(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-16
(45)【発行日】2024-07-24
(54)【発明の名称】バッテリータブの構造
(51)【国際特許分類】
H01M 50/552 20210101AFI20240717BHJP
H01M 50/50 20210101ALI20240717BHJP
H01M 50/296 20210101ALI20240717BHJP
【FI】
H01M50/552
H01M50/50 201Z
H01M50/296
(21)【出願番号】P 2023010152
(22)【出願日】2023-01-26
(62)【分割の表示】P 2019556360の分割
【原出願日】2018-04-18
【審査請求日】2023-01-27
(32)【優先日】2017-04-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】515167067
【氏名又は名称】エー123 システムズ エルエルシー
【氏名又は名称原語表記】A123 Systems LLC
(74)【代理人】
【識別番号】100137095
【氏名又は名称】江部 武史
(74)【代理人】
【識別番号】100091627
【氏名又は名称】朝比 一夫
(72)【発明者】
【氏名】アレン, デイビット ダブリュー.
(72)【発明者】
【氏名】ドーソン, ジェームズ
【審査官】多田 達也
(56)【参考文献】
【文献】特表2014-504780(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2012-0140093(KR,A)
【文献】特開2013-105699(JP,A)
【文献】特開2003-323879(JP,A)
【文献】特開2015-005381(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M50/50-50/598
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
セル本体ハウジングから延びる第1の電極端子と、第2の電極端子とを含むバッテリーセルであって、
前記バッテリーセルは、第1のバッテリーセルと、前記バッテリーセルに隣接する第2のバッテリーセルとを有し、
前記第1の電極端子は、セルタブ支持体の下で第1の方向に曲げられ、前記セルタブ支持体の上部で前記第1の方向に曲げ延ばされ、
前記第2の電極端子は、前記セルタブ支持体の下で前記第1の方向とは反対の第2の方向に曲げられ、前記セルタブ支持体上で前記第1の方向に曲げ延ばされ、
前記第1のバッテリーセルの前記第1の電極端子と、前記第2のバッテリーセルの前記第2の電極端子とは、前記セルタブ支持体の同じスリットを通って突出し、
前記第1の電極端子および前記第2の電極端子は、前記第1および第2の電極端子の第1~第3の屈曲部によって規定される4つのセクションを含み、
前記第1および第2の電極端子の第1のセクションは、前記セル本体ハウジングの垂直軸に直交する水平軸に沿って、互いに平行であり、前記バッテリーセルの前記セル本体ハウジングから前記セル本体ハウジングの共通面に沿って、前記第1の屈曲部まで延び、
前記第1および第2の電極端子の第2のセクションは、前記第1のセクションに対して角度付され、前記第1の屈曲部から前記第2の屈曲部まで延び、
前記第1および第2の電極端子の第3のセクションは、前記第1のセクションに対して平行に位置し、前記第2の屈曲部から前記第3の屈曲部まで延び、
前記第1のセクションと、前記第2のセクションと、前記第3のセクションとは、前記セルタブ支持体の下に配置され、
前記第1および第2の電極端子の第4のセクションは、前記第3の屈曲部から前記第1および第2の電極端子の上端まで延び、前記セルタブ支持体の上部に配置され、
前記第4のセクションは、前記セルタブ支持体の前記上部で曲げ延ばされる前記端子の唯一のセクションであり、
前記第1の電極端子の前記第2のセクションの前記第1の屈曲部から前記第2の屈曲部までの距離は、前記第2の電極端子の前記第2のセクションの前記第1の屈曲部から前記第2の屈曲部までの距離よりも短く、
前記第1のバッテリーセルの前記第1および第2の電極端子の前記第4のセクションは、それぞれ、前記第2のバッテリーセルの前記第2および第1の電極端子の前記第4のセクションと面共有接触していることを特徴とするバッテリーセル。
【請求項2】
前記第2の電極端子は、前記第2の電極端子の前記第2のセクションが前記第1の電極端子の前記第2のセクションよりも前記共通面からより遠くにずれるように、前記第1の電極端子よりも前記セルタブ支持体の下で大きく曲げられる請求項1に記載のバッテリーセル。
【請求項3】
前記第1の電極端子の前記第1の屈曲部および前記第3の屈曲部は、同じ方向に曲げられ、前記第1の電極端子の前記第2の屈曲部の方向と反対であり、
前記第2の電極端子の前記第2の屈曲部および前記第3の屈曲部は、同じ方向に曲げられ、前記第2の電極端子の前記第1の屈曲部の方向と反対である請求項1に記載のバッテリーセル。
【請求項4】
セルタブ支持体と、
複数のスタックバッテリーセルと、を含むバッテリーであって、
前記複数のスタックバッテリーセルのそれぞれは、前記セルタブ支持体の下で反対方向に曲げられ、反対に帯電した2つの電極タブ端子と、
前記セルタブ支持体のスリットを通って突出し、前記セルタブ支持体上で第1の方向に曲げられた突出部とを含み、
前記セルタブ支持体は、前記バッテリーの面に沿って、前記複数のスタックバッテリーセルにわたり、
前記スリットは、前記セルタブ支持体の複数のスリットの一つであり、
前記複数のスリットのそれぞれは、前記複数のスタックバッテリーセルのそれぞれの前記反対に帯電した2つの電極タブ端子と整列し、
前記反対に帯電した2つの電極タブ端子は、第1の電極タブ端子と、第2の電極タブ端子とを含み、
前記第1の電極タブ端子は、予め折り曲げられ、第1~第3の屈曲部によって規定される、下部第1のセクションと、中間第2のセクションと、上部第3のセクションとを含み、
前記第2の電極タブ端子は、予め折り曲げられ、第1~第3の屈曲部によって規定される、下部第1のセクションと、中間第2のセクションと、上部第3のセクションとを含み、
前記第1および第2の電極タブ端子の前記下部第1のセクションは、セル本体ハウジングの垂直軸に直交する水平軸に沿って、互いに平行であり、前記スタックバッテリーセルの前記セル本体ハウジングから前記セル本体ハウジングの共通面に沿って、前記第1の屈曲部まで延び、
前記第1および第2の電極タブ端子の前記中間第2のセクションは、前記下部第1のセクションに対して角度付され、前記第1の屈曲部から前記第2の屈曲部まで延び、
前記第1および第2の電極タブ端子の前記上部第3のセクションは、前記下部第1のセクションに対して平行に位置し、前記第2の屈曲部から前記第3の屈曲部まで延び、
前記突出部は、前記第3の屈曲部で前記第1の方向に曲げられ、
前記第1の電極タブ端子の前記上部第3のセクションは、前記第1の電極タブ端子の前記下部第1のセクションから、前記セルタブ支持体の横軸に沿って、第1の距離まで変位し、
前記第2の電極タブ端子の前記上部第3のセクションは、前記第2の電極タブ端子の前記下部第1のセクションから、前記横軸に沿って、第2の距離まで変位し、
前記第1の距離は、前記第2の距離よりも短く、
前記複数のスタックバッテリーセルのそれぞれは、隣接するスタックバッテリーセルに隣接し、
前記隣接するスタックバッテリーセルは、第1の電極タブ端子と、第2の電極タブ端子とを含み、
前記複数のスタックバッテリーセルのそれぞれの前記第1の電極タブ端子の少なくとも一部は、前記隣接するスタックバッテリーセルの前記第2の電極タブ端子と面共有接触し、
前記複数のスタックバッテリーセルのそれぞれの前記第2の電極タブ端子の少なくとも一部は、前記隣接するスタックバッテリーセルの前記第1の電極タブ端子と面共有接触することを特徴とするバッテリー。
【請求項5】
前記複数のスタックバッテリーセルのそれぞれの前記第1の電極タブ端子は、前記バッテリーの前面に向かって前記第1の方向に曲げられ、
前記複数のスタックバッテリーセルのそれぞれの前記第2の電極タブ端子は、前記セルタブ支持体の下で前記第1の方向と反対の第2の方向に曲げられ、
前記第2の電極タブ端子は、前記第1の電極タブ端子よりも大きく曲げられている請求項4に記載のバッテリー。
【請求項6】
前記複数のスタックバッテリーセルのそれぞれの大きく曲げられた前記第2の電極タブ端子は、前記複数のスタックバッテリーセルのうちの前記隣接するスタックバッテリーセルのより曲げられていない前記第1の電極タブ端子と面共有接触する請求項4に記載のバッテリー。
【請求項7】
前記隣接するスタックバッテリーセルの前記第1の電極タブ端子は、前記突出部が前記セルタブ支持体上に折り曲げられるとき、前記複数のスタックバッテリーセルのそれぞれの前記第2の電極タブ端子と面共有接触する請求項4に記載のバッテリー。
【請求項8】
前記隣接するスタックバッテリーセルの前記第1の電極タブ端子は、前記突出部が前記セルタブ支持体上で曲げられた状態で、前記複数のスタックバッテリーセルのそれぞれの前記第2の電極タブ端子と面共有接触し、前記第2の電極タブ端子とともにレーザー溶接状態にあり、第1の電極タブ端子の前記突出部は、第2の電極タブ端子の突出部上に折り重なり、
前記第2の電極タブ端子の前記突出部は、前記第1の電極タブ端子の前記突出部と、前記セルタブ支持体との間に配置される請求項4記載のバッテリー。
【請求項9】
前記第2の電極タブ端子は、前記第1の電極タブ端子よりも広い請求項4に記載のバッテリー。
【請求項10】
前記複数のスタックバッテリーセルのいずれか一方の端部に位置するエンドセルをさらに含み、
