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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-16
(45)【発行日】2024-07-24
(54)【発明の名称】無線通信ノード
(51)【国際特許分類】
   H04W 72/04 20230101AFI20240717BHJP
   H04W 92/04 20090101ALI20240717BHJP
   H04W 16/26 20090101ALI20240717BHJP
   H04W 72/0457 20230101ALI20240717BHJP
【FI】
H04W72/04
H04W92/04
H04W16/26
H04W72/0457 110
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2022532894
(86)(22)【出願日】2020-06-30
(86)【国際出願番号】 JP2020025701
(87)【国際公開番号】W WO2022003834
(87)【国際公開日】2022-01-06
【審査請求日】2023-06-23
(73)【特許権者】
【識別番号】392026693
【氏名又は名称】株式会社NTTドコモ
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100169797
【弁理士】
【氏名又は名称】橋本 浩幸
(72)【発明者】
【氏名】栗田 大輔
(72)【発明者】
【氏名】原田 浩樹
(72)【発明者】
【氏名】スン ウェイチー
(72)【発明者】
【氏名】ワン ジン
(72)【発明者】
【氏名】コウ ギョウリン
【審査官】伊東 和重
(56)【参考文献】
【文献】特表2023-521098(JP,A)
【文献】Nokia, Nokia Shanghai Bell,Mechanisms for resource multiplexing among backhaul and access links[online],3GPP TSG RAN WG1 #98,3GPP,2019年08月30日,R1-1908987,[検索日 2024.04.18],インターネット:<URL:https://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_98/Docs/R1-1908987.zip>
【文献】CMCC,Remaining issues on mechanisms for resource multiplexing among backhaul and access links[online],3GPP TSG RAN WG1 #101-e,3GPP,2020年06月05日,R1-2003948,[検索日 2024.04.18],インターネット:<URL:https://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_101-e/Docs/R1-2003948.zip>
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24-7/26
H04W 4/00-99/00
3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-4
CT WG1,4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線通信ノードであって、
前記無線通信ノードがデュアルコネクティビティを実行する2つのセルグループの一方から、下位ノード向けのリソースの利用可能性を示すフィールド値を含む下りリンク制御情報を受信する受信部と
前記2つのセルグループの一方から受信した前記下りリンク制御情報において、前記フィールド値が前記リソースを利用可能であることを示し、前記リソースを用いることによって前記2つのセルグループの他方との間における送受信が変更されない場合、前記リソースを用いて前記下位ノードとの通信を実行する制御部と、
を備える無線通信ノード。
【請求項2】
前記下りリンク制御情報は、DCIフォーマット2_5である、
請求項1に記載の無線通信ノード。
【請求項3】
前記リソースは、ソフトシンボルである、
請求項1または2に記載の無線通信ノード。
【請求項4】
無線通信ノードが行う無線通信方法であって、
前記無線通信ノードがデュアルコネクティビティを実行する2つのセルグループの一方から、下位ノード向けのリソースの利用可能性を示すフィールド値を含む下りリンク制御情報を受信し、
前記2つのセルグループの一方から受信した前記下りリンク制御情報において、前記フィールド値が前記リソースを利用可能であることを示し、前記リソースを用いることによって前記2つのセルグループの他方との間における送受信が変更されない場合、前記リソースを用いて前記下位ノードとの通信を実行する、
無線通信方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、無線アクセスと無線バックホールとを設定する無線通信ノードにおけるデュアルコネクティビティに関する。
【背景技術】
【0002】
3rd Generation Partnership Project(3GPP)は、5th generation mobile communication system(5G、New Radio(NR)またはNext Generation(NG)とも呼ばれる)を仕様化し、さらに、Beyond 5G、5G Evolution或いは6Gと呼ばれる次世代の仕様化も進めている。
【0003】
例えば、NRの無線アクセスネットワーク(RAN)では、端末(User Equipment, UE)への無線アクセスと、無線基地局(gNB)などの無線通信ノード間の無線バックホールとが統合されたIntegrated Access and Backhaul(IAB)が検討されている。
【0004】
IABでは、IABノードは、親ノードやIABドナーCU(Central Unit:中央装置)などの上位ノードと接続するための機能であるMobile Termination(MT)と、子ノードやUEなどの下位ノードと接続するための機能であるDistributed Unit(DU)とを有する。
【0005】
3GPPのRelease 16では、無線アクセスと無線バックホールとは、半二重通信(Half-duplex)及び時分割多重(TDM)が前提となっている。また、Release 17では、MTとDUとの同時動作(同時Tx/Rx)が検討されており、周波数分割多重(FDM)、空間分割多重(SDM)及び全二重通信(Full-duplex)の適用が検討されている。
【0006】
なお、MTとDUにおいては、半二重通信等の制約のため、MTとDUにおけるリソースの管理方法が検討されている(非特許文献1)。
【0007】
また、親ノードとの無線リンクのデュアルコネクティビティ(DC: Dual Connectivity)を設定するために、NR DCフレームワーク(MCG/SCG関連手順など)を使用すること等が考えられている(非特許文献2)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0008】
【文献】3GPP TS 38.213 V16.1.0, 3rd Generation Partnership Project; Technical Specification Group Radio Access Network; NR; Physical layer procedures for control (Release 16), 3GPP, 2020年3月
【文献】3GPP TS 37.340 V15.6.0, 3rd Generation Partnership Project; Technical Specification Group Radio Access Network; Evolved Universal Terrestrial Radio Access (E-UTRA) and NR; Multi-connectivity; Stage 2 (Release 15), 3GPP, 2019年6月
【発明の概要】
【0009】
ここで、MTとDUにおいて、MTが複数の親ノードとのデュアルコネクティビティ(Dual Connectivity)を実現しようとすると、本来MTとDUには半二重通信等の制約があるため、リソースの管理は一層複雑になる。
【0010】
そこで、以下の開示は、このような状況に鑑みてなされたものであり、Integrated Access and Backhaul(IAB)における親ノードとのデュアルコネクティビティを実現する場合において、MTとDUにおける適切なリソースの管理を実現し得る無線通信ノードの提供を目的とする。
【0011】
本開示の一態様は、無線リソースを共有し得る、複数の親ノード(親ノード100A-1,2)とのデュアルコネクティビティ(二重接続)、および、一または複数の下位ノード(子ノード100C)との接続に用いる接続部(上位ノード接続部170,下位ノード接続部180)と、少なくとも下位ノード向けの無線リソースに関する設定情報を、親ノード(親ノード100A)または中央装置(CU50)から受信する受信部(無線受信部162)とを備える無線通信ノード(無線通信ノード100B)である。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1図1は、無線通信システム10の全体概略構成図である。
図2図2は、IABの基本的な構成例を示す図である。
図3図3は、TDMにおいて周波数が重複する関係を示す図である。
図4図4は、親ノード100Aの機能ブロック構成図である。
図5図5は、IABノードを構成するIABノード100Bの機能ブロック構成図である。
図6図6は、本実施の形態における動作例1の制御シーケンスを示す図である。
図7図7は、IABドナーCU50から提供されるリソース設定情報の一例を示す図である。
図8図8は、親ノード100A毎に設定された異なるSemi-static DU configurationの例を示す図である。
図9図9は、動作例2-1-1の制御シーケンスの例を示す図である。
図10図10は、DCIフォーマット2_5のAIインデックスフィールド値と表示内容(indication)の対応関係を示す図である。
図11図11は、MCGおよびSCGからの明示的または暗黙的な表示と、DUリソースの利用可能性の関係を示す図である。
図12図12は、IABドナーCU50が親ノード100A-1,2に対し子ノードのリソース設定情報を送信する動作例を示す図である。
図13図13は、動作例1-1をサポートする1つの可能な解決策を説明するための図である。
図14図14は、CU50、無線通信ノード100A~100C及びUE200のハードウェア構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、実施形態を図面に基づいて説明する。なお、同一の機能や構成には、同一または類似の符号を付して、その説明を適宜省略する。
【0014】
(1)無線通信システムの全体概略構成
図1は、本実施形態に係る無線通信システム10の全体概略構成図である。無線通信システム10は、5G New Radio(NR)に従った無線通信システムであり、複数の無線通信ノード及び端末によって構成される。
【0015】
具体的には、無線通信システム10は、中央装置50(以下、CU50),無線通信ノード(親ノード100A,IABノード100B,下位ノード100Cを含む)、及びユーザ端末200(以下、UE200)を含む。
【0016】
無線通信ノード100A, 100B, 100Cは、UE200との無線アクセス、及び当該無線通信ノード間における無線バックホール(BH)を設定できる。具体的には、親ノード100AとIABノード100B、及びIABノード100Bと下位ノード100Cとの間には、無線リンクによるバックホール(伝送路)が設定される。
【0017】
このように、UE200との無線アクセスと、当該無線通信ノード間における無線バックホールとが統合された構成は、Integrated Access and Backhaul(IAB)と呼ばれている。
【0018】
IABは、無線アクセスのために定義された既存の機能及びインターフェースを再利用する。特に、Mobile-Termination (MT), gNB-DU (Distributed Unit), gNB-CU (Central Unit), User Plane Function (UPF), Access and Mobility Management Function (AMF) and Session Management Function (SMF)、ならびに対応するインターフェース、例えば、NR Uu(MT~gNB/DU間)、F1, NG, X2及びN4がベースラインとして使用される。
【0019】
