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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-16
(45)【発行日】2024-07-24
(54)【発明の名称】無線充電装置
(51)【国際特許分類】
   H02J 7/00 20060101AFI20240717BHJP
   H05K 7/20 20060101ALI20240717BHJP
   H02J 50/10 20160101ALI20240717BHJP
   H02J 50/40 20160101ALI20240717BHJP
【FI】
H02J7/00 301D
H05K7/20 H
H02J50/10
H02J50/40
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2023085831
(22)【出願日】2023-05-24
(65)【公開番号】P2024020136
(43)【公開日】2024-02-14
【審査請求日】2023-05-24
(31)【優先権主張番号】63/394,010
(32)【優先日】2022-08-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】597054127
【氏名又は名称】英業達股▲ふん▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100125265
【弁理士】
【氏名又は名称】貝塚 亮平
(72)【発明者】
【氏名】シャオ チーチェン
【審査官】高野 誠治
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-043721(JP,A)
【文献】特開2022-080618(JP,A)
【文献】特開2022-122262(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2021/0185854(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2021/0050741(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2018/0224909(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 7/00 - 7/12
H02J 7/34 - 7/36
H02J 50/00 -50/90
H05K 7/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
2つの電子装置を充電することに用いられる無線充電装置であって、
内部空間と、少なくとも1つの空気入口と、空気出口と、支持面とを有し、前記少なくとも1つの空気入口と前記空気出口は前記内部空間に接続し、前記支持面は2つの配置領域を有し、前記支持面は前記内部空間に反対向き、前記少なくとも1つの空気入口は前記2つの配置領域の間に位置し、前記2つの配置領域は前記2つの電子装置の配置に供することに用いられる、外殻と、
前記内部空間に設けられ、前記2つの配置領域に対応する、無線充電モジュールと、
前記内部空間内に設けられ、前記少なくとも1つの空気入口から空気を前記内部空間に吸い込み、前記空気出口により空気を吹き出すことに用いられる、ファンと、
を含む、無線充電装置。
【請求項2】
前記外殻に接続して前記内部空間内に位置する分離素子を更に含み、前記分離素子は前記内部空間を排水路と電子素子収容領域とに分け、前記外殻は少なくとも1つの排水口を更に有し、前記少なくとも1つの空気入口と前記少なくとも1つの排水口は前記排水路に接続し、前記空気出口は前記電子素子収容領域に接続し、前記無線充電モジュールの少なくとも一部と前記ファンは前記電子素子収容領域に位置する、請求項1に記載の無線充電装置。
【請求項3】
前記外殻は前記支持面に反対向く内上面と、前記内上面に向く内下面と、遮水壁とを有し、前記空気出口と前記少なくとも1つの排水口はいずれも前記内下面に位置し、前記遮水壁は前記内下面から隆起し、前記分離素子は前記内上面に固定され、前記分離素子と前記内下面との間には開口が形成され、前記遮水壁は前記開口を遮る、請求項2に記載の無線充電装置。
【請求項4】
