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特許7522225移動可能な第三の接点を有する誘導コイルを有するエアロゾル発生装置
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  • 特許-移動可能な第三の接点を有する誘導コイルを有するエアロゾル発生装置 図1A-1B
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-16
(45)【発行日】2024-07-24
(54)【発明の名称】移動可能な第三の接点を有する誘導コイルを有するエアロゾル発生装置
(51)【国際特許分類】
   A24F 40/465 20200101AFI20240717BHJP
   A24F 40/50 20200101ALI20240717BHJP
   A24F 40/40 20200101ALI20240717BHJP
   A24F 40/20 20200101ALI20240717BHJP
   A24F 40/60 20200101ALI20240717BHJP
   A24F 40/65 20200101ALI20240717BHJP
【FI】
A24F40/465
A24F40/50
A24F40/40
A24F40/20
A24F40/60
A24F40/65
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2022563043
(86)(22)【出願日】2021-05-07
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-05-29
(86)【国際出願番号】 EP2021062131
(87)【国際公開番号】W WO2021228706
(87)【国際公開日】2021-11-18
【審査請求日】2022-10-17
(31)【優先権主張番号】20174667.4
(32)【優先日】2020-05-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】596060424
【氏名又は名称】フィリップ・モーリス・プロダクツ・ソシエテ・アノニム
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【弁理士】
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【弁理士】
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100228337
【弁理士】
【氏名又は名称】大橋 綾
(72)【発明者】
【氏名】バティスタ ルイ ヌーノ
(72)【発明者】
【氏名】カリ リカルド
(72)【発明者】
【氏名】ラジャン トニー モーゼス
【審査官】木村 麻乃
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-110895(JP,A)
【文献】特表2018-536397(JP,A)
【文献】中国特許第104095293(CN,B)
【文献】特開昭58-145211(JP,A)
【文献】特開昭57-176706(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24F 40/00-47/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアロゾル発生装置であって、
加熱装置であって、誘導コイル(10)、第一の接点(12)、第二の接点(16)および第三の接点(20)を備える加熱装置と、
コントローラ(34)とを備え、
前記第一の接点が前記誘導コイルの近位端(14)に接触して配設されていて、前記第二の接点が前記誘導コイルの遠位端(18)に接触して配設されていて、前記第三の接点が前記第一の接点と前記第二の接点の間に前記誘導コイルに接触して配設されていて、前記第一、第二および第三の接点が前記コントローラに電気的に接続されていて、前記コントローラが前記第一、第二および第三の接点の対のみの間の交流電流の供給を制御するように構成されていて、前記第一の接点および前記第二の接点が固定接点であり、前記第三の接点が移動可能な接点として構成されている、エアロゾル発生装置。
【請求項2】
前記エアロゾル発生装置が、エアロゾル形成基体を含むエアロゾル発生物品(28)を受容するための空洞(30)をさらに備え、前記加熱装置の前記誘導コイルが前記空洞を少なくとも部分的に包囲して配設されている、請求項1に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項3】
前記第一の接点と前記第三の接点の間に前記誘導コイルの一部分によって包囲された前記空洞の空間が第一の加熱ゾーン(22)であり、前記第二の接点と前記第三の接点の間に前記誘導コイルの一部分によって包囲された前記空洞の空間が第二の加熱ゾーン(24)であり、前記第一の接点と前記第二の接点の間に前記誘導コイルによって包囲された前記空洞の空間が前記第一の加熱ゾーンおよび前記第二の加熱ゾーンを備える、請求項2に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項4】
前記第一の加熱ゾーンを包囲する前記誘導コイルの前記一部分が前記第一の加熱ゾーン内に交番磁場を生成するように、前記コントローラが前記第一の接点と前記第三の接点の間の交流電流の供給を制御するように構成されている、請求項3に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項5】