前記エンドセルは、前記複数のスタックバッテリーセルの前記第1および第2の電極タブ端子と異なるように曲げられた、少なくとも1つの電極タブ端子を含む請求項4に記載のバッテリー。
【請求項11】
前記エンドセルの両方の前記電極タブ端子は、前記第1の方向に曲げられる請求項
10に記載のバッテリー。
【請求項12】
前記エンドセルの前記電極タブ端子は、前記バッテリーの前部から離れる第2の方向に曲げられる請求項10に記載のバッテリー。
【請求項13】
前記エンドセルと前記セルタブ支持体との間に配置されたバスバーをさらに含み、
前記バスバーは、前記バッテリーの端子に前記エンドセルを電気的に接続する請求項10に記載のバッテリー。
【請求項14】
セル本体ハウジングから延びる第1の電極タブと、第2の電極タブとを含むバッテリーセルを電気的に接続する方法であって、
前記第1の電極タブと、前記第2の電極タブとは、前記セル本体ハウジングの垂直軸に直交する水平軸に沿って、互いに平行に設けられ、
前記第1の電極タブおよび前記第2の電極タブは、前記第1および第2の電極タブの第1~第3の屈曲部によって規定される4つのセクションを含み、
前記バッテリーセルは、第1~第3のバッテリーセルを含み、
前記第1~第3のバッテリーセルを積み重ねる前に、
前記第1~第3のバッテリーセルの前記第1の電極タブを前記第1の屈曲部で第1の方向に曲げる工程と、
前記第1~第3のバッテリーセルの前記第1の電極タブを前記第2の屈曲部で前記第1の方向と反対の第2の方向に曲げる工程と、
前記第1~第3のバッテリーセルの前記第2の電極タブを前記第1の屈曲部で前記第2の方向に前記第1の電極タブよりも大きく曲げる工程と、
前記第1~第3のバッテリーセルの前記第2の電極タブを前記第2の屈曲部で前記第1の方向に曲げる工程と、
前記第1~第3のバッテリーセルを積み重ねる工程と、
前記第1の電極タブと、前記第2の電極タブとがセルタブ支持体のスリットを通って突出するように、前記セルをハウジングに挿入する工程と、
前記セルタブ支持体上で前記第1の方向に、前記第1~第3のバッテリーセルの前記第1および第2の電極タブを前記第3の屈曲部で曲げ延ばす工程と、を含み、
前記第1~第3のバッテリーセルを積み重ねる工程は、前記第1のバッテリーセルと前記第3のバッテリーセルとの間で、前記第2のバッテリーセルの前記第1の電極タブ端子および前記第2の電極タブ端子が前記第1のバッテリーセルおよび前記第3のバッテリーセルの前記第2の電極タブ端子および前記第1の電極タブ端子と整列するように、前記第2のバッテリーセルを反転させ、前記第2のバッテリーセルの前記第2の電極タブの少なくとも一部を隣接する前記第
1のバッテリーセルの前記第1の電極タブの少なくとも一部に当接させ、前記第2のバッテリーセルの前記第1の電極タブの少なくとも一部を隣接する前記第3のバッテリーセルの前記第2の電極タブの少なくとも一部に当接させる工程を含むことと特徴とするバッテリーセルを電気的に接続する方法。
【請求項15】
前記積み重ねられたセルのいずれか一方の端部に位置するエンドセルの両方の電極タブを第2の方向に曲げる工程と、
前記エンドセルの前記タブを前記セルタブ支持体上で前記第1の方向に曲げ延ばす工程と、をさらに含む請求項14に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【関連出願】
【0001】
本出願は、2017年4月20日に出願された、「バッテリータブの構造」と題された米国仮特許出願第62/488,009号の優先権を主張する。その出願の全ての内容は、参照としてここに挿入される。
【技術分野】
【0002】
本出願は、リチウムイオン自動車用バッテリーのようなバッテリーのアーキテクチャ(architecture)、構造(construction)および動作に関する。
【背景技術】
【0003】
電気バッテリーは、電気化学セルによって電気エネルギーを保存するデバイスである。自動車用バッテリー(例えば、48Vマイクロハイブリッド自動車用バッテリーなど)は、複数のスタックセル(stacked cells)を含む。そのスタックセルは、自動車(vehicle)の電流および/または電圧要件を満たすために、電気的に直列および/または並列に接続されている。角型またはポーチ型セルを含むバッテリーは、セルを積み重ねてから、セルタブ端子をバスバーに溶接することで、および/または、セルタブ端子を一緒に直接溶接することで、セルを電気的に接続することによって構築される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、本明細書の発明者らは、そのようなバッテリーシステムに関する潜在的な問題を認識した。一例として、異なるセルのセルタブ端子を溶接しようとすると、セルをトリミング、事前曲げ、および積み重ねることによる累積公差のため、セルタブ端子間にエアギャップとミスマッチが発生する。具体的には、角柱型ポーチタイプのセルのセルタブ端子は、セルが積み重ねられるとき、互いに離れている。なぜなら、セルタブ端子は、それらが延びるセルポーチより典型的に薄いからである。したがって、セルタブ端子は、後の溶接のために互いに十分な表面接触を作成するように積み重ねられた後、切り取られ、曲げられ、および/または修正されなければならない。特に、隣接するセルのタブ端子は、互いに接触するように、反対方向に曲げられる必要がある。このような曲げには、2段階の双方向機械タブ圧延プロセスが必要である。これは、より長く、高価な製造プロセスにつながっている。2つの連続した独立した工程でタブ端子を曲げ延ばす(rolling)と、タブ端子間のミスマッチとエアギャップが増加する。エアギャップとミスマッチは、セルのタブ端子間の接触面積を減少させる。これにより、溶接の完全性を低下させている。これは、早期のバッテリー故障につながる。さらに、隣接するセルのタブ端子を反対方向に曲げることにより、隣接するセルを互いにどの位近づけて積み重ねることができるかが制限される。それによって、バッテリーのパッケージサイズを増大させている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一例では、上記の問題は、バッテリーセルによって少なくとも部分的に対処される。このバッテリーセルは、セルタブ支持体の下で第1の方向に曲げられ、セルタブ支持体の上部で第1の方向に曲げ延ばされた第1の電極端子と、セルタブ支持体の下で第1の方向と反対の第2の方向に曲げられ、セルタブ支持体上で第1の方向に曲げ延ばされた第2の電極端子とを含む。第2の電極端子は、第1の電極端子よりもセルタブ支持体の下でより曲げられる。
【0006】
さらに別の例では、バッテリーは、セルタブ支持体と、複数のスタック(stacked)バッテリーセルとを含む。複数のスタックバッテリーセルのそれぞれは、セルタブ支持体の下で、反対方向に曲げられ、反対に帯電された2つの電極タブ端子と、突出部とを含む。突出部は、セルタブ支持体から突出し、セルタブ支持体上で同じ方向に曲げられる。各セルのタブ端子の1つは、他のタブ端子よりも大きく曲げられる。セルは、大きく曲げられたタブ端子が隣接するセルの、あまり曲げられていないタブ端子に接するように積み重ねられる。タブ端子は、大きく曲げられたタブ端子を含むセルに向かって、セルタブ支持体の上で曲げ戻される。
【0007】
別の例では、バッテリーセルを電気的に接続する方法は、セルを積み重ねる前に、第1の方向に各セルの第1の電極タブを曲げる工程と、反対の第2の方向に各セルの第2の電極タブを曲げる工程と、セルを積み重ねる工程と、セルタブ支持体上で第1の方向にセルの電極タブを曲げ延ばす工程と、を含む。
【発明の効果】
【0008】
このように、各セルのセルタブ端子を反対方向に事前に曲げることにより、溶接される隣接したセルのセルタブ端子は、端子がセルタブ支持体上で一緒に曲げ延ばされる前に、互いに面共有接触する。セルタブ支持体上で既に接触している端子を共に曲げ延ばすと、端子間の表面接触が増加し、端子間のエアギャップが減少し、その結果、タブ端子間の後の溶接の完全性が向上する。
【0009】
さらに、1つのセルの大きく曲げられた端子が隣接するセルのあまり曲げられていない端子に当接するようにセルを積み重ね、そして、(大きく曲げられたタブ端子が元々曲げられた方向と反対方向に)大きく曲げられた端子を含むセルに向かって、隣接するセルのタブ端子を曲げ戻すことによって、セル間の距離が減少する。したがって、セルの積層密度が増加する。それによって、バッテリーのサイズが低減する。
【0010】
さらに、上記の方法でセルを事前に曲げて、積み重ねることにより、バッテリーのセルのすべてのセル端子は、ともに、同時に、そして、一方向に曲げ延ばされる。こうして、製造時間と費用を削減している。
【0011】
上記の概要は、詳細な説明でさらに説明される概念の選択を簡略化した形で紹介するために提供されることを理解されたい。特許請求の範囲に記載された発明の重要なまたは本質的な特徴を特定することを意図するものではない。その範囲は、詳細な説明に続く特許請求の範囲によって一意に定義される。さらに、特許請求の範囲に記載された発明は、上記または本開示の任意の部分で示された欠点を解決する実施形態に限定されない。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1A】
図1Aは、本開示の実施形態による、バッテリーの電気化学セルの予め折り曲げられたタブ端子の側面等角図を示す。
【0013】
【
図1B】
図1Bは、本開示の実施形態による、
図1Aの電気化学セルの予め折り曲げられたタブ端子の正面等角図を示す。
【0014】
【
図2】
図2は、本開示の実施形態による、予め折り曲げられたタブ端子の例示的な曲げプロファイルを含む、
