(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-16
(45)【発行日】2024-07-24
(54)【発明の名称】アライナ装置及びアライメント方法
(51)【国際特許分類】
H01L 21/68 20060101AFI20240717BHJP
【FI】
H01L21/68 F
(21)【出願番号】P 2022578071
(86)(22)【出願日】2021-11-19
(86)【国際出願番号】 JP2021042584
(87)【国際公開番号】W WO2022163084
(87)【国際公開日】2022-08-04
【審査請求日】2023-05-19
(32)【優先日】2021-01-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】000000974
【氏名又は名称】川崎重工業株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】517340611
【氏名又は名称】カワサキロボティクス(ユーエスエー),インク.
(74)【代理人】
【識別番号】100118784
【氏名又は名称】桂川 直己
(72)【発明者】
【氏名】丹 治彦
(72)【発明者】
【氏名】中原 一
(72)【発明者】
【氏名】富永 翔太
(72)【発明者】
【氏名】吉田 浩之
【審査官】宮久保 博幸
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-056328(JP,A)
【文献】特開2008-300609(JP,A)
【文献】特開2016-081968(JP,A)
【文献】特開2011-091275(JP,A)
【文献】特開2020-096034(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/68
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板を載せて第1回転軸線を回転中心として回転する第1回転台と、
基板を載せて第1回転軸線とは位置が異なる第2回転軸線を回転中心として回転する第2回転台と、
基板のエッジを検出する1つのセンサを含んでおり、前記センサの検出範囲には、前記第1回転台に載せた基板のエッジと、前記第2回転台に載せた基板のエッジと、が含まれており、2つの前記基板のエッジを検出する検出装置と、
を備えることを特徴とするアライナ装置。
【請求項2】
請求項1に記載のアライナ装置であって、
前記センサは、前記基板のエッジの画像を取得する画像センサ又は、前記基板のエッジの位置を光学的に検出するセンサであることを特徴とするアライナ装置。
【請求項3】
請求項2に記載のアライナ装置であって、
前記第1回転台と前記第2回転台の両方が回転している間に、前記センサは、前記第1回転台に載せた前記基板のエッジと、前記第2回転台に載せた前記基板のエッジと、を同時に検出することを特徴とするアライナ装置。
【請求項4】
請求項1に記載のアライナ装置であって、
前記センサは、投光部と受光部とを有する光量計測センサであり、
前記投光部は、検査光を照射し、
前記受光部は、前記検査光が前記基板で反射した光、又は、前記検査光の一部が前記基板で遮られた光を受光することを特徴とするアライナ装置。
【請求項5】
請求項4に記載のアライナ装置であって、
前記第1回転台を回転させて前記第2回転台の回転を止めている間に、前記センサは、前記第1回転台に載せた前記基板のエッジを検出し、
前記第2回転台を回転させて前記第1回転台の回転を止めている間に、前記センサは、前記第2回転台に載せた前記基板のエッジを検出することを特徴とするアライナ装置。
【請求項6】
請求項1に記載のアライナ装置であって、
前記検出装置は、前記センサの位置を固定した状態で2つの前記基板のエッジを検出することを特徴とするアライナ装置。
【請求項7】
請求項1に記載のアライナ装置であって、
平面視において、前記第1回転台に載せた前記基板と、前記第2回転台に載せた前記基板と、が離れていることを特徴とするアライナ装置。
【請求項8】
請求項1に記載のアライナ装置であって、
前記第1回転台の前記基板を載せる箇所の高さと、前記第2回転台の前記基板を載せる箇所の高さと、が同じであることを特徴とするアライナ装置。
【請求項9】
請求項1に記載のアライナ装置であって、
前記第1回転台の前記基板を載せる箇所の高さと、前記第2回転台の前記基板を載せる箇所の高さと、が異なり、
