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特許7522228ガス排出部が形成されている二次電池用電極リード及びそれを含む二次電池
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-16
(45)【発行日】2024-07-24
(54)【発明の名称】ガス排出部が形成されている二次電池用電極リード及びそれを含む二次電池
(51)【国際特許分類】
   H01M 50/35 20210101AFI20240717BHJP
   H01M 50/533 20210101ALI20240717BHJP
   H01M 50/534 20210101ALI20240717BHJP
   H01M 50/553 20210101ALI20240717BHJP
   H01M 50/562 20210101ALI20240717BHJP
   H01M 50/184 20210101ALI20240717BHJP
   H01M 50/191 20210101ALI20240717BHJP
   H01M 50/145 20210101ALI20240717BHJP
   H01M 50/198 20210101ALI20240717BHJP
【FI】
H01M50/35 101
H01M50/533
H01M50/534
H01M50/553
H01M50/562
H01M50/184 C
H01M50/191
H01M50/145
H01M50/198
【請求項の数】 21
(21)【出願番号】P 2022568931
(86)(22)【出願日】2021-12-23
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-06-15
(86)【国際出願番号】 KR2021019781
(87)【国際公開番号】W WO2022145884
(87)【国際公開日】2022-07-07
【審査請求日】2022-11-11
(31)【優先権主張番号】10-2020-0184482
(32)【優先日】2020-12-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2021-0148398
(32)【優先日】2021-11-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】521065355
【氏名又は名称】エルジー エナジー ソリューション リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100188558
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】フン-ヒ・イム
(72)【発明者】
【氏名】サン-フン・キム
(72)【発明者】
【氏名】ミン-ヒョン・カン
(72)【発明者】
【氏名】ヒュン-キュン・ユ
(72)【発明者】
【氏名】ス-ジ・ファン
【審査官】前田 寛之
(56)【参考文献】
【文献】特表2016-532991(JP,A)
【文献】特開2001-229904(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M50/30-50/392
H01M50/50-50/598
H01M50/10-50/198
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
二次電池用電極リードであって、
前記電極リードは、金属基材と、前記金属基材の表面に形成されたコーティング層と、
を含み、
前記電極リードの上面及び下面のうち少なくとも一面には、未接着物質で表面処理されているか、または前記コーティング層が除去された構造のガス排出部が形成されており、
前記未接着物質は、前記電極リードの周囲に配設された絶縁フィルムと接着されない物質であり、前記コーティング層上にコーティングされる、
二次電池用電極リード。
【請求項2】
前記コーティング層の厚さは、0.1~5μmである、請求項1に記載の二次電池用電極リード。
【請求項3】
前記ガス排出部は、物理的または化学的エッチング方法によって、前記コーティング層が厚さ方向に一部または全部が除去された構造である、請求項1または2に記載の二次電池用電極リード。
【請求項4】
前記ガス排出部は、前記コーティング層が厚さ方向にコーティング層の全体厚さの50~100%除去された構造である、請求項3に記載の二次電池用電極リード。
【請求項5】
前記ガス排出部は、ポリイミド系物質、フッ素系物質、及びポリメチルペンテンからなる群から選択される1種以上の未接着物質がコーティングされている構造である、請求項1から4のいずれか一項に記載の二次電池用電極リード。
【請求項6】
前記フッ素系物質が、ポリテトラフルオロエチレン、及びフッ化ポリビニリデンからなる群から選択される1種以上を含む、請求項5に記載の二次電池用電極リード。
【請求項7】
前記未接着物質は、30nm~10μmの厚さにコーティングされている、請求項1から6のいずれか一項に記載の二次電池用電極リード。
【請求項8】
前記ガス排出部は、その平面上の形状が円状、楕円状、または多角状である、請求項1から7のいずれか一項に記載の二次電池用電極リード。
【請求項9】
前記ガス排出部は、前記電極リード全体面積について10~70%の面積で形成されている、請求項1から8のいずれか一項に記載の二次電池用電極リード。