前記第二の加熱ゾーンを包囲する前記誘導コイルの前記一部分が前記第二の加熱ゾーン内に交番磁場を生成するように、前記コントローラが前記第二の接点と前記第三の接点の間の交流電流の供給を制御するように構成されている、請求項3または請求項4に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項6】
前記第一の加熱ゾーンと前記第二の加熱ゾーンの両方を包囲する前記誘導コイルが、前記第一の加熱ゾーンと前記第二の加熱ゾーンの両方において交番磁場を生成するように、前記コントローラが前記第一の接点と前記第二の接点の間の交流電流の供給を制御するように構成されている、請求項3~5のいずれかに記載のエアロゾル発生装置。
【請求項7】
前記コントローラが、前記第一、第二および第三の接点の第一の対の間の交流電流の供給を第一の所定の時間にわたって制御するように、かつ前記第一、第二および第三の接点の異なる第二の対の間の交流電流の供給を第二の所定の時間にわたって制御するように構成されている、請求項1~6のいずれかに記載のエアロゾル発生装置。
【請求項8】
前記エアロゾル発生装置が、前記移動可能な第三の接点を移動するためのモーターを備える、請求項1~7のいずれかに記載のエアロゾル発生装置。
【請求項9】
前記エアロゾル発生装置が、前記移動可能な第三の接点をユーザーが手動で移動することを可能にするように構成されたアクチュエータを備える、請求項1~8のいずれかに記載のエアロゾル発生装置。
【請求項10】
前記誘導コイルがらせんコイルであり、前記移動可能な第三の接点が前記誘導コイルに沿って軸方向に移動するように構成されている、請求項1~9のいずれかに記載のエアロゾル発生装置。
【請求項11】
前記コントローラが、前記移動可能な第三の接点の移動を操作するように構成されている、請求項1~10のいずれかに記載のエアロゾル発生装置。
【請求項12】
前記移動可能な第三の接点が摺動接点として構成されている、請求項1~11のいずれかに記載のエアロゾル発生装置。
【請求項13】
前記エアロゾル発生装置が、前記コントローラの動作をユーザーが制御することを可能にする通信インターフェースを備える、請求項1~12のいずれかに記載のエアロゾル発生装置。
【請求項14】
エアロゾル発生装置の加熱装置を加熱するための方法であって、
加熱装置およびコントローラを備え、前記加熱装置が誘導コイルと、固定された第一の接点と、固定された第二の接点と、移動可能な第三の接点とを備え、前記第一の接点が前記誘導コイルの近位端に接触して配設されていて、前記第二の接点が前記誘導コイルの遠位端に接触して配設されていて、前記第三の接点が前記第一の接点と前記第二の接点の間に前記誘導コイルに接触して配設されていて、前記第一、第二および第三の接点が前記コントローラに電気的に接続されていて、前記コントローラが前記第一、第二および第三の接点の対のみの間の交流電流の供給を制御するように構成されていて、前記方法が、
前記第一の接点と前記第三の接点の間でのみ前記交流電流を所定の時間にわたり供給する工程と、次に、
前記第一の接点と前記第三の接点の間でのみ前記交流電流を供給している間に、前記第三の接点を移動する工程と、次に、
前記第一の接点と前記第二の接点の間でのみ前記交流電流を所定の時間にわたり供給する工程と、を含む、方法。
【請求項15】
前記第三の接点の移動中に、前記第三の接点が前記第二の接点の方向に移動される、請求項14に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はエアロゾル発生装置に関する。
【背景技術】
【0002】
吸入可能なベイパーを発生するためのエアロゾル発生装置を提供することは周知である。こうした装置は、エアロゾル形成基体を燃焼することなく、エアロゾル形成基体の一つ以上の構成要素が揮発する温度にエアロゾル形成基体を加熱してもよい。エアロゾル形成基体は、エアロゾル発生物品の一部として提供されてもよい。エアロゾル発生物品は、エアロゾル発生装置の空洞(加熱チャンバーなど)の中へのエアロゾル発生物品の挿入のためにロッド形状を有してもよい。加熱装置は、エアロゾル発生物品がエアロゾル発生装置の加熱チャンバーの中に挿入された後にエアロゾル形成基体を加熱するために、加熱チャンバーの中にまたは周りに配設されてもよい。加熱装置は誘導加熱装置であってもよく、誘導コイルおよびサセプタを備えてもよい。
【0003】
エアロゾル発生物品のエアロゾル形成基体の可変加熱を有するエアロゾル発生装置を提供することが望ましいであろう。可変加熱ゾーンを有するエアロゾル発生装置を提供することが望ましいであろう。切り替え可能な加熱ゾーンを有するエアロゾル発生装置を提供することが望ましいであろう。加熱ゾーンのオプション、またはエアロゾル発生物品のエアロゾル形成基体の均一な加熱のオプションを有するエアロゾル発生装置を提供することが望ましいであろう。
【発明の概要】
【0004】
本発明の一実施形態によると、エアロゾル発生装置が提供されている。エアロゾル発生装置は加熱装置を備える。加熱装置は誘導コイル、第一の接点、第二の接点および第三の接点を備える。エアロゾル発生装置はコントローラをさらに備える。第一の接点は誘導コイルの近位端に接触して配設されている。第二の接点は誘導コイルの遠位端に接触して配設されている。第三の接点は第一の接点と第二の接点の間に誘導コイルに接触して配設されている。第一、第二および第三の接点はコントローラに電気的に接続されている。コントローラは、第一、第二および第三の接点の対のみの間の交流電流の供給を制御するように構成されている。第一の接点および第二の接点は固定接点であり、第三の接点は、移動可能な接点として構成されている。
【0005】