親ノード100Aは、ファイバートランスポートなどの有線伝送路を介して、NRの無線アクセスネットワーク(NG-RAN)及びコアネットワーク(Next Generation Core (NGC)または5GC)と接続される。NG-RAN/NGCには、通信ノードであるCentral Unit 50(CU50)が含まれる。なお、NG-RAN及びNGCを含めて、単に「ネットワーク」と表現されてもよい。親ノード100Aの数は2つに限られないが、本実施の形態において、デュアルコネクティビティ(DC)が実現された場合の説明のため、一方の親ノードを親ノード100A-1、他方の親ノードを親ノード100A-2と称する場合がある。ここで、親ノード100A-1,2は、マスター無線基地局が形成するセルのグループであるMaster Cell Group(MCG)と、セカンダリ無線基地局が形成するセルのグループであるSecondary Cell Group(SCG)に分類され得る。
【0020】
IABノード100Bは、ファイバートランスポートなどの有線伝送路等を介して、NRの無線アクセスネットワーク(NG-RAN)及びコアネットワーク(NGCまたは5GC)と接続される。NG-RAN/NGCには、通信ノードであるCU50が含まれる。なお、図1に示すように、IABノード100Bは、デュアルコネクティビティ(DC)により、複数の親ノード100Aと同時に接続され得る。すなわち、本実施の形態において、3rd Generation Partnership Project(3GPP)において当初、無線アクセスリンクにおけるデュアルコネクティビティ(DC)として規定された技術を、無線バックホールにおけるDCに用いてもよい(非特許文献2参照)。
【0021】
なお、CU50は、上述したUPF, AMF, SMFの何れかまたは組み合わせによって構成されてもよい。或いは、CU50は、上述したようなgNB-CUであってもよい。また、IABにおいて、CU50は、特に、IABドナーCUと呼ばれてもよい。
【0022】
図2は、IABの基本的な構成例を示す図である。図2に示すように、本実施形態では、無線通信ノード100Aは、IABにおける親ノード(Parent node)を構成し、無線通信ノード100Bは、IABにおけるIABノードを構成し、無線通信ノード100Cは、IABにおける子ノード(Child node)を構成する。なお、本実施の形態では、UE200とは別筐体として、子ノード100Cを例示しているが、下位ノードには、子ノードのほか、UE200が含まれてもよい。したがって、本実施の形態において、子ノード100CをUE200に読み替えて適用してもよいものである。
【0023】
なお、親ノードは、IABノードとの関係において、上位ノードと呼ばれてもよい。したがって、本実施の形態において、親ノードを上位ノードに読み替えて適用してもよく、上位ノードを親ノードに読み替えて適用してもよい。なお、上位ノードには、親ノード100Aのほか、IABドナーCU50が含まれてもよい。また、IABノード100Bは、親ノード100Aとの関係において、子ノードまたは下位ノードと呼ばれてもよい。
【0024】
上述のように、IABにおける子ノード(Child node)または下位ノードとしては、UE200が子ノードを構成してもよい。したがって、本実施の形態において、子ノードを下位ノードに読み替えて適用してもよく、下位ノードを子ノードに読み替えて適用してもよい。IABノード100Bは、子ノードとの関係において、親ノードまたは上位ノードと呼ばれ、子ノード100Cは、IABノード100Bとの関係において、子ノードまたは下位ノードと呼ばれてもよい。
【0025】
親ノードとIABノードとの間には、無線リンクが設定される。具体的には、Link_parentと呼ばれる無線リンクが設定される。
【0026】
IABノードと子ノードとの間には、無線リンクが設定される。具体的には、Link_childと呼ばれる無線リンクが設定される。
【0027】
このような無線通信ノード間に設定される無線リンクは、無線バックホールリンクと呼ばれる。Link_parentは、下り方向のDL Parent BHと、上り方向のUL Parent BHとによって構成される。Link_childは、下り方向のDL Child BHと、上り方向のUL Child BHとによって構成される。
【0028】
なお、UE200と、IABノードまたは親ノードとの間に設定される無線リンクは、無線アクセスリンクと呼ばれる。具体的には、当該無線リンクは、下り方向のDL Accessと、上り方向のUL Accessとによって構成される。
【0029】
本実施の形態において、無線バックホールリンクと無線アクセスリンクは、半二重通信等の制約のため無線リソースを共有し得るので、時分割多重(TDM: Time Division Multiplexing)、周波数分割多重(FDM: Frequency Division Multiplexing)、空間分割多重(SDM: Space Division Multiplexing)等のリソース分割技術が必要とされる。
【0030】
IABノードは、親ノード等の上位ノードと接続するための機能であるMobile Termination(MT)と、子ノードまたはUE200等の下位ノードと接続するための機能であるDistributed Unit(DU)とを有する。なお、図2では省略されているが、親ノード及び子ノードもMT及びDUを有する(図1参照)。
【0031】
DUが利用する無線リソースには、DUの観点では、下りリンク(DL)、上りリンク(UL)及びFlexible resource(D/U/F)があり、当該無線リソースは、ハード、ソフトまたはNot Available(H/S/NA)の何れかのタイプに分類される。また、ソフト(S)内でも、利用可(available)または利用不可(not available)が規定されている。
【0032】
Flexible resource(F)は、DLまたはULの何れにも利用可能なリソースである。
【0033】
また、「ハード」とは、対応する無線リソースが、子ノードやUEなどの下位ノードと接続されるDU child link用として常に利用可能な無線リソースであり、すなわち、当該無線リソースが下位ノード向け専用として指定されていることを示す。一方、「ソフト」とは、対応する無線リソースのDU child link用としての利用可否が、親ノードやCU等の上位ノードによって明示的または暗黙的に制御される無線リソースであり、すなわち、当該無線リソースが下位ノード向け専用とは指定されていないことを示す。なお、ソフトと設定されている下位ノード向け無線リソースのことを、DUソフトリソースと呼ぶ場合がある。
【0034】
従って、DUリソースとしては、DL-H,DL-S,UL-H,UL-S,F-H,F-SまたはNAの何れかが設定される。
【0035】
なお、図2に示すIABの構成例は、CU/DU分割を前提としているが、IABの構成は必ずしもこのような構成に限定されない。例えば、無線バックホールには、GPRS Tunneling Protocol(GTP)-U/User Datagram Protocol (UDP)/Internet Protocol (IP)を用いたトンネリングによってIABが構成されてもよい。
【0036】
このようなIABの主な利点としては、トランスポートネットワークを高密度化することなく、NRのセルを柔軟かつ高密度に配置できることが挙げられる。IABは、屋外でのスモールセルの配置、屋内、さらにはモバイルリレー(例えば、バス及び電車内)のサポートなど、様々なシナリオに適用し得る。
【0037】
また、IABは、図1及び図2に示したように、NRのみのスタンドアロン(SA)による展開、或いは他のRAT(LTEなど)を含む非スタンドアロン(NSA)による展開をサポートしてもよい。
【0038】
本実施形態では、無線アクセス及び無線バックホールは、半二重通信(Half-duplex)を前提として動作する。但し、必ずしも半二重通信に限定されるものではなく、要件が満たされれば、MTおよびDUにおける同時通信(Txおよび/またはRx)など、全二重通信(Full-duplex)でも構わない。
【0039】
また、多重化方式は、時分割多重(TDM)、空間分割多重(SDM)及び周波数分割多重(FDM)等が利用可能である。
【0040】
IABノード100Bは、半二重通信(Half-duplex)で動作する場合、DL Parent BHが受信(RX)側、UL Parent BHが送信(TX)側となり、DL Child BHが送信(TX)側、UL Child BHが受信(RX)側となる。また、Time Division Duplex(TDD)の場合、IABノードにおけるDL/ULの設定パターンは、DL-F-ULのみに限られず、無線バックホール(BH)のみ、UL-F-DLなどの設定パターンが適用されてもよい。
【0041】
また、本実施形態では、バックホールリンクとアクセスリンクがTDMを用い、IABノードのDUとMTとの同時動作が実現されることを中心に説明することがあるが、これに限られず、バックホールリンクとアクセスリンクはFDM/SDMを用いてもよい。ここで、図3は、MTおよびDUにおいて周波数帯域が重複する関係を示す図である。
【0042】
図3に示すように、MT側のMTサービングセル(MT serving cell)同士は、異なる周波数帯域が割り当てられており、DU側のDUサービングセル(DU serving cell)同士も、異なる周波数帯域が割り当てられており重複しない。ここで、MT側の無線リンク接続と、DU側の無線リンク接続が、半二重通信等により、無線リソースを共有する場合、TDM等により時間リソースが割り当てられてもよい。例えば、MTサービングセル1とDUサービングセル1、MTサービングセル4とDUサービングセル3は、それぞれ時間リソースが割り当てられることで、競合することなく無線リソースの割当制御が行われる。
【0043】
ここで、さらに、IABノードにおいてMTサービングセル2およびMTサービングセル3とのデュアルコネクティビティ(DC)が実現されると、図示の如く、MTサービングセル2,3の周波数帯域それぞれが、DUサービングセル2と重複する場合があるので、無線リソースの割当制御が一層複雑になる。そのため、本実施の形態においては、以下に詳述するような適切な手法で無線リソースの制御を行う。すなわち、DCシナリオにおいては、DUサービングセルは、MCGに属する一部のMTサービングセルとも、SCGに属する他のMTサービングセルとも重複する場合があるので、本実施の形態において、IABノードが的確にDUリソースの利用可能性を決定できるように鋭意工夫を行った。
【0044】
(2)無線通信システムの機能ブロック構成
次に、無線通信システム10を構成する親ノード100A及びIABノード100Bの機能ブロック構成について説明する。なお、説明が重複するので明記しないが、子ノード100Cも、IABノード100Bと同様の構成を備えていてもよい。
【0045】
(2.1)親ノード100A
図4は、親ノード100Aの機能ブロック構成図である。図4に示すように、親ノード100Aは、無線送信部110、無線受信部120、NW IF部130、IABノード接続部140及び制御部150を備える。
【0046】
無線送信部110は、5Gの仕様に従った無線信号を送信する。また、無線受信部120は、5Gの仕様に従った無線信号を送信する。本実施形態では、無線送信部110及び無線受信部120は、IABノード100Bとの無線通信を実行する。
【0047】
本実施形態では、親ノード100Aは、MTとDUとの機能を有しており、無線送信部110及び無線受信部120も、MT/DUに対応して無線信号を送受信する。
【0048】
本実施の形態において、無線送信部110は、IABノード100Bにおける無線リソースの親ノード向け及び/又は下位ノード向けとしての利用可能性に関する設定情報を、IABノード100Bに送信し得る。より具体的には、無線送信部110は、IABノード100BにおけるMT側/DU側の無線リソースの利用可能性に関する設定情報を、IABノード100Bに送信してもよい。設定情報の具体例として、無線リソースが下位ノード向け(DU)専用に利用されることを指定する「ハード(H)」、無線リソースが下位ノード向け専用として指定されないことを示す「ソフト(S)」、または、無線リソースの下位ノード向けとしての利用不可を示す「NA(Not Available)」の情報(H/S/NA)であってもよい。
【0049】
さらに、設定情報は、無線リソースが下位ノード向け専用として指定されていない場合(ソフト(S)の場合)において指定され得る、下位ノード向けとして利用可(available)、または利用不可(not available)を指定する情報であってもよい。例えば、設定情報は、dynamic indicationあるいはavailability indicator (AI)と呼ばれる情報であってもよい。さらに、上述の情報において、IABノード100Bにおける下位ノード向け(DU)通信における、上りリンク(UL)、下りリンク(DL)、DLまたはULの何れにも利用可能なFlexibleの別を更に指定した情報(UL/DL/F)を含んでいてもよい。なお、設定情報には、明示的に示される情報のみならず、暗黙的に示される情報が含まれる。具体的には、ソフトとして設定されている無線リソースについて、一定期間、ネットワークやCU50や親ノードからの明示的な表示がない場合、このことを暗黙的な表示として解釈し、当該設定情報に基づいて、たとえば当該無線リソースが下位ノード向けに利用されるよう制御されてもよい。
