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特許7522181複数のディスプレイデバイスのための連続した仮想空間の提供
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-16
(45)【発行日】2024-07-24
(54)【発明の名称】複数のディスプレイデバイスのための連続した仮想空間の提供
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/14 20060101AFI20240717BHJP
   G06T 19/00 20110101ALI20240717BHJP
   H04N 21/431 20110101ALI20240717BHJP
【FI】
G06F3/14 350A
G06T19/00 A
H04N21/431
【請求項の数】 19
(21)【出願番号】P 2022502216
(86)(22)【出願日】2020-07-01
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-09-22
(86)【国際出願番号】 US2020040414
(87)【国際公開番号】W WO2021011193
(87)【国際公開日】2021-01-21
【審査請求日】2023-01-06
(31)【優先権主張番号】16/512,214
(32)【優先日】2019-07-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】516051758
【氏名又は名称】エムエスジー エンターテインメント グループ, エルエルシー
【住所又は居所原語表記】Two Pennsylvania Plaza, New York, New York 10121 United States
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【弁護士】
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】カミンスキー, カート
(72)【発明者】
【氏名】レーガン, マシュー
【審査官】星野 裕
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2018/0322682(US,A1)
【文献】特表2012-531668(JP,A)
【文献】特開2016-066149(JP,A)
【文献】特表2016-528579(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/14
G06T 19/00
H04N 21/431
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のディスプレイデバイスのための連続した環境を提供するためのコンピュータ実装方法であって、前記コンピュータ実装方法は、
少なくとも1つのプロセッサが、仮想平面上への仮想カメラの投影を識別することであって、前記仮想平面は、複製された実世界環境内または仮想環境内に提供される、ことと、
前記少なくとも1つのプロセッサが、前記仮想平面上への前記仮想カメラの投影の交差部分に基づいて、表示平面面積を決定することと、
前記少なくとも1つのプロセッサが、(i)複数の実世界ディスプレイデバイスの1つ以上の性質および(ii)前記仮想カメラの焦点距離に基づいて、前記表示平面面積上の複数の仮想窓のそれぞれに関する位置を計算することであって、前記複数の仮想窓のうちの少なくとも1つは、前記複数の実世界ディスプレイデバイスの個別のものに対応し、前記複製された実世界環境内の前記仮想カメラの場所は、前記複製された実世界環境内の前記複数の実世界ディスプレイデバイスの前記1つ以上の性質に基づく、ことと、
前記少なくとも1つのプロセッサが、前記表示平面面積上の前記位置において前記複数の仮想窓を設置することと、
前記少なくとも1つのプロセッサが、少なくとも部分的に前記複数の仮想窓のうちの少なくとも1つの背後にあるコンテンツを識別することと、
前記少なくとも1つのプロセッサが、前記コンテンツを有する前記複数の仮想窓のうちの少なくとも1つに関連する前記複数の実世界ディスプレイデバイスの個別のものにデータを提供することと
を含み、
前記識別すること、決定すること、計算すること、設置すること、および提供することのうちの少なくとも1つが、1つ以上のコンピュータによって実施される、コンピュータ実装方法。
【請求項2】
前記コンテンツは、前記仮想カメラによって捕捉される、請求項1に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項3】
前記コンテンツは、3次元仮想オブジェクトを備える、請求項1に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項4】
前記少なくとも1つのプロセッサが、前記複製された実世界環境内の前記仮想カメラの前記場所を決定することと、
前記少なくとも1つのプロセッサが、前記複製された実世界環境内の前記仮想カメラの前記場所における前記複製された実世界環境内の前記仮想カメラをレンダリングすることと
をさらに含む、請求項1に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項5】
前記複製された実世界環境内の前記仮想カメラの前記場所は、前記表示平面面積までの前記仮想カメラの焦点距離に基づく、請求項4に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項6】
前記仮想カメラの投影は、定義された形状である、請求項1に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項7】
前記定義された形状は、長方形錐台である、請求項6に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項8】
前記表示平面面積は、少なくとも前記複数の仮想窓のそれぞれを包含する、請求項1に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項9】
前記複数の仮想窓のそれぞれは、前記複数の実世界ディスプレイデバイスの個別のものに対応する、請求項1に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項10】
前記複数の実世界ディスプレイデバイスは、それぞれが前記連続した環境を提供する実世界ディスプレイデバイスの第1のセットと、実世界ディスプレイデバイスの第2のセットとを備える、請求項9に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項11】
前記仮想カメラは、複数の仮想カメラを含み、前記複数の仮想カメラのそれぞれは、前記複数の仮想窓の個別のものに焦点を当てる、請求項10に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項12】
前記実世界ディスプレイデバイスの第1のセット、前記実世界ディスプレイデバイスの第2のセット、および前記複数の仮想窓は、同一の構成を有する、請求項11に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項13】