本発明の一実施形態によると、エアロゾル発生装置が提供されてもよい。エアロゾル発生装置は加熱装置を備えてもよい。加熱装置は誘導コイル、第一の接点、第二の接点、および第三の接点を備えてもよい。エアロゾル発生装置はコントローラをさらに備えてもよい。第一の接点は誘導コイルの近位端に接触して配設されてもよい。第二の接点は誘導コイルの遠位端に接触して配設されてもよい。第三の接点は第一の接点と第二の接点の間に誘導コイルに接触して配設されてもよい。第一、第二および第三の接点は、コントローラに電気的に接続されてもよい。コントローラは、第一、第二および第三の接点の対のみの間の交流電流の供給を制御するように構成されてもよい。第一の接点および第二の接点は固定接点であってもよく、第三の接点は、移動可能な接点として構成されてもよい。
【0006】
この加熱装置は、異なる加熱ゾーンを確立することを可能にする。エアロゾル発生装置は、エアロゾル形成基体を含むエアロゾル発生物品を受容するための空洞をさらに備えてもよい。加熱装置の誘導コイルは、空洞を少なくとも部分的に包囲して配設されてもよい。加熱ゾーンは、一対の接点の間に誘導コイルの一部分によって包囲された空洞の空間である。第一の接点と第三の接点の間に誘導コイルによって包囲された空洞の空間は、第一の加熱ゾーンである。第二の接点と第三の接点の間に誘導コイルによって包囲された空洞の空間は、第二の加熱ゾーンであり、第一の接点と第二の接点の間に誘導コイルによって包囲された空洞の空間は、第一の加熱ゾーンおよび第二の加熱ゾーンを備え、また第三の加熱ゾーンと称される。第一、第二および第三の接点の異なる対の間に交流電流を供給するように構成されているコントローラに起因して、加熱ゾーンを確立するための複数のオプションが存在する。さらに、第三の接点が移動可能であるという事実に起因して、加熱ゾーンのサイズを修正することができる。加熱ゾーンのサイズは、動作中に第三の接点を移動することによって、動作中に修正されることができる。別の方法として、または追加的に、加熱ゾーンのサイズは、加熱装置の動作間に第三の接点を移動することによって、加熱装置の動作間に修正されることができる。
【0007】
例示的に、以下に詳細に記載の通りのエアロゾル形成基体を含むエアロゾル発生物品が、エアロゾル発生装置の空洞内に受容されている場合、エアロゾル形成基体の近位部分を最初に加熱することが望ましい場合がある。加熱装置内で交流電流は最初に、コントローラによって第一の接点と第三の接点の間に供給されてもよい。これは、第一の加熱ゾーンが動作されるように、誘導コイルの動作につながりうる。第一の加熱ゾーンは、加熱装置の最近位の加熱ゾーンである。その後、第一の加熱ゾーンのサイズは、第三の接点を第二の接点の方向に移動することによって増大させてもよい。最後に、加熱装置の最遠位の加熱ゾーンである、加熱装置の第二の加熱ゾーンが動作されてもよい。この第二の加熱ゾーンを動作するために、コントローラは第二の接点と第三の接点の間に交流電流を供給してもよい。
【0008】
第一、第二および第三の接点はすべて電気接点である。第一の接点および第二の接点は固定接点であってもよい。言い換えれば、第一の接点および第二の接点は移動可能でないことが好ましい。第一および第二の接点は、加熱装置の誘導コイルのそれぞれの遠位端および近位端に電気的に接触してもよい。第一および第二の接点は、任意の周知の手段によって、模範的にはんだ付けによって、誘導コイルの端に固定されてもよい。
【0009】
第一および第二の接点と対照的に、第三の接点は移動可能な接点である。第三の接点は、移動可能に据え付けられてもよい。第三の接点は、摺動装置上に据え付けられてもよい。
【0010】
摺動装置は、誘導コイルに隣接して配設されてもよく、またエアロゾル発生装置の長軸方向軸に平行に、かつ加熱コイルに平行に摺動するように構成されてもよい。加熱装置の第三の接点は、摺動装置上に据え付けられてもよい。第三の接点と誘導コイルの間の電気接点は、摺動装置を摺動させることによって適合可能であってもよい。
【0011】
摺動装置は、少なくとも部分的に導電性であってもよい。これは、摺動装置を介して第三の接点への交流電流の供給を可能にしてもよい。コントローラは摺動装置と電気的に接続されてもよい。コントローラは第一の接点と電気的に接続されてもよい。コントローラは第二の接点と電気的に接続されてもよい。コントローラは、摺動装置を介して第三の接点と電気的に接続されてもよい。
【0012】
摺動装置は長軸方向であってもよい。摺動装置は空洞の長軸方向軸に平行に配設されてもよい。摺動装置は加熱装置に平行に配設されてもよい。摺動装置はロッド形状であってもよい。摺動装置はモーターを備えてもよい。コントローラはモーターの動作を制御するように構成されてもよい。モーターは電気モーターであってもよい。モーターはリニアモーターであってもよい。加熱装置の加熱ゾーンの形状の変化は、摺動装置の運動をモーターの動作によって操作するコントローラよって容易にされてもよい。第三の接点は、摺動装置上にしっかりと据え付けられてもよい。言い換えれば、第三の接点は、第三の接点が摺動装置上に固定されているように、摺動装置上に据え付けられてもよい。摺動装置は、摺動装置の軸方向に摺動するように構成されてもよい。摺動装置の軸方向は、空洞の長軸方向軸に平行であってもよい。空洞の長軸方向軸は、加熱装置の長軸方向軸と同一またはそれに平行であってもよい。加熱装置の長軸方向軸は、エアロゾル発生装置の長軸方向軸と同一またはそれに平行であってもよい。
【0013】
第一の加熱ゾーンを包囲する誘導コイルの一部分が交番磁場を生成するように、コントローラは第一の接点と第三の接点の間の交流電流の供給を制御するように構成されてもよい。
【0014】
第二の加熱ゾーンを包囲する誘導コイルの一部分が交番磁場を生成するように、コントローラは第二の接点と第三の接点の間の交流電流の供給を制御するように構成されてもよい。
【0015】
第一の加熱ゾーンと第二の加熱ゾーンの両方を包囲する誘導コイルが交番磁場を生成するように、コントローラは第一の接点と第二の接点の間の交流電流の供給を制御するように構成されてもよい。