前記第1回転台に載せた前記基板と、前記第2回転台に載せた前記基板と、重なることを特徴とするアライナ装置。
【請求項10】
第1回転軸線を回転中心として回転する第1回転台に載せた基板のエッジをセンサで検出する第1検出工程と、
前記第1検出工程と同時又は前記第1検出工程の後に行われ、前記第1検出工程とは前記センサの位置が同じであり、第1回転軸線とは位置が異なる第2回転軸線を回転中心として回転する第2回転台に載せた基板のエッジをセンサで検出する第2検出工程と、
を含むことを特徴とするアライメント方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主として、基板のアライメントを行うアライナ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
アライナ装置は、基板を取り扱う施設(半導体処理工場等)に設けられている。アライナ装置は、基板の回転位相を取得して調整するアライメントを行う。特許文献1(特許第4255091号)及び特許文献2(特許第3988317号)は、複数枚の基板に対してアライメントを行う装置を開示する。
【0003】
特許文献1の基板位置合わせ装置は、複数の支持ピンと、モータと、複数の光学センサと、を備える。複数の支持ピンは鉛直方向に並べて配置される。それぞれの支持ピンは基板を支持する。モータは、支持ピンに支持された基板を一括して回転する。光学センサは、支持ピンに支持された基板のエッジの近傍に配置されている。光学センサは、基板の回転中において基板のオリフラ又はノッチを検出する。以上により、基板位置合わせ装置は複数の基板に対してまとめてアライメントを行うことができる。
【0004】
特許文献2の基板整列装置は、1つの光学センサを用いて複数の基板に対してアライメントを行う。複数の基板は初めは整列前位置に配置される。基板整列装置は、整列前位置にある基板のうち1枚を整列後位置に移動させた後に、光学センサの光線が基板のノッチを通過する角度まで基板を回転させる。この作業を全ての基板に対して行うことにより、1つの光学センサを用いて複数の基板に対してアライメントを行う。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1の装置では、アライメントを行う基板毎にセンサが設けられている。そのため、アライナ装置のコストが高くなる。特許文献2の装置では、基板を整列前位置から整列後位置に移動するための機構が必要となるため、構成が複雑になり、結果としてアライナ装置のコストが高くなる。
【0006】
本発明は以上の事情に鑑みてされたものであり、その主要な目的は、複数の基板に対してアライメントを行うアライナ装置を低コストで提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段とその効果を説明する。
【0008】
本発明の第1の観点によれば、以下の構成のアライナ装置が提供される。即ち、アライナ装置は、第1回転台と、第2回転台と、検出装置と、を備える。前記第1回転台は、基板を載せて第1回転軸線を回転中心として回転する。前記第2回転台は、基板を載せて第1回転軸線とは位置が異なる第2回転軸線を回転中心として回転する。前記検出装置は、基板のエッジを検出する1つのセンサを含んでおり、前記センサの検出範囲には、前記第1回転台に載せた基板のエッジと、前記第2回転台に載せた基板のエッジと、が含まれており、2つの前記基板のエッジを検出する。
【0009】
本発明の第2の観点によれば、以下のアライメント方法が提供される。即ち、アライメント方法は、第1検出工程と、第2検出工程と、を含む。前記第1検出工程では、第1回転軸線を回転中心として回転する第1回転台に載せた基板のエッジをセンサで検出する。前記第2検出工程では、前記第1検出工程と同時又は前記第1検出工程の後に行われ、前記第1検出工程とは前記センサの位置が同じであり、第1回転軸線とは位置が異なる第2回転軸線を回転中心として回転する第2回転台に載せた基板のエッジをセンサで検出する。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、複数の基板に対してアライメントを行うアライナ装置を低コストで実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明の一実施形態に係るアライナ装置を備えるロボットシステムの斜視図。
【
図5】基板のアライメントを行う流れを示すフローチャート。
【