【請求項10】
前記金属基材は、ニッケル(Ni)、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、及びステンレススチールからなる群から選択される1種以上を含む、請求項1から9のいずれか一項に記載の二次電池用電極リード。
【請求項11】
前記コーティング層は、クロム(Cr)、ニッケル(Ni)、鉄(Fe)、モリブデン(Mo)、シリコン(Si)、チタン(Ti)、コロンビウム(Cb)、シリコン酸化物、錫酸化物、及びチタン酸化物からなる群から選択される1種以上を含む、請求項1から10のいずれか一項に記載の二次電池用電極リード。
【請求項12】
正極、負極、及び前記正極と負極との間に介在される分離膜を含む電極組立体が、電解液と共に電池ケースに内蔵されており、
前記正極は、正極タブを含み、前記負極は、負極タブを含み、
前記正極タブは、正極リードに電気的に連結されており、前記負極タブは、負極リードに電気的に連結されており、前記正極リードと前記負極リードは、前記電池ケースの密封部を通じて外部に露出されており、
前記正極リードと前記負極リードが、前記電池ケースの密封部と接触する部位には、絶縁フィルムが付着されており、
前記正極リード及び前記負極リードのうち少なくとも1つの電極リードは、金属基材と、前記金属基材の表面に形成されたコーティング層と、を含み、前記電極リードの上面及び下面のうち少なくとも一面には、未接着物質で表面処理されているか、または前記コーティング層が除去された構造のガス排出部が絶縁フィルムが付着される部位内に形成されており、
前記未接着物質は、前記電極リードの周囲に配設された絶縁フィルムと接着されない物質であり、前記コーティング層上にコーティングされる、二次電池。
【請求項13】
前記コーティング層の厚さは、0.1~5μmである、請求項12に記載の二次電池。
【請求項14】
前記ガス排出部は、物理的または化学的エッチング方法によって、前記コーティング層が厚さ方向に一部または全部が除去された構造である、請求項12または13に記載の二次電池。
【請求項15】
前記ガス排出部は、前記コーティング層が厚さ方向にコーティング層の全体厚さの50~100%除去された構造である、請求項14に記載の二次電池。
【請求項16】
前記ガス排出部は、ポリイミド系物質、フッ素系物質、及びポリメチルペンテンからなる群から選択される1種以上の未接着物質がコーティングされている構造である、請求項12から15のいずれか一項に記載の二次電池。
【請求項17】
前記フッ素系物質が、ポリテトラフルオロエチレン、及びフッ化ポリビニリデンからなる群から選択される1種以上の物質を含む、請求項16に記載の二次電池。
【請求項18】
前記未接着物質は、30nm~10μmの厚さにコーティングされている、請求項12から17のいずれか一項に記載の二次電池。
【請求項19】
前記ガス排出部は、その平面上の形状が円状、楕円状、または多角状である、請求項12から18のいずれか一項に記載の二次電池。
【請求項20】
前記ガス排出部は、前記電極リードと前記絶縁フィルムとが接触する全体面積について20~90%の面積で形成されている、請求項12から19のいずれか一項に記載の二次電池。
【請求項21】
前記ガス排出部と前記絶縁フィルムとの接着強度は、前記ガス排出部を除いた電極リードと前記絶縁フィルムとの接着強度の20~80%である、請求項12から20のいずれか一項に記載の二次電池。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2020年12月28日付の大韓民国特許出願第10-2020-0184482号及び2021年11月2日付の大韓民国特許出願第10-2021-0148398号に基づいた優先権を主張する。
【0002】
本発明は、ガス排出部が形成されている二次電池用電極リード及びそれを含む二次電池に関する。
【背景技術】
【0003】
化石燃料の使用の急増によって代替エネルギーや清浄エネルギーの使用に対する要求が増加しており、その一環として最も活発に研究されている分野が電気化学を利用した発電、蓄電分野である。
【0004】
現在、このような電気化学的エネルギーを利用する電気化学素子の代表的な例として二次電池が挙げられ、さらにその使用領域が拡大しつつある趨勢である。
【0005】
最近、携帯用コンピュータ、携帯用電話機、カメラなどの携帯用機器に対する技術開発と需要とが増加するにつれて、エネルギー源として二次電池の需要が急増しており、このような二次電池の中から、高い充放電特性と寿命特性とを示し、環境にやさしいリチウム二次電池について多くの研究が行われ、また、商用化されて広く使われている。
【0006】
しかし、このように、リチウム二次電池の使用範囲が拡大されながら、エネルギー密度の増加要求があり、これにより、二次電池のエネルギー密度を高めることにより、二次電池の内部で発生するガス量が増加している。
【0007】
しかも、二次電池の内部に水分が浸入する場合、副反応が発生し、これにより、二次電池の性能の低下とガス発生とがさらに加速化される問題がある。
【0008】
これにより、二次電池の内部で発生したガスを外部に送るように二次電池にガス排出部を形成して安全性の問題を解決しているが、二次電池がベントされれば、二次電池の寿命が格段に減るので、このような問題を解決することができる技術の開発が切実な実情である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、前記のような従来技術の問題点と過去から要請されてきた技術的課題とを解決することを目的とする。
