IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ フィリップ・モーリス・プロダクツ・ソシエテ・アノニムの特許一覧

特許7522224誘導コイル用の摺動接点を有するエアロゾル発生装置
<>
  • 特許-誘導コイル用の摺動接点を有するエアロゾル発生装置 図1
  • 特許-誘導コイル用の摺動接点を有するエアロゾル発生装置 図2A
  • 特許-誘導コイル用の摺動接点を有するエアロゾル発生装置 図2B
  • 特許-誘導コイル用の摺動接点を有するエアロゾル発生装置 図2C
  • 特許-誘導コイル用の摺動接点を有するエアロゾル発生装置 図2D
  • 特許-誘導コイル用の摺動接点を有するエアロゾル発生装置 図3
  • 特許-誘導コイル用の摺動接点を有するエアロゾル発生装置 図4
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-16
(45)【発行日】2024-07-24
(54)【発明の名称】誘導コイル用の摺動接点を有するエアロゾル発生装置
(51)【国際特許分類】
   A24F 40/465 20200101AFI20240717BHJP
   A24F 40/50 20200101ALI20240717BHJP
   A24F 40/20 20200101ALI20240717BHJP
   A24F 40/40 20200101ALI20240717BHJP
【FI】
A24F40/465
A24F40/50
A24F40/20
A24F40/40
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2022563042
(86)(22)【出願日】2021-05-07
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-05-29
(86)【国際出願番号】 EP2021062123
(87)【国際公開番号】W WO2021228704
(87)【国際公開日】2021-11-18
【審査請求日】2022-10-17
(31)【優先権主張番号】20174669.0
(32)【優先日】2020-05-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】596060424
【氏名又は名称】フィリップ・モーリス・プロダクツ・ソシエテ・アノニム
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【弁理士】
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【弁理士】
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100228337
【弁理士】
【氏名又は名称】大橋 綾
(72)【発明者】
【氏名】バティスタ ルイ ヌーノ
(72)【発明者】
【氏名】カリ リカルド
(72)【発明者】
【氏名】ラジャン トニー モーゼス
(72)【発明者】
【氏名】セレダ アレクサンドラ
【審査官】木村 麻乃
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-110895(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0289908(US,A1)
【文献】特表2018-536397(JP,A)
【文献】中国特許第104095293(CN,B)
【文献】特開昭58-145211(JP,A)
【文献】特開昭57-176706(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24F 40/00-47/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアロゾル発生装置であって、
誘導コイルを備える加熱装置と、
第一の接点を備える第一の摺動装置であって、前記第一の摺動装置が前記加熱装置の前記誘導コイルに隣接して配設されていて、かつ前記誘導コイルの長軸方向軸に平行に摺動するように構成されていて、前記第一の接点が前記第一の摺動装置上に据え付けられていて、かつ前記誘導コイルに接触するように配設されている、第一の摺動装置と、
第二の接点を備える第二の摺動装置であって、前記第二の摺動装置が前記加熱装置の前記誘導コイルに隣接して配設されていて、かつ前記誘導コイルの長軸方向軸に平行に摺動するように構成されていて、前記第二の接点が前記第二の摺動装置上に据え付けられていて、かつ前記誘導コイルに接触するように配設されている、第二の摺動装置と、を備え、
交流電流が前記第一の接点と前記第二の接点の間の前記誘導コイルに供給される、エアロゾル発生装置。
【請求項2】
前記第一の接点と前記第二の接点のうちの一方または両方が摺動接点として構成されている、請求項1に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項3】
前記エアロゾル発生装置がコントローラをさらに備え、前記コントローラが、前記第一の接点および前記第二の接点を介する前記誘導コイルへの交流電流の供給を制御するように構成されている、請求項1~2のいずれかに記載のエアロゾル発生装置。
【請求項4】