図10】第2変形例において基板のアライメントを行う流れを示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0012】
次に、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
図1は、ロボットシステム100の構成を示す斜視図である。
【0013】
図1に示すロボットシステム100は、クリーンルーム等の作業空間内でロボット1に作業を行わせるシステムである。ロボットシステム100は、ロボット1と、アライナ装置4と、コントローラ20と、を備える。
【0014】
ロボット1は、例えば、保管容器6に保管される基板2を搬送するウエハ移載ロボットである。本実施形態では、ロボット1は、SCARA(スカラ)型の水平多関節ロボットによって実現される。SCARAは、Selective Compliance Assembly Robot Armの略称である。
【0015】
ロボット1が搬送する基板2は、半導体ウエハである。基板2は、円形の薄い板状に形成されている。基板2は半導体ウエハに代えてガラス基板であってもよい。
【0016】
ロボット1は、
図1に示すように、基台10と、アーム11と、ハンド12と、を備える。
【0017】
基台10は、工場の床面等に固定される。しかし、これに限定されず、基台10は、例えば、適宜の処理設備に固定されても良い。
【0018】
アーム11は、
図1に示すように、上下方向に移動可能な昇降軸15を介して基台10に取り付けられている。アーム11は、昇降軸15に対して回転可能である。
【0019】
アーム11は、水平多関節型のアームである。アーム11は、第1アーム11aと、第2アーム11bと、を備える。
【0020】
第1アーム11aは、水平な直線状に延びる細長い部材である。第1アーム11aの長手方向の一端が、昇降軸15の上端部に取り付けられている。第1アーム11aは、昇降軸15の軸線(鉛直軸)を中心として回転可能に支持されている。第1アーム11aの長手方向の他端には、第2アーム11bが取り付けられている。
【0021】
第2アーム11bは、水平な直線状に延びる細長い部材である。第2アーム11bの長手方向の一端が、第1アーム11aの先端に取り付けられている。第2アーム11bは、昇降軸15と平行な軸線(鉛直軸)を中心として回転可能に支持されている。
【0022】
ハンド12は手首部13を介して第2アーム11bに接続されている。手首部13は、第2アーム11bの先端に取り付けられている。手首部13は、昇降軸15と平行な軸線(鉛直軸)を中心として回転可能に支持されている。手首部13は、図示しない適宜のアクチュエータにより回転駆動される。このアクチュエータは、例えば電動モータである。手首部13には、ハンド12が連結されている。
【0023】
ハンド12は、分岐構造を有するエッジグリップ型のハンドである。ハンド12において分岐されたそれぞれの先端部分には、図略のエッジガイドが設けられている。手首部13の近傍には、図略の押圧部材が設けられている。押圧部材は、図略のアクチュエータ(例えば、空気圧シリンダ)によって、ハンド12の表面に沿ってスライド可能である。ハンド12に基板2を載せた状態で押圧部材をスライドさせることで、エッジガイドと押圧部材との間に基板2を挟んで保持することができる。
【0024】
ハンド12は、エッジグリップ型に限られない。ハンド12は、パッシブグリップ型又は吸着型であってもよい。パッシブグリップ型とは、ハンドに載せた基板を固定しない構成(押圧部材を有さない構成)である。吸着型とは、基板2の表面を負圧で吸着して搬送する構成(例えばベルヌーイチャック)である。
【0025】
本実施形態では、アーム11に1つのハンド12が設けられている。この構成に代えて、アーム11に2以上のハンド12が設けられていてもよい。例えば、アーム11の第2アーム11bの先端に2つのハンド12を設ける。2つのハンド12は、鉛直軸を回転中心として独立して回転可能である。これにより、ロボット1は、例えば2つの基板2を同時に搬送できる。
【0026】
昇降軸15、第1アーム11a及び第2アーム11bのそれぞれは、
図2のブロック図に示すアクチュエータ16により駆動される。アクチュエータ16は、例えば電動モータである。
【0027】
昇降軸15と第1アーム11aとの間、第1アーム11aと第2アーム11bとの間、及び第2アーム11bとハンド12との間に位置するアーム関節部には、第1アーム11a、第2アーム11b、及びハンド12のそれぞれの回転位置を検出する図略のエンコーダが取り付けられている。また、ロボット1の適宜の位置には、高さ方向における第1アーム11aの位置変化(即ち昇降軸15の昇降量)を検出するエンコーダも設けられている。
