDWYQKKPGSSPKPWIYATSNLASGVPARFSGSGSGTSYSLTISRVEAEDAATYYCQQWSFNPPTFGGGTKLEIK
配列番号3は、CAR LTG1495(LP-1495-CD8 TM-41BB-CD3ゼータ)のヌクレオチド配列である。
ATGCTCCTTCTCGTGACCTCCCTGCTTCTCTGCGAACTGCCCCATCCTGCCTTCCTGCTGATTCCCGAGGTGCAGTTGCAACAGTCAGGAGCTGAACTGGTCAAGCCAGGAGCCAGCGTGAAGATGAGCTGCAAGGCCTCCGGTTACACCTTCACCTCCTACAACATGCACTGGGTGAAACAGACCCCGGGACAAGGGCTCGAATGGATTGGCGCCATCTACCCCGGGAATGGCGATACTTCGTACAACCAGAAGTTCAAGGGAAAGGCCACCCTGACCGCCGACAAGAGCTCCTCCACCGCGTATATGCAGTTGAGCTCCCTGACCTCCGAGGACTCCGCCGACTACTACTGCGCACGGTCCAACTACTATGGAAGCTCGTACTGGTTCTTCGATGTCTGGGGGGCCGGCACCACTGTGACCGTCAGCTCCGGGGGCGGAGGATCCGGTGGAGGCGGAAGCGGGGGTGGAGGATCCGACATTGTGCTGACTCAGTCCCCGGCAATCCTGTCGGCCTCACCGGGCGAAAAGGTCACGATGACTTGTAGAGCGTCGTCCAGCGTGAACTACATGGATTGGTACCAAAAGAAGCCTGGATCGTCACCCAAGCCTTGGATCTACGCTACATCTAACCTGGCCTCCGGCGTGCCAGCGCGGTTCAGCGGGTCCGGCTCGGGCACCTCATACTCGCTGACCATCTCCCGCGTGGAGGCTGAGGACGCCGCGACCTACTACTGCCAGCAGTGGTCCTTCAACCCGCCGACTTTTGGAGGCGGTACTAAGCTGGAGATCAAAGCGGCCGCAACTACCACCCCTGCCCCTCGGCCGCCGACTCCGGCCCCAACCATCGCAAGCCAACCCCTCTCCTTGCGCCCCGAAGCTTGCCGCCCGGCCGCGGGTGGAGCCGTGCATACCCGGGGGCTGGACTTTGCCTGCGATATCTACATTTGGGCCCCGCTGGCCGGCACTTGCGGCGTGCTCCTGCTGTCGCTGGTCATCACCCTTTACTGCAAGAGGGGCCGGAAGAAGCTGCTTTACATCTTCAAGCAGCCGTTCATGCGGCCCGTGCAGACGACTCAGGAAGAGGACGGATGCTCGTGCAGATTCCCTGAGGAGGAAGAGGGGGGATGCGAACTGCGCGTCAAGTTCTCACGGTCCGCCGACGCCCCCGCATATCAACAGGGCCAGAATCAGCTCTACAACGAGCTGAACCTGGGAAGGAGAGAGGAGTACGACGTGCTGGACAAGCGACGCGGACGCGACCCGGAGATGGGGGGGAAACCACGGCGGAAAAACCCTCAGGAAGGACTGTACAACGAACTCCAGAAAGACAAGATGGCGGAAGCCTACTCAGAAATCGGGATGAAGGGAGAGCGGAGGAGGGGAAAGGGTCACGACGGGCTGTACCAGGGACTGAGCACCGCCACTAAGGATACCTACGATGCCTTGCATATGCAAGCACTCCCACCCCGG
配列番号4は、CAR LTG1495(LP-1495-CD8 TM-41BB-CD3ゼータ)のアミノ酸配列である。
MLLLVTSLLLCELPHPAFLLIPEVQLQQSGAELVKPGASVKMSCKASGYTFTSYNMHWVKQTPGQGLEWIGAIYPGNGDTSYNQKFKGKATLTADKSSSTAYMQLSSLTSEDSADYYCARSNYYGSSYWFFDVWGAGTTVTVSSGGGGSGGGGSGGGGSDIVLTQSPAILSASPGEKVTMTCRASSSVNYMDWYQKKPGSSPKPWIYATSNLASGVPARFSGSGSGTSYSLTISRVEAEDAATYYCQQWSFNPPTFGGGTKLEIKAAATTTPAPRPPTPAPTIASQPLSLRPEACRPAAGGAVHTRGLDFACDIYIWAPLAGTCGVLLLSLVITLYCKRGRKKLLYIFKQPFMRPVQTTQEEDGCSCRFPEEEEGGCELRVKFSRSADAPAYQQGQNQLYNELNLGRREEYDVLDKRRGRDPEMGGKPRRKNPQEGLYNELQKDKMAEAYSEIGMKGERRRGKGHDGLYQGLSTATKDTYDALHMQALPPR
配列番号5は、リーダー/シグナルペプチド配列のヌクレオチド配列である。
ATGCTGCTGCTGGTGACCAGCCTGCTGCTGTGCGAACTGCCGCATCCGGCGTTTCTGCTGATTCCG
配列番号6は、リーダー/シグナルペプチド配列のアミノ酸配列である。
MLLLVTSLLLCELPHPAFLLIP
配列番号7は、CD22反応性scFv結合ドメインLTG2200)のヌクレオチド配列である。
CAGGTACAGCTCCAGCAGAGTGGCCCAGGGCTCGTGAAGCCAAGCCAGACGCTGTCCCTGACTTGTGCAATTTCAGGGGATTCAGTTTCATCAAATAGCGCGGCGTGGAATTGGATTCGACAATCTCCTTCCCGAGGGTTGGAATGGCTTGGACGAACATATTACAGATCCAAATGGTATAACGACTATGCGGTATCAGTAAAGTCAAGAATAACCATTAACCCCGACACAAGCAAGAACCAATTCTCTTTGCAGCTTAACTCTGTCACGCCAGAAGACACGGCAGTCTATTATTGCGCTCGCGAGGTAACGGGTGACCTGGAAGACGCTTTTGACATTTGGGGGCAGGGTACGATGGTGACAGTCAGTTCAGGGGGCGGTGGGAGTGGGGGAGGGGGTA
GCGGGGGGGGAGGGTCAGACATTCAGATGACCCAGTCCCCTTCATCCTTGTCTGCCTCCGTCGGTGACAGGGTGACAATAACATGCAGAGCAAGCCAAACAATCTGGAGCTATCTCAACTGGTACCAGCAGCGACCAGGAAAAGCGCCAAACCTGCTGATTTACGCTGCTTCCTCCCTCCAATCAGGCGTGCCTAGTAGATTTAGCGGTAGGGGCTCCGGCACCGATTTTACGCTCACTATAAGCTCTCTTCAAGCAGAAGATTTTGCGACTTATTACTGCCAGCAGTCCTATAGTATACCTCAGACTTTCGGACAGGGTACCAAGTTGGAGATTAAGGCGGCCGCA
配列番号8は、CD22反応性scFv結合ドメイン(LTG2200)のアミノ酸配列である。
QVQLQQSGPGLVKPSQTLSLTCAISGDSVSSNSAAWNWIRQSPSRGLEWLGRTYYRSKWYNDYAVSVKSRITINPDTSKNQFSLQLNSVTPEDTAVYYCAREVTGDLEDAFDIWGQGTMVTVSSGGGGSGGGGSGGGGSDIQMTQSPSSLSASVGDRVTITCRASQTIWSYLNWYQQRPGKAPNLLIYAASSLQSGVPSRFSGRGSGTDFTLTISSLQAEDFATYYCQQSYSIPQTFGQGTKLEIKAAA
配列番号9は、CAR LTG2200(LP-2200-CD8 TM-41BB-CD3ゼータ)のヌクレオチド配列である。
ATGCTTCTTTTGGTGACTTCCCTTTTGCTGTGCGAGTTGCCACACCCCGCCTTCCTGCTTATTCCCCAGGTACAGCTCCAGCAGAGTGGCCCAGGGCTCGTGAAGCCAAGCCAGACGCTGTCCCTGACTTGTGCAATTTCAGGGGATTCAGTTTCATCAAATAGCGCGGCGTGGAATTGGATTCGACAATCTCCTTCCCGAGGGTTGGAATGGCTTGGACGAACATATTACAGATCCAAATGGTATAACGACTATGCGGTATCAGTAAAGTCAAGAATAACCATTAACCCCGACACAAGCAAGAACCAATTCTCTTTGCAGCTTAACTCTGTCACGCCAGAAGACACGGCAGTCTATTATTGCGCTCGCGAGGTAACGGGTGACCTGGAAGACGCTTTTGACATTTGGGGGCAGGGTACGATGGTGACAGTCAGTTCAGGGGGCGGTGGGAGTGGGGGAGGGGGTAGCGGGGGGGGAGGGTCAGACATTCAGATGACCCAGTCCCCTTCATCCTTGTCTGCCTCCGTCGGTGACAGGGTGACAATAACATGCAGAGCAAGCCAAACAATCTGGAGCTATCTCAACTGGTACCAGCAGCGACCAGGAAAAGCGCCAAACCTGCTGATTTACGCTGCTTCCTCCCTCCAATCAGGCGTGCCTAGTAGATTTAGCGGTAGGGGCTCCGGCACCGATTTTACGCTCACTATAAGCTCTCTTCAAGCAGAAGATTTTGCGACTTATTACTGCCAGCAGTCCTATAGTATACCTCAGACTTTCGGACAGGGTACCAAGTTGGAGATTAAGGCGGCCGCAACTACCACCCCTGCCCCTCGGCCGCCGACTCCGGCCCCAACCATCGCAAGCCAACCCCTCTCCTTGCGCCCCGAAGCTTGCCGCCCGGCCGCGGGTGGAGCCGTGCATACCCGGGGGCTGGACTTTGCCTGCGATATCTACATTTGGGCCCCGCTGGCCGGCACTTGCGGCGTGCTCCTGCTGTCGCTGGTCATCACCCTTTACTGCAAGAGGGGCCGGAAGAAGCTGCTTTACATCTTCAAGCAGCCGTTCATGCGGCCCGTGCAGACGACTCAGGAAGAGGACGGATGCTCGTGCAGATTCCCTGAGGAGGAAGAGGGGGGATGCGAACTGCGCGTCAAGTTCTCACGGTCCGCCGACGCCCCCGCATATCAACAGGGCCAGAATCAGCTCTACAACGAGCTGAACCTGGGAAGGAGAGAGGAGTACGACGTGCTGGACAAGCGACGCGGACGCGACCCGGAGATGGGGGGGAAACCACGGCGGAAAAACCCTCAGGAAGGACTGTACAACGAACTCCAGAAAGACAAGATGGCGGAAGCCTACTCAGAAATCGGGATGAAGGGAGAGCGGAGGAGGGGAAAGGGTCACGACGGGCTGTACCAGGGACTGAGCACCGCCACTAAGGATACCTACGATGCCTTGCATATGCAAGCACTCCCACCCCGG