【0050】
NW IF部130は、CU50等のNGC側などとの接続を実現する通信インターフェースを提供する。例えば、NW IF部130は、X2, Xn, N2, N3などのインターフェースを含み得る。
【0051】
IABノード接続部140は、IABノード(またはUEを含む子ノードであってもよい)との接続を実現するインターフェースなどを提供する。具体的には、IABノード接続部140は、Distributed Unit(DU)の機能を提供する。つまり、IABノード接続部140は、IABノード(または子ノード)との接続に用いられる。
【0052】
なお、IABノードとは、UE200に対する無線アクセスをサポートし、アクセストラフィックを無線によってバックホールするRANノードと表現されてもよい。また、親ノード、あるいは、IABドナーは、コアネットワークへのUEのインターフェースと、IABノードへの無線バックホール機能を提供するRANノードと表現されてもよい。
【0053】
制御部150は、親ノード100Aを構成する各機能ブロックの制御を実行する。例えば、制御部150は、Dynamic indicationやAvailability indicator (AI)などの設定情報の送信を介してIABノード100BのDUソフトリソースに関する制御を実行してもよい。なお、制御部150は、設定情報を送信しないことにより暗黙的な表示を行ってもよい。例えば、CU50からIABノード100BにDUリソースがソフトであることを示す設定情報が送られているが、MCG等に属する親ノード100AがそのDUソフトリソースについての明示的な設定情報を送らないことにより、暗黙的な表示を行ってもよい。すなわち、DUにもMTにも利用可能な無線リソースについて、ネットワークから明示的な表示がないことは、暗黙的な表示を示す設定情報になり得る。
【0054】
制御部150は、IABノードのDUソフトリソースが、DL/UL/Fの何れかにおける利用可否を示す準静的な設定を有していてもよい。準静的(Semi-static)な設定とは、設定内容が動的には変更されないが、ネットワークからの表示に基づいて更新または変更されてもよいことを意味してよい。
【0055】
制御部150は、NW IF部130を介してCU50から受信した子ノード(IABノード100B)のリソース設定情報を取得してもよい。例えば、制御部150は、自身からみた子ノード(すなわちIABノード100B)のリソース設定に関する設定情報(例えば、子ノードのDUリソースのH/S/NAの種別など)を取得してもよい。これにより、例えば受信した子ノードの対象DUリソースの設定情報がソフトである場合に、制御部150は、当該DUソフトリソースを動的に制御することができる。
【0056】
(2.2)IABノード100B
図5は、IABノードを構成するIABノード100Bの機能ブロック構成図である。図5に示すように、IABノード100Bは、無線送信部161、無線受信部162、上位ノード接続部170、下位ノード接続部180及び制御部190を備える。
【0057】
このように、IABノード100Bは、上述した親ノード100Aと類似した機能ブロックを備えるが、上位ノード接続部170及び下位ノード接続部180を備える点、及び制御部190の機能が異なる。
【0058】
無線送信部161は、5Gの仕様に従った無線信号を送信する。また、無線受信部162は、5Gの仕様に従った無線信号を受信する。本実施形態では、無線送信部161及び無線受信部162は、親ノード100Aなど上位ノードとの無線通信、及び、子ノード(UE200の場合を含む)などの下位ノードとの無線通信を実行する。例えば、無線受信部162は、少なくとも下位ノード向けの無線リソースに関する設定情報を、親ノード100Aから受信する。例えば、無線受信部162は、IABノード100Bにおける無線リソースの親ノード向け及び/又は下位ノード向けとしての利用可能性に関する設定情報を受信してもよい。
【0059】
上位ノード接続部170は、IABノードよりも上位のノードとの接続を実現するインターフェースなどを提供する。なお、上位ノードとは、IABノードよりもネットワーク、具体的には、コアネットワーク側(上流側或いは上り側と呼んでもよい)に位置する無線通信ノードであってもよい。具体的には、上位ノード接続部170は、Mobile Termination(MT)の機能を提供する。つまり、上位ノード接続部170は、本実施形態では、上位ノードを構成する親ノード100A-1,2との接続に用いられる。特に、本実施の形態においては、上位ノード接続部170は、複数の親ノード100A-1,2との二重接続、具体的にはデュアルコネクティビティに用いられる。
【0060】
なお、上位ノード接続部170は、無線通信に限らず、有線伝送路等を介して、CU50等のコアネットワーク側と接続されてもよい。これにより、制御部190は、上位ノード接続部170を介して、少なくとも下位ノード向けの無線リソースに関する設定情報を、CU50から受信することができる。例えば、制御部190は、上位ノード接続部170を介して、IABノード100Bにおける無線リソースの親ノード向け及び/又は下位ノード向けとしての利用可能性に関する設定情報をCU50から受信してもよい。なお、これに限られず、無線受信部120が、無線通信によりCU50から設定情報を取得してもよい。
【0061】
下位ノード接続部180は、IABノードよりも下位のノードとの接続を実現するインターフェースなどを提供する。なお、下位ノードとは、IABノードよりもエンドユーザ側(下流側或いは下り側と呼んでもよい)に位置する無線通信ノードを意味する。
【0062】
具体的には、下位ノード接続部180は、Distributed Unit(DU)の機能を提供する。つまり、下位ノード接続部180は、本実施形態では、下位ノードを構成する子ノード(UE200であってもよい)との接続に用いられる。
【0063】
本実施の形態においては、上位ノード接続部170は、複数の親ノード100Aとのデュアルコネクティビティ(dual connectivity)に用いられ、下位ノード接続部180は、一または複数の下位ノード(子ノード100C等)との接続に用いられ、これら上位ノード接続(MT接続)と下位ノード接続(DU接続)は無線リソースを共有し得る。
【0064】
制御部190は、IABノード100Bを構成する各機能ブロックの制御を実行する。特に、本実施形態では、制御部190は、無線リソースに関する制御を実行する。
【0065】
上述したように、IABノード100Bにおける無線リソースは、MTおよびDUの何れにも用い得る。さらに、MTでは、2つの親ノード100A-1,2とデュアルコネクティビティ(DC)により接続され得る。したがって、制御部190は、複数の親ノードと少なくとも一つの下位ノードが共有し得る無線リソースの制御を行う。
【0066】
より具体的には、制御部190は、CU50または親ノード100Aから受信した設定情報に基づいて、親ノード向け(MT側)及び/又は下位ノード向け(DU側)の無線リソースの制御を行う。なお、制御部190は、更に、親ノード向けの無線リソースの利用状況に基づいて、親ノード向け(MT側)及び/又は下位ノード向け(DU側)の無線リソースの制御を行ってもよい。また、制御部190は、更に、一定期間、CU50または親ノード100Aから明示的な設定情報がない場合など暗黙的な状況に基づいて、親ノード向け及び/又は下位ノード向けの無線リソースの制御を行ってもよい。
【0067】
チャネルには、制御チャネルとデータチャネルとが含まれる。制御チャネルには、PDCCH(Physical Downlink Control Channel)、PUCCH(Physical Uplink Control Channel)、PRACH(Physical Random Access Channel)、及びPBCH(Physical Broadcast Channel)などが含まれる。
【0068】
また、データチャネルには、PDSCH(Physical Downlink Shared Channel)、及びPUSCH(Physical Uplink Shared Channel)などが含まれる。
【0069】
なお、参照信号には、Demodulation reference signal(DMRS)、Sounding Reference Signal(SRS)、Phase Tracking Reference Signal (PTRS)、及びChannel State Information-Reference Signal(CSI-RS)が含まれ、信号には、チャネル及び参照信号が含まれる。また、データとは、データチャネルを介して送信されるデータを意味してよい。
【0070】
UCIは、Downlink Control Information(DCI)の対称となる制御情報であり、PUCCHまたはPUSCHを介して送信される。UCIには、SR (Scheduling Request)、HARQ (Hybrid Automatic repeat request) ACK/NACK、及びCQI (Channel Quality Indicator)などが含まれ得る。
【0071】
制御部190は、設定情報が示す無線リソースの利用可否に基づいて、無線リソースの制御を行ってもよい。具体的には、制御部190は、設定情報が示すH/S/NAの情報のほか、対象リソースがソフト(S)である場合等において、IA(Indicated as Available)またはINA(Indicated as not Available)の設定情報に基づいて、DUリソースの利用可否を決定できる。なお、「IA」は、DUリソースが利用可能として明示的または暗黙的に示されていることを意味する。また、「INA」は、DUリソースが利用不可として明示的または暗黙的に示されていることを意味する。設定情報として、動的表示(Dynamic Indication)のほか、制御部190は、Availability indicator(AI)などの設定情報に基づいて、DUリソースの制御を行ってもよい。また、例えば、制御部190は、対象リソースがソフト(S)である場合など無線リソースが下位ノード向け専用とは指定されていない場合、下位ノード向けの無線リソースの利用可否に関する設定情報(例えば動的表示等)を、CU50または複数の親ノード100A-1,2のうちの一つから受信して、受信した設定情報に基づいて、親ノード向け(MT側)及び/又は下位ノード向け(DU側)の無線リソースの制御を行ってもよい。
【0072】
また、制御部190は、上位ノード接続部170を介して無線リソースの親ノード向け(MT側)の利用状況を把握してもよく、下位ノード接続部180を介して無線リソースの下位ノード向け(DU側)の利用状況を把握してもよい。そして、制御部190は、設定情報のほか、親ノード向け及び/又は下位ノード向けの無線リソースの利用状況に基づいて、無線リソースの制御を行ってもよい。
【0073】
また、制御部190は、複数の設定情報が受信された場合、以下のように無線リソースの制御を行ってもよい。すなわち、例えば、制御部190は、全ての設定情報において、無線リソースが下位ノード向け専用(Hard)と指定されたときは、当該無線リソースが下位ノード向けとして利用されるよう制御してもよい。また、制御部190は、少なくとも一つの設定情報において、無線リソースが下位ノード向けとして利用不可(Not Available)と示されたときは、当該無線リソースが下位ノード向けとして利用されないよう制御してもよい。また、制御部190は、複数の設定情報のうち、無線リソースが下位ノード向け専用とは指定されていない親ノード(例えばDUリソースがソフトと設定されている親ノード)から受信した設定情報に基づいて、当該無線リソースが下位ノード向けとして利用されるか否かを制御してもよい。
【0074】
また、制御部190は、複数の設定情報が受信された場合であって、少なくとも一つの親ノードからの設定情報が無線リソースの下位ノード向けとしての利用可(Available)を示すとき、当該無線リソースが下位ノード向けとして利用されるよう制御してもよい。また、制御部190は、複数の設定情報が受信された場合であって、当該無線リソースが上位ノード向けとして利用されていないとき、当該無線リソースが下位ノード向けとして利用されるよう制御してもよい。
【0075】
上述のように、例えば複数の親ノードから複数の設定情報が受信された場合であっても、制御部190は、適切にMT/DU無線リソースの割当制御を行うことができる。なお、上述した条件は、一部あるいは全部を任意に組み合わせて実装してもよいものである。
【0076】
(3)無線通信システムの動作
次に、無線通信システム10の動作について説明する。具体的には、半二重制約下でTDM、SDMまたはFDMを用いて、親ノードのデュアルコネクティビティとともにMT/DUの同時動作を実現する場合において、IABノードにおける無線リソースを制御する動作について説明する。