前記複数の仮想窓のそれぞれは、前記実世界ディスプレイデバイスの第1のセットおよび前記実世界ディスプレイデバイスの第2のセットのそれぞれの個別のものに対応する、請求項10に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項14】
前記複数の実世界ディスプレイデバイスの前記1つ以上の性質は、前記複数の実世界ディスプレイデバイスの分解能と、位置と、寸法とを備える、請求項1に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項15】
システムであって、
メモリと、
少なくとも1つのプロセッサであって、前記少なくとも1つのプロセッサは、前記メモリに結合され、
仮想平面上への仮想カメラの投影を識別することであって、前記仮想平面は、複製された環境内に提供される、ことと、
前記仮想平面上への前記仮想カメラの投影の交差部分に基づいて、表示平面面積を決定することと、
(i)複数の実世界ディスプレイデバイスの1つ以上の性質および(ii)前記仮想カメラの焦点距離に基づいて、前記表示平面面積上の複数の仮想窓のそれぞれに関する位置を計算することであって、前記複数の仮想窓のうちの少なくとも1つは、前記複数の実世界ディスプレイデバイスの個別のものに対応し、前記複製された環境内の前記仮想カメラの場所は、前記複製された環境内の前記複数の実世界ディスプレイデバイスの前記1つ以上の性質に基づく、ことと、
前記表示平面面積上の前記位置において、前記複数の仮想窓を設置することと、
少なくとも部分的に前記複数の仮想窓のうちの少なくとも1つの背後にあるコンテンツを識別することと、
前記コンテンツを有する前記複数の仮想窓のうちの少なくとも1つに関連する前記複数の実世界ディスプレイデバイスの個別のものにデータを提供することと
を行うように構成される、少なくとも1つのプロセッサと
を備える、システム。
【請求項16】
前記少なくとも1つのプロセッサは、
前記複製された環境内の前記仮想カメラの前記場所を決定することと、
前記複製された環境内の前記仮想カメラの前記場所における前記複製された環境内の前記仮想カメラをレンダリングすることと
を行うようにさらに構成される、請求項15に記載のシステム。
【請求項17】
前記仮想カメラの投影は、長方形錐台である、請求項15に記載のシステム。
【請求項18】
前記複数の実世界ディスプレイデバイスの前記1つ以上の性質は、前記複数の実世界ディスプレイデバイスの分解能と、位置と、寸法とを備える、請求項15に記載のシステム。
【請求項19】
非一過性コンピュータ可読デバイスであって、前記非一過性コンピュータ可読デバイスは、その上に記憶される命令を有し、前記命令は、少なくとも1つのコンピューティングデバイスによって実行されると、前記少なくとも1つのコンピューティングデバイスに動作を実施させ、前記動作は、
仮想平面上への仮想カメラの投影を識別することであって、前記仮想平面は、複製された実世界環境内または仮想環境内に提供される、ことと、
前記仮想平面上への前記仮想カメラの投影の交差部分に基づいて、表示平面面積を決定することと、
(i)複数の実世界ディスプレイデバイスの1つ以上の性質および(ii)前記仮想カメラの焦点距離に基づいて、前記表示平面面積上の複数の仮想窓のそれぞれに関する位置を計算することであって、前記複数の仮想窓のうちの少なくとも1つは、前記複数の実世界ディスプレイデバイスの個別のものに対応し、前記複製された実世界環境内の前記仮想カメラの場所は、前記複製された実世界環境内の前記複数の実世界ディスプレイデバイスの前記1つ以上の性質に基づく、ことと、
前記表示平面面積上の前記位置において前記複数の仮想窓を設置することと、
少なくとも部分的に前記複数の仮想窓のうちの少なくとも1つの背後にあるコンテンツを識別することと、
前記コンテンツを有する前記複数の仮想窓のうちの少なくとも1つに関連する前記複数の実世界ディスプレイデバイスの個別のものにデータを提供することと
を含む、非一過性コンピュータ可読デバイス。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
ビデオは、従来的に、複数の実世界ディスプレイデバイス上の大きいフォーラム内に表示される。そうすることによって、システムが、実世界ディスプレイデバイスを横断した、ビデオ内のコンテンツの移動を例証するために利用される。しかしながら、以前のシステムは、ビデオのコンテンツを凝集した方式において実世界ディスプレイデバイスに提供する、誤った管理を行っている。例えば、以前のシステムは、ビデオ内に提供される必要なコンテンツを記憶する、発生させる、およびレンダリングするための、具体的なハードウェアおよびソフトウェア要件に依拠している。したがって、以前のシステムは、異なる数および/または構成のディスプレイデバイスに容易に適合することが不可能である。また、以前のシステムは、それらの間の顕著な遅延を伴うことなく、実世界ディスプレイデバイスを横断した、ビデオ内のオブジェクトの移動を提供する困難に直面している。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0002】
本明細書に提供されるものは、複数のディスプレイデバイスのための連続した仮想空間を提供するための、システム、装置、デバイス、方法、および/またはコンピュータプログラム製品の実施形態、および/またはそれらの組み合わせおよび副次的組み合わせである。
【0003】
本開示は、複数の実世界ディスプレイデバイスを横断してビデオを提示するためのシステムを説明する。これまで、そのようなシステムは、一意のファイルを決定し、発生させ、およびそれらがビデオのそれらの部分を提示するために、実世界ディスプレイデバイスに伝送する。しかしながら、以前の基礎となるプロセスは、そのシステムおよび実世界ディスプレイデバイスの記憶および計算能力に依拠していた。具体的には、例えば、そのシステムは、一意のファイルのそれぞれを処理するための十分な記憶および計算能力を有することが要求され、実世界ディスプレイデバイスは、受信されたファイルを再生することが要求される。また、以前のシステムは、ディスプレイデバイスの実世界への設置に関する自動化を提供し、コンテンツが凝集した方式において実世界ディスプレイデバイスを横断して提示されるように、本設置に基づいて仮想場面を処理することが、不可能である。
【0004】
いくつかの実施形態では、ビデオを提示するとき、本システムは、それらの対応する実世界ディスプレイデバイス(例えば、数および構成)に基づいて、仮想環境内の仮想平面上に仮想窓を提供する。そうすることによって、本システムは、これが仮想窓のそれぞれに焦点を当て、その中に提示されるオブジェクト(例えば、ビデオ内のコンテンツ)を識別することを可能にする、位置および場所内の仮想環境内に仮想カメラを提供する。したがって、本システムは、仮想窓を識別し、そのデータをそれらの個別の実世界ディスプレイデバイスに送信することが可能である。
【0005】
以前のシステムと異なり、そのような方式において動作することによって、本明細書に説明される実施形態は、共有されるカメラの観点から仮想環境内にコンテンツを提示するために適切なデータを実世界ディスプレイデバイスに提供することが可能である。そうすることによって、本システムは、凝集した方式において実世界ディスプレイデバイスを横断してコンテンツを提示することが可能である。
【0006】