配列番号10は、CAR LTG2200(LP-2200-CD8 TM-41BB-CD3ゼータ)のアミノ酸配列である。
MLLLVTSLLLCELPHPAFLLIPQVQLQQSGPGLVKPSQTLSLTCAISGDSVSSNSAAWNWIRQSPSRGLEWLGRTYYRSKWYNDYAVSVKSRITINPDTSKNQFSLQLNSVTPEDTAVYYCAREVTGDLEDAFDIWGQGTMVTVSSGGGGSGGGGSGGGGSDIQMTQSPSSLSASVGDRVTITCRASQTIWSYLNWYQQRPGKAPNLLIYAASSLQSGVPSRFSGRGSGTDFTLTISSLQAEDFATYYCQQSYSIPQTFGQGTKLEIKAAATTTPAPRPPTPAPTIASQPLSLRPEACRPAAGGAVHTRGLDFACDIYIWAPLAGTCGVLLLSLVITLYCKRGRKKLLYIFKQPFMRPVQTTQEEDGCSCRFPEEEEGGCELRVKFSRSADAPAYQQGQNQLYNELNLGRREEYDVLDKRRGRDPEMGGKPRRKNPQEGLYNELQKDKMAEAYSEIGMKGERRRGKGHDGLYQGLSTATKDTYDALHMQALPPR
配列番号11は、DNA CD8膜貫通ドメインのヌクレオチド配列である。
ATCTACATCTGGGCGCCCTTGGCCGGGACTTGTGGGGTCCTTCTCCTGTCACTGGTTATCACCCTTTACTGC
配列番号12は、CD8膜貫通ドメインのアミノ酸配列である。
IWAPLAGTCGVLLLSLVITLYC
配列番号13は、DNA CD8ヒンジドメインのヌクレオチド配列である。
ACCACGACGCCAGCGCCGCGACCACCAACACCGGCGCCCACCATCGCGTCGCAGCCCCTGTCCCTGCGCCCAGAGGCGTGCCGGCCAGCGGCGGGGGGCGCAGTGCACACGAGGGGGCTGGACTTTGCCTGCGATATCTAC
配列番号14は、CD8ヒンジドメインのアミノ酸配列である。
TTTPAPRPPTPAPTIASQPLSLRPEACRPAAGGAVHTRGLDFACDIY
配列番号15は、CD8アルファ(NCBI RefSeq:NP.sub.--001759.3)のヒンジおよび膜貫通領域のアミノ酸番号137から206のアミノ酸配列である。
TTTPAPRPPTPAPTIASQPLSLRPEACRPAAGGAVHTRGLDFACDIYIWAPLAGTCGVLLLSLVITLYC
配列番号16は、ヒトIgG CL配列のアミノ酸配列である。
GQPKAAPSVTLFPPSSEELQANKATLVCLISDFYPGAVTVAWKADSSPVKAGVETTTPSKQSNNKYAASSYLSLTPEQWKSHRSYSCQVTHEGSTVEKTVAPTECS
配列番号17は、4-1BBのDNAシグナル伝達ドメインのヌクレオチド配列である。AAACGGGGCAGAAAGAAACTCCTGTATATATTCAAACAACCATTTATGAGACCAGTACAAACTACTCAAGAGGAAGATGGCTGTAGCTGCCGATTTCCAG AAGAAGAAGAAGGAGGATGTGAACTG
配列番号18は、4-1BBのシグナル伝達ドメインのアミノ酸配列である。
KRGRKKLLYIFKQPFMRPVQTTQEEDGCSCRFPEEEEGGCEL
配列番号19は、CD3-ゼータのDNAシグナル伝達ドメインのヌクレオチド配列である。
AGAGTGAAGTTCAGCAGGAGCGCAGACGCCCCCGCGTACAAGCAGGGCCAGAACCAGCTCTATAACGAGCTCAATCTAGGACGAAGAGAGGAGTACGATGTTTTGGACAAGAGACGTGGCCGGGACCCTGAGATGGGGGGAAAGCCGAGAAGGAAGAACCCTCAGGAAGGCCTGTACAATGAACTGCAGAAAGATAAGATGGCGGAGGCCTACAGTGAGATTGGGATGAAAGGCGAGCGCCGGAGGGGCAAGGGGCACGATGGCCTTTACCAGGGTCTCAGTACAGCCACCAAGGACACCTACGACGCCCTTCACATGCAGGCCCTGCCCCCTCGC
配列番号20は、CD3ゼータのアミノ酸配列である。
RVKFSRSADAPAYKQGQNQLYNELNLGRREEYDVLDKRRGRDPEMGGKPRRKNPQEGLYNELQKDKMAEAYSEIGMKGERRRGKGHDGLYQGLSTATKDTYDALHMQALPPR
配列番号21は、CAR LTG1562(LP-CD19バインダー-CD8リンカー-CD4tm-4-1BB-CD3-ゼータ)のヌクレオチド配列である。
ATGCTGCTGCTGGTGACCAGCCTGCTGCTGTGCGAACTGCCGCATCCGGCGTTTCTGCTGATTCCGGATATTCAGATGACCCAGACCACCAGCAGCCTGAGCGCGAGCCTGGGCGATCGCGTGACCATTAGCTGCCGCGCGAGCCAGGATATTAGCAAATATCTGAACTGGTATCAGCAGAAACCGGATGGCACCGTGAAACTGCTGATTTATCATACCAGCCGCCTGCATAGCGGCGTGCCGAGCCGCTTTAGCGGCAGCGGCAGCGGCACCGATTATAGCCTGACCATTAGCAACCTGGAACAGGAAGATATTGCGACCTATTTTTGCCAGCAGGGCAACACCCTGCCGTATACCTTTGGCGGCGGCACCAAACTGGAAATTACCGGCGGCGGCGGCAGCGGCGGCGGCGGCAGCGGCGGCGGCGGCAGCGAAGTGAAACTGCAGGAAAGCGGCCCGGGCCTGGTGGCGCCGAGCCAGAGCCTGAGCGTGACCTGCACCGTGAGCGGCGTGAGCCTGCCGGATTATGGCGTGAGCTGGATTCGCCAGCCGCCGCGCAAAGGCCTGGAATGGCTGGGCGTGATTTGGGGCAGCGAAACCACCTATTATAACAGCGCGCTGAAAAGCCGCCTGACCATTATTAAAGATAACAGCAAAAGCCAGGTGTTTCTGAAAATGAACAGCCTGCAGACCGATGATACCGCGATTTATTATTGCGCGAAACATTATTATTATGGCGGCAGCTATGCGATGGATTATTGGGGCCAGGGCACCAGCGTGACCGTGAGCAGCGCGGCGGCGCCGGCGCCGCGCCCGCCGACCCCGGCGCCGACCATTGCGAGCCAGCCGCTGAGCCTGCGCCCGGAAGCGTGCCGCCCGGCGGCGGGCGGCGCGGTGCATACCCGCGGCCTGGATTTTGTGCAGCCGATGGCGCTGATTGTGCTGGGCGGCGTGGCGGGCCTGCTGCTGTTTATTGGCCTGGGCATTTTTTTTTGCGTGCGCTGCCGCCCGCGCCGCAAAAAACTGCTGTATATTTTTAAACAGCCGTTTATGCGCCCGGTGCAGACCACCCAGGAAGAAGATGGCTGCAGCTGCCGCTTTCCGGAAGAAGAAGAAGGCGGCTGCGAACTGCGCGTGAAATTTAGCCGCAGCGCGGATGCGCCGGCGTATCAGCAGGGCCAGAACCAGCTGTATAACGAACTGAACCTGGGCCGCCGCGAAGAATATGATGTGCTGGATAAACGCCGCGGCCGCGATCCGGAAATGGGCGGCAAACCGCGCCGCAAAAACCCGCAGGAAGGCCTGTATAACGAACTGCAGAAAGATAAAATGGCGGAAGCGTATAGCGAAATTGGCATGAAAGGCGAACGCCGCCGCGGCAAAGGCCATGATGGCCTGTATCAGGGCCTGAGCACCGCGACCAAAGATACCTATGATGCG
CTGCATATGCAGGCGCTGCCGCCGCGC
配列番号22は、CAR LTG1562(LP-CD19バインダー-CD8リンク-CD4tm-4-1BB-CD3-ゼータ)のアミノ酸配列である。
MLLLVTSLLLCELPHPAFLLIPDIQMTQTTSSLSASLGDRVTISCRASQDISKYLNWYQQKPDGTVKLLIYHTSRLHSGVPSRFSGSGSGTDYSLTISNLEQEDIATYFCQQGNTLPYTFGGGTKLEITGGGGSGGGGSGGGGSEVKLQESGPGLVAPSQSLSVTCTVSGVSLPDYGVSWIRQPPRKGLEWLGVIWGSETTYYNSALKSRLTIIKDNSKSQVFLKMNSLQTDDTAIYYCAKHYYYGGSYAMDYWGQGTSVTVSSAAAPAPRPPTPAPTIASQPLSLRPEACRPAAGGAVHTRGLDFVQPMALIVLGGVAGLLLFIGLGIFFCVRCRPRRKKLLYIFKQPFMRPVQTTQEEDGCSCRFPEEEEGGCELRVKFSRSADAPAYQQGQNQLYNE
LNLGRREEYDVLDKRRGRDPEMGGKPRRKNPQEGLYNELQKDKMAEAYSEIGMKGERRRGKGHDGLYQGLSTATKDTYDALHMQALPPR
配列番号23は、CD20_19-反応性scFv結合ドメイン(LTG1497二重特異性バインダー)のヌクレオチド配列である。