【0010】
具体的には、本発明の目的は、ガス排出通路を効率的に構造化して二次電池の安全性が向上する二次電池用電極リード及びそれを含む二次電池を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
前記課題を解決するために、本発明の一側面によれば、下記の具現例の電極リードが提供される。
【0012】
第1具現例は、金属基材と、前記金属基材の表面に形成されたコーティング層と、を含み、前記電極リードの上面及び下面のうち少なくとも一面には、未接着物質で表面処理されているか、または前記コーティング層が除去された構造のガス排出部が形成されている二次電池用電極リードに関するものである。
【0013】
第2具現例は、第1具現例において、前記コーティング層の厚さは、0.1~5μmである。
【0014】
第3具現例は、第1具現例または第2具現例において、前記ガス排出部は、物理的または化学的エッチング方法によって、前記コーティング層が厚さ方向に一部または全部が除去された構造である。
【0015】
第4具現例は、第3具現例において、前記ガス排出部は、前記コーティング層が厚さ方向にコーティング層の全体厚さの50~100%除去された構造である。
【0016】
第5具現例は、第1具現例ないし第4具現例のうち何れかの一具現例において、前記ガス排出部は、ポリイミド系物質、フッ素系物質、及びポリメチルペンテンからなる群から選択される1種以上の未接着物質がコーティングされている構造である。
【0017】
第6具現例は、第5具現例において、前記フッ素系物質が、ポリテトラフルオロエチレン、及びフッ化ポリビニリデン系物質からなる群から選択される1種以上を含み得る。
【0018】
第7具現例は、第1具現例ないし第6具現例のうち何れかの一具現例において、前記未接着物質は、30nm~10μmの厚さにコーティングされている。
【0019】
第8具現例は、第1具現例ないし第7具現例のうち何れかの一具現例において、前記ガス排出部は、その平面上の形状が円状、楕円状、または多角状である。
【0020】
第9具現例は、第1具現例ないし第8具現例のうち何れかの一具現例において、前記電極リード全体面積について10~70%の面積で形成されている。
【0021】
第10具現例は、第1具現例ないし第9具現例のうち何れかの一具現例において、前記金属基材は、ニッケル(Ni)、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、及びステンレススチールからなる群から選択される1種以上を含み得る。
【0022】
第11具現例は、第1具現例ないし第10具現例のうち何れかの一具現例において、前記コーティング層は、クロム(Cr)、ニッケル(Ni)、鉄(Fe)、モリブデン(Mo)、シリコン(Si)、チタン(Ti)、コロンビウム(Cb)、シリコン酸化物、錫酸化物、及びチタン酸化物からなる群から選択される1種以上を含み得る。
【0023】
前記課題を解決するために、本発明の一側面によれば、下記の具現例の二次電池が提供される。
【0024】
第12具現例は、正極、負極、及び前記正極と負極との間に介在される分離膜を含む電極組立体が、電解液と共に電池ケースに内蔵されており、前記正極は、正極タブを含み、前記負極は、負極タブを含み、前記正極タブは、正極リードに電気的に連結されており、前記負極タブは、負極リードに電気的に連結されており、前記正極リードと前記負極リードは、前記電池ケースの密封部を通じて外部に露出されており、前記正極リードと前記負極リードが、前記電池ケースの密封部と接触する部位には、絶縁フィルムが付着されており、前記正極リード及び前記負極リードのうち少なくとも1つの電極リードは、金属基材と、前記金属基材の表面に形成されたコーティング層と、を含み、前記電極リードの上面及び下面のうち少なくとも一面には、未接着物質で表面処理されているか、または前記コーティング層が除去された構造のガス排出部が絶縁フィルムが付着される部位内に形成されている二次電池に関するものである。
【0025】
第13具現例は、第12具現例において、前記コーティング層の厚さは、0.1~5μmである。
【0026】
第14具現例は、第12具現例または第13具現例において、前記ガス排出部は、物理的または化学的エッチング方法によって、前記コーティング層が厚さ方向に一部または全部が除去された構造である。
【0027】
第15具現例は、第14具現例において、前記ガス排出部は、前記コーティング層が厚さ方向にコーティング層の全体厚さの50~100%除去された構造である。
【0028】
第16具現例は、第12具現例ないし第15具現例のうち何れかの一具現例において、前記ガス排出部は、ポリイミド系物質、フッ素系物質、及びポリメチルペンテンからなる群から選択される1種以上の未接着物質がコーティングされている構造である。
【0029】
第17具現例は、第16具現例において、前記フッ素系物質が、ポリテトラフルオロエチレン、及びフッ化ポリビニリデン系物質からなる群から選択される1種以上の物質を含み得る。
【0030】
第18具現例は、第12具現例ないし第17具現例のうち何れかの一具現例において、前記未接着物質は、30nm~10μmの厚さにコーティングされている。
【0031】
第19具現例は、第12具現例ないし第18具現例のうち何れかの一具現例において、前記ガス排出部は、その平面上の形状が円状、楕円状、または多角状である。