前記第一の摺動装置が少なくとも部分的に導電性であり、および前記コントローラが前記第一の摺動装置および前記第一の接点と電気的に接続されている、請求項3に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項5】
前記第二の摺動装置が少なくとも部分的に導電性であり、および前記コントローラが前記第二の摺動装置および前記第二の接点と電気的に接続されている、請求項3に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項6】
前記エアロゾル発生装置が第一のモーター、好ましくは電気リニアモーターをさらに備え、および前記第一のモーターが、前記第一の摺動装置と前記第二の摺動装置のうちの一方または両方と動作可能に連結されていて、前記第一の摺動装置と前記第二の摺動装置のうちの一方または両方の摺動移動を容易にする、請求項1~5のいずれかに記載のエアロゾル発生装置。
【請求項7】
前記エアロゾル発生装置が第二のモーター、好ましくは電気リニアモーターをさらに備え、および前記第二のモーターが、前記第一の摺動装置および前記第二の摺動装置のうちの一つと動作可能に連結されていて、前記第一の摺動装置および前記第二の摺動装置のうちの一方の前記摺動移動を容易にし、および前記第一のモーターが、前記第一の摺動装置および前記第二の摺動装置のうちの他方の前記摺動移動を容易にするように構成されている、請求項6に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項8】
前記第一のモーターと第二のモーターのうちの一方または両方が、前記エアロゾル発生装置の一つの動作サイクル中に一方向にのみ動作されることができる、請求項6または請求項7に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項9】
前記第一の摺動装置が、前記第二の摺動装置から電気的に絶縁されている、請求項1~8のいずれかに記載のエアロゾル発生装置。
【請求項10】
前記第一の摺動装置および第二の摺動装置が一緒に移動されるように、前記第一の摺動装置が前記第二の摺動装置に機械的に連結されている、請求項1~9のいずれかに記載のエアロゾル発生装置。
【請求項11】
前記第一の摺動装置が前記第二の摺動装置から機械的に独立して摺動するように構成されている、請求項1~9のいずれかに記載のエアロゾル発生装置。
【請求項12】
前記エアロゾル発生装置が、エアロゾル形成基体を含むエアロゾル発生物品を受容するための空洞をさらに備え、および前記誘導コイルが好ましくは、前記空洞の前記長軸方向軸に平行に、かつ前記空洞を少なくとも部分的に包囲して配設されている、請求項1~11のいずれかに記載のエアロゾル発生装置。
【請求項13】
加熱ゾーンが、前記第一の接点と第二の接点の間の前記誘導コイルの部品によって包囲されている前記空洞のエリアによって作り出されている、請求項12に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項14】
前記加熱ゾーンの軸方向長さと軸方向配置のうちの一方または両方が、前記第一の摺動装置と前記第二の摺動装置のうちの一方または両方を摺動することによって適合可能である、請求項13に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項15】
請求項1~14のいずれかに記載のエアロゾル発生装置と、エアロゾル形成基体を含むエアロゾル発生物品とを備えるシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はエアロゾル発生装置に関する。
【背景技術】
【0002】
吸入可能なベイパーを発生するためのエアロゾル発生装置を提供することが知られている。こうした装置は、エアロゾル形成基体を燃焼することなく、エアロゾル形成基体の一つ以上の構成要素が揮発する温度にエアロゾル形成基体を加熱してもよい。エアロゾル形成基体は、エアロゾル発生物品の一部として提供されてもよい。エアロゾル発生物品は、エアロゾル発生装置の空洞(加熱チャンバーなど)の中へのエアロゾル発生物品の挿入のためにロッド形状を有してもよい。発熱体は、エアロゾル発生物品がエアロゾル発生装置の加熱チャンバーの中に挿入された後に、エアロゾル形成基体を加熱するために、加熱チャンバーの中に、またはその周りに配設されてもよい。加熱装置は誘導加熱装置であってもよく、誘導コイルおよびサセプタを備えてもよい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
エアロゾル発生物品のエアロゾル形成基体の可変加熱を有するエアロゾル発生装置を提供することが望ましいであろう。可変加熱ゾーンを有するエアロゾル発生装置を提供することが望ましいであろう。切り替え可能な加熱ゾーンを有するエアロゾル発生装置を提供することが望ましいであろう。加熱ゾーンの選択肢、またはエアロゾル発生物品のエアロゾル形成基体の均一な加熱の選択肢を有するエアロゾル発生装置を提供することが望ましいであろう。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の一実施形態によると、エアロゾル発生装置が提供されている。エアロゾル発生物品は加熱装置を備える。加熱装置は誘導コイルを備える。エアロゾル発生装置は第一の摺動装置をさらに備える。第一の摺動装置は第一の接点を備える。第一の摺動装置は加熱装置の誘導コイルに隣接して配設されていて、かつ誘導コイルの長軸方向軸に平行に摺動するように構成されている。第一の接点は第一の摺動装置上に据え付けられていて、かつ誘導コイルに接触するように配設されている。エアロゾル発生装置は第二の摺動装置をさらに備える。第二の摺動装置は第二の接点を備える。第二の摺動装置は加熱装置の誘導コイルに隣接して配設されていて、かつ誘導コイルの長軸方向軸に平行に摺動するように構成されている。第二の接点は第二の摺動装置上に据え付けられていて、かつ誘導コイルに接触するように配設されている。交流電流(AC)は第一の接点と第二の接点の間の誘導コイルに供給される。