前記分離素子は排水槽を有し、前記外殻は内側面を更に有し、前記内側面は前記内上面と前記内下面とを繋げ、前記内上面と、前記内下面と、前記内側面と、前記排水槽とはともに前記排水路を形成し、前記排水槽は連接する幅広部と幅狭部とを有し、前記幅広部の幅は前記幅狭部の幅より大きく、前記幅狭部は前記幅広部より前記内側面から離れる、請求項3に記載の無線充電装置。
【請求項5】
前記排水槽はテーパー部を更に有し、前記テーパー部は前記幅広部と前記幅狭部を繋げ、前記テーパー部の幅は前記幅狭部から前記幅広部への方向に沿って広がる、請求項4に記載の無線充電装置。
【請求項6】
前記幅広部の深さは前記幅狭部の深さより大きく、前記テーパー部の深さは前記幅狭部から前記幅広部への方向に沿って広がる、請求項5に記載の無線充電装置。
【請求項7】
前記遮水壁は前記内下面を第一の領域と第二の領域とに分け、前記第一の領域の少なくとも一部は前記排水路に対応し、前記第二の領域は前記電子素子収容領域に対応し、前記第一の領域は少なくとも1つの排水斜面を有し、前記少なくとも1つの排水斜面は相対的な第一の側と第二の側を有し、前記第一の側から前記内上面までの距離は前記第二の側から前記内上面までの距離より小さく、前記第二の側は前記第一の側と前記少なくとも1つの排水口との間に位置する、請求項3に記載の無線充電装置。
【請求項8】
前記少なくとも1つの排水口の数と前記少なくとも1つの排水斜面の数はいずれも2つであり、前記2つの排水斜面は互いに対称し、前記2つの排水斜面は前記2つの排水口の間に位置する、請求項7に記載の無線充電装置。
【請求項9】
前記外殻はハウジングと、エアガイドとを含み、前記内部空間と、前記空気出口と、前記支持面とは前記ハウジングに位置し、前記ハウジングは少なくとも1つの接続穴を有し、前記少なくとも1つの接続穴は前記支持面上に位置し、前記2つの配置領域の間に位置し、前記エアガイドはシールド部と壁部とを含み、前記壁部は前記シールド部の周囲に接続し、前記壁部は前記シールド部とともにガイド空間を形成し、前記壁部は前記シールド部から離れる側に複数の凹部を有し、前記壁部は前記支持面に当接して前記少なくとも1つの接続穴の周囲に位置し、前記少なくとも1つの空気入口の数は複数個であり、前記空気入口はそれぞれに前記凹部のところに形成され、前記空気入口は前記ガイド空間と前記少なくとも1つの接続穴を介して前記内部空間に接続する、請求項1に記載の無線充電装置。
【請求項10】
前記少なくとも1つの接続穴の数は2つであり、前記凹部の数は4つであり、前記空気入口の数は4つであり、2つの前記空気入口は一方の前記接続穴の両側に相対的に位置し、別の2つの前記空気入口は他方の前記接続穴の両側に相対的に位置する、請求項9に記載の無線充電装置。
【請求項11】
複数のネジを更に含み、前記エアガイドは前記ネジにより前記ハウジングに固定される、請求項9に記載の無線充電装置。
【請求項12】
2つの支持クッションを更に含み、前記2つの支持クッションはそれぞれ前記2つの配置領域に設けられ、前記2つの支持クッションのそれぞれは複数の突出構造を有し、前記複数の突出構造は前記2つの電子装置を支持することに用いられ、前記複数の突出構造は前記少なくとも1つの空気入口に向く複数の流路を形成する、請求項1に記載の無線充電装置。
【請求項13】
前記支持クッションのそれぞれにおいて、前記複数の突出構造は三角形状のバンプであり、それぞれに互いに平行な第一の直線と、第二の直線と、第三の直線と、第四の直線とに沿って配列し、前記第二の直線及び前記第三の直線は前記第一の直線と前記第四の直線との間に位置し、前記第一の直線及び前記第三の直線に位置する一部の前記複数の突出構造の角は第一の方向に向き、前記第二の直線及び前記第四の直線に配列する別の一部の前記複数の突出構造の角は第二の方向に向き、前記第一の方向と前記第二の方向とは反対であり、前記第一の直線及び前記第二の直線に位置する一部の前記複数の突出構造は千鳥に配列し、前記第三の直線及び前記第四の直線に位置する別の一部の前記複数の突出構造は千鳥に配列する、請求項12に記載の無線充電装置。
【請求項14】
前記第一の直線と、前記第二の直線と、前記第三の直線と、前記第四の直線とは前記少なくとも1つの空気入口が位置する平面に対して平行である、請求項13に記載の無線充電装置。
【請求項15】
前記無線充電モジュールは回路板とそれぞれに前記2つの配置領域に対応する2つのコイルパックとを含み、前記回路板は前記2つのコイルパックより前記ファンに近く、前記回路板は前記ファンの入風側の近隣にある少なくとも1つの熱源を有する、請求項1に記載の無線充電装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、充電装置に関し、特に、無線充電装置に関する。