GAGGTGCAGTTGCAACAGTCAGGAGCTGAACTGGTCAAGCCAGGAGCCAGCGTGAAGATGAGCTGCAAGGCCTCCGGTTACACCTTCACCTCCTACAACATGCACTGGGTGAAACAGACCCCGGGACAAGGGCTCGAATGGATTGGCGCCATCTACCCCGGGAATGGCGATACTTCGTACAACCAGAAGTTCAAGGGAAAGGCCACCCTGACCGCCGACAAGAGCTCCTCCACCGCGTATATGCAGTTGAGCTCCCTGACCTCCGAGGACTCCGCCGACTACTACTGCGCACGGTCCAACTACTATGGAAGCTCGTACTGGTTCTTCGATGTCTGGGGGGCCGGCACCACTGTGACCGTCAGCTCCGGGGGCGGAGGATCCGGTGGAGGCGGAAGCGGGGGTGGAGGATCCGACATTGTGCTGACTCAGTCCCCGGCAATCCTGTCGGCCTCACCGGGCGAAAAGGTCACGATGACTTGTAGAGCGTCGTCCAGCGTGAACTACATGGATTGGTACCAAAAGAAGCCTGGATCGTCACCCAAGCCTTGGATCTACGCTACATCTAACCTGGCCTCCGGCGTGCCAGCGCGGTTCAGCGGGTCCGGCTCGGGCACCTCATACTCGCTGACCATCTCCCGCGTGGAGGCTGAGGACGCCGCGACCTACTACTGCCAGCAGTGGTCCTTCAACCCGCCGACTTTTGGAGGCGGTACTAAGCTGGAGATCAAAGGAGGCGGCGGCAGCGGCGGGGGAGGGTCCGGAGGGGGTGGTTCTGGTGGAGGAGGATCGGGAGGCGGTGGCAGCGACATTCAGATGACTCAGACCACCTCCTCCCTGTCCGCCTCCCTGGGCGACCGCGTGACCATCTCATGCCGCGCCAGCCAGGACATCTCGAAGTACCTCAACTGGTACCAGCAGAAGCCCGACGGAACCGTGAAGCTCCTGATCTACCACACCTCCCGGCTGCACAGCGGAGTGCCGTCTAGATTCTCGGGTTCGGGGTCGGGAACTGACTACTCCCTTACTATTTCCAACCTGGAGCAGGAGGATATTGCCACCTACTTCTGCCAACAAGGAAACACCCTGCCGTACACTTTTGGCGGGGGAACCAAGCTGGAAATCACTGGCAGCACATCCGGTTCCGGGAAGCCCGGCTCCGGAGAGGGCAGCACCAAGGGGGAAGTCAAGCTGCAGGAATCAGGACCTGGCCTGGTGGCCCCGAGCCAGTCACTGTCCGTGACTTGTACTGTGTCCGGAGTGTCGCTCCCGGATTACGGAGTGTCCTGGATCAGGCAGCCACCTCGGAAAGGATTGGAATGGCTCGGAGTCATCTGGGGTTCCGAAACCACCTATTACAACTCGGCACTGAAATCCAGGCTCACCATTATCAAGGATAACTCCAAGTCACAAGTGTTCCTGAAGATGAATAGCCTGCAGACTGACGACACGGCGATCTACTATTGCGCCAAGCACTACTACTACGGCGGATCCTACGCTATGGACTACTGGGGCCAGGGGACCAGCGTGACCGTGTCATCCGCGGCCGCA
配列番号24は、CD20_19-反応性scFv結合ドメイン(LTG1497二重特異性バインダー)のアミノ酸配列である。
EVQLQQSGAELVKPGASVKMSCKASGYTFTSYNMHWVKQTPGQGLEWIGAIYPGNGDTSYNQKFKGKATLTADKSSSTAYMQLSSLTSEDSADYYCARSNYYGSSYWFFDVWGAGTTVTVSSGGGGSGGGGSGGGGSDIVLTQSPAILSASPGEKVTMTCRASSSVNYMDWYQKKPGSSPKPWIYATSNLASGVPARFSGSGSGTSYSLTISRVEAEDAATYYCQQWSFNPPTFGGGTKLEIKGGGGSGGGGSGGGGSGGGGSGGGGSDIQMTQTTSSLSASLGDRVTISCRASQDISKYLNWYQQKPDGTVKLLIYHTSRLHSGVPSRFSGSGSGTDYSLTISNLEQEDIATYFCQQGNTLPYTFGGGTKLEITGSTSGSGKPGSGEGSTKGEVKLQESGPGLVAPSQSLSVTCTVSGVSLPDYGVSWIRQPPRKGLEWLGVIWGSETTYYNSALKSRLTIIKDNSKSQVFLKMNSLQTDDTAIYYCAKHYYYGGSYAMDYWGQGTSVTVSSAAA
配列番号25は、CAR LTG1497(LP-LTG1497-CD8 TM-41BB-CD3ゼータ)または(LP-CD20 VH-(GGGGS)-CD20 VL-(GGGGS)-CD19VL-ウィットロウリンカー-CD19 VH-CD8ヒンジ+TM-41BB-CD3ゼータ)のヌクレオチド配列である。
ATGCTCCTTCTCGTGACCTCCCTGCTTCTCTGCGAACTGCCCCATCCTGCCTTCCTGCTGATTCCCGAGGTGCAGTTGCAACAGTCAGGAGCTGAACTGGTCAAGCCAGGAGCCAGCGTGAAGATGAGCTGCAAGGCCTCCGGTTACACCTTCACCTCCTACAACATGCACTGGGTGAAACAGACCCCGGGACAAGGGCTCGAATGGATTGGCGCCATCTACCCCGGGAATGGCGATACTTCGTACAACCAGAAGTTCAAGGGAAAGGCCACCCTGACCGCCGACAAGAGCTCCTCCACCGCGTATATGCAGTTGAGCTCCCTGACCTCCGAGGACTCCGCCGACTACTACTGCGCACGGTCCAACTACTATGGAAGCTCGTACTGGTTCTTCGATGTCTGGGGGGCCGGCACCACTGTGACCGTCAGCTCCGGGGGCGGAGGATCCGGTGGAGGCGGAAGCGGGGGTGGAGGATCCGACATTGTGCTGACTCAGTCCCCGGCAATCCTGTCGGCCTCACCGGGCGAAAAGGTCACGATGACTTGTAGAGCGTCGTCCAGCGTGAACTACATGGATTGGTACCAAAAGAAGCCTGGATCGTCACCCAAGCCTTGGATCTACGCTACATCTAACCTGGCCTCCGGCGTGCCAGCGCGGTTCAGCGGGTCCGGCTCGGGCACCTCATACTCGCTGACCATCTCCCGCGTGGAGGCTGAGGACGCCGCGACCTACTACTGCCAGCAGTGGTCCTTCAACCCGCCGACTTTTGGAGGCGGTACTAAGCTGGAGATCAAAGGAGGCGGCGGCAGCGGCGGGGGAGGGTCCGGAGGGGGTGGTTCTGGTGGAGGAGGATCGGGAGGCGGTGGCAGCGACATTCAGATGACTCAGACCACCTCCTCCCTGTCCGCCTCCCTGGGCGACCGCGTGACCATCTCATGCCGCGCCAGCCAGGACATCTCGAAGTACCTCAACTGGTACCAGCAGAAGCCCGACGGAACCGTGAAGCTCCTGATCTACCACACCTCCCGGCTGCACAGCGG
AGTGCCGTCTAGATTCTCGGGTTCGGGGTCGGGAACTGACTACTCCCTTACTATTTCCAACCTGGAGCAGGAGGATATTGCCACCTACTTCTGCCAACAAGGAAACACCCTGCCGTACACTTTTGGCGGGGGAACCAAGCTGGAAATCACTGGCAGCACATCCGGTTCCGGGAAGCCCGGCTCCGGAGAGGGCAGCACCAAGGGGGAAGTCAAGCTGCAGGAATCAGGACCTGGCCTGGTGGCCCCGAGCCAGTCACTGTCCGTGACTTGTACTGTGTCCGGAGTGTCGCTCCCGGATTACGGAGTGTCCTGGATCAGGCAGCCACCTCGGAAAGGATTGGAATGGCTCGGAGTCATCTGGGGTTCCGAAACCACCTATTACAACTCGGCACTGAAATCCAGGCTCACCATTATCAAGGATAACTCCAAGTCACAAGTGTTCCTGAAGATGAATAGCCTGCAGACTGACGACACGGCGATCTACTATTGCGCCAAGCACTACTACTACGGCGGATCCTACGCTATGGACTACTGGGGCCAGGGGACCAGCGTGACCGTGTCATCCGCGGCCGCAACTACCACCCCTGCCCCTCGGCCGCCGACTCCGGCCCCAACCATCGCAAGCCAACCCCTCTCCTTGCGCCCCGAAGCTTGCCGCCCGGCCGCGGGTGGAGCCGTGCATACCCGGGGGCTGGACTTTGCCTGCGATATCTACATTTGGGCCCCGCTGGCCGGCACTTGCGGCGTGCTCCTGCTGTCGCTGGTCATCACCCTTTACTGCAAGAGGGGCCGGAAGAAGCTGCTTTACATCTTCAAGCAGCCGTTCATGCGGCCCGTGCAGACGACTCAGGAAGAGGACGGATGCTCGTGCAGATTCCCTGAGGAGGAAGAGGGGGGATGCGAACTGCGCGTCAAGTTCTCACGGTCCGCCGACGCCCCCGCATATCAACAGGGCCAGAATCAGCTCTACAACGAGCTGAACCTGGGAAGGAGAGAGGAGTACGACGTGCTGGACAAGCGACGCGGACGCGACCCGGAGATGGGGGGGAAACCACGGCGGAAAAACCCTCAGGAAGGACTGTACAACGAACTCCAGAAAGACAAGATGGCGGAAGCCTACTCAGAAATCGGGATGAAGGGAGAGCGGAGGAGGGGAAAGGGTCACGACGGGCTGTACCAGGGACTGAGCACCGCCACTAAGGATACCTACGATGCCTTGCATATGCAAGCACTCCCACCCCGG
配列番号26は、CAR LTG1497(LP-LTG1497-CD8 TM-41BB-CD3ゼータ)または(LP-CD20 VH-(GGGGS)-CD20 VL-(GGGGS)-CD19VL-ウィットロウリンカー-CD19 VH-CD8ヒンジ+TM-41BB-CD3ゼータ)のアミノ酸配列である。
MLLLVTSLLLCELPHPAFLLIPEVQLQQSGAELVKPGASVKMSCKASGYTFTSYNMHWVKQTPGQGLEWIGAIYPGNGDTSYNQKFKGKATLTADKSSSTAYMQLSSLTSEDSADYYCARSNYYGSSYWFFDVWGAGTTVTVSSGGGGSGGGGSGGGGSDIVLTQSPAILSASPGEKVTMTCRASSSVNYMDWYQKKPGSSPKPWIYATSNLASGVPARFSGSGSGTSYSLTISRVEAEDAATYYCQQWSFNPPTFGGGTKLEIKGGGGSGGGGSGGGGSGGGGSGGGGSDIQMTQTTSSLSASLGDRVTISCRASQDISKYLNWYQQKPDGTVKLLIYHTSRLHSGVPSRFSGSGSGTDYSLTISNLEQEDIATYFCQQGNTLPYTFGGGTKLEITGSTSGSGKPGSGEGSTKGEVKLQESGPGLVAPSQSLSVTCTVSGVSLPDYGVSWIRQPPRKGLEWLGVIWGSETTYYNSALKSRLTIIKDNSKSQVFLKMNSLQTDDTAIYYCAKHYYYGGSYAMDYWGQGTSVTVSSAAATTTPAPRPPTPAPTIASQPLSLRPEACRPAAGGAVHTRGLDFACDIYIWAPLAGTCGVLLLSLVITLYCKRGRKKLLYIFKQPFMRPVQTTQEEDGCSCRFPEEEEGGCELRVKFSRSADAPAYQQGQNQLYNELNLGRREEYDVLDKRRGRDPEMGGKPRRKNPQEGLYNELQKDKMAEAYSEIGMKGERRRGKGHDGLYQGLSTATKDTYDALHMQALPPR