【0005】
本発明の一実施形態によると、エアロゾル発生装置が提供されてもよい。エアロゾル発生物品は加熱装置を備えてもよい。加熱装置は誘導コイルを備えてもよい。エアロゾル発生装置は第一の摺動装置をさらに備えてもよい。第一の摺動装置は第一の接点を備えてもよい。第一の摺動装置は加熱装置の誘導コイルに隣接して配設されてもよく、かつ誘導コイルの長軸方向軸に平行に摺動するように構成されてもよい。第一の接点は第一の摺動装置上に据え付けられてもよく、かつ誘導コイルに接触するように配設されてもよい。エアロゾル発生装置は第二の摺動装置をさらに備えてもよい。第二の摺動装置は第二の接点を備えてもよい。第二の摺動装置は加熱装置の誘導コイルに隣接して配設されてもよく、かつ誘導コイルの長軸方向軸に平行に摺動するように構成されてもよい。第二の接点は第二の摺動装置上に据え付けられてもよく、かつ誘導コイルに接触するように配設されてもよい。交流電流は第一の接点と第二の接点の間の誘導コイルに供給されてもよい。
【0006】
誘導コイルのための二つの接点をそれぞれの摺動装置上に提供することによって、交流電流を誘導コイルの部品に供給することができる。結果として、動作される誘導コイルの部品を、必要に応じて選ぶことができる。長軸方向の長さに沿って動作される誘導コイルの部品を変更することができる。さらに、動作される誘導コイルの長さを変更することができる。これらの可変接点に起因して、誘導コイルに適切に接触することによって、エアロゾル発生装置内の所望の加熱ゾーンを作り出すことができる。
【0007】
第一の接点は、交流電流を誘導コイルに供給するための第一の電気接触点を確立してもよい。第二の接点は、交流電流が第一の接点と第二の接点の間の誘導コイルを通って流れることができるように、第二の電気接触点を確立してもよい。
【0008】
第一の接点と第二の接点の間の距離は常時、誘導コイルの長軸方向の長さよりも短いことが好ましい。結果として、第一の接点と第二の接点の間の誘導コイルの部分によって包囲されたエリアとしてエアロゾル発生装置の空洞内に発生された加熱ゾーンは、誘導コイルによって包囲された空洞の全エリアよりも小さい。エアロゾル発生装置の空洞は、エアロゾル形成基体を含むエアロゾル形成物品を受容するように構成されている。これは、エアロゾル発生装置の空洞の中に挿入されたエアロゾル発生物品のエアロゾル形成基体が、好ましい加熱方式に従って加熱されることを可能にする。特に、加熱方式は一度にエアロゾル形成基体の一部分のみを加熱することを含む。
【0009】
加熱ゾーンは、第一の接点と第二の接点の間の誘導コイルの部品によって包囲される場合がある空洞のエリアによって作り出されてもよい。
【0010】
加熱ゾーンの軸方向長さと軸方向配置のうちの一方または両方は、第一の摺動装置と第二の摺動装置のうちの一方または両方を摺動することによって適合可能である場合がある。
【0011】
摺動装置は少なくとも部分的に導電性であってもよい。これは、摺動装置を介した接点への交流電流の供給を可能にしてもよい。エアロゾル発生装置はコントローラをさらに備えてもよい。コントローラは摺動装置と電気的に接続されてもよい。コントローラは、第一の摺動装置を介して第一の接点と電気的に接続されてもよい。コントローラは、第二の摺動装置を介して第二の接点と電気的に接続されてもよい。電気接点またはコントローラは、より詳細に本明細書に記載の通り、電池などの電源と電気的に接続されてもよい。
【0012】
コントローラは、加熱装置への交流電流の供給を制御するように構成されてもよい。コントローラは、加熱装置の誘導コイルへの交流電流の供給を制御するように構成されてもよい。コントローラは、所定の時間にわたる誘導コイルへの交流電流の供給を制御するように構成されてもよい。
【0013】
コントローラは、摺動装置の摺動移動を制御するように構成されてもよい。コントローラは、第一の摺動装置の摺動移動を制御するように構成されてもよい。コントローラは、第二の摺動装置の摺動移動を制御するように構成されてもよい。コントローラは、二つの摺動装置の摺動移動を互いに独立して制御するように構成されてもよい。摺動装置の摺動移動を制御することによって、コントローラは、第一の接点と第二の接点の間の距離を制御してもよい。第一の接点と第二の接点の間の距離を制御することによって、コントローラは、動作される誘導コイルの部分を制御してもよい。模範的に、コントローラは、誘導コイルの遠位方向に摺動するように第一の摺動装置を制御してもよく、その一方で第二の摺動装置は移動されない。この場合、第一の接点と第二の接点の間の距離は増大することになる。コントローラが、誘導コイルを通して第一の接点と第二の接点の間に交流電流を供給する時、誘導コイルのより大きい部分は結果として、動作されることになる。