【背景技術】
【0002】
科学技術の発展と進歩に伴い、現在、例えば、スマートフォンやタブレットコンピュータなどの携帯設備は、車両用アプリケーションプログラム(例えば、car play)により車両用電子制御システムと接続して使用することができる。ユーザーが携帯設備の電源切れを心配する必要がないようにするため、無線充電装置はさらに車両に適用することで、携帯設備が車両用アプリケーションプログラムにより電子制御システムと接続されつつ、無線充電装置上に置かれて充電できることが可能となる。
【0003】
携帯設備が無線充電装置上に置かれて充電する過程では、無線充電装置は熱量を発生し携帯設備も熱量を発生する。この2つの熱量が重なる場合には、無線充電装置の充電効果を低下させる可能性がある。したがって、この分野の研究者は前記問題を解決することに取り組んでいる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、自身から発生した熱量及び携帯設備から発生した熱量が充電効果に影響を与えることを回避可能な無線充電装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の実施例の1つに開示された無線充電装置は、2つの電子装置を充電することに用いられる。無線充電装置は、外殻と、無線充電モジュールと、ファンとを含む。外殻は内部空間と、少なくとも1つの空気入口と、空気出口と、支持面とを有し、空気入口及び空気出口は内部空間に接続し、支持面は内部空間に反対向き、支持面は2つの配置領域を有し、空気入口は2つの配置領域の間に位置し、2つの配置領域は2つの電子装置の配置に供することに用いられる。無線充電モジュールは、内部空間に設けられ、2つの配置領域に対応する。ファンは、内部空間内に設けられ、空気入口から空気を内部空間に吸い込み、空気出口により空気を吹き出すことに用いられる。
【0006】
上記実施例に開示の無線充電装置によれば、外殻における空気入口は2つの電子装置の配置に供する2つの配置領域の間に位置することにより、ファンが空気入口から空気を内部空間に吸い込む過程において、まず空気が電子装置の周囲を流れて、電子装置を放熱させ、続いて、空気が内部空間に入った後、無線充電モジュールを放熱させることができるため、電子装置と無線充電装置を適宜の温度に保つことが可能であり、充電効果を維持することができる。
【0007】
以上の本発明の内容に関する説明及び以下の実施形態の説明は、本発明の原理を展示、解釈することに用いられ、本発明の特許請求の範囲にさらなる解釈を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の第一の実施例により開示された無線充電装置を示す斜視模式図である。
図2図1の分解模式図である。
図3図2におけるエアガイドの斜視模式図である。
図4図2における分離素子の斜視模式図である。
図5図1の上面模式図である。
図6図5の切断線6―6に沿って示す断面模式図である。
図7図5の切断線7―7に沿って示す断面模式図である。
図8】気流が図1の無線充電装置を流れた圧力の分布模擬図である。
図9】気流が図1の無線充電装置を流れた流場の分布模擬図である。
図10】気流が図1の無線充電装置を流れた温度の分布模擬図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図1図2を参照する。図1は本発明の第一の実施例により開示された無線充電装置を示す斜視模式図である。図2図1の分解模式図である。
【0010】
本実施例では、無線充電装置1は2つの電子装置2を充電することに用いられ、電子装置2は、例えば、スマートフォンである。無線充電装置1は、外殻10と、無線充電モジュール20と、ファン30とを含む。なお、無線充電装置1は、分離素子40と、2つの支持クッション50とを更に含む。
【0011】
続いて、図2とともに図3図7を参照すると、図3図2におけるエアガイドの斜視模式図である。図4図2における分離素子の斜視模式図である。図5図1の上面模式図である。図6図5の切断線6―6に沿って示す断面模式図である。図7図5の切断線7―7に沿って示す断面模式図である。
【0012】