【0032】
第20具現例は、第12具現例ないし第19具現例のうち何れかの一具現例において、前記電極リードと前記絶縁フィルムとが接触する全体面積について20~90%の面積で形成されている。
【0033】
第21具現例は、第12具現例ないし第20具現例のうち何れかの一具現例において、前記ガス排出部と前記絶縁フィルムとの接着強度は、前記ガス排出部を除いた電極リードと前記絶縁フィルムとの接着強度の20~80%である。
【発明の効果】
【0034】
前述したように、本発明の一実施例によれば、二次電池用電極リードにガス排出部を形成することにより、効用価値を高め得る。
【0035】
また、前記ガス排出部は、以後、前記電極リードと接着される絶縁フィルムに非接着面を提供する簡素化された方法で形成し得るので、非常に迅速かつ効率的な形成が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0036】
図1】本発明の一実施例による二次電池用電極リードの模式図である。
図2】本発明のさらに他の一実施例による電極リードを含む二次電池の模式図である。
図3】本発明のさらに他の一実施例による電極リードを示した図面である。
図4】本発明のさらに他の一実施例による前記電極リードを製造する方法の模式図である。
図5】本発明のさらに他の一実施例による前記電極リードを製造する方法の模式図である。
図6】本発明のさらに他の一実施例による前記電極リードを製造する方法の模式図である。
図7】本発明のさらに他の一実施例による前記電極リードを製造する方法の模式図である。
図8】実施例3による電極リードを示した図面である。
図9】本発明の実験例1による実施例1の正極リードと絶縁フィルムとの接着強度を示すグラフである。
図10】本発明の実験例1による実施例2の負極リードと絶縁フィルムとの接着強度を示すグラフである。
図11】本発明の実験例2による実施例1の正極リードと絶縁フィルムとの接着強度を示すグラフである。
図12】本発明の実験例2による実施例2の負極リードと絶縁フィルムとの接着強度を示すグラフである。
図13】本発明の実施例3のガス排出部の経時的なガス排出量を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0037】
以下、本発明に対する理解を助けるために、本発明をさらに詳細に説明する。
【0038】
本明細書及び特許請求の範囲に使われた用語や単語は、通常の、または辞書的な意味として限定して解釈されてはならず、発明者は、自分の発明を最善の方法で説明するために、用語の概念を適切に定義できるという原則を踏まえて、本発明の技術的思想に符合する意味と概念として解釈されなければならない。
【0039】
本明細書で使われる用語は、単に例示的な実施例を説明するために使われたものであって、本発明を限定しようとする意図ではない。単数の表現は、文脈上、取り立てて明示しない限り、複数の表現を含む。
【0040】
本明細書において、「含む」、「備える」または「有する」などの用語は、実施された特徴、数字、段階、構成要素またはこれらを組み合わせたものが存在するということを指定しようとするものであって、1つまたはそれ以上の他の特徴や数字、段階、構成要素、またはこれらを組み合わせたものの存在、または付加の可能性をあらかじめ排除しないものと理解しなければならない。
【0041】
本発明の一実施例によれば、二次電池用電極リードであって、前記電極リードは、金属基材と、前記金属基材の表面に形成されたコーティング層と、を含み、前記電極リードの上面及び下面のうち少なくとも一面には、未接着物質で表面処理されているか、または前記コーティング層が除去された構造のガス排出部が形成されている二次電池用電極リードが提供される。
【0042】
この際、前記コーティング層は、強酸などによって電極リードの腐蝕を防止すると共に、絶縁フィルムとの接着力の向上のためのコーティング層が形成されている。
【0043】
このような前記コーティング層の厚さは、0.1~5μmである。
【0044】
前記範囲を満足する時、二次電池の内部で発生する強酸によって電極リードの腐蝕を防止しながらも、電極リードの厚さが過度に厚くなることを防止することができるので、望ましい。
【0045】
一方、従来、二次電池の内部にガス発生時に、ガスを外部に排出させるための前記ガス排出部を形成する多様な方法が開発されてきた。例えば、パウチにノッチを形成したり、リード部の間に別途のガス排出部材を形成したりすることにより、内部で発生したガスを外部に排出させて二次電池の安全性を確保しようとした。
【0046】
しかし、前記方法は、ベント時に、二次電池をそれ以上使用することができず、二次電池の寿命が顕著に減少するか、別途の部材が必要となり、工程効率性及び価格競争力で優位を占めることができなかった。
【0047】
一方、本発明は、より簡素化された方法で二次電池用電極リード上にガス排出部を形成することにより、二次電池の安全性を確保しながらも、寿命を顕著に向上させ得る効果を発揮することができる。
【0048】
具体的には、前記電極リードの少なくとも一面に形成される前記ガス排出部は、非常に簡単であり、安価である工程を通じて形成し得る。
【0049】
例えば、前記ガス排出部は、物理的または化学的エッチング方法によって、前記コーティング層を厚さ方向に一部または全部除去することで形成することができ、この際、前記ガス排出部は、コーティング層が、厚さ方向にコーティング層の全体厚さの50~100%除去された構造である。
