(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-16
(45)【発行日】2024-07-24
(54)【発明の名称】センサ装置、履物、及び履物セット
(51)【国際特許分類】
A43B 3/44 20220101AFI20240717BHJP
A43B 13/14 20060101ALI20240717BHJP
A43B 3/40 20220101ALN20240717BHJP
A43B 3/48 20220101ALN20240717BHJP
【FI】
A43B3/44
A43B13/14 B
A43B3/40
A43B3/48
(21)【出願番号】P 2022160162
(22)【出願日】2022-10-04
【審査請求日】2023-08-01
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000135748
【氏名又は名称】株式会社バンダイ
(72)【発明者】
【氏名】中澤 洋介
(72)【発明者】
【氏名】三本松 真広
(72)【発明者】
【氏名】柳 康仁
【審査官】宮部 愛子
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-058691(JP,A)
【文献】特開2006-086072(JP,A)
【文献】実公昭39-023225(JP,Y1)
【文献】特表2014-505577(JP,A)
【文献】特開2017-124222(JP,A)
【文献】特表2014-505576(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0282556(US,A1)
【文献】特表2009-535157(JP,A)
【文献】特開2006-280955(JP,A)
【文献】国際公開第2017/037035(WO,A1)
【文献】特開2016-52582(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A43B 3/44
A43B 13/14
A43B 3/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
履物に装着可能なセンサ装置であって、
前記履物への装着側の第1面と、前記第1面に対向する第2面と、前記第1面
の一部に第1
側端部、第2側端部、当該第1側端部と対向している第3側端部、及び当該第2側端部と対向している第4側端部と、を含む本体部と、
前記本体部に収容されているセンサ部と、
を備え、
前記
第1側端部及び前記第4側端部の一部には、当該第1面の一端辺の中線を対象軸として線対称となるように第1面取り部
が形成され、
前記第1側端部及び前記第2側端部の一部には、当該第1面の一端辺の中線を対象軸として線対称となるように第2面取り部が形成され、
前記第1面取り部は、第1傾斜面と第2傾斜面とを含み、前記第1傾斜面の傾斜角度と前記第2傾斜面の傾斜角度とは異なり、前記第1面において第1方向に形成され、
前記第2面取り部は、第3傾斜面と第4傾斜面とを含み、前記第3傾斜面の傾斜角度と前記第4傾斜面の傾斜角度とは異なり、前記第1面において前記第1方向に対し60度以上120度以下の方位角である第2方向に形成され、
前記第1傾斜面と前記第3傾斜面とは接している一方、前記第2傾斜面と前記第4傾斜面とは接しておらず、
前記第1側端部、前記第2側端部、及び第
4側端部は、
正面視で一部が外側に出っ張る形状を成している、
センサ装置。
【請求項2】
前記第1面は、第1側端部、第2側端部、第3側端部、及び第4側端部を含み、
前記第1側端部と前記第3側端部とは対向しており、
前記第2側端部と前記第4側端部とは対向しており、
前記第1面取り部は、前記第1側端部の一部、及び前記第4側端部の一部に形成されており、
前記第2面取り部は、前記第1側端部の一部、及び前記第2側端部の一部に形成されている、
請求項1に記載のセンサ装置。
【請求項3】
前記第1面取り部及び前記第2面取り部は、前記第3側端部には形成されていない、
請求項2に記載のセンサ装置。
【請求項4】
前記第1傾斜面の面積と前記第3傾斜面の面積とは、概同一であり、
前記第2傾斜面の面積と前記第4傾斜面の面積とは、概同一であり、
請求項1に記載のセンサ装置。