【0014】
コントローラは、摺動装置(複数)の移動を同時に制御してもよい。結果として、コントローラは、第一の接点および第二の接点の移動を同時に制御してもよい。コントローラは、第一の接点および第二の接点がこれらの接点の移動中に互いに同じ距離を有するように、第一の接点と第二の接点を互いに平行に移動してもよい。この動作は、誘導コイルの異なる部品を動作させる場合、有益である場合がある。コントローラは、第一の接点および第二の接点を所定の距離にわたって移動するように、かつその後、誘導コイルを通して第一の接点と第二の接点の間に交流電流を供給するように構成されてもよい。この実施形態は、誘導コイルの異なる部品がその後、動作される場合、有益である場合がある。模範的に、誘導コイルは、異なる部品に分割されてもよく、各部品は第一の接点と第二の接点の間の距離に対応する。誘導コイルの第一の加熱ゾーンに対応する第一の部品はその後、動作されてもよい。その後、コントローラは、第二の加熱ゾーンに対応する第二の部品が加熱されるように、接点を移動してもよい。誘導コイルのこれらの部品は、互いに直接隣接して配設されてもよい。
【0015】
別の方法として、または追加的に、コントローラは、誘導コイルに着実に沿って接点を移動するように構成されてもよい。コントローラは、常時または少なくとも期間にわたって、電流を接点に、また誘導コイルを通して供給するように構成されてもよい。この実施形態において、加熱ゾーンは誘導コイルに沿って徐々に移動してもよい。
【0016】
摺動装置のうちの一方または両方は、長軸方向であってもよい。摺動装置のうちの一方または両方は、空洞の長軸方向軸に平行に配設されてもよい。摺動装置のうちの一方または両方は、加熱装置に平行に配設されてもよい。摺動装置のうちの一方または両方は、ロッド状であってもよい。
【0017】
エアロゾル発生装置は、第一のモーター、好ましくは電気リニアモーターをさらに備えてもよい。第一のモーターは、第一の摺動装置と第二の摺動装置のうちの一方または両方と動作可能に連結されていて、第一の摺動装置と第二の摺動装置のうちの一方または両方の摺動移動を容易にする場合がある。第一のモーターは、第一の摺動装置を第二の摺動装置と別個に移動するように構成されていることが好ましい。
【0018】
エアロゾル発生装置は、第二のモーター、好ましくは電気リニアモーターをさらに備えてもよい。第二のモーターは、第一の摺動装置および第二の摺動装置のうちの一つと動作可能に連結されていて、第一の摺動装置および第二の摺動装置のうちの一方の摺動移動を容易にする場合がある。第一のモーターは、第一の摺動装置および第二の摺動装置のうちの他方の摺動移動を容易にするように構成されてもよい。第二のモーターは、第二の摺動装置を第一の摺動装置と別個に移動するように構成されていることが好ましい。
【0019】
第一のモーターと第二のモーターのうちの一方または両方は、エアロゾル発生装置の一つの動作サイクル中に、一方向にのみ動作されてもよい。エアロゾル発生装置の一つの動作サイクルは、未使用のエアロゾル発生物品を枯渇させるプロセスに対応する。このようにして、エアロゾル発生装置の空洞の中に挿入されたエアロゾル発生物品のエアロゾル形成基体は、エアロゾル形成基体の一方の端から開始して、エアロゾル形成基体のもう一方の端まで均一に加熱されてもよい。この場合、エアロゾル形成基体のいかなる部分も、二回加熱されない、またはエアロゾル形成基体のこの部分を加熱するために望ましい時間よりも長い時間にわたって加熱されない。
【0020】
コントローラは、モーターの動作、または二つのモーターの動作を制御するように構成されてもよい。加熱装置の加熱ゾーンの形状の変化は、モーター(複数可)の動作によって摺動装置のうちの一方または両方の移動を操作するコントローラによって容易にされる場合がある。
【0021】
各接点は摺動装置上にしっかりと据え付けられてもよい。言い換えれば、各接点は、接点が摺動装置上に固定されているように、摺動装置上に据え付けられてもよい。摺動装置は、摺動装置の軸方向に摺動するように構成されてもよい。摺動装置の軸方向は、空洞の長軸方向軸に平行であってもよい。空洞の長軸方向軸は、加熱装置の長軸方向軸と同一またはそれに平行であってもよい。
【0022】
第一の接点と第二の接点のうちの一方または両方は、摺動接点として構成されてもよい。各摺動接点は、加熱装置の誘導コイルに電気的に接触するように構成されている。
【0023】
エアロゾル発生装置は、コントローラの動作を制御するための通信インターフェースをさらに備えてもよい。
【0024】
通信インターフェースはボタンとして、または外部装置と通信するための無線通信インターフェースとして構成されてもよい。外部装置はスマートフォン、スマートウォッチ、またはタブレットであってもよい。通信インターフェースはディスプレーとして構成されてもよい。通信インターフェースはタッチディスプレーとして構成されてもよい。通信インターフェースは、外部装置との通信インターフェースの通信を可能にするための無線技術を備えてもよい。通信インターフェースは、ボタンとして構成されてもよく、またはボタンを備えてもよい。通信インターフェースによって、ユーザーはコントローラの動作を制御してもよい。模範的に、ユーザーは摺動装置の移動の動作を制御してもよい。結果として、ユーザーは加熱装置内の加熱ゾーンのサイズを変更してもよい。
【0025】