【0077】
(3.1)概略動作
図3を参照して上述したように、複数の親ノードとのデュアルコネクティビティ(DC)とともに、MT/DUの同時動作(MT Tx/DU Tx(MT送信/DU送信)、MT Tx/DU Rx(MT送信/DU受信)、MT Rx/DU Tx(MT受信/DU送信)、MT Rx/DU Rx(MT受信/DU受信)などの送受信)を実現する場合においては、半二重制約等のため、DCを実現する親ノード向けのMT接続と下位ノード向けのDU接続において、無線リソースの競合が生じ得るので、適切な手法で無線リソースの制御を行う必要がある。そのため、以下の実施の形態において、無線リソースの各種制御手順について説明する。
【0078】
(3.1-1)動作例1‐1
次に、IABノードのFlexible DUリソースの報告(リソース情報の送信)などに関する動作例について説明する。ここで、図6は、本実施の形態における動作例1の制御シーケンスを示す図であり、図7は、IABドナーCU50から提供されるリソース設定情報の一例を示す図である。なお、本動作例1-1では、Semi-static DU configurationが一つ設定され、複数の親ノードおよび子ノードにおいて、その設定情報を共有することを前提としている。
【0079】
図6に示すように、まず、IABドナーCU50は、IABノード100Bに対し、IABノード100Bのリソース設定情報(例えばH/S/NAの設定の情報)であるGNB-DU RESOURCE CONFIGURATIONを送信する(S10)(gNB configurationについて、3GPP TSG-RAN WG3 Meeting #107-e, “(TP to NR_IAB BL CR to 38473) PHY layer parameter configuration”, R3-201355, 2020年3月参照)。
【0080】
つづいて、IABドナーCU50は、2つの親ノード100A-1,2それぞれに対し、子ノードのリソース設定情報(例えばH/S/NAの設定の情報)であるCHILD RESOURCE CONFIGURATIONを送信する(S20,S30)。すなわち、親ノードは、CU50からのCHILD NODE RESOURCE CONFIGURATIONを介して、その子ノードのDUリソースの準静的設定(semi-static configuration)を得ることができる。なお、ここでの子ノードとは、親ノード100A-1,2からみた子ノードであるIABノード100Bのことである。ここで、図7に示すように、IABドナーCU50から送信されるCHILD RESOURCE CONFIGURATIONおよびGNB-DU RESOURCE CONFIGURATIONの設定情報は、IABノード100BのDUリソースの準静的設定(H/S/NA)が示される。
【0081】
そのため、IABノード100Bの制御部190は、IABノードDUの各サービングセル(serving cell)に対して、CU50からのGNB-DU RESOURCE CONFIGURATIONに基づいて、Hard/Soft/NAのリソースタイプでDUリソースを設定することができる(S40)。なお、設定情報において、ダウンリンク(DL)、アップリンク(UL)、またはフレキシブル(F)シンボルがハード(H)として設定されている場合、IABノード100Bの制御部190は、対象リソースを下位ノード向け専用として用いることができるので、シンボル内でそれぞれ送信(DL)、受信(UL)、または送信か受信のいずれか(F)を行うことができる。一方、設定情報において、シンボルが利用不可(NA)に設定されている場合、IABノード100Bの制御部190は、IABノードDUとして、シンボルを送信も受信もしない。
【0082】
このようにDUリソースの設定が行われると(S40)、IABノード100Bは、親ノード100A-1および親ノード100A-2とのデュアルコネクティビティと、子ノード200との接続とにおける無線リソースの制御が可能となる(S50)。
【0083】
(3.1-2)動作例1-2
次に、複数の異なるSemi-static configurationが設定される場合に関する動作例1-2について説明する。すなわち、動作例1-2では、IABノードは、親ノード毎に異なる複数のSemi-static DU configuration が設定され,各親ノードは、自身に対応するSemi-static DU configurationを与えられる。なお、制御シーケンスとしては、上述した図6と同様であるので、図6を流用して説明する。
【0084】
図6に示すように、まず、IABドナーCU50は、親ノード100A-1,2それぞれについて設定されたIABノード100Bのリソース設定情報であるGNB-DU RESOURCE CONFIGURATIONをIABノード100Bに送信する(S30)。つまり、CU50から2つの設定情報(例えば、親ノード毎についてのHard/Soft/NAのDUリソースタイプ)がIABノード100Bに送信される。
【0085】
つづいて、IABドナーCU50は、2つの親ノード100A-1,2それぞれに対し、互いに異なる子ノードのリソース設定情報であるCHILD RESOURCE CONFIGURATIONを送信する(S10,S20)。すなわち、CU50から親ノード100A-1用のCHILD NODE RESOURCE CONFIGURATIONと、親ノード100A-2用のCHILD NODE RESOURCE CONFIGURATIONが与えられ、各親ノード100Aは、それぞれのために設定された子ノード(IABノード100B)のDUリソースの準静的設定を得ることができる。ここで、図8は、親ノード100A毎に設定された異なるSemi-static DU configurationの例を示す図である。
【0086】
図8に示すように、動作1-2では、DUリソースのhard/soft/NAの準静的構成は、2つの親ノード(MCGまたはSCG)に対して別々に設定されている。なお、MTサービングセルのCellGroupIDを、DUリソースhard/soft/NAの準静的設定シグナリングに含めてもよい。
【0087】
そして、IABノード100Bの制御部190は、IABノードDUの各サービングセル(serving cell)に対して、CU50からのGNB-DU RESOURCE CONFIGURATIONに基づいて、Hard/Soft/NAのリソースタイプでDUリソースを設定する(S40)。
【0088】
例えば、無線リソースがハードあるいはNAと指定された場合、IABノード100Bは、次のように動作する。例えば、図8の各設定情報の左側列のように、DL/UL/Fシンボルが両方の親ノード(MCGとSCG)に対してハード(hard)として設定されている場合、IABノード100Bは、DUサービングセルに対して、シンボル内でそれぞれTx/Rx/“TxまたはRxのいずれか”を実行することができる。一方、図8の各設定情報の右側列のように、シンボルがいずれかの親ノード(MCGまたはSCG)に対してNAに設定されている場合、IABノード100Bの制御部190は、DUとしてシンボルの送受信を行わない。
【0089】
すなわち、IABノード100Bの制御部190は、複数の設定情報が全て“Hard”を示す場合、DUを動作させる一方、MTは動作させない。そして、IABノード100Bの制御部190は、複数の設定情報の中で1つでも“NA”がある場合、DUを動作させず、MTを動作させる。
【0090】
なお、図8の真ん中の列のように、1つの親ノード1(MCG)に対してソフトとして設定され、別の親ノード2(SCG)に対してハードとして設定される場合、IABノード100Bは、ソフトが指定された親ノード1(MCG)からのDUソフトリソースの動的表示(dynamic indication)のみを必要とする。これにより、IABノードの複雑さが軽減される。なお、動的表示(dynamic indication)の詳細については後述する。
【0091】
上述のようにDUリソースの設定が行われると(S40)、IABノード100Bは、親ノード100A-1および親ノード100A-2とのデュアルコネクティビティと、子ノード200との接続とにおける無線リソースの制御が可能となる(S50)。
【0092】
(3.2)動作例2
動的表示(dynamic indication)に関する動作例2について以下に説明を行う。
【0093】
DUソフトリソースの動的表示については、明示的および暗黙的表示がサポートされている。ダウンリンク(DL)、アップリンク(UL)、またはフレキシブル(F)シンボルがソフト(S)として設定されている場合、IABノードDUは、以下の場合にのみ、シンボル内でそれぞれ送信、受信、または、送信か受信のいずれかを行うことができる。
・IABノードMTがシンボルで送信または受信しない場合(暗黙的な表示)
・IABノードMTがシンボル内で送信または受信しようとしており、IABノードDUによるシンボルの使用により、シンボル内の送信または受信が変更されない場合(暗黙の表示)
・IABノードMTが、DCIフォーマット2_5を検出し、AIインデックスフィールド値は、ソフトシンボルが利用可能であることを示す場合(明示的な表示)
※なお、DCIフォーマット2_5の場合、IABノードは、PDCCHを監視するためにSearchSpace-IABによってSearch space set configurationが提供される。このSearch space set configurationは、MTサービングセル毎に設定される。
【0094】
動作例2では、IABノードが複数の親ノード100A-1,2に接続する場合のIABノードDUのソフトリソースの動的表示(Dynamic indication)の通知方法について説明する。
以下、具体的な動作例について次のように説明する。
【0095】
(動作例2-1) DUリソースの設定情報(H/S/NA)は一つの設定であり、MCGとSCGの両方に共通の場合
(動作例2-1-1) IABノードは1つの親ノードのみからの動的表示を期待する
(動作例2-1-2) IABノードは両方の親ノードからの動的表示を期待する
(動作例2-1-3) 上記の組み合わせ/設定
(動作例2-2) DUリソースの設定情報(H/S/NA)は別々の設定であり、MCGとSCGについて独立に設定される場合
【0096】
(3.2-1)動作例2-1
動作例2-1では、IABノードへのDUソフトリソースに対する動的表示(Dynamic indication)は、以下のように1つの親ノードから通知される。なお、動作例2-1では、IABノードは、1つの親ノード(MCG/SCG)からのソフトリソース利用可能性の動的表示のみを期待する。IABノードは、もう一方の親ノード(SCG/MCG)がソフトリソースを使用しないと想定している。
【0097】
(3.2-1-1)動作例2-1-1
動作例2-1-1のオプション1では、動的表示(Dynamic indication)を送信する親ノードを、例えばMCGと規定しておくなど仕様で明確化する。図9は、動作例2-1-1の制御シーケンスの例を示す図である。
【0098】
図9に示すように、CU50は、親ノード100A-1に対してMCGの役割を持つように指定する設定情報を送信し(S10)、親ノード100A-2に対してはSCGの役割を持つように指定する設定情報を送信する(S20)。
【0099】
そして、MCGに属することとなった親ノード100A-1は、IABノード100BのDUソフトリソースについての動的表示(dynamic indication)を設定情報としてIABノード100Bに送信する(S30)。
【0100】
これにより、IABノード100Bは、動的表示の設定情報に基づいて、DUソフトリソースの利用可能性を決定することができる(S40)。
【0101】
DUリソースの設定が行われると(S40)、IABノード100Bは、親ノード100A-1および親ノード100A-2とのデュアルコネクティビティと、子ノード200との接続とにおける無線リソースの制御が可能となる(S50)。
【0102】
このように、動作例2-1-1では、どの親ノードからの動的表示を期待するかを、仕様であらかじめ定義する。たとえば、IABノードは、MCGからのDCIフォーマット2_5のみを検出することを予定することが予め定義されており、MCGによってソフトリソースが利用可能であることが動的表示により示された場合、IABノードDUは、そのリソースを使用することができる。一方、IABノードはSCG上のDCIフォーマット2_5用のPDCCHサーチスペースが提供されているとは期待しない。あるいは、SCG上でDCIフォーマット2_5用のPDCCHサーチスペースが提供されているが、IABノードは、SCG上でのDCIフォーマット2_5を検出しないと規定することもできる。IABノードは、SCGがリソースを使用しない、すなわち、SCGが準静的(Semi-static)シグナリングで示されるソフトリソースを使用しないと想定される。
【0103】