【請求項5】
前記第1傾斜面の面積は前記第2傾斜面の面積よりも大きく、
前記第3傾斜面の面積は前記第4傾斜面の面積よりも大きい、
請求項1に記載のセンサ装置。
【請求項6】
前記第1面取り部及び前記第2面取り部を除く前記第1面と前記第2面とは、平行の関係にある、
請求項1に記載のセンサ装置。
【請求項7】
前記第1面と平行関係にある第2面の一部に、押圧部が形成されている、
請求項
6に記載のセンサ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、履物に装着可能なセンサ装置、履物、及び履物セットに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、センサと通信機を内蔵した小型のセンサ装置を、ソールに設けた凹部に収容した靴等の履物が知られている。センサ装置は、センサで計測したデータに基づいて運動に関する様々なパラメータ値(例えば、消費カロリーの計算やランニングした距離など)を算出し、センサで計測したデータや算出したパラメータ値を、ユーザのスマートフォン等の携行装置に送信することができる。そして、ユーザは、運動に関する様々なパラメータ値を自らの健康管理等に役立てることができる(例えば、特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
履物に装着されるセンサ装置は、運動中に履物から容易に外れてしまうことがないように装着される。
【0005】
このようなセンサ装置は、電池の交換等の理由により、センサ装置を履物から取り外す必要がある。しかし、このような場合、センサ装置を履物から容易に取り外すことができないという課題があった。
そこで、本発明の目的は、履物から容易に取り外すことができるセンサ装置、履物、及び履物セットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様は、履物に装着可能なセンサ装置であって、履物への装着側の第1面と、第1面に対向する第2面と、含む本体部と、本体部に収容されているセンサ部と、を備え、第1面には、第1面取り部と第2面取り部とが形成されている、センサ装置である。
【0007】
本発明の一態様は、センサ装置と、センサ装置を装着可能な履物と、を備える履物セットであって、センサ装置は、履物への装着側の第1面と、第1面に対向する第2面と、含む本体部と、本体部に収容されているセンサ部と、を備え、第1面には、第1面取り部と第2面取り部とが形成され、履物は、履物のソールに設けられ、センサ装置の側部周囲を覆う状態でセンサ装置を収容可能な収容凹部を備え、収容凹部は、第1の深さの第1凹部と第1の深さとは異なる第2の深さの第2凹部とを含んでいる、履物セットである。
【0008】
本発明の一態様は、第1面取り部と第2面取り部とが装着側の面に形成されたセンサ装置を装着可能な履物であって、履物のソールに設けられ、センサ装置の側部周囲を覆う状態でセンサ装置を収容可能な収容凹部を備え、収容凹部は、第1の深さの第1凹部と第1の深さとは異なる第2の深さの第2凹部とを含み、センサ装置が収容された状態において、第1面取り部及び第2面取り部と対向する側が第2凹部の底面の上方に位置するように形成されている、履物である。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図2】
図2は、ソール10とセンサ装置2との構成例を示す図であって、靴1を真上から見た(上面視した)平面図である。
【
図10】
図10は靴1の収容凹部14とセンサ装置2との関係を示した図である。
【
図11】
図11は収容凹部14からセンサ装置2を外す場合を模式的に示した図である。
【
図12】
図12は実施の形態の変形例1における靴1の収容凹部14とセンサ装置2との関係を示した図である。
【
図13】
図13は第2の実施の形態における靴1の収容凹部14とセンサ装置2との関係を示した図である。
【
図14】
図14は第2の実施の形態における収容凹部14からセンサ装置2を外す場合を模式的に示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明に係る実施の形態を説明する。
【0011】
<第1の実施の形態>