【0050】
前記コーティング層が除去された範囲が、前述した範囲を満足する場合、ベント効果を確保しつつも、電極リード自体に対する損傷をさらに容易に防止することができる。
【0051】
この際、前記物理的または化学的エッチング方法は、前記コーティング層を除去することができる方式であれば、限定されず、可能であり、例えば、ウルトラバイオレットオゾン(UVO)処理及び酸性溶液への暴露を通じた湿式エッチング方法、スパッタ(sputter)エッチング法、及びプラズマエッチング法(plasma etching)などで行われる。すなわち、前記電極リード上に形成するガス排出部の形状の開口を有するマスクを電極リード上に配置し、多様なエッチング方法によって、前記電極リードのコーティング層を除去することにより、ガス排出部を形成し得る。
【0052】
このような製造方法は、以下でさらに詳細に説明する。
【0053】
または、前記ガス排出部は、融点が220℃以上の高分子をコーティングすることで形成し得る。また、前記ガス排出部は、ガラス転移温度が100℃以上の高分子をコーティングすることで形成し得る。前記ガス排出部が、前述した範囲のガラス転移温度を有する高分子を使用する場合、後述する絶縁フィルムと電極リードとを付着する時、ガス排出部が形成されることがさらに容易である。
【0054】
前記融点は、示差走査熱量計(Differential scanning calorimeter;DSC)を用いて測定することができる。例えば、試料の温度を30℃から10℃/minで280℃まで増加させた後、280℃で10分間保持し、10℃/minで30℃まで冷却した後、30℃で10分間保持する。以後、30℃から10℃/minで280℃まで増加させた後、280℃で10分間保持して溶融ピークの温度を測定し、この際、DSC曲線の頂点を融点として測定することができる。
【0055】
前記ガラス転移温度は、示差走査熱量計(DSC)を用いて測定することができる。例えば、試料の温度を30℃から10℃/minで280℃まで増加させた後、280℃で10分間保持し、10℃/minで30℃まで冷却した後、30℃で10分間保持する。以後、30℃から10℃/minで280℃まで増加させた後、280℃で10分間保持する過程で得られるエンタルピー曲線の変曲点での接線と温度とを保持していた時の吸熱量の交点を測定して求め得る。
【0056】
本発明の一実施形態において、前記ガス排出部は、ポリイミド系物質、ポリテトラフルオロエチレン、フッ化ポリビニリデン系物質、及びポリメチルペンテンからなる群から選択される1種以上の未接着物質をコーティングすることで形成し得る。
【0057】
前記未接着物質は、以後、電極リード上に付着される絶縁フィルムと接着されない物質である。
【0058】
このような未接着物質のコーティングは、従来知られたコーティング方法であれば、限定されず、多様に使われ、例えば、スピンコーティング、ブレードコーティング、スプレーコーティング、インクジェットプリンティングの方法で行われ、この際、前記と類似して特定の形状のガス排出部を形成するために、前記ガス排出部の形状の開口を有するマスクを使用して行うことができる。または、ロール圧延方式によって転写する形態に形成しても良い。
【0059】
さらに詳しい製造方法は、以下で説明する。
【0060】
この際、前記未接着物質は、30nm~10μmの厚さにコーティングされている。
【0061】
前記未接着物質の厚さが、前述した範囲を満足する場合、工程上、難点がなく、かつ他の部分の密封がよく行われず、電解液の漏出のような問題の発生を防止することがさらに容易である。
【0062】
すなわち、前記ガス排出部は、以後、二次電池の製造時に、絶縁フィルムを電極リード上に付着する時、絶縁フィルムが電極リードに付着されない部位を形成する非常に簡単な方法で形成し得る。
【0063】
したがって、絶縁フィルムと付着されない部位を通じて二次電池の内部のガスが外部に排出されるようにする。
【0064】
このように、本発明による前記ガス排出部は、絶縁フィルムと付着性に優れる前記電極リードのコーティング層を除去するか、最初から絶縁フィルムと付着性を有さない物質をコーティングする非常に簡単であり、低価の工程で形成して、本願が意図した効果を発揮することができるので、工程及び経済的に非常に効率的である。
【0065】
この際、前記ガス排出部は、以後、絶縁フィルムが付着される面積を考慮して、前記電極リードの平面上の全体面積について10~70%の面積で形成され、詳細には、20~50%の面積で形成され得る。
【0066】
前記ガス排出部の面積が、前述した範囲を満足する場合、絶縁フィルム付着部位にガス排出部を形成しつつも、コーティング層が過渡に剥がされて電解液の漏出のような密封性などの問題を防止することがさらに容易である。
【0067】
一方、前記ガス排出部は、その平面上の形状は限定されず、円状、楕円状、または多角状に多様に形成され、但し、電解液の漏出のような問題が発生せずとも、ガスを効率的に排出することができるパターンで形成され得る。
【0068】
図1には、このような電極リード上のガス排出部101の形状の例を模式的に図示した。
【0069】
図1を参照すれば、図1(a)は、長方形、図1(b)は、楕円状、図1(c)は、凹凸状のような多角状、図1(d)は、三角状のガス排出部101を示している。
【0070】
但し、図面は、1つの例示であり、このような形状に限定されるものではない。