【0016】
コントローラは、第一、第二および第三の接点の第一の対の間の交流電流の供給を第一の所定の時間にわたって制御するように、かつ第一、第二および第三の接点の異なる第二の対の間の交流電流の供給を第二の所定の時間にわたって制御するように構成されてもよい。言い換えれば、コントローラは、第一および第二の所定の時間のうちの一方または両方にわたって、第一、第二および第三の加熱ゾーンのうちの一つ以上を加熱するように構成されてもよい。例示的に、コントローラは、第一の接点と第三の接点の間に交流電流を供給して、第一の所定の時間にわたり第一の加熱ゾーンを加熱するように構成されてもよい。例示的に、コントローラは、第二の接点と第三の接点の間に交流電流を供給して、第二の所定の時間にわたり第二の加熱ゾーンを加熱するように構成されてもよい。第一および第二の所定の時間は、それぞれの加熱ゾーンに配設されたエアロゾル形成基体が、これらの所定の時間で所望の程度まで枯渇されるように選択されてもよい。
【0017】
エアロゾル発生装置は、移動可能な第三の接点を移動するためのモーターをさらに備えてもよい。モーターは、本明細書に記載の通りの摺動装置を移動するように構成されてもよい。別の方法として、モーターは第三の接点を直接移動するように構成されてもよい。モーターは電気モーターであってもよい。モーターはリニアモーターであってもよい。モーターは、誘導コイルの長軸方向軸に平行に第三の接点を移動するように構成されてもよい。コントローラはモーターの動作を制御するように構成されてもよい。コントローラは、所定の動作方式によってモーターの動作を操作するように構成されてもよい。所定の動作方式は、ユーザーによって選択されてもよい。所定の動作方式は、エアロゾル発生装置で使用されるエアロゾル発生物品のエアロゾル形成基体に依存してもよい。所定の動作方式は、第一の所定の時間および第二の所定の時間のうちの一方または両方を含んでもよい。
【0018】
エアロゾル発生装置は、移動可能な第三の接点をユーザーが手動で移動することを可能にするように構成されたアクチュエータを備えてもよい。アクチュエータは、エアロゾル発生装置の外表面上にボタンまたはノブを備えてもよい。ボタンは、ユーザーがボタンに接触すること、およびエアロゾル発生装置の長軸方向軸に平行にボタンを摺動させることを可能にしてもよい。ボタンを摺動させることによって、アクチュエータがエアロゾル発生装置の長軸方向軸に平行に摺動させることにつながりうる。アクチュエータの摺動作用は、第三の接点の移動、特に摺動作用に対して削除することができる。
【0019】
誘導コイルは、らせんコイルであってもよく、移動可能な第三の接点は、誘導コイルに沿って軸方向に移動するように構成されてもよい。第三の接点は摺動接点として構成されてもよい。誘導コイルと第三の接点の間の電気接点は、第三の接点の移動とともに移動されてもよい。第三の接点は、第三の接点の移動中に誘導コイルとの電気的接触を維持するように構成されてもよい。
【0020】
第三の接点は、移動可能な第三の接点の移動後に、誘導コイルの効果的な動作の長さを修正するように構成されてもよい。誘導コイルの効果的な動作の長さは、交流電流が誘導コイルに供給される時に交流電流が流れる誘導コイルの一部であってもよい。例示的に、第一の接点と第三の接点の間に交流電流が供給される場合、誘導コイルの効果的な動作の長さは、第一の接点と第三の接点の間の誘導コイルの長軸方向長さであってもよく、また第二の接点および第三の接点についても同様である。誘導コイルの効果的な動作の長さは、動作される加熱ゾーンの長軸方向長さに対応してもよい。
【0021】
エアロゾル発生装置は、コントローラの動作をユーザーが制御することを可能にする通信インターフェースを備えてもよい。通信インターフェースはディスプレーとして構成されてもよい。通信インターフェースはタッチディスプレーとして構成されてもよい。通信インターフェースは、スマートフォン、スマートウォッチ、またはタブレットなどの外部装置との通信インターフェースの通信を可能にするための無線技術を備えてもよい。通信インターフェースは、ボタンとして構成されてもよく、またはボタンを備えてもよい。通信インターフェースによって、ユーザーはコントローラの動作を制御してもよい。例示的に、ユーザーは、摺動装置の移動の動作を制御してもよい。結果として、ユーザーは加熱装置内の加熱ゾーンのサイズを変更してもよい。
【0022】
第三の接点は、エアロゾル発生装置の一つの動作サイクル中に一方向にのみ移動可能であってもよい。エアロゾル発生装置の一つの動作サイクルは、未使用のエアロゾル発生物品を枯渇させるプロセスに対応する。このようにして、エアロゾル発生装置の空洞の中に挿入されたエアロゾル発生物品のエアロゾル形成基体は、エアロゾル形成基体の一方の端から開始して、エアロゾル形成基体のもう一方の端まで均一に加熱されてもよい。この場合、エアロゾル形成基体のいかなる部分も、二回にわたって加熱されない、またはエアロゾル形成基体のこの部分を加熱するために望ましい時間よりも長い時間にわたって加熱されない。第三の接点は、エアロゾル発生装置の一つの動作サイクル中に、遠位方向に一方向にのみ移動可能であることが好ましい。結果として、エアロゾル発生物品のエアロゾル形成基体は近位部分にて最初に加熱され、その後、エアロゾル形成基体のより遠位の部分が加熱される。
【0023】
エアロゾル発生装置は電気回路を備えてもよい。電気回路はマイクロプロセッサを備えてもよく、これはプログラム可能マイクロプロセッサであってもよい。マイクロプロセッサはコントローラの一部であってもよい。電気回路はさらなる電子構成要素を備えてもよい。電気回路は、加熱装置への電力供給を調節するように構成されてもよい。電力はエアロゾル発生装置の起動に続いて加熱装置に連続的に供給されてもよく、または断続的(例えば毎回の吸煙ごと)に供給されてもよい。電力は、交流電流パルスの形態で加熱装置に供給されてもよい。電気回路は、加熱装置の電気抵抗をモニターするように、かつ好ましくは加熱装置の電気抵抗に依存して加熱装置への電力供給を制御するように構成されてもよい。