本発明に係る第1の実施の形態を説明する。本実施の形態においては、履物として靴1を例にして説明するが、サンダル等の他の履物でも良い。また、靴1は、一例として右足用の靴として説明するが、左足用の靴であってもよい。また、右足用と左足用の両方の靴に本発明を適用してもよい。
【0012】
図1は、本実施形態の靴1の左側面図である。靴1は、ソール10と、ソール10を前後方向に、前足部、中足部、踵部に3分割した場合の中足部に着脱可能なセンサ装置2と、を有する。
【0013】
ソール10は、ミッドソール11と、アウターソール12とを有する。靴1の製作方法によっては、両者の区別が無い一体品であってもよい。また、適宜インナーソール13を設けることができる。そして、ソール10は、ミッドソール11の上面側に、センサ装置2を収容可能な嵌合形状の収容凹部14を有する。
【0014】
図2は、ソール10とセンサ装置2との構成例を示す図であって、靴1を真上から見た(上面視した)平面図である。
収容凹部14は、上面視において、ミッドソール11の中足部に、収容状態のセンサ装置2の外観形状に応じた嵌合形状を有する。ミッドソール11は、例えば、EVA樹脂(エチレン・酢酸ビニル共重合樹脂)で作成されている。EVA樹脂は、柔軟性に富むため、収容凹部14は、センサ装置2が装着された状態で、センサ装置2に密着し包み込むように固定することができる。尚、収容凹部14の詳細な形状については、後述する。
【0015】
次に、センサ装置2について説明する。
センサ装置2は、ソール10の収容凹部14へ収容された収容状態において対称軸Aで左右非対称の輪郭形状を有している。ここで言う「左右非対称」の左右は、センサ装置2を収容凹部14に収容した状態においての左右である。本実施形態では、靴1を右足用として例示しているので、対称軸Aは、靴1の前後方向を向いていて、左が靴の内方側、右が靴の外方側に相当する。
【0016】
図3はセンサ装置2の斜視図であり、
図4はセンサ装置2の正面図であり、
図5はセンサ装置2の背面図であり、
図6はセンサ装置2の平面図であり、
図7はセンサ装置2の底面図であり、
図8はセンサ装置2の左側面図であり、
図9はセンサ装置2の右側面図である。
【0017】
センサ装置2は、電池や電子部品を格納する本体部21と、本体部21に取り外し可能な蓋部22と、本体部21に蓋部22を留めるための留め部23と、を有する。電池は、例えば、コイン型に分類されるボタン電池である。電子部品は、様々な電子素子を搭載した電子回路基板を含み、電子回路基板は、3軸加速度センサと、マイクロプロセッサと、ICメモリーと、小型無線通信器等と、を搭載する。勿論、その他の電子部品や回路部を搭載することができる。3軸加速度センサは、XYZの直交3軸それぞれの方向の加速度を計測する。計測値は、マイクロプロセッサによる所定の演算処理によって、計測された値のまま、又は靴1の移動を表すパラメータ値や靴1のユーザの運動量に関するパタメータ値などに変換されて、ICメモリーに記憶される。そして、計測値やパラメータ値は、マイクロプロセッサの通信制御によって、小型無線通信器を介して通信接続された外部装置(例えば、ユーザが所持するスマートフォンや、スマートウォッチやスマートグラスなどの通信機能のあるウェララブルコンピュータ等)に送信される。
【0018】
センサ装置2は、靴1のソール10に装着される側の第1面20と、第1面20と対向する側の第2面30とを備える。第1面20と第2面30とは、概平行の関係にある。
【0019】
第1面20は、第1側端部41、第2側端部42、第3側端部42、及び第4側端部44を含み、第1側端部41と第3側端部43とが対向しており、第2側端部42と第4側端部44とが対向している。
【0020】
第1側端部41の一部及び第4側端部44の一部には、第1面取り部24が形成されている。更に、第1面取り部24は、第1傾斜面24aと第2傾斜面24bとを含む。第1傾斜面24aと第2傾斜面24bとは、異なる傾斜角度で、同一の傾斜方向(例えば、第1端部51)に向かって傾斜している。本実施の形態では、第1傾斜面24aの傾斜角度の方が、第2傾斜面24bの傾斜角度よりも緩やかである。尚、第1面取り部24は、第1面20のみ形成され、第2面30には及ばない。
【0021】