配列番号27は、CD19のためのscFVのヌクレオチド配列である。
GACATCCAGATGACACAGACTACATCCTCCCTGTCTGCCTCTCTGGGAGACAGAGTCACCATCAGTTGCAGGGCAAGTCAGGACATTAGTAAATATTTAAATTGGTATCAGCAGAAACCAGATGGAACTGTTAAACTCCTGATCTACCATACATCAAGATTACACTCAGGAGTCCCATCAAGGTTCAGTGGCAGTGGGTCTGGAACAGATTATTCTCTCACCATTAGCAACCTGGAGCAAGAAGATATTGCCACTTACTTTTGCCAACAGGGTAATACGCTTCCGTACACGTTCGGAGGGGGGACCAAGCTGGAGATCACAGGTGGCGGTGGCTCGGGCGGTGGTGGGTCGGGTGGCGGCGGATCTGAGGTGAAACTGCAGGAGTCAGGACCTGGCCTGGTGGCGCCCTCACAGAGCCTGTCCGTCACATGCACTGTCTCAGGGGTCTCATTACCCGACTATGGTGTAAGCTGGATTCGCCAGCCTCCACGAAAGGGTCTGGAGTGGCTGGGAGTAATATGGGGTAGTGAAACCACATACTATAATTCAGCTCTCAAATCCAGACTGACCATCATCAAGGACAACTCCAAGAGCCAAGTTTTCTTAAAAATGAACAGTCTGCAAACTGATGACACAGCCATTTACTACTGTGCCAAACATTATTACTACGGTGGTAGCTATGCTATGGACTACTGGGGCCAAGGAACCTCAGTCACCGTCTCCTCA
配列番号28は、CD19のためのscFVのアミノ酸配列である。
DIQMTQTTSSLSASLGDRVTISCRASQDISKYLNWYQQKPDGTVKLLIYHTSRLHSGVPSRFSGSGSGTDYSLTISNLEQEDIATYFCQQGNTLPYTFGGGTKLEITGGGGSGGGGSGGGGSEVKLQESGPGLVAPSQSLSVTCTVSGVSLPDYGVSWIRQPPRKGLEWLGVIWGSETTYYNSALKSRLTIIKDNSKSQVFLKMNSLQTDDTAIYYCAKHYYYGGSYAMDYWGQGTSVTVSS
配列番号29は、CAR LTG 1494(LP-CD19バインダー-CD8リンク-CD8tm-41BB-CD3ゼータ)のヌクレオチド配列である。
ATGCTTCTCCTGGTCACCTCCCTGCTCCTCTGCGAACTGCCTCACCCTGCCTTCCTTCTGATTCCTGACACTGACATTCAGATGACTCAGACCACCTCTTCCTTGTCCGCGTCACTGGGAGACAGAGTGACCATCTCGTGTCGCGCAAGCCAGGATATCT
CCAAGTACCTGAACTGGTACCAACAGAAGCCCGACGGGACTGTGAAGCTGCTGATCTACCACACCTCACGCCTGCACAGCGGAGTGCCAAGCAGATTCTCCGGCTCCGGCTCGGGAACCGATTACTCGCTTACCATTAGCAACCTCGAGCAGGAGGACATCGCTACCTACTTCTGCCAGCAAGGAAATACCCTGCCCTACACCTTCGGCGGAGGAACCAAATTGGAAATCACCGGCTCCACGAGCGGCTCCGGGAAGCCTGGTTCCGGGGAAGGCTCCACTAAGGGTGAAGTGAAGCTCCAGGAGTCCGGCCCCGGCCTGGTGGCGCCGTCGCAATCACTCTCTGTGACCTGTACCGTGTCGGGAGTGTCCCTGCCTGATTACGGCGTGAGCTGGATTCGGCAGCCGCCGCGGAAGGGCCTGGAATGGCTGGGTGTCATCTGGGGATCCGAGACTACCTACTACAACTCGGCCCTGAAGTCCCGCCTGACTATCATCAAAGACAACTCGAAGTCCCAGGTCTTTCTGAAGATGAACTCCCTGCAAACTGACGACACCGCCATCTATTACTGTGCTAAGCACTACTACTACGGTGGAAGCTATGCTATGGACTACTGGGGCCAGGGGACATCCGTGACAGTCAGCTCCGCGGCCGCAACTACCACCCCTGCCCCTCGGCCGCCGACTCCGGCCCCAACCATCGCAAGCCAACCCCTCTCCTTGCGCCCCGAAGCTTGCCGCCCGGCCGCGGGTGGAGCCGTGCATACCCGGGGGCTGGACTTTGCCTGCGATATCTACATTTGGGCCCCGCTGGCCGGCACTTGCGGCGTGCTCCTGCTGTCGCTGGTCATCACCCTTTACTGCAAGAGGGGCCGGAAGAAGCTGCTTTACATCTTCAAGCAGCCGTTCATGCGGCCCGTGCAGACGACTCAGGAAGAGGACGGATGCTCGTGCAGATTCCCTGAGGAGGAAGAGGGGGGATGCGAACTGCGCGTCAAGTTCTCACGGTCCGCCGACGCCCCCGCATATCAACAGGGCCAGAATCAGCTCTACAACGAGCTGAACCTGGGAAGGAGAGAGGAGTACGACGTGCTGGACAAGCGACGCGGACGCGACCCGGAGATGGGGGGGAAACCACGGCGGAAAAACCCTCAGGAAGGACTGTACAACGAACTCCAGAAAGACAAGATGGCGGAAGCCTACTCAGAAATCGGGATGAAGGGAGAGCGGAGGAGGGGAAAGGGTCACGACGGGCTGTACCAGGGACTGAGCACCGCCACTAAGGATACCTACGATGCCTTGCATATGCAAGCACTCCCACCCCGG
配列番号30は、CAR LTG 1494(LP-CD19バインダー-CD8リンク-CD8tm-41BB-CD3ゼータ)のアミノ酸配列である。
MLLLVTSLLLCELPHPAFLLIPDTDIQMTQTTSSLSASLGDRVTISCRASQDISKYLNWYQQKPDGTVKLLIYHTSRLHSGVPSRFSGSGSGTDYSLTISNLEQEDIATYFCQQGNTLPYTFGGGTKLEITGSTSGSGKPGSGEGSTKGEVKLQESGPGLVAPSQSLSVTCTVSGVSLPDYGVSWIRQPPRKGLEWLGVIWGSETTYYNSALKSRLTIIKDNSKSQVFLKMNSLQTDDTAIYYCAKHYYYGGSYAMDYWGQGTSVTVSSAAATTTPAPRPPTPAPTIASQPLSLRPEACRPAAGGAVHTRGLDFACDIYIWAPLAGTCGVLLLSLVITLYCKRGRKKLLYIFKQPFMRPVQTTQEEDGCSCRFPEEEEGGCELRVKFSRSADAPAYQQGQNQLYNELNLGRREEYDVLDKRRGRDPEMGGKPRRKNPQEGLYNELQKDKMAEAYSEIGMKGERRRGKGHDGLYQGLSTATKDTYDALHMQALPPR
配列番号31は、CAR LTG1538(LP-CD19バインダー-CD8リンク-CD8tm-シグナル(LTI再操作されたCD19 CAR)のヌクレオチド配列である。
ATGCTTCTCCTGGTCACCTCCCTGCTCCTCTGCGAACTGCCTCACCCTGCCTTCCTTCTGATTCCTGACATTCAGATGACTCAGACCACCTCTTCCTTGTCCGCGTCACTGGGAGACAGAGTGACCATCTCGTGTCGCGCAAGCCAGGATATCTCCAAGTACCTGAACTGGTACCAACAGAAGCCCGACGGGACTGTGAAGCTGCTGATCTACCACACCTCACGCCTGCACAGCGGAGTGCCAAGCAGATTCTCCGGCTCCGGCTCGGGAACCGATTACTCGCTTACCATTAGCAACCTCGAGCAGGAGGACATCGCTACCTACTTCTGCCAGCAAGGAAATACCCTGCCCTACACCTTCGGCGGAGGAACCAAATTGGAAATCACCGGCGGAGGAGGCTCCGGGGGAGGAGGTTCCGGGGGCGGGGGTTCCGAAGTGAAGCTCCAGGAGTCCGGCCCCGGCCTGGTGGCGCCGTCGCAATCACTCTCTGTGACCTGTACCGTGTCGGGAGTGTCCCTGCCTGATTACGGCGTGAGCTGGATTCGGCAGCCGCCGCGGAAGGGCCTGGAATGGCTGGGTGTCATCTGGGGATCCGAGACTACCTACTACAACTCGGCCCTGAAGTCCCGCCTGACTATCATCAAAGACAACTCGAAGTCCCAGGTCTTTCTGAAGATGAACTCCCTGCAAACTGACGACACCGCCATCTATTACTGTGCTAAGCACTACTACTACGGTGGAAGCTATGCTATGGACTACTGGGGGCAAGGCACTTCGGTGACTGTGTCAAGCGCGGCCGCAACTACCACCCCTGCCCCTCGGCCGCCGACTCCGGCCCCAACCATCGCAAGCCAACCCCTCTCCTTGCGCCCCGAAGCTTGCCGCCCGGCCGCGGGTGGAGCCGTGCATACCCGGGGGCTGGACTTTGCCTGCGATATCTACATTTGGGCCCCGCTGGCCGGCACTTGCGGCGTGCTCCTGCTGTCGCTGGTCATCACCCTTTACTGCAAGAGGGGCCGGAAGAAGCTGCTTTACATCTTCAAGCAGCCGTTCATGCGGCCCGTGCAGACGACTCAGGAAGAGGACGGATGCTCGTGCAGATTCCCTGAGGAGGAAGAGGGGGGATGCGAACTGCGCGTCAAGTTCTCACGGTCCGCCGACGCCCCCGCATATCAACAGGGCCAGAATCAGCTCTACAACGAGCTGAACCTGGGAAGGAGAGAGGAGTACGACGTGCTGGACAAGCGACGCGGACGCGACCCGGAGATGGGGGGGAAACCACGGCGGAAAAACCCTCAGGAAGGACTGTACAACGAACTCCAGAAAGACAAGATGGCGGAAGCCTACTCAGAAATCGGGATGAAGGGAGAGCGGAGGAGGGGAAAGGGTCACGACGGGCTGTACCAGGGACTGAGCACCGCCACTAAGGATACCTACGATGCCTTGCATATGCAAGCACTCCCACCCCGG
配列番号32は、CAR LTG1538(LP-CD19バインダー-CD8リンク-CD8tm-シグナル(LTI再操作されたCD19 CAR)のアミノ酸配列である。