例えば、いくつかの実施形態では、本システムは、実世界のコンサートのビデオを複数の実世界ディスプレイデバイスに中継することができる。そうすることによって、本システムは、実世界ディスプレイデバイスを表す仮想世界内に仮想窓を生成し、仮想窓を囲繞する仮想平面面積を定義することができる。本システムは、仮想平面面積内にビデオの場面を提示する。ひいては、本システムは、仮想窓に対するオブジェクトの空間位置を決定し、特定の仮想窓の要求されるデータのみを関連付けられる実世界ディスプレイデバイスに伝送する。そのような方式において動作することによって、本システムは、実世界により酷似する、凝集した方式において、場面内で移動するオブジェクトを提示することが可能である。また、本システムは、特定の実世界のディスプレイデバイスが表示するために必要とするデータのみを送信することも可能である。
本発明は、例えば、以下を提供する。
(項目1)
複数のディスプレイデバイスのための連続した環境を提供するためのコンピュータ実装方法であって、
少なくとも1つのプロセッサによって、仮想平面上への仮想カメラの投影を識別することであって、前記仮想平面は、複製された実世界環境内または仮想環境内に提供される、ことと、
前記少なくとも1つのプロセッサによって、前記仮想平面上への前記仮想カメラの投影の交差部分に基づいて、表示平面面積を決定することと、
前記少なくとも1つのプロセッサによって、(i)複数の実世界ディスプレイデバイスの1つ以上の性質および(ii)前記仮想カメラの焦点距離に基づいて、前記表示平面面積上の複数の仮想窓のそれぞれに関する位置を計算することであって、前記複数の仮想窓のうちの少なくとも1つは、前記複数の実世界ディスプレイデバイスの個別のものに対応する、ことと、
前記少なくとも1つのプロセッサによって、前記表示平面面積上の前記位置において前記複数の仮想窓を設置することと、
前記少なくとも1つのプロセッサによって、少なくとも部分的に前記複数の仮想窓のうちの少なくとも1つの背後にあるコンテンツを識別することと、
前記少なくとも1つのプロセッサによって、前記コンテンツを有する前記複数の仮想窓のうちの少なくとも1つに関連する前記複数の実世界ディスプレイデバイスの個別のものにデータを提供することと
を含み、
前記識別すること、決定すること、計算すること、設置すること、および提供することのうちの少なくとも1つが、1つ以上のコンピュータによって実施される、コンピュータ実装方法。
(項目2)
前記コンテンツは、前記仮想カメラによって捕捉される、項目1に記載のコンピュータ実装方法。
(項目3)
前記コンテンツは、3次元仮想オブジェクトである、項目1に記載のコンピュータ実装方法。
(項目4)
前記少なくとも1つのプロセッサによって、前記複製された環境内の前記仮想カメラの場所を決定することと、
前記少なくとも1つのプロセッサによって、前記場所における前記複製された環境内の前記仮想カメラをレンダリングすることと
をさらに含む、項目1に記載のコンピュータ実装方法。
(項目5)
前記複製された環境内の前記仮想カメラの場所は、前記実世界環境内の前記複数の実世界ディスプレイデバイスの1つ以上の性質に基づく、項目4に記載のコンピュータ実装方法。
(項目6)
前記複製された環境内の前記仮想カメラの場所は、前記表示平面面積までの前記仮想カメラの焦点距離に基づく、項目4に記載のコンピュータ実装方法。
(項目7)
前記仮想カメラの投影は、定義された形状である、項目1に記載のコンピュータ実装方法。
(項目8)
前記定義された形状は、長方形錐台である、項目7に記載のコンピュータ実装方法。
(項目9)
前記表示平面面積は、少なくとも前記複数の仮想窓のそれぞれを包含する、項目1に記載のコンピュータ実装方法。
(項目10)
前記複数の仮想窓のそれぞれは、前記複数の実世界デバイスの個別のものに対応する、項目1に記載のコンピュータ実装方法。
(項目11)
前記複数の実世界ディスプレイデバイスは、それぞれが前記連続した環境を提供する実世界ディスプレイデバイスの第1のセットと、実世界ディスプレイデバイスの第2のセットとを備える、項目10に記載のコンピュータ実装方法。
(項目12)
前記仮想カメラは、複数の仮想カメラを含み、前記複数のカメラのそれぞれは、前記複数の仮想窓の個別のものに焦点を当てる、項目11に記載のコンピュータ実装方法。
(項目13)
前記複数の仮想窓のそれぞれは、前記実世界ディスプレイデバイスの第1のセットおよび前記実世界ディスプレイデバイスの第2のセットのそれぞれの個別のものに対応する、項目11に記載のコンピュータ実装方法。
(項目14)
前記実世界ディスプレイデバイスの第1のセット、前記実世界ディスプレイデバイスの第2のセット、および前記仮想窓は、同一の構成を有する、項目12に記載のコンピュータ実装方法。
(項目15)
前記複数の実世界ディスプレイデバイスの1つ以上の性質は、前記複数の実世界ディスプレイデバイスの分解能と、位置と、寸法とを含む、項目1に記載のコンピュータ実装方法。
(項目16)
システムであって、
メモリと、
少なくとも1つのプロセッサであって、前記少なくとも1つのプロセッサは、前記メモリに結合され、
仮想平面上への仮想カメラの投影を識別することであって、前記仮想平面は、複製された環境内に提供される、ことと、
前記仮想平面上への前記仮想カメラの投影の交差部分に基づいて、表示平面面積を決定することと、
(i)複数の実世界ディスプレイデバイスの1つ以上の性質および(ii)前記仮想カメラの焦点距離に基づいて、前記表示平面面積上の複数の仮想窓のそれぞれに関する位置を計算することであって、前記複数の仮想窓のうちの少なくとも1つは、前記複数の実世界ディスプレイデバイスの個別のものに対応する、ことと、
前記表示平面面積上の前記位置において、前記複数の仮想窓を設置することと、
少なくとも部分的に前記複数の仮想窓のうちの少なくとも1つの背後にあるコンテンツを識別することと、
前記コンテンツを有する前記複数の仮想窓のうちの少なくとも1つに関連する前記複数の実世界ディスプレイデバイスの個別のものにデータを提供することと
を行うように構成される、少なくとも1つのプロセッサと
を備える、システム。
(項目17)
前記少なくとも1つのプロセッサはさらに、
前記複製された環境内の前記仮想カメラの場所を決定することと、
前記場所における前記複製された環境内の仮想カメラをレンダリングすることと
を行うように構成される、項目12に記載のシステム。
(項目18)
前記仮想カメラの投影は、長方形錐台である、項目14に記載のシステム。
(項目19)
前記複数の実世界ディスプレイデバイスの1つ以上の性質は、前記複数の実世界ディスプレイデバイスの分解能と、位置と、寸法とを含む、項目14に記載のシステム。
(項目20)
非一過性コンピュータ可読デバイスであって、前記非一過性コンピュータ可読デバイスは、その上に記憶される命令を有し、前記命令は、少なくとも1つのコンピューティングデバイスによって実行されると、前記少なくとも1つのコンピューティングデバイスに、
仮想平面上への仮想カメラの投影を識別することであって、前記仮想平面は、複製された実世界環境内または仮想環境内に提供される、ことと、
前記仮想平面上への前記仮想カメラの投影の交差部分に基づいて、表示平面面積を決定することと、
(i)複数の実世界ディスプレイデバイスの1つ以上の性質および(ii)前記仮想カメラの焦点距離に基づいて、前記表示平面面積上の複数の仮想窓のそれぞれに関する位置を計算することであって、前記複数の仮想窓のうちの少なくとも1つは、前記複数の実世界ディスプレイデバイスの個別のものに対応する、ことと、