第1側端部41の一部及び第2側端部42の一部には、第2面取り部25が形成されている。更に、第2面取り部25は、第3傾斜面25aと第4傾斜面25bとを含む。第3傾斜面25aと第4傾斜面25bとは、異なる傾斜角度で、同一の傾斜方向(例えば、第2端部52)に向かって傾斜している。本実施の形態では、第3傾斜面25aの傾斜角度の方が、第4傾斜面25bの傾斜角度よりも緩やかである。尚、第2面取り部25は、第1面20のみ形成され、第2面30には及ばない。
【0022】
第1面取り部24(第1傾斜面24aと第2傾斜面24b)と第2面取り部25(第3傾斜面25aと第4傾斜面25b)とは、第1側端部41の中線Bを対象軸として線対称となるように形成されており、その一部は接している(本実施の形態では、第1傾斜面24aと第3傾斜面25aとが接している)。
【0023】
第1傾斜面24aの面積と第3傾斜面25aの面積とは、概同一である。第2傾斜面24bの面積と第4傾斜面25bの面積とは、概同一である。また、第1傾斜面24aの面積は、第2傾斜面24bの面積よりも大きく形成されている。第3傾斜面25aの面積は、第4傾斜面25bの面積よりも大きく形成されている。そして、第1面取り部24(第1傾斜面24aと第2傾斜面24b)の傾斜方向と第2面取り部25(第3傾斜面25aと第4傾斜面25b)の傾斜方向との成す角は、60度以上120度以下の角度であり、本実施の形態では、約90度である。
【0024】
このように、第1面取り部24(第1傾斜面24aと第2傾斜面24b)と第2面取り部25(第3傾斜面25aと第4傾斜面25b)とは、第1側端部41、第2側端部42、及び第4側端部44に形成され、第3側端部43側には形成されていない。尚、第1面取り部24(第1傾斜面24aと第2傾斜面24b)と第2面取り部25(第3傾斜面25aと第4傾斜面25b)との形成方法としては、C面加工処理等がある。
【0025】
また、本体部21の第2面30には、センサ装置2を収容凹部14に装着、又は、収容凹部14から取り外す際に、センサ装置2を押圧するための押圧部31が設けられている。
【0026】
続いて、センサ装置2と靴1の収容凹部14との関係を説明する。
図10は靴1の収容凹部14とセンサ装置2との関係を示した図である。
【0027】
収容凹部14の形状は、ソール11にセンサ装置2が収まるような嵌合凹形状をしている。しかしながら、収容凹部14の底面は面一ではなく、靴1の踵部方向の収容凹部14の底面の一部は窪んでいる。この窪み部(凹部)141(
図10の黒塗り部分)の深さは、センサ装置1の留め部23に対応する位置ではセンサ装置1の突出した留め部23が嵌る深さであり、更にその部分から深さを増しながら、収容凹部14の踵部方向の端部まで傾斜している。
【0028】
センサ装置2は、その留め部23が収容凹部14の半円形状上の凹部142に嵌合するように、収容凹部14に収容される。収容凹部14の半円形状上の凹部142は、センサ装置2の装着の際、センサ装置2を正しい位置に装着する際の目印とすることができる。例えば、正しい収容姿勢を取らないでセンサ装置2を収容凹部14に嵌めようとしても、留め部23の凸形状が凹部142の位置に合わないので、センサ装置2は収容凹部14に上手く入らず、ユーザはセンサ装置2の向きが間違っていることに直ぐに気づくことができる。
【0029】
また、センサ装置2の収容凹部14への装着されている状態において、収容凹部14の底面と、センサ装置2の第1面取り部24(第1傾斜面24aと第2傾斜面24b)及び第2面取り部25(第3傾斜面25aと第4傾斜面25b)と、は接していない。更に、収容凹部14の側壁と、センサ装置2の第1面取り部24(第1傾斜面24aと第2傾斜面24b)及び第2面取り部25(第3傾斜面25aと第4傾斜面25b)と、は接していない。
【0030】
ソール11の材質は、例えば、EVA樹脂(エチレン・酢酸ビニル共重合樹脂)等で作成されており、EVA樹脂は柔軟性に富むため、ソール11に形成された収容凹部14は、装着されたセンサ装置2を収容凹部14の側壁から圧して、センサ装置2を密着した状態で固定することができる。
【0031】
続いて、収容凹部14からセンサ装置2を外す場合について説明する。
図11は収容凹部14からセンサ装置2を外す場合を模式的に示した図である。
【0032】
収容凹部14からセンサ装置2を外す場合、センサ装置2の押圧部31を指等で押圧する。すると、センサ装置2の本体部21側が収容凹部14の窪み部141に傾き、本体部21側の面20の一部が窪み部141の底面に接し、センサ装置2の蓋部22側は、収容凹部14から浮き上がる。