【0071】
一方、本発明による電極リードは、金属基材と前記金属基材上にコーティングされたコーティング層とを含む。
【0072】
この際、前記金属基材は、ニッケル(Ni)、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、及びステンレススチールからなる群から選択される1種以上を含み得る。さらに具体的には、前記電極リードが正極リードであるか、負極リードであるかによって望ましい金属基材の材質が異なり、例えば、正極リードである場合、アルミニウム、ニッケル、またはこれらのうち少なくとも1種以上が含まれた合金であり、負極リードである場合、銅、ニッケル、またはこれらのうち少なくとも1種以上が含まれた合金である。
【0073】
一方、本発明による電極リードは、前記のような金属基材上に二次電池に水分が浸入して電解液との反応によって発生する強酸などによる腐蝕を防止すると共に、絶縁フィルムとの接着力の向上のためのコーティング層が形成されている。この際、前記コーティング層は、金属または金属酸化物を含み、詳細には、クロム(Cr)、ニッケル(Ni)、鉄(Fe)、モリブデン(Mo)、シリコン(Si)、チタン(Ti)、コロンビウム(Cb)、シリコン酸化物、錫酸化物、及びチタン酸化物からなる群から選択される1種以上を含み得る。
【0074】
この際、前記コーティング層の厚さは、5μm以下であり、詳細には、0.1~5μm、さらに詳細には、0.1~0.5μm、最も詳細には、0.2~0.3μmである。
【0075】
前記範囲を満足する時、二次電池の内部で発生する強酸によって電極リードの腐蝕を防止しながらも、電極リードの厚さが過度に厚くなることを防止することがさらに容易である。
【0076】
また、前記コーティング層は、当該技術分野によく知られた方法を用いて形成され、特に限定されるものではないが、例えば、電気メッキなどによって形成され得る。
【0077】
本願のガス排出部は、このようなコーティング層を厚さ方向に一部または全部除去する形態に形成されるか、前記コーティング層上に未接着物質が表面処理される形態に形成されるものである。
【0078】
一方、本発明のさらに他の一実施例によれば、正極、負極、及び前記正極と負極との間に介在される分離膜を含む電極組立体が、電解液と共に電池ケースに内蔵されており、前記正極は、正極タブを含み、前記負極は、負極タブを含み、前記正極タブは、正極リードに電気的に連結されており、前記負極タブは、負極リードに電気的に連結されており、前記正極リードと前記負極リードは、前記電池ケースの密封部を通じて外部に露出されており、前記正極リードと前記負極リードが、前記電池ケースの密封部と接触する部位には、絶縁フィルムが付着されており、前記正極リード及び前記負極リードのうち少なくとも1つの電極リードは、金属基材と、前記金属基材の表面に形成されたコーティング層と、を含み、前記電極リードの上面及び下面のうち少なくとも一面には、未接着物質で表面処理されているか、または前記コーティング層が除去された構造のガス排出部が絶縁フィルムが付着される部位内に形成されている二次電池が提供される。
【0079】
このような二次電池の形態をより具体的に説明するために、図2には、本発明の一実施例による二次電池200が模式的に示されている。
【0080】
図2を参照すれば、正極、負極、及び前記正極と負極との間に介在される分離膜を含む電極組立体201が、電解液と共に電池ケース202に内蔵されており、前記正極は、正極タブ203を含み、前記負極は、負極タブ204を含み、正極タブ203は、正極リード110に電気的に連結されており、負極タブ204は、負極リード100に電気的に連結されており、正極リード110と負極リード100は、電池ケース202の密封部を通じて外部に露出されており、正極リード110と負極リード100が、電池ケース202の密封部と接触する部位には、絶縁フィルム205、206がそれぞれ付着されている構造からなっている。
【0081】
この際、負極リード100を拡大(A)して、その構造を検討すれば、負極リード100に絶縁フィルム206が付着される部位内の一部でガス排出部101が形成されていることを確認することができる。
【0082】
この際、ガス排出部101は、絶縁フィルム206と未接着されながらガス排出通路になるものである。
【0083】
図面に図示していないが、正極リード110にガス排出部が形成されてもよく、正極リード110と負極リード120のいずれにもガス排出部が形成されてもよい。
【0084】
一方、ガス排出部101は、電極リードと絶縁フィルムとが接触する面積を基準とする時、20~90%の面積、詳細には、30~80%の面積で形成され得る。
【0085】
ガス排出部101の面積が、前述した範囲を満足する場合、電極リードと絶縁フィルムとの密封性を確保する程度の面積を確保しつつも、ベント効果を確保することがさらに容易である。
【0086】
また、このようなガス排出部101の形成構造、形状、物質なども、前述した通りである。さらに、電極リードのその他の構成要素も、前述した通りである。
【0087】
図3には、本発明の他の実施例による電極リード100を示したものである。
【0088】
図3を参照すれば、電極リード100は、電池ケース202の密封部を通じて外部に露出されており、電極リード100が電池ケース202の密封部と接触する部位には、絶縁フィルム205が付着されている構造からなっている。この際、電極リード100の一部でガス排出部101が形成されていることを確認することができる。