前記表示平面面積上の前記位置において前記複数の仮想窓を設置することと、
少なくとも部分的に前記複数の仮想窓のうちの少なくとも1つの背後にあるコンテンツを識別することと、
前記コンテンツを有する前記複数の仮想窓のうちの少なくとも1つに関連する前記複数の実世界ディスプレイデバイスの個別のものにデータを提供することと
を含む動作を実施させる、非一過性コンピュータ可読デバイス。
【図面の簡単な説明】
【0007】
付随の図面が、本明細書に組み込まれ、本明細書の一部を形成する。
【0008】
図1図1は、いくつかの実施形態による、複数のディスプレイデバイスのための連続した仮想空間を提供する、システムのブロック図を図示する。
【0009】
図2図2は、いくつかの実施形態による、連続した仮想空間を表示する、複数のディスプレイデバイスを図示する。
【0010】
図3A図3A、3B、4A、および4Bは、いくつかの実施形態による、仮想空間の中への仮想カメラ投影の斜視図を図示する。
図3B図3A、3B、4A、および4Bは、いくつかの実施形態による、仮想空間の中への仮想カメラ投影の斜視図を図示する。
図4A図3A、3B、4A、および4Bは、いくつかの実施形態による、仮想空間の中への仮想カメラ投影の斜視図を図示する。
図4B図3A、3B、4A、および4Bは、いくつかの実施形態による、仮想空間の中への仮想カメラ投影の斜視図を図示する。
【0011】
図5図5および6は、いくつかの実施形態による、連続した仮想空間を提供するためのプロセスを図示する、フローチャートを図示する。
図6図5および6は、いくつかの実施形態による、連続した仮想空間を提供するためのプロセスを図示する、フローチャートを図示する。
【0012】
図7図7は、種々の実施形態を実装するために有用な例示的コンピュータシステムを図示する。
【0013】
図面では、同様の参照番号は、概して、同じまたは類似する要素を示す。加えて、概して、参照番号の最も左の桁が、参照番号が最初に出現する図面を識別する。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図1は、複数のディスプレイデバイスのための連続した仮想空間を提供するための、システム100のブロック図を図示する。システム100は、中央サーバ102と、1つ以上のローカルサーバ104と、1つ以上の実世界ディスプレイデバイス106、108、および110とを含む。中央サーバ102は、それらの個別のディスプレイデバイス106と通信する、ローカルサーバ104と通信する。これらのサーバおよび/またはデバイスは、同一のエンティティまたは異なるエンティティによって管理および/または提供されてもよい。例えば、中央サーバ102は、サードパーティエンティティによって管理および/または提供されてもよく、ローカルサーバ104およびディスプレイデバイス106は、組織および/または企業によって管理および/または提供されてもよい。
【0015】
中央サーバ102は、通信ラインまたは媒体112を経由してローカルサーバ104と通信する。ひいては、ローカルサーバ104は、通信ラインまたは媒体114を経由してディスプレイデバイス108と通信する。通信ラインまたは媒体112および114は、私設または公共のものもであってもよい。
【0016】
したがって、中央サーバ102は、ディスプレイデバイス106、108、および110が再生するためのビデオファイルを記憶および/または提供する。したがって、中央サーバ102は、外部ソースからビデオファイルを受信してもよい。中央サーバ102は、ディスプレイデバイス106、108、および110にビデオファイルを提供する際に分散型再生システムとして作用することができる。ビデオファイルは、複製された実世界環境を含有してもよい。実世界のイベントの複製を含有するビデオファイルの実施例は、実世界のイベント(例えば、ライブコンサート)のライブ録画または以前に録画された実世界のイベント(例えば、テレビ番組「Numb3rs」)を含む。
【0017】
中央サーバ102は、次いで、ディスプレイデバイス106、108、および110上に提示されるべきコンテンツを識別する。コンテンツは、場面(例えば、持続的アクションのシーケンス)を含んでもよく、これは、次いで、1つ以上のオブジェクトを含んでもよい。故に、場面および/またはオブジェクトは、現実またはエクステンデッドリアリティ(例えば、拡張現実、複合現実、および/または仮想現実)において生じ得る。これらの考え方に従うと、ビデオファイルの場面および/またはオブジェクトは、2次元である。
【0018】
上記に議論されるように、中央サーバ102は、ディスプレイデバイス106、108、および110のセットと通信する、ローカルサーバ104と通信する。例えば、ローカルサーバ104aは、ディスプレイデバイス106の第1のセットと通信してもよく、ローカルサーバ104bは、ディスプレイデバイス108の第2のセットと通信してもよく、ローカルサーバ104cは、ディスプレイデバイス110の第3のセットと通信してもよい。したがって、ローカルサーバ104およびディスプレイデバイス106、108、および110のセットは、異なる場所(例えば、建築物の中)に提供されてもよい。ひいては、ディスプレイデバイス106、108、および110の各セットは、同一のビデオファイルを提示する。各個別のディスプレイデバイスは、相互(例えば、ディスプレイデバイス106a、108a、および110a)と同期する。
【0019】
故に、ディスプレイデバイス106、108、および110のセットの数に応じて、中央サーバ102および/またはローカルサーバ104は、ビデオファイルから場面を連続的かつ同期的に提示するために適切な処理を実施する。当業者によって理解されるであろうように、場面は、ビデオファイルのクロップを表す。
【0020】
例えば、ディスプレイデバイス(例えば、ディスプレイデバイス106)の単一のみのセットが、存在する場合、中央サーバ102またはローカルサーバ104aが、処理を実施してもよい、またはそれらが、そうすることによって単一のサーバとして作用してもよい。しかしながら、ディスプレイデバイス106、108、および110の複数のセット(例えば、ディスプレイデバイス106および108)が、存在する場合、中央サーバ102は、オリジナルビデオファイルからのデータのコピーをローカルサーバ104(例えば、ローカルサーバ104aおよび104b)に送信する。したがって、時間データが、持続的に配信される。ローカルサーバ104は、その後、異なるセットからの対応するディスプレイデバイス(例えば、ディスプレイデバイス106aおよび108a)が、中央サーバ102のビデオファイルを同期して提示するように、タイミングデータとともに、処理を実施する。
【0021】
単純にするために、以下の開示は、処理ステップを実施するものとして中央サーバ102を議論するであろう。しかしながら、前述に照らして、当業者は、ディスプレイデバイス106、108、および110のセットの数に応じて、中央サーバ102および/またはローカルサーバ104が、処理ステップを実施し得ることを容易に理解するであろう。
【0022】