【0033】
ここで、重要なことは、センサ装置2の第1面取り部24(第1傾斜面24aと第2傾斜面24b)と第2面取り部25(第3傾斜面25aと第4傾斜面25b)とは、収容凹部14の側壁と接していないことである。その結果、センサ装置2の蓋部22側の側面が収容凹部14の側壁と接する面積は、少なくなる。
【0034】
これにより、センサ装置2の蓋部22側が浮き上がる際に、センサ装置2の本体21の側面と収容凹部14の側壁との摩擦が少なくなり、容易にセンサ装置2の蓋部22側が浮き上がることができ、センサ装置2を取り外すことができる。特に、子供用の靴など、力の弱いユーザの履物に好適な構成である。
【0035】
また、ユーザが足首をねじるような運動行為を行った場合、靴1のソール10に収容されたセンサ装置2には、ソール10に対して鉛直軸回りのトルクが作用する。このトルクは、センサ装置2の外周部と収容凹部14の側壁との間にねじれが発生する、しかし、本実施形態によれば、第1面取り部24と第2面取り部25とを、傾斜の異なる二つの斜面から構成することにより、センサ装置2と収容凹部14の側壁とが接する部分を減らすことができるとともに、第1面取り部24及び第2面取り部25と収容凹部14の底面及び側壁との空隙を少なくすることができ、ねじれによって発生するセンサ装置2のずれを最小限に留めることができる。その結果、センサ装置2の収容状態を安定して維持できる。
【0036】
<第1の実施の形態の変形例1>
本実施の形態の変形例1を説明する。
図12は実施の形態の変形例1における靴1の収容凹部14とセンサ装置2との関係を示した図である。
【0037】
本実施の形態の変形例1は、第1面取り部24と第2面取り部25の位置に対応する収容凹部14の底面に、第2の窪み部(凹部)143(
図11の黒塗り部分)が形成されている。第2の窪み部143は、第1面取り部24と第2面取り部25の面取り開始位置に対応する位置から深さを増しながら、収容凹部14の前足部方向の端部まで傾斜している。
【0038】
第2の窪み部143を設けることにより、第1面取り部24及び第2面取り部25と収容凹部14の底面及び側壁との空隙が大きくなり、収容凹部14からセンサ装置2をより容易に取り外すことができる。
【0039】
<第1の実施の形態の変形例2>
本本実施の形態では、収容凹部14をソール11に直接形成する例を説明した。しかし、収容凹部14と同様な形状の凹部形成パーツを、ソール11に埋め込むようにしても良い。凹部形成パーツは、例えば、TPU樹脂(熱可塑性ポリウレタン樹脂)により作成される。
【0040】
<第2の実施の形態>
本発明に係る第2の実施の形態を説明する。第2の実施の形態は、靴1の収容凹部14の形状が第1の実施の形態と異なる。
図13は第2の実施の形態における靴1の収容凹部14とセンサ装置2との関係を示した図である。
【0041】
収容凹部14の形状は、ソール11にセンサ装置2が収まるような嵌合凹形状をしており、第1凹部151と第2凹部152(
図13の黒塗り部分)とから成る。
【0042】
第1凹部151は、センサ装置2の蓋部22側に対応する位置にあり、つま先の方向に対して狭くなる概台形状をしている。第1凹部151の深さは、センサ装置2の側面側の高さよりも深く、第1凹部151の側壁とセンサ装置2の蓋部22側の側面との一部が接するように形成されている。そして、センサ装置2が収容凹部14への収容されている状態において、第1凹部151の底面とセンサ装置2の蓋部22側の面20とは対向する位置関係にあり、その一部は接する。但し、第1凹部151の底面と、センサ装置2の第1面取り部24(第1傾斜面24aと第2傾斜面24b)及び第2面取り部25(第3傾斜面25aと第4傾斜面25b)と、は接していない。また、収容凹部14の側壁と、センサ装置2の第1面取り部24(第1傾斜面24aと第2傾斜面24b)及び第2面取り部25(第3傾斜面25aと第4傾斜面25b)と、は接していない。
【0043】