【0024】
エアロゾル発生装置は、エアロゾル発生装置の主本体内に電源(典型的には電池)を備えてもよい。一実施形態において、電源はリチウムイオン電池である。別の方法として、電源はニッケル水素電池、ニッケルカドミウム電池、またはリチウム系電池(例えば、リチウムコバルト電池、リン酸鉄リチウム電池、チタン酸リチウム、もしくはリチウムポリマー電池)であってもよい。代替として、電源は、コンデンサなどの別の形態の電荷蓄積装置であってもよい。電源は再充電を必要とする場合があり、また一回以上の使用体験のために十分なエネルギーの貯蔵を可能にする容量を有してもよい。例えば、電源は約6分間、または6分の倍数の時間にわたってエアロゾルを連続的に発生するのに十分な容量を有してもよい。別の実施例において、電源は所定の吸煙回数、または加熱装置の不連続的な起動を提供するのに十分な容量を有してもよい。
【0025】
本明細書で使用される「エアロゾル発生装置」は、エアロゾル形成基体と相互作用してエアロゾルを発生する装置に関する。エアロゾル形成基体は、エアロゾル発生物品の一部、例えば喫煙物品の一部であってもよい。エアロゾル発生装置は、エアロゾル発生物品のエアロゾル形成基体と相互作用してユーザーの口を通してユーザーの肺の中に直接吸入可能なエアロゾルを発生する喫煙装置であってもよい。エアロゾル発生装置はホルダーであってもよい。この装置は電気加熱式の喫煙装置であってもよい。エアロゾル発生装置は、ハウジングと、電気回路と、電源と、加熱チャンバーと、加熱装置とを備えてもよい。
【0026】
本明細書で使用される「エアロゾル発生物品」という用語は、エアロゾルを形成することができる揮発性化合物を放出する能力を有するエアロゾル形成基体を含む物品を指す。例えば、エアロゾル発生物品は、ユーザーの口を通ってユーザーの肺の中に直接吸入可能なエアロゾルを発生する喫煙物品であってもよい。エアロゾル発生物品は使い捨てであってもよい。
【0027】
誘導加熱装置は誘導コイルおよびサセプタを備える。概して、サセプタは、交番磁場によって貫通された時に熱を発生する能力を有する材料である。交番磁場に位置する時。サセプタが導電性である場合、典型的に渦電流は交番磁場によって誘発される。サセプタが磁性である場合、典型的に加熱に寄与する別の効果は一般的に、ヒステリシス損失と呼ばれる。ヒステリシス損失は主に、サセプタ内の磁区ブロックの移動によって生じ、この理由は、これらの磁気的な向きが磁気誘導磁場と整列し、これが交互に起こるためである。ヒステリシス損失に寄与する別の効果は、磁区がサセプタ内で拡大または縮小する時である。一般的に、サセプタ内でナノスケール以下で起こるこれらのすべての変化は、サセプタ内で熱を生成するため、「ヒステリシス損失」と呼ばれる。よって、サセプタが磁性と導電性の両方である場合、ヒステリシス損失と渦電流の発生の両方はサセプタの加熱に寄与することになる。サセプタが磁性であるが導電性ではない場合、ヒステリシス損失は、交番磁場によって貫通された時にサセプタを加熱する唯一の手段であるであろう。本発明によると、サセプタは導電性、または磁性、または導電性と磁性の両方であってもよい。一つまたは幾つかの誘導コイルによって発生された交番磁場は、サセプタを加熱し、これは次に、エアロゾルが形成されるように、熱をエアロゾル形成基体に伝達する。熱伝達は主に、熱の伝導によってもよい。こうした熱伝達は、サセプタがエアロゾル形成基体と密接な熱的接触状態にある場合に、最も良好である。
【0028】
サセプタは空洞内に、または空洞を包囲して配設されてもよい。サセプタはピン形状であってもよい。サセプタはブレード形状であってもよい。サセプタは、ピン形状またはブレード形状である場合、エアロゾル発生装置の空洞内に中央に配設されていることが好ましい。エアロゾル発生物品がエアロゾル発生装置の空洞の中に挿入されている場合、サセプタは次に、エアロゾル発生物品のエアロゾル形成基体の中に貫通してもよい。
【0029】
別の方法として、または追加的に、サセプタは、エアロゾル発生装置の空洞を少なくとも部分的に包囲して配設されてもよい。サセプタは、エアロゾル発生装置の空洞を完全に包囲してもよい。こうしたサセプタ装置の内径は、空洞内に受容されるエアロゾル発生物品の外径に対応してもよく、またはそれよりもわずかに小さくてもよい。エアロゾル発生物品が空洞の中に挿入されている場合、エアロゾル発生物品の外周はサセプタに接触してもよい。その結果として、サセプタはエアロゾル発生物品を空洞内に保持してもよい。サセプタは空洞の内壁を形成してもよい。
【0030】
本発明は、本明細書に記載の通りのエアロゾル発生装置と、エアロゾル形成基体を含むエアロゾル発生物品とを備えるシステムにさらに関する場合がある。
【0031】
本発明はエアロゾル発生装置の加熱装置を加熱するための方法にさらに関し、方法は、
本明細書に記載の通りのエアロゾル発生装置を提供する工程と、
第一の接点と第三の接点の間でのみ所定の時間にわたり交流電流を供給する工程と、
第一の接点と第三の接点の間でのみ交流電流を供給している間に、第三の接点を移動する工程と、
第二の接点と第三の接点の間でのみ所定の時間にわたり交流電流を供給する工程と、を含む。
【0032】
第三の接点の移動中に、第三の接点は第二の接点の方向に移動されてもよい。第三の接点は、エアロゾル発生装置の一つの動作サイクル中に、第二の接点の方向に一方向にのみ移動可能であるように構成されてもよい。第二の接点に向かう移動方向は、遠位方向であってもよい。
【0033】