図1の予め折り曲げられたタブ端子の側面等角図を示す。
【0015】
【
図3】
図3は、本開示の実施形態による、
図1A~2のバッテリーのバッテリーセルの例示的なスタック構成を示す。
【0016】
【
図4】
図4は、本開示の実施形態による、アレイを形成するために積み重ねられた、
図1A~2の複数の電気化学セルの側面等角図を示す。
【0017】
【
図5】
図5は、本開示の実施形態による、各セルのタブ端子のうちの1つのみが露出された状態の、
図4のアレイのスタック電気化学セルの断面図を示す。
【0018】
【
図6】
図6は、本開示の実施形態による、ハウジング内に含まれる、
図4のバッテリーセルアレイの上面等角図を示す。
【0019】
【
図7】
図7は、本開示の実施形態による、セルタブ端子が延びるセルタブ支持体を含む、
図6のアレイおよびハウジングの上面等角図を示す。
【0020】
【
図8】
図8は、本開示の一実施形態による、各セルのタブ端子のうちの1つのみが露出された、
図7の組み立てられたアレイ、ハウジング、およびセルタブ支持体の断面図を示す。
【0021】
【
図9】
図9は、本開示の一実施形態による、セルタブ端子がセルタブ支持体上に折り曲げられた状態の、
図7の組み立てられたアレイ、ハウジングおよびセルタブ支持体の上面等角図を示す。
【0022】
【
図10】
図10は、本開示の一実施形態による、セルタブ端子がセルタブ支持体上に折り曲げられた状態の、
図9の組み立てられたアレイ、ハウジングおよびセルタブ支持体の断面図を示す。
【0023】
【
図11】
図11は、本開示の実施形態による、
図4~10のセルアレイを含む完全に組み立てられたバッテリーの側面等角図を示す。
【0024】
【
図12】
図12は、本開示の一実施形態による、予め折り曲げられたセルタブ端子を含むバッテリー(例えば、
図11のバッテリーなど)を組み立てるための例示的な方法のフローチャートを示す。
【0025】
図1A~11は、縮尺通りに描かれているが、必要に応じて、他の相対的な寸法が使用されてもよい。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下の説明は、バッテリーを組み立てるためのシステムおよび方法に関する。特に、本開示は、電極タブ(本明細書では、セルタブ端子とも呼ばれる)を含むバッテリーセルを積み重ね、溶接するプロセスに関する。バッテリーセルのタブ端子をバスバーとともに溶接すると、エアギャップとセルタブ端子のミスマッチ(不整合)とにより、溶接される表面間の接触面積が減少する。これにより、結果として生じる溶接の完全性を低下させる。しかし、
図1A~2の例に示されるように、バッテリーセルタブ端子は、セルスタッキング(cell stacking)の前に、予め折り曲げられて、溶接タブ端子間の接触面積を増大させる。したがって、溶接の完全性を増大させる。たとえば、セルの負および正のセルタブ端子は、反対方向に曲げられる。タブ端子の一方は、他のタブ端子よりも大きく曲げられる。その結果、大きく曲げられたタブ端子の端部は、あまり曲げられていないタブ端子より、セルポーチの中心からよりずれる(offset)。特に、特定のセルの各セルタブ端子は、隣接するセルのセルタブ端子に向かって曲げられる。しかし、各セルの2つのセルタブ端子は、異なる隣接するセルに向かって、反対方向に曲げられる。したがって、セルタブ端子の1つは、セルから第1の隣接セルに向かって第1の方向にオフセット(offset)される。他のセルタブ端子は、セルから第2の隣接セルに向かって、第1の方向と反対の第2の方向にオフセットされる。この第2の隣接セルは、第1の隣接セルとセルの反対側に位置される。このようにして、隣接するセルの反対に帯電したタブ端子は、
図4の例に示されるように、セルが積み重ねられたとき、整列し、互いに面共有接触する。
【0027】
複数のバッテリーセルは、
図3に示される例示的なスタッキング構成のように、一緒に積み重ねられる。
図4および
図5は、セルが積み重ねられた後、溶接される隣接セルのバッテリーセルタブ端子が互いにどのように位置するかの例を示す。積み重ねられた場合、タブ端子は、面共有接触で、互いに平らになる。このようにして、タブ端子は、積み重ねられる前に、タブ端子が事前に折り曲げられていない例よりも、互いにより整列し、平行になる。隣接する面共有タブ端子の端部は、小さく曲げられたタブ端子のセルに近い。
【0028】
一旦積み重ねられると、
図6に示されるように、バッテリーセルは、ハウジング内に配置される。セルタブ支持体をセルタブ端子上に取り付ける。その結果、
図7および
図8の例に示すように、端子は、セルタブ支持体を通って延びる。次に、
図9および
図10の例に示すように、隣接するセルのセルタブ端子をグループで、セルタブ支持体上で折り曲げ、溶接する。タブ端子は、大きく曲げられたタブ端子が積み重ねられる前に、最初に曲げられた方向とは反対の方向(例えば、あまり曲げられていないタブ端子が積み重ねられる前に、最初に曲げられたのと同じ方向)に曲げられる。この方法でセルタブ端子を事前に曲げてから、大きく曲げられたタブ端子が最初に曲げられた方向とは反対の方向に、隣接するセルのタブ端子を曲げ戻すことにより、セル間の距離は減少する。したがって、セルのスタッキング密度が増加する。それによって、バッテリーのサイズを低減させている。次に、蓋またはカバーをハウジングに結合して、
図11の例に示すように、完全に組み立てられたバッテリーを形成する。
図12は、
図11のバッテリーなどのバッテリーを組み立てるための例示的な方法を示す。
【0029】
バッテリーセルのタブ端子を事前に折り曲げることにより、セルタブ間の接触面積、および溶接の完全性が向上する。そして、バッテリーのパッケージサイズが縮小する。バッテリーは、家庭用、自動車用、産業用などを含む様々な用途に使用され、様々な電圧と電流を生成するように設計される。
【0030】
図1A~11は、ほぼ縮尺通りに描かれており、バッテリー115のコンポーネントの相対的なサイズおよび位置を示している。また、
図1A~11は、垂直軸103と、水平軸105と、横軸107とを含む軸システム101を示す。軸システム101は、バッテリー115のコンポーネントの相対的な位置決めを参照するために使用される。例えば、コンポーネントは、垂直軸103に対して互いに「上」または「下」と呼ばれる。例えば、第2のコンポーネントの「上」に位置すると言われる第1のコンポーネントは、第2のコンポーネントよりも、垂直軸103の正方向にさらに進んで位置する。別の例として、コンポーネントは、水平軸105に対して互いに「左へ」および「右へ」と呼ばれる。別の例として、コンポーネントは、横軸107に対して互いに「前」または「後」と呼ばれる。例えば、第2のコンポーネントの「前」に位置すると言われる第1のコンポーネントは、第2のコンポーネントよりも横軸107の正の方向にさらに進んで位置する。垂直方向のコンポーネントの動きおよび相対的位置は、垂直軸103に沿ったコンポーネントの動きおよび/または空間的関係をいう。水平方向のコンポーネントの動きおよび相対的位置は、水平軸105に沿ったコンポーネントの動きおよび/または空間的関係をいう。横方向のコンポーネントの動きおよび相対的位置は、横軸107に沿ったコンポーネントの動きおよび/または空間的関係をいう。
【0031】
さらに、
図1~11は、様々なコンポーネントの相対的な位置を備えた構成例を示す。互いに直接接触している、または直接接続していることが示されている場合、そのような要素は、少なくとも一例では、それぞれ直接接触または直接接続していると呼ばれる。同様に、互いに接触または隣接して示される要素は、少なくとも一例では、それぞれ互いに接触または隣接していると呼ばれる。一例として、互いに面を共有する接触状態にあるコンポーネントは、面共有接触と呼ばれる。別の例として、少なくとも1つの例では、間に空間のみを有し、他のコンポーネントはない状態で、互いに離れて配置された要素は、そのように呼ばれる。さらに別の例として、互いの上または下、互いの反対側、または互いの左右に示される要素は、互いに対して、そのように呼ばれる。さらに、図に示すように、少なくとも1つの例において、最上部の要素または要素の点は、コンポーネントの「上部」と呼ばれる。最下部の要素または要素の点は、コンポーネントの「底部」と呼ばれる。本明細書で使用されるように、上部/底部、上側/下側、上/下は、図の垂直軸に対するものであり、図の要素の互いに対する位置を説明するために使用される。したがって、一例では、他の要素の上に示される要素は、他の要素の上に垂直に位置される。さらに、別の例として、図内に描かれた要素の形状は、それらの形状を有すると呼ばれる(例えば、円形、直線、平面、湾曲、丸み、面取り、角度など)。また、少なくとも1つの例では、互いに交差するように示される要素は、交差する要素または互いに交差すると呼ばれる。さらに、一例において、別の要素内に示される要素、または、別の要素の外側に示される要素は、そのように呼ばれる。
【0032】
ここで、
図1Aを参照すると、
図1Aは、バッテリー115のバッテリーセル125のバッテリーセルタブ端子の第1の側面等角図を示す。特に、
図1Aは、バッテリーセル125を他のバッテリーセルと積み重ねる前に、セルタブ端子がどのように予め曲げられる(以下、本明細書では「事前折り曲げ」とも呼ばれる)かの例を示す。
図1Aに示されるタブ端子の例示的な事前曲げパターンは、バッテリーのセルを電気的に接続する溶接部の耐久性を高めながら、得られるバッテリーパックの全体の体積を低減する。
【0033】
各バッテリーセル125は、セル本体ハウジング152内に含まれる電極(例えば、アノードおよびカソード)と、セル本体ハウジング152から外側に延びる、反対に帯電した電極端子とを含む。したがって、各バッテリーセル125は、負極端子および正極端子を含む。