外殻10は、ハウジング11と、エアガイド12とを含む。ハウジング11は互いに組み立てる台111と、蓋112とを含み、台111は蓋112とともに内部空間113を形成する。蓋112は支持面1121と、内上面1122と、2つの接続穴1123とを有する。支持面1121は内部空間113に反対向き、支持面1121は2つの配置領域1121aを有する。内上面1122は支持面1121に反対向く。支持面1121における2つの配置領域1121aの間に位置する2つの接続穴1123は支持面1121と内上面1122とを貫通する 。エアガイド12は、シールド部121と、壁部122とを含む。壁部122はシールド部121の周囲に接続し、壁部122はシールド部121とともにガイド空間123を形成する。壁部122はシールド部121から離れる側に4つの凹部1221を有する。壁部122は支持面1121に当接して2つの接続穴1123の周囲に位置し、4つの凹部1221はそれぞれに支持面1121とともに4つの空気入口13を形成する。2つの空気入口13は一方の接続穴1123の両側に相対的に位置し、別の2つの空気入口13は他方の接続穴1123の両側に相対的に位置する。これらの空気入口13は、ガイド空間123と2つの接続穴1123を介して内部空間113に接続する。
【0013】
本実施例では、無線充電装置1は複数のネジ60を更に含む。エアガイド12は、例えば、ネジ60で蓋112に固定されるが、これに限らない。他の実施例では、エアガイドは粘着で蓋に固定される。
【0014】
なお、接続穴1123の数は2個であることに限らない。他の実施例では、接続穴の数は1個のみであってもよい。なお、エアガイド12は4つの凹部1221を有することに限らない。他の実施例では、エアガイドは2つの凹部のみを有し、支持面とともに2つの空気入口を形成してもよい。さらに、空気入口13はエアガイドと支持面とで形成されることに限らない。他の実施例では、空気入口は直接に支持面上に形成される。別の実施例では、空気入口の数は1個のみであってもよい。
【0015】
分離素子40は、ハウジング11における蓋112の内上面1122に固定されて、内部空間113を排水路1131と電子素子収容領域1132とに分け、電子素子収容領域1132は無線充電モジュール20とファン30とを収容する。これらの空気入口13はガイド空間123と、2つの接続穴1123と、排水路1131とを介して電子素子収容領域1132に接続する。
【0016】
さらには、分離素子40は、例えば、粘着でハウジング11における蓋112の内上面1122に固定される。分離素子40は排水槽41を有し、台111は内下面1111と内側面1112とを有する。内下面1111は内上面1122に向き、内側面1112は内上面1122と内下面1111とを繋げる。蓋112における内上面1122と、台111における内下面1111及び内側面1112と、排水槽41とともに排水路1131を形成し、分離素子40と台111における内下面1111との間には開口Oが形成され、開口Oは排水路1131と電子素子収容領域1132とを接続する。
【0017】
分離素子40の排水槽41は幅狭部411と、テーパー部412と、幅広部413とを有し、テーパー部412は幅広部413と幅狭部411とを繋げ、幅狭部411は幅広部413より内側面1112から離れる。幅広部413の幅D1は幅狭部411の幅D2より大きく、テーパー部412の幅は幅狭部411から幅広部413への方向に沿って広がる。なお、幅広部413の深さH1は幅狭部411の深さH2より大きく、テーパー部412の深さは幅狭部411から幅広部413への方向に沿って広がる。
【0018】
本実施例では、台111は、遮水壁1113と、複数の排水口1114と、空気出口1115とを更に有する。遮水壁1113は内下面1111から隆起し、開口Oを遮る。遮水壁1113は台111の内下面1111を第一の領域1111aと第二の領域1111bとに分け、第一の領域1111aの少なくとも一部は排水路1131に対応し、第二の領域1111bは電子素子収容領域1132に対応する。これらの排水口1114は第一の領域1111aに位置し、排水路1131に接続する。第一の領域1111aは2つの排水斜面1111cを有し、2つの排水斜面1111cのそれぞれは、相対的な第一の側1111dと第二の側1111eとを有する。第一の側1111dから内上面1122までの距離T1は第二の側1111eから内上面1122までの距離T2より小さい。2つの排水斜面1111cは対称して形成され、すなわち、2つの排水斜面1111cにおける2つの第一の側1111dは2つの第二の側1111eの間に位置する。2つの排水斜面1111cは一部の排水口1114と別の一部の排水口1114との間に位置し、排水斜面1111cのそれぞれにおける第二の側1111eは第一の側1111dと一部の排水口1114との間に位置する。空気出口1115は、第二の領域1111bに位置し、電子素子収容領域1132に接続する。