別の方法として、コントローラの動作は、所定のプログラムに依存してもよい。この所定のプログラムは、エアロゾル発生物品のエアロゾル形成基体の所望の加熱プロファイルに対応してもよい。ユーザーは、通信インターフェースによって所望の加熱プロファイルを選んでもよい。別の方法として、所望の加熱プロファイルは、予め決定されてもよい。さらなる代替として、または追加的に、所望の加熱プロファイルは、空洞内に受容されたエアロゾル発生物品のタイプに依存してもよい。ユーザーは、エアロゾル発生物品のタイプを入力してもよく、またはエアロゾル発生物品のタイプは、エアロゾル発生装置によって検出されてもよく、また適切な加熱プロファイルは、検出されたタイプのエアロゾル発生物品に応じて選ばれてもよい。
【0026】
第一の摺動装置は第二の摺動装置から電気的に絶縁されてもよい。
【0027】
第一の摺動装置および第二の摺動装置が一緒に移動されるように、第一の摺動装置は第二の摺動装置に機械的に連結されてもよい。第一の摺動装置および第二の摺動装置は、一体的に形成された摺動装置として、すなわち単一の摺動装置として構成される場合さえある。この実施形態において、単一のモーターは、摺動装置を移動させるために構成されていることが好ましい。この実施形態は、加熱ゾーンの長軸方向のサイズが一定に留まるべきである場合、特に適している。この実施形態は、エアロゾル発生物品のエアロゾル形成基体が経時的に均一に加熱されるべきである場合、特に適していて、エアロゾル形成基体の一部分のみがある特定の時間に加熱される。
【0028】
第一の摺動装置は、第二の摺動装置から独立して機械的に摺動するように構成されてもよい。この場合、摺動装置を個別に移動するために二つの個別のモーターが提供されていることが好ましい。
【0029】
エアロゾル発生装置は、第一の摺動装置に機械的に連結された、かつユーザーが第一のスライダアクチュエータを操作することによって第一の摺動装置を手動で摺動することができるように構成された、第一のスライダアクチュエータをさらに備えてもよい。
【0030】
第一のスライダアクチュエータは、第二の摺動装置にさらに機械的に連結されてもよく、またユーザーが第一のスライダアクチュエータを操作することによって、第一の摺動装置と第二の摺動装置を一緒に手動で摺動することができるように構成されてもよい。
【0031】
エアロゾル発生装置は、第二の摺動装置に機械的に連結された、かつユーザーが第二のスライダアクチュエータを操作することによって第二の摺動装置を手動で摺動することができるように構成された、第二のスライダアクチュエータをさらに備えてもよく、第一のスライダアクチュエータおよび第二のスライダアクチュエータは、互いに機械的に独立している。
【0032】
第一のスライダアクチュエータと第二のスライダアクチュエータのうちの一方または両方は、エアロゾル発生装置の一つの動作サイクル中に、一方向にのみ動作されてもよい。
【0033】
加熱装置はサセプタを備えてもよい。サセプタは、空洞内に、または空洞を包囲して配設されてもよい。サセプタはピン形状であってもよい。サセプタはブレード形状であってもよい。サセプタは、ピン形状またはブレード形状である場合、エアロゾル発生装置の空洞内に中央に配設されていることが好ましい。エアロゾル発生物品がエアロゾル発生装置の空洞の中に挿入されている場合、サセプタはその後、エアロゾル発生物品のエアロゾル形成基体の中に貫通してもよい。
【0034】
別の方法として、または追加的に、サセプタは、エアロゾル発生装置の空洞を少なくとも部分的に包囲して配設されてもよい。サセプタは、エアロゾル発生装置の空洞を完全に包囲してもよい。こうしたサセプタ装置の内径は、空洞内に受容されるエアロゾル発生物品の外径に対応してもよく、またはそれよりもわずかに小さくてもよい。エアロゾル発生物品が空洞の中に挿入されている場合、エアロゾル発生物品の外周はサセプタに接触してもよい。その結果として、サセプタはエアロゾル発生物品を空洞内に保持してもよい。サセプタは空洞の内壁を形成してもよい。
【0035】
サセプタは、単一のサセプタとして構成されてもよい。別の方法として、サセプタはサセプタセグメントを備えてもよい。個別のサセプタセグメントは、絶縁層または絶縁部分によって互いに電気的に絶縁されていてもよい。個別のサセプタセグメントは、第一の接点および第二の接点の好ましい位置に対応してもよい。言い換えれば、個別のサセプタセグメントは、所望の加熱ゾーンに対応してもよい。個別のサセプタセグメントの長軸方向の長さは、第一の接点と第二の接点の間の距離に対応してもよい。
【0036】
エアロゾル発生装置は電気回路を備えてもよい。電気回路はマイクロプロセッサを備えてもよく、これはプログラム可能なマイクロプロセッサであってもよい。マイクロプロセッサはコントローラの一部であってもよい。電気回路はさらなる電子構成要素を備えてもよい。電気回路は、加熱装置への電力供給を調節するように構成されてもよい。電力はエアロゾル発生装置の起動に続いて加熱装置に連続的に供給されてもよく、または断続的(例えば毎回の吸煙ごと)に供給されてもよい。電力は、電流パルスの形態で加熱装置に供給されてもよい。電気回路は、加熱装置の電気抵抗をモニターするように、かつ好ましくは加熱装置の電気抵抗に依存して加熱装置への電力供給を制御するように構成されてもよい。
【0037】