図1Aに示される例示的なバッテリーセル125は、反対に帯電した2つの電極端子100、150を含む。好ましい実施形態では、第1の電極端子100は、例えば、アルミニウムを含む正極端子である。第2の電極端子150は、例えば、銅を含む負極端子である。しかしながら、他の実施形態では、電極の電荷を逆にしてもよい。すなわち、第1の電極端子100は、代わりに、負極端子を含んでもよく、第2の電極端子150は、正極端子を含んでもよい。第1および第2の電極端子100および150は、それぞれ、セル本体ハウジング152から外側に延びるタブとして構成される。したがって、本明細書では、それぞれ、第1および第2のセルタブ端子100および150とも呼ばれる。
【0034】
図1A~11の例では、バッテリーセルは、角柱型またはポーチタイプのバッテリーセルとして構成される。電極のハウジング152は、ポーチを含む。したがって、ハウジング152は、本明細書では、ポーチ152とも呼ばれる。しかしながら、円筒形セルなどの他のタイプのバッテリーセルが使用されてもよい。したがって、ハウジング152は、そのような例において、ポーチではない。様々な材料および試薬を使用して、セルポーチ152を作成する。ポーチ152は、電解質の損失を低減するために、シールされたエッジを有し、比較的平坦である。
【0035】
2つのセルタブ端子100および150は、実質的に平坦であり、セルポーチ152の中心面と同一平面にある。セルポーチ152の中心面は、垂直軸103および水平軸105によって画定される平面に平行であり、ポーチ152の中心を通過する。したがって、2つのセルタブ端子100および150は、ポーチ152に接続される。その結果、端子100および150は、ポーチ152の前面160(
図1Aに示されないが、
図1Bと
図3の下に示され説明される)と、後面(rear facing surface)162(
図1Aに示されないが、
図3の下に示され説明される)と、から実質的に等距離になる。第1のセルタブ端子100は、第2のセルタブ端子150よりもさらに垂直に延びている。その結果、第1のセルタブ端子100が隣接するセルの第2のセルタブ端子150上で曲げられると、隣接するセルのタブ端子の端部が整列する。本明細書で説明するように、タブの事前折り曲げ構成と組み合わせて、一方のタブ端子の長さが長いことにより、タブ端子を効率的かつ効果的に結合することができるとともに、事前折り曲げタブ端子をより小さなパック構成に組み立てることができる。しかし、他の例では、第1のセルタブ端子100は、第2のセルタブ端子150とポーチ152の上の同じ垂直高さまで延びてもよい。
【0036】
セルタブ端子100および150は、0.001mmから0.4mm以上の厚さの範囲を有し、1つ以上の実質的に平坦な表面を含む。いくつかの例では、セルタブ端子100および150の厚さは、それぞれ、それらの基部102および132からそれらの上端(top edges)104および134まで均一である。しかしながら、他の例では、端子100および150の厚さは、それらの基部からそれらの上端まで変化する。いくつかの例では、セルタブ端子100および150の厚さは、互いに同じであってもよいが、他の例では、異なっていてもよい。
【0037】
第1のセルタブ端子100は、前面106と、前面106の反対側の後面108とを有する。さらに、第1のセルタブ端子100は、周辺サイドエッジ(側端)110および112を含む。それらの側端は、厚さが異なっていても、上述されたような厚さで均一であってもよい。タブ端子100の基部102は、ポーチ152に物理的に接続される。したがって、セルタブ端子100は、ポーチ152からタブ端子100の上端104まで外側に延びる。特に、タブ端子100は、電極の一方と一体的に形成される。したがって、タブ端子100は、電極の一方の一部または端部を形成し、ポーチ152から外に延びる。第1の側端110は、第2のセルタブ端子150に面する。一方、反対の第2の側端112は、第2のセルタブ端子150とは反対側に面している。
【0038】
同様に、第2のセルタブ端子150は、前面136と、前面136の反対側の後面138とを有する。さらに、第2のセルタブ端子150は、周辺サイドエッジ(側端)140および142を含む。それらの側端は、厚さが異なっていても、上述されたような厚さで均一であってもよい。タブ端子150の基部132は、ポーチ152に物理的に接続される。したがって、セルタブ端子150は、ポーチ152からタブ端子150の上端134まで外側に延びる。特に、タブ端子150は、電極の一方と一体的に形成される。したがって、タブ端子150は、電極の一方の一部または端部を形成し、ポーチ152から外に延びる。第1の側端140は、第1のセルタブ端子100とは反対側に面している。一方、反対の第2の側端142は、第1のセルタブ端子100に面する。
【0039】
図1Aの例に示されるように、第1および第2のセルタブ端子100および150は、セルスタッキングの前に、異なって曲げられ/折り曲げられる。特に、両方の端子100および150は、2つの屈曲部を含むが、端子100および150は、反対方向および/または異なる曲げ角で曲げられる。端子100および150は、それぞれ、下側の第1の屈曲部109および139と、上側の第2の屈曲部111および141とを含む。下側の第1の屈曲部109および139は、それぞれ、上側の第2の屈曲部111および141よりも、基部102および132に近接して配置される。端子100および150の屈曲部は、端子100および150の3つのセクションを画定する。例えば、第1のセルタブ端子100は、下部第1のセクション113、中間第2のセクション115、および上部第3のセクション117を備える。同様に、第2のセルタブ端子150は、下部第1のセクション143、中間第2のセクション145、および上部の第3のセクション147を含む。
【0040】
第1のセクション113および143は、それぞれ、基部102および132から、第1の屈曲部109および139まで延びる。第2のセクション115および145は、それぞれ、第1の屈曲部109および139から、第2の屈曲部111および141まで延びる。第3のセクション115および145は、それぞれ、第2の屈曲部111および141から、上端104および134まで延びる。
【0041】
第1のセルタブ端子100の第1および第2の屈曲部109および111の曲げ角は、ほぼ同じであるが、反対方向である。その結果、第1のセルタブ端子100の第1および第3のセクション113および117は、互いに実質的に平行である。一方、中間第2セクション115は、第1および第2屈曲部109および111のため、第1および第3セクション113および117に対して、角度付けされている。例えば、第1および第3セクション113および117は、ポーチ152の中心面および垂直軸103に対して、実質的に平行である。
【0042】
同様に、第2のセルタブ端子150の第1および第2の屈曲部139および141の曲げ角は、ほぼ同じであるが、反対方向である。その結果、第1および第3のセクション143および147は、それぞれ、互いに実質的に平行である。一方、中間第2のセクション145は、第1および第2の屈曲部139および141のため、第1および第3のセクション143および147に対して、角度付けされている。例えば、第1および第3のセクション143および147は、ポーチ152の中心面および垂直軸103に対して、実質的に平行である。したがって、第2のセルタブ端子140の第1および第3のセクション143および147は、第1のセルタブ端子の第1および第3のセクション113および117と実質的に平行である。
【0043】
しかしながら、第1のセルタブ端子100の屈曲部109および111の曲げ角は、垂直軸103に対して、第2のセルタブ端子150の屈曲部139および141の曲げ角より小さい。したがって、第2のタブ端子150は、垂直軸103に対して第1のセルタブ端子100よりも曲げられている。したがって、第2のセルタブ端子150の第3のセクション147は、横軸107に対して、第1のセルタブ端子100の第3のセクション117よりもポーチ152の中心面からさらにずれる。すなわち、第1のセルタブ端子100の第3のセクション117は、第2のセルタブ端子150の第3のセクション147が第2のセルタブ端子150の第1のセクション143に対するよりも、第1のセルタブ端子100の第1のセクション113に対して、横方向(例えば、横軸107に対して)により近い。
【0044】
さらに、第1および第2のセルタブ端子100および150は、反対方向に曲げられている。第2のセルタブ端子150の第1の屈曲部139は、垂直軸103に対して、より大きな正の曲げ角(例えば、+60°)を含む。第1のセルタブ端子100の第1の屈曲部109は、垂直軸103に対して、より小さな負の曲げ角(例えば、-30°)を含む。したがって、第1のセルタブ端子100は、ポーチ152の前面160に向かって、第1の屈曲部109で第1の方向に(例えば、
図1Aの例では反時計回りに)に曲げられる。その結果、第2および第3のセクション115および117は、横軸107の正の方向にずれる。一方、第2のセルタブ端子150は、ポーチ152の後面162に向かって、第1の屈曲部109で反対の第2の方向(
図1Aの例では、時計回り)に曲げられる。その結果、第2および第3のセクション145および147は、横軸107の負の方向にずれる。
【0045】