【0028】
コントローラ20は、CPU等の演算装置と、HDD、SSD、又はフラッシュメモリ等の記憶装置と、を備える。演算装置は、記憶装置に記憶されたプログラムを実行することにより、搬送制御部21、アライナ制御部22、及び解析部23として機能することができる。搬送制御部21は、ロボット1を制御する。具体的には、搬送制御部21は、予め登録された作業内容及びエンコーダの検出結果等に基づいて、アクチュエータ16に指令値を送信する。これにより、ロボット1が基板2の搬送作業を行う。アライナ制御部22は、アライナ装置4を制御する。解析部23は、アライナ装置4による基板2の検出結果を解析する。
【0029】
本実施形態では、コントローラ20がアライナ装置4及びロボット1の制御を行う。これに代えて、アライナ装置4を制御するコントローラと、ロボット1を制御するコントローラと、が別であってもよい。
【0030】
アライナ装置4は、基板2の回転位相を取得して調整するアライメントを行う。具体的には、基板2の外周には、ノッチ2aが形成されている。ノッチ2aは、半導体の結晶方位を示す。アライナ装置4は、ノッチ2aを検出することにより基板2の回転位相を取得し、ノッチ2aが所定の方向を向くように基板2を回転させることにより基板2の回転位相を調整する。
【0031】
基板2にノッチ2aに代えてオリエンテーションフラットが形成されている場合、アライナ装置4はオリエンテーションフラットを検出する構成であってもよい。また、アライナ装置4は、基板2の回転位相に加えて、基準点に対する基板2の中心位置のズレ量を取得する構成であってもよい。
【0032】
以下、
図1から
図4を参照して、アライナ装置4の構成について説明する。アライナ装置4は、第1モータ41aと、第1回転台41bと、第2モータ42aと、第2回転台42bと、検出装置43と、を備える。
【0033】
第1モータ41aは電動モータであり、アライナ制御部22の指令に応じて回転/停止する。第1モータ41aはアライナ制御部22の指令に応じた回転量だけ回転する。第1モータ41aが発生した駆動力は、伝達機構を介して、第1回転台41bに伝達される。
【0034】
第1回転台41bは円板状であり、鉛直方向を向くように配置されている。第1回転台41bには、ロボット1等によって基板2が載せられる。第1回転台41bの形状は、円板に限られない。第1モータ41aの駆動力が伝達されることにより、第1回転台41bは、第1回転軸線L1を回転中心として回転する。
【0035】
第2モータ42aは第1モータ41aと同様の構成である。アライナ制御部22は、第1モータ41aと独立して第2モータ42aを回転させることができる。従って、第1モータ41aを停止させて第2モータ42aを回転させたり、第1モータ41aと第2モータ42aの回転速度又は回転量を異ならせたりすることができる。
【0036】
第2回転台42bは、第1回転台41bと同様の構成である。第1回転台41bと第2回転台42bは水平方向で並ぶように配置される。従って、第1回転軸線L1と第2回転軸線L2の位置も異なる。具体的には、平面視(
図3、第1回転軸線L1と平行な視線で見た図)において、第1回転台41bに載せた基板2と、第2回転台42bに載せた基板2と、が離れるように、第1回転台41bと第2回転台42bの位置が定められている。一般的に、アライナ装置4で使用される基板2のサイズ、及び、基板2を載せる位置は予め仕様書等により定められている。そのため、アライナ装置4に実際に基板2を載せることなく、第1回転台41bと第2回転台42bが上述の位置関係にあることが確認できる。第1回転台41bの基板2を載せる箇所の高さ(上面の位置)と、第2回転台42bの基板2を載せる箇所の高さ(上面の位置)は同じである。ただし、これらの高さが異なっていてもよい。
【0037】
アライナ装置4は、第1回転台41bの回転位相及び第2回転台42bの回転位相を検出するための図略のエンコーダを備える。エンコーダの検出結果は、コントローラ20へ送信される。
【0038】
検出装置43は、
図1に示す取付部材44と、画像センサ(センサ)45と、を備える。
【0039】
取付部材44は、工場内の適宜の位置、例えば保管容器6を支持する台又は工場の床面等に固定されている。取付部材44には画像センサ45が取り付けられている。
【0040】