本発明は、本明細書に記載の通りのエアロゾル発生装置の、本明細書に記載の通りの加熱装置のためのサセプタにさらに関する。サセプタはセラミック基体を含む。サセプタは、サセプタ材料を含む複数の金属ストリップをさらに含む。金属ストリップはセラミック基体上に配設されている。金属ストリップは互いに電気的に絶縁されている。
【0034】
本発明は、エアロゾル発生装置の加熱装置のためのサセプタにさらに関する場合がある。サセプタはセラミック基体を含んでもよい。サセプタは、サセプタ材料を含む複数の金属ストリップをさらに含んでもよい。金属ストリップはセラミック基体上に配設されてもよい。金属ストリップは互いに電気的に絶縁されてもよい。
【0035】
複数の独立した金属ストリップを提供することは、最適な誘導加熱をもたらす。これに関して、加熱装置および移動可能な第三の接点の動作に関して上述した通りの異なる加熱ゾーンは、サセプタがその長軸方向長さ全体にわたり均一に加熱されないことを必要としうる。特に、第三の加熱ゾーンに対応する誘導コイルの長軸方向長さは、サセプタの長軸方向長さに対応してもよい。しかしながら、第一の加熱ゾーンの長軸方向長さおよび第二の加熱ゾーンの長軸方向長さは、サセプタの長さよりも小さくてもよい。金属ストリップを提供することによって、サセプタは、動作されるそれぞれの加熱ゾーンに配設された金属ストリップの領域においてのみ、または主にその領域において加熱される。誘導コイルの動作部分の交番磁場にさらされないか、またそれほどさらされない隣接領域において、隣接する金属ストリップは誘導的に加熱されないか、またはそれほど誘導的に加熱されない。
【0036】
金属ストリップ間の電気絶縁に加えて、金属ストリップはまた、互いに断熱されてもよい。金属ストリップの間に、絶縁ホイルまたは絶縁層が提供されてもよい。
【0037】
サセプタは空洞内に、または空洞を包囲して配設されてもよい。サセプタのセラミック基体はピン形状であってもよい。サセプタのセラミック基体はブレード形状であってもよい。サセプタは、ピン形状またはブレード形状である場合、エアロゾル発生装置の空洞内に中央に配設されていることが好ましい。エアロゾル発生物品がエアロゾル発生装置の空洞の中に挿入されている場合、サセプタは次に、エアロゾル発生物品のエアロゾル形成基体の中に貫通してもよい。
【0038】
サセプタの外表面上に、保護層、好ましくはガラスから作製された保護層が提供されてもよい。
【0039】
金属ストリップは細長くてもよい。金属ストリップは、セラミック基体の周りに接線方向に巻かれてもよい。一つの金属ストリップ、好ましくは大半の金属ストリップ、より好ましくは各金属ストリップは、セラミック基体の周りに接線方向に巻かれて配設されてもよい。
【0040】
金属ストリップは中空円筒形状を有してもよい。金属ストリップは、誘導コイルの交番磁場内で加熱されるのに適するように構成されてもよい。言い換えれば、金属ストリップは、誘導加熱に適した材料から作製されている。
【0041】
金属ストリップは、サセプタの長軸方向軸に沿って隣り合って配設されてもよい。
【0042】
一つの金属ストリップ、好ましくは金属ストリップの大部分、より好ましくは各金属ストリップは、サセプタの長軸方向長さの最大20%、好ましくは最大10%、より好ましくは最大5%でありうる幅を有する。
【0043】
一実施形態に関して説明される特徴は、本発明の他の実施形態にも等しく適用されてもよい。
【0044】
以下に非限定的な実施例の非網羅的なリストを提供している。これらの実施例の特徴のうちの任意の一つ以上は、本明細書に記載の別の実施例、実施形態、または態様の任意の一つ以上の特徴と組み合わされてもよい。
【0045】
エアロゾル発生装置であって、
加熱装置であって、誘導コイル、第一の接点、第二の接点および第三の接点を備える加熱装置と、
コントローラと、を備え、
第一の接点が誘導コイルの近位端に接触して配設されていて、第二の接点が誘導コイルの遠位端に接触して配設されていて、第三の接点が第一の接点と第二の接点の間に誘導コイルに接触して配設されていて、第一、第二および第三の接点がコントローラに電気的に接続されていて、コントローラが第一、第二および第三の接点の対のみの間の交流電流の供給を制御するように構成されていて、第一の接点および第二の接点が固定接点であり、第三の接点が移動可能な接点として構成されている、エアロゾル発生装置。
【0046】
[実施例A]
エアロゾル発生装置が、エアロゾル形成基体を含むエアロゾル発生物品を受容するための空洞をさらに備え、加熱装置の誘導コイルが空洞を少なくとも部分的に包囲して配設されている、実施例Aに記載のエアロゾル発生装置。
【0047】
[実施例B]
第一の接点と第三の接点の間に誘導コイルの一部分によって包囲された空洞の空間が第一の加熱ゾーンであり、第二の接点と第三の接点の間に誘導コイルの一部分によって包囲された空洞の空間が第二の加熱ゾーンであり、第一の接点と第二の接点の間に誘導コイルによって包囲された空洞の空間が第一の加熱ゾーンおよび第二の加熱ゾーンを備える、実施例Bに記載のエアロゾル発生装置。
【0048】
[実施例C]
第一の加熱ゾーンを包囲する誘導コイルの一部分が第一の加熱ゾーン内に交番磁場を生成するように、コントローラが第一の接点と第三の接点の間の交流電流の供給を制御するように構成されている、実施例Cに記載のエアロゾル発生装置。
【0049】
[実施例D]
第二の加熱ゾーンを包囲する誘導コイルの一部分が第二の加熱ゾーン内に交番磁場を生成するように、コントローラが第二の接点と第三の接点の間の交流電流の供給を制御するように構成されている、実施例Cまたは実施例Dに記載のエアロゾル発生装置。
【0050】
[実施例E]
第一の加熱ゾーンと第二の加熱ゾーンの両方を包囲する誘導コイルが、第一の加熱ゾーンと第二の加熱ゾーンの両方において交番磁場を生成するように、コントローラが第一の接点と第二の接点の間の交流電流の供給を制御するように構成されている、実施例C~Eのいずれかに記載のエアロゾル発生装置。