エアロゾル発生装置は、エアロゾル発生装置の主本体内に電源(典型的には電池)を備えてもよい。一実施形態において、電源はリチウムイオン電池である。別の方法として、電源はニッケル水素電池、ニッケルカドミウム電池、またはリチウム系電池(例えば、リチウムコバルト電池、リチウム鉄リン酸塩電池、チタン酸リチウム、もしくはリチウムポリマー電池)であってもよい。代替として、電源は、コンデンサなどの別の形態の電荷蓄積装置であってもよい。電源は再充電を必要とする場合があり、また一回以上の使用体験のために十分なエネルギーの貯蔵を可能にする容量を有してもよい。例えば、電源は約6分間、または6分の倍数の時間にわたってエアロゾルを連続的に発生するのに十分な容量を有してもよい。別の実施例において、電源は所定の吸煙回数、または加熱装置の不連続的な起動を提供するのに十分な容量を有してもよい。
【0038】
本明細書で使用される「エアロゾル発生装置」は、エアロゾル形成基体と相互作用してエアロゾルを発生する装置に関する。エアロゾル形成基体は、エアロゾル発生物品の一部、例えば喫煙物品の一部であってもよい。エアロゾル発生装置は、エアロゾル発生物品のエアロゾル形成基体と相互作用してユーザーの口を通してユーザーの肺の中に直接吸入可能なエアロゾルを発生する喫煙装置であってもよい。エアロゾル発生装置はホルダーであってもよい。この装置は電気加熱式の喫煙装置であってもよい。エアロゾル発生装置は、ハウジングと、電気回路と、電源と、加熱チャンバーと、加熱装置とを備えてもよい。
【0039】
本明細書で使用される「エアロゾル発生物品」という用語は、エアロゾルを形成することができる揮発性化合物を放出する能力を有するエアロゾル形成基体を含む物品を指す。例えば、エアロゾル発生物品は、ユーザーの口を通ってユーザーの肺の中に直接吸入可能なエアロゾルを発生する喫煙物品であってもよい。エアロゾル発生物品は使い捨てであってもよい。
【0040】
加熱装置は、誘導加熱装置として構成されていることが好ましい。誘導加熱装置は、誘導コイルおよびサセプタを備えてもよい。概して、サセプタは、交番磁場によって貫通された時に熱を発生する能力を有する材料である。交番磁場に位置する時。サセプタが導電性である場合、典型的に渦電流は交番磁場によって誘発される。サセプタが磁性である場合、典型的に加熱に寄与する別の効果は一般的に、ヒステリシス損失と呼ばれる。ヒステリシス損失は主に、サセプタ内の磁区ブロックの移動によって生じ、この理由は、これらの磁気的な向きが磁気誘導磁場と整列し、これが交互に起こるためである。ヒステリシス損失に寄与する別の効果は、磁区がサセプタ内で拡大または縮小する時である。一般的に、サセプタ内でナノスケール以下で起こるこれらのすべての変化は、サセプタ内で熱を生成するため、「ヒステリシス損失」と呼ばれる。よって、サセプタが磁性と導電性の両方である場合、ヒステリシス損失と渦電流の発生の両方はサセプタの加熱に寄与することになる。サセプタが磁性であるが導電性ではない場合、ヒステリシス損失は、交番磁場によって貫通された時にサセプタを加熱する唯一の手段であるであろう。本発明によると、サセプタは導電性、または磁性、または導電性と磁性の両方であってもよい。一つまたは幾つかの誘導コイルによって発生された交番磁場は、サセプタを加熱し、これはその後、エアロゾルが形成されるように、熱をエアロゾル形成基体に伝達する。熱伝達は主に、熱の伝導によってもよい。こうした熱の伝達は、サセプタがエアロゾル形成基体と密接な熱的接触状態にある場合に、最も良好である。
【0041】
本発明は、本明細書に記載の通りのエアロゾル発生装置と、本明細書に記載の通りのエアロゾル形成基体を含む本明細書に記載の通りのエアロゾル発生物品とを備えるシステムにさらに関する。
【0042】
以下に非限定的な実施例の非網羅的なリストを提供している。これらの実施例の特徴のうちの任意の一つ以上は、本明細書に記載の別の実施例、実施形態、または態様の任意の一つ以上の特徴と組み合わされてもよい。
【0043】
実施例A:エアロゾル発生装置であって、
誘導コイルを備える加熱装置と、
第一の接点を備える第一の摺動装置であって、第一の摺動装置が加熱装置の誘導コイルに隣接して配設されていて、かつ誘導コイルの長軸方向軸に平行に摺動するように構成されていて、第一の接点が第一の摺動装置上に据え付けられていて、かつ誘導コイルに接触するように配設されている、第一の摺動装置と、
第二の接点を備える第二の摺動装置であって、第二の摺動装置が加熱装置の誘導コイルに隣接して配設されていて、かつ誘導コイルの長軸方向軸に平行に摺動するように構成されていて、第二の接点が第二の摺動装置上に据え付けられていて、かつ誘導コイルに接触するように配設されている、第二の摺動装置と、を備え、
交流電流が第一の接点と第二の接点の間の誘導コイルに供給される、エアロゾル発生装置。
実施例B:第一の接点と第二の接点のうちの一方または両方が摺動接点として構成されている、実施例Aに記載のエアロゾル発生装置。
実施例C:エアロゾル発生装置がコントローラをさらに備え、コントローラが、第一の接点および第二の接点を介する誘導コイルへの交流電流の供給を制御するように構成されている、実施例A~Bのいずれかに記載のエアロゾル発生装置。
実施例D:第一の摺動装置が少なくとも部分的に導電性であり、およびコントローラが第一の摺動装置および第一の接点と電気的に接続されている、実施例Cに記載のエアロゾル発生装置。
実施例E:第二の摺動装置が少なくとも部分的に導電性であり、およびコントローラが第二の摺動装置および第二の接点と電気的に接続されている、実施例Cに記載のエアロゾル発生装置。