【0089】
図3を参照すれば、前記ガス排出部101は、互いに連結されている第1ガス排出部101A及び第2ガス排出部101Bを含み、前記第1ガス排出部101Aは、前記電極リードの幅方向に沿って延びており、前記第2ガス排出部101Bは、前記電極リードの突出方向に沿って延びている。
【0090】
図3を参照すれば、前記第1ガス排出部101Aの長さは、前記電極リードの幅よりも小さい。
【0091】
また、図3を参照すれば、電極リードの突出方向を基準に、前記第2ガス排出部101Bの電池外側方向の一端が、前記電極リードと絶縁フィルムとが対応する部位の電池外側方向側の端部よりも電池内側方向に位置し得る。また、前記第2ガス排出部101Bの電池内側方向の他端が、前記電極リードと絶縁フィルムとが対応する部位の電池内側方向側の端部よりも電池内側方向に位置し得る。一方、前記絶縁フィルム205、206の材質は、電気絶縁性を有する熱可塑性、熱硬化性及び光硬化型樹脂のうち何れか1つであり、一例として、スチレンブタジエン樹脂、スチレン樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、アクリル系樹脂、フェノール樹脂、アミド系樹脂、アクリレート系樹脂、及びその変性樹脂であるが、前記のような機能を行うことができる樹脂であれば、特に制限しない。
【0092】
その他の前記絶縁フィルムの具体的な内容は、従来知られた内容を含む。
【0093】
本発明によって形成された電極リード100のガス排出部101と絶縁フィルム206との接着強度は、ガス排出部101を除いた電極リード100と絶縁フィルム206との接着強度の20~80%であり、詳細には、30~70%である。
【0094】
ここで、前記接着強度は、前記のようなガス排出部101を形成した電極リード100にポリプロピレンの絶縁フィルム206を融着し、それを電解液30gとドライアイス1.3gとが含まれ、60℃、90%RHのチャンバに2週間保管した後、一部剥離後、電極リードと絶縁フィルムとを180°方向に引っ張りながらひずみ率によって負荷される強度をUTMを通じて測定して求め得る。
【0095】
一方、前記電池ケースは、限定されるものではないが、前記構成が適切に活用されるパウチ型電池ケースである。
【0096】
その他の正極、負極、分離膜、正極タブ、負極タブ、電池ケース、電解液などの構成は、従来知られているので、本発明では具体的な説明は省略する。
【0097】
一方、前述したように、ガス排出部101は、コーティング層が除去された構造であるか、未接着物質で表面処理されたものであって、このような構造の具体的な製造方法は、下記の図4ないし図7を参照して説明する。
【0098】
1つの具体例において、前記ガス排出部は、コーティング層を除去する方法で形成され得る。
【0099】
具体的には、(a)金属基材と、前記金属基材の表面にコーティング層が形成されている予備電極リードと、を準備する段階;(b)前記電極リードに形成するガス排出部の形状に対応する開口部を含むマスクを準備する段階;及び(c)前記予備電極リードの上面及び下面のうち少なくとも一面に前記マスクを位置させ、前記マスクの開口部に対応する形状にコーティング層の一部を除去する段階;を含んで形成され得る。
【0100】
下記の図4ないし図5に、このようなコーティング層の一部を除去する方法の例を図示した。
【0101】
まず、図4を参照すれば、物理的エッチング方法によるガス排出部の形成方法が示されている。
【0102】
具体的には、予備電極リード300上に製造しようとするガス排出部301の形状に対応する開口部311を含むマスク310を位置させ、マスク310の開口部311を通じてスパッタ320によってイオン化されたガスを使用して衝撃を与えることにより、予備電極リード300上に開口部311に対応する形状にコーティング層を除去することにより、ガス排出部301を形成し得る。
【0103】
また、図5を参照すれば、化学的エッチング方法によるガス排出部の形成方法が示されている。
【0104】
具体的には、予備電極リード400上に開口部411を含むマスク410を位置させ、開口部411に酸性溶液420を投入して化学的にエッチング処理して予備電極リード400のコーティング層を除去することにより、ガス排出部401を形成し得る。
【0105】
ここで、前記酸性溶液420は、酸性を帯びてコーティング層を除去することができる溶液であれば、限定されず、例えば、過塩素酸(Perchloric acid)と硝酸アンモニウム(ammonium nitrate)との混合溶液である。
【0106】
また、1つの具体例において、前記電極リード上のガス排出部は、絶縁フィルムと非接着性を有する未接着物質で電極リードを表面処理する方法でも行われる。
【0107】
具体的には、(a)金属基材と、前記金属基材の表面にコーティング層が形成されている予備電極リードと、を準備する段階;及び(b)前記予備電極リードの上面及び下面のうち少なくとも一面で一部を未接着物質で表面処理してガス排出部を形成する段階;を含み得る。
【0108】
このような方法の具体例を図6及び図7に図示した。
【0109】
まず、図6を参照すれば、スプレー、インクジェット、ブレードなどのコーティング方法が示されている。
【0110】