したがって、第1のセルタブ端子100の第1の屈曲部109は、横軸107の正の方向に向かって、垂直軸103から離れて端子100を曲げる。そして、第2の屈曲部111は、端子100を垂直(実質的に、垂直軸103に対して平行)に曲げ戻す。同様に、第2のセルタブ端子150の第1の屈曲部139は、垂直軸103から離れ、横軸107の負の方向に向かって端子150を曲げる。そして、第2の屈曲部141は、端子150を垂直に曲げ戻す。このようにして、2つの端子100および150の第2のセクション115および145は、互いに平行ではなく、互いに角度付けされている。なぜなら、第2のセルタブ端子150は、第1のセルタブ端子よりも大きく曲げられているからである。さらに、タブ端子100および150の中間セクション115および145は、垂直軸103に対して、反対方向に角度付けされる。
【0046】
このようにして、第2のセルタブ端子150は、第1のセルタブ端子150よりもタブの表面に沿って測定されたより大きな全長(例えば、大きく折り曲げられていない長さ)を有する。しかしながら、事前に折り曲げたとき、
図1Aの例に示されるように、第1のセルタブ端子100は、上記で説明したように、第2のセルタブ端子150に対して、より高いまたはほぼ等しい高さを有する。したがって、第1のセルタブ端子100の上端104は、第2のセルタブ端子100の上端134に対して、垂直的に上にあるか、または、ほぼ等しい。
【0047】
しかしながら、他の実施形態では、第1および第2のセルタブ端子100は、セルスタッキングの前に、同じまたは同様の方法で曲げられることを理解されたい。
【0048】
セルポーチ152は、アノード電極およびカソード電極を含む金属箔ポーチを含む。いくつかの例で、バッテリー115は、再充電可能なバッテリーを含む。例えば、バッテリー115は、リチウムイオン電池を含む。セルポーチ152は、放電中に負極から正極に移動するリチウムイオンを含む。カソードは、アルミニウムまたは他の適切な正集電体に結合された電気活性化合物または混合物を含む。カソードのセグメントは、電極タブスリット120から突出し、タブ端子100または150の1つを形成する。アノードは、銅、銅めっきアルミニウム、ニッケル箔または他の適切な負集電体に結合した電気活性化合物または混合物を含む。アノードのセグメントは、電極タブスリット120から突出し、タブ端子100または150の1つを形成する。したがって、タブ端子100および150は、それぞれ、それらの基部102および132で、タブスリットを通って突出する。
【0049】
セルポーチ152は、イオン輸送のための媒体を提供する電解液またはゲルを含む。ポーチは、ポーチ152の上端158に沿って配置された2つの電極スリット120を有する長方形の形状である。セルポーチ152は、真空シールされ、電極スリット120を除くすべての側面にシール端154を含む。スリーブ122は、スリット120から上方に突出している。これは、突出しているタブ100および150の基部102および132を覆う。スリーブ122は、タブ100および150の周りにしっかりと密封される。これにより、電解質がバッテリーセル125から逃げることを防ぎ、ポーチ152によって汚染物質を保持する。
【0050】
ここで、
図1Bを参照すると、
図1Bは、
図1Aのバッテリーセル125のセルタブ端子100および150の正面等角図を示す。第1のセルタブ端子100は、ポーチ152の前面160に向かって曲げられる。第2のセルタブ端子150は、後面162に向かって、ポーチ152の前面160から離れて曲げられる。
【0051】
図2に戻って、
図2は、複数のセルを積み重ねる前のセルタブ端子100および150の例示的な曲げプロファイルを示す。特に、
図2は、第1のセルタブ端子100の屈曲部109および111と、第2のセルタブ端子150の屈曲部139および141との例示的な曲げ角を示す。点線XおよびX’は、曲げ角を示すために、垂直軸103に平行に描かれている。したがって、
図2の例では、点線XおよびX’は、それぞれ、第1および第2のセルタブ端子100および150の第1のセクション113および143と、第3のセクション117および147とに平行である。
【0052】
第1のセルタブ端子100は、第1の曲げ角θ
1で第1の屈曲部109によって、前面160に向かって曲げられる。したがって、第1のセルタブ端子100は、第1の屈曲部109で第1の曲げ角θ
1によって、
図2の例において、反時計回りに曲げられる。第1のセルタブ端子100は、第2の屈曲部111での第1の曲げ角θ
1の大きさにより、垂直(
図2の例で、時計回り)に向かって曲げ戻される。その結果、第1および第3のセクション113および117は、互いに実質的に平行になる。したがって、第2のセクション115は、第1の曲げ角θ
1によって影響され、垂直軸103に対して角度付けされている。
【0053】
同様に、第2のセルタブ端子150は、第2の曲げ角θ
1で第1の屈曲部139で曲げられる。しかし、第2のセルタブ端子150は、第1のセルタブ端子100の第1の屈曲部109とは反対方向に、第1の屈曲部139でおよび/またはより大きな第2の曲げ角θ
2で曲げられる。したがって、第2のセルタブ端子150は、第1の屈曲部139で第2の曲げ角θ
2によって、
図2の例において、時計回りに曲げられる。第2のセルタブ端子150は、第2の屈曲部141で第2の曲げ角θ
2の大きさにより、垂直(
図2の例で、反時計回り)に向かって曲げ戻される。その結果、第1および第3のセクション143および147は、互いに実質的に平行になる。したがって、第2のセクション145は、第2の曲げ角θ
2によって影響され、垂直軸103に対して角度付けされている。
【0054】
第1の曲げ角θ
1は、約0から50°の間の角度または角度範囲を含む。第2の曲げ角θ
2は、5から70°の間の角度または角度範囲を含む。したがって、第2の曲げ角θ
2は、第1の曲げ角θ
1より大きい。そのため、第2のセルタブ端子150の第3のセクション147は、第1のセルタブ端子100の第3のセクション117より、横軸107に対して、タブ端子100および150の第1のセクション113および143からよりオフセットする(例えば、さらにずれる)。したがって、セルは、
図3~11を参照して後述されるように、セル125のいずれか一方の側に積み重ねられる。第2のセルタブ端子150の第3のセクション147は、第1のセルタブ端子の第3のセクション117がセルの反対側で、前面160の隣に位置された隣接スタックセルに対してあるより、セル125の後面162の隣に位置された隣接スタックセルにより近い。
【0055】
複数のセルポーチの電極が上記の説明に従って折り曲げられた後、複数のセルは、一緒に積み重ねられる。一例では、
図3の例の下に示されるように、セルは、互いに直列に接続できるように、交互に積み重ねられる。したがって、
図3の例では、複数のセルポーチは、各セルポーチの後面が別のセルポーチの後面に当接し、各セルポーチの前面が別のセルポーチの前面に当接するように配置される。
【0056】
図3に続き、
図3は、複数のバッテリーセル(例えば、
図1A~2を参照して上述したバッテリーセル125など)を積み重ねるための例示的なスタッキング構成の分解
図300を示す。
図3に示すように、バッテリーセルは、バッテリーセル125の後面162が隣接バッテリーセル125の後面162に面するように、交互に積み重ねられる。同様に、バッテリーセル125の前面160は、隣接バッテリーセル125の前面160に直面する。このようにして、端子100および150の向きは、隣接するセルで逆にされる。このスタッキング構成により、バッテリーセルを互いに直列に接続することができる。しかしながら、他のスタッキング構成は、並列に、1つまたは複数のセルを追加的または代替的に接続するために可能である。コンプライアンスパッド308は、各バッテリーセル125の間に含まれる。これにより、バッテリーセルの振動および相対運動を低減することができる。コンプライアンスパッド308は、さらに熱を拡散させる。コンプライアンスパッド308は、セルスタックの全体積を過度に増大させないように、バッテリーセルの幅および高さ以下の幅および高さを有する。コンプライアンスパッド308は、発泡体または別のコンプライアンス材料から生成される。コンプライアンスパッド308は、最初に積み重ねられたバッテリーセルの前および最後に積み重ねられたバッテリーセルの後に配置される。
【0057】
図4を参照すると、
図4は、アレイ400を形成するために、
図3で上述したスタッキング構成に従って積層された複数のバッテリーセル(例えば、
図1A~3を参照して上述したバッテリーセル125など)を示す。積み重ねられたとき、隣接するセルのタブ端子100および150は、面共有接触で、互いに平らになっている。特に、所与のセル125について、第1のセルタブ端子100は、セル125の前(横軸107に沿った正方向)に配置された、隣接セルの第2のセルタブ端子150に向かって曲がる。第2のセルタブ端子100は、セル125の後方(横軸107に沿って負の方向)に位置された、他の隣接するセルの第1のセルタブ端子150に向かって、反対方向に曲がる。こうして、各セル125のセルタブ端子100および150は、隣接するセルの反対に帯電した(正と負)端子と面共有接触する。タブ端子100および150は、セル125の反対側に位置された、隣接セルの異なる端子と面共有接触する。
【0058】
しかしながら、アレイ400は、アレイ400の前部403および後部405を画定するエンドプレート410を含む。エンドプレート410は、アレイ400の前後に配置されている。エンドプレート410は、バッテリーセルとほぼ同じ幅またはそれより小さい幅である。エンドプレート410は、セルスタックの全体積を過度に増加させないように、バッテリーセルよりも高いか低い高さを含む。エンドプレート410は、金属および/またはプラスチックを含む。エンドプレート410に隣接するアレイ400の端に位置するセルは、隣接するセルのセルタブ端子に物理的に接触する一方のセルタブ端子のみを有する。一方、他方のタブ端子は、バスバーおよび/またはバッテリー端子に接続される。したがって、一方のエンドプレート410がセルの一方の側に配置されるため、アレイの端部に配置されたセルは、1つのセルのみに隣接する。