MLLLVTSLLLCELPHPAFLLIPDIQMTQTTSSLSASLGDRVTISCRASQDISKYLNWYQQKPDGTVKLLIYHTSRLHSGVPSRFSGSGSGTDYSLTISNLEQEDIATYFCQQGNTLPYTFGGGTKLEITGGGGSGGGGSGGGGSEVKLQESGPGLVAPSQSLSVTCTVSGVSLPDYGVSWIRQPPRKGLEWLGVIWGSETTYYNSALKSRLTIIKDNSKSQVFLKMNSLQTDDTAIYYCAKHYYYGGSYAMDYWGQGTSVTVSSAAATTTPAPRPPTPAPTIASQPLSLRPEACRPAAGGAVHTRGLDFACDIYIWAPLAGTCGVLLLSLVITLYCKRGRKKLLYIFKQPFMRPVQTTQEEDGCSCRFPEEEEGGCELRVKFSRSADAPAYQQGQNQLYNELNLGRREEYDVLDKRRGRDPEMGGKPRRKNPQEGLYNELQKDKMAEAYSEIGMKGERRRGKGHDGLYQGLSTATKDTYDALHMQALPPR
配列番号33は、CD19_20反応性scFv結合ドメイン(LTG1496)のヌクレオチド配列である。
GACATTCAGATGACTCAGACCACCTCCTCCCTGTCCGCCTCCCTGGGCGACCGCGTGACCATCTCATGCCGCGCCAGCCAGGACATCTCGAAGTACCTCAACTGGTACCAGCAGAAGCCCGACGGAACCGTGAAGCTCCTGATCTACCACACCTCCCGGCTGCACAGCGGAGTGCCGTCTAGATTCTCGGGTTCGGGGTCGGGAACTGACTACTCCCTTACTATTTCCAACCTGGAGCAGGAGGATATTGCCACCTACTTCTGCCAACAAGGAAACACCCTGCCGTACACTTTTGGCGGGGGAACCAAGCTGGAAATCACTGGCAGCACATCCGGTTCCGGGAAGCCCGGCTCCGGAGAGGGCAGCACCAAGGGGGAAGTCAAGCTGCAGGAATCAGGACCTGGCCTGGTGGCCCCGAGCCAGTCACTGTCCGTGACTTGTACTGTGTCCGGAGTGTCGCTCCCGGATTACGGAGTGTCCTGGATCAGGCAGCCACCTCGGAAAGGATTGGAATGGCTCGGAGTCATCTGGGGTTCCGAAACCACCTATTACAACTCGGCACTGAAATCCAGGCTCACCATTATCAAGGATAACTCCAAGTCACAAGTGTTCCTGAAGATGAATAGCCTGCAGACTGACGACACGGCGATCTACTATTGCGCCAAGCACTACTACTACGGCGGATCCTACGCTATGGACTACTGGGGCCAGGGGACCAGCGTGACCGTGTCATCCGGAGGCGGCGGCAGCGGCGGGGGAGGGTCCGGAGGGGGTGGTTCTGGTGGAGGAGGATCGGGAGGCGGTGGCAGCGAGGTGCAGTTGCAACAGTCAGGAGCTGAACTGGTCAAGCCAGGAGCCAGCGTGAAGATGAGCTGCAAGGCCTCCGGTTACACCTTCACCTCCTACAACATGCACTGGGTGAAACAGACCCCGGGACAAGGGCTCGAATGGATTGGCGCCATCTACCCCGGGAATGGCGATACTTCGTACAACCAGAAGTTCAAGGGAAAGGCCACCCTGACCGCCGACAAGAGCTCCTCCACCGCGTATATGCAGTTGAGCTCCCTGACCTCCGAGGACTCCGCCGACTACTACTGCGCACGGTCCAACTACTATGGAAGCTCGTACTGGTTCTTCGATGTCTGGGGGGCCGGCACCACTGTGACCGTCAGCTCCGGGGGCGGAGGATCCGGTGGAGGCGGAAGCGGGGGTGGAGGATCCGACATTGTGCTGACTCAGTCCCCGGCAATCCTGTCGGCCTCACCGGGCGAAAAGGTCACGATGACTTGTAGAGCGTCGTCCAGCGTGAACTACATGGATTGGTACCAAAAGAAGCCTGGATCGTCACCCAAGCCTTGGATCTACGCTACATCTAACCTGGCCTCCGGCGTGCCAGCGCGGTTCAGCGGGTCCGGCTCGGGCACCTCATACTCGCTGACCATCTCCCGCGTGGAGGCTGAGGACGCCGCGACCTACTACTGCCAGCAGTGGTCCTTCAACCCGCCGACTTTTGGAGGCGGTACTAAGCTGGAGATCAAAGCGGCCGCA
配列番号34は、CD19_20反応性scFv結合ドメイン(LTG1496)のアミノ酸配列である。
DIQMTQTTSSLSASLGDRVTISCRASQDISKYLNWYQQKPDGTVKLLIYHTSRLHSGVPSRFSGSGSGTDYSLTISNLEQEDIATYFCQQGNTLPYTFGGGTKLEITGSTSGSGKPGSGEGSTKGEVKLQESGPGLVAPSQSLSVTCTVSGVSLPDYGVSWIRQPPRKGLEWLGVIWGSETTYYNSALKSRLTIIKDNSKSQVFLKMNSLQTDDTAIYYCAKHYYYGGSYAMDYWGQGTSVTVSSGGGGSGGGGSGGGGSGGGGSGGGGSEVQLQQSGAELVKPGASVKMSCKASGYTFTSYNMHWVKQTPGQGLEWIGAIYPGNGDTSYNQKFKGKATLTADKSSSTAYMQLSSLTSEDSADYYCARSNYYGSSYWFFDVWGAGTTVTVSSGGGGSGGGGSGGGGSDIVLTQSPAILSASPGEKVTMTCRASSSVNYMDWYQKKPGSSPKPWIYATSNLASGVPARFSGSGSGTSYSLTISRVEAEDAATYYCQQWSFNPPTFGGGTKLEIKAAA
配列番号35は、CAR LTG1496(LP-LTG1496-CD8 TM-41BB-CD3ゼータ)または(LP-CD19 VL-ウィットロウリンカー-CD19
VH(GGGGS) CD20 VH (GGGGS)-CD20 VL CD8ヒンジ+TM-41BB-CD3ゼータ)のヌクレオチド配列である。
ATGCTCCTTCTCGTGACCTCCCTGCTTCTCTGCGAACTGCCCCATCCTGCCTTCCTGCTGATTCCCGACATTCAGATGACTCAGACCACCTCCTCCCTGTCCGCCTCCCTGGGCGACCGCGTGACCATCTCATGCCGCGCCAGCCAGGACATCTCGAAGTACCTCAACTGGTACCAGCAGAAGCCCGACGGAACCGTGAAGCTCCTGATCTACCACACCTCCCGGCTGCACAGCGGAGTGCCGTCTAGATTCTCGGGTTCGGGGTCGGGAACTGACTACTCCCTTACTATTTCCAACCTGGAGCAGGAGGATATTGCCACCTACTTCTGCCAACAAGGAAACACCCTGCCGTACACTTTTGGCGGGGGAACCAAGCTGGAAATCACTGGCAGCACATCCGGTTCCGGGAAGCCCGGCTCCGGAGAGGGCAGCACCAAGGGGGAAGTCAAGCTGCAGGAATCAGGACCTGGCCTGGTGGCCCCGAGCCAGTCACTGTCCGTGACTTGTACTGTGTCCGGAGTGTCGCTCCCGGATTACGGAGTGTCCTGGATCAGGCAGCCACCTCGGAAAGGATTGGAATGGCTCGGAGTCATCTGGGGTTCCGAAACCACCTATTACAACTCGGCACTGAAATCCAGGC
TCACCATTATCAAGGATAACTCCAAGTCACAAGTGTTCCTGAAGATGAATAGCCTGCAGACTGACGACACGGCGATCTACTATTGCGCCAAGCACTACTACTACGGCGGATCCTACGCTATGGACTACTGGGGCCAGGGGACCAGCGTGACCGTGTCATCCGGAGGCGGCGGCAGCGGCGGGGGAGGGTCCGGAGGGGGTGGTTCTGGTGGAGGAGGATCGGGAGGCGGTGGCAGCGAGGTGCAGTTGCAACAGTCAGGAGCTGAACTGGTCAAGCCAGGAGCCAGCGTGAAGATGAGCTGCAAGGCCTCCGGTTACACCTTCACCTCCTACAACATGCACTGGGTGAAACAGACCCCGGGACAAGGGCTCGAATGGATTGGCGCCATCTACCCCGGGAATGGCGATACTTCGTACAACCAGAAGTTCAAGGGAAAGGCCACCCTGACCGCCGACAAGAGCTCCTCCACCGCGTATATGCAGTTGAGCTCCCTGACCTCCGAGGACTCCGCCGACTACTACTGCGCACGGTCCAACTACTATGGAAGCTCGTACTGGTTCTTCGATGTCTGGGGGGCCGGCACCACTGTGACCGTCAGCTCCGGGGGCGGAGGATCCGGTGGAGGCGGAAGCGGGGGTGGAGGATCCGACATTGTGCTGACTCAGTCCCCGGCAATCCTGTCGGCCTCACCGGGCGAAAAGGTCACGATGACTTGTAGAGCGTCGTCCAGCGTGAACTACATGGATTGGTACCAAAAGAAGCCTGGATCGTCACCCAAGCCTTGGATCTACGCTACATCTAACCTGGCCTCCGGCGTGCCAGCGCGGTTCAGCGGGTCCGGCTCGGGCACCTCATACTCGCTGACCATCTCCCGCGTGGAGGCTGAGGACGCCGCGACCTACTACTGCCAGCAGTGGTCCTTCAACCCGCCGACTTTTGGAGGCGGTACTAAGCTGGAGATCAAAGCGGCCGCAACTACCACCCCTGCCCCTCGGCCGCCGACTCCGGCCCCAACCATCGCAAGCCAACCCCTCTCCTTGCGCCCCGAAGCTTGCCGCCCGGCCGCGGGTGGAGCCGTGCATACCCGGGGGCTGGACTTTGCCTGCGATATCTACATTTGGGCCCCGCTGGCCGGCACTTGCGGCGTGCTCCTGCTGTCGCTGGTCATCACCCTTTACTGCAAGAGGGGCCGGAAGAAGCTGCTTTACATCTTCAAGCAGCCGTTCATGCGGCCCGTGCAGACGACTCAGGAAGAGGACGGATGCTCGTGCAGATTCCCTGAGGAGGAAGAGGGGGGATGCGAACTGCGCGTCAAGTTCTCACGGTCCGCCGACGCCCCCGCATATCAACAGGGCCAGAATCAGCTCTACAACGAGCTGAACCTGGGAAGGAGAGAGGAGTACGACGTGCTGGACAAGCGACGCGGACGCGACCCGGAGATGGGGGGGAAACCACGGCGGAAAAACCCTCAGGAAGGACTGTACAACGAACTCCAGAAAGACAAGATGGCGGAAGCCTACTCAGAAATCGGGATGAAGGGAGAGCGGAGGAGGGGAAAGGGTCACGACGGGCTGTACCAGGGACTGAGCACCGCCACTAAGGATACCTACGATGCCTTGCATATGCAAGCACTCCCACCCCGG