【0051】
[実施例F]
コントローラが、第一、第二および第三の接点の第一の対の間の交流電流の供給を第一の所定の時間にわたって制御するように、かつ第一、第二および第三の接点の異なる第二の対の間の交流電流の供給を第二の所定の時間にわたって制御するように構成されている、実施例A~Fのいずれかに記載のエアロゾル発生装置。
【0052】
[実施例G]
エアロゾル発生装置が、移動可能な第三の接点を移動するためのモーターを備える、実施例A~Gのいずれかに記載のエアロゾル発生装置。
【0053】
[実施例H]
エアロゾル発生装置が、移動可能な第三の接点をユーザーが手動で移動することを可能にするように構成されたアクチュエータを備える、実施例A~Hのいずれかに記載のエアロゾル発生装置。
【0054】
[実施例I]
誘導コイルがらせんコイルであり、移動可能な第三の接点が誘導コイルに沿って軸方向に移動するように構成されている、実施例A~Iのいずれかに記載のエアロゾル発生装置。
【0055】
[実施例J]
第三の接点が、移動可能な第三の接点の移動後に、誘導コイルの効果的な動作の長さを修正するように構成されている、実施例Jに記載のエアロゾル発生装置。
【0056】
[実施例K]
コントローラが、移動可能な第三の接点の移動を操作するように構成されている、実施例A~Kのいずれかに記載のエアロゾル発生装置。
【0057】
[実施例L]
移動可能な第三の接点が摺動接点として構成されている、実施例A~Lのいずれかに記載のエアロゾル発生装置。
【0058】
[実施例M]
エアロゾル発生装置が、コントローラの動作をユーザーが制御することを可能にする通信インターフェースを備える、実施例A~Mのいずれかに記載のエアロゾル発生装置。
【0059】
[実施例N]
加熱装置およびコントローラを備えるエアロゾル発生装置の加熱装置を加熱する方法であって、加熱装置およびコントローラを備え、加熱装置が誘導コイルと、固定された第一の接点と、固定された第二の接点と、移動可能な第三の接点とを備え、第一の接点が誘導コイルの近位端に接触して配設されていて、第二の接点が誘導コイルの遠位端に接触して配設されていて、第三の接点が第一の接点と第二の接点の間に誘導コイルに接触して配設されていて、第一、第二および第三の接点がコントローラに電気的に接続されていて、コントローラが第一、第二および第三の接点の対のみの間の交流電流の供給を制御するように構成されていて、方法が、
第一の接点と第三の接点の間でのみ交流電流を所定の時間にわたり供給する工程と、次に、
第一の接点と第三の接点の間でのみ交流電流を供給している間に、第三の接点を移動する工程と、次に、
第一の接点と第二の接点の間でのみ交流電流を所定の時間にわたり供給する工程と、を含む。
【0060】
[実施例O]
第三の接点の移動中に、第三の接点が第二の接点の方向に移動される、実施例Oに記載の方法。
【0061】
[実施例P]
エアロゾル発生装置の加熱装置のためのサセプタであって、
セラミック基体と、
サセプタ材料を含む複数の金属ストリップとを含み、
金属ストリップがセラミック基体上に配設されていて、金属ストリップが互いに電気的に絶縁されている、サセプタ。
【0062】
[実施例Q]
金属ストリップが細長い、実施例Qに記載のサセプタ。
【0063】
[実施例R]
金属ストリップがサセプタの長軸方向軸に沿って隣り合って配設されている、実施例Qまたは実施例Rのいずれかに記載のサセプタ。
【0064】
[実施例S]
一つの金属ストリップ、好ましくは大半の金属ストリップ、より好ましくは各金属ストリップが、セラミック基体の周りに接線方向に巻かれている、実施例Q~Sのいずれかに記載のサセプタ。
【0065】
[実施例T]
一つの金属ストリップ、好ましくは大半の金属ストリップ、より好ましくは各金属ストリップが、サセプタの長軸方向長さの最大で20%、好ましくは最大で10%、より好ましくは最大で5%の幅を有する、実施例Q~Tのいずれかに記載のサセプタ。
【0066】
[実施例U]
サセプタがピン形状またはブレード形状である、実施例Q~Uのいずれかに記載のサセプタ。
【0067】
[実施例V]
サセプタが管状である、実施例Q~Vのいずれかに記載のサセプタ。
【0068】
例証としてのみであるが、以下の添付図面を参照しながら本発明をさらに説明する。
【図面の簡単な説明】
【0069】
図1図1は、本発明によるエアロゾル発生装置の加熱装置の第一、第二、第三の接点および誘導コイルを示す。
図2図2は、エアロゾル発生装置を示す。
図3図3は、エアロゾル発生装置のさらなる一実施形態を示す。
図4図4は、加熱装置で使用されるサセプタを示す。
【発明を実施するための形態】
【0070】
図1は、エアロゾル発生装置の加熱装置の部品を示す。加熱装置は誘導コイルを備える。誘導コイル10は、サセプタを加熱するための交番磁場を発生するように構成されている。サセプタは、誘導コイル10によって包囲されていて、図1に示されていない。誘導コイル10は、交流電流が誘導コイルに供給されることができるように、電気的に接触している。エネルギーはAC電流の形態で供給される。
【0071】
第一の接点12は誘導コイルの近位端14で誘導コイル10に接触するように提供および配設されている。第二の接点16は誘導コイル10の遠位端18で誘導コイル10に接触するように提供および配設されている。第三の接点20は第一の接点12と第二の接点16の間に誘導コイル10に接触するように提供および配設されている。第一の接点12および第二の接点16は固定接点である。これらの接点は移動せず、例示的にはんだ付けによって誘導コイル10に固定されている。第三の接点20は移動可能な接点として構成されている。第三の接点20は、誘導コイルの長軸方向軸に平行な軸方向に移動するように構成されている。第三の接点20は摺動接点として構成されている。第三の接点20は、誘導コイルへの電気接点を生成するように構成されている。