第2凹部152は、センサ装置2の本体部21側に対応する位置にあり、その深さは第1凹部151の深さよりも深く、収容凹部14にセンサ装置2が正しく収容された状態において、第2凹部152の底面とセンサ装置2の本体部21側(第1面取り部24及び第2面取り部25と対向する側)の面20とは接しない深さである。第2凹部152の深さは、例えば、センサ装置2の側面側の高さの半分程度、第1凹部151よりも深くなっている。この形状により、収容凹部14にセンサ装置2が正しく収容された状態において、センサ装置2の本体部21側の面20は、第2凹部152の底面の上方に位置することになる。また、第1凹部151との境界近傍の第2凹部152の両壁には、突柱部153が形成されている。突柱部153は、センサ装置2が装着されている状態、及びセンサ装置2が収容凹部14から取り外し可能な状態において、センサ装置2の側部を支持(挟持)するものである。突柱部153によりセンサ装置2は挟持されて、センサ装置2を収容凹部14に固定することができる。
【0044】
続いて、収容凹部14からセンサ装置2を外す場合について説明する。
図14は第2の実施の形態における収容凹部14からセンサ装置2を外す場合を模式的に示した図である。
【0045】
収容凹部14からセンサ装置2を外す場合、センサ装置2の押圧部31を指等で押圧する。すると、センサ装置2の本体部21側が収容凹部14の第2凹部152に傾き、本体部21側の面20の一部が第2凹部152の底面に接し、センサ装置2の蓋部22側は、収容凹部14から浮き上がる。すなわち、センサ装置2の第1面取り部24及び第2面取り部25の一部が露出する。
【0046】
ここで、重要なことは、センサ装置2の第1面取り部24(第1傾斜面24aと第2傾斜面24b)と第2面取り部25(第3傾斜面25aと第4傾斜面25b)とは、収容凹部14の側壁及び底面と接していないことである。その結果、センサ装置2の蓋部22側の側面が収容凹部14の側壁と接する面積は、少なくなる。これにより、センサ装置2の蓋部22側が浮き上がる際に、センサ装置2の本体21の側面と収容凹部14の側壁との摩擦が少なくなり、容易にセンサ装置2の蓋部22側が浮き上がることができ、センサ装置2を容易に取り外すことができる。特に、子供用の靴など、力の弱いユーザの履物に好適な構成である。
更に、センサ装置2の本体部21側が第2凹部152に傾いても、突柱部153によりセンサ装置2は挟持されているので、センサ装置2が急に外れることなく、センサ装置2を外す際の落下等を防止することができる。
【0047】
以上、好ましい実施の形態をあげて本発明を説明したが、本発明は必ずしも上記実施の形態に限定されるものではなく、その技術的思想の範囲内において様々に変形し実施することができる。
【0048】
また、上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
【0049】
[付記1]
履物に装着可能なセンサ装置であって、
前記履物への装着側の第1面と、前記第1面に対向する第2面と、含む本体部と、
前記本体部に収容されているセンサ部と、
を備え、
前記第1面には、第1面取り部と第2面取り部とが形成されている、
センサ装置。
【0050】
[付記2]
前記第1面取り部と前記第2面取り部とは、前記第1面の一端辺の中線を対象軸として線対称となるように形成されている、
付記1に記載のセンサ装置。
【0051】
[付記3]
前記第1面取り部の一部と前記第2面取り部の一部とは、接している、
付記1又は付記2に記載のセンサ装置。
【0052】
[付記4]
前記第1面取り部は、前記第1面において第1方向に形成され、
前記第2面取り部は、前記第1面において第2方向に形成され、
前記第1方向に対する前記第2方向は、60度以上120度以下の方位角である、
付記1から付記3のいずれかに記載のセンサ装置。
【0053】
[付記5]
前記第1面は、第1側端部、第2側端部、第3側端部、及び第4側端部を含み、
前記第1側端部と前記第3側端部とは対向しており、
前記第2側端部と前記第4側端部とは対向しており、
前記第1面取り部は、前記第1側端部の一部、及び前記第4側端部の一部に形成されており、
前記第2面取り部は、前記第1側端部の一部、及び前記第2側端部の一部に形成されている、
付記1から付記4のいずれかに記載のセンサ装置。
【0054】
[付記6]
前記第1面取り部及び前記第2面取り部は、前記第3側端部には形成されていない、
付記1から付記5のいずれかに記載のセンサ装置。
【0055】
[付記7]