DCIフォーマット2_5のAI(Availability indicator)インデックスフィールド値は、ソフトシンボルの利用可能性を示す。IABノードDUは、各サービングセルに対して、availabilityCombinationsによる利用可能性の複数の組み合わせを提供することができる。なお、各availabilityCombinationsには、IABノードDUサービングセルの1つ以上のスロットでソフトシンボルが利用可能であることを示すresourceAvailabilityと、AvailabilityCombinationによって提供されるソフトシンボルの利用可能性の組み合わせに対して、availabilityCombinationIdによって提供されるDCI形式2_5の対応するAIインデックスフィールド値をマッピングしたものを含む。ここで、図10は、DCIフォーマット2_5のAIインデックスフィールド値と表示内容(indication)の対応関係を示す図である。
【0104】
resourceAvailabilityとindicationの間のマッピングは図10に示すとおりである。すなわち、
0.ソフトシンボルが利用可能かどうかは示されない
1.DLソフト記号が利用可能であることを示す。ULおよびFlexibleソフトシンボルが利用可能かどうかは表示されない。
2.ULソフト記号が利用可能であることを示す。DLおよびフレキシブルソフトシンボルが利用可能かどうかは示されない。
3.DLおよびULソフトシンボルが利用可能であることを示す。フレキシブルソフトシンボルが利用可能かどうかは示されない。
4.フレキシブルソフトシンボルが利用可能であることを示す。DLおよびULソフトシンボルが利用可能かどうかは示されない。
5.DLおよびフレキシブルソフトシンボルが利用可能であることを示す。ULソフトシンボルが利用可能かどうかは示されない。
6.ULおよびFlexibleソフトシンボルが利用可能であることを示す。DLソフトシンボルが利用可能かどうかは示されない。
7.DL、UL、およびFlexibleソフトシンボルが利用可能であることを示す。
【0105】
IABノードが1つの親ノードのみからの動的表示を期待する手法としては、上述の仕様により規定する以外にも以下のオプションが考えられる。
【0106】
(動作例2-1-1のオプション2)
動作例2-1-1のオプション2では、動的表示(Dynamic indication)を送信する親ノードをネットワーク(CU50等)が設定する。設定の方法は以下の通りである。
【0107】
オプション2-1: シグナリングを用いて動的表示(Dynamic indication)を送信する親ノードを明示的に通知する
オプション2-2: 動的表示(Dynamic indication)を送信する親ノードに対してのみ、PDCCHのサーチスペース(search space)を設定する
オプション2-3: 各親ノードは必要に応じて通知する
【0108】
(動作例2-1-1のオプション2-1)
どのセルグループ(MCG/SCG)からのソフトリソースの利用可能性に関する動的表示が可能かを明示的に設定/表示する。明示的な設定/表示は、RRCまたはF1-APを介してIABドナーCUによって、あるいはMAC CEまたはDCIを介して親ノード(またはセルグループ)によって提供することができる。
【0109】
動的表示が有効である場合、IABノードは、セルグループからDCIフォーマット2_5を検出することが期待され、ソフトリソースが利用可能であることが示される場合、IABノードDUは、そのリソースを利用することができる。動的表示が利用可能でない場合、IABノードは、セルグループ上のDCIフォーマット2_5用のPDCCHサーチスペースが提供されることを期待しない。あるいは、IABノードは、DCIフォーマット2_5用のPDCCHサーチスペースが提供されるが、そのセルグループについてDCIフォーマット2_5を検出することを期待しない。IABノードは、そのセルグループがリソースを利用しないと想定する。なお、設定/表示は、DUサービングセル毎であっても、すべてのDUサービングセルに対して1つの設定/表示であってもよい。
【0110】
(動作例2-1-1のオプション2-2)
オプション2-2では、DCIフォーマット2_5用のPDCCHサーチスペースが設定されているかどうかを判別する。セルグループごとに、DCIフォーマット2_5のためのPDCCHサーチスペースが設定される場合、IABノードは、セルグループからDCIフォーマット2_5を検出することを期待し、もしソフトリソースが利用可能であることが示される場合、IABノードDUは、リソースを利用することができる。一方、DCI形式2_5のPDCCHサーチスペースが設定されていない場合、IABノードは、セルグループがリソースを利用しないと仮定する。
【0111】
(動作例2-1-1のオプション2-3)
各DUサービングセルについて、MCGまたはSCGで設定されたAvailabilityIndicator (AI)がDUサービングセルについてAvailabilityCombinationsPerCellを含むかどうかによって決定される。各セルグループ(MCG/SCG)のMTサービングセルについて、AvailabilityIndicator (AI)にDUサービングセルのAvailabilityCombinationsPerCellが含まれる場合、IABノードは、セルグループからDUサービングセルのDCIフォーマット2_5を検出することが期待され、ソフトリソースが利用可能であることが示される場合、IABノードDUは、リソースを利用することができる。一方、AvailabilityIndicatorにDUサービングセルのAvalabilityCombinationsPerCellが含まれていない場合、IABノードは、セルグループがリソースを利用しないと仮定する。
【0112】
なお、MCGとSCG間のリソース調整は、CU単位で設定することもでき、その他の実装とすることもできる(動作例2-1-3参照)。
【0113】
(3.2-1-2)動作例2-1-2
複数の親ノードから動的表示を通知される場合の動作例2-1-2について説明する。この例では、IABノードは両方の親ノードからの動的表示を期待する。IABノード100Bが複数の通知を受けた場合に、DUソフトリソースを下位ノード向けに動作させる条件は以下の通りである。
・全ての親ノードから、IA(Indicated as Available: DUソフトリソースを利用可)の表示(設定情報)が送信された場合
・一部の親ノードから、IAの表示が送信され、MTリソースが利用されていない場合
・全ての親ノードから表示はないが、MTリソースが利用されていない場合
ここで、図11は、MCGおよびSCGからの明示的または暗黙的な表示と、DUリソースの利用可能性の関係を示す図である。動作例2-1-2では、IABノード100Bは、両方の親ノード100A-1,2からのソフトリソースの利用可能性の動的表示を受けるために、DCIフォーマット2_5を検出することが期待される。
【0114】
図11に示すように、IABノードDUは、次の場合にソフトリソースを利用できる。図11の表の3行目に示すように、IABノードは、両方の親ノードからDCIフォーマット2_5を検出し、ソフトシンボルが利用可能であることが示された場合(両方の親ノードから明示的な表示があった場合)、DUソフトリソースを利用できる。
【0115】
また、図11の表の4,5行目に示すように、IABノードは、ソフトシンボルが利用可能であることを示すDCIフォーマット2_5を一方の親ノード(MCGまたはSCG)からのみ検出し、他方の親ノード(SCGまたはMCG)の使用状況(設定とスケジューリング)によればMTの送受信能力に影響を与えない場合(一方の親ノードからの明示的な表示、もう一方からの暗黙的な表示がある場合)、DUソフトリソースを利用できる。
【0116】
また、図11の表の6行目に示すように、両方の親ノードから明示的なソフトリソースの利用可能性の表示はないが、そのリソースの利用がMCGとSCGの両方の使用状況(設定とスケジューリング)に従ってMTの送受信能力に影響を与えない場合(両方の親ノードからの暗黙的な表示がある場合)、DUソフトリソースを利用できる。
【0117】
なお、動作例2-1-2の前提として、図12に示すように、あらかじめ、IABドナーCU50により、親ノード100A-1,2に対し、子ノードのリソース設定情報であるCHILD RESOURCE CONFIGURATIONが送信されており、DUソフトリソースの設定情報が取得されていてもよい。
【0118】
また、上述した動作例2-1-2の他の実施例として、IABノードは、2つの親ノードに接続する場合であって、ダウンリンク、アップリンク、またはフレキシブルシンボルがソフトとして設定されているとき、IABノードDUは、以下の場合にのみシンボル内でそれぞれ送信、受信、または送信か受信のいずれかを行うこととしてもよい。
・IABノードMTがシンボルで送受信を行っていない利用状況の場合
・IABノードMTがシンボルを送信または受信しようとし、IABノードDUがシンボルを利用するためにシンボルの送信または受信が変更されない場合
・IABノードMTが、両方の親ノードからDCIフォーマット2_5を、ソフトシンボルが利用可能であることを示すAIインデックスフィールド値で検出した場合
・IABノードMTが、ソフトシンボルが利用可能であることを示すAIインデックスフィールド値を持つDCIフォーマット2_5をMCG(またはSCG)から検出し、IABノードMTはSCG(またはMCG)上のシンボルで送受信していない利用状況の場合、
・IABノードMTが、ソフトシンボルが利用可能であることを示すAIインデックスフィールド値を持つDCIフォーマット2_5をMCG(またはSCG)から検出し、SCG(またはMCG)上のシンボルにおけるMTの送受信はIABノードDUによるシンボルの利用により変更されない場合
【0119】
(3.2-1-3)動作例2-1-3
この例では、上述した動作例2-1-1オプション2と動作例2-1-2の組み合わせ/設定について説明する。すなわち、IABノード100Bは、1つの親ノードから1つの設定情報を受けた場合は動作例2-1-1オプション2、複数の親ノードから設定情報を受けた場合は動作例2-1-2で動作する。
【0120】
なお、親ノードから通知が無い場合は、以下のいずれかのデフォルト動作を行う。
Alt 1: DUを動作する
Alt 2: MTリソースが利用されていない場合、DUを動作する
Alt 3: DUを動作しない
より具体的には、動作例2-1-2によれば、IABノードは、各セルグループからのソフトリソース利用可能性に関する動的表示を得るために、DCIフォーマット2_5を検出することを期待するか否かを設定/表示することができる。1つのIABノードが、1つのセルグループのみから、ソフトリソースの利用可能性に関する動的表示を得るためにDCIフォーマット2_5を検出することを期待するようにIABノードが設定/表示される場合、動作例2-1-2が適用される。
【0121】
一方、IABノードが、複数のセルグループからのソフトリソースの利用可能性に関する動的表示のためにDCIフォーマット2_5を検出することを期待するように設定/表示された場合、動作例2-2が適用される。例えば、MCGとSCGの両方において、AvailabilityIndicatorがDUサービングセルのAvalabilityCombinationsPerCellを含み、DUサービングセルはMSCとSCGの両方からの動的表示を期待する。ここで、もしIABノードMTが両方の親ノードからDCIフォーマット2_5を検出し、AIインデックスフィールド値が利用可能であることを示す場合、IABノードDUはシンボル上でTx/Rxを行うことができる。
【0122】
IABノードが、例えば、MCGとSCGのどのセルグループからも、ソフトリソースの利用可能性に関する動的表示のDCIフォーマット2_5を検出するように設定/表示されていない場合、AvailabilityIndicatorはDUサービングセルのAvalabilityCombinationsPerCellを含まない。この場合、デフォルトのIABノードの動作は次のいずれかで規定される。
Alt1: IABノードDUは、リソース上でTx/Rxを実行できる。IABノードDUは、両方の親ノード(MCGおよびSCG)がリソースを利用しないことを想定する。
Alt2: IABノードDUは、リソースが暗黙の表示から利用可能であると判断される場合、すなわち、IABノードMTがシンボル内で送信または受信しないか、IABノードMTがシンボル内で送信または受信することになり、IABノードDUによるシンボルの使用のためにシンボル内の送信または受信が変更されない場合、リソース上でTx/Rxを行うことができる。
Alt3: IABノードDUは、リソース上でTx/Rxを実行できない。
【0123】
(3.2-2)動作例2-2
DUリソースの設定情報(H/S/NA)は別々の設定であり、MCGとSCGについて独立に設定される場合を前提とした動作例2-2について説明する。
【0124】
(ケース1)
このケース1では、一方でHard、他方でSoftが設定されている場合、Softリソースと設定されている他方の親ノードは、IA/INAの動的表示を行う設定情報を送信する。
【0125】