中央サーバ102は、ディスプレイデバイス106、108、および110の各セット自体の性質またはそれらの間の関係に関連するデータを受信する。データは、予め記憶され、認定された個人によって手動で提供されてもよい。ディスプレイデバイス106、108、および110のそれぞれに関連する例示的データは、定義される実世界平面上の地理的位置(例えば、壁上の具体的場所)、ディスプレイの分解能(例えば、720p、1,080p、2K等)、物理的サイズ(例えば、32インチ、50インチ、60インチ等)、視認距離(例えば、6.3~10.4フィート、6.9~11.5フィート、7.5~12.5フィート、および8.1~13.5フィート等)、技術タイプ(例えば、液晶ディスプレイ(LCD)、有機発光ダイオードディスプレイ(OLED)、プラズマディスプレイパネル(PDP)等)、およびディスプレイタイプ(例えば、2次元)を含む。各セット内のディスプレイデバイス106、108、および110間の関係に関連する例示的データは、各セット内のディスプレイデバイス106、108、および110のそれぞれの間の距離を含む。例えば、隣接するディスプレイデバイス106a、106b、および106c間の距離が、該当する。
【0023】
隣接するディスプレイデバイス106、108、および110間の距離およびディスプレイデバイス106、108、および110のサイズに基づいて、中央サーバ102は、ディスプレイデバイス106、108、および110の構成(例えば、行および列の数)を決定する。図2は、視認者204のための連続した仮想空間を提供する、単一行の状態にある3つのディスプレイデバイス202の例示的な空間構成を図示する。しかしながら、他の構成も、当業者に明白となるであろうように、可能性として考えられる。
【0024】
図1に戻って参照すると、連続した仮想空間を提供するために、中央サーバ102は、ディスプレイデバイス106、108、および110に提示されるべきビデオファイルの一部(例えば、ビデオクロップ)を識別する。上記に述べられるように、ビデオファイルは、実世界環境または仮想環境であってもよい。故に、中央サーバ102は、複製された実世界環境内または仮想環境内の位置および/または場所において仮想カメラを設置する。
【0025】
ここで図3Aおよび3Bを参照すると、中央サーバ102(図1に図示される)は、次いで、ビデオクリップの一部の仮想環境300内に仮想平面302を提供してもよい。いくつかの実施形態では、複数の仮想平面302が、仮想環境300内に提供されてもよい。仮想平面302は、物理的に相互と別個である。したがって、仮想平面は、異なる軸上にあり得る。これらの考え方に従うと、1つの仮想平面が、y軸に対して平行に延設されてもよく、別の仮想平面が、x軸に対して平行に延設されてもよい。下記により詳細に議論されるであろうように、仮想平面302は、それら自体の仮想カメラ306および仮想平面面積310と関連付けられる。また、仮想平面302はそれぞれ、実世界ディスプレイデバイス106、108、および110のセットに対応してもよい。例えば、第1の仮想平面が、実世界ディスプレイデバイス106の第1のセットに対応してもよく、第2の仮想平面が、実世界ディスプレイデバイス108の第2のセットに対応してもよい。
【0026】
図3Aは、複製された環境300内の仮想平面302の斜視正面図を図示する。図3Bは、複製された環境300内の仮想平面302の斜視背面図を図示する。複製された環境300は、オブジェクト304を含む。したがって、仮想平面302は、少なくとも部分的にオブジェクト304の正面に位置付けられる。ビデオの場面は、2次元または3次元であり得るため、複製された環境300および/またはオブジェクト304もまた、2次元または3次元であり得、オブジェクトは、実世界オブジェクトまたは仮想オブジェクトであり得る。
【0027】
中央サーバ102(図1に示される)は、次いで、仮想平面302を識別し、複製された環境300内に仮想カメラ306を設置する。仮想カメラ306は、仮想平面302上に、オブジェクト304の少なくとも一部を捕捉する、投影308を提供する。したがって、仮想カメラ306の投影308は、仮想平面302と交差する。そうすることによって、交差部分は、仮想平面302上に表示平面面積310を画定する。これらの考え方に従うと、仮想カメラ306の投影308は、任意の閉鎖された形状であり、仮想平面302上に表示平面面積310の形状を画定し得る。例えば、図示されるように、投影308の形状は、長方形錐台であってもよく、表示平面面積310の形状は、長方形であってもよい。表示平面面積310の形状は、実世界ディスプレイの形状にかかわらず、長方形であってもよい。例えば、実世界ディスプレイが、正方形である(すなわち、辺が、等しい長さを有する)場合、表示平面面積310は、依然として、長方形である。
【0028】
表示平面面積310は、仮想平面302上の任意の場所にあってもよい。表示平面面積310は、完全にオブジェクト304の正面にあってもよい。下記により詳細に説明されるであろうように、表示平面面積310のサイズは、仮想カメラ306の投影308、仮想平面302上の仮想窓の数、および/または仮想平面302内の仮想窓の構成に基づく。
【0029】
したがって、仮想平面302上への仮想カメラ306の投影308は、表示平面面積310を画定する。表示平面面積310は、仮想窓が、据え付けらればならない場所を画定し、表示平面面積310のサイズおよび仮想平面302までのカメラ302の距離に基づいて、種々の視野を提供する。例えば、視野は、arctan(0.5×(表示平面面積310の幅/表示平面面積310までの仮想カメラ306の距離))×2に等しくてもよい。ここで図4Aおよび4Bを参照すると、ビデオクリップの一部の複製された環境300(例えば、複製された実世界環境または仮想環境)内の仮想平面402上の複数の仮想窓412が、図示される。図4Aは、複製された環境400内の仮想平面402の斜視正面図を図示する。図4Bは、複製された環境400内の仮想平面402の斜視背面図を図示する。上記に記載されるように、仮想窓412は、実世界ディスプレイデバイス106、108、および110(図1に描写される)の各セット内の特定のディスプレイデバイスに対応し、それとの1対1の相関を有する。例えば、仮想窓412aは、ディスプレイデバイス106a、108a、および/または110aに対応してもよく、仮想窓412bは、ディスプレイデバイス106b、108b、および/または110bに対応してもよく、仮想窓412cは、ディスプレイデバイス106c、108c、および/または110cに対応してもよい。
【0030】
仮想窓412は、仮想平面402内に2次元の空間場所(例えば、x位置およびy位置)を有する。いくつかの実施形態では、仮想平面402内の仮想窓412の空間場所は、実世界内の(図1の)実世界ディスプレイデバイス106、108、および110の空間場所および実世界ディスプレイデバイス106、108、および110の特性に基づく。これは、仮想世界内での実世界ディスプレイの再生成を可能にする。例えば、実世界ディスプレイデバイス106、108、および110が、実世界内に具体的な空間場所を有する場合、仮想世界内の仮想窓412の空間設置は、それに基づく。他の実施形態では、実世界ディスプレイデバイス106、108、および110の空間場所は、仮想窓412の空間場所に基づく。例えば、仮想窓412は、仮想世界内に具体的な空間場所を有し、実世界内の実世界ディスプレイデバイス106、108、および110の空間場所は、それに基づく。したがって、これらの実施形態のいずれにおいても、仮想世界は、実世界の単位に類似する単位を有する。例えば、1仮想世界単位は、実世界における具体的なインチ数(例えば、1インチ、3インチ、6インチ、または12インチ)に類似し得る。