実施例F:エアロゾル発生装置が、コントローラの動作を制御するための通信インターフェースをさらに備える、実施例C~Eのいずれかに記載のエアロゾル発生装置。
実施例G:通信インターフェースがボタンとして、または外部装置と通信するための無線通信インターフェースとして構成されている、実施例Fに記載のエアロゾル発生装置。
実施例H:エアロゾル発生装置が第一のモーター、好ましくは電気リニアモーターをさらに備え、および第一のモーターが、第一の摺動装置と第二の摺動装置のうちの一方または両方と動作可能に連結されていて、第一の摺動装置と第二の摺動装置のうちの一方または両方の摺動移動を容易にする、実施例A~Gのいずれかに記載のエアロゾル発生装置。
実施例I:エアロゾル発生装置が第二のモーター、好ましくは電気リニアモーターをさらに備え、および第二のモーターが、第一の摺動装置および第二の摺動装置のうちの一つと動作可能に連結されていて、第一の摺動装置および第二の摺動装置のうちの一方の摺動移動を容易にし、および第一のモーターが、第一の摺動装置および第二の摺動装置のうちの他方の摺動移動を容易にするように構成されている、実施例Hに記載のエアロゾル発生装置。
実施例J:第一のモーターと第二のモーターのうちの一方または両方が、エアロゾル発生装置の一つの動作サイクル中に一方向にのみ動作されることができる、実施例Hまたは実施例Iに記載のエアロゾル発生装置。
実施例K:第一の摺動装置が、第二の摺動装置から電気的に絶縁されている、実施例A~Jのいずれかに記載のエアロゾル発生装置。
実施例L:第一の摺動装置と第二の摺動装置が一緒に移動されるように、第一の摺動装置が第二の摺動装置に機械的に連結されている、実施例A~Kのいずれかに記載のエアロゾル発生装置。
実施例M:第一の摺動装置が第二の摺動装置から機械的に独立して摺動するように構成されている、実施例A~Lのいずれかに記載のエアロゾル発生装置。
実施例N:エアロゾル発生装置が、第一の摺動装置に機械的に連結された、かつユーザーが第一のスライダアクチュエータを操作することによって第一の摺動装置を手動で摺動することができるように構成された、第一のスライダアクチュエータをさらに備える、実施例A~Mのいずれかに記載のエアロゾル発生装置。
実施例O:第一のスライダアクチュエータが、第二の摺動装置にさらに機械的に連結されていて、かつユーザーが第一のスライダアクチュエータを操作することによって第一の摺動装置と第二の摺動装置を一緒に手動で摺動することができるように構成されている、実施例Nに記載のエアロゾル発生装置。
実施例P:エアロゾル発生装置が、第二の摺動装置に機械的に連結された、かつユーザーが第二のスライダアクチュエータを操作することによって第二の摺動装置を手動で摺動することができるように構成された、第二のスライダアクチュエータをさらに備え、また第一のスライダアクチュエータおよび第二のスライダアクチュエータが互いに機械的に独立している、実施例Nに記載のエアロゾル発生装置。
実施例Q:第一のスライダアクチュエータと第二のスライダアクチュエータのうちの一方または両方が、エアロゾル発生装置の一つの動作サイクル中に一方向にのみ動作されることができる、実施例N~Pのいずれか一つに記載のエアロゾル発生装置。
実施例R:エアロゾル発生装置が、エアロゾル形成基体を含むエアロゾル発生物品を受容するための空洞をさらに備える、実施例A~Qのいずれかに記載のエアロゾル発生装置。
実施例S:誘導コイルが空洞の長軸方向軸に平行に、かつ空洞を少なくとも部分的に包囲して配設されている、実施例Rに記載のエアロゾル発生装置。
実施例T:加熱ゾーンが、第一の接点と第二の接点の間の誘導コイルの部品によって包囲されている空洞のエリアによって作り出される、実施例Sに記載のエアロゾル発生装置。
実施例U:加熱ゾーンの軸方向長さと軸方向配置のうちの一方または両方が、第一の摺動装置と第二の摺動装置のうちの一方または両方を摺動することによって適合可能である、実施例Tに記載のエアロゾル発生装置。
実施例V:実施例A~Uのいずれかに記載のエアロゾル発生装置と、エアロゾル形成基体を含むエアロゾル発生物品とを備えるシステム。
【0044】
一実施形態に関して説明される特徴は、本発明の他の実施形態にも等しく適用されてもよい。
【0045】
例証としてのみであるが、以下の添付図面を参照しながら本発明をさらに説明する。
【図面の簡単な説明】
【0046】
図1図1は、エアロゾル発生装置の一実施形態を示す。
図2図2は、エアロゾル発生装置の摺動装置の構成および動作を示す。
図3図3は、異なる視点からの摺動装置を示す。
図4図4は、異なって配設された摺動装置を有するエアロゾル発生装置のさらなる一実施形態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0047】
図1は、エアロゾル発生装置を示す。エアロゾル発生装置は、エアロゾル形成基体を含むエアロゾル発生物品12を受容するための空洞10を備える。空洞10は、加熱チャンバーとして構成されている。空洞10は、円筒状形状を有する。エアロゾル発生物品12は、エアロゾル発生装置の近位端にて空洞10の中に挿入されることができる。
【0048】