【0019】
本実施例では、遮水壁1113の設置により、空気入口13から排水路1131に入った水が第一の領域1111aに落ちた後、直接に電子素子収容領域1132に入ることが回避できるため、水が電子素子収容領域1132内の無線充電モジュール20とファン30に不利な影響を与えることが回避できる。
【0020】
さらに、排水斜面1111cの設置により、空気入口13から排水路1131に入った水が第一の領域1111aに落ちた後、排水斜面1111cで排水口1114から排出されるため、水が継続的に溜まって遮水壁1113から溢れることが回避できる。
【0021】
なお、排水斜面1111cと排水口1114の数は、本発明を限定するためではない。他の実施例では、排水斜面と排水口の数は、それぞれ1つのみであってもよい。
【0022】
本実施例では、分離素子40における排水槽41は幅と深さに差があるように設置され、排水路1131に入る水に対して、水を集中し導いて第一の領域1111aへ落ちる効果を有する。なお、分離素子40における排水槽41は幅と深さに差があることに限らない。他の実施例では、分離素子における排水槽は幅と深さが均一であってもよい。
【0023】
なお、分離素子40と、台111における遮水壁1113及び排水口1114とは任意に用いられる構造であり、排水や水の無線充電モジュール20及びファン30への影響の回避などの必要がなければ、分離素子40と、台111における遮水壁1113及び排水口1114とは省略することができる。
【0024】
無線充電モジュール20は、回路板21と、2つのコイルパック22とを含む。回路板21は台111に固定され、回路板21において台111の内下面1111に向く表面に複数の熱源211を有する。これらの熱源211は、例えば、チップなどの電子部品である。2つのコイルパック22は、回路板21に固定され、回路板21において台111の内下面1111から離れる側に位置する。2つのコイルパック22は蓋112の支持面1121における2つの配置領域1121aにそれぞれに対応し、2つのコイルパック22は2つの配置領域1121aに置いた2つの電子装置2をそれぞれに無線充電することに用いられる。
【0025】
ファン30は、例えば、軸流式ファン30である。ファン30は、台111に固定され、台111の空気出口1115に位置する。ファン30の入風側31は、回路板21の熱源211の近隣にある。これにより、入風側31からファン30に入った風は回路板21の熱源211を放熱させることができる。
【0026】
2つの支持クッション50は、例えば、ゴム材質である。2つの支持クッション50のそれぞれは、蓋112の支持面1121における2つの配置領域1211aに設けられる。2つの支持クッション50は同様な構造であるため、以下は1つの支持クッション50のみについて詳細に説明する。支持クッション50は複数の突出構造51を有し、これらの突出構造51は電子装置2を支持することに用いられ、これらの突出構造51は空気入口13に向く複数の流路52(図5における線分Cに沿う)を形成する。詳細には、これらの突出構造51は、三角形状のバンプであり、それぞれに互いに平行な第一の直線L1と、第二の直線L2と、第三の直線L3と、第四の直線L4とに沿って配列し、第一の直線L1と、第二の直線L2と、第三の直線L3と、第四の直線L4とは、空気入口13がある平面Sに対して平行であり、第二の直線L2及び第三の直線L3は第一の直線L1と第四の直線L4との間に位置し、第一の直線L1及び第三の直線L3に位置する一部の突出構造51の角511は第一の方向D1に向き、第二の直線L2及び第四の直線L4に位置する別の一部の突出構造51の角511は第二の方向D2に向き、第一の方向D1と第二の方向D2とは反対である。第一の直線L1及び第二の直線L2に位置する一部の突出構造51は千鳥に配列し、第三の直線L3及び第四の直線L4に位置する別の一部の突出構造51は千鳥に配列する。
【0027】
本実施例では、これらの突出構造51は、電子装置2を支持し、滑り止めの効果を提供することができる。なお、これらの突出構造51は電子装置2を持ち上げ、ファン30が作動する過程において、これらの突出構造51で形成される流路52により外部気流を電子装置2の底部から空気入口13へ導くことができる。