前記第1面取り部は、第1傾斜面と第2傾斜面とを含み、前記第1傾斜面の傾斜角度と前記第2傾斜面の傾斜角度とは異なり、
前記第2面取り部は、第3傾斜面と第4傾斜面とを含み、前記第3傾斜面の傾斜角度と前記第4傾斜面の傾斜角度とは異なる、
付記1から付記6のいずれかに記載のセンサ装置。
【0056】
[付記8]
前記第1傾斜面の面積と前記第3傾斜面の面積とは、概同一であり、
前記第2傾斜面の面積と前記第4傾斜面の面積とは、概同一であり、
付記7に記載のセンサ装置。
【0057】
[付記9]
前記第1傾斜面の面積は前記第2傾斜面の面積よりも大きく、
前記第3傾斜面の面積は前記第4傾斜面の面積よりも大きい、
付記7又は付記8に記載のセンサ装置。
【0058】
[付記10]
前記第1面取り部と前記第2面取り部とは、C面加工されている、
付記1から付記9のいずれかに記載のセンサ装置。
【0059】
[付記11]
前記第1面取り部及び前記第2面取り部を除く前記第1面と前記第2面とは、平行の関係にある、
付記1から付記10のいずれかに記載のセンサ装置。
【0060】
[付記12]
前記第1面と平行関係にある第2面の一部に、押圧部が形成されている、
付記11に記載のセンサ装置。
【0061】
[付記13]
センサ装置と、前記センサ装置を装着可能な履物と、を備える履物セットであって、
前記センサ装置は、
前記履物への装着側の第1面と、前記第1面に対向する第2面と、含む本体部と、
前記本体部に収容されているセンサ部と、
を備え、
前記第1面には、第1面取り部と第2面取り部とが形成され、
前記履物は、
前記履物のソールに設けられ、前記センサ装置の側部周囲を覆う状態で前記センサ装置を収容可能な収容凹部を備え、
前記収容凹部は、第1の深さの第1凹部と前記第1の深さとは異なる第2の深さの第2凹部とを含んでいる、
履物セット。
【0062】
[付記14]
前記収容凹部は、前記センサ装置が前記収容凹部から取り外し可能な状態において、前記第1面取り部及び前記第2面取り部と対向する側の前記第1面の一部が前記第2凹部の底面に接するように構成されている、
付記13に記載の履物セット。
【0063】
[付記15]
前記収容凹部は、前記第1面取り部及び前記第2面取り部と対向する側の前記第1面の一部が前記第2凹部の底面に接している状態において、前記第1面取り部及び前記第2面取り部の少なくとも一部が露出するように構成されている、
付記14に記載の履物セット。
【0064】
[付記16]
前記収容凹部は、前記センサ装置が装着されている状態において、前記第1面取り部及び前記第2面取り部が前記収容凹部の底面に接しないように構成されている、
付記13から付記15のいずれかに記載の履物セット。
【0065】
[付記17]
前記収容凹部は、前記センサ装置が装着されている状態において、前記センサ装置の側部周囲を密接した状態にて覆うように構成されている、
付記13から付記16のいずれかに記載の履物セット。
【0066】
[付記18]
前記第2凹部には、前記センサ装置が装着されている状態、及び前記センサ装置が前記収容凹部から取り外し可能な状態において、前記センサ装置の側部を支持する支持部が形成されている、
付記17に記載の履物セット。
【0067】
[付記19]
第1面取り部と第2面取り部とが装着側の面に形成されたセンサ装置を装着可能な履物であって、
前記履物のソールに設けられ、前記センサ装置の側部周囲を覆う状態で前記センサ装置を収容可能な収容凹部を備え、
前記収容凹部は、第1の深さの第1凹部と第1の深さとは異なる第2の深さの第2凹部とを含み、前記センサ装置が収容された状態において、前記第1面取り部及び前記第2面取り部と対向する側が前記第2凹部の底面の上方に位置するように形成されている、
履物。
【符号の説明】
【0068】
1 靴
2 センサ装置
10 ソール
11 ミッドソール
12 アウターソール
13 インナーソール
14 収容凹部
20 第1面
21 本体部
22 蓋部
23 留め部
30 第2面
41 第1側端部
42 第2側端部
43 第3側端部
44 第4側端部
24 第1面取り部
24a 第1傾斜面
24b 第2傾斜面
25 第2面取り部
25a 第3傾斜面
25b 第4傾斜面
31 押圧部
141 窪み部
142 凹部
143 第2窪み部
151 第1凹部
152 第2凹部
153 突柱部