エアロゾル発生装置は、加熱装置14をさらに備える。加熱装置14は、誘導コイル16およびサセプタを備える。サセプタは、ピンまたはブレード形状を有する内部サセプタとして構成されることができる。内部サセプタは、空洞10内に中央に配設されていて、かつエアロゾル発生物品12が空洞10の中に挿入されている時に、エアロゾル発生物品12のエアロゾル形成基体の中に貫通するよう構成されている。別の方法として、または追加的に、サセプタは、空洞10を包囲する外部サセプタとして構成されることができる。いずれの場合でも、サセプタは誘導コイル16内に配設されていて、これによって誘導コイル16はサセプタを加熱するために交番磁場を発生することができる。
【0049】
エアロゾル発生装置は、第一の摺動装置18および第二の摺動装置20をさらに備える。個別の摺動装置は図3および図4において、より詳細に見て分かることができる。第一の摺動装置18は第一の接点22を備える。第一の接点22は、誘導コイル16への交流電流の供給を可能にするように構成されている。第一の接点22は、誘導コイル16への電気接触点を確立する。第二の摺動装置20は第二の接点24を備える。第二の接点24は、誘導コイル16への交流電流の供給を可能にするように構成されている。第二の接点24は、誘導コイル16への電気接触点を確立する。
【0050】
第一の摺動装置18および第二の摺動装置20は、一緒に移動されるように構成されてもよい。この理由のため、第一の摺動装置18および第二の摺動装置20は一緒に固定されてもよい。図1で分かる通り、この場合、第一の接点22と第二の接点24は互いに対して、ある特定の距離を有する。図2で分かる通り、第一の摺動装置18および第二の摺動装置20が摺動する場合、第一の接点22と第二の接点24の両方は一緒に移動されて、かつ互いに対して同じ距離が置かれたままである。
【0051】
第一の接点22と第二の接点24の間の距離は、加熱ゾーン26の長軸方向の距離を確立する。加熱ゾーン26は、第一の接点22と第二の接点24の間の誘導コイル16の部分によって包囲された空洞10のエリアである。誘導コイル16のこの部分は、交流電流が第一の接点22と第二の接点24の間に供給される時に動作される。結果として、誘導コイル16のこの部分は、誘導コイル16のこの部分によって包囲されているサセプタを加熱するための交番磁場を発生する。
【0052】
別の方法として、または追加的に、第一の摺動装置18および第二の摺動装置20は、互いに独立して移動可能に構成されてもよい。この実施形態において、第一の接点22と第二の接点24の間の距離を、必要に応じて選ぶことができる。結果として、加熱ゾーン26の長軸方向の長さを、必要に応じて選ぶことができる。
【0053】
エアロゾル発生装置は、コントローラ28をさらに備える。コントローラ28は、第一の接点22と第二の接点24の間の交流電流の供給を制御するように構成されている。コントローラ28は、第一の接点22および第二の接点24と電気的に接続されている。第一の摺動装置18は、第一の接点22およびコントローラ28と電気的に接続されていて、または第一の摺動装置18は、第一の接点22およびコントローラ28と電気的に接続された導電性部分を備える。第二の摺動装置20は、第二の接点24およびコントローラ28と電気的に接続されていて、または第二の摺動装置20は、第二の接点24およびコントローラ28と電気的に接続された導電性部分を備える。エアロゾル発生装置は電池30をさらに備える。コントローラ28は、第一の接点22および第二の接点24に接続されているDC/ACコンバータへの電池30からのDC電流の供給を制御するように構成されている。これによって、コントローラは、コイル16への交流電流の供給を制御することによって加熱装置14を動作する。DC/ACコンバータは別個のユニットであることが好ましい。
【0054】
図2は、加熱装置14の動作をより詳細に示す。図2Aから図2Dまで、摺動装置は、第一の接点22および第二の接点24を誘導コイル16の遠位端から誘導コイル16の近位端に摺動する。結果として、加熱ゾーン26は近位方向に進む。図2に示す実施形態において、第一の接点22と第二の接点24の間の距離は、同じままである。結果として、加熱ゾーン26の長軸方向の長さは、同じままである。
【0055】
図3は、第一の摺動装置18および第二の摺動装置20を示す。第一の摺動装置18および第二の摺動装置20は細長い。第一の摺動装置18および第二の摺動装置20は、摺動ロッド32上に据え付けられている。摺動ロッド32は、据付要素34の開口の中に配設されている。第一の摺動装置18の、および第二の摺動装置20のこの配設は、第一の摺動装置18の、および第二の摺動装置20の独立した摺動移動を可能にする。結果として、第一の接点22と第二の接点24の間の距離を、コントローラ28によって制御することができる。第一の接点22と第二の接点24の間の距離は、加熱ゾーン26の長軸方向の長さを決定する。それ故に、第一の摺動装置18および第二の摺動装置20を独立して制御することは、加熱ゾーン26のサイズの制御を可能にする。
【0056】
図4は、第一の摺動装置18と第二の摺動装置20との異なる配設を有するエアロゾル発生装置の一実施形態を示す。図1に示す実施形態と対照的に、第一の摺動装置18は、図4に示す実施形態において空洞10の一方の側に配設されていて、第二の摺動装置20は空洞10の反対の側に配設されている。結果として、第一の接点22は、空洞10の反対の側上の第二の接点24の反対に配設されている。
図1
図2A
図2B
図2C
図2D
図3
図4