より具体的には、リソースが、一方のセルグループではハードとして、他方のセルグループではソフトとして、半静的に設定されている場合の動作について説明する。リソースがソフトとして設定されているセルグループについて、IABノードは、以下のRelease16の機能に基づいて、リソースが利用可能かどうかを判断する。そして、リソースが明示的または暗黙的に利用可能と示されている場合、IABノードDUは、そのリソースを利用することができる。
【0126】
IABノードが、ダウンリンク、アップリンク、またはフレキシブルシンボルにおいて、2つの親ノードに接続する場合、シンボルがMCG(またはSCG)用にハードとして設定され、SCG(またはMCG)用にソフトとして設定されていれば、IABノードDUは、以下の場合にのみシンボルでそれぞれ送信、受信、または送受信のいずれかを行うことができる。
・IABノードMTが、SCG(またはMCG)上のシンボルで送受信しない場合
・IABノードMTが、SCG(またはMCG)上のシンボルで送受信を行うが、シンボルの送受信はIABノードDUがシンボルを使用しているために変更されない場合
※なお、IABノードMTは、SCG(MCG)からソフトシンボルが利用可能であることを示すAIインデックスフィールド値を持つDCIフォーマット2_5を検出する。
【0127】
(ケース2)
複数の設定情報において全てSoftリソースの場合、動作例2-1-2を適用する。すなわち、リソースが、両方のセルグループに対してソフトと設定されている場合、動作例2-1-2が利用できる。本動作例2-2において、IABノードは、ソフトリソースが半静的に設定されているセルグループからのみDCIフォーマット2_5を検出することが期待される。
【0128】
以上が、本実施の形態における無線リソースの制御のための動作例である。なお、動作例1-1をサポートする1つの可能な解決策は、リソース調整がCU50によって管理されることである。CU50は親ノード100Aにその子ノード100BのH/S/NAの設定を示すことができるので、IABノード100Bのリソースについて、CU50は親ノード100A-1の1つにはリソースを「ソフト」として示すことができ、他方の親ノード100A-2にはリソースを「ハード」として示すことができる。子ノードのリソースが「ハード」と示されている場合、親ノードはそのリソースを利用しない。図13の例では、CU50は、子ノードのリソースをSCGに対して「ハード」として示すことができ、この場合、SCGは、その子ノードの「ハード」リソースを利用しないので、IABノード100Bは、MCGからのソフトリソース利用可能性の表示のみを必要とする。
【0129】
動作例1-1をサポートする別の可能な解決策は、SCGがその子ノードのソフトリソースを決して利用しないことを実装することであるが、その子ノードのリソースはソフトとして示される。この場合も、IABノードは、MCGからのソフトリソースの利用可能性の表示のみを必要とする。
【0130】
以上が本実施の形態の動作例である。
【0131】
(4)作用・効果
上述した実施形態によれば、以下の作用効果が得られる。具体的には、本実施形態に係るIABノード100Bは、無線リソースを共有し得る、複数の親ノードとのデュアルコネクティビティ(MT二重接続)、および、一または複数の下位ノードとの接続(DU接続)に用いる接続部(上位ノード接続部170,下位ノード接続部180)と、少なくとも下位ノード向けの無線リソースに関する設定情報を、親ノード100Aまたは中央装置50から受信する受信部(無線受信部120)を備えるので、上位ノード(MT側)と共有し得るリソースの利用可能性についての設定情報を共有することができ、MT二重接続とDU接続における的確なリソースの管理のための情報を得ることが可能となる。
【0132】
より具体的には、本実施の形態によれば、中央装置50または親ノード100Aから受信した設定情報に基づいて、親ノード向け(MT側)及び/又は下位ノード向け(DU側)の無線リソースの制御を行うので、共有し得るリソースの利用可能性についての設定に関する情報を得ることで、複数の親ノードとのデュアルコネクティビティを実現するMT接続とDU接続を半二重制約等の下で行い、リソースの管理が複雑になる状況においても、MTとDUにおける適切なリソースの制御を行うことができる。
【0133】
また、本実施の形態によれば、受信した設定情報のほか、更に、親ノード向けの無線リソースの利用状況に基づいて、親ノード向け(MT側)及び/又は下位ノード向け(DU側)の無線リソースの制御を行うので、例えばDUソフトリソースについて上位ノードから明示的な表示がない場合等であっても、共有し得る無線リソースのMT側の利用状況を考慮することで、適切にリソースを制御することができる。より具体的には、MT側で対象リソースが使用中の場合等においては、当該リソースをDU利用せず、MT側で対象リソースが使用中でない場合等においては、当該リソースをDU利用に供するなどのリソース制御を行うことができる。
【0134】
また、本実施の形態によれば、無線リソースが下位ノード向け専用(例えばHard)とは指定されていない場合(例えばDUソフトリソースの場合)、下位ノード向けの無線リソースの利用可否に関する設定情報(例えばAvailableまたはNA (Not Available)などの動的表示等)を、中央装置50または複数の親ノード100A-1,2のうちの一つから受信して、受信した設定情報に基づいて、親ノード向け(MT側)及び/又は下位ノード向け(DU側)の無線リソースの制御を行うので、下位ノード向け専用とは指定されていない場合(例えばDUソフトリソースの場合)であっても、上位ノードからの対象ノードの利用可否の表示にしたがって的確にリソースを制御することができる。
【0135】
また、本実施の形態によれば、
・複数の設定情報が受信された場合であって、全ての設定情報において、無線リソースが下位ノード向け専用(例えばHard)と指定されたときは、当該無線リソースが下位ノード向けとして利用されるよう制御すること、
・複数の設定情報が受信された場合であって、少なくとも一つの当該設定情報において、無線リソースが下位ノード向けとして利用不可(例えばNA)と示されたときは、当該無線リソースが下位ノード向けとして利用されないよう制御すること、かつ/または、
・複数の設定情報のうち無線リソースが下位ノード向け専用(例えばHard)とは指定されていない親ノードから受信した設定情報に基づいて、当該無線リソースが下位ノード向けとして利用されるか否かを制御すること
を行うので、親ノード100Aが複数あるデュアルコネクティビティの環境下において複数の設定情報がある場合であっても、的確にリソースを管理することができる。
【0136】
また、本実施の形態によれば、複数の設定情報が受信された場合であって、少なくとも一つの親ノード100Aからの設定情報が無線リソースの下位ノード向けとしての利用可を示すとき、かつ/または、当該無線リソースが上位ノード向けとして利用されていないとき、当該無線リソースが下位ノード向けとして利用されるよう制御するので、親ノード100Aが複数あるデュアルコネクティビティの環境下において複数の設定情報および/またはリソースのMT利用状況に応じて、的確なリソースの管理を行うことができる。
【0137】
(5)その他の実施形態
以上、実施形態について説明したが、当該実施形態の記載に限定されるものではなく、種々の変形及び改良が可能であることは、当業者には自明である。
【0138】
例えば、上述した実施形態では、親ノード、IABノード及び子ノードの名称が用いられていたが、gNBなどの無線通信ノード間の無線バックホールと、端末との無線アクセスとが統合された無線通信ノードの構成が採用される限りにおいて、当該名称は、異なっていてもよい。例えば、単純に第1、第2ノードなどと呼ばれてもよいし、上位ノード、下位ノード或いは中継ノード、中間ノードなどと呼ばれてもよい。
【0139】
また、無線通信ノードは、単に通信装置または通信ノードと呼ばれてもよいし、無線基地局と読み替えられてもよい。
【0140】
上述した実施形態では、下りリンク(DL)及び上りリンク(UL)の用語が用いられていたが、他の用語で呼ばれてよい。例えば、フォワードリング、リバースリンク、アクセスリンク、バックホールなどの用語と置き換え、または対応付けられてもよい。或いは、単に第1リンク、第2リンク、第1方向、第2方向などの用語が用いられてもよい。
【0141】
また、上述した実施形態の説明に用いたブロック構成図(図3,4)は、機能単位のブロックを示している。これらの機能ブロック(構成部)は、ハードウェア及びソフトウェアの少なくとも一方の任意の組み合わせによって実現される。また、各機能ブロックの実現方法は特に限定されない。すなわち、各機能ブロックは、物理的または論理的に結合した1つの装置を用いて実現されてもよいし、物理的または論理的に分離した2つ以上の装置を直接的または間接的に(例えば、有線、無線などを用いて)接続し、これら複数の装置を用いて実現されてもよい。機能ブロックは、上記1つの装置または上記複数の装置にソフトウェアを組み合わせて実現されてもよい。
【0142】
機能には、判断、決定、判定、計算、算出、処理、導出、調査、探索、確認、受信、送信、出力、アクセス、解決、選択、選定、確立、比較、想定、期待、見做し、報知(broadcasting)、通知(notifying)、通信(communicating)、転送(forwarding)、構成(configuring)、再構成(reconfiguring)、割り当て(allocating、mapping)、割り振り(assigning)などがあるが、これらに限られない。例えば、送信を機能させる機能ブロック(構成部)は、送信部(transmitting unit)や送信機(transmitter)と呼称される。何れも、上述したとおり、実現方法は特に限定されない。
【0143】
さらに、上述したCU50、無線通信ノード100A~100C及びUE200(当該装置)は、本開示の無線通信方法の処理を行うコンピュータとして機能してもよい。図14は、当該装置のハードウェア構成の一例を示す図である。図14に示すように、当該装置は、プロセッサ1001、メモリ1002、ストレージ1003、通信装置1004、入力装置1005、出力装置1006及びバス1007などを含むコンピュータ装置として構成されてもよい。
【0144】
なお、以下の説明では、「装置」という文言は、回路、デバイス、ユニットなどに読み替えることができる。当該装置のハードウェア構成は、図に示した各装置を1つまたは複数含むように構成されてもよいし、一部の装置を含まずに構成されてもよい。
【0145】
当該装置の各機能ブロック(図3,4参照)は、当該コンピュータ装置の何れかのハードウェア要素、または当該ハードウェア要素の組み合わせによって実現される。
【0146】
また、当該装置における各機能は、プロセッサ1001、メモリ1002などのハードウェア上に所定のソフトウェア(プログラム)を読み込ませることによって、プロセッサ1001が演算を行い、通信装置1004による通信を制御したり、メモリ1002及びストレージ1003におけるデータの読み出し及び書き込みの少なくとも一方を制御したりすることによって実現される。
【0147】
プロセッサ1001は、例えば、オペレーティングシステムを動作させてコンピュータ全体を制御する。プロセッサ1001は、周辺装置とのインターフェース、制御装置、演算装置、レジスタなどを含む中央処理装置(CPU)によって構成されてもよい。
【0148】
また、プロセッサ1001は、プログラム(プログラムコード)、ソフトウェアモジュール、データなどを、ストレージ1003及び通信装置1004の少なくとも一方からメモリ1002に読み出し、これらに従って各種の処理を実行する。プログラムとしては、上述の実施の形態において説明した動作の少なくとも一部をコンピュータに実行させるプログラムが用いられる。さらに、上述の各種処理は、1つのプロセッサ1001によって実行されてもよいし、2つ以上のプロセッサ1001により同時または逐次に実行されてもよい。プロセッサ1001は、1以上のチップによって実装されてもよい。なお、プログラムは、電気通信回線を介してネットワークから送信されてもよい。
【0149】
メモリ1002は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、例えば、Read Only Memory(ROM)、Erasable Programmable ROM(EPROM)、Electrically Erasable Programmable ROM(EEPROM)、Random Access Memory(RAM)などの少なくとも1つによって構成されてもよい。メモリ1002は、レジスタ、キャッシュ、メインメモリ(主記憶装置)などと呼ばれてもよい。メモリ1002は、本開示の一実施形態に係る方法を実行可能なプログラム(プログラムコード)、ソフトウェアモジュールなどを保存することができる。
【0150】