【0031】
そのような方式において動作することによって、仮想カメラ402は、仮想窓412に対する仮想環境内の仮想カメラ402と、実世界ディスプレイデバイス106、108、および110との同一の空間関係を有する、実世界内の想像カメラを表し得る。
【0032】
上記に説明されるように、仮想カメラ406は、仮想平面402のうちの1つの上に投影を提供し、投影は、表示平面面積410を決定する。これらの考え方に従うと、仮想窓412は、表示平面面積410の少なくとも一部の中に設置される。故に、仮想カメラ406は、その投影を仮想窓412のそれぞれの上に集束させることが可能である。したがって、コンテンツ(例えば、図3Aのオブジェクト304)が、仮想環境400内かつ仮想窓412の背後に提供されるため、仮想カメラ406は、オブジェクトを含む仮想窓412のビューを捕捉し、これは、次いで、対応するディスプレイデバイス106、108、および110(図1に示される)に提供される。
【0033】
また、上記に記載されるように、表示平面面積410のサイズは、仮想カメラ406の投影、仮想平面402上の仮想窓412の数、および/または仮想平面402上の仮想窓412の構成に依存する。したがって、投影によって提供される仮想カメラ406の視野および表示平面面積410のサイズは、仮想窓412のサイズおよび構成に依存する。例えば、表示面積平面410は、仮想窓412の構成(例えば、1(行)×3(列))に少なくとも等しい、またはそれを上回るサイズを有してもよい。したがって、仮想窓412は、表示平面面積410のサイズ、複数の仮想窓412のそれぞれのサイズ、および/または仮想カメラ406の焦点距離に基づいて較正される。
【0034】
また、表示平面面積410および/または仮想窓に対する仮想カメラ406の場所を決定した後、複数の子仮想カメラが、仮想カメラ406のために提供されてもよい。したがって、仮想カメラ406は、マスタ仮想カメラと見なされ得る。故に、仮想カメラ406(またはマスタ仮想カメラ)は、子仮想カメラの能力(例えば、視認距離、焦点、明瞭度等)を決定してもよい。したがって、子カメラは、仮想カメラ406の性質を継承し得る。
【0035】
これらの考え方に従うと、子仮想カメラはそれぞれ、仮想窓412のうちの1つに対応してもよい。したがって、仮想窓412が、(図1の)実世界ディスプレイデバイス106、108、110に対応するため、子仮想カメラもまた、実世界ディスプレイデバイス106、108、110に対応してもよい。子仮想カメラはそれぞれ、特定の実世界ディスプレイデバイスに対応してもよい。例えば、子仮想カメラは、実世界ディスプレイデバイスと1:1の比率を有してもよい。したがって、子仮想カメラは、それらの対応する仮想窓412内のコンテンツに関連するデータを提供してもよい。
【0036】
図5および6は、ある実施形態による、複数のディスプレイデバイスのための連続した仮想空間を提供するための方法500および600に関するフローチャートである。方法500および600は、ハードウェア(例えば、回路網、専用論理、プログラマブル論理、マイクロコード等)、ソフトウェア(例えば、処理デバイス上で実行する命令)、またはそれらの組み合わせを含み得る、処理論理によって実施されることができる。全てのステップが、本明細書に提供される開示を実施するために必要とされるわけではない場合があることを理解されたい。さらに、ステップのうちのいくつかが、当業者によって理解されるであろうように、同時に、または図5および6に示されるものと異なる順序において実施されてもよい。
【0037】
ここで図5を参照すると、ディスプレイデバイス106、108、および110の単一のみのセット(例えば、ディスプレイデバイス106)に連続した仮想空間を提供するための方法500が、図1および2を参照して説明されるものとする。しかしながら、方法500は、その例示的実施形態に限定されない。
【0038】
502において、中央サーバ102が、実世界ディスプレイデバイス106、108、および110の1つ以上のセットに関連する表示情報を入手する。上記に説明されるように、実世界ディスプレイデバイス106、108、および110の各セットは、同一のビデオファイルを表示するために提供される。例えば、図2に図示されるように、ディスプレイデバイスのセットが、視認者204のための連続した仮想空間102を提供する。したがって、中央サーバ102は、セット内の各ディスプレイデバイスおよびセット自体の(例えば、センチメートル単位)位置、(例えば、度単位)回転、(例えば、センチメートル単位)寸法、(例えば、ピクセル単位)分解能、および(例えば、センチメートル単位)アスペクト比を受信する。
【0039】
504において、中央サーバ102は、実世界ディスプレイデバイス106、108、および110の単一のセット(例えば、ディスプレイデバイス106のみ)またはディスプレイデバイス106、108、および110の複数のセット(例えば、ディスプレイデバイス106および108)が存在するかどうかを決定する。中央サーバ102が、ディスプレイデバイス106、108、および110の複数のセットが存在すると決定した場合、方法500は、506に進む。しかしながら、中央サーバ102が、ディスプレイデバイス106、108、および110の単一のみのセットが存在すると決定した場合、方法500は、508に進む。
【0040】
506において、中央サーバ102は、タイミングデータに加えて、表示実世界デバイス106、108、および110上で視認されるべきコンテンツを1つ以上のローカルサーバ104に転送する。そうするために、中央サーバ102は、ローカルサーバ104のタイムスタンプおよび/またはタイムコードを送信する。これは、ディスプレイデバイス106、108、および110の複数のセットの種々のセットの対応するディスプレイデバイス(例えば、ディスプレイデバイス106aおよび108a)が、同一または類似のデータを同時に提示することを可能にするであろう。
【0041】
508において、中央サーバ102またはローカルサーバ104は、ディスプレイデバイス106、108、および110上で視認されるべきコンテンツに基づいて、実世界ディスプレイデバイス106、108、および110のセットのそれぞれの間で共有されるべき複製された環境の1つ以上の性質を決定する。
【0042】
故に、いくつかの実施形態では、ディスプレイデバイス106、108、または110の単一のセット(例えば、ディスプレイデバイス106)が存在する場合、中央サーバ102または個別のローカルサーバ104は、実世界ディスプレイデバイス106、108、または110の特定のセットの性質を決定する。他の実施形態では、実世界ディスプレイデバイス106、108、および110の複数のセット(例えば、ディスプレイデバイス106および108)が存在する場合、ローカルサーバ104は、それらの個別の実世界ディスプレイデバイス106、108、および110に関する性質を決定する。
【0043】
510において、中央サーバ102またはローカルサーバ104は、仮想平面上に提供され、実世界ディスプレイデバイスの各セットに対応する、仮想窓からマスタ仮想カメラを生成する。上記に議論されるように、マスタ仮想カメラが、仮想平面のために提供されてもよい。マスタ仮想カメラの性質を決定した後、仮想窓に対応する、複数の子仮想カメラが、提供されてもよい。
【0044】