画像センサ45は、第1回転台41b及び第2回転台42bの上方に位置している。画像センサ45は、第1回転台41b及び第2回転台42bに載せられた基板2のエッジの画像を取得する。画像センサ45が撮影した画像はコントローラ20へ送信される。なお、画像センサ45は、基板2を下から撮影してもよい。
【0041】
画像センサ45が画像を取得する範囲である検出範囲A1は、
図3に示すように、第1回転台41bに載せられた基板2の基板のエッジと、第2回転台42bに載せられた基板2のエッジと、を含む。検出範囲A1には、2つの基板2が最も近接する箇所が含まれる。言い換えれば、検出範囲A1には、平面視で第1回転軸線L1と第2回転軸線L2を接続する仮想線分の中点を含むことが好ましい。これにより、検出範囲A1の広さを最小限にすることができるので、精度の高い画像を取得したり、コストが安い画像センサ45を採用したりすることができる。なお、2つの基板2のエッジが取得できるのであれば、検出範囲A1の位置は異なっていてもよい。
【0042】
画像センサ45は、具体的にはCCD(Charge Coupled Device)センサ又はCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)センサである。例えば、画質の高さが重視される場合はCCDセンサを採用し、コストの安さが重視される場合はCMOSセンサを採用することが考えられる。
【0043】
画像センサ45が取得した画像は、コントローラ20へ送信される。コントローラ20の解析部23は、この画像を解析することにより、検出範囲A1にノッチ2aが含まれているか否かを判定する。また、解析部23は、検出範囲A1にオリエンテーションフラットが含まれているか否かについて判定してもよい。解析部23は、基板2の位置ズレ量を算出してもよい。
【0044】
次に、主に
図5を参照して、アライナ装置4を用いてアライメントを行う作業の流れを説明する。
【0045】
初めに、搬送制御部21は、ロボット1を制御して、第1回転台41bと第2回転台42bに基板2を載せる(S101)。なお、この作業は、ロボット1とは異なるロボット(例えば前工程のロボット)が行ってもよい。
【0046】
次に、アライナ制御部22は、第1モータ41aを制御して第1回転台41bを回転させ、第2モータ42aを制御して第2回転台42bを回転させる(S102)。更に、アライナ制御部22は、画像センサ45を制御して基板2を撮影させる(S102)。つまり、本実施形態では2つの基板2を同時に回転させて、2つの基板2が含まれる画像を取得する。
【0047】
次に、解析部23は、画像センサ45から受信した画像を解析して、2つの基板2のノッチ2aの回転位相を取得して記憶する(S103)。具体的には、解析部23が受信する画像には、2つの基板2が含まれている。例えば、画像の中央よりも一方側(詳細には基板2の並列方向の一方側)に現れる基板2が、第1回転台41bに載せた基板2である。画像の中央よりも他方側に現れる基板2が、第2回転台42bに載せた基板2である。従って、解析部23は、画像における基板2の位置に基づいて、画像中の一方の基板2が第1回転台41bに載せた基板2であることを特定する。次に、解析部23は、画像からノッチ2aの有無を及びノッチ2aの位置を特定する。解析部23は、画像の所定位置にノッチ2aが位置しているタイミングにおける、第1回転台41bの回転位相を特定することにより、第1回転台41bに載せられた基板2のノッチ2aの回転位相を取得する。同様に、解析部23は、第2回転台42bに載せられた基板2のノッチ2aの回転位相を取得する。なお、上述した方法は一例であり、適宜変更できる。このように、本実施形態では、2つの基板2に対してノッチ2aの回転位相をまとめて検出できる。
【0048】
なお、基板2にオリエンテーションフラットが形成されている場合も同様の方法を用いてオリエンテーションフラットの位置を特定できる。また、基板2の中心位置がズレている場合、画像における基板2のエッジの位置が変化するため、エッジの位置の変化量に基づいて、基板2の中心位置のズレ量を特定できる。
【0049】
次に、アライナ制御部22は、2つの基板2の回転位相を調整する(S104)。具体的には、アライナ制御部22は、解析部23が特定したノッチ2aの回転位相に基づいて、ノッチ2aが予め定めた方向を向くように、第1回転台41b及び第2回転台42bを回転させる。アライナ装置4は、2つの基板2に対して、同時に回転位相を調整できる。ただし、1つずつ基板2の回転位相を調整してもよい。
【0050】
次に、搬送制御部21は、ロボット1を制御して、第1回転台41b及び第2回転台42bに載せた基板2を搬送先(例えば次工程の処理装置)へ搬送する(S105)。