【0059】
さらに、アレイ400の端部に位置するバッテリーセルの一方または両方のセルタブ端子の一方は、他のセルタブ端子とは異なって曲げられている。
図4の例では、アレイ400の前部403に位置するエンドプレートに隣接する、アレイ400の左に最も遠い(横軸107の正の方向に最も遠い)セルは、アレイ400の他のすべてのセルが含むように、第2のセルタブ端子150を含む。しかしながら、アレイ400の他のセルのような典型的な第1のセルタブ端子100を含む代わりに、第1のエンドセル125aは、第1のエンドセルタブ端子402を含む。この第1のエンドセルタブ端子402は、第1のセルタブ端子100と同じまたは同様に機能する(第1のセルタブ端子100と同じ電荷(正または負)を含む)。また、第1のエンドセルタブ端子402は、第1のセルタブ端子100と同じ材料を含む。しかし、第1のエンドセルタブ端子402は、第1のセルタブ端子100とは異なる曲げプロファイルを含む。特に、エンドセルタブ端子402は、第1のセルタブ端子100とは反対方向(第2のセルタブ端子150と同じ方向)に曲がり、アレイ400のパッケージサイズを小さくする。したがって、端子402は、エンドプレート410の近くからより離れて、アレイ400の前部403から離れて、アレイ400の内部に向かって曲げられる。別の言い方をすれば、端子402は、隣接するセルに向かって曲げられる。
【0060】
いくつかの例では、エンドセルタブ端子402の曲げプロファイルは、
図1および
図2で上述した第2のセルタブ端子150の曲げプロファイルと同一または類似であってもよい。しかし、他の例では、エンドセルタブ端子402の第1および第2の屈曲部409および411の曲げ角はそれぞれ、第2セルタブ端子150の曲げ角とは異なっている。一例として、エンドセルタブ端子402は、第2のセルタブ端子150よりも曲げが小さい。特に、エンドセルタブ端子402の屈曲部409および411の曲げ角は、第1のセルタブ端子100の曲げ角とほぼ同じである。しかし、端子402は、第1のセルタブ端子100と反対方向に曲げられる。すなわち、エンドセルタブ端子402の向きは、第1のセルタブ端子100に対して180度反転されている。
【0061】
図4の例では、アレイ400の後部405に位置するエンドプレートに隣接する、アレイ400の右に最も遠い(横軸107の負方向に最も遠い)セルは、アレイ400内の他のすべてのセル(第1のエンドセル125aを除く)が含むように、第1のセルタブ端子100を含む。しかしながら、アレイ400の他のセルのような典型的な第2のセルタブ端子150を含む代わりに、第2のエンドセル125bは、第2のエンドセルタブ端子404を含む。第2のエンドセルタブ端子404は、第2のセルタブ端子150と同じまたは同様に機能する(第2のセルタブ端子150と同じ電荷(正または負)を含む)。また、第2のエンドセルタブ端子404、第2のセルタブ端子150と同じ材料を含む。しかし、第2のエンドセルタブ端子404は、第2のセルタブ端子150とは異なる曲げプロファイルを含む。特に、エンドセルタブ端子404は、第2のセルタブ端子150と同じ方向に曲げられる。しかしながら、エンドセルタブ端子404は、垂直軸103に対してより小さい曲げ角で曲げられる。したがって、端子404は、エンドプレート410のより近くに向かって、アレイ400の後部405に向かって、そして、アレイ400の内部から離れて曲げられる。別の言い方をすれば、端子404は、隣接するセルから離れるように曲げられる。
【0062】
したがって、エンドセルタブ端子404は、第2のセルタブ端子150よりも小さく曲げられる。したがって、エンドセルタブ端子404の第3のセクション447は、第2のセルタブ端子150の第3のセクション147が第1のセクション143対してあるより、タブ端子404の第1のセクション443により近くなる(セルのポーチの中心面から横方向に少なくずれる)。他の第2のセルタブ端子よりも小さく曲げられるエンドセルタブ端子404の曲げプロファイルを調整することは、アレイ400のパッケージサイズを縮小する。なぜなら、第2のセルタブ端子150の曲げプロファイルが使用されたら、アレイ400の後部405にあるエンドプレートは、セル125bの近くに配置されるからである。
【0063】
一例において、エンドセルタブ端子402は、正タブ端子を含み、バスバーおよび/またはバッテリーの正端子(正極)に接続される。したがって、エンドセルタブ端子402は、バッテリーの正極端を形成する。さらに、第2のエンドセルタブ端子404は、負タブ端子を含み、バスバーおよび/またはバッテリーの負端子(負極)に接続される。したがって、第2のエンドセルタブ端子404は、バッテリーの負極端を形成する。
【0064】
図5は、
図4で上述したアレイ400の断面図を示す。各セルの1つのタブ端子のみが露出している。セル125の第2のセルタブ端子150の第3のセクション147は、セル125の後ろに位置する隣接セルの第1のセルタブ端子100の第3のセクション117と面共有接触している。そして、セル125の第3のセクション117は、セル125の前に位置する他の隣接するセルの第2のセルタブ端子150の第3のセクション147と面共有接触している。特に、各第1のセルタブ端子100の前面106(
図5には示されていないが、
図1Aで示され上述される)は、隣接する後部セルの第2のセルタブ端子150の後面138と直接面共有接触している。したがって、積み重ねられるとき、セルの第3のセクション117および147は、互いに面共有接触している。
【0065】
別の言い方をすれば、各セル125の第2のセルタブ端子150の第3のセクション147は、その後のバッテリーセルの第1のセルタブ端子100の第3のセクション117に接触し、それに対して平らである。さらに、各セル125の第1のセルタブ端子100の第3のセクション117は、その前のバッテリーセルの第2のセルタブ端子150の第3のセクション147に接触し、それに対して平らである。したがって、端子100および150は、積み重ねる前に予め曲げられる。その結果、隣接するセルの反対に帯電した端子の一部(例えば、第3のセクション117および147)は、端子を隔てる距離に及ぶ。別の言い方をすれば、端子100および150の屈曲部は、ある量によって、隣接するセルの第3のセクション117および147を横方向にずれる。その結果、積み重ねたときに、第3のセクション117および147は、隣接するセルの第1のセクション113および143を隔てる距離にある(span)。それゆえ、隣接するセルの第3のセクション117および147は、互いに面共有接触するようになる。したがって、隣接するセルの第3のセクション117および147の間に隙間がない。その結果、各セルの第3のセクション117全体は、前方に直接位置された隣接するセルの第3のセクション147と、直接、物理的に面共有接触する。
【0066】
図5に示されるように、第2のセルタブ端子150が第1のセルタブ端子100よりもさらに曲がるので、
図1Aおよび
図2を参照して上述されるように、面共有接触している隣接セルの第1および第2のセルタブ端子100および150は、第2のセルタブ端子150のセルよりも第1のセルタブ端子100のセルに近接して互いに物理的に接触する。したがって、隣接するセルの端子間の接触点は、横軸107に対して、第2のセルタブ端子150を含むセルよりも第1のセルタブ端子100を含むセルに近い。
【0067】
別の言い方をすれば、各第2のセルタブ端子150の第1の屈曲部139により、中間第2のセクション145が第2のセルタブ端子150の第1のセクション143と、隣接するセルの第1のセルタブ端子100の第1のセクション113との間の距離の大部分を横断することができる。その第1のセルタブ端子100に、第2のセルタブ端子150は、面共有接触する。したがって、第1のセルタブ端子100の第2のセクション115は、第2のセルタブ端子150の第2のセクション145とは反対方向で、横方向により小さい距離を横断する。
【0068】
このように電極タブを折り曲げることにより、タブ端子間の接続面積が増大する。バッテリーシステム全体のサイズを小さくするために、この構成に対する2つの例外(およびいくつかの例において2つの例外のみ)がアレイ400内に存在する。最前面のセルおよび最後面のセルは、
図4を参照して上記で説明したように、アレイ400内の他のセルの端子と同じパターンで曲がらないセルタブ端子を含む。
【0069】
図6は、ハウジング600内に含まれる、
図4および5のバッテリーセルアレイ400の上面等角図を示す。ハウジング600は、一例として、プラスチックから構成される。ハウジング600は、コンプライアンスパッド308およびエンドプレート410を含むセルアレイ400がハウジング600内に適合し、ハウジング600内でシフトまたは移動しないように構成される。ハウジングは、熱伝達を改善するための1つまたは複数のフィンを有する。さらに、ハウジングをさらなるモジュールハウジングと組み合わせるために、接続スロットが提供される。
【0070】
図7は、セルタブ支持体702を含む、
図6で上に示されたバッテリーと同じ等角図を示す。セルタブ支持体702は、プラスチックまたは他の非導電性材料を含む。そのため、セルタブ支持体702は、電流を運ばない。
【0071】
セルタブ支持体702は、端子100および150が延びるスリット701を含む。特に、