512において、中央サーバ102またはローカルサーバ104は、仮想環境内の複数の窓に関連する性質に基づいて、マスタカメラの視認ポートおよび/またはその子カメラの視認ポートを修正する。
【0045】
514において、中央サーバ102またはローカルサーバ104は、仮想窓412内のコンテンツのそれらのビューに基づいて、マスタまたは仮想カメラからデータを受信する。
【0046】
516において、中央サーバ102またはローカルサーバ104は、個別の複数の仮想窓412に対応する、複数の実世界ディスプレイデバイス106、108、および110にデータを提供する。
【0047】
上記に解説されるように、ディスプレイデバイス106、108、および110の単一のセット(例えば、ディスプレイデバイス106)が存在する場合、中央サーバ102または適切なローカルサーバ(例えば、ローカルサーバ104a)が、ステップ508、510、および512を実施する。これらの考え方に従うと、上記に記載されるように、中央サーバ102および適切なローカルサーバ104は、単一のサーバに組み合わせられてもよい。しかしながら、ディスプレイデバイス106、108、および110の複数のセット(例えば、ディスプレイデバイス106および108)が存在する場合、ローカルサーバ104は、中央サーバ102からタイミングデータを受信し、タイミングデータに従って、ステップ508、510、512、および514を実施する。
【0048】
ここで図6を参照すると、方法600が、図1、3、4、および5を参照して説明されるものとする。しかしながら、方法600は、それらの例示的実施形態に限定されない。
【0049】
602において、中央サーバ102またはローカルサーバ104は、複製された環境300(例えば、複製された実世界環境または仮想環境)内に提供される、仮想平面302上への仮想カメラ306の投影308を識別する。
【0050】
604において、中央サーバ102またはローカルサーバ104は、仮想平面302上への仮想カメラ306の投影308の交差部分に基づいて、表示平面面積310を決定する。
【0051】
606において、中央サーバ102またはローカルサーバ104は、(i)複数の実世界ディスプレイデバイス106、108、および110の1つ以上の性質および(ii)仮想カメラ402の焦点距離に基づいて、表示平面面積410上に提供される、複数の仮想窓412のそれぞれに関する位置を計算する。故に、複数の仮想窓412はそれぞれ、複数のディスプレイデバイス106、108、および110の個別のものに関連/対応する。
【0052】
608において、中央サーバ102またはローカルサーバ104は、表示平面面積410上の位置において複数の仮想窓412を設置する。
【0053】
610において、中央サーバ102またはローカルサーバ104は、少なくとも部分的に複数の仮想窓412のうちの少なくとも1つの背後にある、コンテンツを識別する。コンテンツは、2次元または3次元であり得る、オブジェクト304であってもよい。
【0054】
612において、中央サーバ102またはローカルサーバ104は、コンテンツを有する複数の仮想窓412のうちの少なくとも1つに関連する複数のディスプレイデバイス106、108、および110の個別のものに、データを提供する。
【0055】
図6に関して上記に説明されるように、ステップ602、604、606、608、610、および612が、中央サーバ102および/またはローカルサーバ104によって実施されてもよい。例えば、いくつかの実施形態では、ステップ602、604、606、608、610、および/または612は、中央サーバ102によって実施され、ローカルサーバ104に提供される。
【0056】
種々の実施形態が、例えば、図7に示されるコンピュータシステム700等の1つ以上の周知のコンピュータシステムを使用して実装されてもよい。1つ以上のコンピュータシステム700が、例えば、本明細書に議論される実施形態のうちのいずれかおよびそれらの組み合わせおよび副次的組み合わせを実装するために使用されてもよい。
【0057】
コンピュータシステム700は、プロセッサ704等の1つ以上のプロセッサ(中央処理ユニットまたはCPUとも呼ばれる)を含んでもよい。プロセッサ704は、通信インフラストラクチャまたはバス706に接続されてもよい。
【0058】
コンピュータシステム700はまた、ユーザ入力/出力インターフェース702を通して通信インフラストラクチャ706と通信し得る、モニタ、キーボード、ポインティングデバイス等のユーザ入力/出力デバイス703を含んでもよい。
【0059】
プロセッサ704のうちの1つ以上のものは、グラフィック処理ユニット(GPU)であってもよい。ある実施形態では、GPUは、数学的に集約的なアプリケーションを処理するために設計される、特殊な電子回路である、プロセッサであってもよい。GPUは、コンピュータグラフィックアプリケーション、画像、ビデオ等に対して共通である、数学的に集約的なデータ等のデータの大型ブロックの並行処理のために効率的である、並列構造を有してもよい。
【0060】
コンピュータシステム700はまた、ランダムアクセスメモリ(RAM)等のメインまたは一次メモリ708を含んでもよい。メインメモリ708は、1つ以上のレベルのキャッシュを含んでもよい。メインメモリ708は、その中に制御論理(すなわち、コンピュータソフトウェア)および/またはデータを記憶していてもよい。
【0061】
コンピュータシステム700はまた、1つ以上の二次記憶デバイスまたはメモリ710を含んでもよい。二次メモリ710は、例えば、ハードディスクドライブ712および/またはリムーバブル記憶デバイスまたはドライブ714を含んでもよい。リムーバブル記憶ドライブ714は、フロッピー(登録商標)ディスクドライブ、磁気テープドライブ、コンパクトディスクドライブ、光学記憶デバイス、テープバックアップデバイス、および/または任意の他の記憶デバイス/ドライブであってもよい。
【0062】
リムーバブル記憶ドライブ714は、リムーバブル記憶ユニット718と相互作用してもよい。リムーバブル記憶ユニット718は、その上にコンピュータソフトウェア(制御論理)および/またはデータを記憶している、コンピュータ使用可能または可読記憶デバイスを含んでもよい。リムーバブル記憶ユニット718は、フロッピー(登録商標)ディスク、磁気テープ、コンパクトディスク、DVD、光学記憶ディスク、および/または任意の他のコンピュータデータ記憶デバイスであってもよい。リムーバブル記憶ドライブ714は、リムーバブル記憶ユニット718から読み取る、および/またはそれに書き込んでもよい。
【0063】
二次メモリ710は、コンピュータプログラムおよび/または他の命令および/またはデータがコンピュータシステム700によってアクセスされることを可能にするための、他の手段、デバイス、コンポーネント、媒介、または他のアプローチを含んでもよい。そのような手段、デバイス、コンポーネント、媒介、または他のアプローチは、例えば、リムーバブル記憶ユニット722およびインターフェース720を含んでもよい。リムーバブル記憶ユニット722およびインターフェース720の実施例は、プログラムカートリッジおよびカートリッジインターフェース(ビデオゲームデバイス内に見出されるもの等)、リムーバブルメモリチップ(EPROMまたはPROM等)および関連付けられるソケット、メモリスティックおよびUSBポート、メモリカードおよび関連付けられるメモリカードスロット、および/または任意の他のリムーバブル記憶ユニットおよび関連付けられるインターフェースを含み得る。