【0051】
以上の処理を行うことにより、1つの画像センサ45を用いて、2つの基板2のアライメントを行うことができる。そのため、基板毎にセンサを設ける構成と比較して、アライナ装置4のコストを低減できる。特に、アライナ装置4では、画像センサ45のコストが占める割合が高いため、コストを大幅に低減できる。更に、本実施形態では、2つの基板2の回転位相をまとめて取得可能であるため、1つずつ基板2のアライメントを行う構成と比較して、基板2のアライメントの作業効率が高い。また、画像センサ45を移動させる必要がないため、その観点においても無駄な時間が発生しないので作業効率が高く、更にパーティクルも発生しにくい。
【0052】
次に、
図6及び
図7を参照して第1変形例について説明する。なお、第1変形例及び後述の第2変形例の説明においては、上記実施形態と同一又は類似の部材には図面に同一の符号を付し、説明を省略する場合がある。
【0053】
上記実施形態では、平面視において2つの基板2が離れるように、第1回転台41b及び第2回転台42bの位置が定められている。これに対し、第1変形例では、
図6に示すように、平面視において2つの基板2が重なるように、第1回転台41b及び第2回転台42bの位置が定められている。なお、2つの基板2は完全に重なる訳ではなく、基板2の一部同士が重なる。言い換えれば、第1回転軸線L1と第2回転軸線L2の位置は異なる。第1変形例では基板2同士の重なり長さは基板2の半径以下であるが、重なり長さが半径を超えてもよい。
【0054】
また、平面視で基板2が重なるため、
図7に示すように、第1回転台41bの高さと第2回転台42bの高さは異なる。そのため、第1変形例では、ロボット1を2つ備え、一方のロボット1が第1回転台41bに基板2を載せて、他方のロボット1が第2回転台42bに基板2を載せることが好ましい。
【0055】
第1変形例における画像センサ45の検出範囲を検出範囲A2と称する。上記実施形態では検出範囲A1は平面視において第1回転軸線L1と第2回転軸線L2を結ぶ仮想線分を含んでいた。これに対し、検出範囲A2は、2枚の基板2のエッジを検出範囲A2に含めるために、この仮想線分から平面視で垂直な方向にオフセットした位置にある。
【0056】
第1変形例のアライナ装置4を用いてアライメントを行う方法は上記実施形態と同じである。第1変形例のレイアウトを採用することにより、平面視におけるアライナ装置4の設置面積を低減することができる。
【0057】
次に、
図8から
図10を参照して第2変形例について説明する。
【0058】
第2変形例では、画像センサ45に代えて、光量計測センサ(センサ)46が設けられている。光量計測センサ46は、ラインセンサであり、投光部46aと、受光部46bと、を備える。光量計測センサ46は、透過型の光量計測センサである。投光部46aと受光部46bは、基板2を挟むようにして、上下方向(基板2の厚み方向)に間隔を空けて配置されている。本実施形態では投光部46aが上側であるが、投光部46aが下側であってもよい。
【0059】
第2変形例における基板2のレイアウトは、上記実施形態と同じである。また、第2変形例における検出範囲A3は、上記実施形態の検出範囲A1と同じである。投光部46aは、受光部46bに向けて検査光を照射する。投光部46aと受光部46bの間には基板2が位置しているので、受光部46bは基板2によって一部が遮られた検査光を受光する。受光部46bは、受光した検査光の光量に応じた電流信号(又はそれを変換した電圧信号)をコントローラ20へ送信する。なお、電流信号は、受光した検査光の光量に応じて大きくなるが、検査光を受光した位置を示すものではない。
【0060】
透過型の光量計測センサに代えて、反射型の光量計測センサを設けてもよい。反射型の光量計測センサは、投光部と受光部が基板2に対して同じ側に配置されている。受光部は投光部が照射した検査光が基板2で反射した反射光を受光する。
【0061】
第2変形例は、光量計測センサ46を設ける構成を上記実施形態に適用した例である。これに代えて、光量計測センサ46を設ける構成を第1変形例に適用することもできる。
【0062】
以下、第2変形例のアライメントの流れについて説明する。初めに、搬送制御部21は、上記実施形態と同様に、ロボット1を制御して基板2を第1回転台41bと第2回転台42bに載せる(S201)。ただし、ロボット1は基板2を第1回転台41bに載せてアライメントを行った後に、次の基板2を第2回転台42bに載せてアライメントを行ってもよい。