配列番号36は、CAR LTG1496(LP-LTG1496-CD8 TM-41BB-CD3ゼータ)または(LP-CD19 VL-ウィットロウリンカー-CD19
VH(GGGGS) CD20 VH (GGGGS)-CD20 VL CD8ヒンジ+TM-41BB-CD3ゼータ)のアミノ酸配列である。
MLLLVTSLLLCELPHPAFLLIPDIQMTQTTSSLSASLGDRVTISCRASQDISKYLNWYQQKPDGTVKLLIYHTSRLHSGVPSRFSGSGSGTDYSLTISNLEQEDIATYFCQQGNTLPYTFGGGTKLEITGSTSGSGKPGSGEGSTKGEVKLQESGPGLVAPSQSLSVTCTVSGVSLPDYGVSWIRQPPRKGLEWLGVIWGSETTYYNSALKSRLTIIKDNSKSQVFLKMNSLQTDDTAIYYCAKHYYYGGSYAMDYWGQGTSVTVSSGGGGSGGGGSGGGGSGGGGSGGGGSEVQLQQSGAELVKPGASVKMSCKASGYTFTSYNMHWVKQTPGQGLEWIGAIYPGNGDTSYNQKFKGKATLTADKSSSTAYMQLSSLTSEDSADYYCARSNYYGSSYWFFDVWGAGTTVTVSSGGGGSGGGGSGGGGSDIVLTQSPAILSASPGEKVTMTCRASSSVNYMDWYQKKPGSSPKPWIYATSNLASGVPARFSGSGSGTSYSLTISRVEAEDAATYYCQQWSFNPPTFGGGTKLEIKAAATTTPAPRPPTPAPTIASQPLSLRPEACRPAAGGAVHTRGLDFACDIYIWAPLAGTCGVLLLSLVITLYCKRGRKKLLYIFKQPFMRPVQTTQEEDGCSCRFPEEEEGGCELRVKFSRSADAPAYQQGQNQLYNELNLGRREEYDVLDKRRGRDPEMGGKPRRKNPQEGLYNELQKDKMAEAYSEIGMKGERRRGKGHDGLYQGLSTATKDTYDALHMQALPPR
配列番号37は、メソテリン反応性scFv結合ドメイン(LTG1904)のヌクレオチド配列である。
GAGGTCCAGCTGGTACAGTCTGGGGGAGGCTTGGTACAGCCTGGGGGGTCCCTGAGACTCTCCTGTGCAGCCTCTGGATTCACCTTTGATGATTATGCCATGCACTGGGTCCGGCAAGCTCCAGGGAAGGGCCTGGAGTGGGTCTCAGGTATTAGTTGGAATAGTGGTAGCATAGGCTATGCGGACTCTGTGAAGGGCCGATTCACCATCTCCAGAGACAACGCCAAGAACTCCCTGTATCTGCAAATGAACAGTCTGAGAGCTGAGGACACGGCCTTGTATTACTGTGCAAAAGATTTATCGTCAGTGGCTGGACCCTTTAACTACTGGGGCCAGGGCACCCTGGTCACCGTCTCCTCAGGAGGTGGCGGGTCTGGTGGAGGCGGTAGCGGCGGTGGCGGATCCTCTTCTGAGCTGACTCAGGACCCTGCTGTGTCTGTGGCCTTGGGACAGACAGTCAGGATCACATGCCAAGGAGACAGCCTCAGAAGCTATTATGCAAGCTGGTACCAGCAGAAGCCAGGACAGGCCCCTGTACTTGTCATCTATGGTAAAAACAACCGGCCCTCAGGGATCCCAGACCGATTCTCTGGCTCCAGCTCAGGAAACACAGCTTCCTTGACCATCACTGGGGCTCAGGCGGAGGATGAGGCTGACTATTACTGTAACTCCCGGGACAGCAGTGGTAACCATCTGGTATTCGGCGGAGGCACCCAGCTGACCGTCCTCGGT
配列番号38は、メソテリン反応性scFv結合ドメイン(LTG1904)のアミノ酸配列である。
EVQLVQSGGGLVQPGGSLRLSCAASGFTFDDYAMHWVRQAPGKGLEWVSGISWNSGSIGYADSVKGRFTISRDNAKNSLY
LQMNSLRAEDTALYYCAKDLSSVAGPFNYWGQGTLVTVSSGGGGSGGGGSGGGGSSSELTQDPAVSVALGQTVRITCQGDSLRSYYASWYQQKPGQAPVLVIYGKNNRPSGIPDRFSGSSSGNTASLTITGAQAEDEADYYCNSRDSSGNHLVFGGGTQLTVLG
配列番号39は、CAR LTG1904(LP-LTG1904-CD8 TM-41BB-CD3ゼータ)のヌクレオチド配列である。
ATGCTGCTGCTGGTGACCAGCCTGCTGCTGTGCGAACTGCCGCATCCGGCGTTTCTGCTGATTCCGGAGGTCCAGCTGGTACAGTCTGGGGGAGGCTTGGTACAGCCTGGGGGGTCCCTGAGACTCTCCTGTGCAGCCTCTGGATTCACCTTTGATGATTATGCCATGCACTGGGTCCGGCAAGCTCCAGGGAAGGGCCTGGAGTGGGTCTCAGGTATTAGTTGGAATAGTGGTAGCATAGGCTATGCGGACTCTGTGAAGGGCCGATTCACCATCTCCAGAGACAACGCCAAGAACTCCCTGTATCTGCAAATGAACAGTCTGAGAGCTGAGGACACGGCCTTGTATTACTGTGCAAAAGATTTATCGTCAGTGGCTGGACCCTTTAACTACTGGGGCCAGGGCACCCTGGTCACCGTCTCCTCAGGAGGTGGCGGGTCTGGTGGAGGCGGTAGCGGCGGTGGCGGATCCTCTTCTGAGCTGACTCAGGACCCTGCTGTGTCTGTGGCCTTGGGACAGACAGTCAGGATCACATGCCAAGGAGACAGCCTCAGAAGCTATTATGCAAGCTGGTACCAGCAGAAGCCAGGACAGGCCCCTGTACTTGTCATCTATGGTAAAAACAACCGGCCCTCAGGGATCCCAGACCGATTCTCTGGCTCCAGCTCAGGAAACACAGCTTCCTTGACCATCACTGGGGCTCAGGCGGAGGATGAGGCTGACTATTACTGTAACTCCCGGGACAGCAGTGGTAACCATCTGGTATTCGGCGGAGGCACCCAGCTGACCGTCCTCGGTGCGGCCGCAACTACCACCCCTGCCCCTCGGCCGCCGACTCCGGCCCCAACCATCGCAAGCCAACCCCTCTCCTTGCGCCCCGAAGCTTGCCGCCCGGCCGCGGGTGGAGCCGTGCATACCCGGGGGCTGGACTTTGCCTGCGATATCTACATTTGGGCCCCGCTGGCCGGCACTTGCGGCGTGCTCCTGCTGTCGCTGGTCATCACCCTTTACTGCAAGAGGGGCCGGAAGAAGCTGCTTTACATCTTCAAGCAGCCGTTCATGCGGCCCGTGCAGACGACTCAGGAAGAGGACGGATGCTCGTGCAGATTCCCTGAGGAGGAAGAGGGGGGATGCGAACTGCGCGTCAAGTTCTCACGGTCCGCCGACGCCCCCGCATATCAACAGGGCCAGAATCAGCTCTACAACGAGCTGAACCTGGGAAGGAGAGAGGAGTACGACGTGCTGGACAAGCGACGCGGACGCGACCCGGAGATGGGGGGGAAACCACGGCGGAAAAACCCTCAGGAAGGACTGTACAACGAACTCCAGAAAGACAAGATGGCGGAAGCCTACTCAGAAATCGGGATGAAGGGAGAGCGGAGGAGGGGAAAGGGTCACGACGGGCTGTACCAGGGACTGAGCACCGCCACTAAGGATACCTACGATGCCTTGCATATGCAAGCACTCCCACCCCGG
配列番号40は、CAR LTG1904(LP-LTG1904-CD8 TM-41BB-CD3ゼータ)のアミノ酸配列である。
MLLLVTSLLLCELPHPAFLLIPEVQLVQSGGGLVQPGGSLRLSCAASGFTFDDYAMHWVRQAPGKGLEWVSGISWNSGSIGYADSVKGRFTISRDNAKNSLYLQMNSLRAEDTALYYCAKDLSSVAGPFNYWGQGTLVTVSSGGGGSGGGGSGGGGSSSELTQDPAVSVALGQTVRITCQGDSLRSYYASWYQQKPGQAPVLVIYGKNNRPSGIPDRFSGSSSGNTASLTITGAQAEDEADYYCNSRDSSGNHLVFGGGTQLTVLGAAATTTPAPRPPTPAPTIASQPLSLRPEACRPAAGGAVHTRGLDFACDIYIWAPLAGTCGVLLLSLVITLYCKRGRKKLLYIFKQPFMRPVQTTQEEDGCSCRFPEEEEGGCELRVKFSRSADAPAYQQGQNQLYNELNLGRREEYDVLDKRRGRDPEMGGKPRRKNPQEGLYNELQKDKMAEAYSEIGMKGERRRGKGHDGLYQGLSTATKDTYDALHMQALPPR
配列番号41は、CD33反応性1本鎖結合ドメインVH-4(LTG1906)のヌクレオチド配列である。
GAGGTGCAGCTGGTGGAGTCTGGGGGAGGCTTGGTACAGCCTGGAGGGTCCCTGAGACTCTCCTGTGCAGCCTCTGGATTCACCTTCAGTAGCTATGGCATGAGCTGGGTCCGCCAGGCTCCAAGACAAGGGCTTGAGTGGGTGGCCAACATAAAGCAAGATGGAAGTGAGAAATACTATGCGGACTCAGTGAAGGGCCGATTCACCATCTCCAGAGACAATTCCAAGAACACGCTGTATCTGCAAATGAACAGCCTGAGAGCCGAGGACACAGCCACGTATTACTGTGCGAAAGAAAATGTGGACTGGGGCCAGGGCACCCTGGTCACCGTCTCCTCA
配列番号42は、CD33反応性1本鎖結合ドメインVH-4(LTG1906)のアミノ酸配列である。
EVQLVESGGGLVQPGGSLRLSCAASGFTFSSYGMSWVRQAPRQGLEWVANIKQDGSEKYYADSVKGRFTISRDNSKNTLYLQMNSLRAEDTATYYCAKENVDWGQGTLVTVSS
配列番号43は、CAR LTG1906(LP-VH4-CD8 TM-41BB-CD3ゼータ)のヌクレオチド配列である。