【0028】
なお、支持クッション50における突出構造51の配列方式及び形状は、本発明を限定するためではなく、必要に応じて任意に調整できる。
【0029】
本実施例では、2つの支持クッション50は対称する構造ではなく、同様な構造であるため、構造が対称する支持クッションを2種類生産する必要がなく、コストを抑えることができる。なお、支持クッション50も任意に用いられる素子であるため、省略することができる。
【0030】
ファン30の動作で、空気入口13から内部空間113に入った気流は排水路1131に沿って電子素子収容領域1132に入り、無線充電モジュール20の回路板21における熱源211とコイルパック22を放熱させ、無線充電効果を維持させる。続いて、ファン30は電子素子収容領域1132内の空気を外部へ吹き出す。また、気流が無線充電装置1を流れた圧力、流場、及び温度の分布模擬図については、図8~10を参照する。図8の圧力の分布図は、電子装置2と支持クッション50における突出構造51との間にある気流は、流動抵抗が低くて圧力が大きくないことを示す。図9の流場の分布図は、電子装置2と支持クッション50における突出構造51との間にある気流は流動抵抗が低いため、ファン30の作動で、電子装置2と支持クッション50との間及び分離素子40内にある気流の流速がより早いことにより、電子装置2が発生する熱を除去する速度を向上させることを示す。上述した無線充電装置1の構造配置について、図10の温度の分布図は、無線充電装置1の全体として温度がより均一であることを示す。
【0031】
このように、外殻10における空気入口13が2つの電子装置2の配置に供する2つの配置領域1121aの間に位置することにより、ファン30が空気入口13から空気を内部空間113に吸い込む過程において、まず空気が電子装置2の周囲を流れて、電子装置2を放熱させ、続いて、空気が内部空間113に入った後、無線充電モジュール20を放熱させることができるため、電子装置2と無線充電装置1を適宜の温度に保つことが可能であり、充電効果を維持することができる。
【0032】
上記実施例に開示の無線充電装置によれば、外殻における空気入口が2つの電子装置の配置に供する2つの配置領域の間に位置することにより、ファンが空気入口から空気を内部空間に吸い込む過程において、まず空気が電子装置の周囲を流れて、電子装置を放熱させ、続いて、空気が内部空間に入った後、無線充電モジュールを放熱させることができるため、電子装置と無線充電装置を適宜の温度に保つことが可能であり、充電効果を維持することができる。
【0033】
本発明の1つの実施例では、本発明の無線充電装置は、例えば、自動運転車、電動車、及び半自動運転車などの車載装置に適用できるものである。
【0034】
本発明は前記の好ましい実施例で上述のように開示されたが、これに限定されるものではない。本発明の精神と範囲を逸脱しない範囲において、あらゆる当業者は適切な変更・修飾を行うことができる。したがって、本発明の特許保護の範囲は、本明細書に添付する特許請求の範囲で特定されるものに準拠する。
【符号の説明】
【0035】
1:無線充電装置
2:電子装置
10:外殻
11:ハウジング
111:台
1111:内下面
1111a:第一の領域
1111b:第二の領域
1111c:排水斜面
1111d:第一の側
1111e:第二の側
1112:内側面
1113:遮水壁
1114:排水口
1115:空気出口
112:蓋
1121:支持面
1121a:配置領域
1122:内上面
1123:接続穴
113:内部空間
1131:排水路
1132:電子素子収容領域
12:エアガイド
121:シールド部
1221:凹部
122:壁部
123:ガイド空間
13:空気入口
20:無線充電モジュール
21:回路板
211:熱源
22:コイルパック
30:ファン
31:入風側
40:分離素子
41:排水槽
411:幅狭部
412:テーパー部
413:幅広部
50:支持クッション
51:突出構造
511:角
52:流路
60:ネジ
D1、D2:幅
H1、H2:深さ
O:開口
T1、T2:距離
L1:第一の直線
L2:第二の直線
L3:第三の直線
L4:第四の直線
S:平面
D1:第一の方向
D2:第二の方向
C:線分
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10