【0064】
コンピュータシステム700はさらに、通信またはネットワークインターフェース724を含んでもよい。通信インターフェース724は、コンピュータシステム700が、外部デバイス、外部ネットワーク、外部エンティティ等(個々に、そして集合的に、参照番号728によって参照される)の任意の組み合わせと通信および相互作用することを可能にしてもよい。例えば、通信インターフェース724は、コンピュータシステム700が、有線および/または無線(またはそれらの組み合わせ)であり得、LAN、WAN、インターネット等の任意の組み合わせを含み得る、通信経路726を経由して外部または遠隔デバイス728と通信することを可能にし得る。制御論理および/またはデータが、通信経路726を介してコンピュータシステム700に、またはそれから伝送されてもよい。
【0065】
コンピュータシステム700はまた、いくつかの非限定的な実施例を挙げると、携帯情報端末(PDA)、デスクトップワークステーション、ラップトップまたはノート型パソコン、ネットブック、タブレット、スマートフォン、スマートウォッチまたは他のウェアラブル、装置、モノのインターネットの一部、および/または埋設システムのうちのいずれか、またはそれらの任意の組み合わせであってもよい。
【0066】
コンピュータシステム700は、限定ではないが、遠隔または分散型クラウドコンピューティングソリューション、ローカルまたはオンプレミスソフトウェア(「オンプレミス」のクラウドベースのソリューション)、「アズ・ア・サービス」モデル(例えば、コンテンツ・アズ・ア・サービス(CaaS)、デジタルコンテンツ・アズ・ア・サービス(DCaaS)、ソフトウェア・アズ・ア・サービス(SaaS)、管理ソフトウェア・アズ・ア・サービス(MSaaS)、プラットフォーム・アズ・ア・サービス(PaaS)、デスクトップ・アズ・ア・サービス(DaaS)、フレームワーク・アズ・ア・サービス(FaaS)、バックエンド・アズ・ア・サービス(BaaS)、モバイルバックエンド・アズ・ア・サービス(MBaaS)、インフラストラクチャ・アズ・ア・サービス(IaaS)等)、および/または前述の実施例または他のサービスまたは配信パラダイムの任意の組み合わせを含む、ハイブリッドモデルを含む、任意の配信パラダイムを通して任意のアプリケーションおよび/またはデータにアクセスまたはホストする、クライアントまたはサーバであってもよい。
【0067】
コンピュータシステム700内の任意の適用可能なデータ構造、ファイルフォーマット、およびスキーマは、限定ではないが、JavaScript(登録商標)オブジェクト表記(JSON)、拡張マークアップ言語(XML)、さらに別のマークアップ言語(YAML)、拡張可能ハイパーテキストマークアップ言語(XHTML)、無線マークアップ言語(WML)、MessagePack、XMLユーザインターフェース言語(XUL)、または任意の他の機能的に類似する表現を単独または組み合わせにおいて含む、規格から導出され得る。代替として、専用データ構造、フォーマット、またはスキーマが、排他的に、または公知またはオープンな規格との組み合わせにおいてのいずれかで使用されてもよい。
【0068】
いくつかの実施形態では、その上に記憶される制御論理(ソフトウェア)を有する、有形非一過性コンピュータ使用可能または可読媒体を備える、有形非一過性装置または製造品は、本明細書では、コンピュータプログラム製品またはプログラム記憶デバイスとも称され得る。これは、限定ではないが、コンピュータシステム700、メインメモリ708、二次メモリ710、およびリムーバブル記憶ユニット718および722、および前述のものの任意の組み合わせを具現化する、有形製品を含む。そのような制御論理は、1つ以上のデータ処理デバイス(コンピュータシステム700等)によって実行されると、そのようなデータ処理デバイスを本明細書に説明されるように動作させてもよい。
【0069】
本開示に含有される教示に基づいて、図7に示されるもの以外のデータ処理デバイス、コンピュータシステム、および/またはコンピュータアーキテクチャを使用して、本開示の実施形態を作製および使用する方法が、当業者に明白となるであろう。特に、実施形態は、本明細書に説明されるもの以外のソフトウェア、ハードウェア、および/またはオペレーティングシステム実装とともに動作することができる。
【0070】
任意の他の節ではなく、詳細な説明の節が、請求項を解釈するために使用されることを意図することを理解されたい。他の節は、本発明者らによって考慮されるような、1つ以上であるが全てではない例示的実施形態を記載することができ、したがって、本開示または添付の請求項をいかようにも限定することを意図していない。
【0071】
本開示は、例示的分野および用途に関して例示的実施形態を説明するが、本開示が、それらに限定されるものではないことを理解されたい。他の実施形態およびそれに対する修正が、可能性として考えられ、本開示の範囲および精神内のものである。例えば、本段落の一般性を限定することなく、実施形態は、図に図示される、および/または本明細書に説明される、ソフトウェア、ハードウェア、ファームウェア、および/またはエンティティに限定されない。さらに、実施形態(本明細書に明示的に説明されているかどうかにかかわらず)は、本明細書に説明される実施例以外の分野および用途に有意な有用性を有する。
【0072】
実施形態は、規定される機能の実装およびその関係を図示する機能構成要素の補助を借りて本明細書に説明されている。これらの機能構成要素の境界は、本明細書では、説明の利便性のために任意に定義されている。代替の境界が、規定される機能および関係(またはその均等物)が適切に実施される限り、定義されることができる。また、代替実施形態が、本明細書に説明されているものと異なる順序を使用して、機能ブロック、ステップ、動作、方法等を実施することができる。
【0073】
本明細書における、「一実施形態」、「ある実施形態」、「例示的実施形態」、または類似語句の言及は、説明される実施形態が、特定の特徴、構造、または特性を含み得るが、全ての実施形態が、必ずしもその特定の特徴、構造、または特性を含み得ないことを示す。また、そのような語句は、必ずしも同一の実施形態を参照しているわけではない。さらに、特定の特徴、構造、または特性が、ある実施形態に関連して説明されているとき、本明細書に明示的に言及または説明されているかどうかにかかわらず、そのような特徴、構造、または特性を他の実施形態に組み込むことは、当業者の知識の範囲内であろう。加えて、いくつかの実施形態は、それらの派生語とともに、表現「結合される」および「接続される」を使用して説明されることができる。これらの用語は、必ずしも相互の同義語として意図されていない。例えば、いくつかの実施形態は、2つ以上の要素が相互と直接物理的または電気的に接触していることを示すために、用語「接続される」および/または「結合される」を使用して説明されることができる。しかしながら、用語「結合される」はまた、2つ以上の要素が相互と直接接触していないが、なおもさらに、相互と協働または相互作用することも意味することができる。
【0074】
本開示の範疇および範囲は、上記に説明される例示的実施形態のうちのいずれかによって限定されるべきではなく、以下の請求項およびその均等物によってのみ定義されるべきである。
図1
図2
図3A
図3B
図4A
図4B
図5
図6
図7