ストレージ1003は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、例えば、Compact Disc ROM(CD-ROM)などの光ディスク、ハードディスクドライブ、フレキシブルディスク、光磁気ディスク(例えば、コンパクトディスク、デジタル多用途ディスク、Blu-ray(登録商標)ディスク)、スマートカード、フラッシュメモリ(例えば、カード、スティック、キードライブ)、フロッピー(登録商標)ディスク、磁気ストリップなどの少なくとも1つによって構成されてもよい。ストレージ1003は、補助記憶装置と呼ばれてもよい。上述の記録媒体は、例えば、メモリ1002及びストレージ1003の少なくとも一方を含むデータベース、サーバその他の適切な媒体であってもよい。
【0151】
通信装置1004は、有線ネットワーク及び無線ネットワークの少なくとも一方を介してコンピュータ間の通信を行うためのハードウェア(送受信デバイス)であり、例えばネットワークデバイス、ネットワークコントローラ、ネットワークカード、通信モジュールなどともいう。
【0152】
通信装置1004は、例えば周波数分割複信(Frequency Division Duplex:FDD)及び時分割複信(Time Division Duplex:TDD)の少なくとも一方を実現するために、高周波スイッチ、デュプレクサ、フィルタ、周波数シンセサイザなどを含んで構成されてもよい。
【0153】
入力装置1005は、外部からの入力を受け付ける入力デバイス(例えば、キーボード、マウス、マイクロフォン、スイッチ、ボタン、センサなど)である。出力装置1006は、外部への出力を実施する出力デバイス(例えば、ディスプレイ、スピーカー、LEDランプなど)である。なお、入力装置1005及び出力装置1006は、一体となった構成(例えば、タッチパネル)であってもよい。
【0154】
また、プロセッサ1001及びメモリ1002などの各装置は、情報を通信するためのバス1007で接続される。バス1007は、単一のバスを用いて構成されてもよいし、装置間ごとに異なるバスを用いて構成されてもよい。
【0155】
さらに、当該装置は、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(Digital Signal Processor: DSP)、Application Specific Integrated Circuit(ASIC)、Programmable Logic Device(PLD)、Field Programmable Gate Array(FPGA)などのハードウェアを含んで構成されてもよく、当該ハードウェアにより、各機能ブロックの一部または全てが実現されてもよい。例えば、プロセッサ1001は、これらのハードウェアの少なくとも1つを用いて実装されてもよい。
【0156】
また、情報の通知は、本開示において説明した態様/実施形態に限られず、他の方法を用いて行われてもよい。例えば、情報の通知は、物理レイヤシグナリング(例えば、Downlink Control Information(DCI)、Uplink Control Information(UCI)、上位レイヤシグナリング(例えば、RRCシグナリング、Medium Access Control(MAC)シグナリング、報知情報(Master Information Block(MIB)、System Information Block(SIB))、その他の信号またはこれらの組み合わせによって実施されてもよい。また、RRCシグナリングは、RRCメッセージと呼ばれてもよく、例えば、RRC接続セットアップ(RRC Connection Setup)メッセージ、RRC接続再構成(RRC Connection Reconfiguration)メッセージなどであってもよい。
【0157】
本開示において説明した各態様/実施形態は、Long Term Evolution(LTE)、LTE-Advanced(LTE-A)、SUPER 3G、IMT-Advanced、4th generation mobile communication system(4G)、5th generation mobile communication system(5G)、Future Radio Access(FRA)、New Radio(NR)、W-CDMA(登録商標)、GSM(登録商標)、CDMA2000、Ultra Mobile Broadband(UMB)、IEEE 802.11(Wi-Fi(登録商標))、IEEE 802.16(WiMAX(登録商標))、IEEE 802.20、Ultra-WideBand(UWB)、Bluetooth(登録商標)、その他の適切なシステムを利用するシステム及びこれらに基づいて拡張された次世代システムの少なくとも一つに適用されてもよい。また、複数のシステムが組み合わされて(例えば、LTE及びLTE-Aの少なくとも一方と5Gとの組み合わせなど)適用されてもよい。
【0158】
本開示において説明した各態様/実施形態の処理手順、シーケンス、フローチャートなどは、矛盾の無い限り、順序を入れ替えてもよい。例えば、本開示において説明した方法については、例示的な順序を用いて様々なステップの要素を提示しており、提示した特定の順序に限定されない。
【0159】
本開示において基地局によって行われるとした特定動作は、場合によってはその上位ノード(upper node)によって行われることもある。基地局を有する1つまたは複数のネットワークノード(network nodes)からなるネットワークにおいて、端末との通信のために行われる様々な動作は、基地局及び基地局以外の他のネットワークノード(例えば、MMEまたはS-GWなどが考えられるが、これらに限られない)の少なくとも1つによって行われ得ることは明らかである。上記において基地局以外の他のネットワークノードが1つである場合を例示したが、複数の他のネットワークノードの組み合わせ(例えば、MME及びS-GW)であってもよい。
【0160】
情報、信号(情報等)は、上位レイヤ(または下位レイヤ)から下位レイヤ(または上位レイヤ)へ出力され得る。複数のネットワークノードを介して入出力されてもよい。
【0161】
入出力された情報は、特定の場所(例えば、メモリ)に保存されてもよいし、管理テーブルを用いて管理してもよい。入出力される情報は、上書き、更新、または追記され得る。出力された情報は削除されてもよい。入力された情報は他の装置へ送信されてもよい。
【0162】
判定は、1ビットで表される値(0か1か)によって行われてもよいし、真偽値(Boolean:trueまたはfalse)によって行われてもよいし、数値の比較(例えば、所定の値との比較)によって行われてもよい。
【0163】
本開示において説明した各態様/実施形態は単独で用いてもよいし、組み合わせて用いてもよいし、実行に伴って切り替えて用いてもよい。また、所定の情報の通知(例えば、「Xであること」の通知)は、明示的に行うものに限られず、暗黙的(例えば、当該所定の情報の通知を行わない)ことによって行われてもよい。
【0164】
ソフトウェアは、ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア、マイクロコード、ハードウェア記述言語と呼ばれるか、他の名称で呼ばれるかを問わず、命令、命令セット、コード、コードセグメント、プログラムコード、プログラム、サブプログラム、ソフトウェアモジュール、アプリケーション、ソフトウェアアプリケーション、ソフトウェアパッケージ、ルーチン、サブルーチン、オブジェクト、実行可能ファイル、実行スレッド、手順、機能などを意味するよう広く解釈されるべきである。
【0165】
また、ソフトウェア、命令、情報などは、伝送媒体を介して送受信されてもよい。例えば、ソフトウェアが、有線技術(同軸ケーブル、光ファイバケーブル、ツイストペア、デジタル加入者回線(Digital Subscriber Line:DSL)など)及び無線技術(赤外線、マイクロ波など)の少なくとも一方を使用してウェブサイト、サーバ、または他のリモートソースから送信される場合、これらの有線技術及び無線技術の少なくとも一方は、伝送媒体の定義内に含まれる。
【0166】
本開示において説明した情報、信号などは、様々な異なる技術の何れかを使用して表されてもよい。例えば、上記の説明全体に渡って言及され得るデータ、命令、コマンド、情報、信号、ビット、シンボル、チップなどは、電圧、電流、電磁波、磁界若しくは磁性粒子、光場若しくは光子、またはこれらの任意の組み合わせによって表されてもよい。
【0167】
なお、本開示において説明した用語及び本開示の理解に必要な用語については、同一のまたは類似する意味を有する用語と置き換えてもよい。例えば、チャネル及びシンボルの少なくとも一方は信号(シグナリング)であってもよい。また、信号はメッセージであってもよい。また、コンポーネントキャリア(Component Carrier:CC)は、キャリア周波数、セル、周波数キャリアなどと呼ばれてもよい。
【0168】
本開示において使用する「システム」及び「ネットワーク」という用語は、互換的に使用される。
【0169】
また、本開示において説明した情報、パラメータなどは、絶対値を用いて表されてもよいし、所定の値からの相対値を用いて表されてもよいし、対応する別の情報を用いて表されてもよい。例えば、無線リソースはインデックスによって表示されるものであってもよい。
【0170】
上述したパラメータに使用する名称はいかなる点においても限定的な名称ではない。さらに、これらのパラメータを使用する数式等は、本開示で明示的に開示したものと異なる場合もある。様々なチャネル(例えば、PUCCH、PDCCHなど)及び情報要素は、あらゆる好適な名称によって識別できるため、これらの様々なチャネル及び情報要素に割り当てている様々な名称は、いかなる点においても限定的な名称ではない。
【0171】
本開示においては、「基地局(Base Station:BS)」、「無線基地局」、「固定局(fixed station)」、「NodeB」、「eNodeB(eNB)」、「gNodeB(gNB)」、「アクセスポイント(access point)」、「送信ポイント(transmission point)」、「受信ポイント(reception point)、「送受信ポイント(transmission/reception point)」、「セル」、「セクタ」、「セルグループ」、「キャリア」、「コンポーネントキャリア」などの用語は、互換的に使用され得る。基地局は、マクロセル、スモールセル、フェムトセル、ピコセルなどの用語で呼ばれる場合もある。
【0172】
基地局は、1つまたは複数(例えば、3つ)のセル(セクタとも呼ばれる)を収容することができる。基地局が複数のセルを収容する場合、基地局のカバレッジエリア全体は複数のより小さいエリアに区分でき、各々のより小さいエリアは、基地局サブシステム(例えば、屋内用の小型基地局(Remote Radio Head:RRH)によって通信サービスを提供することもできる。
【0173】
「セル」または「セクタ」という用語は、このカバレッジにおいて通信サービスを行う基地局、及び基地局サブシステムの少なくとも一方のカバレッジエリアの一部または全体を指す。
【0174】
本開示においては、「移動局(Mobile Station:MS)」、「ユーザ端末(user terminal)」、「ユーザ装置(User Equipment:UE)」、「端末」などの用語は、互換的に使用され得る。
【0175】
移動局は、当業者によって、加入者局、モバイルユニット、加入者ユニット、ワイヤレスユニット、リモートユニット、モバイルデバイス、ワイヤレスデバイス、ワイヤレス通信デバイス、リモートデバイス、モバイル加入者局、アクセス端末、モバイル端末、ワイヤレス端末、リモート端末、ハンドセット、ユーザエージェント、モバイルクライアント、クライアント、またはいくつかの他の適切な用語で呼ばれる場合もある。
【0176】
基地局及び移動局の少なくとも一方は、送信装置、受信装置、通信装置などと呼ばれてもよい。なお、基地局及び移動局の少なくとも一方は、移動体に搭載されたデバイス、移動体自体などであってもよい。当該移動体は、乗り物(例えば、車、飛行機など)であってもよいし、無人で動く移動体(例えば、ドローン、自動運転車など)であってもよいし、ロボット(有人型または無人型)であってもよい。なお、基地局及び移動局の少なくとも一方は、必ずしも通信動作時に移動しない装置も含む。例えば、基地局及び移動局の少なくとも一方は、センサなどのInternet of Things(IoT)機器であってもよい。
【0177】
また、本開示における基地局は、移動局(ユーザ端末、以下同)として読み替えてもよい。例えば、基地局及び移動局間の通信を、複数の移動局間の通信(例えば、Device-to-Device(D2D)、Vehicle-to-Everything(V2X)などと呼ばれてもよい)に置き換えた構成について、本開示の各態様/実施形態を適用してもよい。この場合、基地局が有する機能を移動局が有する構成としてもよい。また、「上り」及び「下り」などの文言は、端末間通信に対応する文言(例えば、「サイド(side)」)で読み替えられてもよい。例えば、上りチャネル、下りチャネルなどは、サイドチャネルで読み替えられてもよい。
【0178】