【0072】
図1の上部の図1Aは、加熱装置を操作するためのオプションの第一のオプションを示す。交流電流は一対の接点の間でのみ供給される。概して、交流電流は、第一の接点12と第二の接点16と第三の接点との対の間に供給される。図1Aに示す実施例において、交流電流は第二の接点16と第三の接点の間に供給される。第二の接点16と第三の接点20の間の誘導コイル10によって包囲された領域は、第二の加熱ゾーン24と呼ばれる。第一の接点12と第三の接点20の間の誘導コイル10によって包囲された領域は、第一の加熱ゾーン22と呼ばれる。第一の接点12と第二の接点16の間の誘導コイル10によって包囲された領域は、第三の加熱ゾーン26と呼ばれる。図1Aに示す例において、交流電流が第二の接点16と第三の接点の間でのみ供給されるため、第二の加熱ゾーン24のみが動作される。この動作モードは、エアロゾル発生装置の動作サイクル中の任意の時点で選択されてもよい。エアロゾル発生装置の動作サイクルは、エアロゾル形成物品のエアロゾル形成基体を枯渇させるプロセスを示しうる。
【0073】
図1の下部の図1Bは、加熱装置を操作するための第二のオプションを示す。図1Aと対照的に、第一の接点12と第三の接点20の間に交流電流が供給され、第一の加熱ゾーン22を加熱する。
【0074】
図2はエアロゾル発生装置を示す。エアロゾル発生装置は、エアロゾル形成基体を含むエアロゾル発生物品28を受容するための空洞30を備える。加熱装置、特に加熱装置の誘導コイル10は、空洞30を包囲して配設されている。第三の接点20は摺動装置32上に据え付けられている。摺動装置32によって、第三の接点20は移動可能になっている。移動可能な接点が誘導コイルへの異なる軸方向の電気接点を確立できるように、第三の接点20の移動は、誘導コイル10の長軸方向軸に平行な方向で可能にされている。
【0075】
図2はコントローラ34をさらに示す。コントローラ34は、摺動装置32を介して第三の接点20と電気的に接続されている。コントローラ34は第一の接点12と電気的に接続されている。コントローラ34は第二の接点16と電気的に接続されている。コントローラ34は、第一の接点12、第二の接点16および第三の接点を介して、電池36の形態の電源装置から誘導コイル10への交流電流の供給を制御するように構成されている。コントローラ34は、第一の接点12と第二の接点16と第三の接点との対にのみ交流電流を供給するように構成されている。
【0076】
コントローラ34は、摺動装置32の動作を制御するようにさらに構成されている。コントローラ34は、摺動装置32を介して第三の接点20の移動を制御するように構成されている。エアロゾル発生装置は、摺動装置32を移動するためのモーターをさらに備えてもよい。コントローラ34は、モーターの動作を制御するように構成されている。別の方法として、エアロゾル発生装置は、ユーザーが摺動装置32を移動できるように、手動アクチュエータを備えてもよい。
【0077】
図3は、複数の加熱装置が提供されているさらなる一実施形態を示す。加熱装置は、エアロゾル発生装置の長軸方向軸に平行に並んで配設されている。各加熱装置は、図1および2に関連して記載された加熱装置として構成されている。結果として、複数の誘導コイル10.1、10.2、10.3が提供されていて、複数の第三の接点20.1、20.2、20.3が提供されている。図3に示す実施形態において、第三の接点20.1、20.2、20.3のすべては、同じ摺動装置32上に据え付けられている。それ故に、これらの第三の接点20.1、20.2、20.3のすべては同時に移動される。それぞれの加熱装置の加熱ゾーンのサイズは結果として、同一の様式で変化されている。別の方法として、第三の接点20.1、20.2、20.3のうちの一つ以上は、別個の摺動装置32上に別々に取り付けて、加熱装置の加熱ゾーンの別個の調整を可能にしてもよい。コントローラ34は、同じ方法で同時に、すべての加熱装置の接点の対の間の交流電流の供給を制御するように構成されてもよい。別の方法として、コントローラ34は、所望に応じて、別個の加熱装置の接点の対の間の交流電流の供給を制御するように構成されてもよい。例示的に、コントローラ34は、交流電流を加熱装置のうちの一つにのみ供給し、および他の加熱装置に、または一部の加熱装置に供給しなくてもよく、および他の加熱装置に供給しなくてもよい。
【0078】
図4は、加熱装置で使用できるサセプタ38を示す。サセプタ38はセラミック基体40を含む。サセプタ38のセラミック基体40はピン形状である。サセプタ38は、エアロゾル発生装置の長軸方向軸に沿って中央に配設されることができ、エアロゾル発生物品28が空洞30の中に挿入されている時に、エアロゾル発生物品28の中に貫通するために構成されている。セラミック基体40は金属ストリップ42で接線方向に巻かれている。金属ストリップ42は、誘導加熱に適した材料から作製されている。サセプタ38は、異なる加熱ゾーン22、24、26との動作のために最適化されている。各加熱ゾーン22、24、26は、複数の金属ストリップ42を覆うことになることが好ましい。金属ストリップ42は互いに電気的に分離されているように構成されているため、加熱ゾーン22、24、26が動作されている時、加熱ゾーン22、24、26内の金属ストリップ42のみが、主に金属ストリップ42が加熱されることになる。金属ストリップ42はまた、絶縁ホイルまたは絶縁層によって互いに断熱されてもよい。
【0079】
図4に示すサセプタ38の代わりに、管状金属サセプタが用いられることが好ましい。管状サセプタは中空であり、エアロゾル発生物品28が管状サセプタの中に挿入されることができる、かつ管状サセプタ内に保持されることができる形状を有する。管状サセプタは空洞30の内壁を形成してもよい。
図1A-1B】
図2
図3
図4