【0063】
上述したように光量計測センサ46は受光部46bが検査光を受光した位置を特定できないため、ノッチ2aの回転位相を取得する工程は基板2毎に行う必要がある。従って、アライナ制御部22は、第1回転台41bを回転させながら(第2回転台42bを回転させずに)光量計測センサ46による計測を開始する(S202)。
【0064】
次に、解析部23は、受光部46bが受光した検査光の光量の変化(電流信号の振幅の大きさ)に基づいて、基板2のノッチ2aの回転位相を取得して記憶する(S203)。具体的には、検出範囲A3にノッチ2aが位置している間は、検査光の受光量が多くなる。従って、光量計測センサ46が出力する電流信号と、第1回転台41bの回転位相と、に基づいて、解析部23は、第1回転台41bに載せられた基板2のノッチ2aの回転位相を取得する。
【0065】
なお、ノッチ2aの代わりにオリエンテーションフラットが形成されている基板2についても同様に回転位相を特定できる。また、基板2の位置ズレがある場合、受光部46bが受光する光量が常に(ノッチ2aの有無に関係なく)変化することになるので、位置ズレが発生していることを特定できる。また、受光部46bが受光する光量の変化態様に基づいて(どの回転位相で光量が大きくなるかに基づいて)、位置ズレの方向を特定することもできる。
【0066】
次に、アライナ制御部22は、第1回転台41bに載せられた基板2の回転位相を調整する(S204)。つまり、アライナ制御部22は、解析部23が特定したノッチ2aの回転位相に基づいて、ノッチ2aが予め定めた方向を向くように、第1回転台41bを回転させる。
【0067】
その後、アライナ制御部22は、第1回転台41bの回転を停止する(S205)。以上により、第1回転台41bに載せられた基板2のアライメントが完了する。第2変形例では、両方の基板2のアライメントが完了した後に、両方の基板2が次工程に搬送される。これに代えて、第1回転台41bに載せられた基板2のアライメントが完了した後であって、かつ、第2回転台42bに載せられた基板2のアライメントが開始する前に、第1回転台41bに載せられた基板2が次工程に搬送されてもよい。
【0068】
次に、第2回転台42bに載せられた基板2についてアライメントを行う。なお、第2回転台42bには、このタイミングで基板2を載せてもよい。第2回転台42bに載せられた基板2についてアライメントを行う方法は、第1回転台41bと同様である。つまり、ステップS206,S207,S208,S209の処理は、それぞれ、ステップS202,S203,S204,S205の処理と同様である。従って、これらの処理の説明を省略する。
【0069】
2つの基板2に対するアライメントが完了した後に、搬送制御部21は、ロボット1を制御して、第1回転台41b及び第2回転台42bに載せた基板2を搬送先(例えば次工程の処理装置)へ搬送する(S210)。
【0070】
以上の処理を行うことにより、光量計測センサ46を設けた構成において、2つの基板2に対してアライメントを行うことができる。光量計測センサ46は一般的に画像センサ45よりも安価であるため、第2変形例では、アライナ装置4のコストを更に低減できる。
【0071】
以上に説明したように、上記実施形態及び変形例のアライナ装置4は、第1回転台41bと、第2回転台42bと、検出装置43と、を備える。第1回転台41bは、基板2を載せて第1回転軸線L1を回転中心として回転する。第2回転台42bは、基板2を載せて第1回転軸線L1とは位置が異なる第2回転軸線L2を回転中心として回転する。検出装置43は、基板2のエッジを検出する1つのセンサ(画像センサ45又は光量計測センサ46、以下同じ)を含んでおり、センサの検出範囲には、第1回転台41bに載せた基板2のエッジと、第2回転台42bに載せた基板2のエッジと、が含まれており、2つの基板2のエッジを検出する。
【0072】
これにより、1つのセンサで2つの基板2のアライメントを行うことができるため、基板2毎にセンサを設ける構成と比較して、アライナ装置4のコストを低減できる。
【0073】
上記実施形態及び第1変形例のアライナ装置4において、センサは、基板2のエッジの画像を取得する画像センサ45である。なお、センサは、後述する光学式の位置検出センサであってもよい。
【0074】
これにより、基板2のエッジの位置に基づいて基板2の向きを特定できる。
【0075】
上記実施形態及び第1変形例のアライナ装置4において、第1回転台41bと第2回転台42bの両方が回転している間に、画像センサ45は、第1回転台41bに載せた基板2のエッジと、第2回転台42bに載せた基板2のエッジと、を同時に検出する。