同様に、本開示における移動局は、基地局として読み替えてもよい。この場合、移動局が有する機能を基地局が有する構成としてもよい。
【0179】
無線フレームは時間領域において1つまたは複数のフレームによって構成されてもよい。時間領域において1つまたは複数の各フレームはサブフレームと呼ばれてもよい。サブフレームはさらに時間領域において1つまたは複数のスロットによって構成されてもよい。サブフレームは、ニューメロロジー(numerology)に依存しない固定の時間長(例えば、1ms)であってもよい。
【0180】
ニューメロロジーは、ある信号またはチャネルの送信及び受信の少なくとも一方に適用される通信パラメータであってもよい。ニューメロロジーは、例えば、サブキャリア間隔(SubCarrier Spacing:SCS)、帯域幅、シンボル長、サイクリックプレフィックス長、送信時間間隔(Transmission Time Interval:TTI)、TTIあたりのシンボル数、無線フレーム構成、送受信機が周波数領域において行う特定のフィルタリング処理、送受信機が時間領域において行う特定のウィンドウイング処理などの少なくとも1つを示してもよい。
【0181】
スロットは、時間領域において1つまたは複数のシンボル(Orthogonal Frequency Division Multiplexing(OFDM))シンボル、Single Carrier Frequency Division Multiple Access(SC-FDMA)シンボルなど)で構成されてもよい。スロットは、ニューメロロジーに基づく時間単位であってもよい。
【0182】
スロットは、複数のミニスロットを含んでもよい。各ミニスロットは、時間領域において1つまたは複数のシンボルによって構成されてもよい。また、ミニスロットは、サブスロットと呼ばれてもよい。ミニスロットは、スロットよりも少ない数のシンボルによって構成されてもよい。ミニスロットより大きい時間単位で送信されるPDSCH(またはPUSCH)は、PDSCH(またはPUSCH)マッピングタイプAと呼ばれてもよい。ミニスロットを用いて送信されるPDSCH(またはPUSCH)は、PDSCH(またはPUSCH)マッピングタイプBと呼ばれてもよい。
【0183】
無線フレーム、サブフレーム、スロット、ミニスロット及びシンボルは、何れも信号を伝送する際の時間単位を表す。無線フレーム、サブフレーム、スロット、ミニスロット及びシンボルは、それぞれに対応する別の呼称が用いられてもよい。
【0184】
例えば、1サブフレームは送信時間間隔(TTI)と呼ばれてもよいし、複数の連続したサブフレームがTTIと呼ばれてよいし、1スロットまたは1ミニスロットがTTIと呼ばれてもよい。つまり、サブフレーム及びTTIの少なくとも一方は、既存のLTEにおけるサブフレーム(1ms)であってもよいし、1msより短い期間(例えば、1-13シンボル)であってもよいし、1msより長い期間であってもよい。なお、TTIを表す単位は、サブフレームではなくスロット、ミニスロットなどと呼ばれてもよい。
【0185】
ここで、TTIは、例えば、無線通信におけるスケジューリングの最小時間単位のことをいう。例えば、LTEシステムでは、基地局が各ユーザ端末に対して、無線リソース(各ユーザ端末において使用することが可能な周波数帯域幅、送信電力など)を、TTI単位で割り当てるスケジューリングを行う。なお、TTIの定義はこれに限られない。
【0186】
TTIは、チャネル符号化されたデータパケット(トランスポートブロック)、コードブロック、コードワードなどの送信時間単位であってもよいし、スケジューリング、リンクアダプテーションなどの処理単位となってもよい。なお、TTIが与えられたとき、実際にトランスポートブロック、コードブロック、コードワードなどがマッピングされる時間区間(例えば、シンボル数)は、当該TTIよりも短くてもよい。
【0187】
なお、1スロットまたは1ミニスロットがTTIと呼ばれる場合、1以上のTTI(すなわち、1以上のスロットまたは1以上のミニスロット)が、スケジューリングの最小時間単位となってもよい。また、当該スケジューリングの最小時間単位を構成するスロット数(ミニスロット数)は制御されてもよい。
【0188】
1msの時間長を有するTTIは、通常TTI(LTE Rel.8-12におけるTTI)、ノーマルTTI、ロングTTI、通常サブフレーム、ノーマルサブフレーム、ロングサブフレーム、スロットなどと呼ばれてもよい。通常TTIより短いTTIは、短縮TTI、ショートTTI、部分TTI(partialまたはfractional TTI)、短縮サブフレーム、ショートサブフレーム、ミニスロット、サブスロット、スロットなどと呼ばれてもよい。
【0189】
なお、ロングTTI(例えば、通常TTI、サブフレームなど)は、1msを超える時間長を有するTTIで読み替えてもよいし、ショートTTI(例えば、短縮TTIなど)は、ロングTTIのTTI長未満かつ1ms以上のTTI長を有するTTIで読み替えてもよい。
【0190】
リソースブロック(RB)は、時間領域及び周波数領域のリソース割当単位であり、周波数領域において、1つまたは複数個の連続した副搬送波(subcarrier)を含んでもよい。RBに含まれるサブキャリアの数は、ニューメロロジーに関わらず同じであってもよく、例えば12であってもよい。RBに含まれるサブキャリアの数は、ニューメロロジーに基づいて決定されてもよい。
【0191】
また、RBの時間領域は、1つまたは複数個のシンボルを含んでもよく、1スロット、1ミニスロット、1サブフレーム、または1TTIの長さであってもよい。1TTI、1サブフレームなどは、それぞれ1つまたは複数のリソースブロックで構成されてもよい。
【0192】
なお、1つまたは複数のRBは、物理リソースブロック(Physical RB:PRB)、サブキャリアグループ(Sub-Carrier Group:SCG)、リソースエレメントグループ(Resource Element Group:REG)、PRBペア、RBペアなどと呼ばれてもよい。
【0193】
また、リソースブロックは、1つまたは複数のリソースエレメント(Resource Element:RE)によって構成されてもよい。例えば、1REは、1サブキャリア及び1シンボルの無線リソース領域であってもよい。
【0194】
帯域幅部分(Bandwidth Part:BWP)(部分帯域幅などと呼ばれてもよい)は、あるキャリアにおいて、あるニューメロロジー用の連続する共通RB(common resource blocks)のサブセットのことを表してもよい。ここで、共通RBは、当該キャリアの共通参照ポイントを基準としたRBのインデックスによって特定されてもよい。PRBは、あるBWPで定義され、当該BWP内で番号付けされてもよい。
【0195】
BWPには、UL用のBWP(UL BWP)と、DL用のBWP(DL BWP)とが含まれてもよい。UEに対して、1キャリア内に1つまたは複数のBWPが設定されてもよい。
【0196】
設定されたBWPの少なくとも1つがアクティブであってもよく、UEは、アクティブなBWPの外で所定の信号/チャネルを送受信することを想定しなくてもよい。なお、本開示における「セル」、「キャリア」などは、「BWP」で読み替えられてもよい。
【0197】
上述した無線フレーム、サブフレーム、スロット、ミニスロット及びシンボルなどの構造は例示に過ぎない。例えば、無線フレームに含まれるサブフレームの数、サブフレームまたは無線フレームあたりのスロットの数、スロット内に含まれるミニスロットの数、スロットまたはミニスロットに含まれるシンボル及びRBの数、RBに含まれるサブキャリアの数、並びにTTI内のシンボル数、シンボル長、サイクリックプレフィックス(Cyclic Prefix:CP)長などの構成は、様々に変更することができる。
【0198】
「接続された(connected)」、「結合された(coupled)」という用語、またはこれらのあらゆる変形は、2またはそれ以上の要素間の直接的または間接的なあらゆる接続または結合を意味し、互いに「接続」または「結合」された2つの要素間に1またはそれ以上の中間要素が存在することを含むことができる。要素間の結合または接続は、物理的なものであっても、論理的なものであっても、或いはこれらの組み合わせであってもよい。例えば、「接続」は「アクセス」で読み替えられてもよい。本開示で使用する場合、2つの要素は、1またはそれ以上の電線、ケーブル及びプリント電気接続の少なくとも一つを用いて、並びにいくつかの非限定的かつ非包括的な例として、無線周波数領域、マイクロ波領域及び光(可視及び不可視の両方)領域の波長を有する電磁エネルギーなどを用いて、互いに「接続」または「結合」されると考えることができる。
【0199】
参照信号は、Reference Signal(RS)と略称することもでき、適用される標準によってパイロット(Pilot)と呼ばれてもよい。
【0200】
本開示において使用する「に基づいて」という記載は、別段に明記されていない限り、「のみに基づいて」を意味しない。言い換えれば、「に基づいて」という記載は、「のみに基づいて」と「に少なくとも基づいて」の両方を意味する。
【0201】
上記の各装置の構成における「手段」を、「部」、「回路」、「デバイス」等に置き換えてもよい。
【0202】
本開示において使用する「第1」、「第2」などの呼称を使用した要素へのいかなる参照も、それらの要素の量または順序を全般的に限定しない。これらの呼称は、2つ以上の要素間を区別する便利な方法として本開示において使用され得る。したがって、第1及び第2の要素への参照は、2つの要素のみがそこで採用され得ること、または何らかの形で第1の要素が第2の要素に先行しなければならないことを意味しない。
【0203】
本開示において、「含む(include)」、「含んでいる(including)」及びそれらの変形が使用されている場合、これらの用語は、用語「備える(comprising)」と同様に、包括的であることが意図される。さらに、本開示において使用されている用語「または(or)」は、排他的論理和ではないことが意図される。
【0204】
本開示において、例えば、英語でのa, an及びtheのように、翻訳により冠詞が追加された場合、本開示は、これらの冠詞の後に続く名詞が複数形であることを含んでもよい。
【0205】
本開示で使用する「判断(determining)」、「決定(determining)」という用語は、多種多様な動作を包含する場合がある。「判断」、「決定」は、例えば、判定(judging)、計算(calculating)、算出(computing)、処理(processing)、導出(deriving)、調査(investigating)、探索(looking up、search、inquiry)(例えば、テーブル、データベース又は別のデータ構造での探索)、確認(ascertaining)した事を「判断」「決定」したとみなす事などを含み得る。また、「判断」、「決定」は、受信(receiving)(例えば、情報を受信すること)、送信(transmitting)(例えば、情報を送信すること)、入力(input)、出力(output)、アクセス(accessing)(例えば、メモリ中のデータにアクセスすること)した事を「判断」「決定」したとみなす事などを含み得る。また、「判断」、「決定」は、解決(resolving)、選択(selecting)、選定(choosing)、確立(establishing)、比較(comparing)などした事を「判断」「決定」したとみなす事を含み得る。つまり、「判断」「決定」は、何らかの動作を「判断」「決定」したとみなす事を含み得る。また、「判断(決定)」は、「想定する(assuming)」、「期待する(expecting)」、「みなす(considering)」などで読み替えられてもよい。
【0206】
本開示において、「AとBが異なる」という用語は、「AとBが互いに異なる」ことを意味してもよい。なお、当該用語は、「AとBがそれぞれCと異なる」ことを意味してもよい。「離れる」、「結合される」などの用語も、「異なる」と同様に解釈されてもよい。
【0207】
以上、本開示について詳細に説明したが、当業者にとっては、本開示が本開示中に説明した実施形態に限定されるものではないということは明らかである。本開示は、請求の範囲の記載により定まる本開示の趣旨及び範囲を逸脱することなく修正及び変更態様として実施することができる。したがって、本開示の記載は、例示説明を目的とするものであり、本開示に対して何ら制限的な意味を有するものではない。
【符号の説明】
【0208】
10 無線通信システム
50 CU
100A 親ノード
100B IABノード
100C 子ノード
110 無線送信部
120 無線受信部
130 NW IF部
140 IABノード接続部
150 制御部
161 無線送信部
162 無線受信部
170 上位ノード接続部
180 下位ノード接続部
190 制御部
200 UE
1001 プロセッサ
1002 メモリ
1003 ストレージ
1004 通信装置
1005 入力装置
1006 出力装置
1007 バス
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