ATGCTGCTGCTGGTGACCAGCCTGCTGCTGTGCGAACTGCCGCATCCGGCGTTTCTGCTGATTCCGGAGGTGCAGCTGGTGGAGTCTGGGGGAGGCTTGGTACAGCCTGGAGGGTCCCTGAGACTCTCCTGTGCAGCCTCTGGATTCACCTTCAGTAGCTATGGCATGAGCTGGGTCCGCCAGGCTCCAAGACAAGGGCTTGAGTGGGTGGCCAACATAAAGCAAGATGGAAGTGAGAAATACTATGCGGACTCAGTGAAGGGCCGATTCACCATCTCCAGAGACAATTCCAAGAACACGCTGTATCTGCAAATGAACAG
CCTGAGAGCCGAGGACACAGCCACGTATTACTGTGCGAAAGAAAATGTGGACTGGGGCCAGGGCACCCTGGTCACCGTCTCCTCAGCGGCCGCAACTACCACCCCTGCCCCTCGGCCGCCGACTCCGGCCCCAACCATCGCAAGCCAACCCCTCTCCTTGCGCCCCGAAGCTTGCCGCCCGGCCGCGGGTGGAGCCGTGCATACCCGGGGGCTGGACTTTGCCTGCGATATCTACATTTGGGCCCCGCTGGCCGGCACTTGCGGCGTGCTCCTGCTGTCGCTGGTCATCACCCTTTACTGCAAGAGGGGCCGGAAGAAGCTGCTTTACATCTTCAAGCAGCCGTTCATGCGGCCCGTGCAGACGACTCAGGAAGAGGACGGATGCTCGTGCAGATTCCCTGAGGAGGAAGAGGGGGGATGCGAACTGCGCGTCAAGTTCTCACGGTCCGCCGACGCCCCCGCATATCAACAGGGCCAGAATCAGCTCTACAACGAGCTGAACCTGGGAAGGAGAGAGGAGTACGACGTGCTGGACAAGCGACGCGGACGCGACCCGGAGATGGGGGGGAAACCACGGCGGAAAAACCCTCAGGAAGGACTGTACAACGAACTCCAGAAAGACAAGATGGCGGAAGCCTACTCAGAAATCGGGATGAAGGGAGAGCGGAGGAGGGGAAAGGGTCACGACGGGCTGTACCAGGGACTGAGCACCGCCACTAAGGATACCTACGATGCCTTGCATATGCAAGCACTCCCACCCCGG
配列番号44は、CAR LTG1906(LP-VH4-CD8 TM-41BB-CD3ゼータ)のアミノ酸配列である。
MLLLVTSLLLCELPHPAFLLIPEVQLVESGGGLVQPGGSLRLSCAASGFTFSSYGMSWVRQAPRQGLEWVANIKQDGSEKYYADSVKGRFTISRDNSKNTLYLQMNSLRAEDTATYYCAKENVDWGQGTLVTVSSAAATTTPAPRPPTPAPTIASQPLSLRPEACRPAAGGAVHTRGLDFACDIYIWAPLAGTCGVLLLSLVITLYCKRGRKKLLYIFKQPFMRPVQTTQEEDGCSCRFPEEEEGGCELRVKFSRSADAPAYQQGQNQLYNELNLGRREEYDVLDKRRGRDPEMGGKPRRKNPQEGLYNELQKDKMAEAYSEIGMKGERRRGKGHDGLYQGLSTATKDTYDALHMQALPPR
配列番号45は、TSLPR-反応性scFv結合ドメイン(LTG1789)のヌクレオチド配列である。
ATGGCACTGCCCGTGACCGCCCTGCTTCTGCCGCTTGCACTTCTGCTGCACGCCGCTAGGCCCCAAGTCACCCTCAAAGAGTCAGGGCCAGGAATCCTCAAGCCCTCACAGACTCTGTCTCTTACTTGCTCATTCAGCGGATTCAGCCTTTCCACCTCTGGTATGGGCGTGGGGTGGATTAGGCAACCTAGCGGAAAGGGGCTTGAATGGCTGGCCCACATCTGGTGGGACGACGACAAGTACTACAACCCCTCACTGAAGTCCCAGCTCACTATTTCCAAAGATACTTCCCGGAATCAGGTGTTCCTCAAGATTACCTCTGTCGACACCGCTGATACCGCCACTTACTATTGTTCACGCAGACCGAGAGGTACCATGGACGCAATGGACTACTGGGGACAGGGCACCAGCGTGACCGTGTCATCTGGCGGTGGAGGGTCAGGAGGTGGAGGTAGCGGAGGCGGTGGGTCCGACATTGTCATGACCCAGGCCGCCAGCAGCCTGAGCGCTTCACTGGGCGACAGGGTGACCATCAGCTGTCGCGCATCACAAGATATCTCTAAGTATCTTAATTGGTACCAGCAAAAGCCGGATGGAACCGTGAAGCTGCTGATCTACTACACCTCACGGCTGCATTCTGGAGTGCCTAGCCGCTTTAGCGGATCTGGGTCCGGTACTGACTACAGCCTCACCATTAGAAACCTTGAACAGGAGGACATCGCAACTTATTTCTGCCAACAGGTCTATACTCTGCCGTGGACCTTCGGCGGAGGTACCAAACTGGAGATTAAGTCCGG
配列番号46は、TSLPR-反応性scFv結合ドメイン(LTG1789)のアミノ酸配列である。
MALPVTALLLPLALLLHAARPQVTLKESGPGILKPSQTLSLTCSFSGFSLSTSGMGVGWIRQPSGKGLEWLAHIWWDDDKYYNPSLKSQLTISKDTSRNQVFLKITSVDTADTATYYCSRRPRGTMDAMDYWGQGTSVTVSSGGGGSGGGGSGGGGSDIVMTQAASSLSASLGDRVTISCRASQDISKYLNWYQQKPDGTVKLLIYYTSRLHSGVPSRFSGSGSGTDYSLTIRNLEQEDIATYFCQQVYTLPWTFGGGTKLEIKS
配列番号47は、CAR LTG1789(LP-3G11-CD8 TM-41BB-CD3ゼータ)のヌクレオチド配列である。
ATGGCACTGCCCGTGACCGCCCTGCTTCTGCCGCTTGCACTTCTGCTGCACGCCGCTAGGCCCCAAGTCACCCTCAAAGAGTCAGGGCCAGGAATCCTCAAGCCCTCACAGACTCTGTCTCTTACTTGCTCATTCAGCGGATTCAGCCTTTCCACCTCTGGTATGGGCGTGGGGTGGATTAGGCAACCTAGCGGAAAGGGGCTTGAATGGCTGGCCCACATCTGGTGGGACGACGACAAGTACTACAACCCCTCACTGAAGTCCCAGCTCACTATTTCCAAAGATACTTCCCGGAATCAGGTGTTCCTCAAGATTACCTCTGTCGACACCGCTGATACCGCCACTTACTATTGTTCACGCAGACCGAGAGGTACCATGGACGCAATGGACTACTGGGGACAGGGCACCAGCGTGACCGTGTCATCTGGCGGTGGAGGGTCAGGAGGTGGAGGTAGCGGAGGCGGTGGGTCCGACATTGTCATGACCCAGGCCGCCAGCAGCCTGAGCGCTTCACTGGGCGACAGGGTGACCATCAGCTGTCGCGCATCACAAGATATCTCTAAGTATCTTAATTGGTACCAGCAAAAGCCGGATGGAACCGTGAAGCTGCTGATCTACTACACCTCACGGCTGCATTCTGGAGTGCCTAGCCGCTTTAGCGGCACTTGCGGCGTGCTCCTGCTGTCGCTGGTCATCACCCTTTACTGCAAGAGGGGCCGGAAGAAGCTGCTTTACATCTTCAAGCAGCCGTTCATGCGGCCCGTGCAGACGACTCAGGAAGAGGACGGATGCTCGTGCAGATTCCCTGAGGAGGAAGAGGGGGGATGCGAACTGCGCGTCAAGTTCTCACGGTCCGCCGACGCCCCCGCATATCAACAGGGCCAGAATCAGCTCTACAACGAGCTGAACCTGGGAAGGAGAGAGGAGTACGACGTGCTGGACAAGCGACGCGGACGCGACCCGGAGATGGGGGGGAAACCACGGCGGAAAAACCCTCAGGAAGGACTGTACAACGAACTCCAGAAAGACAAGATGGCGGA
AGCCTACTCAGAAATCGGGATGAAGGGAGAGCGGAGGAGGGGAAAGGGTCACGACGGGCTGTACCAGGGACTGAGCACCGCCACTAAGGATACCTACGATGCCTTGCATATGCAAGCACTCCCACCCCGG
配列番号48は、CAR LTG1789(LP-3G11-CD8 TM-41BB-CD3ゼータ)のアミノ酸配列である。
MALPVTALLLPLALLLHAARPQVTLKESGPGILKPSQTLSLTCSFSGFSLSTSGMGVGWIRQPSGKGLEWLAHIWWDDDKYYNPSLKSQLTISKDTSRNQVFLKITSVDTADTATYYCSRRPRGTMDAMDYWGQGTSVTVSSGGGGSGGGGSGGGGSDIVMTQAASSLSASLGDRVTISCRASQDISKYLNWYQQKPDGTVKLLIYYTSRLHSGVPSRFSGSGSGTDYSLTIRNLEQEDIATYFCQQVYTLPWTFGGGTKLEIKAAATTTPAPRPPTPAPTIASQPLSLRPEACRPAAGGAVHTRGLDFACDIYIWAPLAGTCGVLLLSLVITLYCKRGRKKLLYIFKQPFMRPVQTTQEEDGCSCRFPEEEEGGCELRVKFSRSADAPAYQQGQNQLYNELNLGRREEYDVLDKRRGRDPEMGGKPRRKNPQEGLYNELQKDKMAEAYSEIGMKGERRRGKGHDGLYQGLSTATKDTYDALHMQALPPR
配列番号49は、CAR LTG1563(LP-CD19-TNFRSF19TM-41BB-CD3ゼータ)のヌクレオチド配列である。