具体的には、予備電極リード500の上面及び下面のうち少なくとも一面上に形成するガス排出部501の形状に対応する開口部511を含むマスク510を位置させ、マスク510の開口部511を通じて未接着物質521を多様な方法、例えば、スプレーコーター520などで塗布することにより、ガス排出部501を形成し得る。
【0111】
または、図7を参照すれば、ロール圧延方式による未接着物質のコーティング方法が示されている。
【0112】
具体的には、ガス排出部601の形状に対応する未接着物質611が表面に形成されたロール610を使用して、圧延する方式によって未接着物質611を予備電極リード600の表面に転写、コーティングする方法でガス排出部601を形成し得る。
【0113】
この際、未接着物質521、611の具体例は、前述した通りである。
【0114】
以下、本発明の望ましい実施例、これに対比される比較例、これらを評価する実験例を記載する。しかし、前記実施例は、本記載を例示するものであり、本記載の範疇及び技術思想の範囲内で多様な変更及び修正が可能であるということは当業者において明らかなものであり、このような変形及び修正が、特許請求の範囲に属するということは当然である。
【0115】
<実施例1>
厚さ200μmのアルミニウム(Al)ホイルにクロム(Cr)が0.2μmの厚さにコーティングされた予備電極リードにレーザを照射(出力:70W、波長:300nm)してCrを下記の図1の(a)のように長方形にエッチング(当該部位にCr層が残っていないように)した。
【0116】
以後、当該部位を覆うように絶縁フィルムとしてポリプロピレンフィルム(厚さ:100μm)を積層し、これらを融着させて電極リードと絶縁フィルムとの積層体を準備した。
【0117】
<実施例2>
厚さ200μmの銅(Cu)ホイル表面にニッケル(Ni)層が1μmの厚さに形成されており、ニッケル表面にクロム(Cr)が0.2μmの厚さにコーティングされた予備電極リードを使用したことを除いては、実施例1と同様に電極リードと絶縁フィルムとの積層体を準備した。
【0118】
<実施例3>
厚さ200μmのアルミニウム(Al)ホイルにクロム(Cr)が0.2μmの厚さにコーティングされた予備電極リード100表面に、下記の図8のような、T字状にビニリデンモノマーとヘキサフルオロプロピレンモノマーとテトラフルオロエチレンモノマーとの共重合体をディスペンサで塗布した。塗布完了後、紫外線を3W照射して30秒間硬化を進行し、140℃で5分間熱風乾燥してガス排出部101を形成した。
【0119】
以後、下記の図8のように、電極リードを覆うように絶縁フィルム205としてポリプロピレンフィルム(厚さ:100μm)を積層し、これらを融着させて電極リードと絶縁フィルムとの積層体を準備した。
【0120】
<実験例1>
前記実施例1から製造された積層体と実施例2から製造された積層体とを1MのLiFSIが溶けている体積比3:7のフルオロエチレンカーボネート(FEC)とエチルメチルカーボネート(EMC)溶液30gとドライアイス1.3gとが内蔵されている60℃、90%RHチャンバに2週間保管した。
【0121】
2週後、前記それぞれの積層体をUTM装備(LLOYD Instrument LF Plus)に装着後、測定速度300mm/minで180°で力を加えて絶縁フィルムと電極リードとが分離されるのに必要な分離強度、すなわち、接着強度を測定して、その結果を図9及び図10に図示した。
【0122】
これらの図面を参照すれば、レーザの処理によってCrが除去された部位で接着強度が著しく減少することを確認することができる。
【0123】
<実験例2>
前記実施例1から製造された積層体と実施例2から製造された積層体とを1MのLiFSIが溶けている体積比3:7のフルオロエチレンカーボネート(FEC)とエチルメチルカーボネート(EMC)溶液とに25℃(RT)、60℃、80℃、100℃のオーブンで1日間それぞれ担持後、取り出してUTM装備(LLOYD Instrument LF Plus)に装着後、測定速度300mm/minで180°で力を加えて絶縁フィルムと電極リードとが分離されるのに必要な分離強度、すなわち、接着強度を測定して、その結果を図11及び図12に図示した。
【0124】
これらの図面を参照すれば、温度が上がるほど、このようなガス排出部の効果がさらに発揮されることが分かる。
【0125】
<実験例3>
実施例3で製造した電極リードと絶縁フィルムとの積層体の経時的なガス排出量を図13に示した。
【0126】
前記経時的なガス排出量は、実施例3で製造した電極リードと絶縁フィルムとの積層体と外部でガスを注入することができるガス管を備えた二次電池を3つ準備し、前記ガス管を通じて外部でガスを50sc/cmの速度で注入して、それぞれ1、1.5、2atmの圧力に到達させた後、経時的に圧力が如何に変化するかを測定した後に、圧力とガス注入量との相関関係式から排出したガス量を計算した。
【0127】
図13から、本発明のガス排出部が、多様な条件で機能することができるということを確認することができた。
【0128】
当業者ならば、前記の内容に基づいて、本発明の範疇内で多様な応用及び変形を行うことが可能であろう。
【符号の説明】
【0129】
100 負極リード(電極リード)
101、301、401、501、601 ガス排出部
110 正極リード(電極リード)
200 二次電池
205、206 絶縁フィルム
521、611 未接着物質
図1(a)】
図1(b)】
図1(c)】
図1(d)】
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13