図6を参照して上述したように、隣接するセルの反対に帯電した端子の第3のセクション117および147(
図7には図示せず)は、互いに面共有接触して、接触対708を形成する。隣接する端子100および150のこれらの接触対708は、セルタブ支持体702のスリット701を通って延びる。したがって、セルタブ支持体702は、アレイ400上に配置される。その結果、セルの第3のセクション117および147は、支持体702のスリット701を通って延びる。スリット701間の距離は、セルタブ端子100および150がセルタブ支持体702を通って突出する距離よりも大きい。その結果、支持体702上で折り曲げられたとき、異なる接触対708のセルタブ端子100および150は、互いに接触しない。
【0072】
対になっていない第1のエンドセルタブ端子402と、対になっていない第2のエンドセルタブ端子404は、セルタブ支持体702から突出している。第1バスバー703は、第1のエンドセルタブ端子402の前方でセルタブ支持体702の上部に含まれる。次に、第1のエンドセルタブ端子402は、端子402をバスバー703に電気的に接続するために、第1のバスバー703の上で下に折り畳まれる。バスバー703は、反対側の端部で、第1のバッテリー端子704に電気的に接続される。したがって、バスバー703は、エンドセルタブ端子402を第1のバッテリー端子704に電気的に接続する。
【0073】
同様に、第2のバスバー705は、第2のエンドセルタブ端子404の前方で、セルタブ支持体702の上部に含まれる。次に、第2のエンドセルタブ端子404は、端子404をバスバー705に電気的に接続するために、第2のバスバー705上で下に折り曲げられる。バスバー705は、反対側の端部で、第2のバッテリー端子706に電気的に接続される。したがって、バスバー705は、エンドセルタブ端子404を第2のバッテリー端子706に電気的に接続する。
【0074】
バッテリー端子704および706は、バッテリー115の端子を形成する。したがって、バッテリー端子704および706は、電荷が反対である。一方の端子は、バッテリー115の正極端であり、他方の端子は、バッテリー115の負極端である。一例として、次に、バッテリー115は、様々な車両電気システムに電力を提供し、および/または、例えば、ワイヤーまたはケーブルを介して、バッテリー115の端子704および706を所望の車両コンポーネントに電気的に接続することにより、車両車輪に駆動トルクを提供する。
【0075】
図7の例に示すように、バスバーは、セルタブ支持体702と、エンドセルタブ端子402と、404との間にのみ含まれる。したがって、バスバーは、支持体702の上(例えば、支持体702と端子100および150との間など)のどこにも含まれない。このようにして、セルタブ端子100および150は、互いの面共有接触を介して、セル間で電流を運ぶ。しかしながら、他の例では、バスバーは、支持体702と、端子100と、端子150との間に含まれる。端子100および150は、バスバーがバッテリー115の電流の少なくとも一部を運ぶように、バスバーに接続される。
【0076】
セルタブ支持体702はまた、くぼみ(indentation)710、または、他の構造を提供してもよい。他の構造において、回路(例えば、フレキシブルプリント回路、基板間コネクタ、コネクタ支持体および/またはサーミスタなど)が重ねられる。
【0077】
図8は、
図7の組み立てられた、アレイ400と、ハウジング600と、セルタブ支持体702との断面図を示す。各セルから1つのタブ端子のみが露出されている。したがって、
図8は、ハウジング600およびセルタブ支持体702が含まれることを除いて、
図5と同じまたは同様のアレイ400の図を示す。
図8に示されるように、端子100および150の接触対708は、セルタブ支持体702を通って延びる。その結果、端子100、150、402、および404の突出部802は、セルタブ支持体702を通って延びる。
図8の例に示されるように、端子100、150、402、および404の突出部802は、垂直に整列し、互いに平行である。次に、端子100、150、402、および404の突出部802は、
図9および
図10で後述するように、セルタブ支持体702上で曲げられ/延ばされる。
【0078】
図9は、セルタブ端子100、150、402、および404がセルタブ支持体702上に曲げ延ばされた(rolled)後の、組み立てられたアレイ、ハウジング600、およびセルタブ支持体702の上面等角図を示す。
図9は、タブ端子100、150、402、および404がセルタブ支持体702上で折り曲げられて示されていることを除いて、
図7と同じまたは類似のバッテリー115の図を示す。第1のエンドセルタブ端子402は、第1のバスバー703上に曲げられ、バスバー703と面共有接触する。同様に、第2のエンドセルタブ端子404は、第2のバスバー705上に曲げられ、バスバー705と面共有接触する。このようにして、第1の端子704は、第1のエンドセルタブ端子402に電気的に接続される。第2の端子706は、第2のエンドセルタブ端子404に電気的に接続される。
【0079】
また、
図9の例では、セルタブ端子100、150、402、および404は、セルタブ支持体702上で同じ方向に折り曲げられる。特に、セルタブ端子100、150、402、および404は、第1のセルタブ端子100が積み重ねる前に最初に折り曲げられた(例えば、予め折り曲げられた)のと同じ方向に、そして、第2のセルタブ端子150が最初に折り曲げられたのと反対方向に、折り曲げられる。したがって、端子100、150、402、および404は、横軸107に対して前方に曲げられる。端子100、150、402、および404は、
図7に示されるそれらの垂直位置に対して、約90度曲げられる。端子100、150、402、および404は、機械ローラによって、セルタブ支持体702上で曲げられ、または延ばされる。スタックキング前にセルを事前に折り曲げることにより、積み重ねられたときに隣接するセルの端子が互いに面共有接触するように、端子100、150、402、および404は、同じ方向にすべて一緒に延ばされる。したがって、機械ローラは、1つの一方向の動きで、ほぼ同じステップで、すべての端子を曲げ延ばす。
【0080】
各第2のセルタブ端子150は、セルタブ支持体702と第1のセルタブ端子100との間に配置される。したがって、各第1のセルタブ端子100がスタッキング前に元々曲げられていた第1の方向に、接触対708を曲げることにより、各第1のセルタブ端子100は、第1のセルタブ端子を含むセルの直前に位置する隣接するセルの第2のセルタブ端子150の上部で折り畳まれる。
【0081】
図9の例では、第2のセルタブ端子150は、第1のセルタブ端子100よりも広い。すなわち、第2のセルタブ端子150は、第1のセルタブ端子100よりも水平軸105に沿ってさらに延びる。したがって、各第2のセルタブ端子150の少なくとも一部は、第1のセルタブ端子100によって覆われていない。次に、第1のセルタブ端子100によって覆われていないままの第2のセルタブ端子150の表面積は、第2のセルタブ端子150をバスバーまたは他の電気接続(例えば、フレックス回路またはサーミスタなど)に接続するために使用される。例えば、銅の電気接続は、端子100および150の上に配置され、1つまたは複数の端子100および/または150に溶接される。負極端子の材料組成により、銅の接続要素が負極端子に直接溶接されると、銅の接続要素とセルタブ端子との間の溶接の完全性が向上する。例えば、負極材料は、銅を含む。その銅は、正極端子の材料(例えば、アルミニウムなど)よりも銅接続要素とより耐久性のある溶接を提供する。
【0082】
したがって、セルタブ端子150が負極端子を含み、したがって、銅などの材料を含む例において、セルタブ端子150と、端子150の上部に配置された電気接続との間の溶接部の溶接完全性は、端子150よりも狭いセルタブ端子100を構築することにより、増大する。これにより、セルがセルタブ支持体702上に折り曲げられたとき、端子150の一部が露出したままになることができる。その後、銅接続要素は、第1のセルタブ端子100によって覆われていないままの第2のセルタブ端子150の露出表面積に直接溶接される。端子100が端子150と同じ幅であり、端子150の後面138が露出しない例において、銅の接続部は、端子100に溶接されなければならない。端子100は正極端子を含み、したがって、材料(例えば、アルミニウムなど)を含む例において、銅接続部とアルミニウム端子100との間の後の溶接の溶接完全性は、銅接続部と銅端子との間の溶接部の溶接完全性に比べて低下する。
【0083】
図10を参照すると、
図10は、
図9の組み立てられたアレイ、ハウジング、およびセルタブ支持体の断面図を示す。セルタブ端子100、150、402、および404は、セルタブ支持体702上に折り曲げられている。
図10の例に示されるように、端子100、150、402、および404は、第1の方向(
図10の例では時計回り)に、約90度折り曲げられている。その第1の方向において、第1のセルタブ端子100は、スタッキング前に、元々折り曲げられている。したがって、各セル125の第2のセルタブ端子150は、それが延びるセルポーチ152に向かって、スタッキング前に元々曲げられていた反対方向に曲げ戻される。第2のセルタブ端子150は、スタッキング前に、第2の方向にポーチ152から離れて予め曲げられており、そして、スタッキング後に第2の方向とは反対の第1の方向に曲げ戻されるので、タブ端子150の横方向の全変位は、削減される。例えば、