ATGCTGCTGCTGGTCACCAGCCTGCTGCTGTGCGAGCTCCCTCACCCCGCCTTTCTGCTTATCCCGGACATTCAGATGACACAGACCACCTCGAGCTTGTCCGCGTCGCTGGGCGATCGCGTGACCATCTCCTGCCGGGCCTCCCAAGACATTTCAAAGTATCTCAACTGGTACCAGCAGAAGCCGGACGGAACCGTGAAACTGCTGATCTACCATACCAGCCGCCTGCACTCCGGCGTGCCGTCCCGCTTCTCCGGATCGGGTTCCGGAACTGACTACTCACTGACTATCTCCAACTTGGAACAAGAGGACATCGCCACTTACTTCTGTCAACAAGGAAATACCCTTCCCTACACCTTCGGGGGGGGTACCAAGCTGGAGATCACTGGGGGCGGAGGCTCCGGTGGAGGCGGATCCGGCGGTGGAGGGAGCGAAGTCAAGCTGCAGGAATCAGGACCAGGACTCGTGGCGCCATCCCAGTCCCTGTCGGTGACCTGTACTGTCTCCGGAGTCAGCCTCCCCGATTACGGAGTGTCATGGATTAGGCAACCCCCAAGAAAAGGGCTGGAATGGCTCGGAGTGATCTGGGGCTCCGAAACCACCTACTACAACTCGGCGCTGAAGTCCCGGCTGACCATCATCAAGGACAACTCCAAGAGCCAAGTGTTCTTGAAGATGAACAGCTTGCAGACCGACGATACCGCAATCTACTACTGTGCCAAGCACTATTACTACGGGGGGTCTTACGCCATGGACTACTGGGGACAGGGCACCTCCGTGACTGTGTCGTCCGCGGCCGCGCCCGCCCCTCGGCCCCCGACTCCTGCCCCGACGATCGCTTCCCAACCTCTCTCGCTGCGCCCGGAAGCATGCCGGCCCGCCGCCGGTGGCGCTGTCCACACTCGCGGACTGGACTTTGATACCGCACTGGCGGCCGTGATCTGTAGCGCCCTGGCCACCGTGCTGCTGGCGCTGCTCATCCTTTGCGTGATCTACTGCAAGCGGCAGCCTAGGCGAAAGAAGCTCCTCTACATTTTCAAGCAACCCTTCATGCGCCCCGTGCAAACCACCCAGGAGGAGGATGGATGCTCATGCCGGTTCCCTGAGGAAGAAGAGGGCGGTTGCGAGCTCAGAGTGAAATTCAGCCGGTCGGCTGACGCCCCGGCGTACCAGCAGGGCCAGAACCAGCTGTACAATGAGCTCAACCTGGGGCGCCGCGAAGAGTACGACGTGCTGGACAAGAGGAGAGGCAGAGATCCGGAAATGGGCGGAAAGCCAAGGCGGAAGAACCCGCAGGAAGGTCTTTACAACGAACTGCAGAAGGACAAGATGGCCGAGGCCTACTCCGAGATTGGGATGAAGGGAGAAAGACGGAGGGGAAAGGGACATGACGGACTTTACCAGGGCCTGAGCACTGCCACGAAGGACACCTATGATGCCCTGCACATGCAGGCGCTGCCGCCTCGG
配列番号50は、CAR LTG1563(LP-CD19-TNFRSF19TM-41BB-CD3ゼータ)のアミノ酸配列である。
MLLLVTSLLLCELPHPAFLLIPDIQMTQTTSSLSASLGDRVTISCRASQDISKYLNWYQQKPDGTVKLLIYHTSRLHSGVPSRFSGSGSGTDYSLTISNLEQEDIATYFCQQGNTLPYTFGGGTKLEITGGGGSGGGGSGGGGSEVKLQESGPGLVAPSQSLSVTCTVSGVSLPDYGVSWIRQPPRKGLEWLGVIWGSETTYYNSALKSRLTIIKDNSKSQVFLKMNSLQTDDTAIYYCAKHYYYGGSYAMDYWGQGTSVTVSSAAAPAPRPPTPAPTIASQPLSLRPEACRPAAGGAVHTRGLDFDTALAAVICSALATVLLALLILCVIYCKRQPRRKKLLYIFKQPFMRPVQTTQEEDGCSCRFPEEEEGGCELRVKFSRSADAPAYQQGQNQLYNELNLGRREEYDVLDKRRGRDPEMGGKPRRKNPQEGLYNELQKDKMAEAYSEIGMKGERRRGKGHDGLYQGLSTATKDTYDALHMQALPPR
配列番号51は、CAR LTG2228(LP-CD20_CD19-CD8TM-CD28-CD3ゼータ)のアミノ酸配列である。
ATGCTCCTTCTCGTGACCTCCCTGCTTCTCTGCGAACTGCCCCATCCTGCCTTCCTGCTGATTCCCGAGGTGCAGTTGCAACAGTCAGGAGCTGAACTGGTCAAGCCAGGAGCCAGCGTGAAGATGAGCTGCAAGGCCTCCGGTTACACCTTCACCTCCTACAACATGCACTGGGTGAAACAGACCCCGGGACAAGGGCTCGAATGGATTGGCGCCATCTACCCCGGGAATGGCGATACTTCGTACAACCAGAAGTTCAAGGGAAAGGCCACCCTGACCGCCGACAAGAGCTCCTCCACCGCGTATATGCAGTTGAGCTCCCTGACCTCCGAGGACTCCGCCGACTACTACTGCGCACGGTCCAACTACTATGGAAGCTCGTACTGGTTCTTCGATGTCTGGGGGGCCGGCACCACTGTGACCGTCAGCTCCGGGGGCGGAGGATCCGGTGGAGGCGGAAGCGGGGGTGGAGGATCCGACATTGTGCTGACTCAGTCCCCGGCAATCCTGTCGGCCTCACCGGGCGAAAAGGTCACGATGACTTGTAGAGCGTCGTCCAG
CGTGAACTACATGGATTGGTACCAAAAGAAGCCTGGATCGTCACCCAAGCCTTGGATCTACGCTACATCTAACCTGGCCTCCGGCGTGCCAGCGCGGTTCAGCGGGTCCGGCTCGGGCACCTCATACTCGCTGACCATCTCCCGCGTGGAGGCTGAGGACGCCGCGACCTACTACTGCCAGCAGTGGTCCTTCAACCCGCCGACTTTTGGAGGCGGTACTAAGCTGGAGATCAAAGGAGGCGGCGGCAGCGGCGGGGGAGGGTCCGGAGGGGGTGGTTCTGGTGGAGGAGGATCGGGAGGCGGTGGCAGCGACATTCAGATGACTCAGACCACCTCCTCCCTGTCCGCCTCCCTGGGCGACCGCGTGACCATCTCATGCCGCGCCAGCCAGGACATCTCGAAGTACCTCAACTGGTACCAGCAGAAGCCCGACGGAACCGTGAAGCTCCTGATCTACCACACCTCCCGGCTGCACAGCGGAGTGCCGTCTAGATTCTCGGGTTCGGGGTCGGGAACTGACTACTCCCTTACTATTTCCAACCTGGAGCAGGAGGATATTGCCACCTACTTCTGCCAACAAGGAAACACCCTGCCGTACACTTTTGGCGGGGGAACCAAGCTGGAAATCACTGGCAGCACATCCGGTTCCGGGAAGCCCGGCTCCGGAGAGGGCAGCACCAAGGGGGAAGTCAAGCTGCAGGAATCAGGACCTGGCCTGGTGGCCCCGAGCCAGTCACTGTCCGTGACTTGTACTGTGTCCGGAGTGTCGCTCCCGGATTACGGAGTGTCCTGGATCAGGCAGCCACCTCGGAAAGGATTGGAATGGCTCGGAGTCATCTGGGGTTCCGAAACCACCTATTACAACTCGGCACTGAAATCCAGGCTCACCATTATCAAGGATAACTCCAAGTCACAAGTGTTCCTGAAGATGAATAGCCTGCAGACTGACGACACGGCGATCTACTATTGCGCCAAGCACTACTACTACGGCGGATCCTACGCTATGGACTACTGGGGCCAGGGGACCAGCGTGACCGTGTCATCCGCGGCCGCGACTACCACTCCTGCACCACGGCCACCTACCCCAGCCCCCACCATTGCAAGCCAGCCACTTTCACTGCGCCCCGAAGCGTGTAGACCAGCTGCTGGAGGAGCCGTGCATACCCGAGGGCTGGACTTCGCCTGTGACATCTACATCTGGGCCCCATTGGCTGGAACTTGCGGCGTGCTGCTCTTGTCTCTGGTCATTACCCTGTACTGCCGGTCGAAGAGGTCCAGACTCTTGCACTCCGACTACATGAACATGACTCCTAGAAGGCCCGGACCCACTAGAAAGCACTACCAGCCGTACGCCCCTCCTCGGGATTTCGCCGCATACCGGTCCAGAGTGAAGTTCAGCCGCTCAGCCGATGCACCGGCCTACCAGCAGGGACAGAACCAGCTCTACAACGAGCTCAACCTGGGTCGGCGGGAAGAATATGACGTGCTGGACAAACGGCGCGGCAGAGATCCGGAGATGGGGGGAAAGCCGAGGAGGAAGAACCCTCAAGAGGGCCTGTACAACGAACTGCAGAAGGACAAGATGGCGGAAGCCTACTCCGAGATCGGCATGAAGGGAGAACGCCGGAGAGGGAAGGGTCATGACGGACTGTACCAGGGCCTGTCAACTGCCACTAAGGACACTTACGATGCGCTCCATATGCAAGCTTTGCCCCCGCGG
配列番号52は、CAR LTG2228(LP-CD20_CD19-CD8TM-CD28-CD3ゼータ)のアミノ酸配列である。
MLLLVTSLLLCELPHPAFLLIPEVQLQQSGAELVKPGASVKMSCKASGYTFTSYNMHWVKQTPGQGLEWIGAIYPGNGDTSYNQKFKGKATLTADKSSSTAYMQLSSLTSEDSADYYCARSNYYGSSYWFFDVWGAGTTVTVSSGGGGSGGGGSGGGGSDIVLTQSPAILSASPGEKVTMTCRASSSVNYMDWYQKKPGSSPKPWIYATSNLASGVPARFSGSGSGTSYSLTISRVEAEDAATYYCQQWSFNPPTFGGGTKLEIKGGGGSGGGGSGGGGSGGGGSGGGGSDIQMTQTTSSLSASLGDRVTISCRASQDISKYLNWYQQKPDGTVKLLIYHTSRLHSGVPSRFSGSGSGTDYSLTISNLEQEDIATYFCQQGNTLPYTFGGGTKLEITGSTSGSGKPGSGEGSTKGEVKLQESGPGLVAPSQSLSVTCTVSGVSLPDYGVSWIRQPPRKGLEWLGVIWGSETTYYNSALKSRLTIIKDNSKSQVFLKMNSLQTDDTAIYYCAKHYYYGGSYAMDYWGQGTSVTVSSAAATTTPAPRPPTPAPTIASQPLSLRPEACRPAAGGAVHTRGLDFACDIYIWAPLAGTCGVLLLSLVITLYCRSKRSRLLHSDYMNMTPRRPGPTRKHYQPYAPPRDFAAYRSRVKFSRSADAPAYQQGQNQLYNELNLGRREEYDVLDKRRGRDPEMGGKPRRKNPQEGLYNELQKDKMAEAYSEIGMKGERRRGKGHDGLYQGLSTATKDTYDALHMQALPPR
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
【配列表】
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