【0076】
これにより、単位時間あたりの検査数を多くすることができる。
【0077】
第2変形例のアライナ装置4において、センサは、投光部46aと受光部46bとを有する光量計測センサ46である。投光部46aは、検査光を照射する。受光部46bは、検査光が基板2で反射した光、又は、検査光の一部が基板2で遮られた光を受光する。
【0078】
これにより、画像センサ45と比較して安価なセンサを用いることができるので、アライナ装置4のコストを低減できる。
【0079】
第2変形例のアライナ装置4において、第1回転台41bを回転させて第2回転台42bの回転を止めている間に、光量計測センサ46は、第1回転台41bに載せた基板2のエッジを検出する。第2回転台42bを回転させて第1回転台41bの回転を止めている間に、光量計測センサ46は、第2回転台42bに載せた基板2のエッジを検出する。
【0080】
これにより、光量計測センサ46の特性を考慮して、1つのセンサで2つの基板2を検出できる。
【0081】
上記実施形態及び変形例のアライナ装置4において、検出装置43は、センサの位置を固定した状態で2つの基板2のエッジを検出する。
【0082】
センサを動かしながら基板2のエッジを検出する構成では、センサが動くにつれて検出結果が変化するので、センサの検出結果を補正する必要がある。これに対し、センサの位置を固定した状態で基板2のエッジを検出することにより、この補正を簡略又は省略できる。
【0083】
上記実施形態及び第2変形例のアライナ装置4において、平面視において、第1回転台41bに載せた基板2と、第2回転台42bに載せた基板2と、が離れている。
【0084】
これにより、平面視で基板2同士が重なっている場合と比較して、ロボット1を用いて基板2を取る作業が容易になる。
【0085】
上記実施形態及び第2変形例のアライナ装置4において、第1回転台41bの基板2を載せる箇所の高さと、第2回転台42bの基板2を載せる箇所の高さと、が同じである。
【0086】
これにより、第1回転台41bに基板2を載せるときのハンド12の高さと、第2回転台42bに基板2を載せるときのハンド12の高さと、が同じになる。そのため、ハンド12の高さ方向の移動を減らす又は無くすことができる。
【0087】
第1変形例のアライナ装置4において、第1回転台41bの基板2を載せる箇所の高さと、第2回転台42bの基板2を載せる箇所の高さと、が異なる。第1回転台41bに載せた基板2と、第2回転台42bに載せた基板2と、が重なる。
【0088】
これにより、アライナ装置4の設置面積を低減できる。
【0089】
本実施形態のアライメント方法は、第1検出工程と、第2検出工程と、を含む。第1検出工程では、第1回転軸線L1を回転中心として回転する第1回転台41bに載せた基板2のエッジをセンサで検出する(S103,S203)。第2検出工程では、第1検出工程と同時又は第1検出工程の後に行われ、第1検出工程とはセンサの位置が同じであり、第1回転軸線とは位置が異なる第2回転軸線を回転中心として回転する第2回転台42bに載せた基板2のエッジをセンサで検出する(S103,S207)。
【0090】
以上に本発明の好適な実施の形態及び変形例を説明したが、上記の構成は例えば以下のように変更することができる。
【0091】
上記実施形態の画像センサ45,光量計測センサ46の位置はアライメント中において動かす必要はない。ただし、例えば検出範囲の調整又はその他の目的において、アライメント前の準備時において、画像センサ45,光量計測センサ46を動かしてもよい。
【0092】
上記実施形態で示したフローチャートは一例であり、一部の処理を省略したり、一部の処理の内容を変更したり、新たな処理を追加したりしてもよい。例えば、
図10のフローチャートにおいて、ステップS205が完了する前にステップS206を行ってもよい。ただし、この場合は、第1回転台41bが完全に停止した後に取得した電気信号を用いて解析部23が解析を行う。
【0093】
上記実施形態では、センサの例として、画像センサ45及び光量計測センサ46を挙げた。センサはこれらに限られず、例えば光学式の位置検出センサであってもよい。光学式の位置検出センサは、例えば様々な方向にレーザ光を照射してその反射波を解析することにより、基板2の位置及び形状を検出する。
【0094】
基台10が工場の床面に設置される構成に代えて、基台10が天井面に設置される構成(天吊り式)であってもよい。