図10の例に示すように、第2のセルタブ端子150の上端134は、端子150がセルタブ支持体702上に曲げられた後、タブ端子150の第1のセクション143とほぼ整列する。したがって、端子150が曲げられる横方向の全変位を減少させることにより、例(端子150がスタッキング前に事前に折り曲げられていない、および/または、端子150がスタッキング前後で反対方向に曲げられていない)と比較して、隣接するセル間の距離は減少し、セルの充填密度は増大し、バッテリー115の全体のパッケージサイズは減少する。
【0084】
したがって、端子100、150、402、および404は、セルタブ支持体702の上部1002に約90°折り曲げられまたは曲げられる。その結果、セルタブ端子100の突出部802(
図10ではラベル付けされていないが、
図8でラベル付けされて説明されている)は、平らに押し曲げられ、セルタブ端子150の突出部802の上部は平らになる。
図4~
図7に示すように、隣接するセルのタブ端子100および150の第3のセクション117および147(
図10ではラベル付けされていないが、
図1A、
図2および
図5では上記でラベル付けされている)は、互いに面共有接触しており、セルを積み重ねると、互いに平らになる。端子100および150がセルタブ支持体702の上に延ばされるので、隣接するセルの第3のセクション117および147は、互いに密接な接触を保つ。なぜなら、それらは、セルタブ支持体702の上で共に(同時に)折り曲げられるからである。したがって、端子100および150の接触対708がセルタブ支持体702上に端子100および150を曲げ延ばす前に、互いに平らになるように、セルを事前に折り曲げ、セルを積み重ねることにより、端子100と端子100との間のより密接な接触は、端子100および150がセルタブ支持体702上に曲げ延ばされた後、維持され、達成される。いくつかの例では、タブ端子100、150、402、および404のかなりの部分は、セルタブ支持体702上で平らである。
【0085】
したがって、端子100および150は、セルタブ支持体702上に端子100および150を曲げる第3の屈曲部1004を含む。第3の屈曲部1004は、
図2で上述された、屈曲部109、111、139および141の第1および第2の曲げ角より大きい曲げ角を含む。例えば、第3の屈曲部1004は、いくつかの例では、約90度の曲げ角を含む。特に、第3の屈曲部1004は、セルタブ支持体702上で、端子100、150、402、および404のそれぞれの突出部802を曲げる。
【0086】
いくつかの例では、端子100および150の接触対708は、一緒に溶接されなくてもよく、セルタブ支持体702上に折り曲げられた後、互いに十分な表面接触によって互いに電気的に接続されてもよい。しかしながら、別の例では、隣接するセルの端子100および150は、例えば、レーザー重ね溶接を使用して、一緒に溶接される。
【0087】
図11は、完全に組み立てられたバッテリー115の側面等角図を示す。蓋またはカバー1100は、ハウジング600に結合されている。蓋110は、ねじ、ボルトなどの締結具によって、ハウジング600に結合されている。
【0088】
図12は、
図11のバッテリー115などの予め折り曲げられたセルタブ端子を含むバッテリーを組み立てるための例示的な方法1200のフローチャートを示す。方法1200は、1202で始まる。1202は、第1の方向に第1のセルタブ端子(例えば、
図1A~11で上述した第1のセルタブ端子100)を曲げ、反対の第2の方向に第2のセルタブ端子(例えば、
図1A~1で上述した第2のセルタブ端子150)を曲げることで、反対方向にバッテリーセル(例えば、
図1A~11で上述したセル125)のタブ端子(例えば、
図1A~11で上述したタブ端子100および150)を折り曲げる工程を含む。例えば、1202で方法1200は、第1のセルタブ端子を反時計回りに曲げる工程と、第2のセルタブ端子を時計回りに曲げる工程とを含む。さらに、1202で方法1200は、第2のセルタブ端子を第1のセルタブ端子よりも大きい角度に曲げる工程を含む。したがって、第2のセルタブ端子は、第1のセルタブ端子よりも曲がっている。
【0089】
次に、方法1200は、1204に続く。1204は、
図3で上述したものと同じまたは同様の方法で、交互配向で事前に折り曲げられたタブ端子と複数のセルを積み重ねる工程を含む。特に、セルは、隣接するセルについて、セルの反対に帯電した端子が互いに隣接するように積み重ねられる。次に、方法1200は、1206に進む。1206は、セルをハウジング(例えば、
図6で上述したハウジング600)に挿入する工程を含む。セルをハウジング内に配置した後、セルタブ支持体(例えば、
図7~11で上述したセルタブ支持体702)は、タブ端子上に配置される。その結果、タブ端子は、セルタブ支持体のスロット(例えば、
図7で上述されたスリット701)を通って延びる。
【0090】
次いで、方法1200は、1208から1210に進む。そこで、セルタブ支持体を通って延びるセルタブ端子の一部を、セルタブ支持体上で第1の方向に一方向に一緒に曲げ延ばす工程を含む。こうして、セルタブ支持体の上方に延びるセルタブ端子の一部は、第2のセルタブ支持体が積み重ねる前に元々曲げられていた方向とは反対の方向に、セルタブ支持体上に延ばされ/曲げられる。その後、方法1200は終了する。
【0091】
一実施形態では、システムは、第1のバッテリーセルと、第2のバッテリーセルと、第3のバッテリーセルとを含む。3つのバッテリーセルはそれぞれ、バッテリーセルの一方から突出する、反対に帯電した2つのセルタブ端子を含む。3つのバッテリーセルは、積み重ねられる。それらのタブ端子はすべて、バッテリーセルの積み重ねられたグループから同じ方向に延びる。第2のバッテリーセルは、第1のバッテリーセルと第3のバッテリーセルとの間に配置されている。しかし、第2のバッテリーセルは、そのバッテリーセルが第1および第3のバッテリーセルのような方向を向くように、第1および第3のバッテリーセルに対して反転されている。しかし、そのバッテリーセルセルは、第2のバッテリーセルの各バッテリーセルタブ端子が第1および第3のバッテリーセルの反対に帯電されたバッテリーセルタブ端子と整列するように、反対方向に向けられている。各セルの2つのセルタブ端子は、隣接するセルの反対に帯電した端子が互いに向かって曲げられるように、反対方向にセルからオフセットされる。つまり、第2のバッテリーセルの負のセルタブ端子が第3のバッテリーセルに向かってオフセットされている場合、第3のバッテリーセルの正のセルタブ端子は、第2のバッテリーセルに向かってオフセットされる。その結果、それは、積み重ねられたときの第2のバッテリーセルの負のセルタブ端子と面共有接触する。さらに、上記の例では、第2のバッテリーセルの正のセルタブ端子は、第1のバッテリーセルに向かってオフセットされる。第1のバッテリーセルの負のセルタブ端子は、第2のバッテリーセルに向かってオフセットされる。その結果、第1のバッテリーセルの負のセルタブ端子と、第2のバッテリーセルの正のセルタブ端子は、積み重ねられたとき、互いに面共有接触する。
【0092】
したがって、角柱型バッテリーセルのタブ端子を事前に折り曲げることにより、隣接するセルの端子間の表面積接触の量を増やす。具体的には、タブ端子の端部が端子の基部からずれるように、セルのタブ端子を事前に折り曲げることにより、隣接するセルの端子は、隣接して積み重ねられたセルタブ端子を隔てる距離にあり、したがって、互いに物理的に接触する。このように、端子の不整合および溶接される端子間のエアギャップが低減される。したがって、バッテリーセルの端子間の溶接の完全性を高め、バッテリーの寿命を延ばすという技術的効果は、セルを積み重ねる前に、タブ端子を事前に折り曲げることにより得られる。
【0093】
さらに、スタッキング前にセルのタブ端子の一方を他方よりも大きく曲げ、次に、大きく曲げられた端子がスタッキング前に元々曲げられていた方向と反対の方向に、隣接するセルの端子の接触対を一緒に曲げることにより、セル間の距離が削減される。したがって、バッテリーのパッケージサイズは、削減される。
【0094】
さらに、隣接するセルのセルタブ端子は、セルタブ支持体上に端子を曲げ延ばす前にすでに互いに接触しているため、バッテリーのすべてのセルタブ端子は、一方向に一度に曲げ延ばされる。したがって、隣接するセルの端子は、物理的に互いに接触し、積み重ねられたときに互いに対して平らになるので、事前に折り曲げられた形状が原因で、端子は、1つの機械タブ圧延プロセスによりペアで一緒に曲げ延ばされる。したがって、すべてのタブ端子をほぼ同時に一方向に圧延できるタブ端子形状を提供することにより、製造時間と費用を削減する技術的効果が達成される。さらに、隣接するセルの端子は、セルタブ支持体上に曲げ延ばされる前に、すでに互いに平らな状態にあるため、セルが一緒に曲げ延ばされるときに、隣接する端子間の表面積接触が維持される。したがって、セルが曲げ延ばされた後のセル間の表面積の接触量は、隣接するセルの端子が別々におよび/または連続して曲げ延ばされるアプローチに比べて増大する。
【0095】
以下の特許請求の範囲は、新規かつ非自明と見なされる特定のコンビネーションおよびサブコンビネーションを特に指摘する。これらの請求項は、「an」要素または「第1の(a first)」要素またはそれらの同等物に言及する。そのような請求項は、2つ以上のそのような要素を必要とすることも除外することもない、1つまたは複数のそのような要素の組み込みを含むと理解されるべきである。開示された特徴、機能、要素、および/または特性の他のコンビネーションおよびサブコンビネーションは、本請求項の修正を通じて、または、本出願または関連出願における新しい請求項の提示を通じて請求される。そのような請求項は、元の請求項よりも広い、狭い、等しい、または異なる範囲であっても、本開示の主題内に含まれるものとみなされる。